説明

金属粉体の凝集体を製造する方法及びこの凝集体を組み込んだ物品

本発明は、粉体化金属の硬質で結合剤がない凝集体を作るプロセスを開示する。凝集体は、低いタップ密度を有する。また、電気化学的に活性な粉体で作られた結合剤がない凝集体を含む物品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、金属粉体の凝集体を製造するプロセスに関する。詳細には、本発明は、硬質かつ多孔質で結合剤のない金属粉体の凝集体を製造するプロセスに関する。また、本発明は、硬質かつ多孔質で結合剤のない凝集粉を含有するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
金属微紛は、所望の化学反応を可能にするために多様なデバイスで使用されている。例えば、触媒は、内燃機関によって動力が供給される車両の触媒コンバートに組み込まれている。触媒は、潜在的に有害なガスを環境上許容できる気体又は液体に変換することを助長する。他の例において、金属粉は、水素等の気体を固体マトリクスに貯蔵して、圧縮ガスとして水素を貯蔵及び輸送することに関連する危険性を最小限にするために使用されている。また、金属微紛は、電池及び燃料セルに使用されている。充電式電池及び非充電式電池を含む市販の電池は、懐中電灯、カメラ、テープレコーダ等の携帯型装置に電力を供給するために使用されている。充電式電池を製造するために使用される1つの化学システムは、一方の電極に微細に分割された金属水素化物を組み込んでいる。一次電池としても知られている一般に非充電式電池を製造するために使用される他の化学システムはアルカリ電解質を使用しており、二酸化マンガンが活性カソード材として、亜鉛が活性アノード材として使用される。亜鉛は、通常、ゲルの一部として電池の中央部に配置される。亜鉛を電池に組み込む前に、亜鉛は、粒子の大部分が25ミクロンから500ミクロンの範囲である所定量の亜鉛粉体を得ることができるように粉砕される。個々の粒子は、亜鉛粒子が電池で凝固しないようにアノードゲル内に懸濁されている。
【0003】
電池製造業者の長期的な目標の1つは、長時間にわたって装置に電力を供給できる電池を製造することである。電池の性能を向上させるニーズは、大電流を必要とする装置では特に深刻である。特開昭57−182972号に開示されているように、粒子サイズ25ミクロン又はそれ未満の粒子として5重量%から30重量%の亜鉛を組み込むことによって、電池の大放電特性を向上させることができる。残念ながら、25ミクロン又はそれ未満の粒子の割合が高くなると、アノードの粘度は、高速製造マシンでは処理できないほど大きくなる場合がある。この問題を解決する1つの方法は、亜鉛粒子の全てを処理して単一の多孔体にすることである。例えば、米国特許第2,480,839号には、亜鉛粒子を中空円筒として成形された凝集体に凝集するために十分に加圧して圧縮した亜鉛粉体又は粒子で作られたアノードが開示されている。他の例では、米国特許第3,645,793号には、亜鉛粉体を弱酸で洗浄した後に亜鉛を加圧して多孔質構造体を形成する方法が開示されている。これらの特許は、電気化学セルの電極での使用に適する凝集構造体の製造に関するものである。全ての粒子は、圧縮成形プロセスが施されて圧縮成形電極の一部になる。従って、これらのプロセスは、同じ電極に、凝集された電気化学的に活性な粒子及び非凝集の電気化学的に活性な粒子の両方を組み込む電極の製造に適切ではない。
【0004】
微細に分割された金属粉体を処理する他の方法には、凝集剤を利用して凝集体を形成する段階が含まれる。凝集剤は、粒子を相互に固定して凝集体の形成を可能にする接着剤として作用する結合剤とすることができる。もしくは、凝集剤は、凝集体の形成を助長するが、その後に凝集体から除去されて凝集体内に孔を形成する孔形成剤とすることができる。残念ながら、凝集剤の使用は、凝集粉の性能に悪影響を与える場合がある。例えば、電池がポリビニルアルコール(PVA)等の有機結合剤を組み込む電気化学的に活性な材料から成る凝集体を使用する電極を含む場合、粒子は実質的に非導電PVAで被覆される。被覆によって、被覆凝集粒子を含む電極の内部抵抗が大きくなる。電極の内部抵抗が大きくなると電池の作動時間は短くなる。更に、結合剤のコスト並びに結合剤によって占有される空間容積に関連する種々の潜在的な問題がある。結合剤のための空間容積が大きくなると結合剤のための空間を作るために電気化学的に活性な材料の分量を少なくする必要がある。活性材の分量が少なくなるとセルの作動時間が短くなる。
【0005】
従って、凝集粒子の性能を損なわない小粒で硬質の結合剤のない凝集体を製造するプロセスに対するニーズがある。このプロセスは、凝集体の製造を可能にする上で結合剤又は孔形成剤等の添加剤の使用を必要としてはならない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロセスは、流動性を有する混合物を製造するために非凝集粒子と混ぜ合わせるのに適する大きさの硬質で結合剤がない凝集体を製造するプロセスである。
【0007】
1つの実施形態において、本発明は、粉砕状態の電気化学的に活性な材料を準備し、その後、実質的に電気化学的に活性な材料から成る硬質で結合剤がない凝集体を形成する段階を含むプロセスである。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、実質的に電気化学的に活性な材料から成る硬質で結合剤がない凝集体を組み込んだ電極を含む電気化学セルである。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、硬質で結合剤がない凝集体を組み込んだ水素貯蔵容器である。
【0010】
【特許文献1】特開昭57−182972号公報
【特許文献2】米国特許第2,480,839号公報
【特許文献3】米国特許第3,645,793号公報
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書で使用する場合の以下の用語及び語句を定義する。
「硬質で結合剤がない凝集体」という語句は、結合剤を使用することなくしっかりと相互に結合されている粒子の集合体を意味する。従って、硬質で結合剤がない凝集体において、各々の粒子は少なくとも1つの他の粒子と物理的に固定されている。相互に密接してはいるが物理的結合で結び付けられていない粒子は、硬質で結合剤がない凝集体を形成しないとみなす。
【0012】
「凝集粒子」という用語は、凝集体を形成する2つ以上の粒子を意味する。
【0013】
「非凝集粒子」という用語は、物理的に相互に結び付けられていない2つ以上の粒子を意味する。
【0014】
ここで特に図1を参照すると、必須の段階及び随意的な段階の両方を含む各プロセス段階が示されている。段階10では、粉砕状態の所定量の電気化学的に活性な材料を準備する。好適な実施形態において、活性材は、溶融亜鉛の空気噴霧又は遠心噴霧によって生成された亜鉛粉体である。亜鉛粒子の大部分は、一般に25ミクロンから500ミクロンの範囲にある。段階12において、粉砕粉体の処理に続く前に、サイズ、形状、又は任意の他の特性に基づいて粒子を選別することができる。段階14において、粉砕粉体は、実質的に電気化学的に活性な材料から成る多孔質かつ硬質で結合剤がない凝集体に形成される。電気化学的に活性な材料は、硬質で結合剤がない凝集体の100重量%を占めることが好ましい。しかしながら、商業レベルの製造プロセスにおける不純物の存在のために、製造プロセス時に、硬質で結合剤がない凝集体の一部に微量の異物が不意に混入する場合がある。汚染物質が硬質凝集体中で占める割合は、1重量%未満であることが好ましい。汚染物質が硬質凝集体中で占める割合は、0.1重量%未満であることが更に好ましい。汚染物質が硬質凝集体中で占める割合は、0.01重量%未満であることが最も好ましい。
【0015】
段階14で形成される硬質で結合剤がない凝集体は、圧縮成形プロセス、直接融合プロセス、又は誘導加熱プロセス等の製造プロセスにおけるプロセスパラメータを調整することによって所望の密度及びサイズに作ることができる。しかしながら、硬質凝集体が所望のサイズよりも大きい場合、段階16に示すように、粒状化して硬質凝集体のサイズを小さくすることができる。粒状化は、例えば、元の硬質凝集体をより小さな硬質凝集体に粉砕するブレード及び/又はビーターバーを内蔵した機械で行うことができる。所望であれば、次に、段階18に示すように、粉砕硬質凝集体を選別して所望サイズの硬質凝集体を生成することができる。選別は、凝集体をふるいにかけることで実現できる。また、段階20に示すように、凝集体は焼鈍することができる。
【0016】
本発明のプロセスにおいて有用な電気化学的に活性な材料は、亜鉛、又はインジウム、ビスマス、マグネシウム、又は鉛の1つ又はそれ以上の元素を組み込んだ亜鉛合金である。適切な亜鉛合金は、100ppmのビスマス、200ppmのインジウム、100ppmのアルミニウムを含有する。電気化学セルで使用するのに適する粉砕亜鉛合金は、Umicore社(ベルギー)、Noranda社(カナダ)、Big River Znic社(米国)、及びMitsui社(日本)から入手できる。粒子は、米国特許第6,022,639号に開示されているフレーク形状、米国特許第4,606,869号に開示されている球形粒子、WO98/50,969に開示されている種々の他の形状、又は不規則な形状とすることができる。
【0017】
図1の段階12に示すように、多孔質かつ硬質で結合剤がない凝集体を形成する前に、粉砕活性材を処理して所望のサイズ範囲に粒子を分離することができる。200メッシュスクリーン等の単一のメッシュスクリーンを使用する選別プロセスは、粒子を選別するための適切なプロセスである。もしくは、2つのメッシュスクリーンによる選別プロセスを用いることもできる。例えば、40メッシュスクリーンは通過するが325メッシュスクリーンは通過しない粒子のみを選別することによって粉砕活性材を処理できる。硬質凝集体の多孔率は、所定範囲の粒子の選別による影響を受ける可能性がある。粒子サイズの好適な範囲は、25ミクロンから70ミクロンである。粒子サイズの更に好適な範囲は、25ミクロンから50ミクロンである。
【0018】
粉砕された電気化学的に活性な材料から硬質で結合剤がない凝集体を形成する段階は、様々な製造プロセスを用いて実現できる。好適な実施形態において、凝集体を形成する段階は圧縮成形プロセスを利用する。粉砕材料を硬質で結合剤がない凝集体に形成するための適切な手段としてはロール圧縮成形機又は高圧押出機を挙げることができる。圧力に依存して粒子から凝集体を形成することに加え、種々の形態のエネルギーを圧力と併用して粒子を凝集させることができる。例えば、圧力の使用に加えて、粒子の一部を超音波溶着機に接触させて粒子の一部を隣接粒子に対して振動させることによって相互に直接的に融合させることができる。振動により、粒子を相互に局所的に溶着させるのに十分な熱が発生する。超音波溶着機の代わりに誘導加熱を用いて、粒子を直接的に融合することができる。
【0019】
図1の段階12に示すように、電気化学的に活性な材料の凝集体は焼鈍することができる。焼鈍は、凝集体を生成するために使用するプロセス時に、凝集体を該凝集体内に生じた応力を除去するのに十分な温度まで加熱することによって実現する。亜鉛等の多くの粉砕金属粉体については、100℃を超えるが亜鉛の融点をはるかに下回る温度まで凝集亜鉛を加熱する必要がある。凝集体の温度は200℃を超えないことが好ましい。
【0020】
図3を参照すると、粒子の圧縮成形による凝集体の形成は、所定量の粉砕粒子をロール圧縮成形機30の対向するロール間の隙間に供給することによって実現できる。圧縮成形機30は、粉体貯蔵ホッパ32、水平スクリューである第1のスクリューコンベア34、垂直スクリューである第2のスクリューコンベア36、第1のローラ38、及び第2のローラ40を含む。第1のローラ38は、矢印aで示すように右回転するが、第2のローラ40は、矢印Bで示すように左回転する。ローラ38及びローラ40は、硬化鋼製とすることができる。ローラ38とローラ40との間の隙間(図示せず)は、所望の多孔率をもつ凝集体を形成するために調整できる変数の1つである。ローラ38及びローラ40の表面は、ローラと粉砕材料との間の摩擦係数を大きくするように変更することができる。好適な実施形態において、両ローラの表面は、ローラと亜鉛粒子との間の摩擦係数を大きくするためにセラミック層が被覆される。もしくは、ローラの表面は、粉砕材料とかみ合って強制的にローラ間の隙間を通過させる性能を高めるためにサンドブラストを施すことができる。
【0021】
ローラ圧縮成形機30の下にはスクリーン46を含む造粒機42が配置されている。ホッパ内の粉砕粉体48がローラ38とローラ40との間の隙間に供給されてその隙間を通過する際に、粉体は、約50mmの高さ及び約14mmの直径の寸法の円筒形AAアルカリ電気化学セルの電極に使用するには長すぎる薄い凝集ストリップ50に形成される。ストリップ50は、ペレットを小さな硬質凝集体に粉砕するビーターバー組立体44と衝突する。ふるい分けスクリーン46の開口によって、粉砕された硬質凝集体の一部は、スクリーンを通過し受け容器54に蓄積される。所望であれば、蓄積された凝集体は、所望サイズ範囲の硬質で結合剤がない凝集体が得られるまで、追加的な造粒選別機械によって処理することができる。硬質で結合剤がない凝集体は、40メッシュスクリーンを通過することが好ましい。所望であれば、325メッシュスクリーンを通過する凝集体を取り除くことができる。
【0022】
凝集体のサイズに加えて、硬質で結合剤がない凝集体のタップ密度は、電気化学セルで使用するのに適する凝集体を特定するのに利用できる特性の1つである。凝集体のタップ密度は2.95g/cc未満であることが好ましい。凝集体のタップ密度は2.85g/cc未満であることが更に好ましい。凝集体のタップ密度は2.60g/cc未満であることが更に一層好ましい。凝集体のタップ密度は2.40g/cc未満であることが最も好ましい。タップ密度は、以下のプロセスを用いて測定される。第1に、50gの結合剤がない亜鉛凝集体を50mgの目盛り付きシリンダに入れる。第2に、亜鉛凝集体が入った目盛り付きシリンダを米国フロリダ州ボイントンビーチのQuanta Chrome社製のタップ密度分析器のモデルAT−2「オートタップ」等のタップ密度分析器の上に固定する。第3に、タップ密度分析器を520回だけタッピングするように設定する。第4に、タップ密度分析器を作動させて、目盛り付きシリンダを垂直方向に520回だけ素早く変位させることによって目盛り付きシリンダをタッピングする。第5に、目盛り付きシリンダ内の凝集亜鉛の最終容積を読み取る。第6に、凝集体の重さをタッピング後に凝集体が占める容積で除算して凝集体のタップ密度を求める。
【0023】
硬質で結合剤がない凝集体を形成するために行う電気化学的に活性な材料の圧縮成形は、所定量の凝集体を素早くかつ安価に生成できるので好適な製造プロセスである。凝集亜鉛粒子の走査電子顕微鏡写真(SEM)を図7に示す。この凝集体は、製造プロセス時に追加的なエネルギー入力を利用しないロール圧縮成形法を用いて製造したものであった。圧縮成形にもかかわらず、亜鉛の個々の粒子は、容易に区別可能な凝集体の構成要素である。凝集体は、電気化学セルの電解質等の液体を凝集体内に貯蔵できる高多孔率の構造体である。凝集体は、結合剤又は孔形成財を使用しないで形成したものである。従って、粒子表面は、被覆処理されておらず、粒子間の空隙には亜鉛粒子の電気化学的性能を妨げるような結合剤が埋め込まれていない。
【0024】
また、本明細書では直接融合プロセスと呼ぶ別のプロセスを用いて、硬質で結合剤がない凝集体を製造することができる。1つの融合プロセスは、超音波エネルギーを用いて、所望のタップ密度及びサイズの硬質で結合剤がない凝集体が得られるまで、電気化学的に活性な材料の粒子を相互に融合させる。超音波エネルギーを用いて形成された亜鉛凝集体のSEMを図8に示す。この凝集体は、結合剤又は他の凝集剤を使用することなく形成されたものである。個々の粒子のサイズ及び形状は、超音波エネルギーを用いて個々の粒子を相互に融合させても変わらない。凝集体は、凝集体の孔内に液体を閉じ込めて保持することができる高多孔率の構造体である。
【0025】
圧縮成形及び超音波エネルギーの両方を用いて形成された亜鉛粒子のSEMを図9に示す。亜鉛の個々の粒子は、圧縮成形プロセス時に圧縮されることによって粒子間の大部分の空隙が取り除かれる。
【0026】
ここで図2を参照すると、電気化学セルの断面図が示されている。セルの構成部品は、セルの外側から、容器60、容器60の内面近傍に配置された第1の電極62、第1の電極62の内面66に接触する分離板64、分離板64と容器60に固定された密閉部材70から形成される空洞内に配置された第2の電極68である。容器60は、開放端72、閉鎖端74、及びその間の側壁76を有する。閉鎖端74、側壁76、及び密閉部材70は、セルの電極及び電解質が収容される容積部を形成する。37重量%の水酸化カリウム水溶液等の所定量の電解質は、第1の電極62、第2の電極68、及び分離板64と接触した状態で収容されている。
【0027】
第1の電極62は、電気化学的に活性な材料として二酸化マンガン、及び黒鉛等の導電構成部品を含む。テフロン(登録商標)及びポリエチレン等の添加剤は、二酸化マンガン及び黒鉛から成る流動性のある乾式混合物に添加することができる。混合物は、容器60の内面78に接触して成形されるので円柱体が形成される。分離板64は、第1の電極62によって形成された円柱体に挿入されるので、第1の電極62の内面に不導電性のイオン透過可能な層をもたらす。
【0028】
第2の電極68は、亜鉛粒子、ゲル化剤、及び塩基水溶性アルカリ電解質等の電気化学的に活性の成分を含有する。適切なゲル化剤は、米国オハイオ州クリーブランドのNoveon社から入手できるCarbopol940(登録商標)等の架橋ポリアクリル酸である。カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド(polyacrylanide)、ポリアクリル酸ナトリウムは、アルカリ電解質溶液で使用するのに適するゲル化剤の他の例である。塩基水溶性アルカリ電解質としては、36重量%水酸化カリウム、3重量%酸化亜鉛、0.3重量%珪酸ナトリウムがある。溶液の残部は水である。0.1N水酸化カリウムの塩基水溶性アルカリ溶液は、第2の電極の製造プロセスに組み込まれる。有機及び/又は無機防錆剤等の他の添加剤は、第2の電極に含有されることができる。水酸化インジウムは、適切な無機防錆剤の一例である。第2の電極の成分は流動性のあるゲルを成すように調整できる。亜鉛粒子は、典型的に、本明細書ではアノードと呼ぶ第2の電極の63重量%から72重量%を占める。
【0029】
密閉部材70は、容器60の開放端に固定され、セル内の電気化学的に活性な成分を密封する。密閉部材は、シール部材80及び集電子82を含む。他の実施形態において、シール体は、リング上のガスケットとすることができる。シール部材は通気孔を含み、セルの内圧が過大になった場合にシール部材が裂けることを可能にする。シール部材は、ナイロン6.6、又は、集電子が第1の電極の集電子の機能を果たす容器から電気的に絶縁されるという条件で金属等の他の材料で作ることができる。集電子82は真鍮製の細長い釘形の構成部品である。集電子は、シール部材中央の孔に挿通される。
【0030】
本発明のプロセスがもたらす利点を示すために、従来の亜鉛粉体を以下の説明に基づいて処理して電気化学セルを製造するために使用した。次に、セルは、サービス試験で放電させてセルの作動時間を求めることによって特徴付けた。また、代表セルの内部抵抗を測定した。図4及び図5に示すデータは、セルのアノードに硬質で結合剤がない亜鉛凝集体を用いて作られたセルが、硬質で結合剤がない凝集体を含有しない同量の電気化学的に活性な材料を有する比較され得る対照セルよりも低い内部抵抗をもつことを証明している。更に、図6に示すように、硬質で結合剤がない亜鉛凝集体を備えるセルの作動時間は、硬質で結合剤がない亜鉛凝集体を含有しない同量の電気化学的に活性な材料を有するセルよりも実質的に長かった。
【0031】
1つの試験においては、本発明のセルのアノードを以下のように調製した。まず、特定の形態の所定量の亜鉛合金を準備した。この亜鉛合金は、100ppmのビスマス、200ppmのインジウム、100ppmのアルミニウムを含むものであった。複数の開口を有するメッシュスクリーン上に粒子を配置した後に、開口より小さい粒子はスクリーンを通過するが開口よりも大きい粒子はスクリーンを通過しないようにスクリーン全体にわたって粒子を振動させることによって亜鉛粉体をふるい分けした。スクリーンは、各々の開口がスクリーンの他の全ての開口と同じ寸法をもつように構成された70ミクロンより小さくかつ25ミクロンよりも大きい粒子が粉体の第1の部分として収集されるように亜鉛粉体をふるい分けした。70ミクロンよりも大きな粒子は、粉体の第2の部分として収集された。図3に示すように、粉体の第1の部分のみをロール圧縮成形機及び造粒機に通した。適切なロール圧縮成形機及び造粒機は、米国イリノイ州エルムハーストのFitzpatrick Company社から入手できる。この試験において、圧縮成形機のローラは、316ステンレス鋼であり、32−62RAのセラミック被覆を塗布する前にロール表面仕上げが行われた。セラミック被覆は、厚さ0.13mmから0.18mm、硬度72RockwellCであった。ローラの速度は3回転/分であった。ロール圧力は2,260ポンド/リニアインチであった。水平スクリューの速度は16RPM、垂直スクリューの速度は175RPMであった。ローラ間の隙間は0.254mmに設定した。
【0032】
粉砕粒子は、ロール圧縮成形機を通過した後、凝集粒子のストリップに形成され、ストリップは、造粒機に供給され、造粒機は、ストリップを微細粒の粉砕凝集粒子に粉砕する。造粒機の回転速度は1000RPMであった。造粒機のスクリーンの開口は1.27mmであった。次に、造粒機のスクリーンを通過する凝集体は40メッシュ米国規格スクリーンを用いて選別された。40メッシュスクリーンの開口によって、420ミクロンよりも小さい凝集体のみがスクリーンを通過する。この選別プロセスによって、40メッシュスクリーンを通過する凝集体の第1の配分、及び40メッシュスクリーンを通過しない凝集体の第2の配分が生成される。第1の配分の硬質で結合剤がない凝集体は2.83g/ccのタップ密度を有し、凝集体の大きさは150ミクロンと300ミクロンとの間であった。次に、以下のアノード混合物を凝集体の第1の配分のみで調製した。アノード構成成分の量は重量%単位である。










【0033】
次に、AAサイズの電池を各々のアノード混合物で作った。全5個のロットにおいて、アノード混合物以外の全てのセル構成部品は同一であった。
【0034】
図6は、以下の試験形態に基づいて放電させた全5個のロットから得たセルの作動時間を示す。各々のセルは、個々に60秒間1アンペアの割合でセルを放電させ、次に、後続のパルスが始まる前に5秒間休止させることによって「パルス」試験が行なわれた。各々の「60秒間オン/5秒間オフ」というサイクルを1サイクルとして数えた。この試験は、セルの閉回路電圧が0.9ボルトカットオフを下回るまで続けた。セルの閉回路電圧が電圧カットオフ値を下回る前にセルが示したパルス数を記録した。パルス試験から収集したデータを図6に棒グラフで示す。ロット番号1は、非凝集亜鉛粒子のみをアノードに組み込んだ「対照」ロットである。他のロットを正規化できる数値性能基準を与えるために、ロット1のセルが示す平均パルス数を100%と定義した。ロット番号2のセルは、凝集亜鉛粉体のみを含有したものであった。ロット番号3において、重量比で亜鉛の半分が凝集されており、残りの半分は凝集されていないものであった。ロット番号4において、各々のセルの亜鉛の1/4が凝集されており、3/4が非凝集状態であった。ロット番号5において、各々のセルの亜鉛の1/8が凝集されており、亜鉛の7/8が凝集されていないものであった。図6のデータから、亜鉛の少なくとも一部が硬質で結合剤がない凝集体に凝集された電気化学セルの作動時間は、非凝集亜鉛のみを含有する比較され得るセルよりも約12%から23%だけ長いことが分かる。更に、硬質で結合剤がない凝集体の形態で半分未満の亜鉛を含有するセルの寿命は、硬質で結合剤がない凝集体の形態で全ての亜鉛を含有するセルよりも長かった。従って、硬質で結合剤がない亜鉛凝集体をアルカリ電気化学セルに組み込む利点が実証されたことになる。
【0035】
別の試験において、ロット6に関しては凝集体のサイズを825ミクロン未満であるが250ミクロンを超える値に制限し、ロット7に関しては250ミクロン未満であるが100ミクロンを超える値に制限した以外は、ロット2から5の凝集体を製造するために使用した前述のプロセスと類似のプロセスで、所定量の粉砕亜鉛粒子を凝集させた。硬質で結合剤がない亜鉛凝集体をアノードに組み込むことが前述の60秒オン/5秒オフ、1アンペアの定電流試験時の放電時にセルの内部抵抗にもたらす影響を特徴付けるために、AAサイズの3個のロットを作った。3個のロットのセルを作るのに使用したアノード構成成分を以下に示す。アノード構成成分の量は重量%単位である。





【0036】
全3個のロットでは、アノード混合物以外のセルの全ての構成成分は全て同一であった。
【0037】
図4には、ライン90で示すロット6のセル及びライン92で示すロット8のセルをパルス試験で放電させた際の、内部抵抗の変化を示す2つの折れ線グラフが示されている。このデータから、硬質で結合剤がない凝集体のみを組み込んだロット6のセルは、放電時の電圧降下が非凝集亜鉛のみを利用したロット8の比較され得るセルよりも少ないことが明らかである。電圧降下が少ないことは、内部抵抗が小さいことを示す。セルの内部抵抗が小さくなるとセルの作動時間は長くなる。
【0038】
図5には、ライン94で示すロット7のセル及びライン96で示すロット8のセルをパルス試験で放電させた際の、内部抵抗の変化を示す2つの折れ線グラフが示されている。このデータから、50重量%の硬質で結合剤がない亜鉛凝集体及び50重量%非凝集亜鉛を組み込んだロット7のセルは、パルス試験で放電時の電圧降下が非凝集亜鉛のみを利用したロット8の比較し得るセルよりも少ないことが明らかである。
【0039】
図4、図5、及び図6のデータから、電気化学セルのアノードに硬質で結合剤がない亜鉛凝集体を含有すると、セル放電時のアノードの内部抵抗が小さくなるのでセルの性能が向上し、結果的にセルの作動時間が長くなることが分かる。
【0040】
以上の説明は、好適な実施形態のみが説明されていることを理解されたい。本発明の変更は、当業者、又は本発明の実施者又は使用者であれば行うことができるであろう。従って、図示及び前述の実施形態は、例示的なものであり、本発明の技術的範囲を限定しないことが意図されており、本発明の技術的範囲は、均等物の原則を含む特許法上の原則による解釈に基づいて特許請求項の範囲によって定義されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のプロセスの1つの実施形態における各ステップを示す。
【図2】図1に示すプロセスによって作られた硬質で結合剤がない凝集体を含む本発明の電気化学セルの断面図である。
【図3】ロール圧縮成形機及び粒状化プロセスの概略図である。
【図4】内部抵抗データの折れ線グラフを示す。
【図5】内部抵抗データの折れ線グラフを示す。
【図6】セルの耐用データの棒グラフを示す。
【図7】亜鉛粉体凝集体の走査電子顕微鏡写真である。
【図8】亜鉛粉体凝集体の走査電子顕微鏡写真である。
【図9】亜鉛粉体凝集体の走査電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学セルの電極に使用される凝集体を製造するプロセスであって、
a)粉砕状態の電気化学的に活性な材料を準備する段階と、
b)実質的に前記電気化学的に活性な材料から成る硬質で結合剤がない凝集体を形成する段階と、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記凝集体は、前記電気化学的に活性な材料から成ることを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ。
【請求項3】
前記凝集体のタップ密度は、2.85g/cc未満であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記凝集体のタップ密度は、2.60g/cc未満であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記凝集体のタップ密度は、2.40g/cc未満であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記凝集体を形成する前に、前記活性材は、40メッシュスクリーンを通過できるが325メッシュスクリーンを通過できない粒子に制限されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記凝集体の少なくとも95重量%は、40メッシュスクリーンを通過できるが325メッシュスクリーンを通過できないことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記形成段階は、前記活性材を圧縮成形する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記プロセスは、圧縮成形された凝集体を粒状化して粒状凝集体を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記粒状化は、前記凝集体のサイズを小さくすることを特徴とする請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記プロセスは、40メッシュスクリーンを通過することができる粒状凝集体を選択する段階を更に含むことを特徴とする請求項8に記載のプロセス。
【請求項12】
前記形成段階は、粉砕活性材を直接融合する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記粉砕活性材を直接融合する段階は、前記活性材を超音波振動にさらす段階を含むことを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記活性材は、亜鉛から成ることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記活性材は、亜鉛合金から成ることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記亜鉛合金は、ビスマス、インジウム、マグネシウム、及びアルミニウムから成る群から選択された少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記プロセスは、前記硬質で結合剤がない凝集体を焼鈍する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項18】
前記焼鈍段階は、100℃を超えるが前記活性材の融点未満に前記凝集体を加熱する段階を含むことを特徴とする請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記請求項1のプロセスによって作られた複数の凝集体から成る電極を有する電気化学セル。
【請求項20】
前記電極は、電気化学的に活性な材料の非凝集粒子から成ることを特徴とする請求項19に記載の電気化学セル。
【請求項21】
前記電気化学的に活性な材料の非凝集粒子は、前記電極の電気化学的に活性な材料の全ての少なくとも50重量%を構成することを特徴とする請求項20に記載の電気化学セル。
【請求項22】
前記非凝集粒子は、フレーク状の粒子を含むことを特徴とする請求項20に記載の電気化学セル。
【請求項23】
金属粉体の凝集体を生成するプロセスであって、
(a)所定量の粉砕金属粉体を準備する段階と、
(b)前記金属粉体の硬質で結合剤がない凝集体を形成する段階と、
を含み、前記金属粉体は、前記凝集体の少なくとも99重量%を占め、前記凝集体は、2.85g/cc又はそれ未満のタップ密度を有することを特徴とするプロセス。
【請求項24】
前記金属粉体は、前記凝集体の少なくとも99.9重量%を占めることを特徴とする請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
前記金属粉体は、前記凝集体の少なくとも99.99重量%を占めることを特徴とする請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記段階(a)は、前記所定量の金属粉体を選別して、粉体の少なくとも第1の部分及び粉体の少なくとも第2の部分を生成し、次に、前記段階(b)において、前記粉体の第1の部分のみを硬質で結合剤がない凝集体に形成する段階を含むことを特徴とする請求項23に記載のプロセス。
【請求項27】
前記粉体の第1の部分は、同じ寸法の複数の開口を有するメッシュスクリーンを通過することができ、前記第2の部分は、前記メッシュスクリーンを通過することができないことを特徴とする請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
前記メッシュスクリーンは、200メッシュスクリーンであることを特徴とする請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記段階(b)で形成された前記凝集体は、40メッシュスクリーンを通過することができることを特徴とする請求項23に記載のプロセス。
【請求項30】
前記段階(b)で前記結合剤がない凝集体を形成した後、前記凝集体は、凝集体の少なくとも第1の配分及び凝集体の第2の配分を含む凝集体の少なくとも2つの配分を生成するために選別され、前記凝集体の第1の配分は、同じ寸法の複数の開口を有するメッシュスクリーンを通過することができ、前記凝集体の第2の配分は、前記メッシュスクリーンを通過することができないことを特徴とする請求項23に記載のプロセス。
【請求項31】
前記請求項23のプロセスによって作られた電気化学的に活性な材料の硬質で結合剤がない凝集体から成る電極を有する電気化学セル。
【請求項32】
前記電気化学的に活性な材料の結合剤がない凝集体は、亜鉛から成ることを特徴とする請求項31に記載の電気化学セル。
【請求項33】
前記電気化学的に活性な材料の結合剤がない凝集体は、亜鉛合金から成ることを特徴とする請求項32に記載の電気化学セル。
【請求項34】
金属粉体の凝集体を製造するプロセスであって、
a)所定量の結合剤がない粉砕金属粉体を準備する段階と、
b)前記金属粉体を結合剤がない凝集体に形成して結合剤がない凝集体を形成する方法によって前記金属粉体を処理する段階と、
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項35】
前記段階(b)の後で、前記結合剤がない凝集体は、前記凝集体を選別して凝集体の少なくとも2つに配分する方法によって処理されることを特徴とする請求項34に記載のプロセス。
【請求項36】
前記段階(a)及び前記段階(b)の後で、前記プロセスは、前記金属粉体を粉体の少なくとも第1の部分及び粉体の少なくとも第2の部分に選別する方法によって前記金属粉体を処理する段階を含むことを特徴とする請求項34に記載のプロセス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的に活性な材料の複数の硬質で結合剤がない凝集体から成る電極を含む電気化学セルであって、前記活性材は、420μm開口寸法(40メッシュ)スクリーンを通過することを特徴とする電気化学セル。
【請求項2】
前記電極は、電気化学的に活性な材料の非凝集粒子から成ることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
前記電気化学的に活性な材料の非凝集粒子は、前記電極の電気化学的に活性な材料の全ての少なくとも50重量%を構成することを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
前記非凝集粒子は、フレーク状の粒子を含むことを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記凝集体は、前記電気化学的に活性な材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記凝集体のタップ密度は、2.85g/cm3未満、好ましくは2.60g/cm3未満、より好ましくは2.40g/cm3未満であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項7】
前記活性材は、亜鉛から成ることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項8】
前記活性材は、亜鉛合金から成ることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項9】
前記亜鉛合金は、ビスマス、インジウム、マグネシウム、及びアルミニウムから成る群から選択された少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする請求項8に記載の電気化学セル。
【請求項10】
前記硬質で結合剤がない凝集体は粉砕金属粉体であり、前記金属粉体は、前記凝集体の少なくとも99重量%を占め、前記凝集体は、2.85g/cm3又はそれ未満のタップ密度を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項11】
前記金属粉体は、前記凝集体の少なくとも99.9重量%を占めることを特徴とする請求項10に記載の電気化学セル。
【請求項12】
前記金属粉体は、前記凝集体の少なくとも99.99重量%を占めることを特徴とする請求項11に記載の電気化学セル。
【請求項13】
前記凝集体は、
a)粉砕状態の電気化学的に活性な材料を準備する段階と、
b)実質的に前記電気化学的に活性な材料から成る硬質で結合剤がない凝集体を形成する段階と、
によって得ることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項14】
前記凝集体の少なくとも95重量%は、420μm開口寸法(40メッシュ)スクリーンを通過できるが44μm(325メッシュ)スクリーンを通過できないことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項15】
前記形成段階は、前記活性材を圧縮成形する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の電気化学セル。
【請求項16】
前記プロセスは、圧縮成形された凝集体を粒状化して粒状凝集体を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の電気化学セル。
【請求項17】
前記粒状化は、前記凝集体のサイズを小さくすることを特徴とする請求項16に記載の電気化学セル。
【請求項18】
前記プロセスは、420μm開口寸法(40メッシュ)スクリーンを通過することができる粒状凝集体を選択する段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の電気化学セル。
【請求項19】
前記形成段階は、前記粉砕活性材を直接融合する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の電気化学セル。
【請求項20】
前記粉砕活性材を直接融合する段階は、前記活性材を超音波振動にさらす段階を含むことを特徴とする請求項19に記載の電気化学セル。
【請求項21】
前記プロセスは、前記硬質で結合剤がない凝集体を焼鈍する段階を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の電気化学セル。
【請求項22】
前記焼鈍段階は、100℃を超えるが前記活性材の融点未満に前記凝集体を加熱する段階を含むことを特徴とする請求項21に記載の電気化学セル。
【請求項23】
前記凝集体は、(a)前記所定量の金属粉体を選別して、粉体の少なくとも第1の部分及び粉体の少なくとも第2の部分を生成する段階を含み、次に、(b)前記粉体の第1の部分のみを硬質で結合剤がない凝集体に形成する段階によって得ることができることを特徴とする請求項10に記載の電気化学セル。
【請求項24】
前記粉体の第1の部分は、同じ寸法の複数の開口を有するメッシュスクリーンを通過することができ、前記第2の部分は、前記メッシュスクリーンを通過することができないことを特徴とする請求項23に記載の電気化学セル。
【請求項25】
前記メッシュスクリーンは、76μm開口寸法(200メッシュ)スクリーンであることを特徴とする請求項24に記載の電気化学セル。
【請求項26】
前記凝集体は、凝集体の少なくとも第1の配分及び凝集体の第2の配分を含む凝集体の少なくとも2つの配分を生成するために選別する段階によって得ることができ、前記凝集体の第1の配分は、同じ寸法の複数の開口を有するメッシュスクリーンを通過することができ、前記凝集体の第2の配分は、前記メッシュスクリーンを通過することができないことを特徴とする請求項10に記載の電気化学セル。
【請求項27】
a)粉砕状態の電気化学的に活性な材料を準備する段階と、
b)実質的に前記電気化学的に活性な材料から成る硬質で結合剤がない凝集体を形成する段階と、
を含むプロセスによって得ることができる凝集体を電気化学セルの電極として使用すること。
【請求項28】
前記凝集体は、前記電気化学的に活性な材料から成ることを特徴とする請求項27に記載の使用。
【請求項29】
前記凝集体のタップ密度は、2.85g/cm3未満、好ましくは2.60g/cm3未満、より好ましくは2.40g/cm3未満であることを特徴とする請求項27に記載の使用。
【請求項30】
前記凝集体の少なくとも95重量%は、420μm開口寸法(40メッシュ)スクリーンを通過できるが44μm(325メッシュ)スクリーンを通過できないことを特徴とする請求項27に記載の使用。
【請求項31】
前記活性材が亜鉛から成ること、より好ましくは前記活性材が亜鉛合金から成ること、最も好ましくは前記亜鉛合金がビスマス、インジウム、マグネシウム、及びアルミニウムから成る群から選択された少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする請求項27に記載の使用。
【請求項32】
前記電極は、電気化学的に活性な材料の非凝集体から成ることを特徴とする請求項27に記載の使用。
【請求項33】
前記電気化学的に活性な材料の非凝集粒子は、前記電極の電気化学的に活性な材料の全ての少なくとも50重量%を構成することを特徴とする請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記非凝集粒子は、フレーク状の粒子を含むことを特徴とする請求項32に記載の使用。
【請求項35】
前記硬質で結合剤がない凝集体は粉砕金属粉体であり、前記金属粉体は、前記凝集体の少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.9重量%、最も好ましくは少なくとも99.99重量%を占め、前記凝集体は、2.85g/cm3又はそれ未満のタップ密度を有することを特徴とする請求項27に記載の使用。
【請求項36】
前記凝集体は、凝集体の少なくとも第1の配分及び凝集体の第2の配分を含む凝集体の少なくとも2つの配分を生成するために選別され、前記凝集体の第1の配分は、同じ寸法の複数の開口を有するメッシュスクリーンを通過することができ、前記凝集体の第2の配分は、前記メッシュスクリーンを通過することができないことを特徴とする請求項35に記載の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2006−517722(P2006−517722A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502848(P2006−502848)
【出願日】平成16年1月16日(2004.1.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/001112
【国際公開番号】WO2004/068619
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(504288351)エヴァレディ・バッテリー・カンパニー・インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】