説明

遊技機

【課題】外枠と遊技機本体とを備えた遊技機において、遊技を進行させる上で用いられる遊技機構成装置などを設置するためのスペースの拡張を良好に実現可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有している。外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。この場合、外枠11の下枠部11aには幕板ユニット16が設置されている。幕板ユニット16には排出通路ユニットが搭載されており、遊技機本体12から排出される遊技球は当該排出通路ユニットに形成された幕板側排出通路部を通じて島設備に排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ機は、遊技場への設置に際して島設備に固定される外枠と、当該外枠に対して開閉可能に支持された遊技機本体とを備えている。遊技機本体には遊技盤が搭載されており、当該遊技盤の遊技領域における遊技球の流下態様等を視認することにより遊技が行われる。また、例えば外枠の下枠部と遊技機本体との間には、遊技場の設置台に対する遊技機本体の底面の高さ位置を所定のものとする等のために、前面が幕板により塞がれた幕板領域等が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−49315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、遊技機を構成する部品のメンテナンスを好適に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技機を構成する部品のメンテナンスを好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技場の島設備に固定される外枠と、開閉可能に支持された開閉体と、を備えた遊技機において、
遊技を進行させる上で用いられる遊技機構成装置が搭載された特定ユニットが、前記外枠の下枠部よりも上方であって前記開閉体よりも下方の範囲に一部が入り込むようにして設けられており、
前記外枠及び前記特定ユニットのうち一方に設けられた軸部と、他方に設けられた軸受け部と、を備え、
前記特定ユニットは、前記軸部及び前記軸受け部により、遊技機前方に開放させることができるように前記外枠に開閉可能に支持されており、
前記開閉体が開放される場合に前記外枠側に前記特定ユニットが待機可能な構成であって、前記開閉体と前記特定ユニットとを一体的に遊技機前方に開放させることが可能な構成であり、
前記軸受け部からの前記軸部の離脱を阻止し、その阻止の解除が可能である離脱阻止手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技機を構成する部品のメンテナンスを好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態におけるパチンコ機の構成を示す前方から見た斜視図。
【図2】パチンコ機の構成を示す後方から見た斜視図。
【図3】パチンコ機の主要な構成を分解して示す分解斜視図。
【図4】内枠の構成を示す正面図。
【図5】遊技盤の構成を示す正面図。
【図6】内枠の構成を示す背面図。
【図7】裏パックユニットの構成を示す正面図。
【図8】外枠及び幕板ユニットの構成を示す斜視図。
【図9】幕板ユニットの構成を示す分解斜視図。
【図10】幕板ユニットの構成を示す分解斜視図。
【図11】外枠に対して遊技機本体及び幕板ユニットを開放させた状態を説明するための説明図。
【図12】(a)外枠からの幕板ユニットの取り外しが規制された状態を説明するための説明図、(b)外枠からの幕板ユニットの取り外しが許容された状態を説明するための説明図。
【図13】(a),(b)幕板ユニットのロック機構の構成を説明するための説明図。
【図14】遊技機本体における遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図。
【図15】排出通路ユニットの構成を示す分解斜視図。
【図16】(a)排出通路ユニットの構成を説明するための幕板ユニットの平面図、(b)図16(a)のA―A線断面図。
【図17】(a),(b)第2通路ユニットの構成を説明するための説明図。
【図18】(a),(b)第2通路ユニットの回動範囲を説明するための説明図。
【図19】(a)島設備をパチンコ機の背面側から見た状態を説明するための説明図、(b)図19(a)の一部を拡大して示す拡大図。
【図20】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。
【図21】第2の実施の形態における第2通路ユニットの構成を示す斜視図。
【図22】第2通路ユニットの構成を示す分解斜視図。
【図23】(a),(b)第2通路ユニットの動きを説明するための説明図。
【図24】(a)〜(c)延長治具の構成を説明するための説明図。
【図25】第3の実施の形態における第2通路ユニットの構成を説明するための説明図。
【図26】第2通路ユニットの構成を説明するための説明図。
【図27】(a),(b)第4の実施の形態における第2通路ユニットの構成を説明するための説明図。
【図28】(a)〜(c)別の第2通路ユニットの構成を説明するための説明図。
【図29】(a),(b)別の第2通路ユニットの構成を説明するための説明図。
【図30】別の幕板側排出通路部の構成を説明するための説明図。
【図31】別の幕板側排出通路部の構成を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0010】
手段1.遊技場の島設備(島設備191)に固定される外枠(外枠11)と、当該外枠に開閉可能に支持された遊技機本体(遊技機本体12)と、を備え、遊技を行う上で使用された遊技媒体を前記島設備に排出する遊技機において、
前記遊技を行う上で使用された遊技媒体を前記島設備に導く排出通路部を有する排出手段(排出通路ユニット96等)を備えており、
当該排出手段は、前記排出通路部の出口部(球出口179)の位置を変更することを可能とする変更許容構造(第2通路ユニット153等)を有していることを特徴とする遊技機。
【0011】
手段1によれば、変更許容構造により排出通路部の出口部の位置を変更することができるため、従来の回収容器を設けなくても、島設備への遊技媒体の排出を良好に行える位置に排出通路部の出口部の位置を調整することができる。これにより、従来の回収容器が設けられていた領域を、遊技機構成装置を設置するための領域として有効活用することができる。
【0012】
手段2.遊技場の島設備(島設備191)に固定される外枠(外枠11)と、当該外枠に開閉可能に支持された遊技機本体(遊技機本体12)と、を備え、遊技を行う上で使用された遊技媒体を前記島設備に排出する遊技機において、
前記遊技を行う上で使用された遊技媒体を前記島設備に導く排出通路部を有する排出手段(排出通路ユニット96等)を備えており、
当該排出手段は、前記排出通路部の出口部(球出口179)の高さ位置を、前記外枠の下枠部(下枠部11a)の下端面よりも下方において変更することを可能とする変更許容構造(第2通路ユニット153等)を有していることを特徴とする遊技機。
【0013】
手段2によれば、変更許容構造により排出通路部の出口部の高さ位置を下枠部の下端面よりも下方において変更することができるため、従来の回収容器を設けなくても、島設備における遊技媒体を循環させるべく誘導する誘導部の近くの位置にて遊技媒体の排出を行うことが可能となる。これにより、従来の回収容器が設けられていた領域を、遊技機構成装置を設置するための領域として有効活用することができる。
【0014】
特に、島設備に設置された誘導部の近くの位置にて遊技媒体の排出を行うようにすることで、排出通路部から排出された遊技媒体が誘導部上に到達した場合に当該誘導部上に掛かる負荷が低減される。これにより、誘導部の破損等を抑えつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0015】
手段3.手段2において、前記変更許容構造は、前記出口部の高さ位置を、所定の下限位置を限度として、前記下枠部の下端面よりも下方における予め定められた位置に段階的に変更することを可能とする又は任意の位置に変更することを可能とするものであることを特徴とする遊技機。
【0016】
手段3によれば、排出通路部の出口部の高さ位置を、下枠部の下端面よりも下方において調整する際の自由度を高めることができるため、当該高さ位置の調整を良好に行うことができる。
【0017】
手段4.手段2又は3において、前記変更許容構造は、前記出口部の高さ位置を、前記下枠部の下端面よりも上方の位置に変更することを可能とするものであり、さらに前記出口部の高さ位置を前記下枠部の下端面よりも上方とした位置にて保持する保持手段(ラック部181、爪部184)を有していることを特徴とする遊技機。
【0018】
手段4によれば、排出通路部の出口部の高さ位置を、下枠部の下端面よりも上方の位置にて保持させることができるため、例えば、遊技機の搬送時などには、排出通路部が下枠部の下端面よりも下方に突出しないようにすることができる。よって、遊技機の搬送時の利便性を向上させつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0019】
手段5.手段4において、前記遊技機本体は両側部のうち一方を開閉基端側として前記外枠に開閉可能に支持されており、
前記変更許容構造は、前記出口部を含め前記排出通路部の少なくとも下流側を形成する通路形成部(通路樋172等)を手動操作することにより前記出口部の高さ位置の変更を可能とするものであり、
さらに前記通路形成部の基端部は、前記開閉基端側に設けられており、
前記出口部の高さ位置を前記下枠部の下端面よりも上方とした位置のうち所定の位置では、前記通路形成部の先端部(先端部178)は前記遊技機本体における開閉先端側の位置にあることを特徴とする遊技機。
【0020】
手段5によれば、通路形成部を手動操作することで排出通路部の出口部の高さ位置を調整することができるため、調整作業を容易に行うことができる。また、出口部の高さ位置を下枠部の下端面よりも上方とした位置のうち所定の位置では、通路形成部の先端部が遊技機本体における開閉先端側に位置している。これにより、例えば、排出通路部の出口部の高さ位置を下枠部の下端面よりも上方とする場合には、上記開閉先端側に対して手を差し入れることで当該高さ位置の調整操作を行うことができ、開閉基端側に対して手を差し入れる場合に比べ、その調整作業を容易に行うことができる。
【0021】
手段6.手段2乃至5のいずれか1において、前記変更許容構造は、前記出口部の高さ位置の変更を可能とするものであるとともに、前記出口部の位置を、遊技機前後方向に変更することを可能とするものであることを特徴とする遊技機。
【0022】
手段6によれば、排出通路部の出口部の位置を、高さ方向だけでなく遊技機前後方向にも調整することができるため、排出通路部の出口部の位置を調整する際の自由度を高めることができるため、当該位置の調整を良好に行うことができる。
【0023】
手段7.手段2乃至6のいずれか1において、前記排出手段は、前記出口部を含め前記排出通路部の少なくとも下流側を形成する樋状の通路形成部(通路樋172等)を備えており、
前記変更許容構造は、前記通路形成部の全体又は一部を回動させる回動手段(円盤171等)を備えており、前記通路形成部を回動させることにより前記出口部の高さ位置の変更を可能とするものであることを特徴とする遊技機。
【0024】
手段7によれば、通路形成部を回動させるという比較的簡素な構造により、排出通路部の出口部の高さ位置を調整することができる。
【0025】
手段8.手段7において、前記通路形成部における前記出口部の高さ位置が前記下枠部の下端面よりも下方にある場合の回動範囲には、前記排出通路部の通路方向が下り傾斜となる範囲が含まれていることを特徴とする遊技機。
【0026】
手段8によれば、排出通路部の通路方向が下り傾斜となっている場合、遊技媒体が鉛直落下する場合よりも、島設備の誘導部に到達した際の遊技媒体の排出速度を抑えることが可能となる。これにより、排出通路部から排出された遊技媒体が誘導部上に到達した場合に当該誘導部上に掛かる負荷が低減される。よって、誘導部の破損等を抑えつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0027】
手段9.手段7又は8において、前記排出通路部は、前記島設備に設置された循環設備の誘導部(誘導部192)に遊技媒体を排出するものであり、前記誘導部上に排出された遊技媒体は当該誘導部の傾斜に沿って流下することで所定の領域に誘導されるものであり、
前記通路形成部における前記出口部の高さ位置が前記下枠部の下端面よりも下方にある場合の回動範囲には、前記排出通路部の通路方向が前記誘導部の下り傾斜となった側に向けて下り傾斜となる範囲が含まれていることを特徴とする遊技機。
【0028】
手段9によれば、排出通路部の通路方向を島設備の誘導部の下り傾斜となった側に向けて下り傾斜となる方向に調整することで、排出通路部から排出された遊技媒体は円滑に誘導部上を流れることとなる。
【0029】
手段10.手段7乃至9のいずれか1において、前記通路形成部の先端部は、前記排出通路部の通路方向が下り傾斜となった場合に底部及び天井部となる各通路壁に1の遊技媒体よりも大きな開口(開口部194a,195a)を有するアーチ状に形成されていることを特徴とする遊技機。
【0030】
排出通路部の通路方向が下り傾斜となった状態において通路形成部の先端部が誘導部上に載った状態となることで、排出通路部から排出された遊技媒体が誘導部上に到達した場合に当該誘導部上に掛かる負荷を抑えることが可能となる。但し、通路形成部の先端部を誘導部上に載せると、誘導部上において通路形成部の先端部よりも上流側から流れてくる遊技媒体の流れを当該先端部にて阻害してしまうことが懸念される。これに対して、手段10によれば、通路形成部の先端部がアーチ状に形成されていることにより、通路形成部の先端部を誘導部上に載せたとしても、誘導部上において通路形成部の先端部よりも上流側から流れてくる遊技媒体は通路形成部のアーチ状の先端部を通過することが可能である。よって、誘導部上の遊技媒体の流れを阻害しないようにしつつ、通路形成部の先端部を誘導部上に載せることが可能となる。
【0031】
手段11.手段7乃至10のいずれか1において、前記回動手段は、前後方向を回動軸として回動可能に支持された回動部材(円盤171等)を備えており、
前記通路形成部は、前記回動部材に片持ち支持されており、前記回動部材の回動に伴って一体的に回動するものであることを特徴とする遊技機。
【0032】
手段11によれば、回動部材を設けるとともに、当該回動部材に通路形成部を片持ち支持させるという比較的簡素な構造により、排出通路部の出口部の高さ位置を調整することができる。
【0033】
手段12.手段11において、前記遊技機本体は両側部のうち一方を開閉基端側として前記外枠に開閉可能に支持されており、
前記回動部材は、前記通路形成部を手動操作することによる当該通路形成部の回動操作を可能とするよう形成されており、
さらに前記回動部材は、前記開閉基端側に設けられており、
前記通路形成部における前記出口部の高さ位置が前記下枠部の下端面よりも上方にある場合の回動範囲には、前記通路形成部の前記片持ち支持された側の基端部と先端部とが遊技機左右方向に最も離間された状態となる特定回動位置が含まれており、
当該特定回動位置において、前記通路形成部の先端部は、前記遊技機本体における開閉先端側の位置にあることを特徴とする遊技機。
【0034】
手段12によれば、通路形成部を手動操作することで通路形成部を回動操作することができ、これにより排出通路部の出口部の高さ位置を調整することができるため、調整作業を容易に行うことができる。また、出口部の高さ位置を下枠部の下端面よりも上方とした場合の特定回動位置では、通路形成部の先端部が遊技機本体における開閉先端側に位置している。これにより、例えば、排出通路部の出口部の高さ位置を下枠部の下端面よりも上方とする場合には、上記開閉先端側に対して手を差し入れることで当該高さ位置の調整操作を行うことができ、開閉基端側に対して手を差し入れる場合に比べ、その調整作業を容易に行うことができる。
【0035】
手段13.手段7乃至10のいずれか1において、前記回動手段は、前記通路形成部の基端側に設けられ、縦方向を回動軸とする第1回動部(第1可動部233)と、前記通路形成部の途中位置であって前記第1回動部よりも先端側に設けられ、横方向を回動軸とする第2回動部(第2可動部234)と、を備えており、
前記第1回動部を回動軸として前記通路形成部を回動させることにより前記出口部の遊技機前後方向の位置を変更することが可能であるとともに、前記第2回動部を回動軸として前記通路形成部を回動させることにより前記出口部の高さ位置を変更することが可能であることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段13によれば、排出通路部の出口部の位置を、高さ方向だけでなく遊技機前後方向にも調整することができるため、排出通路部の出口部の位置を調整する際の自由度を高めることができるため、当該位置の調整を良好に行うことができる。また、回動部を複数設けるという比較的簡素な構造により、上記優れた効果を得ることができる。
【0037】
手段14.手段7乃至13のいずれか1において、前記回動手段は、前記通路形成部の回動を阻止し、前記出口部の高さ位置を保持するとともに、保持解除操作に応じて保持状態を解除する保持手段(ラック部181、爪部184)を備えており、
当該保持手段は、前記出口部の高さ位置を下方へ移動させる場合又は上方へ移動させる場合のうち一方の場合には、前記保持解除操作を行わなくても前記通路形成部にその回動方向に所定の外力を加えることで前記通路形成部が回動するとともに、他方の場合には、前記通路形成部にその回動方向に前記所定の外力を加えても前記通路形成部が回動することなく前記保持解除操作を要するように形成されていることを特徴とする遊技機。
【0038】
手段14によれば、保持手段が設けられていることにより、通路形成部の回動位置を所望の位置にて保持させることができる。また、少なくとも保持解除操作を行った場合には、保持された状態が解除され、通路形成部の回動位置を変更することができる。
【0039】
この場合に、出口部の高さ位置を下方へ移動させる場合又は上方へ移動させる場合の一方の場合には、保持解除操作を行わなくても、通路形成部にその回動方向に所定の外力を加えることで回動させることができるため、その際の作業性が向上する。その一方、所定の外力が加わったとしても回動しない側への回動方向については、保持解除操作を要するため、その通路形成部の回動位置を強固に保持することができる。
【0040】
手段15.手段7乃至13のいずれか1において、前記回動手段は、前記通路形成部の回動を阻止し、前記出口部の高さ位置を保持するとともに、保持解除操作に応じて保持状態を解除する保持手段(ラック部181、爪部184)を備えており、
当該保持手段は、前記出口部の高さ位置を上方へ移動させる場合には、前記保持解除操作を行わなくても前記通路形成部に対して前記出口部の高さ位置を上方へ移動させる回動方向に所定の外力を加えることで前記通路形成部が回動するとともに、前記出口部の高さ位置を下方へ移動させる場合には、前記通路形成部に前記所定の外力を加えても前記通路形成部が回動することなく前記保持解除操作を要するように形成されていることを特徴とする遊技機。
【0041】
手段15によれば、保持手段が設けられていることにより、通路形成部の回動位置を所望の位置にて保持させることができる。また、少なくとも保持解除操作を行った場合には、保持された状態が解除され、通路形成部の回動位置を変更することができる。
【0042】
この場合に、出口部の高さ位置を上方へ移動させる場合には、保持解除操作を行わなくても、通路形成部に所定の外力を加えることで回動させることができるため、その際の作業性が向上する。特に、出口部の高さ位置を上方へ移動させる場合とは、遊技機のメンテナンスを行う場合などであり、上記構成とすることで、当該メンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0043】
その一方、出口部の高さ位置を下方へ移動させる場合には、通路形成部に所定の外力を加えたとしても回動することなく、保持解除操作を要する。通路形成部には自重により、出口部の高さ位置を下方へ移動させる方向に力が加わっているため、出口部の高さ位置を所望の位置に調整した状態を良好に維持することができるようにするためには、出口部の高さ位置を下方へ移動させる方向の力に対向する大きな保持力が必要となる。この場合に、当該方向への回動に際しては保持解除操作を要するようにしたことにより、出口部の高さ位置を所望の位置に調整した状態を良好に維持することができる。
【0044】
手段16.手段15において、前記通路形成部は、前記保持解除操作を行った場合、前記通路形成部は自重により前記出口部の高さ位置を下方へ移動させる方向に回動するものであることを特徴とする遊技機。
【0045】
手段16によれば、手段15の構成を備え、出口部の高さ位置を下方へ移動させる場合には保持解除操作を要するようにした構成において、調整作業として出口部の高さ位置を下方へ移動させる場合には保持解除操作を行うことで、通路形成部は自重によって自ずと回動する。これにより、出口部の高さ位置を下方へ移動させる場合の作業性を向上させることができる。
【0046】
手段17.手段14乃至16のいずれか1において、前記通路形成部は、前記外枠に設けられており、前記遊技機本体を前記外枠から開放する場合に前記外枠に残るものであり、
前記保持手段における前記保持解除操作が行われる操作部(操作レバー183)は、前記遊技機本体を前記外枠に対して開放した場合に前記通路形成部の上方から操作可能に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0047】
手段17によれば、保持解除操作を行う場合には、通路形成部の上方から操作部を操作すればよいため、上方から操作部を操作できない場合に比べ、当該操作の操作性を向上させることができる。
【0048】
手段18.手段1乃至6のいずれか1において、前記変更許容構造は、内側空間に前記排出通路部が形成され、当該排出通路部の通路方向を遊技媒体の通過を可能とした状態で変更可能な柔軟性を有する通路形成部(管状蛇腹263)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0049】
手段18によれば、通路形成部を所望の方向に曲げることで、排出通路部の出口部の位置を変更することができる。これにより、出口部の位置を調整する際の自由度を高めることが可能となる。
【0050】
なお、通路形成部の出口部の位置を遊技機の前後方向に調整可能な構成としてもよく、それに加え又は代えて、通路形成部の出口部の位置を遊技機の左右方向に調整可能な構成としてもよい。
【0051】
手段19.手段18において、前記変更許容構造は、前記通路形成部を所定方向に傾斜させた状態で下方から支持する支持面(土台262の上面)と、前記通路形成部の途中位置から先端側が下方に曲がり前記支持面から垂れ下がった状態を保持する曲げ状態保持手段(挿通孔267)と、を備えており、
前記通路形成部の前記支持面からの垂れ下がり量を異ならせることにより、前記出口部の高さ位置を変更することが可能であるとともに、
前記曲げ状態保持手段は、前記垂れ下がった状態の保持を、前記垂れ下がり量が異なる予め定められた複数の位置にて行うことが可能なように又は前記垂れ下がり量が異なる任意の位置にて行うことが可能なように形成されていることを特徴とする遊技機。
【0052】
手段19によれば、通路形成部の垂れ下がり量を調整するという比較的簡単な操作により、排出通路部の高さ位置の調整を行うことができる。
【0053】
手段20.手段1乃至19のいずれか1において、前記排出手段は、前記出口部を含め前記排出通路部の少なくとも下流側を形成する通路形成部(第2可動部234)を備えており、
当該通路形成部は、前記排出通路部を延長可能な延長通路部材(第1延長治具253、第2延長治具254)を取り付けるための取付部(保持部材235)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0054】
手段20によれば、通路形成部に延長通路部材を取り付けることで、出口部の位置を排出通路部の通路方向に延長させることができる。これにより、出口部の位置を調整する際の自由度を高めることが可能となる。
【0055】
手段21.手段1乃至20のいずれか1において、前記排出通路部は、通過する遊技媒体の通過速度を減速させる減速構造(段差部301等)を有していることを特徴とする遊技機。
【0056】
手段21によれば、排出通路部を通過する遊技媒体を減速させることができるため、排出通路部から排出された遊技媒体が誘導部上に到達した場合に当該誘導部上に掛かる負荷が低減される。これにより、誘導部の破損等を抑えつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0057】
手段22.手段1乃至21のいずれか1において、前記遊技機本体と前記下枠部との間には、遊技を進行させる上で用いられる遊技機構成装置(スピーカユニット95)が搭載されており、
前記排出通路部は、前記遊技機構成装置に対して上下又は左右に並んだ位置から当該遊技機構成装置の後方まで延びる上流側通路部(上流側通路部157)と、前記遊技機構成装置の後方に設けられ、前記上流側通路部と連通されているとともに前記出口部を有する下流側通路部(下流側通路部158)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
【0058】
手段22によれば、排出通路部が遊技機構成装置を迂回するようにして形成されているため、遊技機構成装置を設置するための領域を大きく確保することが可能となる。
【0059】
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
【0060】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0061】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【0062】
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10を後方から見た斜視図、図3はパチンコ機10の分解斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
【0063】
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。
【0064】
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。この場合、外枠11の下枠部11aの板幅は、図3に示すように、左右の枠部11b,11cの板幅に比べ大きくなっており、下枠部11aは左右の枠部11b,11cよりもパチンコ機10前方に延出している。下枠部11aには幕板ユニット16が設置されている。幕板ユニット16については後に詳細に説明する。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
【0065】
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図3に示すように、外枠11における上枠部11dと左枠部11bとの連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部11aと左枠部11bとの連結部分に下側支持用突起22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用突起22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
【0066】
また、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部11cの内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
【0067】
ここで、図2に示すように、外枠11の右枠部11cにおける後縁には、外枠11の開口内側に突出した規制壁26が一体形成されており、当該規制壁26は右枠部11cの全体に沿って形成されている。この規制壁26により外枠11の鉤受け部と施錠装置23の鉤部材24との係止箇所がパチンコ機10の背面において露出していない。そして、この規制壁26により、パチンコ機10の背面側に針金等の不正用治具を挿入し、鉤受け部と鉤部材24との係止状態を解除しようとしても、当該係止箇所への侵入が阻止されるため、当該不正行為を阻止することができる。
【0068】
なお、外枠11の鉤受け部を前方にのみ開放された箱状に形成し、鉤部材24が前方から鉤受け部の内部に入り込み、当該内部にて係止状態となる構成としてもよい。この場合であっても、パチンコ機10の背面側に針金等の不正用治具を挿入し、鉤受け部と鉤部材24との係止状態を解除しようとする不正行為を阻止することができる。つまり、鉤部材24と鉤受け部との係止箇所へのパチンコ機10背面側からの不正用治具の侵入を規制することができるのであれば、当該侵入規制手段の具体的な構成は任意である。
【0069】
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0070】
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
【0071】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図4は内枠13の正面図である。
【0072】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0073】
ここで、遊技盤33の構成を図5に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0074】
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は、図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は、第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0075】
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
【0076】
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
【0077】
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。
【0078】
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
【0079】
遊技球発射機構50は、図4に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
【0080】
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
【0081】
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0082】
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【0083】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図6は内枠13の背面図、図7は裏パックユニット15の正面図である。
【0084】
図6に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
【0085】
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台62を有し、取付台62に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス64に収容されて構成されている。
【0086】
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台67とを具備する構成となっており、取付台67上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
【0087】
裏パックユニット15は、図7に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
【0088】
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
【0089】
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0090】
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0091】
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
【0092】
(幕板ユニット16について)
次に、外枠11に設けられた幕板ユニット16について説明する。なお、以下の説明では、図1等に加え、図8〜図10を適宜参照する。図8は外枠11及び幕板ユニット16を示す斜視図、図9及び図10は外枠11を含めた幕板ユニット16の分解斜視図である。
【0093】
図1に示すように、幕板ユニット16は、外枠11の下枠部11aと遊技機本体12との間に設けられている。幕板ユニット16は、その左右方向寸法が遊技機本体12の左右方向寸法と同一又は略同一となっており、下枠部11aと遊技機本体12との間において外枠11の左右方向の全体又は略全体に亘って位置している。
【0094】
当該幕板ユニット16により、下枠部11aと遊技機本体12との間に所定の高さの幕板領域が確保され、パチンコ機10の島設備への設置状態において設置台から遊技機本体12の下端部までの高さ位置が所定のものとなっている。これにより、例えば、遊技場において、設置台上におけるパチンコ機10の下皿58aの下方に遊技球の収容箱を置くことが可能となる。この場合に、幕板ユニット16には、遊技機本体12を構成する部位の前方において当該遊技機本体12を構成する部位と前後方向に対向する部位を有していない。よって、遊技機本体12の外枠11に対する開放及び閉鎖に際して幕板ユニット16が邪魔となることはない。
【0095】
幕板ユニット16は、合成樹脂製の複数のケース体92,93,94を組み合せることにより形成されたハウジング91を備えている。詳細には、図9に示すように、ハウジング91の底部を構成する下側ケース体92と、ハウジング91の前面を構成する前側ケース体93と、ハウジング91の天井部を構成する上側ケース体94と、を備えており、下側ケース体92に対して前側ケース体93及び上側ケース体94が取り付けられていることにより、所定の内部空間を有する略直方体状のハウジング91が形成されている。
【0096】
ちなみに、前側ケース体93及び上側ケース体94は下側ケース体92にネジ固定されているため(着脱自在に固定されているため)、当該ネジ固定を解除し、例えば上側ケース体94を取り外すことで、図10に示すように、幕板ユニット16を外枠11に取り付けた状態においてハウジング91の内部空間を露出させることができる。
【0097】
ハウジング91内には、スピーカユニット95と排出通路ユニット96とが設けられている。これらスピーカユニット95及び排出通路ユニット96は、図10に示すように、スピーカユニット95を前側、排出通路ユニット96を後側としてハウジング91内に設置されている。
【0098】
具体的には、図9に示すように、下側ケース体92には前側の領域にスピーカユニット95を設置するための平面部92aが形成されているとともに、平面部92aよりも後側には底側から上方に凹ませるようにして設けられ、排出通路ユニット96の一部を収容可能な膨出部92bが形成されている。なお、膨出部92bは、下方に向けて開放されているとともに、左右方向の一端側はハウジング91の内部空間に向けて開放されている。
【0099】
スピーカユニット95は平面部92aに対してネジ固定されており(着脱自在な状態で固定されており)、排出通路ユニット96は膨出部92b内に一部を挿通した状態で下側ハウジング91にネジ固定されている(着脱自在な状態で固定されている)。スピーカユニット95の前方には前側ケース体93が設けられているとともに、スピーカユニット95及び排出通路ユニット96の上方には上側ケース体94が設けられている。このようにスピーカユニット95及び排出通路ユニット96が前後に並べて搭載されていることにより、幕板ユニット16の前後方向寸法は比較的大きくなっており、外枠11の前後方向寸法よりも大きいものとなっている。なお、スピーカユニット95及び排出通路ユニット96の詳細については後に説明する。
【0100】
(幕板ユニット16の回動に関する構成について)
幕板ユニット16は、外枠11に対してパチンコ機10前方に回動可能(開閉可能)に支持されている。この回動に関する構成について図8乃至図10に加え、図11及び図12を用いて以下に説明する。図11は外枠11に対する幕板ユニット16の回動の様子を説明するための説明図、図12は外枠11に対して幕板ユニット16が回動可能に支持されている構成を説明するための説明図である。
【0101】
図9に示すように、外枠11における左枠部11bと下枠部11aとの隅角部分には支軸ユニット101が設けられている。支軸ユニット101は上下に一対の支持用金属板102,103を備えている。下側の支持用金属板102は下枠部11aに固定されているとともに、上側の支持用金属板103は左枠部11bに固定されている。これら支持用金属板102,103は共に下枠部11aの前端面よりもパチンコ機10前方に突出しており、この突出した箇所において両支持用金属板102,103は上下に離間された状態で相互に対向している。この突出した箇所には両支持用金属板102,103を上下に連結するようにして棒状(円柱状)の支持金具104が設けられている。
【0102】
支持金具104はその下端が下側の支持用金属板102に固定されているとともに、上端側は上側の支持用金属板103を上下に貫通した状態で固定されている。支持金具104における上下の支持用金属板102,103間に位置している領域が幕板ユニット16の軸部に相当する。
【0103】
上記支持金具104に対応させて幕板ユニット16のハウジング91の前側ケース体93には、図9に示すように、その左右の一端(具体的には左端)に、軸受け部105が形成されている。軸受け部105は、前側ケース体93において中央側及び他端側よりも前方に膨出しており、図12(a),(b)に示すように、後方に向けて開放された内部空間106が形成されている。また、当該内部空間106の上縁を規定する上板部107及び下縁を規定する下板部108にはそれぞれ、内部空間106側への支持金具104の入り込みを許容するための許容溝107a,108aが形成されている。
【0104】
幕板ユニット16は、支持ユニット101における上下の支持用金属板102,103間に軸受け部105が入り込み、且つ軸受け部105の許容溝107a,108aの前側縁部に支持金具104が入り込むようにして設置されている。これにより、図11に示すように、幕板ユニット16が外枠11に対して回動可能となっている。このように幕板ユニット16を外枠11に対して回動可能とすることで、幕板ユニット16に搭載されたスピーカユニット95や排出通路ユニット96は外枠11の下枠部11aのメンテナンスに際して、外枠11から幕板ユニット16を取り外さなくても幕板ユニット16をパチンコ機10前方に大きく引き出すことが可能となり、当該メンテナンス作業の作業性が向上する。
【0105】
なお、幕板ユニット16の軸受け部105は、下枠部11aよりも前方に突出した位置にある。そうすると、遊技場において下皿58aの下方であって設置台上にある遊技球の収容箱をその位置から移動させる場合に、当該収容箱が軸受け部105に引っ掛かってしまうことが想定される。これに対して、軸受け部105の前面は、内側から外側に向けてパチンコ機10前方となるように傾斜させて形成されているため、収容箱が軸受け部105に引っ掛かりづらくなっている。
【0106】
ここで、幕板ユニット16の回動軸は外枠11の左枠部11b側となっており、この位置は遊技機本体12の回動軸側となっている。つまり、遊技機本体12と幕板ユニット16とは、左右の両側部のうち同じ一側部を回動基端(開閉基端)とし、同じ他側部を回動先端(開閉先端)としている。
【0107】
また、幕板ユニット16の軸部は支持金具104により構成されているが、当該支持金具104は上記のとおり上端側は支持ユニット101における上側の支持用金属板103よりも上方に突出している。そして、この上方に突出した箇所は、遊技機本体12の支持機構を構成する下側支持用突起22となっている。つまり、遊技機本体12と幕板ユニット16とは各々回動可能に同軸支持されている。また、遊技機本体12における下側支持用突起22と、幕板ユニット16における軸部とは共に、単一の支持金具104により形成されているため、それぞれ別々の部材により軸部を形成する構成に比べ、部材点数の削減化が図られるだけでなく、遊技機本体12と幕板ユニット16との相互の位置合わせを良好に行うことができる。
【0108】
支持金具104は上記のとおり許容溝107a,108aの前側縁部まで入り込んでおり、この入り込んだ支持金具104は軸受け部105の内部空間106内に設置されたストッパ部材111により抜けが防止されている。なお、許容溝107a,108aの周縁部に対して低摩擦化処理を施すようにしてもよく、この場合、許容溝107a,108aに支持金具104を挿入する場合、及び許容溝107a,108aから支持金具104を抜き取る場合にそれが円滑に行われる。
【0109】
(ストッパ部材111について)
ここで、ストッパ部材111について詳細に説明する。
【0110】
ストッパ部材111は、図12(a),(b)に示すように、内部空間106内において縦軸回動可能に設けられており、回動軸を構成する軸部112と、当該軸部112を基端として外方に延びる上下一対の規制アーム113と、軸部112を基端として規制アーム113とは異なる方向に延びる操作レバー114とを備えている。
【0111】
ストッパ部材111は、規制アーム113が軸部112よりもパチンコ機10前方に位置するようにして設置されている。そして、図12(a)に示すように、規制アーム113が支持金具104の取り外し経路上に突出し、当該支持金具104の許容溝107a,108aに沿った取り外し方向の移動を当接により規制する規制位置と、図12(b)に示すように、規制アーム113が上記取り外し経路から没入し、当該支持金具104の許容溝107a,108aに沿った取り外し方向の移動を規制しない規制解除位置と、に回動可能となっている。ストッパ部材111が規制位置にある場合、外枠11からの幕板ユニット16の取り外しが支持金具104と規制アーム113との当接により規制され、ストッパ部材111が規制解除位置にある場合、外枠11からの幕板ユニット16の取り外しが許容される。
【0112】
なお、ストッパ部材111が規制位置にあり、規制アーム113により支持金具104の抜けが防止されている状況であっても、当該規制アーム113は幕板ユニット16の回動を阻止しないようになっている。この場合、規制アーム113の先端又は支持金具104の周面の少なくとも一方に低摩擦化処理を施すことで、幕板ユニット16の回動を円滑に行うことができる。
【0113】
図示は省略するが、内部空間106内にはストッパ部材111を規制位置に向けて常時付勢する付勢手段が設けられている。したがって、ストッパ部材111は基本的に規制位置にあり、操作レバー114が手動操作されることにより、規制解除位置に移動する。但し、これに限定されることはなく、具体的な構成は任意である。
【0114】
ストッパ部材111の操作レバー114は軸受け部105の内部空間106内において後方に開放された開口部側に位置しているが、幕板ユニット16の閉鎖状態では内部空間106の開口部の略全体が支持ユニット101の支持用金属板102,103と近い位置にて対峙している。つまり、幕板ユニット16の閉鎖状態では規制解除操作を行うことが不可又は規制解除操作を行うことが難しい状態で、ストッパ部材111は設けられている。これにより、外枠11からの幕板ユニット16の取り外しに際して幕板ユニット16の開放操作を要することとなるため、幕板ユニット16を不正に取り外そうとする不正行為者にとってその作業が手間となり、当該不正行為の抑制効果が期待される。
【0115】
一方、上記のとおり操作レバー114は内部空間106内において開口部側に位置している。したがって、遊技場の管理者等がメンテナンスなどにおいて幕板ユニット16を外枠11から取り外す場合には、幕板ユニット16を開放状態とすることで、操作レバー114を容易に手動操作することができる。よって、上記のように不正行為の阻止を図るようにした構成において、メンテナンスにおける作業性の低下が抑えられる。
【0116】
なお、幕板ユニット16を外枠11に対して開放状態としなくても遊技機本体12を開放状態とすることで、操作レバー114の操作が可能となる構成としてもよい。この場合であっても、外枠11からの幕板ユニット16の取り外しに際して少なくとも遊技機本体12の開放操作を要するため、幕板ユニット16を不正に取り外そうとする不正行為の抑制効果が期待される。
【0117】
(幕板ユニット16の閉鎖状態について)
次に、幕板ユニット16の閉鎖状態について図1,図2等だけでなく図13も参照しながら説明する。図13(a),(b)はロック機構を説明するための説明図である。
【0118】
図13(a)に示すように、幕板ユニット16のハウジング91の前側ケース体93には、軸受け部105とは反対側の端部に当り部115が形成されており、幕板ユニット16を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には当り部115が外枠11の右枠部11cの前面にパチンコ機10前方から当接する。これにより、幕板ユニット16の閉鎖方向へのそれ以上の回動が規制される。この場合、図11等に示すように、外枠11の下枠部11a上には長尺状の金属製支持部116が設けられており、閉鎖状態において幕板ユニット16は金属製支持部116上に載った状態となる。なお、幕板ユニット16の閉鎖状態においては、前側ケース体93も下枠部11a上に載った状態となり、さらには幕板ユニット16の前面は下枠部11aの前面と面一又は略面一となる。
【0119】
幕板ユニット16は、既に説明したように、前後方向寸法が外枠11よりも大きく、閉鎖状態においては前側ケース体93の当り部115が右枠部11cの前面にパチンコ機10前方から当接する。したがって、幕板ユニット16の閉鎖状態においては、図2に示すように、幕板ユニット16は外枠11の後側端面よりも後方に突出した状態となる。このように幕板ユニット16が外枠11の後側端面よりも後方に突出していることにより、パチンコ機10の設置作業時などにおいてパチンコ機10を立てた状態で載置した場合に、当該パチンコ機10が後方へ転倒してしまうことを幕板ユニット16の後方への突出部分において受けることが可能となる。
【0120】
上記のように幕板ユニット16の回動先端側に形成された当り部115が右枠部11cの前面にパチンコ機10前方から当接する構成において、幕板ユニット16の回動先端側には、閉鎖状態の幕板ユニット16のパチンコ機10前方への回動を阻止するためのロック機構が設けられている。
【0121】
(ロック機構について)
ここで、ロック機構について説明する。
【0122】
ロック機構は、幕板ユニット16に設けられたロック部材121と、右枠部11cに形成されたロック受け部122とから構成されている。ロック部材121は、前側ケース体93の当り部115の裏面側において手動操作可能に設けられており、当該手動操作により左右方向にスライド移動させることができる。ロック部材121のスライド移動を実現するための構成として具体的には、当り部115にはロック部材121の後方への離脱を防止するとともにロック部材121の左右方向のスライド移動を可能とするレール部が設けられており、ロック部材121は当該レール部に沿ってスライド移動可能に設置されている。
【0123】
ロック受け部122は、右枠部11cの内側面を側方に凹ませて形成されている。具体的には、右枠部11cの側面を構成する側板部123と、当該側板部123の前側端部から外枠11の開口内側に向けて突出し幕板ユニット16の当り部115が当接する前板部124とにより形成されており、外枠11の開口内側に向けて開放されている。
【0124】
上記構成において、ロック部材121を、図13(a)に示すように、幕板ユニット16の閉鎖状態においてロック受け部122内に先端部が突出した状態に移動させることで、幕板ユニット16を開放させようとしても、ロック部材121が前板部124の裏面に当接するため、幕板ユニット16の回動が規制されることとなる。これにより、外枠11に幕板ユニット16がロックされ、幕板ユニット16の回動が阻止される。
【0125】
一方、ロック部材121を、ロック受け部122から先端部を没入させることで、図13(b)に示すように、外枠11に幕板ユニット16がロックされた状態が解除され、幕板ユニット16の回動が許容される。つまり、ロック部材121は、幕板ユニット16をロック状態とするロック位置と、幕板ユニット16を非ロック状態とする非ロック位置とに切り換え配置可能に設けられている。
【0126】
ここで、幕板ユニット16の閉鎖状態においては、図13(a)に示すように、当該幕板ユニット16及び右枠部11cにより前側と左右両側とが遮蔽された収容空間125が形成される。そして、幕板ユニット16の閉鎖状態においては、当該収容空間125にロック部材121及びロック受け部122が収容された状態となる。また、幕板ユニット16の下側ケース体92には、収容空間125の後側を遮蔽又は略遮蔽する遮蔽壁部126が一体形成されている。なお、当該遮蔽壁部126は、幕板ユニット16の回動に際して右枠部11cと干渉しないように形成されている。このように遮蔽壁部126が形成されていることにより、収容空間125の開放方向が概ね上方のみとなるように規制されている。
【0127】
収容空間125が上方に開放されていることにより、遊技機本体12を開放状態とした場合には、パチンコ機10前方において幕板ユニット16の上方からロック部材121を手動操作することができる。これにより、ロック部材121を手動操作する場合の操作性が向上し、これに伴って幕板ユニット16のメンテナンス性が向上される。特に、ロック部材121は回動先端側に設けられているため、回動基端側に設けられた構成に比べ、ロック部材121の手動操作を無理なく行うことができる。
【0128】
収容空間125の上方への開口部は遊技機本体12を閉鎖状態とした場合に、非露出状態となる。さらに言うと、遊技機本体12を閉鎖状態とした場合には、当該遊技機本体12の下側の端面が収容空間125の上方への開口部と前後に対峙し、当該開口部を遮蔽又は略遮蔽する。これにより、遊技機本体12の閉鎖状態ではロック部材121の操作が不可となる。特に、収容空間125が閉空間となる又は略閉空間となるため、収容空間125内に針金やセルといった不正用治具を挿入しようとしてもそれが困難なものとなる。また、パチンコ機10においては、パチンコ機10の背面側からの不正行為が考えられるが、上記のとおり遮蔽壁部126が形成されていることにより、パチンコ機10の背面側から収容空間125内に上記不正用治具を挿入しようとしてもそれを阻止することが可能となる。つまり、遊技機本体12の閉鎖状態においては幕板ユニット16の開放が阻止される。
【0129】
遊技機本体12の閉鎖状態において幕板ユニット16の開放を阻止する構成は、遊技機本体12が幕板ユニット16に載った状態となることによっても実現される。詳細には、幕板ユニット16は、上記のとおり幕板領域を構成するものであり、幕板ユニット16の閉鎖状態において遊技機本体12を閉鎖状態とすることで、図1に示すように、当該遊技機本体12は幕板ユニット16上に載った状態となる。
【0130】
以上のように、遊技機本体12の閉鎖状態において幕板ユニット16の開放を阻止することで、外枠11からの幕板ユニット16の開放操作に際して遊技機本体12の開放操作を要することとなる。そうすると、幕板ユニット16を不正に取り外そうとする不正行為者にとってその作業が手間となり、当該不正行為の抑制効果が期待される。
【0131】
ちなみに、遊技機本体12はその背面周縁部が外枠11の上枠部11dや右枠部11cなどにパチンコ機10前方から当接することで、それ以上の後方への移動が規制されるが、このパチンコ機10の後方への移動を規制する規制部127は、幕板ユニット16の上面にも形成されている。また、幕板ユニット16の上面には、遊技機本体12が直接載ることとなる金属板128,129が複数設けられており、これら金属板128,129にて遊技機本体12の重量が受けられることで、ハウジング91の割れなどが防止されている。
【0132】
なお、ロック部材121をロック位置に向けて付勢するバネなどの付勢手段を設けてもよい。この場合、幕板ユニット16を開放状態から閉鎖状態とした場合には、幕板ユニット16が自ずとロック状態となり、幕板ユニット16のメンテナンスを行った作業者が幕板ユニット16をロック状態にすることを忘れてしまうことが防止される。また、ロック部材121がロック位置に向けて付勢されていることにより、ロック部材121を非ロック位置に向けて不正に移動させようとする行為も行いづらくなる。
【0133】
(スピーカユニット95について)
次に、スピーカユニット95について説明する。
【0134】
スピーカユニット95は、既に説明したように、幕板ユニット16のハウジング91内に収容されている。スピーカユニット95は、図9及び図10に示すように、土台131を備えており、当該土台131上に3個のスピーカ132が搭載されている。これら各スピーカ132は、コーン形状をなし且つ振動板を振動させることにより音を出力する周知のスピーカ装置であり、その前面の直径が高さ寸法よりも大きいものである。また、各スピーカ132の背面側には複数の通過孔が形成されており、振動板が振動した場合にはスピーカ132の前面側及び背面側の両方から音が出力される。
【0135】
各スピーカ132は、土台131上において左右方向に所定間隔を置いて並設されており、いずれも下向きに配置されている。また、幕板ユニット16におけるハウジング91の内部空間は、スピーカユニット95側と排出通路ユニット96側とで前後に区画されており、少なくともスピーカユニット95側の空間は、ハウジング91における前面を構成する前側ケース体93に形成された開口部133以外では外部に開放されていない。つまり、ハウジング91内にはエンクロージャとしての機能を有する空間が形成されているとともに、前側ケース体93の開口部133が音出口としての機能を有している。また、土台131には下向きのスピーカ132から出力された音を開口部133へ向けて前方へ導く案内空間が形成されている。これにより、スピーカ132の前面から出力された音及び背面から出力された音は、開口部133を通じてパチンコ機10前方へ伝搬していく。
【0136】
上記のように幕板ユニット16にスピーカユニット95を搭載したことにより、外枠11の下枠部11aと遊技機本体12との間の幕板領域を有効活用してスピーカ132を設けることができる。特に、スピーカユニット95が配置されている領域は、外枠11の下枠部11aにおける前後方向の領域の全体に亘っているため、比較的大型のスピーカ132を設置することができ、音響効果を高めることができる。
【0137】
なお、各スピーカ132には図示しない電気配線を通じて動作電力が供給されることとなるが、当該電気配線は遊技機本体12に搭載された音声ランプ制御装置66と電気的に接続されている。したがって、各スピーカ132には、音声ランプ制御装置66から動作電力が供給される。この場合に、幕板ユニット16の回動軸側に中継基板を設け、当該中継基板にて上記電気配線を中継させる構成としてもよい。また、当該電気配線を軸部分に沿わせてもよく、こうすることで遊技機本体12を開放状態から閉鎖状態とする場合に電気配線が遊技機本体12と下枠部11aとの間に挟まれてしまうことが抑制される。
【0138】
また、スピーカ132を下向きに搭載することは必須の構成ではなく、前向きに搭載してもよい。さらには、幕板ユニット16のハウジング91内においてエンクロージャとしての機能を有する空間をハウジング91の後側端部まで拡張し、その後側端部に前向きの状態でスピーカ132を設置してもよい。
【0139】
(排出通路ユニット95について)
次に、排出通路ユニット96及びそれに関連する構成について説明する。
【0140】
排出通路ユニット96は、遊技機本体12から排出された遊技球を島設備の球循環設備に誘導する機能を有している。ここで、遊技機本体12における遊技球の排出に関する構成について説明する。図14は遊技機本体12における遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
【0141】
遊技機本体12の裏パックユニット15には、排出通路盤141が設けられている。排出通路盤141は、制御装置集合ユニット73の前側に設けられている。排出通路盤141は、図14に示すように、合成樹脂材料により形成された前側ベース体142及び後側ベース体143を備えており、両者が前後に組付けられて構成されている。
【0142】
後側ベース体143には、前側ベース体142と対向する面に前方へと起立した通路壁144が一体形成されており、これら通路壁144により上方、前方及び下方の一部にて開放された溝が形成されている。そして、当該溝の前方開放部を前方から塞ぐようにして、後側ベース体143に対して前側ベース体142が組付けられていることにより、排出通路盤141の上面及び排出通路盤141の下面の一部にてそれぞれ開放された本体側排出通路部145が形成されている。
【0143】
本体側排出通路部145は、遊技を行う上で使用された遊技媒体、具体的には、遊技球発射機構50から遊技領域に発射され当該遊技領域を流下した後に当該遊技領域から排出された遊技球を回収し、その回収した遊技球を幕板ユニット16に設けられた排出通路ユニット96に導くように形成されている。また、本体側排出通路部145は、通路の途中位置から球出口(本体側球出口)146に向けて通路の開口面積が狭くなるように形成されており、本体側排出通路部145内に同時に複数の遊技球が導入されたとしても、それら遊技球は同時に同一箇所を通過することはなく、1個ずつ球出口146から排出されることとなる。なお、排出口146が設けられた位置は、外枠11の前縁よりも後方であって後縁よりも前方の領域の範囲内となっている。
【0144】
本体側排出通路部145の球出口146には、排出球検知センサ(排出球検知手段)147が設けられている。排出球検知センサ147は磁気検知タイプの近接センサからなるが、遊技球の通過を検知することができるのであればこれに限定されることはなく、例えばフォトセンサなどを用いてもよい。
【0145】
排出球検知センサ147により、本体側排出通路部145を通過する遊技球は1個ずつ検知される。排出球検知センサ147は主制御装置63と電気的に接続されており、主制御装置63では排出球検知センサ147の検知結果に基づいて本体側排出通路部145の遊技球の通過を把握し、10個の遊技球の通過を把握する毎に、外部端子板76を通じて遊技場の管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に特定信号を出力する。
【0146】
ここで、排出球検知センサ147は、本体側排出通路部145を通過する遊技球を検知するように設けられているため、遊技を行う上で使用された遊技球の検知を確実に行うことができる。排出球検知センサ147を後述する幕板側排出通路部156を通過する遊技球を検知するように設けた構成を想定すると、遊技機本体12を外枠11に対して開放した状態において本体側排出通路部145を通過した遊技球は検知することができない。これに対して、上記のとおり排出球検知センサ147は本体側排出通路部145を通過する遊技球を検知するように設けられているため、遊技機本体12を外枠11に対して開放した状態であっても、上記遊技球の検知を確実に行うことができる。さらには、管理コンピュータにおいてパチンコ機10の稼働率を正確に把握することができる。
【0147】
次に、排出通路ユニット96の構成について、図9、図15及び図16を用いて詳細に説明する。図15は排出通路ユニット96の分解斜視図、図16(a)は排出通路ユニット96の構成を説明するための幕板ユニット16の平面図、図16(b)は図16(a)のA―A線断面図である。
【0148】
排出通路ユニット96は、図15に示すように、幕板ユニット16のハウジング91の下側ケース体92に固定されるベース板151と、ベース板151の前方に設けられた第1通路ユニット152と、ベース板151の後方に設けられた第2通路ユニット153と、第2通路ユニット153をベース板151に組付ける上で用いられる組付け用リング154と、ベース板151に設けられたストッパ155とを備えている。これら各構成部品151〜155は、先ずストッパ155がベース板151に組付けられ、その後、ベース板151を前後に挟むようにして組付け用リング154と第2通路ユニット153とが組付けられ、最後に組付け用リング154の前方からベース板151に対して第1通路ユニット152が組付けられている。これら各構成部品151〜155が組付けられていることで、幕板側排出通路部156が形成されている。
【0149】
幕板側排出通路部156は、図16(a)に示すように、幕板ユニット16の前後方向の途中位置からパチンコ機10後方に向けて延び、幕板側排出通路部156の上流側を構成する上流側通路部157と、当該上流側通路部157に連通させて設けられ、幕板側排出通路部156の下流側を構成するとともに上流側通路部157とは異なる方向に延びる下流側通路部158とを有している。
【0150】
上流側通路部157は主として第1通路ユニット152に形成されている。第1通路ユニット152は、図15に示すように、ベース板151への固定箇所を構成する固定フランジ161を備えているとともに、当該固定フランジ161を前後に貫通する前後貫通部162を備えている。この場合、前後貫通部162には、図16(b)に示すように、上方にて開放され上下に延びる通路領域163と、当該通路領域163の下端からパチンコ機10後方に向けて延び後方にて開放された通路領域164とが形成されている。また、前後貫通部162において固定フランジ161よりもパチンコ機10後方に突出した部位は、固定フランジ161をベース板151に固定した状態において、ベース板151及び組付け用リング154にそれぞれ形成された貫通孔165,166を貫通している。そして、この前後貫通部162において貫通した箇所は、第2通路ユニット153内に入り込んでいる。
【0151】
下流側通路部158は主として第2通路ユニット153に形成されている。第2通路ユニット153は、図15に示すように、円盤171と通路樋(通路形成部又は通路形成用筒体)172とを備えており、円盤171がベース板151に対してその後方から組付けられているとともに、円盤171の背面に通路樋172が固定されている。
【0152】
円盤171には前後方向に貫通した貫通孔173が形成されており、当該貫通孔173は通路樋172の内部に形成された通路領域と連通されているとともに、貫通孔173内には第1通路ユニット152における前後貫通部162の後側端部が入り込んでいる。上記構成により、上流側通路部157及び下流側通路部158を有する幕板側排出通路部156が形成されている。
【0153】
排出通路ユニット96は、図16(a)に示すように、上流側通路部157が幕板ユニット16の回動基端側においてパチンコ機10の前後方向に延び、下流側通路部158が基本的に幕板ユニット16の回動先端側に向けて延びるように設置されている。より詳細には、上流側通路部157は、スピーカユニット95よりも幕板ユニット16の回動基端側に配置されているとともに、スピーカユニット95の前後方向に延びる側部に沿うようにして形成されている。換言すれば、上流側通路部157は、外枠11の右枠部11cに沿うようにして形成されており、外枠11の前後方向の途中位置からスピーカユニット95よりも後方まで延びている。
【0154】
また、下流側通路部158は、スピーカユニット95よりもパチンコ機10後方に配置されているとともに、スピーカユニット95の左右方向に延びる後側縁部に沿うようにして形成されている。つまり、幕板側排出通路部156はスピーカユニット95を迂回するようにして形成されている。このように幕板側排出通路部156がスピーカユニット95を迂回するようにして形成されていることにより、スピーカユニット95を設置するための領域を大きく確保することができ、スピーカユニット95のスピーカ132として大型のものを用いることができるとともに、複数のスピーカ132を設置することができる。
【0155】
幕板側排出通路部156の球入口174(すなわち、上流側通路部157の球入口174)は、図14に示すように、本体側排出通路部145の球出口146の下方に位置している。したがって、本体側排出通路部145を通過した遊技球は幕板側排出通路部156内に導入される。
【0156】
ここで、本体側排出通路部145の球出口146及びその周辺と、幕板側排出通路部156とは共に、遊技球1個分よりも若干大きい程度の通路の開口面積を有しており、複数の遊技球が同時に同一箇所を通過しないようになっている。この場合に、幕板側排出通路部156の球入口174は、本体側排出通路部145の球出口146に向けて拡張(拡径)されたテーパ状に形成されており、球入口174は球出口146よりも大きな開口面積を有している。また、球入口174の上方領域に球出口146が含まれるように、球出口146と球入口174とは同一軸線上に位置している。これにより、本体側排出通路部145から排出される遊技球が幕板側排出通路部156に導入され易くなっている。
【0157】
また、幕板側排出通路部156の球入口174の方が大きな開口面積を有していることにより、外枠11に対する遊技機本体11や幕板ユニット16の組付け誤差が生じたとしても、ある程度の範囲であればそれをカバーすることができる。
【0158】
ちなみに、本体側排出通路部145の球出口146と幕板側排出通路部156の球入口174は上下方向に若干離間されている。これにより、幕板ユニット16を閉鎖状態としたまま遊技機本体12を開放状態とする場合に、両通路部145,156の連通箇所にて引っ掛かりが生じないようになっている。また、離間された距離は、遊技球1個分未満(より好ましくは、遊技球半個分未満)となっているため、両通路部145,156の連通箇所から遊技球が外側に零れてしまうことはない。なお、球出口146と球入口174とが上下に離間されている構成は必須のものではなく、遊技機本体12及び幕板ユニット16の両方の閉鎖状態において球出口146と球入口174とが連続する構成としてもよい。この場合、両通路部145,156の連通箇所における遊技球の流れを円滑なものとすることが可能となる。
【0159】
ここで、本パチンコ機10では、本体側排出通路部145の球出口146と幕板側排出通路部156の球入口174とが連通し易い構造となっている。当該構造について詳細には、既に説明したように、本体側排出通路部145の球出口146及び幕板側排出通路部156の球入口174は、遊技機本体12及び幕板ユニット16の回動基端側に設けられている。つまり、本体側排出通路部145と幕板側排出通路部156との連通個所は、遊技機本体12及び幕板ユニット16の回動基端側となっている。また、遊技機本体12の回動軸と幕板ユニット16の回動軸とは同一軸線上に位置しており、さらには遊技機本体12における下側支持用突起22と、幕板ユニット16における軸部とは共に、単一の支持金具104により形成されている。したがって、遊技機本体12が回動する場合における本体側排出通路部145の球出口146の通過軌道と、幕板ユニット16が回動する場合における幕板側排出通路部156の球入口174の通過軌道とが重なることとなる。これにより、遊技機本体12と幕板ユニット16とを共に外枠11に対して回動可能に設けた構成において、本体側排出通路部145と幕板側排出通路部156との連通に関して、遊技機本体12や幕板ユニット16の外枠11への組付け誤差の影響が低減されるため、両通路部145,156の連通を良好に行うことができる。
【0160】
特に、遊技機本体12における下側支持用突起22と、幕板ユニット16における軸部とを共に単一の支持金具104により形成したことにより、本体側排出通路部145と幕板側排出通路部156との連通に関して、遊技機本体12や幕板ユニット16の外枠11への組付け誤差の影響が飛躍的に低減される。例えば、遊技機本体12及び幕板ユニット16に対してそれぞれ異なる軸部を設ける構成も想定されるが、この場合、それら軸部の組付け誤差が生じることがあり、そうすると両通路部145,156の連通に関して誤差分の影響が出てしまう。これに対して、本構成によれば、このような誤差の影響を解消することができる。
【0161】
(第2通路ユニット153について)
次に、第2通路ユニット153の構成についてより詳細に説明する。なお、以下の説明では、図17も適宜参照しながら説明する。図17は第2通路ユニット153の構成を説明するための説明図である。
【0162】
第2通路ユニット153は、既に説明したように、円盤171と通路樋172とを備えており、ベース板151に組付けられている。この場合に、第2通路ユニット153はベース板151に回動可能に支持されている。詳細には、図15に示すように、円盤171は外側環部175と内側環部176とを備えており、内側環部176は外側環部175からパチンコ機10前方に突出している。内側環部176の外径はベース板151の貫通孔165の孔径よりも若干小さくなっており、当該内側環部176はベース板151の貫通孔165内にその後方から遊挿されている。但し、外側環部175の外径は貫通孔165の孔径よりも大きく、外側環部175はベース板151の後方に位置している。
【0163】
上記のように貫通孔165に遊挿された内側環部176に対してベース板151の前方から組付け用リング154が圧入されている。この場合、組付け用リング154において内側環部176内に圧入された箇所よりも前方側には環状のフランジ177が形成されており、当該フランジ177の外径はベース板151の貫通孔165の孔径よりも大きい。
【0164】
上記構成では、組付け用リング154のフランジ177と円盤171の外側環部175とでベース板151を前後に挟み込む構成となっている。但し、これらフランジ177及び外側環部175間の距離は、ベース板151の厚み寸法よりも若干大きく確保されている。上記構成により、第2通路ユニット153はベース板151に対して前後方向を回動軸として回動可能に設けられており、第2通路ユニット153の通路樋172も回動可能となっている。そして、通路樋172の回動に伴って、通路樋172の先端部178に形成された幕板側排出通路部156の球出口(排出口)179の高さ位置が変化する。
【0165】
通路樋172はその左右方向の一側部が円盤171に固定されている。つまり、通路樋172は円盤171に片持ち支持されており、その支持された側を回動軸として回動可能となっている。また、円盤171が設置された箇所は、幕板ユニット16の回動基端側となっている。詳細には、円盤171はスピーカユニット95よりも幕板ユニット16の回動基端側に設置されている。したがって、通路樋172の回動軸も幕板ユニット16の回動基端側、すなわち、スピーカユニット95よりも幕板ユニット16の回動基端側に配置されている。
【0166】
上記のとおり通路樋172が回動可能に設けられた構成において、第2通路ユニット153は通路樋172の回動位置を所望の回動位置にて保持可能な保持手段を備えている。当該保持手段は、所定の持ち上げ力に伴う通路樋172の先端部178の上方への移動を許容するとともに、通路樋172の先端部178の下方への移動に際しては保持解除操作を要するラチェット機構よりなる。
【0167】
詳細には、保持手段として、円盤171の外側環部175の内周側に設けられたラック部181と、ベース板151に組付けられたストッパ155とが設けられている。ラック部181は、図17(a)に示すように、外側環部175の内周側において当該内周に沿った一部の領域に設けられている。ラック部181が設けられている領域は、図17(a)の状態において外側環部175の内周を4等分した場合の左上の領域となっている。この場合に、上記のとおり外側環部175はベース板151よりもパチンコ機10後方に位置しているため、ラック部181もベース板151よりもパチンコ機10後方に位置している。ラック部181には複数の歯182が周方向に並設されており、これら歯182は通路樋172の先端部178が下方に移動する場合の回動方向の先端側に傾けて形成されている。
【0168】
一方、ストッパ155は、操作レバー183と、当該操作レバー183に対して一体形成され当該操作レバー183の背面からパチンコ機10後方に突出させて設けられた爪部184とを備えている。ストッパ155は、ベース板151に対して前方から組付けられており、前後方向を回動軸としてベース板151に回動可能に支持されている。なお、ストッパ155の回動軸は、ベース板151において円盤171の外側環部175よりも上方の位置に設けられている。
【0169】
ベース板151にはスリット185が形成されており、当該スリット185を通じて爪部184がベース板151よりも後方に突出し、外側環部175の内周側に入り込んでいる。また、ベース板151には、爪部184がラック部181の歯182に噛み合う方向に、ストッパ155を常時付勢するバネ186が設けられている。なお、付勢手段としては、バネ186のようにつるまきバネである必要はなく、ストッパ155に付勢力を加えることができるのであれば板バネ等であってもよい。また、ストッパ155の操作レバー183はベース板151の上端に形成された開口部187を通じて露出しており、操作レバー183の先端は開口部187よりも上方に突出している。
【0170】
ちなみに、当該操作レバー183は、図8に示すように、幕板ユニット16の上面において露出している。但し、島設備への設置状態において遊技機本体12の閉鎖状態では、操作レバー183よりも前方の空間が閉塞されており、当該操作レバー183を押圧操作することができない。したがって、操作レバー183の押圧操作を行うためには遊技機本体12を開放状態とする必要があり、遊技機本体12の開放状態においてはパチンコ機10前方から操作レバー183の押圧操作を行うことができる。特に、操作レバー183は幕板ユニット16の上面において露出しているため、操作レバー183の押圧操作の操作性が高められている。
【0171】
上記のように保持手段が設けられていることにより、操作レバー183を押圧操作していない状態においては、図17(a)に示すように、バネ186の付勢力によりストッパ155が保持位置(又は初期位置)にあり、ストッパ155の爪部184の先端がラック部181の歯182と噛み合っている。この場合、上記のとおり歯182は通路樋172の先端部178が下方に移動する場合の回動方向の先端側に傾けて形成されていることにより、通路樋172の先端部178が下方に移動する方向に第2通路ユニット153が回動しようとしても、それが歯182と爪部184との噛み合いにより規制される。一方、通路樋172の先端部178が上方に移動する方向に第2通路ユニット153が回動する場合、歯182の傾斜により爪部184には噛み合いを解消する方向に力が加わる。そして、通路樋172又は円盤171に対して、通路樋172の先端部178が上方に移動する方向にバネ186の付勢力よりも大きな力が加えられた場合には、操作レバー183を操作していない状態であっても第2通路ユニット153、すなわち通路樋172が回動する。
【0172】
ここで、通路樋172の回動位置は、歯182と爪部184とが噛み合った位置にて保持されるため、本保持手段は、通路樋172の回動位置を予め定められた複数の回動保持位置に段階的に保持するものであると言える。また、この回動保持位置は、通路樋172の先端部178(すなわち、幕板側排出通路部156の球出口)が外枠11の下枠部11aの下端面よりも下方にある場合において複数段階となるように設定されているとともに、下枠部11aの下端面よりも上方にある場合においても複数段階となるように設定されている。これにより、通路樋172の回動位置(すなわち、幕板側排出通路部156の位置)を所望の位置に調整する際の自由度を高めることができるため、当該回動位置の調整を良好に行うことができる。なお、少なくとも下枠部11aの下端面よりも下方にある場合において複数段階となるように設定されていればよい。
【0173】
また、操作レバー183がバネ186の付勢力に抗する力により下方に押圧操作された状態においては、図17(b)に示すように、ストッパ155は保持解除位置(又は操作時位置)にあり、爪部184と歯182との噛み合いが解除される。この場合、保持手段による第2通路ユニット153の回動位置の保持が解除され、第2通路ユニット153は通路樋172の自重により、当該通路樋172の先端部178が下方に移動する方向に回動する。
【0174】
ちなみに、第2通路ユニット153の回動範囲は、爪部184と歯182との噛み合いが可能な範囲内に定められており、図示は省略するが、ベース板151には第2通路ユニット153が所定の回動範囲を越えて回動しないように範囲規制部が設けられているが、当該範囲規制部を不具備としてもよい。
【0175】
(第2通路ユニット153の回動範囲について)
次に、第2通路ユニット153の回動範囲及びそれに関連する構成について図18を用いて詳細に説明する。図18は、第2通路ユニット153の回動範囲を説明するための説明図である。
【0176】
図18(a)に示すように、第2通路ユニット153の回動範囲には、通路樋172の先端部178が外枠11の下枠部11aよりも上方となった回動位置と、図18(b)に示すように、通路樋172の先端部178が外枠11の下枠部11aよりも下方となった回動位置とが含まれている。
【0177】
通路樋172の先端部178が最も上方となった回動位置では、通路樋172の全体が幕板ユニット16のハウジング91における下側ケース体92の膨出部92b内に収容された状態となる。この収容された状態が第2通路ユニット153の収容状態である(又はこの収容された位置が第2通路ユニット153の収容位置である)。そして、上記のとおり保持手段が設けられていることにより、第2通路ユニット153は収容状態において保持可能である。
【0178】
収容状態では、通路樋172の先端部178の位置は、下枠部11aの下端面よりも上方となる。これにより、パチンコ機10の搬送時などには収容状態とすることで、通路樋172が下枠部11aの下端面よりも下方に突出しないようにすることができる。よって、パチンコ機10の搬送時の利便性を向上させることができる。また、収容状態では、第2通路ユニット153は幕板ユニット16のハウジング91により完全に覆われる。したがって、パチンコ機10の搬送時には、第2通路ユニット153を収容状態としておくことで、パチンコ機10の搬送に際して通路樋172が邪魔になることはなく、さらには搬送経路上にある物が第2通路ユニット153に当たってしまうことが防止されている。
【0179】
一方、パチンコ機10の島設備への設置後には、遊技機本体12から排出される遊技球を島設備の球循環設備に円滑に排出するために、通路樋172の先端部178が外枠11の下枠部11aよりも下方となるように第2通路ユニット153が回動される。ここで、パチンコ機10から球循環設備への遊技球の排出について図19を用いて詳細に説明する。図19は、パチンコ機10から球循環設備への遊技球の排出の様子を説明するための説明図である。なお、図19(a)は、島設備191をパチンコ機10の背面側から見た状態を示しており、図19(b)は、図19(a)の一部の拡大図である。
【0180】
図19(a)に示すように、島設備191には、複数のパチンコ機10が並設されている。また、島設備191においてパチンコ機10の後方には球循環設備の樋状の誘導部192が設けられている。誘導部192は、複数のパチンコ機10に亘って位置しており、上面が所定方向に下り傾斜となるように設置されている。この下り傾斜の方向は、島設備191に設置されたパチンコ機10の回動基端側から回動先端側に向けて下り傾斜となる方向である。各パチンコ機10から排出された遊技球は誘導部192上に落下し、当該遊技球は自重により誘導部192の上面をその傾斜に沿って下る。
【0181】
島設備191に設置された各パチンコ機10においては、通路樋172の先端部178が外枠11の下枠部11aよりも下方となるように第2通路ユニット153が回動操作されている。この場合に、誘導部192は第2通路ユニット153を収容状態から回動させた場合における通路樋172の先端部178の通過範囲内に含まれており、さらには通路樋172の先端部178が誘導部192の上面に載った際に通路樋172が円盤171にて片持ち支持された側からパチンコ機10における反対側の側部に向けて下り傾斜となるように誘導部192とパチンコ機10との位置関係が設定されている。これにより、図19(a)に示すように、通路樋172はその先端部178が誘導部192の上面に載っているとともに、誘導部192の下り傾斜となった側に向けて下り傾斜となっている。
【0182】
但し、上記のとおり誘導部192はその上面が所定方向に下り傾斜となっているため、誘導部192の上面に対するパチンコ機10の下端面までの距離は、誘導部192の傾斜方向に並設されたパチンコ機10毎に異なっている。つまり、誘導部192の傾斜方向の上流側にあるパチンコ機10はそれよりも下流側にあるパチンコ機10よりも、誘導部192の上面に対するパチンコ機10の下端面までの距離が短くなっている。この場合であっても、上記のとおり、誘導部192は第2通路ユニット153を収容状態から回動させた場合における通路樋172の先端部178の通過範囲内に含まれているため、各パチンコ機10のそれぞれにおいて通路樋172の先端部178が誘導部192の上面に載った状態となり、且つ誘導部192の下り傾斜となった側に向けて下り傾斜となる。
【0183】
特に、島設備191に対するパチンコ機10の設置位置は任意であり、さらには遊技場においてパチンコ機10の設置位置を変更することがある。この場合に、上記のとおり第2通路ユニット153の回動位置を手動操作により変更可能な構成としたことにより、パチンコ機10の設置及び設置位置の変更に際して、遊技場の管理者等による簡易な操作により通路樋172を上記状態に設定することができる。
【0184】
通路樋172の先端部178が誘導部192の上面に載った状態において通路樋172が下り傾斜となっていることで、遊技球が鉛直落下する場合よりも誘導部192に到達した際の遊技球の排出速度を抑えることが可能となる。これにより、幕板側排出通路部156から排出された遊技球が誘導部192上に到達した場合に当該誘導部192上に掛かる負荷が低減される。よって、誘導部192の破損等を抑えることができる。また、通路樋172は、誘導部192の下り傾斜となった側に向けて下り傾斜となっているため、幕板側排出通路部156から排出された遊技球は円滑に誘導部192上を流れることとなる。
【0185】
但し、上記のように通路樋172の先端部178が誘導部192の上面に載った状態となる構成において、誘導部192の通路幅が遊技球1個分又はそれよりも若干大きい程度の構成の場合、通路樋172により誘導部192上の遊技球の流れが阻害されてしまうことが懸念される。これに対して、通路樋172により誘導部192上の遊技球の流れを阻害しないようにするための構成が通路樋172自身に設けられている。
【0186】
詳細には、図15及び図19(b)に示すように、通路樋172の先端部178は、誘導部192上に載った状態において誘導部192上を流れる遊技球の通過を許容するように、対向する側壁193を底部194及び天井部195よりも延長させてアーチ状に形成されている。言い換えると、通路樋172の先端部178は、底部194と天井部195とにそれぞれ開口部194a,195aが形成されたアーチ状をなしている。
【0187】
側壁193の延長部位196の距離は、遊技球の直径よりも大きく、さらには先端部178が外枠11の下枠部11aよりも下方となった場合に延長部位196の下端位置から底部194の下端位置までの高さ寸法が遊技球の直径よりも大きい。通路樋172の先端部178が上記のように形成されていることにより、図19(b)に示すように、通路樋172の先端部178が誘導部192の上面に載った状態において、当該先端部178よりも上流側から流れてきた遊技球は開口部194a,195aを通過することとなる。よって、誘導部192上の遊技球の流れが通路樋172の先端部178により阻害されてしまうことはない。
【0188】
なお、通路樋172の先端部178が誘導部192の上面に載っていることは必須ではなく、当該上面から若干上方に離間された位置に通路樋172の先端部178を配置するようにしてもよい。
【0189】
(遊技機本体12及び幕板ユニット16のメンテナンス作業について)
次に、遊技機本体12及び幕板ユニット16のメンテナンス作業について簡略に説明する。
【0190】
遊技場に設置された状態において遊技機本体12に搭載された主制御装置63や払出装置78等のメンテナンスを行う場合には、遊技機本体12を外枠11に対して開放させる。この場合、先端部178が外枠11の下枠部11aよりも下方となるように配置されている通路樋172は幕板ユニット16に搭載されており、当該幕板ユニット16は外枠11に組付けられている。例えば、幕板ユニット16が遊技機本体12に組付けられた構成や、通路樋172が遊技機本体12に搭載された構成を想定すると、遊技機本体12の開放に際して通路樋172を収容状態へ回動させる必要が生じてしまう。そうすると、パチンコ機10の前方から通路樋172を収容状態へ回動させる機構などを別途設ける必要が生じ、構成の複雑化を招くこととなる。これに対して、本パチンコ機10によれば、遊技機本体12の開放に際して通路樋172は外枠11側に残るため、上記のような機構を設ける必要はなく、遊技機本体12の開放操作を円滑に行うことができる。上記メンテナンス作業後は、遊技機本体12を閉鎖状態とすることで、元の状態となる。
【0191】
幕板ユニット16に搭載されたスピーカユニット95等のメンテナンスを行う場合には、遊技機本体12を外枠11に対して開放させるとともに、幕板ユニット16も外枠11に対して開放させる。
【0192】
幕板ユニット16の開放操作について詳細には、遊技機本体12を外枠11に対して開放させた後は、幕板ユニット16の開放に際して通路樋172が外枠11の下枠部11aに引っ掛からないようにすべく、通路樋172を収容状態に回動させる。この際、既に説明したように、通路樋172の回動位置を保持する保持手段は、通路樋172の先端部178の上方への移動は許容するラチェット機構よりなるため、パチンコ機10前方から幕板ユニット16の後方に手を回し、通路樋172の先端部178を上方に移動させることで、収容状態への回動操作を容易に行うことができる。また、通路樋172の先端部178は幕板ユニット16の回動先端側に位置しているため、上記回動操作に際して回動先端側に手を差し入れればよく、回動基端側に手を差し入れる場合に比べ、その調整作業を容易に行うことができる。
【0193】
その後、幕板ユニット16のロック部材121をロック位置から非ロック位置にスライド移動させる(図13参照)。この際、既に説明したように、ロック部材121は幕板ユニット16の上面に露出しており、当該幕板ユニット16の上方からの手動操作によりスライド移動させることができるため、ロック解除操作を容易に行うことができる。
【0194】
その後、幕板ユニット16を外枠11に対して開放させることにより、幕板ユニット16を閉鎖状態の位置よりも前方に大きく引き出すことができる。この状態において、幕板ユニット16の上側ケース体94のネジ固定を解除することで、スピーカユニット95を露出させることができ(図10参照)、例えばスピーカユニット95の点検や掃除などを行うことができる。
【0195】
また、スピーカユニット95の交換等を行うために幕板ユニット16を取り外す必要がある場合には、スピーカユニット95に接続されている電気配線を中継基板などから抜き取った後に、ストッパ部材111の操作レバー114を手動操作し、ストッパ部材111を規制解除位置に回動させる(図12参照)。これにより、外枠11に設けられた支持金具104から幕板ユニット16の軸受け部105を離間させることが可能となり、幕板ユニット16の取り外しが可能となる。
【0196】
幕板ユニット16のメンテナンスが終了した後は、上記動作を逆に行うことで、幕板ユニット16を外枠11に対して閉鎖状態とすることができる。
【0197】
(パチンコ機10の電気的構成について)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図20のブロック図に基づいて説明する。図20では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
【0198】
主制御装置63に設けられた主制御基板201には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPU204が搭載されている。CPU204には、当該CPU204により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
【0199】
CPU204には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU204の入力側には、主制御基板201に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPU204には停電監視回路203を介して電力が供給される。
【0200】
また、CPU204の入力側には、排出球検知センサ147が接続されており、既に説明したように、CPU204では排出球検知センサ147の検知結果に基づいて本体側排出通路部145の遊技球の通過を把握し、10個の遊技球の通過を把握する毎に、外部端子板76を通じて遊技場の管理コンピュータに特定信号を出力する。
【0201】
一方、CPU204の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
【0202】
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
【0203】
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
【0204】
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
【0205】
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0206】
音声ランプ制御基板221は、スピーカユニット95及び表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
【0207】
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、スピーカユニット95及び表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
【0208】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0209】
遊技を行う上で使用された遊技球を島設備191に排出する排出通路部のうち、上流側を本体側排出通路部145として遊技機本体12に設け、下流側を幕板側排出通路部156として外枠11側に設けた。そして、幕板側排出通路部156を外枠11の下枠部11aの下端面よりも下方の位置にて遊技球の排出を行うことが可能なように形成した。これにより、従来の回収容器を設けなくても、島設備191への遊技球の排出を良好に行うことができる。よって、従来の回収容器が設けられていた領域を、遊技機構成装置としてのスピーカユニット95を設置するための領域として有効活用することができる。
【0210】
また、上記構成において、幕板側排出通路部156を外枠11側に設け、遊技機本体12の開放に際して外枠11側に待機可能とした。これにより、幕板側排出通路部156に対する何らかの操作を要することなく、遊技機本体12や遊技機本体12に搭載された主制御装置63などのメンテナンスに際して遊技機本体12を開放させることができる。よって、パチンコ機10のメンテナンス性を低下させないようにしつつ、領域の拡張に関する上記優れた効果を奏することができる。
【0211】
幕板側排出通路部156の通路幅及び通路高さを、1個の遊技球は通過可能であるが、複数の遊技球が同時に通過することができない寸法としたことにより、幕板領域において幕板側排出通路部156が占める領域は従来の回収容器に比べて相当小さなものとなる。これにより、幕板領域にスピーカユニット95といった遊技機構成装置を設置するための領域を広く確保することが可能となる。
【0212】
回動機構を有する第2通路ユニット153に幕板側排出通路部156の下流側を構成する下流側通路部158を形成し、通路樋172の回動位置を調整することにより、幕板側排出通路部156の球出口179の高さ位置を調整することができるようにした。これにより、幕板側排出通路部156の球出口179の高さ位置を下枠部11aの下端面よりも下方において変更することができるため、従来の回収容器を設けなくても、島設備191に設置された誘導部192の近くの位置にて遊技球の排出を行うことが可能となる。よって、幕板側排出通路部156から排出された遊技球が誘導部192上に到達した場合に当該誘導部192上に掛かる負荷が低減されるため、誘導部192の破損等を抑えつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0213】
通路樋172の回動位置を保持する保持手段として、ラチェット構造を適用し、幕板側排出通路部156の球出口179の高さ位置を上方へ移動させる場合には、保持解除操作を行わなくても通路樋172を手動操作することで当該通路樋172を回動させることができるようにした。球出口179の高さ位置を上方へ移動させる場合とは、パチンコ機10のメンテナンスを行う場合などであり、上記構成とすることで、当該メンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0214】
その一方、幕板側排出通路部156の球出口179の高さ位置を下方へ移動させる場合には、通路樋172を手動操作しても回動することなく、保持解除操作を要するようにした。通路樋172には自重により、球出口179の高さ位置を下方へ移動させる方向に力が加わっているため、球出口179の高さ位置を所望の位置に調整した状態を良好に維持することができるようにするためには、球出口179の高さ位置を下方へ移動させる方向の力に対向する大きな保持力が必要となる。この場合に、当該方向への回動に際しては保持解除操作を要するようにしたことにより、球出口179の高さ位置を所望の位置に調整した状態を良好に維持することができる。
【0215】
また、当該構成であっても、調整作業として球出口179の高さ位置を下方へ移動させる場合には保持解除操作を行うことで、通路樋172は自重によって自ずと回動する。これにより、球出口179の高さ位置を下方へ移動させる場合の作業性を向上させることができる。
【0216】
幕板ユニット16を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放可能に設けたため、スピーカユニット95のメンテナンスに際しては幕板ユニット16をパチンコ機10前方に開放させることで、パチンコ機10前方に引き出した位置にてスピーカユニット95のメンテナンスを行うことができる。よって、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0217】
なお、幕板ユニット16を外枠11に対して開放可能に設けたことにより、下枠部11a上に幕板ユニット16を搭載した構成において、パチンコ機10を島設備191に固定する場合の外枠11に対する釘打ちに際して、下枠部11a上からの幕板ユニット16の離脱を容易に行うことができる。
【0218】
また、幕板ユニット16を外枠11から離脱可能に設けたため、スピーカユニット95の交換時や、当該スピーカユニット95のメンテナンスを念入りに行う必要がある場合には、幕板ユニット16を外枠11から取り外すことで、当該作業を良好に行うことができる。
【0219】
特に、幕板ユニット16は下枠部11aと遊技機本体12との間に設けられているため、遊技者が飲み物を溢してしまうことが考えられる。この場合に、メンテナンス作業の作業性の向上が図られていることで、上記の場合にメンテナンスを良好に行うことができる。
【0220】
一方、遊技機本体12が開放される場合に幕板ユニット16は外枠11側に待機可能に設けられているため、遊技機本体12のメンテナンスを行う場合には、当該遊技機本体12のみを開放させ、幕板ユニット16を閉鎖状態に維持することができる。よって、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0221】
遊技機本体12及び幕板ユニット16の回動軸は共に、縦軸であってパチンコ機10両側部のうち同じ側の側部に設けられているため、遊技機本体12及び幕板ユニット16の両方をメンテナンスする場合には、開放操作される方向が同一であるため、当該開放操作を容易に行うことができる。これにより、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0222】
ストッパ部材111を設け、幕板ユニット16の軸受け部105からの外枠11の支持金具104の抜けを規制するようにした。また、ロック部材121及びロック受け部122からなる幕板ユニット16のロック機構を設け、幕板ユニット16の閉鎖状態でのロックを可能とした。これにより、幕板ユニット16の閉鎖状態を安定した状態で維持させることができ、これに伴って幕板ユニット16における遊技機本体12の下方からの支持を安定した状態で行うことができる。
【0223】
一方、ストッパ部材111及びロック部材121の解除操作を共に手動で行うことができるようにしたことにより、メンテナンスに際しては幕板ユニット16の開放操作を簡易的に行うことができる。例えば、ストッパ部材111及びロック部材121の解除操作が電気的な装置の駆動を介して行われる構成を想定すると、パチンコ機10の電断状態においては、幕板ユニット16の開放操作を行えなくなってしまうが、上記のとおり解除操作を手動で行うことができるようにしたことによりパチンコ機10が電断状態であるか否かに関係なく、幕板ユニット16の開放操作を行うことができる。よって、幕板ユニット16のメンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0224】
また、上記のようにストッパ部材111及びロック部材121の解除操作を共に手動で行うことができるようにした構成において、ストッパ部材111の解除操作を幕板ユニット16の閉鎖状態において規制するようにするとともに、ロック部材121の解除操作を遊技機本体12の閉鎖状態において規制するようにした。さらには、遊技機本体12の閉鎖状態では当該遊技機本体12が幕板ユニット16上に載った状態となるようにした。これにより、幕板ユニット16を取り外すためには幕板ユニット16を開放操作する必要が生じ、幕板ユニット16を開放操作するには遊技機本体12を開放操作する必要が生じる。よって、幕板ユニット16の不正開放及び不正取り外しを防止することが可能となる。
【0225】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、第2通路ユニットの構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における第2通路ユニット231の構成について説明する。図21は第2通路ユニット231の構成を示す斜視図、図22は第2通路ユニット231の分解斜視図、図23は第2通路ユニット231の動きを説明するための説明図である。
【0226】
本実施の形態における第2通路ユニット231は、上記第1の実施の形態と異なり、2つの回動軸を有している。詳細には、第2通路ユニット231は、図22に示すように、第2通路ユニット231を幕板ユニット16のハウジング91に固定するための通路固定リング232と、幕板側排出通路部156における下流側通路部158の上流側を形成するとともに回動可能に設けられた第1可動部233と、幕板側排出通路部156における下流側通路部158の下流側を形成するとともに回動可能に設けられた第2可動部234と、第2可動部234に対して延長治具を固定する場合に用いられる保持部材235及び軸ピン236と、を備えている。なお、これら各構成部品232〜236は、全て合成樹脂材料により形成されている。
【0227】
第1可動部233は、一対のケース体241,242を備えており、これらケース体241,242が前後に重ね合わされていることで、横方向に延びるベース部243と、当該ベース部243から上方へ突出した筒部244とが形成されている。ベース部243及び筒部244には一連の通路領域が形成されており、当該通路領域が下流側通路部158の上流側を構成している。
【0228】
第1可動部233の筒部244は、通路固定リング232における縦方向に貫通した貫通孔245内に挿通されており、当該筒部244は通路固定リング232に対して縦方向を回動軸(以下、第1回動軸ともいう)として回動可能に支持されている。これにより、第1可動部233は、縦方向を回動軸として通路固定リング232に対して回動可能となっている。
【0229】
第1可動部233のベース部243における筒部244側とは反対側の端部に、第2可動部234が組付けられている。この場合、ベース部243の側壁には当該側壁を貫通するようにして軸孔246が形成されているとともに、第2可動部234には軸孔246に対応させて軸用突起247が形成されている。そして、軸孔246に対して軸用突起247が遊挿されるようにして、第2可動部234の一端が第1可動部233のベース部243により外側から挟まれている。この状態では、第1可動部233からの第2可動部234の離脱が阻止されるとともに、第2可動部234は上記第1回動軸と直交する方向を回動軸(以下、第2回動軸ともいう)として第1可動部233に対して回動可能に支持されている。
【0230】
また、第2可動部234には、軸用突起247を中心として環状の角度調整部248が形成されており、第1可動部233にも図示は省略するが角度調整部248に対応させて調整受け部が形成されている。そして、これら角度調整部248と調整受け部とが噛み合った状態においては、第1可動部233に対する第2可動部234の回動が規制され、第2可動部234の回動位置が保持される。なお、この保持状態は、角度調整部248と調整受け部との噛み合いを解除可能な程度の力で第2可動部234を回動させることで解除される。
【0231】
第2可動部234は筒状をなしており内部に通路領域が形成されている。当該通路領域が下流側通路部158の下流側を構成しており、第1可動部233に形成された通路領域と連通されている。これにより、下流側通路部158が形成されている。
【0232】
第2可動部234の筒壁には、軸線方向の途中位置にて通路領域を外部に露出させるようにして、開口部249が形成されている。この開口部249を閉塞するようにして保持部材235が設置されている。ちなみに、保持部材235は有端の環状に形成されており、上記開口部249を閉塞するように配置した上で両端を結合させることにより、第2可動部234からの離脱が阻止されている。
【0233】
また、第2可動部234及び保持部材235は、第2可動部234の軸線方向に延びる軸孔251a,252aが形成された軸形成部251,252を有している。この場合、第2可動部234には所定の間隔離間させて一対の軸形成部251が設けられており、これら軸形成部251間に保持部材235の軸形成部252が入り込んでいる。各軸形成部251,252の軸孔251a,252aは同一軸線上に位置しており、これら軸孔251a,252aに軸ピン236が挿入されている。当該軸ピン236は、保持部材235の軸孔252aに対しては遊挿されているが、第2可動部234の軸孔251aに対しては圧入されている。これにより、保持部材235において両端の結合を解除した場合、第2可動部234に対して保持部材235を回動させることができる。
【0234】
上記のように各構成部品232〜236が組付けられた第2通路ユニット231は、図1に示すような形状となっており、通路固定リング232が幕板ユニット16のハウジング91に固定されている。この場合、通路固定リング232は幕板ユニット16の回動基端側に固定されているが、これに限定されることはなく、回動先端側に固定してもよい。
【0235】
既に説明したように、縦方向の第1回動軸によって通路固定リング232に対して第1可動部233が回動可能となっていることにより、図23(a)に示すように、第2通路ユニット231の先端部(幕板側排出通路部156の球出口)の位置をパチンコ機10の厚み方向(前後方向)に変位させることができる。また、横方向の第2回動軸により第1可動部233に対して第2可動部234が回動可能となっていることにより、図23(b)に示すように、第2通路ユニット231の先端部(幕板側排出通路部156の球出口)の位置を高さ方向及びパチンコ機10の左右方向に変位させることができる。
【0236】
つまり、本実施の形態における第2通路ユニット231によれば、上記第1の実施の形態における第2通路ユニット153と同様に、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を調整することができるだけでなく、当該球出口の前後方向の位置も調整することができる。これにより、上記第1の実施の形態よりも、幕板側排出通路部156の球出口の位置の自由度が高まり、球循環設備の位置に対して柔軟に対応することが可能となる。
【0237】
以上説明した第2通路ユニット231は、延長治具253,254を装着可能となっている。ここで、延長治具253,254について詳細に説明する。図24は、延長治具253,254を説明するための説明図であり、図24(a)は延長治具253,254を第2通路ユニット231に装着していない状態を示し、図24(b)は第1延長治具253を第2通路ユニット231に装着している状態を示し、図24(c)は第2延長治具254を第2通路ユニット231に装着している状態を示す。
【0238】
延長治具としては、図24(b)に示す第1延長治具253と、図24(c)に示す第2延長治具254とがある。
【0239】
第1延長治具253は、金属の線材により螺旋状に形成されており、当該螺旋の内部空間によって延長通路が構成されている。当該延長通路は任意の位置における横断面(軸線に直交する断面)の断面積は遊技球1個分よりも若干大きい程度となっている。
【0240】
当該第1延長治具253は、保持部材235を介して第2可動部234に保持されている。つまり、第1延長治具253を第2可動部234に組付ける場合、保持部材235の両端の結合を解除するとともに、当該保持部材235を第2可動部234に対して回動させておき、この状態で第2可動部234の球出口側から第1延長治具253の一端を挿入する。この場合、第1延長治具253の端部が第2可動部234において開口部249よりも上流側となる位置まで挿入する。その後、保持部材235を元の状態、すなわち、開口部249を閉塞した状態に戻すとともに、両端を結合させる。当該保持部材235の内周面には、図22に示すように、内方に突出する突起235aが一体形成されているため、上記のように保持部材235を元の状態に戻すことで、突起235aが第1延長治具253の挿入箇所と噛み合う。これにより、第1延長治具253が第2可動部234に固定される。
【0241】
一方、第2延長治具254は、合成樹脂材料により形成された管状蛇腹255と、金属の線材により形成された螺旋状部材256と、これらを連結する連結部257とからなる。この場合、管状蛇腹255が第2延長治具254の上流側を構成し、螺旋状部材256が第2延長治具254の下流側を構成している。なお、連結部257の基本的な構成は、第2可動部234における保持部材235及びその周辺の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0242】
管状蛇腹255、螺旋状部材256及び連結部257の内部空間は相互に連通しており、これらの内部空間によって延長通路が構成されている。当該延長通路は任意の位置における横断面(軸線に直交する断面)の断面積は遊技球1個分よりも若干大きい程度となっている。当該第2延長治具254は、保持部材235を介して第2可動部234に保持されている。この保持の構成は、第1延長治具253の保持の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0243】
上記のように第1延長治具253又は第2延長治具254を設けることにより、幕板側排出通路部156の球出口は、第1延長治具253又は第2延長治具254における挿入側とは反対側の端部の位置まで延長されることとなる。これにより、幕板側排出通路部156の球出口をより低い位置とすることが可能となり、これに伴って幕板側排出通路部156の先端部を球循環設備の誘導部192上に余裕を持って到達させることが可能となる。
【0244】
また、各延長治具253,254には、螺旋状の部位を有しており、当該螺旋状の部位を通過する遊技球は螺旋状に沿って周回しながら、落下することとなる。これにより、遊技球が鉛直落下する場合に比べ、誘導部192に遊技球が衝突した際の当該誘導部192にかかる負荷が低減される。
【0245】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、第2通路ユニットの構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における第2通路ユニット261の構成を説明する。図25は第2通路ユニット261の構成を説明するための幕板ユニット16の斜視図、図26は第2通路ユニット261の構成を説明するための幕板ユニット16の背面図である。なお、図25及び図26においては、第2通路ユニット261以外の構成を簡略に示す。
【0246】
第2通路ユニット261は、幕板ユニット16のハウジング91の背面に設けられている。第2通路ユニット261は、ハウジング91に一体形成された土台262と、当該土台262上に設けられた管状蛇腹263とを備えている。
【0247】
土台262は、幕板ユニット16の回動基端側から回動先端側に亘って形成されており、その上面は幕板ユニット16の回動先端側に向けて下り傾斜となっている。この土台262の上面に管状蛇腹263が配置されており、管状蛇腹263は土台262の上面に沿って幕板ユニット16の回動基端側から回動先端側に向けて傾斜している。
【0248】
管状蛇腹263は、合成樹脂材料により形成されており、その内部空間には通路領域が形成されている。当該通路領域により、幕板側排出通路部156の下流側通路部158が構成されている。管状蛇腹263は、幕板ユニット16の回動基端側に相当する端部が連結具264を介して第1通路ユニット152と連結されており、下流側通路部158は第1通路ユニット152の上流側通路部157と連通されている。
【0249】
なお、土台262には上面の後縁から上方へ起立した規制壁265が一体形成されており、当該規制壁265により土台262上から後方への管状蛇腹263の脱落が規制されている。また、ハウジング91の背面には、土台262の上方において当該土台262の上面と対向するように後方へと突出した突出部266が一体形成されており、管状蛇腹263は突出部266と土台262とにより上下に挟まれることで土台262上での保持が良好に行われている。
【0250】
土台262には、図26に示すように、土台262の上面から下面に亘って上下に貫通した挿通孔267が複数形成されている。これら挿通孔267は、管状蛇腹263を挿通可能な孔径となっており、上面の傾斜に沿って所定の間隔を開けて並設されている。そして、これら挿通孔267に対して管状蛇腹263を挿通可能となっている。
【0251】
挿通孔267に対して管状蛇腹263を挿通させることにより、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を変更することができる。つまり、図26の実線で示すように管状蛇腹263の全体が土台262上に載った初期状態に比べ、図26の二点鎖線で示すように管状蛇腹263を挿通孔267に挿通させた状態とした場合、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を低くすることができる。また、幕板ユニット16の回動基端側の挿通孔267に挿通させるほど、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を低くすることができる。なお、管状蛇腹263は、挿通孔267に挿通させた場合、その途中位置に折れ曲がり部を有することとなるが、この際、内部の下流側通路部158は閉塞されず、遊技球の通過が可能な状態は維持される。
【0252】
ここで、挿通孔267の入口部分は、少なくとも土台262の上流側の周壁部が挿通孔267の出口側に向けて狭口となるようにテーパ状に形成されている。これにより、挿通孔267へ管状蛇腹263を挿通させた場合に、挿通孔267の入口部分における管状蛇腹263の上方への盛り上がりが抑えられる。
【0253】
上記構成であっても、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を調整することができる。特に、本構成では、回動機構などを必要としないため、構成の簡素化が図られる。
【0254】
なお、上記構成において、土台262を前後方向にスライド移動可能としてもよい。この場合、幕板側排出通路部156の球出口の位置を高さ方向だけでなく、前後方向にも調整可能となる。また、土台262を前後方向に幅広に設け、挿通孔267を前後方向にも並設する構成としてもよく、この場合、幕板側排出通路部156の球出口の位置を高さ方向だけでなく、前後方向にも調整可能となる。
【0255】
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、第2通路ユニットの構成が上記第3の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における第2通路ユニット271の構成について説明する。図27は第2通路ユニット271の構成を説明するための幕板ユニット16の斜視図である。なお、図27においては、第2通路ユニット271以外の構成を簡略に示す。
【0256】
本実施の形態における第2通路ユニット271は、土台を備えておらず、管状蛇腹272は幕板ユニット16のハウジング91の背面に設けられた収納溝273に収納されている。収納溝273は後方に開放されており、幕板ユニット16の回動基端側から回動先端側に亘って形成されている。管状蛇腹272は収納溝273の長さ寸法よりも若干短く形成されており、初期状態ではその全体が収納溝273に収納されている。
【0257】
幕板ユニット16のハウジング91には、収納溝273の下縁部に沿うようにしてガイドレール274が設けられている。当該ガイドレール274は、収納溝273の全体に亘って並設されているとともに、収納溝273よりも幕板ユニット16の回動先端側に延長されている。ハウジング91におけるガイドレール274の延長部位に対応する箇所には、保持具275を収容するための収容部276が形成されており、当該収容部276には基本的に保持具275が収容されている。
【0258】
保持具275は、ガイドレール274に装着可能なものであり、その装着状態ではガイドレール274に沿ってスライド移動させることができる。また、保持具275には筒孔の軸線方向が上下方向となるようにして設けられた筒部277を備えており、当該筒部277には管状蛇腹272を挿通可能となっている。
【0259】
保持具275に対して管状蛇腹272を挿通させた状態とすることで、管状蛇腹272の先端開口部が下方を向くこととなる。つまり、この状況では幕板側排出通路部156の球出口が島設備の球循環設備に向いた状態となり、遊技球の排出が可能となる。
【0260】
また、保持具275をガイドレール274に沿ってスライド移動させることで、管状蛇腹272の下方への垂れ下がり量を調整することができ、当該垂れ下がり量を調整することで幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を調整することができる。つまり、保持具275を幕板ユニット16の回動基端側に持っていくほど、管状蛇腹272の垂れ下がり量を大きくすることができ、それに伴って幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を低くすることができる。
【0261】
以上のとおり、本構成であっても、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を調整することができる。特に、本構成では、上記第3の実施の形態と同様に、回動機構などを必要としないため、構成の簡素化が図られる。また、本構成では、管状蛇腹272の初期状態では、当該管状蛇腹272を幕板ユニット16のハウジング91内に収容することができるため、パチンコ機10の搬送時などにおいて管状蛇腹272の破損などを防止することができる。
【0262】
なお、ガイドレール274に代えて、保持具275を着脱自在な状態で固定するための固定部を、幕板ユニット16の回動基端側から回動先端側に亘って複数並設してもよい。この場合、保持具275を固定させる固定部を変更することで、管状蛇腹272の垂れ下がり量を調整することができるとともに、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置を調整することができる。
【0263】
(他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合せて適用してもよい。
【0264】
(1)第2通路ユニットの変形例を、図28に示す。図28(a)は第2通路ユニット281の構成を説明するための説明図、図28(b),(c)は第2通路ユニット281の動きを説明するための説明図である。
【0265】
図28(a)に示す第2通路ユニット281は、上記第1の実施の形態における円盤171に対して上記第2の実施の形態における第2通路ユニット231を組付けたような構成を有している。つまり、本第2通路ユニット281は、円盤282と、可動通路ユニット283と、を備えている。円盤282は、パチンコ機10の前後方向を回動軸として回動可能に設けられており、円盤282が回動することで可動通路ユニット283の全体が回動する。
【0266】
また、可動通路ユニット283は、上記第2の実施の形態における第2通路ユニット231と同様に、可動通路ユニット283の上流側を構成する第1可動部284と、可動通路ユニット283の下流側を構成する第2可動部285とを備えており、第1可動部284は上下方向を回動軸として回動可能に設けられており、第2可動部285は前後方向を回動軸として回動可能に設けられている。
【0267】
上記のとおり、本第2通路ユニット281は3つの回動軸を備えている。これにより、上記第1の実施の形態や上記第2の実施の形態に比べ、幕板側排出通路部156の球出口の位置調整の自由度が向上される。つまり、図28(b)に示すように、円盤282を回動させることにより、可動通路ユニット283を傾けることができる。そして、この状態において第1可動部284及び第2可動部285のそれぞれを回動させることができる。特に、図28(c)に示すように、円盤282の回動位置と、第1可動部284の回動位置と、第2可動部285の回動位置とをそれぞれ調整することにより、幕板側排出通路部156の球出口の高さ位置及び奥行き位置の調整範囲を広く確保することが可能となる。
【0268】
(2)第2通路ユニットの変形例を、図29に示す。図29(a)は第2通路ユニット291の構成を説明するための説明図、図29(b)は第2通路ユニット291の動きを説明するための説明図である。
【0269】
図29(a)に示すように、第2通路ユニット291は、球状軸受け部292を備えているとともに、当該球状軸受け部292に対して回動可能に支持された通路形成ユニット293を備えている。通路形成ユニット293は、上板部294と、漏斗状通路部295とを備えており、球状軸受け部292における漏斗状通路部295の内側に入り込んだ部位の抜けを阻止するようにして上板部294が設置されており、当該内側に入り込んだ部位は上板部294と漏斗状通路部295とにより挟み込まれている。また、上板部294と漏斗状通路部295とは、固定具としてのボルト296及びナット297により固定されている。球状軸受け部292には、遊技球の通路領域が形成されているとともに、漏斗状通路部295にも遊技球の通路領域が形成されている。そして、これら通路領域により幕板側排出通路部156における少なくとも下流側通路部158が構成されている。
【0270】
上記構成では、固定具の固定状態を若干緩めた状態とすることで、図29(b)に示すように、上板部294と漏斗状通路部295との一体物を球状軸受け部292の球面に沿って回動させることができる。ちなみに、漏斗状通路部295の入口側は漏斗状に形成されており、漏斗状通路部295を球状軸受け部292の球面に沿って回動させたとしても、球状軸受け部292から漏斗状通路部295内に排出された遊技球はその漏斗状の内周面に沿って円滑に下流側へと導かれる。漏斗状通路部295の回動位置を調整した後は、固定具の固定状態を締めた状態とすることで、その回動位置にて漏斗状通路部295が保持される。本構成によれば、複数の回動軸を設定しなくても、幕板側排出通路部156の球出口の位置の自由度を高めることができる。
【0271】
(3)幕板側排出通路部156を通過する遊技球を減速させるための減速構造について、図30(a),(b)を用いて説明する。
【0272】
図30(a)では、減速構造として、幕板側排出通路部156が蛇行させて形成されているため、当該幕板側排出通路部156を流下する遊技球は通路壁に当たりながら流下することとなる。よって、幕板側排出通路部156から排出される遊技球の勢いを低減することが可能となり、島設備の誘導部192に遊技球が排出された場合の誘導部192に与える衝撃を低減することが可能となる。
【0273】
図30(b)では、減速構造として、幕板側排出通路部156の底面には、遊技球の流れを阻害しない範囲内において段差部301が形成されている。この場合、幕板側排出通路部156を流下する遊技球は段差部301にて勢いが低減されながら流下することとなる。よって、幕板側排出通路部156から排出される遊技球の勢いを低減することが可能となり、島設備の誘導部192に遊技球が排出された場合の誘導部192に与える衝撃を低減することが可能となる。
【0274】
(4)幕板側排出通路部156の球入口の変形例を、図31に示す。図31に示すように、球入口302は楕円状に形成されている。この場合、球入口302の楕円は、遊技機本体12が回動する場合における本体側排出通路部145の球出口146の通過軌道に沿うようにして形成されている。これにより、本体側排出通路部145から幕板側排出通路部156へ遊技球が排出されるタイミングで遊技機本体12が回動操作された場合に、その遊技球が幕板側排出通路部156にて受けられ易くなる。また、遊技機本体12又は幕板ユニット16の組付け誤差により両者が回動方向に若干ずれた位置関係となったとしても、本体側排出通路部145と本体側排出通路部145との連通状態が好適に確保される。
【0275】
(5)上記各実施の形態では、幕板側排出通路部156の球出口179の高さ位置を調整可能としたが、当該高さ位置の調整を不可としながら、水平方向位置の調整のみを行える構成としてもよい。
【0276】
(6)第2通路ユニットにおいて、幕板側排出通路部156の通路方向を変更可能な関節部を当該通路方向に沿って多数並設し、通路方向の変更を柔軟に行えるよう構成してもよい。この場合、関節部を構成する部材間の摩擦により、第2通路ユニットの自重や遊技球の重みによる通路方向の変更が発生しないように、且つ手動操作による所定の外力の付与により通路方向の変更が可能となるように、各関節部を形成することが好ましい。
【0277】
(7)上記各実施の形態では、本体側排出通路部145と幕板側排出通路部156との連通箇所を遊技機本体12及び幕板ユニット16の回動基端側に設定したが、これに代えて、当該連通箇所を遊技機本体12及び幕板ユニット16の回動先端側に設定してもよい。当該構成であっても、幕板側排出通路部156の上流側通路部157を外枠11の回動先端側の側枠部(右枠部11c)に沿うようにして形成するとともに、下流側通路部158を下枠部11aよりも後方に配置することで、下枠部11aと遊技機本体12との間において、スピーカユニット95等の遊技機構成装置を設置するスペースを広く確保することが可能となる。なお、上記連通箇所を外枠11の左右方向の中央側に設定してもよい。
【0278】
(8)本体側排出通路部145の球出口146と幕板側排出通路部156の球入口174とを、球出口146をパチンコ機10前方とした状態で、且つ両通路部146,156間の遊技球の流れを阻害しない状態で、前後に対向させてもよい。また、本体側排出通路部145の球出口146と幕板側排出通路部156の球入口174とを、両通路部146,156間の遊技球の流れを阻害しない状態で、左右に対向させてもよい。これらの構成であっても、遊技機本体12の開放に際して両者が干渉しないようにすることで、遊技機本体12を開放する場合に幕板ユニット16を外枠11側に待機させることができる。
【0279】
(9)上記各実施の形態では、幕板側排出通路部156の上流側通路部157はスピーカユニット95の側方において前後方向に延びる構成としたが、これに代えて、スピーカユニット95の上方において前後方向に延びる構成としてもよい。この場合、幕板ユニット16においてスピーカユニット95にて占有することができる高さ方向の領域が上記各実施の形態よりも低くなるが、左右方向の領域は広く確保することが可能となる。
【0280】
また、幕板ユニット16には幕板側排出通路部156の下流側通路部158のみを搭載し、本体側排出通路部145の球出口146の位置をスピーカユニット95よりも後方の位置に設定してもよい。この場合、幕板ユニット16において上記各実施の形態のような上流側通路部157が必要なくなり、スピーカユニット95等の遊技機構成装置を設置するスペースを広く確保することが可能となる。
【0281】
(10)通路樋172の先端部の形状を末広がりとなるように形成してもよい。この場合、通路樋172から誘導部192上に排出される遊技球の落下位置にバラツキを生じさせることができるため、常に同一箇所に遊技球が落下する構成に比べ、誘導部192の破損が発生する可能性が低減される。
【0282】
(11)通路樋172を幕板側排出通路部156の通路方向に伸縮可能な構成としてもよい。例えば、通路樋172を外側管部と内側管部との内外2重構造とし、内側管部を外側管部に対して上記通路方向にスライド移動可能とする。これにより、幕板側排出通路部156の球出口179の位置を上記通路方向に延長させることが可能となる。
【0283】
(12)上記第1の実施の形態における第2通路ユニット153の回動手段の構成を、通路樋172の先端部178が下枠部11aの下端面よりも下方にある状況で幕板ユニット16を開放させた場合に、通路樋172が後方から下枠部11aに当たることで、通路樋172の先端部178が下枠部11aよりも上方となる位置に通路樋172が自ずと回動する構成としてもよい。この場合、通路樋172の先端部178を下枠部11aよりも上方に移動させることを忘れた状態で幕板ユニット16を開放させたとしても、通路樋172の破損の発生を抑制することができる。
【0284】
また、上記第3の実施の形態について、管状蛇腹263の先端部が下枠部11aの下端面よりも下方にある状況で幕板ユニット16を開放させた場合に、管状蛇腹263が下枠部11aに当たることで、管状蛇腹263の先端部が下枠部11aよりも上方となる位置に管状蛇腹263が弾性変形するように、管状蛇腹263の柔軟性を設定してもよい。
【0285】
(13)上記各実施の形態では、遊技機本体12の回動軸と幕板ユニット16の回動軸とが同一軸線上(同一直線上)に位置するようにしたが、これに代えて、両回動軸が同一軸線上に位置しない構成としてもよい。この場合であっても、遊技機本体12及び幕板ユニット16の両方を回動可能なものとすることができる。また、本構成において、幕板ユニット16の回動基端の位置を遊技機本体12の回動基端とは逆側に設定してもよい。
【0286】
(14)上記各実施の形態において、本体側排出通路部145の球出口146部分に、遊技機本体12を開放する場合に当該球出口146の遊技球の通過を阻止するシャッタ部材(シャッタ手段)を設けてもよい。このシャッタ部材の動作は電気的又は機械的のいずれであってもよい。
【0287】
電気的な構成とする場合、遊技機本体12の開放を検知する開放検知センサ(開放検知手段)と、シャッタ部材を開閉動作させるアクチュエータ(駆動手段)と、開放検知センサにて開放が検知された場合にシャッタ部材が閉鎖方向に移動するようアクチュエータを駆動させる制御装置と、を備えた構成とするとよい。この場合、制御装置は主制御装置63や払出制御装置82としてもよい。
【0288】
機械的な構成とする場合、遊技機本体12が閉鎖されている場合にシャッタ部材を開放位置に保持し、遊技機本体12が開放されている場合にシャッタ部材を閉鎖位置に移動させるリンク機構を設けるとよい。より具体的には、遊技機本体12が閉鎖されている場合に一部が押圧されるとともに、遊技機本体12を開放させた場合にその押圧が解除されるようにリンク機構を設け、遊技機本体12の閉鎖状態においてリンク機構の一部が押圧されている場合に、シャッタ部材を開放位置に保持し、その押圧が解除された場合にシャッタ部材を閉鎖位置に移動させる構成が考えられる。
【0289】
上記のようにシャッタ部材を設けることで、遊技機本体12の開放中に本体側排出通路部145から遊技球が排出されてしまうことを阻止することが可能となる。なお、シャッタ部材による閉鎖位置は、排出球検知センサ147の検知位置よりも上流側としてもよい。この場合、シャッタ部材を閉鎖状態とした際に、排出球検知センサ147の検知位置にて遊技球が待機してしまうことが抑制される。検知位置にて遊技球が待機してしまうと、振動などによりその遊技球が揺れることで1個の遊技球の排出が複数個の遊技球の排出として検知されてしまう可能性があるが、本構成によればこのような不都合の発生が抑えられる。
【0290】
(15)遊技機本体12と幕板ユニット16との一体化を可能とする連結手段を設け、遊技機本体12と幕板ユニット16との一体的な回動を可能とするとともに、当該連結手段の連結状態を解除することで、遊技機本体12の開放に際して幕板ユニット16が外枠11側に待機可能な構成としてもよい。当該連結手段として具体的には、パチンコ機10の前面側において、遊技機本体12又は幕板ユニット16の一方にフック等の連結部材を設けるとともに、他方に引掛け部等の連結受け部を設ける。そして、連結受け部に連結部材を受けさせる操作及び連結受け部に連結部材が受けられた状態を解除する操作を共に手動操作で行えるようにする。本構成によれば、遊技機本体12と幕板ユニット16とを一体的に回動させることができる。但し、本構成においては、上記各実施の形態におけるロック機構を不具備とする又はパチンコ機10前方からロック操作及びロック解除操作を行えるようにする必要がある。
【0291】
(16)上記各実施の形態では、遊技機本体12の閉鎖状態では当該遊技機本体12が幕板ユニット16により下方から支持される構成としたが、これに代えて、遊技機本体12が幕板ユニット16により下方から支持されない構成としてもよい。具体的には、外枠11において遊技機本体12と幕板ユニット16との境界部分に、外枠11の内部空間を上下に仕切る仕切板を設け、遊技機本体12の閉鎖状態では当該仕切板上に遊技機本体12が載り当該仕切板にて遊技機本体12が下方から支持される構成とする。また、仕切板にて遊技機本体12を下方から支持している状態において、仕切板が幕板ユニット16上に載らないようにする。但し、本構成においては、上記各実施の形態におけるロック機構を不具備とする又はパチンコ機10前方からロック操作及びロック解除操作を行えるようにする。又は、解錠キーにより解錠操作が可能な施錠装置を幕板ユニット16に設ける。上記構成とすることで、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖した状態において幕板ユニット16を外枠11に対して開放させることができる。つまり、遊技機本体12と幕板ユニット16とを各々独立して開閉させることができる。
【0292】
(17)上記各実施の形態では、ロック部材121をスライド式に設けたが、これに代えて、ロック部材121を回動式に設けてもよい。また、上記各実施の形態では、遊技機本体12の閉鎖状態においてロック部材121及びロック受け部122が収容される収容空間125は、幕板ユニット16のハウジング91に形成された遮蔽壁部126により後側が遮蔽される構成としたが、当該遮蔽壁部126を外枠11の右枠部11cに形成してもよく、外枠11の下枠部11aに形成してもよい。また、遮蔽壁部126を不具備としてもよい。
【0293】
(18)上記各実施の形態では、幕板ユニット16にスピーカユニット95を搭載したが、これに代えて、主制御装置63、払出制御装置82又は電源及び発射制御装置83などといった制御装置を搭載するようにしてもよい。また、複数の遊技機構成装置(遊技機構成機器)を幕板ユニット16に搭載するようにしてもよい。
【0294】
例えば、電源及び発射制御装置83などのように日常的なメンテナンスを要しないものを幕板ユニット16に搭載することで、遊技機本体12におけるスペースをそれだけ確保することが可能となる。
【0295】
また、主制御装置63のように不正の対象となり易いものを幕板ユニット16に搭載することで当該主制御装置63のセキュリティ性を向上させることが可能となる。つまり、遊技機本体12の背面側には日常的なメンテナンスを要する機器が搭載されているため、遊技機本体12はメンテナンス性を鑑みて設けられている。これに対して、主制御装置63を幕板ユニット16に搭載するとともに、当該幕板ユニット16をメンテナンスを意図しないように形成することで、主制御装置63のセキュリティ性を向上させることが可能となる。
【0296】
また、スピーカユニット95及び音声ランプ制御装置66のそれぞれに無線通信装置を設けるとともに、スピーカユニット95にスピーカ132のアクチュエータ(スピーカ駆動装置)を設ける構成としてもよい。つまり、遊技機本体12に搭載された電気機器と幕板ユニット16に搭載された電気機器とを電気的に接続する電気配線を不具備とするとともに、代わりに、それら電気機器間の情報の送受を、無線通信手段を介して行うようにしてもよい。この場合、遊技機本体12の開閉に際して遊技機本体12と幕板ユニット16との間に電気配線を挟み込んでしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
【0297】
(19)上記各実施の形態では、本体側排出通路部145及び幕板側排出通路部156からなる1列の排出通路部を設けたが、当該排出通路部を複数列設けてもよい。この場合、島設備191への遊技球の排出を上記各実施の形態よりも素早く行うことができる。なお、当該構成において、排出通路ユニット96の構成を、各排出通路部に対して適用するようにしてもよい。
【0298】
(20)外枠11の下枠部11aに幕板ユニット16を下方から支持する支持片を設けてもよい。この場合、幕板ユニット16が下枠部11aよりも後方に突出している構成に対応させて、支持片も下枠部11aよりも後方に突出させて設けることで、幕板ユニット16の支持を安定した状態で行うことができる。また、当該支持片を下枠部11a上において縦軸回動可能に設けることで、例えば、外枠11単体での搬送時には邪魔にならないように支持片を下枠部11aよりも後方に突出しない収容位置とし、幕板ユニット16を設置する際に支持片を下枠部11aよりも後方に突出した突出位置に配置することができる。
【0299】
また、支持片を設ける構成に代えて、下枠部11aを幕板ユニット16における後方への突出部位を下方から支持するように、パチンコ機10後方へ延長させてもよい。この場合、比較的重量の大きい幕板ユニット16の支持を良好に行うことができる。なお、下枠部11aにおける延長部位には、第2通路ユニット153や管状蛇腹263の先端が下枠部11aよりも下方へ移動することを許容する開口を設けるとよい。
【0300】
また、パチンコ機10を島設備191に固定する場合、外枠11が島設備191に対して釘により固定されることとなるが、パチンコ機10の島設備191の取り外しを考慮して、釘止めは釘の頭を若干浮かせた状態で行われる。この場合に、当該釘の状態を維持するために、支持片を配置する位置は、釘と上下に重ならない位置とすることが好ましい。
【0301】
(21)上記各実施の形態では、ラック部181及び爪部184のラチェット構造により、幕板側排出通路部156の球出口179を上方へ移動させる場合、通路樋172に所定の外力を加えることで保持解除操作を要することなく通路樋172の回動を可能とし、球出口179を下方へ移動させる場合には保持解除操作を要する構成としたが、これを逆としてもよい。
【0302】
(22)上記各実施の形態において、主制御装置(制御手段)63にて本体側排出通路部145を通過した遊技球の数を管理するようにしてもよい。この場合、排出球検知センサ147の検知結果を上記各実施の形態と同様に主制御装置63に出力する必要があり、両者を電気配線により接続する必要がある。当該構成において、排出球検知センサ147が幕板側排出通路部156に設けられた構成を想定すると、当該電気配線は遊技機本体12と幕板ユニット16とを繋ぐようにして設けられることとなるため、遊技機本体12の開閉操作に際して当該電気配線が遊技機本体12と幕板ユニット16との間に挟み込まれてしまうことが懸念される。これに対して、上記各実施の形態と同様に、排出球検知センサ147を本体側排出通路部145に対して設けることで、上記のような不都合を発生させることなく、主制御装置63における排出球の管理を実現することができる。
【0303】
(23)上記各実施の形態では、ストッパ部材111を移動させる場合、当該移動を手動操作により行う構成としたが、ソレノイドなどのアクチュエータを並設して、電気的な駆動によりストッパ部材111を移動させる構成としてもよい。また、上記各実施の形態では、ロック部材121を移動させる場合、当該移動を手動操作により行う構成としたが、ソレノイドなどのアクチュエータを並設して、電気的な駆動によりロック部材121を移動させる構成としてもよい。
【0304】
(24)上記各実施の形態では、外側貯留部として上皿57aと下皿58aとを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の外側貯留部を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。また、停電監視装置を主制御装置63とは別に設けることで、主制御基板201は主制御回路202のみの機能を有する構成としてもよい。
【0305】
(25)上記各実施の形態では、幕板ユニット16を外枠11に対して開閉可能に設けたが、ネジや釘などにより幕板ユニット16を下枠部11aに固定することで開閉不可な状態で設けてもよく、当該幕板ユニット16を外枠11に対して前方にスライド移動可能に設けてもよい。
【0306】
また、外枠11の下枠部11a上に、当該下枠部11aと遊技機本体12との間の隙間を下枠部11aの前縁において塞ぐように幕板部を設け、その後方に幕板ユニット16を設置してもよい。この場合、当該幕板ユニット16を外枠11に対して下枠部11aから上方へスライド移動可能に設置し、幕板ユニット16を下枠部11aから取り外す際には当該幕板ユニット16を上記幕板部よりも上方にスライド移動させた後に取り外す構成としてもよい。なお、幕板ユニット16を下枠部11aから上方へスライド移動させるための具体的な構成としては、外枠11の左右の枠部11b,11cにおける内側の板面にレールを並設するとともに、幕板ユニット16の左右の端部にレールに係止される係止部を設ける構成が考えられる。
【0307】
(26)上記各実施の形態では、幕板ユニット16に排出通路ユニット96を設けたが、これに代えて、当該排出通路ユニット96の機能を遊技機本体12に設けてもよい。この場合、幕板ユニット16を不具備とし、幕板領域には従来の幕板を設置する構成としてもよい。
【0308】
(27)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0309】
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。当該遊技機において、「遊技を行う上で使用された遊技媒体」とは、取込装置による取込が完了した遊技球のことである。
【0310】
(28)上記「課題を解決するための手段」に記載した手段等の他に、以下の手段も適用可能である。なお、以下においては、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。ちなみに、「課題を解決するための手段」の手段1〜14に代えて、以下の各手段を適用してもよく、また「課題を解決するための手段」の手段1乃至14のいずれか1に対して、以下の各手段のうち全部又は一部を適用してもよい。
【0311】
手段A1.遊技場の島設備(島設備191)に固定される外枠(外枠11)と、当該外枠に開閉可能に支持された遊技機本体(遊技機本体12)と、を備え、遊技を行う上で使用された遊技媒体を前記島設備に排出する遊技機において、
前記遊技機本体に設けられ、前記島設備への遊技媒体の排出通路部における上流側を構成する本体側排出通路部(本体側排出通路部145)と、
前記外枠の下枠部(下枠部11a)と前記遊技機本体との間において当該遊技機本体の開放に際して前記外枠側に待機可能に設けられ、前記遊技機本体の閉鎖状態において前記本体側排出通路部と連通し、前記排出通路部の下流側を構成する外枠側排出通路部(幕板側排出通路部156)と、
を備え、
前記外枠側排出通路部は前記下枠部の下端面よりも下方の位置にて遊技媒体の排出を行うことが可能なように形成されていることを特徴とする遊技機。
【0312】
手段A1によれば、遊技を行う上で使用された遊技媒体を島設備に排出する排出通路部のうち、上流側が本体側排出通路部として遊技機本体に設けられており、下流側が外枠側排出通路部として外枠側に設けられている。そして、外枠側排出通路部は下枠部の下端面よりも下方の位置にて遊技媒体の排出を行うことが可能なように形成されているため、従来の回収容器を設けなくても、島設備への遊技媒体の排出を良好に行うことが可能となる。これにより、従来の回収容器が設けられていた領域を、遊技機構成装置などを設置するための領域として有効活用することができる。
【0313】
また、上記構成において、本体側排出通路部は遊技機本体に設けられているが、外枠側排出通路部は外枠側に設けられており、当該外枠側排出通路部は遊技機本体の開放に際して外枠側に待機可能となっている。これにより、外枠側排出通路部に対する何らかの操作を要することなく、遊技機本体や当該遊技機本体に搭載された装置などのメンテナンスに際して遊技機本体を開放させることができる。よって、遊技機のメンテナンス性を低下させないようにしつつ、領域の拡張に関する上記優れた効果を奏することができる。
【0314】
以上より、遊技を進行させる上で用いられる遊技機構成装置などを設置するためのスペースの拡張を良好に実現することが可能となる。
【0315】
手段A2.手段A1において、前記遊技機本体は左右方向の一方の側部を開閉基端側として前記外枠に開閉可能に支持されており、
前記本体側排出通路部と前記外枠側排出通路部との連通箇所は、前記開閉基端側に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0316】
手段A2によれば、本体側排出通路部と外枠側排出通路部との連通箇所が開閉基端側に設けられているため、これら両通路部の連通に関して、外枠に対する遊技機本体の組付け誤差や、外枠に対する外枠側排出通路部の設置誤差などの影響を低減することができる。
【0317】
手段A3.手段A1又はA2において、前記外枠側排出通路部は、前記外枠の左右いずれか一方の側枠部に沿って後方に延びる上流側通路部(上流側通路部157)と、当該上流側通路部と連通されているとともに、前記下枠部の下端面よりも下方の位置にて遊技媒体の排出を行うことを可能とする下流側通路部(下流側通路部158)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
【0318】
手段A3によれば、外枠側排出通路部は上流側通路部と下流側通路部とにより下枠部上の周縁に沿うようにして形成されており、下枠部と遊技機本体との間の領域であって下枠部の上方の領域を極力占有しないようにしつつ外枠側排出通路部が設けられている。これにより、下枠部と遊技機本体との間において、遊技機構成装置を設置するための領域を大きく確保することが可能となる。
【0319】
なお、前記上流側通路部を、前記下枠部よりも後方の位置まで延出させるとよい。これにより、下流側通路部は下枠部と遊技機本体との間の領域であって下枠部の上方の領域を占有しないこととなり、上記手段A3における効果をより高めることができる。
【0320】
手段A4.手段A1乃至A3のいずれか1において、前記遊技機本体と前記下枠部との間にて前記外枠に開閉可能に支持され、前記外枠側排出通路部が搭載された幕板ユニット(幕板ユニット16)をさらに備えており、
前記遊技機本体及び前記幕板ユニットの回動軸は共に、縦軸であって遊技機両側部のうち同じ側の側部に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0321】
手段A4によれば、外枠側排出通路部が幕板ユニットとして設けられているため、外枠側排出通路部のメンテナンスを行う場合は幕板ユニットを外枠に対して開放させることで、外枠側排出通路部を遊技機前方に引き出すことが可能となる。これにより、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0322】
また、遊技機本体及び幕板ユニットの回動軸は共に、縦軸であって遊技機両側部のうち同じ側の側部に設けられているため、遊技機本体及び外枠側排出通路部の両方をメンテナンスする場合には、開放操作させる方向が同一であるため、当該開放操作を容易に行うことができる。これにより、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0323】
手段A5.手段A4において、前記遊技機本体及び前記幕板ユニットの回動軸は、同一軸線上に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0324】
手段A5によれば、本体側排出通路部が設けられた遊技機本体と、外枠側排出通路部が設けられた幕板ユニットの両方が回動可能(開閉可能)に設けられた構成において、両通路部の連通箇所の設計を比較的容易に行うことが可能となる。また、両通路部の連通に関して、外枠に対する遊技機本体の組付け誤差や、外枠に対する幕板ユニットの組付け誤差などの影響を低減することが可能となる。
【0325】
手段A6.手段A5において、前記幕板ユニットの回動軸を構成する軸部材(支持金具104)は、前記遊技機本体の回動軸の少なくとも一部を構成していることを特徴とする遊技機。
【0326】
本体側排出通路部が設けられた遊技機本体と、外枠側排出通路部が設けられた幕板ユニットの両方が回動可能に設けられた構成において、遊技機本体の軸部材及び幕板ユニットの軸部材が完全に独立したものである構成を想定すると、これら軸部材のそれぞれについて組付け誤差が生じるおそれがあり、そうすると両通路部の連通を設計通り行えないおそれがある。これに対して、手段A6によれば、遊技機本体及び幕板ユニットに共通の軸部材が用いられているため、上記のような軸部材の組付け誤差が発生しないようにすることが可能となり、両通路部の連通が良好に行われるようにすることができる。
【0327】
手段A7.手段A1乃至A6のいずれか1において、前記本体側排出通路部の本体側出口部(球出口146)及び前記外枠側排出通路部の外枠側入口部(球入口174)は共に、1の遊技媒体は通過可能であるが、複数の遊技媒体が同時に通過することができない開口面積を有していることを特徴とする遊技機。
【0328】
手段A7によれば、本体側出口部及び外枠側入口部を遊技媒体は1ずつ通過することとなるため、複数の遊技媒体が同時に通過する構成に比べ、両通路部の連通箇所において遊技媒体が詰まってしまう可能性が低減される。また、外枠側入口部の開口面積を、1の遊技媒体は通過可能であるが、複数の遊技媒体が同時に通過することができない大きさとすることで、外枠側入口部の開口面積の大きさは従来の回収容器の回収口に比べて相当小さなものとなる。これにより、下枠部と遊技機本体との間に、遊技機構成装置を設置するための領域を広く確保することが可能となる。
【0329】
なお、当該構成であっても、上記手段A2等の構成を備えていることで、本体側排出通路部と外枠側排出通路部との連通が良好に行われる。
【0330】
手段A8.手段A1乃至A6のいずれか1において、前記本体側排出通路部の本体側出口部(球出口146)は、1の遊技媒体は通過可能であるが、複数の遊技媒体が同時に通過することができない開口面積を有しているとともに、
前記外枠側排出通路部の通路幅及び通路高さは、1の遊技媒体は通過可能であるが、任意の位置を複数の遊技媒体が同時に通過することができない寸法を有していることを特徴とする遊技機。
【0331】
手段A8によれば、本体側出口部及び外枠側入口部を遊技媒体は1ずつ通過することとなるため、複数の遊技媒体が同時に通過する構成に比べ、両通路部の連通箇所において遊技媒体が詰まってしまう可能性が低減される。また、外枠側排出通路部の通路幅及び通路高さを、1の遊技媒体は通過可能であるが、複数の遊技媒体が同時に通過することができない寸法とすることで、外枠側排出通路部が占める領域は従来の回収容器に比べて相当小さなものとなる。これにより、下枠部と遊技機本体との間に、遊技機構成装置を設置するための領域を広く確保することが可能となる。
【0332】
なお、「前記外枠側排出通路部の通路幅及び通路高さ」は、外枠側排出通路部の通路方向に対して直交する方向の断面における幅及び高さのことである。
【0333】
手段A9.手段A7又はA8において、前記外枠側排出通路部の外枠側入口部(球入口174)は、前記本体側出口部よりも大きな開口面積を有していることを特徴とする遊技機。
【0334】
手段A9によれば、本体側排出通路部から外枠側排出通路部への遊技媒体の流入が円滑に行われる。また、外枠に対する遊技機本体等の組付け誤差が生じたとしても、ある程度の範囲であればそれをカバーすることができる。
【0335】
手段A10.手段A9において、前記本体側出口部と前記外枠側入口部とは上下に対向しており、
前記外枠側入口部には、上流側に向けて広口となるテーパ面が形成されていることを特徴とする遊技機。
【0336】
手段A10によれば、本体側排出通路部から外枠側排出通路部への遊技媒体の流入が円滑に行われる。
【0337】
手段A11.手段A7乃至A10のいずれか1において、前記遊技機本体は左右方向の一方の側部を開閉基端側として前記外枠に開閉可能に支持されており、
前記本体側出口部と前記外枠側排出通路部の外枠側入口部とは上下に対向しており、
前記外枠側入口部は、前記遊技機本体が開放される場合における前記本体側出口部の軌道に沿うようにして形成されていることを特徴とする遊技機。
【0338】
手段A11によれば、本体側排出通路部から外枠側排出通路部に遊技媒体が排出される直前などに遊技機本体の開放操作が行われたとしても、外枠側入口部が本体側出口部の通過軌道に沿うようにして形成されているため、その遊技媒体を外枠側排出通路部にて受けることが可能となる。
【0339】
手段A12.手段A1乃至A11のいずれか1において、前記本体側排出通路部の本体側出口部(球出口146)は、前記遊技機本体の背面部に設けられているとともに、前記遊技機本体と前記下枠部との間に、遊技を進行させる上で用いられる遊技機構成装置(スピーカユニット95)が搭載されており、
前記外枠側排出通路部は、前記遊技機構成装置に対して上下又は左右に並んだ位置から当該遊技機構成装置の後方まで延びる上流側通路部(上流側通路部157)と、前記遊技機構成装置の後方に設けられ、前記上流側通路部と連通されているとともに、前記下枠部の下端面よりも下方の位置にて遊技媒体の排出を行うことを可能とする下流側通路部(下流側通路部158)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
【0340】
手段A12によれば、外枠側排出通路部が遊技機構成装置を迂回するようにして形成されているため、遊技機構成装置を設置するための領域を大きく確保することが可能となる。
【0341】
手段A13.手段A1乃至A12のいずれか1において、前記本体側排出通路部を通過する遊技媒体を検知する媒体検知手段(排出球検知センサ147)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
【0342】
手段A13によれば、遊技を行う上で使用された遊技媒体が媒体検知手段にて検知されるため、その検知結果を用いることで遊技機の稼働率などを算出することが可能となり、遊技場における遊技機の管理を好適に行うことが可能となる。
【0343】
この場合に、媒体検知手段は本体側排出通路部を通過する遊技媒体を検知するように設けられているため、遊技を行う上で使用された遊技媒体の検知を確実に行うことができる。媒体検知手段を外枠側排出通路部を通過する遊技媒体を検知するように設けた構成を想定すると、遊技機本体を外枠に対して開放した状態において本体側排出通路部を通過した遊技媒体は検知することができない。これに対して、上記のとおり媒体検知手段は本体側排出通路部を通過する遊技媒体を検知するように設けられているため、遊技機本体を外枠に対して開放した状態であっても、上記遊技媒体の検知を確実に行うことができる。
【0344】
(29)手段B1.遊技場の島設備(島設備191)に固定される外枠(外枠11)と、当該外枠に開閉可能に支持された遊技機本体(遊技機本体12)と、を備えた遊技機において、
前記外枠の下枠部(下枠部11a)と前記遊技機本体との間には、遊技を進行させる上で用いられる遊技機構成装置(スピーカユニット95)が搭載された幕板ユニット(幕板ユニット16)が設けられており、
当該幕板ユニットは、遊技機前方に開放させることができるように前記外枠に開閉可能に支持されているとともに、前記遊技機本体が開放される場合に前記外枠側に待機可能に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0345】
手段B1によれば、外枠の下枠部と遊技機本体との間に、遊技機構成装置が搭載された幕板ユニットが設けられているため、外枠の下枠部と遊技機本体との間の領域が、遊技機構成装置を設置するための領域として有効活用されている。
【0346】
この場合に、幕板ユニットは外枠に対して遊技機前方に開放可能に設けられているため、遊技機構成装置のメンテナンスに際しては外枠に対して遊技機前方に開放させることで、遊技機前方に引き出した位置にて遊技機構成装置のメンテナンスを行うことができる。よって、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0347】
また、遊技機本体が開放される場合に外枠側に待機可能に設けられているため、遊技機本体のメンテナンスを行う場合には、当該遊技機本体のみを開放させ、幕板ユニットは閉鎖状態に維持することができる。よって、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0348】
以上より、遊技機構成装置を外枠の下枠部と遊技機本体との間に備えた構成において、遊技機のメンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0349】
手段B2.手段B1において、前記遊技機本体及び前記幕板ユニットの回動軸は共に、縦軸であって遊技機両側部のうち同じ側の側部に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0350】
手段B2によれば、遊技機本体及び幕板ユニットの回動軸は共に、縦軸であって遊技機両側部のうち同じ側の側部に設けられているため、遊技機本体及び外枠側排出通路部の両方をメンテナンスする場合には、開放操作させる方向が同一であるため、当該開放操作を容易に行うことができる。これにより、当該メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0351】
手段B3.手段B2において、前記遊技機本体及び前記幕板ユニットの回動軸は、同一軸線上に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0352】
手段B3によれば、本体側排出通路部が設けられた遊技機本体と、外枠側排出通路部が設けられた幕板ユニットの両方が回動可能(開閉可能)に設けられた構成において、遊技機本体と幕板ユニットとの相互の位置合わせを良好に行うことができる。
【0353】
手段B4.手段B3において、前記幕板ユニットの回動軸を構成する軸部材(支持金具104)は、前記遊技機本体の回動軸の少なくとも一部を構成していることを特徴とする遊技機。
【0354】
手段B4によれば、遊技機本体及び幕板ユニットに共通の軸部材が用いられているため、軸部材の組付け誤差が発生しないようにすることが可能となり、遊技機本体と幕板ユニットとの相互の位置合わせを良好に行うことができる。
【0355】
手段B5.手段B1乃至B4のいずれか1において、前記外枠及び前記幕板ユニットのうち一方に設けられた軸部(支持金具104)と、他方に設けられた軸受け部(軸受け部105)と、を備え、前記軸部及び前記軸受け部により前記外枠に対して前記幕板ユニットが開閉可能となっており、
さらに、前記軸受け部からの前記軸部の離脱を阻止するとともに、その阻止の解除を可能とする離脱阻止手段(ストッパ部材111)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0356】
手段B5によれば、軸受け部からの軸部の離脱が離脱阻止手段により阻止されていることにより、幕板ユニットの回動に際して当該幕板ユニットが外れてしまうといった不都合の発生が阻止される。一方、離脱阻止手段による阻止を解除することで、幕板ユニットを外枠から取り外すことができる。これにより、遊技機構成装置の交換時や、当該遊技機構成装置のメンテナンスを念入りに行う必要がある場合には、幕板ユニットを外枠から取り外すことで、当該作業を良好に行うことができる。
【0357】
手段B6.手段B5において、前記離脱阻止手段は、前記離脱の阻止の解除を行う場合に手動操作される離脱用解除操作部(操作レバー114)を有しており、
前記幕板ユニットを前記外枠に閉鎖した状態では前記離脱用解除操作部の操作が不可又は困難なものとなるよう規制するとともに、前記幕板ユニットを前記外枠に対して開放させた場合に規制を解除する操作規制手段(支持用金属板102,103)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0358】
手段B6によれば、離脱用解除操作部を手動操作することで、外枠からの幕板ユニットの離脱が阻止された状態が解除される。これにより、外枠からの幕板ユニットの離脱を簡易的に行うことができる。
【0359】
一方、離脱用解除操作部を手動操作する場合には、幕板ユニットを外枠に対して遊技機前方に開放させる必要がある。幕板ユニットは下枠部と遊技機本体との間に設けられているため、遊技機本体や幕板ユニットに設けられた遊技機構成装置に不正を施すべく幕板ユニットが取り外されることが想定される。この場合に、幕板ユニットを前方に開放させることなく外枠から幕板ユニットを取り外すことができる構成を想定すると、幕板ユニットを取り外す行為を目立たないようにしながら行うことができてしまう。これに対して、幕板ユニットを外枠から取り外す場合には、先ず幕板ユニットを外枠に対して遊技機前方に開放させる必要があるようにすることで、幕板ユニットを取り外す行為を目立つものとすることが可能となり、上記不正行為の発見の容易化が図られる。
【0360】
手段B7.手段B1乃至B6のいずれか1において、閉鎖状態にある前記幕板ユニットの開放を阻止するとともに、その阻止の解除を可能とする開放阻止手段(ロック部材121、ロック受け部122)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0361】
幕板ユニットは下枠部と遊技機本体との間に設けられているため、遊技機本体や幕板ユニットに設けられた遊技機構成装置に不正を施すべく幕板ユニットが不正に開放操作されることが想定される。これに対して、手段B7によれば、外枠からの幕板ユニットの開放が開放阻止手段により阻止されているため、上記不正行為を防止することが可能となる。一方、開放阻止手段による阻止状態は解除することが可能であるため、上記手段B1等の効果を消失させることはない。
【0362】
手段B8.手段B7において、前記遊技機本体を前記外枠に閉鎖した状態では前記開放阻止手段における前記開放の阻止の解除が規制されるとともに、前記遊技機本体を前記外枠に対して開放させた場合に前記開放阻止手段における前記開放の阻止の解除が可能となることを特徴とする遊技機。
【0363】
手段B8によれば、遊技機本体を外枠に閉鎖した状態では開放阻止手段による阻止状態の解除が規制される。これにより、幕板ユニットを不正に開放操作する行為を防止することが可能となる。その一方、遊技機本体を外枠に対して開放させた場合には、開放阻止手段による阻止状態の解除を行うことが可能となるため、上記手段B1等の効果を消失させることはない。
【0364】
手段B9.手段B7又はB8において、前記幕板ユニットは前記外枠における左右の側枠部(左枠部11b)の一方に開閉可能な状態で支持されているとともに、前記幕板ユニットの開閉先端側の端部は閉鎖状態において他方の側枠部(右枠部11c)に前方から当接するものであり、
前記開放阻止手段は、前記幕板ユニットの開閉先端側又は前記他方の側枠部のうち一方に設けられたロック部(ロック部材121)と、他方に設けられたロック受け部(ロック受け部122)と、を備えており、前記ロック受け部にて前記ロック部が受けられることにより前記幕板ユニットの開放が阻止されることを特徴とする遊技機。
【0365】
手段B9によれば、幕板ユニットの外枠に対するロックは、開閉先端の箇所にて行われる。つまり、幕板ユニットのロック状態では、当該幕板ユニットはその左右の両端が外枠に支持されることとなり、幕板ユニットを外枠に対して緩みなく固定することができる。よって、幕板ユニットと外枠との間の隙間から遊技機の背面側へ針金などを挿入しようとしてもそれが難しくなる。
【0366】
手段B10.手段B9において、前記ロック部を手動操作することにより、前記ロック受け部に前記ロック部が受けられたロック状態と、前記ロック受け部に前記ロック部が受けられていない非ロック状態とに切り換え可能であり、
前記遊技機本体を前記外枠に対して開放した状態では前記ロック部の操作が可能となるとともに、前記遊技機本体を前記外枠に閉鎖した状態では前記ロック部の手動操作が規制されることを特徴とする遊技機。
【0367】
手段B10によれば、ロック部を手動操作することにより、幕板ユニットのロック状態を解除することができるため、メンテナンス時に幕板ユニットを開放操作する場合の作業性を向上させることができる。特に、ロック部は開閉先端側に設けられているため、ロック部の手動操作を容易に行うことができる。一方、遊技機本体を外枠に閉鎖した状態ではロック部の手動操作が規制されるため、幕板ユニットを不正に開放操作する行為を防止することが可能となる。
【0368】
手段B11.手段B10において、前記遊技機本体を前記外枠に対して開放した状態では前記幕板ユニットの上方から前記ロック部を手動操作可能となることを特徴とする遊技機。
【0369】
手段B11によれば、遊技機本体を外枠に対して開放した状態では幕板ユニットの上方からロック部を手動操作することができるため、当該操作性の向上が図られる。
【0370】
手段B12.手段B9乃至B11のいずれか1において、前記幕板ユニットの閉鎖状態において当該幕板ユニット及び前記他方の側枠部により前側と左右両側とが遮蔽された収容空間(収容空間125)が形成されるものであり、前記幕板ユニットの閉鎖状態において前記収容空間に収容されるように前記ロック部及び前記ロック受け部が設けられており、
さらに、前記収容空間の後側を遮蔽又は略遮蔽する遮蔽壁部(遮蔽壁部126)を備えており、当該遮蔽壁部により前記収容空間の開放方向が上方に規制されており、
前記遊技機本体を前記外枠に閉鎖した状態では、前記収容空間の上方に開放された開口が前記遊技機本体により非露出状態となることを特徴とする遊技機。
【0371】
手段B12によれば、ロック部及びロック受け部は収容空間に収容されており、当該収容空間は遮蔽壁部により後側が遮蔽又は略遮蔽されており、収容空間の開放方向が上方に規制されている。そして、この収容空間の上方に開放された開口は遊技機本体を外枠に閉鎖した状態では非露出状態となる。これにより、遊技機本体の閉鎖状態では、幕板ユニットのロック状態の解除を遊技機前方から行おうとしてもそれが困難なものとなり、さらには遊技機本体の閉鎖状態では、遊技機の背面側に針金などの不正用治具を挿入されたとしても、その収容空間内への侵入を遮蔽壁部により阻止することが可能となる。よって、幕板ユニットを不正に開放操作する行為を防止することが可能となる。
【0372】
なお、「非露出状態」とは、少なくとも遊技機前方から見た場合に露出されていない状態であればよい。
【0373】
手段B13.手段B9乃至B12のいずれか1において、前記ロック受け部は、前記他方の側枠部の内面から側方に凹ませて形成された凹部であり、
前記ロック部は、前記幕板ユニットの裏面側に設けられ、前記幕板ユニットの閉鎖状態において前記凹部に出没可能に設けられたロック部材であることを特徴とする遊技機。
【0374】
手段B13によれば、比較的簡素な構成により、幕板ユニットのロック機能を付与することができる。
【0375】
手段B14.手段B1乃至B13のいずれか1において、前記遊技機本体を前記外枠に閉鎖した状態では、前記遊技機本体が前記幕板ユニットにより下方から支持されることを特徴とする遊技機。
【0376】
手段B14によれば、遊技機本体を外枠に閉鎖した状態では、幕板ユニットにて遊技機本体の重量負荷が受けられるため、遊技機本体の閉鎖状態が良好に維持される。また、本構成においては、幕板ユニットを開放させるには、遊技機本体を開放させる必要が生じ、幕板ユニットを不正に開放操作する行為を防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0377】
10…パチンコ機、11…外枠、11a…下枠部、12…遊技機本体、16…幕板ユニット、95…遊技機構成装置としてのスピーカユニット、96…排出通路ユニット、102…支持用金属板、103…支持用金属板、104…支持金具、105…軸受け部、111…離脱阻止手段としてのストッパ部材、114…操作レバー、121…開放阻止手段を構成するロック部材、122…開放阻止手段を構成するロック受け部、125…収容空間、126…遮蔽壁部、145…本体側排出通路部、146…本体側出口部としての球出口、147…排出球検知センサ、153…第2通路ユニット、156…幕板側排出通路部、157…上流側通路部、158…下流側通路部、171…円盤、172…通路樋、174…外枠側入口部としての球入口、178…先端部、179…球出口、181…保持手段を構成するラック部、184…保持手段を構成する爪部、191…島設備、194a…開口部、195a…開口部、233…第1可動部、234…第2可動部、235…保持部材、253…第1延長治具、254…第2延長治具、262…土台、263…管状蛇腹、267…挿通孔、301…段差部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場の島設備に固定される外枠と、開閉可能に支持された開閉体と、を備えた遊技機において、
遊技を進行させる上で用いられる遊技機構成装置が搭載された特定ユニットが、前記外枠の下枠部よりも上方であって前記開閉体よりも下方の範囲に一部が入り込むようにして設けられており、
前記外枠及び前記特定ユニットのうち一方に設けられた軸部と、他方に設けられた軸受け部と、を備え、
前記特定ユニットは、前記軸部及び前記軸受け部により、遊技機前方に開放させることができるように前記外枠に開閉可能に支持されており、
前記開閉体が開放される場合に前記外枠側に前記特定ユニットが待機可能な構成であって、前記開閉体と前記特定ユニットとを一体的に遊技機前方に開放させることが可能な構成であり、
前記軸受け部からの前記軸部の離脱を阻止し、その阻止の解除が可能である離脱阻止手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球を利用して遊技が行われることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−39476(P2013−39476A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−260828(P2012−260828)
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【分割の表示】特願2007−336366(P2007−336366)の分割
【原出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】