配線基板およびその製造方法
【課題】例えば幅および間隔が20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む配線を形成することが可能であるとともに、外部接続パッドを外部電気回路基板に接続したときに大きな応力が加わったとしても外部接続パッドに剥がれが発生することのない配線基板を提供すること。
【解決手段】絶縁基板1の一方の主面に半導体素子接続パッド5を含む第1の配線導体3がセミアディティブ法により被着形成されているとともに絶縁基板1の他方の主面に外部接続パッド6を含む第2の配線導体3がセミアディティブ法により被着形成されて成る配線基板であって、第1の配線導体3は一方の主面の絶縁層2上に被着された無電解めっき層3aおよびその上の電解めっき層3bから成り、第2の配線導体3は、他方の主面の絶縁層2上に直接被着された金属箔3cおよびその無電解めっき層3aおよびその上の電解めっき層3bから成る。
【解決手段】絶縁基板1の一方の主面に半導体素子接続パッド5を含む第1の配線導体3がセミアディティブ法により被着形成されているとともに絶縁基板1の他方の主面に外部接続パッド6を含む第2の配線導体3がセミアディティブ法により被着形成されて成る配線基板であって、第1の配線導体3は一方の主面の絶縁層2上に被着された無電解めっき層3aおよびその上の電解めっき層3bから成り、第2の配線導体3は、他方の主面の絶縁層2上に直接被着された金属箔3cおよびその無電解めっき層3aおよびその上の電解めっき層3bから成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等を搭載するために用いられる配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子を搭載するための配線基板を製造する方法として、剛性を有する平坦な支持基板上に金属箔を剥離可能に支持するとともにその金属箔上に絶縁層と導体層とを交互に積層して金属箔を含む配線基板用の積層体を形成した後、その積層体を支持基板と金属箔との間から剥離することにより支持基板から分離し、しかる後、金属箔をサブトラクティブ法によりエッチングして半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドおよび外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む配線導体を形成することにより多層で薄型の配線基板を製造する方法が知られている。あるいは、支持基板から分離された前記積層体の表面から金属箔をエッチング除去した後、積層体の表面に半導体素子接続パッドおよび外部接続パッドをセミアディティブ法により形成することにより多層で薄型の配線基板を形成する方法が知られている。
【0003】
しかしながら、初めに述べた方法によると、半導体素子接続パッドを含む配線導体がサブトラクティブ法により形成されるため、例えば幅および間隔が30μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む配線導体を形成することが困難である。また、後から述べた方法によると、半導体素子接続パッドおよび外部接続パッドを含む配線導体はセミアディティブ法で形成されるため、幅および間隔が例えば20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む配線導体を形成することが可能であるが、例えば絶縁層としてガラスクロス入りのプリプレグを硬化させたものを採用した場合、絶縁層の表面に配線導体を強固に被着させるための粗化面を良好に形成することができずに半導体素子接続パッドや外部接続パッドにおける絶縁層との密着強度が低く、そのため、特に外部接続パッドにおいては、外部電気回路基板に接続した際に大きな応力が加わるために剥がれが発生しやすいという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3811680号
【特許文献2】特許第4461912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、例えば幅および間隔が20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む配線導体を形成することが可能であるとともに、外部接続パッドを外部電気回路基板に接続したときに大きな応力が加わったとしても外部接続パッドに剥がれが発生することのない配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配線基板は、ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されて成る配線基板であって、前記第1の配線導体は前記一方の主面の絶縁層上に被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成り、前記第2の配線導体は、前記他方の主面の絶縁層上に直接被着された銅箔および該銅箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明の配線基板の製造方法は、ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に第1の金属箔が前記絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に第2の金属箔が前記絶縁層上に直接被着されて成る積層体を準備する工程と、前記第1の金属箔をエッチングして前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層を露出させる工程と、前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層表面および前記第2の金属箔の表面に無電解めっき層を被着させる工程と、前記一方の主面側の無電解めっき層上に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させるとともに前記他方の主面側の無電解めっき層上に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させる工程と、前記電解めっき層から露出する前記無電解めっき層および前記第2の金属箔をエッチング除去することにより前記一方の主面の絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第1の配線導体を形成するとともに前記他方の主面の絶縁層上に直接被着された前記第2金属箔および該第2の金属箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第2の配線導体を形成する工程とを行なうことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の配線基板によれば、半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体は、セミアディティブ法により形成されており、かつ絶縁基板の一方の主面の絶縁層上に被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることから、例えば幅および間隔が20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含むことができる。また、外部接続パッドを含む第2の配線導体は、セミアディティブ法により形成されており、かつ絶縁基板の他方の主面の絶縁層上に直接被着された銅箔および該銅箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることから、銅箔を介して絶縁層に極めて強固に密着し絶縁層との間に剥がれが発生することがない。
【0009】
また本発明の配線基板の製造方法によれば、絶縁基板の一方の主面に被着された第1の金属箔をエッチング除去した後、絶縁基板の一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層表面に無電解めっき層を被着させ、次にその無電解めっき層上に第1の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させ、次にその電解めっき層から露出する無電解めっき層をエッチング除去するセミアディティブ法により半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体を形成することから、例えば幅および間隔が20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体を形成することができる。また、絶縁基板の他方の主面に被着させた第2の金属箔の上に無電解めっき層を被着させ、次にその無電解めっき層上に第2の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させ、次にその電解めっき層から露出する無電解めっき層および第2の金属箔をエッチング除去するセミアディティブ法により外部接続パッドを含む第2の配線導体を形成することから、第2の配線導体が第2の銅箔を介して絶縁層に極めて強固に密着し、第2の配線導体と絶縁層との間に剥がれが発生することがない配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図3】図3は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図4】図4は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図5】図5は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図6】図6は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図7】図7は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図8】図8は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図9】図9は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図10】図10は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図11】図11は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図12】図12は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図13】図13は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図14】図14は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図15】図15は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図16】図16は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図17】図17は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図18】図18は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図19】図19は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図20】図20は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図21】図21は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図22】図22は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図23】図23は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図24】図24は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図25】図25は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図26】図26は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図27】図27は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図28】図28は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の配線基板における実施形態の一例を添付の図を基に説明する。図1は本発明の配線基板の実施形態の一例を示しており、1は絶縁基板、2は絶縁層、3は配線導体、5は半導体素子接続パッド、6は外部接続パッド、7はソルダーレジスト層である。本例の配線基板においては、複数の絶縁層2を積層して成る絶縁基板1の表面および内部に配線導体3が配設されているとともに絶縁基板1の上下両主面上に配線導体3の一部を露出させるようにしてソルダーレジスト層7が被着されている。
【0012】
絶縁基板1は、この例では3層の絶縁層2を積層して成る。各絶縁層2は、ガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを熱硬化させた電気絶縁材料から成る。各絶縁層2の厚みは25〜60μm程度である。各絶縁層2には、ビアホール4が形成されている。ビアホール4の直径は例えば30〜100μm程度である。なお、絶縁基板1の上主面側の最表層の絶縁層2は、その表面側にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の薄い樹脂層2aが被着されていることが好ましい。
【0013】
絶縁基板1の上下両主面および絶縁層2の間にはビアホール4内を充填するようにして配線導体3が被着されている。配線導体3の一部は、絶縁基板1の上主面側において半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッド5を形成しており、下主面側において外部電気回路基板に接続される外部接続パッド6を形成している。そして、半導体素子接続パッド5と外部接続パッド6との対応するもの同士が絶縁層2の間に配設された配線導体3を介して互いに電気的に接続されている。
【0014】
絶縁基板1の上主面に被着された半導体素子接続パッド5を含む配線導体3は、セミアディティブ法により形成されており、無電解めっき層3aと電解めっき層3bとから成る。この場合のセミアディティブ法は、絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2の表面に厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aを被着させ、次にその無電解めっき層3aの表面に半導体素子接続パッド5を含む配線導体3に対応した開口パターンを有するめっきレジスト層を被着し、次にめっきレジスト層の開口パターン内に露出した無電解めっき層3a上に厚みが5〜20μm程度の電解めっき層3bを被着させ、最後にめっきレジスト層を除去した後、電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aをエッチングして除去することにより半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を形成する方法である。
【0015】
このセミアディティブ法では、厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を形成できるため、半導体素子接続パッド5を含む配線導体3のパターン自体が大きくエッチングされることがなく、例えば20μm以下の線幅および間隔の半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を絶縁基板1の上主面に形成することができる。なお、無電解めっき層3aおよび電解めっき層3bとしては、銅めっき層が好適に採用される。さらにこのとき、絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2と配線導体3との間にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層2aを介在させておくと、絶縁基板1の上主面に半導体素子接続パッド5を含む微細な配線導体3を形成することが容易となるとともに絶縁基板1の上主面と配線導体3との密着を強固なものとなすことができる。さらに、絶縁基板1の上主面側の樹脂量が下主面側よりも多くなり、半導体素子を搭載する高温時おける配線基板の反りを小さなものとすることができる。したがって、絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2と配線導体3との間には、プライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層2aを介在させておくことが好ましい。
【0016】
絶縁基板1の下主面に被着された外部接続パッド6を含む配線導体3は、セミアディティブ法により形成されており、金属箔3cと無電解めっき層3aと電解めっき層3bとから成る。この場合のセミアディティブ法は、絶縁基板1の下主面を構成する絶縁層2の表面に、厚みが2〜5μm程度の金属箔3cを予め被着させておくとともに、その金属箔3cの上に厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aを被着させ、次にその無電解めっき層3aの表面に外部接続パッド6を含む配線導体3に対応した開口パターンを有するめっきレジスト層を被着し、次にめっきレジスト層の開口パターン内に露出した無電解めっき層3a上に厚みが5〜20μm程度の電解めっき層3bを被着させ、最後にめっきレジスト層を除去した後、電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aおよびその下の金属箔3cをエッチングして除去することにより外部接続パッド6を含む配線導体3を形成する方法である。
【0017】
このセミアディティブ法では、絶縁基板1の下主面に形成された外部接続パッド6を含む配線導体3が、絶縁層2の表面に予め被着された金属箔3cを介して絶縁層2上にセミアディティブ法により形成されているので、絶縁層2に極めて強固に密着し絶縁層2との間に剥がれが発生することが有効に防止される。また、厚みが2〜5μm程度の金属箔3cと厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで配線導体3を形成するため、絶縁基板1の上主面側の配線導体3ほどの微細なパターンを形成することはできないものの、外部接続パッド6を含む配線導体3として必要な幅および間隔のパターンは極めて良好に形成することができる。なお、無電解めっき層3aおよび電解めっき層3bとしては銅めっき層が好適に採用され、金属箔3cとしては銅箔が好適に使用される。
【0018】
さらに、絶縁基板1の上下両主面には、半導体素子接続パッド5および外部接続パッド6を露出させる開口部7aおよび7bを有するソルダーレジスト層7が被着されている。ソルダーレジスト層7は、アクリル変性エポキシ樹脂等の感光性を有する熱硬化樹脂を所定のパターンに露光および現像した後、熱硬化させた絶縁材料から成る。
【0019】
次に、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の一例について、上述した配線基板を製造する場合を例にとって説明する。
【0020】
まず、図2に示すように、支持基板11と、プリプレグ12と、キャリア付き金属箔13と、プリプレグ14と、金属箔15とを準備する。支持基板11とプリプレグ12とプリプレグ14および金属箔15は平面視で同じ大きさとし、キャリア付き金属箔13はそれよりも小さいものとする。
【0021】
支持基板11は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させた板状体である。支持基板11の厚みは0.2〜0.8mm程度である。支持基板11は、必要な剛性や熱膨張率を有していれば、他の材料を用いることもできる。
【0022】
プリプレグ12は、ガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化させた板状体である。プリプレグ12の厚みは70〜200μm程度である。
【0023】
キャリア付き金属箔13は、厚みが20〜100μm程度の樹脂フィルムや金属箔から成るキャリアシート13aの片面に厚みが2〜18μm程度の金属箔13bを両者間で剥離可能に貼り合わせたものである。なお、金属箔13bとしては銅箔が好適に使用される。
【0024】
プリプレグ14は、ガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化させた厚みが25〜60μm程度の板状体である。また金属箔15には、厚みが2〜18μm程度の銅箔が好適に使用される。なお、この例ではプリプレグ14と金属箔15とを別々に用意したが、プリプレグ14の片面に金属箔15を予め貼着させたものを用いてもよい。また、プリプレグ14と金属箔15との間にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層を介在させてもよい。
【0025】
次に、図3に示すように、支持基板11、プリプレグ12、キャリア付き金属箔13、プリプレグ14および金属箔15を重ねて上下から加圧しながら加熱してプリプレグ12およびプリプレグ14を熱硬化させることにより積層一体化させる。これによりプリプレグ14が硬化した絶縁層2が形成される。なお、金属箔15とプリプレグ14との間にプライマー樹脂を介在させた場合には、絶縁層2の表面にプライマー樹脂の樹脂層が形成される。
【0026】
次に、図4に示すように、金属箔15の中央部をエッチング除去する。これにより、絶縁層2の中央部が露出する。このとき、絶縁層2の露出面には、金属箔15の絶縁層2側の面の凹凸に対応した凹凸が残る。したがって、金属箔15の絶縁層2側の面に微細な凹凸を設けておくと、絶縁層2の露出面にも微細な凹凸を形成することができる。絶縁層2の露出面に微細な凹凸を形成すると、その表面に後述する無電解めっき層3aを極めて強固に被着させることができる。なお、絶縁層2の表面にプライマー樹脂の樹脂層が形成されている場合には、無電解めっき層3aを被着する前に樹脂層の露出面を例えば過マンガン酸カリウムを含む粗化液を用いて粗化することが好ましい。粗化により、無電解めっき層3aと樹脂層との密着を物理的結合により極めて強固なものとすることができる。
【0027】
次に、図5に示すように、絶縁層2の露出面に無電解めっき層3aを被着する。無電解めっき層3aの厚みは、0.1〜1μm程度である。無電解めっき層3aとしては、無電解銅めっき層が好適に用いられる。
【0028】
次に、図6に示すように、無電解めっき層3aの表面に、内層の配線導体3に対応するパターンの開口部を有するめっきレジスト層16を形成する。めっきレジスト層16の厚みは、10〜30μm程度である。
【0029】
次に、図7に示すように、めっきレジスト層16から露出する無電解めっき層3aの表面に、電解めっき層3bを被着する。電解めっき層3bの厚みは、5〜20μm程度である。電解めっき層3bとしては、電解銅めっき層が好適に用いられる。
【0030】
次に、図8に示すように、めっきレジスト層16を剥離して除去する。これにより、配線導体3となる部分以外の無電解めっき層3aが電解めっき層3bから露出する。
【0031】
次に、図9に示すように、電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aをエッチング除去する。これにより、無電解めっき層3aと電解めっき層3bとから成る配線導体3が絶縁層2上に被着形成される。この方法は、いわゆるセミアディティブ法と呼ばれる配線導体の形成方法である。この方法の場合、無電解めっき層3aをエッチング除去する際に電解めっき層3bの表面も同時にエッチングされるが、厚みが0.1〜1μm程度の薄い無電解めっき層3aを除去するだけの時間エッチングすればよいので、配線導体3のパターン自体が大きくエッチングされることはない。したがって、例えば20μm以下の線幅および間隔の配線導体3を形成することができる。
【0032】
次に、図10に示すように、次層の絶縁層2および金属箔17を下層の配線導体3を覆うように積層する。次層の絶縁層2は、上述した絶縁層2と同様のものであり、金属箔17は上述した金属箔15と同様のものである。ただし、金属箔17の厚みや表面粗さは金属箔15と異なるものであっても良い。これらは上述した絶縁層2および金属箔15と同様にして積層される。この絶縁層2と金属箔17との間にもプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層を介在させてもよい。
【0033】
次に、図11に示すように、金属箔15の場合と同様に、金属箔17の中央部をエッチング除去する。これにより、上述の場合と同様に絶縁層2の中央部が露出する。
【0034】
次に、図12に示すように、絶縁層2にビアホール4を形成する。ビアホール4は、直径が30〜100μm程度であり、レーザ加工により形成される。ビアホール4を形成した後には、デスミア処理することが好ましい。
【0035】
次に、図13に示すように、上述したのと同様のセミアディティブ法を採用することにより無電解めっき層3aおよび電解めっき層3bから成る次層の配線導体3をビアホール4を充填するようにして形成する。無電解めっき層3aとしては、無電解銅めっき層が好適に採用され、電解銅めっき層3bとしては、電解銅めっき層が好適に採用される。
【0036】
次に、図14に示すように、次層の絶縁層2および金属箔18を内層の配線導体3を覆うように積層する。これにより支持基板11の両側に、絶縁層2と内層の配線導体3および金属箔3c、18から成る配線基板用の積層体10が形成される。なおこの場合、絶縁層2と金属箔18との間にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層2aを介在させておくことが好ましい。樹脂層2aを介在させることにより、絶縁基板1の上主面に半導体素子接続パッド5を含む微細な配線導体3を形成することが容易となるとともに絶縁基板1の上主面と配線導体3との密着を強固なものとなすことができる。さらに、絶縁基板1の上主面側の樹脂量が下主面側よりも多くなり、半導体素子を搭載する高温時おける配線基板の反りを小さなものとすることができる。なお、金属箔18としては、金属箔15や17の場合と同様に銅箔が好適に使用される。
【0037】
次に、図15に示すように、積層体10の配線基板となる領域10aを支持体11に支持された状態で切り出す。
【0038】
次に、図16に示すように、積層体10の配線基板となる領域10aをキャリアシート13aと金属箔3cとの間で引き剥がして支持体11から分離する。
【0039】
次に、図17に示すように、下主面側の金属箔3cを残して上主面側の金属箔18を選択的にエッチングにより除去する。なお、金属箔18をエッチング除去する際には、金属箔3cの表面は図示しないエッチングレジスト層により保護しておく。
【0040】
次に、図18に示すように、金属箔3cを所定パターンにエッチングして下主面側の絶縁層2を部分的に露出させる。この絶縁層2が露出する部分にはビアホール4が形成される。
【0041】
次に、図19に示すように、上下両主面を構成する絶縁層2にレーザ加工によりビアホール4を形成する。なお、ビアホール4を形成した後は、過マンガン酸カリウムを含むデスミア液でデスミア処理する。デスミア処理により樹脂層2a表面が粗化される。それにより、後述する無電解めっき層3aと樹脂層2aとの密着を物理的結合により極めて強固なものとすることができる。
【0042】
次に、図20に示すように、ビアホール4の内部および樹脂層2aを含む絶縁層2の表面および金属箔3cの表面に無電解めっき層3aを被着する。無電解めっき層3aの厚みは0.1〜1μm程度である。無電解めっき層3aとしては、無電解銅めっき層が好適に採用される。
【0043】
次に、図21に示すように、上下両主面の無電解めっき層3aの表面に上下両主面に形成する配線導体3に対応した開口部を有するめっきレジスト層19を形成する。
【0044】
次に、図22に示すように、めっきレジスト層19の開口部内に露出する無電解めっき層3a上に配線導体3に対応するパターンの電解銅めっき3bを被着する。電解めっき3bの厚みは5〜20μm程度である。電解めっき層3bとしては、電解銅めっき層が好適に採用される。
【0045】
次に、図23に示すように、めっきレジスト層19を除去した後、図24に示すように、上主面側をエッチングレジスト20で被覆し、続いて図25に示すように、下主面側の電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aおよび金属箔3cをエッチング除去することにより、絶縁基板1の下面に外部接続パッド6を含む配線導体3を形成する。この配線導体3は、絶縁層2の表面に予め被着された金属箔3cを介して絶縁層2上にセミアディティブ法により形成されているので、絶縁層2に極めて強固に密着し絶縁層2との間に剥がれが発生することを有効に防止することが可能となる。また、厚みが2〜5μm程度の金属箔3cと厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで配線導体3を形成するため、絶縁基板1の上主面側の配線導体3ほどの微細なパターンを形成することはできないものの、外部接続パッド6を含む配線導体3として必要な幅および間隔のパターンは極めて良好に形成することができる。
【0046】
次に、図26に示すように、絶縁基板1の下主面側をエッチングレジスト層21で被覆するとともに、図27に示すように、上主面側の電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3bをエッチング除去することにより絶縁基板1の上面に半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を形成する。この場合、厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで配線導体3を形成できるため、半導体素子接続パッド5を含む配線導体3のパターン自体が大きくエッチングされることがなく、例えば20μm以下の線幅および間隔の半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を絶縁基板1の上主面に形成することができる。なお、必ずしも絶縁基板1の下主面側をエッチングレジスト層21で被覆した状態で上主面側の無電解めっき層3bをエッチングする必要はなく、絶縁基板1の下主面側を露出させた状態で上主面側の無電解めっき層3bをエッチングしてもよい。この場合、絶縁基板1の下主面側の配線導体層3も同時にエッチングされるものの、そのエッチング量は僅かで済むため、絶縁基板1の下主面側の配線導体3に大きな影響が及ぶことはない。
【0047】
次に、図28に示すようにエッチングレジスト層21を除去した後、絶縁基板1の上下面に半導体素子接続パッド5および外部接続パッド6を露出させるソルダーレジスト層7を形成することにより、図1に示した配線基板が完成する。なお、本発明は上述の実施形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施形態の一例では、ガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを熱硬化させた電気絶縁材料により全ての絶縁層2を形成したが、例えば絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2は、ガラスクロスを含まないとともに粗化の容易な樹脂を含む電気絶縁材料から形成してもよい。この場合、絶縁基板1の上主面を良好に粗化することにより半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を絶縁基板1の上主面に強固に被着させることができるとともに、絶縁基板1の上面側の樹脂量が多くなり、半導体素子を搭載する高温時おける配線基板の反りを小さなものとすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 絶縁基板
2 絶縁層
2a 樹脂層
3 配線導体
5 半導体素子接続パッド
6 外部接続パッド
10 積層体
11 支持基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等を搭載するために用いられる配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子を搭載するための配線基板を製造する方法として、剛性を有する平坦な支持基板上に金属箔を剥離可能に支持するとともにその金属箔上に絶縁層と導体層とを交互に積層して金属箔を含む配線基板用の積層体を形成した後、その積層体を支持基板と金属箔との間から剥離することにより支持基板から分離し、しかる後、金属箔をサブトラクティブ法によりエッチングして半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドおよび外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む配線導体を形成することにより多層で薄型の配線基板を製造する方法が知られている。あるいは、支持基板から分離された前記積層体の表面から金属箔をエッチング除去した後、積層体の表面に半導体素子接続パッドおよび外部接続パッドをセミアディティブ法により形成することにより多層で薄型の配線基板を形成する方法が知られている。
【0003】
しかしながら、初めに述べた方法によると、半導体素子接続パッドを含む配線導体がサブトラクティブ法により形成されるため、例えば幅および間隔が30μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む配線導体を形成することが困難である。また、後から述べた方法によると、半導体素子接続パッドおよび外部接続パッドを含む配線導体はセミアディティブ法で形成されるため、幅および間隔が例えば20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む配線導体を形成することが可能であるが、例えば絶縁層としてガラスクロス入りのプリプレグを硬化させたものを採用した場合、絶縁層の表面に配線導体を強固に被着させるための粗化面を良好に形成することができずに半導体素子接続パッドや外部接続パッドにおける絶縁層との密着強度が低く、そのため、特に外部接続パッドにおいては、外部電気回路基板に接続した際に大きな応力が加わるために剥がれが発生しやすいという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3811680号
【特許文献2】特許第4461912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、例えば幅および間隔が20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む配線導体を形成することが可能であるとともに、外部接続パッドを外部電気回路基板に接続したときに大きな応力が加わったとしても外部接続パッドに剥がれが発生することのない配線基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配線基板は、ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されて成る配線基板であって、前記第1の配線導体は前記一方の主面の絶縁層上に被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成り、前記第2の配線導体は、前記他方の主面の絶縁層上に直接被着された銅箔および該銅箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明の配線基板の製造方法は、ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に第1の金属箔が前記絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に第2の金属箔が前記絶縁層上に直接被着されて成る積層体を準備する工程と、前記第1の金属箔をエッチングして前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層を露出させる工程と、前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層表面および前記第2の金属箔の表面に無電解めっき層を被着させる工程と、前記一方の主面側の無電解めっき層上に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させるとともに前記他方の主面側の無電解めっき層上に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させる工程と、前記電解めっき層から露出する前記無電解めっき層および前記第2の金属箔をエッチング除去することにより前記一方の主面の絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第1の配線導体を形成するとともに前記他方の主面の絶縁層上に直接被着された前記第2金属箔および該第2の金属箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第2の配線導体を形成する工程とを行なうことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の配線基板によれば、半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体は、セミアディティブ法により形成されており、かつ絶縁基板の一方の主面の絶縁層上に被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることから、例えば幅および間隔が20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含むことができる。また、外部接続パッドを含む第2の配線導体は、セミアディティブ法により形成されており、かつ絶縁基板の他方の主面の絶縁層上に直接被着された銅箔および該銅箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることから、銅箔を介して絶縁層に極めて強固に密着し絶縁層との間に剥がれが発生することがない。
【0009】
また本発明の配線基板の製造方法によれば、絶縁基板の一方の主面に被着された第1の金属箔をエッチング除去した後、絶縁基板の一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層表面に無電解めっき層を被着させ、次にその無電解めっき層上に第1の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させ、次にその電解めっき層から露出する無電解めっき層をエッチング除去するセミアディティブ法により半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体を形成することから、例えば幅および間隔が20μm以下の微細な半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体を形成することができる。また、絶縁基板の他方の主面に被着させた第2の金属箔の上に無電解めっき層を被着させ、次にその無電解めっき層上に第2の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させ、次にその電解めっき層から露出する無電解めっき層および第2の金属箔をエッチング除去するセミアディティブ法により外部接続パッドを含む第2の配線導体を形成することから、第2の配線導体が第2の銅箔を介して絶縁層に極めて強固に密着し、第2の配線導体と絶縁層との間に剥がれが発生することがない配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の配線基板の実施形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図3】図3は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図4】図4は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図5】図5は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図6】図6は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図7】図7は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図8】図8は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図9】図9は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図10】図10は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図11】図11は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図12】図12は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図13】図13は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図14】図14は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図15】図15は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図16】図16は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図17】図17は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図18】図18は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図19】図19は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図20】図20は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図21】図21は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図22】図22は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図23】図23は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図24】図24は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図25】図25は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図26】図26は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図27】図27は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【図28】図28は、図1に示す配線基板を製造する製造方法を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の配線基板における実施形態の一例を添付の図を基に説明する。図1は本発明の配線基板の実施形態の一例を示しており、1は絶縁基板、2は絶縁層、3は配線導体、5は半導体素子接続パッド、6は外部接続パッド、7はソルダーレジスト層である。本例の配線基板においては、複数の絶縁層2を積層して成る絶縁基板1の表面および内部に配線導体3が配設されているとともに絶縁基板1の上下両主面上に配線導体3の一部を露出させるようにしてソルダーレジスト層7が被着されている。
【0012】
絶縁基板1は、この例では3層の絶縁層2を積層して成る。各絶縁層2は、ガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを熱硬化させた電気絶縁材料から成る。各絶縁層2の厚みは25〜60μm程度である。各絶縁層2には、ビアホール4が形成されている。ビアホール4の直径は例えば30〜100μm程度である。なお、絶縁基板1の上主面側の最表層の絶縁層2は、その表面側にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の薄い樹脂層2aが被着されていることが好ましい。
【0013】
絶縁基板1の上下両主面および絶縁層2の間にはビアホール4内を充填するようにして配線導体3が被着されている。配線導体3の一部は、絶縁基板1の上主面側において半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッド5を形成しており、下主面側において外部電気回路基板に接続される外部接続パッド6を形成している。そして、半導体素子接続パッド5と外部接続パッド6との対応するもの同士が絶縁層2の間に配設された配線導体3を介して互いに電気的に接続されている。
【0014】
絶縁基板1の上主面に被着された半導体素子接続パッド5を含む配線導体3は、セミアディティブ法により形成されており、無電解めっき層3aと電解めっき層3bとから成る。この場合のセミアディティブ法は、絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2の表面に厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aを被着させ、次にその無電解めっき層3aの表面に半導体素子接続パッド5を含む配線導体3に対応した開口パターンを有するめっきレジスト層を被着し、次にめっきレジスト層の開口パターン内に露出した無電解めっき層3a上に厚みが5〜20μm程度の電解めっき層3bを被着させ、最後にめっきレジスト層を除去した後、電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aをエッチングして除去することにより半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を形成する方法である。
【0015】
このセミアディティブ法では、厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を形成できるため、半導体素子接続パッド5を含む配線導体3のパターン自体が大きくエッチングされることがなく、例えば20μm以下の線幅および間隔の半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を絶縁基板1の上主面に形成することができる。なお、無電解めっき層3aおよび電解めっき層3bとしては、銅めっき層が好適に採用される。さらにこのとき、絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2と配線導体3との間にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層2aを介在させておくと、絶縁基板1の上主面に半導体素子接続パッド5を含む微細な配線導体3を形成することが容易となるとともに絶縁基板1の上主面と配線導体3との密着を強固なものとなすことができる。さらに、絶縁基板1の上主面側の樹脂量が下主面側よりも多くなり、半導体素子を搭載する高温時おける配線基板の反りを小さなものとすることができる。したがって、絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2と配線導体3との間には、プライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層2aを介在させておくことが好ましい。
【0016】
絶縁基板1の下主面に被着された外部接続パッド6を含む配線導体3は、セミアディティブ法により形成されており、金属箔3cと無電解めっき層3aと電解めっき層3bとから成る。この場合のセミアディティブ法は、絶縁基板1の下主面を構成する絶縁層2の表面に、厚みが2〜5μm程度の金属箔3cを予め被着させておくとともに、その金属箔3cの上に厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aを被着させ、次にその無電解めっき層3aの表面に外部接続パッド6を含む配線導体3に対応した開口パターンを有するめっきレジスト層を被着し、次にめっきレジスト層の開口パターン内に露出した無電解めっき層3a上に厚みが5〜20μm程度の電解めっき層3bを被着させ、最後にめっきレジスト層を除去した後、電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aおよびその下の金属箔3cをエッチングして除去することにより外部接続パッド6を含む配線導体3を形成する方法である。
【0017】
このセミアディティブ法では、絶縁基板1の下主面に形成された外部接続パッド6を含む配線導体3が、絶縁層2の表面に予め被着された金属箔3cを介して絶縁層2上にセミアディティブ法により形成されているので、絶縁層2に極めて強固に密着し絶縁層2との間に剥がれが発生することが有効に防止される。また、厚みが2〜5μm程度の金属箔3cと厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで配線導体3を形成するため、絶縁基板1の上主面側の配線導体3ほどの微細なパターンを形成することはできないものの、外部接続パッド6を含む配線導体3として必要な幅および間隔のパターンは極めて良好に形成することができる。なお、無電解めっき層3aおよび電解めっき層3bとしては銅めっき層が好適に採用され、金属箔3cとしては銅箔が好適に使用される。
【0018】
さらに、絶縁基板1の上下両主面には、半導体素子接続パッド5および外部接続パッド6を露出させる開口部7aおよび7bを有するソルダーレジスト層7が被着されている。ソルダーレジスト層7は、アクリル変性エポキシ樹脂等の感光性を有する熱硬化樹脂を所定のパターンに露光および現像した後、熱硬化させた絶縁材料から成る。
【0019】
次に、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の一例について、上述した配線基板を製造する場合を例にとって説明する。
【0020】
まず、図2に示すように、支持基板11と、プリプレグ12と、キャリア付き金属箔13と、プリプレグ14と、金属箔15とを準備する。支持基板11とプリプレグ12とプリプレグ14および金属箔15は平面視で同じ大きさとし、キャリア付き金属箔13はそれよりも小さいものとする。
【0021】
支持基板11は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させた板状体である。支持基板11の厚みは0.2〜0.8mm程度である。支持基板11は、必要な剛性や熱膨張率を有していれば、他の材料を用いることもできる。
【0022】
プリプレグ12は、ガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化させた板状体である。プリプレグ12の厚みは70〜200μm程度である。
【0023】
キャリア付き金属箔13は、厚みが20〜100μm程度の樹脂フィルムや金属箔から成るキャリアシート13aの片面に厚みが2〜18μm程度の金属箔13bを両者間で剥離可能に貼り合わせたものである。なお、金属箔13bとしては銅箔が好適に使用される。
【0024】
プリプレグ14は、ガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化させた厚みが25〜60μm程度の板状体である。また金属箔15には、厚みが2〜18μm程度の銅箔が好適に使用される。なお、この例ではプリプレグ14と金属箔15とを別々に用意したが、プリプレグ14の片面に金属箔15を予め貼着させたものを用いてもよい。また、プリプレグ14と金属箔15との間にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層を介在させてもよい。
【0025】
次に、図3に示すように、支持基板11、プリプレグ12、キャリア付き金属箔13、プリプレグ14および金属箔15を重ねて上下から加圧しながら加熱してプリプレグ12およびプリプレグ14を熱硬化させることにより積層一体化させる。これによりプリプレグ14が硬化した絶縁層2が形成される。なお、金属箔15とプリプレグ14との間にプライマー樹脂を介在させた場合には、絶縁層2の表面にプライマー樹脂の樹脂層が形成される。
【0026】
次に、図4に示すように、金属箔15の中央部をエッチング除去する。これにより、絶縁層2の中央部が露出する。このとき、絶縁層2の露出面には、金属箔15の絶縁層2側の面の凹凸に対応した凹凸が残る。したがって、金属箔15の絶縁層2側の面に微細な凹凸を設けておくと、絶縁層2の露出面にも微細な凹凸を形成することができる。絶縁層2の露出面に微細な凹凸を形成すると、その表面に後述する無電解めっき層3aを極めて強固に被着させることができる。なお、絶縁層2の表面にプライマー樹脂の樹脂層が形成されている場合には、無電解めっき層3aを被着する前に樹脂層の露出面を例えば過マンガン酸カリウムを含む粗化液を用いて粗化することが好ましい。粗化により、無電解めっき層3aと樹脂層との密着を物理的結合により極めて強固なものとすることができる。
【0027】
次に、図5に示すように、絶縁層2の露出面に無電解めっき層3aを被着する。無電解めっき層3aの厚みは、0.1〜1μm程度である。無電解めっき層3aとしては、無電解銅めっき層が好適に用いられる。
【0028】
次に、図6に示すように、無電解めっき層3aの表面に、内層の配線導体3に対応するパターンの開口部を有するめっきレジスト層16を形成する。めっきレジスト層16の厚みは、10〜30μm程度である。
【0029】
次に、図7に示すように、めっきレジスト層16から露出する無電解めっき層3aの表面に、電解めっき層3bを被着する。電解めっき層3bの厚みは、5〜20μm程度である。電解めっき層3bとしては、電解銅めっき層が好適に用いられる。
【0030】
次に、図8に示すように、めっきレジスト層16を剥離して除去する。これにより、配線導体3となる部分以外の無電解めっき層3aが電解めっき層3bから露出する。
【0031】
次に、図9に示すように、電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aをエッチング除去する。これにより、無電解めっき層3aと電解めっき層3bとから成る配線導体3が絶縁層2上に被着形成される。この方法は、いわゆるセミアディティブ法と呼ばれる配線導体の形成方法である。この方法の場合、無電解めっき層3aをエッチング除去する際に電解めっき層3bの表面も同時にエッチングされるが、厚みが0.1〜1μm程度の薄い無電解めっき層3aを除去するだけの時間エッチングすればよいので、配線導体3のパターン自体が大きくエッチングされることはない。したがって、例えば20μm以下の線幅および間隔の配線導体3を形成することができる。
【0032】
次に、図10に示すように、次層の絶縁層2および金属箔17を下層の配線導体3を覆うように積層する。次層の絶縁層2は、上述した絶縁層2と同様のものであり、金属箔17は上述した金属箔15と同様のものである。ただし、金属箔17の厚みや表面粗さは金属箔15と異なるものであっても良い。これらは上述した絶縁層2および金属箔15と同様にして積層される。この絶縁層2と金属箔17との間にもプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層を介在させてもよい。
【0033】
次に、図11に示すように、金属箔15の場合と同様に、金属箔17の中央部をエッチング除去する。これにより、上述の場合と同様に絶縁層2の中央部が露出する。
【0034】
次に、図12に示すように、絶縁層2にビアホール4を形成する。ビアホール4は、直径が30〜100μm程度であり、レーザ加工により形成される。ビアホール4を形成した後には、デスミア処理することが好ましい。
【0035】
次に、図13に示すように、上述したのと同様のセミアディティブ法を採用することにより無電解めっき層3aおよび電解めっき層3bから成る次層の配線導体3をビアホール4を充填するようにして形成する。無電解めっき層3aとしては、無電解銅めっき層が好適に採用され、電解銅めっき層3bとしては、電解銅めっき層が好適に採用される。
【0036】
次に、図14に示すように、次層の絶縁層2および金属箔18を内層の配線導体3を覆うように積層する。これにより支持基板11の両側に、絶縁層2と内層の配線導体3および金属箔3c、18から成る配線基板用の積層体10が形成される。なおこの場合、絶縁層2と金属箔18との間にプライマー樹脂と呼ばれる厚みが4〜7μm程度の樹脂層2aを介在させておくことが好ましい。樹脂層2aを介在させることにより、絶縁基板1の上主面に半導体素子接続パッド5を含む微細な配線導体3を形成することが容易となるとともに絶縁基板1の上主面と配線導体3との密着を強固なものとなすことができる。さらに、絶縁基板1の上主面側の樹脂量が下主面側よりも多くなり、半導体素子を搭載する高温時おける配線基板の反りを小さなものとすることができる。なお、金属箔18としては、金属箔15や17の場合と同様に銅箔が好適に使用される。
【0037】
次に、図15に示すように、積層体10の配線基板となる領域10aを支持体11に支持された状態で切り出す。
【0038】
次に、図16に示すように、積層体10の配線基板となる領域10aをキャリアシート13aと金属箔3cとの間で引き剥がして支持体11から分離する。
【0039】
次に、図17に示すように、下主面側の金属箔3cを残して上主面側の金属箔18を選択的にエッチングにより除去する。なお、金属箔18をエッチング除去する際には、金属箔3cの表面は図示しないエッチングレジスト層により保護しておく。
【0040】
次に、図18に示すように、金属箔3cを所定パターンにエッチングして下主面側の絶縁層2を部分的に露出させる。この絶縁層2が露出する部分にはビアホール4が形成される。
【0041】
次に、図19に示すように、上下両主面を構成する絶縁層2にレーザ加工によりビアホール4を形成する。なお、ビアホール4を形成した後は、過マンガン酸カリウムを含むデスミア液でデスミア処理する。デスミア処理により樹脂層2a表面が粗化される。それにより、後述する無電解めっき層3aと樹脂層2aとの密着を物理的結合により極めて強固なものとすることができる。
【0042】
次に、図20に示すように、ビアホール4の内部および樹脂層2aを含む絶縁層2の表面および金属箔3cの表面に無電解めっき層3aを被着する。無電解めっき層3aの厚みは0.1〜1μm程度である。無電解めっき層3aとしては、無電解銅めっき層が好適に採用される。
【0043】
次に、図21に示すように、上下両主面の無電解めっき層3aの表面に上下両主面に形成する配線導体3に対応した開口部を有するめっきレジスト層19を形成する。
【0044】
次に、図22に示すように、めっきレジスト層19の開口部内に露出する無電解めっき層3a上に配線導体3に対応するパターンの電解銅めっき3bを被着する。電解めっき3bの厚みは5〜20μm程度である。電解めっき層3bとしては、電解銅めっき層が好適に採用される。
【0045】
次に、図23に示すように、めっきレジスト層19を除去した後、図24に示すように、上主面側をエッチングレジスト20で被覆し、続いて図25に示すように、下主面側の電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3aおよび金属箔3cをエッチング除去することにより、絶縁基板1の下面に外部接続パッド6を含む配線導体3を形成する。この配線導体3は、絶縁層2の表面に予め被着された金属箔3cを介して絶縁層2上にセミアディティブ法により形成されているので、絶縁層2に極めて強固に密着し絶縁層2との間に剥がれが発生することを有効に防止することが可能となる。また、厚みが2〜5μm程度の金属箔3cと厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで配線導体3を形成するため、絶縁基板1の上主面側の配線導体3ほどの微細なパターンを形成することはできないものの、外部接続パッド6を含む配線導体3として必要な幅および間隔のパターンは極めて良好に形成することができる。
【0046】
次に、図26に示すように、絶縁基板1の下主面側をエッチングレジスト層21で被覆するとともに、図27に示すように、上主面側の電解めっき層3bから露出する無電解めっき層3bをエッチング除去することにより絶縁基板1の上面に半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を形成する。この場合、厚みが0.1〜1μm程度の無電解めっき層3aをエッチング除去することで配線導体3を形成できるため、半導体素子接続パッド5を含む配線導体3のパターン自体が大きくエッチングされることがなく、例えば20μm以下の線幅および間隔の半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を絶縁基板1の上主面に形成することができる。なお、必ずしも絶縁基板1の下主面側をエッチングレジスト層21で被覆した状態で上主面側の無電解めっき層3bをエッチングする必要はなく、絶縁基板1の下主面側を露出させた状態で上主面側の無電解めっき層3bをエッチングしてもよい。この場合、絶縁基板1の下主面側の配線導体層3も同時にエッチングされるものの、そのエッチング量は僅かで済むため、絶縁基板1の下主面側の配線導体3に大きな影響が及ぶことはない。
【0047】
次に、図28に示すようにエッチングレジスト層21を除去した後、絶縁基板1の上下面に半導体素子接続パッド5および外部接続パッド6を露出させるソルダーレジスト層7を形成することにより、図1に示した配線基板が完成する。なお、本発明は上述の実施形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施形態の一例では、ガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを熱硬化させた電気絶縁材料により全ての絶縁層2を形成したが、例えば絶縁基板1の上主面を構成する絶縁層2は、ガラスクロスを含まないとともに粗化の容易な樹脂を含む電気絶縁材料から形成してもよい。この場合、絶縁基板1の上主面を良好に粗化することにより半導体素子接続パッド5を含む配線導体3を絶縁基板1の上主面に強固に被着させることができるとともに、絶縁基板1の上面側の樹脂量が多くなり、半導体素子を搭載する高温時おける配線基板の反りを小さなものとすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 絶縁基板
2 絶縁層
2a 樹脂層
3 配線導体
5 半導体素子接続パッド
6 外部接続パッド
10 積層体
11 支持基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されて成る配線基板であって、前記第1の配線導体は前記一方の主面の絶縁層上に被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成り、前記第2の配線導体は、前記他方の主面の絶縁層上に直接被着された銅箔および該銅箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記第1の配線導体は、前記絶縁層上に樹脂層を介して被着されており、前記第2の配線導体は、前記絶縁層上に直接被着されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に第1の金属箔が前記絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に第2の金属箔が前記絶縁層上に直接被着されて成る積層体を準備する工程と、前記第1の金属箔をエッチングして前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層を露出させる工程と、前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層表面および前記第2の金属箔の表面に無電解めっき層を被着させる工程と、前記一方の主面側の無電解めっき層上に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させるとともに前記他方の主面側の無電解めっき層上に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させる工程と、前記電解めっき層から露出する前記無電解めっき層および前記第2の金属箔をエッチング除去することにより前記一方の主面の絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第1の配線導体を形成するとともに前記他方の主面の絶縁層上に直接被着され第2の金属箔および該第2の金属箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第2の配線導体を形成する工程とを行なうことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項1】
ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体がセミアディティブ法により被着形成されて成る配線基板であって、前記第1の配線導体は前記一方の主面の絶縁層上に被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成り、前記第2の配線導体は、前記他方の主面の絶縁層上に直接被着された銅箔および該銅箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成ることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記第1の配線導体は、前記絶縁層上に樹脂層を介して被着されており、前記第2の配線導体は、前記絶縁層上に直接被着されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
ガラスクロス入りのプリプレグを硬化させて成る単層または多層の絶縁層を含む絶縁基板の一方の主面に第1の金属箔が前記絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着されているとともに前記絶縁基板の他方の主面に第2の金属箔が前記絶縁層上に直接被着されて成る積層体を準備する工程と、前記第1の金属箔をエッチングして前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層を露出させる工程と、前記一方の主面の絶縁層またはその上の樹脂層表面および前記第2の金属箔の表面に無電解めっき層を被着させる工程と、前記一方の主面側の無電解めっき層上に半導体素子の電極に接続される半導体素子接続パッドを含む第1の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させるとともに前記他方の主面側の無電解めっき層上に外部電気回路基板に接続される外部接続パッドを含む第2の配線導体に対応するパターンの電解めっき層を被着させる工程と、前記電解めっき層から露出する前記無電解めっき層および前記第2の金属箔をエッチング除去することにより前記一方の主面の絶縁層上に直接または樹脂層を介して被着された無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第1の配線導体を形成するとともに前記他方の主面の絶縁層上に直接被着され第2の金属箔および該第2の金属箔上の無電解めっき層および該無電解めっき層上の電解めっき層から成る前記第2の配線導体を形成する工程とを行なうことを特徴とする配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図11】
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【図14】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−15334(P2012−15334A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150479(P2010−150479)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(304024898)京セラSLCテクノロジー株式会社 (213)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(304024898)京セラSLCテクノロジー株式会社 (213)
【Fターム(参考)】
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