説明

遊技機用指示装置及びその遊技機用指示装置を備えた遊技機

【課題】 遊技機において順に行われるべき第1指示と第2指示のための第1信号と第2信号をそれぞれ発生させる操作を、独立して行い得ると共に同時に行うことができ、同時の場合、第1信号の発生の後で第2信号の発生が行われる遊技機用指示装置及び遊技機の提供。
【解決手段】 MAXBETレバー操作部60aとスタートレバー操作部70aは、独立して押下操作可能で、初期位置において同一高さで左右に近接する。各レバー部材Lの基端部に、透光部Tを有するMAXBET信号制御体60bと、全体が非透光部であるスタート信号制御体70bを設ける。MAXBET信号制御体60bは、透光部TがMAXBET信号用フォトインタラプタ62検出位置を上下動し、スタート信号制御体70bは、スタート信号用フォトインタラプタ72の検出位置を上下動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機において、最多払込可能枚数のメダルの払い込みや、その後で行われるべき、外周面に多種のシンボルが表示されたリールの回転開始等、順に行われるべき2種の処理について、その指示を行う信号を発生させるための操作部を有する遊技機用指示装置及びその遊技機用指示装置を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンは、保留されているメダルを払い込む指示を行う操作部として、1枚ずつ払い込むためのBETボタンの他に、遊技の状況に応じ、その際に払い込み可能なメダル枚数のうち最多の枚数を払い込む指示を行う操作部であるMAXBETボタンを有するものが多い。また、リール(回胴)の回転を開始させる指示を行う操作部であるスタートレバーを備える。
【0003】
スタートレバーを操作することによるリール回転開始の指示は、原則としてメダルが払い込まれた後で行われなければならないが、前回のゲームにおいてリプレイ(再遊技)に入賞した場合等、リプレイ(再遊技)状態である場合は、メダルの払い込みを受け付けず、スタートレバーの操作のみによりリールの回転が開始する。
【0004】
何れの場合でも、前回のゲームにおいてリールが回転を停止した後、次のゲームにおいてリールの回転が開始するまでの時間が所定時間以上であることが定められている場合は、その時間が経過する前にスタートレバーの操作を行ってもリールが回転を開始しない。
【0005】
そのため遊技者は、BETボタンやMAXBETボタンを繰り返して押したり、スタートレバーを何度も操作したりする。また、最近は、「RT」(リプレイタイム)、「ART」(アシストリプレイタイム)などが設けられたスロットマシンが多い。「RT」(リプレイタイム)、「ART」(アシストリプレイタイム)の状態では、数十ゲームから数百ゲーム、場合によれば数千ゲームにわたり、リプレイ(再遊技)に当選して入賞する確率が高い状態(例えば3分の1乃至10分の9のゲームにおいてリプレイが当選する状態)が継続する。
【0006】
従って、メダルの払い込みなしにスタートレバーの操作のみによりリールの回転が開始するゲームの割合が高くなり、そのようなゲームが連続することも生じるので、リプレイ(再遊技)以外の賞が入賞したり何も入賞しなかった場合でもメダルの払い込みを行わずにスタートレバーを操作してしまうことが往々にしてある。その場合は、BETボタンやMAXBETボタンの操作及びスタートレバーの操作をあらためて行うこととなる。
【0007】
このように、BETボタンやMAXBETボタンの操作及びスタートレバーの操作の回数は、必要以上に多くなりがちであり、それらの操作部の故障発生率が増大し、寿命が低下する原因となっていた。
【0008】
遊技者にとっても、ゲームを長時間にわたり繰り返し行う場合には、なるべく操作の回数が減ること、特に不要な操作の回数が減ることが望まれる。
【0009】
特許第3980415号公報には、「遊技に関連する少なくとも2つのスイッチ操作具を備えた遊技機において、
上記2つのスイッチ操作具は、互いに近接して配置されているとともに、操作方向が略同じ方向でかつ独立して操作可能に設けられており、
上記2つのスイッチ操作具のうち、一方のスイッチ操作具は、揺動可能に支持されたレバー部材の先端に操作部を有してなるレバー式のものであり、他方のスイッチ操作具は、この一方のスイッチ操作具のレバー部材上に揺動可能に支持されたレバー部材と、このレバー部材の先端に設けられかつ上記一方のスイッチ操作具の操作部上に重なり合うように配置された操作部とを有してなるレバー式のものであり、
上記一方のスイッチ操作具は、上記他方のスイッチ操作具が操作方向に移動してスイッチ動作をした後この他方のスイッチ操作具と一体的に操作方向に移動してスイッチ動作をするように設けられており、
上記2つのスイッチ操作具のレバー部材は、単一の支軸によりそれぞれ揺動可能に支持されていることを特徴とする遊技機」の発明が開示されている。
【0010】
この遊技機の場合、前記他方のスイッチ操作具の操作部を押下操作すると、他方のスイッチ操作具のみが操作方向に移動して先ずスイッチ動作をし、更に他方のスイッチ操作具の操作部の押下操作を続けると、他方のスイッチ操作具が、その下方に重なり合うように配置された一方のスイッチ操作具の位置に達し、他方のスイッチ操作具と共に一方のスイッチ操作具が操作方向に移動する状態となり、一方のスイッチ操作具がスイッチ動作をするに至るものである。
【0011】
従って、他方のスイッチ操作具のスイッチ動作と一方のスイッチ操作具のスイッチ動作の両者を行うには、二段階に押下操作を行う必要がある。また、他方のスイッチ操作具のスイッチ動作のみを独立に行うには、他方のスイッチ操作具を押下し過ぎて一方のスイッチ操作具のスイッチ動作に及ばないよう注意しなければならず、一方のスイッチ操作具のスイッチ動作のみを独立に行うには、他方のスイッチ操作具の下方に重なり合っている一方のスイッチ操作具のみを操作する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3980415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、スロットマシン等の遊技機において、順に行われるべき2種の処理についての指示である第1指示と第2指示をそれぞれ行う第1信号と第2信号をそれぞれ発生させるための操作を容易且つ確実に互いに独立して行い得ると共に、それらの操作を同時に行うことができ、その場合でも、第1信号の発生が行われた後で第2信号の発生が行われる遊技機用指示装置及びその遊技機用指示装置を備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1) 上記目的を達成する本発明の遊技機用指示装置は、
遊技者が遊技機に対し所定の指示を行う信号を発生させるための操作を行う第1操作部と第2操作部を有し、前記第2操作部に対する操作により行われる第2指示は、前記第1操作部に対する操作により行われる第1指示よりも後に行われる遊技機用指示装置であって、
前記第1操作部と第2操作部は、それぞれの所定の初期位置において互いに近接して位置し、それぞれ独立して操作可能であると共に、遊技者がそれらの操作部を片手で一体的に同時操作可能であり、遊技者の操作によりそれぞれ前記初期位置から所定方向に移動し得るものであり、
前記第1操作部及び第2操作部の移動に応じてそれぞれ移動する第1信号制御体及び第2信号制御体、前記第1信号制御体の所定の移動及び前記第2信号制御体の所定の移動をそれぞれ検出して第1指示を行うための第1信号の発生と第2指示を行うための第2信号の発生を行う第1検出部及び第2検出部、並びに第1信号及び第2信号にそれぞれ基づいて第1指示及び第2指示を行うための制御部を備え、
それぞれの初期位置に位置する前記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合に、前記第1指示が行われた後で、前記第2指示が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されており、および/または、制御部による第1指示と第2指示の間の時期調整が行われることを特徴とする。
【0015】
また本発明の遊技機は、本発明の遊技機用指示装置を備えたものである。
【0016】
第1操作部と第2操作部は、それぞれの所定の初期位置において互いに近接して位置し、それぞれ独立して操作可能である(すなわち、何れの一方の操作部を操作しても他方の操作部は操作されない)と共に、遊技者がそれらの操作部を片手で一体的に同時操作可能である。
【0017】
第1操作部と第2操作部を独立に操作する場合、遊技者は、先ず所定の初期位置に位置する第1操作部に対する操作を行った後、所定の初期位置に位置する第2操作部に対する操作を行うことにより、第1指示の後に第2指示を行うことができる。すなわち、先ず初期位置に位置する第1操作部を操作することにより、第1操作部が所定方向に移動し、それに応じて第1信号制御体が移動する。第1検出部は、第1信号制御体の所定の移動を検出すると、第1指示を行うための第1信号を発生させることができる。制御部は、第1信号に基づき第1指示を行う。その後、初期位置に位置する第2操作部を操作することにより、第2操作部が所定方向に移動し、それに応じて第2信号制御体が移動する。第2検出部は、第2信号制御体の所定の移動を検出すると、第2指示を行うための第2信号を発生させることができる。制御部は、第2信号に基づき第2指示を行う。
【0018】
一方、それぞれの初期位置に位置する前記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合には、第1指示が行われた後で、第2指示が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されており、および/または、制御部による第1指示と第2指示の間の時期調整が行われる。
【0019】
すなわち、それぞれの初期位置に位置する前記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合、第1操作部と第2操作部がそれぞれ初期位置から所定方向に同時に移動し、それに応じて第1信号制御体と第2信号制御体が同時に移動する。
【0020】
その際、
i) 第1指示が行われた後で、第2指示が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されている場合は、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出することにより、第1指示を行うための第1信号を発生させた後、第2検出部が第2信号制御体の所定の移動を検出して第2指示を行うための第2信号を発生させる。
ii) 第1指示が行われた後で、第2指示が行われるように、制御部による第1指示と第2指示の間の時期調整が行われる場合は、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出することにより発生した第1信号と、第2検出部が第2信号制御体の所定の移動を検出して発生した第2信号に基づき、制御部は、第1指示を行った後、第2指示を行う。
iii) 第1指示が行われた後で、第2指示が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されており、および、制御部による第1指示と第2指示の間の時期調整が行われる場合は、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部の配置と、制御部による第1指示と第2指示の間の時期調整により、第1指示を行った後の第2指示を、より確実に行い得る。
【0021】
第1操作部及び第2操作部の両者に対する片手による一度の一体的同時操作で、第1指示を実行するための第1信号の発生が行われ、その後、第2指示を実行するための第2信号の発生が行われるので、第1指示及びその後の第2指示を、それぞれ確実性高く実行することができる。そのため、両操作部に対する遊技者の操作回数が低減され、両操作部の故障発生率の低下及び長寿命化が実現される。
【0022】
なお、第1検出部及び第2検出部は、第1信号制御体の所定の移動及び前記第2信号制御体の所定の移動をそれぞれ検出して第1指示を行うための第1信号の発生及び停止と第2指示を行うための第2信号の発生及び停止を行うものであってよい。
【0023】
(2) 本発明の遊技機用指示装置は、
それぞれの初期位置に位置する上記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合に、上記第1信号の発生が行われた後で、上記第2信号の発生が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されているものとすることができる。
【0024】
それぞれの初期位置に位置する前記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合には、第1信号の発生が行われた後で、第2信号の発生が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されている。すなわち、それぞれの初期位置に位置する前記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合、第1操作部と第2操作部がそれぞれ初期位置から所定方向に同時に移動し、それに応じて第1信号制御体と第2信号制御体が同時に移動する。その際、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出することにより、第1指示を行うための第1信号を発生させた後、第2検出部が第2信号制御体の所定の移動を検出して第2指示を行うための第2信号を発生させる。
【0025】
第1操作部及び第2操作部の両者に対する片手による一度の一体的同時操作で、第1指示を実行するための第1信号の発生とその停止が行われ、その後、第2指示を実行するための第2信号の発生が行われるので、第1指示及びその後の第2指示を、それぞれ確実性高く実行することができる。そのため、両操作部に対する遊技者の操作回数が低減され、両操作部の故障発生率の低下及び長寿命化が実現される。
【0026】
なお、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出して第1指示を行うための第1信号の発生及び停止を行うものである場合、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出することにより、第1指示を行うための第1信号を発生させ、更にその第1信号を停止させた後、第2検出部が第2信号制御体の所定の移動を検出して第2指示を行うための第2信号を発生させるものとすることができる。
【0027】
(3) 本発明の遊技機用指示装置は、
上記第1操作部と第2操作部が共に同じ向きに操作された場合において、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときに、上記第1信号の発生が行われた後で上記第2信号の発生が行われ得るように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されているものとすることができる。
【0028】
この場合、第1操作部と第2操作部が共に同じ向きに操作された場合において、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときに、第1信号の発生が行われた後で第2信号の発生が行われ得る。第1操作部及び第2操作部の両者に対し、片手による操作を行った場合に、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときでも、第1指示を実行するための第1信号の発生とその停止が行われた後で第2指示を実行するための第2信号の発生が行われ得るので、第1指示及びその後の第2指示を、それぞれ、より確実性高く実行することができる。
【0029】
なお、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出して第1指示を行うための第1信号の発生及び停止を行うものである場合、第1信号の発生とその停止が行われた後で第2信号の発生が行われ得るものとすることができる。
【0030】
(4) 本発明の遊技機用指示装置は、それぞれの所定の初期位置から所定方向に所定行程を移動してそれぞれの到達位置に達した上記第1操作部と第2操作部が、それぞれ自動的に前記初期位置に復帰するための、復帰手段を有するものとすることができる。
【0031】
第1操作部及び第2操作部がそれぞれ初期位置に位置する場合、第1信号制御体及び第2信号制御体も、それぞれの初期位置に位置する。
【0032】
それぞれの所定の初期位置に位置する第1操作部及び第2操作部は、操作されることにより、所定方向に移動してそれぞれの到達位置に達する。第1操作部及び第2操作部の移動に応じて、第1信号制御体及び第2信号制御体もそれぞれ移動し、それぞれの到達位置に達する。
【0033】
それぞれの到達位置に達した第1操作部と第2操作部は、操作のための力が解除されれば、復帰手段により、それぞれ自動的に初期位置に復帰する。第1操作部及び第2操作部の移動に応じて、第1信号制御体及び第2信号制御体もそれぞれ移動し、それぞれの初期位置に復帰する。
【0034】
(5) また本発明の遊技機用指示装置は、第2操作部が上記到達位置から上記初期位置に復帰する間に第2信号が発生するよう第2信号制御体及び第2検出部が配置されているものとすることができる。
【0035】
何れも初期位置に位置する第1操作部と第2操作部が共に同じ向きに操作された場合においては、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときであっても、それぞれの到達位置に達した第1操作部と第2操作部に対する操作のための力がほぼ同時に解除されて、復帰手段によりそれぞれ初期位置に復帰する際の両操作部の復帰動作がほぼ同時に開始されることとなり易い。
【0036】
そのため、第2操作部が到達位置から初期位置に復帰する間に第2信号が発生するよう第2信号制御体及び第2検出部が配置されている場合、第1操作部が初期位置から到達位置に達する間に第1信号の発生が行われるか、或いは、第1操作部と第2操作部が同時に到達位置から初期位置への復帰動作を開始した場合に第1信号の発生が行われた後で、第2信号の発生が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されていれば、第1操作部及び第2操作部の両者に対し、片手による操作を行った場合に、第1指示を実行するための第1信号の発生が行われた後で第2指示を実行するための第2信号の発生が行われる確実性をより高めることができる。
【0037】
なお、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出して第1指示を行うための第1信号の発生及び停止を行うものである場合、第1信号の発生とその停止が行われた後で第2信号の発生が行われ得るものとすることができる。
【0038】
(6) また、本発明の遊技機用指示装置は、
上記第1操作部と第2操作部は、それぞれの到達位置において互いに近接して位置するものとすることができる。
【0039】
この場合、第1操作部と第2操作部は、それぞれの到達位置において互いに近接して位置するので、それぞれの到達位置に達した第1操作部と第2操作部に対する操作のための力がほぼ同時に解除されて、復帰手段によりそれぞれ初期位置に復帰する際の両操作部の復帰動作がほぼ同時に開始されることに、よりなり易い。
【0040】
(7) 本発明の遊技機用指示装置は、上記第1信号の発生が行われる以前に、第2信号の発生を行うべき第2信号制御体の所定の移動を第2検出部が検出した場合には、第2信号が発生しても上記制御部が第2信号と扱わないか又は第2信号が発生しないものとすることができる。
【0041】
第1操作部と第2操作部が共に同じ向きに操作された場合において、第1信号の発生が行われる前に、第2信号の発生を行うべき第2信号制御体の所定の移動を第2検出部が検出した場合には、第2信号が発生しても上記制御部が第2信号と扱わないか又は第2信号が発生しない。
【0042】
よって、第1操作部と第2操作部に対し片手による一度の操作を行った場合、第1指示を実行するための第1信号の発生の後で第2信号の発生を行うべき第2信号制御体の所定の移動を第2検出部が検出したときにのみ、発生した第2信号が第2信号と扱われ、その第2信号に基づいて第2指示が行われるので、第1指示及びその後の第2指示をそれぞれ確実性高く実行することができる。
【0043】
なお、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出して第1指示を行うための第1信号の発生及び停止を行うものである場合は、第1信号の発生とその停止が行われる前に、第2信号の発生を行うべき第2信号制御体の所定の移動を第2検出部が検出した場合に、第2信号が発生しても上記制御部が第2信号と扱わないか又は第2信号が発生しないものとすることができる。
【0044】
(8) 本発明の遊技機用指示装置は、上記第2信号の発生からその第2信号に基づく第2指示までの時間が、上記第1信号の発生からその第1信号に基づく第1指示までの時間よりも長いものとすることができる。
【0045】
この場合、第2信号の発生からその第2信号に基づく第2指示までの時間が、第1信号の発生からその第1信号に基づく第1指示までの時間よりも長いので、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときでも、第1指示の後に第2指示が行われ得る。
【0046】
特に、第1指示が行われた後で、第2指示が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されている場合、例えば上記(2)及び(3)の場合、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部の配置との組み合わせにより、第1指示を行った後の第2指示を、より確実に行い得る。
【0047】
第1操作部及び第2操作部の両者に対し、片手による操作を行った場合に、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときでも、第1指示後に第2指示が行われ得る。
【0048】
(9) 本発明の遊技機用指示装置は、上記第1信号発生以前に第2信号が発生し、その第2信号発生から前記第1信号発生までの時間が所定範囲内である場合に、上記制御部は、前記第1信号に基づく第1指示を行った後、前記第2信号に基づく第2指示を発生させるものとすることができる。なお、第1検出部が第1信号制御体の所定の移動を検出して第1指示を行うための第1信号の発生及び停止を行うものである場合、前記「上記第1信号発生以前に」は、「上記第1信号の発生とその停止が行われる以前に」とすることもできる。
【0049】
この場合、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときでも、第2信号発生から第1信号発生までの時間が所定範囲内であれば、第1指示の後に第2指示が行われる。第1操作部及び第2操作部の両者に対し、片手による操作を行った場合に、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときでも、第1指示の後で第2指示が行われ得る。特に、第1指示が行われた後で、第2指示が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されている場合、例えば上記(2)及び(3)の場合、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部の配置との組み合わせにより、第1指示を行った後の第2指示を、より確実に行い得る。
【発明の効果】
【0050】
本発明の遊技機用指示装置及びその遊技機用指示装置を備えた遊技機によれば、互いに独立に操作可能な第1操作部及び第2操作部の両者に対する片手による一度の一体的同時操作で、第1指示及びその後の第2指示を確実性高く実行することができる。そのため、両操作部に対する遊技者の操作回数が低減され、両操作部の故障発生率の低下及び長寿命化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】スロットマシンの外観の正面図である。
【図2】ブロック図である。
【図3】遊技機用指示装置の一部破砕平面図である。
【図4】遊技機用指示装置の正面図である。
【図5】遊技機用指示装置の側面図である。
【図6】MAXBETレバーとスタートレバーの動作と信号の発生についての例に関する説明図である。
【図7】第1信号発生及び停止前に第2信号が発生した場合の処理の概略を示すフローチャートである。
【図8】信号制御体と信号用フォトインタラプタについての別の例に関する説明図である。
【図9】信号制御体と信号用フォトインタラプタについての更に別の例に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0053】
図1乃至図9は、本発明の遊技機用指示装置及びその遊技機用指示装置を用いた遊技機の実施の形態の例としてのスロットマシンについてのものである。なお、本発明の遊技機用指示装置は、スロットマシン以外の遊技機にも使用することができ、本発明の遊技機は、スロットマシン以外のものであってもよい。
【0054】
[1] スロットマシン10の上下方向中央部のやや上方には、シンボル表示窓12が設けられ、スロットマシン10内部における各対応位置に、3つのリール14a、14b、14cが水平方向回転軸線を中心として互いに独立的に回転自在に支持されている。各リール14a、14b、14cの外周面には、多種のシンボル(オレンジ、プラム、ベル、☆、チェリー等の絵、「7」の文字、「BAR」の文字、「RP」の文字等。図示せず。)が周方向における一定距離毎に順に表示され、そのうち周方向に連続する任意の3つのシンボルが、各リール14a、14b、14cの停止時に、シンボル表示窓12における上中下の各位置にリール14a、14b、14c毎に表示される。遊技者はこれらのシンボルを視認することができる。各リール14a、14b、14cは、それぞれ別々のステッピングモータ(回転駆動装置の一例。図示せず。)によって、回転駆動され、また停止保持される。
【0055】
シンボルとは、図形、絵、文字、記号等を意味するものであり、その例としては、プラム、スイカ、チェリー、ベル等の絵、「7」の文字、「BAR」の文字、「RP」の文字等を挙げることができる。
【0056】
複数種のシンボルを順次連続的に表示するための表示手段は、ステッピングモータ等の回転駆動装置により回転駆動される回転体のほか、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のビデオディスプレイ装置を利用したものであってもよい。本発明の遊技装置は、このような表示手段を1又2以上有し、各表示手段が1組のシンボル群を互いに独立的に表示するものとすることができる。前記回転体の場合、1又は2以上(例えば3つ)の回転体が互いに独立的に回転することにより、それぞれの回転体に表示されたシンボル群を互いに独立的に表示するものとすることができる。ビデオディスプレイ装置を利用したものの場合、例えば1台のビデオディスプレイ装置に1又は2組以上のシンボル群を互いに独立的に表示することにより1又は2以上の表示手段とすることもできる。
【0057】
前記回転体の一般的な例としては、多種のシンボルが外周面の周方向に順に1つずつ表示されたリールを挙げることができる。
【0058】
3つのリール14a、14b、14cが停止状態でシンボル表示窓12に表示する3行3列のシンボルに関し、入賞判定において有効なシンボルの並びは、払い込まれたメダルの枚数(1乃至3枚)に応じて設定されるものとすることができる。払い込まれたメダルが1枚の場合、中央の水平ライン上の3つのシンボルの並びのみが有効となり、メダルが2枚の場合、上中下の3本の水平ライン上の3通りの3つのシンボルの並びが有効となり、メダルが3枚の場合、上中下3本の水平ラインに、左上角から右下角への対角ライン及び右上角から左下角への対角ライン上の2通りの3つのシンボルの並びを加えた5通りのシンボルの並びが全て有効となる。これらの有効なラインは、メダルの払い込み枚数に応じて発光装置や各種表示装置によって遊技者に示すようにすることができる。なお、有効ラインの設定規則はこの例に限るものではない。
【0059】
遊技者は、有効ライン上に、各リール14a、14b、14cにおけるどのようなシンボルが位置しているかを見てゲームの結果(入賞か否か、及び入賞した賞の種類)を知ることができる。ゲームの結果は、その他の表示装置や発光装置又はスピーカ20等からの音声出力などによっても知らされるものとすることができる。
【0060】
メダルを払い込むには、シンボル表示窓12の下側右方部に設けられたメダル投入口22からメダルを投入するか、或いは、スロットマシン10に保留されているメダルがある場合は、払い込み受け付け期間中に、シンボル表示窓12の下側左方部手前側に設けられているBETボタン24を押して必要枚数を払い込む指示を行うか、MAXBETレバー操作部60a(「第1操作部」の例)を押下して最多払込可能枚数を払い込む指示(「第1指示」の例)を行う。BETボタン24の右下方において左右に互いに近接して設けられた一対のレバー操作部のうち右側がMAXBETレバー操作部60a、左側がスタートレバー操作部70a(「第2操作部」の例)である。BETボタン24の左奥側には払い込みを取り消すためのキャンセルボタン25が設けられている。保留されているメダルを払い出させるには、メダル投入口22の左下の払い出しボタン26を押す。
【0061】
最多払込可能枚数(数量)というのは、遊技の状況に応じて、その際に払い込み可能なメダル枚数(価値手段)のうち最多の枚数(数量)を言う。例えば、通常ゲームにおいて最も入賞率が高くなるメダル数である3枚が払い込み可能な最多枚数であれば、通常ゲームにおいては最多払込可能枚数は3枚であり、ボーナスゲームにおいて又は「RT」(リプレイタイム)、「ART」(アシストリプレイタイム)等の各種特別ゲームにおける払い込み可能なメダルが1枚であれば、ボーナスゲーム又は特別ゲームにおける最多払込可能枚数は1枚である。保留されているメダル数が最多払込可能枚数に足りない場合に、最多払込可能枚数を払い込む指示があったときは、保留されている限りの枚数の払い込みを実行するよう取り扱うことができるほか、例えばその指示を無効として取り扱うこともできる。
【0062】
リール14a、14b、14cの回転開始が可能である場合に、スタートレバー操作部70aを押下することにより、3つのリール14a、14b、14cの回転を一斉に開始させる指示(「第2指示」の例)を行うことができる。リール14a、14b、14cの回転開始が可能であることは、例えば発光装置やその他の表示装置によって示すことができる。
【0063】
各リール14a、14b、14cの下方対応位置には、リール14a、14b、14cが回転中である場合に押圧によりそれぞれ上方に対応するリール14a、14b、14cを停止させるための3つのストップボタン30a、30b、30cが設けられている。各ストップボタン30a、30b、30cは、それぞれ、対応するリール14a、14b、14cが回転しており、その回転を押圧により停止させることが可能な状態である場合に点灯する点灯装置を備えている。
【0064】
下端部にはメダル受皿部42が設けられ、その中央部の上側にメダル払出口44が設けられ、その右側にスピーカ20が設けられている。
【0065】
なお、メダルの投入が可能なことを示す表示、有効ラインを示す表示、ゲームの状況を示す表示、保留枚数を示す表示、払出枚数を示す表示等を、個別の表示器又は総合的な表示が可能なディスプレイ装置等により表示するものとすることができる。
【0066】
[2] 次に、主に図2のブロック図を参照してスロットマシンの構成の概要を説明する。
【0067】
制御部50は、ゲームの実行やスロットマシンを構成する各種機器等の制御及び各種データの読み書きなどの処理を行うCPU(中央処理装置)、RAM、ゲームの実行や周辺機器等の制御などのためのプログラム及び各種データが書き込まれたROM、並びにMAXBET部M及びスタート部Sを始めとする周辺機器等との接続のための入出力インターフェイス、各種電子又は電気回路など(図示せず。)からなり、前記各種機器等と連携して、遊技機用指示装置の機能等の各種機能を実現する。
【0068】
メダル検出部51は、メダル投入口22から投入されたメダルを検出して検出信号を制御部50に出力する。
【0069】
BETボタン24は、スロットマシンに保留されているメダルをスロットマシンに対し払込む場合にメダル1枚毎に1度押されるものであり、1度押される毎にその信号を制御部50に出力する。
【0070】
MAXBET部Mは、MAXBETレバー60及びMAXBET信号用フォトインタラプタ62からなる。スロットマシンに保留されたメダルから最多払込可能数量のメダルを払い込む場合に、MAXBETレバー操作部60aに対し押下等の操作が行われることにより、スロットマシンに保留されたメダルから最多払込可能数量のメダルを払い込む指示(第1指示)を行うための信号(第1信号)を制御部50に出力する。
【0071】
スタート部Sは、スタートレバー70及びスタート信号用フォトインタラプタ72からなる。スタートレバー70に対し押下等の操作を行うことにより、3つのリール14a、14b、14cの一斉回転を開始させる指示(第2指示)を行うための信号(第2信号)を制御部50に出力する。
【0072】
リール部14は、3つのリール14a、14b、14cと、各リールを回転駆動又は停止保持するための3つのステッピングモータと、制御部50からのステッピングモータ駆動信号に応じてそれらのステッピングモータを駆動するための駆動回路と、一定回転位置において制御部50に対しリセット信号を出力するためのリセット信号出力部を有してなる(図示せず。)。制御部50は、リールの1回転毎に、リセット信号を受けた時点からステッピングモータ駆動信号の例えばパルス数をカウントすることにより、リールの回転角度、すなわち各シンボルの位置を把握することができる。
【0073】
各ストップボタン30a、30b、30cは、それぞれ、対応するリール14a、14b、14cが回転しており、その回転を遊技者の遊技操作により停止させることが可能な状態である場合に、各リール14a、14b、14c毎に制御部50から与えられる点灯指示信号により、各ストップボタン30a、30b、30cの点灯装置を点灯させる。
【0074】
ストップボタン30a、30b、30c(停止ボタン)は、回転中のリール14a、14b、14cを停止させる場合に各リール毎に押圧するものであり、各ストップボタン30a、30b、30cの押圧により、対応するリール14a、14b、14cを停止させるための信号を制御部50に出力する。
【0075】
音声出力部52は、制御部50から出力される音声出力信号に応じ、スピーカ20から音声を出力する。
【0076】
メダル払出部44aは、ゲームの結果に応じ制御部50において計算されたメダル払出数に応じて制御部50から出力される払出信号に従って、その枚数に応じたメダルをメダル払出口44から払い出す。
【0077】
[3] ゲームは一般に次のように実行される。
【0078】
メダルの投入が可能な状態にある場合にメダル投入口22から1乃至3枚のメダルが投入されることにより検出されたメダル検出信号が制御部50に入力されるか、保留されているメダルがあって払い込みが受け付けられる期間にBETボタン24が押圧されることにより1枚以上のメダルを払い込む指示のための信号が制御部50に入力されるか、又はMAXBETレバー操作部60a(第1操作部)の押下により最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)のための信号(第1信号)が制御部50に入力されることにより、制御部50は、それぞれの枚数のメダルの払い込みを受け付ける。なお、メダルの投入又はBETボタン24押圧により、その状態での最多払込可能枚数未満の枚数のメダルの払い込みが受け付けられた後、更にMAXBETレバー操作部60aの押下により最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)のための信号(第1信号)が制御部50に入力された場合は、その信号を最多払込可能枚数を払い込む指示として扱わないものとするが、最多払込可能枚数に足りない枚数を追加する処理を行うようにすることもできる。
【0079】
次いで、制御部50に対する、1枚目、2枚目及び3枚目のメダル検出信号の入力がそれぞれ停止した後、又は、1枚目、2枚目及び3枚目のメダル払い込み信号の入力がそれぞれ停止した後、リール14a、14b、14cの回転開始を可能とする(1枚のメダルのみ受け付けられる状態の場合は、2枚目及び3枚目のメダルは受け付けられない)。或いは、制御部50に対する第1信号の入力が停止した後、リール14a、14b、14cの回転開始を可能とする。信号の停止というのは、例えば、信号がON状態となった後、ON状態からOFF状態となることを言う。
【0080】
なお、前回のゲームにおいてリプレイ(再遊技)に入賞した場合等、今回のゲームがリプレイ(再遊技)状態である場合は、メダルの投入、BETボタン24押圧及びMAXBETレバー操作部60aの押下を行ってもメダルの払い込みは受け付けられず、制御部50はメダルの払い込みなしにリール14a、14b、14cの回転開始を可能とする。
【0081】
その後、スタートレバー操作部70a(第2操作部)を押下して3つのリール14a、14b、14cを一斉に回転させる指示(第2指示)のための信号(第2信号)が制御部50に入力されると、制御部50は、それらのリールの回転を一斉に開始させると共に、各種ボーナスを実行する賞、その他の遊技者にとって比較的利益の小さい賞(小物)であるオレンジ、プラム、ベル、チェリー等又はリプレイ(再遊技)、或いはRT(リプレイタイム)、ART(アシストリプレイタイム)等の特別ゲームを実行する賞等についての内部当りか否かの抽選等を行う。なお、前回のゲームにおけるリールの回転停止から今回のゲームにおけるリールの回転開始までの時間が所定時間以内であってはならないというような制限がある場合は、その制限に従い、リールの回転開始が遅れるよう制御部50により制御されるものとすることができる。
【0082】
或いは、MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)を片手で一体的に同時押下すると、後述のように、先ず最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)のための信号(第1信号)が制御部50に入力され、制御部50において、その信号に応じた枚数のメダルの払い込みが指示(第1指示)され、受け付けられる。次いで制御部50に対する第1信号の入力が停止した後、制御部50はリール14a、14b、14cの回転開始を可能とする。但し、リプレイ(再遊技)状態である場合は、メダルの払い込みは受け付けられず、制御部50はメダルの払い込みなしにリール14a、14b、14cの回転開始を可能とする。次いで、3つのリール14a、14b、14cを一斉に回転させる指示(第2指示)のための信号(第2信号)が制御部50に入力されることにより、制御部50は、3つのリール14a、14b、14cの回転を一斉に開始させる指示(第2指示)をリール部14に対し出力すると共に、各種の賞についての内部当り抽選等を行う。
【0083】
制御部50は、必要な処理を完了して各リール14a、14b、14cの回転を停止させることが可能な状態となったならば、各ストップボタン30a、30b、30cの点灯装置を点灯させる。
【0084】
その後、遊技者が適宜のタイミングで各ストップボタン30a、30b、30cを押圧することにより制御部50に停止信号が入力されると(或いは所定時間ストップボタン30a、30b、30cを押圧せずに不操作状態が継続すると)、制御部50は対応するリール14a、14b、14cのステッピングモータを停止させる。
【0085】
制御部50は、対応するリール14a、14b、14cのステッピングモータを停止させる際、何れの賞の内部当り状態ともなっていなければ、ストップボタン30a、30b、30c押圧(或いは所定時間放置)による停止信号を受けた後一定のタイミングでリール14a、14b、14cを停止させる。但し、リール14a、14b、14cが前記一定のタイミングで停止する際に、何れかの賞の入賞条件を達成することとなる場合は、制御部50は、そのリール14a、14b、14cを必要コマ送って(シンボル必要数分余分に回転させる)、入賞とならないように停止させる(非入賞制御)。
【0086】
何れかの賞に内部当り状態となっている場合、制御部50は、ストップボタン30a、30b、30cの押圧等による停止信号を受けた時点から内部当り状態となっている賞への入賞に必要なシンボルが入賞に必要な位置に達するまでの差が規定停止時間(又はその他の規定範囲)内であるときは、そのシンボルが必要位置に表示されるようにリール14a、14b、14cを停止させる(引込制御)。内部当り状態となっている賞の入賞となり得ない場合は、他の賞の入賞とならないように各リールを停止させる。
【0087】
制御部50は、3つ目のリールの停止を認識すると、有効ライン上のシンボルの種類及び並び方によって、入賞か否か、及び入賞した賞の種類を判定し、賞の内容に応じ、例えば所定枚数のメダルの払出しやボーナスゲームや各種特別ゲームに移行する。
【0088】
[4] MAXBETレバー60は、MAXBETレバー操作部60a、段付棒状のレバー部材L、筒状の可動バネ受体R、復帰用コイルバネP、鍔状体F及び板状のMAXBET信号制御体60b(第1信号制御体)からなる。スタートレバー70は、スタートレバー操作部70a、段付棒状のレバー部材L、筒状の可動バネ受体R、復帰用コイルバネP、鍔状体F及び板状のスタート信号制御体70b(第2信号制御体)からなる。
【0089】
MAXBETレバー60とスタートレバー70は、それぞれの基端部(図1の奥側部、図2における後方部)に設けられたMAXBET信号制御体60b(第1信号制御体)及びスタート信号制御体70b(第2信号制御体)を除いて、同一部材からなり、スロットマシン10に固定されたレバー支持体80に対し、左右対称状に平行に支持されている。そのため、材料及び製造等のコストを効果的に低減させることができる。
【0090】
右側のMAXBETレバー操作部60aと左側のスタートレバー操作部70aは、基端側がやや切除された一つの球体が、その中心を通りスロットマシン10の正面に直交する垂直分割面により左右対称状に分割されてなる、一対の略半球状をなし、その垂直分割面同士において向かい合わせに近接した状態でそれぞれMAXBETレバー60及びスタートレバー70の先端部(図1の手前側部、図2の前方部)に設けられている。
【0091】
MAXBETレバー60及びスタートレバー70は、レバー支持体80における前後方向に貫通するレバー挿通孔80aに挿通され、各レバー部材Lの各中間位置に形成された両軸受孔L1に、スロットマシン10の正面に対し平行な単一の水平支持軸Hが嵌挿され、水平支持軸Hは、その両端部においてレバー支持体80の両側部によって固定支持されている。このようにして、MAXBETレバー60及びスタートレバー70は、単一の水平支持軸Hのまわりに互いに独立に上下揺動可能なように支持されている。
【0092】
MAXBETレバー60のレバー部材Lに対し、その軸受孔L1よりも基端側において、軸方向に摺動可能な筒状の可動バネ受体Rと、復帰用圧縮コイルバネPと、鍔状体Fが、基端に向かってこの順に外嵌され、復帰用圧縮コイルバネPは、可動バネ受体Rの先端側のフランジ状部R1と鍔状体Fの間に圧縮状態で保持され、レバー部材Lの基端部にMAXBET信号制御体60bが固着されている。可動バネ受体Rの先端側は、レバー支持体80の基端面80bにより受止される。
【0093】
MAXBET信号制御体60bは、垂直状に設けられた板状をなし、その上下中央位置から同一距離の上方位置及び下方位置にそれぞれ同一形状の透光部T(被検出部)を有する。この例における透光部は長方形状の貫通孔であるが、透光性を有するものであれば必ずしもこれに限らない。その透光部TがMAXBET信号用フォトインタラプタ62(第1検出部)の水平方向検知光による検出位置を上下動するようにMAXBET信号用フォトインタラプタ62に対し配置されている。MAXBET信号制御体60bのうち透光部T以外の部分は非透光部である。
【0094】
スタートレバー70も、基端部にスタート信号制御体70bが固着されている点を除き同様である。スタート信号制御体70bは全体が非透光部であり、スタート信号用フォトインタラプタ72(第2検出部)の水平方向検知光による検出位置を上下動するようにスタート信号用フォトインタラプタ72に対し配置されている。
【0095】
MAXBETレバー60は、無負荷状態において復帰用圧縮コイルバネPが最も伸張することにより、上下中間の中立位置(初期位置)に水平状に位置する。MAXBETレバー操作部60aを押下すると、基端面80bにより受止される可動バネ受体Rの先端側の位置とMAXBETレバー60の揺動軸である水平支持軸Hとの距離が長くなって可動バネ受体Rの先端側がレバー部材Lの基端側へ移動するので、復帰用圧縮コイルバネPがフランジ状部R1と鍔状体Fの間で更に圧縮される。そのため、MAXBETレバー操作部60aに対する押下操作力を解除すると、復帰用圧縮コイルバネPの復元力によりMAXBETレバー60は、上下中間の中立位置(初期位置)に復帰する。スタートレバー70も同様である。
【0096】
MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)は、それぞれ独立して押下操作可能である(何れの一方の操作部を操作しても他方の操作部は操作されない)と共に、初期位置において同一高さで左右に近接して位置するので、片手で一体的に同時押下操作可能である。また、この例では、押上操作についても、同様に独立操作及び片手による一体的同時操作が可能であり、復帰用圧縮コイルバネPの復元力により初期位置に復帰し得る。また、初期位置からの押下又は押上操作により操作部が到達する上下何れの到達位置においてもMAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)は近接して位置する。
【0097】
MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)の操作による可動範囲(初期位置と到達位置の間)は同一であり、MAXBET信号制御体60bとスタート信号制御体70bについては、それらの可動範囲並びにMAXBETレバー操作部60aとスタートレバー操作部70aの操作に伴うそれらの動作は同一である。更に、この例においては、MAXBET信号用フォトインタラプタ62(第1検出部)とスタート信号用フォトインタラプタ72(第2検出部)は同一のものを用いており、それらの水平方向検知光による検出位置も、MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)が初期位置に位置する場合のMAXBET信号制御体60bとスタート信号制御体70bの位置(初期位置)に対し上下方向及び前後方向(図1における奥行き方向)に同一である。尤も、これらは必ずしも同一であることを要しない。何れにせよ、本発明においては、第1検出部及び第2検出部が検出対象の移動を検出する各検出位置と、それらの第1検出部及び第2検出部の各検出位置において検出される第1信号制御体及び第2信号制御体の各被検出部の配置が、それぞれの初期位置に位置する前記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合に、第1信号制御体における被検出部を第1検出部が検出したことによる第1信号の発生(或いは発生とその停止)が行われた後で、第2信号制御体における被検出部を第2検出部が検出したことによる第2信号の発生が行われるようにすればよい。
【0098】
[5] MAXBETレバー60(MAXBET)とスタートレバー70(START)の動作と信号の発生の一例を、図6を参照しつつ説明する。
【0099】
図6左側(MAXBET)に示されるように、MAXBETレバー60が無負荷状態で上下中間の中立位置(初期位置)に位置する場合[B1]、MAXBET信号制御体60b(第1信号制御体)の非透光部がMAXBET信号用フォトインタラプタ62(第1検出部)の検出位置に位置し、MAXBET信号は発生しない(OFF)。
【0100】
MAXBETレバー操作部60aが押下操作されると、MAXBET信号制御体60bが上昇して、先ず、下側の透光部TがMAXBET信号用フォトインタラプタ62の検出位置に達することにより一旦MAXBET信号が発生(ON)する[B2]。
【0101】
次いで、更にMAXBETレバー操作部60aが押下されてMAXBET信号制御体60bが上昇することによりMAXBET信号制御体60bの非透光部がMAXBET信号用フォトインタラプタ62の検出位置に位置し、MAXBET信号は停止した状態(OFF)となる[B3]。
【0102】
MAXBETレバー操作部60aが下端近傍位置まで押下されてMAXBET信号制御体60bが上昇することにより、MAXBET信号制御体60bがMAXBET信号用フォトインタラプタ62の検出位置よりも上方に達することにより再びMAXBET信号が発生(ON)する[B4]。
【0103】
MAXBETレバー操作部60aを下端まで押下した後、押下操作力を解除すると、復帰用圧縮コイルバネPの復元力によりMAXBETレバー60は、上下中間の中立位置(初期位置)に復帰するので、B4の状態から、前記と同様のB3及びB2の状態を経て、B1の状態に戻る。この間に、MAXBET信号はON、OFF、ON、OFFと変化する。なお、MAXBETレバー操作部60aが押上操作された場合は、MAXBETレバー60及びレバー支持体80が、MAXBET信号制御体60bの上下の透光部Tの位置及び形状を含めて上下対称状であるため、B1乃至B4が上下反転した同様の動作及び信号の発生・停止が行われる。
【0104】
一方、図6右側(START)に示されるように、スタートレバー70が無負荷状態で上下中間の中立位置(初期位置)に位置する場合[S1]、全体が非透光部であるスタート信号制御体70b(第2信号制御体)がスタート信号用フォトインタラプタ72(第2検出部)の検出位置に位置し、スタート信号は発生しない(OFF)。
【0105】
スタートレバー操作部70aが押下操作されると、スタート信号制御体70bが上昇するが、未だスタート信号用フォトインタラプタ72の検出位置から離脱しないS2の状態ではスタート信号は発生しない(OFF)。
【0106】
次いで、更にスタートレバー操作部70aが押下されてスタート信号制御体70bが上昇するが、未だスタート信号用フォトインタラプタ72の検出位置から離脱しないS3の状態ではスタート信号は発生しない(OFF)。
【0107】
スタートレバー操作部70aが下端近傍位置まで押下されてスタート信号制御体70bが上昇することにより、スタート信号制御体70bがスタート信号用フォトインタラプタ72の検出位置よりも上方に達することによりスタート信号が発生(ON)する[S4]。
【0108】
スタートレバー操作部70aを下端まで押下した後、押下操作力を解除すると、復帰用圧縮コイルバネPの復元力によりスタートレバー70は、上下中間の中立位置(初期位置)に復帰するので、S4の状態から、前記と同様のS3(信号OFF)及びS2(信号OFF)の状態を経て、S1(信号OFF)の状態に戻る。なお、スタートレバー操作部70aが押上操作された場合は、スタートレバー70及びレバー支持体80が、スタート信号制御体70bの上下の透光部Tの位置及び形状を含めて上下対称状であるため、S1乃至S4が上下反転した同様の動作及び信号発生が行われる。
【0109】
[5-1] MAXBETレバー操作部60aを単独で押下操作した場合、B1(初期位置)からB2になることによりMAXBET信号が発生し、制御部50において、最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)が行われ、その指示に応じた枚数のメダルが払い込まれる。次いで、B3となることによりMAXBET信号が停止する。
【0110】
その後、B4(到達位置)の状態から、B3及びB2の状態を経てB1の状態に戻る際に、MAXBET信号の発生及び停止が繰り返されるが、最多払込可能枚数を超えるメダルの払い込みは受け付けられない。このように最多払込可能枚数を超えるメダルの払い込みを受け付けない取り扱いは、例えば、制御部において、最多払込可能枚数を超えるメダルの払い込みを指示する信号を無効とすることにより行うことができる。この点は、MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)を片手で一体的に同時押下操作した場合等、他の場合でも同様である。
【0111】
その後、スタートレバー操作部70aを単独で押下操作すると、S4(到達位置)の状態でスタート信号が発生し、制御部50において3つのリール14a、14b、14cを一斉に回転させる指示(第2指示)が行われ、それらのリールが一斉に回転を開始する。
【0112】
[5-1-a] なお、MAXBET信号(第1信号)が発生し、そのMAXBET信号が停止する前にスタート信号(第2信号)が発生した場合(第1信号が第2信号発生後に発生し且つ停止した場合又は第1信号が第2信号発生以前に発生して第2信号発生後に停止した場合)は、それを入力した制御部50は、そのスタート信号をスタート信号(第2信号)として扱わない。この点は、MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)を片手で一体的に同時押下操作した場合等、他の場合でも同様である。MAXBET信号(第1信号)が発生し、そのMAXBET信号が停止する前には、制御部等により、スタート信号用フォトインタラプタ72(第2検出部)に駆動電流を供給しないこと又はその他の手段により、スタート信号用フォトインタラプタ72(第2検出部)によるスタート信号の発生を妨げることもできる。なお、第1信号の発生以前に発生する第2信号を第2信号として扱わないか又は第1信号の発生以前には第2信号が発生しないものとすること、従って第1信号発生より後には第2信号が発生し、それを第2信号として扱うものとすることもできる。
【0113】
[5-1-b] MAXBET信号(第1信号)が発生し、それが停止するよりも前に(或いは、MAXBET信号発生以前に)スタート信号(第2信号)が発生した場合については、制御部50は次のように処理することもできる(図7参照)。
【0114】
すなわち、スタート信号(第2信号)が発生し[X1−Y]、その後、MAXBET信号(第1信号)が停止した場合[X2−Y](第1信号が第2信号発生後に発生し且つ停止した場合又は第1信号が第2信号発生以前に発生して第2信号発生後に停止した場合)、最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)が行われ[X3]、そのスタート信号(第2信号)発生からMAXBET信号(第1信号)発生までの時間が所定範囲内(例えば500ms間以内)である場合[X4−Y]に、制御部50は、MAXBET信号に基づく最多払込可能枚数払い込み指示(第1指示)を行った後(例えば、第1指示後500ms間以内等の所定時間内に)、前記スタート信号(第2信号)に基づくリール回転開始指示(第2指示)を発生させる[X5]ものとすることもできる。
【0115】
[5-1-c] また、MAXBET信号(第1信号)が発生し、それが停止するよりも前に(或いは、MAXBET信号発生以前に)スタート信号(第2信号)が発生する場合に、スタート信号(第2信号)をMAXBET信号(第1信号)よりも後に発生させる処理の例として、第2信号の発生からその第2信号に基づく第2指示までの時間が、常時、上記第1信号の発生からその第1信号に基づく第1指示までの時間よりも長い(例えば5ms乃至500msの何れかの時間だけ長い)ものとすることもできる。このような処理は、制御部においてソフトウエアにより行うこともでき、遅延回路等のハードウエアにより行うこともできる。
【0116】
[5-2] MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)を片手で一体的に同時押下操作し、B1・S1、B2・S2、B3・S3、B4・S4と、MAXBETレバー60とスタートレバー70がほぼ同様のタイミングで動作した場合、B1・S1からB2・S2になることによりMAXBET信号が発生して最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)が行われ、その指示に応じた枚数のメダルが払い込まれる。
【0117】
次いで、B3・S3となることによりMAXBET信号が停止する。その後、B4・S4(到達位置)においてスタート信号が発生して3つのリール14a、14b、14cを一斉に回転させる指示(第2指示)が行われ、それらのリールが一斉に回転を開始する。
【0118】
MAXBET信号が再び発生するが、最多払込可能枚数を超えるメダルの払い込みは受け付けられない。リール14a、14b、14cを一斉に回転させる指示(第2指示)が行われた後であるという時期の点においてもメダルの払い込みは受け付けられない。
【0119】
[5-3] MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)を共に操作する際の操作タイミングにずれがある場合のうち、MAXBETレバー操作部60aの押下のタイミングが早いときは勿論問題はない。スタートレバー操作部70aの押下のタイミングがやや早いときでも、MAXBET信号(第1信号)が発生し、そのMAXBET信号が停止した後、スタート信号(第2信号)が発生するので、最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)及びその後の3つのリール14a、14b、14cを一斉に回転させる指示(第2指示)を、それぞれ確実性高く実行することができる。なお、MAXBET信号(第1信号)が発生し、それが停止するよりも前に(或いは、MAXBET信号発生以前に)スタート信号(第2信号)が発生した場合については、上記[5-1-a]により処理することができる他、上記[5-1-b]と同様に処理するものとすることもでき、上記[5-1-c]の例を採用することもできる。
【0120】
何れの場合でも、両操作部に対する遊技者の操作回数が低減され、両操作部の故障発生率の低下及び長寿命化が実現される。
【0121】
[5-4] MAXBET信号制御体及びスタート信号制御体としてそれぞれ前記以外の構成を採用することもできる。
【0122】
例えば、スタート信号制御体70bをMAXBET信号制御体60bと同一とした場合、MAXBETレバー操作部(第1操作部)とスタートレバー操作部(第2操作部)を片手で一体的に同時押下操作すると、先ずMAXBET信号(第1信号)が発生すると同時期にスタート信号が発生し(図6におけるB2・S2)、その後、MAXBET信号が停止すると同時期にスタート信号が停止する(図6におけるB3・S3)。このスタート信号(第2信号)は、MAXBET信号(第1信号)が発生してそのMAXBET信号が停止する前に発生しているので、リール回転開始指示として扱わない。
【0123】
その後、再びMAXBET信号(第1信号)が発生すると同時期にスタート信号(第2信号)が発生する(図6におけるB4・S4。到達位置。)。このスタート信号、すなわち最初のMAXBET信号が発生してそのMAXBET信号が停止した後で発生した最初のスタート信号(第2信号の発生が2度目以降であっても、第1信号の発生とその停止が行われた後で発生した最初の第2信号)によってリール回転開始指示(第2指示)が行われる。
【0124】
また、この場合、B1乃至B4(往行程)及びB4乃至B1(復行程)並びにS1乃至S4(往行程)及びS4乃至S1(復行程)の各行程において、MAXBET信号及びスタート信号がそれぞれ複数回発生及び停止する。そのため、スタートレバー操作部70aの押下のタイミングが早い場合でも、MAXBET信号(第1信号)の発生及びMAXBET信号が停止した後で、確実性高くスタート信号(第2信号)が発生してリール回転開始指示(第2指示)が行われることとなる。
【0125】
何れも初期位置B1・S1に位置するMAXBETレバー操作部(第1操作部)とスタートレバー操作部(第2操作部)が共に同じ向きに操作された場合において、MAXBETレバー操作部(第1操作部)の操作よりもスタートレバー操作部(第2操作部)の操作が先に開始されたときであっても、それぞれの到達位置B4・S4に達したMAXBETレバー操作部(第1操作部)とスタートレバー操作部(第2操作部)に対する操作のための力がほぼ同時に解除されて、復帰手段によりそれぞれ初期位置に復帰する際の両操作部の復帰動作がほぼ同時に開始されることとなり易いので、MAXBET信号(第1信号)の発生及びMAXBET信号が停止した後で、スタート信号(第2信号)が発生してリール回転開始指示(第2指示)が行われることの確実性が更に高まる。
【0126】
なお、MAXBET信号(第1信号)が発生し、それが停止するよりも前に(或いは、MAXBET信号発生以前に)スタート信号(第2信号)が発生した場合については、上記[5-1-b]と同様に処理するものとすることもできる。
【0127】
また、MAXBET信号(第1信号)が発生し、それが停止するよりも前に(或いは、MAXBET信号発生以前に)スタート信号(第2信号)が発生する場合に、スタート信号(第2信号)をMAXBET信号(第1信号)よりも後に発生させる処理の例として、上記[5-1-c]の例を採用することもできる。
【0128】
[6] これら以外の信号制御体の例として、図8及び図9の例を挙げることができる。
【0129】
図8の信号制御体Cは、上下中央位置にのみ透光部Tを有し、他の部分は非透光部である。初期位置においては信号用フォトインタラプタEにおける検出位置に透光部Tが位置する。
【0130】
そのため、フォトインタラプタEの検出位置に透光部Tが位置するか信号制御体Cが存在せずに信号用フォトインタラプタEの発光部からの光を受光部が受光している状態を、信号停止状態(OFF)と取り扱い、信号制御体Cが上下に移動して非透光部(被検出部)が検出位置に位置し、発光部からの光が遮断された状態を、信号発生状態(ON)と取り扱う。
【0131】
図9の信号制御体Cは、上下中央位置及び中央位置から上下等距離の各位置の3箇所に透光部Tを有し、他の部分は非透光部である。この場合も、初期位置においては信号用フォトインタラプタEにおける検出位置に透光部Tが位置するので、図8の場合と同様に、フォトインタラプタEの検出位置に透光部Tが位置するか信号制御体Cが存在せずに信号用フォトインタラプタEの発光部からの光を受光部が受光している状態を、信号停止状態(OFF)と取り扱い、信号制御体Cが上下に移動して発光部からの光が遮断された状態を、信号発生状態(ON)と取り扱う。
【0132】
[7-1] 遊技者が遊技機に対し行う所定の指示(第1指示及び第2指示)は、上記の例では貯留遊技媒体又は貯留遊技媒体若しくはその他の価値情報を払い込む(賭ける)指示、及び、リール(回転体)の回転開始指示であるが、その他の内容の指示を除外するものではない。
【0133】
[7-2] 所定の指示を行う信号を発生させるための操作とは、操作部に対する上下、左右、前後、押し込み・引き出し等の力の作用、又は、そのような作用及びその解除等を意味するものとすることができる。
【0134】
[7-3] ゲーム開始前の無負荷状態で互いに近接して位置する第1操作部と第2操作部について、遊技者がそれらの操作部を片手で一体的に同時操作可能なものであるためには、遊技者の操作によりそれぞれ初期位置から互いに同一の又はほぼ同等の方向である所定方向に移動し得るものであることが望ましく、同時に操作を開始する上で、両操作部が操作により移動する方向に対し直交する方向において、初期位置において同等の位置であることが望ましい。また、操作により到達する位置も、両操作部が操作により移動する方向に対し直交する方向において同等の位置であることが望ましい。また、初期位置から到達位置までの操作性(必要な操作力等)も、両操作部において同等であることが望ましい。
【0135】
[7-4] 上記の例では、第1信号制御体と第1検出部及び第2信号制御体と第2検出部は、透光部を有する若しくは有しない板状の制御部とフォトインタラプタの組み合わせにより構成しているが、これに限らず、種々のセンサを利用することができる。なお、第1信号制御体の所定の移動及び第2信号制御体の所定の移動の検出は、非接触状態で行われるものであることが耐久性・信頼性の点で好ましい。
【0136】
[7-5] 上記の例では、第1検出部による検出位置と第2検出部による検出位置が上下方向及び前後方向において同一であるが、検出位置が上下又は前後等において互いに異なるものとすることもできる。その場合に、例えば検出位置を互いに異なるものとすることにより、第1操作部及び第2操作部の両者に対する片手による一度の一体的同時操作で、第1指示を実行するための第1信号の発生(或いは発生とその停止)が行われた後で、第2指示を実行するための第2信号の発生が行われるものとすることができる。例えば、第1信号制御体と第2信号制御体として何れも図6のMAXBET信号制御体60bのうち透光部として下側の透光部Tのみを有するものを用い、スタート信号用フォトインタラプタ72(第2検出部)の検出位置をMAXBET信号用フォトインタラプタ62(第1検出部)の検出位置よりも上方に位置するものとすることにより、MAXBETレバー操作部60a(第1操作部)とスタートレバー操作部70a(第2操作部)を片手で一体的に同時押下操作した場合に、MAXBET信号が発生して最多払込可能枚数を払い込む指示(第1指示)が行われ、その後(或いは、MAXBET信号が停止した後)、スタート信号が発生して3つのリール14a、14b、14cを一斉に回転させる指示(第2指示)が行われるものとすることが可能である。
【符号の説明】
【0137】
10 スロットマシン
12 シンボル表示窓
14 リール部
14a リール
14b リール
14c リール
20 スピーカ
22 メダル投入口
24 BETボタン
25 キャンセルボタン
26 払い出しボタン
30a ストップボタン
30b ストップボタン
30c ストップボタン
42 メダル受皿部
44 メダル払出口
44a メダル払出部
50 制御部
51 メダル検出部
52 音声出力部
60 MAXBETレバー
60a MAXBET部
60b MAXBET信号制御体
62 MAXBET信号用フォトインタラプタ
70 スタートレバー
70a スタートレバー操作部
70b スタート信号制御体
72 スタート信号用フォトインタラプタ
80 レバー支持体
80a レバー挿通孔
80b 基端面
C 信号制御体
E 信号用フォトインタラプタ
F 鍔状体
H 水平支持軸
L レバー部材
L1 軸受孔
M MAXBET部
P 復帰用圧縮コイルバネ
R 可動バネ受体
R1 フランジ状部
S スタートレバー操作部
T 透光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技機に対し所定の指示を行う信号を発生させるための操作を行う第1操作部と第2操作部を有し、前記第2操作部に対する操作により行われる第2指示は、前記第1操作部に対する操作により行われる第1指示よりも後に行われる遊技機用指示装置であって、
前記第1操作部と第2操作部は、それぞれの所定の初期位置において互いに近接して位置し、それぞれ独立して操作可能であると共に、遊技者がそれらの操作部を片手で一体的に同時操作可能であり、遊技者の操作によりそれぞれ前記初期位置から所定方向に移動し得るものであり、
前記第1操作部及び第2操作部の移動に応じてそれぞれ移動する第1信号制御体及び第2信号制御体、前記第1信号制御体の所定の移動及び前記第2信号制御体の所定の移動をそれぞれ検出して第1指示を行うための第1信号の発生と第2指示を行うための第2信号の発生を行う第1検出部及び第2検出部、並びに第1信号及び第2信号にそれぞれ基づいて第1指示及び第2指示を行うための制御部を備え、
それぞれの初期位置に位置する前記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合に、前記第1指示が行われた後で、前記第2指示が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されており、および/または、制御部による第1指示と第2指示の間の時期調整が行われることを特徴とする遊技機用指示装置。
【請求項2】
それぞれの初期位置に位置する上記第1操作部と第2操作部が一体的に同時操作された場合に、上記第1信号の発生が行われた後で、上記第2信号の発生が行われるように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されている請求項1記載の遊技機用指示装置。
【請求項3】
上記第1操作部と第2操作部が共に同じ向きに操作された場合において、第1操作部の操作よりも第2操作部の操作が先に開始されたときに、上記第1信号の発生が行われた後で上記第2信号の発生が行われ得るように、第1信号制御体及び第2信号制御体並びに第1検出部及び第2検出部が配置されている請求項1又は2記載の遊技機用指示装置。
【請求項4】
それぞれの所定の初期位置から所定方向に所定行程を移動してそれぞれの到達位置に達した上記第1操作部と第2操作部が、それぞれ自動的に前記初期位置に復帰するための、復帰手段を有する請求項1、2又は3記載の遊技機用指示装置。
【請求項5】
第2操作部が上記到達位置から上記初期位置に復帰する間に第2信号が発生するよう第2信号制御体及び第2検出部が配置されている請求項4記載の遊技機用指示装置。
【請求項6】
上記第1操作部と第2操作部は、それぞれの到達位置において互いに近接して位置する請求項5記載の遊技機用指示装置。
【請求項7】
上記第1信号の発生が行われる以前に、第2信号の発生を行うべき第2信号制御体の所定の移動を第2検出部が検出した場合には、第2信号が発生しても上記制御部が第2信号と扱わないか又は第2信号が発生しない請求項1乃至6の何れか1項に記載の遊技機用指示装置。
【請求項8】
上記第2信号の発生からその第2信号に基づく第2指示までの時間が、上記第1信号の発生からその第1信号に基づく第1指示までの時間よりも長い請求項1乃至6の何れか1項に記載の遊技機用指示装置。
【請求項9】
第1信号発生以前に第2信号が発生し、その第2信号発生から前記第1信号発生までの時間が所定範囲内である場合に、上記制御部は、前記第1信号に基づく第1指示を行った後、前記第2信号に基づく第2指示を発生させる請求項1乃至6の何れか1項に記載の遊技機用指示装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の遊技機用指示装置を備えた遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−152400(P2011−152400A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214589(P2010−214589)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(597131901)
【Fターム(参考)】