説明

遮断性パイプ

本発明は遮断性パイプに係り、ポリオレフィン樹脂、遮断性ナノ複合体、相溶化剤、及び物性強化剤の乾燥混合された組成物を成形して製造された遮断性パイプは、遮断性にすぐれ、特に自動車フィラパイプ、エアコンパイプなどに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン樹脂、層状粘土化合物と遮断性樹脂とのナノ複合体、相溶化剤及び物性強化剤を乾燥混合して形成された組成物から製造した遮断性パイプに関する。
【背景技術】
【0002】
温水循環用パイプ、自動車フィラパイプ、エアコンパイプ、ガス管などは、内部に込められた空気、ガスなどが外部漏れしないように、ガス遮断性、酸素遮断性、防湿性などを必要とする。
【0003】
従来から、温水循環法によるフロア暖房には、金属製の温水循環用パイプが主に使われている。温水循環用パイプは、施工するとき、コンクリート中に埋め込んで床下に設置する場合が多く、一度設置されれば、以後の補修がかなり困難であり、一般的に50年ほどの長期間にわたる耐久性が要求される。かような厳格な条件のもとでは、金属製パイプと比較し、低廉であり、かつパイプ材質自体が腐食しないプラスチック製パイプを使用する方がさらに望ましい。かようなプラスチック製のパイプ材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが使われる。しかし、かようなプラスチック製パイプを温水循環方式によるフロア暖房システムに使用すれば、熱交換機、ポンプなどのパイプと連結される金属製部分が酸素により腐食されるという問題が生じる。かような腐食の原因は、大気中に存在する酸素がプラスチック壁を介してパイプ内を循環する温水中に浸透及び溶解されるためであると考えられる。それにより、アルミニウムを中間層とする多層ポリエチレンパイプ(PE/アルミニウム層/PE)が使われているが、温度変化によるものと考えられるアルミニウム層の亀裂が発生するために、酸素による腐食を防止できない。かような解決策として、酸素ガス遮断性にすぐれるプラスチック樹脂とポリエチレンとからなる多様な多層パイプが評価されている。このうちでも、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHともいう)を使用する多層パイプが酸素遮断性及び機械強度が最も優秀であると確認されており、今日では、EVOH系多層プラスチックパイプが温水循環用パイプとして適用され始めている。しかし、EVOHが酸素遮断性及び機械的強度は優秀であるが、EVOH自体の剛直性による問題により、耐クラック性が十分ではないという短所がある。
【0004】
一方、自動車フィラパイプの場合、例えば、ガソリンを供給するために共押出吹込み成形されたプラスチックパイプが有利に使われる。このためのプラスチック材料として従来には、ポリエチレンが、低廉であり、かつ成形加工性及び機械的強度にすぐれ、一般的に使われてきた。しかし、これは、遮断性が十分ではなく、パイプ内のガソリンの蒸気または液体がパイプのポリエチレン壁を通って大気中に容易に蒸発してしまうという短所がある。
【0005】
かような欠点を克服するために、遮断性の良好なエチレンビニルアルコール共重合体と、ポリエチレン樹脂との多層構造からなるパイプを使用したが、これもまた、遮断性が常に満足できるというものでもない。ガソリン節約と地球環境保護とを志向することが当技術分野での最近の動向であり、従って、燃料パイプを通じてのガソリン透過をさらに減少させることが要求されている。
【0006】
一方、高分子組成物にナノサイズの層状粘土化合物を混合し、完全剥離(fully exfoliated)、部分剥離(partially exfoliated)、層間挿入(intercalated)、部分挿入(partially intercalated)形態のナノ複合体を形成すれば、かかるモルフォロジーにより遮断性が向上するので、これを利用した遮断性物品が注目されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明が解決しようとする技術的課題は、遮断性樹脂ナノ複合体を使用することにより、遮断性及び耐クラック性にすぐれるパイプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するために、本発明では、(a)ポリオレフィン樹脂40ないし98重量部と、(b)エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、アイオノマー及びポリビニルアルコールのうちから選択された1種以上の遮断性樹脂と層状粘土化合物との遮断性ナノ複合体0.5ないし60重量部と、(c)相溶化剤1ないし30重量部と、(d)低密度ポリエチレン(以下、LDPEともいう)、線形低密度ポリエチレン(以下、LLDPEともいう)、超低密度ポリエチレン(以下、VLDPEともいう)及びゴムのうちから選択された1種以上の物性補強剤1ないし10重量部とが乾燥混合された組成物を成形して製造された遮断性パイプを提供する。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、前記ポリオレフィン樹脂は、高密度ポリエチレン(以下、HDPEともいう)、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン及びエチレン−プロピレン共重合体、メタロセンポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から選択された1種以上でありうる。前記ポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、メタロセンポリプロピレン、及びプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーにタルク、難燃剤などを添加し、一般ポリプロピレンの物性を強化した複合樹脂からなる群から選択された1種以上でありうる。
【0010】
本発明の他の実施態様によれば、前記層状粘土化合物がモンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、マイカ、ヘクトライト、フッ化ヘクトライト、サポナイト、バイデル石、ノントロナイト、スチーブンサイト、バーミキュライト、ハロサイト、ヴォルコンスキー石、サッコナイト、マガダイト及びケニアライトからなる群から選択された1種以上でありうる。
【0011】
本発明のさらに他の実施態様によれば、前記ポリアミドが1)ナイロン4.6、2)ナイロン6、3)ナイロン6.6、4)ナイロン6.10、5)ナイロン7、6)ナイロン8、7)ナイロン9、8)ナイロン11、9)ナイロン12、10)ナイロン46、11)MXD6、12)非晶質ポリアミド、13)1)〜12)のポリアミドのうち2以上の成分を有する共重合ポリアミド、または14)1)〜12)のポリアミドのうち2以上の混合物を選択して使用できる。
【0012】
本発明のさらに他の実施態様によれば、前記アイオノマーが溶融指数0.1ないし10g/10分(190℃、2,160g)の範囲でありうる。
【0013】
本発明のさらに他の実施態様によれば、前記相溶化剤がエチレン−無水エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−アクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性(グラフト)高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(グラフト)線形低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び無水マレイン酸変性(グラフト)エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択された1種以上でありうる。
【0014】
本発明のさらに他の実施態様によれば、前記パイプは、単層または多層の形態でありうる。
【0015】
本発明のさらに他の実施態様によれば、前記遮断性パイプは、自動車フィラパイプ、エアコンパイプ、上水道管パイプ、下水道管用パイプ、温水循環用パイプ、またはガス管用パイプでありうる。
【0016】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0017】
本発明では、(a)ポリオレフィン樹脂40ないし98重量部と、(b)エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、アイオノマー及びポリビニルアルコールからなる群から選択された1種以上の遮断性樹脂と層状粘土化合物との遮断性ナノ複合体0.5ないし60重量部と、(c)相溶化剤1ないし30重量部と、(d)LDPE、VLDPE、LLDPE、及びゴムのうちから選択された1種以上の物性補強剤1ないし10重量部とが乾燥混合された組成物を成形して遮断性パイプを製造する。
【0018】
前記ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、メタロセンポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から選択された1種以上を使用できる。前記ポリプロピレンは、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、メタロセンポリプロピレン、及びプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーにタルク、難燃剤などを添加し、一般ポリプロピレンの物性を強化した複合樹脂からなる群から1種以上が選択されて使われうる。
【0019】
前記ポリオレフィン樹脂は、40ないし98重量部で含まれることが望ましく、さらに望ましくは、65ないし96重量部で含まれる。前記オレフィン樹脂が40重量部未満であれば、成形が容易ではなく、98重量部を超えれば、遮断性の向上効果が落ちて望ましくない。
【0020】
本発明の遮断性ナノ複合体は、層状粘土化合物(clay)をエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド、アイオノマー及びポリビニルアルコール(PVA)のうちから選択された1種以上の遮断性樹脂と混合して製造できる。
【0021】
前記遮断性ナノ複合体のうち、遮断性樹脂と層状粘土化合物との重量比は、58.0:42.0ないし99.9:0.1であり、望ましくは、85.0:15.0ないし99.0:1.0である。前記遮断性樹脂の重量比が58.0未満であれば、層状粘土化合物の集塊現象が発生して分散が適切になされず、遮断性樹脂の重量比が99.9を超えれば、遮断性上昇効果が微小であって望ましくない。
【0022】
前記層状粘土化合物は、有機化剤が層状粘土化合物の層間に介在している有機化された層状粘土化合物であることが望ましい。前記層状粘土化合物内の有機化剤含有量は、1ないし45重量%であることが望ましい。有機化剤含有量が1重量%未満であれば、層状粘土化合物と遮断性樹脂との相溶性が落ち、45重量%を超えれば、遮断性樹脂鎖の層間挿入が容易ではなくして望ましくない。
【0023】
前記層状粘土化合物は、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、マイカ、ヘクトライト、フッ化ヘクトライト、サポナイト、バイデル石、ノントロナイト、スチーブンサイト、バーミキュライト、ハロサイト、ヴォルコンスキー石、サッコナイト、マガダイト、及びケニアライトからなる群から1種以上選択されることが望ましく、有機物は、一次ないし四次アンモニウム、ホスホニウム、マレエート、コハク酸塩、アクリレート、ベンジル位水素、オキサゾリン及びジメチルジステアリルアンモニウムからなる群から選択される官能基を含む有機物であることが望ましい。
【0024】
本発明に使われるエチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量は、10ないし50モル%であることが望ましい。前記エチレンの含有量が10モル%未満である場合には、加工性が低下して溶融成形が困難であり、50モル%を超える場合には、酸素遮断性、及び液体遮断性が十分ではないという問題点がある。
【0025】
本発明に使われるポリアミドは、1)ナイロン4.6、2)ナイロン6、3)ナイロン6.6、4)ナイロン6.10、5)ナイロン7、6)ナイロン8、7)ナイロン9、8)ナイロン11、9)ナイロン12、10)ナイロン46、11)MXD6、12)非晶質ポリアミド、13)1)〜12)のポリアミドのうち2以上の成分を有する共重合ポリアミド、または14)1)〜12)のポリアミドのうち2以上の混合物が選択されて使われうる。
【0026】
前記非晶質ポリアミドは、示差走査熱量計(DSC)で測定したとき(ASTMD−3417、10℃/分)、吸熱結晶質融点ピークのない、すなわち結晶性の不十分なポリアミドを意味する。
【0027】
一般的に、ポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸とから製造されうる。ジアミンの例としては、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)イソプロピリデン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、メタ−キシレンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノプロパン、2−エチルジアミノブタン、1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、メタン−キシレンジアミン、アルキル置換または非置換m−フェニレンジアミン及びp−フェニレンジアミンなどがある。ジカルボン酸の例としては、アルキル置換または非置換イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ブタンジカルボン酸などがある。
【0028】
脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから製造されるポリアミドは、伝統的な半晶質ポリアミド(結晶質ナイロンともいう)であり、非晶質ポリアミドではない。芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とから製造されるポリアミドは、一般的な溶融加工条件のもとでは、処理し難いという点がある。
【0029】
従って、非晶質ポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸とのうち、いずれか一方が芳香族であり、他方が脂肪族である場合に、望ましく製造されうる。このとき、非晶質ポリアミドの脂肪族基は、望ましくは、炭素数1ないし15の脂肪族または炭素数4ないし8の脂環族アルキルである。非晶質ポリアミドの芳香族基は、炭素数1ないし6の置換基を有する一環または二環の芳香族基であることが望ましい。しかし、前記のような非晶質ポリアミドが本発明に必ずしも適しているというわけではないが、例えば、メタキシレンジアミンアジプアミドは、熱成形作業に典型的な加熱条件下で容易に結晶化され、また配向させるときにも、結晶化されるので、望ましくない。
【0030】
本発明に適した非晶質ポリアミドの具体的な例としては、ヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、イソフタル酸/テレフタル酸の比率が99/1ないし60/40であるヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド/テレフタルアミド三元共重合体、2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンテレフタルアミドの混合物、イソフタル酸またはテレフタル酸、またはそれらの混合物とヘキサメチレンジアミンまたは2−メチルペンタメチレンジアミンとの共重合体を含む。テレフタル酸含有量の高いヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド/テレフタルアミドを基材とするポリアミドも有用であるが、加工処理の可能な非晶質ポリアミドを生成するために、2−メチルジアミノペンタンのような第2のジアミンが混合されねばならない。
【0031】
前記非晶質ポリアミドは、前記単量体だけを基材とする重合体がカプロラクタムまたはラウリルラクタムのような少量のラクタム種を共単量体として含有できる。重要なことは、ポリアミドが全体として非晶質でなければならないということである。従って、少量の前記共単量体は、ポリアミドに結晶性を付与しない限り、混入可能である。また、グリセロール、ソルビトールまたはトルエンスルホンアミド(Sanicizer8、モンサント)のような液体または固体の可塑剤が約10重量%以下で非晶質ポリアミドに共に含まれうる。ほとんどの適用において、非晶質ポリアミドのTg(乾燥した状態、すなわち、約0.12重量%以下の水分を含有する状態で測定)は、約70℃ないし約170℃、望ましくは、約80℃ないし160℃の範囲内でなければならない。前記のように特定ブレンドされていない非晶質ポリアミドは、乾燥時にほぼ125℃のTgを有する。Tgの下限は明確ではなく、70℃がだいたいの下限である。Tgの上限も明確ではない。しかし、約170℃以上のポリアミドを使用すれば、容易に熱成形するものではない。従って、酸及びアミンの部分いずれにも芳香族基を有するポリアミドは、Tgが高すぎて熱成形させられず、よって、本発明の目的には、一般的に不適である。
【0032】
前記ポリアミド成分は、また1種以上の半晶質ポリアミドを含む。この用語は、伝統的な半晶質ポリアミドをいうが、これは、一般的に、ナイロン6またはナイロン11のようなラクタムまたはアミノ酸により製造されるか、ヘキサメチレンジアミンのようなジアミンをコハク酸、アジピン酸、またはセバシン酸のような二塩基酸と縮合して製造される。前記ポリアミドの共重合体及び三元共重合体、例えば、ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸とカプロラクタム(ナイロン6、66)との共重合体がいずれも含まれる。2以上の結晶質ポリアミドの混合物も使われうる。半晶質及び非晶質のポリアミドは、いずれも当業者に周知の縮重合により製造される。
【0033】
本発明に使われるアイオノマーは、アクリル酸とエチレンとの共重合体であることが望ましく、溶融指数は、0.1ないし10g/10分(190℃、2,160g)の範囲であることが望ましい。
【0034】
前記遮断性ナノ複合体は、0.5ないし60重量部で含まれることが望ましく、さらに望ましくは、4ないし30重量部で含まれる。遮断性ナノ複合体が0.5重量部未満であれば、遮断性の向上効果が少なく、60重量部を超えれば、加工が容易ではなく、成形物の物性が低下するという短所があって望ましくない。
【0035】
遮断性ナノ複合体で、層状粘土化合物が不連続相である遮断性樹脂の内部に、微細に剥離されるほどにすぐれた遮断効果を発揮する。これは、遮断性樹脂の内部に、微細に剥離された層状粘土化合物が遮断膜を形成することとなり、遮断性樹脂自体の遮断性及び機械的物性を向上させる役割を行うようになり、窮極的に、組成物自体の遮断性及び機械的物性を向上させる効果まで得るのである。従って、本発明では、遮断性樹脂と層状粘土化合物とを混練し、遮断性樹脂内に層状粘土化合物をナノサイズに分散させ、高分子鎖と層状粘土化合物との接触面積を最大化し、ガス透過抑制及び液体透過抑制の機能を極大化する。
【0036】
本発明に使われる相溶化剤は、前記ポリオレフィン樹脂と遮断性ナノ複合体との相溶性を向上させ、安定した構造の組成物を形成させるという作用を行う。
【0037】
前記相溶化剤は、極性基を含有する炭化水素系重合体を使用することが望ましい。極性基を含有する炭化水素系重合体を使用する場合、重合体の基材となっている炭化水素重合体部分により、相溶化剤並びにポリオレフィン樹脂、及び相溶化剤並びに遮断性樹脂ナノ複合体の親和性が良好になり、その結果として、得られる樹脂組成物に安定した構造を形成させる。
【0038】
前記相溶化剤は、エポキシ変性ポリスチレン共重合体、エチレン−無水エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−アクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性(グラフト)高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(グラフト)線形低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及び無水マレイン酸変性(グラフト)エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から1種以上選択された組成物、またはそれらの変性物の混合物を使用することができる。
【0039】
前記相溶化剤は、1ないし30重量部で含まれることが望ましく、さらに望ましくは、2ないし15重量部で含まれる。前記相溶化剤が1重量部未満であれば、組成物の成形時に成形物の機械的物性が悪く、30重量部を超えれば、組成物の成形加工が容易ではなくして望ましくない。
【0040】
前記エポキシ変性ポリスチレン共重合体を相溶化剤として使用する場合には、スチレン70ないし99重量部、及び下記化学式1で表示されるエポキシ組成物1ないし30重量部を含む主鎖と;化学式2のアクリル系単量体1ないし80重量部によりなる分枝とを含む共重合体が望ましい:
【0041】
【化1】

【0042】
前記化学式1で、R及びR’は、それぞれ独立的に分子構造の末端に二重結合基を有する炭素数1ないし20の脂肪族または炭素数5ないし20の芳香族の化合物の残基である。
【0043】
【化2】

【0044】
また、前記無水マレイン酸変性(グラフト)高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(グラフト)線形低密度ポリエチレン、または無水マレイン酸変性(グラフト)エチレン−酢酸ビニル共重合体は、それぞれ主鎖100重量部に対し、無水マレイン酸0.1ないし10重量部によりなる分枝により構成されることが望ましい。無水マレイン酸の含有量が0.1重量部未満であれば、相溶化剤として性能発揮が困難であり、10重量部超えれば、組成物を成形するときに、異臭を放つようになって望ましくない。
【0045】
本発明の物性補強剤は、LDPE、VLDPE、LLDPE及びゴムのうちから選択された1種以上でありうる。前記物性補強剤として使われるゴムは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリレート−ブタジエン共重合体のような共役ジエン系(共)重合体、かような共役ジエン系(共)重合体の水素化添加物、エチレン−プロピレン共重合体のようなオレフィン系ゴム、ポリアクリレートのようなアクリルゴム、ポリオルガノシロキサン、熱可塑性の弾性重合体、エチレン系アイオノマー共重合体などを挙げることができ、それらは単独でまたはニつ以上の混合物として使われる。このうちでも、アクリル系ゴム、共役ジエン系重合体または共役ジエン系重合体の水素化添加物が望ましい。
【0046】
アクリル系ゴムまたは共役ジエン系重合体は、主にアルキルアクリレートまたは共役ジエン系組成物からなる単量体を重合して製造する。かようなアクリル系ゴムまたは共役ジエン系重合体は、必要により、前記単量体だけではなく、その他の一官能性の重合性単量体を共重合して製造できるが、その例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートのようなメタクリレート;スチレン、α−メチルスチレンのような芳香族化合物;アクリロニトリルなどを挙げることができる。その他の一官能性の重合性単量体は、ゴムを形成する重合性単量体全体の20重量%以下が望ましい。
【0047】
本発明の物性補強剤は、1ないし10重量部の量で使われる。1重量部より少なければ、所望の物性補強効果を得ることができず、10重量部を超えれば、製品の弾性が増大し、内圧により変形が容易に起こることとなる。
【0048】
本発明の遮断性ナノ複合体組成物の製造時に、乾燥混合(ドライブレンディング)するが、これは、ペレット形態の遮断性ナノ複合体、相溶化剤、ポリオレフィン、及び物性補強剤を一定の組成比でペレット混合器に同時投入して混合することを意味する。
前記の通りに製造された組成物を乾燥混合した後で成形し、本発明による遮断性パイプを得ることとなる。
【0049】
このとき、成形方法は、押出成形、圧縮成形、中空成形及び射出成形を始めとし、一般的な成形方法を利用できる。
【0050】
本発明の遮断性パイプは、前記の遮断性ナノ複合体組成物からなる単層成形物とすることができるが、遮断性ナノ複合体組成物層とその他の熱可塑性樹脂層との多層構成成形物とする方が望ましい。遮断性ナノ複合体組成物層に隣接した熱可塑性樹脂層を形成する樹脂としては、高密度、中密度または低密度のポリエチレン;酢酸ビニル、アクリレートまたはブテン、ヘキセンのようなα−オレフィン類を共重合させたエチレン共重合体;アイオノマー樹脂;プロピレン単独重合体またはα−オレフィン類を共重合させたプロピレン共重合体;ゴム系重合体を配合した変性ポリプロピレンのようなポリオレフィン類またはそれらの樹脂に無水マレイン酸を付加したり、またはグラフトした熱可塑性樹脂を適切なものとして挙げることができる。また、その他の熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル塩化物系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などを挙げることができる。
【0051】
また、本発明のパイプの多層を構成する遮断性ナノ複合体組成物層とここに隣接した熱可塑性樹脂層との間に接着性樹脂層を有することもできる。接着性樹脂は、不飽和カルボン酸またはその無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体または共重合体(例:LLDPE、VLDPEなど)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体にグラフトしたものを代表的なものとして挙げることができる。
【0052】
本発明のパイプを製造する方法は、特別に限定されるものではない。例えば、二台または三台の押出機と多層用円形ダイとを使用し、共押出成形操作で最も効率的にエンドレスパイプを収得できる。
【0053】
多層パイプの層構成も、特別に限定するものではない。成形性及び原価などを考慮する場合、外側から内側で順に熱可塑性樹脂層/遮断性ナノ複合体組成物層/熱可塑性樹脂層、遮断性ナノ複合体組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/遮断性ナノ複合体組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層などを代表的なものとして挙げることができる。最外層及び最内層いずれにも熱可塑性樹脂層を配置する場合には、異なる樹脂を使用でき、同じものを使用することもできる。このうちでも、外側から内側に順に遮断性ナノ複合体組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層構成を有することが、特に望ましい。ガス遮断性の観点では、遮断性ナノ複合体組成物層がパイプの最外層にあることが、特に有利である。しかし、従来のEVOH多層樹脂は、耐クラック性に劣るため、外層にガス遮断性樹脂を使用するとしても、クラックが発生する場合、外観の悪化及び遮断性の低下により、温水循環用パイプとして商品価値が顕著に損なわれる。しかし、本発明に使われる遮断性ナノ複合体組成物は、ガス遮断性と耐クラック性とにすぐれるので、これを最外層に使用しても、クラックの生じない温水循環用多層パイプを提供できる。
【0054】
前記の本発明の単層及び多層の遮断性パイプは、ガス遮断性、耐クラック性などにすぐれる温水循環用パイプとして有用である。また、各種液体用またはガス用のパイプとしても使用できる。
【0055】
以下、実施例を介して、本発明についてさらに詳細に説明するが、下記実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
[実施例]
以下、実施例で使用した材料は、次の通りである:
EVOH:E105B(日本・クラレ社)使用
ナイロン6:EN500(KPケミカルズ製)使用
HDPE−g−MAH:相溶化剤、PB3009(クランフ゜トン(CRAMPTON))使用
HDPE:RT DX800(SKケミカルズ)
層状粘土化合物:Closite30B(SCP)使用
熱安定剤:IR 1098(ソンウォン産業)使用
接着性樹脂:AB130使用(HDPE−g−MAH、LG化学)
物性補強剤:EG8180(エチレンオクタン−コポリマー)−Dupont−DOW
【0057】
[製造例1(EVOH−層状粘土化合物のナノ複合体製造)]
エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH、E−105B(エチレン含有率44モル%)、日本・クラレ社、溶融指数:5.5g/10分、密度:1.14g/cm)97重量%を二軸押出機(SM PLATEK、同方向回転二軸押出機、φ40)の主ホッパに投入し、層状粘土化合物として有機化されたモンモリロナイト(米国・Southern Clay Products、C2OA)3重量%、及び前記エチレン−ビニルアルコール共重合体と有機化されたモンモリロナイトとを加えた量100重量部に対して熱安定剤IR 1098 0.1重量部をサイドフィーダに分離投入した後、エチレン−ビニルアルコール共重合体/層状粘土化合物のナノ複合体をペレット形態に製造した。このとき、押出温度は180−190−200−200−200−200−200℃であり、スクリュー速度は300rpmであり、吐出条件は15kg/hrであった。
【0058】
[製造例2(ナイロン6−層状粘土化合物のナノ複合体製造)]
ポリアミド(ナイロン6)97重量%を二軸押出機(SM PLATEK、同方向回転二軸押出機、φ40)の主ホッパに投入し、層状粘土化合物として有機化されたモンモリロナイト3重量%、及び前記ポリアミドと有機化されたモンモリロナイトとを加えた量100重量部に対して熱安定剤IR 1098 0.1重量部をサイドフィーダに分離投入した後、ポリアミド/層状粘土化合物のナノ複合体をペレット形態に製造した。このとき、押出温度は220−225−245−245−245−245−245℃であり、スクリュー速度は300rpmであり、吐出条件は40kg/hrであった。
【0059】
[実施例1]
前記製造例1で製造したEVOHナノ複合体15重量部、相溶化剤10重量部、及びHDPE 72重量部、物性補強剤3重量部を乾燥混合機(ミョンウ粉体システム、Double cone mixer、MYDCM−100)内に投入して30分間乾燥混合した後、190−210−210−210−210℃の加工温度で単軸押出機(Goetffert φ45、L/D:23)の主ホッパに投入し、スクリュー速度は20rpmであり、吐出速度は6kg/hrの加工条件で、外径30mmの単層パイプを製作した。
【0060】
[実施例2]
前記製造例2で製造したナイロン6ナノ複合体15重量部、相溶化剤10重量部及びHDPE 72重量部、物性補強剤3重量部を乾燥混合機(ミョンウ粉体システム、Double cone mixer、MYDCM−100)内に投入して30分間乾燥混合した後、210−220−220−220−222℃の加工温度で単軸押出機(Goetffert φ45)の主ホッパに投入し、スクリュー速度は20rpmの加工条件で、外径30mmの単層パイプを製作した。
【0061】
[実施例3]
前記製造例2で製造したナイロン6ナノ複合体15重量部はベルト型フィーダ(K−TRON 1号機)、相溶化剤10重量部はベルト型フィーダ(K−TRON 2号機)、高密度ポリエチレン72重量部はベルト型フィーダ(K−TRON 3号機)、及び物性補強剤3重量部はベルト型フィーダ(K−TRON 4号機)を介して単軸押出機(Goetffert φ45)の主ホッパ内に乾燥混合状態で同時投入し、210−220−220−220−222℃の加工温度で、スクリュー速度は20rpmの加工条件で、外径30mmの単層パイプを製作した。
【0062】
[実施例4]
前記製造例1で製造したEVOHナノ複合体15重量部、相溶化剤10重量部、及びHDPE72重量部、物性補強剤3重量部を、タンブルミキサを使用して乾燥混合した後、この混合物を三層(3−layer)パイプ押出機の外部層押出機(Outside layer extruder)に投入し、内層押出機にはHDPE、中間層押出機には接着性樹脂を投入し、外径30mmの多層パイプを製作した。
【0063】
[実施例5]
前記製造例2で製造したナイロン6ナノ複合体4重量部、相溶化剤2重量部、HDPE 93重量部、物性補強剤1重量部を、タンブルミキサを使用して乾燥混合した後、この混合物を三層パイプ押出機の外部層押出機に投入し、内層押出機にはHDPE、中間層押出機には接着性樹脂を投入し、外径30mmの多層パイプを製作した。
【0064】
[実施例6]
前記製造例2で製造したナイロン6ナノ複合体15重量部、相溶化剤10重量部、HDPE 72重量部及び物性補強剤3重量部を、タンブルミキサを使用して乾燥混合した後、この混合物を三層パイプ押出機の外部層押出機に投入し、内層押出機にはHDPE、中間層押出機には接着性樹脂を投入し、外径30mmの多層パイプを製作した。
【0065】
[実施例7]
前記製造例2で製造したナイロン6ナノ複合体34重量部、相溶化剤18重量部、及びHDPE 40重量部、物性補強剤8重量部を、タンブルミキサを使用して乾燥混合した後、この混合物を三層パイプ押出機の外部層押出機に投入し、内層押出機にはHDPE、中間層押出機には接着性樹脂を投入し、外径30mmの多層パイプを製作した。
【0066】
[比較例1]
高密度ポリエチレン100重量%を押出して単層パイプを製作した。
【0067】
[比較例2]
層状粘土化合物を使用しないことを除いては、前記実施例1と同じ方法でパイプを製作した。
【0068】
[比較例3]
層状粘土化合物を使用しないことを除いては、前記実施例2と同じ方法でパイプを製作した。
【0069】
[比較例4]
遮断性ナノ複合体組成物の代わりに、EVOHを三層パイプ押出機の外部層押出機に投入し、内層押出機にはHDPE、中間層押出機には接着性樹脂を投入し、外径30mmの多層パイプを製作した。
【0070】
収得されたパイプの酸素遮断性及び耐クラック性を下記方法で評価した。
【0071】
[酸素遮断性試験]
酸素遮断性は、溶存酸素(DO:Dissolved Oxygen)の増加速度で評価する。DOの増加速度が遅いほど、酸素遮断性はすぐれている。得られたパイプに金属スズを充填した充填タワーを使用し、DOを除去した水を循環させ、水中のDOの増加速度を、20℃、65%RHの条件下で測定する。DO増加速度は、μg/hrで表記され、パイプ内の水1L当たり、μg/hrの速度でDOが増加するということを表す。すなわち、パイプを備えた装置全体システムの水の体積をV1cc、前記パイプ内の水の体積をV2ccとし、単位時間当たり装置内循環水の酸素濃度増加率をB(μg/hr)とする場合、前記のDO増加速度A(μg/hr)は、A=B(V1/V2)で計算される値で表される。
【0072】
[耐クラック性]
得られたパイプを20cmに切断し、−15℃の恒温ボックス内で10分間放置した後、片側のパイプ末端部で4つの爪状の部品を有する金属製拡大機で、パイプの内径が45mmになるまで、四回に分けてゆっくり拡大する。次に、遮断性樹脂層にクラックが発生しているか否かを肉眼で観察する。100個のパイプサンプルを使用してかようなテストを実施し、下記のA段階ないしD段階のクラック発生頻度(発生率)で評価する。
A:クラックが発生しない
B:微細なクラック(0.5mm以下)が発生
C:微細なクラックと大きいクラック(0.5mm以上)とが発生
D:大きいクラックだけ発生
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
前記表1及び表2から分かるように、実施例によるパイプは、比較例のパイプに比べ、遮断性及び耐クラック性に優れていることが分かった。
【0076】
本発明のパイプは、遮断性に優れ、自動車フィラ用パイプ、エアコンパイプ、LNG用パイプなどで効果的である。
【0077】
本発明を実施形態を用いて説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、本技術分野の当業者ならば、本発明の範囲および趣旨から逸脱しない範囲で多様な変更および変形が可能であるということを理解することができるであろう。従って、本発明の技術的範囲は、説明された実施形態によって定められず、特許請求の範囲により定められねばならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリオレフィン樹脂40ないし98重量部と、
(b)エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド、アイオノマー及びポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択された1種以上の遮断性樹脂と層状粘土化合物との遮断性ナノ複合体0.5ないし60重量部と、
(c)相溶化剤1ないし30重量部と、
(d)低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)及びゴムのうちから選択された1種以上の物性補強剤1ないし10重量部と
が乾燥混合された組成物を成形して製造された遮断性パイプ。
【請求項2】
前記(a)のポリオレフィン系樹脂が高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、メタロセンポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項3】
前記ポリプロピレンが、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、メタロセンポリプロピレン、及びプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーにタルクまたは難燃剤を添加した複合樹脂からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の遮断性パイプ。
【請求項4】
前記遮断性ナノ複合体のうち、遮断性樹脂と層状粘土化合物との重量比が、58.0:42.0ないし99.9:0.1であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項5】
前記層状粘土化合物が、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、マイカ、ヘクトライト、フッ化ヘクトライト、サポナイト、バイデル石、ノントロナイト、スチーブンサイト、バーミキュライト、ハロサイト、ヴォルコンスキー石、サッコナイト、マガダイト及びケニアライトからなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項6】
前記層状粘土化合物が、層状粘土化合物内に1ないし45重量%の有機化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項7】
前記有機化剤が、一級ないし四級のアンモニウム、ホスホニウム、マレエート、コハク酸塩、アクリレート、ベンジリックヒドロゲン、オキサゾリン及びジメチルジステアリルアンモニウムからなる群から選択されるいずれか1つの官能基を含む有機物であることを特徴とする請求項6に記載の遮断性パイプ。
【請求項8】
前記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量が10ないし50モル%であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項9】
前記ポリアミドが、1)ナイロン4.6、2)ナイロン6、3)ナイロン6.6、4)ナイロン6.10、5)ナイロン7、6)ナイロン8、7)ナイロン9、8)ナイロン11、9)ナイロン12、10)ナイロン46、11)MXD6、12)非晶質ポリアミド、13)1)〜12)のポリアミドのうち2以上の成分を有する共重合ポリアミド、または14)1)〜12)のポリアミドのうち2以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項10】
前記非晶質ポリアミドのガラス転移温度が約70℃ないし170℃であることを特徴とする請求項9に記載の遮断性パイプ。
【請求項11】
前記非晶質ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、イソフタル酸/テレフタル酸の比率が99/1ないし60/40であるヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド/テレフタルアミド三元共重合体、2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンテレフタルアミドの混合物、及びイソフタル酸またはテレフタル酸、またはその混合物と、ヘキサメチレンジアミンまたは2−メチルペンタメチレンジアミンとの共重合体からなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の遮断性パイプ。
【請求項12】
前記非晶質ポリアミドのイソフタル酸/テレフタル酸の比率が70/30ほどであるヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド/テレフタルアミド三元共重合体であることを特徴とする請求項11に記載の遮断性パイプ。
【請求項13】
前記アイオノマーが、溶融指数0.1ないし10g/10分(190℃、2,160g)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項14】
前記ゴムは、共役ジエン系(共)重合体、共役ジエン系(共)重合体の水素化添加物、オレフィン系ゴム、アクリルゴム、ポリオルガノシロキサン、熱可塑性弾性重合体、及びエチレン系アイオノマー共重合体からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項15】
前記相溶化剤がエチレン−無水エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルアクリレート−アクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性(グラフト)高密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性(グラフト)線形低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び無水マレイン酸変性(グラフト)エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項16】
押出成形、圧縮成形、中空成形または射出成形で製造されることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項17】
前記パイプが単層または多層の構造であることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。
【請求項18】
前記パイプが温水循環用パイプ、自動車フィラパイプ、エアコンパイプまたはLNG用パイプであることを特徴とする請求項1に記載の遮断性パイプ。

【公表番号】特表2008−523199(P2008−523199A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545356(P2007−545356)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002055
【国際公開番号】WO2006/062278
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】