説明

遊技機

【課題】不正な設定変更行為に対する抑止力を発揮する。
【解決手段】遊技機は、遊技に関する内部状態を可変設定する設定変更機能を具備し、所定の設定操作に伴い前記内部状態の設定変更が行われる。本遊技機の背面側に装着される払出ブロック15において、遊技機背面側には払出制御装置153と電源装置154とが装着され、そのうち電源装置154には、設定変更キーをキー挿入口に挿入した状態で回動操作することにより前記設定操作を有効化する設定キースイッチ240が設けられている。特に、設定キースイッチ240は、電源装置154の電気部品実装面の逆側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として、遊技メダルや遊技球を遊技媒体として用い、所定個数の遊技媒体を投入するとともに所定の遊技開始操作を行うことで毎回の遊技を行うようにした回胴式遊技機が知られている。例えば、スロットマシンでは、所定枚数の遊技メダルを投入するとともに、該投入後にスタートレバーを叩き操作することにより遊技が開始される。このとき、遊技の開始に伴いリール装置におけるリールの回転が開始され、その後遊技者によるストップボタンの押し操作に伴いリールの回転が停止される。そしてリール停止時の表示図柄に応じて遊技メダルの払出等が適宜行われる。また、遊技メダルの代わりにパチンコ機で使用される遊技球を用いて上記スロットマシンに似通った遊技を行う球使用回胴遊技機(いわゆる、パロット)では、所定個数の遊技球を投入するとともに、該投入後にスタートレバーを叩き操作することにより遊技が開始される。このとき、スロットマシンと同様にリールの回転及び停止が行われ、リール停止時の表示図柄に応じて遊技球の払出等が適宜行われる。
【0003】
上記のような遊技機では、一般に出玉率などを設定するための設定変更機能が設けられており、遊技ホールの管理者等、あらかじめ認定された者が所定の設定操作を行うことで設定変更が行われる(例えば、特許文献1参照)。既存の回胴式遊技機では、例えば出玉率が異なる6段階の設定が行われ、「設定1」〜「設定6」のいずれに設定されるかによって出玉率等が変更される。この場合、遊技機には設定キースイッチが設けられており、その設定キースイッチのキー挿入口に設定変更キーを挿入して回動操作することにより設定変更可能状態とされる。つまり、設定変更キーを用いた回動操作により都度の設定操作が有効化され、その有効化された状態でのみ設定変更が実施できるようになっている。
【0004】
ところで、スロットマシンでは、設定キースイッチは筐体内の電源装置などに設置され、一般にキー挿入口が遊技機正面側を向く構成となっている。この場合、管理者等によって、スロットマシンの前面扉を開放した状態で前方より設定変更キーが挿入され、設定変更操作が行われる。ここで、上記構成では不正に設定変更が行われるおそれが生じる。例えば、前面扉さえ開放できれば、或いは前面扉に不正に孔等を穿設すれば、容易に設定キースイッチに設定変更キーを挿入することができ、不正な設定変更が可能となる。したがって、不正な設定変更行為に対する抑止力を発揮できる技術が望まれている。
【0005】
一方で、球使用回胴遊技機(パロット)は、基本的にパチンコ機と同じ島設備に設置されるものであり、パチンコ機と同様、遊技機背面側がむき出しに開放された構成となっている。そして、設定キースイッチは、一般にキー挿入口が遊技機背面側を向く構成となっている。この場合、島設備に対して遊技機が手前側に開放された状態で、管理者等によって遊技機背面側より設定変更キーが挿入され、設定変更操作が行われる。ここで、例えば、遊技ホールにおいて2列の遊技機が背向かいの状態で島設備に設置される場合に、2列の遊技機のうち一方の列の遊技機が開放されると、他方の列の遊技機の背面側がむき出しとなり、容易に設定キースイッチに設定変更キーを挿入することができ、不正な設定変更が可能となる。したがって、スロットマシンと同様、不正な設定変更行為に対する抑止力を発揮できる技術が望まれている。
【特許文献1】特開2005−192723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、不正な設定変更行為に対する抑止力を発揮することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0008】
手段1.各種の電気部品を実装した制御基板(電源基板201)を基板ケース(基板ケース202)内に収容してなる基板装置(電源装置154)を備える一方、
遊技に関する内部状態を可変設定する設定変更機能を具備し、所定の設定操作に伴い前記内部状態の設定変更が行われる遊技機であって、
前記設定操作を有効化する設定有効化装置(設定キースイッチ240)を、前記基板装置の電気部品実装面の逆側に設けたことを特徴とする遊技機。
【0009】
手段1の遊技機は、遊技に関する内部状態を可変設定する設定変更機能を具備しており、所定の設定操作に伴い内部状態の設定変更が行われる。また、設定有効化装置が設けられており、その設定有効化装置が基板装置の電気部品実装面の逆側(非実装面側)に設置されている。要するに、この種の遊技機では、一般に電気部品実装面が外部から目視確認容易となるようにして基板装置が装着される。この点を考えると、基板装置の電気部品実装面の逆側に設定有効化装置を設けることにより、設定有効化装置が目視しにくくなるか、又は目視できないようになる。つまり、設定有効化装置が基板装置の背後に隠れることとなる。その結果、不正な設定変更行為に対する抑止力を発揮することができるようになる。
【0010】
手段2.前記制御基板の電気部品非実装面側の投影範囲からはみ出ないようにして前記設定有効化装置を設けたことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0011】
手段2によれば、制御基板の電気部品非実装面側の投影範囲からはみ出ないようにして設定有効化装置を設けたため、基板装置の背後に設定有効化装置を確実に隠すことができる。したがって、一層望ましい不正対策が可能となる。
【0012】
手段3.装置本体(スイッチ本体241)と、その装置本体を収容する装置カバー(キースイッチカバー242)とにより前記設定有効化装置を構成し、前記基板ケースと前記装置カバーとを一体的に接合したことを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
【0013】
手段3によれば、基板ケースと装置カバーとを一体的に接合することで、基板装置と設定有効化装置とを一体化している。このとき、設定有効化装置を基板装置の背後に設置する上で好適なる構成が実現できる。
【0014】
手段4.前記基板ケースと前記装置カバーとの接合部において、前記基板ケースに対する前記装置カバーの固定を基板ケース内側から行う構成としたことを特徴とする手段3に記載の遊技機。
【0015】
手段4によれば、基板ケースに対する装置カバーの固定が基板ケース内側から行われているため、基板ケースから装置カバーを取り外すことが困難になる。したがって、設定有効化装置に対する不正行為を抑制することができる。
【0016】
手段5.前記制御基板上に設けられるコネクタ部(コネクタ端子251)と前記装置本体に設けられるコネクタ部(コネクタ端子246)とを電気配線により電気的に接続する構成において、
前記基板ケースと前記装置カバーとにより形成される区画領域内に前記電気配線を収容したことを特徴とする手段3又は4に記載の遊技機。
【0017】
手段5によれば、制御基板と装置本体とが電気配線により電気的に接続される構成において、その電気配線への不正行為を抑制することができる。ひいては、不正な設定変更行為に対する抑止力が期待できるものとなる。例えば、電気配線に不正基板を接続する(不正基板のぶら下げ)などの不正行為が抑制できる。
【0018】
手段6.前記制御基板に、前記装置本体のコネクタ部から延びる電気配線を前記制御基板の電気部品実装面側に案内する配線案内部(切欠孔252)を設け、この配線案内部を通じて前記電気配線を前記制御基板上のコネクタ部に接続するようにした遊技機であって、
少なくとも前記配線案内部と前記制御基板上のコネクタ部とを囲うようにして囲い壁部(囲い部255)を設けたことを特徴とする手段5に記載の遊技機。
【0019】
この種の遊技機では、一般に不正抑制などの観点から制御基板の片面(電気部品実装面側)に各種の電気部品やコネクタ等が集約して実装される。この場合、上記のように設定有効化装置を基板装置の電気部品実装面の逆側(非実装面側)に設けた構成では、電気基板の一面側から他面側に電気配線を案内する必要が生じ、その電気配線に対して不正行為が行われるおそれがある。この点、手段6によれば、少なくとも配線案内部と制御基板上のコネクタ部とを囲うようにして囲い壁部を設けたため、電気配線に対する不正行為を行いにくくすることができる。
【0020】
手段7.前記制御基板の電気部品実装面側に、前記電気配線を案内する案内リブ(案内リブ253)を設けたことを特徴とする手段5又は6に記載の遊技機。
【0021】
制御基板の電気部品実装面側には、制御基板上に実装した電極ピン等が突出し、その電極ピン等により電気配線が損傷するおそれがあるが、案内リブを設けることにより、電極ピン等と電気配線との接触が回避できる。したがって、電気配線の損傷等を抑制することができる。案内リブは、例えば基板ケースの内側に形成した突状のリブ部材により構成されると良い。
【0022】
手段8.前記設定操作を行うための設定操作部材(リセットスイッチ206)を、前記基板装置の電気部品実装面と同側に設けたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0023】
手段8によれば、所定の設定操作を行うための設定操作部材を、基板装置の電気部品実装面と同側に設けた。この場合、設定有効化装置と設定操作部材とは基板装置を挟んで両側にそれぞれ設けられることとなり、基板装置の片側のみが見えた状態では、設定有効化装置による設定有効化の操作と、設定操作部材による設定操作とをまとめて行うことができない。したがって、不正な設定変更を更に行いにくくすることができる。
【0024】
手段9.前記基板装置又は該基板装置を搭載する搭載装置(払出ブロック15の裏カバー部材151)を回動可能に軸支する構成を設けたことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0025】
手段9によれば、基板装置又はその搭載装置が回動可能となっているため、上記のとおり不正対策として基板装置の電気部品実装面の逆側に設定有効化装置を設けた構成(手段1等)にあっても、ユーザ(管理者等)が正規に設定変更を行う際の操作の利便性を高めることができる。
【0026】
手段10.前記設定有効化装置は、設定変更キーをキー挿入部(キー挿入口245a)に挿入した状態で回動操作することにより前記設定操作を有効化するものであり、
前記基板装置又はその搭載装置を回動させた時に前記キー挿入部がユーザ側を向くように前記設定有効化装置を設置したことを特徴とする手段9に記載の遊技機。
【0027】
手段10によれば、基板装置又はその搭載装置を回動させた時にキー挿入部がユーザ側を向く構成であるため、ユーザが正規に設定変更を行う際の操作の利便性が更に改善される。
【0028】
手段11.前記設定有効化装置は、設定変更キーをキー挿入部(キー挿入口245a)に挿入した状態で回動操作することにより前記設定操作を有効化するものであり、
前記キー挿入部が遊技機正面方向に対して直交する方向を向くようにして前記設定有効化装置を設置したことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0029】
手段11によれば、設定変更キーをキー挿入部に挿入した状態で回動操作することにより前記設定操作が有効化される。この場合、設定操作が有効化される状態下で現実に設定操作が行われることで、内部状態の設定変更が実施される。
【0030】
ここで特に、キー挿入部が遊技機正面方向に対して直交する方向を向くようにして設定有効化装置を設置したため、キー挿入部が遊技機正面方向(又はその逆の遊技機背面方向)を向く従来構成に比して、設定変更キーをキー挿入部に挿入して不正に設定変更を行うことが困難となる。したがって、不正な設定変更行為を行いにくくすることができる。
【0031】
なお本明細書において、「遊技機正面方向に対して直交する方向」とは、遊技機正面から見て左右横方向や上下方向を含む方向を意味する。また、「キー挿入部が遊技機正面方向に対して直交する方向を向く」ための構成としては、キー挿入部が形成されたキーシリンダ等の軸線方向が遊技機正面方向に対して垂直方向となることのみを意味するのではなく、キーシリンダ等の軸線方向が遊技機正面方向と一致しない構成であれば良い。
【0032】
手段12.前記設定有効化装置は、設定変更キーをキー挿入部(キー挿入口245a)に挿入した状態で回動操作することにより前記設定操作を有効化するものであり、
前記キー挿入部が前記基板装置の基板平面方向を向くようにして前記設定有効化装置を設置したことを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
【0033】
手段12によれば、設定変更キーをキー挿入部に挿入した状態で回動操作することにより前記設定操作が有効化される。この場合、設定操作が有効化される状態下で現実に設定操作が行われることで、内部状態の設定変更が有効に実施される。
【0034】
ここで特に、キー挿入部が基板装置の基板平面方向を向くようにして設定有効化装置を設置したため、基板装置の電気部品実装面の逆側に設定有効化装置を設けた構成(手段1等)において、不正対策を図りつつも、管理者等が正規に設定変更を行う際の操作の利便性を高めることができる。上記手段9のように基板装置又はその搭載装置を回動可能とした構成と、キー挿入部を横向きにする構成とを組み合わせれば、操作性の点で更に有為なものとなると考えられる。
【0035】
手段13.前記制御基板の電気部品非実装面側を搭載面として前記基板装置を搭載装置(払出ブロック15の裏カバー部材151)に搭載した遊技機において、
前記基板装置を前記搭載装置に搭載した状態で、電気部品実装面側から前記基板装置を固定するとともに、前記搭載装置を挟んで電気部品非実装面側から前記基板装置を固定したことを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
【0036】
手段13の遊技機では、制御基板の電気部品非実装面側を搭載面として基板装置を搭載装置に搭載している。そして、基板装置を搭載装置に搭載した状態で、電気部品実装面側から基板装置を固定するとともに、搭載装置を挟んで電気部品非実装面側から基板装置を固定するようにした。なお、基板装置の固定にはネジ等の固定具が用いられる。この場合、基板装置を遊技機から取り外すには、基板装置の両面側の固定部分で固定解除を行わなければならず、基板装置を不正に取り外すといった行為が困難になる。したがって、不正抑止効果を高めることができる。
【0037】
手段14.遊技を行うために要する各種の遊技装置類が搭載されるとともに、島設備に設置された状態で前記遊技装置類の少なくとも一部が遊技機背面側に露出し、かつ前記島設備に手前側に回動可能に軸支される構成を有する遊技機であって、
前記基板装置を、電気部品実装面が遊技機背面側を向くようにして設けたことを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。
【0038】
手段14の遊技機では、遊技を行うために要する各種の遊技装置類が搭載されるとともに、島設備に設置された状態で遊技装置類の少なくとも一部が遊技機背面側に露出し、かつ島設備に手前側に回動可能に軸支される構成を有する。これは、一般にパチンコ機や球使用回胴遊技機(パロット)で採用されている構成である。この遊技機では、基板装置が、電気部品実装面が遊技機背面側を向くようにして設けられるが、上記のとおり電気部品実装面の逆側に設定有効化装置を設けることで、遊技機後方から不正に設定変更が行われることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を行う遊技球使用回胴遊技機に関する一実施の形態につき図面に基づいて説明する。
【0040】
本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)の取込を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。本遊技機には、遊技ホール等においてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようになっており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に本遊技機を設置することが可能となっている。
【0041】
(遊技機10の概略説明)
まず、遊技機10の外観構成及び内部構造の概略を説明する。ここで、図1は遊技機10の全体を示す斜視図、図2及び図3は遊技機10の内部開放状態を示す斜視図である。なお以下の説明においては、特に注記しない限りは、遊技機10の正面から見た状態を基準として左右上下などの方向を記載することとする。
【0042】
遊技機10は、本体枠としての外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。本遊技機10を遊技ホールに設置する際には、外枠11が島設備に取り付け固定される。外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。
【0043】
遊技機主部12は、扉体ユニットであるドアブロック13と、絵柄表示ユニットである面替えブロック14と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック15とから構成されている。ドアブロック13には上下2カ所にヒンジ金具18が設けられており、このヒンジ金具18と外枠2側の上下2カ所の支持金具19とにより、ドアブロック13(遊技機主部12)が外枠11に対して回動可能に支持されている。この場合、遊技機10を正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機主部12は正面から見て右側を回動先端部として開放される。外枠11に対して遊技機主部12が閉じた状態では、ドアブロック13の外周縁部の背面が外枠11の前面に当接するようになっている。
【0044】
面替えブロック14はドアブロック13の背面側に取り付けられ、更に面替えブロック14を背面側から覆うようにして払出ブロック15が取り付けられている。これら面替えブロック14と払出ブロック15は、ドアブロック13の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、外枠11に対してドアブロック13と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック13に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。
【0045】
(ドアブロック13の説明)
ドアブロック13は、前記外枠11とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有する前扉体21と、その前扉体21の背面側に重なるようにして取り付けられる内枠22とを備えている。前扉体21及び内枠22はいずれも合成樹脂材料により成形されており、背後より複数箇所でネジ締めすることにより結合されている。前扉体21には、後述するリール図柄や液晶図柄等を視認可能とするための視認窓23が形成されており、その視認窓23には、平坦な透明板よりなりかつ視認窓23とほぼ同形状をなす透明パネル24がはめ込まれている。
【0046】
前扉体21の前面側において、視認窓23の上方には中央ランプ部25が設けられるとともに、同視認窓23の左右両側方には左右一対の側方ランプ部26が設けられ、さらに前扉体21の右上隅部及び左上隅部にはスピーカ部27が設けられている。遊技に際しては、これらランプ部25,26やスピーカ部27により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、ランプ部25,26による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部27による音声パターンを適宜変更したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、このランプ部25,26やスピーカ部27を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
【0047】
視認窓23の下方には、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部30が設けられている。この操作部30は、全体として横長であってかつ僅かに弧状をなす前面板部31を有し、その前面板部31には、スタートレバー33が設けられるとともに、3連ボタンからなるストップスイッチ35,36,37が設けられている。また、前面板部31の上端部において、向かって左寄りの位置(概ねスタートレバー33と左側のストップスイッチ35との間)にはボタン状のベットスイッチ38が取り付けられている。
【0048】
ベットスイッチ38は、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるものであり、その押し操作により上皿41に貯留された遊技球が所定個数分(ベット相当分)取り込まれる。本実施の形態では、ベットスイッチ38として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており、有効な1回の押し操作により3ベット相当(15個分)の遊技球が取り込まれる。ベットスイッチ38は、投資価値としての遊技球の投入を指令する投入指令手段を構成する。なお、MAXベットスイッチとしてのベットスイッチ38の他に、1ベットスイッチや2ベットスイッチを設ける構成であっても良い。ちなみに、1ベットスイッチは、1回の押し操作により1ベット相当(5個分)の遊技球を取り込ませるためのベットスイッチであり、2ベットスイッチは、1回の押し操作により2ベット相当(10個分)の遊技球を取り込ませるためのベットスイッチである。
【0049】
スタートレバー33は、後述するリール装置82の各リール(回転体)を回転開始させるための操作部材であり、各リールを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。
【0050】
ストップスイッチ35〜37は、停止対象となるリール(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リールを個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ35〜37は、各リールが定速回転となると停止させることが可能な状態となり、その状態で押し操作される。また、停止操作可能な状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、各リールの回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0051】
操作部30の後方は上方に開口した横長状の開口となっており、その開口に上皿41が取り付けられている。上皿41は、島設備の球貸し装置から貸し出された遊技球や、払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留するための受け皿部材を構成しており、この上皿41により遊技球貯留領域が形成されている。図示による詳しい説明は省略するが、上皿41の最下流部には三列の遊技球案内通路が形成されており、上皿41に貯留された遊技球は、三列に整列された状態で順次取り込まれるようになっている。
【0052】
上皿41の右端部に設けられたカバー42には、貸球操作を行うための貸球操作部43が設けられている。貸球操作部43は、例えば本遊技機10の側方(例えば左方)に配置された縦長のカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、球貸し操作や、カード等の返却操作及び有効度数の確認を行うものであり、球貸しボタンが押し操作されることにより貸出球が払い出されるようになっている。
【0053】
前扉体21において、向かって右端部(すなわちドアブロック13の開閉軸部とは逆側)には、外枠11に対する遊技機主部12(ドアブロック13)の施錠及び解錠を行うための施錠部材(詳細には、後述する施錠装置60のキーシリンダ)を前方に露出させるためのキーシリンダ設置穴45が形成されている。
【0054】
更に、前扉体21において、操作部30の下方には、該操作部30と同様に遊技機手前側に膨出する膨出部50が形成されており、その膨出部50に囲まれるようにして下皿51が形成されている。上皿41やその上流通路に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置から遊技球が払い出される場合、或いは、上皿41内に貯留されている遊技球に対して球抜き操作が行われる場合には、下皿排出口52を介して下皿51に遊技球が排出されるようになっている。下皿51の底部には開口が形成されており、その開口には開閉板53が設けられている。また、膨出部50の略中央部には、下皿51の球抜きを行うための球抜き操作片54が設けられている。その他、膨出部50において下皿51の左右両側方には下皿ランプ部56が設けられている。
【0055】
ドアブロック13の裏面側において、内枠22には、ドアブロック13及び払出ブロック15を開放不能な施錠状態で保持するための施錠装置60が設けられている。この施錠装置60によって、外枠11に対してドアブロック13を閉じた状態でその状態が保持されるとともに、ドアブロック13に対して払出ブロック15を閉じた状態でその状態が保持されるようになっている。また、図示しないキーシリンダの解錠操作に伴いドアブロック13や払出ブロック15の施錠状態が解除されるようになっている。
【0056】
また、内枠22には、遊技者による操作(ベット入力操作)に基づき遊技球を所定個数ずつ取り込むための取込ユニット65が設けられている。この取込ユニット65による所定個数分の遊技球の取込により毎回の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。なお、取込ユニット65は3個の取込装置から構成されており、3個遊技球を同時に取り込むことができるようになっている。
【0057】
(面替えブロック14の説明)
次に、面替えブロック14について説明する。図4は面替えブロック14を斜め前方より見た斜視図、図5は同面替えブロック14を斜め後方から見た斜視図である。
【0058】
面替えブロック14は主要な構成として、合成樹脂製の前面枠81と、図柄表示装置としてのリール装置82と、補助演出装置としての液晶表示装置83と、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置84と、主制御装置84からの指令に基づく従たる表示制御等を実施する表示制御装置85とを備えている。本実施の形態では、面替えブロック14は、本遊技機10の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えブロック14を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えブロック14は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。
【0059】
前面枠81は正面から見てほぼ正方形状をなしており、その前面部において略台形状に縁取られた部位が、前扉体21の視認窓23にほぼ一致する形状及び大きさとなっている。この場合、面替えブロック14をドアブロック13に組み付けた状態では、前面枠81のほぼ全面が前扉体21の視認窓23から視認可能となっている。
【0060】
前面枠81の前面部には、横長の矩形状をなす表示窓91が設けられるとともに、その表示窓91の上方に同じく横長の矩形状をなす表示窓92が設けられている。表示窓91,92のうち、下側の表示窓91は、リール装置82の外周に付されたリール図柄を表示するためのリール図柄表示部に相当し、上側の表示窓92は、液晶表示装置83による表示画像を表示するための液晶画像表示部に相当する。下側表示窓91の右側には情報表示基板93が設けられている。この情報表示基板93には、小役成立時における獲得球数を表示する獲得球数表示部や、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部が設けられている。これら表示部は7セグメント表示器によって構成されるが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0061】
リール装置82は、金属製のケース部材100と、そのケース部材100に収容される左・中・右の3つのリール101,102,103とを具備している。ケース部材100は、その内部に3つのリール101〜103を回転可能に収容し、かつ該リール101〜103の一部を前方に現出させるものとなっている。各リール101〜103の構成については周知であるため、ここでは詳しい図示を省略し、その構成を簡単に説明する。各リール101〜103は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール101〜103の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、該ステッピングモータの駆動により各リール101〜103が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。
【0062】
主制御装置84は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された主制御基板と、この主制御基板を収容するための略直方体形状の基板ケースとから構成されている。基板ケースは透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明な基板ケースによってその内部の主制御基板が視認可能となっている。なお、基板ケースには、封印手段としての封印部(いわゆるカシメ部)f1が設けられている。封印部f1は、破壊等を伴うことで基板ケースを開封可能とするものであり、開封後には破壊などがなされた部材が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。これにより、仮に基板ケースが不正に開封された場合などにおいては、封印部f1の確認によって不正行為の発見が可能となっている。
【0063】
一方、表示制御装置85は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された表示制御基板と、この表示制御基板を収容するための略直方体形状の基板ケースとから構成されている。基板ケースは透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明な基板ケースによってその内部の表示制御基板が視認可能となっている。かかる場合、主制御装置84は主制御基板の電子部品実装面が外方を向くようにして配置され、また表示制御装置85は表示制御基板の電子部品実装面が後方側の斜め上方を向くようにして配置されている。こうした配置により、主制御基板や表示制御基板に対する不正確認が容易となっている。
【0064】
上記構成の面替えブロック14では、前面枠81の上側表示窓92からは液晶表示装置83の液晶パネル全体が視認できる。また、同前面枠81の下側表示窓91からはリール装置82の各リール101〜103の一部が視認できる。このとき、各リール101〜103の外周に付された多数(本実施の形態では21個)の図柄のうち、リール毎に3つずつの図柄が下側表示窓91を通じて視認できるようになっている。
【0065】
(払出ブロック15の説明)
次に、払出ブロック15について説明する。図6及び図7は払出ブロック15の斜視図、図8は払出ブロック15の背面図、図9は払出ブロック15から制御装置類を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【0066】
払出ブロック15は、合成樹脂材料にて一体成形された裏カバー部材151と、遊技球を払い出すための払出機構152と、払出制御を司る払出制御装置153と、外部電源から生成した電源電圧を各種制御装置やアクチュエータ類などに供給する電源装置154とを有しており、これらを一体化することにより構成されている。
【0067】
裏カバー部材151は、払出機構152、払出制御装置153及び電源装置154らを設置するためのベース部161と、後方(遊技機1の後方)に突出し略直方体形状をなす保護カバー部162とを有する。保護カバー部162は左右及び上下の各面と背面とが閉鎖された形状をなし、少なくとも前記面替えブロック14のリール装置82、主制御装置84及び表示制御装置85を収容するのに十分な大きさを有する。なお図示は省略するが、保護カバー部162の背面には多数の通気孔を設けることも可能である。ベース部161と保護カバー部162とは各々別体にて成形されてネジ等により一体化されているが、これらが一体的に成形される構成であっても良い。
【0068】
払出機構152は、保護カバー部162を迂回するようにして裏カバー部材151のベース部161に取り付けられている。すなわち、払出機構152として、裏カバー部材151の最上部には上方に開口したタンク165が設けられており、タンク165には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク165の下方には、例えば前後方向4列(4条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール166が連結され、タンクレール166の下流側には上下方向に延びるケースレール167が連結されている。
【0069】
ケースレール167の最下流部には、遊技球の払出を行うための払出装置168が設けられている。払出装置168は、払出モータや、該払出モータにより駆動されて払出通路を開閉する払出ゲート部材等を有する構成となっており、払出制御装置153からの制御信号により払出モータが駆動され、その駆動に伴い払出通路が開放される。そしてこれにより、必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置168から払い出された遊技球は、基本的に上皿41に排出され、上皿41内が遊技球が満杯になると、その余剰球が下皿51に排出されるようになっている。
【0070】
図7に示すように、ベース部161下部には、上皿41に連通する上皿連通路171が形成されている。また、同じくベース部161下部には、払出装置168から払い出された遊技球を流通させるための払出球通路部172が形成され、その払出球通路172の終端部には、下皿51に連通する下皿連通路173が形成されている。その他、払出球通路部172に併行して、払出機構152内にある遊技球を遊技機外部(島設備側)に排出するための排出球通路部174が形成されている。
【0071】
払出機構152におけるタンクや通路部材類はいずれも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0072】
払出制御装置153は、上述した主制御装置84等と同様、CPUやメモリ等の電子部品が実装された払出制御基板と、その払出制御基板を収容する基板ケースとから構成されている。基板ケースは透明な合成樹脂材料にて成形されており、この透明な基板ケースによってその内部の払出制御基板が視認可能となっている。基板ケースには、同ケースを構成する表側及び裏側のケース部材を連結する封印手段としての封印部f2(いわゆるカシメ部)が設けられている。封印部f2は、破壊等を伴うことで基板ケースを開封可能とするものであり、開封後には破壊などがなされた部材が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。これにより、仮に基板ケースが不正に開封された場合などにおいては、封印部f2の確認によって不正行為の発見が可能となっている。
【0073】
また、払出制御装置153の基板ケースには、ナイラッチ(登録商標)等よりなる固定具181が上下2カ所に設けられており、他方当該払出制御装置153が取り付けられる裏カバー部材151のベース部161には、被取付孔部182が上下2カ所に設けられている(図9参照)。この場合、払出制御装置153を所定の取付位置に配置し、被取付孔部182に対して固定具181を固定状態とすることにより、裏カバー部材151に対する払出制御装置153の装着が完了する。なお、裏カバー部材151のベース部161にはアース用板金183が取り付けられている。
【0074】
(電源装置154の説明)
次に、電源装置154について説明する。電源装置154は、電源電圧生成を行うための電源基板を備えることに加え、ホール管理者などが出玉率を可変設定するための設定キースイッチを備えており、本実施の形態の遊技機10ではその設定キースイッチの設置手法に特徴を有するため、以下、電源装置154に関して詳しく説明する。図10において、(a)は電源装置154の側面図、(b)は電源装置154の正面図、(c)は電源装置154の背面図である。また、図11,図12は電源装置154の分解斜視図、図13は設定キースイッチ240の分解斜視図である。
【0075】
電源装置154は、電源電圧生成のための各種電気部品が実装された電源基板201を有し、その電源基板201が、表裏一対のケース体203,204からなる基板ケース202内に収容されている。各種の電気部品については図示を省略しているが、図11にて見える基板面が電気部品実装面である。電源基板201の電気部品実装面側(表面側)を覆うケース体203が表ケース体であり、その反対側(裏面側)を覆うケース体204が裏ケース体である。各ケース体203,204は共に透明な合成樹脂材料にて成形されており、基板ケース202内に収容された状態でもその内部の電源基板201が視認可能となっている。
【0076】
図11に示すように、電源基板201の電気部品実装面側(表面側)には、本遊技機10を起動させるための電源スイッチ205や、本遊技機10の各種状態をリセットするためのリセットスイッチ206などが設けられている。その他、電源基板201には、電源回路を構成するための抵抗やコンデンサ等の種々の電気部品が実装されるとともに、信号線パターンやグランドパターン等が適宜形成されているが、ここでは便宜上図示を省略している。
【0077】
本遊技機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。この場合、例えば、遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ206を押しながら電源スイッチ205をオンするとバックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ205がオンされている状態でリセットスイッチ206を押した場合にはエラー状態がリセットされる。
【0078】
表裏一対のケース体203,204は、平面視で電源基板201と概ね同じ形状を有しており、両ケース体203,204の周縁部に設けられた各々の接合部分が接合されることで、電源基板201の全体が基板ケース202内に収容されるようになっている。表ケース体203には、電源スイッチ205やリセットスイッチ206の位置に合わせて開口部208,209が形成されており、基板ケース202内に電源基板201を収容した状態では、この開口部208,209を通じて基板ケース202の表側に電源スイッチ205やリセットスイッチ206の一部が現出する構成となっている。
【0079】
その他、表ケース体203には、電源基板201上に設けられたコネクタ部(図示略)を基板ケース202の表側に現出させるための開口部211が複数箇所に形成されるとともに、放熱用の多数の小孔部212が形成されている。
【0080】
また、基板ケース202には、両ケース体203,204を開放不能な状態で結合するとともに、仮にその結合が解除された場合に結合解除の痕跡を残すための封印結合部(いわゆるカシメ部)が設けられている。詳しくは、表ケース体203及び裏ケース体204には、それぞれ内側に突出するようにして筒状の結合突起221,222が形成されている。これら結合突起221,222は各ケース体203,204に2か箇所ずつ設けられており、両ケース体203,204を接合した状態では、結合突起221,222の先端部同士が相対向し、各結合突起221,222の中心部に形成した孔部221a,222aが同じ軸線上に並ぶよう構成されている。結合突起221の孔部221a(表ケース体203側の孔部)は裏ケース体204側にのみ開放された有底状の孔部となっているのに対し、結合突起222の孔部222a(裏ケース体204側の孔部)は軸方向に貫通する貫通孔となっている。また、電源基板201には、裏ケース体204に設けた結合突起222よりも孔径の大きい円形の孔部223が形成されており、電源基板201を基板ケース202に組み付けた際には孔部223によって電源基板201と結合突起221,222との干渉が回避されるようになっている。
【0081】
上記構成において、電源基板201と両ケース体203,204とを一体化した状態で、各結合突起221,222の孔部に裏ケース体204側から封印ネジがねじ込まれることで、両ケース体203,204間で封印結合処理(カシメ処理)が施される。このとき、両ケース体203,204の孔部221a,222aは封印ネジのネジ部よりも小径となっており、封印ネジがねじ込まれる際には、当該封印ネジによりねじ切りが行われつつネジの締め付けが行われる。
【0082】
図示による詳細な説明は省略するが、封印ネジは、ドライバ等の締付け工具による締付け時に所定の締付け力以上の負荷がかかると頭部が破断される、いわゆる破断ネジであり、両ケース体203,204の封印時にネジ頭部が破断されることで、その後はドライバ等によるネジの緩め作業が不可となる。この場合、両ケース体203,204の封印を解除するには、裏ケース体204側の結合突起222の周囲に設けた複数箇所(図示の構成では4カ所)の連結部を破断しなければならず、その破断により封印解除の履歴が残るようになっている。
【0083】
破断ネジに代えて、所定の締付け方向にはねじ回しができるが、その逆の緩め方向にはねじ回しができない、いわゆる一方向ネジ(ワンウェイネジとも称される)を用いることも可能である。
【0084】
また、裏ケース体204の外側面には設定キースイッチ240が取り付けられている。設定キースイッチ240は、本遊技機10の出玉率(当選確率などを含む)をあらかじめ定めた6段階(「設定1」〜「設定6」)のうち1つに設定する、いわゆる設定変更時の設定操作を有効化するための設定有効化装置であり、この設定キースイッチ240によって設定変更が有効化された状態で所定の設定操作が行われることにより、遊技機10の設定変更が有効に行われる。設定変更後、各段階に対応した入賞及び作動にかかる図柄の組み合わせの確率抽選データを使用することにより払出遊技球の出玉調整が行われる。
【0085】
上述したように、電源装置154には電源スイッチ205やリセットスイッチ206が設けられており、これら電源スイッチ205やリセットスイッチ206が電源装置154の表側から操作可能となっているのに対し、設定キースイッチ240は電源装置154の裏側(すなわち、電源スイッチ205やリセットスイッチ206とは逆側)から操作可能となっている。
【0086】
設定キースイッチ240に関する構成として、裏ケース体204には、基板ケース裏側に段差状に突出するようにして設置段部231が形成されており、この設置段部231上に設定キースイッチ240が設置されるようになっている。設置段部231には、ケース内外を連通する開口部232が形成されており、その開口部232の周囲2カ所にネジ孔233が形成されている。また、開口部232を挟むようにして図の上下2カ所には、後述する基板244を狭持するための基板狭持部234が形成されている。なお、基板狭持部234には、基板244を案内するための略V字状の案内溝が形成されている。
【0087】
図13に示すように、設定キースイッチ240は、スイッチ本体241とキースイッチカバー242とからなる。この場合、スイッチ本体241においては、基板244上にキーシリンダ245が実装されており、キーシリンダ245の先端部にキー挿入口245aが設けられている。また、同じく基板244上にはコネクタ端子246が設けられている。キースイッチカバー242は、四方を囲んだ周囲壁部242aと天板部242bとよりなり、その周囲壁部242aと天板部242bの一部を切り欠いて窓部247が形成されている。スイッチ本体241をキースイッチカバー242に取り付けた状態では、窓部247からキーシリンダ245の先端部(キー挿入口245a)が現出する。また、キースイッチカバー242の内側には、基板244を狭持するための基板狭持部248が上下2カ所に形成されている。なお、基板狭持部248には、基板244を案内するための略V字状の案内溝が形成されている。その他、キースイッチカバー242には、裏ケース体204側のネジ孔233に対応する位置にネジ孔249が形成されている。
【0088】
そして、キースイッチカバー242の基板狭持部248に基板244の一端側をはめ込むようにして、キースイッチカバー242にスイッチ本体241を取り付け(図11に示す状態)、その状態で設定キースイッチ240を裏ケース体204の設置段部231上に設置する。更にその設置後、裏ケース体204の内面側からネジ孔233,249にネジ(図示略)をねじ込み、裏ケース体204に対して設定キースイッチ240を分離不可な状態とする。このとき、基板244の他端側が裏ケース体204側の基板狭持部234により固定される。
【0089】
上記のようにして裏ケース体204に設定キースイッチ240を取り付けた状態で、当該裏ケース体204に、電源基板201と表ケース体203とが一体化される。この場合、設定キースイッチ240を固定するためのネジが裏ケース体204の内側からねじ込まれているため、そのネジを基板ケース外側から外すことはできず、設定キースイッチ240の取り外しができないようになっている。上記したように基板ケース202には封印結合処理が施されるようになっており、この封印結合処理が行われることで設定キースイッチ240の取り外しが一層困難なものとなっている。
【0090】
ここで特に、設定キースイッチ240は、キーシリンダ245の軸線方向が電源基板201の基板平面方向にほぼ一致するように設けられている、これにより、キー挿入口245aが電源基板201の基板平面方向と同じ方向を向くようになっている。電源基板201と設定キースイッチ240の基板244との関係で言えば、それらはほぼ垂直になっている。ただし詳細には、図14(電源装置154を上方から見た略図)に示すように、キーシリンダ245の軸線方向J1は、電源基板201の基板平面方向J2に対して若干後方にずれるように設定されている。したがって、キーシリンダ245のキー挿入口245aは、電源基板201の基板平面方向と同じ方向であって、かつ若干後方を向むようになっている。
【0091】
また、図10の(b)に示すように、電源装置154を正面から見た場合、設定キースイッチ240は基板ケース202の背後に完全に隠れるようになっている。これにより、設定キースイッチ240を遊技機背面側に装着した場合において、設定キースイッチ240に対し遊技機後方から不正等を行うことが困難になるようになっている。
【0092】
設定キースイッチ240の基板244上に設けられたコネクタ端子246は、図示しないハーネスを介して電源基板201上のコネクタ端子251に電気的に接続される構成となっている。この場合、電源基板201においてコネクタ端子251近傍には、設定キースイッチ240(すなわち電源基板201の裏面側)から延びるハーネスを電源基板201の表面側に導くための切欠孔252が形成されている。また、裏ケース体204には、その開口部232から導き出されるハーネスを電源基板201の切欠孔252付近まで案内するための案内リブ253が形成されている。
【0093】
したがって、設定キースイッチ240のコネクタ端子246から延びるハーネス(図示略)は、裏ケース体204の開口部232を通じて裏ケース体204と電源基板201との間の隙間領域に導かれ、さらに案内リブ253によって電源基板201の切欠孔252付近まで案内される。そして、同ハーネスは、切欠孔252を通じて電源基板201の表面側(電気部品実装面側)に導出されるとともに、その先端部が電源基板201上のコネクタ端子251に接続されるようになっている。上記構成では、ハーネスが規定のルートで案内されることとなり、電源基板201の裏面側において他部材との干渉により損傷するなどの不都合が抑制される。
【0094】
要するに、電源基板201の裏面側には、表面側に実装される電気部品等のピン状端子が突出しており、ピン状端子の先端部等に接触することでハーネスが破損することが考えられる。この点、上記のように案内リブ253によってハーネスが規制ルートで案内されることにより、ピン状端子にハーネスが接触することがなくなり、その結果ハーネスの破損が抑制される。
【0095】
また、表ケース体203には、内方に突出するようにして角柱状の囲い部255が形成されている(図12参照)。囲い部255は、表ケース体203の表面部から電源基板201まで延びるコネクタ囲い部材であり、この囲い部255によって電源基板201上のコネクタ端子251と切欠孔252とが囲まれている。この場合、囲い部255によって電源基板201上のコネクタ端子251と切欠孔252とが囲まれることにより、コネクタ端子251に対する電源装置表側からの不正行為が抑制されるようになっている。つまり、コネクタ端子251に対して不正装置を接続するなどの不正行為ができないようになっている。
【0096】
その他に、基板ケース202の周縁部には、複数箇所(本実施の形態では5カ所)に取付孔261が設けられている。また、裏カバー部材151のベース部161(ここでは保護カバー部162よりも下方部分)には、基板ケース202側の取付孔261に対応する位置に複数の支柱部262が設けられている。したがって、電源装置154を支柱部262上に載せた状態で、本遊技機10の背面側から各取付孔261にネジ等がねじ込まれることで、電源装置154が裏カバー部材151のベース部161に固定されるようになっている。
【0097】
また、図7に示すように、裏カバー部材151のベース部161には、該ベース部161に電源装置154を装着した状態でキーシリンダ245の先端部(キー挿入口245a)を裏カバー部材151の内側に露出させるための開口窓部265が形成されている。この開口窓部265は、キーシリンダ245を裏カバー部材151の内側に露出させるのに足りる程度の大きさを有し、ベース部161に形成された段差部を利用して横向きに形成されている。更に言えば、保護カバー部162(リール装置82の収容領域)と、遊技球の通路構成部(払出球通路部172、排出球通路部174)との間の空間領域を利用して設定キースイッチ240が設置されている。特に、設定キースイッチ240は、遊技球の通路構成部(払出球通路部172、排出球通路部174)と前後に重ならない位置に設けられている。
【0098】
この場合、電源装置154を裏カバー部材151に装着した状態では、遊技機後方からは設定キースイッチ240のキー挿入口245aが見えることはなく、ましてキー挿入口245aに設定変更キーを挿入することができないようになっている。
【0099】
遊技機10においては、施錠装置60を解錠操作して各ブロック13〜15を分離開放させた状態でなければ、設定キースイッチ240のキー挿入口245aが露出しない。すなわち、各ブロック13〜15を分離開放させた場合のみ、キー挿入口245aへの設定変更キーの挿入が可能となる。したがって、不正な設定変更が行いにくくなっている。ただし、各ブロック13〜15を分離開放させた場合には、キー挿入口245aが開放側を向くようになっている。したがって、正規に設定変更を行う際には、キー挿入口245aへの設定変更キーの挿入が容易となっている。
【0100】
電源装置154は、基本的に取付孔261を用いて遊技機背面側からネジ固定されるが、そのネジ固定は遊技機背面側から行われるため、その取り外しは比較的容易であり、仮にネジが取り外されると電源装置154が裏カバー部材151から取り外される。この場合、上記のように不正対策として設定キースイッチ240のキー挿入口245aを裏カバー部材151の内側に露出させるようにしても、その不正対策が効果の無いものとなるおそれがある。
【0101】
そこで本遊技機10では、設定キースイッチ240のキースイッチカバー242と裏カバー部材151のベース部161とにそれぞれ、電源装置154を裏カバー部材151に装着した状態で各々の位置が合致するようにしてネジ小孔266,267を設ける(図7,図10参照)。そして、電源装置154を裏カバー部材151に装着した状態で、同裏カバー部材151の内側(すなわち、図7に示す状態で手前側)からネジ小孔266,267にネジをねじ込む構成とする。これにより、単に遊技機背面側からネジの取り外しが行われるだけでは、電源装置154が裏カバー部材151から取り外されないようになる。したがって、電源装置154の不正な取り外しを抑制することができる。また、上記のように設定キースイッチ240のキー挿入口245aを裏カバー部材151の内側に露出させるようにした不正対策を、より確かに機能させることができる。
【0102】
遊技ホールにおいては、ホール管理者等によって以下の手順にて設定変更が行われる。このとき、設定変更に際しては、施錠装置60の解錠操作(例えば解錠キーの時計回り方向の回動操作)に伴い、外枠11に対して遊技機主部12(ドアブロック13、面替えブロック14及び払出ブロック15の一体物)が分離開放されるとともに、再度の解錠操作(例えば解錠キーの反時計回り方向の回動操作)に伴い、面替えブロック14に対して払出ブロック15が分離開放される。そして、その状態で設定キースイッチ240のキーシリンダ245(キー挿入口245a)に設定変更キーが挿入されるとともに、所定の設定変更操作が行われる。
【0103】
まず電源スイッチ205をオフにし、キーシリンダ245(キー挿入口245a)に挿入した設定変更キーを時計回り方向に90度回した後、電源スイッチ205をオンにする。これにより、払出制御装置153等に設けたカウント表示LEDに現時点の設定値が表示され、6段階の設定変更が可能となる。その後、リセットスイッチ206を押し操作するごとに設定値表示が1→2→3→…のように変わり(最大値は6で次に1に戻る)、その操作により設定の選択が行われる。設定の選択を行った後、スタートレバー33を操作すると、設定値が確定する。その後、設定変更キーを反時計回り方向に90度回して設定キースイッチ240を元の状態に戻すと、設定作業が完了する。
【0104】
なお、電源スイッチ205をオンにしたまま、設定変更キーを時計回り方向に90度回した場合には、現時点での設定値がカウント表示LEDに表示される。
【0105】
その他、裏カバー部材151のベース部161において、電源装置154の側方には、球貸しユニットから貸し出される遊技球の払出等を管理する球貸しユニット接続基板271が設けられている。
【0106】
(電気的構成の説明)
次に、本遊技機10の電気的構成について、図15のブロック図に基づいて説明する。図15では、電気的な各構成要素を、ドアブロック13、面替えブロック14及び払出ブロック15に区分けして示している。また、電源装置154から供給される電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0107】
図15において、主制御装置84、表示制御装置85及び払出制御装置153は、何れもCPU、ROM、RAM等を有してなる論理演算装置にて構成されており、各制御装置のCPUはROM内に予め記憶されている演算プログラムに基づいて遊技に関する各種制御を実行する。これら各制御装置は、信号ラインや中継基板等を介して接続されており、遊技に際しては制御装置間におけるコマンド等の授受によって遊技の進行が行われる。
【0108】
詳しくは、面替えブロック14において、主制御装置84には、リール中継基板301を介してリール装置82と外部端子板302とが接続されるとともに、サブ中継基板303を介して表示制御装置85が接続されている。リール装置82では、主制御装置84からの指令に基づいて各リール101〜103の回転が制御される。外部端子板302は遊技ホール等に設置されるホール管理装置(いわゆる、ホールコンピュータ)に接続される中継装置であり、この外部端子板302を通じて都度の遊技状況(遊技回数、当り回数等々)がホール管理装置に出力される。表示制御装置85は、主制御装置84から毎遊技の補助演出に関する各種コマンドを入力し、そのコマンドに応じて液晶表示装置83による補助演出を実施するとともに、ドアブロック13に設けたドア上部中継基板306を介してスピーカ類やランプ類の駆動を制御する。
【0109】
図示等による説明は省略したが、本遊技機10には、外枠11に対して遊技機主部12(ドアブロック13)が開放されたことを検知するためのドアスイッチが設けられており、このドアスイッチの検出信号はリール中継基板301を介して主制御装置84に入力されるようになっている。
【0110】
なお、主制御装置84において、RAMの一部には本遊技機10の電源遮断後においても電源装置154からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)することが可能なバックアップエリアが設けられている。したがって、停電などの発生により電源が遮断された場合には、電源遮断時の各種データがRAMのバックアップエリアに記憶保持され、次回の電源投入時(停電解消による電源投入を含む)において遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。
【0111】
また、払出ブロック15には払出ブロック中継基板305が設けられており、この払出ブロック中継基板305を介して前記面替えブロック14の主制御装置84と、本払出ブロック15の払出制御装置153や取込ユニット65とが電気的に接続されている。加えて、払出ブロック中継基板305を介して前記面替えブロック14の主制御装置84と、ドアブロック13のドアブロック中継基板307とが電気的に接続されている。
【0112】
この場合、ドアブロック13の各種操作部材(ベットスイッチ38、スタートレバー33、ストップスイッチ35〜37)が遊技者により操作されると、これら操作部材に内蔵された操作検出部によって当該操作が検出され、都度の操作検出信号がドアブロック中継基板307及び払出ブロック中継基板305を介して主制御装置84に入力される。例えば、ベットスイッチ38の操作に伴う操作検出信号が主制御装置84に入力された場合、主制御装置84は、払出ブロック中継基板305を介して取込ユニット65に取込制御信号を出力する。この取込制御信号によって取込ユニット65でソレノイド駆動が行われ、遊技球の取込が順次行われる。遊技球取込時における遊技球取込検出センサの検出信号は、やはり払出ブロック中継基板305を介して主制御装置84に入力される。
【0113】
また、リール装置82の各リールの停止図柄(ドアブロック13の視認窓23から視認できる上下3個分の図柄、及び各図柄の組み合わせ)が所定の遊技球払出役(小役図柄、ボーナス図柄)に合致する場合には、主制御装置84は、都度の成立役に応じて遊技球の払出個数を設定し、その払出個数に対応する払出制御信号を払出ブロック中継基板305を介して払出制御装置153に出力する。これにより、払出制御装置153によって払出装置168(払出モータ)が駆動され、遊技球の払出が行われる。
【0114】
なお、払出制御装置153において、RAMの一部には主制御装置84のRAMと同様に、本遊技機10の電源遮断後においても電源装置154からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)することが可能なバックアップエリアが設けられている。したがって、停電などの発生により電源が遮断された場合には、電源遮断時の各種データがRAMのバックアップエリアに記憶保持され、次回の電源投入時(停電解消による電源投入を含む)において遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。
【0115】
電源装置154は外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置84や払出制御装置153等に対して供給する。
【0116】
(遊技の簡単な説明)
次に、上記構成の遊技機10について、遊技者により行われる遊技の概要を簡単に説明する。
【0117】
遊技の開始に際し、上皿41に遊技球が十分にある状況において遊技者によりベットスイッチ38が押圧操作されると、取込ユニット65において遊技球の取込が行われる。そして、ベット数に対応する所定個数(例えば15個)の遊技球の取込が完了した後、スタートレバー33が操作されると、リール装置82の各リール101〜103が一斉に又は所定順序で回転し始める。このスタートレバー33の操作時には、主制御装置84において小役、再遊技(リプレイ)、ボーナスゲーム等に関する内部抽選が行われる。各リール101〜103の回転時には、その外周面に付された図柄が視認窓23を通じて上から下へと移動するような態様で視認される。
【0118】
その後、遊技者によりストップスイッチ35〜37が任意の順序で操作されると、各ストップスイッチ35〜37の操作タイミングに合わせて各々対応するリール101〜103の回転が停止される。このとき、各リール101〜103の停止時には、所定の図柄を特定位置に停止させるような引き込み停止制御が適宜実施される。例えば、内部抽選により小役等が成立している場合、その小役等が成立する停止図柄の組み合わせとなるように、ストップスイッチ35〜37の操作タイミングから最大4図柄分、停止図柄がスライド可能となっている(停止図柄のスベリが行われる)。ちなみに、各リール101〜103の回転開始後、ストップスイッチ35〜37の操作がなされないまま規定時間を経過した場合にはその規定時間の経過時点で各リール101〜103の回転が停止される。
【0119】
各リール101〜103の停止時(図柄停止時)において、その停止図柄及びその組み合わせが小役図柄やボーナス図柄に合致する場合、その際の成立役に応じた数の遊技球が払い出される。この場合、払出装置168の駆動により上皿41に遊技球が払い出される。
【0120】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0121】
設定キースイッチ240を一体的に設けた電源装置154において、設定キースイッチ240を、電気部品実装面の逆側であって、かつキー挿入口245aが遊技機正面方向に対して横方向を向くようにして設置したため、遊技機後方から設定キースイッチ240を見えなくすることができる。また、遊技機後方からキー挿入口245aに設定変更キーを挿入して不正に設定変更を行うことを行いにくくすることができる。したがって、不正な設定変更行為に対する抑止力を発揮することができるようになる。
【0122】
特に、本遊技機10は、遊技ホールの島設備(パチンコ島)に設置され、手前側に回動されることで島設備から開放されるようになっている。また、遊技機後方は開放されて電源装置154等がむき出しになっている。したがって、例えば背向かいとなる一方の遊技機10を島設備から回動させると、他方の遊技機10の背面が丸見えとなり、不正な設定変更行為などが行われる懸念が生じるが、上記構成によれば不正対策を講じることができる。
【0123】
同じく電源装置154において、設定変更操作を行うためのリセットスイッチ206と、その設定変更操作を有効化するための設定キースイッチ240とを電源基板201を挟んで両側にそれぞれ設けたため、設定キースイッチ240による設定有効化の操作と、リセットスイッチ206による設定変更操作とがひとまとめに行うことができないようになる。したがって、更に進んだ不正対策が可能となる。
【0124】
面替えブロック14に対して払出ブロック15を分離開放した状態でのみキー挿入口245aが露出するように設定キースイッチ240を設置したため、仮に不正行為者が不正に設定変更行為を行おうとしても余分な手間(各ブロック14,15を分離開放する手間)がかかり、それによって不正行為の抑止力を効かせることができる。
【0125】
また、面替えブロック14に対して払出ブロック15を分離開放させるには、施錠装置60の解錠操作が不可欠となっているため、キー挿入口245aを露出させたり、同キー挿入口245aを遊技機内部に隠したりすることが厳密に管理でき、より確かな不正対策が実現できる。
【0126】
払出ブロック15に遊技機前後方向に通じる開口窓部265を設け、キー挿入口245aを、開口窓部265を介して払出ブロック15の前方側に露出させるようにしたため、払出ブロック15を開放しなければキー挿入口245aに設定変更キーを挿入することができず、不正な設定変更行為をより一層行いにくくすることができる。
【0127】
リール装置82の収容部と遊技球の通路構成部(払出球通路部172、排出球通路部174)との間の空間領域を利用して設定キースイッチ240を設置したため、効率の良い空間利用が実現できる。
【0128】
また、本遊技機10では、面替えブロック14には、リール装置82、液晶表示装置83、主制御装置84及び表示制御装置85といった、機種毎に固有性を有する構成要素がまとめて搭載されているため、これら各装置をひとまとめにして交換作業等を行うことができる。つまり、遊技ホール等における機種入替時には、面替えブロック14の交換を行うことで主要な機種入替作業が完了する。故に、遊技機10の機種入替を容易に実施することが可能となる。また、面替えブロック14以外は再使用が可能となるため、消費資源の削減等を図ることができる。
【0129】
なお、以上説明した実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。
【0130】
(a)上記実施の形態では、電源装置154において、キー挿入口245aが遊技機正面方向に対して横方向を向くようにして設定キースイッチ240を設置したが、これを変更し、キー挿入口245aが上方向又は下方向を向くようにして設定キースイッチ240を設置しても良い。
【0131】
(b)上記実施の形態では、面替えブロック14に対して払出ブロック15を分離開放させた場合のみキー挿入口245aに設定変更キーを挿入することができる構成したが、これを変更し、面替えブロック14に対して払出ブロック15を分離開放させなくても、キー挿入口245aに設定変更キーを挿入することができる構成であっても良い。ただしかかる場合にも、前記同様、設定キースイッチ240を、電気部品実装面の逆側であって、かつキー挿入口245aが遊技機正面方向に横方向を向くようにして設置したり、設定変更操作を行うためのリセットスイッチ206と、その設定変更操作を有効化するための設定キースイッチ240とを電源基板201を挟んで両側にそれぞれ設けたりする。これにより、不正な設定変更行為に対する抑止力を発揮することができる。
【0132】
(c)上記実施の形態では、電源装置154において、電源基板201を収容するための基板ケース202と、設定キースイッチ240のキースイッチカバー242とを別体で成型し、それらを接合して一体化したが、これを変更し、それら基板ケース202とキースイッチカバー242とを一体成型する構成としても良い。
【0133】
(d)上記実施の形態では、電源装置154に設定キースイッチ240を一体的に設けたが、これを変更し、主制御装置84、表示制御装置85、払出制御装置153など、他の基板装置に設定キースイッチ240を一体的に設けても良い。又は、基板装置に設定キースイッチ240を一体的に設ける以外に、遊技機10の他の構成部材に設定キースイッチ240を一体的に設けるなどしても良い。
【0134】
(e)上記実施の形態では、面替えブロック14に搭載する遊技装置として、リール装置82と液晶表示装置83とを用い、これら各装置を上下に並べて設けたが、これを変更する。例えば、リール装置82と液晶表示装置83とを左右に並べて設ける。また、単一のリール装置のみを搭載したり、複数のリール装置を搭載したりしても良い。また、補助演出装置として機能する液晶表示装置を、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等の他の電気的表示装置に変更することも可能である。
【0135】
(f)扉部材としてのドアブロック13を、上下2部材に分割可能な構成としても良い。例えば操作部30を含みそれよりも下方を下側のドア部材とし、上方を上側のドア部材とする。
【0136】
(g)遊技機10において、下皿51を無くし上皿41のみを設ける構成とする。この場合、上皿41やその背後の払出通路等を大容量化することにより、遊技機10として十分量の遊技球が貯留保持できる。
【0137】
(h)上記実施の形態におけるスタートレバー33やストップスイッチ35〜37等に代表される操作手段の配置はあくまでも一例に過ぎない。例えばスタートレバー33を右側に配置したり、レバーに代えてボタンにしたりする等、適宜変更することは何ら差し支えない。
【0138】
(i)上記実施の形態における球使用タイプの回胴遊技機10は、必ずしもパチンコ島に設置されるものでなくても良い。この場合、外枠を要件とせず、筐体等に遊技機主部12が支持される構成であっても良い。また、遊技媒体としての遊技球はパチンコ球に限られず、パチンコ規格以外の金属球であっても良い。金属球以外、例えばセラミック球であっても良い。
【0139】
(j)本発明は、球使用回胴遊技機(パロット)以外の遊技機にも具体化できる。例えば、遊技メダルを遊技媒体とするスロットマシンにおいて、上記電源装置154の特徴的な構成を適用する。一般にスロットマシンは設定変更機能を有しており、本発明の適用により、不正な設定変更行為の抑制を図る。スロットマシンの場合、筐体とその前面側の前面扉とを有しており、前面扉による前面開放が行われる。その前面開放時に遊技機前方から見えるように、基板装置(電源装置等)の表側に設定変更スイッチ(リセットスイッチ)を設置するとともに、基板装置の裏側に設定有効化装置(設定キースイッチ)を設置する。このとき、前記同様、キー挿入部が遊技機正面方向に対して横方向を向くようにして設定有効化装置を設置すると良い。この場合、基板装置にヒンジ等の回動機構を設け、基板装置を手前側に回動させた状態でキー挿入部に設定変更キーを挿入し、設定変更可能とする。
【0140】
また、パチンコ機にあっても、設定変更機能を有するものであれば本発明の適用により所望の効果が得られることに変わりないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】一実施の形態における遊技機の全体を示す斜視図である。
【図2】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図3】遊技機の内部開放状態を示す斜視図である。
【図4】面替えブロックの斜視図である。
【図5】面替えブロックの斜視図である。
【図6】払出ブロックの斜視図である。
【図7】払出ブロックの斜視図である。
【図8】払出ブロックの背面図である。
【図9】払出ブロックから制御装置類を取り外した状態を示す斜視図である。
【図10】電源装置の構成を示す図である。
【図11】電源装置の分解斜視図である。
【図12】電源装置の分解斜視図である。
【図13】設定キースイッチの分解斜視図である。
【図14】電源装置を上方から見た略図である。
【図15】遊技機の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0142】
10…遊技機、11…外枠、13…ドアブロック、14…面替えブロック、15…払出ブロック、33…スタートレバー、35〜37…ストップスイッチ、60…施錠装置、151…裏カバー部材、154…電源装置、201…電源基板、202…基板ケース、205…電源スイッチ、206…リセットスイッチ、240…設定キースイッチ、241…スイッチ本体、242…キースイッチカバー、244…基板、245…キーシリンダ、245a…キー挿入口、246,251…コネクタ端子、252…切欠孔、253…案内リブ、255…囲い部、265…開口窓部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の電気部品を実装した制御基板を基板ケース内に収容してなる基板装置を備える一方、
遊技に関する内部状態を可変設定する設定変更機能を具備し、所定の設定操作に伴い前記内部状態の設定変更が行われることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−55228(P2008−55228A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−297564(P2007−297564)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【分割の表示】特願2006−26406(P2006−26406)の分割
【原出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】