説明

遊技球検出器、弾球遊技機、遊技球計数機および遊技球計数システム

【課題】遊技球検出器の遊技球検出機能が正常に動作している否かの確認をスポット的に行えるようにして遊技球計数機の故障や遊技者の不正行為等による被害を最小限に抑える。
【解決手段】金属より成る遊技球の通過路(300)に巻回して配置された検出コイル11および該検出コイルを含む高周波発振回路12を備え、該高周波発振回路の発振状態によって前記遊技球の通過を判別して遊技球通過信号を出力する遊技球検出器であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にするスイッチング手段16を備え、検出コイル短絡制御信号CS0により前記スイッチング手段を制御して、前記検出コイルの両端を強制的に短絡状態とし、前記遊技球通過信号により動作確認を行うように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球検出器、弾球遊技機、遊技球計数機および遊技球計数システムに関し、特に、金属より成る遊技球を計数する遊技球検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機の遊技球を扱う遊技機や遊技球計数機では、遊技球の通過を検知する手段として、一般的に貫通孔を備えた遊技球検出器(近接スイッチ)が用いられている。
【0003】
ところで、遊技ホール(パチンコホール)の現場では、弾球遊技機や遊技球計数機等において、遊技球を不正に搾取、或いは、計数する不正行為が絶えない状況であり、不正行為が行われ難いようにすることが強く望まれている。
【0004】
その対応策として各弾球遊技機や遊技球計数機のメーカー、或いは、それらに使用する部品のメーカーとしては様々の対策を施してきている。また、一方で弾球遊技機の遊技球と同じ金属球を遊技球として回胴の遊技を行う『パロット』なる新規のジャンルの遊技機が認められるようになったが、この『パロット』のアプリケーションには、遊技球を取り込むための取り込み装置用計数センサというアプリケーションが存在する。このアプリケーションは、ゲームをするために必要となる数量の遊技球をセンサによって計数して取り込むために、遊技者が自らの手で遊技球を投入する形態になっていることから、不正行為が施されない対策が必要となる。
【0005】
また、パチンコホールに設置されている遊技球計数機(遊技球計数システム)では、いかに短時間で多くの遊技球を計数できるかが重要な性能であることから、通常、10レーン以上(例えば、16レーン、または、18レーン)の遊技球通過路が設けられ、レーンごとに遊技球検出器が装備されている構成となっている。
【0006】
このような遊技球計数機では、遊技者が直接操作して獲得遊技球数を計数させることになるため、遊技球を不正に搾取する行為の対象になる可能性が高く、遊技機以上に不正行為の対策が必要となる。
【0007】
さらに、最近の動向として、遊技球計数システムが遊技機ごとに設置される台ごと計数システムが普及してきており、従来のように獲得した多くの遊技球を島ごとに設置された遊技球計数機まで運ぶ必要がなくなる。
【0008】
図1は従来の遊技球検出器の一例の回路構成を示すブロック図であり、図2は図1の遊技球検出器における遊技球検出時の出力信号波形のタイムチャートである。
【0009】
図1に示されるように、従来、遊技球検出器1は、遊技球の通過路(貫通孔300)に巻回して配置された検出コイル11、検出コイル11が含まれる高周波発振回路(発振回路)12、高周波発振回路12の出力信号(WF1)を検波して平滑する検波平滑回路13、検波平滑回路13の出力信号を所定の基準電位と比較する比較回路14、および、出力回路15を備えている。
【0010】
ここで、遊技球は検出コイル11が巻回された検出コイル11の貫通孔300を通過するようになっており、この遊技球の通過によって高周波発振回路12の発振状態が変化して遊技球が通過したことが判別され、その出力信号(S0:遊技球通過信号)が制御部2を介して出力されるようになっている。なお、参照符号20は、遊技球検出器の出力S0と高電位電源との間に設けられた負荷を示している。
【0011】
遊技球検出器として上述したような貫通孔を備えた近接スイッチが最も多く使用されるのは、恒久的に劣化することがなく、汚れや外乱光等の影響を受けずに誤作動が生じ難いため最も信頼性の高いという理由による。
【0012】
高周波発振回路12の出力信号WF1は、遊技球が検出コイル11の貫通孔300を通過すると、検出コイル11のインダクタンスが変化して発振が停止する。この高周波発振回路12の出力信号WF1は、検波平滑回路13により直流レベルの平滑された信号WF2に変換され、その直流レベルの信号WF2が比較回路14によって高位反転電圧Vth1および低位反転電圧Vth2と比較判別され、その比較結果が出力回路15から出力信号WF3(S0)として出力されるようになっている。
【0013】
図2に示されるように、遊技球の通過がない待機時には、高周波発振回路12は発振状態となり、検波平滑処理後の信号WF2としては高電位レベルとなり、その電圧レベルに基づいた遊技球非検出状態の信号WF3が出力される。
【0014】
すなわち、遊技球の接近に伴って高周波発振回路12の発振振幅が低下し始め、検波平滑処理後の直流レベルの信号WF2が、予め回路内で設定された低位反転電圧Vth2のレベルを下回った瞬間に、出力WF3が遊技球検出状態(S0:低レベル『L』)に反転し、また、遊技球が検出コイル11の貫通孔300中央部に至ると停止状態になる。
【0015】
さらに、遊技球が通過路を進んで検出コイル11の貫通孔300を通過して行くと、高周波発振回路の発振停止状態から徐々に発振が成長し始め、遊技球が検出コイルから離反するにしたがって待機時の発振状態に回復する。この際、予め回路内に設定された高位反転電圧Vth1のレベルを上回ったタイミングで、出力WF3が遊技球非検出状態(S0:高レベル『H』)に反転する。
【0016】
ここで、検波平滑回路13の出力信号WF2は、比較回路14において2つの閾値電圧(高位反転電圧Vth1および低位反転電圧Vth2)で比較判別されるが、これは、例えば、遊技球の跳ね返りや振動等に起因して生じるチャタリングやノイズの影響を取り除いて遊技球の検出を安定して確実に行うためである。
【0017】
図3は従来の遊技球検出器の他の例を示す断面図であり、また、図4は図3の遊技球検出器における遊技球検出時の出力信号波形のタイムチャートである。
【0018】
図3に示されるように、従来、貫通孔300の入口側301の検出コイルL1を含む第1の遊技球検出ユニットと出口側302の検出コイルL2を含む第2の遊技球検出ユニットとの2系統の遊技機検出機能を内蔵した遊技球検出器が提案されている。
【0019】
図3に示す遊技球検出器は、遊技球(P:P1,P2,P3)が貫通孔300を通過することによって、出力される第1の遊技球検出ユニットの出力(第1の遊技球通過信号)S1と第2の遊技球検出ユニットの出力(第2の遊技球通過信号)S2のタイミングの変化を確認することで、1個の遊技球が正規の方向に通過したか否かを判別する。すなわち、この遊技機検出器は、連続して遊技球P1〜P3が通過する場合でも確実に遊技球の判定を、正規の方向(玉通過計数)および逆の方向(玉戻り)を認識して計数の加算および減算を行うことができるようになっている。
【0020】
ここで、例えば、2つの検出コイルL1およびL2を、遊技球Pの直径(例えば、11mm)の1/4程度の距離だけ離して配置することで、図4における第1の遊技球検出ユニットの出力S1および第2の遊技球検出ユニットの出力S2が変化するタイミングを均等な時間t1,t2,t3,t4(t1=t2=t3=t4)とするようになっている。
【0021】
そして、図4に示されるように、遊技球P(P1)が貫通孔300を正規の方向に通過した場合、第1の遊技球検出ユニットの出力S1が遊技球の非検出状態の信号出力(低レベル『L』)から検出状態の信号出力(高レベル『H』)に変化し(TP1)、所定時間(t1)経過した後、第2の遊技球検出ユニットの出力S2が遊技球の非検出状態の信号出力『L』から検出状態の信号出力『H』に変化する(TP2)。
【0022】
さらに、所定時間(t2)経過した後、出力S1が遊技球の検出状態の信号出力『H』から非検出状態の信号出力『L』に変化し(TP3)、そして、所定時間(t3)経過した後、出力S2が遊技球の検出状態の信号出力『H』から非検出状態の信号出力『L』に変化する(TP4)。なお、連続して遊技球P(P2)が貫通孔300を正規の方向に通過すると、さらに所定時間(t4)経過した後、出力S1が遊技球の非検出状態の信号出力『L』から検出状態の信号出力『H』に変化し(TP1)、同様の信号変化が繰り返されることになる。
【0023】
なお、遊技球Pが貫通孔300を逆の方向に通過した場合には、第1の遊技球検出ユニットの出力S1および第2の遊技球検出ユニットの出力S2が、上記と逆に変化することになるため、各遊技球が正規の方向か逆の方向かも含めて検出することができ、遊技球の計数の加算および減算を正しく行うことが可能になる。
【0024】
図5は図3の遊技球検出器の回路構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、図3の遊技球検出器は、第1の遊技球検出ユニットおよび第2の遊技球検出ユニットの2つの遊技球検出ユニットを備えている。各遊技球検出ユニットは、前述した図1に示す遊技球検出器と同様の構成を備え、第1の遊技球検出ユニットは、検出コイル11a(L1),高周波発振回路12a,検波平滑回路13a,比較回路14aおよび出力回路15aを備え、また、第2の遊技球検出ユニットは、検出コイル11b(L2),高周波発振回路12b,検波平滑回路13b,比較回路14bおよび出力回路15bを備える。なお、参照符号21および22は、それぞれ第1および第2の遊技球検出ユニットの出力S1およびS2と高電位電源VSとの間に設けられた負荷を示し、また、23は各弾球遊技機や遊技球計数機のローカルに設けられたCPUを示している。
【0025】
以上述べたように、従来、遊技球検出器の貫通孔300に2つの遊技球検出ユニットを設け、遊技球Pが通過することによって得られる各遊技球検出ユニットの信号出力S1,S2が、一定時間重なるように各検出コイルL1,L2を所定間隔おいて配置し、遊技球の通過による2つの信号出力S1,S2のタイミング変化のパターンに基づいて、遊技球の通過と通過方向の検出を行って遊技球を正確に計数する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0026】
また、従来、遊技球の通過路に対して2系統の光学的な遊技球検出ユニットを設け、遊技球が通過する際に、第1の遊技球検出ユニットの検出信号が出力されている間に、第2の遊技球検出ユニットが検出信号を出力し、両方の検出信号の出力時間のタイミングズレにより遊技球が後戻りした(逆の方向に通過した)場合の誤カウントを防止するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0027】
さらに、従来、遊技球の移動状況を正確かつ簡易に検出するために、遊技球の発射装置から遊技盤面までの通過路に対して、遊技球が通過する貫通孔に検出コイルのインダクタンス成分を用いて発振する高周波発振回路とスイッチング回路とからなる2つの検出部を設け、各検出部の出力の変化の順序により遊技球の移動方向を検出して遊技盤に供給される遊技球の総数を検出するものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0028】
また、従来、遊技球を用いる場合でも遊技球の取り込みに要する時間を短縮する遊技球検出器を用いたスロットマシンも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0029】
さらに、最近に至っては、複数の通過路の遊技球を一体化して検出する遊技球検出器も提案されており、例えば、2つの通過路の遊技球(2組の遊技球検出器)を一体化して検出する遊技球検出器も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0030】
従来、遊技球(玉)の計数通過路で玉詰まりなどを起こしてもすぐには重大事にはならない台ごと計数機として、通常はセットして下皿から排出された遊技球を受けとると共に台サンド側に戻し、玉詰まりを生じると、ホッパーユニットを回転すると共に下皿の下方に設置した玉箱で遊技球を受け取るようにしたものが提案されている(例えば、特許文献6参照)。
【0031】
また、従来、台ごとに設置される玉数計数機への不正を検知センサを設けることなく検出するために、補給信号および貸玉信号に予め設定される補正玉数を積算した積算玉数と計数信号とを比較して、計数信号の方が大きい場合には不正と判断し、他の場合には正常と判断するようにしたものも提案されている(例えば、特許文献7参照)。
【0032】
そして、従来、高周波発振回路および信号処理回路によって物体を検知し、その出力を検知出力保持回路に与え、自己診断入力信号があればこの出力を一旦保持してディレー回路での遅延時間後に発振状態を反転させ、信号処理回路の出力が同時に反転するか否かによって、近接スイッチ(遊技球検出器)の全体の異常を診断できるようにしたものも提案されている(例えば、特許文献8参照)。
【0033】
また、従来、金属体(遊技球)が検出部に近接する際、検出部が検出状態となってから検出信号が出力するまでの検出時出力遅れ時間を制御する第1の回路と、金属体が検出部から離反する際、検出部が非検出状態となってから検出信号を出力するまでの非検出時出力遅れ時間を制御する第2の回路とをそれぞれ個別に形成し、出力安定性確保、応答性および出力時間確保を実現するようにした高周波発振型近接スイッチ(遊技球検出器)も提案されている(例えば、特許文献9参照)。
【0034】
【特許文献1】特開平10−094638号公報
【特許文献2】特開平08−089644号公報
【特許文献3】特許第3232465号明細書
【特許文献4】特開2003−093592号公報
【特許文献5】意匠登録第1074357号公報
【特許文献6】特開平10−165636号公報
【特許文献7】特開平11−192370号公報
【特許文献8】特開平07−037475号公報
【特許文献9】特開2004−364226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
従来、遊技球検出器は、様々な理由により破損や故障が想定されるが、現状では制御側から遊技球検出器の破損や故障を簡単に確認する手段がない。
【0036】
すなわち、遊技球検出器は、その貫通孔を遊技球が連続的に通過するため、遊技球検出器の貫通孔に機械的ストレスがかかり続けることから、貫通孔に巻回されている検出コイルが断線し、遊技球検出器として動作不能となる。また、遊技球検出器内に液体や水が浸入し、内蔵している検出コイル部や回路部の一部で電気的に短絡が生じて遊技機検出器として動作不能となる。或いは、遊技球検出器の外部からのノーマルノイズや静電気ノイズ等によって、遊技球検出機能の回路破壊が生じて遊技球検出器として動作不能となるといったことが考えられる。
【0037】
ところで、弾球遊技機では、例えば、1台当り10個前後の遊技球検出器が搭載されており、それがパチンコホールでの遊技機の設置台数分あるため、遊技球検出器の数は膨大なものとなる。
【0038】
しかしながら、遊技球検出器の破損や故障は、例えば、遊技者本人がゲームしている中での感触として異常を感じて、パチンコホール従業員に連絡する等しなければ、異常が発覚することはない。
【0039】
また、遊技球計数機(遊技球計数装置)は、10レーン以上の遊技球通過路を設けられており、例えば、その2倍の遊技球検出ユニットが設けられ、その遊技球計数機が島ごとに設けられることになるため、仮に遊技球検出器(遊技球検出ユニット)の一部が故障していたとしても、例えば、遊技球の計数処理が少な目の結果となるだけで、遊技者もしくはパチンコホール従業員がその計数結果を確認することで異常を感じなければ、その遊技球計数機が異常であることすら確認するのが困難である。
【0040】
さらに、遊技球計数システムにおいては、仮に遊技球計数機が異常であるということが確認できたとしても、どの遊技球検出器(遊技球検出ユニット)が故障しているかは、装置そのものを解体して、遊技球検出器の動作を1つずつ確認していく外は手段がないのが現状である。
【0041】
さらに、前述したように、台ごとに遊技球の計数機を設ける遊技球計数システムに至っては、パチンコホールの弾球遊技機の全てに対して遊技球計数機が設けられることになるため、弾球遊技機と同様に、ホール従業員による人的な監視だけで、全ての遊技球計数機の異常監視を常に行い続けることは不可能である。
【0042】
そして、台ごとに遊技球の計数機を設ける遊技球計数システムの場合、遊技者ごとに遊技球計数機が設けられているため、不正遊技者が個々の遊技球計数機に対して不正に遊技球を搾取するための不正行為を行い、或いは、遊技における勝ち負けに関連して遊技者が感情的に破壊行為(叩く、蹴る、或いは、ジュースを流す等)を行う可能性もある。このような場合も、ホール従業員による人的な監視だけで対策することは困難である。
【0043】
本発明は、上述した従来の遊技球検出器が有する課題に鑑み、遊技球検出器の遊技球検出機能が正常に動作している否かの確認をスポット的に行えるようにし、遊技球計数機の故障や遊技者の不正行為等による被害を最小限に抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0044】
本発明の第1の形態によれば、金属より成る遊技球の通過路に巻回して配置された検出コイルおよび該検出コイルを含む高周波発振回路を備え、該高周波発振回路の発振状態によって前記遊技球の通過を判別して遊技球通過信号を出力する遊技球検出器であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にするスイッチング手段を備え、検出コイル短絡制御信号により前記スイッチング手段を制御して、前記検出コイルの両端を強制的に短絡状態とし、前記遊技球通過信号により動作確認を行うことを特徴とする遊技球検出器が提供される。
【0045】
本発明の第2の形態によれば、金属より成る遊技球の通過路に巻回して配置された検出コイルおよび該検出コイルを含む高周波発振回路を備え、該高周波発振回路の発振状態によって前記遊技球の通過を判別して遊技球通過信号を出力する遊技球検出器であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にするスイッチング手段を備え、検出コイル短絡制御信号により前記スイッチング手段を制御して、前記検出コイルの両端を強制的に短絡状態とし、前記遊技球通過信号により動作確認を行うようにした遊技球検出器を適用した弾球遊技機であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にして前記遊技球通過信号により行った動作確認の結果、前記遊技球検出器に異常が確認されたとき、当該弾球遊技機に動作異常を報知すると共に、中央処理部へ動作異常信号を出力することを特徴とする弾球遊技機が提供される。
【0046】
本発明の第3の形態によれば、金属より成る遊技球の通過路に巻回して配置された検出コイルおよび該検出コイルを含む高周波発振回路を備え、該高周波発振回路の発振状態によって前記遊技球の通過を判別して遊技球通過信号を出力する遊技球検出器であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にするスイッチング手段を備え、検出コイル短絡制御信号により前記スイッチング手段を制御して、前記検出コイルの両端を強制的に短絡状態とし、前記遊技球通過信号により動作確認を行うようにした遊技球検出器を適用した遊技球計数機であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にして前記遊技球通過信号により行った動作確認の結果、前記遊技球検出器に異常が確認されたときに、当該弾球遊技機に動作異常を報知すると共に、中央処理部へ動作異常信号を出力することを特徴とする遊技球計数機が提供される。
【0047】
本発明の第4の形態によれば、複数の弾球遊技機および複数の遊技球計数機を中央処理部により制御する遊技球計数システムであって、前記各弾球遊技機は、金属より成る遊技球の通過路に巻回して配置された検出コイルおよび該検出コイルを含む高周波発振回路を備え、該高周波発振回路の発振状態によって前記遊技球の通過を判別して遊技球通過信号を出力する遊技球検出器であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にするスイッチング手段を備え、検出コイル短絡制御信号により前記スイッチング手段を制御して、前記検出コイルの両端を強制的に短絡状態とし、前記遊技球通過信号により動作確認を行うようにした遊技球検出器を適用した弾球遊技機であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にして前記遊技球通過信号により行った動作確認の結果、前記遊技球検出器に異常が確認されたとき、当該弾球遊技機に動作異常を報知すると共に、中央処理部へ動作異常信号を出力する弾球遊技機であり、且つ、前記各遊技球計数機は、前記遊技球検出器を適用した遊技球計数機であって、前記検出コイルの両端を短絡状態にして前記遊技球通過信号により行った動作確認の結果、前記遊技球検出器に異常が確認されたときに、当該弾球遊技機に動作異常を報知すると共に、中央処理部へ動作異常信号を出力する遊技球計数機であることを特徴とする遊技球計数システムが提供される。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、遊技球検出器の遊技球検出機能が正常に動作している否かの確認をスポット的に行えるようにし、遊技球計数機の故障や遊技者の不正行為等による被害を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明に係る遊技球検出器、弾球遊技機、遊技球計数機および遊技球計数システムの実施例を、添付図面を参照して詳述する。
【実施例1】
【0050】
図6は本発明に係る遊技球検出器の第1実施例の回路構成を示すブロック図である。
【0051】
図6と前述した図1との比較から明らかなように、本第1実施例の遊技球検出器は、図1に示す回路に対して、検出コイル短絡制御信号CS0によって制御される検出コイル短絡制御回路16を追加したものである。
【0052】
検出コイル短絡制御回路16は、各弾球遊技機や遊技球計数機に設けられたローカルの制御部のCPU23からの検出コイル短絡制御信号CS0に従って検出コイル11の両端を短絡して高周波発振回路12の発振を停止するものである。CPU23は、外部出力部24を介して中央処理部(ホールコンピュータ)4接続され、後述するように、ホールコンピュータ4からの制御信号に応じて検出コイル短絡制御回路16へ検出コイル短絡制御信号CS0を出力し、もし、異常が検出されれば、ローカルの異常表示装置(表示灯)25に異常の表示を行うと共に、ホールコンピュータ4へ異常信号を出力するようになっている。
【0053】
図7は図6の遊技球検出器の具体的な回路構成を示す回路図である。
【0054】
図7に示されるように、検出コイル短絡制御回路16は、NPN型バイポーラトランジスタ161および抵抗162,163で構成され、抵抗162および163で分圧された検出コイル短絡制御信号(高レベル『H』)CS0がトランジスタ161のベースに印加されることにより、トランジスタ161のコレクタ−エミッタ間、すなわち、検出コイル11の両端を短絡して高周波発振回路12の発振を停止させるようになっている。
【0055】
ここで、トランジスタ161は、NPN型バイポーラトランジスタに限定されるものではなく、検出コイル短絡制御信号CS0に応じてPNP型バイポーラトランジスタや他のFET等のトランジスタを使用することができる。また、図7に示す回路は、検出コイル短絡制御回路16としてトランジスタを用いているが、これは、遊技球検出器の通常の動作状態(機能診断を行っていない状態)においては、例えば、検出コイル短絡制御信号CS0として低電位電源(GND)の電圧が入力されており、検出コイル短絡制御回路16のトランジスタ161はオフ状態となってコレクタはオープンとなり、高周波発振回路12に影響を与えることなく、通常の遊技球通過検出機能を作動させるためである。
【0056】
また、検出コイル短絡制御信号CS0により遊技球検出器の回路動作の診断を行う場合には、遊技球検出器における検出コイル11の貫通孔300に遊技球の通過がない状態とし、検出コイル短絡制御信号CS0として検出コイル短絡制御回路16のトランジスタ161を動作状態にするレベルを入力し、検出コイル11の両端を短絡させて仮想的に遊技球を検出する回路動作として、信号出力S0を判別する。本第1実施例では、検出コイル短絡制御信号CS0により直接トランジスタ161を駆動しているため、検出コイル短絡制御信号CS0に対応した信号出力S0は、遊技球検出器の応答遅れ時間が加味された信号出力となる。
【0057】
以上において、検出コイル短絡制御回路16は、図7に示すものに限定されず、検出コイル短絡制御信号CS0により検出コイル11の両端を短絡することができるものであればよく、通常動作時に高周波発振回路12の発振に影響を与えることがなければ、後述するように様々な構成とすることができる。
【0058】
なお、高周波発振回路12、検波平滑回路13、比較回路14および出力回路15の回路構成は、例えば、前述した図1の従来の遊技球検出器におけるものと同様であり、その回路構成も様々なものを適用することができるのはいうまでもない。
【0059】
図8は図6の遊技球検出器における遊技球検出時の出力信号波形のタイムチャートである。
【0060】
図6および図8に示されるように、本発明に係る遊技球検出器は、まず、遊技球検出器の貫通孔300を遊技球が通過しない状態として、ローカルにある制御部(例えば、各弾球遊技機の主基板)2のCPU23から、遊技球検出器の外部診断入力端子を介して検出コイル短絡制御回路16に一定時間の外部信号(検出コイル短絡制御信号CS0)を入力する。これにより、検出コイル11の両端が短絡され、強制的に高周波発振回路12の発振動作が停止され、遊技球検出器の回路動作が遊技球を検出状態と同じになって、出力信号S0もそれに応じたレベルとなる。この出力信号S0を制御部2のCPU23で確認し、入力した検出コイル短絡制御信号CS0に対応したものであることを確認することにより、遊技球検出器の回路動作が正常か否かを診断することができる。
【0061】
すなわち、図8に示されるように、例えば、電源投入時には、通常、遊技球の通過がないため、高周波発振回路12は発振状態となる。このとき、検出コイル短絡制御信号CS0は待機状態の信号レベル『L』となっており、検出コイル短絡制御回路16は非動作状態で検出コイル11の両端は短絡されない。なお、このとき(例えば、電源投入時)、高周波発振回路12の発振が停止しているときは、遊技球が検出コイル11の貫通孔300内に詰まっているか、或いは、検出コイル11等が断線しているといった異常が存在していることが分かる。
【0062】
次に、高周波発振回路12の発振状態を確認した後、例えば、検出コイル短絡制御信号CS0を高レベル『H』として検出コイル短絡制御回路16を動作させ、検出コイル11の両端を短絡する。これにより、高周波発振回路12の発振は直ちに停止する。
【0063】
ここで、比較回路14は、検波平滑回路13の出力信号WF2を予め回路内で設定された2つの閾値電圧(高位反転電圧Vth1および低位反転電圧Vth2)により比較判別するのは図2を参照して説明した従来の遊技球検出器と同様である。なお、この検出コイル短絡制御回路16を動作させて検出コイル11の両端を短絡したとき、高周波発振回路12の発振が継続するのであれば、何らかの異常が考えられる。
【0064】
高周波発振回路12の発振状態および発振停止状態は、例えば、ローカルの制御部2からホールコンピュータ4へ伝えられ、ホールコンピュータ4による一括した遊技球検出器の管理を行うことが可能となる。なお、検出コイル短絡制御信号CS0は、例えば、ホールコンピュータ4から各弾球遊技機に与えることができる。また、各弾球遊技機には、例えば、ランプ等による異常表示装置25が設けられていて、遊技球検出器の異常が検出されたときには、異常表示装置25を点灯させて、遊技球検出器に異常が存在する弾球遊技機を特定し易くするようになっている。
【0065】
図9は図6の遊技球検出器における動作確認処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0066】
図9に示されるように、遊技球検出器の動作確認処理は、まず、ステップST11で、ホールコンピュータ4から動作確認信号をローカルの制御部2が受信すると、ステップST12に進んで、遊技球検出器の信号出力S0を確認する。すなわち、ステップST12で、信号出力S0が非検出状態(高レベル『H』:正常)であると判別されると、ステップST13に進んで、遊技球検出器に検出コイル短絡制御信号CS0を入力して検出コイル短絡制御回路16を動作させ、検出コイル11の両端を短絡して、ステップST14に進む。
【0067】
なお、ステップST12で、遊技球検出器の信号出力S0が検出状態(低レベル『L』:異常)であると判別されると、ステップST16に進んで、異常処理を行い、さらに、ステップST17に進んで、システムスタンバイ状態とする。ここで、異常処理としては、例えば、ローカルの制御部2からホールコンピュータ4へ動作確認結果異常の信号を送信し、或いは、ローカルの弾球遊技機自体にランプやアラーム等を設けて報知を行う。
【0068】
ステップST14では、遊技球検出器の信号出力S0を確認し、信号出力S0が検出状態(低レベル『L』:正常)であると判別されると、ステップST15に進んで、ホールコンピュータ4へ動作確認結果正常の信号を送信し、ステップST17に進んで、システムスタンバイ状態とする。
【0069】
また、ステップST14において、遊技球検出器の信号出力S0が非検出状態(高レベル『H』:異常)であると判別されると、前述したステップST16に進んで、異常処理を行い、さらに、ステップST17に進んで、システムスタンバイ状態とする。
【0070】
このように、本発明に係る第1実施例の遊技球検出器は、遊技球検出器の回路動作を、外部信号(検出コイル短絡制御信号CS0)により遊技球の検出状態と同じ状態にすることで、遊技球検出器としての回路動作の確認を容易に行って、遊技球検出器の故障の発見およびセキュリティの向上に有効におこなうことができる。特に、外部信号(CS0)により近接スイッチ(遊技球検出器)のセンシングデバイスとなる検出コイルのみを強制的に短絡して検出状態の信号を生成することで、遊技球検出器を構成する回路全ての動作チェックを行うことができ、信頼性の高い外部診断機能を備えたシステムの構築が可能となる。さらに、遊技球検出機能が正常に動作している否かの確認を、例えば、ホールコンピュータから行うことができる。なお、上記の遊技球検出機能の動作確認処理は、例えば、ホールが営業を開始する前(開店前)の電源投入時等において行うことで遊技球検出器の動作確認を行うことができる。
【0071】
すなわち、電源投入時というのは、毎朝存在し、また、遊技球の通過がないことが確定しているため、このタイミングで遊技球検出器の動作確認を行うことは非常に有効である。さらに、異常が確認された際に対応するということを配慮しても、ホールの開店前が有効であることは当然である。
【0072】
また、例えば、動作確認を一定時間ごとに行う確認行為も有効であり、動作確認する頻度を高めていくことによって、故障および不正行為による被害を軽減することができる。
【実施例2】
【0073】
図10は本発明に係る遊技球検出器の第2実施例の回路構成を示すブロック図である。
【0074】
図10と図6との比較から明らかなように、本第2実施例の遊技球検出器は、上述した第1実施例のように、例えば、ホールコンピュータ4からの制御信号に応じて検出コイル短絡制御回路16へ検出コイル短絡制御信号CS0を出力するのではなく、例えば、パチンコホールの従業員が検出コイル短絡制御信号発生装置5を携帯し、必要に応じて検出コイル短絡制御信号CS0(この場合は、光学的な信号)を受信回路17に入力して検出コイル短絡制御回路16を動作させ、検出コイル11の両端を短絡させるようになっている。
【0075】
本第2実施例において、検出コイル短絡制御信号発生装置5は、検出コイル短絡制御信号送信回路51および発光ダイオード(LED)52を備え、また、受信回路17は、フォトトランジスタ171および負荷172を備える。そして、LED52からの光照射をフォトトランジスタ171で受け取って、電気的な信号に変換の後、検出コイル短絡制御回路16を動作させるようになっている。なお、本第2実施例では、例えば、受信回路17のフォトトランジスタ171は、外部からその位置が特定され易いので、例えば、弾球遊技機を鍵で開けた内部に設けるのが好ましい。なお、受信回路17における受光素子としては、フォトトランジスタ171ではなくフォトダイオードを使用することもできる。
【0076】
すなわち、本第2実施例の遊技球検出器は、遊技球検出器の外部から光(LED52)を用いて検出コイル短絡制御信号CS0を入力することで、遊技球検出器内部で仮想的に検出状態の回路動作を行わせ、その遊技球検出器の出力信号を制御部2で確認して遊技球検出器の回路動作が正常であるか否かを判断するようになっている。
【0077】
本第2実施例においては、まず、遊技球検出器の貫通孔300に遊技球の通過のない状態にして、検出コイル短絡制御信号発生装置5によってLED52から検出コイル短絡制御信号CS0を出力し、この検出コイル短絡制御信号CS0を受信したフォトトランジスタ171をオン状態にする。これにより、例えば、低レベル『L』の信号が検出コイル短絡制御回路16に供給され、検出コイル11の両端を短絡して強制的に高周波発振回路12の発振動作が停止され、仮想的に遊技球検出器の回路全体が遊技球を検出している状態となるため、制御部2の表示装置(25)により確認する。なお、前述した第1実施例と同様に、遊技球検出器の異常が検出されたときに異常表示装置25を点灯させるように構成してもよい。
【実施例3】
【0078】
図11は本発明に係る遊技球検出器の第3実施例の回路構成を示すブロック図である。
【0079】
図11と上述した図10との比較から明らかなように、本第3実施例の遊技球検出器は、検出コイル短絡制御信号発生装置5が光学的な手段ではなく、磁気的な手段を適用して構成したものである。
【0080】
すなわち、図11に示されるように、検出コイル短絡制御信号発生装置5は、検出コイル短絡制御信号送信回路53およびコイル54を備え、また、検出コイル短絡制御回路16は、リードスイッチ160を備える。そして、検出コイル短絡制御信号発生装置5のコイル54により磁気信号である検出コイル短絡制御信号CS0を発生し、リードスイッチ160をオン状態とすることにより、検出コイル11の両端を短絡するようになっている。
【0081】
なお、本第3実施例で使用するリードスイッチ160は、様々な個所に埋め込んで配設することができ、外部からその位置が特定され難いといった長所がある。また、リードスイッチ160をオン状態として遊技球検出器内部で仮想的に検出状態の回路動作を行わせ、その遊技球検出器の出力信号を制御部2で確認して遊技球検出器の回路動作が正常であるか否かを判断するのは、上述した第2実施例と同様である。
【0082】
本第3実施例の遊技球検出器によれば、検出コイル短絡制御回路16(17)の構成を非常にシンプルにすることができ、また、定常状態においては検出コイル11の両端が完全に絶縁されていることから、検出コイル短絡制御回路16の影響を考慮する必要がないといった利点がある。
【0083】
上述した第2および第3実施例の遊技球検出器は、光学式および磁気式の外部操作によって遊技球検出器の動作確認をスポット的に行うことができる。具体的に、例えば、パチンコホールの従業員にLEDまたは電磁石(コイル)を内蔵した簡単な動作確認用装置(検出コイル短絡制御信号発生装置5)を携帯させることにより、必要に応じて弾球遊技機や遊技球計数機における遊技球検出器の動作確認を簡単に行うことができ、突然トラブルが発生した際でも、現場で迅速に遊技球検出器の動作確認を行うことが可能となる。
【0084】
このように、第2および第3実施例の遊技球検出器は、例えば、パチンコホールの従業員といった人的な外部診断になるものの、ホールにおける異常トラブルが発生した際に遊技球検出器の故障確認を迅速に行うシステムとしては非常に優れたものである。また、例えば、制御部のシーケンスとして、従来通りのままでも対応可能となるため、設備的な意味合いの強い遊技球計数機などにおいては、遊技球検出器の交換のみで遊技球計数機のセキュリティを向上させると共に、メンテナンスの向上を図ることができる。
【実施例4】
【0085】
図12は本発明に係る遊技球検出器の第4実施例の回路構成を示すブロック図である。
【0086】
図12に示されるように、本第4実施例の遊技球検出器は、第1の遊技球検出ユニットおよび第2の遊技球検出ユニットの2つの直流2線式の遊技球検出ユニット(スイッチ)を備えている。
【0087】
第1の遊技球検出ユニットは、検出コイル111(L1),高周波発振回路121,検波平滑回路131,比較回路141および出力回路151を備え、また、第2の遊技球検出ユニットは、検出コイル112(L2),高周波発振回路122,検波平滑回路132,比較回路142および出力回路152を備える。なお、参照符号21および22は、それぞれ第1および第2の遊技球検出ユニットの出力S1およびS2と高電位電源VSとの間に設けられた負荷を示し、また、23は各弾球遊技機や遊技球計数機のローカルに設けられたCPUを示している。
【0088】
ここで、検出コイル111(L1)および112(L2)は、前述した図3に示すように1つの貫通孔300に対して、例えば、遊技球Pの直径の1/4程度の距離だけ離して配置し、第1の遊技球検出ユニットの信号出力S1および第2の遊技球検出ユニットの信号出力S2が、例えば、図4に示すように一定時間の重なり(t1=t2=t3=t4)を持つようになされている。
【0089】
図12に示されるように、本第4実施例の遊技球検出器は、検出コイル短絡制御信号CS0によって制御される検出コイル短絡制御回路16が設けられている。
【0090】
検出コイル短絡制御回路16は、各弾球遊技機や遊技球計数機に設けられたローカルの制御部のCPU23からの検出コイル短絡制御信号CS0に従って2つの検出コイル111および112の両端をそれぞれ短絡して高周波発振回路121および122の発振を同時に停止するものである。
【0091】
CPU23は、外部出力部24を介して中央処理部(ホールコンピュータ)4接続され、ホールコンピュータ4からの制御信号に応じて検出コイル短絡制御回路16へ検出コイル短絡制御信号CS0を出力し、もし、異常が検出されれば、ローカルの異常表示装置(表示灯)25に異常の表示を行うと共に、異常検知時音声発生装置(スピーカ)26からアラーム音を発生し、且つ、ホールコンピュータ4へ異常信号を出力するようになっている。
【0092】
図13は図12の遊技球検出器の要部の具体的な回路構成を示す回路図である。
図13に示されるように、本第4実施例の遊技球検出器における検出コイル短絡制御回路16は、NPN型バイポーラトランジスタ1611,1612、抵抗1621,1622,1631,1632,164、容量(コンデンサ)165、ツェナーダイオード166およびダイオード1671,1672で構成され、抵抗164を介して抵抗1621,1631および1622,1632で分圧された検出コイル短絡制御信号(高レベル『H』)CS0が各トランジスタ1611および1612のベースに印加されることにより、トランジスタ1611および1612の各コレクタ−エミッタ間、すなわち、各検出コイル111および112の両端を短絡して高周波発振回路121および122の発振を同時に停止させるようになっている。なお、本第4実施例では、各トランジスタ1611および1612のコレクタと各検出コイル111および112の一端との間には、ダイオード1671および1672が挿入され、遊技球の検出動作を安定化させるようになっている。
【0093】
図14は図12の遊技球検出器における信号出力のタイミングパターンを示す図であり、図14(a)は遊技球が貫通孔300を順方向(正規の方向)に通過した場合、図14(b)は遊技球が貫通孔300を逆方向に通過した場合、そして、図14(c)は遊技球検出器を外部診断(動作確認)した場合の各出力S1およびS2のタイミングパターンを示すものである。
【0094】
まず、図14(a)に示されるように、遊技球が貫通孔300を順方向に通過した場合、図4を参照して説明したのと同様に、例えば、最初に遊技球が貫通孔300の入口側(301)の検出コイル111(L1)を通過するために、第1の遊技球検出ユニットの高周波発振回路121の発振が停止して信号出力S1が立上がり、その後、遊技球が貫通孔300の出口側(302)の検出コイル112(L2)を通過するために、第2の遊技球検出ユニットの高周波発振回路122の発振が停止して第2の遊技球検出ユニットの信号出力S2が立上がる。
【0095】
また、図14(b)に示されるように、遊技球が貫通孔300を逆方向に通過した場合、上記した図14(a)とは逆に、例えば、最初に遊技球が貫通孔300の出口側の検出コイル112を通過するために、第2の遊技球検出ユニットの高周波発振回路122の発振が停止して第2の遊技球検出ユニットの信号出力S2が立上がり、その後、遊技球が貫通孔300の入口側の検出コイル111を通過するために、第1の遊技球検出ユニットの高周波発振回路121の発振が停止して信号出力S1が立上がる。
【0096】
そして、図14(c)に示されるように、外部から検出コイル短絡制御信号CS0による遊技球検出器の外部診断(動作確認)を行った場合、例えば、検出コイル短絡制御信号CS0の立上がりによって、両方の検出コイル111および112が同時に短絡されて、両方の高周波発振回路121および122の発振が同時に停止し、第1および第2の遊技球検出ユニットの両方の信号出力S1およびS2が同時に立上がる。
【0097】
具体的なシステムとしての動作モードは、次の通りである。
まず、全ての遊技球検出器(遊技球検出ユニット)の検出コイルに遊技球の通過がない状態にして(例えば、ホールが営業を開始する前の電源投入時)、ローカルにある制御部(例えば、弾球遊技機や遊技球計数機)から、遊技球検出器の外部診断入力端子に一定時間の外部信号(検出コイル短絡制御信号CS0)を入力することで、その外部診断出力に対応した遊技球検出機能の出力が各遊技球検出ユニットの信号出力として出力される。
【0098】
このときの出力状態を制御部で確認し、入力した外部信号に対応した信号出力であるかどうかを判別し、遊技球検出器(遊技球検出ユニット)の回路動作として正常であるか否かを診断するシステムを構成する。そして、その診断結果によって、正常/異常の信号を中央処理装置(ホールコンピュータ)に出力し、また、システムをスタンバイ状態にする。
【0099】
ここで、本第4実施例の遊技球検出器のように、2系統の遊技球検出機能(遊技球検出ユニット)による2つの信号出力S1,S2のタイミングを確認することにより、十分なセキュリティを確保することができる。
【0100】
すなわち、本第4実施例の遊技球検出器では、外部信号(CS0)に対して同時に各スイッチング機能を作動させ、各検出コイル111および112の両端を同時に短絡して信号出力S1,S2を判別している。
【0101】
これは、検出コイル111および112が一定の距離(例えば、遊技球の直径の1/4程度の距離)を隔てて配置されているため、遊技球が貫通孔を通過する場合には、順方向の通過、或いは、逆方向の通過に関わらず、出力S1およびS2は一定時間以上のタイミング差が生じる。このタイミング差は遊技球の通過速度によっても異なるため、検出コイル間の距離と遊技球の通過する可能な速度から、その一定時間のタイミング差を予め算出することが可能であり、そのタイミング差に対して十分短い時間差で上記のスイッチング機能を作動させることで、通常動作時に外部信号が入力されたとしても遊技球の通過としては認識されないよう構成している。
【0102】
図15および図16は図12の遊技球検出器の計数処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0103】
図15に示されるように、遊技球計数処理は、まず、ステップST201で、第1の遊技球検出ユニットの出力S1もしくは第2の遊技球検出ユニットの出力S2の検出信号の立上がりを確認し、ステップST202に進んで、その立上がった信号が出力S1か出力S2かを判別する。以下、前述した図4も参照して説明する。
【0104】
ステップST202において、立上がった信号が出力S1である(TP1)と判別されると、ステップST203に進んで、出力S1の立上がりから所定時間(t:t<t1)に出力S1およびS2の信号変化があるかどうかを判別する。ステップST203で、出力S1の立上がりから所定時間に出力S1およびS2の信号変化があると判別されると、ステップST210に進んで異常処理を行い、また、出力S1の立上がりから所定時間に出力S1およびS2の信号変化がないと判別されると、ステップST204に進んで、出力S1の立上がりから所定時間以降の一定時間内(t1≦t<t2)に出力S2の検出信号の立上がりがあるかどうかを判別する。
【0105】
ステップST204において、出力S1の立上がりから所定時間以降の一定時間内(t1≦t<t2)に出力S2の検出信号の立上がりがあると確認されないと、ステップST210に進んで異常処理を行い、また、出力S1の立上がりから所定時間以降の一定時間内(t=t1)に出力S2の検出信号の立上がりがある(TP2)と確認されると、ステップST205に進んで、出力S2の立上がりから所定時間(t:t<t2)に出力S1およびS2の信号変化があるかどうかを判別する。ステップST205で、出力S2の立上がりから所定時間に出力S1およびS2の信号変化があると判別されると、ステップST210に進んで異常処理を行い、また、出力S2の立上がりから所定時間に出力S1およびS2の信号変化がないと判別されると、ステップST206に進んで、出力S2の立上がりから所定時間以降の一定時間内(t2≦t<t3)に出力S1の検出信号の立下がりがあるかどうかを判別する。
【0106】
ステップST206において、出力S2の立上がりから所定時間以降の一定時間内(t2≦t<t3)に出力S1の検出信号の立下がりがあると確認されないと、ステップST210に進んで異常処理を行い、また、出力S2の立上がりから所定時間以降の一定時間内(t=t2)に出力S1の検出信号の立下がりがある(TP3)と確認されると、ステップST207に進んで、出力S1の立下がりから所定時間(t:t<t3)に出力S1およびS2の信号変化があるかどうかを判別する。ステップST207で、出力S1の立下がりから所定時間に出力S1およびS2の信号変化があると判別されると、ステップST210に進んで異常処理を行い、また、出力S1の立下がりから所定時間に出力S1およびS2の信号変化がないと判別されると、ステップST208に進んで、出力S1の立下がりから所定時間以降の一定時間内(t3≦t<t4)に出力S2の検出信号の立下がりがあるかどうかを判別する。
【0107】
ステップST208において、出力S1の立下がりから所定時間以降の一定時間内(t3≦t<t4)に出力S2の検出信号の立下がりがあると確認されないと、ステップST210に進んで異常処理を行い、また、出力S1の立下がりから所定時間以降の一定時間内(t=t3)に出力S2の検出信号の立下がりがある(TP4)と確認されると、ステップST209に進んで、遊技球が貫通孔300を順方向に通過したとして計数値に1を加算し、そして、ステップST211に進んで、システムスタンバイとなる。
【0108】
次に、ステップST202において、立上がった信号が出力S2であると判別された場合、図16に示すステップST212〜ST217の処理が行われるが、これらステップST212〜ST217の処理は、遊技球が貫通孔300を逆方向に通過した場合であり、上述したステップST203〜ST208の処理において出力S1と出力S2の関係を入れ換えたものに対応する。そして、ステップ217において、出力S2の立下がりから所定時間以降の一定時間内に出力S1の検出信号の立下がりがあると確認されると、これは、遊技球が貫通孔300を逆方向に通過した場合であるため、ステップST218に進んで、計数値から1を減算し、そして、ステップST211に進んで、システムスタンバイとなる。
【0109】
なお、異常処理を行うステップST210およびST219は、例えば、ローカルの制御部2からホールコンピュータ4へ動作確認結果異常の信号を送信し、或いは、ローカルの弾球遊技機や遊技球計数機に設けたランプやアラーム等により報知を行うことになる。
【0110】
図17は図12の遊技球検出器における動作確認処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0111】
図17に示されるように、遊技球検出器の動作確認処理は、まず、ステップST31で、ホールコンピュータ4から動作確認信号をローカルの制御部2が受信すると、ステップST32に進んで、遊技球検出器の通過路(貫通孔)に遊技球が存在しない状態を設定してステップST33に進む。
【0112】
ステップST33では、2系統の遊技球検出ユニットの信号出力S1およびS2を確認し、2系統の少なくとも一方が検出状態の信号出力であれば、異常処理のステップST37に進み、2系統共に非検出状態の信号出力であれば、ステップST34に進む。すなわち、遊技球検出器の貫通孔に遊技球が存在しない状態において、出力S1および/またはS2が検出状態の信号であれば、貫通孔に遊技球が詰まる等の異常である。
【0113】
ステップST34において、遊技球検出器に検出コイル短絡制御信号CS0を入力して両方の検出コイル111,112を短絡させ、ステップST35に進んで、2系統の遊技球検出ユニットの信号出力S1およびS2を確認する。
【0114】
ステップST35において、2系統の少なくとも一方が非検出状態の信号出力であれば、異常処理のステップST37に進み、2系統共に検出状態の信号出力であれば、ステップST36に進む。すなわち、検出コイル短絡制御信号CS0により両方の検出コイル111,112を短絡して強制的に検出状態としたのであるから、出力S1および/またはS2が非検出状態の信号であれば、検出コイルの断線等の異常である。
【0115】
ステップST36では、ホールコンピュータへ動作確認結果正常の信号を送信し、そして、ステップST38に進んで、システムスタンバイとなる。なお、異常処理のステップST37では、ローカルの制御部2からホールコンピュータ4へ動作確認結果異常の信号を送信し、或いは、ローカルの弾球遊技機や遊技球計数機に設けたランプやアラーム等により報知を行い、そして、ステップST38に進んで、システムスタンバイとなる。
【0116】
図18は図12に示す遊技球検出器の2組を一体化した遊技球検出器の一例を示す斜視図であり、図19は図18の遊技球検出器を使用した遊技球計数機の一部を示す図である。
【0117】
図18に示す遊技球検出器3000は、図12に示す2系統の遊技球検出ユニットを有する遊技球検出器(遊技球検出部)を2組(2レーン分)設け、それぞれ2つの検出コイルが設けられた各貫通孔3001および3002を所定距離だけシフトさせて配置したものである。
【0118】
ここで、貫通孔3001には2つの検出コイルが設けられ、また、貫通孔3002にも2つの検出コイルが設けられているが、これら4つの検出コイルを含む4つの高周波発振回路は、それぞれ異なる周波数で発振するように構成され、相互の干渉を低減するようにされている。
【0119】
図19に示されるように、図18に示す遊技球検出器3000は、例えば、遊技球計数機1000における2レーン1001の遊技球を計数するために適用される。なお、実際に、例えば、島ごとに設置される遊技球検出器は、16または18レーンであるため、図18に示す遊技球検出器3000が8個または9個設けられることになる。また、各弾球遊技機に遊技球計数機を設ける場合には、例えば、図18に示す遊技球検出器3000を2個設けて4レーンにより台ごとの遊技球を計数する。
【0120】
このように、本第4実施例の遊技球検出器によれば、前述した第1実施例〜第3実施例では、例えば、外部診断を目的とした検出コイル短絡検知機能を逆手にとって遊技球検知の出力信号を故意に作り出して不正に多くの遊技球を搾取するという悪意による不正行為に対しても、予め出力信号のタイミングの関係が把握できている2系統の遊技球検出ユニットの信号出力S1,S2により判別することで、遊技球検出器の動作確認と共に、遊技球の通過検知を行う遊技球計数機を、高いセキュリティを持たせて実現することができる。
【0121】
また、遊技球の通過では検出コイルの配置関係による出力S1,S2のタイミングの時間差が発生するのに対して、外部診断による出力S1,S2は、想定される時間差よりも短い時間差に設定することができるため、そのことを利用して、遊技球計数機においては、一定の時間差がないと遊技球の通過として受け付けない構成とすることが可能となる。
【0122】
さらに、遊技球検出器として複数の遊技球検出ユニットを備えていたとしても、外部信号(CS0)の入力のための入力端子を1つ増やすだけでよいため、小型化が進む遊技球検出器においても設計的に大きな負担になることはない。
【0123】
図20は遊技管理システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
図20に示されるように、ホールコンピュータ4は、ネットワーク8を介して各弾球遊技機550、台ユニット551、台間機552、台ごと遊技球計数機500、および、遊技球計数機600等に繋がれている。
【0124】
各弾球遊技機550(台ユニット551)には、異常表示装置(表示灯)25および異常検知時音声発生装置(スピーカ)26が設けられ、例えば、台ごと遊技球計数機500における遊技球検出器510(3000)の検出コイルを短絡させて前述した動作確認を行って、計数制御部520(2)により異常が検出されたときは、表示灯25に異常の表示を行うと共に、スピーカ26からアラーム音を発生し、且つ、ホールコンピュータ4へ異常信号を出力するようになっている。なお、台ごと遊技球計数機500は、例えば、図18に示す2レーンの遊技球検出が可能な遊技球検出器3000を1つ(2レーン)または2つ(4レーン)備え、各弾球遊技機550の場所で遊技球の計数を行うことができるようになっている。
【0125】
遊技球計数機600は、例えば、複数台の弾球遊技機550がまとまった島ごと、或いは、カウンタ等の場所に設けられた遊技球の高速計数が可能なものであり、この遊技球計数機600もネットワーク8を介してホールコンピュータ4に繋がれている。遊技球計数機600における遊技球検出器610は、図18に示す2レーンの遊技球検出が可能な遊技球検出器3000を複数(例えば8つ(16レーン)または9(18レーン))備え、多量の遊技球を短時間で計数できるようになっている。
【0126】
このような高速計数が可能な遊技球計数機600に対しても、遊技球検出器610における各検出コイルを短絡させることで前述した動作確認を行い、計数制御部620(2)により異常が検出されたときには、例えば、通常の動作時ではカウントされた遊技球の数を表示する表示器(例えば、数字を表示するための複数桁の7セグメント表示器)630を利用して、異常が生じた遊技球検出器を特定すると共に、その異常信号をホールコンピュータ4へ伝えるようになっている。なお、異常の表示手段等に関しては、公知の様々な技術を適用して適宜設計することが可能である。
【実施例5】
【0127】
図21は本発明に係る遊技球検出器の第5実施例の回路構成を示すブロック図である。
【0128】
図21に示されるように、本第5実施例の遊技球検出器は、図12を参照して説明した第1の遊技球検出ユニットおよび第2の遊技球検出ユニットの2つの直流2線式の遊技球検出ユニットを備えた第4実施例の遊技球検出器において、検出コイル短絡制御信号CS0を、図10を参照して説明した第2実施例の遊技球検出器における光学的な検出コイル短絡制御信号発生装置5から出力するように構成したものに相当する。
【0129】
すなわち、検出コイル短絡制御信号発生装置5を携帯可能として構成し、この検出コイル短絡制御信号発生装置5を、例えば、パチンコホールの従業員が必要に応じて操作することで検出コイル短絡制御信号CS0(LED52の光出力信号)を受信回路17に入力し、検出コイル短絡制御回路16を動作させて2つの検出コイル111および112の両端を同時に短絡させるようになっている。なお、検出コイル短絡制御信号発生装置5は、図11を参照して説明した第3実施例の遊技球検出器におけるもののように磁気的な手段を適用して構成することもできる。
【0130】
ここで、例えば、遊技球計数機に設けられたローカルの制御部2には、2つの遊技球検出ユニットの動作をそれぞれ確認するための2つの異常表示装置(表示灯)251および252が設けられている。そして、各遊技球検出ユニットに異常が検出された場合、対応するローカルの異常表示装置251,252に異常の表示を行うと共に、ホールコンピュータ4へ異常信号を出力するようになっている。
【0131】
図22は図21の遊技球検出器における動作確認処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0132】
図22に示されるように、遊技球検出器の動作確認処理は、まず、ステップST41で、例えば、パチンコホールの従業員が第1および第2の検知出力表示部251および252を確認し、第1および第2の検知出力表示部251および252の少なくとも一方が遊技球の検出状態表示ならば、ステップST44に進んで、従業員もしくは装置メーカーの担当者(例えば、遊技球計数機を製造するメーカーのサービスマン)が人的に異常処理を行う。
【0133】
一方、ステップST41において、第1および第2の検知出力表示部251および252が共に非検出状態表示ならば、ステップST42に進んで、従業員が遊技球検出器に検出コイル短絡制御信号CS0を入力してステップST43に進む。この検出コイル短絡制御信号CS0の入力は、例えば、従業者が携帯する検出コイル短絡制御信号発生装置5により行う。
【0134】
ステップST43において、従業員が第1および第2の検知出力表示部251および252を確認し、第1および第2の検知出力表示部251および252の少なくとも一方が遊技球の非検出状態表示ならば、ステップST44に進んで、従業員もしくは装置メーカーの担当者が人的に異常処理を行う。
【0135】
一方、ステップST43において、第1および第2の検知出力表示部251および252が共に検出状態表示ならば、ステップST45に進んで、システムスタンバイ状態とする。
【0136】
本第5実施例の遊技球検出器によれば、前述した第4および第2実施例の遊技球検出器における効果が得られることになる。
【0137】
図23は本発明が適用される遊技ホールの全体構成を概略的に示す図であり、図24は図23の遊技ホールにおける1つの島を示す図であり、そして、図25は図24の島における1つの弾球遊技機の一例を概略的に示す図である。
【0138】
図23および図24に示されるように、遊技ホール(パチンコホール)には、複数の弾球遊技機550が島72ごとに分かれて配置され、例えば、島72ごとに1つの高速計数が可能な遊技球計数機(島ごと計数機)600が設けられ、また、図24および図25に示されるように、各弾球遊技機550に対して台ごと遊技球計数機500が設けられ、それぞれホールコンピュータ4とネットワーク(8)を介して繋がれている。なお、高速計数が可能な遊技球計数機600は、例えば、カウンタ71等の他の場所に設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、金属より成る遊技球を検出する遊技球検出器に適用され、例えば、遊技球検出器を使用した弾球遊技機、島ごとに設けられる遊技球計数機、弾球遊技機ごとに設けられる台ごと遊技球計数機、或いは、遊技ホールの遊技球計数システム等に対して幅広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】従来の遊技球検出器の一例の回路構成を示すブロック図である。
【図2】図1の遊技球検出器における遊技球検出時の出力信号波形のタイムチャートである。
【図3】従来の遊技球検出器の他の例を示す断面図である。
【図4】図3の遊技球検出器における遊技球検出時の出力信号波形のタイムチャートである。
【図5】図3の遊技球検出器の回路構成を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る遊技球検出器の第1実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図7】図6の遊技球検出器の具体的な回路構成を示す回路図である。
【図8】図6の遊技球検出器における遊技球検出時の出力信号波形のタイムチャートである。
【図9】図6の遊技球検出器における動作確認処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明に係る遊技球検出器の第2実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る遊技球検出器の第3実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る遊技球検出器の第4実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図13】図12の遊技球検出器の要部の具体的な回路構成を示す回路図である。
【図14】図12の遊技球検出器における信号出力のタイミングパターンを示す図である。
【図15】図12の遊技球検出器の計数処理の一例を説明するためのフローチャート(その1)である。
【図16】図12の遊技球検出器の計数処理の一例を説明するためのフローチャート(その2)である。
【図17】図12の遊技球検出器における動作確認処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図18】図12に示す遊技球検出器の2組を一体化した遊技球検出器の一例を示す斜視図である。
【図19】図18の遊技球検出器を使用した遊技球計数機の一部を示す図である。
【図20】遊技管理システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図21】本発明に係る遊技球検出器の第5実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図22】図21の遊技球検出器における遊技球検出処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図23】本発明が適用される遊技ホールの全体構成を概略的に示す図である。
【図24】図23の遊技ホールにおける1つの島を示す図である。
【図25】図24の島における1つの弾球遊技機の一例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0141】
1;3000 遊技球検出器
2 制御部(計数制御部:ローカル)
4 中央処理部(ホールコンピュータ)
5 検出コイル短絡制御信号発生装置
8 ネットワーク
11;11a,11b:111,112;L1,L2 検出コイル
12;12a,12b;121,122 高周波発振回路(発振回路)
13;13a,13b;131,132 検波平滑回路
14;14a,14b;141,142 比較回路
15;15a,15b;151,152 出力回路
16 検出コイル短絡制御回路
17 受信回路
20;21,22;162,163;172 負荷(抵抗)
23 CPU
24 外部出力部
25;251,252 異常表示装置(表示灯)
26 異常検知時音声発生装置(スピーカ)
51;53 検出コイル短絡制御信号送信回路
52 発光ダイオード(LED)
54 コイル
71 カウンタ
72 島
160 リードスイッチ
161 トランジスタ
171 フォトトランジスタ
300;3001,3002 貫通孔
500 台ごと遊技球計数機
550 弾球遊技機
551 台ユニット
552 台間機
600 遊技球計数機(島ごと遊技球計数機)
CS0;CS1,CS2 検出コイル短絡制御信号
P;P1〜P3 遊技球
S0;S1,S2;S11,S12;S21,S22 信号出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属より成る遊技球の通過路に巻回して配置された検出コイルおよび該検出コイルを含む高周波発振回路を備え、該高周波発振回路の発振状態によって前記遊技球の通過を判別して遊技球通過信号を出力する遊技球検出器であって、
前記検出コイルの両端を短絡状態にするスイッチング手段を備え、
検出コイル短絡制御信号により前記スイッチング手段を制御して、前記検出コイルの両端を強制的に短絡状態とし、前記遊技球通過信号により動作確認を行うことを特徴とする遊技球検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技球検出器において、
前記検出コイル短絡制御信号は、中央処理部からの制御信号に応じて出力されることを特徴とする遊技球検出器。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技球検出器において、
前記中央処理部からの制御信号は、前記遊技球の通過がない遊技ホールの営業開始前の電源投入時に出力され、前記遊技球検出器の動作確認が行われることを特徴とする遊技球検出器。
【請求項4】
請求項1に記載の遊技球検出器において、
前記検出コイル短絡制御信号は、検出コイル短絡制御信号発生装置から出力されることを特徴とする遊技球検出器。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技球検出器において、
前記検出コイル短絡制御信号発生装置は、携帯型の装置として構成されることを特徴とする遊技球検出器。
【請求項6】
請求項5に記載の遊技球検出器において、
前記携帯型の検出コイル短絡制御信号発生装置は、光学的な検出コイル短絡制御信号を発生することを特徴とする遊技球検出器。
【請求項7】
請求項6に記載の遊技球検出器において、
前記スイッチング手段は、前記光学的な検出コイル短絡制御信号を受信するフォトダイオードもしくはフォトトランジスタを備えることを特徴とする遊技球検出器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の遊技球検出器において、
前記スイッチング手段は、トランジスタを備え、該トランジスタのスイッチング動作により前記検出コイルの両端の短絡制御を行うことを特徴とする遊技球検出器。
【請求項9】
請求項5に記載の遊技球検出器において、
前記携帯型の検出コイル短絡制御信号発生装置は、磁気的な検出コイル短絡制御信号を発生し、且つ、
前記スイッチング手段は、前記磁気的な検出コイル短絡制御信号により前記検出コイルの両端の短絡制御を行うリードスイッチを備えることを特徴とする遊技球検出器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の遊技球検出器において、
前記検出コイルは、前記遊技球の通過路に所定の距離を隔てて設けられた第1の検出コイルおよび第2の検出コイルを備え、且つ、
前記高周波発振回路は、前記第1の検出コイルを含む第1の高周波発振回路および前記第2の検出コイルを含む第2の高周波発振回路を備え、該第1および第2の高周波発振回路の発振状態によって前記遊技球の通過を判別して第1および第2の遊技球通過信号を出力し、該第1および第2の遊技球通過信号は一定時間の重なりを持つことを特徴とする遊技球検出器。
【請求項11】
請求項10に記載の遊技球検出器において、
前記スイッチング手段は、単一の前記検出コイル短絡制御信号により前記第1および第2の検出コイルのそれぞれの両端を同時に短絡することを特徴とする遊技球検出器。
【請求項12】
請求項10に記載の遊技球検出器において、
前記第1および第2の高周波発振回路の発振状態によって第1のレーンにおける前記遊技球の通過を判別して第1および第2の遊技球通過信号を出力する第1のレーン用の遊技球検出部と、
前記第1および第2の高周波発振回路の発振状態によって第2のレーンにおける前記遊技球の通過を判別して第1および第2の遊技球通過信号を出力する第2のレーン用の遊技球検出部と、を備え、
前記第1のレーン用の遊技球検出部を構成する第1および第2の検出コイルを第1の貫通孔に設け、且つ、前記第2のレーン用の遊技球検出部を構成する第1および第2の検出コイルを第2の貫通孔に設け、該第1および第2の貫通孔を前記遊技球の通過方向に所定距離だけ隔てて一体化したことを特徴とする遊技球検出器。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の遊技球検出器を適用した弾球遊技機であって、
前記検出コイルの両端を短絡状態にして前記遊技球通過信号により行った動作確認の結果、前記遊技球検出器に異常が確認されたとき、当該弾球遊技機に動作異常を報知すると共に、中央処理部へ動作異常信号を出力することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の遊技球検出器を適用した遊技球計数機であって、
前記検出コイルの両端を短絡状態にして前記遊技球通過信号により行った動作確認の結果、前記遊技球検出器に異常が確認されたときに、当該弾球遊技機に動作異常を報知すると共に、中央処理部へ動作異常信号を出力することを特徴とする遊技球計数機。
【請求項15】
請求項14に記載の遊技球計数機において、該遊技球計数機は、弾球遊技機ごとに設けられていることを特徴とする遊技球計数機。
【請求項16】
請求項14に記載の遊技球計数機において、該遊技球計数機は、複数の弾球遊技機がまとまった島ごと、或いは、他の所定個所に設けられていることを特徴とする遊技球計数機。
【請求項17】
複数の弾球遊技機および複数の遊技球計数機を中央処理部により制御する遊技球計数システムであって、
前記各弾球遊技機は、請求項13に記載の弾球遊技機であり、且つ、
前記各遊技球計数機は、請求項14または15に記載の遊技球計数機であることを特徴とする遊技球計数システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−208843(P2007−208843A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27479(P2006−27479)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】