説明

配合剤組成物

【課題】 アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体を高濃度で含有し、保存安定性および水への分散性に優れた配合剤組成物を提供する。
【解決手段】 (A)アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体、(B)ノニオン性界面活性剤および(C)式:R−O−(CHCHO)(CHCHCHO)−H(式中Rは炭素原子数4以下の炭化水素基であり、nは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、n+mは3以下の整数である。)で表される1分子中に水酸基を1個有する化合物を含んでなり、(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))が1/0.4〜1/16の範囲であり、実質的に水を含有しないことを特徴とする配合剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配合剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002−326914号公報には、アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体が開示されている。しかしこの共重合体は、アミノ基を含んだ高分子量のポリマーであるため水への分散が容易でなく、化粧料や繊維処理剤などに配合する際の取扱い作業性に劣るという問題があった。
【0003】
このような高分子量のポリオルガノシロキサンの取り扱作業性を改善するため、高分子量のポリオルガノシロキサンを乳化して水中油型のエマルジョンとすることが試みられている(特開平05−098161号公報、特開2008−069115号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−326914号公報
【特許文献2】特開平05−098161号公報
【特許文献3】特開2008−069115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、発明者らは、特開2002−326914号公報に記載された、アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体を乳化しても、その含有量を20質量%以上にすると粘度が著しく高くなり、流動性を失ったり、水への再分散が困難になったりするという問題があることを見出した。エマルジョン中のブロック共重合体の含有量が低いと最終製品に水が過剰に添加されるなど、配合剤として適した組成物ではなかった。
【0006】
本発明は、アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体の含有率が高く、水に容易に分散する取り扱い作業性に優れた配合剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の配合剤組成物は、(A)アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体、(B)ノニオン性界面活性剤および(C)式:R−O−(CHCHO)(CHCHCHO)−H(式中Rは炭素原子数4以下の炭化水素基であり、nは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、n+mは3以下の整数である。)で表される1分子中に水酸基を1個有する化合物を含んでなり、(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))が1/0.4〜1/16の範囲であり、実質的に水を含有しないことを特徴とする。本発明の配合剤組成物は化粧料用配合剤組成物として有用である。
【0008】
前記(A)ブロック共重合体は、下記の式(1)で表される共重合体であることが好ましい。
【0009】
【化1】


式中、Rは互いに独立して、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基、Xは一般式:−R−Z(Rは直接結合または炭素原子数1〜20の2価炭化水素基、Zはアミノ基、アンモニウム基、アミノ基含有有機基、またはアンモニウム基含有有機基を表す。)で表される反応性官能基を表し、Rは互いに独立して、RまたはXのいずれかを表し、aは少なくとも2の整数であり、cは少なくとも2の整数であり、dは0以上の整数であり、c+dは少なくとも4であり、eは少なくとも2の整数であり、bとeの乗は少なくとも1の数であり、Yは炭素−ケイ素結合によって隣接ケイ素原子に結合しており、さらに、隣接する酸素原子によってポリオキシアルキレンブロックに結合している2価の有機基を表し、各ポリオキシアルキレンブロックの重量平均分子量は約200〜約15,000である。
【0010】
前記(A)ブロック共重合体の重量平均分子量は1,000〜500,000であり、25℃における粘度は200〜100,000mPa・sであることが好ましい。また、(A)ブロック共重合体は、本発明配合剤組成物中に40〜90質量%含有されることが好ましい。
【0011】
前記(B)ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレン系界面活性剤(ただし、(A)成分を除く)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の配合剤組成物は、透明で保存安定性に優れ、アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体の含有率が高く、実質的に水を含有しないので、取り扱い作業性に優れ、含水系の最終製品への配合の際も配合組成の自由度を高く保つことができ、また、非水系の最終製品への配合にも適するという特徴を有する。また、本発明の配合剤組成物は、機械的攪拌によって水中で容易に自己乳化し微分散するという特徴を有するので、透明な含水系の最終製品を容易に製造することができる。また、長期保存後であっても、本発明の配合剤組成物の上記自己乳化、微分散特性は変化しないという特徴を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体は、本発明の配合剤組成物の主要構成成分である。
【0014】
(A)成分の重量平均分子量は、1,000〜500,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは1,500〜200,000の範囲である。ここで、(A)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準スチレン換算で求めることができる。
【0015】
(A)成分の25℃における粘度は200〜100,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは300〜50,000の範囲であり、さらに好ましくは500〜35,000の範囲である。(A)成分の粘度は25℃でBM型回転粘度計により測定することができる。
【0016】
(A)成分としては、下記式(1)で示されるブロック共重合体であることが好ましい。
【0017】
【化2】


式(1)中、Rは互いに独立して、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基であり、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基などの炭素原子数1〜20のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基などの炭素原子数6〜20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素原子数7〜20のアラルキル基が例示される。中でもメチル基、フェニル基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロペニロキシ基、メトキシエトキシ基、フェニルオキシ基、アセトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、及びドデカニルオキシ基のような、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基、特にはメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0018】
は式:−R−Zで表される反応性官能基である。式中Rは炭素原子数1〜20の2価炭化水素基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ドデシレン基などの炭素原子数1〜20のアルキレン基;−CHCH−が例示される。好ましいRはエチレン基またはプロピレン基である。
【0019】
はアミノ基、アンモニウム基、アミノ基含有有機基、またはアンモニウム基含有有機基である。アミノ基含有有機基としては、−(N(R)RNRで表される基である事が好ましい。式中R、R、Rは、独立して水素原子または一価の炭化水素基であり、炭素原子数1〜20のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基などの炭素原子数7〜20のアラルキル基;アセチル基などのアシル基が例示され、中でも水素原子、メチル基、アセチル基であることが好ましい。Rは炭素原子数1〜20の2価炭化水素基であり、前記Rと同様の基が例示されるが、エチレン基であることが好ましい。iは0〜5の整数である。
【0020】
としては、具体的には、−NH、−NH(CHNH、−N(CH、−N(CH)(CHN(CH、−N(CHCl、−N(CH)(CHN(CH)C=O(CH)が例示される。
【0021】
好ましいXとしては、下記の基が例示される。
-(CH2)3NH2
-(CH2)3N(CH3)2
-(CH2)3N+(CH3)3Cl-
-(CH2)2NH(CH2)2NH2
-(CH2)3NH(CH2)2NH2
-(CH2)3NH(CH2)2N(CH3)2
-(CH2)3N(CH3)(CH2)2N(CH3)2
-(CH2)3N(CH3)(CH2)2N(CH3)C=O(CH3) 、
-(CH2)6NH(CH2)2NH2
-(CH2)3(NH(CH2)2) 2NH2
-(CH2)3(NH(CH2)2) 3NH2
-(CH2)3NH(CH2)2N(C4H9)2
-(CH2)3NH(CH2)2NH(CH2-C6H5)2
【0022】
は互いに独立して、前記Rまたは前記Xのいずれかを表す。
【0023】
Yは2価の有機基であり、−R−、−R−CO−、−R−NHCO−、−R−NHCONHR−NHCO−、または−R−OOCNH−R−NHCO−で表される基であることが好ましい。式中、Rはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数1〜20のアルキレン基であり、Rはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数1〜20のアルキレン基;−C−、−C−C−、−C−CH−C−、−C−CH(CH)−C−などの二価の炭化水素基である。
【0024】
好適なYとしては以下の基が例示される。
-CH2CH2-、
-CH2CH2CH2-、
-CH2CH(CH3)CH2-、
-(CH2)4-、
-(CH2)2CO-、
-(CH2)3NHCO-、
-(CH2)3NHCONHC6H4CO-、
-(CH2)3OOCNHC6H4NHCO-。
中でも、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−であることが好ましく、−CHCH(CH)CH−であることが最も好ましい。
【0025】
aは少なくとも2の整数であり、2〜400の範囲の整数であることが好ましく、20〜100の範囲の整数であることがより好ましい。cは少なくとも2の整数であり、4〜250の範囲の整数であることが好ましく、10〜120の範囲の整数であることがより好ましい。dは0以上の整数であり、0〜10の範囲の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。eは少なくとも2の整数であり、2〜300の範囲の整数であることが好ましく、2〜100の範囲の整数であることがより好ましい。bはbとeの乗が少なくとも1となる数であり、1〜5であることが好ましい。
【0026】
(A)ブロック共重合体中のオルガノポリシロキサンブロックの重量平均分子量は、水系組成物への配合を考慮した場合は、1,000〜100,000であることが好ましい。また、(A)ブロック共重合体中のオルガノポリシロキサンブロックの含有量は(A)成分中5〜70重量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがさらに好ましい。水系組成物に配合した際の分散性に優れるからである。
【0027】
(A)ブロック共重合体中のポリオキシアルキレンブロックの重量平均分子量は、水系組成物への配合を考慮した場合は、200〜15,000であることが好ましい。また、水への分散性の点から、(A)ブロック共重合体中のポリオキシアルキレンブロックの60質量%以上が−CHCHO−で表されるポリオキシエチレン基からなることが好ましい。(A)ブロック共重合体中のポリオキシアルキレンブロックの含有量は30〜95質量%であることが好ましく、40〜85質量%であることがさらに好ましい。
【0028】
(A)ブロック共重合体の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で製造できる。例えば、特開平09−183854号公報に記載されたヒドロシリル化反応とアルカリ触媒の存在下での平衡化反応の組み合わせが例示される。
【0029】
(B)ノニオン性界面活性剤としては、従来公知のものが使用できる。好適なノニオン性界面活性剤として、具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンロジンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体型界面活性剤などのポリオキシアルキレン系界面活性剤(ただし、(A)成分を除く);グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルが例示される。ここでアルキル基として、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、セチル基、ステアリル基などの高級アルキル基が例示される。多価アルコールとして、ソルビタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールが例示される。脂肪酸としてラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高・中級脂肪酸が例示される。ポリオキシアルキレンとしてポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンおよびこれらの共重合体が例示される。(B)ノニオン性界面活性剤は、二種類以上の化合物を併用することもできる。
【0030】
中でも、ポリオキシアルキレンブロックを親水性基として有する、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンロジンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体型界面活性剤などのポリオキシアルキレン系界面活性剤(ただし、(A)成分を除く)であることが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、が例示される。
【0031】
本発明配合剤組成物の水への分散性の点から、(B)ノニオン性界面活性剤のHLBは、9〜18の範囲であることが好ましい。中でも、HLBが9〜18の範囲であるポリオキシアルキレン系界面活性剤(ただし、(A)成分を除く)であることが好ましい。
【0032】
(C)成分は式:R−O−(CHCHO)(CHCHCHO)−Hで表される1分子中に水酸基を1個有する化合物である。式中Rは炭素数4以下の炭化水素基であり、nは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、n+mは3以下の整数である。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどの分子中に水酸基を1個有する炭素原子数1〜4の1価のアルコール;メチルグリコール、メチルジグリコール、イソプロピルグリコール、イソプロピルジグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、ブチルトリグリコール、イソブチルグリコール、イソブチルジグリコール、アリルグリコールなどのグリコールエーテル;メチルプロピレングリコール、メチルプロピレンジグリコール、メチルプロピレントリグリコール、プロピルプロピレングリコール、プロピルプロピレンジグリコール、ブチルプロピレングリコール、ブチルプロピレンジグリコールなどのプロピレングリコールエーテル;および上記化合物の混合物が例示される。
【0033】
本発明の配合剤組成物中の(A)〜(C)成分の配合比は、(A)成分の粘度や重量平均分子量に応じて適宜選択できるが、配合剤組成物として最終製品の組成設計の自由度を高める点から、配合剤組成物の40質量%〜90質量%が(A)成分であることが好ましい。また、本発明の配合剤組成物の水への分散性の点から(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))は、1/0.4〜1/16の範囲であることが好ましい。
【0034】
本発明の配合剤組成物は、実質的に水を含有しない。ここで「実質的に水を含有しない」とは、上記(A)〜(C)成分が自然に含有する水分までも積極的に除去する努力まではしないとの意味であり、意志を持って水を配合しないことを意味する。なお、意図して水を添加しない場合でも、高温多湿環境下で長時間放置されると、吸水等により5質量%未満の水がカールフィッシャー法にて検出される可能性がある。本発明の配合剤組成物中の水の含有量はカールフィッシャー法による測定値で5質量%未満であることが好ましく、3質量%未満であることがより好ましく、1質量%未満であることがさらに好ましく、0.5質量%未満であることが最も好ましい。本発明の配合剤組成物の透明性が損なわれる場合があるからである。
【0035】
本発明の配合剤組成物は、上記(A)〜(C)成分を均一に混合することにより製造することができる。(B)成分が室温(25℃)で固体である場合は、40〜70℃で攪拌混合することが好ましい。
【0036】
本発明の配合剤組成物は化粧料用配合剤組成物として有用である。本発明の配合剤組成物は、化粧料中上記(A)成分が0.001質量%〜1.0質量%の範囲となる量を化粧料に配合することが好ましい。また、本発明の配合剤組成物は水と任意の割合で混合することができる。例えば、水系の化粧料の製造において、本発明の配合剤組成物を水系化粧料組成物に配合し機械的攪拌を行うことで、本発明の配合剤組成物を容易に化粧料組成物中で自己乳化させ微分散させることができる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例および比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例および比較例によって限定されるものではない。実施例中部は質量部、%は質量%、粘度は25℃における測定値である。
【0038】
以下に評価方法について説明する。
[外観、粘度]
得られた配合剤の25℃における外観を、製造直後に目視観察した。また、得られた配合剤の25℃における粘度をBM型回転粘度計で測定した。
【0039】
[保存安定性]
得られた配合剤を50℃雰囲気中に30日間保管後、室温(25℃)に冷却して配合剤の外観を目視で観察した。製造直後と同様に均一な外観を維持していた場合を「均一」と評価した。一方、2層に液層が分離していたり、油滴状の分離が認められたりした場合に「分離」と評価した。
【0040】
[分散性]
得られた配合剤1gをイオン交換水99g中に投入し、25℃でスパチュラを用いて手混合した。得られた混合物の外観を目視観察した。均一な溶液状を呈した場合を「均一」と評価し、油滴状の分離が認められた場合に「分離」と評価した。50℃雰囲気中に30日間保管した後の配合剤についても、室温で放置して25℃に冷却してから同様にして分散性を評価した。
【0041】
表中に記載した成分(A)、成分(B)を以下に説明する。
ブロック共重合体1:下記式で表される粘度15,000mPa・s、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が35,000のブロック共重合体。
【0042】
【化3】


ブロック共重合体2:下記式で表される粘度700mPa・s、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が7,500のブロック共重合体。
【0043】
【化4】

【0044】
BT−5:ポリオキシエチレン(ポリオキシエチレン5モル)アルキル(炭素原子数12〜14)エーテル(日光ケミカルズ社製)、HLB:10.5、25℃で液体。
BT−7:ポリオキシエチレン(ポリオキシエチレン7モル)アルキル(炭素原子数12〜14)エーテル(日光ケミカルズ社製)、HLB:12.1、25℃で液体。
レオドールTWO−O120V:ポリオキシエチレン(ポリオキシエチレン20モル)ソルビタンモノオレエート(花王社製)、HLB:15.0、25℃で液体。
エソミンC−25:ポリオキシアルキレンアルキルアミン付加物(ライオン社製)、HLB:15.6、25℃で液体。
ファインサーフ9161:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン合成アルコールエーテル(青木油脂工業社製)、HLB:13.3、25℃で液体。
BC−7:ポリオキシエチレン(ポリオキシエチレン7モル)セチルエーテル(日光ケミカルズ社製)、HLB:11.5、25℃で固体。
【0045】
[実施例1〜12、比較例1〜16]
(A)〜(C)成分を表1〜6に記載の配合比でビーカーに投入し50℃で10分間攪拌混合した後、室温(25℃)に冷却して配合剤組成物を得た。得られた配合剤組成物の外観、粘度を評価し、保存安定性と水への分散性を調べた。これらの結果を表1〜6に示した。
【0046】
[実施例13〜27]
(A)〜(C)成分を表7〜9に記載の配合比でビーカーに投入し25℃で10分間攪拌混合しして配合剤組成物を得た。得られた配合剤組成物の外観、粘度を評価し、保存安定性と水への分散性を調べた。これらの結果を表7〜9に示した。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】



【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】



【0053】
【表7】

【0054】
【表8】













【0055】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の配合剤組成物は、保存安定性および水への分散性に優れることから、繊維処理剤や化粧料用の配合剤として有用である。特にアミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体を高濃度で含有しているのでヘアシャンプーやヘアコンディショナーなどの毛髪化粧料用途に好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アミノ基含有オルガノポリシロキサンブロックとポリオキシアルキレンブロックからなるブロック共重合体、(B)ノニオン性界面活性剤および(C)式:R−O−(CHCHO)(CHCHCHO)−H(式中Rは炭素原子数4以下の炭化水素基であり、nは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、n+mは3以下の整数である。)で表される1分子中に水酸基を1個有する化合物を含んでなり、(B)成分と(C)成分の質量比((B)/(C))が1/0.4〜1/16の範囲であり、実質的に水を含有しないことを特徴とする配合剤組成物。
【請求項2】
(A)ブロック共重合体が、下記の式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の配合剤組成物。
【化1】



[式中、Rは互いに独立して、脂肪族不飽和結合を含まない1価の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基、Xは一般式:−R−Z(Rは直接結合または炭素原子数1〜20の2価炭化水素基、Zはアミノ基、アンモニウム基、アミノ基含有有機基、またはアンモニウム基含有有機基を表す。)で表される反応性官能基を表し、Rは互いに独立して、RまたはXのいずれかを表し、aは少なくとも2の整数であり、cは少なくとも2の整数であり、dは0以上の整数であり、c+dは少なくとも4であり、eは少なくとも2の整数であり、bとeの乗は少なくとも1の数であり、Yは炭素−ケイ素結合を介して隣接ケイ素原子に結合しており、さらに隣接する酸素原子によってポリオキシアルキレンブロックに結合している2価の有機基を表し、各ポリオキシアルキレンブロックの重量平均分子量は約200〜約15,000である。]
【請求項3】
(A)ブロック共重合体の重量平均分子量が1,000〜500,000であり、25℃における粘度が200〜100,000mPa・sであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配合剤組成物。
【請求項4】
配合剤組成物全体を100質量%としたとき、(A)成分を40〜90質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の配合剤組成物。
【請求項5】
(B)ノニオン性界面活性剤がポリオキシアルキレン系界面活性剤(ただし、(A)成分を除く)であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の配合剤組成物。
【請求項6】
化粧料用配合剤組成物であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の配合剤組成物。
【請求項7】
請求項6記載の配合剤組成物を含有する化粧料。
【請求項8】
請求項6記載の配合剤組成物を水と配合することを特徴とする水系化粧料の製造方法。

【公開番号】特開2011−246668(P2011−246668A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123777(P2010−123777)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】