説明

金属化合物、薄膜形成用原料、薄膜の製造方法及び薄膜

【課題】 プレカーサを気化させて用いるCVD法、ALD法等の薄膜製造方法において使用する原料に好適なチタニウム、ジルコニウム等の4族金属の化合物であり、薄膜堆積時においては、熱及び/又は酸化による分解が容易に進行し、気化及び輸送時においては、融点が低く液体の状態で輸送が可能であり且つ蒸気圧が大きく気化させやすく、また、多成分の薄膜を製造する場合に、得られる薄膜の組成制御が容易な化合物を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(I)で表される金属化合物。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の構造を有する金属化合物、これを含有してなる薄膜形成用原料、該薄膜形成用原料を用いた薄膜の製造方法、及び該製造方法により製造された薄膜に関する。
該金属化合物は、プレカーサを気化させて用いるCVD法、ALD法等の薄膜製造方法に使用される化合物として好適なものである。また、該薄膜は、電子部品部材、光学ガラス部材等に有用なものである。
【背景技術】
【0002】
チタニウム、ジルコニウム又はハフニウムを含有する薄膜は、高誘電体キャパシタ、強誘電体キャパシタ、ゲート絶縁膜、バリア膜等の電子部品の電子部材や、光導波路、光スイッチ、光増幅器等の光通信用デバイスの光学部材として用いられている。
【0003】
上記の薄膜の製造方法としては、塗布熱分解法やゾルゲル法等のMOD法、CVD法、ALD法等が挙げられるが、組成制御性及び段差被覆性に優れること、量産化に適すること、ハイブリッド集積が可能である等の多くの長所を有しているので、CVD法、ALD法等のプレカーサを気化させて用いる方法が最適な製造プロセスである。CVD法、ALD法等のプレカーサとしては、有機配位子を用いた金属化合物が使用されている。
【0004】
非特許文献1には、アルコールとN−メチルアミノアルコールとを配位子として用いたチタニウム化合物が報告されている。また、非特許文献2には、一級のアミノアルコールと第3ブチルアルコールとを配位子としたジルコニウム化合物を用いたALD法が報告されている。また、特許文献1には、アルコールと末端に求核性基を有するアルコールとを配位子とした金属化合物を用いたCVD法が報告されている。
【0005】
【非特許文献1】Z. anorg. allg. chem. 403, 337-346 (1974)
【非特許文献2】Chem. Mater. 2004, 16, 5630-5636
【特許文献1】国際公開第03/035926号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プレカーサを気化させて用いるCVD法、ALD法等の薄膜製造方法において、原料に使用される化合物(プレカーサ)に求められる性質は、薄膜堆積時においては、熱及び/又は酸化による分解が容易に進行することである。また、気化及び輸送時においては、融点が低く液体の状態で輸送が可能であること、及び蒸気圧が大きく気化させやすいことが求められ、また、多成分の薄膜を製造する場合は、得られる薄膜の組成制御が容易であることが求められる。チタニウム、ジルコニウム等の4族金属においては、これらの要求を満足できるものはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定の構造を有する金属化合物が上記課題を解決し得ることを知見し、本発明に到達した。
【0008】
即ち、本発明は、下記一般式(I)で表される金属化合物を提供するものである。
【0009】
【化1】

【0010】
また、本発明は、上記金属化合物を含有してなる薄膜形成用原料を提供するものである。
また、本発明は、上記薄膜形成用原料を気化させて得た金属化合物を含有する蒸気を基体上に導入し、これを分解及び/又は化学反応させて基体上に薄膜を形成する薄膜の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記の薄膜の製造方法を用いて基体上に製造された薄膜を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プレカーサを気化させて用いるCVD法、ALD法等の薄膜製造方法において使用する原料に好適なチタニウム、ジルコニウム等の4族金属の化合物を提供することができる。該化合物は、薄膜堆積時においては、熱及び/又は酸化による分解が容易に進行し、気化及び輸送時においては、融点が低く液体の状態で輸送が可能であり、蒸気圧が大きく気化させやすく、また、多成分の薄膜を製造する場合には、得られる薄膜の組成制御が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記一般式(I)において、R1〜R7で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチルが挙げられる。
また、Aで表される炭素数1〜4のアルカンジイル基としては、メチレン、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,1−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,2−ジイル等が挙げられる。
【0013】
また、上記一般式(I)で表される本発明の金属化合物は、立体異性体を有する場合があり、上記一般式(I)における−NR67が分子内配位して下記[化2]の化学式で表される環構造を形成する場合もあるが、これらの異性体及び配位体により区別されるものではない。以下、本発明の金属化合物については、分子内配位の無い形で代表して示す。
【0014】
【化2】

【0015】
本発明の金属化合物の中でも、CVD法やALD法による薄膜製造に用いられるプレカーサとして特に好適なのは、蒸気圧の大きい化合物である。一般に化合物の蒸気圧は主に分子量及び分子間会合に影響されるが、本発明の金属化合物は、嵩高い基を有することが特徴であるので、分子間会合の影響は小さく、分子量の影響が大きい。従って、上記一般式(I)におけるR1〜R7及びAは、分子量が小さいことが好ましく、具体的には、R1〜R7はメチル又はエチルであることが好ましく、Aはメチレンであることが好ましい。
【0016】
上記一般式(I)で表される本発明の金属化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜No.36が挙げられる。
【0017】
【化3】

【0018】
【化4】

【0019】
【化5】

【0020】
上記一般式(I)で表される本発明の金属化合物は、その製造方法により特に制限されることはなく、周知の反応を応用して製造することができ、例えば、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム等のハロゲン化金属とアルコール化合物とを、ナトリウムやナトリウムアルコキシド等の塩基の存在で反応させる方法、該ハロゲン化金属とナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド等のアルカリ金属アルコキシドとを反応させる方法、4族金属のアルコキシド(メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド、第3ブトキシド、第3ペントキシド等)を原料にしたアルコール交換反応を用いる方法等、周知の金属アルコキシドの合成方法を応用することで得ることができる。上記のアルコール交換反応を用いる方法では、例えば、(R123CO)4Mで表される三級アルコキシド及び必要量のアミノアルコールを混合し、加熱して反応させると、本発明の金属化合物を製造することができる。
【0021】
本発明の薄膜形成用原料は、前記一般式(I)で表される金属化合物を薄膜のプレカーサとして含有するものであり、その形態は、該薄膜形成用原料が適用される薄膜の製造方法(例えば、塗布熱分解法やゾルゲル法等のMOD法、ALD法、CVD法)によって、各方法に従来用いられている原料の形態に準じて適宜選択される。本発明の薄膜形成用原料は、前記一般式(I)で表される金属化合物の物性から、CVD法やALD法等のプレカーサの気化を伴う薄膜製造方法に用いる原料として特に有用である。
【0022】
本発明の薄膜形成用原料がCVD用原料又はALD用原料(以下、両者を合わせて気化プロセス用原料と記載することもある)である場合、その形態は、使用される輸送供給方法等の手法により適宜選択される。
【0023】
上記の輸送供給方法としては、気化プロセス用原料を原料容器中で加熱及び/又は減圧することにより気化させ、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に反応堆積部へと導入する気体輸送法、気化プロセス原料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて、反応堆積部へと導入する液体輸送法がある。気体輸送法の場合は、前記一般式(I)で表される金属化合物そのものが気化プロセス用原料となり、液体輸送法の場合は、前記一般式(I)で表される金属化合物そのもの又は該金属化合物を有機溶剤に溶かした溶液が気化プロセス用原料となる。
【0024】
上記の気化プロセス用原料に使用する有機溶剤としては、特に制限を受けることはなく、周知一般の有機溶剤を用いることが出来る。該有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;1−シアノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシアノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素類;ピリジン、ルチジンが挙げられ、これらは、溶質の溶解性、使用温度と沸点及び引火点との関係等により、単独で又は二種類以上の混合溶媒として用いることができる。これらの有機溶剤を使用する場合、該有機溶剤中におけるプレカーサ成分の合計量が0.01〜2.0モル/リットル、特に0.05〜1.0モル/リットルとなるようにするのが好ましい。
【0025】
また、上記の気化プロセス用原料には、必要に応じて、本発明の金属化合物に安定性を付与するため、求核性試薬を含有させてもよい。該求核性試薬としては、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエチレングリコールエーテル類、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−クラウン−8等のクラウンエーテル類、エチレンジアミン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、トリエトキシトリエチレンアミン等のポリアミン類、サイクラム、サイクレン等の環状ポリアミン類、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、オキサゾール、チアゾール、オキサチオラン等の複素環化合物類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル等のβ−ケトエステル類又はアセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、ジピバロイルメタン等のβ−ジケトン類が挙げられ、安定剤としてのこれらの求核性試薬の使用量は、プレカーサ1モルに対して0.1モル〜10モル、特に1〜4モルが好ましい。
【0026】
上記の気化プロセス用原料には、これを構成する成分以外の不純物金属元素分、不純物塩素等の不純物ハロゲン及び不純物有機分が極力含まれないようにする。不純物金属元素分は、元素毎では100ppb以下が好ましく、10ppb以下がより好ましい。総量では1ppm以下が好ましく、100ppb以下がより好ましい。不純物ハロゲン分は、総量で100ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下が最も好ましい。不純物有機分は、総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、10ppm以下が最も好ましい。また、水分は気化プロセス用原料中でのパーティクル発生やCVD法によるパーティクル発生の原因となるので、金属化合物、有機溶剤及び求核性試薬については、それぞれの水分の低減のために、使用の際に予めできる限り水分を取り除いた方がよい。金属化合物、有機溶剤及び求核性試薬それぞれにおいて、水分量は10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましい。
【0027】
また、上記の気化プロセス用原料には、製造される薄膜のパーティクル汚染を低減又は防止するために、パーティクルが極力含まれないようにするのが好ましい。具体的には、光散乱式液中粒子検出器によるパーティクル測定において、0.3μmより大きい粒子の数が液相1ml中に100個以下であることが好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に1000個以下であることがより好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に100個以下であることが更に好ましい。
【0028】
本発明の薄膜の製造方法は、前記一般式(I)で表される金属化合物を薄膜のプレカーサとして含有する薄膜形成用原料を用いるものであり、前記一般式(I)で表される金属化合物及び必要に応じて用いられる後述の他のプレカーサを気化させたプレカーサ蒸気並びに必要に応じて用いられる反応性ガスを基板上に導入し、次いで、プレカーサを基板上で分解及び/又は反応させて薄膜を基板上に成長、堆積させるCVD法によるものである。薄膜形成用原料の輸送供給方法、堆積方法、製造条件、製造装置等については、特に制限を受けるものではなく、周知一般の条件、方法等を用いることができる。
【0029】
製造する薄膜が多成分系薄膜である場合には、本発明の金属化合物に含まれる元素以外の元素を薄膜に供給する他のプレカーサを用いる。前記一般式(I)で表される本発明の金属化合物と共に用いられる他のプレカーサとしては、特に制限を受けず、周知一般のプレカーサを用いることができる。
【0030】
上記の他のプレカーサとしては、アルコール化合物、グリコール化合物、β−ジケトン化合物、シクロペンタジエン化合物及び有機アミン化合物等の有機配位子として用いられる化合物からなる群から選択される一種類又は二種類以上と、珪素や金属との化合物が挙げられる。また、他のプレカーサの金属種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の1族元素、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の2族元素、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド元素(ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム)、アクチノイド元素等の3族元素、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムの4族元素、バナジウム、ニオブ、タンタルの5族元素、クロム、モリブデン、タングステンの6族元素、マンガン、テクネチウム、レニウムの7族元素、鉄、ルテニウム、オスミウムの8族元素、コバルト、ロジウム、イリジウムの9族元素、ニッケル、パラジウム、白金の10族元素、銅、銀、金の11族元素、亜鉛、カドミウム、水銀の12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムの13族元素、ゲルマニウム、錫、鉛の14族元素、砒素、アンチモン、ビスマスの15族元素、ポロニウムの16族元素が挙げられる。
【0031】
上記の有機配位子として用いられるアルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、第3ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、第3アミルアルコール等のアルキルアルコール類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−メトキシ−1−メチルエタノール、2−メトキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−エトキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−イソプロポキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−ブトキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチルエタノール、2−プロポキシ−1,1−ジエチルエタノール、2−第2ブトキシ−1,1−ジエチルエタノール、3−メトキシ−1,1−ジメチルプロパノール等のエーテルアルコール類;1,1−ジメチルアミノエタノール、1,1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール、1−メチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール等のアルキルアミノアルコール類が挙げられる。
【0032】
上記の有機配位子として用いられるグリコール化合物としては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,4−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。
【0033】
上記の有機配位子として用いられるβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、2−メチルヘプタン−3,5−ジオン、5−メチルヘプタン−2,4−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,2−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6−トリメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、2,2,6−トリメチルオクタン−3,5−ジオン、2,6−ジメチルオクタン−3,5−ジオン、2,9−ジメチルノナン−4,6−ジオン2−メチル−6−エチルデカン−3,5−ジオン、2,2−ジメチル−6−エチルデカン−3,5−ジオン等のアルキル置換β−ジケトン類;1,1,1−トリフルオロペンタン−2,4−ジオン、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチルヘキサン−2,4−ジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロペンタン−2,4−ジオン、1,3−ジパーフルオロヘキシルプロパン−1,3−ジオン等のフッ素置換アルキルβ−ジケトン類;1,1,5,5−テトラメチル−1−メトキシヘキサン−2,4−ジオン、2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチル−1−(2−メトキシエトキシ)ヘプタン−3,5−ジオン等のエーテル置換β−ジケトン類が挙げられる。
【0034】
上記の有機配位子として用いられるシクロペンタジエン化合物としては、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、第2ブチルシクロペンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン、第3ブチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、テトラメチルシクロペンタジエン等が挙げられる。
【0035】
上記の有機配位子として用いられる有機アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、第2ブチルアミン、第3ブチルアミン、イソブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、イソプロピルメチルアミン、ビス(トリメチルシリル)アミン等が挙げられる。
【0036】
例えば、本発明の金属化合物と併用することができるアルミニウムプレカーサとしては、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0037】
【化6】

【0038】
上記の[化6]の化学式におけるLで表される配位性複素環状化合物としては、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−クラウン−8等のクラウンエーテル類;サイクラム、サイクレン等の環状ポリアミン類;ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、オキサゾール、チアゾール、オキサチオラン等が挙げられる。
【0039】
ビスマスプレカーサとしては、例えば、トリフェニルビスマス、トリ(o−メチルフェニル)ビスマス、トリ(m−メチルフェニル)ビスマス、トリ(p−メチルフェニル)ビスマス等のトリアリールビスマス化合物;トリメチルビスマス等のトリアルキルビスマス化合物;トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)ビスマス等のβ−ジケトン系錯体;トリス(シクロペンタジエニル)ビスマス、トリス(メチルシクロペンタジエニル)ビスマス等のシクロペンタジエニル錯体;トリス(第3ブトキシ)ビスマス、トリス(第3アミロキシ)ビスマス、トリス(エトキシ)ビスマス等の低分子アルコールとのアルコキシド、下記一般式で表されるアルコキシド化合物等が挙げられる。
【0040】
【化7】

【0041】
希土類プレカーサとしては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0042】
【化8】

【0043】
上記の希土類プレカーサにおいて、M2で表される希土類原子としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムが挙げられる。
【0044】
鉛プレカーサとしては、例えば、ビス(アセチルアセトナト)鉛、ビス(ヘキサン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(5−メチルヘキサン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(ヘプタン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(ヘプタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2−メチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(5−メチルヘプタン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(6−メチルヘプタン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(2,2−ジメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2,2,6−トリメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(オクタン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(2,2,6−トリメチルオクタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2,6−ジメチルオクタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2,2,6,6−テトラメチルオクタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(3−メチルオクタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2,7−ジメチルオクタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(5−エチルノナン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(2−メチル−6−エチルデカン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(6−エチル−2,2−ジメチルデカン−3,5−ジオナト)鉛等のアルキル置換β−ジケトネート類、ビス(1,1,1−トリフルオロペンタン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチルヘキサン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロペンタン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(1,3−ジパーフルオロヘキシルプロパン−1,3−ジオナト)鉛等のフッ素置換アルキルβ−ジケトネート類、ビス(1,1,5,5−テトラメチル−1−メトキシヘキサン−2,4−ジオナト)鉛、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシヘプタン−3,5−ジオナト)鉛、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(2−メトキシエトキシ)ヘプタン−3,5−ジオナト)鉛等のエーテル置換β−ジケトネート類、ビス(第3ブトキシ)鉛、ビス(第3アミロキシ)鉛、ビス(1,1−ジメチルアミノエトキシ)鉛、ビス(1,1−ジメチルアミノ−2−プロポキシ)鉛、ビス(1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロポキシ)鉛、ビス(1−メチルアミノ−2−メチル−2−プロポキシ)鉛等のアルコキシド類が挙げられる。
【0045】
また、本発明の薄膜の製造方法において必要に応じて用いられる上記反応性ガスとしては、例えば、酸化性のものとしては酸素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、水蒸気、過酸化水素、ギ酸、酢酸、無水酢酸等が挙げられ、還元性のものとしては水素が挙げられ、また、窒化物を製造するものとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アルキレンジアミン等の有機アミン化合物、ヒドラジン、アンモニア、窒素等が挙げられる。
【0046】
また、本発明の薄膜の製造方法における上記の輸送供給方法としては、前記の気体輸送法、液体輸送法が挙げられる。
【0047】
また、本発明の薄膜の製造方法における上記の堆積方法としては、原料ガス、又は原料ガス及び反応性ガスを熱のみにより反応させ薄膜を堆積させる熱CVD、熱及びプラズマを使用するプラズマCVD、熱と光を使用する光CVD、熱、光及びプラズマを使用する光プラズマCVD、CVDの堆積反応を素過程に分け、分子レベルで段階的に堆積を行うALDが挙げられる。ALDの場合もCVD同様に、熱、光、プラズマ等のエネルギーを付加してもよい。
【0048】
また、上記の製造条件としては、反応温度(基板温度)、反応圧力、堆積速度等が挙げられる。反応温度については、前記一般式(I)で表される本発明の金属化合物が充分に反応する温度である150℃以上が好ましく、250℃〜800℃がより好ましい。また、反応圧力は、大気圧〜10Paが好ましく、プラズマを使用する場合は、10Pa〜2000Paが好ましい。また、堆積速度は、原料の供給条件(気化温度、気化圧力)、反応温度、反応圧力によりコントロールすることが出来る。堆積速度は、大きいと得られる薄膜の特性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じる場合があるので、0.5〜5000nm/分が好ましく、1〜1000nm/分がより好ましい。また、ALDの場合は、所望の膜厚が得られるようにサイクルの回数でコントロールされる。
【0049】
また、本発明の薄膜の製造方法においては、薄膜堆積の後に、より良好な電気特性を得るために、不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下でアニール処理を行ってもよく、段差埋め込みが必要な場合には、リフロー工程を設けてもよい。この場合の温度は、通常400〜1200℃であり、500〜800℃が好ましい。
【0050】
本発明の薄膜形成用原料を用いた本発明の薄膜の製造方法により製造される薄膜は、他の成分のプレカーサ、反応性ガス及び製造条件を適宜選択することにより、酸化物セラミックス、窒化物セラミックス、ガラス等の所望の種類の薄膜とすることができる。製造される薄膜の組成としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化チタン、酸化窒化ジルコニウム、酸化窒化ハフニウム、ビスマス−チタニウム複合酸化物、ビスマス−希土類元素−チタニウム複合酸化物、珪素−チタニウム複合酸化物、珪素−チタニウム複合酸化窒化物、珪素−ジルコニウム複合酸化物、珪素−ジルコニウム複合酸化窒化物、珪素−ハフニウム複合酸化物、珪素−ハフニウム複合酸化窒化物、ハフニウム−アルミニウム複合酸化物、ハフニウム−希土類元素複合酸化物、珪素−ビスマス−チタニウム複合酸化物、珪素−ハフニウム−アルミニウム複合酸化物、珪素−ハフニウム−希土類元素複合酸化物、チタニウム−ジルコニウム−鉛複合酸化物、チタニウム−鉛複合酸化物、ストロンチウム−チタニウム複合酸化物、バリウム−チタニウム複合酸化物、バリウム−ストロンチウム−チタニウム複合酸化物、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムが挙げられ、これらの薄膜の用途としては、例えば、高誘電キャパシタ膜、ゲート絶縁膜、ゲート膜、強誘電キャパシタ膜、コンデンサ膜、バリア膜等の電子部品部材、光ファイバ、光導波路、光増幅器、光スイッチ等の光学ガラス部材が挙げられる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例、評価例及び比較例をもって、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
【0052】
[実施例1]化合物No.5の製造
乾燥アルゴンガス雰囲気下で、反応フラスコにテトラキス(第3ブトキシ)チタニウム70.0g、1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール49.6g及びヘキサン200mlを仕込み、70℃で4時間反応させた。反応液を0.2μmのフィルターでろ過した後、減圧留去により35〜45Pa、塔頂温度109〜111℃のフラクションから無色液体を収率57.6%で得た。これについて更に減圧蒸留により精製を行い、回収率94%で無色透明液体を得た。得られた無色透明液体は、目的物である化合物No.5であることが確認された。得られた無色透明液体の分析結果を以下に示す。
【0053】
(1) 元素分析(金属分析:ICP−AES、CHN元素分析)
Ti;10.8質量%(理論値11.2質量%)、C;56.7質量%(理論値56.3質量%)、H;11.5質量%(理論値10.9質量%)、N;6.9質量%(理論値6.6質量%)
(2) 1H−NMR(溶媒:重ベンゼン)
図1にチャートを示す。
(3) TG−DTA(Ar100ml/min、昇温速度10℃/min、サンプル量8.54mg)
50質量%減少温度;184℃
【0054】
[実施例2]化合物No.17の製造
乾燥アルゴンガス雰囲気下で、反応フラスコにテトラキス(第3ブトキシ)ジルコニウム60.0g、1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール36.5g及びヘキサン100mlを仕込み、70℃で4時間反応させた。反応液を0.2μmのフィルターでろ過した後、減圧留去により35〜45Pa、塔頂温度109〜111℃のフラクションから白色固体を収率55.8%で得た。これについて更に昇華精製により精製を行い、回収率91%で白色固体を得た。得られた白色固体は、目的物である化合物No.17であることが確認された。得られた白色固体の分析結果を以下に示す。
【0055】
(1) 元素分析(金属分析:ICP−AES、CHN元素分析)
Zr;20.1質量%(理論値19.4質量%)、C;52.7質量%(理論値51.3質量%)、H;10.2質量%(理論値9.9質量%)、N;6.3質量%(理論値6.0質量%)
(2) 1H−NMR(溶媒:重ベンゼン)
図2にチャートを示す。
(3) TG−DTA(Ar100ml/min、昇温速度10℃/min、サンプル量4.718mg)
50質量%減少温度;164℃
【0056】
[評価例1]
上記実施例2により得られた化合物No.17及び類似金属化合物である下記比較化合物1について、気化プロセス用原料としての評価を行った。評価は、0.3torrの蒸気圧を示す温度、融点及び酸化分解温度の測定により行った。
0.3torrの蒸気圧を示す温度の測定は、系を一定の0.3torrに固定して液面付近の蒸気温度を測定する方法により行った。融点の測定は、目視により行った。酸化分解温度の測定は、30℃から10℃/分の昇温速度、乾燥酸素(100ml/分)気流下の測定条件による示差熱分析(TG−DTA)を行い、DTAから最初に現れる発熱ピークの頂点を読み取ることにより行った。
これらの結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
【化9】

【0059】
上記の結果より、本発明の金属化合物である化合物No.17は、比較化合物1と比較して蒸気圧が大きく、融点が低いことから、気化プロセス原料として優位であることが確認できた。また、本発明の金属化合物である化合物No.17は、酸化分解温度が低いことから、金属酸化物系薄膜の用途に適することが確認できた。
【0060】
[評価例2]
上記実施例1により得られた化合物No.5について、上記評価例1と同様の方法により、0.3torrの蒸気圧を示す温度の測定、及び30℃から10℃/分の昇温速度、乾燥酸素(100ml/分)気流下の測定条件による示差熱分析(TG−DTA)による酸化分解温度測定を行った。これらの結果を表2に示す。
【0061】
【表2】

【0062】
[実施例3]
上記実施例1で得た化合物No.5、上記実施例2で得た化合物No.17、及びビス[1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロポキシ]鉛それぞれを、0.1モル/リットルのエチルシクロヘキサン溶液とし、これらの溶液を薄膜形成用原料として、図3に示すCVD装置により、以下の条件で6インチのシリコンウエハ上にチタニウム−ジルコニウム−鉛複合酸化物薄膜を製造した。得られた複合酸化物薄膜について、蛍光X線を用いて面内組成分布(元素数比率)を5点分析した。結果を表3に示す。尚、表3において、5つの測定点は、ウェハ面を1cm2角のセルに分割し、ウェハ中心を原点としたセル単位で進数する直交座標系(x,y)で表す。
(条件)
反応温度(基板温度):430℃、反応圧力:1300Pa、反応性ガス:酸素;300ml/分、キャリアガス:Ar;200ml/分、原料流量:ビス[1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロポキシ]鉛溶液;500mg/分、化合物No.5の溶液;250mg/分、化合物No.17の溶液;250mg/分、反応時間:10分、堆積後のアニール条件:酸素流量300ml/分中で550℃にて5分
【0063】
[比較例1]
下記に示す比較化合物2、前記比較化合物1、及びビス[1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロポキシ]鉛それぞれを、0.1モル/リットルのエチルシクロヘキサン溶液とし、これらの溶液を薄膜形成用原料として、図3に示すCVD装置により、以下の条件で6インチのシリコンウエハ上にチタニウム−ジルコニウム−鉛複合酸化物薄膜を製造した。得られた複合酸化物薄膜について、実施例3と同様の方法で面内組成分布を分析した。結果を表3に示す。
(条件)
反応温度(基板温度):430℃、反応圧力:1300Pa、反応性ガス:酸素;300ml/分、キャリアガス:Ar;200ml/分、原料流量:ビス[1,1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロポキシ]鉛溶液;500mg/分、比較化合物2の溶液;250mg/分、比較化合物1の溶液;250ml/分、反応時間:10分、堆積後のアニール条件:酸素流量550ml/分中で500℃にて5分
【0064】
【化10】

【0065】
【表3】

【0066】
上記の結果から明らかなように、本発明の金属化合物を薄膜形成用原料のプレカーサとして用いたCVD法により得られた薄膜は、測定位置による組成のばらつきが非常に小さい。このことは、本発明の金属化合物が特異的に優れた組成制御性を与えることを示している。これは、本発明の金属化合物と他のプレカーサとの反応によって、不揮発性の化合物や難分解性の化合物等の薄膜形成に影響を及ぼす副生成物が発生しないためと考察している。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、実施例1において得られた本発明の金属化合物(化合物No.5)の1H−NMRチャートである。
【図2】図2は、実施例2において得られた本発明の金属化合物(化合物No.17)の1H−NMRチャートである。
【図3】図3は、本発明の薄膜の製造方法に用いられるCVD装置の一例を示す概要図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される金属化合物。
【化1】

【請求項2】
上記一般式(I)において、R1〜R7がメチル又はエチルである請求項1に記載の金属化合物。
【請求項3】
上記一般式(I)において、Aがメチレンである請求項1又は2に記載の金属化合物。
【請求項4】
上記一般式(I)において、Mがチタニウムである請求項1〜3のいずれかに記載の金属化合物。
【請求項5】
上記一般式(I)において、Mがジルコニウムである請求項1〜3のいずれかに記載の金属化合物。
【請求項6】
上記一般式(I)において、mが2である請求項1〜5のいずれかに記載の金属化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の金属化合物を含有してなる薄膜形成用原料。
【請求項8】
請求項7に記載の薄膜形成用原料を気化させて得た金属化合物を含有する蒸気を基体上に導入し、これを分解及び/又は化学反応させて基体上に薄膜を形成する薄膜の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の薄膜の製造方法を用いて基体上に製造された薄膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−312600(P2006−312600A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135704(P2005−135704)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】