説明

重合可能なモノマー及び/またはポリマー並びに、その中に分散した超常磁性粉末を含有する配合物

重合可能なモノマー及び/またはポリマー、並びにその中に分散した超常磁性粉末を含有する配合物であって、超常磁性粉末が、凝集された一次粒子からなり、該一次粒子が、非磁性金属酸化物または半金属酸化物のマトリックス中で、直径2〜100nmを有する磁性金属酸化物ドメインから構成されている配合物。磁気または電磁気の交番磁界による配合物の加熱方法。接着剤組成物としての配合物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合可能なモノマー及び/またはポリマー並びに、その中に分散した超常磁性粉末を含有する配合物に関する。本発明は、さらに、該配合物の加熱方法に関する。
【0002】
DE−A−19924138号は、とりわけ、超常磁性の特性を有するナノスケール粒子を含有する接着剤組成物の特許の保護を請求している。
【0003】
DE−A−10163399号は、連続相、及びその中に分散した、超常磁性のナノスケール粒子の少なくとも1つの微粒子相を有するナノ微粒子配合物を記載している。該粒子は、2〜100nmの範囲の体積平均粒径を有し、少なくとも1つの一般式MIIIII4(式中、MIIは互いに異なる少なくとも2つの二価金属を有する第一の金属成分を表し、MIIIは少なくとも1つの三価金属からなるさらなる金属成分を表す)の金属混合酸化物を含有する。連続相は、水、有機溶剤、重合可能なモノマー、ポリマー及び混合物を含有してよい。このような関係において、接着剤組成物の形の配合物が好ましい。
【0004】
ナノスケール粒子の凝塊もしくは融合を妨げるために、及び/または連続相中での微粒子相の良好な分散性を保証するために、使用される粒子が有利には表面変性もしくは表面被覆されていることが、DE−A−19924138号とDE−A−10163399号との両方に当てはまる。ここでの欠点は、表面被覆または表面変性に使用される物質が、特に高温及び/もしくは機械的な影響下で分離に至りうることである。この結果、ナノスケール粒子が凝塊または合着しうることとなり、その結果として、それらの超常磁性の特性は失われる。
【0005】
DE−A−10163399号によるナノ微粒子の配合物、またはDE−A−19924138号による接着剤組成物のレオロジー特性は、分散剤の性質または量によって広い範囲で調整されうる。しかしながら、ナノスケールの超常磁性粒子それ自体による配合物のレオロジーを調整することは不可能であるか、または制限された範囲のみで可能であるにすぎない。それというのも、超常磁性の特性が特定の粒度に関連しているからである。該粒子は、有利には、ほぼ一次粒子として配合物中に存在しており、その結果として、レオロジーの調整、例えば増粘は、超常磁性粒子の含有量を同時に変化させることによってのみ可能であるにすぎない。
【0006】
本発明の対象は、超常磁性粒子を含有し、かつ先行技術の欠点を回避する配合物を提供することである。特に、超常磁性粒子は、高温中でさえも、配合物中で凝塊を示すべきではなく、かつ熱安定性であるべきである。超常磁性粒子は、さらに、できる限り配合物中に一様分布を示すべきである。さらに超常磁性粒子の含有量とはできる限り無関係に、配合物のレオロジーを調節できることが望ましい。
【0007】
本発明の対象は、さらに配合物の加熱のための方法を提供することである。
【0008】
本発明は、重合可能なモノマー及び/またはポリマー並びに、その中に分散した超常磁性粉末を含有する配合物であって、超常磁性粉末が、凝集された一次粒子からなり、該一次粒子が、非磁性金属酸化物または半金属酸化物のマトリックス中で、直径2〜100nmを有する磁性金属酸化物ドメインから構成されていることを特徴とする配合物を提供する。
【0009】
本発明の関連において、凝集された、とは、合着した一次粒子の三次元構造を意味すると解されるべきである。いくつかの凝集物は、結合して凝塊物となりうる。それら凝塊物は、容易に再び分離することができる。それに対して、凝集物を破壊して、一次粒子とすることは、一般に不可能である。
【0010】
超常磁性粉末の凝集物径は、有利には100nmより大きく1μm未満でありうる。有利には、超常磁性粉末の凝集物は、少なくとも1つの空間的方向において、250nm以下の直径を有しうる。それらの状況は、図1に図示され、そこでは凝集物の2つの側腕が80nmと135nmの直径を有する。
【0011】
ドメインとは、互いに空間的に分けられるマトリックス中の領域を意味すると解されるべきである。超常磁性粉末のドメインは、2〜100nmの直径を有する。
【0012】
該ドメインは、非磁性領域を有してもよく、該領域は、粉末の磁性特性に寄与しない。
【0013】
さらに、その大きさのために、超常磁性を示さず、かつ残磁性を誘導する磁区が存在していてもよい。この磁区は、飽和磁化に増加をもたらす。しかしながら、これらの磁区の含有率は、超常磁性のドメインの数と比較して低い。本発明によれば、超常磁性粉末は、本発明による配合物が、磁気のまたは電磁気の交番磁界によって加熱されうる数の超常磁性ドメインを含む。
【0014】
超常磁性粉末のドメインは、完全にまたは部分的にだけ、周囲のマトリックスによって囲まれていていよい。部分的に囲まれているとは、個々のドメインが1つの凝集物の表面から突き出ていてよいことを意味する。
【0015】
該ドメインは、1つ以上の金属酸化物を含有しうる。
【0016】
該磁区は、有利には、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、ユーロピウム、イットリウム、サマリウム、またはガドリニウムの酸化物を含有しうる。それらドメインにおいて、該金属酸化物は、均等な改良または様々な改良として存在しうる。
【0017】
特に好ましい磁区は、ガンマ−Fe23(γ−Fe23)、Fe34、ガンマ−Fe23(γ−Fe23)及び/またはFe34の混合物の形の酸化鉄である。
【0018】
該磁区は、さらに、少なくとも2つの金属と、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、マンガン、銅、バリウム、マグネシウム、リチウムまたはイットリウムといった金属成分との混合酸化物として存在しうる。
【0019】
該磁区は、さらに、一般式MIIFe24(式中、MIIは、互いに異なる少なくとも2つの二価金属を有する金属成分を表す)を有する物質であってよい。有利には、その二価金属の1つは、マンガン、亜鉛、マグネシウム、コバルト、銅、カドミウムまたはニッケルであってよい。
【0020】
該磁区は、さらに、一般式(Ma1-x-ybxFeyIIFe2III4(式中、Ma、及びMbは、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、マグネシウム、バリウム、イットリウム、スズ、リチウム、カドミウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、クロム、バナジウム、ニオブまたはモリブデンといった金属であり、その際、x=0.05〜0.95、y=0〜0.95、そしてx+y≦1である)の三成分系の型から構成されうる。
【0021】
ZnFe24、MnFe24、Mn0.6Fe0.4Fe24、Mn0.5Zn0.5Fe24、Zn0.1Fe1.94、Zn0.2Fe1.84、Zn0.3Fe1.74、Zn0.4Fe1.64、もしくはMn0.39Zn0.27Fe2.344、MgFe23、Mg1.2Mn0.2Fe1.64、Mg1.4Mn0.4Fe1.24、Mg1.6Mn0.6Fe0.84、Mg1.8Mn0.8Fe0.44が、特に好ましいことがある。
【0022】
非磁性マトリックスの金属酸化物の選択は、さらに制限されない。チタン、ジルコニウム、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、セリウムまたはスズの酸化物が好ましいことがある。
【0023】
本発明の関連において、金属酸化物は、半金属酸化物、例えば二酸化ケイ素も含む。
【0024】
マトリックス、及び/またはドメインは、さらに、非晶質及び/または結晶質の形であってよい。
【0025】
粉末中の磁区の含有率は、マトリックス及びドメインの空間的な分離がある限りは、制限されない。超常磁性粉末中の磁区の含有率は、有利には、10〜90質量%であってよい。
【0026】
好適な超常磁性粉末は、例えば、EP−A−1284485号において、かつ未だ公表されていない2003年3月14日の出願番号10317067.7−41を有するドイツ特許出願において記載されており、これらは参照を持って開示されたものとする。
【0027】
本発明による配合物は、有利には、0.1〜40質量%の範囲の超常磁性粉末の含有率を有しうる。
【0028】
本発明による配合物に適した重合可能なモノマーは、以下で挙げられるポリマーをもたらすモノマーであってよい。これらのモノマーを転化させてポリマーとすることは、当業者に公知である。
【0029】
本発明による配合物に好適なポリマーは、有利には、熱可塑的に軟化されうるポリマー、一成分もしくは二成分のポリウレタン、一成分もしくは二成分のポリエポキシド、一成分もしくは二成分のシリコーンポリマー、シラン改質ポリマー、ポリアミド、(メタ)アクリレート官能性ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、ポリシロキサン、ポリ(エーテル)スルホン、ポリエーテルケトン、ポリスチレン、ポリオキシメチレン、ポリアミド−イミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ペルフルオロエチレン/プロピレンコポリマー、ペルフルオロアルコキシコポリマー、メタクリレート/ブタジエン/スチレンコポリマー、及び/または、液晶コポリエステル(LCP)であってよい。ポリアミド12粉末が、特に好ましいことがある。
【0030】
本発明による超常磁性粉末の配合物は、顆粒の形でもあってもよい。顆粒は、例えば、水中で超常磁性粉末を分散させ、分散液を噴霧乾燥し、そして得られた顆粒を1〜8時間にわたり、150〜1100℃の温度で熱処理することによって製造できる。噴霧乾燥は、例えば、200〜600℃の温度で実施してよい。円盤型噴霧器またはノズル型噴霧器を、ここでは使用できる。顆粒の熱処理は、固定層の中、例えば室炉の中か、撹拌層の中、例えば回転筒状乾燥機の中かのどちらかで行われうる。
【0031】
さらに、本発明による配合物は、それ自体顆粒の形であってもよい。
【0032】
例えばこのためには、粉末形のポリマーと超常磁性粉末とのポリマー混合物を押出し、ストランドとして圧縮し、次いで造粒する。この形態は、ポリアミドポリマーのために特に好ましいことがある。
【0033】
重合可能なモノマー及びポリマーに加えて、本発明による配合物は、水または有機分散剤を含有してもよい。好適な有機分散剤は、例えば、油、脂肪、ワックス、C6〜C30のモノカルボン酸と一価アルコール、二価アルコール、または三価アルコールとのエステル、飽和の非環状及び環状の炭化水素、脂肪酸、低分子量アルコール、脂肪アルコール、並びにそれらの混合物から選択することができる。それらは、例えば、パラフィン及びパラフィン油、鉱油、一般に8個より多くの炭素原子を有する直鎖状の飽和炭化水素、例えばテトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等、環状炭化水素、例えばシクロヘキサン及びデカヒドロナフタレン、ワックス、脂肪酸のエステル、シリコン油等を含む。例えば、直鎖及び環状の炭化水素及びアルコールが好ましい。
【0034】
本発明はまた、本発明による配合物の加熱方法において、該配合物を、磁気または電磁気の交番磁界にさらす方法を提供する。
【0035】
有利には、加熱のために、本発明による配合物を、30Hz〜100MHzの範囲の周波数を有する磁気の交番磁界にさらす。通常のインダクターの周波数、例えば100Hz〜100kHzの範囲の中間周波数または10kHz〜60MHz、特に50kHz〜3MHzの範囲の高周波数が、好適である。
【0036】
超常磁性粉末のナノ微粒子ドメインは、特に効果的に利用可能な電磁線のエネルギー入力の利用を可能にする。
【0037】
マイクロ波放射線の電磁気の交番磁界による加熱にも同様に、同じことが当てはまる。この関連において、0.3〜300GHzの範囲の周波数を有するマイクロ波放射線を使用されることが好ましい。共振周波数を調整するために、マイクロ波放射線に加えて、約0.001〜10テスラの範囲の磁界の強さを有する直流の磁界を使用することが好ましい。磁界の強さは、有利には0.015〜0.045テスラ、及び特に0.02〜0.06テスラの範囲内である。
【0038】
本発明は、接着剤組成物としての本発明による配合物の使用も提供する。
【0039】
実施例:
超常磁性粉末の製造
粉末P−1:
0.57kg/hのSiCl4を約200℃で気化させ、そして4.1Nm3/hの水素と11Nm3/hの空気と一緒に混合帯域に供給する。さらに、25質量%濃度の塩化鉄(II)水溶液から得られるエアロゾル1.27kg/hを、キャリヤーガス(3Nm3/hの窒素)を用いて混合帯域中にバーナー内で導入する。均質に混合されたガス/エアロゾル混合物を、滞在時間約50ミリ秒にわたって約1200℃の断熱燃焼温度で燃焼する。反応後に、反応ガスと形成された粉末を、公知の手法で冷却し、フィルターを介して廃ガス流と分離する。さらなる工程で、まだ付着している塩酸残留物を、窒素含有流での処理によって粉末から除去する。
【0040】
粉末P−2:
0.17kg/hのSiCl4を約200℃で気化させ、そして4.8Nm3/hの水素と12.5Nm3/hの空気と一緒に混合帯域に供給する。さらに、25質量%濃度の塩化鉄(II)水溶液から得られるエアロゾル2.16kg/hを、キャリヤーガス(3Nm3/hの窒素)を用いて混合帯域中にバーナー内で導入する。均質に混合されたガス/エアロゾル混合物を、滞在時間約50ミリ秒にわたって約1200℃の断熱燃焼温度で燃焼する。反応後に、反応ガスと形成された粉末を、公知の手法で冷却し、フィルターを介して廃ガス流と分離する。さらなる工程で、まだ付着している塩酸残留物を、窒素含有流での処理によって粉末から除去する。
【0041】
粉末P−3:
0.14kg/hのSiCl4を、約200℃で気化させ、3.5Nm3/hの水素と15Nm3/hの空気と一緒に混合帯域に供給する。
【0042】
さらに、二成分ノズルを介して10質量%濃度の塩化鉄III水溶液から得られるエアロゾルを、キャリヤーガス(3Nm3/hの窒素)を用いて混合帯域中にバーナー内で導入する。
【0043】
均質に混合されたガス/エアロゾル混合物を、滞在時間約50ミリ秒にわたって約1200℃の断熱燃焼温度で燃焼する。
【0044】
反応後に、反応ガスと、酸化鉄でドープされた二酸化ケイ素粉末とを、公知の手法によって冷却し、そして該粉末を、フィルターを介して廃ガス流と分離する。
【0045】
さらなる工程で、まだ付着している塩酸残留物を、窒素含有流での処理によって粉末から除去する。
【0046】
粉末P−4:
0.57kg/hのマトリックス前駆体SiCl4を、約200℃で気化させ、11Nm3/hの空気と1Nm3/hの窒素だけでなく4Nm3/hの水素と一緒に反応器内に供給する。
【0047】
さらに、二成分ノズルを介して塩化鉄(II)、塩化マグネシウムII、塩化マンガンの水溶液から得られるドメイン前駆体を含有するエアロゾルを、キャリヤーガス(3Nm3/hの窒素)を用いて反応器に導入する。該水溶液は、1.8質量%のMnCl2、8.2質量%のMgCl2及び14.6質量%のFeCl2を含有する。
【0048】
均質に混合されたガス/エアロゾル混合物を、反応器に流し、そして滞在時間70ミリ秒にわたって約1350℃の断熱燃焼温度で燃焼する。
【0049】
滞在時間は、混合物が流過する装置体積と、断熱燃焼温度での作業体積流量との商から算出される。
【0050】
火炎加水分解の後で、反応ガスと、形成された亜鉛マグネシウムフェライトでドープされた二酸化ケイ素粉末とを、公知の手法によって冷却し、そして該固体を、フィルターを介して廃ガス流と分離する。
【0051】
さらなる工程で、まだ付着している塩酸残留物を、窒素含有流での処理によって粉末から除去する。
【0052】
P−1〜P−4の超常磁性粉末の物理化学的データを、表1に転載する。
【0053】
配合物の製造
それぞれの場合に、混合物全体に対して5質量%の超常磁性粉末P−1〜P−4を、11000rpmでUltra Turraxを用いて、エポキシ樹脂ERL 4221(Dow社、3,4−エポキシ−シクロヘキシル−メチル3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート)中に導入して、相応の配合物F−1〜F−4を得る。48時間後に、粘度を23℃で剪断勾配の関数として測定する(Rheolyst AR 1000−N、製造元:TA Instrumental、測定幾何学:ボール/プレート、温度:23℃)。
【0054】
配合物の粘度値を、表1に転載する。
【0055】
表1は、本発明による配合物の製造の間のレオロジー、及びキュリー温度の制御の可能性を示す。すべての配合物は、配合物中に同じ含有率の超常磁性粉末を有する。
【0056】
F−1及びF−3は、さらに同じ含有率の磁区を有するが、BETの表面積は異なる。このことは、F−1の場合に低い粘度を有する配合物を、そしてF−3の場合に高い粘度を有する配合物をもたらす。
【0057】
配合物F−1とF−2の比較は、ほぼ同じ粘度を有するが、磁区の含有率が異なる配合物を得ることができることを示す。
【0058】
配合物F−4は、F−1と比較して、磁区の含有率が変化することなく、ほぼ同じ粘度、及び著しく低いキュリー温度を有する配合物を得ることができることを示す。
【0059】
本発明は、レオロジー及びキュリー温度に関して、テーラーメイドな配合物の製造を可能にする。先行技術とは対照的に、レオロジー及びキュリー温度は、それら超常磁性粉末自体の特性によって制御でき、添加剤によるものではない。
【0060】
TEM写真は、該超常磁性粉末が、高温でさえも、配合物中に凝塊を示さないことを裏付けている。
【0061】
先行技術において、超常磁性粉末は、凝塊を防ぐために有機物質で表面改質された形態である。有機成分は、高温で安定ではなく、かつ変色、及び超常磁性粒子の再凝塊を引き起こし、かつ、さらに超常磁性特性の損失をもたらす。それに対して、超常磁性粉末が表面改質用の有機物質を含まない本発明による配合物は、その超常磁性特性を失うことなく、高温に加熱することができる。
【0062】
配合物F−5:
20質量部のVestosint(C)2157(Degussa AG社)と、1質量部の粉末P−1との混合物を、室温で1500/minの回転速度で3分の混合時間にわたってMTI製の高速ミキサーM20 FU型で混合する。配合物の昇温曲線を、その時測定する(図2)。
【0063】
配合物F−6:
配合物F−5と同様であるが、Vestosint(C)2174の代わりに、のVestamid(登録商標)L1901(Degussa AG社)(ISO1874−1に従った名称:PA12、XN、18−010)を使用して製造する。
【0064】
該配合物を、次いで、250℃で、10kg/hの押出量でBerstorff社製のZE25−33D型の2軸スクリュー押出機によって融合させつつ混合し、押出し、そして造粒する。
【0065】
配合物F−7:
10質量部のVestamid(C)L1901(Degussa AG社)と、1質量部の粉末P−2との混合物を、室温で1500/minの回転速度で3分の混合時間にわたってMTI製の高速ミキサーM20 FU型で混合する。
【0066】
該配合物を、次いで、250℃で、10kg/hの押出量でBerstorff社製のZE25−33D型の2軸スクリュー押出機によって融合させつつ混合し、押出し、そして造粒する。
【0067】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、凝集物の2つの側腕が80nmと135nmの直径を有することを示す。
【図2】図2は、配合物の昇温曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合可能なモノマー及び/またはポリマー並びに、その中に分散した超常磁性粉末を含有する配合物において、超常磁性粉末が、凝集された一次粒子からなり、該一次粒子が、非磁性金属酸化物または半金属酸化物のマトリックス中で2〜100nmの直径を有する磁性金属酸化物ドメインから構成されていることを特徴とする配合物。
【請求項2】
超常磁性粉末の凝集物の大きさが、100nmより大きく、1μm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
磁区が、酸化鉄を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の配合物。
【請求項4】
磁区が、フェライトを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の配合物。
【請求項5】
磁区が、一般式(Ma1-x-ybxFeyIIFe2III4(式中、Ma及びMbは、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、マグネシウム、バリウム、イットリウム、スズ、リチウム、カドミウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、クロム、バナジウム、ニオブまたはモリブデンであり、かつx=0.05〜0.95、y=0〜0.95、そしてx+y≦1である)の三成分系から構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の配合物。
【請求項6】
超常磁性粉末中の磁区の含有率が、10〜90質量%であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項7】
超常磁性粉末が、0.1〜40質量%の範囲で配合物中に存在することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項8】
ポリマーが、熱可塑的に軟化されうるポリマー、一成分もしくは二成分のポリウレタン、一成分もしくは二成分のポリエポキシド、一成分もしくは二成分のシリコーンポリマー、シラン改質ポリマー、ポリアミド、(メタ)アクリレート官能性ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、ポリシロキサン、ポリ(エーテル)スルホン、ポリエーテルケトン、ポリスチレン、ポリオキシメチレン、ポリアミド−イミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ペルフルオロエチレン/プロピレンコポリマー、ペルフルオロアルコキシコポリマー、メタクリレート/ブタジエン/スチレンコポリマー、及び/または液晶コポリエステル(LCP)であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項9】
超常磁性粉末が、顆粒の形であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項10】
該配合物が、ポリマー及び超常磁性粉末の顆粒の形であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項11】
該配合物が、さらに、有機分散剤を含有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の配合物。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の配合物を加熱する方法において、該配合物を、磁気または電磁気の交番磁界にさらすことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の配合物を、接着剤組成物として用いる使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−521747(P2008−521747A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543755(P2007−543755)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012714
【国際公開番号】WO2006/058689
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】