説明

選択されたCGRP−拮抗薬、その調製方法および薬剤としてのその使用

一般式(I)(式中、A、X および R1-R3 は請求項1で与えられた定義を有する)を有するCGRP-拮抗薬、その互変体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、その混合物およびその塩、並びに前記塩の水和物、特に無機または有機酸との生理学的に許容されるその塩、これらの化合物を含む薬剤、その使用およびその調製方法を開示する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般式
【化1】

のCGRP拮抗薬、その互変体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、その混合物およびその塩、並びに前記塩の水和物、特に無機または有機の酸または塩基との生理学的に許容されるその塩、これらの化合物を含む医薬組成物、その使用およびその調製のための方法に関する。
【0002】
上記一般式(I)において、
A は、下記式
【化2】

の基を表し、
X は、酸素原子、メチレンまたは NH 基を表し、
R1 は、下記式
【化3】

の基を表し、かつ、
-NR2R3 は、下記式
【化4】

の基を表す。
【0003】
上記一般式(I)の特に好ましい化合物は、例えば以下の化合物:
【化5】

【0004】
【化6】

【0005】
【化7】

【0006】
【化8】

【0007】
【化9】

【0008】
【化10】

【0009】
【化11】

【0010】
【化12】

【0011】
【化13】

【0012】
【化14】

【0013】
【化15】

【0014】
【化16】

【0015】
【化17】

【0016】
【化18】

【0017】
【化19】

【0018】
【化20】

【0019】
【化21】

【0020】
【化22】

【0021】
【化23】

【0022】
【化24】

【0023】
【化25】

【0024】
【化26】

【0025】
【化27】

【0026】
【化28】

【0027】
【化29】

【0028】
【化30】

【0029】
【化31】

【0030】
【化32】

【0031】
【化33】

【0032】
【化34】

【0033】
【化35】

【0034】
【化36】

【0035】
【化37】

【0036】
【化38】

【0037】
【化39】

【0038】
【化40】

【0039】
【化41】

【0040】
【化42】

【0041】
【化43】

【0042】
【化44】

【0043】
【化45】

【0044】
【化46】

【0045】
【化47】

【0046】
【化48】

【0047】
【化49】

【0048】
【化50】

【0049】
【化51】

【0050】
【化52】

【0051】
【化53】

【0052】
【化54】

【0053】
【化55】

【0054】
【化56】

【0055】
【化57】

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【0057】
【化59】

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【0059】
【化61】

【0060】
【化62】

【0061】
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【0062】
【化64】

【0063】
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【0064】
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【化67】

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【化69】

【0068】
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【0069】
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【0070】
【化72】

【0071】
【化73】

【0072】
【化74】

【0073】
【化75】

【0074】
【化76】

【0075】
【化77】

【0076】
【化78】

【0077】
【化79】

【0078】
【化80】

【0079】
【化81】

【0080】
【化82】

【0081】
【化83】

【0082】
【化84】

【0083】
【化85】

【0084】
【化86】

【0085】
【化87】

【0086】
【化88】

【0087】
【化89】

【0088】
【化90】

【0089】
【化91】

【0090】
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【化95】

【0094】
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【化97】

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【化103】

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【化104】

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【化109】

【0108】
【化110】

【0109】
【化111】

【0110】
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【0111】
【化113】

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【化114】

【0113】
【化115】

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【化117】

【0116】
【化118】

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【化119】

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【化120】

【0119】
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【0120】
【化122】

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【化124】

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【化129】

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【0129】
【化131】

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【0131】
【化133】

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【化134】

【0133】
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【0135】
【化137】

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【化144】

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【化149】

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【化153】

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【化154】

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【0154】
【化156】

【0155】
【化157】

【0156】
【化158】

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【化159】

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【0159】
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【0179】
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【0183】
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【0223】
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【0224】
【化226】

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【0226】
【化228】

【0227】
【化229】

【0228】
【化230】

【0229】
【化231】

【0230】
【化232】

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【0232】
【化234】

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【化235】

【0234】
【化236】

【0235】
【化237】

【0236】
【化238】

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【0238】
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【化241】

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【化244】

【0243】
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【化247】

【0246】
【化248】

【0247】
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【0248】
【化250】

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【化251】

【0250】
【化252】

【0251】
【化253】

【0252】
【化254】

【0253】
【化255】

【0254】
【化256】

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【化257】

【0256】
【化258】

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【化259】

【0258】
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【化261】

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【0273】
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【0276】
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【0278】
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【0279】
【化281】

【0280】
【化282】

【0281】
【化283】

【0282】
【化284】

【0283】
【化285】

【0284】
【化286】

【0285】
【化287】

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【化288】

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【化289】

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【化290】

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【化291】

【0290】
【化292】

【0291】
【化293】

【0292】
【化294】

【0293】
【化295】

【0294】
【化296】

【0295】
【化297】

【0296】
【化298】

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【化299】

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【化300】

【0299】
【化301】

【0300】
【化302】

【0301】
【化303】

【0302】
【化304】

【0303】
【化305】

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【化306】

【0305】
【化307】

【0306】
【化308】

【0307】
【化309】

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【化310】

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【化311】

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【0311】
【化313】

【0312】
【化314】

【0313】
【化315】

【0314】
【化316】

【0315】
【化317】

【0316】
【化318】

【0317】
【化319】

【0318】
【化320】

【0319】
【化321】

【0320】
【化322】

【0321】
【化323】

【0322】
【化324】

【0323】
【化325】

【0324】
【化326】

【0325】
【化327】

【0326】
【化328】

【0327】
【化329】

【0328】
【化330】

【0329】
【化331】

【0330】
【化332】

【0331】
【化333】

【0332】
【化334】

【0333】
【化335】

【0334】
【化336】

【0335】
【化337】

【0336】
【化338】

【0337】
【化339】

【0338】
【化340】

【0339】
【化341】

【0340】
【化342】

【0341】
【化343】

【0342】
【化344】

【0343】
【化345】

【0344】
【化346】

【0345】
【化347】

【0346】
【化348】

【0347】
【化349】

【0348】
【化350】

【0349】
【化351】

【0350】
【化352】

【0351】
【化353】

【0352】
【化354】

【0353】
【化355】

【0354】
【化356】

【0355】
【化357】

【0356】
【化358】

【0357】
【化359】

【0358】
【化360】

【0359】
【化361】

【0360】
【化362】

【0361】
【化363】

【0362】
【化364】

【0363】
【化365】

【0364】
【化366】

【0365】
【化367】

【0366】
【化368】

【0367】
【化369】

【0368】
【化370】

【0369】
【化371】

【0370】
【化372】

【0371】
【化373】

【0372】
【化374】

【0373】
【化375】

【0374】
【化376】

【0375】
【化377】

【0376】
【化378】

【0377】
【化379】

【0378】
【化380】

【0379】
【化381】

【0380】
【化382】

【0381】
【化383】

【0382】
【化384】

【0383】
【化385】

【0384】
【化386】

【0385】
【化387】

【0386】
【化388】

【0387】
【化389】

【0388】
【化390】

【0389】
【化391】

【0390】
【化392】

【0391】
【化393】

【0392】
【化394】

【0393】
【化395】

【0394】
【化396】

【0395】
【化397】

【0396】
【化398】

【0397】
【化399】

【0398】
【化400】

【0399】
【化401】

【0400】
【化402】

【0401】
【化403】

【0402】
【化404】

【0403】
【化405】

【0404】
【化406】

【0405】
【化407】

【0406】
【化408】

【0407】
【化409】

【0408】
【化410】

【0409】
【化411】

【0410】
【化412】

【0411】
【化413】

【0412】
【化414】

【0413】
【化415】

【0414】
【化416】

【0415】
【化417】

【0416】
【化418】

【0417】
【化419】

【0418】
【化420】

【0419】
【化421】

【0420】
【化422】

【0421】
【化423】

【0422】
【化424】

【0423】
【化425】

【0424】
【化426】

【0425】
【化427】

【0426】
【化428】

【0427】
【化429】

【0428】
【化430】

【0429】
【化431】

【0430】
【化432】

【0431】
【化433】

【0432】
【化434】

【0433】
【化435】

【0434】
【化436】

【0435】
【化437】

【0436】
【化438】

【0437】
【化439】

【0438】
【化440】

【0439】
【化441】

【0440】
【化442】

【0441】
【化443】

【0442】
【化444】

【0443】
【化445】

【0444】
【化446】

【0445】
【化447】

【0446】
【化448】

【0447】
【化449】

【0448】
【化450】

【0449】
【化451】

【0450】
【化452】

【0451】
【化453】

【0452】
その互変体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、その混合物およびその塩、並びに前記塩の水和物であり、ここで下記化合物:
(1) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(2) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(3) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(4) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-メチル-[4,4']ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(5) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(6) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(7) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-メチル-[4,4']ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(8) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(9) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]oct-3-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
その互変体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、その混合物およびその塩、並びに前記塩の水和物が特に重要である。
【0453】
一般式(I)の化合物は、原則として知られる方法により調製される。以下の方法が、本発明の一般式(I)の化合物を調製するために特に有用であるであることが証明された:
(a) 一般式
【化454】

(式中、X は酸素原子または NH 基を表し、かつ、A および R1 から R3 は先に定義した通りである)の化合物を調製するため:
一般式
【化455】

(式中、R1 は先に定義した通りである)のピペリジンを、
(i) 一般式
【化456】

(式中、G は、同一または異なっていてもよい脱離基、好ましくはフェノキシ、1H-イミダゾル-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、トリクロロメトキシまたは 2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ基を表し、ただし、X は NH 基を表すことを条件とする)の炭酸誘導体、または、
(ii) 一般式
【化457】

(式中、G は、同一または異なっていてもよい脱離基、好ましくは塩素原子、p-ニトロフェノキシまたはトリクロロメトキシ基を表し、ただし、X は酸素原子を表すことを条件とする)の炭酸誘導体と、
そして一般式
【化458】

(式中、X は酸素原子または-NH 基を表し、かつ、A、R2 および R3 は先に定義した通りである、ただし、R2 および R3 は、他のいかなる遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基を有しないことを条件とする)の化合物と反応させる。
基 -NR2R3 中に存在し得るいかなる第一または第二脂肪族アミノ官能基も、それぞれのケースにおいて適切な保護基が与えられる。
【0454】
理論上はツーステップ反応であるこれらの反応は、通常、ワンポットプロセスとして、好ましくは、第一ステージにおいて2つの成分(III)または(V)のうちの1つを等モル量の一般式(IV)の炭酸誘導体と適切な溶媒中で低温で反応させ、そして、少なくとも等モル量の他の成分(III)または(V)を加えて高温で反応を終了されることにより行われる。ビス-(トリクロロメチル)-カルボナートとの反応は、好ましくは(ビス-(トリクロロメチル)-カルボナートを基準として)少なくとも2等量の三級塩基(tertiary base)(例えばトリエチルアミン、N-エチル-ジイソプロピルアミン、ピリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)の存在下で行われる。溶媒の例(無水でなくてはならない)としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンまたはアセトニトリルが挙げられ; ビス-(トリクロロメチル)-カルボナートがカルボニル成分として使用されるならば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなどの無水クロロ炭化水素が好ましい。第一反応工程の反応温度は-30〜+25℃、好ましくは-5〜+10℃であり、第二反応工程についてはそれは+15℃ から使用される溶媒の沸点の間、好ましくは+20℃〜+70℃ である(以下も併せて参照されたい: H. A. Staab and W. Rohr, "Synthesen mit heterocyclischen Amiden (Azoliden)", Neuere Methoden der Praparativen Organischen Chemie, Vol. V, p. 53-93, Verlag Chemie, Weinheim/Bergstr., 1967; P. Majer and R.S. Randad, J. Org. Chem. 59, 1937-1938 (1994); K. Takeda, Y. Akagi, A. Saiki, T. Sukahara and H. Ogura, Tetrahedron Letters 24 (42), 4569-4572 (1983); S.R. Sandler and W. Karo in "Organic Functional Group Preparations", Vol. II, p. 223-245, Academis Press, New York 1971)。
【0455】
(b) 一般式
【化459】

(式中、X はメチレン基を表し、かつ、A および R1 から R3 は先に定義した通りであり、だだし、分子内に他の遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基が存在しないことを条件とする)の化合物を調製するため:
一般式
【化460】

(式中、A、R2 および R3 は先に定義した通りである)のカルボン酸を、
一般式
【化461】

(式中、R1 は先に定義した通りである)のピペリジンとカップリングさせる。
【0456】
カップリングは、好ましくはペプチド化学より知られる方法(例えば Houben Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Vol. 15/2 を参照されたい)を使用して、例えば、カルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはエチル-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N-N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)またはテトラフルオロボラート(TBTU)または 1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)など)を使用して行われる。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)または 3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1,2,3-ベンゾトリアジン(HOObt)を加えることにより、反応速度を上げることができる。カップリングは通常、等モル量のカップリング成分、並びにカップリグ剤と、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)またはその混合物などの溶媒中で、-30〜+30℃、好ましくは -20〜+25℃ の温度で行われる。必要であれば、追加の助剤塩基として好ましくは N-エチル-ジイソプロピルアミン(ヒューニッヒ塩基)が使用される。
【0457】
一般式(I)の化合物を合成するためのさらなるカップリング法として、いわゆる無水物プロセス(anhydride process)が使用される(以下も併せて参照されたい: M. Bodanszky, "Peptide Chemistry", Springer-Verlag 1988, p. 58-59; M. Bodanszky, "Principles of Peptide Synthesis", Springer-Verlag 1984, p. 21-27)。混合無水物プロセスのヴォーン変形型(J.R. Vaughan Jr., J. Amer. Chem.Soc. 73, 3547 (1951))が好ましく、これにおいては、4-メチルモルホリンまたは 4-エチルモルホリンなどの塩基の存在下でクロロ炭酸イソブチルを使用することによって、カップリングされる一般式(VI)のカルボン酸と炭酸モノイソブチルの混合無水物が得られる。この混合無水物の調製およびアミンとのカップリングは、前述の溶媒を使用して、-20〜+25℃、好ましくは0℃〜+25℃の温度で、ワンポットプロセスで行われる。
【0458】
(c) 一般式
【化462】

(式中、X はメチレン基を表し、かつ、A および R2 および R3 は先に定義した通りであり、ただし、これらの基は、いかなる遊離第一または第二アミンを有しないことを条件とする)の化合物を調製するため:
一般式
【化463】

(式中、A、R2 および R3 は先に定義した通りであり(ただし、R2 および R3 は、いかなる遊離第一または第二アミンを有しないことを条件とする)、かつ、Nu は、脱離基、例えば、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素またはヨウ素原子など)、アルキル原子団に1〜10個の炭素原子を有するアルキルスルホニルオキシ基、塩素もしくは臭素原子により、またはメチルもしくはニトロ基により一、二、または三置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシもしくはナフチルスルホニルオキシ基(置換基は同一でも異なっていてもよい)、1H-イミダゾル-1-イル、1H-ピラゾール-1-イル(炭素骨格において1または2のメチル基で置換されていてもよい)、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3,4-テトラゾール--1-イル、ビニル、プロパルギル、p-ニトロフェニル、2,4-ジニトロフェニル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ピラニルもしくはピリジニル、ジメチルアミニルオキシ、2(1H)-オキソピリジン-1-イル-オキシ、2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ、フタルイミジルオキシ、1H-ベンゾ-トリアゾール-1-イルオキシまたはアジド基を表す)の化合物を、
一般式
【化464】

(式中、R1 は先に定義した通りである)のピペリジンとカップリングさせる。
【0459】
反応は、ショッテンバウマンまたはアインホルンの条件下で行われる、すなわち、成分は少なくとも1等量の助剤塩基の存在下で、-50℃〜+120℃、好ましくは-10℃〜+30℃の温度で、そして場合により溶媒の存在下で反応される。使用される助剤塩基は、好ましくは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化バリウム)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)、アルカリ金属酢酸塩(例えば酢酸ナトリウムまたはカリウム)、さらには第三アミン(例えばピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、キノリン、トリエチルアミン、N-エチル-ジイソプロピルアミン、N-エチル-ジシクロヘキシルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)であり、使用される溶媒は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-ピロリドンまたはその混合物であり得; 助剤塩基としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物塩、アルカリ金属炭酸塩または酢酸塩が使用される場合、共溶媒として反応混合物に水を加えてもよい。
【0460】
(d) 一般式
【化465】

(式中、A、X および R1 から R3 は先に定義した通りである)の化合物を調製するため:
一般式
【化466】

(式中、A、X および R1 は先に定義した通りである)のカルボン酸を、一般式 HNR2R3 のアミン(式中、R2 および R3 は先に定義した通りであり、ただし、それらが他のいかなる遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基を有しないことを条件とする)とカップリングさせる。
【0461】
カップリングは、好ましくはペプチド化学より知られる方法(例えば Houben Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Vol. 15/2 を参照されたい)を使用して、例えば、カルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはエチル-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N-N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HBTU)またはテトラフルオロボラート(TBTU)または 1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)など)を使用して行われる。1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)または 3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1,2,3-ベンゾトリアジン(HOObt)を加えることにより、反応速度を上げることができる。カップリングは通常、等モル量のカップリング成分、並びにカップリグ剤と、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)またはその混合物などの溶媒中で、-30〜+30℃、好ましくは -20〜+25℃ の温度で行われる。必要であれば、追加の助剤塩基として好ましくは N-エチル-ジイソプロピルアミン(ヒューニッヒ塩基)が使用される。
【0462】
一般式(I)の化合物を合成するための更なるカップリング方法として、いわゆる無水物プロセス(anhydride process)が使用される(以下も併せて参照されたい: M. Bodanszky, "Peptide Chemistry", Springer-Verlag 1988, p. 58-59; M. Bodanszky, "Principles of Peptide Synthesis", Springer-Verlag 1984, p. 21-27)。混合無水物プロセスのヴォーン変形型(J.R. Vaughan Jr., J. Amer. Chem.Soc. 73, 3547 (1951))が好ましく、これにおいては、4-メチルモルホリンまたは 4-エチルモルホリンなどの塩基の存在下でクロロ炭酸イソブチルを使用することによって、カップリングされる一般式(VIII)のカルボン酸と炭酸モノイソブチルの混合無水物が得られる。この混合無水物の調製およびアミンとのカップリングは、前述の溶媒を使用して、-20〜+25℃、好ましくは0℃〜+25℃の温度で、ワンポットプロセスで行われる。
【0463】
(e) 一般式
【化467】

(式中、A、X および R1 から R3 は先に定義した通りであり、ただし、分子中に遊離第一または第二アミンが存在しないことを条件とする)の化合物を調製するため:
一般式
【化468】

(式中、A、X および R1 は先に定義した通りであり、かつ、Nu は、脱離基、例えば、
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素またはヨウ素原子など)、アルキル原子団に1〜10個の炭素原子を有するアルキルスルホニルオキシ基、塩素もしくは臭素原子により、またはメチルもしくはニトロ基により一、二、または三置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシもしくはナフチルスルホニルオキシ基(置換基は同一でも異なっていてもよい)、1H-イミダゾル-1-イル、1H-ピラゾール-1-イル(炭素骨格において1または2のメチル基で置換されていてもよい)、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3,4-テトラゾール-1-イル、ビニル、プロパルギル、p-ニトロフェニル、2,4-ジニトロフェニル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ピラニルもしくはピリジニル、ジメチルアミニルオキシ、2(1H)-オキソピリジン-1-イル-オキシ、2,5-ジオキソピロリジン-1-イルオキシ、フタルイミジルオキシ、1H-ベンゾ-トリアゾール-1-イルオキシまたはアジド基を表す)の化合物を、
一般式 HNR2R3(式中、R2 および R3 は先に定義した通りであり、ただし、遊離カルボン酸および/または他の遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基が存在しないことを条件とする)のアミンとカップリングさせる。
【0464】
反応は、ショッテンバウマンまたはアインホルンの条件下で行われる、すなわち、成分は少なくとも1等量の助剤塩基の存在下で、-50℃〜+120℃、好ましくは-10℃〜+30℃の温度で、そして場合により溶媒の存在下で反応される。使用される助剤塩基は、好ましくは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化バリウム)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)、アルカリ金属酢酸塩(例えば酢酸ナトリウムまたはカリウム)、さらには第三アミン(例えばピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、キノリン、トリエチルアミン、N-エチル-ジイソプロピルアミン、N-エチル-ジシクロヘキシルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)であり、使用される溶媒は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-ピロリドンまたはその混合物であり得; 助剤塩基としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物塩、アルカリ金属炭酸塩または酢酸塩が使用される場合、共溶媒として反応混合物に水を加えてもよい。
【0465】
本発明の新規の一般式(I)の化合物は、1または2以上のキラル中心を有する。例えば2つのキラル中心があるとすると、それらの化合物は2対のジアステレオマー性対掌体(diastereomeric antipodes)の形体で存在し得る。本発明は個別の異性体、さらにはその混合物をも包含する。
ジアステレオマーは、それらの異なる物理化学特性に基づいて、例えば、適切な溶媒からの分別晶出、キラルもしくは好ましくは非キラル固定相を用いる高圧液体もしくはカラムクロマトグラフィーにより分離することができる。
一般式(I)に包含されるラセミ化合物は、例えば、適切なキラル固定相(例えばキラルAGP、キラルパックAD)上でのHPLCにより分離することができる。また、塩基性官能基を有するラセミ化合物は、光学的に活性な酸(例えば、(+)もしくは(-)-酒石酸、(+)もしくは(-)-ジアセチル酒石酸、(+)もしくは(-)-モノメチル酒石酸塩または(+)-樟脳スルホン酸)との反応により生成される、ジアステレオマー性の光学的に活性な塩を介して分離することができる。
【0466】
異性体を分離するための従来からの方法に従って、一般式(I)の化合物のラセミ化合物は溶媒中で前述の光学的に活性な酸または塩基の1つと等モル量で反応され、得られた結晶性、ジアステレオマー性の光学的に活性なその塩が、その溶解度の差を利用して分離される。この反応は、その塩の溶解度の面で十分に異なっているならば、いかなるタイプの溶媒においても実施することができる。好ましくは、メタノール、エタノールまたはその混合物(例えば容量比50:50のもの)が使用される。その後、光学的に活性な各々の塩は水に溶解され、塩基(例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)あるいは、適切な酸(例えば希塩酸または水性メタンスルホン酸)を用いて慎重に中和され、そしてこの方法により、対応する遊離化合物が(+)または(-)の形体で得られる。
(R)または(S)エナンチオマー単独、あるいは一般式Iに包含される2つの光学的に活性なジアステレオマー化合物の混合物は、(R)または(S)配置にある適切な反応成分で上述の合成を実施することによっても得ることができる。
一般式(III)出発化合物は、もしそれが文献より知られていないか、または市販されていなければ、国際特許出願 WO 98/11128 および DE 199 52 146 に説明される方法を用いて得る。一般式(IV)の出発化合物は市販されている。一般式(V)の化合物は、保護フェニルアラニンおよび一般式 HNR2R3 のアミンから、ペプチド化学者によく知られた方法により得ることができる。
【0467】
一般式(V)の光学的に純粋な化合物を調製するために必要なフェニルアラニン誘導体は、一般式
【化469】

(式中、A は先に定義した通りであり、かつ、R は非分岐アルキル基、好ましくはメチルまたはエチル基を表す)の化合物から、ラセミ化合物開裂(racemate cleaving)により得ることができる。
このラセミ化合物開裂は酵素学的方法を用いて実施できるが、ラセミ化合物の1つのエナンチオマーのみが変換され、そして、得られた混合物は次いで物理化学的方法、好ましくはクロマトグラフ法を使用して分離される。この工程に適した酵素系は、酵素アルカラーゼ 2.4 L FG (ノボザイムス A/S; DK 2880 バウスヴェア)である。一般式(X)の化合物は、次いで、ペプチド化学者によく知られた方法を用いて、一般式(V)のエナンチオマー的に純粋な化合物に転化し得る。
【0468】
一般式(V)の化合物中の基 X が酸素原子を表す場合、その合成に必要な一般式
【化470】

(式中、A は先に定義した通りである)のヒドロキシカルボン酸は、一般式(X)の化合物(R が水素原子を表すことを条件とする)から得ることができる。
基 A がアミノまたはメチルアミノ基を有しないことを条件として、一般式(X)の化合物を適切なジアゾ化剤、好ましくは酸媒体中の亜硝酸ナトリウムでジアゾ化することによって、一般式(XI)の化合物を得ることが可能である。エナンチオマー的に純粋な化合物が使用される場合、対応のエナンチオマー的に純粋なヒドロキシカルボン酸化合物が得られ、反応が進行しても配置が維持される。
【0469】
一般式(XI)(式中、基 A は先に定義した通りである)の化合物を得る別の方法は、下記化合物
【化471】

を、対応するように置換された一般式
【化472】

(式中、A は、先に定義した通りであり、かつ、X は、塩素、臭素またはヨウ素原子を表す)の塩化ベンジル、臭化ベンジルまたはヨウ化ベンジルと、文献より知られる方法(Michael T. Crimmins, Kyle A. Emmitte and Jason D. Katz, Org. Lett. 2, 2165-2167 [2000])と同様にアルキル化することを含む。
【0470】
形成されたジアステレオマー生成物は、次いで、物理化学的方法、好ましくはクロマトグラフ法を用いて分離し得る。キラル助剤の加水分解的開裂、一般式 HNR2R3 のアミンとのカップリング、そしてベンジル保護基の開裂もまた、エナンチオマー的に純粋な一般式(V)ヒドロキシカルボン酸化合物を得るための手段を提供する。
一般式(XI)の化合物(式中、基 A は先に定義した通りである)は、
一般式
【化473】

の 2-アセチルアミノ-3-フェニル-アクリル酸を、強酸を使用して沸騰により濃縮し、その後、形成された2-ヒドロキシ-3-フェニル-アクリル酸を還元することによっても得ることができる。
【0471】
一般式(VI)の出発化合物は、例えば、一般式 HNR2R3 のアミンを、2-(アルコキシカルボニルメチル)-3-アリール-プロパン酸と反応させ、その後アルキル基を加水分解的に開裂することによっても得ることができる。必要な 2-(アルコキシカルボニルメチル)-3-アリール-プロパン酸は、文献より知られる方法(David A. Evans, Leester D. Wu, John J. M. Wiener, Jeffrey S. Johnson, David H. B. Ripin and Jason S. Tedrow, J. Org.Chem 64, 6411-6417 [1999]; Saul G. Cohen and Aleksander Milovanovic, J. Am. Chem. Soc. 90, 3495-3502 [1968]; Hiroyuki Kawano, Youichi Ishii, Takao Ikariya, Masahiko Saburi, Sadao Yoshikawa, Yasuzo Uchida and Hidenori Kumobayashi, Tetrahedron Letters 28, 1905-1908 [1987])と同様に調製し得る。一般式(VIII)のカルボン酸は、WO 98/11128 に列挙される方法により一般に入手可能な出発物質から調製し得る。
【0472】
得られた一般式Iの化合物は、それらが適切な塩基性官能基を有するならば、特に医薬用途のために、無機または有機酸との生理学的に許容されるその塩に転化し得る。適切な酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、フマル酸、琥珀酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸またはマレイン酸が挙げられる。
一般式(I)の化合物がキラル成分を1つしか有しない場合、本発明はラセミ化合物に関する。しかしながら、本件出願はさらに、一般式(I)の化合物に2以上のキラル成分が存在する場合に得られる個別の対掌体のジアステレオマー対またはその混合物、さらには前述のラセミ化合物が構成される個別の光学的に活性なエナンチオマーをも包含する。
本発明の対象には、1または2以上の水素原子、例えば1、2、3、4または5の水素原子が重水素で置換されている本発明の化合物(その塩を含む)もまた包含される。
一般式(I)の新規の化合物および生理学的に許容されるその塩は、それらの選択的なCGRP-拮抗特性に基づいて有用な薬理学的特性を有する。本発明はさらに、これらの化合物を含む医薬組成物、その使用およびその調製に関する。
前述の新規化合物および生理学的に許容されるその塩はCGRP-拮抗特性を有し、CGRP受容体結合試験において良好なアフィニティーを示す。これらの化合物は後述の薬理試験系においてCGRP-拮抗特性を示す。
【0473】
前述の化合物の、ヒトCGRP-受容体に対するアフィニティーおよびそれらの拮抗特性を実証するために以下の実験を行った:
A.(ヒトCGRP受容体を発現する)SK-N-MC 細胞による結合試験
SK-N-MC 細胞を“ダルベッコ改変イーグル培地”内で培養した。密集させた培養液から培地を除去した。PBSバッファー(Gibco 041-04190 M)で細胞を2回洗い、0.02% EDTAと混合したPBSバッファーを加えることにより分離し、そして遠心により単離した。20 ml の“バランス塩溶液”[BSS (mM): NaCl 120, KCl 5.4, NaHCO3 16.2, MgSO4 0.8, NaHPO4 1.0, CaCl2 1.8, D-グルコース 5.5, HEPES 30, pH 7.40] 中に再懸濁した後、細胞を 100 x g で2回遠心し、そしてBSSに再懸濁した。細胞の数を調べた後、ウルトラタラックスを用いて細胞をホモジナイズし、そして3000 x gで10分間遠心した。上清を捨て、1% ウシ血清アルブミンおよび0.1% バシトラシンでエンリッチしたトリスバッファー(10 mM Tris, 50 mM NaCl, 5 mM MgCl2, 1 mM EDTA, pH 7.40)内でペレットを再遠心し、そして再懸濁した(1 ml / 1000000 細胞)。ホモジナイズ産物を-80℃で凍結した。この膜調製物は、これらの条件下で6週間より長い期間安定である。
融解後、ホモジナイズ産物をアッセイバッファー(50 mM Tris, 150 mM NaCl, 5 mM MgCl2, 1 mM EDTA, pH 7.40)で1:10 に希釈し、そしてウルトラタラックスで30秒間ホモジナイズした。230μl のホモジナイズ産物を、50 pM 125I-インドチロシル-カルシトニン-遺伝子関連ペプチド(アマシャム)および濃度を増加させながらの試験物質とともに、合計容量250μlで、周囲温度で180分間インキュベートした。セルハーベスターを使用して、ポリエチレンイミン(0.1%)で処理されたGF/B-ガラス繊維フィルターを通して急速濾過することによりインキュベーションを終了させた。ガンマカウンターを用いてタンパク質結合放射能を測定した。非特異的結合は、インキュベーション中の1μM ヒトCGRP-アルファの存在下における結合放射能として定義される。
コンピューター支援非線形曲線マッチングを使用して濃度-結合曲線を解析した。
前述の化合物は、説明した試験において IC50 値 ≦ 10000 nM を示す。
【0474】
B. SK-N-MC 細胞におけるCGRP拮抗作用
SK-N-MC 細胞(100万個)を、250μl インキュベーションバッファー(ハンクス HEPES, 1 mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン, 1% BSA, pH 7.4)で2回洗い、そして37℃ で15分間プリインキュベートした。作動薬として CGRP(10μl)を濃度を増加させながら(10-11 から 10-6 M)、または3 から 4 の異なる濃度で加えた後、混合物をさらに15分間インキュベートした。
次いで、20μl の 1M HClの添加および遠心(2000 x g, 4℃ で15分間)により細胞内cAMPを抽出した。上清を液体窒素内で凍結し、-20℃で保存した。
サンプルのcAMP含有量をラジオイムノアッセイ(Messrs. アマシャム)で測定し、拮抗薬的に作用する物質のpA2 値を図式的に求めた。
一般式Iの化合物は、説明したインビトロ試験モデルにおいて、10-12 〜10-5 Mの投薬量の範囲でCGRP拮抗特性を示す。
【0475】
それらの薬理特性ゆえに、一般式Iの化合物およびその生理学的に許容される酸との塩は、頭痛、特に片頭痛または群発頭痛の急性期治療および予防治療に適する。さらには、一般式Iの化合物は以下の疾患に対しても陽性作用を有する:インスリン非依存型糖尿病(“NIDDM”)、複合性局所疼痛症候群(CRPS1)、心臓血管疾患、モルヒネ耐性、クロストリジウム毒による下痢、皮膚疾患(特に熱および放射線により誘導される皮膚損傷(日焼を含む))、炎症性疾患(例えば関節の炎症性疾患(関節炎))、口腔粘膜の神経原性炎症、炎症性肺疾患、アレルギー性鼻炎、喘息、過剰な血管拡張を伴う疾患およびその結果としての組織への血液供給低下(例えばショックおよび敗血症)。加えて、本発明の化合物は一般的な鎮痛作用を有する。
エストロゲン欠乏の女性およびホルモン治療を受けている前立腺癌患者における、血管拡張および血流増加に起因する更年期性ホットフラッシュの症状は、本出願のCGRP-拮抗薬によって予防治療および急性期治療に役立つ程度に有利に改善し、この治療アプローチは副作用が無い点においてホルモン補充治療と区別される。
【0476】
対応する効果を達成するために必要な投与量は、便宜的には、静脈内投与または皮下投与される場合は 0.01〜3 mg/kg体重、好ましくは 0.01〜1 mg/kg体重、経口投与される場合は0.01〜20 mg/kg体重、好ましくは 0.1〜10 mg/kg体重、そして、経鼻投与または吸入により投与される場合は0.01〜10 mg/kg体重、好ましくは 0.1〜10 mg/kg体重である(各ケースについて1日1〜3回)。
CGRP拮抗薬および/またはCGRP放出阻害薬による治療が従来型のホルモン補充治療の補完として行われる場合は上に特定した投与量を減らすことが望ましく、その場合、投与量は、特定した前述の下限値の1/5から上限値の1/1までであり得る。
本発明に従って調製された化合物は、片頭痛の治療のために、それ単独または場合により他の活性物質との組み合わせのいずれかで、静脈内、皮下、筋肉内、直腸内、経鼻、吸入、経皮または経口により投与し得、ここで、吸入にはエアゾール剤が特に好ましい。前記組み合わせは、同時にまたは逐次(sequentially)のいずれかで投与し得る。
【0477】
前記組み合わせにおいて使用し得る活性物質の種類としては、例えばアンジオテンシンII受容体拮抗薬、α-作動薬およびα-拮抗薬、5-HT1B/1D 作動薬、AMPA拮抗薬、弱い(mild)鎮痛薬、抗鬱薬、鎮吐剤、抗痙攣剤、抗ムスカリン薬、β-遮断薬、カルシウム拮抗薬、コルチコステロイド、麦角アルカロイド、ヒスタミン-H1受容体拮抗薬、ニューロカイニン拮抗薬、神経弛緩薬、非ステロイド性抗炎症薬、NO-シンターゼ阻害、胃腸運動促進薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬または他の抗片頭痛薬が挙げられ、それらは1または2以上の不活性の従来からの担体および/または希釈剤、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロースまたは脂肪質物質(たとえば固形脂肪など)あるいはその適切な混合物と一緒に、普通の錠剤もしくはコート錠、カプセル剤、散剤、懸濁剤、液剤、定量エアゾール剤または座剤などの従来型の生薬製剤に調合し得る。
従って、上記組み合わせに使用し得る他の活性物質としては、例えば非ストロイド性抗炎症薬アセクロフェナク、アセメタシン、アセチルサリチル酸、アザチオプリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、レフルノミド、ロルノキシカム、メフェナム酸、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、テノキシカム、ゾメピラクまたは医薬的に許容されるその塩、さらにはメロキシカムおよび他の選択的COX2-阻害薬(例えば、ロフェコキシブおよびセレコキシブなど)が挙げられる。
【0478】
さらに、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、デュロキセチン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、メトクロプラミド、ドンペリドン、ジフェンヒドラミン、シクリジン、プロメタジン、クロルプロマジン、ビガバトリン、チモロール、イソメトヘプテン、ピゾチフェン、ボトックス、ガバペンチン、トピラマート、リボフラビン、モンテルカスト、リシノプリル、プロクロルペラジン、デキサメタゾン、フルナリジン、デキストロプロポキシフェン、メペリジン、メトプロロール、プロプラノロール、ナドロール、アテノロール、クロニジン、インドラミン、カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロエート、アミトリプチリン、リドカインまたはジルチアゼム、それに他の 5-HT1B/1D-作動薬、例えば、アルモトリプタン、アビトリプタン、ドニトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタンおよびゾルミトリプタン並びに生理学的に許容されるその塩などを使用することも可能である。
これらの活性物質の投与量は、便宜上、推奨最低投与量の1/5から推奨通常投与量の1/1まで、すなわち、例えば20〜100 mg のスマトリプタンである。
【0479】
本発明はさらに、本発明の化合物を、例えば適切な前駆体のトリチウム化(例えばトリチウムによる触媒的水素添加またはトリチウムによるハロゲン原子の置換)による適切な放射線ラベリング後に、抗体の生成および精製(アフィニティークロマトグラフィーによる)のための有用なアジュバント、さらにRIAおよびELISAアッセイにおける有用なアジュバントとして、そして、神経伝達物質研究における診断的または分析的アジュバントとして使用することに関する。
【0480】
実験セクション
原則として、調製した化合物についてIR、1H-NMR および/または質量スペクトルを得た。
別途記載した場合を除き、Rf 値は、既製のシリカゲルTLC プレート 60 F254(E. メルク, ダルムシュタット, 商品番号 1.05714)を、使用して得た(チャンバー飽和なし)。
溶離液について与えられる比は、当該溶媒の容積による単位に関する。NH3 についての容積による単位は、水へのNH3 の濃縮溶液を意味する。
別途記載した場合を除き、反応溶液の作製に使用された酸、塩基および塩の溶液は、特定された濃度の水性系である。
クロマトグラフ精製には、ミリポア社製のシリカゲル(MATREXTM, 35-70μm)を使用した。
提供するHPLCデータは、以下に特定するパラメーターを使用して測定される:
【0481】
方法 A:
分析カラム: ゾルバックスカラム(アジレント・テクノロジー), SB(Stable Bond)C18; 3.5μm; 4.6 x 75 mm; カラム温度: 30℃; 流速: 0.8 mL / 分; 注入容量: 5μL; 検出: 254 nm

HPLC精製物の調製において、原則として分析HPLCデータの収集に使用されたものと同じ勾配を使用した。
生成物を量管理下で回収し、生成物を含む画分を組み合わせ、凍結乾燥した。
配置について詳細な説明が与えられていない場合、それが、純粋なエナンチオマーであるのか、または、部分的もしくはさらに完全なラセミ化がおこったのか、明らかではない。
【0482】
実験の説明には以下の略語が使用される:

【0483】
実施例 1
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【化474】

【0484】
(1a) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-エトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
1.29 g (6.42 mmol) 4-ニトロフェニル 4-クロロホルマートを、0.79 g (6.42 mmol) DMAP と 100 mL ピリジンとの混合物に加え、RTで1時間撹拌した。次いで、15 mL ピリジン中の2.0 g (6.42 mmol) エチル (R)-3-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオナートの溶液を、RTで撹拌を行いつつ滴下し、混合物をRTでさらに2時間撹拌した。次いで、それを1.72 g (6.42 mmol) 3-ピペリジン-4-イル-1,3-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-オンと混合し、RTで2日間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発濃縮し、200 mL EtOAc および 200 mL 15% K2CO3 溶液と混合し、有機相を分離除去し、乾燥させ、そして蒸発濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製した(シリカゲル, 勾配:DCM から DCM/MeOH/NH3 0:95:5)。

【0485】
(1b) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
1.20 g (1.98 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-エトキシカルボニル-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート(30 mL THFに溶解)を、30 mL 水の中の74 mg (3.0 mmol) LiOH の溶液とRTで混合し、RTで3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発濃縮し、残渣を100 mL 水と混合し、1 M HClで酸性化した。沈殿を吸引濾過し、50 mL 水で洗浄し、循環式乾燥機内で乾燥させた。

【0486】
(1c) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
80 mg (0.138 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、23.6 mg (0.14 mmol) [1,4']ビピペリジニル(bipiperidinyl)、46.6 mg (0.14 mmol) TBTU、0.041 mL (0.28 mmol) トリエチルアミンおよび 1.8 mL DMFの混合物をRTでオーバーナイトで撹拌した。反応混合物をHPLC-MS(カラム: アジレントゾルバックス Stable Bond RP C18, 5μM, 30x100 mm; 流速 30 mL/分; 勾配: 水/アセトニトリル)で直接精製し、その後凍結乾燥した。

【0487】
実施例 2
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【化475】

【0488】
実施例 (1c) と同様に、80 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロ-メチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 25 mg (0.14 mmol) 1-メチル-4-ピペリジン-4-イル-ピペラジンとから生成物を得た。

【0489】
実施例 3
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【化476】

【0490】
実施例 (1c) と同様に、80 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 26 mg (0.14 mmol) 1-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジンとから生成物を得た。

【0491】
実施例 4
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-メチル-[4,4']ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【化477】

【0492】
実施例 (1c) と同様に、80 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロ-メチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 25 mg (0.14 mmol) 1-メチル-[4,4']ビピペリジニルとから生成物を得た。

【0493】
実施例 5
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【化478】

【0494】
(5a) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-エトキシカルボニル-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
実施例 (1a) と同様に、2.0 g (6.42 mmol) エチル (R)-3-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロ-メチル-フェニル)-2-ヒドロキシ-プロピオナートと 2.41 g (65%, 6.42 mmol) 5-フェニル-2-ピペリジン-4-イル-2,4-ジヒドロ-1,2,4-トリアゾール-3-オンとから生成物を得た。

【0495】
(5b) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
実施例 (1b) と同様に、1.0 g (1.72 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-エトキシカルボニル-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 64 mg (2.60 mmol) LiOHとから生成物を得た。

【0496】
(5c) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
実施例 (1c) と同様に、77 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 25 mg (0.14 mmol) 1-メチル-4-ピペリジン-4-イル-ピペラジンとから生成物を得た。

【0497】
実施例 6
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸
【化479】

【0498】
実施例 (1c) と同様に、77 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 26 mg (0.14 mmol) 1-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジンとから生成物を得た。

【0499】
実施例 7
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-メチル-[4,4']ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【化480】

【0500】
実施例 (1c) と同様に、77 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 25 mg (0.14 mmol) 1-メチル-[4,4']ビピペリジニルとから生成物を得た。

【0501】
実施例 8
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【化481】

【0502】
実施例 (1c) と同様に、77 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 24 mg (0.14 mmol) [1,4']ビピペリジニルとから生成物を得た。

【0503】
実施例 9
(R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]oct-3-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート
【0504】
【化482】

実施例 (1c) と同様に、77 mg (0.14 mmol) (R)-2-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-1-カルボキシ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラートと 27 mg (0.14 mmol) 3-ピペラジン-1-イル-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタンとから生成物を得た。

【0505】
以下の実施例は、活性物質として任意の所望の一般式(I)の化合物を含む医薬製剤の調製について説明する:
実施例 I
1 mg の活性成分を含む散剤吸入用カプセル剤
組成:
1 つの散剤吸入用カプセル剤は以下を含む:

調製方法:
吸入用物質について必要な粒子サイズにまで活性成分を粉砕する。粉砕活性成分をラクトースと均一に混合する。混合物を硬ゼラチンカプセルに移す。
【0506】
実施例 II
1 mg の活性成分を含むレスピマット(登録商標)用の吸入用水剤
組成:
1 吹き分は以下を含む:

調製方法:
活性成分と塩化ベンザルコニウムを水に溶解し、レスピマット(登録商標)カートリッジ内に移す。
【0507】
実施例 III
1 mg の活性成分を含むネブライザー用の吸入用水剤
組成:
1 バイアルは以下を含む:

調製方法:
活性成分、塩化ナトリウムおよび塩化ベンザルコニウムを水に溶解する。
【0508】
実施例 IV
1 mg の活性成分を含む噴射剤ガス駆動定量式エアゾール剤
組成:
1 吹き分は以下を含む:

調製方法:
微紛化した活性成分を、レシチンと噴射剤ガスとの混合物と均一に懸濁する。懸濁物を計量バルブを有する加圧容器に移す。
【0509】
実施例 V
1 mg の活性成分を含む鼻腔スプレー
組成:

調製方法:
活性成分と賦形剤を水に溶解し、適切な容器に移す。
【0510】
実施例 VI
5 mlあたり5 mg の活性物質を含む注射溶液
組成:

調製方法:
グリコフロールとグルコースを注射用の水(WfI)に溶解し; ヒト血清アルブミンを加え; 加熱しつつ活性成分を溶解し; 特定した容量にWfIで嵩上げし; 窒素ガス下でアンプル内に移す。
【0511】
実施例 VII
20 mlあたり100 mg の活性物質を含む注射溶液
組成:

調製方法:
ポリソルベート80、塩化ナトリウム、リン酸二水素一カリウムおよびリン酸水素二ナトリウムを注射用の水(WfI)に溶解し; ヒト血清アルブミンを加え; 加熱しつつ活性成分を溶解し; 特定した容量にWfIで嵩上げし;アンプル内に移す。
【0512】
実施例 VIII
10 mg の活性物質を含む凍結乾燥剤
組成:

調製方法:
マンニトールを注射用の水(WfI)に溶解し; ヒト血清アルブミンを加え; 加熱しつつ活性成分を溶解し; 特定した容量にWfIで嵩上げし;アンプル内に移し; 凍結乾燥する。
凍結乾燥剤用の溶媒:

調製方法:
ポリソルベート80とマンニトールを注射用の水(WfI)に溶解し; アンプル内に移す。
【0513】
実施例 IX
20 mg の活性物質を含む錠剤
組成:

調製方法:
活性物質、ラクトースおよびトウモロコシデンプンを均一に混合し; ポビドンの水性溶液で顆粒化し; ステアリン酸マグネシウムと混合し; 打錠器で圧縮する; 錠剤の重量200 mg。
【0514】
実施例 X
20 mg 活性物質を含むカプセル剤
組成:

調製方法:
活性物質、トウモロコシデンプン及びシリカを均一に混合し; ステアリン酸マグネシウムと混合し; カプセル充填機で混合物を3 つの硬ゼラチンカプセルのサイズに合わせて充填する。
【0515】
実施例 XI
50 mg の活性物質を含む座剤
組成:

調製方法:
固形脂肪を約38℃で融解し; 粉砕した活性物質を、融解させた固形脂肪中に均一に分散させ; 約35℃ に冷ました後、冷却した型に注ぐ。
【0516】
実施例 XII
1 mlあたり10 mg の活性物質を含む注射溶液
組成:

調製方法:
マンニトールを注射用の水(WfI)に溶解し; ヒト血清アルブミンを加え; 加熱しつつ活性成分を溶解し; 特定した容量にWfIで嵩上げし; 窒素ガス下でアンプル内に移す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式
【化1】

(式中、
A は、下記式
【化2】

の基を表し、
X は、酸素原子、メチレンまたは NH 基を表し、
R1 は、下記式
【化3】

の基を表し、かつ、
-NR2R3 は、下記式
【化4】

を表す)
のCGRP拮抗薬、その互変体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、その混合物およびその塩、並びに前記塩の水和物。
【請求項2】
明細書中の表において(1)から(2353)まで連続して番号付けされた請求項1記載の一般式(I)の化合物、その互変体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、その混合物およびその塩、並びに前記塩の水和物。
【請求項3】
以下の、請求項1記載の一般式(I)の化合物:
(1) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(2) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(3) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(4) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-メチル-[4,4']ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(2-オキソ-1,2-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-c]キノリン-3-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(5) 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-エチル、
(6) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(7) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-(1'-メチル-[4,4']ビピペリジニル-1-イル)-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(8) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[1,4']ビピペリジニル-1'-イル-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
(9) (R)-1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-[4-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]oct-3-イル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル 4-(5-オキソ-3-フェニル-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-1-イル)-ピペリジン-1-カルボキシラート、
その互変体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、その混合物およびその塩、並びに前記塩の水和物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の化合物の、無機または有機酸との生理学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項記載の化合物または請求項4記載の生理学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、1または2以上の不活性の担体および/または希釈剤を含んでもよい前記医薬組成物。
【請求項6】
頭痛、特に片頭痛または群発頭痛の急性期治療および予防治療のための医薬組成物を調製するための、請求項1から4の少なくとも1項記載の化合物の使用。
【請求項7】
インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)の治療のための医薬組成物を調製するための、請求項1から4の少なくとも1項記載の化合物の使用。
【請求項8】
CRPS1(複合性局所疼痛症候群)、心臓血管疾患、モルヒネ耐性、クロストリジウム毒による下痢、皮膚疾患(特に熱および放射線により誘導される皮膚損傷(日焼を含む))、炎症性疾患(例えば関節炎などの関節の炎症性疾患)、口腔粘膜の神経原性炎症、炎症性肺疾患、アレルギー性鼻炎、喘息、過剰な血管拡張を伴う疾患およびその結果としての血液循環の低下(例えばショックおよび敗血症)の治療、
一般の疼痛の緩和、または、
エストロゲン欠乏の女性およびホルモン治療を受けている前立腺癌患者における、血管拡張および血流増加に起因する更年期性ホットフラッシュの症状の予防治療または急性期治療のための医薬組成物を調製するための、請求項1から4の少なくとも1項記載の化合物の使用。
【請求項9】
請求項1から4の少なくとも1項記載の化合物が1または2以上の不活性の担体および/または希釈剤に非化学的方法によって導入されていることを特徴とする、請求項5記載の医薬組成物の調製方法。
【請求項10】
(a) 一般式
【化5】

(式中、X は酸素原子または NH 基を表し、かつ、A および R1 から R3 は請求項1に定義した通りである)の化合物を調製するため、
一般式
【化6】

(式中、R1 は請求項1に定義した通りである)のピペリジンを、
(i) 一般式
【化7】

(式中、G は、同一または異なっていてもよい脱離基を表し、ただし、X は NH 基を表すことを条件とする)の炭酸誘導体、または、
(ii) 一般式
【化8】

(式中、G は、同一または異なっていてもよい脱離基を表し、ただし、X は酸素原子を表すことを条件とする)の炭酸誘導体と反応させ、
そして、一般式
【化9】

(式中、X は酸素原子または-NH 基を表し、かつ、A、R2 および R3 は請求項1に定義した通りである、ただし、R2 および R3 は、他のいかなる遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基を有しないことを条件とする)の化合物と反応させ; または、
(b) 一般式
【化10】

(式中、X はメチレン基を表し、かつ、A および R1 から R3 は請求項1に定義した通りであり、だだし、他の遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基が存在しないことを条件とする)の化合物を調製するため、
一般式
【化11】

(式中、A、R2 および R3 は請求項1に定義した通りである)のカルボン酸を、
一般式
【化12】

(式中、R1 は請求項1に定義した通りである)のピペリジンとカップリングさせ; または、
(c) 一般式
【化13】

(式中、X はメチレン基を表し、かつ、A、R2 および R3 は請求項1に定義した通りであり、ただし、これらの基は、いかなる遊離第一または第二アミンを有しないことを条件とする)の化合物を調製するため、
一般式
【化14】

(式中、A、R2 および R3 は請求項1に定義した通りであり(ただし、R2 および R3 は、いかなる遊離第一または第二アミンを有しないことを条件とする)、かつ、Nu は脱離基を表す)の化合物を、
一般式
【化15】

(式中、R1 は請求項1に定義した通りである)のピペリジンとカップリングさせ; または、
(d) 一般式
【化16】

(式中、A、X および R1 から R3 は請求項1に定義した通りである)の化合物を調製するため、
一般式
【化17】

(式中、A、X および R1 は請求項1に定義した通りである)のカルボン酸を、一般式 HNR2R3 (式中、R2 および R3 は請求項1に定義した通りであり、ただし、それらが他のいかなる遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基を有しないことを条件とする)のアミンとカップリングさせ; または、
(e) 一般式
【化18】

(式中、A、X および R1 から R3 は請求項1に定義した通りであり、ただし、遊離第一または第二アミンが存在しないことを条件とする)の化合物を調製するため、
一般式
【化19】

(式中、A、X および R1 は請求項1に定義した通りであり、かつ、Nu は脱離基を表す)の化合物を、一般式 HNR2R3(式中、R2 および R3 は請求項1に定義した通りであり、ただし、遊離カルボン酸および/または他の遊離第一または第二脂肪族アミノ官能基が存在しないことを条件とする)のアミンとカップリングさせ、
そして、
必要であれば上記の反応の際に使用されたいかなる保護基を開裂し、および/または、
上記の通り得た化合物において、使用されたいかなる前駆体官能基を転化し、および/または、
必要であれば上記の通り得た一般式(I)の化合物をその立体異性体に分離し、および/または、
上記の通り得た一般式(I)の化合物をその塩、特に医薬用途のためにその生理学的に許容される塩に転化すること、
を特徴とする、請求項1から4の少なくとも1項記載の一般式(I)の化合物の調製方法。

【公表番号】特表2007−532601(P2007−532601A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507727(P2007−507727)
【出願日】平成17年4月9日(2005.4.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003759
【国際公開番号】WO2005/100352
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】