説明

遊技機

【課題】遊技機の前面側に設けられた発射操作装置を操作する遊技者の手の疲労を軽減させ、遊技機の前面を一体感のあるデザインにすること。
【解決手段】封入球式遊技機100は、遊技球を発射する発射装置61と、発射装置61を操作するための発射操作ユニット150とを備える。発射操作ユニット150は、タッチパネル表示ユニット151、見せ球装飾部154、スピーカ155及び発射スライドボリューム153と、遊技者の手の接触を検出するハンドルタッチ検出部材152と、これらを保持する取付枠体159とを備える。取付枠体159の側部には空間形成部163が形成され、空間形成部163の後方に空間部158が形成される。ハンドルタッチ検出部材152は空間部158の前部内側面を構成する部位に設けられている。空間部158の下部内側面を構成する部位に、載置部164が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の発射操作装置(発射ハンドル)は、遊技機の前面から前方に突出されたノブ状に構成されていて、その周りに発射勢を調整可能な回動式の操作ダイヤルが設けられていた。また、操作ダイヤル自体或いはその近傍に、タッチセンサが設けられ該センサの検出を条件に発射が可能となるように制御されていた。
このような従来の発射操作装置では、一定の回動量を保持しながら遊技を行う必要があり長時間遊技を継続すると遊技者の手が疲労するという問題があることから、操作装置に手の平を載せる部位を形成し、該部位に手の平を載せた状態で発射操作を行えるようにした遊技機も考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−84927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技者の手を載せられる部位を設けることから、発射操作装置自体が大型化してしまうといった問題点がある。更に、遊技機前面側に設けられる他の機構体の配設の自由度が低減してしまうといった問題点がある。
【0004】
この発明の目的は、遊技球の発射を操作するための発射操作装置を遊技機の前面側に設けた場合、遊技者がその発射操作装置を操作したときに手の疲労を軽減させることであり、また、遊技機の前面側のデザインが一体感のあるものとし且つ遊技機の装飾性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置を備えた遊技機において、
当該遊技機における前面側下方に、遊技の実行に係わる前面機能体を配設するための前方側に膨出した取付枠体を設け、
前記取付枠体の側部に、側方に向いて開口した空間部を形成するための空間形成部材を設け、
前記空間形成部材における左右方向中央部の後方にスピーカを設け、
前記空間形成部材における空間部の前部内側面を構成する部位に、前記開口から挿入された遊技者の手の接触を検出して、前記発射装置を作動させるための信号を出力するタッチ検出部材を設けるとともに、該空間形成部材における前記空間部の下部内側面を構成する部位に、前記開口から挿入された遊技者の手を載置可能な載置部を形成し、
前記スピーカの裏面に空間を形成するように当該スピーカ裏面側を包囲するエンクロージャーを設け、該エンクロージャーを前記空間部の後方に延出させたことを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、遊技者の手を載せられるので、長時間遊技を継続しても疲労しづらい。特に、遊技機の横方向から手を載せられるので自然な姿勢で楽に遊技を行える。また、膨出状の取付枠体の形状を利用して載置部を形成したので、前面側における他の機構との配置に関しても何ら問題が生じないし、遊技機の前面側が一体感のあるデザインとなり装飾性も向上する。
また、空間内に手を入れて置けるので、手を保護することができる。(例えば、上部から落ちてきた物が手にぶつかることを保護)。
また、スピーカの裏面に空間を形成するように当該スピーカ裏面側を包囲するエンクロージャーを設け、エンクロージャーを空間部の後方に延出させたことによって、空間後面部とエンクロージャーとによって包囲された内部空間が形成され、これにより、スピーカにより発生する振動をタッチ検出部材に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記空間形成部材は、前方側に膨出した前面構成部と、前記空間部の下面を構成するとともに前記載置部を形成する底面構成部と、を有し、該空間部の後面に空間後面を備えることで該空間部をポケット状に形成し、
前記底面構成部を前記空間部から外側に延設するとともにその上面を平坦に形成することで、前記載置部を該空間部から外側に延在させたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、載置部を広くできるので、より確実かつ安定した状態で遊技者の手を載せることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記空間形成部材の前面側であって前記開口の縁部を、遊技者の手を前記載置部に載置した状態で当該手で把持可能な把持部として構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、安定した状態で手を載せておくことができ、また、タッチ検出も確実かつ無理なく行うことができる。
また、従来のように把持部が遊技機から突起したものではないので、デザイン的にも効果的である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機において、前記空間形成部材は、遊技者の左右何れの手でも載置可能に、当該遊技機の下部前面側両側部に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、載置する手を遊技者が選べるので、例えば、左利きの遊技者でも何ら違和感なく手を載置することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の遊技機において、前記空間形成部材の前面側であって前記開口の縁部を、遊技者の手を前記載置部に載置した状態で当該手で把持可能な把持部として構成し、
前記空間形成部材の前面側表面であって前記開口の縁部の近傍に、前記発射装置における遊技球の発射勢を調整可能な発射勢調整部材を備え、遊技者の手で前記把持部を把持した状態で該発射勢調整部材を操作可能に構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、載置部に手を載せた状態で、発射勢の強弱調整を行うことが可能となり、疲労感無く遊技を継続できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技者の手を載せられるので、長時間遊技を継続しても疲労しづらい。特に、遊技機の横方向から手を載せられるので自然な姿勢で楽に遊技を行える。また、膨出状の取付枠体の形状を利用して載置部を形成したので、前面側における他の機構との配置に関しても何ら問題が生じないし、遊技機の前面側が一体感のあるデザインとなり装飾性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本発明の遊技機を適用した実施形態における封入球式遊技機100の正面が開いた状態の封入球式遊技機100の斜視図であり、図2は、封入球式遊技機100の正面が閉じた状態の封入球式遊技機100の斜視図であり、図3は、封入球式遊技機100の背面図である。また、図4は、封入球式遊技機100の裏面下部を示す要部斜視図であり、図5は、前面枠本体130の開口部121の下部及びその周辺を示した斜視図である。図6は、封入球式遊技機100の下部の断面図であり、図7は、封入球式遊技機100の下部を示す要部断面図である。
【0017】
本実施形態の封入球式遊技機100は、本発明をパチンコ遊技機に応用したものであり、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっているとともに、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機100においては、予め封入された遊技球を用い、貸球機等を介してカード等の記憶媒体から入力されたデータ(貸球数のデータ)等に基づく遊技球数、すなわち、持球数のデータに対応して遊技球を遊技領域に発射可能とされ、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータが減算されるようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態でカード等の記憶媒体に記憶された金額のデータや貯球のデータ等に基づいて、持球数のデータに数値(すなわち、貸球数もしくは再プレイ球数)が加算されると再び遊技球の発射が可能となる。
また、発射された遊技球は、封入球式遊技機100内で回収されて再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機100内で循環するようになっている。
すなわち、この実施形態の封入球式遊技機100は、遊技領域に発射された遊技球を回収して、再び遊技に供する封入球式遊技機である。
【0018】
図1〜図7に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、この機枠110の一側方には、該機枠110に対し回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸支されている。また、前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体(本体枠)130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたガラス枠140と、前面枠本体130の前面のガラス枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150とを有する。
【0019】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部121が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部121から前側に臨むようになっている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部121、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記ガラス枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記ガラス枠140に嵌め込まれたガラス板141,141との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。そして、この封入球式遊技機100は、この遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置61を備えるものである。
【0020】
また、ガラス枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、ガラス枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
ガラス枠140には、前面枠本体130の開口部121をほぼ閉塞するように、該開口部121に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141,141が固定されている。そして、ガラス枠140において、封入球式遊技機100の前側からガラス板141,141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。
【0021】
また、ガラス枠140の前面側のうち遊技領域1aの視認を妨げない位置には、図2に示すように、外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13等が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、ガラス枠140の前面上部に設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、その旨を周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球が入賞口等に入って出てきた賞球数)との差である差球数(差球数に遊技店が遊技者に貸した貸球数を加算した数値は、遊技者が持っている持球数であり、持球数は、ここでは、上述の遊技球の発射を可能とする遊技球数のデータ)に基づいて、差球数が高くなった場合に、外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。なお、上述のように封入球式遊技機100では、上述のように賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数(遊技球数)等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、持球数は、例えば、遊技領域に発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域に発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた貸球数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
【0022】
なお、ガラス枠140を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(ファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数(積算値)=入球数−貸球数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、出球数−入球数=差球数、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+差球数となる。以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球を得て、これを遊技球箱に溜めることにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
【0023】
外部アピール装飾ランプ11,…の動作をより具体的に説明すると、例えば、持球数もしくは差球数が1000個以上になると、外部アピール装飾ランプ11,…のうちの1つが所定の発光色(たとえば緑)で点灯し、持球数もしくは差球数が2000個以上となると外部アピール装飾ランプ11,…のうちの2つが点灯するとともに、発光色を変更するというように、持球数もしくは差球数が所定数ずつ増えるたびに外部アピール装飾ランプ11,…の点灯数を増加し、かつ、発光色を変更し、遊技店内の遊技者等に差球数が多い台を知らせるとともに、その台で遊技する遊技者が多くの遊技球数を獲得していることをアピールするようになっている。
【0024】
また、前面枠本体130の前面側のガラス枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。図8は、発射操作ユニット150の上面図(平面図)であり、図9は、発射操作ユニット150の側面図であり、図10は、図9の面X−Xに沿う断面図であり、図11は、図10の断面図のうち面X−Xに沿った端面を示す図面であり、図12は、発射操作ユニット150の分解斜視図である。
【0025】
図8〜図12に示すように、発射操作ユニット150は、遊技の実行に係わる前面機能体としてのタッチパネル表示ユニット(表示装置)151、見せ球装飾部154、スピーカ155及び発射スライドボリューム(発射勢調整装置)153と、遊技者の手の接触を検出するハンドルタッチ検出部材152,152と、これらの部材を保持するとともに発射装置61の操作用のポケット状の空間部158,158を形成する発射操作フレーム160と、を備える。
【0026】
発射操作フレーム160は、前面枠本体130の下部に備わった取付盤131の前面を前方から覆った裏面カバー162と、裏面カバー162の前面に取り付けられた取付枠体159と、を備える。上述したようにガラス枠140は前面枠本体130のうち上下方向中央より少し下側から上端部に渡る部分を前方から覆っているが、裏面カバー162は前面枠本体130のうち残りの下側の部分(取付盤131)を前方から覆っている。
【0027】
取付枠体159は、封入球式遊技機100の前面側下方に設けられており、遊技の実行に係わる前面機能体としての見せ球装飾部154、スピーカ155及び発射スライドボリューム153を配設するために前方側に膨出している。すなわち、取付枠体159は裏面カバー162の前面全体を覆うように裏面カバー162の前面に取り付けられており、取付枠体159が二枚のガラス板141,141のうちの前側のガラス板141よりも前方へ膨出した状態に形成されている。取付枠体159が前方に膨出した状態に設けられているので、取付枠体159と裏面カバー162との間にスペースが形成され、タッチパネル表示ユニット151、見せ球装飾部154及び発射スライドボリューム153を傾斜させた状態で配設できるようになっている。
また、取付枠体159の裏面(裏面カバー162側の面)には、雌のネジ穴が幾つか形成されており、裏面カバー162にはこれらネジ穴に対応する位置においてネジ貫通孔が形成され、取付盤131にはこれらネジ穴に対応する位置においてネジ貫通孔が形成されている。そして、発射操作フレーム160を前面枠本体130の前面側のガラス枠140の下側に取り付ける場合には、取付枠体159の裏面に裏面カバー162を取り付け(発射操作フレーム160を組み立て)、裏面カバー162を取付盤131に向けた状態で取付盤131の前面下部を発射操作フレーム160で覆い、取付盤131の裏面からネジをそれぞれのネジ貫通孔に通し、それらネジを取付枠体159のネジ穴に螺合させる。
なお、この封入球式遊技機100では取付枠体159が裏面カバー162を介して取付盤131の前面に取り付けられているが、取付枠体159と取付盤131との間に裏面カバー162を介在させずに取付枠体159が取付盤131の前面に直接取り付けられていても良い。
【0028】
取付枠体159の左右方向中央部であってその上部には、略矩形状の切欠き166が形成され、この切欠き166には、略矩形枠状の表示部取付部材165が装着されている。表示部取付部材165の矩形枠内にはタッチパネル表示ユニット151が嵌め込まれており、タッチパネル表示ユニット151の表示面の周囲が表示部取付部材165によって囲繞されている。
【0029】
前面機能体として遊技者に遊技情報を表示するタッチパネル表示ユニット151は、その表示面を斜め上方に傾斜した状態で、表示部取付部材165を介して取付枠体159に取り付けられている。すなわち、タッチパネル表示ユニット151の表示面の下部が前寄りになり且つタッチパネル表示ユニット151の表示面の上部が後ろ寄りになるように、タッチパネル表示ユニット151の表示面が傾斜している。
【0030】
タッチパネル表示ユニット151の表示面に対して裏側の背面部は、取付枠体159と裏面カバー162との間に形成されたスペースに収納された状態となっている。なお、図12では、図面を簡略にするためにタッチパネル表示ユニット151及び表示部取付部材165の図示を省略する。
【0031】
タッチパネル表示ユニット151は、液晶ディスプレイを有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球の払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにするとともに、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、表示部取付部材165とともに封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
【0032】
また、タッチパネル表示ユニット151の右方には、前面機能体としての見せ球装飾部154が設けられている。この見せ球装飾部154も、タッチパネル表示ユニット151と同様に、表示部取付部材165を介して取付枠体159に取り付けられている。
【0033】
見せ球装飾部154は、遊技球を払い出すパチンコ遊技機における上皿に溜まった遊技球の減少や増加による流動等を仮想的に表現するものである。
すなわち、遊技球を順次発射した際や、遊技球が入賞した際に、タッチパネル表示ユニット151に表示される持球数の増減だけで、パチンコ遊技機の上皿に溜まった遊技球の発射による減少や、賞球の払い出しによる増加を実感しずらいので、見せ球装飾部154で、遊技球の移動を仮想的に再現することで、遊技者に対して遊技球の増減を実感しやすい状態とする。
【0034】
なお、見せ球装飾部154は、例えば、遊技球の増減を遊技球の移動で表現するものであり、実際の遊技球を循環移動させることにより表示しても良いし、ディスプレイとして画像により遊技球の移動を表示するものとしても良いし、擬似的にランプの点滅等で遊技球の移動を表現するものとしても良い。
【0035】
取付枠体159はその左右両側部に、側方に向いて開口した空間部158を形成するための空間形成部(空間形成部材)163,163を備える。空間形成部163,163は、取付枠体159の側部から延設されている。すなわち、封入球式遊技機100を正面側から見た場合に、空間形成部(空間形成部材)163,163が取付枠体159の左右それぞれの側部から側方に向かって延出するように設けられ、空間形成部163,163のそれぞれの後方にポケット状の空間部158,158が形成され、左側の空間部158は左方に向いて開口し、右側の空間部158は右方に向いて開口している。
【0036】
右側の空間形成部163は、その空間形成部163の前面部を構成し、前方側に膨出した湾曲状の前面構成部163aと、その空間形成部163の下面部を構成した底面構成部163bとを備える。封入球式遊技機100を側面側から見た場合、前面構成部163aは、その前面上部から前面下部に向かうにつれて徐々に前方に膨出するように湾曲した状態に設けられている。前面構成部163aの下端から底面構成部163bの上端にかけて連続するように、前面構成部163aが底面構成部163bと一体に形成されている。底面構成部163bは、その下部からその上部に向かうにつれて徐々に前方に膨出するように湾曲した状態に設けられている。
【0037】
一方、裏面カバー162は、空間後面部170,170を左右それぞれに有する。そして、右側の空間後面部170の前方では、右側の空間形成部163が右側の空間形成部163に相対向している。
【0038】
右側の空間部158は右側の空間形成部163のうち前面構成部163aと空間後面部170との間に形成されており、空間後面部170が空間部158の後部内側面を構成している。右側の空間部158は、右側方に開口しており、全体としてポケット状に形成されている。
【0039】
また、取付枠体159は、空間部158の開口158aから挿入された遊技者の手を載置可能な載置部164,164を左右それぞれの側部に有する。そして、右側の空間形成部163における空間部158の下部内側面を構成する部位に、開口158aから挿入された遊技者の手(主に右手)を載置可能な右側の載置部164を形成している。また、右側の載置部164が空間部158からその右方外側に延在するように、右側の空間形成部163の下方部位が延設されている。すなわち、右側の載置部164が右側の前面構成部163aと底面構成部163bとの境界線を通った水平面状に形成されており、封入球式遊技機100を正面側から見た場合にその載置部164の一部が前面構成部163aの後ろ側に配設され、その載置部164の他の部分が底面構成部163bの上側において空間部158から右方に延出している。右側の載置部164のうち空間部158から右方に延出した部分は、略平坦に形成されている。
【0040】
この封入球式遊技機100は、従来のパチンコ遊技機に設けられた遊技球の発射を操作するための回転操作式の操作ハンドルに代えて、ハンドルタッチ検出部材152,152及び発射スライドボリューム153を有する。
【0041】
右側の空間形成部163における空間部158の前部内側面を構成する部位に、開口158aから挿入された遊技者の手(主に右手)を検出して発射装置61を作動させるための信号を出力する右側のハンドルタッチ検出部材152を設けている。
【0042】
詳細に説明すると、右側のハンドルタッチ検出部材152は、右側の前面構成部163aと右側の空間後面部170との間に配置さている。そして、右側のハンドルタッチ検出部材152は、右側の前面構成部163aを後ろから覆うとともに右側の載置部164の一部(主に、空間部158内に存する部分)を上から覆うように設けられている。そして、右側のハンドルタッチ検出部材152は、取付枠体159の右側部に形成されたポケット状の空間部158の前部内側面を構成する。また、ハンドルタッチ検出部材152は、金属板で構成され、従来の操作ハンドルに設けられていたタッチセンサを有するものであり、遊技者の手のハンドルタッチ検出部材152に対する接触によって信号を発射制御装置に出力し、発射制御装置の制御の元に発射装置61を作動させて遊技球を発射させるものである。
【0043】
また、右側の載置部164が右側の空間部158から右方外側に延出した状態となっているので、遊技者が手(主に右手)を右側の空間部158に入れて右のハンドルタッチ検出部材152に触れた状態で手を載置部164に置けるようになっている。すなわち、載置部164は、ハンドレストとして機能する。
【0044】
また、遊技者が右手を右側の空間部158に入れた状態では、右側の空間形成部163の前面側であって開口158aの縁部が、遊技者の右手で把持可能な把持部163cとして構成されている。具体的には、遊技者の右手の人差し指、中指、薬指及び小指を右側の空間部158に入れた状態で、ハンドルタッチ検出部材152に触れて、親指を右側の空間部158から出して空間形成部163の前方に位置させて、把持部163cを把持することが遊技者にとって可能となっている。また、遊技者が手を載置部164に載置した状態で、把持部163cを手で把持することが可能とされている。
【0045】
また、従来、発射勢の調整は、操作ハンドルを回転することにより行われていたが、この封入球式遊技機100では、操作レバー156の上下動させることにより行われる。そして、発射装置61における遊技球の発射勢を調整可能な操作レバー156は、空間形成部163の前面側表面であって開口158aの縁部(把持部163c)の近傍に備えられている。そして、この封入球式遊技機100では、遊技者の手で把持部163cを把持した状態で操作レバー156を操作可能に構成している。そして、操作レバー156を備えた発射スライドボリューム153により発射勢を調整できるようになっている。
【0046】
具体的には、前面機能体としての発射スライドボリューム153は、右側の空間形成部163のうち前面構成部163aとハンドルタッチ検出部材152との間において前面構成部163aの裏面に取り付けられている。その前面構成部163aには、上下に長尺なスリット163dが形成されており、発射スライドボリューム153の可動部がスリット163dから前方へ突出し、その可動部に操作レバー156が取り付けられている。
【0047】
また、操作レバー156は、発射スライドボリューム153の可動部とともにスリット163dに沿って上下に移動可能に設けられている。遊技者の右手の人差し指、中指、薬指及び小指を右側の空間部158に入れ、ハンドルタッチ検出部材152に触れ且つ把持部163cを把持した状態で、親指を右側の空間部158から出してその親指で操作レバー156を上下に操作できるようになっている。
【0048】
また、操作レバー156を上又は下に移動すると発射勢が強くなり、逆に移動すると発射勢が弱くなるようになっている。この操作レバー156は、任意の位置で止められるようになっており、手を離してもバネ等により発射勢を最低とする位置に戻ることがないので、一度、遊技者が発射勢を決めたら、操作レバー156から手を離して、ハンドルタッチ検出部材152に手を触れるだけで遊技球が発射可能となる。
【0049】
一方、左側の空間形成部163は、封入球式遊技機100の上下に延在した中心線に関して右側の空間形成部163と線対称に設けられており、左側の載置部164は、封入球式遊技機100の上下に延在した中心線に関して右側の載置部164と線対称に設けられており、左側のハンドルタッチ検出部材152は、封入球式遊技機100の上下に延在した中心線に関して右側のハンドルタッチ検出部材152と線対称に設けられている。但し、左側の空間形成部163には、右側の空間形成部163のようにスリットが形成されていない。
【0050】
裏面カバー162の左側の空間後面部170も、右側の空間後面部170と同様に、左側の空間形成部163の後方においてその空間形成部163に相対向しており、左側の空間部158の後部内側面を構成している。また、左側のハンドルタッチ検出部材152は、右側のハンドルタッチ検出部材152と同様に、左側の前面構成部163aと空間後面部170との間に配置され、左側の空間部158の前部内側面を構成している。
【0051】
空間形成部163,163は、遊技者の左右何れの手でもそれぞれの載置部164,164に載置可能に、封入球式遊技機100の下部前面側の左右両側部にそれぞれ設けられている。また、ハンドルタッチ検出部材152,152は、封入球式遊技機100の下部の発射操作ユニット150の左右にそれぞれ設けられているので、右手でも左手でも遊技球の発射の操作が可能となっている。
【0052】
この封入球式遊技機100では、左側の空間形成部163に発射スライドボリューム及び操作レバーが設けられていないが、右側の空間形成部163と同様に左側の空間形成部163の裏面側に発射スライドボリュームを設け、左側の空間形成部163の前面側表面にも操作レバーを設けても良い。左側の空間形成部163に発射スライドボリューム及び操作レバーを設けた場合には、右側の空間形成部163に発射スライドボリューム153及び操作レバー156を設けなくても良いし、設けても良い。
【0053】
この発射操作ユニット150では、以下のようにして、スピーカ155が裏面カバー162を介して取付枠体159に取り付けられている。すなわち、取付枠体159の左右方向中央部であってその下部には、後方に窪んだ状態に形成されたスピーカ取付凹部167が設けられている。スピーカ取付凹部167の後ろ側底面には、開口168が形成されている。一方、裏面カバー162の左右方向における中央部であってその下部には、前方に向かって凸状に設けられたスピーカ取付部171が形成されている。取付枠体159が裏面カバー162と前後に重なって裏面カバー162に組み付けられた場合に、スピーカ取付部171の前面がスピーカ取付凹部167の後ろ側底面と対向している。また、スピーカ取付部171の前面には、スピーカ取付部171の裏面まで貫通した開口172が形成されており、スピーカ取付凹部167の開口168がスピーカ取付部171の開口172と前後に重なっている。
【0054】
裏面カバー162を正面側から見た場合には、スピーカ取付部171が前方に凸状に形成されているが、裏面カバー162を裏面側から見た場合には、スピーカ取付部171が前方に凹状に形成されている。スピーカ取付部171の裏面の凹部に、前面機能体としてのスピーカ155が収納されている。スピーカ155のコーン面が開口168及び開口172を閉塞するように、スピーカ155がスピーカ取付部171を介してスピーカ取付凹部167に設けられている。スピーカ155のコーン面は保護カバー173によって覆われており、この保護カバー173はスピーカ155とスピーカ取付部171の裏面との間に挟持された状態でスピーカ取付部171に取り付けられている。
なお、スピーカ155が裏面カバー162を介して取付枠体159に取り付けられているが、取付枠体159(主に、スピーカ取付凹部167の開口168と前後に重なる位置)に直接取り付けられていても良い。
【0055】
スピーカ155は、その後方をエンクロージャー157によって覆われている。エンクロージャー157は、その前側が開放した箱状に形成されており、箱状内の空間にスピーカ155を配置させた状態で裏面カバー162の裏面に取り付けられている。また、エンクロージャー157は、右側(図3に示すように後ろから向かって見た場合には左側)に延出した状態に設けられており、エンクロージャー157の一部が裏面カバー162の右側の空間後面部170を後ろから覆っている。エンクロージャー157が前側に開放した箱状に形成されているから、空間後面部170とエンクロージャー157とによって包囲された内部空間が形成され、これにより、スピーカ155により発生する振動を右のハンドルタッチ検出部材152に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感可能となっており、ボディソニックの一種となっている。なお、本実施形態では左側の空間後面部170がエンクロージャー157によって覆われていないが、エンクロージャー157が左側に延出した状態に設けられ、その延出した部分が左側の空間後面部170を後ろから覆っても良い。
【0056】
一方、裏面カバー162の左右方向における中央部であってスピーカ取付部171の上には、通気開口部174が形成されている。この通気開口部174は、取付枠体159と裏面カバー162との間のスペースから裏面カバー162の裏面側まで連通している。一方、取付盤131の左右方向における中央部には、ファン開口部139(図6、図7等に図示)が形成されており、裏面カバー162が取付盤131に取り付けられた場合には、ファン開口部139が通気開口部174と前後に重なる位置にある。取付盤131の裏面であってファン開口部139と前後に重なる位置には、後述する送風ファン420(図6、図7等に図示)が配設されている。この送風ファン420は、裏面カバー162と取付枠体159との間のスペースからファン開口部139及び通気開口部174を通じて取付盤131の後ろ側へ送風するものである。このスペース内にタッチパネル表示ユニット151の背面部が配置されているので、送風ファン420によってタッチパネル表示ユニット151が空冷される。
【0057】
裏面カバー162を前方から見た場合、裏面カバー162のうち通気開口部174のすぐ左方の位置には、配線用開口部175が形成されている。一方、取付盤131のうち配線用開口部175と前後に重なる位置には、開口部(図示略)が形成されている。その開口部及び配線用開口部175には、後述する各種基板(演出制御基板50、遊技制御基板20、発射制御基板63、電源基板71、第1枠制御基板81、第2枠制御基板82)からハンドルタッチ検出部材152,152、タッチパネル表示ユニット151、発射スライドボリューム153及び見せ球装飾部154までの配線群が通っている。
【0058】
なお、取付枠体159は空間形成部163,163及び載置部164,164と一体に形成したものであるが、取付枠体159、空間形成部163,163及び載置部164,164のうち少なくとも何れか1つを他と別体に形成し、これらをネジなどにより組み付けることにより取付枠体159を構成しても良い。
【0059】
そして、図1〜図7に示すように、以上のような封入球式遊技機100において、前面枠本体130の開口部に嵌め込まれた遊技盤1の前面側の遊技領域1aにおいて遊技が行われることになる。
すなわち、封入球式遊技機100は、遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域1aには、図1に示すように、普図始動ゲート6,6、この普図始動ゲート6,6を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄(普図)の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、普通変動入賞装置9、この普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置4、特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。
【0060】
なお、本発明の封入球式遊技機100の遊技盤1においては、遊技領域1aをその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球を遊技領域1aの下端部において遊技盤1の裏面側に導くアウト穴が設けられておらず、その代わりに遊技盤1の前面で遊技領域1aを囲むガイドレール2が、遊技領域1aの下端部で設けられていない構成、すなわち、ガイドレール2の遊技領域1aの下側を囲む部分に、切欠部が設けられる構成となっており、入賞しなかった遊技球は、遊技盤1の下端部の中央部分で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aからそのまま遊技領域1aの外側(下側)に流下する構成となっている。すなわち、アウト球は、遊技領域1aから遊技盤1の裏面側に移動することで、遊技領域1aから排出されるのではなく、そのまま遊技盤1の前面側で遊技領域1aの下側に流下することで遊技領域1aから排出される。
【0061】
前記普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材を具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置9の内部(入賞領域)に備えられた特図始動センサ(図示略)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
【0062】
また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球を検出するための普図始動センサが設けられている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート6,6内を通過すると、普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置9の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞
しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0063】
また、特図の変動表示装置4は、例えば、図6等に示す液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している。この表示画面42における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置となる演出制御基板50(サブ基板、盤用演出基板)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置9へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面42にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面42において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面42の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。
【0064】
ここで、特別変動入賞装置5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカー形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサと、大入賞口に入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球を検出するための継続センサが配設されている。
なお、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサが配設されている。
【0065】
ここで、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口8、普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5の大入賞口等の入賞口の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球が各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の遊技球数(持球数)のデータに加算される。
【0066】
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は高い遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式遊技機100はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に(大当りとなった場合に)、遊技者に特定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能に構成されている。
【0067】
また、前記遊技盤1の裏面側には、図3及び図6に示すように、前記液晶ディスプレイ41の後側にボックス51に納められた状態で前記演出制御基板50が配置され、その下側にボックス21に収納された状態で遊技を制御する遊技制御装置となる遊技制御基板20が配置されている。遊技制御装置は、遊技球の入賞をセンサで検知した場合に、後述する枠制御装置へ入賞(賞球数)を示す信号を出力するとともに、普図始動ゲート6,6を遊技球が通過したのをセンサが検知した場合に、普図の変動表示ゲームの制御を行うとともに、普図の変動表示ゲームの当り外れの判定の制御を行う。そして、遊技制御装置は、普図の変動表示ゲームが当りとなった場合に、普通変動入賞装置9を作動させる制御を行う。また、遊技制御装置は、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞した場合に特図の変動表示ゲームの制御を前記演出制御装置を介して行う。すなわち、遊技制御装置は、演出制御装置に変動表示装置4の表示制御を行わせるとともに、大当りと外れの判定の制御を行う。
なお、遊技盤1に、遊技に係わるセンサやソレノイドや表示装置等が設けられるとともに、これらを制御する遊技制御装置や演出制御装置が設けられているので、遊技盤1を変更することにより、封入球式遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
【0068】
また、前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に上述の取付枠体159を有する発射操作ユニット150が取り付けられるとともに、図4、図6,図7に示すように、その裏面側に遊技球を発射するための発射装置61及び発射レール62等を備えた発射ユニット60が取り付けられる取付盤131となっている。
取付盤131を備える前面枠本体130は、各種部材の取付部材やリブ等が形成されたものである。
なお、取付盤131と前面枠本体130は、樹脂により一体成型されていても良いし、取付盤131が前面枠本体130から取り外せるように別体品としても良い。
【0069】
図3、図4、図6,図7に示すように、前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、上述の発射ユニット60が備えられるとともに、発射装置61を制御する発射制御装置となる発射制御基板63(ボックス63a内に配置)、発射装置61により遊技領域1aに発射された遊技球を回収して再び発射装置61に供給する封入球循環ユニット200(封入球循環装置)、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源基板71(ボックス71a内に配置)、遊技盤1以外の前面枠120に備えられた装置の制御を行う第1枠制御基板81(ボックス81a内に配置)及び第2枠制御基板82(ボックス82a内に配置)が取り付けられている。これら第1枠制御基板81及び第2枠制御基板82が枠制御装置として機能し、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、球装飾部154、封入球循環ユニット200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置となる。なお、第1枠制御基板81は、遊技制御基板20及び演出制御基板50からの制御に基づいて第2枠制御基板82及び発射制御基板63を制御するようになっている。
なお、取付盤131を有する前面枠本体130は、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されたりする。
【0070】
発射ユニット60は、取付盤131の裏面に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64の裏面側にレール取付ベース65を介して取り付けられる発射レール62と、発射レール62上の遊技球を打撃して遊技球を発射させる発射杵66等を備えた発射装置61とを備える。
そして、発射レール62は、遊技球を発射レール62に沿って案内するように断面V字状に形成され、遊技盤1より下で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの真下となる位置に配置されるとともに、遊技領域1aの下部の例えば左側で発射された遊技球をガイドするようにガイドレール2が外側と内側とに二重に配置された部分の下端部に発射装置61に打撃された遊技球を導くように、封入球式遊技機100の左右方向に沿って左右に延在するとともに、封入球式遊技機100の前から見て右端部より左端部が高くなるように斜めに配置されている。すなわち、発射レール62はその長手方向を遊技領域1aに向けて傾斜した状態で取付盤131の裏面に設けられている。また、発射レール62は、上述の発射レール62の配置に沿って前から見て右端部より左端部が高くなるように取付プレート64に形成されたリブ状のレール取付ベース65上に載った状態で取付プレート64にビス等により固定されている。
【0071】
なお、発射ユニット60は、基本的に全体がほぼ金属製となっており、金属製の発射レール62には、その背面側に後述する導電性プレートとしての金属プレート410をアースするためのアース配線430の末端を接続する接続部としてネジ孔(図示略)が形成されるとともに、アース配線430を接続する接続端子としてのネジ622がネジ孔に螺合されている。また、取付プレート64も金属製とされ、発射レール62に接触している。
【0072】
図4、図18に示すように、発射装置61は、取付盤131とこの取付盤131に取り付けられた取付プレート64との間に形成された収納空間に収納されるように、取付プレート64の前面側に取り付けられた図示しない電気的駆動源としてのモータ(ステッピングモータ)と、このモータに接続されて回転駆動されることにより、遊技球を打撃して遊技球を発射する発射杵66と、発射杵66の回転角度を規制するストッパ部材67と、発射レール62上に後述するように封入球循環ユニット200から供給された遊技球を、発射レール62の下端部上の発射杵66により打撃可能な所定位置に停止させる球位置決め部材68とを備える。
発射杵66は、取付プレート64の背面側に回動自在に軸支されるとともに、取付プレート64の前面側に配置されたモータに接続される回転軸部661と、その回転軸部661からほぼ半径方向に僅かに湾曲した状態で延出するアーム部662と、アーム部662先端からほぼ回転方向(半径方向にほぼ直交する方向)に延出する丸棒状の杵部664と、該杵部664が内部に挿入された状態で杵部664に取り付けられて杵先666となるコイルスプリングと、回転軸部661からアーム部662と逆方向に延出するストッパ係合部材665とを備える。
また、図18に示すように、発射杵66の回転軸部661は、発射レール62の発射位置69よりも上方に設けられている。
【0073】
ストッパ部材67は、取付プレート64に固定されるとともに、遊技球打撃後に打撃方向に回転する発射杵66のストッパ係合部材665に面で当接して発射杵66の遊技球打撃後の打撃方向への回転を規制する略直方体形状で弾性変形可能な低反発性素材からなる第1ストッパ671と、遊技球打撃後に原点角度に戻るように逆回転(打撃方向の逆方向)する発射杵66が原点角度となった際にアーム部662に当接して発射杵66を原点角度で止める円板状で弾性変形可能な低反発性素材からなる第2ストッパ672とを有するとともに、これら第1ストッパ671及び第2ストッパ672を取付プレート64に固定するストッパ固定部673を有する。
【0074】
これにより、ストッパ部材67は、発射杵66を、アーム部662が第2ストッパ672に当接した状態からストッパ係合部材665が第1ストッパ671に当接した状態まで打撃方向及び戻り方向に回転自在とされている。
なお、発射杵66は、図示しないモータとしてのステッピングモータにより所定の角度だけ回転するように制御されているが、ストッパ部材67により確実に停止するようになっている。
また、発射杵66は打撃方向には高速に回転するので、打撃方向の回転を規制する第1ストッパ671は、ストッパ係合部材665と、互いに面接触可能なように、それぞれの接触面が平面状となっている。
一方、第2ストッパ672は、円板状で外面が円周面となるので、仮に弾性変形しないとするとアーム部662に線接触することになり、第2ストッパ672の狭い範囲がアーム部662と接触することになる。しかし、第2ストッパ672は、その円板状の形状の円の中心を軸として回転自在にストッパ固定部673に取り付けられている。
そして、第2ストッパ672は、アーム部662との接触等により回転し、アーム部662との接触位置が変化するようになっており、毎回第2ストッパ672の外周面の同じ部分が毎回アーム部662と接触することにより短期間で劣化するのを防止している。
【0075】
球位置決め部材68は、発射レール62の後端部上に臨むように形成された封入球循環ユニット200の後述の供給導出口247の後側(発射レール62の傾斜下端部)に配置され、供給導出口247から発射レール62上に供給された遊技球が発射レール62の傾斜方向となる後側に転動するのを規制して、発射レール62の後端部に発射まで遊技球を留めておくようになっている。また、球位置決め部材68は、発射レール62の後端部上で、発射レール62から遊技球の直径より僅かに短い間隔を開けて配置されており、球位置決め部材68の前側(発射レール62の傾斜下端部)に遊技球を抑えた状態で、球位置決め部材68と発射レール62との間の空間を発射杵66の杵部664及び杵先666が通って遊技球を打撃するようになっている。そして、発射レール62の後端部(傾斜下端部)上の球位置決め部材68により遊技球が保持される位置が遊技球を発射する発射位置69となる。
【0076】
発射ユニット60においては、発射装置61及び発射レール62の前側が取付プレート64により閉塞され、取付プレート64が取り付けられた取付盤131の取付プレート64の周囲に形成されたリブにより、発射レール62を通って発射される発射球(遊技球)の経路を除いた上下左右が略閉塞されているが、発射ユニット60の裏面側(後方側)は、開放された状態となっている。しかし、取付盤131の発射ユニット60の裏面側には、後述するように発射ユニット60と前後に略重なって封入球循環ユニット200が取り付けられ、封入球循環ユニット200の前面(前面壁)により発射ユニット60の発射レール62及び発射装置61の部分の後方側がほぼ覆われてほぼ閉塞された状態となっている。
【0077】
また、遊技領域1aには、上述の外側と内側との二つのガイドレール2,2からなる発射球の誘導路となる部分の下端部に発射球の導入口であり、かつ、発射球が遊技領域1aを流下せずにファール球として戻った場合の戻り口となる発射球導入部がある。一方、図5に示すように、前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる部分の下枠となる部分、すなわち、前面枠本体130の取付盤131の上側縁部には、ガラス枠140の後方側のガラス板141の裏面と、遊技盤1の前面との間の遊技領域1aの下部を閉塞する底壁部134が形成されている。そして、前面枠本体130の底壁部134の上述の遊技領域1aの発射球導入部に対向する部分に、発射球通過口135が設けられている。
【0078】
そして、取付盤131の発射球通過口135の下では、発射球通過口135の裏面側から見て左側の側縁のほぼ真下に、発射球通過口135から下に向かって間隔を開けて、発射レール62の先端より少し先(裏面からみて右側)にあるレール取付ベース65の垂直な先端面が配置されている。また、図4に示すように、発射球通過口135の裏面側から見て右側の側縁のほぼ真下には、発射球通過口135の右側縁で底壁部134と一体に接合されて形成された案内壁136が設けられている。案内壁136は、発射レール62とほぼ同じ傾斜角で傾斜しており、その下側端部には、レール取付ベース65の先端面と対向して垂直に形成された仕切壁137が案内壁136に連続して形成されている。
【0079】
そして、発射レール62及びレール取付ベース65と、案内壁136及び仕切壁137との間が、ファール球を発射レール62側に戻らせることなく、封入球循環ユニット200の後述するファール球回収部257を介して封入球循環ユニット200に導入する球流入口138となる。なお、球流入口138は、その上方が前記発射球通過口135となっており、遊技領域1aの外側と内側のガイドレール2の間の発射球導入部と連通し、後方側が封入球循環ユニット200の後述するファール球回収口251(図18に図示)と連通している。
【0080】
また、上述の案内壁136は、発射レール62の上面の延長線より低い位置に配置されており、戻ってきたファール球が接触した場合に、発射レール62の上面より低い位置にファール球を案内して、ファール球が発射レール62上に載らないようにしている。基本的には、ファール球は、発射レール62の先端部が、発射球通過口135と上下に重ならない位置にあることで、発射レール62の前側に落下するようになっている。
【0081】
封入球循環ユニット200は、図3、図4、図6、図7、図13から図19に示すように、遊技領域1aに発射された遊技球(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する回収口211を有する回収部材210と、回収口211から回収された遊技球を検知する回収球センサ212と、回収口211から回収球センサ212まで遊技球を流下する導入傾斜部213を有する導入経路280と、回収球センサ212を通過した遊技球を発射装置61に案内する循環流路220と、循環流路220の下流側の一部分であり、正常に遊技球を順次発射している状態で遊技球が溜まった状態となる待機流路221とを備える。
【0082】
また、封入球循環ユニット200は、ファール球回収手段250として、発射装置61により上述の内側のガイドレール2及び外側のガイドレール2との間に発射されたにも係わらず、再び発射装置61側に向かって戻ってしまったファール球を回収するファール球回収口251と、回収されたファール球を検知するファール球センサ253と、ファール球回収口251から回収されたファール球(遊技球)を循環流路220に流下させるファール球流路252とを備える。
【0083】
また、封入球循環ユニット200は、待機流路221を遊技球の発射毎に移動する遊技球の付着物を除去する付着物除去手段400と、循環流路220内の球を抜く球抜き装置230と、発射装置61の発射レール62の下端部(遊技球の発射位置69)に臨む供給導出口247に遊技球の発射のタイミングに応じて順次遊技球を送る供給装置としての球送り装置240とを備える。
なお、球送り装置240と、後述する供給流路245が、発射装置61の遊技球の発射位置69に遊技球を供給する供給装置となる。
【0084】
また、封入球循環ユニット200は、封入球循環ユニット200内に通常循環使用される遊技球以外に補給用の遊技球を貯留し、遊技中に循環する遊技球が減少した場合に補給する球補充装置260と、遊技球の入れ替え用の所定数の遊技球(例えば、30球で上述の補給用の遊技球を含む)が収納された球交換カセット(図示略)を取り付けるとともに、球交換カセット内の遊技球を封入球循環ユニット200内に供給するための球交換カセット取付部270とを備える。
また、封入球循環ユニット200の主要部は、図16等に示すように、主要部の前面側を構成する前壁部材(前面壁)310と、主要部の裏面側を構成する後壁部材320とから概略箱状に形成され、主要部の内部に上述の導入経路280、循環流路220(待機流路221を含む)、ファール球流路252とが形成されている。なお、基本的に前壁部材310側に上述の遊技球の経路を構成する部材が形成されるとともに、センサ、ソレノイド等を取り付ける部材が形成され、後壁部材320には、各部材の取付を補助する部材や、封入球循環ユニット200の外周を囲う外周壁326を有する。また、前壁部材310及び後壁部材320は、それぞれ透明な樹脂により一体成型されており、封入球循環ユニット200内の遊技球や、封入球循環ユニット200の前側の遊技球や発射ユニット60等を透視可能となっており、前面枠120の裏面側から遊技球の詰まり等を確認可能となっている。また、前壁部材310と後壁部材320とは、着脱自在に接合されている。
【0085】
また封入球循環ユニット200はその下端部に、前面枠本体130の取付盤131の取付プレート64の取付位置より下方となる所定部位に設けられた左右の取付部132,132(図3に図示)に、着脱可能かつ回動可能に接続する左右の接続部材201,201を備えており、図19に示すように、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転可能となっている。そして、封入球循環ユニット200は、図3に示すように、封入球式遊技機100の裏面(取付盤131の裏面)に沿った垂直な状態(使用状態)から、図4に示すように、前記接続部材201,201を中心に上端が後方側に倒れるように回動して略水平な状態(メンテナンス状態)に回動可能となっている。
また、封入球循環ユニット200の接続部材201,201は、取付盤131の取付部132,132の軸となる突起が回動可能に挿入される筒状の形状を有するとともに、筒状部分にはスリットが形成され、スリット201a,201a(図14に図示)から軸を出入可能とされることにより、接続部材201,201が取付部132,132から着脱自在とされ、封入球循環ユニット200を前面枠本体130の取付盤131から取り外し可能(着脱自在)となっている。
【0086】
後壁部材320の左右両端部には、後壁部材320の前側に前壁部材310を取り付けた状態で、後壁部材320を着脱自在に取付盤131に取り付ける取付部材203,203が設けられている。この取付部材203,203を取付盤131から取り外すことで封入球循環ユニット200を後側に倒すように回動自在となる。
【0087】
また、封入球循環ユニット200は、図6及び図7に示すように、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側に取り付けられる。
なお、前面枠本体130の下部となる取付盤131は、その主要部となるほぼ垂直な平板部分が、前面枠本体130に固定された遊技盤1より前となるように構成されており、取付盤131の裏面に取り付けられる上述の発射装置61等を有する発射ユニット60が遊技盤1より前面側の遊技領域1aの略真下に配置されるようになっている。
そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた発射ユニット60と前後に重なるように、発射ユニット60の後側に配置されて取付盤131に取り付けられる。そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた状態で前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の下方位置(この例では略真下となる直下方向)に配置されるようになっている。
【0088】
前記回収部材210は、封入球循環ユニット200の最も上の部分となる上端部に形成される。そして、回収部材210は、その前部が、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下から入賞することなく流下した遊技球であるアウト球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下側のガイドレール2の上述の切欠部の下側に延設されている。また、回収部材210は、その後部が、遊技盤1の裏面側を流下して遊技盤1の下側に排出される入賞した遊技球であるセーフ球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の裏面側のセーフ球の排出経路(図示略)の下まで延設されている。
すなわち、回収部材210は、その前後幅が、遊技盤1の厚みより少なくとも遊技球の直径の2倍以上長く、回収部材210は、遊技盤1の前方のガラス枠140の後側のガラス板141の裏面から遊技盤1の後方の入賞したセーフ球の排出経路の後端までの範囲で配置される。また、回収部材210の左右幅は、遊技盤1の下側のガイドレール2の切欠部の幅となっており、回収部材210は、ガイドレール2の切欠部の右端から左端までの範囲で配置される。なお、ガイドレール2の切欠部の左右範囲内に、遊技盤1の裏面側のセーフ球の図示しない排出経路の出口が配置される。
【0089】
なお、封入球循環ユニット200の回収部材210より下の本体部分の前後幅は、遊技球の直径より少し広いものとされているが、遊技盤1の厚み(前後幅)よりは、狭いものとされており、遊技盤1の下にある封入球循環ユニット200の本体部に対して、回収部材210は、前と後にそれぞれ延出した状態となっている。
また、封入球循環ユニット200は、取付盤131の裏面側で発射ユニット60より後に配置されているが、取付盤131の遊技盤1の下側の回収部材210が配置される部分には、回収部材210の形状に対応した間隙部133が形成されており、上述のように下端部を中心に回転自在な封入球循環ユニット200を立てた状態に取付盤131に取り付けた際に、封入球循環ユニット200の回収部材210の前部が間隙部133に挿入されて、回収部材210の前部が遊技盤1より前に延出するようになっている。
【0090】
また、図6、図7、図13及び図16に示すように、回収部材210は、平面視して封入球式遊技機100の左右方向に沿って長尺な矩形状であり、その周囲が略垂直な囲い壁214となっている。また、回収部材210の(囲い壁214内部の)前後の中央部には、右端部を除いて左右に延在し、回収部材210内に回収された遊技球を封入球循環ユニット200内の回収球センサ212(封入球循環ユニット200内部)に導く導入傾斜部213を有する導入経路280となっている。なお、導入傾斜部213は、回収部材210で回収された遊技球を回収球センサ212に導く導入経路280の底部となる部材である。
そして、回収部材210の囲い壁214に囲まれて上方に開放された状態となった部分がアウト球とセーフ球を回収する回収口211となっている。また、回収口211の遊技盤1前面側の下となる前部がアウト球を回収するアウト球回収口215とされ、遊技盤1の裏面側の下となる後部がセーフ球を回収するセーフ球回収口216となっている。
【0091】
アウト球回収口215下方の回収部材210前部の底部となる部分は、アウト球回収口215に流下して回収されたアウト球を回収部材210の前後の中央部となる導入傾斜部213に導くように後に向かって下り傾斜する後方傾斜部217とされている。また、セーフ球回収口216下方の回収部材210後部の底部となる部分は、セーフ球回収口216に流下して回収されたセーフ球を回収部材210の前後の中央部となる導入傾斜部213に導くように前に向かって下り傾斜する前方傾斜部218とされている。
なお、図13〜図15に示すように、回収部材210の後方から向かって右の端部は、前後方向に傾斜することなく、後から向かって右(端)から左(中央側)にいくにつれて低くなるように傾斜するとともに、後述するように導入傾斜部213の傾斜下側端部の先に配置された回収球センサ212の遊技球が通過する孔212a上を覆うように配置されており、回収球センサ212の孔212aに遊技盤1側から直接的(導入傾斜部213を流下せず)に遊技球が流入するのを防止している。なお、回収球センサ212の孔212aに直接的に流入する遊技球があると、導入傾斜部213を流下してから孔212aに流入する他の遊技球との関係(衝突、接触等)により、球詰まりが発生しやすくなるので、遊技球を回収球センサ212より上流側の導入傾斜部213上に導くようになっている。また、上述のような構成により回収部材210の底部の後から向かって右端部が高くなることにより、後方から向かって右上がりに形成されて右の端部が高くなった発射ユニット60の上端部と回収部材210の底部の右端部とが干渉しないようになっている。
【0092】
また、図6、図7、図13及び図16に示すように、回収部材210において、後方傾斜部217と前方傾斜部218との間に、導入傾斜部213が形成されている。そして、導入傾斜部213は、後方傾斜部217及び前方傾斜部218より一段低くなっており、回収部材210の下側の封入球循環ユニット200の本体部分内に配置されている。従って、回収部材210の後方傾斜部217と前方傾斜部218との間は開口した状態となっており、この開口部分が回収部材210で回収されたアウト球及びセーフ球を合流(集合)させて封入球循環ユニット200の内部(本体部分内部)に流下させる遊技球導入口219となる。なお、遊技球導入口219は、導入傾斜部213上に有り、回収部材210の前後方向の中央部に形成されていることになる。
【0093】
図14〜図16に示すように、回収球センサ212は、例えば、周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、遊技球が通過する孔212aを備え、この孔212aをパチンコ球が通過した際にHIGHもしくはLOWの信号を出力するものである。また、前壁部材310において、導入傾斜部213の下流側の末端から下方に遊技球が流下可能な間隔を開けて形成されたセンサ取付部330に、後部が固定され、前記孔212aが形成された前部をセンサ取付部330から上述の導入傾斜部213の末端まで延出している。
【0094】
そして、回収球センサ212は、その孔212aが導入傾斜部213の傾斜下側の端部から遊技球が流下する位置に配置されており、循環流路220の上流側端部であるとともに、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255の下流側端部である後述の合流部254上に、導入傾斜部213の傾斜下側の端部から流下する遊技球を検知するようになっている。また、センサ取付部330が導入経路280の末端側を閉塞するようになっており、回収球センサ212の孔212aが導入経路280から循環流路220への遊技球の導入口となっている。
【0095】
循環流路220は、その底部として、上下三段に前壁部材310から後方側に壁面状(板状)に延出された以下の部材を有する。すなわち、循環流路220は、その底部となる部材として、上述のファール球流路252の下流側端部となり、ファール球流路252を流下するファール球、球補充装置260から循環流路220に補充される遊技球である補充球、上述のように導入経路280から回収球センサ212を通過して流下する回収球の三種類の遊技球が合流する合流部254と、封入球式遊技機100の裏面側から見て右から左に下り傾斜する合流部254(ファール球流路252)の下側で、裏面側から見て左から右に下り傾斜する流下傾斜部222と、流下傾斜部222の下側で、裏面側から見て右から左に傾斜して球送り装置240に至る待機傾斜部223とを有する。
【0096】
なお、循環流路220のうちの流下傾斜部222の中央部から下側の部分と、待機傾斜部223上には、封入球式遊技機100の遊技中(遊技球を順次発射し、遊技領域1aに数個以上の遊技球が流下している状態)及び非遊技中(遊技球を発射していない状態)に係わらず遊技球が溜まった状態とされ、遊技球の発射毎に溜まった遊技球が順次遊技球の直径となる距離だけ下方に移動するようになっており、循環流路220の遊技中に常時遊技球が待機した状態となる部分となる下流側の部分が前記待機流路221となる。
なお、待機流路221を含む循環流路220は、上下複数段に渡って形成されるが、各段においては、封入球式遊技機100の左右方向に沿って延在し、遊技球を左右方向に傾斜に沿って流下させ、下の段に遊技球を導出するようになっている。
【0097】
また、待機流路221の上流側端部となる流下傾斜部222の下流側部分の上、すなわち、前壁部材310のファール球傾斜部255の上流部分の下には、球補充装置260の作動を制御する際に用いられる球不足検出センサ264を取り付けるための近接センサ取付部319が設けられて、これに球不足検出センサ264が取り付けられている。なお、球不足検出センサ264は、周知の近接センサスイッチで、金属である遊技球が近接している状態で、遊技球が存在していることを示す信号を出力している。すなわち、待機流路221に正常な状態の遊技球が滞留していれば、球不足検出センサ264は、遊技球が待機流路221の球不足検出センサ264の直下となる部分に存在し、球不足になっていないことを示すHIGHもしくはLOWの信号を出力する。
【0098】
また、合流部254を有するファール球傾斜部255及び流下傾斜部222は、ほぼ同じ長さで左右に僅かにずれた状態で上下に重なって配置されるが、前記待機傾斜部223は、これらファール球傾斜部255及び流下傾斜部222より長く、例えば、これらの約2倍の長さとされている。そして、待機傾斜部223の上流側の半分(部分)が上下にファール球傾斜部255及び流下傾斜部222に重なった状態とされ、待機傾斜部223の下流側の半分(部分)がファール球傾斜部255及び流下傾斜部222と上下に重ならず、待機傾斜部223の下流側部分の上には、循環流路220が無い状態とされている。そして、待機傾斜部223の下流側部分の上には、球補充装置260の後述の球補充ソレノイド263と、球送り装置240の後述の球送りソレノイド244が配置されている。
このような循環流路220の配置により、封入球循環ユニット200のスペース効率が高められ、封入球循環ユニット200の小型化が図られている。
【0099】
なお、循環流路220の長さは、例えば、球補充装置260に貯留される補充球を含めずに、封入球式遊技機100内で循環する遊技球の全てを貯留できるだけの長さとされており、遊技球の発射を止めた状態で、循環流路220内に循環使用される遊技球が丁度収まった状態となる。また、循環使用される遊技球の個数は、遊技球を順次発射した際に、遊技球の回収が間に合わずに、遊技の発射ができない状態となることがない個数(例えば、25個)とされている。従って、循環流路220の長さは必要十分な長さとされている。なお、遊技領域1aでの球詰まり等により遊技球が不足した場合には、球補充装置260により遊技球が補充される。
【0100】
また、前記導入経路280及び循環流路220や待機流路221やファール球流路252は、その前側が前壁部材310に閉塞され、その後側が後壁部材320により閉塞された状態となっており、それらの前後幅が遊技球の直径より僅かに長いものとされ、遊技球を一列にして収納可能とされるとともに、前後に遊技球が重なることなく、遊技球を流下させるようになっている。また、導入経路280の導入傾斜部213上は、遊技球導入口219として開放された状態となっているが、ファール球流路252のファール球傾斜部255上は、ファール球が導入される上流端部を除く傾斜上側の部分の上に遊技球の直径より僅かに広い間隔をあけてセンサ取付部330が配置され、ファール球流路252の傾斜下側の部分である合流部254においては、補給用の遊技球及び回収球が合流する部分より下側の部分の上に、遊技球の直径より僅かに広い間隔を開けて、球補充装置260の傾斜方向(傾斜角)を変換自在な球貯留板261が配置されている。なお、球貯留板261の下側の合流部254上には、球貯留板261が傾斜角を変更可能な所定の角度範囲内で傾斜角を変更しても、球貯留板261との間に遊技球が流下可能な間隔が保持されるようになっている。
つまり、導入傾斜部213、流下傾斜部222、待機傾斜部223、ファール球傾斜部255等を有する前壁部材310と後壁部材320が、導入経路280、循環流路220、待機流路221、ファール球流路252等の流路を構成する流路構成部材となる。
【0101】
また、循環流路220の流下傾斜部222上には、上端部がファール球傾斜部255の合流部254と一体に接合され、下端部が待機傾斜部223と一体に接合された流下天井部224が形成されている。流下天井部224は、流下傾斜部222との間に遊技球の直径より僅かに広い間隔をあけて、流下傾斜部222と同じ傾斜となるように形成されている。なお、流下天井部224の下端部(傾斜下側の端部)となり、流下傾斜部222から待機傾斜部223に遊技球がほぼ真下に流下する部分では、遊技球の流下経路に対応して湾曲した形状となっており、その部分で待機傾斜部223と一体に接合された状態となっている。
【0102】
また、循環流路220の待機傾斜部223上には、上端部が流下傾斜部222に一体に接合された待機天井部225が形成されている。待機天井部225は、待機傾斜部223との間に遊技球の直径より僅かに広い間隔を開けて、待機傾斜部223と同じ傾斜となるように形成されている。
以上のことからファール球流路252及び循環流路220においては、多くの部分で遊技球の流下方向に対して左右や上下に遊技球の直径より僅かに広い間隔が開けられた状態となっており、遊技球が左右や上下に重なって通過することがなく、遊技球が一個ずつに流下するか一列に並んで流下するようになっている。
【0103】
前記ファール球回収手段250においては、前記ファール球流路252の上端部の上に前記ファール球回収口251が備えられ、ファール球回収口251の下側でかつ、ファール球流路252の上端部の上側にファール球センサ253が配置されている。
ファール球回収口251は、封入球循環ユニット200の前面を構成する前壁部材310の裏面側から見て右上端部に形成された開口であって、回収されたファール球を封入球循環ユニット200外部から内部に導入するようになっている。また、前壁部材310の前面側のファール球回収口251の下側縁に対応する位置には、前壁部材310前面から前方に延出するファール球回収部257が備えられている。ファール球回収部257は、上面が後方のファール球回収口251に向かって下り傾斜した板状に形成されるとともに、ファール球回収口251に繋がる後側縁を除く周囲を囲んで上に突出した突条258を備えたもので、封入球循環ユニット200を取付盤131にほぼ垂直な状態に取り付けた際に、取付盤131の球流入口138(図4に図示)の下部に挿入されるようになっている。そして、球流入口138内のファール球回収部257は、発射レール62の上端部(発射方向端部)の隣で、発射球通過口135の真下に配置され、発射球通過口135を通過して流下するファール球を受けるようになっている。
【0104】
従って、ファール球回収手段250においては、遊技盤1の前面側から発射球通過口135を通過して遊技盤1の下側に流下したファール球がファール球回収部257で受けられる。そして、ファール球回収部257の上面に至ったファール球は、上面の傾斜に沿って後方のファール球回収口251から封入球循環ユニット200内のファール球流路252に入り、ファール球回収口251の下側のファール球センサ253を通過し、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255上に至る。そして、ファール球傾斜部255上の遊技球は、傾斜に沿って合流部254に至り、回収球と合流して上述の循環流路220内に至り、循環流路220を流下することになる。
なお、ファール球センサ253は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、センサ取付部330の回収球センサ212の下側に、回収球センサ212と逆向きに取り付けられ、ファール球センサ253の遊技球が通過する孔253aがファール球流路252の上端部に配置されるようになっている。そして、回収球センサ212と同様にファール球を検出して信号を出力する。
【0105】
遊技球を封入球循環ユニットから抜き出す球抜き装置230は、循環流路220の下流側部分となる待機流路221の下流側端部に隣接する球送り装置240の後面側に設けられている。
この球抜き装置230は、球抜き開口部231と、これを開閉する板状の蓋部材232と、蓋部材232を支持、案内するリブ234、235、236とからなる。
【0106】
球抜き開口部231は、後壁部材320の移送供給部材243がある位置に設けられており、その大きさは、遊技球1個が通過できる程度の大きさである。
また、後壁部材320に設けられた球抜き開口部231の外面には、球抜き開口部231を開閉するための板状の蓋部材232が、左右にスライド自在に設けられており、その球抜き開口部231の側方には、球抜き開口部231の開放時にこの蓋部材232を格納する蓋部材格納部237が設けられている。
この蓋部材232の背面には、開閉操作をするための取っ手232aが突設されている。
この蓋部材格納部237は蓋部材232の横幅以上の幅を持ち、球抜き開口部231の開放時に、蓋部材232を球抜き開口部231から完全に退避できるようになっている。
さらに、後壁部材320の外面には、球抜き開口部231とこれに隣接する蓋部材格納部237の外周に外周リブ234が突設されており、蓋部材232はこの外周リブ234の内側に形成されたスライド部233に支持される。
【0107】
このスライド部233の球抜き開口部231の位置と、蓋部材格納部237の位置には、その上下に蓋部材232を案内するそれぞれ一対のリブ235、236が突設されていて、蓋部材232はこのリブ235、236の内側(前側)をスライドするようになっている。
二対のリブ235、236の内、球抜き開口部231側のリブ235は、蓋部材格納部237側のリブ236に比べて、蓋部材232を案内する面の前後位置が移送供給部材243(前)寄りになっている。
また、蓋部材格納部237の前壁239は、球抜き開口部231にかけて前側に傾斜している。
これによって、蓋部材232は、球抜き開口部231を開放する位置である蓋部材格納部237にある位置から、球抜き開口部231を閉じる位置に移動する際に、リブ235および蓋部材格納部237の前壁239によって移送供給部材243(前)側に案内されて斜めに移動する。
そして、球抜き開口部231を閉じる位置では、蓋部材232の内面が後壁部材320の内面とほぼ同じ前後位置になる。
これにより、蓋部材232閉鎖時に段差が生じることが無く、球抜き開口部231付近での遊技球の流れを妨げない。
また、球抜き開口部231側の下側のリブ235は、その上面に球抜き開口部231から外側に向かって下る傾斜を有しており、球抜き時に球抜き開口部231から流出する遊技球を案内して、滑らかに流下させる役割も有する。
下側のスライド部233の、球抜き開口部231と蓋部材格納部237の境界付近には突起部238があって、球抜き時に蓋部材格納部237に格納された蓋部材232がこの突起部238の上に乗り上げるようになっている。
これによって、蓋部材232が押し上げられて上側のスライド部233に圧接するので、球抜き時の振動によって蓋部材232が動くことを防止でき、開放状態を維持することができる。
【0108】
移送供給部材243は後述する球送り装置240を構成する部材であって、左右と後方側が開放したコ字状(チャネル状)の部材である。
この移送供給部材243の遊技球を載置(保持)する底面板部材243aは、遊技球を1個分載置可能であって、封入球循環ユニット200の背面側から見て右から左に下るように傾斜(待機流路221と同じ傾斜)している。
また、底面板部材243aの一部あるいは全部は、その厚さが封入球循環ユニット200の背面側から見て、奥側から手前側にかけて薄くなっており、上面が手前側(後側)に下るように傾斜している。
つまり、底面板部材243aの上面は、封入球循環ユニット200の背面側から見て、右奥(右前)から左手前(左後)に下るように傾斜している。
また、規制壁241の遊技球と当接する面には、球抜き開口部231へ向かって遊技球が流れるようにテーパが形成されている。
これによって、球抜き開口部231を開放したときに、遊技球が封入球循環ユニット200内から自然に流出する。
【0109】
以上のように構成される球抜き装置230は、封入球式遊技機100内に封入された遊技球を係員等の外部操作により取り出すためのもので、封入球式遊技機100のメンテナンス、遊技球の交換などのために、封入球式遊技機100から遊技球を取り出すために用いられる。
遊技球の交換時には、蓋部材232をスライドさせて蓋部材格納部237に格納し、球抜き開口部231を開放して、移送供給部材243の底面板部材243aに形成された傾斜に沿って遊技球を流出させて、封入球式遊技機100(封入球循環ユニット200)から外部に取り出すようになっている。
【0110】
図13〜図16に示すように、球送り装置240は、待機流路221の下流側に設けられ、待機流路221の傾斜により待機流路221上に一列に並んで待機する遊技球の荷重による遊技球の傾斜下側への移動を規制する規制壁241を備え、上述のように並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を一個だけ受ける球受け部242と、球受け部242で保持された遊技球を規制壁241の上部にあって、供給流路245の入口である供給導入口249に移送する移送供給部材243と、移送供給部材243を昇降駆動する球送りソレノイド244とを備える。
また、供給装置は、この球送り装置240と、規制壁241の球受け部242の反対側に形成され、規制壁241を乗り越え、供給導入口249から流入した遊技球を発射装置61(発射レール62上)に導出するための供給流路245と、供給流路245を通過する遊技球を検知する供給球検出センサ246と、供給流路245(封入球循環ユニット200)の遊技球の発射装置61への導出口となる供給導出口247とを備える。
【0111】
規制壁241は、傾斜した待機流路221上に並んだ遊技球の最も傾斜下側の遊技球を止めるもので、例えば、遊技球の直径より僅かに低い高さ(最も下に位置する移送供給部材243の後述の底面板部材243aの上面からの高さ)を有する板状に形成されている。また、球受け部242は、規制壁241と直角に接合された状態の保持部底壁248を備え、規制壁241と保持部底壁248とがL字状となっている。
【0112】
移送供給部材243は、球受け部242の保持部底壁248上に配置されて、球受け部242に流入した遊技球を載置(保持)する保持部として機能する底面板部材243aを備え、かつ、左右と後方側が開放したコ字状(チャネル状)に形成され、遊技球を右から左に通過させられるようになっている。なお、底面板部材243aは、コ字状の移送供給部材243の底部となる部分である。そして、移送供給部材243は、その上端部に球送りソレノイド244のプランジャーが接続されている。そして、球送りソレノイド244により、底面板部材243aの遊技球が載る上面が待機傾斜部223の最も傾斜下側の上面より下となる位置と、底面板部材243aの上面が規制壁241の上端より上となる位置との間を昇降自在とされている。
移送供給部材243が降下して待機しているとき、移送供給部材243の前面側壁243bの流路側の面と、待機流路221側面の流路側の面との前後位置は同じであり、同一平面を形成している。
つまり、移送供給部材243が下方にあるときは、移送供給部材243の前面側壁243bと、待機流路221側面の流路側の面は、段差のない滑らかな連続状態を形成するようになっている。
また、このとき、移送供給部材243の底面板部材243aの上面は、待機傾斜部223の上面の高さより低い位置にあって、待機流路221と移送供給部材243との間の隙間で遊技球が止まってしまうことを防止している。
そして、移送供給部材243が上方にあるときは、底面板部材243aが供給導入口249に隣設するようになっている。
【0113】
また、底面板部材243aの上面は、封入球循環ユニット200の背面側から見て右から左に下るように傾斜(待機流路221と同じ傾斜)していると共に、手前側(後側)に下るように傾斜している。
つまり、封入球循環ユニット200の背面側から見て、右奥(右前)から左手前(左後)に下るように傾斜している。
待機流路221の待機傾斜部223上から球受け部242に配置された移送供給部材243の底面板部材243a上に流入した遊技球は、底面板部材243a上でその傾斜により規制壁241と蓋部材232が隣接する部分に寄って、規制壁241と蓋部材232に接触した状態となるようになっている。そして、移送供給部材243が球送りソレノイド244により上昇させられ、底面板部材243aの上面が規制壁241の上端より高くなった際に、底面板部材243a上の遊技球が底面板部材243aの傾斜によって規制壁241を越えて供給導入口249から供給流路245側に流下するようになっている。なお、底面板部材243aの一側端(待機流路221に臨む端部)は、上昇した場合に、待機流路221上で次ぎに移送供給部材243に送られる遊技球が移送供給部材243の下に入り込むことがないように、待機流路221の最下流部で待機する遊技球の直径より高く上がらないようになっている。
【0114】
球送りソレノイド244は、そのプランジャーを略垂直に下方に向けた状態で、前壁部材310に設けられた球送りソレノイド取付部311に取り付けられており、プランジャーの先端に移送供給部材243を接続した状態で、プランジャーを上下に駆動するようになっている。また、球送りソレノイド244は、発射制御基板63により発射装置61と同期して制御され、発射装置61が遊技球を発射した直後に、昇降して、遊技球を発射装置61に送るようになっている。
【0115】
供給流路245は、規制壁241に関して移送供給部材243の反対側に形成され、規制壁241に沿って遊技球をほぼ真下に流下させた後に、前方に案内して、前方の供給導出口247から遊技球を封入球循環ユニット200の前側の発射装置61側に導出するようになっている。なお、供給流路245は、前壁部材310から後方に延出する供給流路壁部245aにより形成されている。また、供給流路245の底部となる位置には、封入球式遊技機100の前後方向に沿って垂直に立設された流路リブ245bが形成され、流路リブ245b上が後から前に向かって下るように傾斜した状態となっており、流路リブ245b上に流下した遊技球が流路リブ245b上を後から前に転動して供給導出口247から導出されるようになっている。
【0116】
供給球検出センサ246は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、供給流路245に関して球送り装置240の反対側となる前壁部材310の位置に設けられた供給センサ取付部312に後端部が取り付けられ、前端部が規制壁241に当接もしくは近接して配置され、規制壁241を乗り越えて供給導入口249から流入して供給流路245を真下に流下する遊技球が通過する孔246aが形成され、供給流路245を流下して孔246aを通過する遊技球を検出するようになっている。
なお、供給球検出センサ246も回収球センサ212と同様に遊技球を検出して信号を出力する。供給球検出センサ246に検出された遊技球は、検出直後に発射装置61に供給されて発射されるので、供給球検出センサ246は、発射装置61の前側であるが、遊技球の発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
【0117】
球送り装置240は、遊技球が規制壁241を乗り越え供給導入口249に流入するように僅かに上昇させることにより、遊技球を一個ずつ発射装置61に供給するようになっており、供給待機している遊技球を更に下方に移送して供給するような構成にした場合に比較して、待機流路221の下方に大きく間隔を開けて供給導出口247を形成したり、長い供給流路245を形成したりする必要がなく、封入球循環ユニット200の上下幅を小さくすることができ、取付盤131裏面の限られたスペースに対して問題なく配設できるし設置の自由度が増す。
【0118】
また、球送り装置240は、遊技球を規制壁241を乗り越えさせるために、その半径程度の長さだけ上昇させるものであり、遊技球を長い距離に渡って揚送するものではなく、封入球循環ユニット200の循環流路220やファール球流路252に最低限必要とされる上下幅の範囲内を十分に収容することができ、確実に封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。また、球送り装置240は、球送りソレノイド244のプランジャーに直接移送供給部材243を取り付けただけの簡単な構造であり、トラブルが発生する可能性が極めて低い。
【0119】
待機流路221には、移送供給部材243に保持された遊技球に連なって待機する遊技球があって、移送供給部材243に保持された遊技球に隣接して待機流路221の最も傾斜下側で待機する遊技球が接触する待機流路221の底面をなす待機傾斜部223より、この遊技球に隣接し、待機流路221で2番目に待機する遊技球が接触する待機傾斜部223の方が高くなるように段差部227を設け、この2番目に待機する遊技球の上方には、待機流路221で待機する他の遊技球より上方の空間を広くする圧力分散空間形成部226を設けている。
この圧力分散空間形成部226、段差部227により、移送供給部材243によって上方に移送される遊技球にかかる圧力を軽減し、遊技球の移送を容易にすることができる。
【0120】
段差部227は、待機傾斜部223の傾斜下側末端から、遊技球の直径よりわずかに長い距離だけ傾斜上側にあって、この段差部227を境に傾斜下側が低くなっている。
待機流路221で待機する遊技球の内、最も傾斜下側で待機する遊技球は、移送供給部材243に保持された遊技球に隣接して、この段差部227と待機傾斜部223の傾斜下側末端の間に待機し、これに隣接して待機流路221で2番目に待機する遊技球は、段差部227よりも傾斜上側で待機する。
これによって、待機流路221の最も傾斜下側で待機する遊技球に対して、待機流路221で2番目に待機する遊技球は、球の中心から上方にずれた位置に接触することとなる。
【0121】
圧力分散空間形成部226は待機天井部225の傾斜下側の末端付近であって、待機流路221で待機する遊技球の、傾斜下側から数えて2番目に待機する遊技球の上方に設けられた、側面から見て三角形の上方に突出した部分である。
待機流路221において、待機傾斜部223と待機天井部225の間隔は、遊技球の直径よりも僅かに広い間隔となっているが、圧力分散空間形成部226が設けられた部分では、他の部分よりも広く、遊技球の上半分が入る程度の空間となっている。
この部分に待機流路221で2番目に待機する遊技球が入ることで、この遊技球より傾斜下側にあって、待機流路221の最も傾斜下側で待機している遊技球には、斜め下方向の圧力がかかるようになる。
【0122】
移送供給部材243の球受け部242で待機している遊技球には、待機流路221の斜面に沿って下方に流下しようとする遊技球の圧力がかかっている。
この状態で遊技球を上方に移送すると、圧力によって隣接する遊技球との摩擦力が大きくなっているため、隣接する遊技球も一緒に上方に持ち上がってしまう。
このような状態となると、球送りソレノイド244の負担が大きくなって、円滑な昇降動作の妨げとなる。
ここで、圧力分散空間形成部226、段差部227を設けると、まず、段差部227によって待機流路221の最も傾斜下側で待機する遊技球に対して、待機流路221で2番目に待機する遊技球は、球の中心から上方にずれた位置に接触することとなる。
ここに、待機流路221で一列に並んで待機している遊技球の圧力が加わると、この待機流路221で2番目に待機する遊技球が若干上方に持ち上げられ、圧力分散空間形成部226に入った状態となる。
これにより、待機流路221の最も傾斜下側で待機する遊技球には、斜め下方向に圧力がかかることとなり、球受け部242で待機する遊技球にとっては、水平方向にかかる圧力が軽減される。
また、待機流路221の最も傾斜下側で待機する遊技球が、斜め下方向に圧力を受けていることで、移送供給部材243の上昇に伴って、この遊技球が一緒に持ち上がってしまうことを防止できる。
これらによって、球送りソレノイド244の負担が軽減され、遊技球の移送が容易になるものと考えられる。
【0123】
球補充装置260は、循環流路220の上側に設けられた左右に長尺で、傾斜角を変更可能に回転移動自在とされた球貯留板261を備えた補充球貯留部262と、球貯留板261の傾斜角を変更して補充球貯留部262を遊技球を貯留する状態と、遊技球を補充する状態とに切り替える球補充ソレノイド263と、球貯留板261の裏面側から見て左側(ファール球流路252の反対)に設けられ、球貯留板261上の遊技球の落下を規制するとともに、球交換カセット取付部270から流入する遊技球を球貯留板261上に導く、球抑え部材265とを備える。
【0124】
球貯留板261は、その中央部より前側の位置を前壁部材310に設けられた回転ピン313に回動自在に軸支されて後壁部材320に支持されるとともに、前後を前壁部材310と後壁部材320とに囲まれた状態となっている。そして、球貯留板261は、通常時は、球を貯留する状態となっており、球貯留板261の一方の端部である球抑え部材265側の後端部が下になるように僅かに傾斜した状態で、球貯留板261上に遊技球を一列に複数個(例えば5個)載せるようになっている。この際に、球貯留板261上の遊技球のうちの最も一方の端部側に載った遊技球が球抑え部材265に抑えられた状態となり、球貯留板261の傾斜に沿って遊技球が流下しないようになっている。
【0125】
また、球貯留板261の他方の端部である前端部は、ファール球傾斜部255(ファール球流路252)の傾斜下側の合流部254上に位置しており、球貯留板261がファール球流路252側の他方の端部が下になるように傾斜した場合に、球貯留板261上の遊技球を合流部254上に流下させるようになっている。すなわち、補充球となる遊技球を補充する状態では、球貯留板261は、ファール球流路252側の他方の端部を下にするように傾斜する。
【0126】
また、球貯留板261の一方の端部には、その下側に球補充ソレノイド263のプランジャーに接続された掛止板263aに掛止される係止部261aが設けられ、球補充ソレノイド263のプランジャーの上下動により、球貯留板261の傾斜角を変更できるようになっており、プランジャーを下げた状態では、球貯留板261の一方の端部が下となるように傾斜して球貯留状態となり、プランジャーを上げた状態では、球貯留板261の他方の端部が下となるように傾斜して球補充状態となる。
【0127】
さらに、球貯留板261の一方の端部には、係止部261aから球貯留板261の延長線に沿って延出して球交換カセット取付部270に至る係合部材261bが形成されている。係合部材261bは、球交換カセット取付部270の後述する作動リンク部材273に係合し、球交換カセット取付部270に球交換カセットをセットした場合に上に持ち上げられ、球貯留板261の一方の端部が他方の端部に対して高くなるように傾斜させ、球貯留板261を球補充状態にするようになっている。
【0128】
球補充ソレノイド263は、前壁部材310に形成された球補充ソレノイド取付部314にプランジャーを上に向けて取り付けられ、第1枠制御基板81の制御により、球不足検出センサ264により、循環流路220の球不足検出センサ264の位置に滞留する遊技球が無いことが検出された場合に、プランジャーを上げるように制御されている。これにより、循環流路220において、遊技球が不足した場合に、球補充ソレノイド263により球貯留板261が球補充状態となるように傾斜角が変更され、球貯留板261上の遊技球を循環流路220の上流側端部となる合流部254に供給するようになっている。
なお、球不足は、例えば、遊技領域1aにおいて、遊技球の詰まり等が発生し、遊技領域1a内に通常より多くの遊技球が存在することにより、封入球循環ユニット200に回収される遊技球の数が減った場合や、ガラス枠140を開放した際に、遊技球が外部に流出した場合等に発生する。
【0129】
球交換カセット取付部270は、後壁部材320に形成されたカセット挿入部271と、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と、球交換カセット取付部270に挿入された球交換カセットを掛止するカセット掛止部279と、球交換カセットの取付時に上述の球貯留板261の傾斜角を変更する作動リンク部材273と、カセット蓋開放係止部材274とを有する。
【0130】
カセット挿入部271は、後壁部材320に形成され、球交換カセットを挿入する挿入開口部276と、後壁部材320の挿入開口部276の周囲に後方に延出するように設けられ、挿入される球交換カセットを案内するとともに、挿入された球交換カセットを支持するカセットガイド部材277とを有する。なお、球交換カセット取付部270においては、球交換カセットをセットした際に、球交換カセットの球出口がある側(球補充装置260側)の一方の端部が他方の端部より低くなるように傾斜し、球交換カセット取付部270にセットされた際に、球交換カセット内の遊技球が球交換カセットの傾斜により球出口に向かって流下するようになっている。
【0131】
前壁部材310に形成されたカセット受け部272は、球交換カセットの挿入方向の前端部に対応する形状を有した凹部であり、挿入された球交換カセットの前端部が凹部であるカセット受け部272に挿入されることで、球交換カセットの前端部を位置決めした状態に支持するようになっている。また、カセット受け部272の球補充装置260側となる左右の一方の端部(裏面から見て右側端部)に、後述するように回動移動する作動リンク部材273の移動を妨げないように作動リンク部材開口部(図示略)が形成されている。
【0132】
カセット掛止部279は、前壁部材310に形成されるともに、前壁部材310から後方に延出して後壁部材320の挿入開口部276の周縁部の下部からカセットガイド部材277に沿って配置され、その後端部に上面に係合突起278を有する。また、係合突起278は、球交換カセットを球交換カセット取付部270に挿入される際の球交換カセットの通過経路内に突出しているが、球交換カセットを挿入する際に、球交換カセットに係合突起278が接触すると、カセット掛止部279が弾性変形して係合突起278が球交換カセットの通過経路外に出て、球交換カセットを挿入開口部276に挿入可能となる。
【0133】
なお、カセット掛止部279の係合突起278は、球交換カセットの挿入方向と対向する面がテーパとされて断面三角形状となっている。また、カセット掛止部279の係合突起278は、球交換カセットが挿入開口部276に完全に挿入された際に、カセット掛止部279の後端部の直ぐ後の位置となるように配置されており、球交換カセットが完全に挿入された状態で、カセット掛止部279が弾性変形した状態から元の状態に復帰し、係合突起278が球交換カセットの後端部に係合するようになっている。また、球交換カセットを挿入開口部276から引き出すように操作すると、カセット掛止部279が弾性変形して、再び、係合突起278が球交換カセットの通過経路が出た状態となり、球交換カセット取付部270から球交換カセットを取り外せるようになっている。
【0134】
図13に示すように、カセット蓋開放係止部材274は、後壁部材320のカセット挿入部271の近傍で、かつ、球補充装置260側となる部分で、後方に延出して形成されるとともに、カセット挿入部271に向かって突出する蓋係合突起274aを備える。蓋係合突起274aは、球交換カセット取付部270に球交換カセットをセットする際に、球交換カセットの球出口を覆うとともに、前後方向にスライド移動して球出口を開閉自在とするカセット蓋と係合し、球交換カセットを前方に移動して球交換カセット取付部270に挿入する際に、前方に移動する球交換カセットに対してカセット蓋を固定し、カセット蓋を球交換カセット本体に対して相対的に後方に移動させて、カセット蓋が球交換カセットの球出口を開放した状態とするものである。
これにより、球交換カセットを球交換カセット取付部270にセットすることで、球交換カセットの球出口が開放状態となり、球交換カセットをセットした時点で、球交換カセットの球出口から遊技球が球補充装置260を経て循環流路220側に流下を開始することになる。
【0135】
作動リンク部材273は、前壁部材310の球交換カセット取付部270の球補充装置260側端部に配置されるものである。また、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間は、球交換時等における球交換カセット取付部270から球補充装置260への遊技球の導入経路となっており、作動リンク部材273は、遊技球の導入経路を開閉する開閉部材として機能する。また、遊技球交換時等の外部からの遊技球の補給に際し、球交換カセット取付部270から循環流路220に遊技球を送る際に、遊技球が球補充装置260を通過するようになっている。そして、作動リンク部材273は、外部からの遊技球の補給時に、球補充装置260の球貯留板261を上述の貯留状態の傾斜角から補充状態の傾斜角に変換するようになっている。
作動リンク部材273は、その下端部を除く主要部が前記導入経路を開閉する開閉扉部273aとされ、導入経路を遊技球の通過が不可となるように閉塞する前後幅及び上下幅を有するとともに、後述するようにセットされる球交換カセットに押圧される際に確実に押圧可能な厚み(左右幅)を有する。また、作動リンク部材273は、その主要部となる開閉扉部273aの下となる下端部に、下端部の前部から後方に延出した板状のリンク片273bを有する。また、リンク片273bは、上述の球交換カセット取付部270側に延出する球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍(接しても良い)に配置されている。
また、作動リンク部材273は、開閉扉部273aとリンク片273bとの接合部分が前壁部材310に形成されたリンク部材支持部317に形成された軸(図示略)に回転自在に軸支されている。
【0136】
そして、作動リンク部材273は、外部から力のかかっていない通常時は、開閉扉部273aが上述の遊技球の導入経路を閉じる状態となっている。この場合に、球交換カセット取付部270への球交換カセットの挿入時に、開閉扉部273aが球交換カセットの通過経路となる部分の左右の端部のうちの一方の球補充装置260側端部に配置され、球交換カセット取付部270の挿入開口部276に球交換カセットを挿入した場合に、開閉扉部273aが後方に押されることで、開閉扉部273aが後方に移動して前記導入経路が開放状態となるとともに、リンク片273bが斜め上前方に移動するように作動リンク部材273が回転移動する。
【0137】
また、リンク片273bは、上述のように球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍に配置されており、上述のように球交換カセットを挿入することで、リンク片273bが斜め上に上がると、係合部材261bを押し上げ、球貯留板261が、球交換カセット取付部270側に向かって下り傾斜して遊技球を貯留する状態から、ファール球回収手段250に向かって下り傾斜して遊技球を合流部254に流下させて遊技球を補充する状態となる。そして、球交換カセットの球出口から球補充装置260装置側に流下した遊技球は、球貯留板261上を流下して循環流路220に流入する。なお、リンク片273bは、球貯留板261の係合部材261bの下側に配置されているので、球補充ソレノイド263が、球貯留板261の係合部材261b側の端部を上昇させて、補充球を補充する状態となっても、リンク片273bは動かず、開閉扉部273aは、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間を閉塞した状態を維持するようになっている。
【0138】
以上のように球交換カセットを球交換カセット取付部270にセットすると、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間で、作動リンク部材273の開閉扉部273aが遊技球の導入経路を開放することで、上述のように球交換カセットの球出口から流出した遊技球は、球補充装置260の球交換カセット取付部270側に端部に形成された球抑え部材265上を通過して、球貯留板261上に流下するが、この際に、球貯留板261は、作動リンク部材273により補充状態とされ、ファール球回収手段250側に向かって下り傾斜しているので、補給される遊技球は、球貯留板261上をファール球回収手段250側に流下して、球貯留板261の端部から落下し、循環流路220の上流側端部となる合流部254上に流下して、循環流路220内に流入することになる。
【0139】
付着物除去手段400は、封入球循環ユニット200内の遊技球を発射する発射装置61の遊技球の発射位置69の上流側の流下経路内となる上述の循環流路220の待機流路221内の遊技球に対して付着物を除去可能に設けられている。
【0140】
そして、付着物除去手段400は、前記流下経路となる循環流路220の待機流路221内に遊技球と接触可能に設けられてアースされた金属プレート410と、流下経路となる循環流路220の待機流路221内に対して吹き出しもしくは吸い込みにより人口風を形成する風形成手段となる送風ファン420とを備えている。
【0141】
前記金属プレート410は、待機流路221の底部(遊技球流下底部)を構成するとともに、前壁部材310の裏面から後方に延出する板状の待機傾斜部223に取り付けられている。そして、金属プレート410は、待機傾斜部223の待機流路221の底面となる上面に、待機傾斜部223の前後幅(遊技球の流下方向と直交する方向の幅)のほぼ全幅に渡って配置される四角板状の上面板411と、該上面板411との間に待機傾斜部223を挟んで待機傾斜部223の下面に配置される下面板412と、待機傾斜部223の後端部側で前記上面板411と下面板412とをつなぐように配置される接続部413と、前記下面板412の前縁部から下方に延出して形成され、アース配線430が接続されるアース取付部414とを有する。
【0142】
前記金属プレート410は、上記上面板411と下面板412と接続部413とから断面コ字状に形成され、接続部413が形成された側縁部と反対側の上面板411と下面板412との間が開放された開放端側から待機傾斜部223を上面板411と下面板412との間に挟み込むようにすることで、待機傾斜部223に固定されるようになっている。
また、図16に示すように待機傾斜部223は、金属プレート410を取り付けるプレート取付部223aにおいて、他の部分より厚みが薄くされ、容易に位置決め可能となっているとともに、待機傾斜部223に金属プレート410を取り付けた際に、図15に示すように、待機傾斜部223の金属プレート410が取り付けられていない部分の上面と、金属プレート410の上面とがほぼ同一平面内に配置されるようになっており、遊技球の移動を妨げないようになっている。
【0143】
なお、上面板411は、待機傾斜部223上を流下する遊技球に接触する必要があり、待機流路221の底部となる待機傾斜部223上面の少なくとも、前後の中央部を覆っている必要がある。また、上面板411の遊技球の流下方向すなわち、待機傾斜部223の長手方向に沿った長さは、遊技球の全周(π×遊技球の直径)の長さ以上とされ、上面板411上を遊技球が転動した場合に、少なくとも遊技球が一周する間は、上面板411上を転動することが可能でとなっていることが好ましい。これにより、上面板411上を遊技球が転動した場合に、遊技球の全周に渡って上面板411に接触することが可能となり、より確実に遊技球の静電気を除去することができるとともに、遊技球が流下した場合に遊技球の表面全体に風を当てられることから、付着物を十分に除去する時間を確保することができる。
【0144】
また、金属プレート410のアース取付部414には、アース配線取付端子となるネジ孔と、ネジ孔に螺合されたネジ415とを有し、アース配線430の端子431がネジにより固定されている。なお、アース配線430は、前壁部材310の待機傾斜部223下側の金属プレート410近傍に設けられたアース配線孔316を通って、図4に示すように、封入球循環ユニット200の前に配置された発射ユニット60の発射レール62に設けられたアース端子612にネジ622で固定され、金属製の発射レール62を含む発射ユニット60に対してアースされた状態となっている。なお、金属プレート410のアースは、発射ユニット60への接続に限定されるものではなく、発射ユニット60と封入球式遊技機100の他の金属部分、或いは島設備にアースすることで、金属プレート410のアース効果を高めるようにしても良い。
【0145】
前記送風ファン420は、電気製品の電源、基板等の排熱(冷却)用の周知の送風ファンであって、例えば、正面視して略正方形のケーシング内のファンとファンを回転するモータとを備えたものであり、前壁部材310の前面側で、待機流路221の金属プレート410が取り付けられた位置の前に設けられた送風ファン取付部310aに取り付けられている。また、送風ファン420の送風方向は、この例において、封入球式遊技機100の前後方向の前から後となっている。
【0146】
また、前壁部材310の送風ファン420の取付位置で、かつ、待機流路221の金属プレート410が配置された位置の上部と下部とには、通気口318,…が形成されている。すなわち、前壁部材310の待機傾斜部223が形成された位置の待機傾斜部223の直上(上側近傍)となる位置に、待機傾斜部223に沿うとともに金属プレート410の遊技球の流下方向に沿った配設範囲に渡ってスリット状の二つの通気口318,318が一列に形成され、さらに、待機傾斜部223の上側で、待機流路221の天井となる待機天井部225が形成された位置の待機天井部225の直下(下側近傍)となる位置に、待機天井部225(待機傾斜部223)に沿うとともに金属プレート410の配設範囲(流下方向の範囲)に渡ってスリット状の二つの通気口318,318が一列に形成されている。
【0147】
また、後壁部材320の裏面の送風ファン420の取付位置に対応する部分には、フィルタ500(図17に図示)を取り付けるためのフィルタ取付部321が設けられている。フィルタ取付部321は、送風ファン420による送風、送風により吹き飛ばされた遊技球への付着物を含む塵芥等を通過させるフィルタ開口部322が形成されるとともに、フィルタ開口部322がフィルタ500の外周枠501を位置決めして取り付けるために後壁部材320裏面から後方に突出するリブ323となっている。また、後壁部材320のフィルタ開口部322のうちの待機傾斜部223の下側となる部分は、フィルタ開口部322の奥で閉塞板324により閉塞されている。
【0148】
また、フィルタ開口部322の上縁は、待機傾斜部223より少し上に配置されるとともに、待機傾斜部223の上面、すなわち、金属プレート410の上面に沿って斜めに配置されており、待機流路221の後部側で、待機傾斜部223(金属プレート410)の上面近傍に該上面に沿ってスリット上の通気口328が形成された状態となっている。
また、フィルタ取付部321の右側縁部には、フィルタ500をネジ止めするためのネジ孔325が形成されている。
なお、前壁部材310及び後壁部材320は、発射装置61に遊技球を流下させる流下路である循環流路220及びその待機流路221の前後の両側壁となるものであり、通気口318、328は、循環流路の待機流路221の金属プレート410が配設された部位に対応する両側壁に開設されていることになる。
【0149】
図17に示すように、前記フィルタ500は、フィルタ開口部322の周縁と同形状の外周枠501と、外周枠501内に配設されたフィルタ本体502と、外周枠501に形成されたネジ挿通孔503とを備える。外周枠501は、フィルタ本体502を支持するとともに、後壁部材320のフィルタ取付部321のリブ323の外側に係合して位置決めされるようになっているとともに、ネジ挿通孔503を介してネジ504をフィルタ取付部321のネジ挿通孔503に螺合することにより、後壁部材320に固定されるようになっている。
【0150】
フィルタ本体502は、送風ファン420の送風により吹き飛ばされた上述の塵芥等の所謂ゴミを回収するゴミ回収手段となるものであり、送風により吹き飛ばされたゴミが、例えば、封入球式遊技機100の後方となる島設備内に排出されるのを防止するものである。なお、封入球式遊技機100では、内部で封入された遊技球が循環する構成であり、通常外部から遊技球等が入れられることがない。従って、密閉されているわけではないが、従来の遊技機に比較して内部へのゴミ等の侵入は少ないものとなっており、フィルタ本体502が短期間で目詰まりするようなことはなく、フィルタ500の交換や清掃等を行わなくても長期使用が可能である。なお、フィルタ500は、封入球式遊技機100の裏面側に配置されるので遊技者に見られることがなく、かつ、封入球式遊技機100の裏面側で露出しているので、交換等のメンテナンスが容易なものとなっている。
なお、フィルタ500を取り外して使用しても良く、この場合に吹き飛ばされたゴミ等は、送風ファン420の風力等に対応して島設備内の所定箇所に落下して回収される。すなわち、封入球式遊技機100にフィルタ500を設けずに、ゴミ等を回収する手段を封入球式遊技機100の外に設けても良い。
【0151】
また、図7に示すように、封入球循環ユニット200が取り付けられるベース枠体となる前面枠本体130の取付盤131の送風ファン420と前後に重なる位置には、送風ファン420に連通するファン開口部139が形成されている。また、ベース枠体となる前面枠本体130の取付盤131の前面側には、タッチパネル表示ユニット151を備えた発射操作ユニット150が設けられている。
タッチパネル表示ユニット151は、上述のように各種遊技情報を遊技者に表示する表示装置として機能し、封入球式遊技機100の前面側下部に配設される。
【0152】
そして、ベース枠体の一部となる取付盤131のファン開口部139は、通気開口部174を介して、発射操作ユニット150内部のタッチパネル表示ユニット151の裏面側となる空間に連通しており、表示装置としてのタッチパネル表示ユニット151(バックライト、ドライバ回路基板等の発熱する構成を有する)から発射操作ユニット150内部に放出される熱を送風ファン420が吸い込む構成となっている。
なお、封入球循環ユニット200は、取付盤131の裏面側で、発射ユニット60の後側に取り付けられているが、封入球循環ユニット200の前壁部材310の前側に取り付けられる送風ファン420は、斜めに配置される発射ユニット60の高くなった部分の下側に配置され、送風ファン420と発射ユニット60は、前後ではなく、上下に重なるようになっており、スペース効率が高められている。
【0153】
また、送風ファン420は、封入球循環ユニット200の本体と取付盤131との間に配置されるとともに、その上に発射ユニット60が配置されることから、メンテナンスが困難な状態となる可能性があるが、上述のように封入球循環ユニット200は、後方側に倒れるように回転可能に取付盤131に取り付けられているので、封入球循環ユニット200を後方に倒すように回転移動することで、送風ファン420が倒れた状態の封入球循環ユニット200の上面側に現れ、容易にメンテナンスできる。さらに、封入球循環ユニット200は、取付盤131に対して着脱自在であり、封入球循環ユニット200を取り外して、送風ファン420を含む付着物除去手段400のメンテナンスが可能である。
【0154】
以上のような構成により送風ファン420は、表示装置としてのタッチパネル表示ユニット151の裏面側であってタッチパネル表示ユニット151を配設するためのベース枠体である前面枠本体130の取付盤131に形成されて送風ファン420に連通するファン開口部139から、タッチパネル表示ユニット151から放出される熱を吸い込むように、封入球式遊技機100の前後方向の前側から後側に送風する。
そして、送風ファン420は、タッチパネル表示ユニット151の裏面側から吸い込んだ空気を、後方の待機流路221の前記金属プレート410が配設された部位に対応する両側壁のうちの一方の側壁となる前壁部材310に形成された通気口318,318と他方の側壁となる後壁部材320の通気口328とを介して、後方側に人工風を送風することになる。
【0155】
以上のような封入球式遊技機100においては、以下のように遊技領域1aに遊技球が発射され、発射された遊技球が回収されて循環使用されることになる。
遊技者が二つのハンドルタッチ検出部材152,152のうちの少なくとも一方に手を接触させると、そのハンドルタッチ検出部材152がその遊技者の手を検出して、発射装置61を作動させるための信号を発射制御装置(発射制御基板63)に出力する。その信号を入力する発射制御装置は、発射装置61を作動させるとともに、発射装置61に同期して球送り装置240を作動させる。すなわち、発射制御装置が発射装置61のモータ及び球送り装置240の球送りソレノイド244を制御することによって、そのモータが発射杵66を回転駆動し、発射位置69にある遊技球が発射杵66によって打撃され、遊技球が打撃されて発射された直後に球送りソレノイド244が昇降して、移送供給部材243にある遊技球が発射位置69に供給される。
【0156】
また、遊技者がハンドルタッチ検出部材152,152から手を離すまでハンドルタッチ検出部材152が信号を発射制御装置に出力するので、発射制御装置は発射装置61及び珠送り装置240の作動を継続する。そのため、遊技者がハンドルタッチ検出部材152,152から手を離すまで、上述したような遊技球の発射が繰り返される。また、遊技者が手をハンドルタッチ検出部材152,152から手を離すと、発射制御装置が発射装置61及び球送り装置240を停止させて、遊技球が発射されなくなる。
【0157】
また、遊技球の発射が繰り返されている時に、発射スライドボリューム153は操作レバー156の上下位置に応じた信号を発射制御装置に出力し、発射制御装置が発射スライドボリューム153からの入力信号に応じて発射装置61のモータを制御する。すなわち、操作レバー156を上又は下に移動すると、発射制御装置はモータの回転速度(トルク)を上げることにより遊技球の発射勢が強くなり、操作レバー156を逆に移動すると、発射制御装置がモータの回転速度を下げることにより遊技球の発射勢が弱くなる。また、操作レバー156を逆に移動して、その移動範囲の端(例えば、下端)に操作レバー156を位置させると、発射制御装置が発射制御装置が発射装置61及び球送り装置240を停止させて、遊技球が発射されなくなる。
なお、上述のようにハンドルタッチ検出部材152,152が遊技者の手の接触を検出しているか否かを判定する(すなわち、ハンドルタッチ検出部材152から出力される信号を入力する)制御装置は、発射制御装置(発射制御基板63)としたが、枠制御装置(第1枠制御基板81、第2枠制御基板82)であっても良い。
【0158】
そして、打撃された遊技球は、発射装置61により遊技盤1前面側の遊技領域1aの下側から内外二本のガイドレール2の間を通って、遊技領域1a内に発射される。
【0159】
そして、遊技領域1a内に発射された遊技球は、遊技領域1a内を流下し、発射された一部の遊技球が普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5、一般入賞口等の入賞口に流入して入賞し、遊技盤1の裏面側に導かれてセーフ球となり、遊技盤1の裏面側のセーフ球の排出経路を通って遊技盤1の下側に流下する。
【0160】
一方、遊技領域1a内を流下しても流入することなく、遊技領域1aの下端部に至った遊技球は、アウト球として、遊技盤1の前面側下端部のガイドレール2が設けられていない中央部分から遊技盤1の下側に流下する。すなわち、アウト球は、遊技盤1の前面側から遊技盤1の下側に流下する。
そして、遊技盤1の下側に流下したアウト球及びセーフ球は、それぞれ封入球循環ユニット200の回収部材210の回収口211の前部のアウト球回収口215及び回収口211の後部のセーフ球回収口216から封入球循環ユニット200内に流入する。そして、回収部材210で回収されたアウト球及びセーフ球としての遊技球は、遊技球導入口219から導入経路280を通って回収球センサ212に至り、回収球センサ212を通過することにより回収球センサ212に検出される。
【0161】
回収球センサ212を通過した遊技球は、ファール球流路252の下端部となるとともに、循環流路220の上端部となる合流部254上に流下する。
一方、発射装置61で発射されたのにも係わらず、遊技領域1aを流下せずに戻ったファール球としての遊技球は、ファール球回収手段250のファール球回収部257で回収されてファール球回収口251を通った後にファール球センサ253を通過して、ファール球センサ253に検出されるとともにファール球流路252に至る。そして、ファール球流路252を流下するファール球としての遊技球は、ファール球流路252の下端部となる合流部254まで流下し、上述の回収球としての遊技球と合流する。
【0162】
そして、合流部254を流下した遊技球は、循環流路220に至り、循環流路220を流下し、さらに、循環流路220の下流部分となる待機流路221を流下する。待機流路221上を流下する遊技球は、待機流路221に設けられた付着物除去手段400のアースされた金属プレート410上に至り、静電気を除去される。また、金属プレート410と前後に重なって、金属プレート410の前側に配設された送風ファン420からの前から後に向かう人工風が、金属プレート410の前後の側壁となる前壁部材310及び後壁部材320に形成された通気口318、通気口328を通って金属プレート410上で静電気を除去されている状態の遊技球に吹き付けることになる。
そして、静電気を除去されることによりゴミ、特に乾いたゴミの付着性が低下した遊技球に人工風が吹き付けることにより、遊技球に付着した付着物が効率的に除去される。
【0163】
待機流路221を流下した遊技球は、規制壁241に当接して待機する。
また、この後に続いて流下した遊技球も、順次前方にある遊技球に当接し、待機流路221上に一列に並んで待機する。
待機流路221の下流部は、球送り装置240に設けられた移送供給部材243に連続しており、待機する遊技球の内、規制壁241に当接して待機する最下流部の遊技球は、移送供給部材243内で待機することとなる。
段差部227によって、移送供給部材243に保持された遊技球に隣接し、待機流路221の最も傾斜下側で待機する遊技球に対して、待機流路221で2番目に待機する遊技球は、球の中心から上方にずれた位置に接触する。
さらに、待機流路221で2番目に待機する遊技球の上方の待機天井部225は、上方に突出した圧力分散空間形成部226となっているので、この遊技球に待機流路221で一列に並んで待機している遊技球の圧力が加わることで、この遊技球は若干上方に持ち上がり、圧力分散空間形成部226に入った状態で待機することとなる。
【0164】
発射装置61に連動して移送供給部材243が球送りソレノイド244により昇降し、これによって遊技球が上方に移送され、底面板部材243aの傾斜に沿って供給導入口249から供給流路245に流入する。
この後、移送供給部材243は下降し、待機流路221の最も傾斜下側で待機する遊技球が移送供給部材243内に流入する。
供給流路245に送られた遊技球は、供給流路245を流下し、供給球検出センサ246を通過して、供給球検出センサ246に検出された後に、供給導出口247に至る。
この供給導出口247は、封入球循環ユニット200の前面側にある発射ユニット60の発射位置69に面しており、供給導出口247から出た遊技球はそのまま発射位置69にセットされる。
つまり、発射ユニット60の裏側にある封入球循環ユニット200から直接遊技球を発射位置69にセットするので、循環経路が単純になり装置の構成を簡略化できる。
発射装置61にセットされた遊技球は、発射杵66によって打撃されて遊技領域1aに発射される。
発射杵66は、発射位置69よりも上方に回転軸部661を持ち、この回転軸部661に接続されたモータ(ステッピングモータ)の駆動により回転して、発射位置69にセットされた遊技球を打撃して遊技領域1aに発射する。
発射された遊技球は、再び上述の経路を辿り循環使用される。
【0165】
以上のような封入球式遊技機100は、遊技領域1aに向けて遊技球を発射する発射装置61を備えた遊技機であり、封入球式遊技機100における前面側下方に、遊技の実行に係わる前面機能体としてのタッチパネル表示ユニット151、見せ球装飾部154、スピーカ155及び発射スライドボリューム153を配設するための前方側に膨出した取付枠体159を設け、取付枠体159の側部に、側方に向いて開口した空間部158を形成するための空間形成部163を設け、空間形成部163における空間部158の前部内側面を構成する部位に、開口158aから挿入された遊技者の手の接触を検出して、発射装置61を作動させるための信号を出力するハンドルタッチ検出部材152を設けるとともに、空間形成部163における空間部158の下部内側面を構成する部位に、開口158aから挿入された遊技者の手を載置可能な載置部164を形成している。
【0166】
そのため、遊技者の手を載せられるので、長時間遊技を継続しても疲労しづらい。特に、遊技機の横方向から手を載せられるので自然な姿勢で楽に遊技を行える。また、膨出状の取付枠体159の形状を利用して載置部164を形成したので、前面側における他の機構との配置に関しても何ら問題が生じないし、封入球式遊技機100の前面側が一体感のあるデザインとなり装飾性も向上する。
また、空間内に手を入れて置けるので、手を保護することができる。(例えば、上部から落ちてきた物が手にぶつかることを保護)。
【0167】
以上の封入球式遊技機100においては、空間形成部163の前面側であって開口158aの縁部を、遊技者の手を載置部164に載置した状態で当該手で把持可能な把持部163cとして構成している。
【0168】
そのため、安定した状態で手を載せておくことができ、また、タッチ検出も確実かつ無理なく行うことができる。また、従来のように把持部が遊技機から突起したものではないので、デザイン的にも効果的である。
【0169】
以上の封入球式遊技機100においては、載置部164が空間部158から外側に延在するように空間形成部163の下方部位を延設している。
【0170】
そのため、載置部164を広くできるので、より確実かつ安定した状態で遊技者の手を載せることができる。
【0171】
以上の封入球式遊技機100においては、空間形成部163は、その空間形成部163の前面部を構成し、前方側に膨出した湾曲状の前面構成部163aと、その空間形成部163の下面部を構成した底面構成部と、から構成されている。
【0172】
そのため、封入球式遊技機100の前面側が一体感のあるデザインとなり装飾性も向上するという効果、及び、手を保護することができるという効果を得られる機構を確実に実現することができる。
【0173】
以上の封入球式遊技機100においては、空間形成部163,163を、遊技者の左右何れの手でも載置可能に、当該遊技機の下部前面側両側部に設けている。
【0174】
そのため、載置する手を遊技者が選べるので、例えば、左利きの遊技者でも何ら違和感なく手を載置することができる。
【0175】
以上の封入球式遊技機100においては、空間形成部163の前面側であって開口158aの縁部を、遊技者の手を載置部164に載置した状態で当該手で把持可能な把持部163cとして構成し、空間形成部163の前面側表面であって開口158aの縁部の近傍に、発射装置61における遊技球の発射勢を調整可能な操作レバー156を備え、遊技者の手で把持部163cを把持した状態で操作レバーを操作可能に構成している。
【0176】
そのため、載置部164に手を載せた状態で、発射勢の強弱調整を行うことが可能となり、疲労感無く遊技を継続できる。
【0177】
以上の封入球式遊技機100においては、前面機能体として遊技者に遊技情報を表示するタッチパネル表示ユニット151を斜め上方に傾斜した状態で取付枠体159に取り付けたことを特徴とする。
【0178】
そのため、遊技者の所望する情報を提供できるので、更に、遊技を楽しむことができる。また、大型の表示装置を設けても何ら問題なく、全ての構成物を配設することが可能である。
【0179】
なお、上記実施形態では、遊技の実行に係わる前面機能体としてタッチパネル表示ユニット151、見せ球装飾部154、スピーカ155及び発射スライドボリューム153が取付枠体159に取り付けられているが、その他の前面機能体として、持球等の遊技球を貯留する遊技球貯留皿、ランプ等の装飾装置、遊技データ(大当たり回数等)を表示する遊技データ表示器、遊技者が保有する金額情報を表示する金額表示器、遊技者が保有する持球数を表示する持球数表示器、金額情報から持球に変換する操作装置等が取付枠体159に取り付けられていても良い。上記実施形態では、タッチパネル表示ユニット151は、持球数の情報、金額情報等を表示するので、金額表示器及び持球数表示器として機能する。
【0180】
また、空間部158,158に冷房機能や暖房機能を設け、遊技者の手を快適にしても良い。例えば、ペルチェ素子の放熱部を空間部158,158の内側面に形成することによって、空間部158,158に冷房機能を設けても良いし、ペルチェ素子の吸熱部やヒータを空間部158,158の内側面に形成することによって、空間部158,158に暖房機能を設けても良い。
また、タッチパネル表示ユニット151の裏面側のスペースと空間部158との間にペルチェ素子を設け、そのペルチェ素子でスペースと空間部158,158を区切るようにしても良い。この場合に好ましくは、タッチパネル表示ユニット151の裏面側のスペースにペルチェ素子の吸熱部を臨ませることによって、そのスペース及びタッチパネル表示ユニット151を冷却させ、空間部158にペルチェ素子の放熱部を臨ませることによって、空間部158を暖めるようにしても良い。
【0181】
また、遊技者が所有する物品(たばこ、小銭等)を空間部158,158に収納することによって、空間部158,158を物品収納部として構成しても良い。
【0182】
また、空間部158,158の裏面側(例えば、裏面カバー162の裏面であって空間部158,158に前後に重なる位置)に送風ファンを設けて、送風ファンによって風を空間部158,158に送るようにしても良い。
この場合、風を空間部158,158に送ることで空間部158,158の換気を行ったり、或いは、遊技者の手に風を当てることで各種演出に利用したりできる(空間部内は、ある程度密閉させているので、風の感触を効率よく手に伝えることが可能)。
送風を演出として利用する場合は、送風ファンの作動を制御装置(主に、演出制御基板50を有する演出制御装置)で制御することにより、遊技状態に応じて風を送る。例えば、遊技状態がリーチ状態となった場合に、送風ファンで風を空間部158,158に送ることで、リーチ状態の演出を行う。
また、空間部158,158に送風する送風ファンとして、裏面側に設けられる付着物除去手段400の送風ファン420を利用するようにしても良く、この場合には、送風ファン420と空間部158,158を連通させて、空間部158,158に人工風を送る(吸い込み、或いは吐き出し)。
【0183】
また、前方から見て右側の把持部163cは、封入球式遊技機100の前面枠120を開閉(特に開放)する際の取っ手としての機能を有する。つまり、遊技店の店員が手で把持部163cを把持した状態でその手で把持部163cを手前に引くと、前面枠120が開き、逆に把持部163cを後ろに押すと、前面枠120が閉じる。
【0184】
また、左右の把持部163c,163cを両手で把持することにより、封入球式遊技機100(前面枠120)を持ち上げることが可能に構成されているので、封入球式遊技機100の島設備への設置作業が容易に行える。
【0185】
また、前面構成部163aの把持部163cの近傍に操作レバー156の他、下記のものを設けても良い。
1.発射装置61による発射動作を一時的に停止するボタン(発射停止操作部)。
2.変動表示ゲームを停止するボタン(変動表示ゲーム停止操作部)。
3.変動表示ゲームの演出内容を変更するボタン。
【0186】
制御装置で左右何れかのハンドルタッチ検出部材152が遊技者の手の接触を検出しているかを判定し、該判定結果に基づいてタッチパネル表示ユニット151或いは変動表示装置4の表示内容(演出内容)を以下に示すように制御しても良い。
1.タッチパネル表示ユニット151のタッチ表示部の配列や配置を上記判定結果に基づいて変更する。例えば、空いている手で操作しやすいような配列や配置にする。
2.変動表示装置4に表示する図柄やキャラクタ等の表示態様を変更する。例えば、遊技者がタッチしているハンドルタッチ検出部材152の位置により遊技者の封入球式遊技機100に対する角度が変化することとなるので、その角度で見やすいように図柄やキャラクタの表示位置を変更したり、キャラクタが画面内に現出する方向を決定したりする。
3.上述したように演出として左右両方の空間部158,158に風を発生可能とした場合、遊技者が操作している(手を入れている)空間部158に風を発生させ、遊技者が操作していない空間部158には風を発生させない。
なお、上記の1〜3の制御を行う制御装置は、発射制御装置(発射制御基板63)や枠制御装置(第1枠制御基板81、第2枠制御基板82)、演出制御装置(演出制御基板50)となるが、ハンドルタッチ検出部材152,152が遊技者の手の接触を検出しているかを判定する判定手段は、発射制御装置或いは枠制御装置の何れでも良い。
【0187】
また、空間部158,158を形成する部材(例えば、載置部164を構成する部材)に、抗菌剤を混入或るいは塗布した部材を使用するようにしても良い。
【0188】
また、遊技者が一時的に離席する時に、左右にハンドルタッチ検出部材152,152が設けられているので、左右隣りのどちらの遊技者でも手助け(例えば、離席中に大当たりが発生した場合の発射の継続等)を行うことが可能となっている。
【0189】
また、制御装置(主に発射制御装置や枠制御装置)では、左右のハンドルタッチ検出部材152,152からの検出信号を独立して監視するようにしているので、仮に一方のハンドルタッチ検出部材152に故障が生じても、他方のハンドルタッチ検出部材152が正常であれば遊技が可能であり、封入球式遊技機100の稼働が停止することはない。
【0190】
また、本発明の遊技機は、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機としての封入球式遊技機100に限定されず、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
さらに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0191】
【図1】本発明の実施の形態の封入球式遊技機として例示されるガラス枠を開放した状態の封入球式遊技機を示す斜視図である。
【図2】ガラス枠を閉鎖した状態の封入球式遊技機を示す斜視図である。
【図3】封入球式遊技機の裏面側を示す背面図である。
【図4】封入球式遊技機の裏面下部を示す要部斜視図である。
【図5】封入球式遊技機の前面枠の取付盤の上面を示す斜視図である。
【図6】封入球式遊技機の下部を示す要部断面図である。
【図7】封入球式遊技機の下部を示す要部断面図である。
【図8】封入球式遊技機の発射操作ユニットの上側を示す平面図である。
【図9】発射操作ユニットの右側を示す側面図である。
【図10】図9の面X−Xに沿う断面図である。
【図11】面X−Xに沿って破断された端面を示す端面図である。
【図12】発射操作ユニットを分解した状態を示す分解斜視図である。
【図13】封入球式遊技機の封入球循環ユニットの裏面側を示す斜視図である。
【図14】封入球循環ユニットを示す内部が透視された状態の背面図である。
【図15】封入球循環ユニットの内部となる前壁部材の裏面を示す背面図である。
【図16】封入球循環ユニットを示す分解斜視図である。
【図17】封入球循環ユニットのフィルタ取付部及びフィルタを示す分解斜視図である。
【図18】封入球循環ユニットの前面側を示す斜視図である。
【図19】封入球式遊技機の裏面側を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0192】
1 遊技盤
1a 遊技領域
61 発射装置
100 封入球式遊技機(遊技機)
151 タッチパネル表示ユニット(表示装置、前面機能体)
152 ハンドルタッチ検出部材(タッチ検出部材)
153 発射スライドボリューム(前面機能体)
154 見せ球装飾部(前面機能体)
155 スピーカ(前面機能体)
156 操作レバー(発射勢調整部材)
159 取付枠体
158 空間部
158a 開口
163 空間形成部(空間形成部材)
163a 前面構成部
163b 底面構成部
163c 把持部
164 載置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置を備えた遊技機において、
当該遊技機における前面側下方に、遊技の実行に係わる前面機能体を配設するための前方側に膨出した取付枠体を設け、
前記取付枠体の側部に、側方に向いて開口した空間部を形成するための空間形成部材を設け、
前記空間形成部材における左右方向中央部の後方にスピーカを設け、
前記空間形成部材における空間部の前部内側面を構成する部位に、前記開口から挿入された遊技者の手の接触を検出して、前記発射装置を作動させるための信号を出力するタッチ検出部材を設けるとともに、該空間形成部材における前記空間部の下部内側面を構成する部位に、前記開口から挿入された遊技者の手を載置可能な載置部を形成し、
前記スピーカの裏面に空間を形成するように当該スピーカ裏面側を包囲するエンクロージャーを設け、該エンクロージャーを前記空間部の後方に延出させたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記空間形成部材は、前方側に膨出した前面構成部と、前記空間部の下面を構成するとともに前記載置部を形成する底面構成部と、を有し、該空間部の後面に空間後面を備えることで該空間部をポケット状に形成し、
前記底面構成部を前記空間部から外側に延設するとともにその上面を平坦に形成することで、前記載置部を該空間部から外側に延在させたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記空間形成部材の前面側であって前記開口の縁部を、遊技者の手を前記載置部に載置した状態で当該手で把持可能な把持部として構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記空間形成部材は、遊技者の左右何れの手でも載置可能に、当該遊技機の下部前面側両側部に設けたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記空間形成部材の前面側であって前記開口の縁部を、遊技者の手を前記載置部に載置した状態で当該手で把持可能な把持部として構成し、
前記空間形成部材の前面側表面であって前記開口の縁部の近傍に、前記発射装置における遊技球の発射勢を調整可能な発射勢調整部材を備え、遊技者の手で前記把持部を把持した状態で該発射勢調整部材を操作可能に構成したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−194490(P2008−194490A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96054(P2008−96054)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【分割の表示】特願2003−430055(P2003−430055)の分割
【原出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】