説明

運行管理装置

【課題】操作に精通せずとも容易に運行履歴データを用いた研修が可能な運行管理装置を提供することである。
【解決手段】車両の走行状態を示す走行データが危険水準に達した時に車載カメラ12が撮影した画像データが含まれる画像群データと当該画像群データに関連付けられる走行データおよび走行位置データとを含む運行履歴データが記録される記憶媒体10から当該運行履歴データを読み出す読出手段2と、読み出した運行履歴データを記憶する記憶手段7と、運行履歴データに含まれる画像群データを再生して表示する表示手段3,6とを備えた運行管理装置1において、画像群データ再生を一時停止させるとともに予め登録される文字情報を表示させる文字表示手段61,62を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運行管理装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
運行履歴データを生成する運行状況記憶装置は、車両に設置される車載カメラと、車両の加速度を検出する加速度センサと、車載カメラが撮影した画像を常時記憶する記憶手段とを備え、加速度が危険水準である閾値を一定時間以上継続して超える場合にこれを条件(トリガ)とし、記憶手段に記憶していた画像を読み込んでトリガ検出前後の画像データを記憶媒体に記録するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、記憶媒体には、車両に作用する加速度が危険水準に達した時に車載カメラが撮影した画像データが含まれる画像群データと当該画像群データに関連付けられる車両の走行状態を示す走行データおよび走行位置データとを含む運行履歴データが記録され、この運行履歴データは上記条件を成就した回数分のだけ記録される。
【0004】
また、危険水準である閾値を旋回時のスピードの出しすぎや事故に到らないまでも急ブレーキをした時などに検出される加速度値に設定することで、運行履歴データは、車両事故発生時以外にも、運転中にヒヤッとしたりハッとしたりする運転状況、いわゆるヒヤリハット時にも生成されるようになっている。
【0005】
他方、運行管理装置にあっては、たとえば、運行履歴データが記録される記憶媒体から当該運行履歴データを読み出す読出手段と、読み出した運行履歴データを記憶する記憶手段と、運行履歴データに含まれる画像群データを再生して表示する表示手段とを備えて構成され(たとえば、特許文献2参照)、特に、タクシーやバス、鉄道等の事業を営む会社等における運行管理作業者によって運行履歴データの参照や解析の目的で使用される場合が多く、運行管理作業の支援を主たる目的としている。
【特許文献1】特開2005−165805号公報(段落番号0020〜0033,図1)
【特許文献2】特開2000−171267号公報(図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
運行管理装置は、主として運行管理作業者による運行管理作業を容易にすることを目的としているが、上述のように、運行管理装置の記憶手段には、運行履歴データが日々蓄積されることになる。
【0007】
そして、この運行履歴データは、事故発生時以外にもヒヤリハット時にも生成されることから、運行管理作業者にとって有用なデータであるのみならず、車両運転者にとっても有用なデータであり、車両運転者も当該運行管理装置内に蓄積された運行管理データを参照することが好ましい。
【0008】
また、特に、タクシー等の事業を営む事業組織においては、運行履歴データが生成されることが無いように車両運転者を指導することが望まれ、その場合には多くの車両運転者を集めて研修することが効率的であり、また、このような研修では、運行履歴データに含まれる画像データを参照しながら、運行履歴データが生成されるに至った状況を説明し、このような運行履歴データが生成されないように運転を改善するように指導するほうが学習効果の点でも好ましい。
【0009】
しかし、研修を行う際に、運行管理装置の操作に長けた運行管理作業者であれば問題ないが、講師担当者が運行管理作業者と同一人物ではない場合も多く、そうすると講師担当者にも運行管理装置の操作について精通させる必要があり、講師担当者の負担が大きくなり、講師担当者に運行管理装置の操作に精通させることも非効率となり、さらには、講師担当者に対する指導も面倒な作業となる。
【0010】
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、操作に精通せずとも容易に運行履歴データを用いた研修が可能な運行管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題解決手段における運行管理装置は、車両の走行状態を示す走行データが危険水準に達した時に車載カメラが撮影した画像データが含まれる画像群データと当該画像群データに関連付けられる走行データおよび走行位置データとを含む運行履歴データが記録される記憶媒体から当該運行履歴データを読み出す読出手段と、読み出した運行履歴データを記憶する記憶手段と、運行履歴データに含まれる画像群データを再生して表示する表示手段と、画像群データ再生を一時停止させるとともに予め登録される文字情報を表示させる文字表示手段を備えた。
【発明の効果】
【0012】
本発明の運行管理装置によれば、運行管理用途に向くだけでなく、研修用にも使用可能で、研修の講師担当者に負担を強いることなく、研修の準備および研修の実行が可能となるので、運行管理装置の操作に精通せずとも容易に運行履歴データを用いた研修が可能となるのである。
【0013】
さらに、運行管理装置は、多人数の研修に向くだけでなく、操作に精通することなく運行履歴データの参照が可能であるので、車両運転者に個別に運行履歴データを参照させて車両運転者の指導に役立てることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における運行管理装置のシステム構成を示す図である。図2は、運行履歴データを生成して記憶媒体に記録するドライブレコーダのシステム構成を示す図である。図3は、画像群データの再生を一時停止した状態における表示手段の表示画面を示す図である。
【0015】
運行管理装置1は、CPU(Central Prossesing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、CPUに記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)およびCPUが実行するアプリケーションやオペレーティングシステム等のプログラムを格納するハードディスク等の記憶装置とを備え、BIOSやオペレーティングシステム等の制御プログラムによって動作する周知のコンピュータシステムによって実現される。
【0016】
そして、この運行管理装置1は、図1に示すように、運行履歴データが記録される記憶媒体10を保持して当該記憶媒体10から運行履歴データを読み出すことが可能なデータ読出部2と、運行履歴データの取り扱いに必要となる画面や運行履歴データに含まれる画像群データの再生画面を表示する表示装置3と、運行管理データの取り扱いに必要となるデータの入力を可能とする入力装置4と、CPUが運行管理用のアプリケーションプログラムと制御プログラムとを実行することで実現される、データ処理部5と、運行履歴データに含まれる画像群データを再生する再生部6と、運行履歴データおよび各種プログラムが格納される記憶部7と、各種設定および編集を行う設定編集部8と、これら各部間のデータの入出力を制御する入出力制御部9とを備えて構成されている。
【0017】
他方、記憶媒体10に記録される運行履歴データは、運行管理装置1の管理対象となる車両に搭載されるドライブレコーダ11によって生成されて、当該記憶媒体10に記録される。
【0018】
このドライブレコーダ11は、図2に示すように、車両に設置される車載カメラ12と、車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段13と、車両の走行速度を検出する速度検出手段14と、GPS受信装置15と、車載カメラ12が撮影した画像データと当該画像データに車両に作用する加速度データ、速度データ、日時、さらには車両の緯度および経度の走行位置データを関連付けて常時記憶する記憶装置16と、記憶媒体10を保持して記憶媒体10からデータの読み出しおよびデータの書き込みが可能な保持部17と、制御部18と、を備えて構成されている。そして、特に、危険水準の判断に当たって使用される走行データは、この場合、加速度とされている。
【0019】
そして、このドライブレコーダ11にあっては、制御部18が検出した加速度が危険水準に達したか否かを判断し、記憶装置16内に格納されている加速度が危険水準に達した時に車載カメラ12が撮影した画像データが含まれる画像群データと、当該画像群データに関連付けられる車両の走行状態を示す走行データである加速度データと速度データ、日時、走行位置データとを抽出してこれらを一つの運行履歴データとして生成し、この運行履歴データが保持部17を介して記憶媒体10に記録される。
【0020】
また、制御部18は、常時作動の車載カメラ12が撮影した画像を動画として取り込み、この動画から所定のフレームレートで静止画像を切り取り、この静止画像を所定の圧縮形式、たとえば、JPEGやGIF等の圧縮形式の画像データを生成する。なお、フレームレートを大きくしすぎると、1秒間に生成される画像データの容量が大きくなりすぎて、大容量の記憶装置が必要となることから、車両事故時の検証に画像データが不足することにならない程度、具体的にはたとえば、5〜10フレーム毎秒程度に設定されている。
【0021】
そして、運行履歴データに含まれる画像群データは、加速度が危険水準に達した時を基準として、その前後の所定範囲内に車載カメラ12によって撮影された画像データの集合であり、所定範囲は、たとえば、加速度が危険水準に達した時の前10秒、後20秒程度とされて、合計30秒程度とされる。
【0022】
また、加速度検出手段13は、基本的には、車両の前後左右の2軸の加速度を検知し、制御部18は、この前後方向の加速度の絶対値および横方向の加速度の絶対値のいずれかがそれぞれに対応して設定される閾値以上となると、加速度が危険水準に達していると判断するようになっており、上記閾値はヒヤリハット時に検出されるであろう加速度の値に設定され、運行履歴データは、事故発生時以外にもヒヤリハット時にも生成されて記憶媒体10に記録されるようになっている。
【0023】
戻って、運行管理装置1の各部について、詳しく説明すると、データ読出部2は、記憶媒体10の形式に適するものを採用することが可能であり、たとえば、記憶媒体10がカード形式でデータ受け渡し用の端子を備えている場合にあっては、カードを収容保持した状態で記憶媒体10の端子に接続される端子を備えるようにすれば良く、また、記憶媒体10がCD−ROMやDVD等の光ディスクである場合には、データ読出部2は、光ディスクを内部に収容して光ディスクにアクセスしてデータを読書きすることが可能なディスクドライブ装置とすれば良い。
【0024】
表示装置3は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)、エレクトロルミネッセンス、CRT(Cathode Ray Tube)等を使用すればよい。
【0025】
データ処理部5は、記憶媒体10に記録されている運行履歴データを読み込んで、運行履歴データを統計処理し、運行履歴データが採取された走行位置の頻度を求める頻度解析部51と、読み出した運行履歴データのうち頻度が大きい走行位置で採取される運行履歴データを記憶部7に作成される研修用フォルダ71に保存させる分類保存部52と、危険判断部53とを備えて構成されている。なお、分類保存部52は、頻度が小さい走行位置で採取される運行履歴データについては通常の管理用フォルダ72に保存するととともに、上記研修用フォルダ71に保存される運行履歴データについてもこの管理用フォルダ72にも運行管理用として保存される。
【0026】
頻度解析部51は、具体的には、運行履歴データから車両の走行位置データを抽出し、走行位置が過去に記憶部7の管理用フォルダ72内に取り込んだ運行履歴データの採取位置の統計から、運行履歴データが採取される走行位置の頻度(回数)を求め、この走行位置の頻度(回数)が所定の閾値以上である場合には、当該運行履歴データが採取された走行位置は危険区域であると判断する。基本的には、頻度解析部51が使用する走行位置データは、加速度が危険水準に達した時の走行位置とすればよいが、上述のように運行履歴データは30秒程度の走行状態等と画像群のデータの集合であり、車両が走行を継続していると走行位置データは30秒間の間で刻々と変化するが、この30秒分の走行位置データを統計処理してもよい。
【0027】
なお、この頻度解析部51による処理は、運行履歴データ毎に実行され、走行位置の頻度(回数)を更新し、記憶部7に走行位置の頻度のデータを別途頻度解析用のデータとして保存させる。また、走行位置の認識についてであるが、厳密に、緯度と経度とが完全一致した位置を同じ位置として認識させるようにしてもよいが、所定の面積範囲に区画された地図データと照合して、同じ面積範囲内にある場合には、同じ走行位置として扱うようにしてもよい。
【0028】
つづいて、分類保存部52は、頻度解析部51が危険区域であると判断した走行位置で採取された運行履歴データを、二つ複製し、一つは研修用途の使用に供するべく研修用フォルダ71に保存し、もう一つを運行管理用途の使用に供するべく管理用フォルダ72に保存する。頻度解析部51が危険区域であると判断しない場合には、運行履歴データを管理用フォルダ72にのみ保存する。
【0029】
さらに、分類保存部52は、上述したところとは別に、危険判断部53が車両の走行状態が危険であると判断した運行履歴データについては、上記と同様に、一つを研修用途の使用に供するべく研修用フォルダ71に保存し、もう一つを運行管理用途の使用に供するべく管理用フォルダ72に保存する。
【0030】
この危険判断部53は、運行履歴データにおける走行データである加速度が危険水準を所定量上回ることをもってしてこれを走行状態が危険であると判断する。なお、所定量については、後述する設定編集部8によって設定され、運行管理作業者が入力装置4からその値を入力して編集することができるようになっている。
【0031】
さらに、再生部6は、研修用フォルダ71および管理用フォルダ72に保存された運行履歴データに含まれる画像群データを読み込んで、表示装置3に画像群データを再生して表示させることができるようになっており、再生部6は、一時停止処理部61と、文字表示部62とを含んでいる。したがって、本実施の形態における運行管理装置1における表示手段は表示装置3および再生部6で構成されている。
【0032】
そして、特に、研修用フォルダ71の画像群データを再生する際には、図3に示すように、表示装置3の画面上の画像表示領域34の邪魔とならない任意の位置に一時停止ボタン31を表示させ、この一時停止ボタンが入力装置4に備え付けのマウス41のクリック操作によって押されると、一時停止処理部61における処理が実行され、画像群データの再生を一時停止させるようになっている。
【0033】
なお、入力装置4のキーボード42に備え付けの任意のキーに一時停止の実行命令の入力を割り当てておき、当該キーの押圧操作によって一時停止を実行するようにしておいてもよい。
【0034】
さらに、予め、一時停止させるタイミングを画像データに関連付けを行っておけば、自動的に再生を一時停止させることもできるようになっている。なお、この関連付けは、後述の設定編集部8によって設定可能である。
【0035】
この一時停止処理部61における一時停止処理が実行されると、つづいて、図3に示すように、文字表示部62が表示装置3の画面A上の任意の位置に設定される文字表示領域35に予め登録される文字情報を表示する。すなわち、文字表示手段は一停止処理部61と文字表示部62とで構成されている。この文字情報は、設定編集部8によって登録され、記憶部7内に格納され、文字表示部62は、記憶部7内に格納された文字情報を読み込んで表示装置3の画面上に当該文字情報を表示する。文字情報は、文字や記号あるいはそれらの列からなり、具体的には、車両運転者に対する安全運転等の指導、研修時に、一時停止されて静止されて表示される画像に適した質問、当該質問に対する答え、注意事項等とすると、画像と文字情報とを利用して車両運転者の理解を深めることができ研修効果を高めることができる。なお、文字表示部62で表示させる文字情報は、複数登録することができるようにしてあり、一時停止時に、複数の文字情報から選択して表示装置3の画面上に表示できるようになっている。
【0036】
また、このように、画像群データの再生中に一時停止処理が実行されると文字情報が表示されるようになっているので、走行データである車両に作用する加速度が危険水準に達した時の画像データを再生する前の任意の画像データに一時停止処理のタイミングを関連付けるようにしておけば、研修時に、適時に研修効果を高める質問等の文字情報を自動的に表示させることができて非常に便利となる。さらに、車両に作用する加速度が危険水準に達した時の画像データを再生する前にスロー再生に切換わるようにしてもよい。車両事故や走行時の危険状態に至るまでは瞬時の出来事であるので研修受講者にとって如何にして事故発生や危険状態に陥ったかが理解しにくい場合があるが、スロー再生させることによって、事故時や危険状態に至るまでの過程をはっきりと研修受講者に認識させることができ、研修効果を高めることが可能となる。
【0037】
なお、この一時停止後に、図3に示すように、表示装置3の画面A上の画像表示領域34の邪魔とならない任意の位置に表示した再生ボタン32をマウス41のクリック操作によって押すことにより、文字情報の表示を消し、画像群データの再生を再開することができ、また、一時停止ではなく、マウス41で操作可能な画像群データの再生を停止させる停止ボタン33も同様に画面上に表示される。また、再生部6は、画像群データを再生中に、運行履歴データに含まれる加速度データや速度データの数値やグラフをもデータ表示領域36に表示するようになっており、研修受講者の車両の走行状況の理解を助けるようになっている。
【0038】
設定編集部8は、記憶媒体10に当該記憶媒体10の使用者ID、ドライブレコーダ11で使用する加速度の閾値等の各種設定、運行管理上必要となる運行履歴データの編集削除を行うとともに、上述したように、文字表示部62で使用する文字情報を予め設定登録するものである。この各種設定編集に当たっては、運行管理作業者あるいは研修の講師担当者が入力装置4から必定事項を指定して文字情報等の入力、編集等を行えるようになっている。
【0039】
また、研修用フォルダ71に保存された運行履歴データに一時停止時に表示させる文字情報を関連付ける設定が可能とされ、さらには、一時停止時に表示させる文字情報の関連付けは、運行履歴データ中の任意の画像データあるいは画像群データに対しても行え、これによって、画像群データの再生中に一時停止させると、自動的に関連付けをしておいた文字情報を表示させることも可能とされている。
【0040】
上述のように構成された運行管理装置1では、研修時には、講師担当者は、研修用フォルダ71に保存されている運行履歴データを指定して画像群データを再生すれば、研修を行うことが可能となる。したがって、運行管理用の特別な操作を行う必要がなく、研修を行うことができ、研修の実施が非常に簡単となり、講師担当者の負担が軽減される。
【0041】
また、画像群データの再生表示の最中に、一時停止を実行すると研修時に伝達が必要となる文字情報を表示することが可能となるので、適時に文字情報を画面上に表示させて、研修を受講する車両運転者等の理解を深めることができ、研修効果を高めるとともに、講師担当者は一度の操作で文字情報を表示させることができるので、運行管理装置1の操作作業の煩わしさがなく、講師担当者は研修に専念することが可能となる。
【0042】
さらに、運行管理装置1では、記憶媒体10から運行履歴データを読み込む際に、危険区域における運行履歴データや危険走行時の運行履歴データを自動的に分類して研修用フォルダ71に保存するので、講師担当者は、全ての運行履歴データを参照する必要がなく、研修用フォルダ71に保存された運行履歴データから研修に使用するデータを選択すればよいので、研修の準備が非常に容易となる。
【0043】
また、研修用フォルダ71の操作時には、一時停止中に表示させる文字情報の登録、表示させる文字情報の画像データへの関連付け、一時停止させるタイミング等の簡単な操作のみを可能としておけばよいので、運行管理装置1の操作に精通しなくとも、講師担当者は操作に迷わず、研修準備作業を行うことが可能となる。
【0044】
したがって、本実施の形態における運行管理装置1によれば、運行管理用途に向くだけでなく、研修用にも使用可能で、研修の講師担当者に負担を強いることなく、研修の準備および研修の実行が可能となるので、運行管理装置1の操作に精通せずとも容易に運行履歴データを用いた研修が可能となるのである。
【0045】
さらに、運行管理装置1は、多人数の研修に向くだけでなく、操作に精通することなく運行履歴データの参照が可能であるので、車両運転者に個別に運行履歴データを参照させて車両運転者の指導に役立てることも可能である。
【0046】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】一実施の形態における運行管理装置のシステム構成を示す図である。
【図2】運行履歴データを生成して記憶媒体に記録するドライブレコーダのシステム構成を示す図である。
【図3】画像群データの再生を一時停止した状態における表示手段の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 運行管理装置
10 記憶媒体
2 データ読出部
3 表示装置
31 一時停止ボタン
32 再生ボタン
33 停止ボタン
34 画像表示領域
35 文字表示領域
36 データ表示領域
4 入力装置
41 マウス
42 キーボード
5 データ処理部
51 頻度解析部
52 分類保存部
53 危険判断部
6 再生部
61 一時停止処理部
62 文字表示部
7 記憶部
71 研修用フォルダ
72 管理用フォルダ
8 設定編集部
9 入出力制御部
11 ドライブレコーダ
12 車載カメラ
13 加速度検出手段
14 速度検出手段
15 GPS受信装置
16 記憶装置
17 保持部
18 制御部
A 表示装置における画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状態を示す走行データが危険水準に達した時に車載カメラが撮影した画像データが含まれる画像群データと当該画像群データに関連付けられる走行データおよび走行位置データとを含む運行履歴データが記録される記憶媒体から当該運行履歴データを読み出す読出手段と、読み出した運行履歴データを記憶する記憶手段と、運行履歴データに含まれる画像群データを再生して表示する表示手段とを備えた運行管理装置において、画像群データ再生を一時停止させるとともに予め登録される文字情報を表示させる文字表示手段を備えたことを特徴とする運行管理装置。
【請求項2】
運行履歴データを統計処理して、運行履歴データが採取された走行位置の頻度を求める頻度解析手段と、読出手段で読み出した運行履歴データのうち頻度が大きい走行位置で採取される運行履歴データを記憶手段に作成される研修用フォルダに保存させる分類保存手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の運行管理装置。
【請求項3】
運行履歴データにおける走行データが危険水準を所定量上回ると当該運行履歴データを記憶手段に作成される研修用フォルダに保存させる分類保存手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の運行管理装置。
【請求項4】
画像群データは、走行データが危険水準に達した時の前後の所定範囲内に車載カメラで撮影された画像データの集合であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の運行管理装置。
【請求項5】
画像群データを再生すると、走行データが危険水準に達した時の画像データを再生する前にスロー再生に切換わることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の運行管理装置。
【請求項6】
文字表示手段は、走行データが危険水準に達した時の画像データを再生する前に画像群データの再生を一時停止することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の運行管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−65361(P2008−65361A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239116(P2006−239116)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】