説明

遊技機

【課題】遊技者に対して遊技機に関する情報を視認しやすく表示することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】表示領域51aよりも下方位置に配設され、スロットマシン1に関する情報(機種名やキャラクタ画像等)を表示するタイトルパネル212を設置するタイトルパネル設置部210は、タイトルパネル212を下部から上部に向けてスロットマシン1の奥行き側に傾斜するように設置されている。よって、タイトルパネル212の上方位置からの視認性が高まるため、遊技者は遊技を行いながら遊技に関する情報を目視することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示領域に表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、所定の遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの始動入賞領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機や、所定の賭け数を設定し、スタート操作が行われたときに、複数種類の識別情報の可変表示が行われるスロットマシンなどがある。スロットマシンでは、可変表示領域の下方位置に、例えば遊技機の機種名(タイトル)や型式や、装飾図柄や大当り図柄の組合わせからなる役構成が表示された所謂タイトルパネルが、上下方向を向く起立姿勢で配設されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−219561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、タイトルパネルは、遊技において遊技者が最も注視するために比較的遊技者の目線に合わせて配設される可変表示領域よりも下方位置に起立姿勢で配設されている。よって、遊技者がスロットマシンに対峙して着座した状態においてタイトルパネルが遊技者の目線よりも下方に位置するため、遊技者からの視認性が悪いという問題があった。
【0005】
また、着座していない遊技者の目線はさらに上方位置になるので、これら遊技者に対するスロットマシンの宣伝効果が今一つ向上しなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技者に対して遊技機に関する情報を視認しやすく表示することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示領域(透視窓3、透視領域51b)に表示結果を導出させることが可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)を備え、所定の遊技を行うことが可能な遊技機(スロットマシン1/パチンコ遊技機1000)であって、
前記可変表示領域よりも下方位置に配設され、前記遊技機に関する情報(例えば、機種名やキャラクタ画像等)を表示する表示手段(タイトルパネル212/タイトルパネル1005)を設置する情報表示手段設置部(タイトルパネル設置部210)を備え、
前記情報表示手段設置部は、
前記表示手段を下部から上部に向けて前記遊技機の奥行き側に傾斜するように設置可能である(図3、図8参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者が遊技を行う際に最も注目される可変表示領域よりも下方位置に情報表示手段設置部が配設されていても、表示手段は上部が奥行き側に傾倒して設けられることで、表示手段の上方位置からの視認性が高まるため、遊技者は遊技を行いながら遊技に関する情報を目視することができる。また、遊技機の手前に着座していない遊技者からも見えやすくなるため、興味を引き付けることが可能となる。
尚、前記遊技機に関する情報とは、例えば、遊技機の機種名(タイトル)や型式、あるいは、遊技に関連する演出画像や演出部材、装飾図柄、役構成や大当り図柄の組合わせ等を含む。
また、前記表示手段は、前記遊技機に関する情報が表示されたパネルや表示装置、あるいは、フィギュア等の演出部材を含む。
【0008】
本発明の手段1に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記遊技機(スロットマシン1)の前面周辺部に沿うように設けられる透明部材(装飾枠部250)と、
前記透明部材に形成され前方に向けて発光する発光部(枠状発光部251〜253)と、
前記透明部材の端面に光を入射可能に設けられる発光手段(枠状LED)と、を備える、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、発光部が透明部材にて構成されていることで、発光手段が消灯しているときは遊技機の前面形状を認識しにくいが、発光手段が点灯すると、光は透明部材の内部を導光して発光部から前方に向けて出射するだけで側面からは出射されないため、発光手段による発光で遊技機の前面形状が変化したように見せることができる。
【0009】
本発明の手段2に記載の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前後方向に重畳するように前記透明部材と一体化して配設され、光を透過可能な透光性を有する複数の導光板(導光板230a〜230c)と、
前記複数の導光板それぞれの端面に光を入射可能に設けられる端面発光手段(端面LED)と、を備え、
前記複数の導光板それぞれに、該導光板の端面から内部に入射された前記端面発光体からの入射光により発光する発光表示部(文字Tのアウトライン領域に形成される反射部に対応する領域)が設けられている(図6参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、端面発光手段が点灯することで、複数の発光表示部それぞれが前後方向に重畳した状態で発光表示されるため、遊技者に対し遊技機の奥行き感を与えることができる。また、導光板は発光部を構成する透光性部材に一体化されていることで、発光部と一緒に発光させることで一層奥行き感を与えることができる。
【0010】
本発明の手段3に記載の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機(スロットマシン1)の上部及び/または下部に前方に突出するように設けられる突出部(上突出発光部260L,260R及び下突出発光部261L,261R)と、
前記突出部の側面に設けられる側面発光部(発光面260a)と、
前記側面発光部を発光させる制御を行う発光制御手段(側面LED等)と、を備える(図7参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機の前方だけでなく、遊技機の側方に向けても光が照射されることで、遊技機の左右側に位置する遊技者に対しても光による演出を提供することができる。
【0011】
本発明の手段4に記載の遊技機は、請求項1または手段1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
所定の演出表示面(表示領域51a)に対し立設され、該所定の演出表示面に表示された演出表示部(例えば、キャラクタの顔の右半分画像M1)を反射表示可能な反射部(反射面255)を備え、
前記反射部は、所定条件の成立(例えば、ボーナス、AT(アシストタイム)、RT(リプレイタイム)に当選したときや連続演出が発生したとき等)に基づいて前記演出表示部を反射表示可能に構成されている(図6参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、演出表示面に表示された演出表示部が反射部にて反射表示されることで、表示画面が大きくなるように見せることができる。
【0012】
本発明の手段5に記載の遊技機は、請求項1または手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機(スロットマシン1)の前面周辺部に沿うように枠状に設けられる枠状発光部(枠状発光部251〜253)と、
前記枠状発光部を発光させる枠状発光手段(枠状LED)と、を備え、
前記枠状発光部は、第1枠状発光部(例えば、枠状発光部251)及び該第1枠状発光部の外側後方位置に設けられる第2枠状発光部(例えば、枠状発光部252、253)を含む(図6参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1枠状発光部と第2枠状発光部とが枠状に発光することで、前後方向に重畳する2枚のパネルにて前面が構成されているように見えるため、遊技者に対し遊技機の奥行き感を与えることができる。
【0013】
本発明の手段6に記載の遊技機は、請求項1または手段1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記可変表示装置の下方位置に前方に突出するように配設され、前記導出操作手段が設けられる下突出部(中突出部202)と、
前記可変表示装置の上方位置に前方に突出するように配設される上突出部(上突出部200)と、を備え、
前記上突出部から前記可変表示領域を介して前記下突出部まで広がる領域の少なくとも上下方向を向く縁辺に沿って縁辺発光部(枠状発光部254)が設けられている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、縁辺発光部が側面視略凹状に発光することで、可変表示装置が第1突出部及び第2突出部よりも奥側に凹んだ位置にあることがわかりやすくなるため、遊技者に対し遊技機の奥行き感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した実施例としてのスロットマシンの正面図である。
【図2】スロットマシンの側面図である。
【図3】スロットマシンの斜視図である。
【図4】スロットマシンが遊技店に設置された状態を示す図である。
【図5】(a)は枠状発光部の消灯時、(b)は点灯時の発光態様を示す図である。
【図6】スロットマシンの要部を示す斜視図である。
【図7】遊技店における発光面の発光状況を示す平面図である。
【図8】遊技機の他の一例であるパチンコ遊技機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0016】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、図1〜図3に示すように、本発明の遊技機の一例であるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aを正面から見て左側の前端辺に回動自在に枢支され、該筐体1aの前面開口を開閉可能な前面扉1bと、から構成されている。
【0017】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0018】
リール2L、2C、2Rの外周部には、例えば、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「網チェリー」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0019】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ(図示略)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0020】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ(図示略)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED(図示略)と、が設けられている。また、リールLEDは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0021】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、前面扉1bの前面上半部全域に広がる大きさを有しているとともに、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
【0022】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0023】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0024】
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ(図示略)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド(図示略)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサを有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ(図示略)が設けられている。
【0025】
筐体1a内部には、特に図示しないが、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサからなるリールユニット、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ、ホッパーモータの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサからなるホッパーユニット、電源ボックス(図示略)が設けられている。
【0026】
また、筐体1aを構成する背板の内面上部には、遊技制御基板(図示略)が収容された基板ケース(図示略)が、遊技制御基板の電子部品の実装面の裏面側が視認不可となる第1の回動規制位置と、遊技制御基板の裏面側が視認可能となる第2の回動規制位置と、の間で回動可能に設けられている。
【0027】
ホッパーユニットの側部には、ホッパータンクから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク(図示略)が設けられている。オーバーフロータンクの内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ(図示略)が設けられており、導電部材がオーバーフロータンク内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0028】
電源ボックス(図示略)の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ(図示略)、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ(図示略)、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ(図示略)が設けられている。
【0029】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0030】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合わせが入賞図柄の組合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0031】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0032】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0033】
また、スロットマシン1には、特に図示しないが、遊技制御基板、演出制御基板、電源基板が設けられており、遊技制御基板によって遊技状態が制御され、演出制御基板によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0034】
電源基板には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板及び該遊技制御基板を介して接続された演出制御基板に供給されるようになっている。
【0035】
遊技制御基板には、メインCPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路、一定周波数のクロック信号を乱数回路に供給するパルス発振器、遊技制御基板に直接または電源基板を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路、リールモータの駆動制御を行うモータ駆動回路、流路切替ソレノイドの駆動制御を行うソレノイド駆動回路、遊技制御基板に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部に対して出力する電断検出回路、電源投入時またはメインCPUからの初期化命令が入力されないときにメインCPUにリセット信号を与えるリセット回路、その他各種デバイス、回路等の電子部品が搭載されている。
【0036】
メインCPUは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROMに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROMは、メインCPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAMは、メインCPUがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポートは、メイン制御部が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0037】
演出制御基板には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51、演出効果LED、スピーカ、前述したリールLED等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板に搭載されたサブ制御部による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0038】
演出制御基板には、メイン制御部と同様にサブCPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部、演出制御基板に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路、演出効果LED、リールLEDの駆動制御を行うLED駆動回路、スピーカからの音声出力制御を行う音声出力回路、電源投入時またはサブCPUからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPUにリセット信号を与えるリセット回路、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPUに対して出力する電断検出回路、その他の回路等、が搭載されており、サブCPUは、遊技制御基板から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0039】
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1〜5が有効化される。
【0040】
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
【0041】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0042】
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
【0043】
次に、スロットマシン1の前面扉1bについて説明する。
【0044】
前面扉1bの前面上部には、左右方向に延びる上突出部200が前方に向けて突出するように設けられ、前面下部には、左右方向に延びる下突出部201が前方に向けて突出するように設けられ、上下方向の略中央位置には、左右方向に延びる中突出部202が前方に向けて突出するように設けられ、中突出部202と下突出部201との間には、左右方向に延びる中間突出部203が前方に向けて突出するように設けられている。
【0045】
上突出部200は、側面視略コ字形に形成され、後述する表示パネル220にて正面視略横長長方形状の表示領域51aの上半部を構成している。
【0046】
下突出部201は、上面に凹部が形成されることにより、メダル払出口9から払い出されるメダルを貯留可能なメダル受皿5を構成している。
【0047】
中突出部202は、前面にスタートスイッチ7、ストップボタン8L、8C、8R、精算スイッチ10が配設されているとともに、上面にMAXBETスイッチ6、メダル投入部4、遊技用表示部13が設けられており、このように複数の操作手段が設けられる操作台として機能している。
【0048】
中間突出部203には、透光性を有するアクリル樹脂板等からなり、遊技機に関する情報の一例である当該遊技機のタイトルや役構成を表示するタイトルパネル212が設置されるタイトルパネル設置部210が設けられている。具体的には、中間突出部203は、側面視三角形状をなすように前方に突出して形成されており、その前面は、透光性を有するアクリル樹脂板等からなる正面視略逆台形状のカバーパネル211にて構成されている。
【0049】
カバーパネル211の背面には、タイトルパネル212が一体的に組み付けられている。タイトルパネル212は、透光性を有するアクリル樹脂板等からなり、背面には、前述したタイトルや役構成等の印刷が施されて前面側からアクリル樹脂板を通して印刷面を視認できるように構成されている。タイトルパネル212は、カバーパネル211に対し着脱可能に組み付けられているため、機種変更等に伴うパネルの交換作業を容易にできるようになっている。つまり、カバーパネル211は複数の機種に共通して使用可能な機種共通部材であり、タイトルパネル212はその機種固有の装飾が施される機種固有部材である。
【0050】
タイトルパネル設置部210は、中間突出部203の前面に凹設された凹部(図示略)からなり、その前面開口がカバーパネル211及びタイトルパネル212により閉鎖される。タイトルパネル設置部210の内部には、図示しない照明装置(例えば、LEDや冷陰極管等、図示略)が設けられており、該照明装置によりカバーパネル211及びタイトルパネル212を背面側から照射することで、タイトルパネル212に印刷された装飾やタイトル等を明るく見せることができるようになっている。
【0051】
これらカバーパネル211及びタイトルパネル212は、タイトルパネル設置部210の前面開口を閉鎖するように取り付けられたときに、下部から上部に向けて後方、すなわち、スロットマシン1の奥行き方向に傾倒するように設けられる。このように傾倒して設けられることで、タイトルパネル212の上方からの視認性が向上する。
【0052】
図4には、本実施例のスロットマシン1が遊技店に設置された状態が示されている。一般的にスロットマシン1は、個人差はあるものの、椅子Cに着座して遊技を行う遊技者Y1の目とほぼ同じまたはその近傍の高さ位置に可変表示領域である透視窓3(透過領域51b)が起立姿勢で位置するように設置される。これにより、遊技者の目線E1に対し透視窓3(透過領域51b)が略直交することになるため、可変表示の結果が表示される可変表示領域を、目線を極端に上向けたり下向けたりしなくても視認することができる。
【0053】
これに対しタイトルパネル212は、可変表示領域である透視窓3(透過領域51b)よりも下方位置に位置することで、透視窓3(透過領域51b)のように略垂直に起立する起立姿勢で設けられると、遊技者Y1の目線E2に対する傾斜角度θ1及び遊技を行わず起立している遊技者Y2の目線E3に対する傾斜角度θ2が極めて小さくなるので、タイトルパネル212の視認性が低下する。
【0054】
しかし、下部から上部に向けて後方に傾倒する傾倒姿勢で設けられていることで、遊技者Y1の目線E2に対する傾斜角度θ1及び遊技を行わず起立している遊技者Y2の目線E3に対する傾斜角度θ2が、少なくとも透視窓3(透過領域51b)のように起立姿勢で設けられる場合よりも小さくなる。
【0055】
よって、遊技者Y1の目線E2や遊技者Y2の目線E3がタイトルパネル212より上方位置にあっても、タイトルパネル212の視認性が向上するため、遊技者Y1は遊技を行いながら遊技に関する情報を目視することができ、また、着座していない遊技者Y2からも見えやすくなるため、興味を引き付けることが可能となる。
【0056】
尚、タイトルパネル212は、傾斜角度θ1,2が例えば約90度前後であることが最も好ましいが、70度〜110度の範囲内の所定角度であれば好ましい。
【0057】
また、本実施例では、カバーパネル211及びタイトルパネル212双方が傾倒姿勢で設けられていたが、少なくともタイトルパネル212が傾倒姿勢で設けられていれば、カバーパネル211は略垂直をなす起立姿勢(例えば、中突出部202の前下縁から略鉛直下方向)で設けられていてもよい。また、カバーパネル211はなくてもよい。
【0058】
また、本実施例では、タイトルパネル212により表示される遊技に関する情報の一例として、タイトル及び役構成を記載したが、他にも、例えば、遊技機の型式、配当表、遊技に関連する演出画像や演出部材、装飾図柄、大当り図柄の組合わせ、許諾証等も含まれる。
【0059】
また、本実施例では、表示手段の一例として、透光性を有するアクリル樹脂板等からなるタイトルパネル212を記載したが、非透光性パネルであってもよい。また、遊技に関する情報を印刷にて2次元表示するパネルに限らず、例えば、液晶表示器51等の画像表示装置のように、遊技に関する情報を映像により2次元または3次元表示可能な表示装置するものであってもよいし、さらには、遊技に関する情報を3次元立体物(例えば、演出に登場するキャラクタのフィギュア等)で表示してもよい。
【0060】
また、中突出部202に、下方のタイトルパネル212を上方位置から照射可能な発光手段を設けてもよい。この場合、タイトルパネル212を上方から照らすことができるので、パネルの背面にバックライトを設けないで済むため、タイトルパネル設置部210の構造を簡素化できる。
【0061】
次に、前面扉1bの前面における上突出部200から中突出部202までの上半部は、透光性を有する表示パネル220により覆われている。表示パネル220は、液晶表示器51の表示画面下半部を被覆する第1カバー領域220aと、第1カバー領域220aの上端から前方斜め上側に向けて傾斜した後に略垂直方向に延設され、表示画面上半部を被覆する第2カバー領域220bと、第1カバー領域220aの下端から前方斜め下側に向けて傾斜する第3カバー領域220cと、から構成される。
【0062】
第2カバー領域220bは、上突出部200の前面及び下面を被覆可能に側面視略L字形に屈曲していることで、第2カバー領域220bは、液晶表示器51の表示画面に対し所定の隙間を隔てて配置されており、これら第2カバー領域220bと液晶表示器51の表示画面との間には、所定の空間部が形成されている。そしてこの空間部には、透光性を有するアクリル樹脂板等により正面視横長略長方形状に形成された複数の導光板230a〜230cが、互いに所定の隙間を隔てるように前後方向に重畳して配設されている。尚、これら導光板230a〜230cは、表示パネル220に一体的に組み付けられている。
【0063】
また、これら導光板230a〜230cの左右側面には、複数の端面LED(図示略)が該側面に光を入射可能に配設されてエッジライトを構成するとともに、背面には、左右側面から入射された光を反射して前面から出射可能とする反射部(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、反射部は「CHANCE」の文字Tのアウトラインを構成すべく形成されており、左右側の端面LEDが点灯することで、正面側から「CHANCE」の文字Tが視認可能となる(図6参照)。
【0064】
尚、反射部は表面に複数の微小なドットが形成されたシート部材を貼付することで形成してもよいし、導光板230a〜230cの背面を直接サンドブラスト加工等により微細な凹凸状に形成してもよい。また、複数の反射部それぞれの文字は同じでも異なる文字でもよい。さらに、反射部は文字を表示するものだけでなく、図柄や装飾であってもよく、種々に変更可能である。
【0065】
このように、これら導光板230a〜230cは透光性を有しているので、端面LED(図示略)が点灯していない場合は文字Tが見えないが、端面LEDが点灯した場合は文字が発光して見えるようになる。そして、これら文字Tは前後に重畳するため、視認する角度によっては前後の文字が左右にずれて見える。
【0066】
また、液晶表示器51が表示中の場合、表示画面の上半部の画像が複数の導光板230a〜230cを通して視認できるようになっている。
【0067】
第3カバー領域220cは、第1カバー領域220aの下端から前方に向けて下方に傾斜するように形成されており、中突出部202の上面を構成している。中突出部202は、内部が中空状に形成され、各種ストップスイッチ等が配設されているとともに、操作用LED(図示略)が複数配設されている。
【0068】
また、第3カバー領域220cの裏面には、左リール2Lと左ストップスイッチ8L、中リール2Cと中ストップスイッチ8C、右リール2Rと右ストップスイッチ8R、をそれそれ対応付けるように線状の反射部(図示略)が延設されている。また、これら各反射部に対応して複数の操作用LED(図示略)が配設されていることで、これら操作用LEDが点灯すると各反射部に対応するリール用反射部240L、240C、240Rが線状に発光するようになっている。これにより、各リールと該リールを停止表示可能なストップスイッチとが関連付けされる。
【0069】
このように表示パネル220は、第1カバー領域220aが第2,第3カバー領域220b,220cよりも後方に位置するように前面が開口する凹状に形成されていることで、表示画面が平坦な液晶表示器51に対し、上半部は前側に突出して離間され、下半部は奥側に凹んで近接している。
【0070】
また、前面扉1bには、縦長長方形枠状をなす複数(本例では3つ)の枠状発光部251〜253が各辺に沿うように形成されている。これら枠状発光部251〜253は、主に前面扉1bにおける表示領域51aやタイトルパネル設置部210等の周囲を囲むように、前後方向を向く枠板状部材にて略縦長長方形枠状に形成された装飾枠部250の外面に、前方に向けて光を出射可能に形成される。装飾枠部250は、透明な合成樹脂材により構成され、その外側周面に枠状の段部が形成され、これら各段部の前端面を枠状発光部251〜253としている。
【0071】
これら枠状発光部251〜253は、装飾枠部250の後端面における各枠状発光部251〜253に対応する箇所に配設される枠状LED(図示略)からの光を導光して発光する所謂エッジライト方式が採用されている。以下、各枠状発光部251〜253の形状を説明する。
【0072】
枠状発光部251は、上辺からタイトルパネル設置部210の周囲を囲むように縦長四角枠状に形成されている。また、枠状発光部252は、枠状発光部251の外側に該枠状発光部251と略平行に上辺からタイトルパネル設置部210の左右側下部にかけて正面視下向きコ字形に形成されている。また、枠状発光部253は、枠状発光部252よりも外側に、上辺から下皿4の上辺を囲むように縦長四角枠状に形成されている。
【0073】
これら枠状発光部251〜253の上辺部(表示領域51aの上辺に沿う部分)及び下辺部(タイトルパネル設置部210の下辺に沿う部分)それぞれは前方位置にあり、左右側辺部における中突出部202の近傍位置に向けて後側に凹むように傾斜して形成されている。すなわち、これら枠状発光部251〜253の上辺部及び下辺部は第1発光部を構成し、枠状発光部251〜253における中突出部202の近傍位置が第1発光部よりも後方に位置する第2発光部を構成している。
【0074】
また、表示パネル220の周囲にも、枠状発光部254が形成されている。枠状発光部254は、図1及び図3に示すように、枠状発光部251よりも内側に、上突出部200から表示領域51aを介して下突出部201まで広がる領域の周囲に沿うように枠状に形成されている。
【0075】
枠状発光部254は、透光性を有する導光部材にて構成され、前述した表示パネル220の周縁に沿って枠状に形成され、その後端面に光を入射可能に設けられた枠状LED(図示略)からの光により発光する。
【0076】
まず、枠状発光部251〜253は、透明部材にて構成されていることで、図5(a)に示すように、枠状LED(図示略)が消灯しているときには前面扉1bの前面形状を認識しにくいが、図5(b)に示すように、枠状LEDが点灯すると、光は装飾枠部250の内部を導光して枠状発光部251〜253から前方に向けて出射するだけで側面からは出射されないため、枠状LEDによる発光でスロットマシン1の前面形状が変化したように見せることができる。
【0077】
また、枠状発光部254は、透明部材にて構成されていることで、図5(a)に示すように、枠状LED(図示略)が消灯しているときには前面扉1bの前面形状を認識しにくいが、図5(b)に示すように、枠状LEDが点灯すると、光は装飾枠部250の内部を導光して枠状発光部251〜253から前方に向けて出射するだけで側面からは出射されないため、枠状LEDによる発光でスロットマシン1の前面形状が変化したように見せることができる。
【0078】
また、表示パネル220の周縁のうち、左右側の上下縁辺が側面視凹状に形成されている。つまり、表示パネル220が前面に開放する凹状に形成されていることで、液晶表示器51が上突出部200や中突出部202よりも奥側に凹んだ位置に配設されていることが明確になるため、遊技者に対しスロットマシン1の奥行き感を与えることができる。
【0079】
尚、本実施例では、枠状発光部254は表示パネル220の周縁に沿って枠状に形成されていたが、少なくとも左右いずれかの上下辺部に沿って発光部が形成されていても、上記作用と同様の効果を奏する。
【0080】
また、これら枠状発光部251〜254は、複数色にて発光可能とすることが好ましく、また、各枠状発光部251〜254が異なる発光色(例えば枠状発光部251は青色、枠状発光部252は赤色等)にて発光するようにしてもよい。このように発光色を異ならせることで、前後位置の違いがより明確になるため、奥行き感を与えることができる。
【0081】
また、これら枠状発光部251〜254は、エッジライト方式により前端面が発光するものであることで、発光部をカバーするカバー体等が不要であるとともに、発光部を前面扉1bの前面形状に沿って設けることができるばかりか、発光手段である各種LEDは、発光部から背面側に離れた位置に設けることもできるので、設計の自由度が向上する。
【0082】
また、図6に示すように、装飾枠部250の上半部は、表示領域51aの上辺及び左右側辺に沿って形成されているとともに、前端の枠状発光部251は、表示領域51aよりも前方に配置されている。よって、装飾枠部250の左右側辺部内面は、前後方向に所定長さを有するとともに、表面に錫や銀のメッキまたは蒸着処理を施すこと等により構成された反射層からなる反射面255が、表示領域51aに対し略直交するように立設されている。
【0083】
このように、反射面255が表示領域51aに対し略直交するように立設されることで、表示画面の所定領域に表示される演出画像の一部が反射して表示される。これにより、表示領域51aに表示された表示画像の一部が反転表示して見えるようになるため、表示領域51aが左右方向に広がるように見せることができる。
【0084】
反射面255は、入射した光の一部を反射し、一部を透過させる所謂マジックミラーとされており、内部に設けた反射用LEDからの光を照射可能に設けられている。よって、反射用LEDを点灯しているときは反射面を構成せず、反射用LEDが消灯して内部が暗いときに反射面を構成する。
【0085】
また、例えば表示領域51aにおける反射面255の近傍に、所定の演出画像(例えば、キャラクタの顔画像)の右半分画像M1を、その分割辺が表示領域51aと反射面255との境界線に沿うように表示させることで、反射面255に右半分画像M1の反転画像M2が表示されて左半分を構成するため、右半分画像M1と反転画像M2とで1つの演出画像(例えば、キャラクタの顔)が構成される。
【0086】
このように反射面255を利用すれば、表示領域51aに広がりを持たせることができるので、演出効果を向上させることができる。尚、このような表示画像は、図6に示すようなキャラクタの顔だけでなく、背景画像でも文字画像でもよく、種々に変更可能である。
【0087】
また、本実施例では、表示領域51aの左右側に反射面255が立設されているが、表示領域51aの上側、あるいは下側の中突出部202の上面に反射面255を設けてもよい。さらに、表示領域51aの周囲に枠状に反射面255を形成してもよい。
【0088】
また、このような反射面255の反射による反転画像を利用した演出画像は、所定条件が成立したことに基づいて表示されることが好ましい。例えば、スロットマシン1では、ボーナス、AT(アシストタイム)、RT(リプレイタイム)に当選したときや連続演出が発生したとき等において、反射用LEDが消灯して反射面が構成されることが考えられる。また、パチンコ遊技機では、大当り、確変、時短に当選したときやスーパーリーチ等が発生した場合等において、反射用LEDが消灯して反射面が構成されるようにしてもよい。
【0089】
このように反射面255を、例えば、ボーナス、AT(アシストタイム)、RT(リプレイタイム)に当選したときや連続演出が発生したとき等に基づいて、反射用LED(図示略)を消灯させて反射面を構成し、例えばキャラクタの顔の右半分画像M1を反射表示可能に構成させていればよい。このようにすることで、例えば通常時において表示領域51aに表示された所定の演出画像が映りこんで反転表示されてしまうことを回避できるばかりか、遊技者の反転画像M2の表示に対する期待感が向上する。尚、所定の演出画像は常時表示されるものではなく、所定条件が満たされたときにだけ表示されるようにしてもよい。
【0090】
また、本実施例では、マジックミラーからなる反射面255の内部に設けられた反射用LEDの消灯または点灯することにより反射面255を反射面と非反射面とに切替可能に構成されていたが、このように反射面と非反射面とに切替可能とする方法は種々に変更可能であり、上記マジックミラー方式でなくてもよく、例えば、鏡と該鏡の手前側を開閉するシャッタ部材とで、反射態様と非反射態様とに選択的に切替できるようにしてもよい。
【0091】
また、装飾枠部250の上部には、上突出発光部260L,260Rが左右角部にそれぞれ前方に向けて突出するように形成されているとともに、装飾枠部250の下部には、下突出発光部261L,261Rが左右角部にそれぞれ前方に向けて突出するように形成されている。
【0092】
上突出発光部260L,260Rは、略三角錐形状をなし、装飾枠部250の上左右角部に形成された斜め前方を向く切欠面262上に突設されていることで、前方に突出するように形成されている。よって、上突出発光部260L,260Rの外側面に形成された発光面260aが斜め前方を向くため、内部に設けられた図示しない側面LEDからの光がスロットマシン1の前方斜め左右側に向けて照射されることになる。
【0093】
一方、下突出発光部261L,261Rは、略三角柱形状をなし、装飾枠部250の下左右角部に形成された斜め前方を向く切欠面263上に突設されていることで、前方に突出するように形成されている。よって、上突出発光部260L,260Rの外側面に形成された発光面260aが斜め前方を向くため、光がスロットマシン1の前方斜め左右側に向けて照射されることになる。
【0094】
よって、図7に示すように、スロットマシン1の前方だけでなく、左右側方に向けても光が照射されることで、スロットマシン1の左右側に位置する遊技者Y3に対しても光による演出を提供することができるため、遊技者に存在を効果的にアピールすることができる。
【0095】
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1は、タイトルパネル設置部210は、表示手段であるタイトルパネル212を下部から上部に向けてスロットマシン1の奥行き側(背面側)に傾斜するように設置可能であることで、遊技者が遊技を行う際に最も注目される表示領域51bよりも下方位置にタイトルパネル設置部210が配設されていても、タイトルパネル212は上部が奥行き側に傾倒して設けられることで、タイトルパネル212の上方位置からの視認性が高まるため、遊技者は遊技を行いながら遊技に関する情報を目視することができる。また、スロットマシン1の手前に着座していない遊技者からも見えやすくなるため、興味を引き付けることが可能となる。
【0096】
また、前記実施例では、前面扉1bの前面周辺部に沿うように設けられる透明な装飾枠部250と、装飾枠部250に形成され前方に向けて発光する枠状発光部251〜253と、装飾枠部250の後端面に光を入射可能に設けられる枠状LEDと、を備えることで、枠状LEDが消灯しているときはスロットマシン1の前面形状を認識しにくいが、枠状LEDが点灯すると、光は装飾枠部250の内部を導光して枠状発光部251〜253から前方に向けて出射するだけで側面からは出射されないため、枠状発光部251〜253による発光で遊技機の前面形状が変化したように見せることができる。
【0097】
また、前記実施例では、前後方向に重畳するように枠状発光部251〜253と一体化して配設され、光を透過可能な透光性を有する複数の導光板230a〜230cと、複数の導光板230a〜230cそれぞれの端面に光を入射可能に設けられる端面LED(図示略)と、を備え、複数の導光板230a〜230cそれぞれに、該導光板230a〜230cの端面から内部に入射された端面LEDからの入射光により発光する発光表示部(文字Tのアウトライン領域に形成される反射部に対応する領域)が設けられていることで、複数の発光表示部それぞれが前後方向に重畳した状態で発光表示されるため、遊技者に対しスロットマシン1の奥行き感を与えることができる。
【0098】
また、導光板230a〜230cは枠状発光部251〜253を構成する透明アクリル板に一体化されていることで、枠状発光部251〜253と一緒に発光させることで一層奥行き感を与えることができる。
【0099】
また、前記実施例では、スロットマシン1の上部に前方に突出するように設けられる上突出発光部260L,260R及びスロットマシン1の下部に前方に突出するように設けられる下突出発光部261L,261Rと、上突出発光部260L,260R、下突出発光部261L,261Rの側面に設けられる発光面260aと、発光面260aを発光させる制御を行う演出制御用CPU(図示略)と、を備えることで、スロットマシン1の前方だけでなく、スロットマシン1の側方に向けても光が照射されることで、スロットマシン1の左右側に位置する遊技者に対しても光による演出を提供することができる。
【0100】
また、前記実施例では、所定の表示領域51aに対し立設され、該所定の演出表示面に表示された演出表示部の一例であるキャラクタの顔の右半分画像M1を反射表示可能な反射面255を備え、反射面255は、例えば、ボーナス、AT(アシストタイム)、RT(リプレイタイム)に当選したときや連続演出が発生したとき等に基づいてキャラクタの顔の右半分画像M1を反射表示可能に構成されている。このように、表示領域51aに表示された右半分画像M1が反射部にて反射表示されることで、表示領域51aが大きくなるように見せることができる。
【0101】
また、所定の演出画像を表示可能な液晶表示器51の表示画面に対し立設され、該表示画面に表示された演出画像を反射表示する反射面255を備え、液晶表示器51は、例えば、ボーナス、AT(アシストタイム)、RT(リプレイタイム)に当選したときや連続演出が発生したとき等に、例えば、右半分画像M1を反射面255に反射表示可能に表示することで、表示画面に表示された右半分画像M1の一部が反射面255に反射表示されることで、表示領域に広がりを持たせることができる。
【0102】
また、前記実施例では、スロットマシン1の前面周辺部に沿うように枠状に設けられる枠状発光部251〜253は、例えば、枠状発光部251及び該枠状発光部251の外側後方位置に設けられる枠状発光部252、253を含むことで、枠状発光部251〜253が枠状に発光することで、前後方向に重畳する2枚の透明パネルにて前面扉1の前面が構成されているように見えるため、遊技者に対しスロットマシン1の奥行き感を与えることができる。
【0103】
また、前記実施例では、リール2L、2C、2Rの下方位置に前方に突出するように配設され、ストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられる中突出部202と、リール2L、2C、2Rの上方位置に前方に突出するように配設される上突出部200と、を備え、上突出部200から表示領域51aを介して下突出部202まで広がる領域の少なくとも上下方向を向く左右縁辺に沿って縁辺発光部である枠状発光部254が設けられていることで、枠状発光部254が側面視略凹状に発光することで、可変表示装置が第1突出部及び第2突出部よりも奥側に凹んだ位置にあることがわかりやすくなるため、遊技者に対しスロットマシン1の奥行き感を与えることができる。
【0104】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0105】
例えば、前記実施例では、本発明の遊技機の一例として、遊技用価値としてメダル(遊技媒体)やクレジット等の遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うスロットマシンであってもよいし、パチンコ遊技機や雀球遊技機等にも適用可能である。
【0106】
例えば、図8に示すように、パチンコ遊技機1000の場合、例えば、上皿1001と下皿1002との間に、タイトルパネル1005を下部から上部に向けてスロットマシン1の奥行き側に傾斜するように設置すれば、タイトルパネル212と同様の左右効果を得ることができる。
【0107】
また、前記実施例では、遊技者所有の遊技用価値としてのメダルの一部(前記実施例では50枚まで)をクレジットとして記憶可能であり、メダルまたはクレジットを用いることで遊技(ゲーム)を行うことができるようになっていたが、例えば貸出要求に応じて貸し出された価値や入賞に応じて付与された価値を全てクレジットとして記憶し、該クレジットのみの使用で遊技を行うことが可能な遊技機であってもよく、この場合、遊技用価値とはクレジットにあたる。
【0108】
また、本発明は、所定の遊技を行うことが可能な遊技機であればよく、例えば入賞や大当り等の発生など遊技を行うことにより成立する所定条件の成立にもとづいて有価価値を付与する遊技機にも適用可能である。
【0109】
また、有価価値とは、遊技を行うための遊技用価値としてのメダルや遊技球等の遊技媒体であってもよいし、賭数の設定をクレジットのみを使用して行う完全クレジット式であればクレジットを付与するものであればよい。
【符号の説明】
【0110】
1 スロットマシン
1a 筐体
1b 前面扉
2L,2C,2R リール
3 透視窓
51a 表示領域
51b 透過領域
210 タイトルパネル設置部
212 タイトルパネル
250 装飾枠部
251〜254 枠状発光部
255 反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示領域に表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、
前記可変表示領域よりも下方位置に配設され、前記遊技機に関する情報を表示する表示手段を設置する情報表示手段設置部を備え、
前記情報表示手段設置部は、
前記表示手段を下部から上部に向けて前記遊技機の奥行き側に傾斜するように設置可能である、
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−94293(P2013−94293A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237875(P2011−237875)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】