説明

部品内蔵配線板、部品内蔵配線板の製造方法

【課題】フリップ接続の信頼性および配線板としての機能性を保全した上で、低コストで製造が可能な部品内蔵配線板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】第1の絶縁層と、第1の絶縁層に対して積層状に位置する第2の絶縁層と、第2の絶縁層に埋設された、端子パッドを有する半導体チップと、第1の絶縁層と第2の絶縁層とに挟まれて設けられた、半導体チップ用の実装用ランドを含む配線パターンと、半導体チップの端子パッドと配線パターンの実装用ランドとの間に挟設された、該端子パッドと該実装用ランドとを電気的に接続するはんだ材と、半導体チップと第1の絶縁層および配線パターンとの間に設けられた樹脂とを具備し、この樹脂が、はんだ粒子が分散された異方性導電性樹脂であり、上記はんだ材が、樹脂中に分散されたはんだ粒子の溶融により生じたはんだ材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁板中に部品が埋設、実装された部品内蔵配線板に係り、特に、半導体チップがフリップ接続により埋設、実装された部品内蔵配線板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップがフリップ接続により埋設、実装された部品内蔵配線板の例として、下記特開2003−197849号公報に記載のものがある。半導体チップ(ベアチップ)をフリップ接続すればその実装で生じる厚さは最小限近くに節約され、よってフリップ接続は半導体素子を配線板中に内蔵する場合の有力な方法になる。
【0003】
フリップ接続は、例えば、半導体チップ上に形成された端子パッド上にさらにAuバンプを形成し、これを接着剤(アンダーフィル樹脂)を介して配線板上に形成された配線パターンに圧接することでなすことができる。ここで考慮点は、Auバンプと配線パターンとの低抵抗接続およびその接続信頼性の確保である。このため配線パターン表面には高い洗浄度が求められ、よく行われる方法として、配線パターンの表層にもAuめっき層を形成しておく。
【0004】
一般には、配線板の主面上に半導体チップをフリップ接続する場合には、配線パターンのうち接続に供する部位のみを残してはんだレジストのような保護層を形成し、そのあと、接続に供する部位にAuめっき層を形成している。これにより、安価とは言えないAuめっきを最小限の面積に留めて施すことができる。
【0005】
半導体チップを配線板中に埋設する場合であって、これをフリップ接続する場合には、上記のような主面上への半導体チップのフリップ接続とはいくつか事情が異なってくる。まず、はんだレジストが内層の絶縁層の一部になってしまうことの影響である。一般的に、はんだレジストと配線板で使用される絶縁板材料との密着性は、絶縁板材料同士のそれほどには強くない。そこで、内層としてのはんだレジストを省略した構成を採用すると、Auめっきを広い面積で施す必要があり製造コストに影響する。Auめっき層と絶縁板材料との接着性も強いとは言えず、この点でも課題が残る。
【特許文献1】特開2003−197849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情を考慮してなされたもので、絶縁板中に半導体チップがフリップ接続で埋設、実装された部品内蔵配線板およびその製造方法において、フリップ接続の信頼性および配線板としての機能性を保全した上で、低コストで製造が可能な部品内蔵配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である部品内蔵配線板は、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層に対して積層状に位置する第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に埋設された、端子パッドを有する半導体チップと、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とに挟まれて設けられた、前記半導体チップ用の実装用ランドを含む配線パターンと、前記半導体チップの前記端子パッドと前記配線パターンの前記実装用ランドとの間に挟設された、該端子パッドと該実装用ランドとを電気的に接続するはんだ材と、前記半導体チップと前記第1の絶縁層および前記配線パターンとの間に設けられた樹脂とを具備し、前記樹脂が、はんだ粒子が分散された異方性導電性樹脂であり、前記はんだ材が、前記樹脂中に分散された前記はんだ粒子の溶融により生じたはんだ材であることを特徴とする。
【0008】
すなわち、この部品内蔵配線板は、第1、第2の絶縁層に挟まれた内層の配線パターンに半導体チップをはんだ材を介して実装することで、半導体チップが配線板中に埋設される構造を有している。ここで、このはんだ材は、半導体チップの端子パッドと配線パターンの実装用ランドとの間に挟設されており、つまり半導体チップはフリップ接続の形態で実装用ランドに接続されている。また、このはんだ材は、半導体チップと第1の絶縁層および配線パターンとの間に設けられた樹脂の中に分散されたはんだ粒子の溶融によって構成されものである。
【0009】
このような構造、構成によれば、はんだ材と半導体チップの端子パッド側との接続、およびはんだ材と配線パターンの実装用ランド側との接続がともに、金属間化合物の発現による接続となるのでこれら間の接続の信頼性は高い。すなわち、半導体チップの端子パッドや配線パターンの実装用ランドとして、それらの材料に、はんだが接続できるものを選択すればよく、配線パターン上に特にAuめっきを設けるなどには及ばない。したがって、この配線板は、フリップ接続の信頼性および配線板としての機能性を保全した上で、低コストで製造が可能になる。
【0010】
また、本発明の別の態様である部品内蔵配線板の製造方法は、配線パターンを少なくとも片面に備えた第1の絶縁板の前記配線パターン上であって端子パッドを有する半導体チップがフリップ接続されるべき位置に、はんだ粒子が分散された硬化前の異方性導電性樹脂を適用する工程と、前記適用された硬化前の異方性導電性樹脂を介して前記配線パターン上に前記半導体チップを載置する工程と、前記半導体チップを前記配線パターンに固定するように、加圧かつ所定温度に加熱して前記異方性導電性樹脂に分散されたはんだ粒子を溶融しかつ前記硬化前の異方性導電性樹脂を硬化させる工程と、前記第1の絶縁板とは異なる第2の絶縁板中に、前記配線パターンに固定された前記半導体チップを埋め込むように、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する工程とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のさらに別の態様である部品内蔵配線板の製造方法は、配線パターンを少なくとも片面に備えた第1の絶縁板の前記配線パターン上であって端子パッドを有する半導体チップがフリップ接続されるべき位置に、はんだ粒子が分散された硬化前の異方性導電性樹脂を適用する工程と、前記適用された硬化前の異方性導電性樹脂を介して前記配線パターン上に前記半導体チップを載置する工程と、前記半導体チップを前記配線パターンに固定するように、加圧かつ第1の所定温度に加熱して前記異方性導電性樹脂に分散されたはんだ粒子を溶融し、続いて前記第1の所定の温度より高い第2の所定温度に加熱して前記硬化前の異方性導電性樹脂を硬化させる工程と、前記第1の絶縁板とは異なる第2の絶縁板中に、前記配線パターンに固定された前記半導体チップを埋め込むように、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する工程とを具備することを特徴とする。
【0012】
これらの製造方法は、それぞれ、上記の部品内蔵配線板を製造するための方法の例である。前者の方法では、異方性導電性樹脂について、その中に分散されたはんだ粒子の溶融と樹脂の熱硬化とを所定温度で行うものであり、温度プロファイルの設定、管理がより容易で済む。後者の方法では、異方性導電性樹脂について、はんだ粒子の溶融をより低い第1の所定温度で行い、そのあとより高温である第2の所定温度において樹脂の熱硬化を行う。よって温度プロファイルの設定、管理が少し複雑化するが、はんだ粒子の溶融および樹脂の熱硬化の両者により適切な温度を設定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、絶縁板中に半導体チップがフリップ接続で埋設、実装された部品内蔵配線板およびその製造方法において、フリップ接続の信頼性および配線板としての機能性を保全した上で、低コストが実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施態様として、前記はんだ粒子が、Snを含有するはんだの粒子である、とすることができる。Snを含有するはんだは、溶融温度や金属間化合物の出現の容易さなどの機能面、およびコスト面で利点が多い。Sn−3Ag−0.5Cuなどの組成の鉛フリーはんだも利用できる。
【0015】
また、実施態様として、前記配線パターンが、その材料としてCuを有する、とすることができる。配線パターンとしてCuはもっとも一般的でローコストである。はんだ材との接合も良好である。
【0016】
また、実施態様として、前記配線パターンの前記第2の絶縁層側の表面が、粗化された面である、とすることができる。このような粗化は、配線パターンと第2の絶縁層との密着性の向上や、配線パターンとはんだ材との接合信頼性の向上をもたらし好ましい。
【0017】
また、実施態様として、前記半導体チップの前記端子パッドと前記配線パターンの前記実装用ランドとの間であって前記はんだ材より該端子パッドの側に設けられた、該端子パッドと該実装用ランドとを電気的に接続する導電性バンプをさらに具備する、とすることができる。このような導電性バンプを設けることにより、半導体チップの端子パッドと配線パターンの実装用ランドとの電気的接続の信頼性を向上することができる。すなわち、バンプ状の導電材があることにより、実装用ランドに対する加圧力がより現われやすくなり、はんだ材による接合状態の確実な生成に寄与する。
【0018】
また、実施態様として、前記導電性バンプが、その材料として、AuまたはCuである、とすることができる。両者ともはんだ材との接合相性がよく好ましい。Auであれば、例えば、金線をボンディングツールで半導体チップの端子パッド上に接続しその根元近くで切ることでスタッドバンプとして形成できる。また、Au、Cuどちらでも、例えばめっきにより、半導体チップの端子パッド上に導電性バンプを形成することができる。
【0019】
また、実施態様として、前記導電性バンプが、その材料としてはんだであり、該はんだが、その融点として前記はんだ粒子の融点より高い、とすることができる。導電性バンプとしてはんだを用いても、これとはんだ材との接合に適する。ここで導電性バンプのはんだの融点を、はんだ粒子の融点より高くすれば、はんだ粒子の溶融のみを発現させ導電性バンプたるはんだは溶融させないとすることが可能であり、AuやCuによる導電性バンプと同様に扱うことができる。
【0020】
また、製造方法としての実施態様として、前記半導体チップが、前記端子パッド上に導電性バンプがあらかじめ形設された半導体チップである、とすることができる。このような導電性バンプを設けることにより、半導体チップの端子パッドと配線パターンの実装用ランドとの電気的接続の信頼性を向上することができる。すなわち、バンプ状の導電材があることにより、実装用ランドに対する加圧力がより現われやすくなり、はんだ材による接合状態の確実な生成に寄与する。
【0021】
また、製造方法としての実施態様として、前記導電性バンプが、その材料として、AuまたはCuである、とすることができる。両者ともはんだ材との接合相性がよく好ましい。Auであれば、例えば、金線をボンディングツールで半導体チップの端子パッド上に接続しその根元近くで切ることでスタッドバンプとして形成できる。また、Au、Cuどちらでも、めっきにより、半導体チップの端子パッド上にバンプ状に形成することができる。
【0022】
また、製造方法としての実施態様として、前記導電性バンプが、その材料としてはんだであり、該はんだが、その融点として前記はんだ粒子の融点より高い、とすることができる。導電性バンプとしてはんだを用いても、これとはんだ材との接合に適する。ここで導電性バンプのはんだの融点を、はんだ粒子の融点より高くすれば、はんだ粒子の溶融のみを発現させ導電性バンプたるはんだは溶融させないとすることが可能であり、AuやCuによる導電性バンプと同様に扱うことができる。
【0023】
また、製造方法としての実施態様として、前記配線パターン上に、はんだ粒子が分散された前記硬化前の異方性導電性樹脂を適用する前に、該配線パターンの表面上を粗化する工程をさらに具備する、とすることができる。このような粗化は、配線パターンと第2の絶縁層との密着性の向上、および配線パターンとはんだ材との接合信頼性の向上をもたらし好ましい。
【0024】
また、製造方法としての実施態様として、前記配線パターンに前記半導体チップを固定したあと、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する前に、該配線パターンの表面上を粗化する工程をさらに具備する、とすることができる。このような粗化は、配線パターンと第2の絶縁層との密着性の向上をもたらし好ましい。
【0025】
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る部品内蔵配線板の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、この部品内蔵配線板は、絶縁層11(第1の絶縁層)、同12、同13、同14、同15(12、13、14、15で第2の絶縁層)、配線層(配線パターン)21、同22、同23、同24、同25、同26(=合計6層)、層間接続体31、同32、同34、同35、スルーホール導電体33、半導体チップ41、導電性バンプ42、異方性導電性樹脂51を有する。
【0026】
半導体チップ41は、フリップ接続により導電性バンプ42を介して内層の配線層22に電気的、機械的に接続されている。この接続のため、半導体チップ41が有する端子パッド(不図示)上にあらかじめ導電性バンプ42が形設され、この導電性バンプ42に位置を合わせて配線層22には内蔵部品実装用ランドがパターン形成されている。導電性バンプ42は、材質として例えばAuであり、あらかじめ端子パッド上にスタッド状に形成されたものである。半導体チップ41と配線層22および絶縁層11との間は、フリップ接続部分の機械的および化学的な保護のため樹脂が満たされているが、この実施形態ではこの樹脂として異方性導電性樹脂51が用いられる。
【0027】
ここで、半導体チップ41と配線層22との接続部分の微細な構造について図2を参照して説明する。図2は、図1に示した部品内蔵配線板における半導体チップ41と配線層22との接続部分をやや詳細にかつ模式的に示す断面構造図である。図2において、図1中に示した構成と同一のものには同一符号を付してある。図2に示すように、半導体チップ41が有する端子バッド41a上には導電性バンプ42が形設されており、導電性バンプ42と配線層22とは、異方性導電性樹脂51中に分散されたはんだ粒子51bを由来とするはんだ材55bbにより電気的に接続されている。
【0028】
すなわち、異方性導電性樹脂51は、樹脂部分51a中にはんだ粒子51bが分散された構成を有しているが、導電性バンプ42と配線層22に挟まれた部位では、はんだ粒子51bがつぶされるような力を受けつつ溶かされてはんだ材51bbに変化している。はんだ材51bbは、その組成により、導電性バンプ42とも配線層22とも金属間化合物を生成しやすい材料からなっている。例えば、はんだ材51bbにはSnを含有するはんだを用い、導電性バンプ42がAu、配線層22がCuであるとすると、はんだ材51bbと導電性バンプ42との接合部位にはAu−Snの金属間化合物が、はんだ材51bbと配線層22との接合部位にはCu−Snの金属間化合物がそれぞれ生成している。
【0029】
このような金属間化合物が生成されることで、はんだ材51bbを介する導電性バンプ42と配線層22との電気的な接続は、金属部材間の単なる接触の場合より信頼性が顕著に高くなる。また、当然ながら、異方性導電性樹脂51の樹脂部分51aは、半導体チップ41と配線層22および絶縁層11との間を機械的に接着するアンダーフィル樹脂として機能しており、この点からも接続の信頼性を向上している。
【0030】
図1に戻り部品内蔵配線板としてのほかの構造について述べると、外側の配線層21、26とは別の配線層22、23、24、25はそれぞれ内層の配線層であり、順に、配線層21と配線層22の間に絶縁層11が、配線層22と配線層23の間に絶縁層12が、配線層23と配線層24との間に絶縁層13が、配線層24と配線層25との間に絶縁層14が、配線層25と配線層26との間に絶縁層15が、それぞれ位置しこれらの配線層21〜26を隔てている。各配線層21〜26は、例えばそれぞれ厚さ18μmの金属(銅)箔からなっている。
【0031】
各絶縁層11〜15は、絶縁層13を除き例えばそれぞれ厚さ100μm、絶縁層13のみ例えば厚さ300μmで、それぞれ例えばガラスエポキシ樹脂からなるリジッドな素材である。特に絶縁層13は、内蔵された半導体チップ41に相当する位置部分が開口部となっており、半導体チップ41を内蔵するための空間を提供する。絶縁層12、14は、内蔵された半導体チップ41のための絶縁層13の上記開口部および絶縁層13のスルーホール導電体33内部の空間を埋めるように変形進入しており内部に空隙となる空間は存在しない。
【0032】
配線層21と配線層22とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層11を貫通する層間接続体31により導通し得る。同様に、配線層22と配線層23とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層12を貫通する層間接続体32により導通し得る。配線層23と配線層24とは、絶縁層13を貫通して設けられたスルーホール導電体33により導通し得る。配線層24と配線層25とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層14を貫通する層間絶縁体34により導通し得る。配線層25と配線層26とは、それらのパターンの面の間に挟設されかつ絶縁層15を貫通する層間接続体35により導通し得る。
【0033】
層間接続体31、32、34、35は、それぞれ、導電性組成物のスクリーン印刷により形成される導電性バンプを由来とするものであり、その製造工程に依拠して軸方向(図1の図示で上下の積層方向)に径が変化している。その直径は、太い側で例えば200μmである。
【0034】
以上のように、この実施形態に係る部品内蔵配線板は、はんだ材51bbと半導体チップ41の端子パッド41a側(ここでは導電性バンプ42)との接続、およびはんだ材51bbと配線パターン22の実装用ランド側との接続がともに、金属間化合物の発現による接続となるのでこれら間の接続の信頼性は高い。すなわち、半導体チップ41の端子パッド41aや配線パターン22の実装用ランドとして、それらの材料に、はんだが接続できるものを選択すればよく、配線パターン22上に特にAuめっきを設けるなどには及ばない。したがって、この配線板は、フリップ接続の信頼性および配線板としての機能性を保全した上で、低コストで製造が可能になる。
【0035】
なお、以上では、半導体チップ41の端子パッド41a上に導電性バンプ42を形設した場合を説明しているが、導電性バンプ42を形設せずに端子パッド41aを直にはんだ材51bbを介して配線層22に接続する形態も考えられる。その場合には、端子パッド41aの少なくとも表層には、はんだ材51bbが接続できる材料の層を設ける。導電性バンプ42を設けなくても、配線層22による実装用ランドが絶縁層11上に突設されているので、実装用ランドと端子パッド41aとの間にはんだ粒子51aを挟みつつこれをはんだ材51bbに変化させることに支障は少ない。
【0036】
次に、図3は、図1に示した部品内蔵配線板における半導体チップ41と配線層22との接続部分の別の例をやや詳細にかつ模式的に示す断面構造図である。図3において、すでに説明した図中に示した構成要素と同じものには同一符号を付している。その部分の説明は省略する。この例では、はんだである導電性バンプ42Aを、図2における導電性バンプ42の代わりに設ける。この場合にも、はんだ材51bbによる導電性バンプ42Aと配線層22との電気的な接続が、金属部材間の単なる接触の場合より信頼性が顕著に高くなる点は同様である。
【0037】
はんだバンプ42Aと異方性導電性樹脂51中のはんだ粒子51bとにおける、それらの融点の好ましい関係について図4を参照して以下説明する。図4は、図3中に示したはんだバンプ42A、はんだ粒子51bの具体的な組成例を示す表である。
【0038】
はんだバンプ42Aの材料およびはんだ粒子51bの材料は、図4に示すように種々採用し得るが、はんだバンプ42Aの融点が、はんだ粒子51bのそれより高くなるようにそれらの材料を選ぶ。より具体的には、例えば、はんだバンプ42AがSn−3Ag−0.5Cu(融点217℃)ではんだ粒子51bがSn−58Bi(融点139℃)である場合や、はんだバンプ42AがPb−10Sn(融点275℃)ではんだ粒子51bがSn−3Ag−0.5Cu(融点217℃)である場合が挙げられる。
【0039】
このように材料を選択し、半導体チップ41をフリップ接続する時点においては、はんだバンプ42Aは溶融させず、はんだ粒子51bのみを溶融するような温度(かつ樹脂部分51aを硬化する温度)で実装を行う。これにより、はんだバンプ42Aが例えばAuの導電性バンプ42(図1、図2参照)である場合と同じように、はんだ材51bbが生成されることによるフリップ接続となる。
【0040】
次に、図1に示した部品内蔵配線板の製造工程を図5ないし図7を参照して説明する。図5ないし図7は、それぞれ、図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の一部を模式的断面で示す工程図である。これらの図において図1中に示した構成要素と同一または同一相当のものには同一符号を付してある。
【0041】
図5から説明する。図5は、図1中に示した各構成のうち絶縁層11を中心とした部分の製造工程を示している。まず、図5(a)に示すように、厚さ例えば18μmの金属箔(電解銅箔)22A上に例えばスクリーン印刷により、層間接続体31となるペースト状の導電性組成物をほぼ円錐形のバンプ状(底面径例えば200μm、高さ例えば160μm)に形成する。この導電性組成物は、ペースト状の樹脂中に銀、金、銅などの金属微細粒または炭素微細粒を分散させたものである。説明の都合で金属箔22Aの下面に印刷しているが上面でもよい(以下の各図も同じである)。層間接続体31の印刷後これを乾燥させて硬化させる。
【0042】
次に、図5(b)に示すように、金属箔22A上に厚さ例えば公称100μmのFR−4のプリプレグ11Aを積層して層間接続体31を貫通させ、その頭部が露出するようにする。露出に際してあるいはその後その先端を塑性変形でつぶしてもよい(いずれにしても層間接続体31の形状は、積層方向に一致する軸を有しその軸方向に径が変化する形状である。)。続いて、図5(c)に示すように、プリプレグ31A上に金属箔(電解銅箔)21Aを積層配置して加圧・加熱し全体を一体化する。このとき、金属箔21Aは層間接続体31と電気的導通状態となり、プリプレグ11Aは完全に硬化して絶縁層11になる。
【0043】
次に、図5(d)に示すように、片側の金属箔22Aに例えば周知のフォトリソグラフィによるパターニングを施し、これを、実装用ランドを含む配線層22に加工する。そして、図5(e)に示すように、半導体チップ41が実装されるべき絶縁層11上の位置に例えばディスペンサを用いて硬化前ペースト状(またはシート状でもよい)の異方性導電性樹脂51Aを適用する。さらに、図5(f)に示すように、導電性バンプ42を伴った半導体チップ41を例えばフリップチップボンダを用いて、配線層22の実装用ランドに位置合わせて圧接する。
【0044】
圧接の後、異方性導電性樹脂51A中のはんだ粒子51b(図2参照)を溶融し、かつ異方性導電性樹脂51A中の樹脂部分51a(図2参照)を硬化するため、加熱工程を行う。以上により、はんだ粒子51bを由来とするはんだ材51bb(図2参照)を介して半導体チップ41が配線層22の実装用ランド上に接続、固定され、かつ半導体チップ41と配線層22および絶縁層11との間に異方性導電性樹脂51Aが満たされた状態の配線板素材1が得られる。この配線板素材1を用いる後の工程については図7で後述する。
【0045】
以上の工程について補足する。硬化前ペースト状の異方性導電性樹脂51Aとして、ここでは、例えば硬化温度240℃の例えばエポキシ変性ポリイミド樹脂たる樹脂部分51a(図2を参照)中に、例えば、はんだ粒子51b(図2を参照)たるSn−3Ag−0.5Cu(融点217℃)の組成の粒子が分散されたものを用いることができる。ちなみに、硬化前の異方性導電性樹脂51Aには、はんだ粒子51bを加熱、溶解させたときにこれを活性化させる性質を有するフラックス成分を含ませておいてもよい。このような異方性導電性樹脂51Aを用いれば、フラックスを適用する工程を別途行う必要がなくなり、生産性を向上させる上で好ましい。
【0046】
加熱工程では、異方性導電性樹脂51A中のはんだ粒子51b(図2参照)を溶融し、かつ異方性導電性樹脂51A中の樹脂部分51a(図2参照)を硬化するための温度として、例えば250℃程度の加熱温度に設定する。より具体的に、この加熱工程の温度プロファイルは、例えば図8に示すように設定することができる。図8は、図5(f)に示す実装工程における温度プロファイルの例を示すグラフである。このような温度プロファイルは、本質的に1段階の加熱で達成され、その管理が比較的容易で済む。
【0047】
また、この加熱工程では、図8に示した温度プロファイルに代えて図9に示す温度プロファイルを採用することもできる。すなわち、樹脂部分51a(図2を参照)の硬化がされずに異方性導電性樹脂51A中のはんだ粒子51b(図2参照)を溶融させるための加熱をまず、225℃程度で行い、これに続いて多少加熱温度を上昇させて(例えば250℃)、樹脂部分51aを熱硬化させる。
【0048】
このような2段階の加熱工程での温度プロファイルは例えば図9に示すように設定することができる。図9は、図5(f)に示す実装工程における温度プロファイルの別の例を示すグラフである。図9に示すように、この場合、徐々に加熱して225℃程度に達したときに一旦この温度を数十秒間保つ。その後温度を250℃に上げてこの温度状態を数十秒間保つ。このように2段階の温度保持を行う場合は、温度プロファイルの管理が少し複雑化するが、はんだ粒子51bの溶融および樹脂部分51aの熱硬化の両者に、より適切な温度を設定することができる。
【0049】
次に、図5(f)に関連して、半導体チップ41に導電性バンプ42をあらかじめ形設しておく方法について補足する。導電性バンプ42が材質としてAuであり、あらかじめ端子パッド41a(図2を参照)上にスタッド状に形成する場合であれば、例えば、金線をボンディングツールで半導体チップ41の端子パッド41a上に接続しこれをその根元近くで切ることでスタッド状に形成できる。または、これとまったく異なる方法として、めっきにより端子パッド41a上にAuやCuのバンプとして形成することも可能である。
【0050】
なお、図2に示した態様のように、導電性バンプとしてはんだバンプ42Aを半導体チップ41に形設しておくには、例えば、半導体素子パッケージのひとつであるBGAパッケージで用いられているようなはんだボール取り付けの技術を流用することができる。
【0051】
次に、図6を参照して説明する。図6は、図1中に示した各構成のうち絶縁層13および同12を中心とした部分の製造工程を示している。まず、図6(a)に示すように、両面に例えば厚さ18μmの金属箔(電解銅箔)23A、24Aが積層された例えば厚さ300μmのFR−4の絶縁層13を用意し、その所定位置にスルーホール導電体を形成するための貫通孔72をあけ、かつ内蔵する半導体チップ41に相当する部分に開口部71を形成する。
【0052】
次に、無電解めっきおよび電解めっきを行い、図6(b)に示すように、貫通孔72の内壁にスルーホール導電体33を形成する。このとき開口部71の内壁にも導電体が形成される。さらに、図6(c)に示すように、金属箔23A、24Aを周知のフォトリソグラフィを利用して所定にパターニングして配線層23、24を形成する。配線層23、24のパターニング形成により、開口部71の内壁に形成された導電体も除去される。
【0053】
次に、図6(d)に示すように、配線層23上の所定の位置に層間接続体32となる導電性バンプ(底面径例えば200μm、高さ例えば160μm)をペースト状導電性組成物のスクリーン印刷により形成する。続いて、図5(e)に示すように、絶縁層12とすべきFR−4のプリプレグ12A(公称厚さ例えば100μm)を配線層23側にプレス機を用い積層する。プリプレグ12Aには、絶縁層13と同様の、内蔵する半導体チップ41に相当する部分の開口部をあらかじめ設けておく。
【0054】
この積層工程では、層間接続体32の頭部をプリプレグ12Aに貫通させる。なお、図6(e)における層間接続体32の頭部の破線は、この段階でその頭部を塑性変形させてつぶしておく場合と塑性変形させない場合の両者あり得ることを示す。この工程により、配線層23はプリプレグ12A側に沈み込んで位置する。以上により得られた配線板素材を配線板素材2とする。
【0055】
なお、以上の図6に示した工程は、以下のような手順とすることも可能である。図6(a)の段階では、貫通孔72のみ形成し内蔵部品用の開口部71を形成せずに続く図6(b)から図6(d)までの工程を行う。次に、図6(e)に相当する工程として、プリプレグ12A(開口のないもの)の積層を行う。そして、絶縁層13およびプリプレグ12Aに部品内蔵用の開口部を同時に形成する、という工程である。
【0056】
次に、図7を参照して説明する。図7は、上記で得られた配線板素材1、2などを積層する配置関係を示す図である。
【0057】
図7において、図示上側の配線板素材3は、下側の配線板素材1と同様な工程を適用し、かつそのあと層間接続体34およびプリプレグ14Aを図示中間の配線板素材2における層間接続体32およびプリプレグ12Aと同様にして形成し得られたものである。ただし、部品(半導体チップ41)およびこれを接続するための部位(実装用ランド)のない構成であり、さらにプリプレグ14Aには半導体チップ41用の開口部も設けない。そのほかは、金属箔(電解銅箔)26A、絶縁層15、層間接続体35、配線層25、プリプレグ14A、層間接続体34とも、それぞれ配線板素材1の金属箔21A、絶縁層11、層間接続体31、配線層22、配線板素材2のプリプレグ12A、層間接続体32と同じである。
【0058】
図7に示すような配置で各配線板素材1、2、3を積層配置してプレス機で加圧・加熱する。これにより、プリプレグ12A、14Aが完全に硬化し全体が積層・一体化する。このとき、加熱により得られるプリプレグ12A、14Aの流動性により、半導体チップ41の周りの空間およびスルーホール導電体33内部の空間にはプリプレグ12A、14Aが変形進入し空隙は発生しない。また、配線層22、24は、層間接続体32、34にそれぞれ電気的に接続される。
【0059】
図5に示す積層工程の後、上下両面の金属箔26A、21Aを周知のフォトリソグラフィを利用して所定にパターニングし、さらにはんだレジスト61、62の層を形成することにより、図1に示したような部品内蔵配線板を得ることができる。
【0060】
変形例として、中間の絶縁層13に設けられたスルーホール導電体33については、層間接続体31や同32と同様なものとする構成も当然ながらあり得る。また、外側の配線層21、26は、最後の積層工程のあとにパターニングして得る以外に、各配線板素材1、3の段階で(例えば図5(d)の段階で)形成するようにしてもよい。
【0061】
また、図7に示した積層工程において、配線板素材1、2については、プリプレグ12Aおよび層間接続体32の部分を配線板素材2の側ではなく配線板素材1の側に設けておくようにしてもよい。すなわち、層間接続体32の形成およびプリプレグ12Aの積層を、配線板素材1の配線層22上(絶縁層11上)であらかじめ行うようにする。この場合、実装された半導体チップ41が、一見、層間接続体32をスクリーン印刷で形成するときに干渉要因となるように見えるが、半導体チップ41として十分薄い部品の場合は実際上干渉要因とはならない。プリプレグ12Aの積層工程のときには、半導体チップ41の厚さを吸収できるクッション材を介在させて加圧・加熱すれば面内方向均一にプリプレグ12Aを積層できる。
【0062】
次に、図5に示した製造過程の変形例について説明する。まず、図10は、図5(d)ないし図5(f)に示した工程に代えて採用可能な工程(図10(d1)ないし図10(f1))を示す一部工程図である。図10において、図5(d)ないし図5(f)中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付してある。その部分の説明は省略する。この例では、導電性バンプ42との接続に供せられる部分を含めて配線層22の絶縁層12側の表面を、表面粗さが適度に大きくなるように粗化表面22aへ加工処理しておく。粗化表面22aを設けることで、配線層22の新生面が露出し導電性バンプ42とのはんだ材51bbを介した電気的接続の信頼性を一層高めることができる。
【0063】
加えてこの場合、配線板素材1Aを用いることによる、図7に示した積層工程において、粗化表面22aにより、絶縁層12と配線層22との密着性が向上する意味でも好ましい。すなわち、剥離などの信頼性劣化要因を抑制できる。粗化表面22aの形成には、具体的に、例えば、黒化還元処理やマイクロエッチング処理を採用することができる。マイクロエッチング処理としては、例えば、CZ処理(メック社商品名)やボンドフィルム処理(アトテック社商品名)がある。
【0064】
次に、図11は、図5(f)に示した工程に代えて採用可能な工程(図11(f2))を示す一部工程図である。図11において、図5(f)中に示した構成要素と同一のものには同一符号を付してある。その部分の説明は省略する。この例では、導電性バンプ42との接続に供せられる部分を除いて配線層22の絶縁層12側の表面を、表面粗さが適度に大きくなるように粗化表面22aへ加工処理する。この処理は半導体チップ41のフリップ接続の後に行うことができる。この変形例の場合、配線板1AAを用いることによる、図7に示した積層工程において、粗化表面22aにより、絶縁層12と配線層22との密着性が向上する意味で好ましい。すなわち、剥離などの信頼性劣化要因を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る部品内蔵配線板の構成を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示した部品内蔵配線板における半導体チップ41と配線層22との接続部分をやや詳細にかつ模式的に示す断面構造図。
【図3】図1に示した部品内蔵配線板における半導体チップ41と配線層22との接続部分の別の例をやや詳細にかつ模式的に示す断面構造図。
【図4】図3中に示したはんだバンプ42A、はんだ粒子51bの具体的な組成例を示す表。
【図5】図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の一部を模式的断面で示す工程図。
【図6】図1に示した部品内蔵配線板の製造過程の別の一部を模式的断面で示す工程図。
【図7】図1に示した部品内蔵配線板の製造過程のさらに別の一部を模式的断面で示す工程図。
【図8】図5(f)に示す実装工程における温度プロファイルの例を示すグラフ。
【図9】図5(f)に示す実装工程における温度プロファイルの別の例を示すグラフ。
【図10】図5(d)ないし図5(f)に示した工程に代えて採用可能な工程を示す一部工程図。
【図11】図5(f)に示した工程に代えて採用可能な工程を示す一部工程図。
【符号の説明】
【0066】
1,1A,1AA…配線板素材、2…配線板素材、3…配線板素材、11…絶縁層、11A…プリプレグ、12…絶縁層、12A…プリプレグ、13…絶縁層、14…絶縁層、14A…プリプレグ、15…絶縁層、21…配線層(配線パターン)、21A…金属箔(銅箔)、22…配線層(配線パターン)、22a…粗化表面、22A…金属箔(銅箔)、23…配線層(配線パターン)、23A…金属箔(銅箔)、24…配線層(配線パターン)、24A…金属箔(銅箔)、25…配線層(配線パターン)、26…配線層(配線パターン)、26A…金属箔(銅箔)、31,32,34,35…層間接続体(導電性組成物印刷による導電性バンプ)、33…スルーホール導電体、41…半導体チップ、41a…端子パッド、42…導電性バンプ(Auスタッドバンプ)、42A…導電性バンプ(はんだバンプ)、51…異方性導電性樹脂、51a…樹脂部分、51b…はんだ粒子、51bb…はんだ材、51A…異方性導電性樹脂(硬化前)、61,62…はんだレジスト、71…部品用開口部、72…貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層に対して積層状に位置する第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層に埋設された、端子パッドを有する半導体チップと、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とに挟まれて設けられた、前記半導体チップ用の実装用ランドを含む配線パターンと、
前記半導体チップの前記端子パッドと前記配線パターンの前記実装用ランドとの間に挟設された、該端子パッドと該実装用ランドとを電気的に接続するはんだ材と、
前記半導体チップと前記第1の絶縁層および前記配線パターンとの間に設けられた樹脂とを具備し、
前記樹脂が、はんだ粒子が分散された異方性導電性樹脂であり、
前記はんだ材が、前記樹脂中に分散された前記はんだ粒子の溶融により生じたはんだ材であること
を特徴とする部品内蔵配線板。
【請求項2】
前記はんだ粒子が、Snを含有するはんだの粒子であることを特徴とする請求項1記載の部品内蔵配線板。
【請求項3】
前記配線パターンが、その材料としてCuを有することを特徴とする請求項1記載の部品内蔵配線板。
【請求項4】
前記配線パターンの前記第2の絶縁層側の表面が、粗化された面であることを特徴とする請求項3記載の部品内蔵配線板。
【請求項5】
前記半導体チップの前記端子パッドと前記配線パターンの前記実装用ランドとの間であって前記はんだ材より該端子パッドの側に設けられた、該端子パッドと該実装用ランドとを電気的に接続する導電性バンプをさらに具備することを特徴とする請求項1記載の部品内蔵配線板。
【請求項6】
前記導電性バンプが、その材料として、AuまたはCuであることを特徴とする請求項5記載の部品内蔵配線板。
【請求項7】
前記導電性バンプが、その材料としてはんだであり、該はんだが、その融点として前記はんだ粒子の融点より高いことを特徴とする請求項5記載の部品内蔵配線板。
【請求項8】
配線パターンを少なくとも片面に備えた第1の絶縁板の前記配線パターン上であって端子パッドを有する半導体チップがフリップ接続されるべき位置に、はんだ粒子が分散された硬化前の異方性導電性樹脂を適用する工程と、
前記適用された硬化前の異方性導電性樹脂を介して前記配線パターン上に前記半導体チップを載置する工程と、
前記半導体チップを前記配線パターンに固定するように、加圧かつ所定温度に加熱して前記異方性導電性樹脂に分散されたはんだ粒子を溶融しかつ前記硬化前の異方性導電性樹脂を硬化させる工程と、
前記第1の絶縁板とは異なる第2の絶縁板中に、前記配線パターンに固定された前記半導体チップを埋め込むように、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する工程と
を具備することを特徴とする部品内蔵配線板の製造方法。
【請求項9】
配線パターンを少なくとも片面に備えた第1の絶縁板の前記配線パターン上であって端子パッドを有する半導体チップがフリップ接続されるべき位置に、はんだ粒子が分散された硬化前の異方性導電性樹脂を適用する工程と、
前記適用された硬化前の異方性導電性樹脂を介して前記配線パターン上に前記半導体チップを載置する工程と、
前記半導体チップを前記配線パターンに固定するように、加圧かつ第1の所定温度に加熱して前記異方性導電性樹脂に分散されたはんだ粒子を溶融し、続いて前記第1の所定の温度より高い第2の所定温度に加熱して前記硬化前の異方性導電性樹脂を硬化させる工程と、
前記第1の絶縁板とは異なる第2の絶縁板中に、前記配線パターンに固定された前記半導体チップを埋め込むように、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する工程と
を具備することを特徴とする部品内蔵配線板の製造方法。
【請求項10】
前記半導体チップが、前記端子パッド上に導電性バンプがあらかじめ形設された半導体チップであることを特徴とする請求項8または9記載の部品内蔵配線板の製造方法。
【請求項11】
前記導電性バンプが、その材料として、AuまたはCuであることを特徴とする請求項10記載の部品内蔵配線板の製造方法。
【請求項12】
前記導電性バンプが、その材料としてはんだであり、該はんだが、その融点として前記はんだ粒子の融点より高いことを特徴とする請求項10記載の部品内蔵配線板の製造方法。
【請求項13】
前記配線パターン上に、はんだ粒子が分散された前記硬化前の異方性導電性樹脂を適用する前に、該配線パターンの表面上を粗化する工程をさらに具備することを特徴とする請求項8または9記載の部品内蔵配線板の製造方法。
【請求項14】
前記配線パターンに前記半導体チップを固定したあと、前記第1の絶縁板に積層状に前記第2の絶縁板を一体化する前に、該配線パターンの表面上を粗化する工程をさらに具備することを特徴とする請求項8または9記載の部品内蔵配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−62339(P2010−62339A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226624(P2008−226624)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】