説明

選別装置

【課題】シンプルな構成で、不良品を高精度に検出して排出できる選別装置を提供する。
【解決手段】被検体を搬送しながら不良品を検知する検査部と、前記検査部下流側の被検体搬送路(傾斜板7)の一部を開閉自由に形成した開閉部9と、前記検査部で検知された不良品が前記開閉部9に搬送されたときに該開閉部9を開口し、該開閉部9から該不良品を落下させて排出する制御部13と、を含んだ構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は錠剤等の被検体を選別する装置、特に被検体本体の外形は略正常な不良品を選別して排出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、錠剤等の医薬品の分野では、これらが経口物であることに配慮し、錠剤等の小型の被検体の搬送時において、外観が異常なものをはじめ、塵やゴミ、人間の毛髪、繊維等などの異物が中に混入したものを検出し、これらを不良品として選別し、排出する作業が行われている。その排出方法として、例えば、搬送路の終端付近にエアーノズルの吹き出し口を設け、被検体を搬送路に整列、吸着、トラッキング(制御部において該当する被検体の位置を把握し追跡すること。以下本文において同じ。)した後、前記搬送路の終端より落下し、空中に放出された不良品に対し、タイミングを合わせながら上下方向や斜め方向に圧縮空気を吹きつけ、該不良品を良品の落下経路外へ吹き飛ばす方法がある。この方法においては、特許文献1に記載のように、搬送路の終端まで、被検体が吸着固定され、被検体が個々にトラッキングされて搬送されることが必要である。
【0003】
また、一般に、被検体の形状検出を高精度に行う目的で、搬送路に使用するベルトの搬送面は明度を低くした黒色系にし、かつ被検体表面の明度を高くしている。そして、前記検出された形状の径内(内側)においても、汚れ、傷、欠け等の欠陥や、毛髪、繊維等といった異物の検出を行っている。
【特許文献1】実開平1−88784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記形状検出の精度をさらに向上させるためには、搬送面に画像処理の障害となる溝や孔、凹凸などを設けず、搬送面が平坦である平ベルトを使用する方法も考えられる。しかしながら、この方法では被検体が搬送路に吸着固定されずに搬送路終端部の排出点までランダムに移動してしまうため、被検体を個々にトラッキングすることは困難である。このため、従来のようにエアーノズルを用いた場合では、搬送路の終端より落下し空中に放出された不良品を良品の落下経路外へ吹き飛ばすために、圧縮空気を吹きつけるタイミングを合わせることが難しく、高精度に不良品を検出できたとしても、該不良品を良品の経路外へ排出する確実性には欠けるという問題点があった。
【0005】
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、シンプルな構成で、不良品を高精度に検出して排出できる選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、被検体を搬送しながら不良品を検知する検査部と、前記検査部下流側の被検体搬送路の一部を開閉自由に形成した開閉部と、前記検査部で検知された不良品が前記開閉部に搬送されたときに該開閉部を開口し、該開閉部から該不良品を落下させて排出する制御部と、を含んだ構成とした。
請求項2に記載の発明においては、前記検査部は、被検体本体の外形は略正常な不良品を検知可能であるような構成とした。
【0007】
請求項3に記載の発明においては、前記検査部は、毛髪等の異物が混入された不良品を検知可能であるような構成とした。
請求項4に記載の発明においては、前記検査部下流側の被検体搬送路は、搬送方向下方に傾斜する傾斜板と、該傾斜板を加振して振動させる加振機と、を備える構成とした。
請求項5に記載の発明においては、前記制御部は、不良品検知後、該不良品が前記開閉部に到達するまでの間に該開閉部を開き、該開閉部から不良品が落下して排出されるまでの間、該開閉部の開状態を維持するように前記開閉部を制御する構成とした。
【0008】
請求項6に記載の発明においては、前記開閉部は、被検体搬送路に形成された開口と該開口を塞ぐ蓋体とで構成され、該蓋体が下側に開いて、不良品を落下させる構成とした。
請求項7に記載の発明においては、前記検査部の被検体搬送路は、表面上の異物を検知可能な平ベルトで構成されるようにした。
請求項8に記載の発明においては、前記検査部における被検体搬送路表面は、被検体表面とは異なる色相でかつ高明度に形成され、被検体の輪郭を被検体表面と搬送路表面との色相差によって検知し、被検体に混入し被検体外側にはみ出した異物を、搬送路表面との明度差によって検知する構成とした。
【0009】
請求項9に記載の発明においては、前記検査部における被検体搬送路は半透明であり、該被検体搬送路へ光を投射する光源を備え、該光源から発せられ、被検体搬送路を透過した光の光量に基づいて被検体の検査を行う構成とした。
請求項10に記載の発明においては、前記検査部の被検体搬送路は、被検体を複数列に並べて搬送する構成とした。
【0010】
請求項11に記載の発明においては、前記開閉部下流側に、該開閉部で不良品が排出された後の被検体搬送個数をカウントするカウンタを設けた構成とした。
請求項12に記載の発明においては、前記開閉部下流側の被検体搬送路に、前記被検体を整列させる複数のガイドを設け、該ガイドによって仕切られた各列ごとに、前記カウンタを設けた構成とした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明により、不良品をトラッキングする必要がなくなり、低コストかつ高効率な不良品の選別、排出が可能となる。
請求項2に記載の発明により、1段階前工程の検査において外形が略正常と判断された被検体の中からも、毛髪、繊維等といった異物を有する不良品を検出することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明により、被検体に混入し被検体外側にはみ出した毛髪、繊維等のような異物(径外毛髪等。以下本文において同じ。)の検出が可能となる。
請求項4に記載の発明により、傾斜板の搬送面と被検体との間の摩擦抵抗を調整することで、円滑に略一定速度で被検体が搬送面を滑降できるようになる。また、搬送面が移動しないため、開閉部も容易に形成可能となる。
【0013】
請求項5に記載の発明により、前記開閉部の開口作動時に該開閉部上に未到達の不良品をも、該開閉部から確実に落下させ、排出することができる。
請求項6に記載の発明により、前記開閉部の開口作動時に該開閉部(蓋体)の上にある不良品をも、前記開閉部(蓋体)上を通過させることなく該開閉部から確実に落下させ、排出することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明により、検査部搬送面に凹凸のない平坦な平ベルトを用いるため、検査部における被検体の形状検出の精度が向上する。
請求項8に記載の発明により、被検体の形状検出の精度を維持しながらも、径外毛髪等が画像情報として検査部の搬送面から分離して浮かび上がりやすくなり、該径外毛髪等の検出精度が向上する。
【0015】
請求項9に記載の発明により、半透明の搬送路に対して光源から光を投射することにより、該搬送路を挟んで該光源の反対側において、光を透過させない径外毛髪等を影部として搬送路から明確に分離して浮かび上がらせることができ、搬送面と略同等の高明度を有する白(金)色系の径外毛髪等に対しても、高い精度で検出を行うことができる。
請求項10に記載の発明により、検査部における処理能力が向上する。
【0016】
請求項11に記載の発明により、1段階前工程の検査装置が故障等した場合、あるいは前記開閉部からの被検体排出数の正確な計数が難しい場合であっても、最終的な良品数をより正確に計数し把握可能となる。
請求項12に記載の発明により、複数のガイドによって仕切られた各列ごとに被検体を整列させ、より正確な良品計数が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明における第一実施形態について説明する。
本発明に係る選別装置は、錠剤等医薬品の製造あるいは検査工程における、既設の搬送用ベルトの良品出口に増設して使用するのが好適である。
図1は本実施形態の概略基本構成を側面から見た図であり、これを上側から見た図が図2である。本実施形態は、主に、検査部、選別排出部(開閉部、制御部)、および計数部から構成されている。
【0018】
まず、検査部について説明する。本選別装置は、被検体として錠剤の良品と不良品とを選別する。
本選別装置より1段階前工程の終端部に設けられた前工程良品出口1に続いて、本選別装置の供給フィーダ2が設けられ、該供給フィーダ2内には、搬送方向と略平行に供給フィーダ用ガイド3が複数設けられている。前工程の所定検査をパスした錠剤T(良品)が、前記前工程良品出口1から一定量ずつ本選別装置の供給フィーダ2へ供給され、搬送されながら該供給フィーダ用ガイド3によって8列に整列させられる。
【0019】
前記供給フィーダ2に続いて、ベルトコンベア式の検査部用搬送ベルト4が2本設けられ、該検査部用搬送ベルト4の搬送面には、該ベルト1本を2列の搬送路に分離するガイド5が設けられている。各列の搬送路には、前記供給フィーダ用ガイド3によって2列ずつ整列されて錠剤Tが搬送される。また、該検査部用搬送ベルト4には平ベルトを用いる。該平ベルトの搬送面は平坦であり、画像処理の障害となる溝や孔、凹凸などは設けられていない。そして、前記供給フィーダ用ガイド3によって計8列に整列させられた錠剤Tは、前記2本の検査部用搬送ベルト4へと搬送され、これらベルト4を同時に駆動し搬送を行う。
【0020】
搬送路に上記のような平ベルトを用いた場合、姿勢の不安定な錠剤を搬送面上に吸着固定する手段がないため、画像撮像時における錠剤Tの姿勢安定化の必要上、搬送速度を所定速度以下に遅くする、具体的には、1段階前工程の検査装置の1/3以下程度まで遅くする必要があり、処理能力低下の懸念がある。そこで、処理能力を前記1段階前工程の検査装置以上に維持するため、搬送路を多列にし、かつ搬送路1列の中でもさらに被検体を複数列(本実施例では2列で計8列)に並べて搬送している。
【0021】
ところで、外形が正常な被検体の中には、被検体の製造段階において混入し、被検体と一体に固化成形した毛髪、繊維等の異物のうち、該被検体の径外にはみ出した径外毛髪等(図3における21)を有するものもある。
この径外毛髪等は柔軟で変形容易なため、搬送路途中にゲート等を設けた場合でもゲート等を簡単に通り抜けることができ、搬送のうえで特に問題とはならないが、特に錠剤等の医薬品分野では不良品の混入はその品質における重欠陥であるため、従来の検査機に機能を追加してでも、最終ユーザーへ渡る前に該不良品を確実に検出、選別、排出することが強く望まれている。
【0022】
従来の形状検出では、前述のとおり、一般的に、表面明度の高い被検体の背景を暗くするため、明度の低い黒色系ベルトを搬送面に使用しているが、前記径外毛髪等の明度が前記黒色系ベルトと同程度に低い場合などは想定しておらず、このような場合は、該径外毛髪等は光学的に背景である黒色ベルト搬送面と同一に見え、背景との分離が難しくなる。したがって、径外毛髪等を有する被検体が、前記形状検出やその形状径内おける欠陥、異物検出による不良品検出を突破し、不良品が良品に混入する恐れがあった。
【0023】
そこで、本実施形態においては、前記検査部用搬送ベルト4の搬送面の色は、径外毛髪等を画像情報としてより明確に浮かび上がらせて検出感度を高めるように設定される。このため、錠剤表面の色に応じて搬送面の色が異なる検査部用搬送ベルト4を選択して変更できるようにするとよい。例えば、通常黒っぽく明度の低い径外毛髪等に対し、錠剤表面の色が白色である場合、前記検査部用搬送ベルト4の搬送面の色は黄色等を選択するとよい。この場合、画像処理部(図示せず)における検出には、被検体(図3における錠剤T)の白色と搬送面の黄色との間の色(色相、または赤、青、緑の三原色の構成比率)の差を利用する。これにより、黄色の搬送面(背景)の中から、白色の錠剤Tの輪郭を精度良く検出できる。そして、このように、錠剤Tの輪郭を色相差を利用して検出することで、搬送路面を黄色など比較的高明度とすることができるので、錠剤Tの外側にはみ出す径外毛髪等を、該高明度の搬送路面を背景色として、明度差を大きくすることによって高精度に検出することができる。
【0024】
前記検査部用搬送ベルト4の上方には、搬送面を上方から臨むように、検査用カメラ6が設けられている。該検査用カメラによって被検体の光学画像が取り込まれ、画像処理部(図示せず)へ画像情報が送られ、上記のようにして径外毛髪等の有無が高精度に判定される。
次に、上記のようにして検出された不良品を、上記検査部の下流側で選別して排出する開閉部および制御部について説明する。
【0025】
前記検査部用搬送ベルト4の終端部に続き、搬送方向下方に傾斜している傾斜板7が設けられ、該傾斜板7の搬送面の裏側には、該傾斜板7の搬送路へ振動を供給する加振機8が設けられている。前記加振機8は、前記傾斜板7の搬送面と錠剤との間の摩擦抵抗を錠剤の種類によって必要に応じて調整し、円滑に略一定速度で錠剤等が搬送面を滑降できるようになっている。また、該傾斜板7の途中には、開閉部9が設けられている。該開閉部9は、傾斜板7の一部が矩形状に開口され、該開口9aを開閉自由な蓋9bが、ヒンジ10を介して、傾斜板7の開口9a下流端縁部に回動自在に取り付けられている。前記蓋9bの裏面にはダンパを介してエアシリンダ11の出力端部が連結されている。さらに、前記開閉部9の下方には不良品ボックス12が設けられ、該開閉部9から落下し排出された不良品が集められる。
【0026】
制御部13は、前記エアシリンダ11に制御信号を出力する。エアシリンダ11は、前記検査部が錠剤T中に不良品を検知しない場合には、出力ロッドが伸張した状態に維持され、この状態で、蓋9bは、開口9aを塞いで蓋9b表面を傾斜板7の搬送面と同一面とする。これにより、錠剤T(良品)は、蓋9b上を支障なく通過する。
これに対し、前記検査部が、錠剤T中に不良品を検知した場合には、当該不良品が前記開閉部9に搬送されるタイミングで制御部13からの制御信号によってエアシリンダ11が駆動し、出力ロッドが引き込まれて、前記蓋9bが下側に回動して開口9aが開かれる。これにより、錠剤Tの不良品は、開口9aから落下し、該開口9aの下方に設けられた不良品ボックス12へ導かれて排出される。
【0027】
前記開閉部9は、検査部において被検体中に不良品を検知した場合には、搬送面上の一定エリア上にある複数の被検体を良品か不良品かを問わずまとめて落下させ、排出するため、排出されるべき不良品の前後位置で搬送中の良品を多少巻き込むが、検知した不良品をより確実に排出することができる。
また、前記傾斜板7の搬送面上で振動による搬送を行うことで、従来のように被検体を自然落下させる場合に比べて落下速度が大幅に低下することから、不良品の移動に合わせて排出手段(従来の装置ではエアーノズルが、本選別装置では前記開閉部9が該当)を作動させるタイミングを合わせやすくなる。本実施形態においても、不良品が前記開閉部9上に到達するタイミングで前記開閉部9を開口状態にしておくことは容易となる。これにより、従来のようにエアーノズルを用いた場合における排出手段作動のタイミングを合わせる困難性が解消され、より確実に不良品を落下、排出することができるようになる。但し、検査部で不良品を検出した後、不良品が開閉部に到達するより早めに予め蓋9bを開いて待機し、不良品が確実に排出されるのを待って閉じるようにするなどして、排出の確実性を高めるようにしてもよい。
【0028】
前記傾斜板7の搬送面の終端部には、被検体を8列に並べるための8列分離トラフ14が設けられている。該8列分離トラフ14は、被検体の種類によって交換可能である。前記傾斜板7の搬送面の始端部から8列に整列しなかったのは、そうした場合、該搬送路始端部のゲート数が倍になり、各ゲートにおける被検体の詰まり、各列の搬送量の不安定化や連接などが発生し、搬送に障害が生じるためである。
【0029】
上記のようにして不良品を排出した後、良品として搬送される錠剤Tの個数が、計数部でカウントされる。以下に、計数部について説明する。
前記傾斜板7の搬送路の終端部に続き、錠数カウント用ベルトコンベア15が設けられ、前記8列分離トラフ14によって8列に整列された被検体を、そのまま8列(ベルト1本を4列の搬送路に分離するガイド16,17を搬送路上に設けたベルトを2本設置)で搬送する。
【0030】
錠数カウント用ベルトコンベア15の終端部に続いて、各列ごとに錠数カウンタ18が設けられ、該錠数カウント用ベルトコンベア15の終端部および該錠数カウンタ18の下方には良品ボックス19が設けられている。前記錠数カウント用ベルトコンベア15の終端部から落下した被検体は、前記各列の錠数カウンタ18においてその数をカウントされ、良品ボックス19へ自然落下する。この良品ボックス19へ自然落下する被検体の数が、最終的にすべての選別工程をパスした良品数として計数される。
【0031】
尚、該選別装置より1段階前工程の検査装置にも錠数カウンタが設けられているが、該1段階前工程の検査装置が故障等した場合に、不良品を良品と間違えて検査をパスさせない機能、また良品であるか否か不確実な錠剤を良品シュートに流さないように検査後の全ての錠剤を一括して排除する機能(フェールセーフ機能)が働いた場合、該1段階前工程の検査装置側の錠数カウンタは意味を成さない。また、本選別装置における前記開閉部9からの排出数は、構造上把握が困難である。上記理由から、錠数カウンタ18は、前記錠数カウント用ベルトコンベア15の終端部に続いた位置にも設けられている。
【0032】
以下に、本発明における他の実施形態(第二実施形態)について説明する。
図4は本実施形態の概略基本構成を側面から見た図である。本実施形態では、前記第一実施形態における検査部用搬送ベルト4に対応して、半透明で光を透過する半透明搬送ベルト31を使用している。また、検査用カメラ6の下方には、前記半透明搬送ベルト31の上下ベルト間の空間に光源32が設置されている。前記光源32は、上方に向かって前記半透明搬送ベルト31を透過する光を投射し、前記検査用カメラ6で撮像される透過光の光量に基づいて被検体が検査される。
【0033】
すなわち、前記第一実施形態では、検査部用搬送ベルト4の搬送面は高明度であるため、反射光および高明度の搬送面上にある黒色系(低明度)の径外毛髪等は確実に検知できるが、白(金)色系の径外毛髪等が搬送された場合、光学的に高明度の背景(搬送面)と同一に見えるため、背景との分離が難しい。
そこで、本実施形態では、前記半透明搬送ベルト31を透過した光が、光を透過させない径外毛髪等を影部として明確に浮かび上がらせることで、背景(搬送面)と分離され、検査用カメラ6において検知している。以て、搬送面と略同等の高明度を有する白(金)色系の径外毛髪等に対しても、高い精度で検出を行うことができる。
【0034】
なお、本実施形態のように半透明の搬送路を用いる場合、搬送路の上方、下方いずれからでも被検体の形状検出が可能となるため、前記検査用カメラ6の配置を前記光源32の配置と交換してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る選別装置の第一実施形態の概略基本構成を側面から見た図
【図2】本発明に係る選別装置の第一実施形態の概略基本構成を上面から見た図
【図3】錠剤に混入した径外毛髪等の説明図
【図4】本発明に係る選別装置の第二実施形態の概略基本構成を側面から見た図
【符号の説明】
【0036】
4 検査部用搬送ベルト
7 傾斜板
8 加振機
9 開閉部
9a 開口
9b 蓋
13 制御部
15 錠数カウント用ベルトコンベア
16 ガイド
17 ガイド
18 錠数カウンタ
21 径外毛髪等
31 半透明搬送ベルト
32 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を搬送しながら不良品を検知する検査部と、
前記検査部下流側の被検体搬送路の一部を開閉自由に形成した開閉部と、
前記検査部で検知された不良品が前記開閉部に搬送されたときに該開閉部を開口し、該開閉部から該不良品を落下させて排出する制御部と、
を含んで構成したことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記検査部は、被検体本体の外形は略正常な不良品を検知可能であることを特徴とする請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
前記検査部は、毛髪等の異物が混入された不良品を検知可能であることを特徴とする請求項2に記載の選別装置。
【請求項4】
前記検査部下流側の被検体搬送路は、搬送方向下方に傾斜する傾斜板と、該傾斜板を加振して振動させる加振機と、を備えて構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項5】
前記制御部は、不良品検知後、該不良品が前記開閉部に到達するまでの間に該開閉部を開き、該開閉部から不良品が落下して排出されるまでの間、該開閉部の開状態を維持するように前記開閉部を制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項6】
前記開閉部は、被検体搬送路に形成された開口と該開口を塞ぐ蓋体とで構成され、該蓋体が下側に開いて、不良品を落下させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項7】
前記検査部の被検体搬送路は、表面上の異物を検知可能な平ベルトで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項8】
前記検査部における被検体搬送路表面は、被検体表面とは異なる色相でかつ高明度に形成され、被検体の輪郭を被検体表面と搬送路表面との色相差によって検知し、被検体に混入し被検体外側にはみ出した異物を、搬送路表面との明度差によって検知することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項9】
前記検査部における被検体搬送路は半透明であり、該被検体搬送路へ光を投射する光源を備え、該光源から発せられ、被検体搬送路を透過した光の光量に基づいて被検体の検査を行うことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項10】
前記検査部の被検体搬送路は、被検体を複数列に並べて搬送することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項11】
前記開閉部下流側に、該開閉部で不良品が排出された後の被検体搬送個数をカウントするカウンタを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の選別装置。
【請求項12】
前記開閉部下流側の被検体搬送路に、前記被検体を整列させる複数のガイドを設け、該ガイドによって仕切られた各列ごとに、前記カウンタを設けたことを特徴とする請求項11に記載の選別装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−142236(P2006−142236A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337522(P2004−337522)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000209751)池上通信機株式会社 (123)
【Fターム(参考)】