説明

配線基板及びその製造方法

【課題】本発明は、第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が発熱した際の熱が、第1の電子部品に伝導されることを防止することのできる配線基板及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】半導体材料からなる基板21と、電子部品12が実装されるパッド28と、電子部品12より動作時の発熱量が大きい電子部品13が実装されるパッド29と、パッド28と電気的に接続された貫通電極25と、パッド29と電気的に接続された貫通電極26と、を有する配線基板11であって、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基板21を貫通する熱遮断部材32を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及びその製造方法に係り、特に、第1の電子部品と、第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品とが実装される配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電子部品と、複数の電子部品が実装される配線基板と、を備えた半導体装置がある(図1参照)。
【0003】
図1は、従来の半導体装置の断面図である。
【0004】
図1を参照するに、従来の半導体装置200は、配線基板201と、電子部品202,203と、外部接続端子205,206とを有する。
【0005】
配線基板201は、半導体材料からなる基板211と、絶縁膜212と、貫通電極213,214と、パッド216,217と、配線218と、外部接続用パッド221,222と、ソルダーレジスト層225,226とを有する。
【0006】
基板211は、板状とされており、貫通孔231,232を有する。絶縁膜212は、基板211の上面211A及び下面211Bと、貫通孔231,232の側面に対応する部分の基板211の面とを覆うように形成されている。
【0007】
貫通電極213は、絶縁膜212が形成された貫通孔231に設けられている。貫通電極214は、絶縁膜212が形成された貫通孔232に設けられている。
【0008】
パッド216は、基板211の上面211Aに形成された絶縁膜212上に設けられている。パッド216は、貫通電極213の上端と接続されている。パッド216は、電子部品202が実装される接続面216Aを有する。
【0009】
パッド217は、基板211の上面211Aに形成された絶縁膜212上に設けられている。パッド217は、貫通電極214の上端と接続されている。パッド217は、電子部品203が実装される接続面217Aを有する。
【0010】
配線218は、基板211の上面211Aに形成された絶縁膜212上に設けられている。配線218は、パッド216とパッド217とを接続している。
【0011】
外部接続用パッド221は、基板211の下面211Bに形成された絶縁膜212の下面に設けられている。外部接続用パッド221は、貫通電極213の下端と接続されている。これにより、外部接続用パッド221は、貫通電極213を介して、パッド216と電気的に接続されている。外部接続用パッド221は、外部接続端子205が配設される接続面221Aを有する。
【0012】
外部接続用パッド222は、基板211の下面211Bに形成された絶縁膜212の下面に設けられている。外部接続用パッド222は、貫通電極214の下端と接続されている。これにより、外部接続用パッド222は、貫通電極214を介して、パッド217と電気的に接続されている。外部接続用パッド222は、外部接続端子206が配設される接続面222Aを有する。
【0013】
ソルダーレジスト層225は、接続面216A,217Aを除いた部分のパッド216,217及び配線218を覆うように、絶縁膜212上に設けられている。ソルダーレジスト層225は、接続面216Aを露出する開口部225Aと、接続面217Aを露出する開口部225Bとを有する。
【0014】
ソルダーレジスト層226は、接続面221A,222Aを除いた部分の外部接続用パッド221,222を覆うように、絶縁膜212の下面に設けられている。ソルダーレジスト層226は、接続面221Aを露出する開口部226Aと、接続面222Aを露出する開口部226Bとを有する。
【0015】
電子部品202は、パッド216にフリップチップ実装されている。電子部品202としては、例えば、半導体チップ(例えば、フラッシュメモリー)を用いることができる。電子部品202がフラッシュメモリーの場合、電子部品202の動作時の発熱量は、例えば、0.5Wである。
【0016】
電子部品203は、パッド217にフリップチップ実装されている。電子部品203は、配線パターン218を介して、電子部品202と電気的に接続されている。電子部品203は、電子部品202より動作時の発熱量が大きい電子部品である。電子部品203としては、例えば、半導体チップ(例えば、CPU用半導体チップ)を用いることができる。電子部品203としてCPU用半導体チップを用いた場合、電子部品203の動作時の発熱量は、例えば、30Wである。
【0017】
外部接続端子205は、外部接続用パッド221に設けられている。外部接続端子206は、外部接続用パッド222に設けられている。外部接続端子205,206は、半導体装置200をマザーボード等の実装基板(図示せず)に実装する際、実装基板に設けられたパッド(図示せず)と電気的に接続される端子である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−135174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、半導体材料からなる基板211は、熱を伝導しやすい。そのため、配線基板201に実装された電子部品203の動作時の熱が、基板211を介して、電子部品202に伝導されてしまう。これにより、電子部品202が誤動作するという問題や、電子部品202が本来の性能を発揮することができないという問題があった。
【0019】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が発熱した際の熱が、第1の電子部品に伝導されることを防止することのできる配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一観点によれば、半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板であって、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基板に、該基板を貫通する貫通溝を設けると共に、前記貫通溝に熱遮断部材を設けたことを特徴とする配線基板が提供される。
【0021】
本発明によれば、第1の電子部品の実装領域と第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品の実装領域との間に位置する部分の基板に、基板を貫通する貫通溝を設けると共に、貫通溝に熱遮断部材を設けたことにより、動作時に第2の電子部品から発生する熱を熱遮断部材により遮断することが可能となる。これにより、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【0022】
本発明の他の観点によれば、半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板であって、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基板のうち、前記第1の面とは反対側に位置する部分の前記基板に、該基板を貫通しない溝を設けると共に、前記溝に熱遮断部材を設けたことを特徴とする配線基板が提供される。
【0023】
本発明によれば、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基板のうち、第1の面とは反対側に位置する部分の基板に、基板を貫通しない溝を設けると共に、溝に熱遮断部材を設けたことにより、動作時に第2の電子部品から発生する熱を熱遮断部材により遮断することが可能となる。これにより、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【0024】
本発明のその他の観点によれば、半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、前記基材の第1の面側から前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第1の開口部と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第2の開口部と、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、前記基材を貫通しない溝と、を同時に形成する開口部及び溝形成工程と、前記溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、前記第1及び第2の開口部に前記第1及び第2の貫通電極の母材となる導電部材を形成する導電部材形成工程と、前記導電部材形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、前記パッド形成工程後に、前記第1の面とは反対側に位置する前記基材の第2の面側から、前記導電部材及び前記熱遮断部材が露出するまで前記基材を薄板化して、前記基材を貫通する前記熱遮断部材と、前記第1及び第2の貫通電極とを形成する基材薄板化工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0025】
本発明によれば、基材の第1の面側から基材に、基材を貫通しない第1及び第2の開口部と、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、基材を貫通しない溝と、を同時に形成し、次いで、溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成し、次いで、第1及び第2の開口部に第1及び第2の貫通電極の母材となる導電部材を形成し、次いで、第1及び第2のパッドをパッド形成し、その後、第1の面とは反対側に位置する基材の第2の面側から、導電部材及び熱遮断部材が露出するまで基材を薄板化することにより、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材に、基材を貫通すると共に、動作時に第2の電子部品から発生する熱を遮断する熱遮断部材が形成されるため、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【0026】
本発明のその他の観点によれば、半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基材に、前記基材の第1の面側から、前記基材を貫通しない溝を形成する溝形成工程と、前記溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、前記基材の前記第1の面側から前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第1の開口部と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第2の開口部と、を同時に形成する開口部形成工程と、前記第1及び第2の開口部に前記第1及び第2の貫通電極の母材となる導電部材を形成する導電部材形成工程と、前記導電部材形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、前記パッド形成工程後に、前記第1の面とは反対側に位置する前記基材の第2の面側から、前記導電部材及び前記熱遮断部材が露出するまで前記基材を薄板化して、前記基材を貫通する前記熱遮断部材と、前記第1及び第2の貫通電極とを形成する基材薄板化工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0027】
本発明によれば、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材に、基材の第1の面側から、基材を貫通しない溝を形成し、次いで、溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成し、次いで、基材の第1の面側から基材に、第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、基材を貫通しない第1の開口部と、第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、基材を貫通しない第2の開口部と、を同時に形成し、次いで、第1及び第2の開口部に第1及び第2の貫通電極の母材となる導電部材を形成し、次いで、第1及び第2のパッドを形成し、その後、第1の面とは反対側に位置する基材の第2の面側から、導電部材及び熱遮断部材が露出するまで基材を薄板化することにより、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材に、基材を貫通すると共に、動作時に第2の電子部品から発生する熱を遮断する熱遮断部材が形成されるため、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【0028】
本発明のその他の観点によれば、半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第1の貫通孔と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第2の貫通孔と、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、前記基材を貫通する貫通溝と、を同時に形成する貫通孔及び貫通溝形成工程と、前記貫通溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、前記第1及び第2の貫通孔に導電部材を充填して、前記第1及び第2の貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、前記貫通電極形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0029】
本発明によれば、基材に、基材を貫通する第1及び第2の貫通孔と、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、基材を貫通する貫通溝と、を同時に形成し、次いで、貫通溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成し、次いで、第1及び第2の貫通孔に導電部材を充填して、第1及び第2の貫通電極を形成し、その後、第1及び第2のパッドを形成することにより、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材に、基材を貫通すると共に、動作時に第2の電子部品から発生する熱を遮断する熱遮断部材が形成されるため、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【0030】
本発明のその他の観点によれば、半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第1の貫通孔と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第2の貫通孔と、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、前記基材を貫通する貫通溝と、を同時に形成する貫通孔及び貫通溝形成工程と、前記第1の貫通孔、前記第2の貫通孔、及び前記貫通溝に絶縁樹脂を充填して、熱遮断部材を形成する熱遮断部材充填工程と、前記熱遮断部材充填工程後に、前記第1の貫通孔に形成された前記熱遮断部材に前記第1の貫通電極が配設される第3の貫通孔を形成すると共に、前記第2の貫通孔に形成された前記熱遮断部材に前記第2の貫通電極が配設される第4の貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記第3及び第4の貫通孔に導電部材を充填して、前記第1及び第2の貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、前記貫通電極形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、を含み、前記貫通孔形成工程では、前記第1の貫通孔と前記第3の貫通孔との間、及び前記第2の貫通孔と前記第4の貫通孔との間に、前記熱遮断部材が介在するように、前記第3及び第4の貫通孔を形成することを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0031】
本発明によれば、基材に、基材を貫通する第1及び第2の貫通孔と、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、基材を貫通する貫通溝と、を同時に形成し、次いで、第1の貫通孔、第2の貫通孔、及び貫通溝を絶縁樹脂で充填して、熱遮断部材を形成し、次いで、第1の貫通孔に形成された熱遮断部材に第1の貫通電極が配設される第3の貫通孔を形成すると共に、第2の貫通孔に形成された熱遮断部材に第2の貫通電極が配設される第4の貫通孔を形成し、次いで、第3及び第4の貫通孔を導電部材で充填して、第1及び第2の貫通電極を形成し、次いで、第1及び第2のパッドを形成することにより、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材に、基材を貫通すると共に、動作時に第2の電子部品から発生する熱を遮断する熱遮断部材が形成されるため、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【0032】
また、第1の貫通孔、第2の貫通孔、及び貫通溝に絶縁樹脂を充填した後、貫通孔形成工程において、第1の貫通孔と第3の貫通孔との間、及び第2の貫通孔と第4の貫通孔との間に、熱遮断部材が介在するように、第3及び第4の貫通孔を形成することにより、第1及び第2の貫通電極と基板とを絶縁する絶縁膜を別途形成する必要がなくなるため、配線基板の製造コストを低減させることができる。
【0033】
本発明のその他の観点によれば、半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、前記基材の第1の面とは反対側に位置する前記基材の第2の面側から、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基材に、前記基材を貫通しない溝を形成する溝形成工程と、前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第1の貫通孔と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第2の貫通孔と、を同時に形成する貫通孔形成工程と、前記溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、前記第1及び第2の貫通孔に導電部材を充填して、前記第1及び第2の貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、前記貫通電極形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法が提供される。
【0034】
本発明によれば、基材の第1の面とは反対側に位置する基材の第2の面側から、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材に、基材を貫通しない溝を形成し、次いで、基材に、第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、基材を貫通する第1の貫通孔と、第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、基材を貫通する第2の貫通孔と、を同時に形成し、次いで、溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成し、次いで、第1及び第2の貫通孔に導電部材を充填して、第1及び第2の貫通電極を形成し、その後、第1及び第2のパッドを形成することにより、第1の電子部品が実装される第1の実装領域と第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材に、動作時に第2の電子部品から発生する熱を遮断する熱遮断部材が形成されるため、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、動作時に第2の電子部品から発生する熱が、第1の電子部品が実装される第1の実装領域に対応する部分の基板を介して、第1の電子部品に伝導されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【0038】
図2を参照するに、第1の実施の形態の半導体装置10は、配線基板11と、電子部品12(第1の電子部品)と、電子部品12よりも動作時の発熱量の大きい電子部品13(第2の電子部品)と、外部接続端子15,16とを有する。
【0039】
配線基板11は、基板21と、絶縁膜22,23と、貫通電極25,26と、パッド28(第1のパッド)と、パッド29(第2のパッド)と、配線31と、熱遮断部材32と、ビア33,34と、外部接続用パッド36,37と、ソルダーレジスト層39,41とを有する。
【0040】
基板21は、板状とされており、半導体材料(例えば、シリコン或いはGaAs等の化合物半導体)により構成されている。基板21は、貫通孔45,46と、貫通溝47とを有する。貫通孔45は、電子部品12が実装される第1の実装領域に形成されている。貫通孔46は、電子部品13が実装される第2の実装領域に形成されている。
貫通溝47は、第1の実装領域と第2の実装領域との間に位置する部分の基板21を貫通するように形成されている。貫通溝47は、熱遮断部材32を配設するための溝である。貫通溝47の幅Aは、例えば、200μmとすることができる。
【0041】
基板21としては、例えば、シリコン基板、GaAs等の化合物半導体基板を用いることができる。基板21としてシリコン基板を用いた場合、基板21の厚さは、例えば、200μmとすることができる。なお、本実施の形態では、基板21としてシリコン基板を用いた場合を例に挙げて以下の説明を行う。
【0042】
絶縁膜22は、基板21の上面21A(第1の面)と、貫通孔45,46の側面に対応する部分の基板21の面とを覆うように設けられている。絶縁膜22としては、例えば、熱酸化膜や酸化膜(例えば、CVD法により形成された酸化膜)等を用いることができる。具体的には、絶縁膜22としては、例えば、SiO膜を用いることができる。絶縁膜22としてSiO膜を用いた場合、絶縁膜22の厚さは、例えば、1μmとすることができる。
【0043】
絶縁膜23は、基板21の下面21B(第2の面)を覆うように設けられている。絶縁膜23は、貫通電極25の他方の端部を露出する開口部48と、貫通電極26の他方の端部を露出する開口部49とを有する。絶縁膜23としては、例えば、酸化膜(例えば、CVD法により形成された酸化膜)や絶縁樹脂等を用いることができる。酸化膜としては、例えば、SiO膜を用いることができる。絶縁膜23の厚さは、例えば、1μmとすることができる。
【0044】
貫通電極25は、絶縁膜22が形成された貫通孔45に設けられている。貫通電極26は、絶縁膜22が形成された貫通孔46に設けられている。貫通電極25,26の一方の端面25A,26Aは、絶縁膜22の上面22Aと略面一とされている。貫通電極25,26の他方の端面25B,26Bは、基板21の下面21Bと略面一とされている。貫通電極25,26は、例えば、めっき法により形成することができる。貫通電極25,26の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0045】
パッド28は、基板21の上面21Aに形成された絶縁膜22上に設けられている。パッド28は、貫通電極25の上端と接続されている。パッド28は、電子部品12が実装される接続面28Aを有する。
【0046】
パッド29は、基板21の上面21Aに形成された絶縁膜22上に設けられている。パッド29は、貫通電極26の上端と接続されている。パッド29は、電子部品13が実装される接続面29Aを有する。
【0047】
配線31は、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の絶縁膜22上に設けられている。配線31は、一方の端部がパッド28と接続されており、他方の端部がパッド29と接続されている。
【0048】
上記構成とされたパッド28,29及び配線31の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。また、パッド28,29及び配線31は、例えば、セミアディティブ法により形成することができる。
【0049】
熱遮断部材32は、貫通溝47に設けられている。言い換えれば、熱遮断部材32は、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基板21を貫通するように配置されている。熱遮断部材32の一方の端面32Aは、絶縁膜22の上面22Aと略面一とされている。熱遮断部材32の他方の端面32Bは、基板21の下面21Bと略面一とされている。貫通溝47の幅Aが200μmの場合、熱遮断部材32の幅Bは、例えば、198μmとすることができる。
【0050】
熱遮断部材32は、基板21(例えば、熱伝導率が150〜170W/m・K)を伝導する熱を遮断可能な材料(例えば、熱伝導率が0.1〜1.0W/m・Kの材料)により構成されている。熱遮断部材32の材料としては、例えば、樹脂やフィラー(例えば、シリカ)を含有した樹脂等を用いることができる。熱遮断部材32を構成する樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。フィラー(例えば、シリカ)を含有した樹脂を熱遮断部材32として用いる場合、基板21と熱遮断部材32との熱膨張係数の差を小さくすることが可能となる。例えば、基板21としてシリコン基板(熱膨張係数3ppm/K)を用いる場合、樹脂に含まれるフィラー(シリカ)の含有量は、50%とすることができる(このときの熱遮断部材32の熱膨張係数は、40ppm/K程度となる。)。
【0051】
このように、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基板21を貫通する熱遮断部材32を設けることにより、動作時に電子部品13から発生する熱を熱遮断部材32により遮断することが可能となる。これにより、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0052】
ビア33は、開口部48に設けられている。ビア33は、貫通電極25の他方の端部と接続されている。これにより、ビア33は、貫通電極25を介して、パッド28と電気的に接続されている。
【0053】
ビア34は、開口部49に設けられている。ビア34は、貫通電極26の他方の端部と接続されている。これにより、ビア34は、貫通電極26を介して、パッド29と電気的に接続されている。
【0054】
上記構成とされたビア33,34の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0055】
外部接続用パッド36は、絶縁膜23の下面23Aに設けられている。外部接続用パッド36は、ビア33と一体的に構成されている。外部接続用パッド36は、ビア33及び貫通電極25を介して、パッド28と電気的に接続されている。外部接続用パッド36は、外部接続端子15が配設される接続面36Aを有する。
【0056】
外部接続用パッド37は、絶縁膜23の下面23Aに設けられている。外部接続用パッド37は、ビア34と一体的に構成されている。外部接続用パッド37は、ビア34及び貫通電極26を介して、パッド29と電気的に接続されている。外部接続用パッド37は、外部接続端子16が配設される接続面37Aを有する。
【0057】
ソルダーレジスト層39は、絶縁膜22の上面22A及び配線31に設けられている。ソルダーレジスト層39は、パッド28の接続面28Aを露出する開口部39Aと、パッド29の接続面29Aを露出する開口部39Bとを有する。
【0058】
ソルダーレジスト層41は、絶縁膜23の下面23Aに設けられている。ソルダーレジスト層41は、外部接続用パッド36の接続面36Aを露出する開口部41Aと、外部接続用パッド37の接続面37Aを露出する開口部41Bとを有する。
【0059】
電子部品12は、第1の実装領域に形成されたパッド28に対してフリップチップ実装されている。電子部品12と配線基板11との隙間には、アンダーフィル樹脂17が充填されている。電子部品12としては、例えば、動作時の発熱量が1W以下の半導体チップ(例えば、フラッシュメモリー)を用いることができる。
【0060】
電子部品13は、第2の実装領域に形成されたパッド29に対してフリップチップ実装されている。電子部品13と配線基板11との隙間には、アンダーフィル樹脂18が充填されている。電子部品13は、電子部品12よりも動作時の発熱量の大きい電子部品である。電子部品13は、例えば、動作時の発熱量が20W以上の電子部品である。電子部品13としては、例えば、CPU用半導体チップを用いることができる。
【0061】
外部接続端子15は、外部接続用パッド36の接続面36Aに設けられている。外部接続端子15は、電子部品12と電気的に接続されている。外部接続端子15は、マザーボード等の実装基板に設けられたパッド(図示せず)と接続される端子である。外部接続端子15としては、例えば、はんだボールを用いることができる。
【0062】
外部接続端子16は、外部接続用パッド37の接続面37Aに設けられている。外部接続端子16は、電子部品13と電気的に接続されている。外部接続端子16は、マザーボード等の実装基板に設けられたパッド(図示せず)と接続される端子である。外部接続端子16としては、例えば、はんだボールを用いることができる。
【0063】
本実施の形態の配線基板によれば、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基板21を貫通する熱遮断部材32を設けることにより、動作時に電子部品13から発生する熱を熱遮断部材32により遮断することが可能となる。これにより、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0064】
本実施の形態の半導体装置によれば、上記構成とされた配線基板11を備えることにより、動作時に電子部品13から発生する熱により電子部品12が誤動作することがなくなるため、電子部品12本来の性能を発揮させることができる。
【0065】
図3〜図18は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図3〜図18において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0066】
図3〜図18を参照して、第1の実施の形態の半導体装置10の製造方法について説明する。始めに、図3に示す工程では、基板21(先に説明した配線基板11の構成要素の1つ)が形成される基板形成領域Cを複数有した基材55を準備する(基材準備工程)。
【0067】
基材55は、複数の基板形成領域Cを囲む切断領域Dを有する。切断領域Dは、複数の基板形成領域Cに半導体装置10に相当する構造体が形成された後、半導体装置10を個片化する際に切断される領域である。
【0068】
基材55の材料は、基板21と同じ材料を用いる。基材55の材料としては、例えば、半導体材料(例えば、シリコン或いはGaAs等の化合物半導体)を用いることができる。この段階での基材55の厚さは、基板21の厚さよりも厚い。シリコンからなる基板21の厚さが200μmの場合、基材55の厚さは、例えば、725μmとすることができる。なお、本実施の形態では、基材55としてシリコンウエハを用いた場合を例に挙げて以下の説明を行う。
【0069】
次いで、図4に示す工程では、基材55の上面55A(基材55の第1の面)側から、基材55に、貫通電極25の形成位置に対応する開口部57(第1の開口部)と、貫通電極26の形成位置に対応する開口部58(第2の開口部)と、溝59とを同時に形成する(開口部及び溝形成工程)。
【0070】
このとき、開口部57,58及び溝59は、基材55を貫通しないように形成する。開口部57,58及び溝59は、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)により形成することができる。開口部57,58及び溝59の深さは、略等しく、例えば、220μmとすることができる。溝59は、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に形成する。溝59の幅Eは、例えば、200μmとすることができる。
【0071】
開口部57は、後述する図13に示す基材薄板化工程において、基材55を薄板化することで、図2に示す貫通孔45となる開口部である。また、開口部58は、後述する図13に示す基材薄板化工程において、基材55を薄板化することで、図2に示す貫通孔46となる開口部である。溝59は、後述する図13に示す基材薄板化工程において、基材55を薄板化することで、図2に示す貫通溝47となる溝である。
【0072】
このように、熱遮断部材32が配設される貫通溝47となる溝59を、貫通孔45,46となる開口部57,58と同時に形成することにより、溝59と開口部57,58とを別々に形成した場合と比較して、配線基板11の製造コストを低減することができる。
【0073】
次いで、図5に示す工程では、開口部57,58及び溝59が形成された基材55の表面(基材55の両面55A,55Bと、開口部57,58及び溝59を構成する部分の基材55の面とを含む)を覆う絶縁膜22を形成する。
【0074】
絶縁膜22としては、例えば、熱酸化膜やCVD法により形成された酸化膜等を用いることができる。具体的には、絶縁膜22としては、例えば、SiO膜を用いることができる。絶縁膜22としてSiO膜を用いた場合、絶縁膜22の厚さは、例えば、1μmとすることができる。
【0075】
次いで、図6に示す工程では、絶縁膜22の上面22Aに、溝59を露出する貫通溝61Aを有したマスク61を形成する。具体的には、例えば、絶縁膜22の上面22Aに、フィルム状レジストを貼り付け、次いで、貫通溝61Aの形成領域をレーザ加工することで、マスク61を形成する。マスク61の厚さは、例えば、20μmとすることができる。
【0076】
次いで、図7に示す工程では、例えば、スキージ印刷法により、溝59を樹脂(熱遮断部材32の母材)で充填して、熱遮断部材32を形成する。なお、熱遮断部材32を構成する樹脂は、必要に応じて加熱処理することで硬化させる。
【0077】
このとき、マスク61の開口部61Aにも樹脂が充填されるため、後述する図10に示す工程において、余分な熱遮断部材32を除去する必要がある。
【0078】
樹脂としては、例えば、熱を遮断可能な樹脂(例えば、熱伝導率が0.1〜1.0W/m・K)を用いることができる。具体的には、樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。なお、樹脂にフィラー(例えば、シリカ)を含有させてもよい。樹脂にフィラー(例えば、シリカ)を含有させる場合、基板21と熱遮断部材32との熱膨張係数の差を小さくすることが可能となる。例えば、基板21としてシリコン基板(熱膨張係数3ppm/K)を用いる場合、樹脂に含まれるフィラー(シリカ)の含有量は、50%とすることができる。
【0079】
次いで、図8に示す工程では、図7に示すマスク61を除去する。具体的には、例えば、アミン系剥離液を用いてマスク61を除去する。
【0080】
次いで、図9に示す工程では、開口部57,58に貫通電極25,26の母材となる導電部材65を形成する(導電部材形成工程)。具体的には、例えば、スパッタ法によりシード層を形成し、次いで、セミアディティブ法により、電解めっき法によりCuめっき膜を析出成長させることで導電部材65を形成するか、或いは、印刷法により開口部57,58を導電ペースト(例えば、Cuペースト、Agペースト、Niペースト等)で充填することで導電部材65を形成する。このとき、導電部材65が絶縁膜22の上面22Aから突出する場合がある。
【0081】
次いで、図10に示す工程では、絶縁膜22の上面22Aから突出した部分の導電部材65及び/又は熱遮断部材32を除去する(導電部材及び/又は熱遮断部材除去工程)。具体的には、研削や研磨により、絶縁膜22の上面22Aから突出した不要な導電部材65及び/又は熱遮断部材32を除去する。
【0082】
これにより、第1の実装領域に形成された導電部材65の端面25A、第2の実装領域に形成された導電部材65の端面26A、及び熱遮断部材32の端面32Aと絶縁膜22の上面22Aとが略面一となるため、図10に示す構造体の上面側にパッド28,29及び配線31を形成することが可能となる。
【0083】
なお、導電部材及び/又は熱遮断部材除去工程において、熱遮断部材32を除去する場合、基材55の上面55Aに形成された絶縁膜22がなくなる場合があるが、本実施の形態では、絶縁膜22が残った場合を例に挙げて以下の説明をする。また、導電部材及び/又は熱遮断部材除去工程において、絶縁膜22がなくなった場合は、別途、絶縁膜を形成する必要がある。この場合、後述する第3の実施の形態で説明する図42に示す工程と同様な処理を行うことで、別途、絶縁膜を形成する。
【0084】
次いで、図11に示す工程では、図10に示す構造体の上面側に、パッド28,29と、配線31とを同時に形成する(パッド形成工程)。具体的には、スパッタ法によりシード層を形成し、次いで、セミアディティブ法により、パッド28,29及び配線31を形成する。パッド28,29及び配線31の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0085】
次いで、図12に示す工程では、絶縁膜22の上面22Aに、接続面28Aを露出する開口部39A、及び接続面29Aを露出する開口部39Bを有したソルダーレジスト層39を形成する。
【0086】
次いで、図13に示す工程では、図12に示す基材55の面55B(基材55の第2の面)側から、導電部材65及び熱遮断部材32の下端が露出するまで、基材55を薄板化して、薄板化された基材55を貫通する熱遮断部材32と、貫通電極25,26とを形成する(基板薄板化工程)。
【0087】
具体的には、研削や研磨により基材55を薄板化する。このとき、基材55の下面55B側に形成された絶縁膜22は除去され、貫通電極25,26の端面25B,26B及び熱遮断部材32の端面32Bと薄板化された基材55の下面55Bとが略面一となる。薄板化された基材55の厚さは、例えば、200μmとすることができる。
【0088】
このように、第1の実装領域と第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通すると共に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材32を形成することにより、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0089】
次いで、図14に示す工程では、図13に示す基材55の下面55Bに、貫通電極25の端面25Bを露出する開口部48と、貫通電極26の端面26Bを露出する開口部49とを有した絶縁膜23を形成する。絶縁膜23としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)や絶縁樹脂層等を用いることができる。絶縁膜22の厚さは、例えば、1μmとすることができる。開口部48,49は、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)或いはレーザ加工により形成することができる。
【0090】
次いで、図15に示す工程では、図14に示す構造体の下面側に、ビア33,34及び外部接続用パッド36,37を同時に形成する(外部接続用パッド形成工程)。
【0091】
具体的には、例えば、スパッタ法によりシード層を形成し、次いで、セミアディティブ法により、ビア33,34及び外部接続用パッド36,37を形成する。ビア33,34及び外部接続用パッド36,37の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0092】
次いで、図16に示す工程では、絶縁膜23の下面23Aに、接続面36Aを露出する開口部41A、及び接続面37Aを露出する開口部41Bを有したソルダーレジスト層41を形成する。これにより、複数の基板形成領域Cに配線基板11が形成される。
【0093】
次いで、図17に示す工程では、電子部品12,13を配線基板11のパッド28,29にフリップチップ実装し、次いで、電子部品12と配線基板11との隙間にアンダーフィル樹脂17を充填し、電子部品13と配線基板11との隙間にアンダーフィル樹脂18を充填する。次いで、外部接続用パッド36に外部接続端子15を配設し、外部接続用パッド37に外部接続端子16を配設する。これにより、複数の基板形成領域Cに半導体装置10が製造される。
【0094】
次いで、図18に示す工程では、図17に示す構造体を切断領域Dに沿って切断することにより、複数の半導体装置10を個片化する(切断工程)。
【0095】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、基材55の上面55A側から基材55に、基材55を貫通しない開口部57,58と、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、基材55を貫通しない溝59と、を同時に形成し、その後、溝59に熱を遮断する熱遮断部材32を形成し、次いで、開口部57,58に貫通電極25,26の母材となる導電部材65を形成し、その後、パッド28,29を形成し、その後、基材55の下面55B側から、導電部材65及び熱遮断部材32が露出するまで基材55を薄板化して貫通電極25,26を形成することにより、第1の実装領域と第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通すると共に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材32が形成されるため、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0096】
図19は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置の断面図であり、図20は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置に設けられた貫通溝及び熱遮断部材を説明するための図である。図19において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図20において、Fは電子部品12が実装される第1の実装領域(以下、「第1の実装領域F」という)、Gは電子部品13が実装される第2の実装領域(以下、「第2の実装領域G」という)をそれぞれ示している。
【0097】
図19及び図20を参照するに、第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置70は、第1の実施の形態の半導体装置10に設けられた配線基板11の代わりに、配線基板71を設けた以外は、半導体装置10と同様に構成される。
【0098】
配線基板71は、配線基板11に設けられた貫通溝47及び熱遮断部材32の代わりに、貫通溝73及び熱遮断部材74を設けた以外は、配線基板11と同様に構成される。
【0099】
貫通溝73は、第2の実装領域Gに対応する部分の基板21を連続して囲むように、基板21に形成されている。貫通溝73は、額縁形状とされている。貫通溝73の幅Aは、例えば、200μmとすることができる。
【0100】
熱遮断部材74は、貫通溝73に設けられている。熱遮断部材74は、その形状が額縁形状とされていること以外は、先に説明した熱遮断部材32と同様な構成とされている。
【0101】
本実施の形態の変形例に係る配線基板によれば、基板21に、第2の実装領域Gに対応する部分の基板21を連続して囲む貫通溝73を形成し、貫通溝73に額縁形状とされた熱遮断部材73を設けることにより、動作時に電子部品13から発生する熱が第2の実装領域G以外の領域に伝導されることがなくなるため、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域Fに対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0102】
なお、第1の実施の形態の変形例に係る配線基板71は、先に説明した第1の実施の形態の配線基板11と同様な手法により製造することができる。
【0103】
図21は、熱遮断部材の配置例を示す図である。
【0104】
図21に示すように、第2の実装領域Gを囲むように図2で説明した熱遮断部材32を複数配置してもよい。この場合、第1の実施の形態の変形例に係る配線基板71と同様な効果を得ることができる。
【0105】
(第2の実施の形態)
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。図22において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0106】
図22を参照するに、第2の実施の形態の半導体装置80は、第1の実施の形態の半導体装置に設けられた配線基板11の代わりに、配線基板81を設けた以外は、半導体装置10と同様に構成される。
【0107】
配線基板81は、配線基板11に設けられた貫通溝47の側面に形成された部分の絶縁膜22を構成要素から除いた以外は、配線基板11と同様に構成される。つまり、貫通溝47の側面と絶縁性を有した熱遮断部材32の側壁とが接触した構成とされている。
【0108】
上記構成とされた第2の実施の形態の配線基板81は、第1の実施の形態の配線基板11と同様な効果を得ることができる。
【0109】
図23〜図32は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図23〜図32において、第2の実施の形態の半導体装置80と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0110】
図23〜図32を参照して、第2の実施の形態の半導体装置80の製造方法について説明する。始めに、第1の実施の形態で説明した図3に示す基材55を準備(基材準備工程)する。次いで、図23に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図3に示す基材55の上面55A側から、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通しない溝59を形成する(溝形成工程)。
【0111】
溝59は、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)により形成する。溝59は、後述する図29に示す基材薄板化工程において、基材55を薄板化することにより、図22に示す貫通溝47となる溝である。溝59の深さは、例えば、220μmとすることができる。溝59の幅Eは、例えば、200μmとすることができる。
【0112】
次いで、図24に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図6〜図8及び図10に示す工程と同様な処理を順次行うことで、溝59に、基材55の上面55Aと略面一とされた端面32Aを有する熱遮断部材32が形成される(熱遮断部材形成工程)。
【0113】
次いで、図25に示す工程では、基材55の上面55A側から、基材55に、貫通電極25の形成位置に対応する開口部57と、貫通電極26の形成位置に対応する開口部58とを同時に形成する(開口部形成工程)。
【0114】
このとき、開口部57,58は、基材55を貫通しないように形成する。開口部57,58は、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)により形成することができる。開口部57,58の深さは、例えば、220μmとすることができる。
【0115】
開口部57は、後述する図29に示す基材薄板化工程において、基材55を薄板化することで、図22に示す貫通孔45となる開口部である。また、開口部58は、後述する図29に示す基材薄板化工程において、基材55を薄板化することで、図22に示す貫通孔46となる開口部である。
【0116】
次いで、図26に示す工程では、開口部57,58が形成された基材55の表面(具体的には、基材55の両面55A,55B、及び開口部57,58を構成する部分の基材55の面)を覆う絶縁膜22を形成する。絶縁膜22としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)等を用いることができる。絶縁膜22の厚さは、例えば、1μmとすることができる。
【0117】
次いで、図27に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図9に示す工程と同様な処理を行うことにより、開口部57,58に貫通電極25,26の母材となる導電部材65を形成(導電部材形成工程)し、その後、絶縁膜22の上面22Aから突出した部分の導電部材65を除去する(導電部材除去工程)。絶縁膜22の上面22Aから突出した部分の導電部材65は、例えば、研磨により除去する。なお、図27に示す工程では、導電部材65のみを除去可能な研磨液を用いた研磨を行うため、基材55の上面55Aに形成された絶縁膜22が研磨されることはない。
【0118】
次いで、図28に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図11に示す工程と同様な処理を行うことで、図27に示す構造体の上面側に、パッド28,29と配線31とを同時に形成(パッド形成工程)し、次いで、絶縁膜22の上面22Aに、接続面28Aを露出する開口部39A、及び接続面29Aを露出する開口部39Bを有したソルダーレジスト層39を形成する。
【0119】
次いで、図29に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図13に示す工程と同様な処理を行うことで、図28に示す基材55の面55B側から、導電部材65及び熱遮断部材32の下端が露出するまで、基材55を薄板化して、薄板化された基材55を貫通する熱遮断部材32と、貫通電極25,26とを形成する(基板薄板化工程)。薄板化された基材55の厚さは、例えば、200μmとすることができる。
【0120】
このように、第1の実装領域と第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通すると共に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材32を形成することにより、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0121】
次いで、図30に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図14〜図16に示す工程(「外部接続用パッド形成工程」を含む工程)と同様な処理を行うことで、絶縁膜23、ビア33,34、外部接続用パッド36,37、及びソルダーレジスト層41を形成する。これにより、複数の基板形成領域Cに配線基板81が形成される。
【0122】
次いで、図31に示す工程では、電子部品12,13を配線基板81のパッド28,29にフリップチップ実装し、次いで、電子部品12と配線基板11との隙間にアンダーフィル樹脂17を充填し、電子部品13と配線基板81との隙間にアンダーフィル樹脂18を充填する。次いで、外部接続用パッド36に外部接続端子15を配設し、外部接続用パッド37に外部接続端子16を配設する。これにより、複数の基板形成領域Cに半導体装置80が製造される。
【0123】
次いで、図32に示す工程では、図31に示す構造体を切断領域Dに沿って切断することにより、複数の半導体装置80を個片化する(切断工程)。
【0124】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55の上面55A側から、基材55を貫通しない溝59を形成し、次いで、溝59に熱を遮断する熱遮断部材32を形成し、次いで、基材55の面55A側から基材55に、貫通電極25,26の形成位置に対応すると共に、基材55を貫通しない開口部57,58を同時に形成し、その後、開口部57,58に貫通電極25,26の母材となる導電部材65を充填し、次いで、パッド28,29を形成し、その後、基材55の面55B側から、導電部材65及び熱遮断部材32の下端が露出するまで基材55を薄板化することにより、第1の実装領域と第第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通すると共に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材32が形成されるため、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0125】
なお、本実施の形態の配線基板81に設けられた熱遮断部材32の代わりに、第1の実施の形態の図20で説明した熱遮断部材74、或いは第1の実施の形態の図21で説明した複数の熱遮断部材32を設けてもよい。
【0126】
(第3の実施の形態)
図33は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。図33において、第1の実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付す。
【0127】
図33を参照するに、第3の実施の形態の半導体装置90は、第1の実施の形態の半導体装置10に設けられた配線基板11の代わりに配線基板91を設けた以外は半導体装置10と同様に構成される。
【0128】
配線基板91は、配線基板11に設けられた絶縁膜22,23の代わりに、絶縁膜93,94を設けると共に、ビア96,97を設け、配線基板11に設けられたビア33,34を構成要素から除いた以外は、配線基板11と同様に構成される。
【0129】
絶縁膜93は、基板21の上面21Aに設けられており、貫通電極25の端面25Aを露出する開口部93Aと、貫通電極26の端面26Aを露出する開口部93Bとを有する。絶縁膜93の上面には、パッド28,29及び配線31が形成されている。絶縁膜93としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)や樹脂層(例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂からなる樹脂層)等を用いることができる。絶縁膜93の厚さは、例えば、1μmとすることができる。開口部93A,93Bは、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)やレーザ加工により形成することができる。
【0130】
絶縁膜94は、基板21の下面21Bに設けられている。絶縁膜94の下面94Aと貫通電極25,26の端面25B,26Bとは、略面一とされている。絶縁膜93としては、例えば、熱酸化膜やCVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)を用いることができる。絶縁膜94の厚さは、例えば、1μmとすることができる。
【0131】
ビア96は、開口部93Aに設けられている。ビア96は、その上方に形成されたパッド28と一体的に構成されている。ビア96の下端部は、貫通電極25と接続されている。これにより、パッド28は、ビア96を介して、貫通電極25と電気的に接続されている。
【0132】
ビア97は、開口部93Bに設けられている。ビア97は、その上方に形成されたパッド29と一体的に構成されている。ビア97の下端部は、貫通電極26と接続されている。これにより、パッド29は、ビア97を介して、貫通電極26と電気的に接続されている。ビア96,97の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0133】
外部接続用パッド36は、貫通電極25の下端部と接続されている。外部接続用パッド37は、貫通電極26の下端部と接続されている。
【0134】
上記構成とされた第3の実施の形態の配線基板91は、第1の実施の形態の配線基板11と同様な効果を得ることができる。
【0135】
なお、本実施の形態の半導体装置90に設けられた熱遮断部材32の代わりに、第1の実施の形態の図20で説明した熱遮断部材74、或いは第1の実施の形態の図21で説明した複数の熱遮断部材32を設けてもよい。
【0136】
図34〜図48は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図34〜図48において、第3の実施の形態の半導体装置90と同一構成部分には同一符号を付す。
【0137】
図34〜図48を参照して、第3の実施の形態の半導体装置90の製造方法について説明する。始めに、図34に示す工程では、基板21が形成される基板形成領域Cを複数有した薄板化された基材55を準備する(基材準備工程)。
【0138】
基材55は、複数の基板形成領域Cを囲む切断領域Dを有する。図34に示す基材55は、例えば、第1の実施の形態で説明した図3に示す基材55を薄板化することで形成することができる。薄板化された基材55の厚さは、例えば、220μmとすることができる。
【0139】
次いで、図35に示す工程では、基材55の上面55A側から、基材55に、貫通電極25の形成位置に対応する貫通孔45(第1の貫通孔)と、貫通電極26の形成位置に対応する貫通孔46(第2の貫通孔)と、貫通溝47とを同時に形成する(貫通孔及び貫通溝形成工程)。
【0140】
このとき、貫通孔45,46及び貫通溝47は、基材55を貫通するように形成する。貫通孔45,46及び貫通溝47は、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)により形成することができる。貫通孔45,46及び貫通溝47の深さは、基材55の厚さと略等しく、例えば、220μmとすることができる。貫通溝47は、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に形成する。貫通溝47の幅Aは、例えば、200μmとすることができる。
【0141】
次いで、図36に示す工程では、貫通孔45,46及び貫通溝47が形成された基材55の表面(基材55の両面55A,55Bと、貫通孔45,46及び貫通溝47を構成する部分の基材55の面とを含む)を覆う絶縁膜94を形成する。絶縁膜94としては、例えば、熱酸化膜やCVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)を用いることができる。絶縁膜94の厚さは、例えば、1μmとすることができる。
【0142】
次いで、図37に示す工程では、絶縁膜94の上面94Bに、第1の実施の形態の図6に示すマスク61を形成すると共に、絶縁膜94の下面94Aに、貫通孔45,46及び貫通溝47を塞ぐフィルム101を貼り付ける。フィルム101としては、例えば、ドライフィルムレジストを用いることができる。フィルム101としてドライフィルムレジストを用いた場合、フィルム101の厚さは、例えば、50μmとすることができる。
【0143】
次いで、図38に示す工程では、例えば、スキージ印刷法により、貫通溝47を樹脂(熱遮断部材32の母材)で充填することにより、熱遮断部材32を形成する(熱遮断部材形成工程)。
【0144】
このとき、マスク61の開口部61Aにも樹脂が充填される。樹脂としては、例えば、熱を遮断可能な樹脂(例えば、熱伝導率が0.1〜1.0W/m・K)を用いることができる。具体的には、樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。なお、樹脂にフィラー(例えば、シリカ)を含有させてもよい。樹脂にフィラー(例えば、シリカ)を含有させる場合、基板21と熱遮断部材32との熱膨張係数の差を小さくすることが可能となる。例えば、基板21としてシリコン基板(熱膨張係数3ppm/K)を用いる場合、樹脂に含まれるフィラー(シリカ)の含有量は、50%とすることができる。
【0145】
次いで、図39に示す工程では、図38に示すマスク61及びフィルム101を除去する。マスク61及びフィルム101としてドライフィルムレジストを用いる場合、例えば、アミン系剥離液によりマスク61及びフィルム101を同時に除去する。
【0146】
次いで、図40に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図9に示す工程と同様な処理を行うことで、貫通孔45,46に貫通電極25,26の母材となる導電部材65を形成する。このとき、導電部材65が絶縁膜94の上面94Bから突出する場合がある。本実施の形態では、導電部材65が絶縁膜94の上面94Bから突出した場合を例に挙げて以下の説明をする。
【0147】
次いで、図41に示す工程では、絶縁膜94の上面94Bから突出した部分の導電部材65及び熱遮断部材32を除去する(導電部材及び/又は熱遮断部材除去工程)。具体的には、研削や研磨により、絶縁膜94の上面94Bから突出した不要な導電部材65及び/又は熱遮断部材32を除去する。
【0148】
これにより、基材55を貫通する熱遮断部材32と、貫通電極25,26とが形成される(図40及び図41に示す工程が「貫通電極形成工程」に相当する工程)。また、絶縁膜94の上面94Bから突出した部分の導電部材65及び熱遮断部材32を除去することで、熱遮断部材32の端面32A及び貫通電極25,26の端面25A,26Aと基材55の上面55Aとが略面一となる。熱遮断部材32の端面32B及び貫通電極25,26の端面25B,26Bと絶縁膜94の下面94Aとが略面一となる。
【0149】
このように、第1の実装領域と第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通すると共に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材32を形成することにより、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0150】
次いで、図42に示す工程では、図41に示す基材55の上面55Aに、開口部93A,93Bを有した絶縁膜93を形成する。絶縁膜93としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)や絶縁樹脂層等を用いることができる。絶縁膜93の厚さは、例えば、1μmとすることができる。開口部93A,93Bは、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)或いはレーザ加工により形成することができる。
【0151】
次いで、図43に示す工程では、図42に示す構造体の上面側に、ビア96,97、パッド28,29、及び配線31を同時に形成する(パッド形成工程)。具体的には、例えば、スパッタ法によりシード層を形成し、次いで、セミアディティブ法により、ビア96,97、パッド28,29、及び配線31を同時に形成する。ビア96,97、パッド28,29、及び配線31の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0152】
次いで、図44に示す工程では、絶縁膜93の上面に、接続面28Aを露出する開口部39A、及び接続面29Aを露出する開口部39Bを有したソルダーレジスト層39を形成する。
【0153】
次いで、図45に示す工程では、絶縁層94の下面94Aに、外部接続用パッド36,37を形成する(外部接続パッド形成工程)。具体的には、例えば、スパッタ法によりシード層を形成し、次いで、セミアディティブ法により、外部接続用パッド36,37を形成する。外部接続用パッド36,37の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0154】
次いで、図46に示す工程では、絶縁膜94の下面94Aに、接続面36Aを露出する開口部41A、及び接続面37Aを露出する開口部41Bを有したソルダーレジスト層41を形成する。これにより、複数の基板形成領域Cに配線基板91が形成される。
【0155】
次いで、図47に示す工程では、電子部品12,13を配線基板91のパッド28,29にフリップチップ実装し、次いで、電子部品12と配線基板91との隙間にアンダーフィル樹脂17を充填し、電子部品13と配線基板91との隙間にアンダーフィル樹脂18を充填する。次いで、外部接続用パッド36に外部接続端子15を配設し、外部接続用パッド37に外部接続端子16を配設する。これにより、複数の基板形成領域Cに半導体装置90が製造される。
【0156】
次いで、図48に示す工程では、図47に示す構造体を切断領域Dに沿って切断することにより、複数の半導体装置90を個片化する(切断工程)。
【0157】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、基材55に、貫通電極25,26の形成位置に対応すると共に、基材55を貫通する貫通孔45,46と、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、基材55を貫通する貫通溝47と、を同時に形成し、その後、貫通溝47に熱を遮断する熱遮断部材32を形成し、次いで、貫通孔45,46に導電部材を充填して貫通電極25,26を形成し、その後、パッド28,29を形成することにより、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通すると共に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材32が形成されるため、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0158】
(第4の実施の形態)
図49は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。図49において、第3の実施の形態の半導体装置90と同一構成部分には同一符号を付す。
【0159】
図49を参照するに、第4の実施の形態の半導体装置110は、第3の実施の形態の半導体装置90に設けられた配線基板91の代わりに配線基板111を設けた以外は半導体装置90と同様に構成される。
【0160】
配線基板111は、配線基板91に設けられた絶縁膜93,94の代わりに絶縁膜115,116を設け、配線基板91に設けられたビア96,97を構成要素から除くと共に、貫通孔118,119を設け、さらに貫通孔45,46の側面と貫通電極25,26との間に熱遮断部材32を設けた以外は、配線基板91と同様に構成される。
【0161】
絶縁膜115は、基板21の上面21Aに設けられている。絶縁膜115は、貫通電極25,26の上端部の側面を覆っている。絶縁膜115の上面115Aと貫通電極25,26の端面25A,26Aとは、略面一とされている。絶縁膜115の上面115Aには、パッド28,29、配線31、及びソルダーレジスト層39が設けられている。絶縁膜115としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)や樹脂層(例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂からなる樹脂層)等を用いることができる。絶縁膜115の厚さは、例えば、5μm〜10μmとすることができる。
【0162】
絶縁膜116は、基板21の下面21Bに設けられている。絶縁膜116は、貫通電極25,26の下端部の側面を覆っている。絶縁膜116の下面116Aと貫通電極25,26の端面25B,26Bとは、略面一とされている。絶縁膜116の下面116Aには、外部接続用パッド36,37及びソルダーレジスト層41が設けられている。絶縁膜116としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)や樹脂層(例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂からなる樹脂層)等を用いることができる。絶縁膜116の厚さは、例えば、5μm〜10μmとすることができる。
【0163】
貫通孔45,46の側面と貫通電極25,26との間に設けられた部分の熱遮断部材32は、基板21と貫通電極25,26との間を電気的に絶縁するためのものである。貫通孔45,46の側面と貫通電極25,26との間に設けられた部分の熱遮断部材32は、貫通溝47に設けられた熱遮断部材32と同じ絶縁性を有した材料により構成されている。貫通孔45,46の側面と貫通電極25,26との間に設けられた部分の熱遮断部材32の厚さは、例えば、20μmとすることができる。
【0164】
貫通孔118は、貫通電極25の形成位置に設けられた部分の絶縁層115,116及び熱遮断部材32を貫通するように形成されている。貫通孔118は、貫通電極25を配設するための孔である。貫通孔45の直径が100μmの場合、貫通孔118の直径は、例えば、60μmとすることができる。
【0165】
貫通孔119は、貫通電極26の形成位置に設けられた部分の絶縁層115,116及び熱遮断部材32を貫通するように形成されている。貫通孔119は、貫通電極26を配設するための孔である。貫通孔46の直径が100μmの場合、貫通孔119の直径は、例えば、60μmとすることができる。
【0166】
貫通溝47に設けられた部分の熱遮断部材32の側面は、基板21と接触している。貫通溝47に設けられた部分の熱遮断部材32は、その一方の端面32Aが絶縁膜115の下面115Bと接触しており、他方の端面32Bが絶縁膜116の上面116Bと接触している。
【0167】
上記構成とされた第4の実施の形態の配線基板111は、第1の実施の形態の配線基板11と同様な効果を得ることができる。
【0168】
なお、本実施の形態の半導体装置110に設けられた熱遮断部材32の代わりに、第1の実施の形態の図20で説明した熱遮断部材74、或いは第1の実施の形態の図21で説明した複数の熱遮断部材32を設けてもよい。
【0169】
図50〜図57は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図50〜図57において、第4の実施の形態の半導体装置110と同一構成部分には同一符号を付す。
【0170】
図50〜図57を参照して、第4の実施の形態の半導体装置110の製造方法について説明する。始めに、第3の実施の形態で説明した図34及び図35に示す工程(基材準備工程及び貫通孔及び貫通溝形成工程)と同様な処理を行うことで、図35に示す基材55(具体的には、貫通孔45,46及び貫通溝47が形成された基材55)を形成する。
【0171】
次いで、図50に示す工程では、貫通孔45,46及び貫通溝47を絶縁樹脂で充填することにより、貫通孔45,46及び貫通溝47に熱遮断部材32を形成する(熱遮断部材充填工程)。
【0172】
このとき、熱遮断部材32の端面32Aと基材55の上面55Aとが略面一になると共に、熱遮断部材32の端面32Bと基材55の下面55Bとが略面一になるように、熱遮断部材32を形成する。熱遮断部材充填工程において、基材55の上面55A及び/又は下面55Bから絶縁樹脂が突出した場合には、例えば、突出した部分の絶縁樹脂を研磨により除去してもよい。
【0173】
上記絶縁樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。なお、上記絶縁樹脂にフィラー(例えば、シリカ)を含有させてもよい。
【0174】
次いで、図51に示す工程では、基材55の上面55A及び熱遮断部材32の端面32Aを覆う絶縁膜115と、基材55の下面55B及び熱遮断部材32の端面32Bを覆う絶縁膜116とを形成する。絶縁膜115,116としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜(例えば、SiO膜)や絶縁樹脂層(エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等)等を用いることができる。絶縁膜115,116の厚さは、例えば、5μm〜10μmとすることができる。
【0175】
次いで、図52に示す工程では、貫通孔45(第1の貫通孔)の形成位置に対応する部分の絶縁膜115,116及び貫通孔45に形成された熱遮断部材32を貫通する貫通孔118(第3の貫通孔)と、貫通孔46(第2の貫通孔)の形成位置に対応する部分の絶縁膜115,116及び貫通孔46に形成された熱遮断部材32を貫通する貫通孔119(第4の貫通孔)と、を同時に形成する(貫通孔形成工程)。具体的には、例えば、絶縁膜115,116及び熱遮断部材32をレーザ加工することで、貫通孔118,119を形成する。
【0176】
このとき、貫通孔45の側面と貫通孔118との間、及び貫通孔46の側面と貫通孔119との間に、絶縁性を有した熱遮断部材32が介在するように、貫通孔118,119を形成する。
【0177】
このように、貫通孔45の側面と貫通孔118との間、及び貫通孔46の側面と貫通孔119との間に、絶縁性を有した熱遮断部材32が介在するように、貫通孔118,119を形成することにより、貫通電極25,26と基板21とを絶縁する絶縁膜を別途形成する必要がなくなるため、配線基板111の製造コストを低減させることができる。
【0178】
貫通孔45,46の直径が100μmの場合、貫通孔118,119の直径は、例えば、60μmとすることができる。
【0179】
次いで、図53に示す工程では、貫通孔118,119に導電部材を充填して、貫通孔118に貫通電極25を形成すると共に、貫通孔119に貫通電極26を形成する(貫通電極形成工程)。
【0180】
具体的には、貫通電極25,26は、例えば、絶縁膜116の下面116Aと接触するように、金属箔を配設し、この金属箔を給電層とする電解めっき法により形成することができる。この場合、導電部材としては、例えば、Cuを用いることができる。また、貫通電極25,26は、印刷法により、貫通孔118,119に導電部材(この場合、導電ペースト)を充填することで形成してもよい。導電ペーストとしては、例えば、Niペースト、Agペースト、及びCuペースト等を用いることができる。
【0181】
上記貫通電極形成工程では、貫通電極25,26の端面25A,26Aと絶縁膜115の上面115Aとが略面一になると共に、貫通電極25,26の端面25B,26Bと絶縁膜116の下面116Aとが略面一になるように、貫通電極25,26を形成する。絶縁膜115の上面115A及び/又は絶縁膜116の下面116Aから導電部材が突出した場合には、導電部材を貫通孔118,119に充填後、例えば、突出した部分の導電部材を研磨して除去することで、貫通電極25,26を形成する。
【0182】
次いで、図54に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図11に示す工程と同様な処理を行うことで、図53に示す構造体の上面側に、パッド28,29及び配線31を形成(パッド形成工程)し、その後、第1の実施の形態で説明した図12に示す工程と同様な処理を行うことで、絶縁膜115の上面115Aにソルダーレジスト層39を形成する。
【0183】
次いで、図55に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図11に示す工程と同様な処理を行うことで、図54に示す構造体の下面側に、外部接続用パッド36,37を形成(外部接続用パッド形成工程)し、その後、第1の実施の形態で説明した図12に示す工程と同様な処理を行うことで、絶縁膜116の下面116Aにソルダーレジスト層41を形成する。これにより、複数の基板形成領域Cに配線基板111が形成される。
【0184】
次いで、図56に示す工程では、電子部品12,13を配線基板111のパッド28,29にフリップチップ実装し、次いで、電子部品12と配線基板111との隙間にアンダーフィル樹脂17を充填し、電子部品13と配線基板111との隙間にアンダーフィル樹脂18を充填する。次いで、外部接続用パッド36に外部接続端子15を配設し、外部接続用パッド37に外部接続端子16を配設する。これにより、複数の基板形成領域Cに半導体装置110が製造される。
【0185】
次いで、図57に示す工程では、図56に示す構造体を切断領域Dに沿って切断することにより、複数の半導体装置110を個片化する(切断工程)。
【0186】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、基材55に、貫通孔45,46と、電子部品12が実装される第1の実装領域と13電子部品が実装される第2の実装領域との間に配置された貫通溝47と、を同時に形成し、次いで、貫通孔45,46及び貫通溝47を絶縁樹脂で充填して、熱遮断部材32を形成し、次いで、貫通孔45に形成された熱遮断部材32に貫通電極25が配設される貫通孔118を形成すると共に、貫通孔46に形成された熱遮断部材32に貫通電極26が配設される貫通孔119を形成し、次いで、貫通孔118,119に導電部材を充填して、貫通電極25,26を形成し、次いで、パッド28,29を形成することにより、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通すると共に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材32が形成されるため、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0187】
また、貫通孔45,46及び貫通溝47に絶縁樹脂を充填して熱遮断部材32を形成し、貫通孔形成工程において、貫通孔45と貫通孔118との間、及び貫通孔46と貫通孔119との間に、熱遮断部材32が介在するように、貫通孔118,119を形成することにより、貫通電極25,26と基板21とを絶縁する絶縁膜を別途形成する必要がなくなるため、配線基板111の製造コストを低減させることができる。
【0188】
(第5の実施の形態)
図58は、本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。図58において、第2の実施の形態の半導体装置80と同一構成部分には同一符号を付す。
【0189】
図58を参照するに、第5の実施の形態の半導体装置130は、第1の実施の形態の半導体装置10に設けられた配線基板11の代わりに配線基板131を設けた以外は半導体装置10と同様に構成される。
【0190】
配線基板131は、配線基板11に設けられた貫通溝47及び熱遮断部材32の代わりに溝133及び熱遮断部材135を設けた以外は、配線基板11と同様に構成される。
【0191】
溝133は、基板21の下面21B側から、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基板21に形成されている。溝133は、基板21を貫通しない溝である。溝133を構成する部分の基板21の面は、絶縁膜22で覆われている。溝133の幅Iは、例えば、200μmとすることができる。基板21の厚さが200μmの場合、溝133の深さJは、例えば、170μmとすることができる。
【0192】
熱遮断部材135は、絶縁膜22が形成された溝133に設けられている。熱遮断部材135は、その形状が第1の実施の形態で説明した熱遮断部材32と異なる以外は、熱遮断部材32と同様に構成される。つまり、熱遮断部材135は、熱遮断部材32と同様な材料により構成され、熱遮断部材32と同様な効果を得ることのできる部材である。熱遮断部材135の幅Kは、例えば、150μmとすることができる。
【0193】
本実施の形態の半導体装置によれば、基板21の下面21B側から、電子部品12の実装領域と電子部品12より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品13の実装領域との間に位置する部分の基板21に、基板21を貫通しない溝133を設けると共に、溝133に熱遮断部材135を設けたことにより、動作時に電子部品13から発生する熱を熱遮断部材135により遮断することが可能となる。これにより、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0194】
なお、本実施の形態の配線基板131に設けられた熱遮断部材135を、第2の実装領域を連続或いは不連続に囲むように配置させてもよい。
【0195】
図59〜図69は、本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図59〜図69において、第5の実施の形態の半導体装置130と同一構成部分には同一符号を付す。
【0196】
図59〜図69を参照して、第5の実施の形態の半導体装置130の製造方法について説明する。始めに、第3の実施の形態で説明した図34に示す工程と同様な処理を行うことで、図34に示す基材55を準備する(基材準備工程)。
【0197】
次いで、図59に示す工程では、基材55の面55B側から、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通しない溝133を形成する(溝形成工程)。
【0198】
具体的には、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)により、基材55をエッチングすることで溝133を形成する。溝133の幅Iは、例えば、200μmとすることができる。溝133の深さJは、例えば、170μmとすることができる。
【0199】
次いで、図60に示す工程では、貫通電極25の形成位置に対応する部分の基材55を貫通する貫通孔45と、貫通電極26の形成位置に対応する部分の基材55を貫通する貫通孔46と、を同時に形成する(貫通孔形成工程)。
【0200】
具体的には、例えば、マスクを用いた異方性エッチング(例えば、ドライエッチング)により、基材55をエッチングすることで貫通孔45,46を形成する。
【0201】
次いで、図61に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図5に示す工程と同様な処理を行うことで、基材55の両面55A,55Bと、貫通孔45,46及び溝133を構成する部分の基材55の面とを覆う絶縁膜22を形成する。
【0202】
次いで、図62に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図6に示す工程と同様な処理を行うことで、基材55の下面55Bに設けられた絶縁膜22に、図6に示すマスク61を形成する。このとき、マスク61は、開口部61Aが溝133を露出するように形成する。
【0203】
次いで、図63に示す工程では、例えば、スキージ印刷法により、溝133に樹脂(熱遮断部材135の母材)で充填することにより、熱遮断部材135を形成する(熱遮断部材形成工程)。
【0204】
このとき、マスク61の開口部61Aにも樹脂が充填される。上記樹脂としては、例えば、熱を遮断可能な樹脂(例えば、熱伝導率が0.1〜1.0W/m・K)を用いることができる。具体的には、樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。なお、樹脂にフィラー(例えば、シリカ)を含有させてもよい。樹脂にフィラー(例えば、シリカ)を含有させる場合、基板21と熱遮断部材135との熱膨張係数の差を小さくすることが可能となる。例えば、基板21としてシリコン基板(熱膨張係数3ppm/K)を用いる場合、樹脂に含まれるフィラー(シリカ)の含有量は、50%とすることができる。
【0205】
次いで、図64に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図8に示す工程と同様な処理を行うことで、図63に示すマスク61を除去する。
【0206】
次いで、図65に示す工程では、開口部57,58に貫通電極25,26の母材となる導電部材65を形成する。具体的には、例えば、スパッタ法によりシード層を形成し、次いで、セミアディティブ法により、Cuめっき膜を析出成長させることで導電部材65を形成するか、或いは、印刷法により開口部57,58を導電ペースト(例えば、Cuペースト、Agペースト、Niペースト等)で充填することで導電部材65を形成する。このとき、導電部材65が基材55の下面55Bに形成された絶縁膜22から突出する場合がある。
【0207】
次いで、図66に示す工程では、基材55の下面55Bに形成された絶縁膜22から突出した部分の導電部材65及び/又は熱遮断部材135を除去する(導電部材及び/又は熱遮断部材除去工程)。
【0208】
具体的には、研削や研磨により、絶縁膜22から突出した部分の不要な導電部材65及び/又は熱遮断部材135を除去する。これにより、貫通電極25,26が形成される(本実施の形態の場合、図65及び図66に示す工程が「貫通電極形成工程」)と共に、熱遮断部材135の端面135A(研磨或いは研削された面)と貫通電極25,26の端面25B,26Bとが略面一となる。
【0209】
次いで、図67に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図11、図12、及び図14〜図16に示す工程(「パッド形成工程」及び「外部接続用パッド形成工程」を含む工程)と同様な処理を順次行うことにより、パッド28,29、配線31、ビア33,34、外部接続用パッド36,37、及びソルダーレジスト層39,41を形成する。これにより、複数の基板形成領域Cに配線基板131が形成される。
【0210】
次いで、図68に示す工程では、電子部品12,13を配線基板131のパッド28,29にフリップチップ実装し、次いで、電子部品12と配線基板131との隙間にアンダーフィル樹脂17を充填し、電子部品13と配線基板131との隙間にアンダーフィル樹脂18を充填する。次いで、外部接続用パッド36に外部接続端子15を配設し、外部接続用パッド37に外部接続端子16を配設する。これにより、複数の基板形成領域Cに半導体装置130が製造される。
【0211】
次いで、図69に示す工程では、図68に示す構造体を切断領域Dに沿って切断することにより、複数の半導体装置130を個片化する(切断工程)。
【0212】
本実施の形態の配線基板の製造方法によれば、基材55の面55B側から、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、基材55を貫通しない溝133を形成し、次いで、基材55に、貫通電極25,26の形成位置に対応すると共に、基材55を貫通する貫通孔45,46を同時に形成し、その後、溝133に熱を遮断する熱遮断部材135を形成し、次いで、貫通孔に導電部材65を充填して、貫通電極25,26を形成し、その後、パッド28,29を形成することにより、電子部品12が実装される第1の実装領域と電子部品13が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の基材55に、動作時に電子部品13から発生する熱を遮断する熱遮断部材135が形成されるため、動作時に電子部品13から発生する熱が、第1の実装領域に対応する部分の基板21を介して、電子部品12に伝導されることを防止できる。
【0213】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1】従来の半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その9)である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その10)である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その11)である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その12)である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その13)である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その14)である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その15)である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その16)である。
【図19】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置の断面図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る半導体装置に設けられた貫通溝及び熱遮断部材を説明するための図である。
【図21】熱遮断部材の配置例を示す図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図24】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図26】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図30】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【図31】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その9)である。
【図32】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その10)である。
【図33】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【図34】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図35】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図36】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図37】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図38】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図39】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図40】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図41】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【図42】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その9)である。
【図43】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その10)である。
【図44】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その11)である。
【図45】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その12)である。
【図46】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その13)である。
【図47】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その14)である。
【図48】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その15)である。
【図49】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【図50】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図51】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図52】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図53】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図54】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図55】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図56】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図57】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【図58】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【図59】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図60】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図61】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図62】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図63】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図64】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図65】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図66】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【図67】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その9)である。
【図68】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その10)である。
【図69】本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その11)である。
【符号の説明】
【0215】
10,70,80,90,110,130 半導体装置
11,71,81,91,111,131 配線基板
12,13 電子部品
15,16 外部接続端子
17,18 アンダーフィル樹脂
21 基板
21A,22A,55A,94B,115A,116B 上面
21B,23A,55B,94A,115B,116A 下面
22,23,93,94,115,116 絶縁膜
25,26 貫通電極
25A,25B,26A,26B,32A,32B,135A 端面
28,29 パッド
28A,29A,36A,37A 接続面
31 配線
32,74,135 熱遮断部材
33,34,96,97 ビア
36,37 外部接続用パッド
39,41 ソルダーレジスト層
39A,39B,48,49,57,58,93A,93B 開口部
45,46,118,119 貫通孔
47,61A,73 貫通溝
55 基材
59,133 溝
61 マスク
65 導電部材
101 フィルム
A,B,E,I,K 幅
C 基板形成領域
D 切断領域
F 第1の実装領域
G 第2の実装領域
J 深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板であって、
前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基板に、該基板を貫通する貫通溝を設けると共に、前記貫通溝に熱遮断部材を設けたことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記貫通溝を、前記第2の実装領域に対応する部分の前記基板を囲むように設けたことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記熱遮断部材の材料は、樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の配線基板。
【請求項4】
半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板であって、
前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基板のうち、前記第1の面とは反対側に位置する部分の前記基板に、該基板を貫通しない溝を設けると共に、前記溝に熱遮断部材を設けたことを特徴とする配線基板。
【請求項5】
前記溝を、前記第2の実装領域に対応する部分の前記基板を囲むように設けたことを特徴とする請求項4記載の配線基板。
【請求項6】
前記熱遮断部材の材料は、樹脂であることを特徴とする請求項4または5記載の配線基板。
【請求項7】
半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、
前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、
前記基材の第1の面側から前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第1の開口部と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第2の開口部と、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、前記基材を貫通しない溝と、を同時に形成する開口部及び溝形成工程と、
前記溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、
前記第1及び第2の開口部に前記第1及び第2の貫通電極の母材となる導電部材を形成する導電部材形成工程と、
前記導電部材形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、
前記パッド形成工程後に、前記第1の面とは反対側に位置する前記基材の第2の面側から、前記導電部材及び前記熱遮断部材が露出するまで前記基材を薄板化して、前記基材を貫通する前記熱遮断部材と、前記第1及び第2の貫通電極とを形成する基材薄板化工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項8】
半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、
前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、
前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基材に、前記基材の第1の面側から、前記基材を貫通しない溝を形成する溝形成工程と、
前記溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、
前記基材の前記第1の面側から前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第1の開口部と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通しない第2の開口部と、を同時に形成する開口部形成工程と、
前記第1及び第2の開口部に前記第1及び第2の貫通電極の母材となる導電部材を形成する導電部材形成工程と、
前記導電部材形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、
前記パッド形成工程後に、前記第1の面とは反対側に位置する前記基材の第2の面側から、前記導電部材及び前記熱遮断部材が露出するまで前記基材を薄板化して、前記基材を貫通する前記熱遮断部材と、前記第1及び第2の貫通電極とを形成する基材薄板化工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記基材の前記第1の面から前記導電部材及び/又は前記熱遮断部材が突出した場合、前記パッド形成工程の前に、前記第1の面から突出した部分の前記導電部材及び/又は前記熱遮断部材を除去する導電部材及び/又は熱遮断部材除去工程を有することを特徴とする請求項7または8記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記基材薄板化工程後に、前記基材の前記第2の面に、前記第1の貫通電極と電気的に接続された第1の外部接続用パッドと、前記第2の貫通電極と電気的に接続された第2の外部接続用パッドと、を同時に形成する外部接続用パッド形成工程を有することを特徴とする請求項7ないし9のうち、いずれか1項記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記外部接続用パッド形成工程後に、薄板化された前記基材を切断して、複数の前記基板を個片化する切断工程を有することを特徴とする請求項10記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、
前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、
前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第1の貫通孔と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第2の貫通孔と、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、前記基材を貫通する貫通溝と、を同時に形成する貫通孔及び貫通溝形成工程と、
前記貫通溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、
前記第1及び第2の貫通孔に導電部材を充填して、前記第1及び第2の貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記貫通電極形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項13】
半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、
前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、
前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第1の貫通孔と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第2の貫通孔と、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置すると共に、前記基材を貫通する貫通溝と、を同時に形成する貫通孔及び貫通溝形成工程と、
前記第1の貫通孔、前記第2の貫通孔、及び前記貫通溝に絶縁樹脂を充填して、熱遮断部材を形成する熱遮断部材充填工程と、
前記熱遮断部材充填工程後に、前記第1の貫通孔に形成された前記熱遮断部材に前記第1の貫通電極が配設される第3の貫通孔を形成すると共に、前記第2の貫通孔に形成された前記熱遮断部材に前記第2の貫通電極が配設される第4の貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記第3及び第4の貫通孔に導電部材を充填して、前記第1及び第2の貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記貫通電極形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、を含み、
前記貫通孔形成工程では、前記第1の貫通孔と前記第3の貫通孔との間、及び前記第2の貫通孔と前記第4の貫通孔との間に、前記熱遮断部材が介在するように、前記第3及び第4の貫通孔を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項14】
半導体材料からなる基板と、前記基板の第1の面側に設けられ、第1の電子部品が実装される第1のパッドと、前記基板の第1の面側に設けられ、前記第1の電子部品より動作時の発熱量が大きい第2の電子部品が実装される第2のパッドと、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第1のパッドと電気的に接続された第1の貫通電極と、
前記基板を貫通すると共に、一方の端部が前記第2のパッドと電気的に接続された第2の貫通電極と、を有する配線基板の製造方法であって、
前記基板が形成される基板形成領域を複数有する基材を準備する基材準備工程と、
前記基材の第1の面とは反対側に位置する前記基材の第2の面側から、前記第1の電子部品が実装される第1の実装領域と前記第2の電子部品が実装される第2の実装領域との間に位置する部分の前記基材に、前記基材を貫通しない溝を形成する溝形成工程と、
前記基材に、前記第1の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第1の貫通孔と、前記第2の貫通電極の形成位置に対応すると共に、前記基材を貫通する第2の貫通孔と、を同時に形成する貫通孔形成工程と、
前記溝に熱を遮断する熱遮断部材を形成する熱遮断部材形成工程と、
前記第1及び第2の貫通孔に導電部材を充填して、前記第1及び第2の貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記貫通電極形成工程後に、前記第1及び第2のパッドを形成するパッド形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項15】
前記基材の前記第1の面及び/又は前記第2の面から前記導電部材及び/又は前記熱遮断部材が突出した場合、前記パッド形成工程の前に、前記基材の前記第1の面及び/又は第2の面から突出した部分の前記導電部材及び/又は前記熱遮断部材を除去する導電部材及び/又は熱遮断部材除去工程を有することを特徴とする請求項12ないし14のうち、いずれか1項記載の配線基板の製造方法。
【請求項16】
前記パッド形成工程後に、前記基材の前記第2の面に、前記第1の貫通電極と電気的に接続された第1の外部接続用パッドと、前記第2の貫通電極と電気的に接続された第2の外部接続用パッドと、を同時に形成する外部接続用パッド形成工程を有することを特徴とする請求項12ないし15のうち、いずれか1項記載の配線基板の製造方法。
【請求項17】
前記外部接続用パッド形成工程後に、前記基材を切断して、複数の前記基板を個片化する切断工程を有することを特徴とする請求項16記載の配線基板の製造方法。
【請求項18】
前記熱遮断部材形成工程では、前記溝に樹脂を充填することで前記熱遮断部材を形成することを特徴とする請求項7ないし17のうち、いずれか1項記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【公開番号】特開2010−103133(P2010−103133A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270530(P2008−270530)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】