説明

遠心ポンプユニット

【課題】ケース内に十分な負圧を発生させることができる遠心ポンプユニットを提供する。
【解決手段】遠心ポンプユニット10は、ケース33の上部38に吐出ノズル45が設けられ、ケース33の内部空間34に羽根車23が回転自在に設けられ、羽根車23がボリュート41で覆われ、羽根車23をエンジン13で回転することによりボリュート41の内部空間42に吸い込んだ流体をボリュート41から送り出し、送り出した流体をノズル吐出口49aから吐出するものである。この遠心ポンプユニット10は、吐出ノズル45が上下方向に伸縮自在に形成されることにより、ノズル吐出口49aを上下方向に移動可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースの上部に吐出ノズルが設けられ、ケース内に羽根車が回転自在に設けられ、羽根車を駆動源で回転することによりケース内に吸い込んだ水などの流体を吐出ノズルの吐出口から吐出する遠心ポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ポンプユニットは、ケース内に回転軸が回転自在に突出され、突出させた回転軸に羽根車が設けられている。羽根車は、回転軸にハブが設けられ、ハブに複数の羽根が設けられている。
この遠心ポンプユニットを駆動する際には、ケース内に呼び流体(呼び水作用を奏する流体)を供給した後、自吸運転の呼び流体作用でケース内に負圧を発生させ、発生させた負圧でケース内に水などの流体(以下、「流体」という)を吸い込む。
自吸運転で流体を吸い込むことにより定常運転で吸い込んだ流体を羽根車の遠心力で吐出口から吐出する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−133803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の遠心ポンプユニットにおいて、自吸運転の呼び流体でケース内に負圧を発生させる際に、ケース内に呼び流体を供給した状態で羽根車を回転する。
よって、羽根車の回転による遠心力でケース内の呼び流体が吐出口から漏れ出すことが考えられる。
ケース内の呼び流体が吐出口から漏れだした場合、ケース内に十分な負圧を発生させることが難しく、ケース内に流体を吸い込む自吸性能を確保し難い。
【0005】
本発明は、ケース内に十分な負圧を発生させることができる遠心ポンプユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、ケースの上部に吐出ノズルが設けられ、前記ケース内に羽根車が回転自在に設けられ、前記羽根車を駆動源で回転することにより前記ケース内に吸い込んだ流体を前記ケースから送り出し、送り出した流体を前記吐出ノズルの吐出口から吐出する遠心ポンプユニットにおいて、前記吐出ノズルが上下方向に伸縮自在に形成されることにより、前記吐出口を上下方向に移動可能としたことを特徴とする。
【0007】
請求項2は、前記駆動源の駆動回路に設けられ、前記吐出ノズルが上方に伸張された状態において前記駆動回路をオンに切替可能で、前記吐出ノズルが下方に収縮された状態において前記駆動回路をオフに切替可能なオン/オフ切替手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、吐出ノズルを上下方向に伸縮自在に形成することで、吐出口を上下方向に移動可能とした。
よって、自吸運転の際に、吐出ノズルを上方に伸張させて吐出口を上方に移動することで、羽根車の回転による遠心力でケース内の呼び流体(呼び水作用を奏する流体)が吐出口から漏れ出すことを防止できる。
【0009】
これにより、ケース内に呼び流体を留めることが可能になり、ケース内を密閉空間に確保してケース内に十分な負圧を発生させることができる。
したがって、ケース内に流体(水)を吸い込む自吸性能を確保して、ケース内に流体を吸い込む速度を高めることができる。
【0010】
さらに、吐出ノズルを上下方向に伸縮自在に形成して吐出口を上下方向に移動可能とすることで、吐出口の高さを任意の位置に選択することができる。
このように、吐出口の高さを任意の位置に選択可能とすることで、遠心ポンプユニットの使い勝手の向上を図ることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、駆動源の駆動回路にオン/オフ切替手段を備えた。そして、吐出ノズルを上方に伸張した状態において駆動回路をオン/オフ切替手段でオンに切替可能とし、吐出ノズルを下方に収縮した状態において駆動回路をオン/オフ切替手段でオフに切替可能とした。
【0012】
よって、吐出ノズルを上方に伸張した状態においてのみ駆動源を駆動することができる。これにより、羽根車の回転による遠心力でケース内の呼び流体が吐出口から漏れ出すことを防止できる。
したがって、ケース内に流体を吸い込む自吸性能を確保して、ケース内に流体を吸い込む速度を確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る遠心ポンプユニットを示す斜視図である。
【図2】図1の遠心ポンプを示す斜視図である。
【図3】図1の遠心ポンプを示す断面図である。
【図4】図1の遠心ポンプに備えた伸縮部を伸張した状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る遠心ポンプユニットの駆動回路を示す回路図である。
【図6】本発明に係る遠心ポンプの吐出ノズルを旋回させる例を説明する図である。
【図7】本発明に係る遠心ポンプユニットを自吸運転する際に伸縮部を伸張させる例を説明する図である。
【図8】本発明に係る遠心ポンプユニットを自吸運転する際にエンジンを始動させる例を説明する図である。
【図9】本発明に係る遠心ポンプユニットが自吸運転から定常運転に替わる状態を説明する図である。
【図10】本発明に係る遠心ポンプユニットの定常運転において吐出ノズルを押し下げる例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0015】
実施例に係る遠心ポンプユニット10について説明する。
図1に示すように、遠心ポンプユニット10は、略矩形体枠状に形成されたフレーム11と、フレーム11のベース12に設けられたエンジン(駆動源)13と、エンジン13に設けられるとともにベース12に設けられた遠心ポンプ15と、エンジン13の駆動回路17に設けられたオン/オフ切替手段18とを備えている。
【0016】
エンジン13は、図3に示すように、クランクシャフト21の端部21aが遠心ポンプ15内に突出され、突出された端部21aが遠心ポンプ15の羽根車23に連結されている。
クランクシャフト21は、端部21aの近傍部位21bがメカニカルシール27に回転自在に支持されている。
エンジン13を駆動してクランクシャフト21を回転することにより羽根車23を回転することができる。
【0017】
図2、図3に示すように、遠心ポンプ15は、エンジン13のシリンダブロック31に蓋部材36を介してボルト止めされた設けられたケース33と、ケース33の内部空間(ケース内)34に設けられてクランクシャフト21(端部21a)に連結された羽根車23と、羽根車23を覆うボリュート(ケース)41とを備えている。
【0018】
また、遠心ポンプ15は、ケース33の吸込口33aに設けられた吸込ノズル44と、ケース33の吐出口33bに設けられた吐出ノズル45とを備えている。
ケース33の吐出口33bは、ボリュート41の吐出口41bにケース33の内部空間34を経て連通されている。
【0019】
以下、ボリュート41の吐出口41bを「ボリュート吐出口」と略記する。
また、ケース33の吸込口33aを「ケース吸込口」と略記し、ケース33の吐出口33bを「ケース吐出口」と略記する。
【0020】
ケース33は、蓋部材36に対向するとともにケース33の吸込口33aを有する吸込口側壁部37と、吸込口側壁部37の吸込口33aをボリュート41の吸込口41aに連通する連通路43と、吸込口側壁部37および蓋部材36間の各上端部に設けられた上部38とを有する。
以下、ボリュート41の吸込口41aを「ボリュート吸込口」と略記する。
【0021】
蓋部材36は、クランクシャフト21(端部21aの近傍部位21b)と同軸上に支持孔36aが形成され、支持孔36aにメカニカルシール27が同軸上に支持され、メカニカルシール27に端部21aの近傍部位21bが回転自在に支持されている。
さらに、クランクシャフト21の端部21aがメカニカルシール27を介してボリュート41の内部空間(ボリュート内、ケース内)42に突出されている。
【0022】
クランクシャフト21(端部21aの近傍部位21b)はメカニカルシール27を用いて回転自在に支持されている。
よって、ボリュート41の内部空間42の流体(水)が、近傍部位21bの支持部位から外部に漏れることをメカニカルシール27で機械的に制限することができる。
【0023】
ボリュート41の内部空間42に突出されたクランクシャフト21の端部21aに羽根車23が設けられている。
羽根車23は、クランクシャフト21の端部21aに設けられたハブ24と、ハブ24の表面24aに設けられた複数の羽根25とを備えている。
【0024】
この羽根車23は、ケース33の内部空間34に収容されたボリュート41で覆われている。
ボリュート41は、上向きに開口したボリュート吐出口41bを備え、ボリュート吐出口41bに向けて渦巻形に形成されたケーシングである。
【0025】
吐出ノズル45は、基部46がケース33の上部38にボルト47で設けられ、基部46に上下方向に伸縮自在な伸縮部48の下端部48aが設けられ、伸縮部48の上端部48bにノズル本体49が設けられている。
ノズル本体49にノズル吐出口(吐出口)49a(図7(b)も参照)が形成されている。
【0026】
図3、図4に示すように、伸縮部48は、ノズル本体49を引き上げることにより伸張可能で、ノズル本体49を押し下げることにより収縮可能に蛇腹状に形成されている。
すなわち、吐出ノズル45は上下方向に伸縮自在に形成されている。
【0027】
吐出ノズル45を上方に伸張することにより、ノズル吐出口49a(図2も参照)を上方位置H1に移動することができる。
一方、吐出ノズル45を下方に収縮することにより、ノズル吐出口49aを下方位置H2に移動することができる。
このように、ノズル吐出口49aを上下方向に移動可能とすることで、ノズル吐出口49aの高さ位置を用途に対応させて任意の位置に選択することができる。
【0028】
遠心ポンプ15によれば、羽根車23をクランクシャフト21で矢印の如く回転することにより、ケース吸込口33a、連通路43およびボリュート吸込口41aを経てボリュート41の内部空間42に流体を吸い込む。
ボリュート41の内部空間42に吸い込まれた流体77(図9参照)を、ボリュート41の周壁部41cに沿って送り出す。
【0029】
送り出した流体77をボリュート吐出口41bからケース33の内部空間34に吐出させる。ケース33の内部空間34に吐出させた流体77を、ケース吐出口33bを経て吐出ノズル45のノズル吐出口49aから外部に吐出させる。
【0030】
図5に示すように、オン/オフ切替手段18は、エンジン13の駆動回路17に設けられている。
エンジン13の駆動回路17は、エンジン13のメインスイッチ(オン・オフスイッチ)54と、発電機55と、点火プラグ56とを備えている。
メインスイッチ54は、図1に示すエンジン13の裏面側に設けられている。
発電機55は、エンジン13をリコイルスタータ58で始動することにより発電を開始し、駆動回路17に電圧を供給するように構成されている。
【0031】
駆動回路17に電圧が供給されることにより点火プラグ56に電圧が供給される。これにより、点火プラグ56で燃焼室57の混合燃料を点火することができる。
リコイルスタータ58は、エンジン13の始動用の手段として一般に使用されている部品である。
【0032】
オン/オフ切替手段18は、リミットスイッチ(オン・オフスイッチ)61と、リレー62とを並列に備えている。
図3、図4に示すように、リミットスイッチ61は、ケース33の上部38に取付ブラケット64を介してスイッチ本体61aが設けられ、スイッチ本体61aにアーム61bが揺動自在に設けられ、アーム61bの先端部にローラ61cが回転自在に設けられている。アーム61bはばね(図示せず)の付勢力でスイッチ本体61aから離れる方向に付勢されている。
【0033】
ローラ61cをばねの付勢力に抗してスイッチ本体61a側に押し込むことによりリミットスイッチ61をオン状態に切り替えることができる。
ローラ61cから押圧力を解除することによりローラがスイッチ本体61aから離れる方向に移動することによりリミットスイッチ61をオフ状態に切り替えることができる。
すなわち、リミットスイッチ61は、オン・オフスイッチである。
【0034】
このリミットスイッチ61は、吐出ノズル45の伸縮部48が収縮された状態において、ローラ61cがガイドレール66のガイド部66aに接触した状態に保たれる。
この状態において、オン/オフ切替手段18はオフの状態に保たれる。
【0035】
一方、リミットスイッチ61は、吐出ノズル45の伸縮部48が伸張された状態において、ローラ61cがガイドレール66の押圧部66bで押圧された状態に保たれる。
この状態において、オン/オフ切替手段18はオンの状態に切り替わる。
ガイドレール66は、吐出ノズル45に設けられている。
【0036】
図5に示すように、リレー62は、メインスイッチ54をオンに切り替えるとともにリミットスイッチ61をオンに切り替えた状態において、エンジン13をリコイルスタータ58で始動させて発電機55から駆動回路17に電圧を供給することでオンに切り替えられる。
また、リレー62は、オンに切り替えられた状態において、リミットスイッチ61をオフに切り替えてもオン状態に保つことができる。
このリレー62は、一般に使用されているリレーである。
【0037】
すなわち、オン/オフ切替手段18は、吐出ノズル45(図4参照)が上方に伸張された状態において駆動回路17をオンに切替可能に構成されている。
さらに、オン/オフ切替手段18は、吐出ノズル45(図3参照)が下方に収縮された状態において駆動回路17をオンに切替不能に構成されている。
【0038】
よって、図4に示すように、吐出ノズル45を上方に伸張した状態においてのみエンジン13(図1参照)を駆動することができる。
これにより、図3に示す羽根車23の回転による遠心力でケース33(ボリュート41)内の呼び流体(呼び水作用を奏する流体)が吐出ノズル45のノズル吐出口49aから漏れ出すことを防止できる。
【0039】
したがって、ケース33内に流体77を吸い込む自吸性能を確保して、ケース33(ボリュート41)内に流体77を吸い込む速度を確実に高めることができる。
一方、エンジン13を始動した後は、吐出ノズル45を下方に収縮させてもエンジン13を駆動状態に保つことができる。
【0040】
図6に示すように、吐出ノズル45の基部46に蛇腹状の伸縮部48を設けることで、吐出ノズル45のノズル本体49を想像線で示すように矢印の如く旋回(首振り移動を)させることができる。
なお、図6においては、伸縮部48の構成の理解を容易にするためにオン/オフ切替手段18を除去した状態で示す。
【0041】
このオン/オフ切替手段18は、一例として、アーム61bの先端部に設けたローラ61cを球体に代え、ガイドレール66のガイド部66aに球体の周方向への移動を可能にする周方向ガイド部が設けられている。
これにより、オン/オフ切替手段18をノズル本体49の旋回操作に対応させることが可能である。
【0042】
吐出ノズル45のノズル本体49を矢印の如く旋回させることで、ノズル本体49に備えたノズル吐出口49aの向きを任意に選択することができる。
これにより、遠心ポンプユニット10の使用状態に対応させて、ノズル本体49に備えたノズル吐出口49aの向きを用途に対応させて任意に選択することができる。
【0043】
加えて、図3、図4に示すように、ノズル吐出口49aを上下方向に移動可能とすることで、ノズル吐出口49aの高さ位置を用途に対応させて任意の位置に選択することができる。
このように、ノズル吐出口49aの向きやノズル吐出口49aの高さを用途に対応させて任意に選択することができるので、遠心ポンプユニット10の使い勝手の向上を図ることができる。
【0044】
つぎに、遠心ポンプユニット10の自吸運転でケース33内に流体77(図9参照)を吸い込む例を図7〜図10に基づいて説明する。
図7(a)に示すように、遠心ポンプユニット10のメインスイッチ54(図1も参照)をオンに切り替える。
【0045】
図7(b)に示すように、吐出ノズル45のノズル本体49をH1まで矢印Aの如く引き上げて伸縮部48を伸張させる。
この状態において、吐出ノズル45の供給口72から呼び流体(呼び水作用を奏する流体)を矢印Bの如くケース33の内部空間34に供給する。
吐出ノズル45のノズル本体49をH1まで引き上げて伸縮部48を伸張させることでリミットスイッチ61をオンに切り替える。
【0046】
図8(a)に示すように、メインスイッチ54がオンに切り替えられるとともに、リミットスイッチ61がオンに切り替えられる。
この状態において、リコイルスタータ58でクランクシャフト21を回転する。
【0047】
図8(b)に示すように、クランクシャフト21を回転させることにより、発電機55が発電を開始して駆動回路17に電圧を供給する。駆動回路17に電圧を供給することで、リレー62がオンに切り替えられる。
リレー62がオンに切り替えられることで、発電機55から点火プラグ56に電圧を供給する。これにより、点火プラグ56で燃焼室57の混合燃料を点火させてエンジン13を始動する。
【0048】
図9に示すように、エンジン13が始動することでクランクシャフト21が回転する。クランクシャフト21が回転することで、羽根車23がボリュート41内で矢印Cの如く回転する。
【0049】
ここで、吐出ノズル45を上方に伸張させてノズル吐出口49aを上方位置H1まで上方に移動されている。
これにより、羽根車23の回転による遠心力でボリュート41内の呼び流体がノズル吐出口49a(図2も参照)から漏れ出すことを防止できる。
【0050】
加えて、伸縮部48を蛇腹状に形成することで、伸縮部48の内壁48cを凹凸状に形成することができる。
このように、内壁48cに環状の凹凸部が交互に形成されることで、ケース吐出口33bからノズル吐出口49aに向かう呼び流体の流れを内壁48cの凹凸部で阻止することができる。
よって、ボリュート41内の呼び流体がノズル吐出口49aから漏れ出すことを一層確実に防止できる。
【0051】
これにより、ボリュート41内に呼び流体を留めることが可能になり、ボリュート41の内部空間42を密閉状態に確保することができる。
ボリュート41の内部空間42を密閉状態に確保することでボリュート41内に十分な負圧を発生させることができる。
【0052】
ボリュート41内に十分な負圧を発生させることで、ボリュート41内に流体77を吸い込む自吸性能を確保することができる。
したがって、ボリュート41内に吸込ホース74、吸込ノズル44および連通路43を経て流体源76の流体77を矢印Dの如く吸い込む際の吸込速度を高めることができる。
吸込ホース74は、基端部74aが吸込ノズル44に連通され、先端部74bが流体源(水源)76の流体77に差し込まれている。
【0053】
ボリュート41内に流体77を吸い込むことで、吸い込んだ流体77を定常運転において羽根車23の遠心力でボリュート吐出口41bからケース33の内部空間34に吐出させる。
ケース33の内部空間34に吐出させた流体77を、ケース吐出口33bを経て吐出ノズル45のノズル吐出口49a(図2も参照)から外部に吐出させる。
【0054】
図10(a)に示すように、自吸運転から定常運転に替わった状態において、吐出ノズル45のノズル本体49をH2まで押し下げて伸縮部48を収縮させることによりリミットスイッチ61をオフに切り替える。
【0055】
図10(b)に示すように、リミットスイッチ61をオフに切り替えた状態において、リレー62をオンに保つことができる。
これにより、エンジン13を駆動させた状態、すなわち遠心ポンプ15(図10(a)参照)を駆動させた状態に保つことができる。
【0056】
図10(a)に示すように、吐出ノズル45のノズル本体49をH2まで押し下げた状態において、遠心ポンプ15を駆動させた状態に保つことができる。
これにより、定常運転において、ノズル本体49のノズル吐出口49aの高さをH1〜H2の範囲で任意に調整することが可能になり、使い勝手の向上を図ることができる。
【0057】
なお、本発明に係る遠心ポンプユニットは、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、伸縮部48を蛇腹状に形成することにより吐出ノズル45を昇降可能に形成した例について説明したが、これに限らないで、テレスコピックタイプなどの他の構成で吐出ノズル45を昇降可能に形成することも可能である。
【0058】
また、前記実施例では、リミットスイッチ61のローラ61cをガイドレール66に沿って移動することでリミットスイッチ61をオン/オフ制御する例について説明したが、リミットスイッチ61をオン/オフ制御する構成はこれに限定するものではない。
リミットスイッチ61に代えて、磁気やレーザなどを用いた位置検出センサーなどをオン・オフスイッチとして使用することも可能である。
【0059】
さらに、前記実施例で示した遠心ポンプユニット10、エンジン13、オン/オフ切替手段18、羽根車23、ケース33、ボリュート41、吐出ノズル45、伸縮部48およびリミットスイッチ61などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、羽根車を駆動源で回転することによりケース内に吸い込んだ流体を吐出ノズルの吐出口から吐出する遠心ポンプユニットへの適用に好適である。
【符号の説明】
【0061】
10…遠心ポンプユニット、13…エンジン(駆動源)、17…駆動回路、18…オン/オフ切替手段、23…羽根車、33…ケース、34…内部空間(ケース内)、38…ケースの上部、41…ボリュート(ケース)、42…内部空間(ボリュート内、ケース内)、45…吐出ノズル、48…伸縮部、49a…ノズル吐出口(吐出ノズルの吐出口)、77…流体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの上部に吐出ノズルが設けられ、前記ケース内に羽根車が回転自在に設けられ、前記羽根車を駆動源で回転することにより前記ケース内に吸い込んだ流体を前記ケースから送り出し、送り出した流体を前記吐出ノズルの吐出口から吐出する遠心ポンプユニットにおいて、
前記吐出ノズルが上下方向に伸縮自在に形成されることにより、前記吐出口を上下方向に移動可能としたことを特徴とする遠心ポンプユニット。
【請求項2】
前記駆動源の駆動回路に設けられ、
前記吐出ノズルが上方に伸張された状態において前記駆動回路をオンに切替可能で、
前記吐出ノズルが下方に収縮された状態において前記駆動回路をオフに切替可能なオン/オフ切替手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の遠心ポンプユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−72697(P2012−72697A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217876(P2010−217876)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】