説明

運転支援システム及び連結車両

【課題】低コストで、トレーラの予想移動軌跡を表示する。
【解決手段】トラクタとトレーラから成る連結車両のトレーラ側にカメラを設置する。カメラは、トレーラの後方を撮影する。運転支援システムは、各撮影画像を路面に平行な鳥瞰図座標上に投影することによって各撮影画像を鳥瞰図画像に変換する一方で、複数の撮影画像から成る動画像のオプティカルフローを鳥瞰図座標上で導出する。このオプティカルフローとトラクタの移動情報からトラクタとトレーラの連結角を推定し、更に、連結角とトラクタの移動情報からトレーラの移動予想軌跡を導出する。そして、この移動予想軌跡を鳥瞰図画像に重畳した画像を表示装置に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結車両の運転を支援するための運転支援システムに関する。また、本発明は、その運転支援システムを利用した連結車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の安全意識の高まりに伴って、車両にカメラを搭載することが多くなっている。この傾向は、普通乗用車だけでなく産業用車両に対しても当てはまる。特に、トラクタ及び該トラクタによって牽引されるトレーラから構成される連結車両は、その運転が比較的難しく、カメラを用いた運転支援が有益である。この種の連結車両では、トレーラが連結部を支点として折れ曲がるが、トラクタが動いた場合にトレーラの後端部がどのように動くかを運転者は認識しにくい。
【0003】
このような事情を考慮し、カメラを用いて連結車両の運転を支援する技術が幾つか提案されている。例えば、下記特許文献1には、牽引車の後方と被牽引車の後方にカメラを1台ずつ設置し、被牽引車の予想移動軌跡を求めて、それを被牽引車の後方の画像に重畳して表示する技術が開示されている。しかしながら、この技術では、2台のカメラが必須となるため、システム全体のコストが高くなる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−256544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、低コストで良好に車両運転を支援することのできる運転支援システムを提供することを目的とする。また、本発明は、その運転支援システムを利用した連結車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明に係る第1の運転支援システムは、第1車両と該第1車両に連結される第2車両とから成る連結車両の前記第2車両側に設置された、前記第2車両の後方を撮影するカメラを備え、前記カメラから時系列で並ぶ複数の撮影画像を取得し、各撮影画像から生成した表示用画像を表示装置に対して出力する運転支援システムにおいて、前記複数の撮影画像にて形成される動画像のオプティカルフローを導出する動き検出手段と、前記オプティカルフロー及び入力された前記第1車両の移動情報に基づいて、前記第1車両と前記第2車両の連結角を推定する連結角推定手段と、前記連結角及び前記第1車両の移動情報に基づいて、前記第2車両の予想移動軌跡を導出する移動軌跡推定手段と、を備え、前記撮影画像に基づく画像に対して前記予想移動軌跡に応じた指標を重畳することによって前記表示用画像を生成することを特徴とする。
【0007】
これにより、第2車両の予想移動軌跡を映像にて確認することが可能となり、運転者による運転操作が支援される。また、第2車両側にカメラを設置すれば足るため、低コストである。
【0008】
具体的には例えば、第1の運転支援システムは、各撮影画像を所定の鳥瞰図座標上に投影することによって前記複数の撮影画像を複数の鳥瞰図画像に変換する座標変換手段を更に備え、前記動き検出手段によって導出される前記オプティカルフローは、前記鳥瞰図座標上のオプティカルフローである。
【0009】
また具体的には例えば、第1の運転支援システムにおいて、前記第1車両の移動情報は、前記第1車両の移動方向及び移動速度を表す情報を含み、前記連結角推定手段は、前記第1車両の移動情報に基づいて前記鳥瞰図座標上における前記第1車両の移動方向及び移動量を表すベクトルを導出し、前記ベクトルと前記オプティカルフローとに基づいて前記連結角を推定する。
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る第2の運転支援システムは、第1車両と該第1車両に連結される第2車両とから成る連結車両の前記第2車両側に設置された、前記第2車両の後方を撮影するカメラを備え、前記カメラから時系列で並ぶ複数の撮影画像を取得し、各撮影画像から生成した表示用画像を表示装置に対して出力する運転支援システムにおいて、前記複数の撮影画像にて形成される動画像のオプティカルフローを導出する動き検出手段と、前記オプティカルフローから前記第2車両の移動方向を推定する移動方向推定手段と、を備え、その推定結果を前記表示用画像に反映させる。
【0011】
これにより、第2車両の移動方向を映像にて確認することが可能となり、運転者による運転操作が支援される。また、第2車両側にカメラを設置すれば足るため、低コストである。
【0012】
具体的には例えば、第2の運転支援システムは、各撮影画像を所定の鳥瞰図座標上に投影することによって前記複数の撮影画像を複数の鳥瞰図画像に変換する座標変換手段を更に備え、前記動き検出手段によって導出される前記オプティカルフローは、前記鳥瞰図座標上のオプティカルフローである。
【0013】
また例えば、第2の運転支援システムは、前記オプティカルフロー及び入力された前記第1車両の移動情報に基づいて、前記第1車両と前記第2車両の連結角を推定する連結角推定手段を更に備え、前記連結角の推定結果を前記表示用画像に反映させる。
【0014】
また例えば、第2の運転支援システムにおいて、前記第1車両の移動情報は、前記第1車両の移動方向及び移動速度を表す情報を含み、前記連結角推定手段は、前記第1車両の移動情報に基づいて前記鳥瞰図座標上における前記第1車両の移動方向及び移動量を表すベクトルを導出し、前記ベクトルと前記オプティカルフローとに基づいて前記連結角を推定する。
【0015】
また例えば、第1又は第2の運転支援システムは、推定された前記連結角と所定の閾値角度との比較結果に応じた報知を外部に対して行う報知手段を更に備えている。
【0016】
上記目的を達成するために本発明に係る連結車両は、第1車両と該第1車両に連結される第2車両とから成り、上記の何れかに記載の運転支援システムが設置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、低コストで良好に車両運転を支援することができる。
【0018】
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。後に第1〜第6実施例を説明するが、まず、各実施例に共通する事項又は各実施例にて参照される事項について説明する。
【0020】
図1に、本発明の実施形態に係る運転支援システムの構成ブロック図を示す。図1の運転支援システムは、カメラ1と、画像処理装置2と、表示装置3と、を備える。カメラ1は、撮影を行い、撮影によって得られた画像を表す信号を画像処理装置2に出力する。画像処理装置2は、カメラ1から得た画像より表示用画像を生成する。画像処理装置2は、生成した表示用画像を表す映像信号を表示装置3に出力し、表示装置3は、与えられた映像信号に従って表示用画像を映像として表示する。
【0021】
カメラ1の撮影によって得られた画像そのものは、レンズ歪みの影響を受けていることが多い。従って、画像処理装置2は、カメラ1の撮影によって得られた画像そのものに対してレンズ歪み補正を施し、レンズ歪み補正後の画像に基づいて表示用画像の生成を行う。このレンズ歪み補正後の画像を、以下、撮影画像と呼ぶことにする。レンズ歪み処理が不要である場合には、カメラ1の撮影によって得られた画像そのものが、撮影画像である。尚、撮影画像をカメラ画像と読み替えてもよい。
【0022】
図2は、図1の運転支援システムが設置される連結車両10の外観側面図である。連結車両10は、トラクタ11と、トラクタ11に連結され、トラクタ11によって牽引されるトレーラ12と、から成る。符合13はトレーラ12に設けられた車輪を表す。一般的に、車輪13はトレーラ12の後輪と呼ばれる。車輪13は2つ設けられており、一方の車輪13はトレーラ12の左側に他方の車輪13はトレーラ12の右側に配置されている。また、トレーラ12の後方上端部に、カメラ1が設置され、カメラ1はトレーラ12の周辺を撮影する。
【0023】
連結車両10は、路面上に配置され、路面上を走行する。以下、路面は水平面に平行であるものとする。また、単に「高さ」といった場合、それは、路面を基準とした高さを意味するものとする。また、本実施形態において、地面と路面は同義である。また、車両に対する一般的な解釈と同様、トレーラ12からトラクタ11を見た方向を前方向とし、トラクタ11からトレーラ12を見た方向を後方向とする。
【0024】
カメラ1として、例えばCCD(Charge Coupled Devices)を用いたカメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いたカメラが用いられる。画像処理装置2は、例えば集積回路から形成される。表示装置3は、液晶ディスプレイパネル等から形成される。カーナビゲーションシステムなどに含まれる表示装置を、運転支援システムにおける表示装置3として流用しても良い。また、画像処理装置2は、カーナビゲーションシステムの一部として組み込まれうる。画像処理装置2及び表示装置3は、例えば、トラクタ11内部の運転席付近に設置される。
【0025】
図3も、図2と同じく、連結車両10の外観側面図である。但し、カメラ1の傾き角度を明示するために、図3では、カメラ1を拡大図示すると共にトレーラ12の模様を図2のそれから変化させている。カメラ1は、トレーラ12の後方斜め下向きに設置され、カメラ1の視野内に、トレーラ12の後方に位置する路面や立体物が収まる。水平面とカメラ1の光軸とのなす角は、図3にθで表される角度と、θ2で表される角度との2種類がある。角度θ2は、一般的には、見下ろし角または俯角と呼ばれている。今、角度θを、水平面に対するカメラ1の傾き角度として捉える。90°<θ<180°且つθ+θ2=180°、が成立する。
【0026】
図4及び図5の夫々は、連結車両10を上方から見た平面図である。図4及び図5では、図示の簡略化上、トラクタ11及びトレーラ12を単なる四角形で表している。図4は、トラクタ11とトレーラ12の成す角(以下、「連結角」という)が0°である時における平面図であり、図5は連結角が0°でない時における平面図である。連結角が0°である時、トラクタ11とトレーラ12は一直線上に並ぶ(トラクタ11とトレーラ12の各車体は一直線上に並ぶ)。
【0027】
符号14は、トラクタ11とトレーラ12との連結部である。トレーラ12は、連結部14にてトラクタ11と連結される。トレーラ12は、連結部14を支点にして、トラクタ11に対して屈曲する。トラクタ11及びトレーラ12を水平面上に射影した二次元平面において、トラクタ11の車体の中心線21とトレーラ12の車体の中心線22との成す角が、上記の連結角に相当し、この連結角をθCNで表す。尚、中心線21及び中心線22は、連結車両10が真っ直ぐ前進している時における連結車両10の進行方向に平行な中心線である。
【0028】
トラクタ11及びトレーラ12を上方から見た場合において、連結部14を支点にしてトレーラ12が反時計回り方向に屈曲する場合に現れる連結角θCNを正とする。従って、連結車両10が直進している状態から右折しようとする際に表れる連結角θCNは、正となる。
【0029】
[鳥瞰図画像の生成方法]
図1の画像処理装置2は、座標変換を用いて、撮影画像を鳥瞰図画像に変換する機能を備える。撮影画像から鳥瞰図画像を生成するための座標変換を「鳥瞰変換」と呼ぶ。この鳥瞰変換の手法について説明する。
【0030】
図6は、カメラ座標系XYZと、カメラ1の撮像面Sの座標系Xbubuと、2次元地面座標系Xw w を含む世界座標系Xw w w との関係を示している。座標系Xbubuは、撮影画像が定義される座標系である。
【0031】
カメラ座標系XYZは、X軸、Y軸及びZ軸を座標軸とする三次元の座標系である。撮像面Sの座標系Xbubuは、Xbu軸及びYbu軸を座標軸とする二次元の座標系である。2次元地面座標系Xw wは、Xw軸及びZw軸を座標軸とする二次元の座標系である。世界座標系Xw wwは、Xw軸、Yw軸及びZw軸を座標軸とする三次元の座標系である。
【0032】
以下、カメラ座標系XYZ、撮像面Sの座標系Xbubu、2次元地面座標系Xw w 及び世界座標系Xw w w を、夫々、単にカメラ座標系、撮像面Sの座標系、2次元地面座標系及び世界座標系と略記することがある。
【0033】
カメラ座標系XYZでは、カメラ1の光学中心を原点Oとして、光軸方向にZ軸がとられ、Z軸に直交しかつ地面に平行な方向にX軸がとられ、Z軸およびX軸に直交する方向にY軸がとられている。撮像面Sの座標系Xbubuでは、撮像面Sの中心に原点をとり、撮像面Sの横方向にXbu軸がとられ、撮像面Sの縦方向にYbu軸がとられている。
【0034】
世界座標系Xw w w では、カメラ座標系XYZの原点Oを通る鉛直線と地面との交点を原点Ow とし、地面と垂直な方向にYw 軸がとられ、カメラ座標系XYZのX軸と平行な方向にXw 軸がとられ、Xw 軸およびYw 軸に直交する方向にZw 軸がとられている。
【0035】
w 軸とX軸との間の平行移動量はhであり、その平行移動の方向は鉛直線方向である。Zw 軸とZ軸との成す鈍角の角度は、傾き角度θと一致する。h及びθの値は予め設定され、画像処理装置2に与えられる。
【0036】
カメラ座標系XYZにおける画素の座標値を(x,y,z)と表記する。x、y及びzは、夫々、カメラ座標系XYZにおける、X軸成分、Y軸成分及びZ軸成分である。
世界座標系Xw w wにおける画素の座標値を(xw ,yw ,zw )と表記する。xw 、yw 及びzwは、夫々、世界座標系Xw w wにおける、Xw軸成分、Yw軸成分及びZw軸成分である。
二次元地面座標系Xw w における画素の座標値を(xw ,zw )と表記する。xw及びzwは、夫々、二次元地面座標系Xw wにおける、XW軸成分及びZW軸成分であり、それらは世界座標系Xw w wにおけるXW軸成分及びZW軸成分と一致する。
撮像面Sの座標系Xbubuにおける画素の座標値を(xbu,ybu)と表記する。xbu及びybuは、夫々、撮像面Sの座標系Xbubuにおける、Xbu軸成分及びYbu軸成分である。
【0037】
カメラ座標系XYZの座標値(x,y,z)と世界座標系Xw w w の座標値(xw ,yw ,zw )との間の変換式は、次式(1)で表される。
【0038】
【数1】

【0039】
ここで、カメラ1の焦点距離をfとする。そうすると、撮像面Sの座標系Xbubuの座標値(xbu,ybu)と、カメラ座標系XYZの座標値(x,y,z)との間の変換式は、次式(2)で表される。
【0040】
【数2】

【0041】
上記式(1)及び(2)から、撮像面Sの座標系Xbubuの座標値(xbu,ybu)と二次元地面座標系Xw w の座標値(xw ,zw )との間の変換式(3)が得られる。
【0042】
【数3】

【0043】
また、図6には示されていないが、鳥瞰図画像についての座標系である鳥瞰図座標系Xauauを定義する。鳥瞰図座標系Xauauは、Xau軸及びYau軸を座標軸とする二次元の座標系である。鳥瞰図座標系Xauauにおける画素の座標値を(xau,yau)と表記する。鳥瞰図画像は、二次元配列された複数の画素の画素信号によって表され、鳥瞰図画像上における各画素の位置は座標値(xau,yau)によって表される。xau及びyauは、それぞれ鳥瞰図座標系XauauにおけるXau軸成分及びYau軸成分である。
【0044】
鳥瞰図画像は、実際のカメラ1の撮影を介して得られた撮影画像を仮想カメラの視点(以下、仮想視点という)から見た画像に変換したものである。より具体的には、鳥瞰図画像は、撮影画像を、地上面を鉛直方向に見下ろした画像に変換したものである。この種の画像変換は、一般に、視点変換とも呼ばれる。
【0045】
地面と一致する、二次元地面座標系Xw w が定義される平面は、鳥瞰図座標系Xauauが定義される平面と平行である。従って、二次元地面座標系Xw w から仮想カメラの鳥瞰図座標系Xauauへの投影は、平行投影によって行われる。仮想カメラの高さ(即ち、仮想視点の高さ)をHとすると、二次元地面座標系Xw w の座標値(xw ,zw )と鳥瞰図座標系Xauauの座標値(xau,yau)との間の変換式は、次式(4)で表される。仮想カメラの高さHは予め設定されている。更に、式(4)を変形することにより、下式(5)が得られる。
【0046】
【数4】

【0047】
【数5】

【0048】
得られた式(5)を上記式(3)に代入すると、次式(6)が得られる。
【0049】
【数6】

【0050】
上記式(6)から、撮像面Sの座標系Xbubuの座標値(xbu,ybu)を、鳥瞰図座標系Xauauの座標値(xau,yau)に変換するための次式(7)が得られる。
【0051】
【数7】

【0052】
撮像面Sの座標系Xbubuの座標値(xbu,ybu)は、撮影画像における座標値を表すため、上記式(7)を用いることによって撮影画像を鳥瞰図画像に変換することができる。
【0053】
即ち、式(7)に従って、撮影画像の各画素の座標値(xbu,ybu)を鳥瞰図座標系の座標値(xau,yau)に変換することにより、鳥瞰図画像を生成することができる。鳥瞰図画像は、鳥瞰図座標系に配列された各画素から形成される。
【0054】
実際には、式(7)に従って、撮影画像上の各画素の座標値(xbu,ybu)と鳥瞰図画像上の各画素の座標値(xau,yau)との対応関係を示すテーブルデータを作成しておき、これを図示されないメモリ(ルックアップテーブル)に予め格納しておく。そして、このテーブルデータを用いて撮影画像を鳥瞰図画像に変換するようにする。勿論、撮影画像が得られる度に式(7)に基づく座標変換演算を行って鳥瞰図画像を生成するようにしても構わない。
【0055】
以下に、図1の運転支援システムの動作内容を詳細に説明する実施例として、第1〜第6実施例を説明する。或る実施例に記載した事項は、矛盾なき限り、他の実施例にも適用される。尚、以下の説明では、鳥瞰図座標系を、単に鳥瞰図座標と呼ぶこともあるが、両者は同義である。
【0056】
<<第1実施例>>
まず、第1実施例について説明する。図1の画像処理装置2は、カメラ1から所定の周期にて撮影画像を取得し、順次得られる撮影画像から表示用画像を順次生成して、最新の表示用画像を表示装置3に対して出力する。これにより、表示装置3には、最新の表示用画像が更新表示される。
【0057】
図7を参照して、1つの表示用画像を生成するための動作の流れを説明する。図7は、この動作の流れを表すフローチャートである。図7に示すステップS11〜S17の各処理は、図1の画像処理装置2にて実行される。
【0058】
本発明に係る特徴的な表示用画像を生成するためには、異なる時刻で撮影された複数の撮影画像が必要である。そこで、画像処理装置2は、異なる時刻に撮影された複数の撮影画像を取り込み、この複数の撮影画像を後段の処理にて参照する(ステップS11)。今、取り込んだ複数の撮影画像が、時刻t1の撮影によって得られた撮影画像(以下、単に、時刻t1の撮影画像という)と、時刻t2の撮影によって得られた撮影画像(以下、単に、時刻t2の撮影画像という)と、を含むものとする。時刻t1の後に時刻t2が訪れるものとする。また更に、時刻t1−t2間において、連結車両10が移動しているものとする。従って、時刻t1におけるカメラ1の視点と時刻t2におけるカメラ1の視点は異なる。
【0059】
時刻t1及びt2の撮影画像を取得した後、ステップS12において、時刻t1−t2間のオプティカルフローを求める。但し、ステップS12にて求められるオプティカルフローは、鳥瞰図座標上におけるオプティカルフローである。
【0060】
具体的には、ステップS12において、以下の処理が行われる。時刻t1及びt2の各撮影画像を上述の鳥瞰変換によって鳥瞰図画像に変換する。時刻t1及びt2の撮影画像に基づく鳥瞰図画像を、夫々、時刻t1及びt2の鳥瞰図画像と呼ぶ。そして、時刻t1の鳥瞰図画像と時刻t2の鳥瞰図画像を対比し、公知のブロックマッチング法や勾配法を用いて、時刻t1−t2間における鳥瞰図座標上のオプティカルフロー(換言すれば、時刻t1及びt2の鳥瞰図画像から成る動画像のオプティカルフロー)を求める。
【0061】
これに代えて、以下のように処理してもよい。即ち、時刻t1の撮影画像と時刻t2の撮影画像を対比し、公知のブロックマッチング法や勾配法を用いて、一旦、撮影画像の座標上のオプティカルフローを求める。そして、この撮影画像の座標上のオプティカルフローを、上記式(7)に従って鳥瞰図座標上にマッピングすることにより、最終的に鳥瞰図座標上のオプティカルフローを求める。
【0062】
以下、単に、オプティカルフローといった場合、それは、鳥瞰図座標上のオプティカルフローを意味するものとする。
【0063】
今、説明の具体化のため、図8に示すような状況を想定する。図8は、上方から見た連結車両10及び連結車両10の周辺路面を示している。連結車両10後方の路面上に、駐車場における長方形形状の駐車枠30が描かれている。その長方形を形成する4つの頂点の内、連結車両10に比較的近い路面上に位置する2つの頂点を、頂点31及び32とする。図8において、符号33が付された破線三角形は、カメラ1の視野を表している。時刻t1及びt2の夫々において、頂点31及び32が視野33内に含まれている場合を想定する。
【0064】
連結車両10では、トラクタ11の移動方向と連結角θCNに応じて、トレーラ12の移動方向が決定される。時刻t1において、連結角θCNは正の角度を有しており、時刻t1−t2間において、トラクタ11が真っ直ぐ後方に進行する場合を例にとる。この場合、時刻t1−t2間において、トレーラ12は右斜め後方に移動することになる。図8において、矢印41及び42は、夫々、時刻t1−t2間におけるトラクタ11及びトレーラ12の進行方向を示している。
【0065】
図9(a)は時刻t1の撮影画像を表し、図9(b)は時刻t2の撮影画像を表している。図9(a)において、符号31a及び32aは、夫々、時刻t1の撮影画像上における頂点31及び32を表しており、図9(b)において、符号31b及び32bは、夫々、時刻t2の撮影画像上における頂点31及び32を表している。
【0066】
図10(a)は時刻t1の鳥瞰図画像を表し、図10(b)は時刻t2の鳥瞰図画像を表している。図10(a)において、符号31c及び32cは、夫々、時刻t1の鳥瞰図画像上における頂点31及び32を表しており、図10(b)において、符号31d及び32dは、夫々、時刻t2の鳥瞰図画像上における頂点31及び32を表している。
【0067】
図11に、図10(a)及び(b)に示す2つの鳥瞰図画像を重ね合わせた画像101を示す。今、図8の頂点31及び32を、夫々、第1及び第2の特徴点として捉える。図11における矢印V31は、時刻t1−t2間における、鳥瞰図座標上の第1の特徴点の移動ベクトルを表しており、図11における矢印V32は、時刻t1−t2間における、鳥瞰図座標上の第2の特徴点の移動ベクトルを表している。尚、移動ベクトルは、動きベクトルと同義である。
【0068】
移動ベクトルV31は、特徴点31cから特徴点31dに向かう偏移をベクトルで表したものであり、鳥瞰図座標上における第1の特徴点の、時刻t1−t2間における移動の向き及び大きさを表す。移動ベクトルV31は、特徴点32cから特徴点32dに向かう偏移をベクトルで表したものであり、鳥瞰図座標上における第2の特徴点の、時刻t1−t2間における移動の向き及び大きさを表す。
【0069】
オプティカルフローは、複数の移動ベクトルの集まりであり、ステップS12で求められるオプティカルフローには、移動ベクトルV31及びV32が含まれている。鳥瞰図座標上における特徴点の移動は実空間におけるトレーラ12の移動によって生じ、且つ、鳥瞰図座標が定義された平面は路面に平行であるため、移動ベクトルV31やV32と向きが反対のベクトルは、時刻t1−t2間におけるトレーラ12の移動情報を表している。
【0070】
ステップS12に続くステップS13では、このトレーラ12の移動情報をオプティカルフローに基づいて求める。この移動情報は、具体的には、図11のベクトルVBによって表される。ベクトルVBはステップS12にて求められたオプティカルフローから導出される。ベクトルVBの向き及び大きさは、時刻t1−t2間における、鳥瞰図座標上のトレーラ12の移動方向及び移動量を表している。
【0071】
ベクトルVBは、例えば、ステップS12にて求められたオプティカルフローに含まれる、着目した1つの移動ベクトル(例えば、V31又はV32)に基づいて、導出される。この場合、ベクトルVBの大きさは、着目した1つの移動ベクトルの大きさと同じとされ、且つ、ベクトルVBの向きは、着目した1つの移動ベクトルの向きと反対とされる。
【0072】
或いは例えば、ベクトルVBは、ステップS12にて求められたオプティカルフローに含まれる複数の移動ベクトル(例えば、V31及びV32)に基づいて、導出される。この場合、ベクトルVBの大きさは、その複数の移動ベクトルの平均ベクトルの大きさと同じとされ、且つ、ベクトルVBの向きは、その複数の移動ベクトルの平均ベクトルの向きと反対とされる。
【0073】
ステップS13に続くステップS14において、画像処理装置2は、時刻t1−t2間におけるトラクタ11の移動情報を検出する。このトラクタ11の移動情報は、連結車両10に備えられた舵角センサ及び速度センサ(不図示)から得られる。舵角センサは、トラクタ11の操舵角を検出するセンサである。速度センサは、トラクタ11の移動速度を検出するセンサである。
【0074】
トラクタ11の移動情報には、舵角センサによって検出された時刻t1−t2間におけるトラクタ11の操舵角と、速度センサによって検出された時刻t1−t2間におけるトラクタ11の移動速度と、が含まれる。このトラクタ11の移動情報と時刻t1−t2間の時間差Δtとに基づいて、時刻t1−t2間における、トラクタ11の実空間上の移動方向及び移動量が求まる。トラクタ11の実空間上の移動方向とは、図5の中心線21に対するトラクタ11の実空間上の移動方向を意味する。
【0075】
画像処理装置2は、このトラクタ11の実空間上の移動方向及び移動量を表すベクトルを、鳥瞰図座標上のベクトルVAに変換する。鳥瞰図座標が定義される平面は路面に平行であり、トラクタ11の実空間上の移動は路面上の移動であるため、仮想カメラの高さHなどに基づいて幾何学的にトラクタ11の実空間上の移動方向及び移動量を表すベクトルをベクトルVAに変換することができる。ベクトルVAは、時刻t1−t2間における、トラクタ11の鳥瞰図座標上の移動方向及び移動量を表す。
【0076】
着目した任意の区間において、連結部14の移動方向及び移動量はトラクタ11の移動方向及び移動量と一致し、トラクタ11の移動方向及び移動量と連結角θCNが定まれば着目した区間におけるトレーラ12の移動方向及び移動量は定まる。つまり、トラクタ11の移動方向及び移動量を第1変数とし、トレーラ12の移動方向及び移動量を第2変数とし、連結角θCNを第3変数とした場合、第1〜第3変数の内の2つの変数が定まれば残りの1つの変数が定まる。
【0077】
このような特性を利用し、画像処理装置2は、ステップS14に続くステップS15において、ステップS14及びS13にて得られたトラクタ11及びトレーラ12の移動情報に基づいて現時点の連結角θCNを推定する。現時点の連結角θCNとは、時刻t2における連結角、或いは、時刻t1−t2間における連結角である。図12に、トラクタ11の移動情報に対応するベクトルVAと、トレーラ12の移動情報に対応するベクトルVB(図11参照)と、の関係を示す。時刻t1−t2間において、トラクタ11が真っ直ぐ後方に進行する場合は、下記式(8)にベクトルVA及びVBを代入することにより連結角θCNが求まる。
【0078】
【数8】

【0079】
詳細には、トレーラ12の移動方向及び移動量は、トラクタ11の移動方向及び移動量と連結角θCNだけでなく、連結部14とトレーラ12の車輪13(図2参照)との位置関係やトレーラ12の形状などにも依存する。従って、これらの関係を考慮して、幾何学的に連結角θCNを求めればよい。連結部14と車輪13との位置関係やトレーラ12の形状は予め定まっているため、トラクタ11及びトレーラ12の移動情報が決まれば連結角θCNを一意に決めることができる。つまり、連結角θCNを、トラクタ11及びトレーラ12の移動情報(即ち、ベクトルVA及びVB)の関数として表現することができる。このため、例えば、トラクタ11及びトレーラ12の移動情報を入力すれば連結角θCNが出力されるルックアップテーブルを、連結部14と車輪13との位置関係やトレーラ12の形状等に基づいて予め作成して画像処理装置2内に記憶しておき、ステップS15では、そのルックアップテーブルを用いて連結角θCNを推定すればよい。
【0080】
或る時刻におけるトラクタ11の操舵角と連結角θCNが決まれば、その後のトレーラ12の進路を予想することができる。そこで、ステップS15に続くステップS16では、ステップS14にて検出されたトラクタ11の移動情報とステップS15で推定された連結角θCNとに基づいて、トレーラ12の予想移動軌跡を導出する。ここで導出される予想移動軌跡は、鳥瞰図座標上における、時刻t2以降のトレーラ12の車体の移動軌跡を予想したものである。
【0081】
詳細には、トレーラ12の予想移動軌跡は、トラクタ11の操舵角と連結角θCNだけでなく、連結部14とトレーラ12の車輪13(図2参照)との位置関係やトレーラ12の形状などにも依存する。従って、これらの関係を考慮して、幾何学的に予想移動軌跡を求めればよい。連結部14と車輪13との位置関係やトレーラ12の形状は予め定まっているため、各時刻におけるトラクタ11の操舵角と連結角θCNが決まれば、各時刻におけるトレーラ12の車体の位置を一意に決めることができる。但し、操舵角が一定角度に保持されていても連結角θCNは逐次変化してゆくことを考慮する必要がある。
【0082】
具体的には例えば、以下の処理1〜3を介して予想移動軌跡を導出する。
処理1:予想移動軌跡の導出に際して、トラクタ11が現時点の操舵角及び移動速度をそのまま維持したまま時刻t2以降も移動すると仮定する。その上で、現時点のトラクタ11の操舵角と現時点の連結角θCNとから未来の各時刻における連結角θCNを推定する。この推定を行うためのルックアップテーブルは、連結部14と車輪13との位置関係やトレーラ12の形状等に基づいて予め作成しておくことができる。実際の連結車両10の走行テスト結果に基づいて該ルックアップテーブルを作成しておくようにしてもよい。このルックアップテーブルに、現時点のトラクタ11の操舵角と現時点の連結角θCNとを入力することにより未来の各時刻における連結角θCN(即ち、時刻t2よりも後の各時刻における連結角θCN)推定される。
処理2:現時点の操舵角と処理1によって推定された未来の各時刻における連結角θCNとに基づいて、未来の各区間におけるトレーラ12の鳥瞰図座標上の移動方向を推定する。この推定を行うためのルックアップテーブルも、連結部14と車輪13との位置関係やトレーラ12の形状等に基づいて予め作成しておく。
処理3:未来の各区間におけるトレーラ12の鳥瞰図座標上の移動方向と、鳥瞰図座標上におけるトレーラ12の車体位置と、に基づいて予想移動軌跡を導出する。時刻t2における鳥瞰図座標上のトレーラ12の車体位置を起点として、未来の各区間におけるトレーラ12の移動方向を繋ぎ合わせていけば、予想移動軌跡が求まる。
【0083】
ステップS16に続くステップS17において、画像処理装置2は、ステップS16にて求めた予想移動軌跡に応じた表示用画像を作成する。具体的には、トレーラ12の車体の左後端の予想移動軌跡を示す車両ガイドラインと、トレーラ12の車体の右後端の予想移動軌跡を示す車両ガイドラインとを、時刻t2の鳥瞰図画像に重畳することにより表示用画像を生成する。ここにおける表示用画像も、鳥瞰図画像と同様、鳥瞰図座標上における画像である。
【0084】
図13に、表示用画像の例を示す。尚、図10(a)及び(b)では鳥瞰図画像の外形形状を矩形としていたが、鳥瞰図画像の外形形状が矩形であるとは限らない。図13に示す表示用画像120の外形形状は6角形となっている。また、図13の表示用画像120は、図10(a)や(b)に示す鳥瞰図画像と随分異なっているが、その相違は図示の便宜のために生じたものである。
【0085】
表示用画像120において、斜線領域は、駐車枠の白線の描画領域を表している。表示用画像120は、撮影画像に基づく鳥瞰図画像に車両ガイドライン121及び122を重畳することによって得られる。点123及び124は、鳥瞰図画像上におけるトレーラ12の左右後端部に対応し、点123と点124との間の長さは、鳥瞰図画像上におけるトレーラ12の車幅を表している。車両ガイドライン121及び122は、点123及び124を起点として描かれる。
【0086】
表示用画像120には、更に、トレーラ12の後端からの距離を表す第1及び第2の距離線が重畳される。表示用画像120においては、表示用画像120の横方向に伸びる破線125及び126が、夫々、第1及び第2の距離線を表す。第1及び第2の距離線は、例えば、夫々、トレーラ12の後端からの距離が1m及び2mの部分を示している。勿論、第3の距離線(及び第4の距離線、・・・)を追加的に重畳するようにしても構わない。2次元地面座標系Xw w におけるZw 軸方向の座標値zwは、トレーラ12の後端からの距離を表しているので、画像処理装置2は、上記式(4)又は(5)から、表示用画像上における第1及び第2の距離線の位置を求めることが出来る。尚、破線125及び126の各左端及び点123を通る破線と、破線125及び126の各右端及び点124を通る破線は、トレーラ12の左右端の延長線に相当する。
【0087】
ステップS17で生成された表示用画像は、表示装置3の表示画面上に表示される。ステップS17の処理を終えるとステップS11に戻り、最新の撮影画像に基づく表示用画像を表示装置3に更新表示するべく、ステップS11〜S17の各処理を繰り返し実行する。
【0088】
乗用車やトラッククに比べて連結車両10の運転には高い技術が必要となると共に直接の目視後方確認が難しいが、本実施例の如く車両ガイドラインを表示することにより良好に安全運転が支援される。また、このような支援を1台のカメラで行うことができるため、低コストで運転支援システムを形成することができる。本実施例では、鳥瞰図画像に付加情報を重畳することにより表示用画像を生成しているため、実際の距離と映像上の距離との整合が保たれた、車両後方の状況を把握しやすい画像を運転者に提供することができる。
【0089】
<<第2実施例>>
図7のステップS13にて求められるべきトレーラ12の移動情報は、図11のベクトルVBによって表され、移動ベクトルV31及び/又はV32が求まればベクトルVBを導出することができる。そこで、図7のステップS12及びS13において、以下の処理を実行するようにしてもよい。このステップS12及びS13の処理に対する変形例を、第2実施例として説明する。第2実施例では、特徴点の抽出処理と追跡処理によってベクトルVBを導出する。但し、この導出手法は、第1実施例で述べたベクトルVBの導出手法に含まれると考えることができる。第2実施例は、第1実施例と組み合わせて実施され、第1実施例に記載した事項は、矛盾なき限り本実施例にも適用される。
【0090】
第2実施例では、ステップS11において時刻t1及びt2の撮影画像を取得した後、ステップS12において、時刻t1の撮影画像から特徴点を抽出する。特徴点とは、周囲の点と区別できる、追跡の容易な点のことである。このような特徴点は、水平及び垂直方向における濃淡変化量が大きくなる画素を検出する、周知の特徴点抽出器(不図示)を用いて自動的に抽出することができる。特徴点抽出器とは、例えば、Harrisのコーナ検出器、SUSANのコーナ検出器である。抽出されるべき特徴点は、例えば、路面上に描かれた白線の交点又は端点や、路面上の汚れ又は亀裂などであり、路面上の高さのない不動点を想定している。
【0091】
そして、第2実施例に係るステップS13では、特徴点の追跡処理がなされる。特徴点の追跡処理として公知の手法を採用することができる。或る時刻の撮影によって得られた撮影画像を第1参照画像とし且つその時刻よりも後の時刻の撮影によって得られた撮影画像を第2参照画像とした場合、追跡処理は、第1及び第2参照画像を対比することによって行われる。より具体的には例えば、第1参照画像における特徴点の位置の近傍領域を特徴点探索領域とし、第2参照画像の特徴点探索領域内で画像マッチング処理を行うことにより第2参照画像の特徴点の位置を特定する。画像マッチング処理では、例えば、第1参照画像における特徴点の位置を中心とした矩形領域内の画像でテンプレートを形成し、そのテンプレートと第2参照画像の特徴点探索領域内の画像との類似度を計算する。計算された類似度から、第2参照画像の特徴点の位置が特定される。
【0092】
時刻t1及びt2の撮影画像を夫々第1及び第2参照画像として取り扱って追跡処理を行えば、時刻t2の撮影画像における特徴点の位置が求まる。
【0093】
今、時刻t1の撮影画像から特徴点31a及び32aが抽出され(図9(a)参照)、追跡処理によって時刻t2の撮影画像における特徴点31b及び32bの位置が求まったとする(図9(b)参照)。画像処理装置2は、時刻t1及びt2の撮影画像を鳥瞰変換によって時刻t1及びt2の鳥瞰図画像に変換すると共に、上記式(7)に従って特徴点31a、32a、31b及び32bを鳥瞰図座標上にマッピングすることにより、鳥瞰図座標上の特徴点31c、32c、31d及び32dの位置を特定する。この特定がなされれば、自動的に移動ベクトルV31及びV32が求まるため、移動ベクトルV31及び/又はV32に基づいてベクトルVBを導出することができる。
【0094】
尚、抽出及び追跡される特徴点の個数が2つである場合を例示したが、移動ベクトルV31及びV32の内、少なくとも一方が求まればベクトルVBを導出することができるため、抽出及び追跡されるべき特徴点の個数を1つとすることも可能である。
【0095】
また、撮影画像上で特徴点の抽出処理及び追跡処理を行う場合を例示したが、これらを鳥瞰図画像上で行うようにしても構わない。即ち、時刻t1及びt2の撮影画像を鳥瞰変換によって時刻t1及びt2の鳥瞰図画像に変換した後、特徴点抽出器を用いて時刻t1の鳥瞰図画像から特徴点31c及び32cを抽出する(図10(a)参照)。その後、時刻t1及びt2の鳥瞰図画像を夫々第1及び第2参照画像として取り扱って追跡処理を行うことにより、時刻t2の鳥瞰図画像における特徴点31d及び32dの位置を特定するようにしてもよい(図10(b)参照)。
【0096】
<<第3実施例>>
第1実施例では、鳥瞰図画像に車両ガイドラインを重畳することにより表示用画像を生成しているが、鳥瞰図画像は路面を真上から見下ろしたような映像を提供するものであるため、視野範囲が狭くなるという欠点もある。そこで、鳥瞰図画像以外の画像に車両ガイドラインを重畳することにより表示用画像を生成するようにしてもよい。これを、第3実施例として説明する。具体的には例えば、原画像としての撮影画像に車両ガイドラインを重畳し、これによって表示用画像を生成するようにしてもよい。これによって、広視野の映像を提供することが可能となる。第3実施例は、第1又は第2実施例と組み合わせて実施され、第1又は第2実施例に記載した事項は、矛盾なき限り本実施例にも適用される。
【0097】
第3実施例では、図7のステップS11〜S16を介して求められた車両ガイドラインを、撮影画像の座標上にマッピングする。このマッピングは、撮影画像を鳥瞰図画像に変換する座標変換の逆変換によって実現される。例えば、鳥瞰図画像上の車両ガイドラインを形成する各画素の座標値(xau,yau)を上記式(7)に従って撮影画像上の座標値(xbu,ybu)に逆変換すれば、撮影画像上の車両ガイドラインの位置が求まる。
【0098】
図14に、本実施例に係る表示用画像の例を示す。図14に示す表示用画像130は、
時刻t2の撮影画像に車両ガイドライン131及び132を重畳することによって得られる。尚、図示の便宜上、図14に対応する時刻t2の撮影画像は、図9(b)に対応する時刻t2の撮影画像と異なっている。車両ガイドライン131及び132は、図13に示す車両ガイドライン121及び122を撮影画像の座標上にマッピングしたものである。表示用画像130において、斜線領域は、駐車枠の白線の描画領域を表している。点133及び134は、撮影画像上におけるトレーラ12の左右後端部に対応し、点133と点134との間の長さは、撮影画像上におけるトレーラ12の車幅を表している。車両ガイドライン131及び132は、点133及び134を起点として描かれる。
【0099】
表示用画像130には、更に、トレーラ12の後端からの距離を表す第1及び第2の距離線が重畳される。表示用画像130の横方向に伸びる破線135及び136が第1及び第2の距離線であり、それらは、図13における破線125及び126を撮影画像上にマッピングしたものに相当する。尚、破線135及び136の各左端及び点133を通る破線と、破線135及び136の各右端及び点134を通る破線は、トレーラ12の左右端の延長線に相当する。
【0100】
<<第4実施例>>
この他にも、表示用画像の生成手法を様々に変形することが可能である。表示用画像の生成手法の変形例を説明する実施例として、第4実施例を説明する。また、表示用画像の生成手法以外の応用例についても、第4実施例の説明の中で言及する。第4実施例は、第1〜3実施例と組み合わせて実施され、第1〜3実施例に記載した事項は、矛盾なき限り本実施例にも適用される。以下に、第1変形処理〜第3変形処理を個別に説明するが、複数の変形処理を組み合わせて実施することも可能である。
【0101】
[第1変形処理]
撮影画像又は鳥瞰図画像に車両ガイドラインを重畳するのではなく、撮影画像又は鳥瞰図画像にトレーラ12の移動方向(進行方向)を示す指標を重畳することによって、表示用画像を生成するようにしても良い。図15に、この表示用画像の例を示す。図15の表示用画像150は、図10(b)に示す時刻t2の鳥瞰図画像に、トレーラ12の移動方向を示す指標として矢印151を重畳した画像である。矢印151の向きは、図11に示すベクトルVBの向きと合致する。
【0102】
トレーラ12の移動方向を示す指標を鳥瞰図画像にではなく撮影画像に重畳することによって表示用画像を生成する場合は、鳥瞰図座標上のベクトルVBを第3実施例で述べた逆変換によって撮影画像の座標上のベクトルに変換し、得られたベクトルの向きと向きが合致する矢印を図9(b)に示す時刻t2の撮影画像に重畳することによって表示用画像を生成すればよい。
【0103】
尚、トレーラ12の移動方向を示す指標及び車両ガイドラインの双方を、撮影画像又は鳥瞰図画像に重畳して表示用画像を生成するようにしてもよい。
【0104】
[第2変形処理]
また、図7のステップ15における連結角θCNの推定結果を表示用画像に反映させるようにしてもよい。この反映のさせ方は任意である。時刻t1及びt2の撮影画像に基づいて連結角θCNが推定された場合を考える。この場合、例えば、時刻t2の撮影画像又は時刻t2の鳥瞰図画像に連結角θCNを表す数値を重畳することにより表示用画像を生成する。この表示用画像に、更に、トレーラ12の移動方向を示す指標、及び/又は、車両ガイドラインを重畳するようにしてもよい。
【0105】
また例えば、時刻t2の撮影画像又は時刻t2の鳥瞰図画像と、連結角θCNを表すイラストと、が表示画面上に並べて表示されるように表示用画像を生成してもよい。図16に、この表示用画像の例を示す。図16の表示用画像160は、2つの領域161及び162に分割されている。そして、領域161には、図14に示す表示用画像130と同じ画像(或いは、表示用画像130を横方向に圧縮した画像)が描画され、領域162には、推定された最新の連結角θCNを表すイラストが描画される。このイラストには、トラクタとトレーラから成る連結車両の絵が含まれ、連結角θCNに応じてイラスト上のトラクタとトレーラの連結角が変化するようになっている。
【0106】
[第3変形処理]
連結角θCNが一定角度以上になると、転倒などの惧れが生じる。そこで、連結角θCNに応じて警告報知を行うようにしてもよい。具体的には以下のように処理する。運転支援システム(例えば、画像処理装置2)は、図7のステップS15にて推定された連結角θCNと所定の閾値角度とを比較し、前者が後者以上である時、連結車両10の運転者に対して、連結角θCNが大きすぎることを知らせるための報知を行う。この報知は、表示装置3を用いた映像による報知であってもよいし、図示されないスピーカを用いた音による報知であってもよい。尚、適切な閾値角度は、トラクタ11及びトレーラ12の各車体の大きさなどによっても異なるため、この閾値角度を連結車両10の車種などに応じて変更するとよい。
【0107】
<<第5実施例>>
第1実施例において、トレーラ12の予想移動軌跡を導出する手法を説明したが、この導出手法の変形例(即ち、図7のステップS16の処理の変形例)を、第5実施例として説明する。第5実施例は、第1実施例、又は、第2〜第4実施例の何れかと組み合わせて実施される。時刻t1及びt2の撮影画像が取得され、図7のステップS11〜S15の各処理が第1実施例で述べたように実行された後の処理について説明する。
【0108】
図17は、Xau軸及びYau軸を座標軸とする鳥瞰図座標を示している。図17には、更に、連結車両10を鳥瞰図座標上に投影した図形が描かれている。図17において、符号11a、12a及び13aは、夫々、図2のトラクタ11、トレーラ12及び車輪13を鳥瞰図座標上に投影した図形である。トレーラ12に設けられた2つの車輪13の車軸中心をQにて表すこととする。2つの車輪13の車軸は図5の中心線22に直交し、車軸中心Qは中心線22上にのる。
【0109】
今、鳥瞰図座標上の時刻t2における連結点14の位置を原点にとる。また、鳥瞰図座標上における、時刻t2のトラクタ11の中心線21(図5参照)がYau軸上にのるとする。更に、時間長さΔtにて離散化された時刻t1、t2、t3、t4、・・・を想定する。時刻t1、t2、t3、t4、・・・の順番で時間が経過するものとする。そして、鳥瞰図座標上の時刻tiにおける連結点14の位置を、k[ti]にて表す(iは自然数)。
【0110】
予想移動軌跡の導出に際して、トラクタ11が現時点の操舵角及び移動速度をそのまま維持したまま時刻t2以降も移動すると仮定する。そうすると、時刻t2−t3間における、トラクタ11の鳥瞰図座標上の移動方向及び移動量を表すベクトルは、第1実施例で述べた時刻t1−t2間についてのベクトルVAと合致する。従って、ベクトルVAから鳥瞰図座標上の時刻t3における連結点14の位置k[t3]を定めることができる。つまり、時刻t2における連結点14の位置k[t2]を始点としてベクトルVAを鳥瞰図座標上に配置したときの、ベクトルVAの終点の位置を位置k[t3]と定める。尚、時刻t1−t2間におけるトラクタ11の操舵角が定まれば、鳥瞰図座標上におけるベクトルVAの向きは定まるものとする。
【0111】
また、時刻tiにおける連結角θCNをθCN[ti]にて表す(iは自然数)。また更に、鳥瞰図座標上における、時刻tiの車軸中心Qの位置をQ[ti]にて表す(iは自然数)。図7のステップS15にて時刻t2における連結角θCN[t2]が推定されており、画像処理装置2は、この連結角θCN[t2]を用いて位置Q[t2]を求める。より詳細には、連結角θCN[t2]と位置k[t2]と既知のトレーラ12の車体情報とから位置Q[t2]を求める。トレーラ12の車体情報は、鳥瞰図座標上の連結点14と車軸中心Qまでの距離を特定する。
【0112】
この後、画像処理装置2は、鳥瞰図座標上における、時刻t3の車軸中心Qの位置Q[t3]を、以下の第1及び第2条件の双方が満たされるように推定する(自動車規格(JASO Z 006-92;ページ18)参照)。
第1条件は「位置k[t2]と位置Q[t2]との距離と位置k[t3]と位置Q[t3]との距離が同じである」という条件である。
第2条件は「位置Q[t3]は、位置k[t2]と位置Q[t2]とを結ぶ線上に位置する」という条件である。
【0113】
更に、画像処理装置2は、推定した位置Q[t3]と位置k[t3]から、時刻t3における連結角θCN[t3]を推定する。つまり、位置k[t3]を通り且つYau軸に平行な直線と、位置k[t3]と位置Q[t3]とを結ぶ直線と、の成す角度を連結角θCN[t3]として推定する。
【0114】
上述のようにして、“k[t2]、Q[t2]及びθCN[t2]”を基準として“k[t3]、Q[t3]及びθCN[t3]”を導出する。この導出手法を “k[t3]、Q[t3]及びθCN[t3]”を基準として適用すれば、“k[t4]、Q[t4]及びθCN[t4]”が求まる。これを繰り返し実行することにより、“k[t5]、Q[t5]及びθCN[t5]”、“k[t6]、Q[t6]及びθCN[t6]”、・・・、を次々と求めていく。
【0115】
図18は、時刻t2〜t6における車軸中心Qの位置Q[t2]〜Q[t6]をプロットした図である。Q[t2]〜Q[t6]を結ぶ軌跡は、鳥瞰図座標上における車軸中心Qの予想移動軌跡である。各時刻における車軸中心Qの位置が求まれば、鳥瞰図座標上におけるトレーラ12の車幅から、各時刻におけるトレーラ12の車体の左右後端の位置も求まる。図18における曲線171及び172は、時刻t2以降におけるトレーラ12の車体の左右後端の予想移動軌跡である。図7のステップS16では、これらの予想移動軌跡が導出される。
【0116】
例えば、図13の表示用画像120は、この曲線171及び172に沿った車両ガイドライン121及び122を、時刻t2の鳥瞰図画像に重畳することによって生成される。
【0117】
<<第6実施例>>
次に、第6実施例を説明する。第6実施例では、図1の画像処理装置2の機能ブロック図を例示する。図19は、第1実施例に対応する画像処理装置2の機能ブロック図である。図19の画像処理装置2内で、図7に示す各ステップの処理が実行される。図19の画像処理装置2は、符号201〜205にて参照される各部位を備える。
【0118】
図7のステップS11にて取り込まれた時刻t1及びt2の撮影画像は鳥瞰変換部201に送られる。鳥瞰変換部201は、時刻t1及びt2の撮影画像を鳥瞰変換によって時刻t1及びt2の鳥瞰図画像に変換する。動き検出部202は、この変換によって得られた時刻t1及びt2の鳥瞰図画像を対比することにより、時刻t1−t2間における鳥瞰図座標上のオプティカルフローを導出する(ステップS12)。連結角推定部203は、このオプティカルフローと入力されたトラクタ11の移動情報とに基づいて、連結角θCNを推定する(ステップS15)。尚、図7のステップS13及びS14の処理は、動き検出部202若しくは連結角推定部203、又は、画像処理装置2内の他の部位によって実現される。
【0119】
移動軌跡推定部204は、連結角推定部203によって推定された連結角θCNと、トラクタ11の移動情報と、に基づいて図7のステップS16の処理を実行することにより、トレーラ12の予想移動軌跡を求める。表示用画像生成部205は、その推定結果に基づく車両ガイドラインを時刻t2の鳥瞰図画像に重畳することにより、時刻t2における表示用画像を生成する。
【0120】
尚、上述の第4実施例における第1変形処理の如く、撮影画像又は鳥瞰図画像にトレーラ12の移動方向を示す指標を重畳する場合は、図19の機能ブロック図は図20のように変形される。図20に示されるトレーラ移動方向推定部206も、符号201〜205にて参照される各部位と共に、画像処理装置2内に設けられる。トレーラ移動方向推定部206は、動き検出部202からのオプティカルフローを用いて図7のステップS13の処理を実行することにより、トレーラ12の移動方向を表す図11のベクトルVBを求める。この場合、表示用画像生成部205は、このベクトルVBを用いて図15の表示用画像150を生成する。
【0121】
<<変形等>>
上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈4を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
【0122】
[注釈1]
上述の、撮影画像から鳥瞰図画像を生成する座標変換は、一般に透視投影変換と呼ばれる。この透視投影変換を用いるのではなく、公知の平面射影変換によって撮影画像から鳥瞰図画像を生成するようにしてもよい。平面射影変換を用いる場合、撮影画像上の各画素の座標値を鳥瞰図画像上の各画素の座標値に変換するためのホモグラフィ行列(座標変換行列)をカメラ校正処理の段階にて予め求めておく。ホモグラフィ行列の求め方は公知である。そして、図7に示す動作を行う場合、ホモグラフィ行列に基づいて撮影画像を鳥瞰図画像に変換すればよい。何れにせよ、撮影画像を鳥瞰図座標上に投影することによって撮影画像が鳥瞰図画像に変換される。
【0123】
[注釈2]
上述の実施形態では、1つのカメラから得られた撮影画像に基づく表示用画像を表示装置3に表示するようにしているが、連結車両10に複数のカメラ(不図示)が設置されている場合においては、その複数のカメラから得られた複数の撮影画像に基づいて表示用画像を生成するようにしてもよい。例えば、カメラ1以外に他の1台以上のカメラを連結車両10に取り付ける。そして、その他のカメラの撮影画像に基づく画像とカメラ1の撮影画像に基づく画像とを合成し、この合成によって得られた合成画像を最終的に表示装置3に対する表示用画像とすることも可能である。この合成画像は、例えば、特開2006−287892号公報にも記載されているような全周鳥瞰図画像である。
【0124】
[注釈3]
上述の実施形態では、トラクタ11とトレーラ12とから成る連結車両10に本発明に係る運転支援システムを適用した(図2参照)。しかし、本発明に係る運転支援システムを適用可能な車両は、トラクタとトレーラとから成る連結車両に限定されない。第1車両と第1車両に連結されて牽引される第2車両とから成る任意の連結車両に対して、本発明に係る運転支援システムを適用可能である。上述の実施形態では、第1車両がトラクタ11に相当し且つ第2車両がトレーラ12に相当する。また、図1の連結車両10は、鋼材や重量物を運搬する大型の連結車両であるが、本発明は、連結車両の大きさに依存しない。
【0125】
本発明を適用可能な連結車両は、牽引自動車と一般的に呼ばれる車両を含む(或いは、連結車両そのものが牽引自動車である)。また更に例えば、本発明を適用可能な連結車両は、第1車両と第2車両とから成る、連節バス(連接バス)、連結バス及びトロッコバスを含む。例えば、連接バスに本発明に係る運転支援システムを適用する場合、連節バスにおける第1車両及び第2車両を上述のトラクタ11及びトレーラ12と見立てて上述してきた処理を実施すればよい。また、SUV(Sports Utility Vehicle)に分類される連結車両にも本発明は適用可能である。
【0126】
[注釈4]
図1の画像処理装置2は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。図1の画像処理装置2にて実現される機能の全部または一部を、プログラムとして記述し、該プログラムをコンピュータ上で実行することによって、その機能の全部または一部を実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の実施形態に係る運転支援システムの構成ブロック図である。
【図2】図1の運転支援システムが設置される連結車両の外観側面図である。
【図3】図1の運転支援システムが設置される連結車両の外観側面図である。
【図4】図2の連結車両を上方から見た平面図である(連結角が0°である場合)。
【図5】図2の連結車両を上方から見た平面図である(連結角が0°でない場合)。
【図6】本発明の実施形態に係り、カメラ座標系XYZと、カメラの撮像面Sの座標系Xbubuと、世界座標系Xw w w との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例に係り、表示用画像を生成するための動作の流れを表すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施例に係り、上方から見た連結車両とその周辺路面の平面図である。
【図9】本発明の第1実施例に係り、時刻t1及びt2の撮影画像を示す図である。
【図10】本発明の第1実施例に係り、時刻t1及びt2の鳥瞰図画像を示す図である。
【図11】本発明の第1実施例に係り、図10(a)及び(b)の2つの鳥瞰図画像を重ね合わせた画像を示す図である。
【図12】本発明の第1実施例に係り、トラクタの移動情報に対応するベクトル(VA)と、トレーラの移動情報に対応するベクトル(VB)と、の関係を示す図である。
【図13】本発明の第1実施例に係り、表示用画像の例を示す図である。
【図14】本発明の第3実施例に係り、表示用画像の例を示す図である。
【図15】本発明の第4実施例に係り、表示用画像の例を示す図である。
【図16】本発明の第4実施例に係り、表示用画像の他の例を示す図である。
【図17】本発明の第5実施例に係り、トレーラの予想移動軌跡の導出手法を説明するためのである。
【図18】本発明の第5実施例に係り、トレーラの予想移動軌跡の導出手法を説明するためのである。
【図19】本発明の第6実施例に係り、図1の画像処理装置の機能ブロック図である。
【図20】本発明の第6実施例に係り、図19の機能ブロック図の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0128】
1 カメラ
2 画像処理装置
3 表示装置
10 連結車両
11 トラクタ
12 トレーラ
14 連結部
121、122、131、132 車両ガイドライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車両と該第1車両に連結される第2車両とから成る連結車両の前記第2車両側に設置された、前記第2車両の後方を撮影するカメラを備え、
前記カメラから時系列で並ぶ複数の撮影画像を取得し、各撮影画像から生成した表示用画像を表示装置に対して出力する運転支援システムにおいて、
前記複数の撮影画像にて形成される動画像のオプティカルフローを導出する動き検出手段と、
前記オプティカルフロー及び入力された前記第1車両の移動情報に基づいて、前記第1車両と前記第2車両の連結角を推定する連結角推定手段と、
前記連結角及び前記第1車両の移動情報に基づいて、前記第2車両の予想移動軌跡を導出する移動軌跡推定手段と、を備え、
前記撮影画像に基づく画像に対して前記予想移動軌跡に応じた指標を重畳することによって前記表示用画像を生成する
ことを特徴とする運転支援システム。
【請求項2】
各撮影画像を所定の鳥瞰図座標上に投影することによって前記複数の撮影画像を複数の鳥瞰図画像に変換する座標変換手段を更に備え、
前記動き検出手段によって導出される前記オプティカルフローは、前記鳥瞰図座標上のオプティカルフローである
ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援システム。
【請求項3】
前記第1車両の移動情報は、前記第1車両の移動方向及び移動速度を表す情報を含み、
前記連結角推定手段は、前記第1車両の移動情報に基づいて前記鳥瞰図座標上における前記第1車両の移動方向及び移動量を表すベクトルを導出し、前記ベクトルと前記オプティカルフローとに基づいて前記連結角を推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の運転支援システム。
【請求項4】
第1車両と該第1車両に連結される第2車両とから成る連結車両の前記第2車両側に設置された、前記第2車両の後方を撮影するカメラを備え、
前記カメラから時系列で並ぶ複数の撮影画像を取得し、各撮影画像から生成した表示用画像を表示装置に対して出力する運転支援システムにおいて、
前記複数の撮影画像にて形成される動画像のオプティカルフローを導出する動き検出手段と、
前記オプティカルフローから前記第2車両の移動方向を推定する移動方向推定手段と、を備え、
その推定結果を前記表示用画像に反映させる
ことを特徴とする運転支援システム。
【請求項5】
各撮影画像を所定の鳥瞰図座標上に投影することによって前記複数の撮影画像を複数の鳥瞰図画像に変換する座標変換手段を更に備え、
前記動き検出手段によって導出される前記オプティカルフローは、前記鳥瞰図座標上のオプティカルフローである
ことを特徴とする請求項4に記載の運転支援システム。
【請求項6】
前記オプティカルフロー及び入力された前記第1車両の移動情報に基づいて、前記第1車両と前記第2車両の連結角を推定する連結角推定手段を更に備え、
前記連結角の推定結果を前記表示用画像に反映させる
ことを特徴とする請求項5に記載の運転支援システム。
【請求項7】
前記第1車両の移動情報は、前記第1車両の移動方向及び移動速度を表す情報を含み、
前記連結角推定手段は、前記第1車両の移動情報に基づいて前記鳥瞰図座標上における前記第1車両の移動方向及び移動量を表すベクトルを導出し、前記ベクトルと前記オプティカルフローとに基づいて前記連結角を推定する
ことを特徴とする請求項6に記載の運転支援システム。
【請求項8】
推定された前記連結角と所定の閾値角度との比較結果に応じた報知を外部に対して行う報知手段を更に備えた
ことを特徴とする請求項1〜3、6または7に記載の運転支援システム。
【請求項9】
第1車両と該第1車両に連結される第2車両とから成り、
請求項1〜8の何れかに記載の運転支援システムが設置された
ことを特徴とする連結車両。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−60499(P2009−60499A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227635(P2007−227635)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】