説明

道路交通情報取得方法、道路交通情報表示装置及びLEDの固定方法

【課題】安価に構成できるCCDカメラやイメージセンサを使用して、これらから得られる電気的な情報を基にして数々の解析を自動処理するという新規・ユニーク・安価な道路交通情報取得方法及び道路交通情報表示装置を提供することである。カーブミラーの性能低下を防止する。
【解決手段】 画像信号をスキャンしたり、画像データをセンシングして、所望するパラメータを取得し、当該パラメータを予め設定した設定条件で解いて、交差点に進入しようとするオブジェクトを情報化し当該情報を表示機に表示させる。カーブミラーに本発明による道路交通情報表示装置を設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通情報や道路整備情報に活用するために、移動物体をCCDカメラで撮像し、特定絵素ポイントの輝度変化をきっかけとして数々の解析を自動処理するという新規・ユニーク・安価な方法(国際出願番号PCT/JP03/09616移動物体の解析方法及びこれに関連する発明)を累積的進歩させた道路交通情報取得方法及び道路交通情報表示装置に関するものである。
【0002】
イメージセンサを使用して移動物体を画像処理して行う道路交通情報取得方法及び道路交通情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
信号機がなく見通しの悪い3差路や4差路で出会い頭の事故が多発している。現在普及している信号機制御は最大公約数的パターン又は、道路上からのセンシング情報で信号制御を行い、リアルタイムに変化する道路事情に当てはめようとするものである。僻地の道路やパターン化に根拠を見いだせない道路、信号機を設置する予算を取れない道路等、信号設備は高価であり簡単に投資できないことが交通事故を発生の一因となっている。
ミリ波レーダーは夜間及び視界の悪い気象条件下においても、人や車両及びそれらの速度大きさを検出できるが、車両のウィンカーの方向識別はできない。
CCDカメラは夜間及び悪気象条件下で、車両のウィンカーの方向識別はできるが、人のみの検出ができない。
【0004】
カーブミラーは、道路が分岐する所、急カーブなど見通しの悪い所など、特に死角になっている交差する道路など、人、ドライバーが視認し確認する為に無くてはならない交通インフラ機器の一つである。設置する場所の道路幅は、往復2車線、1車線の公道から私道にも至っており、その設置数は相当な数量となる。しかし、カーブミラーは寒い朝など霜、水滴が付き役に立たないことがある。又、凸面鏡特有の反射像から、向かってくる車両のスピード感覚がわかり難い為、時々交通事故を起こしている。又、反射グレア(光って見えにくくなる)や直接グレア(輝度の高い中にある対象物が非常に暗く見える)の作用で見えにくかったり、所々凹んで鏡像が乱れ非常に見づらい場合もある。カーブミラーに映る鏡像をちらちらと凝視することは神経をひどく使い疲れるし脇見運転となっている。
【0005】
消費電力の少ないイメージセンサが知られている。これは画像を繰り返し撮影して移動情報出力を得る事ができるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
交差点に進入する移動物体、交差点付近の人の存在を安価な手段で検出すること。検出結果を見やすい信号で表示すること。夜間、霧、濃霧等悪気象条件下でも検出性能を確保すること。外的要因で見えにくくなるカーブミラーの性能低下を補完すること。カーブミラーに映る鏡像を食い入るように凝視しても距離があるせいで湾曲の中の画像の識別が困難であったり、その他の阻害要因の影響で見えないものは見えないのであって、はっきり識別できた時点ではもう遅く事故につながることがある。カーブミラーを一目するだけで状況判断のできる信号機とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するために、CCDカメラで撮影した画像の相対画像位置と現実の絶対位置との整合をプログラム上で処理し、モニター上の相対画像を走査点が縦線になるように定義した検出ラインでスキャン走査させ、当該走査方向がモニター上の相対画像である車両の走行方向に一致させ、検出ライン上の走査点の輝度変化の移動距離と時間をもって、当該輝度変化の根拠となったオブジェクトの速度と長さと幅をパラメータ化し、予め設定した設定条件でパラメータを解いて、交差点に進入しようとするオブジェクト、又は、進入しようとするオブジェクト及び道路上の交差点付近に存在する人をも情報化し当該情報を表示機に表示させる。この時交差点から遠ざかる車両の情報は、表示情報として必要ないので排除する。オブジェクトの幅パラメータとウインカー検知位置パラメータを取得し、ウインカー検知位置パラメータと幅パラメータを比較して右左折車両を峻別する。取得した情報を表示する装置として、交差点に合流する道路を見据えて撮影できるCCDカメラを内蔵し、直線矢印、曲がり矢印又は人型矢印の表示成分を適宜組み合わせた表示機を道路通行者から見えやすい位置に設置する。右左折車両の峻別実施例として、幅パラメータとウインカー検知位置パラメータを取得し、ウインカー検知位置パラメータと幅パラメータを比較して右左折車両を峻別する。交差点中心からオブジェクトまでの距離を適宜遠いか近いかで大別し、その違いを表示の違いに反映させる。表示成分をモノグラム化する。赤外線センサを付設して当該赤外線センサの感知有り無しを判定手段に加えて、夜間における人と車両の峻別を行わしめる。
【0008】
ミリ波レーダーとCCDカメラを併用する。
【0009】
CCDカメラを使用した一連の処理の代わりにイメージセンサを使用して処理する。
【0010】
CCDカメラの代わりに全方位カメラを使用する。
【0011】
カーブミラーに道路交通情報表示装置を設置する。
【0012】
道路交通情報表示装置の表示成分を、カーブミラーの縁周りの全周又は一部分(円弧状)にLEDを配設したものとする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による道路交通情報取得方法又は道路交通情報表示装置があれば、昼夜や夜間共違った方向から交差点に合流する道路上に存在するオブジェクトの情報を機械が自動取得し通行人及び車両に対しその情報を表示してくれるので、通行人及び車両は交差点に進入する際の危険度を予め知れ交通事故を未然に防止できるようになる。ハード・ソフト共に軽快に構成でき安価に提供できる。
【0014】
必要で設置されているカーブミラーを最大限に役立てることができる。カーブミラー用のポールを利用できるので、表示機用のポールを新たな設置する必要が無くなるが、勿論独立ポールで設置し、カーブミラーと並設使用する事ができる。
【0015】
夜間及び悪気象条件下での車両及び車の方向識別と人の検出ができる。
【0016】
見えにくいカーブミラーの鏡像をちらちらと凝視しなければならないという脇見運転と凝視疲労を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
オブジェクトの速度と長さと幅の関係を示すと図10となる。関係する各要素をパラメータ化することで帰結(識別)を数値演算処理できる。
【0018】
図6において、検出ライン(FIL)の移動スキャンは、右端から左端に向かって一定速度で行い検出ライン(FIL)が左端まで移動したら、再度右端から左端に向かって行う。一方向へのスキャンを繰り返す。
ここで、
オブジョクトを検出するまでに要した検出時間をt1とする(図6参照)。
オブジェクトを検出するまでに要したスキャン距離をl1とする(図6参照)。
図6の位置でオブジェクトを検出した後、スキャンを続け、次のスキャン周期で図7の位置でオブジェクトを検出するまでの時間=スキャン時間をt2とする(図7参照)。
そのオブジェクトを検出するまでに要した距離=スキャン距離をl2とする(図7参照)。
スキャン時間の差(Δt=t2−t1)とスキャン距離の差(Δl=l1−l2)から、検出オブジェクトの移動速度Vは、
V=スキャン距離の差(Δl)/スキャン時間の差(Δt)
で算出することができる。
この算式を背景で支配している原理は、CCDカメラで撮影した画像の相対画像位置と現実の絶対位置との整合をプログラム上で処理する先行技術である。
【0019】
図8において、検出ライン(FIL)がオブジェクト(Ob)を検出した時、それを検出した幅範囲内において方向指示器(S)の点滅有無を検出する。方向指示器(S)の点滅を検出した時は、車体を検出した幅範囲との位置関係から点滅している方向指示器(S)が左右のどちらかであるかを特定できるため、検出したオブジェクト(Ob)(この場合車両)の進行方向を特定することができる。方向指示器(S)の点滅を検出しなかったオブジェクト(Ob)(この場合車両)は、直進車両と判定する。
【0020】
図11において、交差点中央から第1段階離れた範囲(L1)、第2段階離れた範囲(L2)と区分けし、当該区分内における既述した車両の検出情報にマーキングを付加し、当該マーキングの種類によって、表示機による情報の表示を緩く点滅させたり早く点滅させたりさせることもでも良い。又、L1の範囲が接近する車の速度によって適宜変化する様にして、速度によっても表示機による情報の表示を緩く点滅させたり早く点滅させても良い。ビジュアルな視覚効果を高めるものであれば流れ表示とするのも良い。流れ表示も同様に近いか遠いか速いか遅いかの違いによって流れ表示の早さを変えると良い。A乃至Eは車両である。
【0021】
夜間においてCCDカメラで人だけを感知するには、ある程度の照度が必要である。従って、暗闇でも感知する為には赤外線センサを併用して人と車を峻別することが良い。赤外線センサは暗闇でも人と車両方を感知することが出来るが、人と車の峻別はできない。一方、CCDカメラは暗闇では車のライトの明かりは感知するが、人だけの感知はできない。これらを併用する事によって両者の峻別が可能となる。即ち、赤外線センサで人又は車を検出し、同時にCCDカメラでライトが検出されているかを知る事によって以下の様になる。
赤外線センサが感知し、CCDカメラがライトを検出した場合は車であると判断する。
赤外線センサが感知し、CCDカメラが何も検出しなかった場合は人であると判断する。
【0022】
夜間における車両の方向について、
バイクの場合は、ライトを中心に左右どちらかの方向指示器が点滅しているかで方向を検出する。
車の場合は、左右のヘッドライトのどちら側の方向指示器が点滅しているかで方向を検出する。
【0023】
極めて高い周波数GHz帯において、同期を取った発信受信を繰り返すことで、CCDカメラ方式と同様に相対画像位置と現実の絶対位置との整合をプログラム上で処理し、信号検出ラインをスキャン走査し、これより得られる移動距離と時間をもって、オブジェクトの速度と長さと幅をパラメータ化し、予め設定した設定条件でパラメータを解いて交差点に進入しようとするオブジェクトを情報化し、当該情報を表示機に表示させる。
【0024】
図1(イ)は本発明による道路交通情報表示装置の平面図であり、(ロ)はその立面図であり。(ハ)はその斜視図である。又、図1に示す道路交通情報表示装置は3差路用に信号をデザインしたものであり(図2参照)、(ニ)はそのキープランである。4差路については図3として実施例を示している。道路交通情報表示装置(1)はポール(2)によって交差点中央部上空に据える。道路交通情報表示装置の表示機が表示する信号(4)は車両情報信号であり、信号(5)は歩行者情報信号である。情報に応じて該当する信号を灯火させる。情報は交差点に進入しようとする車両(オブジェクト)や歩行者の情報であり、信号(4)の矢印はオブジェクトが向かおうとする方向を示すものであり、信号(5)は道路上の交差点付近に人が存在することを示すためのである。これらの信号を見て運転手や通行人は注意を促されることになる。(6)がCCDカメラであり、(3)は制御BOXである。信号(4)(5)に関する灯火パターン例(パターンの要約)とその意味を表にして解説したものが図4である。
【0025】
図5は構成図である。CCDカメラ(6)で3差路交差点に合流する各道路(道路1、2及び3)の画像を取得し識別器に入力される。識別器は検出オブジェクトの移動速度、大きさ(長さ、幅)、方向、位置及び移動状態等の情報(パラメータ)によって、車両と人の峻別及び検出位置、車両の場合にはその車両が直進車両か右折車両か左折車両かの方向情報を得る。得られた各道路の情報を表示機制御部に送る(表示機制御部に送る情報は、交差点に向かってくるオブジェクトと道路上の人の情報だけとする)。
表示機制御部は得られた各情報を該当する表示機に送る。即ち、3差路が図2(イ)に示すキープランのごとく配置する場合、道路1、3のセンサで得られた情報は道路2の表示機に送る(図2(イ)B面参照)。同様に道路2で得られた情報は道路1、3の表示機に送られる(図2(イ)A,C面参照)。以上は3差路を想定したものであるが、4差路に適応できることは勿論である(図3参照)。
表示機制御部を図1(ロ)に示す制御BOX(3)に収納しても良い。又、道路交通情報表示装置(1)内部に構成しても良い。
【0026】
カーブミラー特有の反射像の欠陥を補う為、車両が近づいたり、人がいる時、方向を示す矢印等の信号をLED等の発光体で構成させ、これを点滅させて注意を促す表示機とする。この表示機及びセンサ部を、カーブミラーを支えているポールの頭部に取り付ける。こうする事により、本機の取り付け及び道路に対するセンサの角度、表示機の視認角度の調整が容易となる。勿論カーブミラーの頂部又は側面に取り付けることでも良いし、独立ポールに取り付けカーブミラーと並設する事でも良い。前記CCDカメラ方式の道路交通情報装置又は消費電力の少ないイメージセンサを用いて、カーブミラーから40m位先までの人や車両の感知と、車両の大体の位置、速度及び方向をセンシングし、小型の太陽電池でセンサの動作やLED点灯を行わせ、人と車両の区別をし、それによって表示も変え、オブジェクトの位置関係からLEDの点滅方法を変えて注意を喚起する。人と車両を区別して表示しているが、どちらか一方又は、区別なしでの表示でも注意喚起は可能であることは勿論である。
【0027】
図13、14はイメージセンサでのセンシングの原理である。図13のように、一方向の道路を走行する車両(A)、又は人が視角に入る位置(センサから約40m位先まで)にレンズ(S)を装備したイメージセンサを構え、車両及び人の動きを捉える。線(イ)及び線(ニ)はレンズ(S)を装備したイメージセンサの視角映像範囲を示す。線(ロ)は車両(A)を捉えた位置を示す、車両(A)がある時間に移動した時点での位置=線(ハ)の所までの様子を示す。この場合、(ロ)から(ハ)までが対象オブジェクトの軌跡である。イメージセンサのデバイス機能として、イメージセンサで捉えた処理回路後の電気信号はx、yの平面座標360度全方向の位置出力が出て保持されるようになっており、移動距離、移動速度及び移動方向としてデジタル出力として取り出すことが出来る。本案は図14に示すように、車両の走行に従い軌跡を描くが、線(ニ)の所で終わりで、次に本案は自動的に始点に戻るようにするが、戻る途中において後続車両を感知すれば、再びその車両と共に線(ニ)まで軌跡を描き、後続の車両が無くなるまで繰り返す。その間、LEDの点灯が続くことになる。このデータから、車両、車両の方向、人をセンシングしそれに対応したLEDの点灯又は点滅をさせ、且つ、車両を捉えた位置関係からLEDの点灯及び点滅方法をL1、L2を境に変える事により通行する車両及び人に対して注意を喚起する。
【実施例1】
【0028】
道路交通情報表示装置(1)を直方体のBOX型とした(図1参照)。道路と対向する直方体の側面に表示機を配置させる。出会い頭の事故を防ぐために、交差点に向かってくるオブジェクトと道路上の人の検知に絞って発明を構成した。その作用として、解りやすく単純な表示(矢印・人型)だけで用が足りることとなった。
図9において、表示成分をモノグラム化し、表示成分を適宜表示時間で切り替え表示させれば、表示をコンパクトにすることができる。
【0029】
図12は代表的なカーブミラー(10)に表示機(8)を取り付けた一例である。正面には進行方向別にLED点滅用矢印(13)及びLED点滅用人型矢印(14)がある。両サイドの側には1本の矢印及び人型矢印がある。表示機(8)の屋根にはソーラー(7)があり、全ての電源を賄う。本機内にはスーパーコンデンサ、制御回路が内蔵されている。
【0030】
図15において、道路1と道路2はこの場合直線で見通し線であり、道路3は死角線である。動作例として例えば、3差路で1方向のみが信号を得た時LEDは点灯動作しない。又、道路1から矢印のように車両が来て道路2に抜ける場合、道路1と道路2にあるセンサは共に反応するがLEDは点灯動作しない。道路1に車両が通行中に、死角線に少しタイムラグをおいて又は同時刻くらいに道路3に車両又は人を感知して信号を得た時、3方向のLEDが点灯動作する。逆に道路1と道路2に車両及び人を感知しない時には道路3からの進入車両などの感知信号があってもLEDは点灯動作しない。即ち、道路3箇所のうち1箇所の信号のみで、あとの2箇所に人も車両も無いときにはLEDは点灯動作しなくてよい事になる。それに対して、道路3箇所のうち、お互いが死角の2箇所(見通し道路の場合を除く)から、同時又はタイムラグを置き信号が出ることは、交差するそれぞれの道路に人か車両がいる事を意味し点灯動作を開始する。以上の様に注意喚起が必要な場合のみ表示機を作動さす事によって消費電力の節減がなされる。
【0031】
イメージセンサの信号感知を始める位置から遠近が判り、LEDの点滅方法を変えることも出来る。又、一定距離と時間又は一定時間での移動距離から速度が判る。上記は、基本的な考えを示したもので、1道路に対して1個のセンサと説明したが、センサを並列にすることにより2車線対応のセンサも可能である。又、場所により1箇所に2個カーブミラーが付いている場所があり、この場合コンビで使用して連携した方式も考えられる。更には道路を挟んでカーブミラーが設置されている所もある。この場合近距離無線通信でやり取りする方式もできる。
【0032】
イメージセンサで検出した移動物体(車両又は人)の位置及び移動距離から、方向と長さ及び一定距離間を移動する時間又は一定時間当たりの移動距離を算出する事によって速度を求めることができる。即ちイメージセンサで検出したパラメータから、位置、方向、長さ及び速度のパラメータを算出する。それぞれの視角映像範囲において検出されたパラメータに基づき表示機を点灯、点滅等動作の制御を行う(図16参照)。車両と人の峻別、表示の方法等は、CCD方式に準ずる。
図16において、イメージセンサで移動物体の位置を検出し、その移動軌跡を処理回路で処理し、位置、方向、長さ、速度のパラメータを算出し、得られたパラメータを識別器に送る。識別器は、各パラメータから車両、車両の方向及び人を認識しそれに対応した情報及び車両を捉えた位置情報とを表示機制御部に送る。表示機制御部は各道路(道路1、2及び3)からの情報によって、各道路面の表示機を制御する。
【0033】
カーブミラーにイメージセンサを取り付けた例を説明したが、CCDカメラを使った処理システムでも同様なパラメータを取得出来る事から、CCDカメラと置き換えが可能なことは勿論である。
【0034】
図19は共通センサで道路1乃至3までをこなす例を示した構成図である。共通センサとして全方位カメラを使用する。CCDカメラ一台で360度の視野をカバーする事ができる全方位カメラが商品化されている。この全方位カメラを用いることによって、それぞれの道路に一台ずつ必要であったカメラが1台で済むことになる。その1台のカメラで各道路の情報をセンシング出来、消費電力及びコストの削減が可能である。又、本発明実施の際のカメラアングルに係る取り付け調整が簡単となるメリットがある。全方位カメラは360度の視野角で画像を取得するが、本発明における実施例としてマスキング処理回路を構成に加えることで必要な部分の画像(各道路面の画像)のみを選択使用することができ、単独CCDカメラで構成した物と同様に、検出ラインのスキャンによって、その輝度変化により車両、人の検出を行う。車両と人の峻別、表示の方法等も同様に処理を行う。
【0035】
図17において、LED(15)は非常に指向性が高く強い光を発する。それ故、直接グレア現象は軽くて済む。カーブミラー(10)の縁周りにLED(15)をリング状に配設してこれを点灯させても、カーブミラー(10)の鏡像を直接グレアの影響で見えにくくなることはない。(16)はCCDカメラ(全方位カメラを含む)又はイメージセンサである。
そればかりか、LED(15)が点灯して死角道路又は対向車線に移動物体があることを予め知らせてくれるので、ドライバーや歩行者は遠くからカーブミラー(15)全体を軽く見るだけで、危険を予知でき、徐行態勢に入れたり、立ち止まったりするという防衛策を積極的にとることが可能となる。
図17において、カーブミラーの縁周りにLEDをリング状に配設した例と、カーブミラーの縁周りに沿う一部分にLEDを円弧状に配設した一実施例を示した。カーブミラーの縁周りに設置することを選んだのはカーブミラーの形状を活用し最大限に注意喚起効果を狙える意図であり、その意図を達成できるのであればリング状、円弧状に限定するものではない。
【0036】
カーブミラー(10)の縁周りは大きく、その縁周りにリング状に配設されたLED(15)又は一部分円弧状に配設されたLED(15)は大変良く目立ち、それらのLED(15)を左右分割点滅等、適宜の表示動作で表示させる。当該表示動作の設計は注意喚起を促せるものであれば良い。
図18において、LEDとカーブミラーの設置の関係を本発明で開示する。カーブミラーの曲面に対す接線方向でかつLEDの材軸を略水平になるように設置すると、カーブミラーが反射するオブジェクトの鏡像とそのオブジェクトがどちらの道路から近づいているかを注意喚起するLEDシグナルの指向性が一致することを本案は開示する。図18は3差路、曲がり路において、本案の実施を示している。
図23において、カーブミラー(10)の表面に支持台(17)を適宜間隔に接着した。接着は支持台(17)裏面に予め設けた粘着材で行われる。LED(15)は本体と2本の延出線から出来ており、そのLEDを二人三脚のごとく(松葉のごとく)連結して一繋がりのLED群としたものである。図23では、松葉のごとく連結した部分を支持台(17)に突き刺している。こうすることで、配線のフレキシブル性を利用してLED(15)の向きを必要な方向にひねって使用したり揃えて使用することができる。
【0037】
図20は、イメージセンサを利用してオブジェクトの進入存在のみで(速度、方向、距離の要素は無視する)カーブミラー用の交通情報表示を行う構成図である。
イメージセンサから得られる移動情報出力から、速度、方向及び移動距離の要素を求める事無く、イメージセンサ出力の変化に注目しオブジェクトの検出を行うものである。これは、イメージセンサ出力の変化分を検出する変化検出機を設ける事によって実現される。この変化検出機はイメージセンサ出力の変化のみに注目すれば良いので容易に実現することができ、尚且つ、速度、方向、移動距離算出等の演算処理を行わないので低消費電力化が可能である。従って、検出物体の識別(車両と人の区別)が必ずしも必要でないカーブミラー用の交通情報表示装置に応用すれば、低消費電力化に伴い信頼正が向上する。
【0038】
表示機から近距離にあるスポット(近距離スポット)と遠距離にあるスポット(遠距離スポット)を道路の走行車線上に割り振る。各スポットに適応する近距離用焦電センサと遠距離用焦電センサを一組で使用して前記走行車線をセンシングする。所望するスポットの数によって、焦電センサを複数個使用できる。
【0039】
焦電センサを複数個使用しオブジェクトの方向性を検出する。又、人と車両の識別をそれぞれの移動速度の違いから行う。その違いは上記各々の焦電センサで感知している時間、即ち滞在時間の違いから行う。焦電センサ2個でオブジェクトを検出する場合を図21で説明すると、図の様に遠距離用に設定した焦電センサ1でのセンシングエリアをS1とし、近距離用に設定した焦電センサ2でのセンシングエリアをS2とする。一般に焦電センサはフレネルレンズと併用し、そのレンズの特性によって遠距離用、近距離用等のセンサが構成できるものである。遠距離用、近距離用のセンサを構成する方法として、それぞれ独立した専用のフレネルレンズを使用して、個々に構成する場合と、それぞれの(遠距離用、近距離用)レンズを一つのフレネルレンズで構成する場合が考えられるが、何れの方法でも良い事は勿論である。
実施例において、遠距離用として40m、近距離用として20mを検出できるセンサで構成する。
交差点付近に設置されたカーブミラー上に遠距離用焦電センサ1と近距離用焦電センサ2を設け、センシングエリアS1とS2を通過する順番で方向、即ち交差点に向かってくるものか、遠ざかるものかを判別する。又、人車両の移動速度の相違から(カーブミラーが設置されている狭い路地を想定した場合、人は4Km/h、車両は20Km/h〜40Km/h前後)、センシングエリアに滞在する時間、即ち滞在時間の違いから人車両を識別し、それに対応した注意喚起の表示を行う。勿論センサを2個以上の複数個用いて構成することもできる。
【0040】
遠距離用、近距離用どちらの焦電センサで感知しているかで遠近が判り表示機を制御したり点滅方法を変えることもできる。その構成を図22で説明する。焦電センサ1(遠距離用)、焦電センサ2(近距離用)の各検知信号を識別機に送る。識別機は各検知信号から遠距離用又は近距離用どちらの焦電センサから先に検知したかで方向を検出する。又、人車両の移動速度の違いからセンシングエリア内の滞在時間の長短で人と車両の識別を行う。これらの方向並びに人及び車両の識別情報を表示機制御部に送る。表示機制御部は得られた各道路の情報を基に、該当する表示機に情報を送り注意喚起の表示を行う。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は国際出願番号PCT/JP03/09616移動物体の解析方法や関連発明を基礎とした発明であり、検出ラインをスキャンさせてオブジェクトを検出することに特徴がある。これにより、交差点を中心とした移動物体の存在の広がりを検出でき、その情報を表示機で通行者及び車両に知らせることが可能となった。
道路上の検出物体の移動速度が基準となるある速度以上であれば、それは大きさに関わらず車両であると判定できる。又、基準となるある速度未満の場合は、長さ成分(二輪車、四輪車の峻別)及び幅成分の大きさによって、低速車両であるか、単独の歩行者であるか、複数の歩行者であるかを判定でき、これらの判定が安価な構成機器であるCCDカメラやイメージセンサでの撮像情報から得られものであって、赤外線センサやミリ波レーダーを付設して、夜間や悪気象条件下における人と車両の峻別が行え、有用安価な信号システムと装置を提供できる。交通インフラの一つであるカーブミラーと組み合わせることで、カーブミラーの有効活用と交通事故回避に向けた徐行を促す信号機とすることができる。
又は、カーブミラーとの組み合わせのみならず、単体での使用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(イ)平面図である。(ロ)立面図である。(ハ)斜視図である。(ニ)キープランである。
【図2】3差路における説明図である。
【図3】4差路における説明図である。
【図4】表示成分の説明図である。
【図5】構成図である。
【図6】説明図である。
【図7】説明図である。
【図8】説明図である。
【図9】モノグラムや流れ表示の説明図である。
【図10】一覧表である。
【図11】道路平面図である。
【図12】表示機付きカーブミラーの正面図と側面図である。
【図13】説明図である。
【図14】説明図である。
【図15】道路平面図である。
【図16】構成図である。
【図17】表示機付きカーブミラーの斜視図である。
【図18】構成図である。
【図19】説明図である。
【図20】構成図である。
【図21】立面図である。
【図22】構成図である。
【図23】斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 道路交通情報表示装置
2 ポール
3 制御BOX
4 信号
5 信号
6 CCDカメラ
7 ソーラー
8 表示機
9 イメージセンサ
10 ミラー
11 ポール
12 止め金
13 LED点滅用矢印
14 LED点滅用人型矢印
15 LED
16 CCDカメラ(全方位カメラを含む)又はイメージセンサ
17 LED支持台
18 延出線
L1 第1段階離れた範囲
L2 第2段階離れた範囲
Ra 検出ラインのスキャン範囲
t1 オブジェクトを検出するまでに要した検出時間
t2 スキャン時間
Ob オブジェクト
Di 検出ラインのスキャン方向
Ro 車道
FIL スキャンする検出ライン
l1 スキャン距離
l2 スキャン距離
Δl オブジェクトの移動距離
Si 方向指示器
A 車両
B 車両
C 車両
D 車両
E 車両
S レンズ
イ 線
ロ 線
ハ 線
ニ 線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CCDカメラで撮影した画像の相対画像位置と現実の絶対位置との整合をプログラム上で処理し、モニター上の相対画像を走査点が縦線になるように定義した検出ラインでスキャン走査させ、当該走査方向がモニター上の相対画像である車両の走行方向に一致させ、検出ライン上の走査点の輝度変化の移動距離と時間をもって、当該輝度変化の根拠となったオブジェクトの速度と長さと幅をパラメータ化し、予め設定した設定条件でパラメータを解いて、交差点に進入しようとするオブジェクトのみを情報化し当該情報を表示機に表示させることを特徴とする道路交通情報取得方法。
【請求項2】
CCDカメラで撮影した画像の相対画像位置と現実の絶対位置との整合をプログラム上で処理し、モニター上の相対画像を走査点が縦線になるように定義した検出ラインでスキャン走査させ、当該走査方向がモニター上の相対画像である車両の走行方向に一致させ、検出ライン上の走査点の輝度変化の移動距離と時間をもって、当該輝度変化の根拠となったオブジェクトの速度と長さと幅をパラメータ化し、予め設定した設定条件でパラメータを解いて、交差点に進入しようとするオブジェクトのみ及び道路上の交差点付近に存在する人を情報化し当該情報を表示機に表示させることを特徴とする道路交通情報取得方法。
【請求項3】
幅パラメータとウインカー検知位置パラメータを取得し、ウインカー検知位置パラメータと幅パラメータを比較して右左折車両を峻別することを特徴とする請求項1,2記載の道路交通情報取得方法。
【請求項4】
CCDカメラで撮影した画像の相対画像位置と現実の絶対位置との整合をプログラム上で処理し、モニター上の相対画像を走査点が縦線になるように定義した検出ラインでスキャン走査させ、当該走査方向がモニター上の相対画像である車両の走行方向に一致させ、検出ライン上の走査点の輝度変化の移動距離と時間をもって、当該輝度変化の根拠となったオブジェクトの速度と移動方向をパラメータ化し、予め設定した設定条件でパラメータを解いて、交差点に進入しようとするオブジェクトのみを情報化し当該情報を表示機に表示させるために、交差点に合流する道路を見据えて撮影できるCCDカメラを内蔵し、直線矢印、曲がり矢印又は人型矢印の表示成分を適宜組み合わせた表示機を道路通行者から見えやすい位置に設置したことを特徴とする道路交通情報表示装置。
【請求項5】
幅パラメータとウインカー検知位置パラメータを取得し、ウインカー検知位置パラメータと幅パラメータを比較して右左折車両を峻別することを特徴とする請求項4記載の道路交通情報表示装置。
【請求項6】
交差点中心からオブジェクトまでの距離を適宜遠いか近いかで大別し、その違いを表示の違いに反映させることを特徴とする請求項4又は5記載の道路交通情報表示装置。
【請求項7】
表示成分をモノグラム化したことを特徴とする請求項4,5又は6記載の道路交通情報表示装置。
【請求項8】
赤外線センサを付設して当該赤外線センサの感知有り無しを判定手段に加えて、夜間における人と車両の峻別を行わしめることを特徴とする請求項1乃至7記載の道路交通情報取得方法又は交通情報表示装置。
【請求項9】
ミリ波レーダーを付設して当該レーダーによる探査情報を判定手段に加えて、夜間や悪気象条件下おける人と車両の峻別を行わしめることを特徴とする請求項1乃至7記載の道路交通情報取得方法又は交通情報表示装置。
【請求項10】
パラメータ化までをイメージセンサの移動情報出力を利用することを特徴とする請求項1乃至9記載の道路交通情報取得方法又は交通情報表示装置。
【請求項11】
CCDカメラを全方位カメラとしたことを特徴とする請求項1乃至9記載の道路交通情報取得方法又は交通情報表示装置。
【請求項12】
カーブミラーに設置することを特徴とする請求項4乃至10記載の交通情報表示装置。
【請求項13】
カーブミラーの縁周りにLEDをリング状又は一部分円弧状に配設したものを表示成分とすることを特徴とする請求項12記載の交通情報表示装置。
【請求項14】
安全通行の為にカーブミラーの鏡像を向かわす方向にLEDの光束が向くようにLEDを付設することを特徴とする交通情報表示装置又は請求項13記載の交通情報表示装置。
【請求項15】
カーブミラーの曲面の接線方向、かつ、安全通行の為にカーブミラーの鏡像を向かわす方向にLEDの光束が向くようにLEDを付設することを特徴とする交通情報表示装置又は請求項13記載の交通情報表示装置。
【請求項16】
カーブミラーの有効曲率の周端に、安全通行の為にカーブミラーの鏡像を向かわす方向にLEDの光束が向くようにLEDを付設することを特徴とする交通情報表示装置又は請求項13記載の交通情報表示装置。
【請求項17】
イメージセンサを利用した移動情報出力でオブジェクトの存在のみにパラメータを単純化して行うことを特徴とする道路交通情報取得方法又は交通情報表示装置。
【請求項18】
フレネルレンズを併用した焦電センサにおいて、そのフレネルレンズの特性を変えた焦電センサ複数個を用いて道路上に網をかけ(センシングエリアを設け)、その網にかかった(センシングエリアで検知された)道路上の移動物体について、どの焦電センサから先に検知したかで移動物体の方向を特定し、又、各焦電センサのセンシングエリア内の滞在時間から移動物体が人であるか車両であるかを判定することを特徴とする道路交通情報取得方法。
【請求項19】
フレネルレンズを併用した焦電センサにおいて、そのフレネルレンズの特性を変えた焦電センサ複数個を用いて道路上に網をかけ(センシングエリアを設け)、その網にかかった(センシングエリアで検知された)道路上の移動物体について、どの焦電センサが先に検知したかでその移動物体の方向を特定できるように、又、各焦電センサのセンシングエリア内の滞在時間から移動物体が人であるか車両であるかを判定できるように、前記焦電センサ複数個と、信号の入出力を制御する表示機制御部と、当該制御部からの信号で動作するLED表示機とで構成することを特徴とする交通情報表示装置。
【請求項20】
本体と2本の延出線からなるLEDを二人三脚のごとく(松葉のごとく)連結してなる一繋がりのLED群と、適当な大きさで前記連結部を突き刺せる材質の支持台又は前記連結部の固定手段を有する支持台と、前記支持台の底とLED群を設置しようとする物の表面とを接着する粘着手段とをそれぞれ設け、前記LED群を設置しようとする物の表面に前記粘着手段を用いて前記支持台を適宜間隔で接着し、その支持台に前記連結部を突き刺すか又は固定して、前記配線のフレキシブル性を利用してLEDの向きを必要な方向にひねって使用したり揃えて使用することを特徴とするLEDの固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−42042(P2007−42042A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244973(P2005−244973)
【出願日】平成17年7月30日(2005.7.30)
【出願人】(592208091)シグマー電機工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】