説明

選別装置

【課題】 作業者がランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができ、ランク別収容容器の交換を円滑に行って作業効率を向上させることができる選別装置を提供すること。
【解決手段】 ランク別収容容器11A〜11E毎に表示手段16を設け、振り分けアーム8によって振り分けられるランク別収容容器11A〜11Eが満杯になる時間を予測し、満杯になるまでの間にランク別収容容器11A〜11E毎の被計量物2の累積状態に応じて表示手段16の報知内容を変更するようにした。また、その際に複数のランク別収容容器11A〜11Eの中で、最初に満杯になるランク別収容容器11A〜11Eの表示手段16を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選別装置に関し、詳しくは、送り込まれて来る被計量物の個数や重量等の状態量を計量してその計量値に応じて被計量物のランクを判別し、該当するランクに関連付けられた排出先に被計量物を振り分けるようにした選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送り込まれて来る生鮮食料品等の被計量物の重量を計量し、その計量値に応じて被計量物のランクを判別し、該当するランクに関連付けられた排出先に被計量物を振り分けて袋詰めする重量選別装置が知られている。
【0003】
この重量選別装置としては、供給された被計量物の計量値によって該当する計量物を対応するランクに排出処理する構成となっており、各ランク毎に排出された被計量物の各ランク毎の総重量または総個数が一定の値になるように制御することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この重量選別装置の後段では、一般に、各ランク毎に排出された被計量物が、各ランク毎にされているランク別収容容器内に排出されて蓄積される。
【特許文献1】特開平10−296192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の重量選別装置にあっては、各ランクに排出される被計量物が、ランク毎に設置されているランク別収容容器に蓄積される際に、作業者は外部から当該ランク別収容容器の内部が見えないため、被計量物がランク別収容容器内に充満するまで気付かないことがあった。
【0006】
このとき、作業者は、ランク別収容容器内に被計量物が充満してから交換用の収納容器や収納袋を準備することになるため、その間に被計量物がランク別収容容器から溢れ出してしまい、作業効率を低下させてしまうという問題があった。
【0007】
また、ランク別収容容器内に被計量物が充満したことを通知させるために、各ランクの個数、重量等をセンサで監視し、ランク別収容容器が充満したら信号を出力する方法も考案されているが、これはランク別収容容器が充満してから通知されるため、上述した問題と同様に作業者は交換用の収納容器や収納袋の準備が遅れてしまい、被計量物がランク別収容容器から溢れてしまい、上述したものと同様に作業効率を低下させてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、作業者がランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができ、ランク別収容容器の交換を円滑に行って作業効率を向上させることができる選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の選別装置は、被計量物の状態量を計量する計量手段と、複数のランクの状態量範囲を規定するリミット値が設定され、前記計量手段から出力された被計量物の状態量に応じて前記被計量物のランクを判別して対応するランク指定信号を出力するランク信号出力手段と、前記ランク信号出力手段から出力されるランク指定信号に基づいて、該当するランクに関連付けられた排出先に前記被計量物を振り分ける振り分け手段と、各ランク毎に設置され、振り分けられた前記被計量物を蓄積するランク別収容容器とを備えた選別装置において、前記ランク信号出力手段から出力されるランク指定信号に基づいて、前記ランク別収容容器内の前記被計量物の状態量を計数する状態量累積手段と、前記ランク別収容容器毎に設けられた報知手段と、前記状態量累積手段の累積結果に基づき、前記被計量物の累積状態を前記ランク別収容容器毎に報知するように前記報知手段を制御する報知制御手段とを備えたものから構成されている。
【0010】
この構成により、各ランク毎に設置されているランク別収容容器に蓄積される被計量物の蓄積状況を、各ランク別収容容器のそれぞれに設置されている報知手段で報知することができるので、作業者は蓄積状況が報知されたランク別収容容器を着目するだけでそのランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができる。このため、ランク別収容容器の交換を円滑に行って作業効率を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の選別装置の前記報知制御手段は、前記振り分け手段によって振り分けられるランク別収容容器が満杯になる時間を予測し、満杯になるまでの間に前記ランク別収容容器毎の被計量物の累積状態に応じて前記報知手段の報知内容を変更するものから構成されている。
【0012】
この構成により、満杯になる2分前、1分前、30秒前と言うように、ランク別収容容器が満杯に近づくに従って、報知手段の報知内容を変更して報知することにより、作業者は蓄積状況が報知されたランク別収容容器を着目するだけでそのランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができる。
【0013】
また、本発明の選別装置は、前記ランク別収容容器毎の前記状態量累積手段の累積結果をリセットするリセット手段を有し、前記報知制御手段は、前記リセット手段のリセット操作後に、前記複数のランク別収容容器の中で最初に満杯になるランク別収容容器の報知手段を制御するものから構成されている。
【0014】
この構成により、作業者は蓄積状況が報知されたランク別収容容器を着目するだけで満杯になったランク別収容容器を適切な時期に交換することができる。
【0015】
また、本発明の選別装置の前記報知制御手段は、前記振り分け手段によって振り分けられるランク別収容容器の単位時間当たりの振り分け状態量を合計した値を所定の区分数で除算し、前記除算結果に基づいて前記所定の区分数に応じた境界値とすることにより、前記境界値に近い前記振り分け能力の前記ランク別収容容器を境にして前記ランク別収容容器の報知範囲を区分し、前記報知範囲内に区分された前記報知手段の報知内容を前記所定の区分数に区分された各々の報知範囲毎に異なるようにしたものから構成されている。
【0016】
この構成により、振り分け能力および所定の区分数(例えば、作業者の人数)に応じて複数のランク別収容容器を複数の報知範囲(作業領域)に区分し、報知範囲内に区分された報知手段の報知内容を作業者毎に異なるようにすることにより、自分が分担する報知範囲内の作業者は蓄積状況が報知されたランク別収容容器を着目するだけで満杯になったランク別収容容器を適切な時期に交換することができる。
【0017】
これに加えて、特定のランク別収容容器に他のランク別収容容器よりも多くの被計量物が振り分けられる場合には、そのランク別収容容器の交換頻度が多くなり、交換頻度が多いランク別収容容器を含んだランク別収容容器の交換作業を担当する作業者の作業量が多くなるが、振り分け能力および作業者の人数に応じて複数のランク別収容容器を複数の報知範囲(作業領域)に区分することで、ランク別収容容器の交換作業の偏りを防止することができ、作業者の作業量の均一化を図ることができる。
【0018】
また、本発明の選別装置の前記状態量は、前記被計量物の個数または重量であることを特徴とするものから構成されている。
【0019】
この構成により、ランク別収容容器に累積される被計量物の個数または重量の累積状態に基づいて、ランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができる。
【0020】
また、本発明の選別装置の前記報知手段は、表示装置または音声出力装置からなるものから構成されている。
【0021】
この構成により、視覚的または聴覚的にランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、作業者がランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができ、ランク別収容容器の交換を円滑に行って作業効率を向上させることができる選別装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0024】
図1〜図3は本発明に係る選別装置の第1の実施の形態を示す図であり、重量選別装置を例にして説明する。
【0025】
まず、構成を説明する。図1において、重量選別装置1は、生鮮食料品等の被計量物2を搬送する導入部3と、導入部3によって搬送された被計量物2を搬送しながら計量を行う測定部4と、測定部4によって測定された被計量物2を計量結果に応じて選別する選別部5と、重量選別装置1の全体を制御する処理部6とを備えている。
【0026】
導入部3は、被計量物2を搬送するための搬送コンベア3aを備えており、被計量物2は図示しない作業員による手作業または図示しない供給装置によって搬送コンベア3aに適当な間隔で投入されて次段の測定部4に搬送される。
【0027】
測定部4は、導入部3の搬送コンベア3aによって搬送されて来た被計量物2を受け取ってさらに先に搬送する搬送コンベア4aと、この搬送コンベア4aに設けられ、搬送中の被計量物2の重量を計量する計量手段7(図2参照)とを備えている。
【0028】
なお、図示しないが測定部4の搬送コンベア4aを、被計量物2の状態が安定するのを待ちつつ搬送する前段の第1の搬送コンベアと、計量手段7が設けられた後段の第2の搬送コンベアに分割しても良い。
【0029】
選別部5は、測定部4で計量された被計量物2を受け取ってさらに先に搬送する搬送コンベア5aと、この搬送コンベア5aの一方の側縁に搬送コンベア5aの搬送方向Lに沿って所定間隔で複数台が設置された振り分けアーム8と、搬送コンベア5aから振り分けられた被計量物2をランク別収容容器11A〜11Eに案内するガイド部材9と、ガイド部材9の下端部に設けられ、モータや減速機等からなるシャッター開閉手段17によって駆動されるシャッター部材10と、ランク別収容容器11A〜11Eに蓄積させる被計量物の累積状態を表示する表示手段16と、ランク別収容容器11A〜11Eが満杯になったときに累積値をリセットするとともにシャッター開閉手段17を駆動するリセット手段18とを備えている。
【0030】
振り分けアーム8は、搬送コンベア5aが搬送して来た被計量物2をそのまま通過させるように搬送コンベア5aと平行な基本位置と、搬送コンベア5aと交差して搬送コンベア5aが搬送して来た被計量物2の搬送を阻止する動作位置との間で揺動可能になっており、図2に示すようにモータや減速機等からなるアーム駆動手段15によって駆動される。
【0031】
この振り分けアーム8は、アーム駆動手段15によって適当なタイミングで揺動して動作位置において被計量物2を受け止めた後、基本位置に戻ることにより、当該被計量物2を搬送コンベア5aからガイド部材9を通して基本位置の外に設定された特定の重量ランクに相当する選別位置(ランクA〜Eで示す)に振り分けるようになっている。
【0032】
振り分けられた被計量物2は、各ランクA〜Eの後段にそれぞれ設置されたランク別収容容器11A〜11Eに排出される。なお、本実施の形態では、ランク別収容容器11A〜11Eは5つであるが、作業量に応じた数が設けられるのは言うまでもない。
【0033】
また、本実施の形態では、振り分けアーム8およびアーム駆動手段15が振り分け手段を構成しており、振り分けアーム8によって被計量物2を振り分けているが、これに限らず、例えば、振り分け手段としてエアーを直接被計量物2に当てたり、搬送コンベア5a上で開口部が開口して被計量物2が自重で落下するようにして被計量物2を振り分けても良い。
【0034】
シャッター部材10はシャッター開閉手段17によって駆動されることにより、被計量物2をガイド部材9からランク別収容容器11A〜11Eに落下させる落下位置と、被計量物2の落下を阻止してガイド部材9内に留める阻止位置との間で移動させるようになっている。
【0035】
一方、図2に示すように、処理部6は、ランク信号出力手段12、個数累積手段13および表示制御手段14を備えている。
【0036】
ランク信号出力手段12は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のコンピュータから構成されており、ランク別収容容器11A〜11Eに振り分けられる被計量物2の重量範囲を設定するリミット値が設定され、計量手段7から出力された被計量物2の計量値に応じて被計量物2のランクを判別して対応するランク指定信号をアーム駆動手段15に出力するようになっている。
【0037】
アーム駆動手段15はランク指定信号に基づいて任意の振り分けアーム8を基本位置から動作位置に移動させて被計量物2をリミット値に応じたランク別収容容器11A〜11Eの何れかに振り分ける。なお、リミット値は、例えば、ランクAが60.0g〜62.5g、ランクBが63.5〜65.0g、ランクCが64.0〜66.5g、ランクDが67.0〜69.5g、ランクEが69.0〜70.5gという値に設定されている。
【0038】
また、ランク信号出力手段12は、ランク指定信号と共に計量開始信号を個数累積手段13に出力するようになっており、個数累積手段13は計量開始信号を表示制御手段14に出力し、表示制御手段14は計量開始信号が入力すると内蔵されたタイマーを作動させるようになっている。
【0039】
また、個数累積手段(状態量累積手段)13は、上述したコンピュータから構成されており、ランク信号出力手段12から出力されたランク指定信号に基づいて、各ランクA〜E毎に被計量物2の個数(状態量)を計数し、累積結果に応じた表示制御信号を表示制御手段14に出力するとともに、シャッター開閉手段17にシャッター開閉信号を送信するようになっている。
【0040】
シャッター開閉手段17は、ランク別収容容器11A〜11Eに振り分けられた被計量物2が満杯になったときに、シャッター部材10を開放位置から阻止位置に揺動させてランク別収容容器11A〜11E内の被計量物2が落下してしまうのを防止するようになっている。
【0041】
また、表示制御手段14は、上述したコンピュータから構成されており、個数累積手段13からの出力された累積結果に対応した表示制御信号に基づき、被計量物2の累積状態をランク別収容容器11A〜11E毎に報知するように表示手段16を制御するようになっている。
【0042】
具体的には、表示手段16はLEDランプ等の表示装置から構成されており、表示制御手段14は、振り分けアーム8によって振り分けられるランク別収容容器11A〜11Eが満杯になる時間を予測し、例えば、ランク別収容容器11A〜11Eを充満させる被計量物2の個数が25個ある場合には、満杯になるまでの間にランク別収容容器11A〜11E毎の被計量物2の累積状態に応じて表示手段16の表示内容、例えば、色や点滅周期等を変更する。
【0043】
また、表示制御手段14は、リセット手段18のリセット操作後に最初に満杯になるランク別収容容器11A〜11Eの何れか1つの表示手段16を表示制御し、他のランク別収容容器11A〜11Eの残りの4つの表示手段16は表示をしない。
【0044】
本実施の形態では、表示制御手段14が報知制御手段を構成し、表示手段16が報知手段を構成している。
【0045】
また、リセット手段18はリセットボタン等の操作スイッチから構成されており、リセット手段18を操作すると、個数累積手段13の累積値をリセットするとともに、シャッター開閉手段17を駆動してシャッター部材10を阻止位置に揺動させる。
【0046】
次に、被計量物の選別方法を説明する。
【0047】
搬送コンベア4a上を搬送される被計量物2が計量手段7で計量されると、計量手段7はランク信号出力手段12に計量結果を出力する。ランク信号出力手段12は、計量手段7から出力された被計量物2の計量値に応じて被計量物2のランクを判別して対応するランク指定信号をアーム駆動手段15に出力する。
【0048】
搬送コンベア上4aを搬送される被計量物2は搬送コンベア4aから搬送コンベア5aに移動して搬送されるため、アーム駆動手段15は振り分けアーム8を適当なタイミングで揺動して動作位置において被計量物2を受け止めた後、基本位置に戻ることにより、当該被計量物2を搬送コンベア5aからガイド部材9を通して基本位置の外に設定された特定の重量ランクに相当するランクA〜Eに振り分ける。
【0049】
一方、計量手段7で1個目の被計量物2の計量が開始されると、表示制御手段14がタイマーを作動させて経過時間T(ms)のカウントを開始する。そして、同一のリミット値内において、n個目(n≧5)の被計量物2が計量手段7で計量されると、経過時間Tから各ランクA〜Eに振り分けられる被計量物2の1個当たりの時間間隔(ms)=T/n−1を求め、以下の式に基づいてランク別収容容器11A〜11Eが満杯になるまでの残り時間を求める。
【0050】
残り時間(ms)〔残り個数〕=1個当たりの時間間隔×(満杯個数−累積個数)......式1
なお、途中で搬送コンベア3a〜5aが停止した場合には、タイマーのカウントを停止する。
【0051】
表示制御手段14は、個数累積手段13から出力される表示制御信号に基づいて、被計量物2の累積状態を図3に示すように、ランク別収容容器11A〜11E毎に報知する。
【0052】
図3において、ランク別収容容器11Eが満杯になるものと個数累積手段13が判断した場合に、表示制御手段14に表示制御信号を出力するようになっており、表示制御手段14は、ランク別収容容器11E上の表示手段16の表示の表示制御を行う。
【0053】
表示制御手段14は、例えば、ランク別収容容器11Eが満杯にある2分前には緑色で表示手段16を点灯し、1分前には青色で表示手段16を点灯し、30秒前には赤色が表示手段16を点灯する。また、個数累積手段13はランク別収容容器11Bが満杯になったときにシャッター開閉手段17を作動してシャッター部材10を阻止位置に移動させる。
【0054】
作業者は表示手段16の表示内容を確認してランク別収容容器11Eが満杯になったときに、ランク別収容容器11Eを取り外して収容された被計量物2をランク別収容容器11Eと別体の収納容器や収納袋に収納して後段のラインに搬送し、空になったランク別収容容器Eを元の位置に取り付ける。
【0055】
また、ランク別収容容器Eを傾けて収容された被計量物2をランク別収容容器Eと別体の収納容器や収納袋に収納しても良い。さらに、ランク別収容容器Eを、収納された被計量物2と共に後段のラインに搬送し、新たなランク別収容容器E´に交換しても良い。
【0056】
この後、作業者がリセット手段18を操作すると、個数累積手段13の累積値がリセットされるとともに、シャッター開閉手段17が作動してシャッター部材10が落下位置に揺動するため、後続する被計量物2がランク別収容容器11Eに収容される。以後、同様にして次に満杯になるランク別収容容器11A〜11Eの何れかの表示手段16が表示制御されるので、上述した作業を行う。
【0057】
リセット手段18は、収納容器や収納袋の有無を検出し、交換されたことを検知して個数累積手段13の累積値をリセットしても良い。
【0058】
このように本実施の形態では、ランク別収容容器11A〜11E毎に表示手段16を設け、個数累積手段13の累積結果に基づき、被計量物2の累積状態をランク別収容容器11A〜11E毎に報知するように表示手段16を制御するようにしたので、作業者は蓄積状況が報知されたランク別収容容器11A〜11Eを着目するだけでそのランク別収容容器11A〜11Eの好適な交換時期を把握することができる。このため、ランク別収容容器11A〜11Eの交換を円滑に行って作業効率を向上させることができる。
【0059】
また、本実施の形態では、振り分けアーム8によって振り分けられるランク別収容容器11A〜11Eが満杯になる時間を予測し、満杯になるまでの間にランク別収容容器11A〜11E毎の被計量物2の累積状態に応じて表示手段16の報知内容を変更するようにしたので、満杯になる2分前、1分前、30秒前と言うようにランク別収容容器11A〜11Eが満杯に近づくに従って、表示手段16の表示色を変更するので、作業者は蓄積状況が表示されたランク別収容容器11A〜11Eを着目するだけでそのランク別収容容器11A〜11Eの好適な交換時期を把握することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、リセット手段18のリセット操作後に、ランク別収容容器11A〜11Eの中で最初に満杯になるランク別収容容器11A〜11Eの表示手段16を制御するので、作業者は蓄積状況が報知されたランク別収容容器11A〜11Eを着目するだけで満杯になったランク別収容容器11A〜11Eを適切な時期に交換することができる。
【0061】
また、本実施の形態では、被計量物2の個数を累積しているので、ランク別収容容器11A〜11Eに累積される被計量物の累積個数に基づいて、ランク別収容容器11A〜11Eの好適な交換時期を把握することができる。
【0062】
なお、累積個数の代わりに、状態量として重量をパラメータとし、被計量物の重量を累積しても同様の効果を得ることができる。この場合には、図2の個数累積手段13に代えて重量累積手段を設け、以下の式に基づいてランク別収容容器11A〜11Eが満杯になるまでの残り時間を求めれば良い。
【0063】
残り時間(ms)〔残り個数〕=1個当たりの時間間隔×(満杯重量−累積重量)/n個の平均重量......式2
また、本実施の形態では、報知手段としてLEDランプ等の表示装置からなる表示手段16を備えているので、視覚的にランク別収容容器11A〜11Eの好適な交換時期を把握することができる。
【0064】
なお、表示方式は、ランプの色を代える以外に、ランプの点滅周期を満杯状態が近づくにつれて速くなるようにしても良い。また、ランプ以外に液晶ディスプレイから構成しても良い。この液晶ディスプレイの場合には、満杯になる時間を表示したり、色を変更すれば良い。
【0065】
また、表示手段16以外にスピーカー等の音声出力装置を設けても良い。この場合には、満杯状態が近づくにつれて音の出力間隔を短くしたり、音声により「あと1分でランク別収容容器11Aが満杯になります」というアナウンスを行うようにすれば良い。
【0066】
また、ランク別収容容器11A〜11Eは、全て異なるリミット値に設定されているが、特定のリミット値に振り分けられる被計量物2が多い場合には、ランク別収容容器11A〜11Cを同一のリミット値に設定し、ランク別収容容器11D、11Eをランク別収容容器11A〜11Cと異なるリミット値に設定するようにしても良い。
【0067】
さらに、本実施の形態では、被計量物2の重量を選別する重量選別装置1を例にしているが、選別する対象として、被計量物2の外形形状、材料、硬度等を選別する装置に適用しても良い。
【0068】
例えば、被計量物2の外形形状を検出する場合には、計量手段7に代えて、被計量物2の外形を撮像する撮像装置を設け、画像処理によって被計量物2の外形形状を検出すれば良い。
【0069】
図4、図5は本発明に係る選別装置の第2の実施の形態を示す図であり、基本構成は第1の実施の形態と同様であるため、第1の実施の形態の図面を援用して説明する。
【0070】
本実施の形態では、表示制御手段14が、個数累積手段13からの出力信号に基づいて振り分けアーム8によって振り分けられるランク別収容容器11A〜11Eの単位時間当たりの振り分け個数を合計した値を作業者の数(所定の区分数)で除算し、この除算結果に基づいて作業者の人数に応じた境界線(境界値)とすることにより、この境界線に近い振り分け能力のランク別収容容器11A〜11Eを境にしてランク別収容容器11A〜11Eの報知範囲を区分し、表示範囲内に区分された表示手段16の表示内容を作業者数に区分された各々の表示範囲毎に異なるようにし、当該報知制御を実行するようになっている。
【0071】
以下、図4、図5に基づいて被計量物の選別方法を説明する。
【0072】
まず、図4に示すように、単位時間、例えば、1分間当たりの振り分け個数が以下に示す値で作業者が2人の場合について説明する。
【0073】
ランク別収容容器11A→70個/分
ランク別収容容器11B→80個/分
ランク別収容容器11C→60個/分
ランク別収容容器11D→50個/分
ランク別収容容器11E→40個/分
個数累積手段13から表示制御装置14に上述したような単位時間当たりの被計量物の累積結果が出力されると、表示制御装置14は、ランク別収容容器11A〜11Eの単位時間当たりの累積結果の合計(70個+80個+60個+50個+40個)を作業者の人数(2人)で除算して中間値(150個)を求める。
【0074】
この中間値に対して、ランクA、(ランクA+ランクB)、(ランクA+ランクB+ランクC)、(ランクA+ランクB+ランクC+ランクD)の合計値と中間値150を比較し、この中間値に一番近い振り分け能力のランクを境界線として設定する。
【0075】
図4の場合には、振り分け能力が最も高いランクBを境界線とし、境界線に近い振り分け能力のランク別収容容器11Bとランク別収容容器11Cを境にしてランク別収容容器11A〜11Eの表示手段16の表示範囲を振り分け、表示範囲内に振り分けられた表示手段16の表示内容を作業者毎に異なる制御するようになっている。
【0076】
図4では、ランク別収容容器11A、ランク別収容容器11Bを作業者Aの作業領域に設定し、ランク別収容容器11C〜11Eを作業者Bの作業領域に設定し、作業者Aが担当する作業領域では、ランク別収容容器11A、11Bの累積状態を赤系の色で表示し、作業者Bが担当する作業領域では、ランク別収容容器11A、11Bの累積状態を青系の色で表示することで各作業者に知らせる。そして、この制御を単位時間毎に行い、境界線を変更する。
【0077】
一方、図5に示すように、単位時間、例えば、1分間当たりの振り分け個数が以下に示す値で作業者が2人の場合について説明する。
【0078】
ランク別収容容器11A→20個/分
ランク別収容容器11B→60個/分
ランク別収容容器11C→70個/分
ランク別収容容器11D→100個/分
ランク別収容容器11E→50個/分
個数累積手段13から表示制御装置14に上述したような単位時間当たりの被計量物の累積結果が出力されると、表示制御装置14は、ランク別収容容器11A〜11Eの単位時間当たりの累積結果の合計(20個+60個+70個+100個+50個)を作業者の人数(2人)で除算して中間値(150個)を求める。
【0079】
この中間値に対して、ランクA、(ランクA+ランクB)、(ランクA+ランクB+ランクC)、(ランクA+ランクB+ランクC+ランクD)の合計値と中間値150を比較し、この中間値に一番近い振り分け能力のランクを境界線として設定する。
【0080】
図5の場合には、振り分け能力が最も高いランクDを境界線とし、境界線に近い振り分け能力のランク別収容容器11Cとランク別収容容器11Dを境にしてランク別収容容器11A〜11Eの表示手段16の表示範囲を区分し、表示範囲内に区分された表示手段16の表示内容を作業者毎に異なる制御するようになっている。
【0081】
図5では、ランク別収容容器11A〜11Cを作業者Aの作業領域に設定し、ランク別収容容器11D、11Eを作業者Bの作業領域に設定し、作業者Aが担当する作業領域では、ランク別収容容器11A〜11Cの累積状態を赤系の色で表示し、作業者Bが担当する作業領域では、ランク別収容容器11D、11Eの累積状態を青系の色で表示することで各作業者に知らせる。そして、この制御を累積状態が変化するごとに行い、境界線を変更する。
【0082】
このように本実施の形態では、振り分け能力および作業者の人数に応じて複数のランク別収容容器11A〜11Eを複数の表示範囲(作業領域)に区分し、表示範囲内に区分された表示手段16の表示内容を作業者毎に異なるようにすることにより、自分が分担する表示範囲内の作業者は蓄積状況が表示されたランク別収容容器11A〜11Eを着目するだけで満杯になったランク別収容容器11A〜11Eを適切な時期に交換することができる。
【0083】
これに加えて、特定のランク別収容容器11に他のランク別収容容器11よりも多くの被計量物が振り分けられる場合には、そのランク別収容容器11の交換頻度が多くなり、交換頻度が多いランク別収容容器11を含んだランク別収容容器11の交換作業を担当する作業者の作業量が多くなるが、本実施の形態では、振り分け能力および作業者の人数に応じて複数のランク別収容容器11を複数の表示範囲(作業領域)に区分することで、ランク別収容容器11の交換作業の偏りを防止することができ、作業者の作業量の均一化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上のように、本発明に係る選別装置は、作業者がランク別収容容器の好適な交換時期を把握することができ、ランク別収容容器の交換を円滑に行って作業効率を向上させることができるという効果を有し、送り込まれて来る被計量物の状態量を計量してその計量値に応じて被計量物のランクを判別し、該当するランクに関連付けられた排出先に被計量物を振り分けるようにした選別装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施の形態における選別装置の概略構成図
【図2】第1の実施の形態の選別装置の制御系のブロック図
【図3】第1の実施の形態の表示手段の表示方法を説明する図
【図4】本発明の第2の実施の形態における被計量物の振り分け方法を説明する図
【図5】第2の実施の形態における被計量物の振り分け方法を説明する図
【符号の説明】
【0086】
1 重量選別装置(選別装置)
2 被計量物
7 計量手段
8 振り分けアーム(振り分け手段)
11A〜11E ランク別収容容器
12 ランク信号出力手段
13 個数累積手段(状態量累積手段)
14 表示制御手段(報知制御手段)
15 アーム駆動手段(振り分け手段)
16 表示手段(報知手段)
A〜E ランク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計量物(2)の状態量を計量する計量手段(7)と、
複数のランク(A〜E)の状態量範囲を規定するリミット値が設定され、前記計量手段(7)から出力された被計量物(2)の状態量に応じて前記被計量物(2)のランク(A〜E)を判別して対応するランク指定信号を出力するランク信号出力手段(12)と、
前記ランク信号出力手段(12)から出力されるランク指定信号に基づいて、該当するランク(A〜E)に関連付けられた排出先に前記被計量物(2)を振り分ける振り分け手段(8、15)と、
各ランク毎に設置され、振り分けられた前記被計量物(2)を蓄積するランク別収容容器(11A〜11E)とを備えた選別装置(1)において、
前記ランク信号出力手段(12)から出力されるランク指定信号に基づいて、前記ランク別収容容器(11A〜11E)内の前記被計量物(2)の状態量を計数する状態量累積手段(13)と、
前記ランク別収容容器(11A〜11E)毎に設けられた報知手段(16)と、
前記状態量累積手段(13)の累積結果に基づき、前記被計量物(2)の累積状態を前記ランク別収容容器(11A〜11E)毎に報知するように前記報知手段(16)を制御する報知制御手段(14)とを備えたことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記報知制御手段(14)は、前記振り分け手段によって振り分けられるランク別収容容器(11A〜11E)が満杯になる時間を予測し、満杯になるまでの間に前記ランク別収容容器(11A〜11E)毎の被計量物(2)の累積状態に応じて前記報知手段(16)の報知内容を変更することを特徴とする請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
前記ランク別収容容器(11A〜11E)毎の前記状態量累積手段(13)の累積結果をリセットするリセット手段(18)を有し、
前記報知制御手段(14)は、前記リセット手段(18)のリセット操作後に、前記複数のランク別収容容器(11A〜11E)の中で最初に満杯になるランク別収容容器(11A〜11E)の報知手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の選別装置。
【請求項4】
前記報知制御手段(14)は、前記振り分け手段(8、15)によって振り分けられるランク別収容容器(11A〜11E)の単位時間当たりの振り分け状態量を合計した値を所定の区分数で除算し、前記除算結果に基づいて前記所定の区分数に応じた境界値とすることにより、前記境界値に近い前記振り分け能力の前記ランク別収容容器(11A〜11E)を境にして前記ランク別収容容器(11A〜11E)の報知範囲を区分し、前記報知範囲内に区分された前記報知手段(16)の報知内容を前記所定の区分数に区分された各々の報知範囲毎に異なるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の選別装置。
【請求項5】
前記状態量は、前記被計量物の個数または重量であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の選別装置。
【請求項6】
前記報知手段(16)は、表示装置または音声出力装置からなることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−184107(P2006−184107A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377129(P2004−377129)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】