説明

遊技機

【課題】操作ミスによって失われた有利遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に与える遊技機の提供。
【解決手段】パンク役に入賞すると、報知演出遊技の遊技回数(M)が残っていても、報知演出遊技が中止されるが、その時点における報知演出遊技の遊技回数(M)の残りである残り回数(R)が取得され、且つ、残り回数(R)が取得される毎に、残り回数(R)が累積加算され、残り回数(R)の累積値(S)が増加していく。そして、累積値(S)が予め設定された上限累積値(L)に達すると、報知演出遊技の遊技回数(M)を累積値(S)に基づく値に変更し、その後に開始された報知演出遊技において、遊技者が操作ミスで失った遊技回数の総数に相当する回数の報知演出遊技を実行でき、これにより、失った報知演出遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面に複数種類の図柄が記されているとともに回転動作する複数の回転リールと、前記複数の回転リールに回転を開始させるために操作されるスタートスイッチと、前記回転リールの回転を停止させるために操作されるストップスイッチとを備え、前記スタートスイッチの操作により前記回転リールを回転させた後、所定の図柄の組み合わせが表示されるように、前記ストップスイッチを操作して、前記回転リールを停止させる遊技を遊技者に行わせるように形成され、且つ、通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とが設定されているとともに、所定の契機で通常遊技から有利遊技へ移行するように形成されている遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人々に娯楽を提供するために、スロットマシン等の様々な遊技機が利用されている。
例えば、スロットマシンは、複数種類の図柄が記されるとともに回転駆動可能に設けられた回転リールを備え、複数の回転リールを停止させた後、所定の図柄の組み合わせが表示されるように、これらの回転リールを停止させる遊技を通じて、遊技者に娯楽を提供するものとなっている。
ここで、スロットマシンは、回転リールの回転開始時に、その内部で遊技の当否に係る当否抽選を行い、この当否抽選で何らかの役に当選しなければ、所定の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることがなく、ひいては、入賞に対する賞品であるメダルの払い出しも行わないようになっている。
【0003】
また、スロットマシンには、メダルの獲得の難易度が相違する通常遊技及び有利遊技が設定されているのが一般的である。
このようなスロットマシンでは、所定の条件が成立すると、通常遊技から有利遊技へ移行し、有利遊技に移行すると、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技、換言すると、メダルの獲得がより容易に行える遊技が行われるようになっている。
スロットマシンに設けられている有利遊技としては、例えば、リプレイ図柄が揃いやすいRT(リプレイ・タイム)遊技と、小役入賞へのアシストがなされるAT(アシスト・タイム)遊技の実行頻度が通常遊技よりも高いART(アシスト・リプレイ・タイム)が知られている。
【0004】
ART(アシスト・リプレイ・タイム)では、前述の当否抽選におけるリプレイへの当選確率が通常遊技よりも高く設定され、リプレイに当選した状態で、リプレイ図柄が有効入賞ライン上に停止表示されると、メダルを投入しなくとも次の遊技が行える。
これにより、遊技者は、同じ遊技回数を実行しても通常遊技よりもメダルの消費が少なくて済むという利益を享受できる。
また、ART(アシスト・リプレイ・タイム)では、当否抽選で小役に当選すると、事前に当選した小役に係る図柄が報知され、報知された図柄を狙ってストップスイッチを操作すると、当該小役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示される。
【0005】
これにより、遊技者は、小役に当選したことを知ることができるうえ、報知された図柄を狙ってストップスイッチを操作することで、小役に容易に入賞することができるので、通常遊技よりも多くのメダルの獲得が可能になるという利益を享受できる。
このようなARTは、当該ARTの開始後、遊技の実行回数が所定の回数に達すると終了するように設定されている。
また、ARTとしては、当該ARTを途中で終了させるためのパンク役が設定されているものが知られている。このようなARTでは、当該ARTの開始後、ART遊技の実行回数が所定の回数に達する前に、パンク役に入賞すると、ART遊技の実行回数が残っていても、当該ARTが途中で終了してしまうようになっている。
【0006】
そして、パンク役への入賞によってARTが途中で終了すると、通常遊技に戻ってしまうので、遊技者は、通常遊技よりも多くのメダルの獲得が期待できるAT遊技を行う機会を逸失し、ひいては、小役入賞によるメダルの獲得によってメダルの取得枚数を増やす道が閉ざされてしまう。
ところで、ART実行中に、パンク役に当選したことを知らずに、遊技者がストップスイッチを操作すると、パンク役に入賞する蓋然性が非常に高く、これでは、ARTによる利益が充分得られず、遊技者に酷となる。このため、パンク役に対応した図柄の組み合わせが入賞ラインに停止表示されることを回避することができるように、パンク役に当選していることを報知する報知演出を行い、パンク役への入賞を遊技者に回避させ、最後の遊技までARTを楽しめるようにしたスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−264036号公報(段落[0011]等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のような遊技機では、パンク役への入賞を回避させるための報知演出を行っても、報知演出遊技者がストップスイッチの操作を誤ると、パンク役に入賞してしまい、ARTが途中で終了してしまうので、ストップスイッチの一回の操作ミスで、ARTという有利遊技の利益を充分に享受できなくなり、これでは、遊技者、特に、遊技機の遊技に慣れていない初心者にとって酷であると言える。
ここで、操作ミスによって有利遊技による利益を失っても、その後、遊技者が失った利益を取り戻すことができれば、遊技者にとって遊技はそれほど酷ではなくなるので、遊技者が操作ミスによって有利遊技の利益を失った場合、失った有利遊技の利益を取り戻す機会を遊技機が遊技者に自動的に与えるようにしたい、という要望がある。
【0009】
また、遊技者が失った有利遊技の利益を、その後、そのまま小出しにして遊技者に返還するのではなく、遊技者の遊技への興味をさらに深くするやり方で、失った有利遊技の利益を遊技者に返還するようにしたい、要約すると、失った有利遊技の利益を取り戻すことに遊技性を付与したい、という要望もある。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、操作ミスによって失われた有利遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に与えるとともに、失った有利遊技の利益を取り戻すことに遊技性を付与することができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、前述の目的を達成するためになされたものである。以下に、各発明の特徴点を、図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、外周面に複数種類の図柄(61)が記されているとともに回転動作する複数の回転リール(40)と、前記複数の回転リール(40)に回転を開始させるために操作されるスタートスイッチ(30)と、前記回転リール(40)の回転を停止させるために操作されるストップスイッチ(50)とを備え、前記スタートスイッチ(30)の操作により前記回転リール(40)を回転させた後、所定の図柄(61)の組み合わせが停止表示されるように、前記ストップスイッチ(50)を操作して、前記回転リール(40)を停止させる遊技を遊技者に行わせるように形成され、且つ、通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とが設定されているとともに、所定の契機で通常遊技から有利遊技へ移行するように形成されている遊技機(1)であって、有利遊技を終了させる契機となる遊技回数である終了回数を設定し保持する終了回数設定手段(224D)と、有利遊技の開始にともない当該有利遊技の実行回数の計数を開始する有利遊技計数手段(222A)と、前記有利遊技計数手段(222A)が計数する実行回数が、前記終了回数設定手段(224D)に設定されている終了回数に達したら有利遊技を終了させる有利遊技終了手段(222C)と、有利遊技実行中に予め設定された中止条件が成立すると、有利遊技の実行回数が終了回数に達していなくとも、有利遊技を中止する有利遊技中止手段(223) と、前記有利遊技中止手段(223) が有利遊技を中止すると、その時点における有利遊技の残り回数を取得する残り回数取得手段(224A)と、前記残り回数取得手段(224A)が残り回数を取得する毎に、前記残り回数取得手段(224A)が取得した残り回数を累積加算していくことで、残り回数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段(224B)と、前記累積値算定手段(224B)で累積される残り回数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段(224C)と、前記累積値算定手段(224B)の算定した累積値が、前記上限累積値設定手段(224C)に設定されている上限累積値に達すると、前記終了回数設定手段(224D)に設定されている終了回数の値を、前記累積値算定手段(224B)がその時点で保持している累積値に基づく値に変更する終了回数変更手段(224D)とが設けられていることを特徴とする。
【0011】
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記終了回数変更手段(224D)が前記終了回数設定手段(224D)の終了回数の値を変更すると、前記上限累積値設定手段(224C)の上限累積値とすべき上限候補値を選ぶ抽選を行い、前記上限累積値設定手段(224C)に設定されている上限累積値を、抽選で選んだ上限候補値に変更する上限値変更手段(224E)が設けられ、前記上限累積値設定手段(224C)は、上限候補値の値に変更された上限累積値を保持して次回以降の遊技で用いることを特徴とする。
【0012】
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1又は2に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記終了回数変更手段(224D)が前記終了回数設定手段(224D)の終了回数の値を変更するにあたり、事前に、前記累積値算定手段(224B)が保持している累積値に対して、その値を増減する累積値増減手段(224F)が設けられ、前記終了回数変更手段(224D)は、前記累積値算定手段(224B)が保持している累積値が前記累積値増減手段(224F)によって増減された場合、前記終了回数設定手段(224D)に設定されている終了回数の値を変更する際に、増減後の累積値を用いて前記終了回数設定手段(224D)の終了回数の値を変更することを特徴とする。
【0013】
(請求項4)
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項1から請求項3までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記有利遊技中止手段(223) として、異なる内容を要件とする複数種類の条件が中止条件として予め設定されたものが採用され、中止条件の成立によって有利遊技が中止されると、前記残り回数取得手段(224A)が取得すべき残り回数の値を、中止条件に応じて変更する中止対応変更手段が設けられている。
【0014】
(請求項5)
(特徴点)
請求項5記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項5に記載の発明は、外周面に複数種類の図柄(61)が記されているとともに回転動作する複数の回転リール(40)と、前記複数の回転リール(40)に回転を開始させるために操作されるスタートスイッチ(30)と、前記回転リール(40)の回転を停止させるために操作されるストップスイッチ(50)とを備え、前記スタートスイッチ(30)の操作により前記回転リール(40)を回転させた後、所定の図柄(61)の組み合わせが停止表示されるように、前記ストップスイッチ(50)を操作して、前記回転リール(40)を停止させる遊技を遊技者に行わせるように形成され、且つ、通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とが設定されているとともに、所定の契機で通常遊技から有利遊技へ移行するように形成されている遊技機(1)であって、所定回数の遊技が1セット分に設定されているとともにセット単位で実行されるセット単位有利遊技が有利遊技として設けられ、セット単位有利遊技のセット数を設定し保持するセット数設定手段(231) と、通常遊技実行中、前記セット数設定手段(231) に保持されているセット数が残っており、且つ、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄(61)の組み合わせが停止表示可能な状態になると、当該図柄(61)の組み合わせが停止表示されるストップスイッチ(50)の操作態様を遊技者に報知する操作態様報知を行う移行可能状態報知手段(232) と、前記移行可能状態報知手段(232) が操作態様報知を行うと、前記セット数設定手段(231) が保持しているセット数を減数するセット数減数手段(233) と、前記移行可能状態報知手段(232) によってストップスイッチ(50)の操作態様が報知された遊技で、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄(61)の組み合わせが停止表示された場合、通常遊技からセット単位有利遊技へ移行させるセット単位有利遊技移行手段(234A)と、前記移行可能状態報知手段(232) によってストップスイッチ(50)の操作態様が報知された遊技で、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄(61)の組み合わせが停止表示されなかった場合、保持している残りのセット数である残りセット数を前記セット数設定手段(231) から取得するとともに前記セット数設定手段(231) 側のセット数をクリアする残りセット数取得手段(235A)と、前記残りセット数取得手段(235A)が残りセット数を取得する毎に、前記残りセット数取得手段(235A)が取得した残りセット数を累積加算していくことで、残りセット数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段(235B)と、前記累積値算定手段(235B)で累積される残りセット数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段(235C)と、前記累積値算定手段(235B)の算定した累積値が、前記上限累積値設定手段(235C)に設定されている上限累積値に達すると、前記セット数設定手段(231) が保持しているセット数を、前記累積値算定手段(235B)がその時点で保持している累積値に基づく値に変更するセット数変更手段(235D)とが設けられていることを特徴とする。
【0015】
(請求項6)
(特徴点)
請求項6記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項6に記載の発明は、外周面に複数種類の図柄(61)が記されているとともに回転動作する複数の回転リール(40)と、前記複数の回転リール(40)に回転を開始させるために操作されるスタートスイッチ(30)と、前記回転リール(40)の回転を停止させるために操作されるストップスイッチ(50)とを備え、前記スタートスイッチ(30)の操作により前記回転リール(40)を回転させた後、所定の図柄(61)の組み合わせが停止表示されるように、前記ストップスイッチ(50)を操作して、前記回転リール(40)を停止させる遊技を遊技者に行わせるように形成され、且つ、通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とが設定されているとともに、所定の条件で通常遊技から有利遊技へ移行するように形成されている遊技機(1)であって、有利遊技の終了の契機となるパンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、その旨を遊技者に報知するパンク警戒報知が行われる情報報知遊技が有利遊技として設けられ、所定の条件の成立によって通常遊技から情報報知遊技へ移行することが決定すると、パンク警戒報知を実行することができる上限の回数であるナビ回数を設定し保持するナビ回数設定手段(241) と、情報報知遊技実行中、ナビ回数が残っている状態で、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となると、パンク警戒報知を実行するパンク警戒報知手段(242) と、前記パンク警戒報知手段(242) がパンク警戒報知を実行すると、前記ナビ回数設定手段(241) が保持しているナビ回数を減数するナビ回数減数手段(244) と、遊技者によってパンク図柄の組み合わせが停止表示されると、当該情報報知遊技を中止する情報報知遊技中止手段(243) と、前記情報報知遊技中止手段(243) が当該情報報知遊技を中止した際に、残っているナビ回数である残りナビ回数を前記ナビ回数設定手段(241) から取得するとともに、前記ナビ回数設定手段(241) 側のナビ回数をクリアする残り回数取得手段(246A)と、前記残り回数取得手段(246A)が残りナビ回数を取得する毎に、前記残り回数取得手段(246A)が取得した残りナビ回数を累積加算していくことで、残りナビ回数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段(246B)と、前記累積値算定手段(246B)で累積される残りナビ回数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段(246C)と、前記累積値算定手段(246B)の算定した累積値が、前記上限累積値設定手段(246C)に設定されている上限累積値に達すると、前記ナビ回数設定手段(241) が保持しているナビ回数を、前記累積値算定手段(246B)がその時点で保持している累積値に基づく値に変更するナビ回数変更手段(246D)とが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
(請求項1の効果)
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1の発明によれば、有利遊技実行中に予め設定された中止条件が成立すると、有利遊技の実行回数が終了回数に達していなくとも、有利遊技を中止する有利遊技中止手段と、この有利遊技中止手段が有利遊技を中止すると、その時点における有利遊技の残り回数を取得する残り回数取得手段と、残り回数取得手段が残り回数を取得する毎に、残り回数取得手段が取得した残り回数を累積加算していくことで、残り回数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段とを設けたので、遊技者が、操作ミスなどによって有利遊技を中止する中止条件を成立させ、有利遊技の遊技回数が残っている状態で、有利遊技が中止されてしまうと、その時点で残っている有利遊技の残り回数が残り回数取得手段によって取得され、さらに、残り回数取得手段が残り回数を取得する毎に、累積値算定手段が取得された残り回数を累積加算していく。
【0017】
ここで、有利遊技を終了させる契機となる遊技回数である終了回数を設定し保持する終了回数設定手段と、累積値算定手段で累積される残り回数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段と、累積値算定手段の算定した累積値が、上限累積値設定手段に設定されている上限累積値に達すると、終了回数設定手段に設定されている終了回数の値を、累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更する終了回数変更手段とを設けたので、累積値算定手段が累積加算した残り回数の累積値が上限累積値設定手段の上限累積値に達すると、終了回数設定手段に設定されている終了回数を、累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更し、遊技者が操作ミスで失った遊技回数に相当する回数の有利遊技を、その後の有利遊技で実行することができるようになる。
【0018】
このため、操作ミスによって有利遊技による利益を失っても、その後、遊技者が失った利益を取り戻すことができ、従って、遊技者が操作ミスによって有利遊技の利益を失った場合には、失った有利遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができる。
また、操作ミスによって失われた有利遊技による利益は、累積値算定手段によって、累積値として溜められ、累積値が上限累積値に達するまで開放されることはなく、累積値が上限累積値に達した状態で、有利遊技への移行に成功すれば、溜められた有利遊技の回数がまとめて開放されるようになるので、一種のプログレッシブ・ジャックポットゲームが形成され、これにより、失った有利遊技の利益を取り戻すことに遊技性を付与することができ、しかも、遊技の興趣性を向上することもできる。
【0019】
従って、失った有利遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができるとともに、失った有利遊技の利益を取り戻すことに遊技性を付与することができ、これにより、前記目的が達成される。
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、終了回数変更手段が前記終了回数設定手段の終了回数の値を変更すると、上限累積値設定手段の上限累積値とすべき上限候補値を選ぶ抽選を行い、上限累積値設定手段に設定されている上限累積値を、抽選で選んだ上限候補値に変更する上限値変更手段を設け、上限累積値設定手段が、上限候補値の値に変更された上限累積値を保持して次回以降の遊技で用いるようにしたので、残り回数を上限累積値まで累積していく処理が繰り返し行われると、当該処理が開始される毎に、異なる値の上限累積値が採用されるようになる。
【0020】
ここで、上限値変更手段が変更する上限累積値は、累積値算定手段による残り回数の累積処理を終了させるタイミング、換言すると、累積値算定手段に累積した残り回数を開放するタイミングを決定するものであり、且つ、前述したように、残り回数の累積処理を行う毎に、異なる値に変更されるので、累積値算定手段に溜まった残り回数を開放するタイミングが予測困難となり、これにより、遊技者の期待感を膨らませることができ、遊技の興趣性を高めることができる。
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0021】
すなわち、請求項3記載の発明によれば、終了回数変更手段が前記終了回数設定手段の終了回数の値を変更するにあたり、事前に、前記累積値算定手段が保持している累積値に対して、その値を増減する累積値増減手段を設けたので、累積値増減手段が累積値に対して増減する値を抽選で選べば、終了回数変更手段が終了回数設定手段の終了回数の変更を繰り返し行うにあたり、ほぼ毎回、終了回数が異なる値に変更されるようになる。
このため、累積値が上限累積値に達した後に開始される有利遊技は、終了回数が抽選で増減されるため、遊技できる回数が多い場合もあれば、少ない場合もあり、遊技できる回数が多ければ、それだけ多くの利益が遊技者に与えられる。
【0022】
ここで、抽選で増減される終了回数がとりうる値の最小値から最大値までの幅を広くすれば、遊技者が有利遊技を行う度に、故意に有利遊技を中止させ、有利遊技の残り回数を累積していき、残り回数を上限累積値まで貯めた後、有利遊技を開始させた際に、運が良ければ、その遊技回数が著しく多くなる。
従って、遊技者がハイリスクを負えば、その分多くの見返りが得られ、換言すると、リスクに見合ったリターンが得られる遊技が実現でき、これにより、遊技の興趣性を高めることができる。
(請求項4の効果)
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項1から請求項3までのいずれかに記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0023】
すなわち、請求項4記載の発明によれば、中止条件の成立によって有利遊技が中止されると、残り回数取得手段が取得すべき残り回数の値を、中止条件に応じて変更する中止対応変更手段を設けたので、ビッグボーナスゲーム役に係る図柄の組み合わせの停止表示が中止条件となっている、換言すると、遊技者にとって大きな利益獲得の契機が中止条件となっている場合、操作ミスでなく、遊技者の意志で有利遊技が中止となった場合に、操作ミスよりもり小さい値の残り回数を残り回数取得手段が取得するようにすれば、失った有利遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に与えるための遊技として、より相応しいものとなり、この点からも、遊技の興趣性を高めることができる。
【0024】
(請求項5の効果)
請求項5記載の発明によれば、以下に記載されるような効果が得られる。
すなわち、請求項5記載の発明によれば、セット単位有利遊技のセット数を設定し保持するセット数設定手段と、通常遊技実行中、セット数設定手段に保持されているセット数が残っており、且つ、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、当該図柄の組み合わせが停止表示されるストップスイッチの操作態様を遊技者に報知する操作態様報知を行う移行可能状態報知手段と、移行可能状態報知手段が操作態様報知を行うと、セット数設定手段が保持しているセット数を減数するセット数減数手段と、移行可能状態報知手段によってストップスイッチの操作態様が報知された遊技で、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示された場合、通常遊技からセット単位有利遊技へ移行させるセット単位有利遊技移行手段とを設けたので、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、移行可能状態報知手段によって、当該図柄の組み合わせを停止表示させるためのストップスイッチの操作態様が遊技者に報知され、これにより、遊技者は、セット単位有利遊技への移行を容易に達成できる。なお、その代わりにセット数設定手段のセット数が減数される。
【0025】
この際、移行可能状態報知手段によってストップスイッチの操作態様が報知された遊技で、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されなかった場合、保持している残りのセット数である残りセット数をセット数設定手段から取得するとともにセット数設定手段側のセット数をクリアする残りセット数取得手段と、残りセット数取得手段が残りセット数を取得する毎に、残りセット数取得手段が取得した残りセット数を累積加算していくことで、残りセット数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段とを設けたので、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示させるためのストップスイッチの操作態様が報知されているにもかかわらず、遊技者の操作ミス等で、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されなかった場合、セット単位有利遊技への移行が失敗となり、しかも、セット数がクリアされ、これにより、セット数設定手段に保持されていたセット数が失われ、次に、セット数がセット数設定手段によって再設定されるまでの間、セット単位有利遊技へ移行する機会がなくなる。
【0026】
一方、セット数設定手段側のセット数がクリアされる前に、セット数設定手段に残っていた残りセット数は、残りセット数取得手段によって取得される。そして、セット単位有利遊技への移行が失敗する毎に、残りセット数取得手段によって残りセット数が取得されるとともに、取得された残りセット数が累積値算定手段によって次々に累積され、これにより、その累積値が次第に増えていくようになっている。
ここで、累積値算定手段で累積される残りセット数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段と、累積値算定手段の算定した累積値が、上限累積値設定手段に設定されている上限累積値に達すると、セット数設定手段が保持しているセット数を、累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更するセット数変更手段を設け、累積値算定手段が累積加算した残りセット数の累積値が、上限累積値設定手段に設定された上限累積値に達すると、セット数設定手段が保持しているセット数を、累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更したので、遊技者は、操作ミスで失ったセット数に相当する回数の有利遊技を、その後の有利遊技で実行することができるようになる。
【0027】
このため、操作ミスによって有利遊技による利益を失っても、その後、遊技者が失った利益を取り戻すことができ、従って、遊技者が操作ミスによって有利遊技の利益を失った場合には、失った有利遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができ、これにより、前記目的が達成される。
(請求項6の効果)
請求項6記載の発明によれば、以下に記載されるような効果が得られる。
すなわち、請求項6記載の発明によれば、所定の条件の成立によって通常遊技から情報報知遊技へ移行することが決定すると、パンク警戒報知を実行することができる上限の回数であるナビ回数を設定し保持するナビ回数設定手段と、情報報知遊技実行中、ナビ回数が残っている状態で、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となると、パンク警戒報知を実行するパンク警戒報知手段と、パンク警戒報知手段がパンク警戒報知を実行すると、ナビ回数設定手段が保持しているナビ回数を減数するナビ回数減数手段とを設け、遊技者が情報報知遊技を行っている時に、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となると、パンク警戒報知が実行され、その旨を遊技者に知らせるようにしたので、遊技者は、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となっても、パンク図柄の組み合わせが停止表示されるのを回避でき、これにより、情報報知遊技の中止を回避して、情報報知遊技を継続できる。なお、その代わりにナビ回数設定手段のナビ回数が減数される。
【0028】
この際、遊技者によってパンク図柄の組み合わせが停止表示されると、情報報知遊技を中止する情報報知遊技中止手段と、情報報知遊技中止手段が当該情報報知遊技を中止した際に、残っているナビ回数である残りナビ回数をナビ回数設定手段から取得するとともに、ナビ回数設定手段側のナビ回数をクリアする残り回数取得手段と、残り回数取得手段が残りナビ回数を取得する毎に、残り回数取得手段が取得した残りナビ回数を累積加算していくことで、残りナビ回数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段とを設けたので、パンク警戒報知がなされたにもかかわらず、遊技者が操作ミスによって、パンク図柄の組み合わせを停止表示させてしまった場合、情報報知遊技が中止され、この時点でナビ回数が残っていると、残っているナビ回数である残りナビ回数がクリアされる前に、残りナビ回数が残り回数取得手段によって取得され、さらに、残り回数取得手段が残りナビ回数を取得する毎に、累積値算定手段によって取得された残りナビ回数が累積加算されていく。
【0029】
ここで、累積値算定手段で累積される残りナビ回数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段と、累積値算定手段の算定した累積値が、上限累積値設定手段に設定されている上限累積値に達すると、ナビ回数設定手段が保持しているナビ回数を、累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更するナビ回数変更手段とを設けたので、累積値算定手段が累積加算した残りナビ回数の累積値が上限累積値設定手段の上限累積値に達すると、ナビ回数設定手段が保持しているナビ回数を、累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更し、遊技者が操作ミスで失ったナビ回数の総数に相当する回数のパンク警戒報知が、その次の情報提供遊技で受けることができ、その分、多くの情報提供遊技を実行することができるようになる。
【0030】
このため、操作ミスによって情報提供遊技による利益を失っても、その後、遊技者が失った利益を取り戻すことができ、従って、遊技者が操作ミスによって情報提供遊技の利益を失った場合には、失った情報提供遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができ、これにより、前記目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機であるスロットマシンを示す正面図である。
【図2】前記実施形態に係る回転リールの図柄配列を示す図である。
【図3】前記実施形態に係るスロットマシンの役の一覧を示す図である。
【図4】前記実施形態に係る制御装置の全体を示すブロック図である。
【図5】前記実施形態に係る制御装置の要部を示すブロック図である。
【図6】前記実施形態に係る遊技制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】前記実施形態に係る当否抽選処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】前記実施形態に係る報知演出処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記実施形態に係るリール回転停止処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】前記実施形態に係る報知演出移行設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る制御装置の要部を示すブロック図である。
【図12】前記実施形態に係る報知演出処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】前記実施形態に係る報知演出移行設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第3実施形態に係る制御装置の要部を示すブロック図である。
【図15】前記実施形態に係る報知演出処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】前記実施形態に係る報知演出移行設定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下に、本発明を実施するための形態の一つである第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(スロットマシン1の概要)
本第1実施形態に係る遊技機であるスロットマシン1は、周面に複数種類の図柄61が記された3個の回転リール40を備え、回転リール40に記された図柄61が所定の組み合わせとなるように、回転している回転リール40を停止させる遊技を行うものである。
このようなスロットマシン1は、図1に示すように、当該スロットマシン1の各種装置を収納するために、正面形状が長方形となった箱状の本体キャビネット2を備えたものとなっている。
【0033】
本体キャビネット2は、正面全体が開口された箱状の部材である。そして、本体キャビネット2には、その開口を塞ぐための前扉3が回動可能に設けられている。
前扉3の上下方向における中央部分は、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部4となっている。この操作部4には、次のような操作用の手段が設けられている。
すなわち、操作部4の図1中右端近傍には、前扉3の施錠を行う鍵が差し込まれる鍵穴3Aと、遊技媒体としてのメダルが投入されるメダル投入口18とが設けられている。
操作部4の図1における中央部分には、複数の回転リール40の回転を停止させる際に、それぞれ操作される複数のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50の図1中左端上方には、メダル投入口18に投入されたメダルのうち該遊技に賭けるメダルの枚数を設定する、要するにメダルのベット操作を行うためのベットスイッチ16が設けられている。また、ストップスイッチ50の図1中左側には、回転リール40の回転を開始させる際に操作されるスタートスイッチ30が設けられている。このスタートスイッチ30の図1中左端上方には、貯留されているメダルを払い戻させるための精算スイッチ17が設けられている。
【0034】
このような操作部4の下方には、文字及び図の少なくとも一方からなる標章、例えば、スロットマシン1の機種名を鮮明に表示するための下パネル3Bが設けられている。この下パネル3Bの裏側には、下パネル3Bを後方から照らす図示しないバックライト装置が設けられている。さらに、下パネル3Bの下方には、払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受け部3Cが設けられている。
また、操作部4の上方には、横方向に細長い長方形状に形成された図柄表示窓13が設けられている。図柄表示窓13は、本体キャビネット2の内部に収納された回転リール40の図柄61を遊技者に見せるための窓である。
【0035】
図柄表示窓13の上方には、動画の表示までもが可能となった液晶表示装置66A が設けられている。これらの液晶表示装置66A 及び図柄表示窓13の周囲には、液晶表示装置66A 及び図柄表示窓13の図1中左方、上方、右方を囲むように、逆U字形に配列された装飾ランプ部66B が設けられている。
また、前扉3の上方左右の角隅近傍には、種々の音声を出力するためのスピーカ66C が設けられている。
これらの装飾ランプ部66B 及びスピーカ66C は、遊技を演出する演出動作、例えば、各遊技毎にスロットマシン1の内部で行われる当否抽選で所定の当選役に当選したために、対応する当選フラグが成立した際に行われる報知演出動作等を行うために設けられた演出手段66となっている。
【0036】
この演出手段66は、当選フラグが成立すると、例えば、ボーナスフラグが成立すると、液晶表示装置66A の画面にその旨を遊技者に知らせるための動画を表示させる、装飾ランプ部66B を点灯又は点滅させる、スピーカ66C から当選音を発生させる等のいずれか一つを単独で作動させる、若しくは、これら二つ以上、又は、全部を同時に作動させることにより、遊技者に当選フラグの成立を報知する報知演出を行うようになっている。
なお、ボーナスフラグ等の当選フラグが成立すると、液晶表示装置66A も、その旨を画面に映し出された文字や映像で表示し、この表示により、遊技者に当選フラグの成立を報知する報知演出を行うようになっている。
【0037】
本体キャビネット2の内部において図柄表示窓13の裏側には、前述の三個の回転リール40を回転可能に支持するとともに、各回転リール40を回転駆動する図示しないモータを備えたリールユニット60が設けられている。
また、本体キャビネット2の内部においてメダル投入口18の下方には、当該メダル投入口18に投入されたメダルの真贋を判定するメダルセレクタ15が設けられている。
下パネル3Bの裏側には、メダルセレクタ15が真正なものと判定したメダルを貯留するとともに、必要に応じて、貯留されたメダルを払出口65A から払い出すホッパーユニット65が設けられている。
【0038】
以上のようなスロットマシン1は、遊技者がメダルをベットした後に、スタートスイッチ30を操作することにより、複数の回転リール40が回転を開始し、この後、遊技者が複数のストップスイッチ50を操作して、所定の図柄61の組み合わせを示す位置に複数の回転リール40を停止させることができた場合に入賞となって、入賞した役に対応する枚数のメダルを遊技者に払い出すように形成されている。
(スロットマシン1の役と図柄について)
このようなスロットマシン1は、前述の如く、役に係る図柄61の組み合わせが停止表示されるように、回転している回転リール40を停止させる遊技を行うものである。
【0039】
換言すると、スロットマシン1は、回転リール40が停止された際に、図柄表示窓13に設定されている有効入賞ライン上に沿って、役に係る図柄61の組み合わせを停止させる遊技を行うものである。
ここで、図柄表示窓13には、3個の回転リール40がすべて停止すると、縦3個×横3個の計9個の図柄61が停止表示されるようになっている。
また、図柄表示窓13には、有効入賞ラインとして、上段の3個の図柄61を通る上段有効入賞ラインと、中段の3個の図柄61を通る中段有効入賞ラインと、下段の3個の図柄61を通る下段有効入賞ラインと、左下・中央・右上の3個の図柄を通る右上り有効入賞ラインと、左上・中央・右下の3個の図柄を通る右下り有効入賞ラインとが設けられている。
【0040】
また、図柄表示窓13の内部に配列された3個の回転リール40、すなわち、図1中、左側に配置された左リール、中央に配置された中リール、及び、右側に配置された右リールの各外周面には、図2に示すように、複数種類の図柄が所定の順番で21個記されている。具体的には、左リール、中リール及び右リールの各外周面には、図柄として、「赤7A」、「赤7B」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「ベル」及び「チェリー」が付されている。
以上において、スロットマシン1に設定されている役としては、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがボーナス遊技へ移行するボーナス役とがある。
【0041】
すなわち、ボーナス役としては、図3に示すように、BB役と、RB役とがある。
BB役は、「赤7A」「赤7A」「赤7A」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、有効入賞ライン上にこれらの図柄の組み合わせが停止表示されると、ビッグボーナス遊技へ移行するようになっている。
また、RB役は、「青7」「青7」「青7」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、レギュラーボーナス遊技へ移行するようになっている。
なお、本実施形態では、ボーナス役に係る図柄の組み合わせが停止表示されても、メダルの払い出しを行うことなく、ボーナス遊技へ移行するようにしたが、所定枚数(たとえば15枚)のメダルを払い出した後に、ボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
【0042】
小役としては、図3の如く、プラム役と、赤7プラム役と、青7プラム役と、BARプラム役と、ベル役と、チェリー役とがある。
このうち、プラム役、赤7プラム役、青7プラム役及びBARプラム役は、当該役に係る図柄の組み合わせが停止表示される、すなわち、入賞すると、9枚のメダルが払い出される役である。
ベル役は、当該役に係る図柄の組み合わせが停止表示される、すなわち、入賞すると、5枚のメダルが払い出される役である。
チェリー役は、当該役に係る図柄の組み合わせが停止表示される、すなわち、入賞すると、3枚のメダルが払い出される役である。なお、チェリー役は、後述するAT遊技を途中で中止させる契機となるパンク役となっている。
【0043】
各小役を構成する図柄の組み合わせは以下の通りである。
プラム役は、「プラム」「プラム」「プラム」の組み合わせで構成される。
赤7プラム役は、「赤7A」「プラム」「プラム」の組み合わせで構成される。
青7プラム役は、「青7」「プラム」「プラム」の組み合わせで構成される。
BARプラム役は、「BAR」「プラム」「プラム」の組み合わせで構成される。
ベル役は、「ベル」「ベル」「ベル」の組み合わせで構成される。
チェリー役は、「チェリー」「ANY」「ANY」(「ANY」は、いずれの図柄であってもよいことを意味する。)の組み合わせで構成される。
【0044】
再遊技役は、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の組み合わせにより構成され、有効入賞ライン上に、これらの図柄の組み合わせが停止表示されると、メダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で遊技を再度行える役である。なお、再遊技役に係る図柄の組み合わせが停止表示されても、メダルの払い出しがない。
(スロットマシン1の制御装置20)
次に、スロットマシン1の制御装置20について説明する。
図4には、スロットマシン1に係る制御系統の概略構成が示されている。図4において、制御装置20は、マイクロコンピュータを利用したCPU並びにROM及びRAM等の記憶手段を含んで構成されたハードウェアに、演出動作制御や遊技動作制御を行うためのソフトウェアがインストールされたものである。
【0045】
このような制御装置20の特徴を簡単に説明すると、制御装置20は、遊技が行われる毎に遊技の当否に係る当否抽選を行い、当否抽選により所定の当選役に対応した当選フラグが成立することにより、遊技者に対して当該当選役への入賞を可能にするものである。
このようなスロットマシン1の遊技動作を制御する制御装置20は、信号の受信や送信を行うために、図示しない信号入力部及び制御信号出力部を備えている。このうち、信号入力部には、図4に示すように、前述したメダルセレクタ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、及び、ストップスイッチ50等、遊技者により操作されて遊技用の信号を出力する機器が電気的に接続されている。
【0046】
一方、制御信号出力部には、リールユニット60、ホッパーユニット65、演出手段66(装飾ランプ部66Bやスピーカ66C )、及び、液晶表示装置66A 等、能動的に動作する装置が電気的に接続されている。これにより、制御装置20は、遊技者の操作や遊技の結果に対応して、リールユニット60、ホッパーユニット65、装飾ランプ部66B 、スピーカ66C 、及び、液晶表示装置66A 等の動作制御が行えるようになっている。
このような制御装置20には、インストールされている前述のソフトウェアにより、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作に対応した回転リール40の動作制御を含んだスロットマシン1の遊技全般を制御する遊技制御装置21と、当否抽選で所定の当選フラグが成立した際に、その旨を報知する報知演出を含む演出動作全般を制御する報知演出制御手段22とが設けられている。
【0047】
(遊技制御装置21)
このうち、遊技制御装置21は、図4の如く、ボーナスフラグ等の当選フラグが何ら成立していない状態で行われる通常遊技における遊技動作を制御する通常遊技制御手段70と、ボーナスゲーム等に入賞すると行われる特別遊技の遊技動作を制御する有利遊技制御手段80と、遊技が行われる毎に遊技の当否に係る当否抽選を行うための当否抽選手段90とを備えたものとなっている。
(通常遊技制御手段70)
通常遊技制御手段70は、図柄61の蹴飛ばし引き込み等を含む回転リール40の起動及び停止を制御する駆動制御機能と、ボーナスフラグ等の特別当選フラグ成立の権利の持ち越しを制御する持ち越し制御機能と、フラグ成立の権利の持ち越しがなされない小役に入賞した際にメダルを払い出す払い出し制御機能とを備えている。
【0048】
通常遊技制御手段70は、駆動制御機能により、メダル投入口18にメダルが投入されたこと、ベットスイッチ16の操作によりメダルが投入(ベット)されたこと、及び、前遊技で「再遊技(Replay)」となった場合において前遊技から所定時間が経過したことのいずかかの条件が満たされると、スタートスイッチ30の操作を契機に、3個の回転リール40に対して一斉に回転を開始させるようになっている。
そして、通常遊技制御手段70は、駆動制御機能により、3個のストップスイッチ50のそれぞれが操作されると、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転を停止させるようになっている。
【0049】
これらのストップスイッチ50が3個すべて操作し終えた後に、3個の回転リール40の回転が全て停止し、図柄表示窓13の有効入賞ライン上に、予め設定された当選役である小役を構成する複数の図柄61が揃うと、通常遊技制御手段70は、払い出し制御機能により、ホッパーユニット65に対して所定枚数のメダルを払い出させる。なお、メダルを払い出す代わりに、クレジットを増やしても良い。
ここで、スロットマシン1の遊技全般における当選役としては、入賞すると、メダルの払い出しを伴い、遊技者に利益を付与する小役入賞に対応する当選役と、この小役入賞よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別入賞に対応する当選役と、メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「再遊技(Replay)」に対応する当選役とが準備されている。
【0050】
これらの当選役のうち、当否抽選手段90による当否抽選の結果がいずれかの一の当選役となった場合、通常遊技制御手段70は、その当選役に対応した当選フラグを成立させるようになっている。
また、当否抽選手段90による当否抽選の結果が特別入賞に対応する当選である場合に、特別当選フラグ、いわゆるボーナスフラグが成立し、且つ、この特別当選フラグ成立中に、リールユニット60に設けられた回転リール40の停止図柄の組み合わせが、予め定められた所定の組み合わせである特別入賞図柄(例えば、有効入賞ライン上に「赤7A」が3個停止表示される)と一致していることを条件に、スロットマシン1の遊技は、遊技者に有利な特別遊技に移行するようになっている。
【0051】
このように当否抽選手段90の抽選により特別当選フラグが成立したものの、回転リール40の停止図柄の組み合わせが特別入賞図柄と一致していない場合、当該遊技では、特別遊技に移行することはない。この場合、通常遊技制御手段70は、特別当選フラグ成立の権利を、それ以後の遊技に持ち越すように、特別当選フラグの成立状態を維持するように制御を行うようになっている。そして、それ以後の遊技で、遊技者が停止図柄の組み合わせを特別入賞図柄と一致させることができれば、特別当選フラグ成立の権利が持ち越されていることから、有利遊技に移行するようになっている。なお、小役の当選フラグは、当選フラグが成立した遊技で入賞できなかった場合、不成立の状態に戻り、当選フラグ成立の権利が次の遊技への持ち越されることはない。
【0052】
以上において、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する入賞図柄を有効入賞ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール40の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ50の操作タイミングの適否によるものである。
具体的には、通常遊技制御手段70は、ストップスイッチ50を操作した後、190ms以内に回転リール40を停止させるようになっており、ストップスイッチ50を操作した後、ストップスイッチ50を操作したほぼその時点の位置だけでなく、190ms以内に停止可能となる回転リール40の円周上の引き込み可能範囲内における任意の位置にも停止させることが可能となっている。
【0053】
換言すると、通常遊技制御手段70は、停止図柄から連続する4個の引き込み可能図柄の中に、対応する入賞図柄が含まれている場合には、停止するまでの時間を遅らせて、有効入賞ライン上にその入賞図柄を引き込んで回転リール40を停止させるように制御を行うようになっている。
なお、ストップスイッチ50の操作タイミングが不適切である等により、かかる4個の引き込み可能図柄の中に、成立した当選フラグ対応する入賞図柄が含まれていない場合には、有効入賞ライン上に、入賞図柄を引き込んで停止することは不可能となっている。
(有利遊技制御手段80)
有利遊技制御手段80は、通常遊技とは異なる有利遊技における遊技動作を制御するものとなっている。
【0054】
すなわち、スロットマシン1には、有利遊技として、特定導入遊技(ビッグボーナスゲーム)、特定遊技(レギュラーボーナスゲーム)、アシスト・タイム遊技が設定されている。なお、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム及びアシスト・タイム遊技を、それぞれBBゲーム、RBゲーム及びATゲームと略す。
ここで、BBゲームは、スロットマシン1の遊技における最も大きな役であり、複数回数のRBゲームが行える有利遊技である。
RBゲームは、所定回数の入賞が達成されるまで最大回数を限度に複数回のJACゲームが行える有利遊技である。また、RBゲームは、BBゲームに移行した際にBBゲームの一環として行われる場合、及び、BBゲームの一環ではなく単独で行われる場合のいずれの状況でも行われる。
【0055】
JACゲームは、RBゲーム中に行われ、入賞するとメダルの払い出しが遊技者に対して行われる有利遊技となっている。
ATゲームは、小役に当選すると遊技者を当該小役の入賞へ導く報知演出遊技とが組み合わされた有利遊技である。
換言すると、ATゲームは、液晶表示装置66A 等を利用して、当否抽選で当選した小役に係る図柄を報知する報知演出が行われる有利遊技となっている。
なお、ATゲームへ移行させる条件としては、ATゲームへの移行契機として予め定められた図柄(例えば、ベル役に係る図柄)の組み合わせが停止表示されたこと、及び、BBゲームが終了したことなどが採用されている。
【0056】
また、ATゲームを終了させる条件としては、ATゲームを終了させる役として定められたパンク役に係る図柄の組み合わせが停止表示されること、具体的には、チェリー役に係る図柄の組み合わせてである「チェリー」「ANY」「ANY」が停止表示されることが採用されている。
このような有利遊技は、通常遊技の実行中に当否抽選手段90により特別当選フラグが成立した状態で、遊技者の操作により停止した停止図柄が前述の特別入賞図柄と一致すると、開始されるものとなっている。
例えば、BBゲームは、通常遊技において、ビッグボーナスフラグが成立した状態で、「赤7A」が有効入賞ライン上に3個揃うことを契機に開始されるようになっている。
【0057】
有利遊技制御手段80には、図2の如く、BBゲームにおける遊技動作を制御する特定導入遊技制御手段81と、RBゲームにおける遊技動作を制御する特定遊技制御手段82とが設けられている。
特定導入遊技制御手段81は、BBゲームに移行した当初、小役の入賞の可能性がある通常遊技と同様の遊技動作の制御を行い、RBゲームに移行するための特定入賞図柄が有効入賞ライン上に揃うと、その後、RBゲームの遊技動作の制御を行うものである。
具体的には、特定導入遊技制御手段81は、RBゲームに移行するまでは、通常遊技と同様に最大3枚のメダルの投入によって遊技を開始させ、3つの回転リールの回転を各々停止させた際に、有効入賞ライン上に入賞図柄が揃っているか否かによって、メダルの払い出しを行わせるようになっている。
【0058】
従って、特定導入遊技制御手段81は、RBゲームに移行するまでは、通常遊技と同様に、当否抽選手段90に小役を含めた抽選を毎回行わせるようになっている。
ここで、BBゲームは、遊技者に払い出されたメダル枚数が予め設定された最大枚数に達すると、終了するようになっている。
このため、特定導入遊技制御手段81は、BBゲームが終了するまで、複数回のRBゲームを行うように制御を行い、1回目のRBゲームが終了した後は、通常遊技と同様の遊技動作が行われるように、その遊技動作を制御するようになっている。
なお、BBゲームを終了させる条件は、遊技者に払い出されたメダル枚数が予め設定された最大枚数に達したことに限らず、当該BBゲームで行われたRBゲームの回数、或いは、通常遊技と同様の遊技の回数が、予め設定された最大回数に達したことでもよい。
【0059】
特定遊技制御手段82は、RBゲームに移行すると、1枚のメダル投入で遊技を開始させた後、当該遊技の動作を制御するようになっている。具体的には、特定遊技制御手段82は、遊技者が1枚のメダルを投入し、回転リール40の回転駆動を開始させた後、回転リール40を停止した際に、所定の図柄が表示窓12のセンターライン上に揃った場合に入賞とし、所定枚数のメダルをホッパーユニット65に払い出させるように遊技動作を制御するものとなっている。
ここで、RBゲームは、入賞するとメダルの払い出しがなされるJACゲームが予め定められた最大回数(例えば、12回)を越えない範囲で行われ、そのうち、予め定められた最大入賞回数(例えば、8回)の入賞が可能である。
【0060】
すなわち、RBゲームは、JACゲームの実施回数が最大回数に達した時、或いは、JACゲームの実施における入賞回数が最大入賞回数に達した時のいずれか早い時に終了するようになっている。
(当否抽選手段90)
当否抽選手段90は、予め定めた抽選確率に基づいて当選か否かの当選判定の抽選を行うものである。そして、当否抽選手段90による抽選結果が当選である場合に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた入賞図柄と一致したことを条件に入賞となり、遊技者にメダルの払い出しや、有利遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0061】
この当否抽選手段90には、図2に示すように、当否抽選用の乱数を発生させる乱数発生手段91と、この乱数発生手段91が発生した乱数を所定の条件で抽出する乱数抽出手段92と、当否判定の際に当選領域が参照される当否判定テーブル93と、この当否判定テーブル93に基づいて当否判定を行う判定手段94とが設けられている。
乱数発生手段91は、予め設定された所定の数値領域内(例えば、十進数で0〜999の範囲内)で、当否抽選用の乱数を発生させるものである。
乱数抽出手段92は、予め設定された所定の条件が達成されたことを契機に、例えば、スタートスイッチ30が操作されたことを契機に、乱数発生手段91によって次々発生される乱数の中から一の乱数を抽出し、抽出した乱数を抽出乱数データとするものである。
【0062】
当否判定テーブル93は、乱数発生手段91がとりうる乱数の全領域における所定の箇所に、BBゲーム等の各入賞役に対応した当選役の各々を決定する当選領域がそれぞれ割り当てられたものである。当否判定テーブル93としては、各当選役の当選する確率である抽選確率データが互いに異なる複数種類のものが用意されている。
判定手段94は、各遊技に対応した抽選確率データを有する当否判定テーブル93を選択し、選択した当否判定テーブル93と、乱数抽出手段92が抽出した抽出乱数データとに基づいて、当否の判定及び当選の場合には当選役を決定するものである。具体的には、判定手段94は、乱数抽出手段92が抽出した抽出乱数データと、選択した当否判定テーブル93における各当選領域の当否判定領域データとを照合し、乱数抽出手段92が抽出した抽出乱数データに一致する当否判定領域データが属する当選領域から、当否の判定及び当選役の決定を行うものである。
【0063】
このような当否抽選手段90は、当否抽選を終了すると、その当選結果の内容を示す抽選結果を報知演出制御手段22等に渡すようになっている。
(報知演出制御手段22)
報知演出制御手段22は、通常遊技からATゲームに移行すると、演出動作を制御するものとなっている。
すなわち、報知演出制御手段22は、ATゲームへ移行させる条件が成立したことを検知すると、報知演出遊技に係る動作制御を行うものとなっている。
更に具体的に説明すると、報知演出制御手段22は、ATゲームへの移行後、遊技者がメダルのベット操作を行い、回転リール40の回転駆動を開始させた後、液晶表示装置66A 等を通じて、当否抽選で当選した小役に係る図柄を遊技者に教え、遊技者が報知された図柄を狙ってストップスイッチ50の押圧操作を行うと入賞に至る遊技動作を制御するものとなっている。
【0064】
また、報知演出制御手段22は、ATゲームに移行後、報知演出遊技における遊技回数が予め定められた終了回数に達すると終了し、スロットマシン1の遊技を元の通常遊技に戻すようになっている。
さらに、報知演出制御手段22は、後で詳しく説明する所定の条件が成立すると、報知演出遊技に定められた終了回数を変更するようになっている。
このような報知演出制御手段22には、図5に示すように、当否抽選の結果に応じて報知演出遊技の制御を行う報知演出遊技実行手段221 と、報知演出遊技における遊技回数が前述の終了回数に達した際に報知演出遊技を終了させるための報知演出回数制御手段222 と、パンク役に係る図柄の組み合わせが停止表示されると報知演出遊技を中止させる報知演出遊技中止手段223 と、報知演出遊技の終了回数を変更するにあたり、事前に終了回数に置き換える回数の値を生成する変更回数生成手段224 とが設けられている。
【0065】
報知演出遊技実行手段221 は、遊技制御装置21から当否抽選の結果に係る情報、及び、すべての回転リール40が停止した際に有効入賞ライン上に配置された図柄の組み合わせに係る情報を受け取ると、これらの情報に基づいて報知演出フラグを成立させ、これにより、報知演出遊技を開始するようになっている。
また、報知演出遊技実行手段221 は、報知演出遊技の開始後、当否抽選で小役に当選すると、3個のストップスイッチ50を押圧操作する順序である押し順を遊技者に報知する報知演出を行うものとなっている。
報知演出回数制御手段222 は、遊技制御装置21から、すべての回転リール40が停止したか否かの情報、換言する、報知演出遊技の終了に係る情報を受け取り、この情報に基づいて報知演出遊技における遊技回数の計数を行い、当該遊技回数が終了回数に達したら、報知演出遊技を終了させるものである。
【0066】
この報知演出回数制御手段222 には、図5の如く、報知演出遊技における遊技回数をカウントダウンしていく報知演出遊技計数手段222Aと、有利遊技である報知演出遊技を終了させる契機となる遊技回数である終了回数を設定し保持する終了回数設定手段222Bと、報知演出遊技計数手段222Aの計数結果に基づいて報知演出遊技を終了させる報知演出遊技終了手段222Cとが設けられている。
報知演出遊技計数手段222Aは、報知演出遊技実行手段221 から報知演出遊技への移行を知らせる報知演出遊技移行通知を受け取り、終了回数設定手段222Bから終了回数を受け取り、遊技制御装置21から一の報知演出遊技が終了したことを知らせる遊技終了通知を受け取るようになっている。
【0067】
そして、報知演出遊技計数手段222Aは、報知演出遊技実行手段221 から報知演出遊技移行通知を受け取ると、報知演出遊技に係る動作制御を開始するようになっている。具体的には、報知演出遊技計数手段222Aは、報知演出遊技に係る動作制御を開始した後、終了回数設定手段222Bから終了回数を受け取ると、遊技制御装置21から遊技終了通知を受け取る毎に、受け取った終了回数の値から一ずつと減じていき、その値が「0」になると、報知演出遊技終了手段222Cに終了指令を出すようになっている。
以上において、有利遊技である報知演出遊技の開始にともない当該報知演出遊技の実行回数の計数を開始する有利遊技計数手段となっている。
【0068】
終了回数設定手段222Bは、後述する終了回数変更手段224Dが終了回数の変更を行わない限り、報知演出遊技を終了させる契機となる終了回数として、予め記憶しているデフォルト値を設定し保持するようになっている。
報知演出遊技終了手段222Cは、報知演出遊技計数手段222Aから終了指令を受け取ると、報知演出遊技実行手段221 に報知演出フラグを解除させ、これにより、報知演出遊技を終了させるようになっている。
ここにおいて、報知演出遊技終了手段222Cは、報知演出遊技計数手段222Aが計数する実行回数が、終了回数設定手段222Bに設定されている終了回数に達したら有利遊技である報知演出遊技を終了させる有利遊技終了手段となっている。
【0069】
報知演出遊技中止手段223 は、BBゲーム役及びパンク役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたか否かに関する情報を受け取る、例えば、パンク役に入賞したことを知らせるパンク役入賞通知を受け取るようになっている。
そして、報知演出遊技中止手段223 は、パンク役入賞通知等の情報を受け取ると、報知演出遊技実行手段221 へ中止指令を発し、遊技回数が残っていても、報知演出遊技実行手段221 に報知演出フラグを解除させ、これにより、報知演出遊技を中止させるようになっている。
この報知演出遊技中止手段223 は、有利遊技である報知演出遊技の実行中に予め設定された中止条件が成立すると、報知演出遊技の実行回数が終了回数に達していなくとも、報知演出遊技を中止する有利遊技中止手段となっている。
【0070】
変更回数生成手段224 は、報知演出遊技が中止された時点で残っている遊技回数である残り回数を累積して終了回数に変えるための変更回数を生成するものである。
すなわち、変更回数生成手段224 には、図5の如く、報知演出遊技中止時点の残り回数を取得する残り回数取得手段224Aと、残り回数の累積加算を行う累積値算定手段224Bと、残り回数の累積値の上限値である上限累積値を設定する上限累積値設定手段224Cと、前述した終了回数設定手段222Bの終了回数の値を変更する終了回数変更手段224Dと、上限累積値設定手段224Cに設定されている上限累積値を変更する上限値変更手段224Eと、終了回数変更手段224Dが終了回数設定手段222Bの終了回数を累積値に変更するにあたり、事前に累積値算定手段224Bの累積値を増減する累積値増減手段224Fとが設けられている。
【0071】
残り回数取得手段224Aは、報知演出遊技中止手段223 から中止指令を受取可能に形成されるとともに、報知演出遊技計数手段222Aからその時点における遊技回数、すなわち、残り回数を受取可能となっている。
そして、残り回数取得手段224Aは、報知演出遊技の中止の際に、報知演出遊技中止手段223 から送りされる中止指令を受け取ると、報知演出遊技の中止の時点における報知演出遊技の残り回数を報知演出遊技計数手段222Aから受け取り、これにより、報知演出遊技の残り回数を取得するようになっている。
また、残り回数取得手段224Aは、報知演出遊技の残り回数を取得すると、その度に、取得した残り回数を累積値算定手段224Bへ送り出すものである。
【0072】
累積値算定手段224Bは、残り回数取得手段224Aが残り回数を取得する毎に、残り回数取得手段224Aが取得した残り回数を累積加算していくことで、残り回数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持するものである。
換言すると、累積値算定手段224Bは、残り回数取得手段224Aから残り回数を受け取るように形成され、且つ、残り回数を受け取る度に、受け取った残り回数を累積加算し、得られた累積値を算定するものとなっている。
そして、累積値算定手段224Bは、保持している累積値を示す累積値を、随時、終了回数変更手段224Dに渡すようになっている。
【0073】
上限累積値設定手段224Cは、前述したように、累積値算定手段224Bで累積される残り回数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持し、且つ、保持している上限累積値を、随時、終了回数変更手段224Dに渡すようになっている。
終了回数変更手段224Dは、累積値算定手段224Bから累積値を受取可能とされ、且つ、上限累積値設定手段224Cから上限累積値を受取可能に形成されている。
そして、終了回数変更手段224Dは、累積値算定手段224Bから累積値を取得し、当該累積値の値が上限累積値設定手段224Cに設定されている上限累積値に達すると、終了回数設定手段222Bに設定されている終了回数の値を変更するものとなっている。
【0074】
終了回数の値の変更について、更に具体的に説明すると、終了回数変更手段224Dは、終了回数の値を変更するにあたり、累積値算定手段224Bがその時点で保持している累積値の値を、後述する累積値増減手段224Fで増減し、その後、終了回数設定手段222Bに設定されている終了回数の値を、累積値の増減後の値に変更するようになっている。
上限値変更手段224Eは、上限累積値設定手段224Cの上限累積値とすべき上限候補値を抽選で選び、選んだ上限候補値を上限累積値設定手段224Cに渡すことが可能となるように形成されたものである。
更に詳しく説明すると、上限値変更手段224Eは、終了回数変更手段224Dが終了回数設定手段222Bの終了回数の値を変更すると、上限累積値設定手段224Cの上限累積値とすべき上限候補値を選ぶ抽選を行った後、抽選で選んだ上限候補値を上限累積値設定手段224Cに渡し、これにより、上限累積値設定手段224Cに設定されている上限累積値の変更を行うものとなっている。
【0075】
すなわち、上限累積値設定手段224Cは、上限値変更手段224Eから上限候補値を受け取ると、保持している上限累積値を、新たに受け取った上限候補値に変更し、さらに、上限候補値の値に変更された上限累積値を保持して次回以降の遊技で用いるように形成されている。
累積値増減手段224Fは、累積値算定手段224Bの累積値に対して増数及び減数のいずれを行うかを選ぶ増減抽選を行うものである。また、累積値増減手段224Fは、増減抽選で増数又は減数する値の大きさをも選ぶように形成されている。
このような累積値増減手段224Fは、終了回数変更手段224Dが終了回数設定手段222Bの終了回数の値を変更するにあたり、事前に、増減抽選を行い、累積値算定手段224Bが保持している累積値に対して、その値を増減抽選の結果に応じて増減するようになっている。
【0076】
そして、終了回数変更手段224Dは、累積値算定手段224Bが保持している累積値が累積値増減手段224Fによって増減された場合、終了回数設定手段222Bに設定されている終了回数の値を変更する際に、増減後の累積値を用いて終了回数設定手段222Bの終了回数の値を変更するものとなっている。
(遊技制御処理)
次に、本実施形態に係る制御装置20による遊技制御処理について図6〜図10を参照しながら説明する。
スロットマシン1の電源が投入されると、遊技制御処理が開始され、スロットマシン1のゲームが開始される。この際、遊技制御処理は、図6の如く、ステップS1000から処理が開始される。なお、後述する上限累積値(L)及び累積値(S)は、ステップS1000から処理が開始される以前に、予め初期値が設定されている。ここで、累積値(S)の初期値は、「0」に設定されている。また、上限累積値(L)の初期値としては、例えば、「100」が採用できる。
【0077】
すなわち、図6に示すように、ステップS1000において、メダルの投入により操作が可能となったスタートスイッチ30の操作を検知する検知処理が行われ、スタートスイッチ30が操作されて、スタートスイッチ30の内部接点が閉じると、これに対応して、遊技スタート時の音声を出力する処理を開始する等、スタートスイッチ30の操作に対応した処理も行われ、この後、次のステップS2000へ進む。
ステップS2000では、当否抽選手段90により当否抽選処理が行われる。この当否抽選処理については、後で詳述する。
この当否抽選処理が完了したら、次のステップS2100に進み、このステップS2100で、回転リール40の回転駆動を開始させてから、次のステップS3000に進む。
【0078】
ステップS3000では、当否抽選の抽選結果に応じて、スロットマシン1のストップスイッチ50の操作順等の操作態様を報知する報知演出処理が行われる。
このステップS3000における報知演出処理については、後で詳述する。そして、ステップS3000に係る報知演出処理が終了したら、次のステップS3500へ進む。
ステップS3500では、ストップスイッチ50の操作を検知する検知処理が行われ、ストップスイッチ50が操作されて、ストップスイッチ50の内部接点が閉じたことが検知されると、次のステップS4000へ進み、回転リール40の回転停止処理が行われ、回転リール40が停止したら、次のステップS4100へ進む。
【0079】
ステップS4100では、三個の回転リール40に対応するすべてのストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50がすべて操作されたと判定された場合、次のステップS4200へ進む。
一方、ステップS4100で、三個の回転リール40に対応するストップスイッチ50がすべて操作されていないと判定された場合、ステップS3500に戻る。
ステップS4200では、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞したか否か等が判定される。そして、入賞したと判定された場合には、次のステップS5000へ進む。
【0080】
ステップS5000では、報知演出遊技へ移行するか否かの判定処理及び報知演出遊技の終了回数等の設定処理を行う報知演出移行設定処理が行われる。この報知演出移行設定処理については、後で詳述する。そして、報知演出移行設定処理が終了したら、次のステップS6000へ進む。
ステップS6000では、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。
例えば、ステップS4200において小役に係る図柄の組み合わせが停止表示されていたと判定された際、ステップS6000では、当該小役に対応する枚数のメダルを払い出すメダル払出処理が行われる。
【0081】
なお、ステップS4200において再遊技に係る図柄の組み合わせが停止表示されていたと判定された際、ステップS6000では、再遊技に係る処理、すなわち、メダルを新たに投入しなくとも、次の遊技が開始できるようにする処理が行われる。
また、ステップS4200においてBBゲームやRBゲーム等のボーナスゲームに係る図柄の組み合わせが停止表示されていたと判定された際、ステップS6000では、BBゲームやRBゲーム等のボーナスゲームへ移行する処理を行う。
ステップS6000において以上のような処理が完了すると、一回分の遊技が終了する。
一方、ステップS4300で、入賞していないと判定された場合、ステップS5000及びステップS6000をスキップして、一回分の遊技が終了する。
【0082】
次に、前述の遊技制御処理におけるステップS2000の当否抽選処理について、図7を参照しながら、さらに詳しく説明する。
まず、図7に示すように、ステップS2100において、当否抽選手段90の乱数発生手段91により発生された乱数の中から乱数抽出手段92によって乱数が抽出され、この抽出処理が完了したら、次のステップS2200へ進む。
ステップS2200において、抽出された乱数が乱数抽出手段92の内部に記憶され、この後、次のステップS2300へ進み、ステップS2300で、判定手段94により、抽出された乱数と、当否判定テーブル93の当否判定領域データとの比較が行われる。そして、次のステップS2400に進む。
【0083】
ステップS2400において、判定手段94により、抽出された乱数が、当否判定テーブル93のどの当選領域に含まれるかが判定され、これにより当選役についての評価が行われ、この評価が完了したら、次のステップS2500へ進む。
ステップS2500では、所定の図柄の蹴飛ばしと、所定図柄の引き込みとが設定される。この設定が完了すると、当否抽選処理が終了する。
続いて、前述の遊技制御処理におけるステップS3000の報知演出処理について、図8を参照しながら、さらに詳しく説明する。
まず、図8に示すように、ステップS3100において、報知演出遊技への移行状態を示す報知演出フラグが成立中であるか否かが判定される。そして、このステップS3100で、報知演出フラグが成立中であると判定されなかった場合、ステップS3100の終了により、当該報知演出処理も終了する。
【0084】
一方、ステップS3100で、報知演出フラグが成立中であると判定された場合、次のステップS3200へ進む。
ステップS3200では、当否抽選手段90による当否抽選で当選した役が、その当選を報知演出によって遊技者に報知すべき小役であるか否か、要約すると、当選を報知すべき役に当選したか否かが判定される。
このステップS3200で、当選を報知すべき役に当選したと判定されなかった場合、ステップS3200の終了により、当該報知演出処理も終了する。
一方、ステップS3200で、当選を報知すべき役に当選したと判定された場合、次のステップS3300へ進む。
【0085】
ステップS3300では、当否抽選で当選した小役に係る図柄を報知する操作態様報知処理が行われる。この操作態様報知処理が完了すると、報知演出処理が終了する。
次に、前述の遊技制御処理におけるステップS4000のリール回転停止処理について、図9を参照しながら、さらに詳しく説明する。
まず、図9に示すように、ステップS4100において、所定の図柄に対して、蹴飛ばしの設定が達成されたか否かが判定される。そして、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されたと判定されなかった場合には、次のステップS4200へ進み、反対に、蹴飛ばしの設定が達成されたと判定された場合には、ステップS4400へ進む。
【0086】
ステップS4200では、1個の図柄分だけ、回転リール40を回転させる、換言すると、図柄を1個ずつ蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行い、この後、次のステップS4300へ進む。
ステップS4300では、ステップS4200において蹴飛ばされた最後の図柄が延べ4個目に達したか否かが判定される。このステップS4300で、ストップスイッチ50を操作した後、最後に蹴飛ばされた図柄が延べ4個目に達したと判定された場合には、ステップS4600へ進み、反対に、最後に蹴飛ばされた図柄が延べ4個目に達したと判定されなかった場合には、ステップS4100に戻る。
一方、ステップS4100において、所定の図柄の蹴飛ばしの設定が達成されていると判定されたため、ステップS4400に進んだ場合には、ステップS4400において、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されているか否かが判定される。
【0087】
そして、ステップS4400で、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されていると判定された場合、次のステップS4500へ進み、反対に、いずれかの図柄に対して引き込みが設定されたと判定されなかった場合、ステップS4600へジャンプする。
ステップS4500では、引き込み設定が達成されたか否かが判定される。そして、ステップS4500で、引き込み設定が達成されたと判定された場合には、ステップS4600へ進み、反対に、ステップS4500で、引き込み設定が達成されたと判定されなかった場合には、ステップS4200へ進む。
ステップS4500では、回転リール40の回転を停止させる停止処理が行われ、このステップS4500における停止処理の完了をもって、リール回転停止処理が終了する。
【0088】
次に、前述の遊技制御処理におけるステップS5000の報知演出移行設定処理について、図10を参照しながら、さらに詳しく説明する。
まず、図10に示すように、ステップS5100において、報知演出遊技への移行状態を示す報知演出フラグが成立中であるか否かが判定される。
そして、このステップS5100で、報知演出フラグが成立中であると判定されなかった場合、ステップS5400へ進む一方、報知演出フラグが成立中であると判定された場合、次のステップS5200へ進む。
ここで、ステップS5200以下の処理を説明するのに先立って、ステップS5400及びステップS5410で行われる処理について説明する。
【0089】
ステップS5400では、報知演出遊技へ移行する役(例えば、ベル役)に入賞したか否かが判定される。
このステップS5400で、報知演出遊技へ移行する役に入賞したと判定されなかった場合、ステップS5400の終了により、当該報知演出移行設定処理も終了する。
一方、ステップS5400で、報知演出遊技へ移行する役に入賞したと判定された場合、次のステップS5410へ進む。
ステップS5410では、報知演出フラグを成立(セット)して、通常遊技から報知演出遊技へ移行させる報知演出移行処理を行い、この報知演出移行処理が終了したら、次のステップS5420へ進む。
【0090】
ステップS5420では、終了回数(M)が(S+α)の値に変更されるとセットされる回数変更フラグが成立しているか否かが判定される。
ステップS5420で、回数変更フラグが成立していると判定された場合には、ステップS5440へ進む。
一方、ステップS5420で、回数変更フラグが成立していると判定されなかった場合には、ステップS5430へ進む。
ステップS5430では、報知演出遊技の遊技回数(M)の初期値を設定する初期値設定処理を行う。ここで、遊技回数Mの初期値としては、一般的に「50」以下の数値、例えば、「30」が採用できる。
【0091】
そして、このステップS5430における初期値設定処理が終了すると、当該報知演出移行設定処理も終了する。
ステップS5440では、回数変更フラグを解除する回数変更フラグ解除処理を行い、この回数変更フラグ解除処理が終了すると、当該報知演出移行設定処理も終了する。
ステップS5200では、報知演出遊技計数手段222Aによる遊技回数計数処理が行われる。具体的には、残っている遊技回数Mの値から「1」を減じる処理を行う。この遊技回数計数処理が完了したら、次のステップS5300へ進む。
ステップS5300では、遊技回数Mが「0」以下であるか否か、換言すると、遊技回数Mが残っているか否かが判定される。
【0092】
そして、このステップS5300で、遊技回数Mが「0」以下であると判定されなかった場合、ステップS5600へ進み、ステップS5600で、報知演出フラグを解除(リセット)して、報知演出遊技を終了させる報知演出終了処理を行う。そして、このステップS5600における報知演出終了処理が終了すると、当該報知演出移行設定処理も終了する。
一方、ステップS5300で、遊技回数Mが「0」以下であると判定された場合、次のステップS5510へ進む。
ステップS5510では、今回の遊技においてパンク役に入賞したか否か、具体的には、チェリー役に入賞したか否かが判定される。
【0093】
このステップS5510で、パンク役に入賞したと判定されなかった場合、ステップS5510の終了により、当該報知演出移行設定処理も終了する。
一方、ステップS5510で、パンク役に入賞したと判定された場合、次のステップS5520へ進む。
ステップS5520では、報知演出フラグを解除して報知演出遊技を中止する報知演出中止処理が行われる。この報知演出中止処理が完了したら、次のステップS5530へ進む。
ステップS5530では、報知演出遊技を中止した時点で報知演出遊技計数手段222Aに残っている遊技回数Mを、報知演出遊技の残り回数Rとして取得する報知演出残り回数(R)取得処理が行われる。この報知演出残り回数(R)取得処理が完了したら、次のステップS5540へ進む。
【0094】
ステップS5540では、残り回数取得手段224Aによって取得された残り回数(R)を累積加算(S=S+R)して残り回数の累積値(S)を算定するとともに、これにより算定した累積値(S)を保持する累積値(S)算定処理が累積値算定手段224Bによって行われ、この累積値(S)算定処理が完了したら、次のステップS5550へ進む。
ステップS5550では、累積値算定手段224Bによって累積加算された累積値(S)が上限累積値設定手段224Cに設定されている上限累積値(L)に達したか否かが判定される。
このステップS5550で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定されなかった場合、ステップS5550の終了により、当該報知演出移行設定処理も終了する。
【0095】
一方、ステップS5550で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定された場合、次のステップS5560へ進む。
ステップS5560では、累積値算定手段224Bの累積値に対して増数及び減数のいずれを行うかを選ぶとともに、増数又は減数する値の大きさを選ぶための増減抽選が行われる増数値(α)抽選処理が行われる。ここで、増減抽選で選ばれた増数値(α)が正の値である場合は、累積値を増数する一方、増減抽選で選ばれた増数値(α)が負の値である場合は、累積値を減数するようになっている。このような増数値(α)抽選処理が完了したら、次のステップS5565へ進む。
【0096】
ステップS5565では、終了回数設定手段222Bに設定されている終了回数(M)の値を変更する終了回数(M)変更処理(M=S+α)が行われる。
更に詳しく説明すると、ステップS5565では、まず、累積値算定手段224Bがその時点で保持している累積値(S)と累積値増減手段224Fで選んだ増数値(α)との和(S+α)を求め、終了回数(M)の値を前述の和(S+α)に変更する処理が行われる。このような終了回数(M)変更処理が完了したら、次のステップS5570へ進む。 ステップS5565では、終了回数(M)が(S+α)の値に変更されたことを契機に、回数変更フラグを成立させる回数変更フラグ成立処理を行う。この回数変更フラグ成立処理が完了したら、次のステップS5575へ進む。
【0097】
ステップS5575では、累積値(S)をリセットするリセット処理、すなわち、累積値(S)を「0」に戻す処理が行われる。このリセット処理が完了したら、次のステップS5580へ進む。
ステップS5580では、上限累積値設定手段224Cの上限累積値とすべき上限候補値を抽選で選ぶ上限候補値(K)抽選処理が上限値変更手段224Eによって行われ、この上限候補値(K)抽選処理で上限候補値(K)が抽選されたら、次のステップS5590へ進む。
ステップS5590では、上限累積値設定手段224Cに設定されている上限累積値(L)を変更する上限累積値変更処理(L=K)が行われる。この上限累積値変更処理で上限累積値(L)が変更されたら、以上により、報知演出移行設定処理は終了する。
【0098】
(第1実施形態の効果)
前述のような本第1実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、有利遊技である報知演出遊技の実行中に、予め設定された中止条件が成立する、例えば、チェリー役に入賞すると、報知演出遊技の実行回数が終了回数(M)に達していなくとも、報知演出遊技を中止する報知演出遊技中止手段223 と、報知演出遊技中止手段223 が報知演出遊技を中止すると、その時点における報知演出遊技の残り回数(R)を取得する残り回数取得手段224Aと、残り回数取得手段224Aが残り回数(R)を取得する毎に、残り回数取得手段224Aが取得した残り回数(R)を累積加算していくことで、残り回数(R)の累積値(S)を算定するとともに算定した累積値(S)を保持する累積値算定手段224Bとを設けたので、遊技者が、操作ミスなどによって報知演出遊技を中止する中止条件を成立させ、報知演出遊技の遊技回数が残っている状態で、報知演出遊技が中止されてしまうと、その時点で残っている報知演出遊技の残り回数(R)が残り回数取得手段224Aによって取得され、さらに、残り回数取得手段224Aが残り回数(R)を取得する毎に、累積値算定手段224Bが取得された残り回数(R)を累積加算していく。
【0099】
ここで、報知演出遊技を終了させる契機となる遊技回数である終了回数(M)を設定し保持する終了回数設定手段222Bと、累積値算定手段224Bで累積される残り回数(R)の累積値(S)の上限値である上限累積値(L)を設定し保持する上限累積値設定手段224Cと、累積値算定手段224Bの算定した累積値(S)が、上限累積値設定手段224Cに設定されている上限累積値(L)に達すると、終了回数設定手段222Bの終了回数(M)の値を、累積値算定手段224Bがその時点で保持している累積値(S)に基づく値に変更する終了回数変更手段224Dとを設け、累積値算定手段224Bが累積加算した残り回数(R)の累積値(S)が上限累積値設定手段224Cの上限累積値(L)に達すると、終了回数設定手段222Bに設定されている終了回数(M)を、累積値算定手段がその時点で保持している累積値(S)に基づく値に変更するようにしたので、遊技者が操作ミスで失った遊技回数に相当する回数の報知演出遊技を、その後の報知演出遊技で実行することができるようになる。
【0100】
従って、操作ミスによって報知演出遊技による利益を失っても、その後、遊技者が失った利益を取り戻すことができ、従って、遊技者が操作ミスによって報知演出遊技の利益を失った場合、失った報知演出遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができ、これにより、遊技者は、失った利益を取り戻すための遊技にチャレンジでき、この点から、遊技の興趣性を高めることができる。
しかも、操作ミスによって失われた有利遊技による利益は、累積値算定手段224Bによって、累積値として溜められ、累積値が上限累積値に達するまで開放されることはなく、累積値が上限累積値に達した状態で、有利遊技への移行に成功すれば、溜められた有利遊技の回数がまとめて開放されるようになるので、一種のプログレッシブ・ジャックポットゲームが形成され、これにより、失った有利遊技の利益を取り戻すことに遊技性を付与することができ、しかも、遊技の興趣性を向上することもできる。
【0101】
また、終了回数変更手段224Dが終了回数設定手段222Bの終了回数(M)の値を変更すると、上限累積値設定手段224Cの上限累積値(L)とすべき上限候補値(K)を選ぶ抽選を行い、上限累積値設定手段224Cに設定されている上限累積値(L)を、抽選で選んだ上限候補値(K)に変更する上限値変更手段を設け、上限累積値設定手段224Cが、上限候補値(K)の値に変更された上限累積値(L)を保持して次回以降の遊技で用いるようにしたので、残り回数(R)を上限累積値(L)まで累積していく処理が繰り返し行われると、当該処理が開始される毎に、異なる値の上限累積値(L)が採用されるようになる。
ここで、上限値変更手段224Eが変更する上限累積値(L)は、累積値算定手段224Bによる残り回数(R)の累積処理を終了させるタイミング、換言すると、累積値算定手段224Bに累積された残り回数(R)を開放するタイミングを決定するものであり、且つ、前述したように、残り回数(R)の累積処理を行う毎に、上限累積値(L)が異なる値に変更されるので、累積値算定手段224Bに溜まった残り回数(R)を開放するタイミングが予測困難となり、これにより、遊技者の期待感を膨らませることができ、遊技の興趣性を高めることができる。
【0102】
さらに、終了回数変更手段224Dが終了回数設定手段222Bの終了回数(M)の値を変更するにあたり、事前に、累積値算定手段224Bが保持している累積値(S)に対して、その値を増減する累積値増減手段224Fを設け、且つ、この累積値増減手段224Fが累積値(S)を増減するにあたり、累積値(S)に対して増減する値を抽選で選ぶようにしたので、終了回数変更手段224Dが終了回数設定手段222Bの終了回数(M)の変更を繰り返し行うと、ほぼ毎回、終了回数(M)が異なる値に変更されるようになる。
このため、累積値(S)が上限累積値(L)に達した後に開始される報知演出遊技は、終了回数(M)が抽選で増減されるため、遊技できる回数が多い場合もあれば、少ない場合もあり、遊技できる回数が多ければ、それだけ多くの利益が遊技者に与えられる。
【0103】
ここで、抽選で増減される終了回数(M)がとりうる値の最小値から最大値までの幅を広くすれば、遊技者が報知演出遊技を行う度に、故意に有利遊技を中止させ、報知演出遊技の残り回数(R)を累積していき、残り回数(R)を上限累積値(L)まで貯めた後、報知演出遊技を開始させた際に、運が良ければ、その遊技回数が著しく多くなる。
従って、遊技者がハイリスクを負えば、その分多くの見返りが得られることがあり、換言すると、リスクに見合ったリターンが得られる遊技が実現でき、これにより、遊技の興趣性を高めることができるうえ、この点からも、失った有利遊技の利益を取り戻すことに遊技性を付与することができる。
【0104】
[第2実施形態]
図11〜図13は、本発明の第2実施形態に係るものであり、図11には、本第2実施形態に係る報知演出制御手段23が示されている。
本第2実施形態は、前記第1実施形態における報知演出遊技の残り回数を内部で累積加算していく報知演出制御手段22を、報知演出遊技の残りセット数を内部で累積加算していく報知演出制御手段23としたものである。
なお、以下の説明においては、既に説明した手段、部品及び部材に同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略にする。
【0105】
すなわち、本第2実施形態に係る報知演出遊技は、所定回数の遊技が1セット分に設定されているとともにセット単位で実行されるセット単位有利遊技としてスロットマシン1に設けられている。
そして、報知演出制御手段23には、図11に示すように、報知演出遊技のセット数を設定し保持するセット数設定手段231 と、通常遊技の実行中に報知演出遊技への移行が可能な状態になると、その旨を報知する移行可能状態報知手段232 と、セット数設定手段231 が保持しているセット数を減数するセット数減数手段233 と、報知演出遊技への移行後、報知演出遊技の制御を行う報知演出実行制御手段234 と、報知演出遊技のセット数を変更するにあたり、事前にセット数の置き換え回数値を生成する変更回数生成手段235 とが設けられている。
【0106】
セット数設定手段231 は、当否抽選手段90による当否抽選の結果を示す抽選結果と、回転リール40が停止した際に有効入賞ライン上に表示される停止図柄とを遊技制御装置21から受け取るように形成されている。
また、セット数設定手段231 は、受け取った抽選結果及び停止図柄に基づいて、当否抽選の結果及び有効入賞ライン上の停止表示図柄を具体的に判定するように形成されている。
そして、セット数設定手段231 は、当否抽選手段90による当否抽選で所定の小役(例えば、ベル役)に当選し、且つ、当選した小役に入賞すると、予め記憶している所定値(F)を報知演出遊技のセット数(P)として設定し保持するものである。
【0107】
また、セット数設定手段231 の保持しているセット数(P)は、後述するセット数変更手段235Dによって変更可能となっている。
また、セット数設定手段231 は、その時点で保持しているセット数(P)を、随時、移行可能状態報知手段232 に渡すように形成されている。
移行可能状態報知手段232 は、遊技制御装置21からの抽選結果と、セット数設定手段231 からのセット数とを受け取るように形成され、抽選結果に基づいて、当否抽選の結果を具体的に判定し、受け取ったセット数に基づいて、セット数設定手段231 が保持しているセット数(P)の数値を判定するようになっている。
【0108】
そして、移行可能状態報知手段232 は、通常遊技実行中、セット数設定手段231 に保持されているセット数(P)が残っている、換言すると、セット数(P)が「1」以上の値となっている状態で、報知演出遊技へ移行する契機となる特定図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、当該図柄の組み合わせが停止表示されるストップスイッチ50の操作態様を遊技者に報知する操作態様報知を行うものである。
ここで、移行可能状態報知手段232 は、当否抽選手段90による当否抽選で特定図柄の組み合わせに係る役、具体的には、赤7プラム役、青7プラム役及びBARプラム役のいずれかに当選すると、操作態様報知を行うようになっている。
【0109】
移行可能状態報知手段232 は、操作態様報知を行うと、セット数減数手段233 へセット数減数指令を出すようになっている。
また、移行可能状態報知手段232 は、操作態様報知を行った遊技で、特定図柄に係る組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されなかった場合に、変更回数生成手段235 にセット数クリア指令を出すようになっている。
セット数減数手段233 は、移行可能状態報知手段232 が操作態様報知を行うと、セット数設定手段231 が保持しているセット数を減数するものである。
具体的には、セット数減数手段233 は、移行可能状態報知手段232 からセット数減数指令を受け取ると、セット数設定手段231 が保持しているセット数から「1」を減算することで、セット数の減数を行うようになっている。
【0110】
報知演出実行制御手段234 は、遊技制御装置21から当否抽選の結果に係る情報、及び、すべての回転リール40が停止した際に有効入賞ライン上に配置された図柄の組み合わせに係る情報を受け取ると、これらの情報に基づいて報知演出フラグを成立させ、これにより、報知演出遊技を開始するものである。
このような報知演出実行制御手段234 には、図11の如く、前述の特定図柄の組み合わせが停止表示されたことを契機に、通常遊技から報知演出遊技への移行を行う報知演出遊技移行手段234Aと、報知演出遊技の実行中に、当否抽選で何らかの役に当選したことを報知する報知演出を行う報知演出実行手段234Bと、報知演出遊技を終了させる遊技回数である終了回数を設定し保持する遊技回数設定手段234Cとが設けられている。
【0111】
報知演出遊技移行手段234Aは、移行可能状態報知手段232 を介してセット数設定手段231 からセット数を受け取り、受け取ったセット数に基づいて、セット数が残っているか否かの判定を行うようになっている。
そして、報知演出遊技移行手段234Aは、セット数が残っている状態で、特定図柄の組み合わせが停止表示されると、通常遊技から報知演出遊技へ移行させる移行許可を報知演出実行手段234Bに渡すようになっている。
報知演出実行手段234Bは、報知演出遊技移行手段234Aから移行許可を受け取った後、当否抽選で小役に当選すると、当該小役に係る図柄の組み合わせが停止表示されるように、スロットマシン1に設けられた3個のストップスイッチ50の操作の順番等、具体的には、スロットマシン1に設けられた3個のストップスイッチ50について、その操作順を遊技者に報知するものである。
【0112】
報知演出実行手段234Bは、報知演出遊技移行手段234Aを介してすべての回転リール40が停止した際に有効入賞ライン上に配置された図柄の組み合わせに係る情報を受け取り、この情報に基づいて遊技が終了したことを判定するものとなっている。
遊技回数設定手段234Cは、報知演出遊技1セット当たりの遊技回数、換言すると、1セット分の報知演出遊技において、遊技が行える最大の遊技回数(M)を設定し保持するものである。
そして、遊技回数設定手段234Cは、保持している遊技回数(M)を報知演出実行手段234Bに渡すものとなっている。
【0113】
ここで、報知演出実行手段234Bは、報知演出遊技移行手段234Aから移行許可を受け取った後、遊技回数設定手段234Cから遊技回数を受け取ると、受け取った遊技回数(M)の値から「1」ずつ減じていくカウントダウン処理を行い、その値が「0」になると、報知演出遊技を終了するものとなっている。
ここで、スロットマシン1は、移行可能状態報知手段232によってストップスイッチ50の操作態様が遊技者に報知された遊技で、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されると、報知演出遊技へ移行するように設定されている。
一方、スロットマシン1は、移行可能状態報知手段232によってストップスイッチ50の操作態様が遊技者に報知された遊技で、遊技者の操作ミス等によって、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されなかった場合、セット数設定手段231 に保持されている残りセット数がクリアされるように設定されている。
【0114】
そして、残りセット数がクリアされると、当否抽選で所定の小役(例えば、ベル役)に当選し、且つ、当選した小役に入賞しなければ、報知演出遊技への移行が不可能となるように設定されている。
以上において、変更回数生成手段235 は、移行可能状態報知手段232によってストップスイッチ50の操作態様が遊技者に報知された遊技で、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されなかった場合、セット数設定手段231 に保持されている残りセット数がクリアされる前に、当該残りセット数を取得して累積するものである。
このような変更回数生成手段235 には、図11の如く、前述の残りセット数を取得する残りセット数取得手段235Aと、残りセット数の累積加算を行う累積値算定手段235Bと、残りセット数の累積値の上限値である上限累積値を設定する上限累積値設定手段235Cと、セット数設定手段231 に保持されているセット数を変更するセット数変更手段235Dとが設けられている。
【0115】
残りセット数取得手段235Aは、移行可能状態報知手段232 からのセット数クリア指令を受け取れるようになっている。
そして、残りセット数取得手段235Aは、移行可能状態報知手段232 からセット数クリア指令を受け取ると、セット数設定手段231 からその時点におけるセット数、すなわち、残りセット数を受け取り、これにより、セット数設定手段231 からの残りセット数の取得を行うようになっている。
また、残りセット数取得手段235Aは、セット数設定手段231 から残りセット数を取得した後、セット数設定手段231 側のセット数をクリアするものとなっている。
【0116】
さらに、残り回数取得手段224Aは、セット数設定手段231 から残りセット数を取得すると、その度に、取得した残り回数である取得残りセット数を累積値算定手段235Bに渡すものである。
累積値算定手段235Bは、残りセット数取得手段235Aが残りセット数を取得する毎に、残りセット数取得手段235Aが取得した残り回数を累積加算していくことで、残りセット数の累積値を算定し、且つ、算定した累積値を保持するものである。
換言すると、累積値算定手段235Bは、残りセット数取得手段235Aから取得残りセット数を受け取るように形成され、且つ、取得残りセット数を受け取る度に、受け取った残りセット数を累積加算し、得られた累積値を算定するものとなっている。
【0117】
そして、累積値算定手段235Bは、保持している累積値を、随時、セット数変更手段235Dに渡すようになっている。
上限累積値設定手段235Cは、累積値算定手段235Bで累積される残りセット数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持し、且つ、保持している上限累積値を、随時、セット数変更手段235Dに渡すようになっている。
セット数変更手段235Dは、累積値算定手段235Bから累積値を受取可能とされ、且つ、上限累積値設定手段235Cから上限累積値を受取可能に形成されている。
そして、セット数変更手段235Dは、累積値算定手段235Bから累積値を取得し、当該累積値の値が上限累積値設定手段235Cに設定されている上限累積値に達すると、セット数設定手段231 に設定されているセット数の値を変更するものとなっている。
【0118】
(遊技制御処理)
次に、本第2実施形態に係る制御装置20による遊技制御処理について図12及び図13を参照しながら説明する。
ここで、本第2実施形態に係る遊技制御処理は、その報知演出処理及び報知演出移行設定処理が、前記第1実施形態に係る遊技制御処理と相違しているので、以下に、本第2実施形態に係る報知演出処理及び報知演出移行設定処理について説明する。
まず、本第2実施形態に係る遊技制御処理におけるステップS3000の報知演出処理について、図12を参照しながら、詳しく説明する。
【0119】
まず、図12に示すように、ステップS3100において、報知演出遊技への移行状態を示す報知演出フラグが成立中であるか否かが判定される。
このステップS3100で、報知演出フラグが成立中であると判定された場合、ステップS3300へ進む。
一方、ステップS3100で、報知演出フラグが成立中であると判定されなかった場合、次のステップS3200へ進む。
ステップS3200では、セット数設定手段231 に設定されているセット数(P)が残っているか否か、逆に言うと、セット数(P)の値が「0」以下か否かが判定される。
【0120】
ステップS3200で、セット数(P)の値が「0」以下であると判定された場合、当該ステップS3200の終了をもって当該報知演出処理も終了する。
一方、ステップS3200で、セット数(P)の値が「0」以下であると判定されなかった場合、次のステップS3210へ進む。
ステップS3210では、報知演出遊技へ移行する役に当選したか否かが判定される。
このステップS3210で、報知演出遊技へ移行する役に当選したと判定されなかった場合、当該ステップS3210の終了をもって当該報知演出処理も終了する。
一方、ステップS3210で、報知演出遊技へ移行する役に当選したと判定された場合、次のステップS3220へ進む。
【0121】
ステップS3220では、報知演出遊技へ移行する役に係る図柄の組み合わせが必ず有効入賞ライン上に停止表示されるストップスイッチ50の操作順番等、ストップスイッチ50の操作態様を報知する操作態様報知処理が行われる。この操作態様報知処理が完了すると、次のステップS3230へ進む。
ステップS3230では、セット数減数手段233 によってセット数設定手段231 が保持しているセット数から「1」を減算するセット数減数処理(P=P−1)が行われる。このステップS3230のセット数減数処理が完了すると、報知演出処理が終了する。
ところで、ステップS3100からステップS3300へ進んだ場合、ステップS3300では、当否抽選で当選した役が、その当選を報知演出で遊技者に報知すべき小役であるか否か、要約すると、当選を報知すべき役に当選したか否かが判定される。
【0122】
このステップS3300で、当選を報知すべき役に当選したと判定されなかった場合、ステップS3300の終了をもって当該報知演出処理も終了する。
一方、ステップS3300で、当選を報知すべき役に当選したと判定された場合、次のステップS3310へ進む。
ステップS3310では、当否抽選で当選した小役に係る図柄の組み合わせが必ず有効入賞ライン上に停止表示されるストップスイッチ50の操作順番等、ストップスイッチ50の操作態様を報知する操作態様報知処理が行われる。この操作態様報知処理が完了したら、次のステップS3320へ進む。
【0123】
ステップS3320では、遊技回数設定手段234Cの遊技回数のカウントダウンを行う遊技回数カウントダウン処理を行う。換言すると、ステップS3320では、遊技回数設定手段234Cが保持している遊技回数の値から「1」を減算する処理(M=M−1)が行われる。このステップS3320の遊技回数カウントダウン処理の完了により報知演出処理が終了する。
続いて、本第2実施形態に係る遊技制御処理におけるステップS5000の報知演出移行設定処理について、図13を参照しながら、詳しく説明する。
まず、図13に示すように、ステップS5100において、報知演出遊技への移行状態を示す報知演出フラグが成立中であるか否かが判定される。
【0124】
そして、このステップS5100で、報知演出フラグが成立中であると判定されなかった場合、ステップS5300へ進む一方、報知演出フラグが成立中であると判定された場合、次のステップS5200へ進む。
ステップS5200では、報知演出遊技の遊技回数Mが「0」以下であるか否か、換言すると、遊技回数Mが残っているか否かが判定される。
そして、このステップS5200で、遊技回数Mが「0」以下であると判定されなかった場合、当該ステップS5200をもって当該報知演出移行設定処理も終了する。
一方、ステップS5200で、遊技回数Mが「0」以下であると判定された場合、次のステップS5210へ進む。
【0125】
ステップS5210では、報知演出フラグを解除(リセット)して、報知演出遊技を終了させる報知演出終了処理を行う。そして、このステップS5210における報知演出終了処理が終了すると、当該報知演出移行設定処理も終了する。
ところで、ステップS5100からステップS5300へ進んだ場合、ステップS5300では、当否抽選で当選した役が、セット数を設定する特定の役、換言すると、セット数を設定する所定の小役(例えば、ベル役)であるか否かが判定される。
このステップS5300で、セット数を設定する特定の役に当選したと判定されなかった場合、ステップS5500へ進む。
【0126】
一方、ステップS5300で、セット数を設定する特定の役に当選したと判定された場合、次のステップS5400へ進む。
ステップS5400では、前述のセット数を設定する特定の役、換言すると、セット数を設定する所定の小役(例えば、ベル役)に入賞したか否かが判定される。
このステップS5400で、セット数を設定する特定の役に入賞したと判定されなかった場合、このステップS5400をもって当該報知演出移行設定処理も終了する。
一方、ステップS5400で、セット数を設定する特定の役に当選したと判定された場合、次のステップS5410へ進む。
【0127】
ステップS5410では、セット数設定手段231 に予め記憶されている所定値(F)を報知演出遊技のセット数(P)として設定するセット数(P)設定処理が行われる。
ここで、セット数(P)の値としては、一般的に「1」〜「10」の範囲から選択される。
ステップS5410におけるセット数(P)設定処理が完了すると、当該報知演出移行設定処理も終了する。
ここで、ステップS5300からステップS5500へ進んだ場合、ステップS5500では、前述のステップS3220において操作態様の報知がなされた移行役への入賞に成功したか否かが判定される。
【0128】
ステップS5500で、操作態様の報知がなされた移行役への入賞に成功したと判定されなかった場合、ステップS5600へ進む。
一方、ステップS5500で、操作態様の報知がなされた移行役への入賞に成功したと判定された場合、次のステップS5510へ進み、
ステップS5510では、報知演出フラグを成立(セット)して、通常遊技から報知演出遊技へ移行させる報知演出移行処理を行う。ステップS5510における報知演出移行処理が終了すると、次のステップS5515へ進む。
ステップS5515では、報知演出遊技の遊技回数(M)の初期値を設定する初期値設定処理を行う。ここで、遊技回数Mの初期値としては、一般的に「50」以下の数値、例えば、「30」が採用できる。
【0129】
そして、ステップS5515における初期値設定処理が終了すると、当該報知演出移行設定処理も終了する。
ステップS5600では、移行役への入賞に成功できなかった時点、換言すると、移行役への入賞に失敗した時点で、セット数設定手段231 に残っていたセット数(P)を残りセット数(Q)として、残りセット数取得手段235Aが取得する残りセット数(Q)取得処理が行われる。ステップS5600における残りセット数(Q)取得処理が完了したら、次のステップS5610へ進む。
ステップS5610では、残りセット数取得手段235Aが取得した残りセット数(Q)を累積加算(S=S+Q)して残りセット数の累積値(S)を算定するとともに、これにより算定した累積値(S)を保持する累積値(S)算定処理が累積値算定手段235Bによって行われ、この累積値(S)算定処理が完了したら、次のステップS5620へ進む。
【0130】
ステップS5620では、セット数設定手段231 に残っているセット数(P)をクリアするセット数(P)クリア処理がなされる。このステップS5620のセット数(P)クリア処理によって、セット数設定手段231 に残っているセット数(P)が「0」になったら、次のステップS5630へ進む。
ステップS5630では、累積値算定手段235Bによって累積加算された累積値(S)が上限累積値設定手段235Cに設定されている上限累積値(L)に達したか否かが判定される。
このステップS5630で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定されなかった場合、ステップS5630の終了をもって、当該報知演出移行設定処理も終了する。
【0131】
一方、ステップS5630で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定された場合、次のステップS5640へ進む。
ステップS5640では、セット数設定手段231 に設定されているセット数(P)の値を変更するセット数(P)変更処理(P=S)が行われる。このステップS5640におけるセット数(P)変更処理が完了したら、以上により、報知演出移行設定処理が終了する。
(第2実施形態の効果)
前述のような本第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0132】
すなわち、本第2実施形態では、セット単位有利遊技である報知演出遊技のセット数を設定し保持するセット数設定手段231 と、通常遊技実行中、セット数設定手段231 に保持されているセット数が残っており、且つ、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、当該図柄の組み合わせが停止表示されるストップスイッチ50の操作態様を遊技者に報知する操作態様報知を行う移行可能状態報知手段232 と、移行可能状態報知手段232 が操作態様報知を行うと、セット数設定手段231 が保持しているセット数を減数するセット数減数手段233 と、移行可能状態報知手段232 によってストップスイッチ50の操作態様が報知された遊技で、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示された場合、通常遊技から報知演出遊技へ移行させる報知演出遊技移行手段234Aとを設けたので、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、移行可能状態報知手段232 によって、当該図柄の組み合わせを停止表示させるためのストップスイッチ50の操作態様が遊技者に報知され、これにより、遊技者は、報知演出遊技への移行を容易に達成できる。なお、その代わりにセット数設定手段231 のセット数が減数される。
【0133】
この際、移行可能状態報知手段232 によってストップスイッチ50の操作態様が報知された遊技で、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されなかった場合、保持している残りのセット数である残りセット数(Q)をセット数設定手段231 から取得するとともにセット数設定手段231 側のセット数(P)をクリアする残りセット数取得手段235Aと、残りセット数取得手段235Aが残りセット数(Q)を取得する毎に、残りセット数取得手段235Aが取得した残りセット数(Q)を累積加算していくことで、残りセット数(Q)の累積値(S)を算定するとともに算定した累積値(S)を保持する累積値算定手段235Bとを設けたので、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示させるためのストップスイッチ50の操作態様が報知されているにもかかわらず、遊技者の操作ミス等で、報知演出遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されなかった場合、報知演出遊技への移行が失敗となり、しかも、セット数(P)がクリアされ、これにより、セット数設定手段231 に保持されていたセット数が失われ、次に、セット数(P)がセット数設定手段231 によって再設定されるまでの間、報知演出遊技へ移行する機会がなくなる。
【0134】
一方、セット数設定手段231 側のセット数がクリアされる前に、セット数設定手段231 に残っていた残りセット数(Q)は、残りセット数取得手段235Aによって取得される。そして、報知演出遊技への移行が失敗する毎に、残りセット数取得手段235Aによって残りセット数(Q)が取得されるとともに、取得された残りセット数(Q)が累積値算定手段235Bによって次々に累積され、これにより、その累積値(S)が次第に増えていくようになっている。
ここで、累積値算定手段235Bで累積される残りセット数(Q)の累積値(S)の上限値である上限累積値(L)を設定し保持する上限累積値設定手段235Cと、累積値算定手段235Bの算定した累積値(S)が、上限累積値設定手段235Cに設定されている上限累積値(L)に達すると、セット数設定手段231 が保持しているセット数(P)を、累積値算定手段235Bがその時点で保持している累積値(S)に変更するセット数変更手段235Dとを設け、累積値算定手段235Bが累積加算した残りセット数(Q)の累積値(S)が、上限累積値設定手段235Cに設定された上限累積値(L)に達すると、セット数設定手段231 が保持しているセット数(P)を、累積値算定手段235Bがその時点で保持している累積値(S)に変更するようにしたので、遊技者は、操作ミスで失ったセット数に相当する回数の報知演出遊技を、その後に移行した報知演出遊技で実行することができるようになる。
【0135】
このため、操作ミスによって報知演出遊技で有られる利益を失っても、その後、遊技者が失った利益を取り戻すことができ、従って、遊技者が操作ミスによって報知演出遊技の利益を失った場合には、失った報知演出遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができる。
[第3実施形態]
図14〜図16は、本発明の第3実施形態に係るものであり、図14には、本第3実施形態に係る報知演出制御手段24が示されている。
本第3実施形態は、前記第1実施形態における報知演出遊技の残り回数を内部で累積加算していく報知演出制御手段22を、パンク役への当選報知の実行回数であるナビ回数の残り回数を内部で累積加算していく報知演出制御手段24としたものである。
【0136】
以下に、本第3実施形態について説明するにあたり、前記第1及び第2実施形態の説明と重複する記載を省略し、本第3実施形態を簡潔に説明する。
本第3実施形態に係る報知演出遊技では、当該報知演出遊技の終了の契機となるパンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、その旨を遊技者に報知するパンク警戒報知が行われる情報報知遊技が有利遊技として設けられている。
このような報知演出遊技では、パンク役に入賞しない限り、報知演出遊技が何回でも繰り返し継続され、且つ、ナビ回数が残っている限り、当否抽選でパンク役に当選すると、その旨が遊技者に報知され、遊技者は、パンク役への入賞が回避できる。
【0137】
一方、本第3実施形態に係る報知演出遊技では、ナビ回数がなくなると、報知演出遊技が実行中でも、当否抽選でパンク役に当選したことが遊技者に報知されず、このため、遊技者は、当否抽選で当選したパンク役を回避することが困難となり、パンク役への入賞によって報知演出遊技が中止するようになっている。
このような報知演出遊技を行うための報知演出制御手段24には、図14に示すように、パンク役への当選報知の回数の上限であるナビ回数を設定し保持するナビ回数設定手段241 と、パンク役に当選するとパンク警戒報知を実行するパンク警戒報知手段242 と、パンク役に入賞すると、情報報知遊技を中止する情報報知遊技中止手段243 と、パンク警戒報知を実行するとナビ回数を減数するナビ回数減数手段244 と、報知演出遊技への移行後、報知演出遊技の制御を行う報知演出実行制御手段245 と、ナビ回数設定手段241 のナビ回数を変更するにあたり、事前にナビ回数の置き換え回数値を生成する変更回数生成手段246 とが設けられている。
【0138】
ナビ回数設定手段241 は、所定の条件の成立(例えば、ベル役への入賞)によって通常遊技から情報報知遊技へ移行することが決定すると、パンク警戒報知を実行することができる上限の回数であるナビ回数(U)を設定し保持するものである。
また、ナビ回数設定手段241 の保持しているナビ回数(U)は、後述するナビ回数変更手段246Dによって変更可能となっている。
さらに、ナビ回数設定手段241 は、パンク役への入賞によって、保持しているナビ回数(U)がクリアされ「0」となるように形成されている。
パンク警戒報知手段242 は、情報報知遊技実行中、ナビ回数設定手段241 の保持するナビ回数(U)が残っている状態で、パンク図柄の組み合わせ(例えば、チェリー役に係る図柄の組み合わせ)が停止表示可能な状態となると、パンク役に当選したことを遊技者に報知するパンク警戒報知を実行するものである。
【0139】
更に詳しく説明すると、パンク警戒報知手段242 は、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となると、パンク役への入賞が回避されるようになる、ストップスイッチ50の操作態様、例えば、操作順等を遊技者に報知するようになっている。
情報報知遊技中止手段243 は、遊技者によってパンク図柄の組み合わせが有効優勝ライン上に停止表示されると、情報報知遊技を中止する、具体的には、パンク役に当選したことの報知と、パンク役への入賞が回避できるストップスイッチ50の操作態様を報知することを中止するように形成されたものである。
ナビ回数減数手段244 は、パンク警戒報知手段242 がパンク警戒報知を実行すると、ナビ回数設定手段241 が保持しているナビ回数(U)を減数する処理、具体的には、ナビ回数(U)から「1」を減じる処理を行うものである。
【0140】
報知演出実行制御手段245 は、報知演出遊技への移行及び報知演出遊技における報知動作制御を行うものである。
この報知演出実行制御手段245 には、報知演出遊技へ移行させる特定図柄の組み合わせ(例えば、ベル役に係る図柄の組み合わせ)が有効入賞ライン上に停止表示されたことを契機に、通常遊技から報知演出遊技への移行を行う報知演出遊技移行手段245Aと、報知演出遊技の実行中に、当否抽選で小役に当選すると、当該小役に入賞するようにストップスイッチ50の操作態様を遊技者に知らせる報知演出実行手段245Bとが設けられている。
変更回数生成手段246 は、パンク警戒報知手段242 がパンク警戒報知を実行しているにもかかわらず、パンク役に係るパンク図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、ナビ回数設定手段241 に保持されている残りのナビ回数(U)がクリアされる前に、当該残りのナビ回数(U)を残りナビ回数(V)として取得するとともに累積するものである。
【0141】
このような変更回数生成手段246 には、図14の如く、前述の残りナビ回数を取得する残り回数取得手段246Aと、残りナビ回数(V)の累積加算を行う累積値算定手段246Bと、残りナビ回数の累積値(S)の上限値である上限累積値(L)を設定する上限累積値設定手段246Cと、ナビ回数設定手段241 に保持されているナビ回数(U)を変更するナビ回数変更手段246Dとが設けられている。
残り回数取得手段246Aは、情報報知遊技中止手段243 が当該情報報知遊技を中止した際に、残っているナビ回数(U)である残りナビ回数(V)をナビ回数設定手段241 から取得した後、ナビ回数設定手段241 側のナビ回数(U)をクリアするものである。
【0142】
累積値算定手段246Bは、残り回数取得手段246Aが残りナビ回数(V)を取得する毎に、残り回数取得手段246Aが取得した残りナビ回数(V)を累積加算していくことで、残りナビ回数(V)の累積値(S)を算定するとともに算定した累積値(S)を保持するものである。
上限累積値設定手段246Cは、累積値算定手段246Bで累積される残りナビ回数(V)の累積値(S)の上限値である上限累積値(L)を設定し保持するものである。
ナビ回数変更手段246Dは、累積値算定手段246Bの算定した累積値(S)が、上限累積値設定手段246Cに設定されている上限累積値(L)に達したことを条件に、ナビ回数設定手段241 が保持しているナビ回数(U)を、累積値算定手段246Bがその時点で保持している累積値(S)に変更するものである。
【0143】
(遊技制御処理)
次に、本第3実施形態に係る制御装置20による遊技制御処理について図15及び図16を参照しながら説明する。
ここで、本第3実施形態に係る遊技制御処理は、その報知演出処理及び報知演出移行設定処理が、前記第1実施形態に係る遊技制御処理と相違しているので、以下に、本第3実施形態に係る報知演出処理及び報知演出移行設定処理について説明する。
まず、本第3実施形態に係る遊技制御処理におけるステップS3000の報知演出処理について、図15を参照しながら、詳しく説明する。
【0144】
まず、図15に示すように、ステップS3100において、報知演出遊技への移行状態を示す報知演出フラグが成立中であるか否かが判定される。
このステップS3100で、報知演出フラグが成立中であると判定されなかった場合、当該ステップS3100の終了をもって当該報知演出処理も終了する。
一方、ステップS3100で、報知演出フラグが成立中であると判定された場合、次のステップS3200へ進む。
ステップS3200では、当否抽選で当選した役が報知対象となる小役であるか否か、換言すると、当選を報知すべき小役に当選したか否かが判定される。
【0145】
このステップS3200で、当選を報知すべき役に当選したと判定されなかった場合、ステップS3200の終了をもって当該報知演出処理も終了する。
一方、ステップS3200で、当選を報知すべき役に当選したと判定された場合、次のステップS3210へ進む。
ステップS3210では、今回の当否抽選でパンク役に当選したか否か、具体的には、チェリー役に当選したか否かが判定される。
このステップS3210で、パンク役に当選したと判定された場合、ステップS3300へ進む一方、ステップS3210で、パンク役に当選したと判定された場合、次のステップS3220へ進む。
【0146】
ステップS3220では、当否抽選で当選した役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるストップスイッチ50の操作態様を報知する入賞案内操作態様報知処理が行われる。このステップS3220における入賞案内操作態様報知処理が終了すると、当該報知演出処理も終了する。
ステップS3300では、ナビ回数設定手段241 に設定されているナビ回数(U)が残っているか否か、逆に言うと、ナビ回数(U)の値が「0」以下か否かが判定される。
ステップS3300で、ナビ回数(U)の値が「0」以下であると判定された場合、当該ステップS3300の終了をもって当該報知演出処理も終了する。
【0147】
一方、ステップS3300で、ナビ回数(U)の値が「0」以下であると判定されなかった場合、次のステップS3310へ進む。
ステップS3310では、パンク役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるのを回避できるストップスイッチ50の操作態様(例えば、ストップスイッチ50の操作順)を報知する入賞回避操作態様報知処理が行われる。この入賞回避操作態様報知処理が完了すると、次のステップS3330へ進む。
ステップS3320では、ナビ回数設定手段241 が保持しているナビ回数(U)から「1」を減算するナビ回数(U)減数処理(U=U−1)がナビ回数減数手段244 によって行われる。このステップS3320におけるナビ回数減数処理が完了すると、報知演出処理が終了する。
【0148】
続いて、本第3実施形態に係る遊技制御処理におけるステップS5000の報知演出移行設定処理について、図16を参照しながら、詳しく説明する。
まず、図13に示すように、ステップS5100において、報知演出遊技への移行状態を示す報知演出フラグが成立中であるか否かが判定される。
そして、このステップS5100で、報知演出フラグが成立中であると判定された場合、ステップS5300へ進む一方、報知演出フラグが成立中であると判定されなかった場合、次のステップS5200へ進む。
ステップS5200では、報知演出遊技へ移行する役(例えば、ベル役)に入賞したか否かが判定される。
【0149】
このステップS5200で、報知演出遊技へ移行する役に入賞したと判定されなかった場合、ステップS5200の終了により、当該報知演出移行設定処理も終了する。
一方、ステップS5200で、報知演出遊技へ移行する役に入賞したと判定された場合、次のステップS5210へ進む。
ステップS5210では、報知演出フラグを成立(セット)して、通常遊技から報知演出遊技へ移行させる報知演出フラグ成立処理を行う。そして、このステップS5210における報知演出フラグ成立処理が終了したら、次のステップS5220へ進む。
ステップS5220では、累積値算定手段246Bによって累積加算された累積値(S)が上限累積値設定手段246Cに設定されている上限累積値(L)に達したか否かが判定される。
【0150】
このステップS5220で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定されなかった場合、ステップS5230へ進む一方、ステップS5220で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定された場合、ステップS5240へ進む。
ステップS5230では、ナビ回数設定手段241 に予め記憶されている所定値(F)を、ナビ回数設定手段241 のナビ回数(U)として設定し保持させるナビ回数(U)設定処理が行われる。なお、所定値(F)は、「30」以下の適当な値が設定でき、例えば、「20」が採用できる。
ステップS5230におけるナビ回数(U)設定処理が完了すると、当該報知演出移行設定処理も終了する。
【0151】
ステップS5240では、ナビ回数設定手段241 に設定されているナビ回数(U)の値を、累積値算定手段246Bによって累積加算された累積値(S)に変更するナビ回数(U)変更処理(U=S)が行われる。このステップS5240におけるナビ回数(U)変更処理が完了すると、報知演出移行設定処理も終了する。
ところで、ステップS5100からステップS5300へ進んだ場合、ステップS5300では、今回の遊技においてパンク役に入賞したか否か、具体的には、チェリー役に入賞したか否かが判定される。
このステップS5300で、パンク役に入賞したと判定されなかった場合、このステップS5300の終了により、当該報知演出移行設定処理も終了する。
【0152】
一方、ステップS5300で、パンク役に入賞したと判定された場合、次のステップS5400へ進む。
ステップS5400では、報知演出フラグを解除(リセット)して、報知演出遊技を終了させる報知演出終了処理を行う。そして、このステップS5400における報知演出終了処理が終了したら、次のステップS5410へ進む。
ステップS5410では、パンク役に入賞した時点で、ナビ回数設定手段241 に残っていたナビ回数(U)を残りナビ回数(V)として、残り回数取得手段246Aが取得する残りナビ回数(V)取得処理が行われる。ステップS5410における残りナビ回数(V)取得処理が完了したら、次のステップS5420へ進む。
【0153】
ステップS5420では、残り回数取得手段246Aが取得した残りナビ回数(V)を累積加算(S=S+V)して残りナビ回数の累積値(S)を算定する累積値(S)算定処理が累積値算定手段246Bによって行われ、この累積値(S)算定処理が完了したら、次のステップS5430へ進む。
ステップS5430では、ナビ回数設定手段241 に残っているナビ回数(U)をクリアするナビ回数(U)クリア処理がなされる。このステップS5430のナビ回数(U)クリア処理によって、ナビ回数設定手段241 に残っているナビ回数(U)が「0」になったら、次のステップS5440へ進む。
【0154】
ステップS5440では、累積値算定手段246Bによって累積加算された累積値(S)が上限累積値設定手段246Cに設定されている上限累積値(L)に達したか否かが判定される。
このステップS5440で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定されなかった場合、ステップS5440の終了をもって、当該報知演出移行設定処理も終了する。
一方、ステップS5440で、累積値(S)が上限累積値(L)に達したと判定された場合、次のステップS5450へ進む。
ステップS5450では、ステップS5420において、累積値算定手段246Bが累積加算(S=S+V)して求めた残りナビ回数(V)の累積値(S)を累積値算定手段246Bに保持させる累積値(S)保持処理が行われ、このステップS5450における累積値(S)保持処理が完了すると、報知演出移行設定処理が終了する。
【0155】
(第3実施形態の効果)
前述のような本第3実施形態によれば、前記第1及び第2実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
すなわち、本第3実施形態では、所定の条件の成立によって通常遊技から情報報知遊技へ移行することが決定すると、パンク警戒報知を実行することができる上限の回数であるナビ回数(U)を設定し保持するナビ回数設定手段241 と、情報報知遊技実行中、ナビ回数(U)が残っている状態で、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となると、パンク警戒報知を実行するパンク警戒報知手段242 と、パンク警戒報知手段242 がパンク警戒報知を実行すると、ナビ回数設定手段241 が保持しているナビ回数(U)を減数するナビ回数減数手段244 とを設け、遊技者が情報報知遊技を行っている時に、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となると、パンク警戒報知が実行され、その旨を遊技者に知らせるようにしたので、遊技者は、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となっても、パンク図柄の組み合わせが停止表示されるのを回避でき、これにより、情報報知遊技の中止を回避して、情報報知遊技を継続できる。なお、その代わりにナビ回数設定手段241 のナビ回数(U)が減数される。
【0156】
この際、遊技者によってパンク図柄の組み合わせが停止表示されると、情報報知遊技を中止する情報報知遊技中止手段243 と、情報報知遊技中止手段243 が当該情報報知遊技を中止した際に、残っているナビ回数(U)である残りナビ回数(V)をナビ回数設定手段241 から取得するとともに、ナビ回数設定手段241 側のナビ回数(U)をクリアする残り回数取得手段246Aと、残り回数取得手段246Aが残りナビ回数(V)を取得する毎に、残り回数取得手段246Aが取得した残りナビ回数(V)を累積加算していくことで、残りナビ回数(V)の累積値(S)を算定するとともに算定した累積値(S)を保持する累積値算定手段246Bとを設けたので、パンク警戒報知がなされたにもかかわらず、遊技者が操作ミスによって、パンク図柄の組み合わせを停止表示させてしまった場合、情報報知遊技が中止され、この時点でナビ回数(U)が残っていると、残っているナビ回数(U)である残りナビ回数(V)がクリアされる前に、残りナビ回数(V)が残り回数取得手段246Aによって取得され、さらに、残り回数取得手段246Aが残りナビ回数(V)を取得する毎に、累積値算定手段246Bによって取得された残りナビ回数が累積加算されていく。
【0157】
ここで、累積値算定手段246Bで累積される残りナビ回数(V)の累積値(S)の上限値である上限累積値(L)を設定し保持する上限累積値設定手段246Cと、累積値算定手段246Bの算定した累積値(S)が、上限累積値設定手段246Cに設定されている上限累積値(L)に達すると、ナビ回数設定手段241 が保持しているナビ回数(U)を、累積値算定手段246Bがその時点で保持している累積値(S)に基づく値に変更するナビ回数変更手段246Dとを設けたので、累積値算定手段246Bが累積加算した残りナビ回数(V)の累積値(S)が上限累積値設定手段246Cの上限累積値(L)に達すると、ナビ回数設定手段241 が保持しているナビ回数(U)を、累積値算定手段246Bがその時点で保持している累積値(S)に変更し、遊技者が操作ミスで失ったナビ回数(U)の総数に相当する回数のパンク警戒報知が、その次の情報提供遊技で受けることができ、その分、多くの情報提供遊技を実行することができるようになる。
【0158】
このため、操作ミスによって情報提供遊技による利益を失っても、その後、遊技者が失った利益を取り戻すことができ、従って、遊技者が操作ミスによって情報提供遊技の利益を失った場合には、失った情報提供遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に自動的に与えることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、前記第1実施形態では、パンク役としてチェリー役等の小役を採用したが、パンク役は小役に限らず、小役だけでなくBBゲーム役をあわせて採用してもよい。
【0159】
この場合、異なる内容を要件とする複数種類の条件が中止条件として予め設定され、中止条件の成立によって報知演出遊技が中止されると、残り回数取得手段224Aが取得すべき残り回数(R)の値を、中止条件に応じて変更する中止対応変更手段を報知演出遊技中止手段223 に設けることが好ましい。
具体的には、チェリー役及びBBゲーム役がパンク役として採用され、チェリー役及びBBゲーム役のいずれか一方に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことが中止条件とされ、BBゲーム役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された際に、残り回数取得手段224Aが取得する残り回数の値(R1)と、チェリー役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された際に、残り回数取得手段224Aが取得する残り回数の値(R2)とを比較すると、残り回数の値(R2)の方が残り回数の値(R1)よりも大きくすることが好ましい。
【0160】
このようにすれば、遊技者にとって大きな利益獲得の契機であるBBゲーム役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことが報知演出遊技中止の条件として採用されると、多くの場合、操作ミスでなく、遊技者の意志で報知演出遊技が中止となる。BBゲーム役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことをも報知演出遊技中止の条件として加えた場合、チェリー役に係る図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、換言すると、操作ミスでチェリー役に入賞した場合よりもり小さい値の残り回数(R)を残り回数取得手段224Aが取得するようにすれば、失った報知演出遊技の利益を取り戻す機会を遊技者に与えるための遊技として、より相応しいものとなり、この点からも、遊技の興趣性を高めることができる。
【0161】
また、前記第1実施形態では、中止の時点で残っている遊技回数を累積加算される有利遊技をATゲームとしたが、本発明においては、残り回数の累積加算対象となる有利遊技は、ATゲームに限らず、ARTゲームでもよい。
【符号の説明】
【0162】
1 遊技機としてのスロットマシン 30 スタートスイッチ
40 回転リール 50 ストップスイッチ
61 図柄
222A 有利遊技計数手段としての報知演出遊技計数手段
222C 有利遊技終了手段としての報知演出遊技終了手段
223 有利遊技中止手段としての報知演出遊技中止手段
224A 残り回数取得手段 224B 累積値算定手段
224C 上限累積値設定手段 224D 終了回数変更手段
224E 上限値変更手段 224F 累積値増減手段
231 セット数設定手段 232 移行可能状態報知手段
233 セット数減数手段
234A セット単位有利遊技移行手段としての報知演出遊技移行手段
235A 残りセット数取得手段 235B 累積値算定手段
235C 上限累積値設定手段 235D セット数変更手段
241 ナビ回数設定手段 242 パンク警戒報知手段
244 ナビ回数減数手段 243 情報報知遊技中止手段
246A 残り回数取得手段 246B 累積値算定手段
246C 上限累積値設定手段 246D ナビ回数変更手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が記されているとともに回転動作する複数の回転リールと、前記複数の回転リールに回転を開始させるために操作されるスタートスイッチと、前記回転リールの回転を停止させるために操作されるストップスイッチとを備え、前記スタートスイッチの操作により前記回転リールを回転させた後、所定の図柄の組み合わせが停止表示されるように、前記ストップスイッチを操作して、前記回転リールを停止させる遊技を遊技者に行わせるように形成され、且つ、通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とが設定されているとともに、所定の契機で通常遊技から有利遊技へ移行するように形成されている遊技機であって、
有利遊技を終了させる契機となる遊技回数である終了回数を設定し保持する終了回数設定手段と、
有利遊技の開始にともない当該有利遊技の実行回数の計数を開始する有利遊技計数手段と、
前記有利遊技計数手段が計数する実行回数が、前記終了回数設定手段に設定されている終了回数に達したら有利遊技を終了させる有利遊技終了手段と、
有利遊技実行中に予め設定された中止条件が成立すると、有利遊技の実行回数が終了回数に達していなくとも、有利遊技を中止する有利遊技中止手段と、
前記有利遊技中止手段が有利遊技を中止すると、その時点における有利遊技の残り回数を取得する残り回数取得手段と、
前記残り回数取得手段が残り回数を取得する毎に、前記残り回数取得手段が取得した残り回数を累積加算していくことで、残り回数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段と、
前記累積値算定手段で累積される残り回数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段と、
前記累積値算定手段の算定した累積値が、前記上限累積値設定手段に設定されている上限累積値に達すると、前記終了回数設定手段に設定されている終了回数の値を、前記累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更する終了回数変更手段とが設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記終了回数変更手段が前記終了回数設定手段の終了回数の値を変更すると、前記上限累積値設定手段の上限累積値とすべき上限候補値を選ぶ抽選を行い、前記上限累積値設定手段に設定されている上限累積値を、抽選で選んだ上限候補値に変更する上限値変更手段が設けられ、
前記上限累積値設定手段は、上限候補値の値に変更された上限累積値を保持して次回以降の遊技で用いることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記終了回数変更手段が前記終了回数設定手段の終了回数の値を変更するにあたり、事前に、前記累積値算定手段が保持している累積値に対して、その値を増減する累積値増減手段が設けられ、
前記終了回数変更手段は、前記累積値算定手段が保持している累積値が前記累積値増減手段によって増減された場合、前記終了回数設定手段に設定されている終了回数の値を変更する際に、増減後の累積値を用いて前記終了回数設定手段の終了回数の値を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記有利遊技中止手段は、異なる内容を要件とする複数種類の条件が中止条件として予め設定されたものとされ、
中止条件の成立によって有利遊技が中止されると、前記残り回数取得手段が取得すべき残り回数の値を、中止条件に応じて変更する中止対応変更手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
外周面に複数種類の図柄が記されているとともに回転動作する複数の回転リールと、前記複数の回転リールに回転を開始させるために操作されるスタートスイッチと、前記回転リールの回転を停止させるために操作されるストップスイッチとを備え、前記スタートスイッチの操作により前記回転リールを回転させた後、所定の図柄の組み合わせが停止表示されるように、前記ストップスイッチを操作して、前記回転リールを停止させる遊技を遊技者に行わせるように形成され、且つ、通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とが設定されているとともに、所定の契機で通常遊技から有利遊技へ移行するように形成されている遊技機であって、
所定回数の遊技が1セット分に設定されているとともにセット単位で実行されるセット単位有利遊技が有利遊技として設けられ、
セット単位有利遊技のセット数を設定し保持するセット数設定手段と、
通常遊技実行中、前記セット数設定手段に保持されているセット数が残っており、且つ、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、当該図柄の組み合わせが停止表示されるストップスイッチの操作態様を遊技者に報知する操作態様報知を行う移行可能状態報知手段と、
前記移行可能状態報知手段が操作態様報知を行うと、前記セット数設定手段が保持しているセット数を減数するセット数減数手段と、
前記移行可能状態報知手段によってストップスイッチの操作態様が報知された遊技で、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示された場合、通常遊技からセット単位有利遊技へ移行させるセット単位有利遊技移行手段と、
前記移行可能状態報知手段によってストップスイッチの操作態様が報知された遊技で、セット単位有利遊技へ移行する契機となる図柄の組み合わせが停止表示されなかった場合、保持している残りのセット数である残りセット数を前記セット数設定手段から取得するとともに前記セット数設定手段側のセット数をクリアする残りセット数取得手段と、
前記残りセット数取得手段が残りセット数を取得する毎に、前記残りセット数取得手段が取得した残りセット数を累積加算していくことで、残りセット数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段と、
前記累積値算定手段で累積される残りセット数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段と、
前記累積値算定手段の算定した累積値が、前記上限累積値設定手段に設定されている上限累積値に達すると、前記セット数設定手段が保持しているセット数を、前記累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更するセット数変更手段とが設けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項6】
外周面に複数種類の図柄が記されているとともに回転動作する複数の回転リールと、前記複数の回転リールに回転を開始させるために操作されるスタートスイッチと、前記回転リールの回転を停止させるために操作されるストップスイッチとを備え、前記スタートスイッチの操作により前記回転リールを回転させた後、所定の図柄の組み合わせが停止表示されるように、前記ストップスイッチを操作して、前記回転リールを停止させる遊技を遊技者に行わせるように形成され、且つ、通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な有利遊技とが設定されているとともに、所定の条件で通常遊技から有利遊技へ移行するように形成されている遊技機であって、
有利遊技の終了の契機となるパンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態になると、その旨を遊技者に報知するパンク警戒報知が行われる情報報知遊技が有利遊技として設けられ、
所定の条件の成立によって通常遊技から情報報知遊技へ移行することが決定すると、パンク警戒報知を実行することができる上限の回数であるナビ回数を設定し保持するナビ回数設定手段と、
情報報知遊技実行中、ナビ回数が残っている状態で、パンク図柄の組み合わせが停止表示可能な状態となると、パンク警戒報知を実行するパンク警戒報知手段と、
前記パンク警戒報知手段がパンク警戒報知を実行すると、前記ナビ回数設定手段が保持しているナビ回数を減数するナビ回数減数手段と、
遊技者によってパンク図柄の組み合わせが停止表示されると、当該情報報知遊技を中止する情報報知遊技中止手段と、
前記情報報知遊技中止手段が当該情報報知遊技を中止した際に、残っているナビ回数である残りナビ回数を前記ナビ回数設定手段から取得するとともに、前記ナビ回数設定手段側のナビ回数をクリアする残り回数取得手段と、
前記残り回数取得手段が残りナビ回数を取得する毎に、前記残り回数取得手段が取得した残りナビ回数を累積加算していくことで、残りナビ回数の累積値を算定するとともに算定した累積値を保持する累積値算定手段と、
前記累積値算定手段で累積される残りナビ回数の累積値の上限値である上限累積値を設定し保持する上限累積値設定手段と、
前記累積値算定手段の算定した累積値が、前記上限累積値設定手段に設定されている上限累積値に達すると、前記ナビ回数設定手段が保持しているナビ回数を、前記累積値算定手段がその時点で保持している累積値に基づく値に変更するナビ回数変更手段とが設けられていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−205819(P2012−205819A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74716(P2011−74716)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】