説明

金型表面用保護膜及び金属加工工具表面用保護膜

【課題】金型の耐久性を向上させるべく、ある程度の高硬度を有すると共に、潤滑性を向上させ、且つ濡れ性を低下させる金型表面用保護膜を形成すること。より高硬度の金属加工工具表面用保護膜を形成すること。
【解決手段】気相薄膜形成法によって金属表面にTi、B、及びNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含む硬質の保護膜を形成し、TiとNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含むNaCl型の結晶相と、非結晶構造もしくは微結晶の六方晶構造を有するBN相とから構成される金型表面用保護膜とする。さらに、BN相の割合が体積比で10〜17%の範囲内にある金属加工工具表面用保護膜とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型及び金属加工工具の表面に形成する保護膜に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカストや熱間押し出し等に用いられる金型表面には、従来、TiNやTiAlN等の遷移金属窒化物からなる硬質な保護膜を形成してあった。ところが、上記の保護膜は硬質であるが、潤滑性が不十分で、且つ濡れ性が良いため、耐久性に問題があった。つまり、溶融金属と反応がおき、溶融金属の一部が溶着するために製品精度に問題が生じると共に、金型のメンテナンスが必要となり、長時間の連続操業が困難であった。また、その溶着部から保護膜および金型自体の損耗が発生し、金型の寿命が十分とはいえなかった。
【0003】
また、別の技術としては、TiNとTiB2との混合相であるTiBN膜が存在する(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−1215号公報
【0004】
ところが、TiNとTiB2は硬質膜同士であって、硬質膜同士の組み合わせによって硬度を上昇させるものであり、金型表面用保護膜としては他の材料と同様に耐久性に問題があった。
【0005】
別の技術としては、絶縁耐力を有する加工液中で導電性を有する電極と被処理材との間に電圧を印加して放電を発生させ、放電の熱作用により被処理材の表面に処理層を形成する放電表面処理方法があり、電極と加工液の構成材料に硬質材料としてTiAlNを、潤滑材料としてBNを含有するものが存在する(特許文献2)。
【特許文献2】特開2001−279465号公報(請求項7)
【0006】
放電表面処理方法の原理は、放電加工の電極をTi等の金属(導電体)とすることにより、電極のTiと油中の炭素が反応してTiCとなり、被処理材に付着するものである。従って、上述した放電表面処理方法には、Ti、Al、N、及びBNからなる膜ができるかのように記載してあるが、実際には電気抵抗の大きな材料であるTiAlNの電極を製作することは困難であり、その上、BNのような潤滑材料も絶縁体であることから、この方法でTiAlN中にBNを分散させることは困難と考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
請求項1の発明は上記実情を考慮して開発されたもので、その目的は、金型の耐久性を向上させるべく、ある程度の高硬度を有すると共に、潤滑性を向上させ、且つ濡れ性や反応性、溶着性を低下させる金型表面用保護膜を形成することである。
【0008】
上記問題は、熱間押し出し金型、ダイカスト金型だけでなく、その他のプレス金型、打ち抜き金型などあらゆる金型の表面用保護膜について同様に指摘される。これらの金型等の保護膜の場合、圧力が特にかかる場所、例えばダイカスト金型にあっては注湯口付近、打ち抜き金型にあってはポンチおよびダイスの先端部等であれば、比較的高い硬度が求められる。また、金型に限らず、切削工具の保護膜の場合でも比較的高い硬度が求められる点では同様にである。ここで、熱間押し出し金型、ダイカスト金型、押出金型、打ち抜き金型等の圧力が特にかかる部分や、切削工具等をまとめて金属加工工具と定義する。
【0009】
請求項2の発明の目的は、請求項1の発明の目的よりも硬度を向上した金属加工工具表面用保護膜を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、気相薄膜形成法によって金属表面にTi、B、及びNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含む硬質の保護膜を形成し、TiとNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含むNaCl型の結晶相と、非結晶構造もしくは微結晶の六方晶構造を有するBN相とから構成される金型表面用保護膜である。
【0011】
「TiとNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含むNaCl型の結晶相」とは、TiAlN相、TiAlSiN相、又はTiSiN相のことをいう。TiAlN相は、30GPa程度の高い塑性変形硬さと、高い耐酸化性を有する。TiAlSiN相、及びTiSiN相も同様のことが言えると共に、耐酸化性がTiAlN相よりも向上する。またこれらのNaCl型の結晶はX線回折法から求めた結晶粒サイズが概ね30nm以下であることが高硬度を維持するために望ましい。
【0012】
BN相は、非結晶構造もしくは六方晶構造を有する微結晶からなり、塑性変形硬さが1GPa以下で非常に柔らかく、膜の硬度を高める効果は殆どないが、固体潤滑性を有し、大半の金属との濡れ性が悪いため、金属の溶着を防止できる。なお、本発明の目的達成のためにNaCl型の結晶相とBN相の両者がそれぞれの機能を発揮できる程度に混在していればよく、この二つの相の成分を完全に分離することは必要ない。また、製膜プロセスにおいても上記NaCl型の結晶相とBN相は界面で相互に交じり合うため、二つの相を完全に分離することは不可能である。したがって、NaCl型の結晶と非晶質構造または六方晶構造を有する微結晶からなるBN相との間に相互に成分が若干混入することは当然ありえることである。
【0013】
BN相は固体潤滑性を有し、金属との濡れを阻害するので、BN相の割合が体積比で多い方がこれらの効果を得られるが、その反面、硬度が低下するので、場合によってはその硬度が金型としては不十分となるおそれもある。これらを防止するには、10GPa以上の塑性変形硬さHplを得られるように、BN相の割合が体積比で0%よりも多く50%以下であることが望ましい。また、BN相の効果をよりよく発揮させるにはBN相の割合が5%以上であることが望ましく、さらに望ましくは10%以上がよい。他方、より大きな圧力がかかる金型の部分においては、塑性変形硬さは10GPa以上であることが望ましく、より硬い保護膜にするためにBN相の割合が40%以下が望ましく、さらに望ましくは35%以下がよい。
【0014】
金型関係の適用範囲としては、アルミダイカスト用金型やマグネシウムダイカスト用金型(可動型、固定型、及び鋳抜きピン)、或いはアルミニウム押し出し金型等が具体的に挙げられる。
【0015】
上記TiとNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含むNaCl型の結晶相とBN相は、それぞれの相が三次元的に混じり合う混合膜であってもよいし、金型母材表面から交互に積層された多層膜であっても本発明の目的を達成できる。金型母材との界面にはTiSi、TiAl、TiAlSiなどの合金層および/またはTiSiN、TiAlN、TiAlSiNなどの窒化物層を1μm以下の厚さで配置し、その上に本発明の混合膜または多層膜を配置することは本発明の膜の母材への密着性を向上させる効果がある。また、製膜時の母材を100℃以上で800℃以下、かつ母材の硬度低下が生じない温度範囲で加熱することも本発明の保護膜の形成に有効である。
【0016】
硬度を向上して、金型の圧力がかかる部分や切削工具からなる金属加工工具の表面用保護膜に適用できるようにするには、請求項2の発明のようにすることが望ましい。即ち、気相薄膜形成法によって金属表面にTi、B、及びNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含む硬質の保護膜を形成し、TiとNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含むNaCl型の結晶相と、非結晶構造もしくは微結晶の六方晶構造を有するBN相とから構成され、BN相の割合が体積比で10〜17%の範囲内にある金属加工工具表面用保護膜である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明は、TiAlN相、TiAlSiN相、又はTiSiN相の利点と、BN相の双方の利点を兼備することにより、ある程度の高硬度を保ちながらも、潤滑性の良さ、濡れ性の悪さが発揮され、溶融金属の金型への溶着が抑制され、金型の耐久性が向上すると共に、金型のメンテナンスが長期間不要となる。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、硬度が向上するので、金属加工工具表面保護膜として理想的である。
【実施例1】
【0019】
Ti-Al(Ti51.0%-Al49.5%残部不純物)ターゲットと純度99.0%のh-BNターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、ターゲットに対向する基板を30rpmの回転速度で連続回転することにより基板表面に保護膜を製作した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比10:25)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、Ti-AlターゲットにはDC電源を、h-BNターゲットには高周波電源を接続し、それぞれ約1kWの電力を投入し、基板には鋼製工具(鋳ぬきピン)を用い、基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlBN混合膜の製膜を行った。TiAlNとh-BNの製膜レートから見積られる混合比はTiAlN:h-BN=7:1であった。
【0020】
上述した実施例1の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表1である。比較例としては、実施例1と同一の基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrN、TiN、TiAlNの各保護膜を付けたもの、背景技術に記載した放電表面処理法(EDC法)によるTiCの保護膜を付けたもの、基板に窒化処理のみを施したものを用いた。実施例1と比較例の保護膜が付いた基板を、アルミニウムダイカスト用鋳ぬきピンとして3000回の鋳造をそれぞれ行った後、比較した。比較は、アルミニウム及びその酸化物などが付着している状態を目視で判定すると共に、付着物の重量を測定した。
【表1】

*:窒化処理材は2300回で使用不能になる程度に溶湯が付着した。○:良、△:可(使用可能)、×:不可(使用不能)。
【実施例2】
【0021】
Ti-Al(Ti51.0%-Al49.5%残部不純物)ターゲットと純度99.0%のh-BNターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、基板を一定角度毎に間欠的に回転することにより、TiAlN膜とh-BN膜とが交互に基板表面に積み重なった積層保護膜を製膜した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比10:25)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、TiAlターゲットにはDC電源を、h-BNターゲットには高周波電源を接続し、DC電源には約1.2kW、高周波電源には約700Wの電力を投入し、基板には鋼製工具(直径10φの円柱状鋳ぬきピン)を用い、基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlN/h-BN積層膜の製膜を行った。TiAlNとh-BNの各層の膜厚はそれぞれ5nmと1nmであり、それを500回(1000層)繰り返し製膜した。
【0022】
上述した実施例2の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表2である。比較例としては、実施例2と同一の基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrN、TiN、TiAlNの各保護膜を付けたもの、PCVD法によって厚さ3ミクロンのTiNの保護膜を付けたものを用いた。実施例2と比較例の保護膜が付いた基板を、マグネシウムダイカスト用鋳ぬきピンとして3000回使用した後、溶湯との接触部の中央部分を切断し、その断面円周部を走査型電子顕微鏡で観察し、欠陥部分の個数と長さを計測し、その結果を比較した。
【表2】

【実施例3】
【0023】
Ti-Al(Ti51.0%-Al49.5%残部不純物)のターゲットと純度99.0%のh-BNターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、基板を30rpmの回転速度で連続回転することにより混合膜を製膜した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比10:25)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、TiAlターゲットにはDC電源を、h-BNターゲットには高周波電源を接続し、DC電源には1.0kW、高周波電源には800Wの電力をそれぞれ投入し、基板には鋼製工具(中子ピン)を用い、基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlBN混合膜の製膜を行った。TiAlNとh-BNの製膜レートから見積もられる混合比はTiAlN:h-BN=9:1であった。
【0024】
上述した実施例3の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表3である。比較例としては、実施例3と同一の基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrN、TiN、TiAlNの各保護膜を付けたものを用いた。実施例3と比較例の保護膜が付いた基板を亜鉛(ZDC1)ダイカスト用中子ピンとして用い、40000回の鋳造を行った後、基板のキャビティー部断面を走査型電子顕微鏡で調べ、欠陥部分の合計長さを比較した。
【表3】

【実施例4】
【0025】
Ti-Al-Si(Ti51.1at%-Al38.1at%-Si10.3at%残部不純物)のターゲットと純度99.0%のh-BNターゲットを用いて2元同時スパッタするとともに、基板を一定角度間欠的に回転することにより積層膜を製膜した。アルゴンと窒素の混合ガス(混合比10:25)を流し、ガス圧力0.1〜0.5Paの範囲で、TiAlターゲットにはDC電源を、h-BNターゲットには高周波電源を接続し、DC電源には約1.2kW、高周波電源には約700Wの電力を投入し、基板には鋼製工具(鋳ぬきピン)を用い、基板表面に厚さ3ミクロンのTiAlN/h-BN積層膜の製膜を行った。TiAlSiNとh-BNの各層の膜厚はそれぞれ5nmと1nmであり、それを500回(1000層)繰り返し製膜した。
【0026】
上述した実施例4の保護膜を他の保護膜と比較したのが下記の表4である。比較例としては、実施例4と同一の基板を用い、スパッタによって厚さ3ミクロンのCrN、TiN、TiAlSiNの各保護膜を付けたものを用いた。実施例3と比較例の保護膜が付いた基板をマグネシウムダイカスト用鋳ぬきピンとして用い、基板に対する付着物(マグネシウムおよびその酸化物など)の厚さが1mmを超えるまでの鋳造回数を比較した。比較例はいずれも2万〜8万回程度で1mm以上となっているが、実施例4は10万回を超えても未だ1mm未満である。
【表4】

○:1mm未満、△:1mm以上
【0027】
本発明は、比較実験により上記した4つの実施例のいずれにおいても、良好な結果が得られたことにより、金型表面用保護膜として好適であり、潤滑性の向上及び濡れ性の悪化が得られたものと判断できる。上記実施例で得られた本発明の保護膜をX線回折法で分析し、X線回折ピークの半値幅からScherrerの式を用いて計算したところ、TiAlN相、TiAlSiN相、又はTiSiN相の平均結晶粒サイズは20nm以下であると求められた。なお、結晶粒サイズは測定法により誤差が出てくるので、かかる誤差を考慮すればTiAlN相、TiAlSiN相、又はTiSiN相の平均結晶粒サイズは30nm以下であることが、保護膜の高い硬度を得るには必要であると考えられ、20nm以下であることが望ましい。
【0028】
上記実施例に示すように本発明の金型表面用保護膜は、Ti、Al、B、及びNを主成分とする混合膜及び積層膜であっても良いし、Ti、Al、Si、B、及びNを主成分とする積層膜であっても良い。また、実施例では示していないが、Ti、Al、Si、B、及びNを主成分とする混合膜であっても良いし、Ti、Si、B、及びNを主成分とする混合膜及び積層膜であっても良い。なお、TiAlSiN自体の耐酸化性が優れていることについての本発明者らによる実験結果があり、これにBNを複合化した保護膜の特性が優れていることは予想できることから、Ti、Si、B、及びNを主成分とする混合膜及び積層膜であっても、同様の効果が得られると予想できる。nmオーダーの非常に薄い膜を多層化した積層膜は、通常、硬質膜同士の組み合わせで行われ、硬度が上昇することが多いが、本発明の場合は、BNが非常に柔らかいため、硬度の上昇は殆ど見られないものの(単純な平均値よりも硬度は上がっている)、潤滑性が向上する。なお、TiAlNの単層の保護膜では30GPa程度の塑性変形硬さを有する。一方、(TiAlN=8nm、BN=1nm)×500層の保護膜では、硬さは殆ど変わらず30GPa程度であった。
【実施例5】
【0029】
上述したように、BNが非常に柔らかいため、硬度の上昇は殆ど見られないと考えていたが、金型表面用保護膜の塑性硬さをBNの体積比を変化させた場合について調査したところ、意外な事実が判明した。図1のグラフに示すように、サンプル数は6個であるが、BN相の体積比率を0〜30%の前後で変化させたところ、BN相の体積比率が0%(TiAlNの単層の場合)の塑性硬さ30GPaよりも硬くなる範囲があった。BN相の体積比17%のサンプルと28%のサンプル間のカーブの描き方にもよるが、少なくとも17%以下の場合にはTiAlNの単層の場合と同等以上の塑性硬さが得られることが示された。また、前述した実施例3の表3からは、BN相の体積比が10%の場合にはぬれ性、密着性、反応性、潤滑性が向上していると言える。従って、10%以上にBN相の体積比率を増やせば、BN相自体の特性としてぬれ性から潤滑性が一段と向上すると推測できる。実施例3と4の結果をまとめれば、BN相の体積比率が10%〜17%の場合には、ぬれ性、密着性、反応性、潤滑性だけでなく、TiAlNの単層の場合と同等以上の塑性硬さが得られる。よって、この場合には、押出金型、熱間押し出し金型、ダイカスト金型の高圧力がかかる部分だけでなく、切削工具に対しても適用できる。即ち、金属加工工具表面用保護膜に適用できる。なお、図1のグラフからは、同一サンプルを製造直後と製造から半年後の2回、測定しても、特性の劣化が殆ど見られないことが読みとれる。
【0030】
なお、本発明の金型表面用保護膜及び金属加工工具表面用保護膜は気相薄膜形成法によって製作されるもので、上述した実施例にはPVD法が用いられているが、条件を整えればCVD法を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】BN混合比による金型表面用保護膜の塑性硬さの変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気相薄膜形成法によって金属表面にTi、B、及びNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含む硬質の保護膜を形成し、TiとNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含むNaCl型の結晶相と、非結晶構造もしくは微結晶の六方晶構造を有するBN相とから構成される金型表面用保護膜。
【請求項2】
気相薄膜形成法によって金属表面にTi、B、及びNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含む硬質の保護膜を形成し、TiとNを必須元素とし、AlまたはSiのうち1種又は2種の元素を含むNaCl型の結晶相と、非結晶構造もしくは微結晶の六方晶構造を有するBN相とから構成され、BN相の割合が体積比で10〜17%の範囲内にある金属加工工具表面用保護膜。

【図1】
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【公開番号】特開2006−118043(P2006−118043A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−274054(P2005−274054)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(304065064)国立大学法人高岡短期大学 (2)
【出願人】(503221573)株式会社北熱 (6)
【Fターム(参考)】