説明

避難誘導システム

【課題】省電力化と設備費の低減を可能にし、併せて避難経路の案内表示を実際の避難経路に沿い設けた経路案内子機によって安全かつ確実に避難誘導できる避難誘導システムを提供する。
【解決手段】市街地・住居地・公園など多数の市民達が往来する場所に設置された誘導案内板100の複数の発光素子5を用いて災害発生場所の表示と表示板3の照明を可能し、かつ所定の地域において、誘導案内板100の設置場所から避難場所までの避難経路には、避難経路の進行方向を表す発光体を有する複数の経路案内子機300を避難通路に沿って配設し、複数の経路案内子機300の発光体を誘導案内板100寄りの初段から避難場所寄りの終段に向けて順番に点灯して避難経路を表示する構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震や火災などの災害発生時において、災害発生場所を住居表示案内板上に表示するとともに、災害発生場所から避難場所への避難ルートを実際の避難経路に設置した経路案内子機を順次点灯して誘導できるようにした避難誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震や火災などの災害発生の非常事態において、係員等の人手を介することなく人を安全な場所に誘導する方法として、複数の避難誘導灯を避難経路に沿って設置する方法がある。この方法に使用される避難誘導灯は、照明発光素子付きの表示面を有す、この表示面には、迅速な誘導が図れるように、「非常口」、「出口」といった簡単で明瞭な文字やマークが表示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−342849
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の避難誘導灯は、建物内での避難誘導用に設計されたものであるため、地震や風水害などの災害発生時における屋外での避難経路の誘導灯には不向きなものとなる。
すなわち、上記従来の避難誘導灯は、一般に商用電源を使用するように設計されているため、避難誘導灯を実際の誘導経路に設置しようとすると、これら避難誘導灯に電力を供給するための給電設備や配線工事が必要になる。そして、その給電設備や配線工事に大きな費用がかかるとともに、その維持管理に要する経済的負担が増大してしまうという問題がある。
また、災害発生時に停電が発生すると避難誘導灯及びその避難誘導システム自体が機能不能に陥る可能性があり、災害発生に対応しきれないという課題があった。
また、従来においては、地震など自然災害が発生した際、避難情報をモニタに表示したり、スピーカで案内する技術も知られているが、この種の避難誘導しステムは、電機の送電や生活ラインが停止した場合、モニタ表示が不能になる。さらに、避難経路はモニタに表示されるだけであるため、避難誘導システムの設置場所を離れた場合には、実際に行動している避難経路がモニタに表示された誘導経路かどうかは確認できず、避難行動に不安感を与えるなどの問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような点に鑑みされたもので、省電力化と設備費の低減を可能にし、併せて避難経路の案内表示を実際の避難経路に沿い設けた経路案内子機によって安全かつ確実に避難誘導できる避難誘導システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は避難誘導システムであって、所定の地域の地図が表示された表示板を有する誘導案内板と、前記誘導案内板の設置場所から避難場所への複数の避難経路に沿ってそれぞれ設けられた複数の経路案内子機と、前記誘導案内板に設けられ前記表示板を照明するとともに前記地図上に災害発生場所の表示を行う複数の発光素子とを備え、前記誘導案内板は、災害発生場所の位置を特定する災害発生場所特定情報を防災対策センタから受信し、かつ前記経路案内子機に避難経路選定情報及び表示指令情報を送信する案内板用送受信手段と、前記災害発生場所特定情報と、前記避難場所の位置情報と、前記誘導案内板の位置情報とをもとに前記避難経路を選定して前記避難経路選定情報を生成する避難経路選定情報生成手段と、前記選定された避難経路の前記複数の経路案内子機に対して前記表示指令情報を生成する表示指令情報生成手段を有し、前記経路案内子機は、前記案内板用送受信手段からの前記避難経路選定情報及び前記表示指令情報を受信し該避難経路選定情報及び表示指令情報を前記選定避難経路に沿い配列された、前記誘導案内板寄りの初段の経路案内子機から前記避難場所寄りの最終段の経路案内子機に向けて順番に送信する案内子機用送受信手段と、前記案内子機用送受信手段で受信した前記避難経路選定情報と前記表示指令情報をもとに前記選定避難経路に沿い配列された前記複数の経路案内子機を前記初段から前記最終段に向け順番に動作させて避難方向を表示する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の避難誘導システムによれば、省電力化と設備費の低減が可能になり、併せて避難経路の案内表示を実際の避難経路に沿い設けた経路案内子機によって避難場所へ安全かつ確実に誘導できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態による避難誘導システムに用いられる誘導案内板の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態による避難誘導システムに用いられる誘導案内板の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態による避難誘導システムに用いられる経路案内子機の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態による避難誘導システムに用いられる経路案内子機の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態による避難誘導システムに用いられる誘導案内板と経路案内子機を実際の住宅や公共施設、待機場所などが建てられている現実のエリアに配置した場合の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による避難誘導システムに用いられる誘導案内板及び経路案内子機について、図1乃至図5を参照して詳細に説明する。
本実施の形態による避難誘導システムは、誘導案内板100、防災対策センタ200及び経路案内子機300から構成される。
図1に示す誘導案内板100は、市街地・住居地・公園など多数の市民達が往来する場所に設置されており、地上に設置される台座1上に鉛直に設けられた長方形状の枠体2、枠体2に支持された表示板3、枠体2の上部に配設された複数の第1の太陽電池4等を備えている。
表示板3は、例えばプラスチック板に道路を含む住宅、公共施設、公園、避難場所、河川等を書き込んだ地図を印刷により形成したものから構成されている。
そして、この表示板3が枠体2に組み込まれた状態では、表示板3の前面全体が透明なカバー板(図示省力)により覆われている。
また、住宅、公共施設、公園、避難場所等の各位置には、表示板3を照明するとともに災害発生場所の表示を行うLEDなどからなる複数の発光素子5が表示板3の表面から露出する状態に設けられている。
第1の太陽電池4は、誘導案内板100の発光素子5を含む負荷に電力を供給するとともに、後述する第1の蓄電池106に蓄えられる。
【0010】
次に、図2に示す誘導案内板の内部構成について説明する。
誘導案内板100は、案内板用の送受信回路(特許請求の範囲の請求項に記載した案内板用送受信手段に相当する)101、制御部102、記憶部103、発光素子駆動回路104、充電回路105、第1の蓄電池106、第1の電圧変換回路107を備える。
送受信回路101は、災害発生場所の位置を特定する災害発生場所特定情報を防災対策センタ200から受信し、経路案内子機300に表示指令情報を送信する。
制御部102は、送受信回路101で受信した災害発生場所特定情報をもとに発光素子駆動回路104を駆動制御することにより、災害発生場所に設けられている発光素子5を点滅制御する。そして、同時に、地図上の災害発生場所の発光素子5を除く他の発光素子5を災害発生場所の発光素子5と表示形態の異なる表示形態、例えば災害発生場所の発光素子5より明るい輝度に点灯制御して、表示板3の表面を明るく照明する。
また、制御部102は、災害発生場所特定情報と、所定の地域内における避難場所の位置情報と、所定の地域内における誘導案内板100の位置情報とをもとに避難経路を選定する機能を備え、さらに、上記選定された避難経路選定情報と選定された避難経路の経路案内子機300に対する表示指令情報を生成する機能を備える。
上記避難経路の選定機能、すなわち特許請求の範囲に記載した避難経路選定手段、及び上記表示指令情報の生成機能、すなわち特許請求の範囲に記載した表示指令情報生成手段は、記憶部103に格納されたプログラムを制御部102で実行することで構成される。
【0011】
第1の太陽電池4は、太陽光を受けて発電している時の電力を発光素子5、案内板用送受信回路101や制御部102及び駆動回路104を含む負荷に供給するとともに、充電回路105を通して第1の蓄電池106に蓄えられる。
そして、第1の蓄電池106に蓄えられた電力は、第1の太陽電池4が発電できない夜間などに発光素子5を含む誘導案内板100の負荷に供給される。
第1の電圧変換回路107は、第1の太陽電池4の発生電圧及び第1の蓄電池106の電圧を発光素子5を含む誘導案内板100の負荷に適した値の電圧に変換して誘導案内板100の各種負荷に供給する。
【0012】
次に、図3に示す経路案内子機300の構成について説明する。
経路案内子機300は、ハウジング301、発光体302、案内子機用の主送受信回路303及び補助送受信回路304を備える。
ハウジング301は、前面が凸状の円弧面を呈し、背面が誘導経路に設置される電柱やポールなど支持体の周囲形状に合わせた凹状の円弧面を呈する、水平方向に長尺な形状に形成されている。
そして、ハウジング301の長尺方向の両端には、図示省略の取付バンドが挿通される取付穴301aが形成されている。この取付穴301aに取付バンドを挿通して前記支持体の地上から一定の高さ(2m程度)位置に巻き付け締め付けることによりハウジング301を支持体に固定できるようになっている。
また、ハウジング301の内の正面中央箇所には発光体302が配設され、この発光体302の前面は透明なカバー部材305によって完全防水の密閉された構造になっている。また、発光体302はカラー表示が可能な複数の発光素子から構成されている。
ハウジング301の上面箇所には第2の太陽電池306が配設され、この第2の太陽電池306は完全防水の密閉構造になっている。
さらに、主送受信回路303及び補助送受信回路304は、ハウジング301内に第2の太陽電池305を挟んで配設されている。この主送受信回路303及び補助送受信回路304の前面は、赤外線もしくは2.5GHz帯の電磁波が透過され得るカバー303a,304aによって完全防水の密閉構造になっている。
赤外線もしくは2.5GHz帯の電磁波を使用した時の経路案内子機300間の通信可能な距離、及び経路案内子機300と誘導案内板100との間の通信可能な距離は数10m乃至100m程度である。
【0013】
次に、図4に示す経路案内子機の内部構成について説明する。
経路案内子機300は、主送受信回路303、補助送受信回路304、第2の太陽電池306、制御部307、記憶部308、発光体駆動回路309、充電回路310、第2の蓄電池311、第2の電圧変換回路312を備える。
通常、主送受信回路303が動作状態におかれ、主送受信回路303が機能低下もしくはダウンした時に切替えスイッチ313により補助送受信回路304に切り替えられ、補助送受信回路304がメインの送受信回路として機能する。
そして、この主送受信回路303または補助送受信回路304は、案内板用送受信回路101からの避難経路選定情報及び表示指令情報を受信し、該避難経路選定情報及び表示指令情報を選定避難経路に沿い配列された前段の経路案内子機300aから後段の経路案内子機300e(図5参照)に向けて順番に送信する。
また、制御部307(特許請求の範囲に記載した制御手段に相当する)は、主送受信回路303または補助送受信回路304で受信した避難経路選定情報と表示指令情報をもとに前記選定避難経路に沿い配列された複数の経路案内子機300a乃至経路案内子機300eを初段の経路案内子機300aから最終段の経路案内子機300eに向け順番に動作させて避難方向を表示する。
ここで、各経路案内子機300a乃至300eにおける発光体302の点灯制御は制御部307からの駆動信号に基づいて駆動回路308を動作することにより行われる。
また、記憶部308には経路案内子機300a乃至300eの点灯制御用のプログラムが格納されており、このプログラムを制御部307で実行することでなされる。
【0014】
第2の太陽電池306は、太陽光を受けて発電している時の電力を発光体302、主送受信回路303または補助送受信回路304や制御部307及び駆動回路309を含む負荷に供給し、さらに、充電回路310を通して第2の蓄電池311に蓄えられる。
そして、第2の蓄電池311に蓄えられた電力は、第2の太陽電池306が発電できない夜間などに発光体302や主送受信回路303または補助送受信回路304などを含む経路案内子機の負荷に供給される。
第2の電圧変換回路312は、第2の太陽電池302の発生電圧及び第2の蓄電池311の電圧を発光体302などを含む経路案内子機の負荷に適した値の電圧に変換して経路案内子機300の各種負荷に供給する。
【0015】
次に、この避難誘導システムの動作について説明する。
この避難誘導システムは、実際の住宅や公共施設、待機場所などが建てられている特定の地域内で火災が発生すると火災の発生した場所についての情報が消防署から災害対策センタ200を介して、火災が発生した特定の地域内に設置されている誘導案内板100に送られてくる。
このため特定の地域内に設置されている誘導案内板100では、送られてきた火災の発生した場所についての情報を送受信回路101で受信し、この火災発生場所A1の位置情報をもとに制御部102で発光素子駆動回路104を駆動制御して、災害発生場所A1に設けられている発光素子5a(図1参照)を点滅制御する。
そして、災害発生場所A1の発光素子5aを除く他の発光素子5を災害発生場所A1の発光素子5Aと表示形態の異なる表示形態、例えば災害発生場所B1の発光素子5aより明るい輝度に点灯制御して、表示板3の表面を明るく照明する。
【0016】
また、制御部102は、災害発生場所特定情報と、所定の地域内における避難場所A1の位置情報と、所定の地域内における誘導案内板100の位置情報とをもとに避難経路を選定する。
さらに、上記選定された避難経路選定情報と選定された避難経路の経路案内子機300に対する表示指令情報を生成する。ここでは、図5に示す破線を入れた経路400が選定された避難経路となる。そして、この経路400に沿って配設された経路案内子機300a乃至300eが避難経路を表示することになる。
すなわち、制御部102で選定された避難経路選定情報と表示指令情報は案内板用送受信回路101を通して、誘導案内板100寄りの初段の経路案内子機300aに向け送信する。
経路案内子機300aでは、その主送受信回路303で案内板用送受信回路101からの避難経路選定情報と表示指令情報を受信し、この受信した表示指令情報をもとに経路案内子機300aの制御部307で駆動回路309を制御して発光体302を駆動し、避難方向を表示する。
この例では、発光体302の一部が避難方向を示す矢印を表示するとともに残りの発光体302が経路案内子機300aの周囲を照明する。
その後、経路案内子機300aの主送受信回路303から送信される避難経路選定情報と表示指令情報を次段の経路案内子機300bの主送受信回路303で受信し、受信した表示指令情報をもとに経路案内子機300bの制御部307で駆動回路309を制御して発光体302を駆動し、避難方向を表示する。
この場合も、発光体302の一部が避難方向を示す矢印を表示し、残りの発光体302が経路案内子機300bの周囲を照明する。
【0017】
同様にして、経路案内子機300bの主送受信回路303から送信される避難経路選定情報と表示指令情報を次々段の経路案内子機300cの主送受信回路303で受信し、受信した表示指令情報をもとに経路案内子機300cの制御部307で駆動回路309を制御して発光体302を駆動し、避難方向を表示する。
この場合も、発光体302の一部が避難方向を示す矢印を表示し、残りの発光体302が経路案内子機300cの周囲を照明する。
また、経路案内子機300cの主送受信回路303から送信される避難経路選定情報と表示指令情報を更に次段の経路案内子機300dの主送受信回路303で受信し、受信した表示指令情報をもとに経路案内子機300dの制御部307で駆動回路309を制御して発光体302を駆動し、避難方向を表示する。
この場合も、発光体302の一部が避難方向を示す矢印を表示し、残りの発光体302が経路案内子機300dの周囲を照明する。
同様にして、経路案内子機300dの主送受信回路303から送信される避難経路選定情報と表示指令情報を避難場所A1寄りである最終段の経路案内子機300eの主送受信回路303で受信し、受信した表示指令情報をもとに経路案内子機300eの制御部307で駆動回路309を制御して発光体302を駆動し、避難方向を表示する。
この場合も、発光体302の一部が避難方向を示す矢印を表示し、残りの発光体302が経路案内子機300eの周囲を照明する。
【0018】
次に、平常時の動作について説明する。
災害が発生していない平常時では、誘導案内板100が地域や住居の案内を行う地図表示装置として機能する。
【0019】
以上説明したように、この実施の形態1の避難誘導システムによれば、市街地・住居地・公園など多数の市民達が往来する場所に設置された誘導案内板100の複数の発光素子5を用いて地図上の災害発生場所の表示と表示板3の照明を可能し、かつ所定の地域において、誘導案内板100の設置場所から避難場所までの避難経路には、避難経路の進行方向を表す発光体を有する複数の経路案内子機300を避難通路に沿って配設し、複数の経路案内子機300の発光体を誘導案内板100寄りの初段から避難場所寄りの終段に向けて順番に点灯して避難経路を表示する構成にしたので、発光素子5及び送受信回路などを含む誘導案内板100の負荷が低減され、さらに、経路案内子機300の負荷も低減できる。
これによって、上記負荷に要する電力も太陽電池及び蓄電池を組み合わせた電源で賄うことができ、省電力化と設備費の低減が可能になり、併せて避難経路の案内表示を実際の避難経路に沿い設けた経路案内子機によって避難場所へ安全かつ確実に誘導できる。
さらに、避難経路に沿って配設した複数の経路案内子機300で避難経路の進行方向を直接表示するようにしているので、実際の避難経路を確認でき、避難行動に安心感を与えることができるという効果がある。
【0020】
なお、本発明において、1つの誘導案内板100に対する避難場所及び避難経路は、図5に示すような1つの避難場所及び避難経路に限らず、これらは複数あっても良い。
また、本発明においては、発光体302を、カラー表示が可能な複数の発光素子をマトリクス状に配列して構成することにより、種々な絵柄やマークなどを表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明にかかる避難誘導システムは、災害発生時の避難誘導に限らず、工場内や工場建物内内の道案内、一般的な道案内、またはイベント会場の道案内、大きな病院内での道案内などにも利用にも利用できる。
特に、大きな病院内で、診察外来の患者に対する病棟、診察室(外科・内科・神経科等)への経路を誘導案内板のカラー表示可能な発光体で色別表示することで、老人患者や入院患者を病棟や診察室等へ誘導し案内する場合などにも利用できる。
【符号の説明】
【0022】
2……枠体、3……表示板、4……第1の太陽電池、5……発光素子、100……誘導案内板、101……送受信回路、102……制御部、103……記憶部、104……発光素子駆動回路、105……充電回路、106……第1の蓄電池、107……第1の電圧変換回路、200……防災対策センタ、300……経路案内子機、300a〜300e……経路案内子機、301……ハウジング、302……発光体、303……主送受信回路、304……補助送受信回路、306……第2の太陽電池、307……制御部、308……記憶部、309……発光体駆動回路、310……充電回路、311……第2の蓄電池、312……第2の電圧変換回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の地域の地図が表示された表示板を有する誘導案内板と、
前記誘導案内板の設置場所から避難場所への複数の避難経路に沿ってそれぞれ設けられた複数の経路案内子機と、
前記誘導案内板に設けられ前記表示板を照明するとともに前記地図上に災害発生場所の表示を行う複数の発光素子とを備え、
前記誘導案内板は、
災害発生場所の位置を特定する災害発生場所特定情報を防災対策センタから受信し、かつ前記経路案内子機に避難経路選定情報及び表示指令情報を送信する案内板用送受信手段と、
前記災害発生場所特定情報と、前記避難場所の位置情報と、前記誘導案内板の位置情報とをもとに前記避難経路を選定して前記避難経路選定情報を生成する避難経路選定情報生成手段と、
前記選定された避難経路の前記複数の経路案内子機に対して前記表示指令情報を生成する表示指令情報生成手段を有し、
前記経路案内子機は、
前記案内板用送受信手段からの前記避難経路選定情報及び前記表示指令情報を受信し該避難経路選定情報及び表示指令情報を前記選定避難経路に沿い配列された、前記誘導案内板寄りの初段の経路案内子機から前記避難場所寄りの最終段の経路案内子機に向けて順番に送信する案内子機用送受信手段と、
前記案内子機用送受信手段で受信した前記避難経路選定情報と前記表示指令情報をもとに前記選定避難経路に沿い配列された前記複数の経路案内子機を前記初段から前記最終段に向け順番に動作させて避難方向を表示する制御手段を有する、
ことを特徴とする避難誘導システム。
【請求項2】
前記誘導案内板は、太陽光を受けて発電している時の電力を前記発光素子及び前記案内板用送受信手段を含む第1の負荷に供給する第1の太陽電池と、前記第1の太陽電池が発電していない時に前記第1の負荷に電力を供給する第1の蓄電池と、前記第1の太陽電池が発電する電力を前記第1の蓄電池に充電する充電回路と、前記第1の太陽電池の発生電圧及び前記第1の蓄電池の電圧を前記第1の負荷に適した値の電圧に変換して前記第1の負荷に供給する第1の電圧変換回路とを備えることを特徴とする請求項1記載の避難誘導システム。
【請求項3】
前記案内板用送受信手段と前記案内子機用送受信手段との間の通信及び前記案内子機用送受信手段間の通信は赤外線もしくはGHz帯の電磁波を用いて行われることを特徴とする請求項1または2記載の避難誘導システム。
【請求項4】
前記経路案内子機は、前記誘導経路に立設されている電柱やポールなどの支持体の地上から一定の高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の避難誘導システム。
【請求項5】
前記経路案内子機は、ハウジングと、前記ハウジングに設けられ避難方向を表示する発光体と、前記ハウジングの表面に装着され太陽光を受けて発電している時の電力を前記案内子機用送受信手段及び前記発光体を含む第2の負荷に供給する第2の太陽電池と、前記ハウジング内に設けられ前記第2の太陽電池が発電していない時に前記第2の負荷に電力を供給する第2の蓄電池と、前記第2の太陽電池が発電する電力を前記第2の蓄電池に充電する充電回路と、前記第2の太陽電池の発生電圧及び前記第2の蓄電池の電圧を前記第2の負荷に適した値の電圧に変換して前記第2の負荷に供給する第2の電圧変換回路とを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の避難誘導システム。
【請求項6】
前記発光体はカラー表示が可能な発光素子から構成されていることを特徴とする請求項5記載の避難誘導システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−211648(P2010−211648A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58846(P2009−58846)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(502398562)
【Fターム(参考)】