説明

遊技機

【課題】監視処理負荷の増大化を抑制しつつ不正行為を防止することができる遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン10は、筐体11と、該筐体11の前部に設けられ筐体11の一側部にて開閉可能に支持された前面扉12とを備えている。前面扉12の略中央右部に設けられたメダル投入口75からメダルが投入され、その後前面扉12の略中央左部に設けられたスタートレバー71が操作されると、表示窓31L,31M,31Rを介して視認可能なリール42L,42M,42Rが回転を開始する。そして、ストップスイッチ72〜74が操作されると、各スイッチ72〜74に対応したリール42L,42M,42Rが停止するように構成されている。また、メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた複数のメダル投入センサにより検出されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のリールを回転させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、各リールの外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップスイッチを操作したり所定時間が経過したりすることで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生するなどの特典が付与される。
【0003】
かかる遊技機において、遊技者によりメダルが投入されたことは、メダルを遊技機内部に案内する案内通路に沿って配置された検出センサがメダルの通過を検出することにより確認される。しかしながら近年では、検出センサの付近にてメダルを往復動させる等の行為によりメダルの通過を誤認させ、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為が行われることがあった。そこで、このような不正行為を防止すべく、検出センサを複数個連接させると共にこれら検出センサがメダルを検出した検出順序を確認することで不正行為を防止する構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、複数の検出センサがメダルを検出したその検出順序を確認するためには、各検出センサの検出結果を確認し続ける必要がある。このため、不正行為を防止すべくこれら検出結果を確認しつづける構成とした場合、不正行為を防止するための監視処理負荷が多大なものとなる問題が生じている。
【0005】
なお、以上の問題はスロットマシンに限らず、例えば遊技球等の遊技媒体を受け入れることを遊技開始条件の1つとする他の遊技機にも該当する問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−282413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、監視処理負荷の増大化を抑制しつつ不正行為を防止することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルトと、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段と、
前記各無端状ベルトの回転を停止させるべく操作される停止操作手段と、
前記各検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記停止操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を停止させるように、前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
前記各無端状ベルトが停止した際、前記表示窓から視認できる有効位置に前記絵柄によって形成される特定絵柄の組合せが成立している場合に所定数の遊技媒体を遊技者に払出す等の払出処理を行う払出手段と
を備えた遊技機において、
少なくとも、前記駆動制御手段が前記各駆動手段を駆動制御している間と前記払出手段による払出処理の実行中とには遊技媒体の受入を不許可とすべく、遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記各検出手段が遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、監視処理負荷の増大化を抑制しつつ不正行為を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施の形態におけるスロットマシンの正面図。
【図2】前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図。
【図3】前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図。
【図4】前面扉の背面図。
【図5】セレクタ83の内部構造を示す図。
【図6】筐体の正面図。
【図7】左リールの組立斜視図。
【図8】各リールを構成する帯状ベルトの展開図。
【図9】スロットマシンのブロック回路図。
【図10】NMI割込み処理を示すフローチャート。
【図11】タイマ割込み処理を示すフローチャート。
【図12】停電時処理を示すフローチャート。
【図13】メイン処理を示すフローチャート。
【図14】通常処理を示すフローチャート。
【図15】メダルが投入された際の各投入メダル検出センサの検出を示すタイミングチャート。
【図16】抽選処理を示すフローチャート。
【図17】リール制御処理を示すフローチャート。
【図18】メダル払出処理を示すフローチャート。
【図19】特別遊技状態処理を示すフローチャート。
【図20】ボーナス図柄判定処理を示すフローチャート。
【図21】RBゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図。
【図22】(a)はBBゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図、(b)はBBゲーム中JACゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図。
【図23】第2実施形態におけるスロットマシンのブロック回路図。
【図24】第2実施形態における通常処理を示すフローチャート。
【図25】第2実施形態におけるメダル検出処理を示すフローチャート。
【図26】第2実施形態におけるリール制御処理を示すフローチャート。
【図27】第2実施形態におけるメダル払出処理を示すフローチャート。
【図28】第3実施形態におけるスロットマシンのブロック回路図。
【図29】第3実施形態における通常処理を示すフローチャート。
【図30】第3実施形態におけるメダル検出処理を示すフローチャート。
【図31】第3実施形態におけるリール制御処理を示すフローチャート。
【図32】第3実施形態におけるメダル払出処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0012】
手段1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルト(リール42L,42M,42R)と、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口(メダル投入口75)と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路(貯留用通路81)と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段(第1投入メダル検出センサ86,第2投入メダル検出センサ87)と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各無端状ベルトの回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記複数の検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記停止操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を停止させるように、前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131)と、
前記各無端状ベルトが停止した際、前記表示窓から視認できる有効位置に前記絵柄によって形成される特定絵柄の組合せが成立していることを条件として所定数の遊技媒体を遊技者に払出す払出手段(主制御装置131、ホッパ装置91)と
を備えた遊技機において、
前記遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段(主制御装置131)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記複数の検出手段が前記遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段(主制御装置131)と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段(主制御装置131)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入不許可の決定をした場合に、前記複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果を確認する検出結果確認手段(主制御装置131)と、
前記検出結果確認手段の確認する検出手段が前記遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第2異常処理実行手段(主制御装置131)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0013】
手段1によれば、遊技媒体が受入許可状態にある場合には、複数の検出手段が遊技媒体を検出した検出順序が確認される。検出手段を案内通路を通る遊技媒体の流れ方向に複数配置し、これら検出手段の検出順序を確認する構成とすることにより、各検出手段の配置付近にて遊技媒体を往復動させて遊技媒体の通過を誤認させる不正行為を防止することが可能となる。また、遊技媒体が受入不許可状態にある場合には、複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果が確認される。遊技媒体の受入が許可されていない状況下にあっては検出手段により遊技媒体の通過が検出されることは想定しがたいため、少なくとも1の検出結果のみを確認することで監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。
【0014】
手段2.上記手段1において、前記受入決定手段は、前記駆動制御手段が前記駆動手段を駆動制御している間、前記遊技媒体の受入を不許可とすることを特徴とする遊技機。
【0015】
手段2によれば、駆動制御手段が駆動手段を駆動制御している間、すなわち無端状ベルトが回転している間は遊技媒体の受入が不許可とされる。遊技者は無端状ベルトの回転中であれば停止操作手段を操作すべく遊技を行うのが一般的であるため、遊技媒体の受入を不許可としても一般の遊技者が不利益を被る恐れはない。したがって、不正行為を好適に防止することが可能となる。
【0016】
手段3.上記手段1又は手段2において、前記受入決定手段は、前記払出手段が前記所定数の遊技媒体の払出を行う間、前記遊技媒体の受入を不許可とすることを特徴とする遊技機。
【0017】
手段3によれば、払出手段が所定数の遊技媒体の払出を行う間は遊技媒体の受入が不許可とされる。かかる処理中に遊技媒体の受入を許可する構成とした場合、遊技媒体の払出を行う処理と、次遊技を開始するための処理とを並行して行う必要が生じ得る。これは、遊技に関わる処理負荷の増加につながるため、遊技に関わる処理負荷の増加を抑制しつつ好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0018】
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記受入口より受け入れられた又は前記払出手段より払出されるべき遊技媒体を仮想的に貯留すべく、当該貯留数を記憶する仮想遊技媒体貯留手段(主制御装置131のクレジット機能)と、当該仮想遊技媒体貯留手段の記憶に基づく貯留数の仮想遊技媒体を現実の遊技媒体として返却させるべく操作される返却操作手段(切換スイッチ80)とを備え、前記受入決定手段は、前記返却操作手段の操作に基づいて前記払出手段が遊技媒体の払出処理を行っている間、前記遊技媒体の受入を不許可とすることを特徴とする遊技機。
【0019】
手段4によれば、払出手段が遊技媒体の払出を行う間は遊技媒体の受入が不許可とされる。かかる処理中に遊技媒体の受入を許可する構成とした場合、遊技媒体の払出を行う処理と、遊技媒体を受け入れるための処理とを並行して行う必要が生じ得る。これは、遊技に関わる処理負荷の増加につながるため、遊技に関わる処理負荷の増加を抑制しつつ好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0020】
手段5.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記複数の検出手段より上流側にて前記案内通路から分岐する分岐通路(排出用通路82)と、前記受入決定手段の決定結果が受入許可であれば前記案内通路へ前記遊技媒体を案内し、前記受入決定手段の決定結果が受入不許可であれば前記分岐通路へ前記遊技媒体を案内するよう前記各通路を切替える切替手段(メダル通路切替部材84)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段5によれば、受入決定手段の決定結果に応じて遊技媒体を案内する通路が切替えられる。また、分岐通路は複数の検出手段より上流側にて案内通路から分岐するよう構成されている。かかる構成とすることにより、遊技媒体の受入不許可時であれば、遊技媒体は複数の検出手段のいずれにも検出されることなく分岐通路へと案内されることとなる。したがって、不正行為が行われていることと、遊技媒体の受入不許可時に検出手段が遊技媒体の通過を検出したこととを一義的に関連付けることが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0022】
手段6.上記手段5において、前記分岐通路は、遊技機前面部に備えられた遊技媒体受け皿へ遊技媒体を案内するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【0023】
手段6によれば、分岐通路へ案内された遊技媒体は、遊技機前面部に備えられた遊技媒体受け皿へと案内される。したがって、遊技媒体の受入不許可時に誤って遊技媒体を受入口から受け入れさせた場合等に遊技者が不利益を被ることを回避することが可能となる。
【0024】
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記検出結果確認手段は前記複数の検出手段の全ての検出結果を確認するものであり、前記第2異常処理実行手段は前記複数の検出手段のうち何れが前記遊技媒体の通過を検出した場合にも異常処理を行うものであることを特徴とする遊技機。
【0025】
手段7によれば、第2異常処理実行手段は複数の検出手段のうち何れが遊技媒体の通過を検出した場合であっても異常処理を行う。かかる構成とすることにより、より確実な不正行為の防止をすることが可能となる。
【0026】
手段8.上記手段7において、前記複数の検出手段の全ての出力を論理和手段に入力させ、その論理和手段からの出力を前記検出結果確認手段が確認するものであることを特徴とする遊技機。
【0027】
手段8によれば、複数の検出手段の全ての出力を論理和手段に入力させ、その論理和手段からの出力を検出結果確認手段が確認する。かかる構成とすることにより、簡易な手法で全ての検出手段における遊技媒体を通過したか否かの結果をチェックすることが可能となる。また、検出結果を確認する機会を軽減させることも可能となる。
【0028】
手段9.遊技者に視認可能な状態で遊技を実行させる遊技機器(リール42L,42M,42R、ステッピングモータ61)と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口(メダル投入口75)と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路(貯留用通路81)と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段(第1投入メダル検出センサ86、第2投入メダル検出センサ87)と、
前記複数の検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、所定の遊技開始条件成立(スタートレバー71の操作)に基づいて遊技終了条件成立(ストップスイッチ72〜74の操作)までの間、前記遊技機器を駆動制御する制御手段(主制御装置131)と、
前記遊技機器による遊技の結果、所定の払出条件成立に基づいて所定数の遊技媒体を遊技者に払出す払出手段(主制御装置131、ホッパ装置91)と
を備えた遊技機において、
前記遊技機器による遊技開始から終了までの間、及びその終了後の払出手段による払出処理実行中には遊技媒体の受入を不許可とすべく、遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段(主制御装置131)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記複数の検出手段が前記遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段(主制御装置131)と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段(主制御装置131)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入不許可の決定をした場合に、前記複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果を確認する検出結果確認手段(主制御装置131)と、
前記検出結果確認手段の確認する検出手段が前記遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第2異常処理実行手段(主制御装置131)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0029】
手段9によれば、遊技媒体が受入許可状態にある場合には、複数の検出手段が遊技媒体を検出した検出順序が確認される。検出手段を案内通路を通る遊技媒体の流れ方向に複数配置し、これら検出手段の検出順序を確認する構成とすることにより、各検出手段の配置付近にて遊技媒体を往復動させて遊技媒体の通過を誤認させる不正行為を防止することが可能となる。また、遊技媒体が受入不許可状態にある場合には、複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果が確認される。遊技媒体の受入が許可されていない状況下にあっては検出手段により遊技媒体の通過が検出されることは想定しがたいため、少なくとも1の検出結果のみを確認することで監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。さらに、遊技機器による遊技開始から終了までの間、及びその終了後の払出手段による払出処理実行中には遊技媒体の受入を不許可とすることにより、不正行為を好適に防止することが可能となる。一般の遊技者であれば、遊技を行っている最中に、遊技を行うための遊技媒体を受入口から受け入れさせる行為は行わないからである。
【0030】
手段10.複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルト(リール42L,42M,42R)と、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口(メダル投入口75)と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路(貯留用通路81)と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段(第1投入メダル検出センサ86,第2投入メダル検出センサ87)と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各無端状ベルトの回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記各検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記停止操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を停止させるように、前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記各無端状ベルトが停止した際、前記表示窓から視認できる有効位置に前記絵柄によって形成される特定絵柄の組合せが成立している場合に所定数の遊技媒体を遊技者に払出す等の払出処理を行う払出手段(主制御装置131のメダル払出処理機能S1405及びクレジットアップ処理機能S1404、ホッパ装置91)と
を備えた遊技機において、
少なくとも、前記駆動制御手段が前記各駆動手段を駆動制御している間と前記払出手段による払出処理の実行中とには遊技媒体の受入を不許可とすべく、遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段(主制御装置131のメダル投入許可処理S1108及びメダル投入不許可処理S1103)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記各検出手段が遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段(主制御装置131の検出順序確認処理S1202〜S1208)と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S1211)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入不許可の決定をした場合に、前記各検出手段のうち少なくとも1の検出結果を確認する検出結果確認手段(主制御装置131のS1212,S1213)と、
前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報(エラーフラグ)を保持する保持手段(主制御装置131のS1215)と、
前記保持手段が前記情報を保持している場合、当該結果を異常とみなし、前記無端状ベルトの全てが回転を停止した後であって前記払出手段が払出処理を行う前までの間に異常処理を行う第2異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S1315)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0031】
手段10によれば、遊技媒体の受入許可状態にある場合には、複数の検出手段が遊技媒体を検出した検出順序が確認される。検出手段を案内通路を通る遊技媒体の流れ方向に複数配置し、これら検出手段の検出順序を確認する構成とすることにより、各検出手段の配置付近にて遊技媒体を往復動させて又はそれに類する不正治具を用いて遊技媒体の通過を誤認させる不正行為を防止することが可能となる。また、遊技媒体の受入不許可状態にある場合には、複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果が確認される。各無端状ベルトが回転している等の遊技媒体の受入が許可されていない状況下にあっては検出手段により遊技媒体の通過が検出されることは想定しがたいため、各検出手段の検出順序を確認するのではなく少なくとも1の検出手段の検出結果のみを確認することにより、監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。加えて、少なくとも駆動制御手段が各駆動手段を駆動制御している間と払出手段による払出処理の実行中とには遊技媒体の受入を不許可とすることにより、不正行為を好適に防止することが可能となる。一般の遊技者であれば、遊技を行っている最中に、遊技を行うための遊技媒体を受入口から受け入れさせる行為は行わないからである。また、受入不許可状態において確認される検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報を保持し、無端状ベルトの全てが回転を停止した後であって払出手段による払出処理が開始される前までの間に異常処理を行う構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させることが可能となる。受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成とした場合、異常処理と各無端状ベルトを回転及び停止させる処理とを並行して行う必要が生じ、処理負荷が増大化することとなるからである。かかる一方で、異常発生となった場合には速やかに異常処理を行うことが望ましい。そこで、払出手段による払出処理が行われる前までに異常処理を行う構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ比較的速やかに異常処理を行うことが可能となる。また、遊技機を設置する遊技場の被る不利益が拡大することを回避することも可能となる。異常処理として遊技媒体を払出す処理を禁止する構成とすれば、少なくとも不正行為による遊技の結果に伴う遊技媒体の払出を回避することが可能となるからである。さらにいうと、受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成においては、例えばノイズ等の発生を遊技媒体の通過と誤認識した場合であってもその時点で異常処理が行われることとなる。これは、不正行為を行っていない遊技者の遊技を不要に中断させてしまうこととなり、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまう可能性がある。一方、無端状ベルトの全てが回転を停止した後に異常処理を行う本構成においては、各無端状ベルトが回転を開始してから停止操作手段の操作を行って各無端状ベルトを停止させるまでの一連の遊技が終了した後に異常処理が行われるため、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を減退させることを抑制することが可能となる。以上の結果、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0032】
手段11.上記手段10において、前記第1異常処理実行手段は、前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合、少なくとも前記始動操作手段が操作される前までに異常処理を実行することを特徴とする遊技機。
【0033】
手段11によれば、各検出手段の検出した検出順序が予め定めた検出順序と異なる場合、少なくとも始動操作手段が操作される前までに異常処理が実行される。かかる構成とすることにより、駆動制御手段が各駆動手段の駆動制御を開始する前段階で異常処理を行うことが可能となり、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ速やかに異常処理を行うことが可能となる。したがって、各検出手段に遊技媒体の通過を誤認させた上で始動操作手段を操作して遊技を開始する不正行為を好適に防止することが可能となる。
【0034】
手段12.上記手段10において、前記第1異常処理実行手段は、前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合、即座に異常処理を実行することを特徴とする遊技機。
【0035】
手段12によれば、各検出手段の検出した検出順序が予め定めた検出順序と異なる場合、即座に異常処理が実行される。かかる構成とすることにより、駆動制御手段が各駆動手段の駆動制御を開始する前段階で異常処理を行うことが可能となり、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ速やかに異常処理を行うことが可能となる。したがって、各検出手段に遊技媒体の通過を誤認させた上で始動操作手段を操作して遊技を開始する不正行為を好適に防止することが可能となる。
【0036】
手段13.上記手段10乃至手段12のいずれかにおいて、前記第2異常処理実行手段は、異常処理として少なくとも前記払出手段による遊技媒体を払出す処理を禁止することを特徴とする遊技機。
【0037】
手段13によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、各無端状ベルトが停止した際に特定絵柄の組合せが有効位置に成立したとしても、遊技媒体の払出は行われない。かかる構成とすることにより、遊技媒体を受け入れさせることなく遊技を行う不正行為が行われた上に遊技媒体を払い出してしまい、遊技機を設置する遊技場の被る被害が拡大することを回避することが可能となる。
【0038】
手段14.上記手段10乃至手段13のいずれかにおいて、前記無端状ベルトの全てが回転を停止した際に前記保持手段が前記情報を保持しているか否かを確認する保持結果確認手段(主制御装置131のS1313)を備え、前記第2異常処理実行手段は、前記保持結果確認手段の確認結果に基づいて異常処理を行うことを特徴とする遊技機。
【0039】
手段14によれば、無端状ベルトの全てが回転を停止した際に、受入不許可状態において異常が発生したか否かが確認される。受入不許可状態において異常が発生した場合に当該結果を保持する構成に本手段を適用することにより、異常発生の有無を確認する機会を軽減させることが可能となり、監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。
【0040】
手段15.上記手段10乃至手段14のいずれかにおいて、前記保持手段が前記払出手段による払出処理の最中に前記情報を保持した場合、前記払出手段による払出処理が終了してから前記受入決定手段が遊技媒体の受入許可の決定をするまでの間に異常処理を行う第3異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S1409)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0041】
手段15によれば、払出手段による払出処理の最中に遊技媒体の通過が検出された場合、払出手段による払出処理が終了してから受入許可状態となるまでの間に異常処理が行われる。かかる構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ不正行為を防止することが可能となる。また、払出手段による払出処理の最中に異常が発生したにも関わらず、継続して次の遊技を開始すべく遊技媒体が投入されることを回避することが可能となり、不正行為に伴って遊技機を設置する遊技場の被る被害が拡大することを抑制することが可能となる。
【0042】
手段16.上記手段15において、前記払出手段による払出処理が終了した際に前記保持手段が前記情報を保持しているか否かを確認する第2保持結果確認手段(主制御装置131のS1408)を備え、前記第3異常処理実行手段は、前記第2保持結果確認手段の確認結果に基づいて異常処理を行うことを特徴とする遊技機。
【0043】
手段16によれば、払出手段による払出処理が終了した際に、受入不許可状態において異常が発生したか否かが確認される。受入不許可状態において異常が発生した場合に当該結果を保持する構成に本手段を適用することにより、異常発生の有無を確認する機会を軽減させることが可能となり、監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。
【0044】
手段17.上記手段10乃至手段14のいずれかにおいて、前記保持手段が前記払出手段による払出処理の最中に前記情報を保持した場合、前記払出手段による払出処理が終了する前までに異常処理を行う第3異常処理実行手段(主制御装置131のS1409)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0045】
手段17によれば、払出手段による払出処理の最中に遊技媒体の通過が検出された場合、払出処理が終了する前までに異常処理が行われる。かかる構成とすることにより、遊技機を設置する遊技場が不正行為に伴って被る被害を軽減させることが可能となる。
【0046】
手段18.上記手段10乃至手段14のいずれかにおいて、前記保持手段が前記払出手段による払出処理の最中に前記情報を保持した場合、即座に異常処理を行う第3異常処理実行手段(主制御装置131のS1409)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0047】
手段18によれば、払出手段による払出処理の最中に遊技媒体の通過が検出された場合、即座に異常処理が行われる。かかる構成とすることにより、遊技機を設置する遊技場が不正行為に伴って被る被害を軽減させることが可能となる。
【0048】
手段19.上記手段10乃至手段18のいずれかにおいて、前記各異常処理実行手段は、異常処理として少なくとも前記始動操作手段及び前記停止操作手段の操作又は操作結果を無効化し、前記受入決定手段は、前記各異常処理実行手段のいずれかが異常処理を行った場合、遊技媒体の受入不許可の決定をすることを特徴とする遊技機。
【0049】
手段19によれば、異常が発生した場合、始動操作手段及び停止操作手段の操作又は操作結果が無効化されると共に、遊技媒体の受入状態が受入不許可状態とされる。かかる構成とすることにより、異常処理が行われた以降に遊技が行われることを禁止することが可能となり、遊技機を設置する遊技場の被る不利益が拡大することを回避することが可能となる。
【0050】
手段20.上記手段10乃至手段19のいずれかにおいて、前記各異常処理実行手段のうちいずれかが異常処理を行う場合、異常発生を遊技機外部に報知する異常発生報知手段(上部ランプ13,補助表示部15等)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0051】
手段20によれば、異常処理を行う場合、異常発生が遊技機外部に報知される。故に、遊技機を設置する遊技場の管理者等に異常発生となったことを明確に教示することが可能となる。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0052】
手段21.上記手段10乃至手段20のいずれかにおいて、前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、少なくとも前記第2異常処理実行手段が異常処理を行う前までに、前記結果を遊技機外部に報知する第2異常発生報知手段(主制御装置131のS1214、ゲーム数表示部36)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0053】
手段21によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、無端状ベルトの全てが回転を停止した後になされる異常処理の前までに、かかる検出結果が遊技機外部に報知される。故に、遊技機を設置する遊技場の管理者等に、異常処理の実行に先立って異常発生を報知することが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0054】
手段22.上記手段10乃至手段20のいずれかにおいて、前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、異常処理がなされることを遊技機外部に即座に報知する処理予定報知手段(主制御装置131のS1214、ゲーム数表示部36)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0055】
手段22によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、異常処理のなされることが遊技機外部に即座に報知される。故に、遊技機を設置する遊技場の管理者等に、異常処理の実行に先立って異常発生を報知することが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0056】
手段23.上記手段10乃至手段22のいずれかにおいて、前記保持手段は、前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく異常識別情報(エラーフラグ)を記憶保持することを特徴とする遊技機。
【0057】
手段23によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、当該結果に基づく異常識別情報が記憶保持される。かかる構成とすることにより、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出されたことを、異常処理がなされるまで比較的簡単に保持しておくことが可能となる。
【0058】
手段24.上記手段10乃至手段23のいずれかにおいて、前記受入口より受け入れられた又は前記払出手段より払出されるべき遊技媒体を仮想的に貯留すべく、当該貯留数を記憶する仮想遊技媒体貯留手段(主制御装置131のクレジット機能)と、当該仮想遊技媒体貯留手段の記憶に基づく貯留数の仮想遊技媒体を現実の遊技媒体として払出させるべく操作される返却操作手段(切換スイッチ80)とを備え、前記受入決定手段は、前記返却操作手段の操作に基づいて前記払出手段が遊技媒体の払出を行っている間、前記遊技媒体の受入を不許可とすることを特徴とする遊技機。
【0059】
手段24によれば、払出手段が遊技媒体の払出を行う間は遊技媒体の受入が不許可とされる。かかる処理中に遊技媒体の受入を許可する構成とした場合、遊技媒体の払出を行う処理と、遊技媒体を受け入れるための処理とを並行して行う必要が生じ得る。これは、遊技に関わる処理負荷の増加につながるため、遊技に関わる処理負荷の増加を抑制しつつ好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0060】
手段25.上記手段10乃至手段24のいずれかにおいて、前記各検出手段より上流側にて前記案内通路から分岐する分岐通路(排出用通路82)と、前記受入決定手段の決定結果が受入許可であれば前記各検出手段の配置された側の案内通路へ遊技媒体を案内し、前記受入決定手段の決定結果が受入不許可であれば前記分岐通路へ遊技媒体を案内するよう前記各通路を切替える切替手段(メダル通路切替部材84)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0061】
手段25によれば、受入決定手段の決定結果に応じて遊技媒体を案内する通路が切替えられる。また、分岐通路は複数の検出手段より上流側にて案内通路から分岐するよう構成されている。かかる構成とすることにより、遊技媒体の受入不許可時であれば、遊技媒体は複数の検出手段のいずれにも検出されることなく分岐通路へと案内されることとなる。したがって、不正行為が行われていることと、遊技媒体の受入不許可時に検出手段が遊技媒体の通過を検出したこととを一義的に関連付けることが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0062】
手段26.上記手段25において、前記分岐通路は、遊技機前面部に備えられた遊技媒体受け皿へ遊技媒体を案内するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【0063】
手段26によれば、分岐通路へ案内された遊技媒体は、遊技機前面部に備えられた遊技媒体受け皿へと案内される。したがって、遊技媒体の受入不許可時に誤って遊技媒体を受入口から受け入れさせた場合等に遊技者が不利益を被ることを回避することが可能となる。
【0064】
手段27.上記手段10乃至手段26のいずれかにおいて、前記検出結果確認手段は前記各検出手段の全ての検出結果を確認するものであり、前記保持手段は、前記各検出手段のうち何れが遊技媒体の通過を検出した場合であっても、前記情報を保持するものであることを特徴とする遊技機。
【0065】
手段27によれば、受入不許可状態にある場合、各検出手段の検出順序は確認されないものの全ての検出手段の検出結果が確認されており、各検出手段のうち何れが遊技媒体の通過を検出した場合であっても異常処理が行われる。かかる構成とすることにより、より確実に不正行為を防止することが可能となる。
【0066】
手段28.遊技者に視認可能な状態で遊技を実行させる遊技機器(リール42L,42M,42R、ステッピングモータ61)と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口(メダル投入口75)と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路(貯留用通路81)と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段(第1投入メダル検出センサ86、第2投入メダル検出センサ87)と、
前記各検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、所定の遊技開始条件成立(スタートレバー71の操作)に基づいて遊技終了条件成立(ストップスイッチ72〜74の操作)までの間、前記遊技機器を駆動制御する制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記遊技機器による遊技の結果、所定の払出条件成立に基づいて所定数の遊技媒体を遊技者に払出す等の払出処理を行う払出手段(主制御装置131のメダル払出処理機能S1405及びクレジットアップ処理機能S1404、ホッパ装置91)と
を備えた遊技機において、
前記遊技機器による遊技開始から終了までの間、及びその終了後の払出手段による払出処理実行中には遊技媒体の受入を不許可とすべく、遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段(主制御装置131のメダル投入許可処理S1108及びメダル投入不許可処理S1103)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記各検出手段が遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段(主制御装置131の検出順序確認処理S1202〜S1208)と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S1211)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入不許可の決定をした場合に、前記各検出手段のうち少なくとも1の検出結果を確認する検出結果確認手段(主制御装置131のS1212,S1213)と、
前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報(エラーフラグ)を保持する保持手段(主制御装置131のS1215)と、
前記保持手段が前記情報を保持している場合、前記遊技機器による遊技の終了後であって前記払出手段が払出処理を開始する前までの間に異常処理を行う第2異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S1315)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0067】
手段28によれば、遊技媒体の受入許可状態にある場合には、複数の検出手段が遊技媒体を検出した検出順序が確認される。検出手段を案内通路を通る遊技媒体の流れ方向に複数配置し、これら検出手段の検出順序を確認する構成とすることにより、各検出手段の配置付近にて遊技媒体を往復動させて又はそれに類する不正治具を用いて遊技媒体の通過を誤認させる不正行為を防止することが可能となる。また、遊技媒体の受入不許可状態にある場合には、複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果が確認される。遊技媒体の受入が許可されていない状況下にあっては検出手段により遊技媒体の通過が検出されることは想定しがたいため、各検出手段の検出順序を確認するのではなく少なくとも1の検出結果のみを確認することにより、監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。加えて、遊技機器による遊技開始から終了までの間、及びその終了後の払出手段による払出処理実行中には遊技媒体の受入を不許可とすることにより、不正行為を好適に防止することが可能となる。一般の遊技者であれば、遊技を行っている最中に、遊技を行うための遊技媒体を受入口から受け入れさせる行為は行わないからである。また、受入不許可状態において確認される検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報を保持し、遊技機器による遊技の終了後であって払出手段が払出処理を開始する前までの間に異常処理を行う構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させることが可能となる。受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成とした場合、異常処理と遊技機器を駆動制御する処理とを並行して行う必要が生じ、処理負荷が増大化することとなるからである。かかる一方で、異常発生となった場合には速やかに異常処理を行うことが望ましい。そこで、払出手段による払出処理が開始される前までに異常処理を行う構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ比較的速やかに異常処理を行うことが可能となる。また、遊技機を設置する遊技場の被る不利益が拡大することを回避することも可能となる。異常処理として遊技媒体を払出す処理を禁止する構成とすれば、少なくとも不正行為による遊技の結果に伴う遊技媒体の払出を回避することが可能となるからである。さらにいうと、受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成においては、例えばノイズ等の発生を遊技媒体の通過と誤認識した場合であってもその時点で異常処理が行われることとなる。これは、不正行為を行っていない遊技者の遊技を不要に中断させてしまうこととなり、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまう可能性がある。一方、本構成においては、遊技機器による一連の遊技が終了した後に異常処理が行われるため、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を減退させることを抑制することが可能となる。以上の結果、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0068】
なお、上記手段11乃至手段27の特徴的構成を上記手段28に適用することもでき、その場合には相乗効果が期待できる。
【0069】
手段29.複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルト(リール42L,42M,42R)と、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓31L,31M,31R)と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口(メダル投入口75)と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路(貯留用通路81)と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段(第1投入メダル検出センサ86,第2投入メダル検出センサ87)と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段(ステッピングモータ61)と、
前記各無端状ベルトの回転を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記各検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記停止操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を停止させるように、前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記各無端状ベルトが停止した際、前記表示窓から視認できる有効位置に前記絵柄によって形成される特定絵柄の組合せが成立している場合に所定数の遊技媒体を遊技者に払出す等の払出処理を行う払出手段(主制御装置131のメダル払出処理機能S2405及びクレジットアップ処理機能S2404、ホッパ装置91)と
を備えた遊技機において、
少なくとも、前記駆動制御手段が前記各駆動手段を駆動制御している間と前記払出手段による払出処理の実行中とには遊技媒体の受入を不許可とすべく、遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段(主制御装置131のメダル投入許可処理S2108及びメダル投入不許可処理S2103)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記各検出手段が遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段(主制御装置131の検出順序確認処理S2202〜S2208)と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S2211)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入不許可の決定をした場合に、前記各検出手段のうち少なくとも1の検出結果を確認する検出結果確認手段(主制御装置131のS2212,S2213)と、
前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報(エラーフラグ)を保持する保持手段(主制御装置131のS2215)と、
前記保持手段が前記情報を保持している場合、当該結果を異常とみなし、前記払出手段による払出処理が終了した後に異常処理を行う第2異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S2409)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0070】
手段29によれば、遊技媒体の受入許可状態にある場合には、複数の検出手段が遊技媒体を検出した検出順序が確認される。検出手段を案内通路を通る遊技媒体の流れ方向に複数配置し、これら検出手段の検出順序を確認する構成とすることにより、各検出手段の配置付近にて遊技媒体を往復動させて又はそれに類する不正治具を用いて遊技媒体の通過を誤認させる不正行為を防止することが可能となる。また、遊技媒体の受入不許可状態にある場合には、複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果が確認される。各無端状ベルトが回転している等の遊技媒体の受入が許可されていない状況下にあっては検出手段により遊技媒体の通過が検出されることは想定しがたいため、各検出手段の検出順序を確認するのではなく少なくとも1の検出手段の検出結果を確認することにより、監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。加えて、少なくとも駆動制御手段が各駆動手段を駆動制御している間と払出手段による払出処理の実行中とには遊技媒体の受入を不許可とすることにより、不正行為を好適に防止することが可能となる。一般の遊技者であれば、遊技を行っている最中に、遊技を行うための遊技媒体を受入口から受け入れさせる行為は行わないからである。また、受入不許可状態において確認される検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報を保持し、払出手段による払出処理が終了した後に異常処理を行う構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させることが可能となる。受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成とした場合、異常処理と例えば各無端状ベルトを回転及び停止させる処理や遊技媒体を払い出す処理とを並行して行う必要が生じ、処理負荷が増大化することとなるからである。さらにいうと、受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成においては、例えばノイズ等の発生を遊技媒体の通過と誤認識した場合であってもその時点で異常処理が行われることとなる。これは、不正行為を行っていない遊技者の遊技を不要に中断させてしまうこととなり、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまう可能性がある。また、有効位置に特定絵柄の組合せが成立した際に異常処理を行った場合、不正行為を行っていない遊技者に不利益を被らせてしまうことともなる。一方、本構成においては、各無端状ベルトが回転を開始してから停止操作手段の操作を行って各無端状ベルトを停止させるまでの一連の遊技が終了し、さらに払出手段による払出処理が終了した後に異常処理が行われるため、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に遊技意欲を減退させることを抑制することが可能となる。以上の結果、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0071】
手段30.上記手段29において、前記第1異常処理実行手段は、前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合、少なくとも前記始動操作手段が操作される前までに異常処理を実行することを特徴とする遊技機。
【0072】
手段30によれば、各検出手段の検出した検出順序が予め定めた検出順序と異なる場合、少なくとも始動操作手段が操作される前までに異常処理が実行される。かかる構成とすることにより、各検出手段に遊技媒体の通過を誤認させた上で始動操作手段を操作して遊技を開始する不正行為を防止することが可能となる。この結果、受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出した場合、払出手段による払出処理が終了した後に異常処理を行う構成にあって、遊技機を設置する遊技場が不利益を被る不具合を回避することが可能となる。
【0073】
手段31.上記手段29において、前記第1異常処理実行手段は、前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合、即座に異常処理を実行することを特徴とする遊技機。
【0074】
手段31によれば、各検出手段の検出した検出順序が予め定めた検出順序と異なる場合、即座に異常処理が実行される。かかる構成とすることにより、各検出手段に遊技媒体の通過を誤認させた上で始動操作手段を操作して遊技を開始する不正行為を防止することが可能となる。この結果、受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出した場合、払出手段による払出処理が終了した後に異常処理を行う構成にあって、遊技機を設置する遊技場が不利益を被る不具合を回避することが可能となる。
【0075】
手段32.上記手段29乃至手段31のいずれかにおいて、前記第2異常処理実行手段は、前記払出手段による払出処理が終了してから前記受入決定手段が遊技媒体の受入許可の決定をするまでの間に異常処理を実行することを特徴とする遊技機。
【0076】
手段32によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、払出手段による払出処理が終了してから受入許可状態となるまでの間に異常処理が実行される。かかる構成とすることにより、受入不許可状態において異常が発生したにも関わらず、継続して次の遊技を開始すべく遊技媒体が投入されることを回避することが可能となる。故に、不正行為に伴って遊技機を設置する遊技場が被る不利益を抑制することが可能となる。
【0077】
手段33.上記手段29乃至手段32のいずれかにおいて、前記各異常処理実行手段は、異常処理として少なくとも前記始動操作手段及び前記停止操作手段の操作又は操作結果を無効化し、前記受入決定手段は、前記各異常処理実行手段のうち少なくとも一方が異常処理を行った場合、遊技媒体の受入不許可の決定をすることを特徴とする遊技機。
【0078】
手段33によれば、異常が発生した場合、始動操作手段及び停止操作手段の操作又は操作結果が無効化されると共に、遊技媒体の受入状態が受入不許可状態とされる。かかる構成とすることにより、異常処理が行われた以降に遊技が行われることを禁止することが可能となり、遊技機を設置する遊技場の被る不利益が拡大することを回避することが可能となる。
【0079】
手段34.上記手段29乃至手段33のいずれかにおいて、前記各異常処理実行手段のうち少なくとも一方が異常処理を行う場合、異常発生を遊技機外部に報知する異常発生報知手段(上部ランプ13,補助表示部15等)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0080】
手段34によれば、異常処理を行う場合、異常発生が遊技機外部に報知される。故に、遊技機を設置する遊技場の管理者等に異常発生を明確に教示することが可能となる。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0081】
手段35.上記手段29乃至手段34のいずれかにおいて、前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、少なくとも前記第2異常処理実行手段が異常処理を行う前までに、前記結果を遊技機外部に報知する第2異常発生報知手段(主制御装置131のS2214、ゲーム数表示部36)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0082】
手段35によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、払出処理の終了後になされる異常処理の前までに、かかる検出結果が遊技機外部に報知される。故に、遊技機を設置する遊技場の管理者等に、異常処理の実行に先立って異常発生を報知することが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0083】
手段36.上記手段29乃至手段34のいずれかにおいて、前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果を遊技機外部に即座に報知する第2異常発生報知手段(主制御装置131のS2214、ゲーム数表示部36)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0084】
手段36によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、かかる検出結果が遊技機外部に即座に報知される。故に、遊技機を設置する遊技場の管理者等に、異常処理の実行に先立って異常発生を報知することが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0085】
手段37.上記手段29乃至手段36のいずれかにおいて、前記保持手段は、前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく異常識別情報(エラーフラグ)を記憶保持することを特徴とする遊技機。
【0086】
手段37によれば、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出された場合、当該結果に基づく異常識別情報が記憶保持される。かかる構成とすることにより、受入不許可状態において遊技媒体の通過が検出されたことを、異常処理がなされるまで比較的簡単に保持しておくことが可能となる。
【0087】
手段38.上記手段29乃至手段37のいずれかにおいて、前記払出手段による払出処理が終了した際に前記保持手段が前記情報を保持しているか否かを確認する保持結果確認手段(主制御装置131のS2408)を備え、前記第2異常処理実行手段は、前記保持結果確認手段の確認結果に基づいて異常処理を行うことを特徴とする遊技機。
【0088】
手段38によれば、受入不許可状態において異常が発生したか否かは、払出手段による払出処理が終了した際に確認される。受入不許可状態において異常が発生した場合に当該結果を保持する構成に本手段を適用することにより、異常発生の有無を確認する機会を軽減させることが可能となり、監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。
【0089】
手段39.上記手段29乃至手段38のいずれかにおいて、前記受入口より受け入れられた又は前記払出手段より払出されるべき遊技媒体を仮想的に貯留すべく、当該貯留数を記憶する仮想遊技媒体貯留手段(主制御装置131のクレジット機能)と、当該仮想遊技媒体貯留手段の記憶に基づく貯留数の仮想遊技媒体を現実の遊技媒体として払出させるべく操作される返却操作手段(切換スイッチ80)とを備え、前記受入決定手段は、前記返却操作手段の操作に基づいて前記払出手段が遊技媒体の払出を行っている間、前記遊技媒体の受入を不許可とすることを特徴とする遊技機。
【0090】
手段39によれば、払出手段が遊技媒体の払出を行う間は遊技媒体の受入が不許可とされる。かかる処理中に遊技媒体の受入を許可する構成とした場合、遊技媒体の払出を行う処理と、遊技媒体を受け入れるための処理とを並行して行う必要が生じ得る。これは、遊技に関わる処理負荷の増加につながるため、遊技に関わる処理負荷の増加を抑制しつつ好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0091】
手段40.上記手段29乃至手段39のいずれかにおいて、前記各検出手段より上流側にて前記案内通路から分岐する分岐通路(排出用通路82)と、前記受入決定手段の決定結果が受入許可であれば前記各検出手段の配置された側の案内通路へ遊技媒体を案内し、前記受入決定手段の決定結果が受入不許可であれば前記分岐通路へ遊技媒体を案内するよう前記各通路を切替える切替手段(メダル通路切替部材84)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0092】
手段40によれば、受入決定手段の決定結果に応じて遊技媒体を案内する通路が切替えられる。また、分岐通路は複数の検出手段より上流側にて案内通路から分岐するよう構成されている。かかる構成とすることにより、遊技媒体の受入不許可時であれば、遊技媒体は複数の検出手段のいずれにも検出されることなく分岐通路へと案内されることとなる。したがって、不正行為が行われていることと、遊技媒体の受入不許可時に検出手段が遊技媒体の通過を検出したこととを一義的に関連付けることが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0093】
手段41.上記手段40において、前記分岐通路は、遊技機前面部に備えられた遊技媒体受け皿へ遊技媒体を案内するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【0094】
手段41によれば、分岐通路へ案内された遊技媒体は、遊技機前面部に備えられた遊技媒体受け皿へと案内される。したがって、遊技媒体の受入不許可時に誤って遊技媒体を受入口から受け入れさせた場合等に遊技者が不利益を被ることを回避することが可能となる。
【0095】
手段42.上記手段29乃至手段41のいずれかにおいて、前記検出結果確認手段は前記各検出手段の全ての検出結果を確認するものであり、前記保持手段は、前記各検出手段のうち何れが遊技媒体の通過を検出した場合であっても、前記情報を保持するものであることを特徴とする遊技機。
【0096】
手段42によれば、受入不許可状態にある場合、各検出手段の検出順序は確認されないものの全ての検出手段の検出結果が確認されており、各検出手段のうち何れが遊技媒体の通過を検出した場合であっても異常処理が行われる。かかる構成とすることにより、より確実に不正行為を防止することが可能となる。
【0097】
手段43.遊技者に視認可能な状態で遊技を実行させる遊技機器(リール42L,42M,42R、ステッピングモータ61)と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口(メダル投入口75)と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路(貯留用通路81)と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段(第1投入メダル検出センサ86、第2投入メダル検出センサ87)と、
前記各検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、所定の遊技開始条件成立(スタートレバー71の操作)に基づいて遊技終了条件成立(ストップスイッチ72〜74の操作)までの間、前記遊技機器を駆動制御する制御手段(主制御装置131のリール制御処理機能)と、
前記遊技機器による遊技の結果、所定の払出条件成立に基づいて所定数の遊技媒体を遊技者に払出す等の払出処理を行う払出手段(主制御装置131のメダル払出処理機能S2405及びクレジットアップ処理機能S2404、ホッパ装置91)と
を備えた遊技機において、
前記遊技機器による遊技開始から終了までの間、及びその終了後の払出手段による払出処理実行中には遊技媒体の受入を不許可とすべく、遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段(主制御装置131のメダル投入許可処理S2108及びメダル投入不許可処理S2103)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記各検出手段が遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段(主制御装置131の検出順序確認処理S2202〜S2208)と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S2211)と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入不許可の決定をした場合に、前記各検出手段のうち少なくとも1の検出結果を確認する検出結果確認手段(主制御装置131のS2212,S2213)と、
前記検出結果確認手段の確認する検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報(エラーフラグ)を保持する保持手段(主制御装置131のS2215)と、
前記保持手段が前記情報を保持している場合、当該結果を異常とみなし、前記払出手段による払出処理が終了した後に異常処理を行う第2異常処理実行手段(主制御装置131の遊技禁止処理S2409)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0098】
手段43によれば、遊技媒体の受入許可状態にある場合には、複数の検出手段が遊技媒体を検出した検出順序が確認される。検出手段を案内通路を通る遊技媒体の流れ方向に複数配置し、これら検出手段の検出順序を確認する構成とすることにより、各検出手段の配置付近にて遊技媒体を往復動させて又はそれに類する不正治具を用いて遊技媒体の通過を誤認させる不正行為を防止することが可能となる。また、遊技媒体の受入不許可状態にある場合には、複数の検出手段のうち少なくとも1の検出結果が確認される。遊技媒体の受入が許可されていない状況下にあっては検出手段により遊技媒体の通過が検出されることは想定しがたいため、各検出手段の検出順序を確認するのではなく少なくとも1の検出結果のみを確認することにより、監視処理負荷の増大化を抑制させつつ不正行為を防止することが可能となる。加えて、遊技機器による遊技開始から終了までの間、及びその終了後の払出手段による払出処理実行中には遊技媒体の受入を不許可とすることにより、不正行為を好適に防止することが可能となる。一般の遊技者であれば、遊技を行っている最中に、遊技を行うための遊技媒体を受入口から受け入れさせる行為は行わないからである。また、受入不許可状態において確認される検出手段が遊技媒体の通過を検出した場合、当該結果に基づく情報を保持し、払出手段による払出処理が終了した後に異常処理を行う構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させることが可能となる。受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成とした場合、異常処理と例えば遊技機器を駆動制御する処理や遊技媒体を払い出す処理とを並行して行う必要が生じ、処理負荷が増大化することとなるからである。さらにいうと、受入不許可状態において遊技媒体の通過を検出すると、その時点で異常処理を行う構成においては、例えばノイズ等の発生を遊技媒体の通過と誤認識した場合であってもその時点で異常処理が行われることとなる。これは、不正行為を行っていない遊技者の遊技を不要に中断させてしまうこととなり、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまう可能性がある。また、遊技の結果が所定の払出条件成立であった際に異常処理を行った場合、不正行為を行っていない遊技者に不利益を被らせてしまうことともなる。一方、本構成においては、遊技機器による一連の遊技が終了し、さらに払出手段による払出処理が終了した後に異常処理が行われるため、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に遊技意欲を減退させることを抑制することが可能となる。以上の結果、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0099】
なお、上記手段30乃至手段42の特徴的構成を上記手段43に適用することもでき、その場合には相乗効果が期待できる。
【0100】
なお、以上の各手段を適用し得る遊技機として、「複数の絵柄からなる絵柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に絵柄列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して絵柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより絵柄の変動が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与するようにし、さらに、球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。」といったスロットマシンとパチンコ機とが融合したタイプの遊技機なども挙げられる。
【0101】
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図6は筐体11の正面図である。
【0102】
図1〜図4及び図6に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
【0103】
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
【0104】
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
【0105】
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
【0106】
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
【0107】
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0108】
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図7に基づいて説明する。なお、図7は左リール42Lの組立斜視図である。
【0109】
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
【0110】
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
【0111】
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
【0112】
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を露出窓31Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0113】
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
【0114】
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図8には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0115】
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図8に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0116】
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
【0117】
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
【0118】
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
【0119】
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
【0120】
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
【0121】
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
【0122】
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0123】
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
【0124】
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた受入決定手段としてのセレクタ83によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ83には、後述するメダル通路切替部材84が設けられ、そのメダル通路切替部材84の状態に応じてメダルの通過方向が排出用通路82側か、貯留用通路81側かで切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
【0125】
図5はセレクタ83の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ83には、メダル投入口75から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ83を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
【0126】
メダル通路切替部材84は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片84aと、この通路切替片84aを動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路85内に通路切替片84aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路85外に通路切替片84aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
【0127】
通路切替片84aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材84のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路84の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることない。一方、メダル通路切替部材84のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が順次検出される。
【0128】
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
【0129】
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
【0130】
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
【0131】
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
【0132】
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
【0133】
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
【0134】
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0135】
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
【0136】
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
【0137】
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ83により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
【0138】
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
【0139】
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
【0140】
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
【0141】
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
【0142】
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
【0143】
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
【0144】
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
【0145】
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
【0146】
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
【0147】
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
【0148】
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
【0149】
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する第1投入メダル検出センサ86及び第2投入メダル検出センサ87(以下、これら各センサを総称する場合、投入メダル検出センサ86,87ともいう)、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
【0150】
また、投入メダル検出センサ86,87の検出信号は検出信号ラッチ回路88にも入力される。この検出信号ラッチ回路88は、第1投入メダル検出センサ86からの検出信号と第2投入メダル検出センサ87からの検出信号とを入力する信号検出回路部と、該信号検出回路部の出力信号をラッチするラッチ回路部とを備える。信号検出回路部はOR回路を主要な構成としており、第1投入メダル検出センサ86からの検出信号、第2投入メダル検出センサ87からの検出信号の少なくとも一方の検出信号が入力されることで、それに相応する信号がラッチ回路部に出力され、更にラッチ回路部から主制御装置131にラッチ信号が出力される。検出信号ラッチ回路88のラッチ信号出力状態は、主制御装置131から信号解除指令が入力されるまで保持される。詳細は後述する。
【0151】
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
【0152】
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
【0153】
電源部161aからは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
【0154】
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ83に設けられたメダル通路切替部材84、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
【0155】
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
【0156】
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
【0157】
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
【0158】
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0159】
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図20のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
【0160】
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
【0161】
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
【0162】
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
【0163】
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
【0164】
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
【0165】
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
【0166】
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。
【0167】
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
【0168】
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
【0169】
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
【0170】
ステップS210では、表示制御装置111へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0171】
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
【0172】
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
【0173】
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS402ではリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ123がオン操作されている場合にはステップS403に進み、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。
【0174】
ステップS402にてリセットスイッチが操作されていないことを確認した後、またはステップS403にてRAMクリア処理を行った後、ステップS404では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS405に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
【0175】
ステップS406では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS403又はステップS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には、後述するステップS407の通常処理に進み、本処理を終了する。
【0176】
ステップS406において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS408以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS403のRAMクリア処理、ステップS405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM153のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
【0177】
そのためにまず、ステップS408ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
【0178】
ステップS408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS409にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
【0179】
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS410に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS411において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS412にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS413にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS414にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
【0180】
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図14のフローチャートに基づき説明する。
【0181】
先ずステップS501では、メダルがベットされているか否かを判定する。すなわち、クレジット投入スイッチ77〜79の操作により仮想メダルがベットされたか、又はメダル投入口75よりメダルが投入されたか否かを判定する。
【0182】
ここで、メダルが投入されたか否かを確認する方法について、図15のタイミングチャートに基づいて詳細に説明する。なお、理解を容易なものとするため、案内通路85を直線状に記載するとともにメダル通路切替部材84を省略している。図中のt1〜t4はメダルの通過タイミングを示している。
【0183】
メダル投入口75より投入されたメダルは、ベット時であれば貯留用通路81へ導かれるべく案内通路85を案内される。メダル投入時には、メダルは第1投入メダル検出センサ86及び第2投入メダル検出センサ87の検出部を通過していないため、これら各センサ86,87はOFF状態である。メダル投入口75からメダルを投入されてから所定時間が経過したタイミングt1で、メダルは第1投入メダル検出センサ86の検出部を通過し始めることとなり、かかるタイミングで第1投入メダル検出センサ86はON状態となる。その後、案内通路85を進行したメダルは、タイミングt2で第2投入メダル検出センサ87の検出部を通過し始めることとなり、かかるタイミングで第2投入メダル検出センサ87はON状態となる。さらに、タイミングt3で第1投入メダル検出センサ86の検出部をメダルが通過し終わるため、かかるタイミングで第1投入メダル検出センサ86がOFF状態となり、第2投入メダル検出センサ87の検出部を通過し終わるタイミングt4で第2投入メダル検出センサ87がOFF状態となる。
【0184】
主制御装置131は、これら各センサ86,87がオンオフされる順序を監視し、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフ、第1投入メダル検出センサ86のみオン、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオン、第2投入メダル検出センサ87のみオン、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に貯留用通路81へ取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。エラーと判定した場合には、エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。このようにするのは、メダルを投入メダル検出センサ86,87付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正行為を防止するためである。
【0185】
通常処理の説明に戻り、メダルがベットされているときには、続いてステップS502にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS501,ステップS502が共にYESの場合には、ステップS503にてメダル投入不許可処理を行う。具体的には、メダル通路切替部材84のソレノイドを非励磁とし、仮にメダル投入口75からメダルが投入されたとしても排出用通路82を介して遊技者にかかるメダルが返却されるようにする。また、検出信号ラッチ回路88のラッチ信号をクリアする処理も併せて行う。その後、ステップS504の抽選処理、ステップS505のリール制御処理、ステップS506のメダル払出処理、ステップS507の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS508ではメダル投入許可処理を行う。かかる処理では、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁し、メダル投入口75からメダルが投入された際に貯留用通路81へ導かれるようにする。以上の処理を行った後、ステップS501に戻る。一方、ステップS501にてメダルがベットされていない、またはステップS502にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
【0186】
次に、ステップS504の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
【0187】
ステップS601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
【0188】
ステップS602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS603にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS604に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。続いてステップS605ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
【0189】
次に、ステップS505のリール制御処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
【0190】
リール制御処理では、先ずステップS701においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS702のリール回転処理を行い、各リール42L,42M,42Rを回転させる。その後、ステップS703に進み、左リール42Lが回転を開始してから所定時間(例えば8秒)が経過したか否かを判定し、経過していない場合には所定時間が経過するまで待機する。所定時間が経過した場合にはステップS704に進み、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信しているか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。停止指令が発生していない場合にはステップS705に進み、予め定められた各リール42L,42M,42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS704に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS706に進んで回転中の全てのリールを強制的に順次停止させる強制停止処理を行う。
【0191】
一方、ステップS704にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS707に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS706の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
【0192】
続いて、ステップS708では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS709に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
【0193】
一方、ステップS708で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS710に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS711に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
【0194】
そして、ステップS706の強制停止処理の後、ステップS709のスベリテーブル変更処理の後、ステップS710にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS711の停止目判定処理を行った後には、ステップS712にて左、中、右リール42L,42M,42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS712がNOの場合にはステップS704に戻り、YESの場合には続くステップS713にて払出判定処理を行う。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。ステップS714では検出信号ラッチ回路88からラッチ信号が出力されているか否かを確認する。ラッチ信号が出力されていなければそのまま本処理を終了し、出力されている場合にはエラー表示処理を行う。エラー表示処理は先に説明した通常処理のベット確認時に行われるエラー表示処理と同様である。
【0195】
次に、ステップS506のメダル払出処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
【0196】
メダル払出処理では、先ずステップS801にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS802にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS803においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS804にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
【0197】
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS805にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。このとき、ステップS806ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。そして、ステップS804またはステップS806で払出数を1インクリメントしたあと、再びステップS801に戻る。ステップS801で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS807にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させる。続くステップS808では検出信号ラッチ回路88からラッチ信号が出力されているか否かを確認する。ラッチ信号が出力されていなければそのまま本処理を終了し、出力されている場合にはエラー表示処理を行う。エラー表示処理は先に説明した通常処理のベット確認時やリール制御処理時に行われるエラー表示処理と同様である。なお、払出数や獲得枚数表示部37は、次回スタートレバー71が操作されたときにリセットされる。
【0198】
次に、ステップS507の特別遊技状態処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
【0199】
特別遊技状態処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。一方、ビッグボーナス(以下「BB」という)ゲームは、30回の小役ゲームと3回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは高確率で小役が当選する(有効ライン上に「ベル」図柄などが揃う)ゲームであり、JACインとは12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームは終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームは終了する。
【0200】
さて、特別遊技状態処理では、先ずステップS901にて遊技状態がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS902に進み、ボーナス図柄判定処理を行う。
【0201】
このボーナス図柄判定処理では、図20に示すように、まずステップS1001にてRB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはステップS1002に進み、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定し、RB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃ったときには、ステップS1003においてRB当選フラグをリセットしRB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるRBゲームとし、図21に示すRBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。ステップS1001でRB当選フラグがセットされていないときには、ステップS1004にてBB当選フラグがセットされたか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1005に進み、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定し、BB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃ったときには、ステップS1006においてBB当選フラグをリセットしBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとし、図22示すBBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。
【0202】
なお、図21,図22において、残小役ゲームカウンタは小役ゲームの残りゲーム数(残小役ゲーム数ともいう)を表し、残JACインカウンタはJACイン可能な残り回数(残JACイン回数ともいう)を表し、残JAC成立カウンタはJAC図柄が成立可能な残り回数(残JAC成立数ともいう)を表し、残JACゲームカウンタはJACゲームの残りゲーム数(残JACゲーム数ともいう)を表す。残小役ゲーム数や、残JACイン回数や、残JAC成立数、残JACゲーム数は、適宜、ゲーム数表示部36に表示される。ちなみに、役の抽選で小役またはリプレイに当選して小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグがセットされたときには、そのゲームで小役図柄またはリプレイ図柄を有効ライン上に揃えられないとこれらの当選フラグはリセットされるが、役の抽選でRBまたはBBに当選してRB当選フラグまたはBB当選フラグがセットされたときには、そのゲームでRB図柄またはBB図柄を有効ライン上に揃えられなかったとしてもこれらの当選フラグは次回に持ち越される。なお、BB又はRB当選フラグを持ち越した次ゲームにおける抽選処理では、小役又はリプレイの当選可否に関する抽選は行われるが、BB又はRBに関する抽選は行われない。また、BB又はRB当選フラグを持ち越した状態で小役又はリプレイに当選した場合には、小役又はリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
【0203】
さて、図19に戻り、ステップS901で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS903にてそのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する。JACゲームでないときにはBBゲームの小役ゲーム中であることを意味するため、ステップS904に進み、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する。JAC図柄が有効ライン上に揃ったときには、ステップS905にてJACゲームを開始すると共に図22(b)のBBゲーム中JACゲーム初期設定処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS904でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、ステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定する。残小役ゲーム数が0でないときには本処理を終了し、0のときにはステップS908に進み、各種設定フラグやBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりする特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。
【0204】
ステップS903で遊技状態がJACゲームであるときには、ステップS909に進みJAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定し、JAC図柄が有効ライン上に揃ったときにはステップS910にて残JAC成立数を1ディクリメントする。その後、或いはステップS909でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS911にて残JACゲーム数を1ディクリメントする。続いて、ステップS912では残JAC成立数か残JACゲーム数のいずれかが0になったか否かを判定し、いずれも0になっていないとき、つまりJAC図柄がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、いずれかが0になっていたとき、つまりJAC図柄が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、JACインが1回消化されたことになるためステップS913にて残JACイン回数を1ディクリメントし、続くステップS914にてその残JACイン回数が0か否かを判定する。0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。ちなみに、当該ボーナスゲームがRBボーナスである場合には、当初の残JACイン回数が1(図21参照)であるからステップS913で0になり、ステップS914で必ず肯定判定され、ステップS908の特別遊技状態終了処理にてRB設定フラグがリセットされる。
【0205】
一方、ステップS914で残JACイン回数がゼロでないとき、つまりBBゲームでJACインが3回消化されていないときには、ステップS915においてJACゲーム設定フラグをリセットするJACゲーム終了処理を行ったあと、今回JACインしたときに小役ゲームを1ゲーム消化しているためステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、続いてステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定し、残小役ゲーム数が0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。一方、残小役ゲーム数が0でないときにはBBボーナスにおける小役ゲームが30回に達しておらず且つJACインも3回に達していないため、本処理を終了する。
【0206】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0207】
ベット時であれば、主制御装置131が第1投入メダル検出センサ86及び第2投入メダル検出センサ87がメダルの通過を検出した検出順序を確認する構成とすることにより、これら各検出センサ86,87の付近にてメダルを往復動させる等の行為によりメダルの通過を誤認させ、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為を好適に防止することが可能となる。
【0208】
また、リール制御処理やメダル払出処理を行っている最中にも検出信号ラッチ回路88からのラッチ信号を確認することにより、不正行為を防止することが可能となる。この場合、ベット時と同様に検出順序を確認する構成とすれば、不正行為はより好適に防止することが可能である。しかしながら、かかる構成とすれば、主制御装置131はリール制御処理やメダル払出処理等の処理と並行しながら各検出センサ86,87の検出順序を確認する必要が生じ、これは主制御装置131の制御負荷が多大なものとなる。そこで、遊技に関わる制御を行っているときには検出信号ラッチ回路88からのラッチ信号を確認する構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷が増加することを抑制しつつ不正行為を防止することができる。さらにいうと、メダル払出処理を行っている最中にも検出信号ラッチ回路88からのラッチ信号を確認することにより、各検出センサ86,87の付近にてメダルを往復動させる等の行為によりメダルの通過を誤認させ、メダルを投入することなく遊技を行ってメダルを払出させる行為を防止することが可能となる。また、クレジット機能を備えた構成にあっては、遊技を行うことなくクレジット数を増加させた後に切替えスイッチ80を操作してメダルを返却させる不正行為をも防止することが可能となる。メダル払出処理中にラッチ信号を確認しない構成とすれば、スロットマシン10を設置する遊技場が不正行為による被る被害が増加する恐れがあるからである。
【0209】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0210】
(a)上記実施の形態では、主制御装置131がリール制御処理時やメダル払出処理時にラッチ信号を確認する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばタイマ割込み処理にて確認する構成としてもよい。
【0211】
(b)上記実施の形態では、各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号が検出信号ラッチ回路88にも出力され、主制御装置131はかかるラッチ信号をリール制御処理時やメダル払出処理時に確認する構成としたが、投入メダル検出センサ86,87の何れか一方の検出信号を確認する構成としたり、両方の検出信号を確認する構成としてもよい。この場合においても、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序を確認する必要はないため、主制御装置131の制御負荷の増大化を抑制しつつ不正行為を防止することが可能となる。
【0212】
(c)上記実施の形態では、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁と非励磁とに切替えることでメダルを貯留用通路81へ案内するか排出用通路82へ案内するかを決定する構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、ソレノイドに代えてモータを使用してもよいし、ロータリーソレノイドを使用してもよい。
【0213】
(d)上記実施の形態では、補助表示部15を備えたスロットマシン10において不正行為を防止する構成を説明したが、補助表示部15を備えていないスロットマシン10において不正行為を防止する構成としてもよい。
【0214】
(e)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。また、いわゆるAタイプのスロットマシンに限らず、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
【0215】
(f)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
【0216】
(g)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【0217】
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態のスロットマシンは、図23に示すように、検出信号ラッチ回路88を有さない点を除けば上記実施形態のスロットマシン10と同様のハードウェアにて構成されている。そこで、ハードウェアに関する説明は省略することとする。また、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理も基本的には同じであるため、各制御処理のうち異なる部位について説明することとする。
【0218】
先ず、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。
【0219】
ステップS1101では、ベットカウンタの値が0か否か、すなわちメダルがベットされているか否かを判定する。具体的には、クレジット投入スイッチ77〜79の操作により仮想メダルがベットされたか、又はメダル投入口75よりメダルが投入されたか否かを判定する。ここで、メダルのベット処理は、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS207,図11参照)においてなされる。すなわち、クレジット投入スイッチ77〜79の操作に伴うクレジット投入検出センサ77a〜79aからの検出信号を受信した場合には、受信した検出信号と対応する数だけベットカウンタの値をインクリメントする。また、メダルが投入された場合には、各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号を監視し、ベットカウンタの値をインクリメントする等のメダル検出処理を行う。
【0220】
そこで、センサ監視処理においてなされるメダル検出処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
【0221】
先ずステップS1201では、メダルをスロットマシン内部に投入することが可能なメダル投入許可状態か否かを確認する。具体的には、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁しているか否かを確認する。
【0222】
メダル投入許可状態である場合には、ステップS1202〜ステップS1208に示す検出順序確認処理を行う。ステップS1202では、第1投入メダル検出センサ86がオンとなったか否かを確認し、オンでない場合にはステップS1203にて第2投入メダル検出センサ87がオンとなったか否かを確認する。各投入メダル検出センサ86,87がオンでない場合(ステップS1202,1203が共にNOの場合)には、そのまま本処理を終了する。
【0223】
ステップS1202において第1投入メダル検出センサ86がオンであった場合には、その後、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオン、第2投入メダル検出センサ87のみオン、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフという順序通りに各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号を受信したか否かを確認する(ステップS1204〜ステップS1206)。但し、1.49msecごとに行われるタイマ割込み処理の中でメダル検出処理を行う本構成においては、上述した順序どおりに検出信号を受信したか否かを1回のメダル検出処理で確認することができない。メダルが第1投入メダル検出センサ86の検出部を通過し始めてから第2投入メダル検出センサ87の検出部を通過し終わるまでに要する時間は、1.49msecより長いからである。ステップS1204〜ステップS1206のいずれかにて否定判定をした場合にはステップS1207に進み、先のステップを肯定判定してから所定時間が経過したか否かを判定する。本実施形態では、各ステップに許容される否定判定の回数が予め設定されており、ステップS1207にてチェックした回数が許容される回数の範囲内であった場合にはそのまま本処理を終了する。例えば、第1投入メダル検出センサ86がオンとなってステップS1202を肯定判定した場合、続くステップS1204では否定判定することとなる。第1投入メダル検出センサ86がオンとなってから第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオンとなるまでに、1回のメダル検出処理を行う時間以上の時間を要するからである。かかる場合にはステップS1207に進み、第1投入メダル検出センサ86がオンとなったことを示す通過フラグをRAM153内に設けられた通過フラグ格納エリアにセットし、当該通過フラグがセットされた状況下でステップS1207のチェックが何回目かを確認する。そして、ステップS1207にてチェックした回数が許容される回数の範囲内であればそのまま本処理を終了する。そして、次回のタイマ割込み処理では、当該通過フラグに基づいてステップS1202が肯定判定され、ステップS1204にて各投入メダル検出センサ86,87の検出信号が確認されることとなる。ステップS1205及びS1206においても同様の処理を行う。
【0224】
そして、順序通りに各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号を受信した場合(ステップS1204〜ステップS1206が全てYESの場合)には、さらにステップS1208にて、第1投入メダル検出センサ86がオンとなってから第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフとなるまでに要した時間が許容される時間内であったか否かを確認する。そしてステップS1208がYESの場合には、ステップS1209にてベットカウンタの値を1インクリメントすると共に通過フラグをリセットして本処理を終了する。
【0225】
一方、第1投入メダル検出センサ86がオンとなることなく第2投入メダル検出センサがオンとなった場合(ステップS1203がYESの場合)、各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号が順序通りに検出されずに所定時間を経過した場合(ステップS1207がNOの場合)、各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号が順序通りに検出されたが許容される時間内でなかった場合(ステップS1208がNOの場合)には、不正行為が行われたと判断する。かかる場合にはステップS1210に進み、外部集中端子板171を通じて図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を行う。続くステップS1211では、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理(遊技進行停止処理)を行う。遊技禁止処理では、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御して遊技が不可能な状態とする。そして、ホール管理者などにエラーの発生を報知すべく上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。このようにするのは、メダルを投入メダル検出センサ86,87付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正行為を防止するためである。
【0226】
また、メダルをスロットマシン内部に投入できないメダル投入不許可状態である場合(ステップS1201がNOの場合)には、ステップS1212,ステップS1213に示す検出結果確認処理を行う。ステップS1212では第1投入メダル検出センサ86がオンとなっているか否かを確認し、ステップS1213では第2投入メダル検出センサ87がオンとなっているか否かを確認する。第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフである場合(ステップS1212,ステップS1213が共にNOの場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンである場合(ステップS1212,ステップS1213のいずれかがYESの場合)、不正行為が行われたと判断する。かかる場合にはステップS1214に進み、外部集中端子板171を通じて図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を行う。続くステップS1215では、エラー発生を記憶保持するためのエラーフラグをRAM153内に設けられたエラーフラグ格納エリア153a(図23参照)にセットし、本処理を終了する。つまり、メダル投入不許可状態において不正行為が行われた場合には、エラー発生に関する外部報知処理は即座に行うものの、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理は即座に行わない。
【0227】
なお、本実施形態では、1回のタイマ割込み処理において上記メダル検出処理を2回行う構成としている。これは、メダルが連続して投入された際に、先のメダルの検出順序確認処理と後のメダルの検出順序確認処理とを並行して行うための工夫である。詳細な説明は省略するが、1の通過フラグと対応する通過フラグ格納エリアを2カ所に設けることにより、2枚のメダルの検出順序確認処理を並行して行うことが可能である。
【0228】
通常処理の説明に戻り、メダルがベットされているときには、続いてステップS1102にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。メダルがベットされた状態でスタートレバー71が操作された場合(ステップS1101がNO、且つステップS1102がYESの場合)には、ステップS1103にてメダル投入不許可処理を行う。具体的には、メダル通路切替部材84のソレノイドを非励磁とし、仮にメダル投入口75からメダルが投入されたとしても排出用通路82を介して遊技者にかかるメダルが返却されるようにする。その後、ステップS1104の抽選処理、ステップS1105のリール制御処理、ステップS1106のメダル払出処理、ステップS1107の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS1108ではメダル投入許可処理を行う。かかる処理では、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁し、メダル投入口75からメダルが投入された際に貯留用通路81へ導かれるようにする。以上の処理を行った後、ステップS1101に戻る。一方、ステップS1101にてメダルがベットされていない、またはステップS1102にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS1101に戻る。
【0229】
次に、ステップS1105のリール制御処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップS1104の抽選処理については、上記実施形態のスロットマシンと同様のため、説明を省略する。
【0230】
リール制御処理では、先ずステップS1301においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS1302のリール回転処理を行い、各リール42L,42M,42Rを回転させる。その後、ステップS1303に進み、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には所定時間が経過するまで待機する。所定時間が経過した場合にはステップS1304に進み、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信しているか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。停止指令が発生していない場合にはステップS1305に進み、予め定められた各リール42L,42M,42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS1304に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS1306に進んで回転中の全てのリールを強制的に順次停止させる強制停止処理を行う。
【0231】
一方、ステップS1304にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS1307に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS1306の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
【0232】
続いて、ステップS1308では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS1309に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
【0233】
一方、ステップS1308で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS1310に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS1311に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
【0234】
そして、ステップS1306の強制停止処理の後、ステップS1309のスベリテーブル変更処理の後、ステップS1310にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS1311の停止目判定処理を行った後には、ステップS1312にて左、中、右リール42L,42M,42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS1312がNOの場合にはステップS1304に戻り、YESの場合には続くステップS1313にてエラーフラグがセットされているか否かを判定する。エラーフラグがセットされていない場合にはステップS1314に進み、払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、役が有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。また、有効ライン上に並んでいる役と当選した役が一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
【0235】
一方、ステップS1313にてエラーフラグがセットされている場合には、メダル投入不許可状態において不正行為が行われたことを意味する。故に、ステップS1315に進み、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理を行う。遊技禁止処理では、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御して遊技が不可能な状態とする。そして、ホール管理者などにエラーの発生を報知すべく上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
【0236】
次に、ステップS1106のメダル払出処理について、図27のフローチャートに基づき説明する。
【0237】
メダル払出処理では、先ずステップS1401にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1402にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS1403においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1404にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
【0238】
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1405にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。このとき、ステップS1406ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。そして、ステップS1404またはステップS1406で払出数を1インクリメントしたあと、再びステップS1401に戻る。ステップS1401で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1407にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させる。その後、ステップS1408ではエラーフラグがセットされているか否かを判定し、エラーフラグがセットされていない場合にはそのまま本処理を終了する。
【0239】
一方、ステップS1408にてエラーフラグがセットされている場合には、メダル投入不許可状態のうちメダルを払い出す処理がなされている間に不正行為が行われたことを意味する。スタートレバー71が操作されてから各リール42L,42M,42Rが停止するまでの間にエラーフラグがセットされた場合であれば、各リール42L,42M,42Rの停止後に遊技禁止処理がなされるからである。故に、ステップS1409では、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理を行う。遊技禁止処理では、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御して遊技が不可能な状態とする。そして、ホール管理者などにエラーの発生を報知すべく上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
【0240】
なお、ステップS1107の特別遊技状態処理については、上記実施形態のスロットマシンと同様のため、説明を省略する。
【0241】
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0242】
メダル投入許可状態である場合には、第1投入メダル検出センサ86及び第2投入メダル検出センサ87がメダルの通過を検出した検出順序を確認する構成とすることにより、これら各投入メダル検出センサ86,87の付近にてメダルを往復動させたりそれに類する不正治具を用いる等の行為によりメダルの通過を誤認させ、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為を好適に防止することが可能となる。また、各投入メダル検出センサ86,87の検出した検出順序が予め定めた検出順序と異なる場合、即座に遊技禁止処理を実行する構成とすることにより、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為が行われた結果、スロットマシンを設置する遊技場が不利益を被る不具合を回避することが可能となる。
【0243】
リール制御処理やメダル払出処理を行っている最中、すなわちメダル投入不許可状態である場合にも各投入メダル検出センサ86,87の検出結果を確認することにより、不正行為を防止することが可能となる。確かに、メダル投入不許可状態である場合にもベット時と同様に検出順序を確認する構成とすれば、不正行為をより好適に防止することが可能である。しかしながら、かかる構成とすれば、主制御装置131はリール制御処理やメダル払出処理等の処理と並行しながら各投入メダル検出センサ86,87の検出順序を確認する必要が生じ、これは主制御装置131の制御負荷が多大なものとなる。特に、リール制御処理を行っている最中においては、例えば一定の速度で回転させるよう制御する処理や有効ライン上を何番目の図柄が通過しているかを確認する処理等を各リール42L,42M,42Rについて行う必要があるため、主制御装置131の制御負荷はリール制御処理のみで多大なものがある。そこで、メダル投入不許可状態である場合には各投入メダル検出センサ86,87の検出順序を確認するのではなくオンとなったか否かのみを確認する構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷が増加することを抑制しつつ不正行為を防止することができる。
【0244】
メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がメダルの通過を検出した場合、当該結果をエラー発生とみなしてエラーフラグをセットし、全リール42L,42M,42Rを停止させた後に遊技禁止処理を行う構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷を軽減させることが可能となる。メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がメダルの通過を検出した時点で遊技禁止処理を行う構成とした場合、リール制御処理と並行して遊技禁止処理を行う必要が生じ、主制御装置131の制御負荷が増大化することとなるからである。そこで、全リール42L,42M,42Rが停止した後にエラーフラグのセット有無を確認して遊技禁止処理を行う構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷が増加することを抑制しつつ不正行為を防止することができる。かかる一方で、エラー発生となった場合には、不正行為を防止すべく速やかに遊技禁止処理を行うことが望ましい。そこで、全リール42L,42M,42Rを停止させた際にエラーフラグがセットされていた場合には、メダル払出処理を開始する前までに遊技禁止処理を行う構成とすることにより、遊技に関わる処理負荷を軽減させつつ比較的速やかに遊技禁止処理を行うことが可能となる。また、メダル払出処理を行う前に遊技禁止処理を実行する構成とすることにより、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為が行われた上にメダルを払い出してしまい、スロットマシン10を設置する遊技場の被る被害が拡大することを回避することが可能となる。さらにいうと、メダル投入不許可状態においてメダルの通過を検出した時点で遊技禁止処理を行う構成においては、例えばノイズ等の発生をメダルの通過と誤認識した場合やメダル投入許可状態から不許可状態に切り替わった際にメダルがセレクタ83に引っかかった場合等の不正行為が実際には行われていない場合であっても、その時点で遊技禁止処理が行われることとなる。これは、不正行為を行っていない遊技者の遊技を不要に中断させてしまうこととなり、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまう可能性がある。また、役の抽選で小役に当選したゲームの途中で遊技禁止処理を行った場合、当該当選フラグがリセットされることとなり、遊技者に多大な不利益を被らせてしまうことともなる。一方、本構成においては、一連の遊技が終了した後に遊技禁止処理が行われるため、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を減退させることを抑制することが可能となる。以上の結果、主制御装置131の制御負荷が増加することを抑制しつつ、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0245】
メダルを払い出す処理がなされている間に各投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がメダルの通過を検出した場合、当該結果をエラー発生とみなしてエラーフラグをセットし、メダルを払い出す処理が終了した後に遊技禁止処理を行う構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷を軽減させることが可能となる。メダルの払出間違いは遊技ホール又は遊技者に無用の不利益を生じさせることとなるため高い精度でメダル払出処理を行うことが要求されており、主制御装置131の制御負荷はメダル払出処理のみで多大なものがある。故に、メダルを払い出す処理がなされている間に各投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がメダルの通過を検出した時点で遊技禁止処理を行う構成とした場合、メダル払出処理と並行して遊技禁止処理を行う必要が生じ、主制御装置131の制御負荷が増大化することとなるからである。
【0246】
エラーが発生した場合、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理を行う構成とすることにより、エラー発生以降に遊技が行われることを禁止することが可能となり、各投入メダル検出センサ86,87付近でメダルを往復動させたりそれに類する不正治具を用いたりしてメダル投入と誤認させる不正行為を防止しつつ、スロットマシンを設置する遊技場の被る被害が拡大することを回避することが可能となる。
【0247】
メダル投入不許可状態においてメダルの通過が検出された場合、即座に外部報知処理を行う構成とすることにより、スロットマシンを設置する遊技場の管理者等に、遊技禁止処理の実行に先立ってエラーが発生すること、より詳しくは不正行為が行われたことを教示することが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。不正行為を行った者が不正行為に気付かれたと悟るより先に、遊技場の管理者等が不正行為を知ることができるからである。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0248】
メダル払出処理を行っている最中にも各投入メダル検出センサ86,87の検出結果を確認することにより、メダルを投入してゲームを開始し、ゲーム終了後のメダル払出が行われている最中に投入したメダルを引き抜く等の不正行為を防止することが可能となる。また、クレジット機能を備えた構成にあっては、メダルを投入してクレジット数を増加させた後に切替スイッチ80を操作してメダルを返却させ、返却が行われている最中に投入したメダルを引き抜く等の不正行為をも防止することが可能となる。メダル払出処理中に各投入メダル検出センサ86,87の検出結果を確認しない構成とすれば、スロットマシン10を設置する遊技場の不正行為により被る被害が拡大する恐れがあるからである。
【0249】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0250】
(a)上記第2の実施形態では、メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87の検出信号を確認し、少なくとも一方がオンとなった場合にエラーフラグを設定する構成としたが、上記実施形態において説明した検出信号ラッチ回路88を設ける構成としてもよい。かかる場合、主制御装置131が全リール42L,42M,42Rを停止させた後及びホッパ装置を停止させた後に検出信号ラッチ回路からのラッチ信号を確認する構成とすれば、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0251】
(b)上記第2の実施形態では、メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87の検出信号を確認する構成としたが、各投入メダル検出センサ86,87のうち何れか一方の検出信号を確認する構成としてもよい。この場合においても、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序を確認する必要はないため、主制御装置131の制御負荷の増大化を抑制しつつ不正行為を防止することが可能となる。
【0252】
(c)上記第2の実施形態では、メダル検出順序確認処理において、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序と、第1投入メダル検出センサ86がオンとなってから第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフとなるまでに要した時間が所定時間内であったか否かとを確認する構成としたが、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序のみを確認する構成であってもよい。或いは、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序と、各投入メダル検出センサ86,87のオンオフ切換に移行する時間が所定時間内であったか否かとを確認する構成としてもよい。これら構成にあっても、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0253】
(d)上記第2の実施形態では、メダル投入不許可状態において第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を即座に行う構成としたが、図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信する処理のみを即座に行う構成としてもよい。かかる構成とすれば、遊技場の関係者にのみ遊技禁止処理が行われることを気付かせることが可能となり、不正行為を行った者が不正行為に気付かれたことを悟って逃走する不具合を回避することが可能となる。また、メダル投入許可状態における外部報知処理とメダル投入不許可状態における外部報知処理とが異なる構成としてもよい。例えば、後者の外部報知処理は図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信する処理のみを行う構成とし、前者の外部報知処理は上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行う構成とする。メダル投入許可状態においてエラー発生となった場合には即座に遊技禁止処理が行われるため、エラー情報を送信するのみよりも不正行為を行った者の周囲にいる遊技場関係者や遊技者等に気付かせた方がよいからである。
【0254】
(e)上記第2の実施形態では、メダル投入不許可状態において第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を即座に行う構成としたが、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示することに代えて、又はこれに加えて、上部ランプ13等にてエラー表示を行う構成としてもよい。かかる構成とすれば、不正行為を行った者の周囲にいる遊技場関係者や遊技者にメダル払出処理の終了時に遊技禁止処理が行われることを気付かせることが可能となり、不正行為を行った者が不正行為に気付かれたことを悟って逃走する不具合を抑制することが可能となる。また、不正行為の行われたスロットマシンを遊技場関係者が容易に特定することも可能となる。
【0255】
(f)上記第2の実施形態では、メダル投入不許可状態において第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、全リール42L,42M,42Rが停止した後に遊技禁止処理を行う構成としたが、かかるタイミングに限定されるものではなく、メダル払出処理が開始される前までの間に遊技禁止処理を行う構成であれば、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。例えば、払出判定処理の後に遊技禁止処理を行う構成であってもよい。
【0256】
(g)上記第2の実施形態では、遊技禁止処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御して遊技が不可能な状態とする構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、その後の遊技を行わせない構成であればよい。例えば、上記第2の実施形態における遊技禁止処理では、スタートレバー71や各ストップスイッチ72〜74等からの検出信号を主制御装置131が確認しない処理(割込み処理を禁止する処理)を行う構成としたが、これに代えて、スタートレバー71や各ストップスイッチ72〜74の操作自体を行えなくする構成としてもよい。
【0257】
(h)上記第2の実施形態では、メダル払出処理がなされている最中に第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、メダル払出処理の終了時に遊技禁止処理を行う構成としたが、かかるタイミングに限定されるものではなく、メダル払出処理が終了してから次回の遊技開始契機となるメダル投入許可処理を行う前までの間に遊技禁止処理を行う構成であれば、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0258】
(i)上記第2の実施形態では、メダル払出処理がなされている最中に第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、メダル払出処理の終了時に遊技禁止処理を行う構成としたが、第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった時点で遊技禁止処理を行う構成としてもよい。つまり、所定数のメダル払出が完了する前に遊技禁止処理を行う構成としてもよい。かかる構成の場合、確かに主制御装置131の制御負荷が増加することとなるが、不正行為を行ってメダルを払い出させる行為は遊技場の被害に直結する問題であるため、遊技場が被る被害を抑制することが可能となる。
【0259】
(j)上記第2の実施形態において、メダル払出処理がなされている間は、リール制御処理等がなされている場合と同様に第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなったか否かを確認する構成としたが、各投入メダル検出センサ86,87が検出した検出順序を確認する構成としてもよい。メダル払出処理は、リール制御処理等の遊技と直接関連した処理と比較して主制御装置131にかかる制御負荷が小さいからである。また、不正行為を行ってメダルを払い出させる行為は遊技場の被害に直結する問題であるため、かかる構成とすれば、遊技場が被る被害をより好適に抑制することが可能となると共に、不正行為を行っていない遊技者がノイズ等の発生を原因としてその後の遊技を中断される不具合を回避することが可能となる。
【0260】
(k)上記第2の実施形態では、全リール42L,42M,42Rが停止した後にエラーフラグがセットされているか否かを確認する構成としたが、かかる構成を変更する。各リール42L,42M,42Rを停止させる毎にエラーフラグがセットされているか否かを確認し、全リール42L,42M,42Rが停止する前にエラーフラグがセットされていた場合、入賞となる図柄の組合せが有効ライン上に成立しないよう各リール42L,42M,42Rを停止制御する構成とする。かかる構成とすれば、遊技禁止処理を行う際に入賞となる図柄の組合せが有効ライン上に成立する機会を減少させることが可能となり、例えばボーナス図柄の組合せが有効ライン上に成立した際に遊技禁止処理が行われ、不正行為を行っていない遊技者がショックを受ける不具合を回避することが可能となる。
【0261】
(l)上記第2の実施形態では、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁と非励磁とに切替えることでメダルを貯留用通路81へ案内するか排出用通路82へ案内するかを決定する構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、ソレノイドに代えてモータを使用してもよいし、ロータリーソレノイドを使用してもよい。
【0262】
(m)上記第2の実施形態では、補助表示部15を備えたスロットマシン10において不正行為を防止する構成を説明したが、補助表示部15を備えていないスロットマシン10において不正行為を防止する構成としてもよい。
【0263】
(n)上記第2の実施形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。また、いわゆるAタイプのスロットマシンに限らず、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
【0264】
(o)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
【0265】
(p)上記第2の実施形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
【0266】
(q)切換スイッチ80の操作に伴ってクレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出している最中に第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、当該メダルの払い出し処理が終了した後に遊技禁止処理を行うことはいうまでもない。
【0267】
(r)上記第2の実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【0268】
次に、本願発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態のスロットマシンは、図28に示すように、検出信号ラッチ回路88を有さない点を除けば、上記実施形態のスロットマシン10と同様のハードウェアにて構成されている。そこで、ハードウェアに関する説明は省略することとする。また、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理も基本的には同じであるため、各制御処理のうち異なる部位について説明することとする。
【0269】
先ず、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図29のフローチャートを参照しながら説明する。
【0270】
ステップS2101では、ベットカウンタの値が0か否か、すなわちメダルがベットされているか否かを判定する。具体的には、クレジット投入スイッチ77〜79の操作により仮想メダルがベットされたか、又はメダル投入口75よりメダルが投入されたか否かを判定する。ここで、メダルのベット処理は、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS207,図11参照)においてなされる。すなわち、クレジット投入スイッチ77〜79の操作に伴うクレジット投入検出センサ77a〜79aからの検出信号を受信した場合には、受信した検出信号と対応する数だけベットカウンタの値をインクリメントする。また、メダルが投入された場合には、各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号を監視し、ベットカウンタの値をインクリメントする等のメダル検出処理を行う。
【0271】
そこで、センサ監視処理においてなされるメダル検出処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
【0272】
先ずステップS2201では、メダルをスロットマシン内部に投入することが可能なメダル投入許可状態か否かを確認する。具体的には、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁しているか否かを確認する。
【0273】
メダル投入許可状態である場合には、ステップS2202〜ステップS2208に示す検出順序確認処理を行う。ステップS2202では、第1投入メダル検出センサ86がオンとなったか否かを確認し、オンでない場合にはステップS2203にて第2投入メダル検出センサ87がオンとなったか否かを確認する。各投入メダル検出センサ86,87がオンでない場合(ステップS2202,2203が共にNOの場合)には、そのまま本処理を終了する。
【0274】
ステップS2202において第1投入メダル検出センサ86がオンであった場合には、その後、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオン、第2投入メダル検出センサ87のみオン、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフという順序通りに各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号を受信したか否かを確認する(ステップS2204〜ステップS2206)。但し、1.49msecごとに行われるタイマ割込み処理の中でメダル検出処理を行う本構成においては、上述した順序どおりに検出信号を受信したか否かを1回のメダル検出処理で確認することができない。メダルが第1投入メダル検出センサ86の検出部を通過し始めてから第2投入メダル検出センサ87の検出部を通過し終わるまでに要する時間は、1.49msecより長いからである。ステップS2204〜ステップS2206のいずれかにて否定判定をした場合にはステップS2207に進み、先のステップを肯定判定してから所定時間が経過したか否かを判定する。本実施形態では、各ステップに許容される否定判定の回数が予め設定されており、ステップS2207にてチェックした回数が許容される回数の範囲内であった場合にはそのまま本処理を終了する。例えば、第1投入メダル検出センサ86がオンとなってステップS2202を肯定判定した場合、続くステップS2204では否定判定することとなる。第1投入メダル検出センサ86がオンとなってから第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオンとなるまでに、1回のメダル検出処理を行う時間以上の時間を要するからである。かかる場合にはステップS2207に進み、第1投入メダル検出センサ86がオンとなったことを示す通過フラグをRAM153内に設けられた通過フラグ格納エリアにセットし、当該通過フラグがセットされた状況下でステップS2207のチェックが何回目かを確認する。そして、ステップS2207にてチェックした回数が許容される回数の範囲内であればそのまま本処理を終了する。そして、次回のタイマ割込み処理では、当該通過フラグに基づいてステップS2202が肯定判定され、ステップS2204にて各投入メダル検出センサ86,87の検出信号が確認されることとなる。ステップS2205及びS2206においても同様の処理を行う。
【0275】
そして、順序通りに各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号を受信した場合(ステップS2204〜ステップS2206が全てYESの場合)には、さらにステップS2208にて、第1投入メダル検出センサ86がオンとなってから第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフとなるまでに要した時間が許容される時間内であったか否かを確認する。そしてステップS2208がYESの場合には、ステップS2209にてベットカウンタの値を1インクリメントすると共に通過フラグをリセットして本処理を終了する。
【0276】
一方、第1投入メダル検出センサ86がオンとなることなく第2投入メダル検出センサがオンとなった場合(ステップS2203がYESの場合)、各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号が順序通りに検出されずに所定時間を経過した場合(ステップS2207がNOの場合)、各投入メダル検出センサ86,87からの検出信号が順序通りに検出されたが許容される時間内でなかった場合(ステップS2208がNOの場合)には、不正行為が行われたと判断する。かかる場合にはステップS2210に進み、外部集中端子板171を通じて図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を行う。続くステップS2211では、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理(遊技進行停止処理)を行う。遊技禁止処理では、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御して遊技が不可能な状態とする。そして、ホール管理者などにエラーの発生を報知すべく上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。このようにするのは、メダルを投入メダル検出センサ86,87付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正行為を防止するためである。
【0277】
また、メダルをスロットマシン内部に投入できないメダル投入不許可状態である場合(ステップS2201がNOの場合)には、ステップS2212,ステップS2213に示す検出結果確認処理を行う。ステップS2212では第1投入メダル検出センサ86がオンとなっているか否かを確認し、ステップS2213では第2投入メダル検出センサ87がオンとなっているか否かを確認する。第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフである場合(ステップS2212,ステップS2213が共にNOの場合)には、そのまま本処理を終了する。一方、第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンである場合(ステップS2212,ステップS2213のいずれかがYESの場合)、不正行為が行われたと判断する。かかる場合にはステップS2214に進み、外部集中端子板171を通じて図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を行う。続くステップS2215では、エラー発生を記憶保持するためのエラーフラグをRAM153内に設けられたエラーフラグ格納エリア153a(図28参照)にセットし、本処理を終了する。つまり、メダル投入不許可状態において不正行為が行われた場合には、エラー発生に関する外部報知処理は即座に行うものの、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理は即座に行わない。
【0278】
なお、本実施形態では、1回のタイマ割込み処理において上記メダル検出処理を2回行う構成としている。これは、メダルが連続して投入された際に、先のメダルの検出順序確認処理と後のメダルの検出順序確認処理とを並行して行うための工夫である。詳細な説明は省略するが、1の通過フラグと対応する通過フラグ格納エリアを2カ所に設けることにより、2枚のメダルの検出順序確認処理を並行して行うことが可能である。
【0279】
通常処理の説明に戻り、メダルがベットされているときには、続いてステップS2102にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。メダルがベットされた状態でスタートレバー71が操作された場合(ステップS2101がNO、且つステップS2102がYESの場合)には、ステップS2103にてメダル投入不許可処理を行う。具体的には、メダル通路切替部材84のソレノイドを非励磁とし、仮にメダル投入口75からメダルが投入されたとしても排出用通路82を介して遊技者にかかるメダルが返却されるようにする。その後、ステップS2104の抽選処理、ステップS2105のリール制御処理、ステップS2106のメダル払出処理、ステップS2107の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS2108ではメダル投入許可処理を行う。かかる処理では、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁し、メダル投入口75からメダルが投入された際に貯留用通路81へ導かれるようにする。以上の処理を行った後、ステップS2101に戻る。一方、ステップS2101にてメダルがベットされていない、またはステップS2102にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS2101に戻る。
【0280】
次に、ステップS2105のリール制御処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップS2104の抽選処理については、上記実施形態のスロットマシンと同様のため、説明を省略する。
【0281】
リール制御処理では、先ずステップS2301においてウエイト処理を行う。このウエイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転しないことがある。ウエイト処理に続いてステップS2302のリール回転処理を行い、各リール42L,42M,42Rを回転させる。その後、ステップS2303に進み、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、経過していない場合には所定時間が経過するまで待機する。所定時間が経過した場合にはステップS2304に進み、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信しているか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。停止指令が発生していない場合にはステップS2305に進み、予め定められた各リール42L,42M,42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS2304に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS2306に進んで回転中の全てのリールを強制的に順次停止させる強制停止処理を行う。
【0282】
一方、ステップS2304にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS2307に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS2306の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
【0283】
続いて、ステップS2308では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS2309に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
【0284】
一方、ステップS2308で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS2310に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS2311に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
【0285】
そして、ステップS2306の強制停止処理の後、ステップS2309のスベリテーブル変更処理の後、ステップS2310にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS2311の停止目判定処理を行った後には、ステップS2312にて左、中、右リール42L,42M,42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS2312がNOの場合にはステップS2304に戻り、YESの場合には続くステップS2313にて払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、役が有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。また、有効ライン上に並んでいる役と当選した役が一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。
【0286】
次に、ステップS2106のメダル払出処理について、図32のフローチャートに基づき説明する。
【0287】
メダル払出処理では、先ずステップS2401にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS2402にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS2403においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS2404にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
【0288】
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS2405にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。このとき、ステップS2406ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。そして、ステップS2404またはステップS2406で払出数を1インクリメントしたあと、再びステップS2401に戻る。ステップS2401で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS2407にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させる。その後、ステップS2408ではエラーフラグがセットされているか否かを判定し、エラーフラグがセットされていない場合にはそのまま本処理を終了する。
【0289】
一方、ステップS2408にてエラーフラグがセットされている場合には、メダル投入不許可状態において不正行為が行われたことを意味する。故に、ステップS2409に進み、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理を行う。遊技禁止処理では、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御して遊技が不可能な状態とする。そして、ホール管理者などにエラーの発生を報知すべく上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
【0290】
なお、ステップS2107の特別遊技状態処理については、上記実施形態のスロットマシンと同様のため、説明を省略する。
【0291】
以上詳述した第3実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0292】
メダル投入許可状態である場合には、第1投入メダル検出センサ86及び第2投入メダル検出センサ87がメダルの通過を検出した検出順序を確認する構成とすることにより、これら各投入メダル検出センサ86,87の付近にてメダルを往復動させたりそれに類する不正治具を用いる等の行為によりメダルの通過を誤認させ、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為を好適に防止することが可能となる。また、各投入メダル検出センサ86,87の検出した検出順序が予め定めた検出順序と異なる場合、即座に遊技禁止処理を実行する構成とすることにより、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為が行われた結果、スロットマシンを設置する遊技場が不利益を被る不具合を回避することが可能となる。メダル払出処理の終了時に遊技禁止処理を行う本構成において、メダルを投入することなく遊技を行う不正行為が仮に行われた場合、メダルが投入されることなく遊技を行われたことにより被る不利益に加えて、有効ライン上に例えば小役図柄の組合せが停止した際には当該結果に伴うメダル払出という不利益も被ることとなり、遊技場の被る被害が拡大する可能性があるからである。
【0293】
リール制御処理やメダル払出処理を行っている最中、すなわちメダル投入不許可状態である場合にも各投入メダル検出センサ86,87の検出結果を確認することにより、不正行為を防止することが可能となる。確かに、メダル投入不許可状態である場合にもベット時と同様に検出順序を確認する構成とすれば、不正行為をより好適に防止することが可能である。しかしながら、かかる構成とすれば、主制御装置131はリール制御処理やメダル払出処理等の処理と並行しながら各投入メダル検出センサ86,87の検出順序を確認する必要が生じ、これは主制御装置131の制御負荷が多大なものとなる。そこで、メダル投入不許可状態である場合には各投入メダル検出センサ86,87の検出順序を確認するのではなくオンとなったか否かのみを確認する構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷が増加することを抑制しつつ不正行為を防止することができる。
【0294】
メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がメダルの通過を検出した場合、当該結果をエラー発生とみなしてエラーフラグをセットし、メダル払出処理の終了時に遊技禁止処理を行う構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷を軽減させることが可能となる。メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がメダルの通過を検出した時点で遊技禁止処理を行う構成とした場合、リール制御処理やメダル払出処理等の処理と並行してメダルの通過を検出する処理や遊技禁止処理を行う必要が生じ、主制御装置131の制御負荷が増大化することとなるからである。リール制御処理を行っている最中においては、例えば一定の速度で回転させるよう制御する処理や有効ライン上を何番目の図柄が通過しているかを確認する処理等を各リール42L,42M,42Rについて行う必要があるため、主制御装置131の制御負荷がリール制御処理のみで多大なものとなる。また、メダル払出処理においても、メダルの払出間違いは遊技ホール又は遊技者に無用の不利益を生じさせることとなるため高い精度で処理を行うことが要求され、主制御装置131の制御負荷は多大なものがある。そこで、全リール42L,42M,42Rが停止し、さらにメダル払出処理が終了した後にエラーフラグのセット有無を確認して遊技禁止処理を行う構成とすることにより、主制御装置131の制御負荷が増加することを抑制しつつ不正行為を防止することができる。さらにいうと、メダル投入不許可状態においてメダルの通過を検出した時点で遊技禁止処理を行う構成においては、例えばノイズ等の発生をメダルの通過と誤認識した場合やメダル投入許可状態から不許可状態に切り替わった際にメダルがセレクタ83に引っかかった場合等の不正行為が実際には行われていない場合であっても、その時点で遊技禁止処理が行われることとなる。これは、不正行為を行っていない遊技者の遊技を不要に中断させてしまうこととなり、不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまう可能性がある。また、役の抽選で小役に当選したゲームの途中で遊技禁止処理を行った場合、当該当選フラグがリセットされることとなり、遊技者に多大な不利益を被らせてしまうことともなる。一方、本構成においては、一連の遊技が終了し、さらにメダル払出処理が終了した後に遊技禁止処理が行われるため、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に遊技意欲を減退させることを抑制することが可能となる。以上の結果、主制御装置131の制御負荷が増加することを抑制しつつ、不正行為を行っていない遊技者が不利益を被ることを回避すると共に好適に不正行為を防止することが可能となる。
【0295】
エラーが発生した場合、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理を行う構成とすることにより、エラー発生以降に遊技が行われることを禁止することが可能となり、各投入メダル検出センサ86,87付近でメダルを往復動させたりそれに類する不正治具を用いたりしてメダル投入と誤認させる不正行為を防止しつつ、スロットマシンを設置する遊技場の被る被害が拡大することを回避することが可能となる。
【0296】
メダル投入不許可状態においてメダルの通過が検出された場合、即座に外部報知処理を行う構成とすることにより、スロットマシンを設置する遊技場の管理者等に、遊技禁止処理の実行に先立ってエラーが発生すること、より詳しくは不正行為が行われたことを教示することが可能となり、好適に不正行為を防止することが可能となる。不正行為を行った者が不正行為に気付かれたと悟るより先に、遊技場の管理者等が不正行為を知ることができるからである。また、不正行為を行おうと考える者が実際の行為に至ることを抑制することも可能となる。
【0297】
メダル払出処理を行っている最中にも各投入メダル検出センサ86,87の検出結果を確認することにより、メダルを投入してゲームを開始し、ゲーム終了後のメダル払出が行われている最中に投入したメダルを引き抜く等の不正行為を防止することが可能となる。また、クレジット機能を備えた構成にあっては、メダルを投入してクレジット数を増加させた後に切替スイッチ80を操作してメダルを返却させ、返却が行われている最中に投入したメダルを引き抜く等の不正行為をも防止することが可能となる。メダル払出処理中に各投入メダル検出センサ86,87の検出結果を確認しない構成とすれば、スロットマシン10を設置する遊技場の不正行為により被る被害が拡大する恐れがあるからである。
【0298】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0299】
(a)上記第3実施形態では、メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87の検出信号を確認し、少なくとも一方がオンとなった場合にエラーフラグを設定する構成としたが、上記実施形態において説明した検出信号ラッチ回路88を設ける構成としてもよい。かかる場合、主制御装置131がホッパ装置を停止させた後に検出信号ラッチ回路からのラッチ信号を確認する構成とすれば、上記第3実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0300】
(b)上記第3実施形態では、メダル投入不許可状態において各投入メダル検出センサ86,87の検出信号を確認する構成としたが、各投入メダル検出センサ86,87のうち何れか一方の検出信号を確認する構成としてもよい。この場合においても、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序を確認する必要はないため、主制御装置131の制御負荷の増大化を抑制しつつ不正行為を防止することが可能となる。
【0301】
(c)上記第3実施形態では、メダル検出順序確認処理において、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序と、第1投入メダル検出センサ86がオンとなってから第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフとなるまでに要した時間が所定時間内であったか否かとを確認する構成としたが、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序のみを確認する構成であってもよい。或いは、各投入メダル検出センサ86,87の検出順序と、各投入メダル検出センサ86,87のオンオフ切換に移行する時間が所定時間内であったか否かとを確認する構成としてもよい。これら構成にあっても、上記第3実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0302】
(d)上記第3実施形態では、メダル投入不許可状態において第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を即座に行う構成としたが、図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信する処理のみを即座に行う構成としてもよい。かかる構成とすれば、遊技場の関係者にのみメダル払出処理の終了時に遊技禁止処理が行われることを気付かせることが可能となり、不正行為を行った者が不正行為に気付かれたことを悟って逃走する不具合を回避することが可能となる。また、メダル投入許可状態における外部報知処理とメダル投入不許可状態における外部報知処理とが異なる構成としてもよい。例えば、後者の外部報知処理は図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信する処理のみを行う構成とし、前者の外部報知処理は上部ランプ13や補助表示部15等にてエラー表示を行う構成とする。メダル投入許可状態においてエラー発生となった場合には即座に遊技禁止処理が行われるため、エラー情報を送信するのみよりも不正行為を行った者の周囲にいる遊技場関係者や遊技者等に気付かせた方がよいからである。
【0303】
(e)上記第3実施形態では、メダル投入不許可状態において第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、図示しないホール管理装置等にエラー情報を送信すると共に、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示する外部報知処理を即座に行う構成としたが、ゲーム数表示部36にエラー発生を示す「E」の文字を表示することに代えて、又はこれに加えて、上部ランプ13等にてエラー表示を行う構成としてもよい。かかる構成とすれば、不正行為を行った者の周囲にいる遊技場関係者や遊技者にメダル払出処理の終了時に遊技禁止処理が行われることを気付かせることが可能となり、不正行為を行った者が不正行為に気付かれたことを悟って逃走する不具合を抑制することが可能となる。また、不正行為の行われたスロットマシンを遊技場関係者が容易に特定することも可能となる。
【0304】
(f)上記第3実施形態では、メダル投入不許可状態において第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、メダル払出処理の終了時に遊技禁止処理を行う構成としたが、かかるタイミングに限定されるものではなく、メダル払出処理が終了してから次回の遊技開始契機となるメダル投入許可処理を行う前までの間に遊技禁止処理を行う構成であれば、上記第3実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
【0305】
(g)上記第3実施形態では、遊技禁止処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御して遊技が不可能な状態とする構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、その後の遊技を行わせない構成であればよい。例えば、上記第3実施形態における遊技禁止処理では、スタートレバー71や各ストップスイッチ72〜74等からの検出信号を主制御装置131が確認しない処理(割込み処理を禁止する処理)を行う構成としたが、これに代えて、スタートレバー71や各ストップスイッチ72〜74の操作自体を行えなくする構成としてもよい。
【0306】
(h)上記第3実施形態では、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁と非励磁とに切替えることでメダルを貯留用通路81へ案内するか排出用通路82へ案内するかを決定する構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、ソレノイドに代えてモータを使用してもよいし、ロータリーソレノイドを使用してもよい。
【0307】
(i)上記第3実施形態では、補助表示部15を備えたスロットマシン10において不正行為を防止する構成を説明したが、補助表示部15を備えていないスロットマシン10において不正行為を防止する構成としてもよい。
【0308】
(j)上記第3実施形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。また、いわゆるAタイプのスロットマシンに限らず、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
【0309】
(k)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
【0310】
(l)上記第3実施形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
【0311】
(m)切換スイッチ80の操作に伴ってクレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出している最中に第1,第2投入メダル検出センサ86,87のうち少なくとも一方がオンとなった場合、当該メダルの払い出し処理が終了した後に遊技禁止処理を行うことはいうまでもない。
【0312】
(n)上記第3実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【符号の説明】
【0313】
10…遊技機としてのスロットマシン、11…遊技機本体の一部を構成する筐体、12…遊技機本体の一部又は遊技機本体の開閉部材を構成する前面扉、15…補助表示部、42…回胴又は無端状ベルトを構成するリール、61…駆動手段としてのステッピングモータ、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、83…セレクタ、84…メダル通路切替部材、85…案内通路、86…第1投入メダル検出センサ、87…第2投入メダル検出センサ、88…検出信号ラッチ回路、131…メイン制御手段等の各種制御手段を構成する主制御装置、151…メイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU、152,153…記憶手段としてのROM,RAM、161…電源装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の絵柄が周方向に付された複数の無端状ベルトと、
前記各無端状ベルトについて各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓と、
遊技を行うための遊技媒体を受入可能な受入口と、
該受入口から受け入れられた遊技媒体を案内する案内通路と、
該案内通路を通る遊技媒体を検出すべく、当該遊技媒体の流れ方向に配置される複数の検出手段と、
前記各無端状ベルトの回転を開始させるべく操作される始動操作手段と、
前記各無端状ベルト毎に設けられ、該各無端状ベルトを回転させる駆動手段と、
前記各無端状ベルトの回転を停止させるべく操作される停止操作手段と、
前記各検出手段が遊技媒体の通過を検出した後に、前記始動操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を開始させ、前記停止操作手段の操作に基づいて前記各無端状ベルトの回転を停止させるように、前記各駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
前記各無端状ベルトが停止した際、前記表示窓から視認できる有効位置に前記絵柄によって形成される特定絵柄の組合せが成立している場合に所定数の遊技媒体を遊技者に払出す等の払出処理を行う払出手段と
を備えた遊技機において、
少なくとも、前記駆動制御手段が前記各駆動手段を駆動制御している間と前記払出手段による払出処理の実行中とには遊技媒体の受入を不許可とすべく、遊技媒体の受入許可又は不許可を決定する受入決定手段と、
前記受入決定手段が前記遊技媒体の受入許可の決定をした場合に、前記各検出手段が遊技媒体を検出した検出順序を確認する検出順序確認手段と、
前記検出順序確認手段の確認結果が予め定めた検出順序と異なる場合に、当該結果を異常とみなして異常処理を行う第1異常処理実行手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−56189(P2013−56189A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253872(P2012−253872)
【出願日】平成24年11月20日(2012.11.20)
【分割の表示】特願2011−276675(P2011−276675)の分割
【原出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】