説明

金属複合材の製造方法

【課題】金属短繊維の酸化による強度低下や該金属短繊維の脱落を生じず、所望の強度を有する金属複合材の製造方法を提案する。
【解決手段】プレス加工により成形した予備成形体2の、その少なくとも外表層の各金属短繊維12同士を、高分子ポリマーとガラス粒子17とを溶融した結合剤16により仮接着し、ガラス粒子17の軟化点以上の焼結温度で加熱することにより、該ガラス粒子17により各金属短繊維12同士を結合してプリフォーム1を成形し、該プリフォーム1に金属の溶湯6を加圧含浸することにより、金属複合材10を製造する。この方法によれば、予備成形体2およびプリフォーム1で、各金属短繊維12が脱落することを防止できる。また、金属短繊維12が焼結する高温まで加熱することなく、ガラス粒子17により各金属短繊維12同士を結合できるため、該金属短繊維12の酸化を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属短繊維とアルミニウム合金等の金属母材とを組み合わせて複合化してなる金属複合材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車には、燃費や走安性等を向上させるために、軽量化、高耐久性、低熱膨張性等に優れるアルミニウム等の軽金属から製造された部品が増加する傾向にある。特に、エンジン部品等のように使用環境が厳しいものには、軽金属と、セラミックス短繊維又は金属短繊維等の強化材とを複合化した金属複合材が適用されており、さらなる軽量化と高耐久性等を発揮できるようになっている。
【0003】
上記した金属複合材にあって、軽金属などの金属母材と金属短繊維とを備えた金属複合材は、金属母材とセラミック短繊維とを複合化した構成に比して、弾力性に優れているため割れ難く、かつ高い強度を有している。特に、高温雰囲気での強度が高く、さらに疲労強度も高いことから、上記した自動車のエンジン部品などに適用されている。また、金属母材と金属短繊維とは、なじみ易い(ぬれ性に優れている)ことから、複合化による効果の発現性も高いという利点を有している。
【0004】
このような金属複合材としては、例えば特許文献1に、金属短繊維を不織布のようなシート状のウエブを複数枚積層してプレス加工し、焼結することによりプリフォームを成形し、該プリフォームに金属の溶湯を含浸して成形されるものが開示されている。ここで、金属短繊維としては、FeCrSi合金、ステンレス鋼、Ni−Cr合金が用いられている。
【0005】
尚、上記したセラミック短繊維からプリフォームを成形する際には、水中でセラミック短繊維を混合し、その水分を除去した後に、焼結する方法が一般的である。これに対して、金属短繊維を用いる場合には、該金属短繊維がセラミック短繊維に比して重く、水中で均一に分散できないこと、および金属短繊維が錆てしまうこと等から、金属短繊維を不織布状として、これを積層してプレス加工することによりプリフォームを成形する方法が一般的となっている。
【特許文献1】特開2007−185705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、金属短繊維からなるプリフォームを焼結する場合、その焼結温度は、例えば上記したステンレス鋼などの鉄鋼の金属短繊維で一般的に1000℃〜1500℃である。このような高温で焼結する際には、真空中で実施し、金属短繊維の酸化を防止する必要がある。ここで、焼結の際の真空度としては、0.1Pa以下の高真空状態とする必要があり、これより真空度が低い状態では、金属短繊維の酸化を充分に抑制することができない。そして、焼結の際に金属短繊維が酸化してしまうと、プリフォームの強度が低下し、金属複合材として所望の強度を得られない。ところが、この高真空状態を生成するためには、専用の機器を必要とし、かつ生成までに比較的長い時間も要することから、製造にかかる時間とコストとが増大してしまい、上記したエンジン部品を製造する生産ラインに用いることには不向きである。
【0007】
焼結温度を上記した1000℃より低い温度で行うと、金属短繊維同士の焼結が不充分であり、金属の溶湯を加圧含浸する際に、金属短繊維が脱落し易く、この脱落によって強度低下等の問題を生じることが懸念される。
【0008】
また、プレス加工してから焼結する前の状態では、該プレス加工の加圧力によって所定形状に成形保持しているだけであることから、焼結するための加熱炉などへ移送する際に、金属短繊維が脱落してしまうこともある。同様に、上記した焼結温度が1000℃より低い場合にあっても、金属短繊維同士の焼結が不充分であるため、金属の溶湯を加圧含浸するための金型にセットするまでの間で、該金属短繊維が脱落してしまうこともある。このように金属短繊維が脱落した場合、例えば、脱落した金属短繊維が別の部品などに紛れて異物となるという不具合が生じることも懸念される。
【0009】
上述した従来の特許文献1にあっては、プリフォームの焼結に関して詳細に開示されておらず、上記した問題点が内在されたままである。
【0010】
本発明は、金属短繊維の酸化による強度低下や該金属短繊維の脱落を生じず、所望の強度を有する金属複合材の製造方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、プレス加工により、金属短繊維から構成される多孔質状の予備成形体を成形するプレス成形工程と、高分子ポリマーと所定のガラス粒子とを溶融してなる粘着性を有する結合剤により、前記予備成形体の少なくとも外表層の各金属短繊維同士を仮接着する仮止め工程と、前記結合剤により各金属短繊維同士を仮接着した予備成形体を、前記ガラス粒子の軟化点以上の所定焼結温度で加熱することにより、結合剤のガラス粒子により各金属短繊維同士を結合し、多孔質状のプリフォームを成形する焼成工程と、前記プリフォームに、金属の溶湯を加圧含浸する溶湯含浸工程とを備えていることを特徴とする金属複合材の製造方法である。
【0012】
ここで、金属短繊維としては、プレス加工により所定形状の予備成形体を成形できる繊維長のものであり、具体的には、繊維長10mm以下のものが好適である。また、高分子ポリマーは、その粘弾性により、結合剤の粘着性を生じさせるためのものであり、具体的には、粘度300〜1000cps(分子量500000〜700000)のものが好適に用い得る。そして、この高分子ポリマーは、有機物である合成樹脂のものが好適に用い得る。
【0013】
かかる方法にあっては、プレス加工により成形した予備成形体の少なくとも外表層の各金属短繊維を、結合剤の粘着性によって仮接着することにより、該予備成形体の形態を維持し、金属短繊維の脱落を防止する。さらに、予備成形体を焼結温度で加熱することによって、少なくとも外表層の各金属短繊維同士を結合剤のガラス粒子により、結合し、金属短繊維の脱落を防止する。このように、予備成形体およびプリフォームでの金属短繊維の脱落を防止できることから、溶湯を含浸するまでの間に、金属短繊維が脱落することがなく、脱落した金属短繊維が他の部品などに混入して異物となるという不具合の発生を防止でき得る。
【0014】
尚、予備成形体にあって、その外表層の各金属短繊維同士が仮接着されていれば、外表層だけでなくその内部の金属短繊維が脱落することを防止できる。同様に、プリフォームにあっても、その外表層の各金属短繊維同士が結合していれば、内部の金属短繊維が脱落することも防止できる。本方法にあって、結合剤により仮接着する領域、およびガラス粒子により結合する領域は、できるだけ内部までの領域であることが好適である。そして、仮止め工程にあっては、結合剤を予備成形体の外表面に塗布したり、スプレーしたり、結合剤中に予備成形体を沈めるなどすることによって、少なくとも予備成形体の外表層の各金属短繊維同士を結合剤によって仮接着することができる。
【0015】
また、焼成工程にあっては、ガラス粒子を軟化して固化することにより、各金属短繊維同士を強固に結合することができる。すなわち、金属短繊維同士を直接焼結させなくとも、ガラス粒子により結合できるため、上記した1000℃以上の温度まで加熱する必要がない。そのため、焼結温度に加熱した際に、上述したように高真空状態を生成する必要もなく、金属短繊維の酸化を抑制することができるため、該酸化による強度低下を防ぎ得る。そして、本方法により製造した金属複合材は、高温雰囲気での高い強度と疲労強度とを発揮でき、上記したエンジン部品などに好適に用い得る。
【0016】
また、本方法にあって、予備成形体を成形するプレス成形工程としては、上述したように、金属短繊維からなる不織布を積層してプレス加工する工程、所定形状の金型内に金属短繊維を入れて直接プレス加工する工程のいずれであっても良い。いずれの方法にあっても、上述したように、結合剤により金属短繊維を仮止めし、該結合剤のガラス粒子により金属短繊維を結合できるため、上述した本発明の作用効果を発揮でき得る。
【0017】
ここで、上記した特許文献1と同様に、不織布(ウエブ)を積層してプレス加工する方法にあっては、プリフォーム(予備成形体)の形態によっては、金属短繊維を均一に分散した状態に成形することができない場合もあり得る。これは、プリフォームの形態が、例えば局部的に湾曲した形態であれば、不織布状のものを積層する際にシワなどが生じてしまい、局部的に金属短繊維の密度の異なる部位が生じ易いためである。すなわち、不織布を積層してプレス加工する方法は、成形の自由度に限界があり、強化した部位の形状に合わせた形態を安定して成形し難い。これに対して、金属短繊維をプレス加工用の金型に入れて直接プレス加工するようにした方法では、金型により所望の製品形状に直接的に成形できることから、様々な形態に容易に成形でき得る。すなわち、複雑な形状を有する製品を成形する場合にあっても、不織布により成形する際に生じ易いシワ等も生じず、金属短繊維が均一に分散してなる予備成形体およびプリフォームを成形できる。そのため、所望の力学的特性を確実かつ安定して発揮する金属複合材を、比較的容易かつ安定して製造することができ得る。
【0018】
このような本方法にあって、プレス成形工程が、プレス加工用の金型を振動させることにより該金型内に入れた金属短繊維を攪拌して、プレス加工するようにした方法とすることもできる。これは、所定の金型内に金属短繊維を入れてプレス加工する方法であって、該金型を振動させることにより、金属短繊維を金型内で均一に分散するようにしている。このプレス成形工程で成形した予備成形体は、全体的に金属短繊維が均一に分散しており、当該予備成形体からプリフォームを介して製造した金属複合材は、金属短繊維が均一に分散してなり、所望の強度を一層安定して発揮することができ得る。
【0019】
本方法にあって、ガラス粒子としては、ホウ酸ガラス粒子、ケイ酸塩ガラス粒子、ホウケイ酸ガラス粒子、アルカリガラス粒子等のものが好適に用い得る。
【0020】
上述した金属複合材の製造方法にあって、仮止め工程で使用する結合剤の所定のガラス粒子が、粒径100μm以下のものである方法が提案される。
【0021】
かかる方法にあって、粒径100μm以下のガラス粒子を用いることにより、該ガラス粒子が各金属短繊維間に入り込み易いことから、分散し易く、結合剤により仮止めした各金属短繊維同士を安定して結合することができる。例えば、仮止め工程にあって、結合剤を予備成形体の外表面に塗布したり、スプレーしたりする場合に、結合剤が外表面から内部へ浸透するに伴ってガラス粒子も入り込んで容易に分散することができ得る。
【0022】
尚、ガラス粒子としては、上記の作用効果を一層容易かつ安定して発揮できるように、粒径80μm以下が好ましく、粒径50μm以下がさらに好ましい。また、粒径が小さすぎると、各金属短繊維同士を結合し難くなるため、粒径1μm以上のものが好適である。そして、ガラス粒子は、製造上、安定かつ比較的安価に入手できるものが好ましいことから、粒径0.3μm以上のものが好適に用い得る。
【0023】
上述した金属複合材の製造方法にあって、焼成工程が、所定の焼結温度に加熱する前に、ガラス粒子の軟化点より低い所定温度に加熱することにより、結合剤の高分子ポリマーを焼失するようにしている方法が提案される。
【0024】
かかる方法にあっては、焼結温度に加熱する前に、結合剤の高分子ポリマーを焼失するようにしていることから、金属短繊維間に残留するガラス粒子が焼結温度により安定して軟化し、各金属短繊維同士を結合することができる。そのため、ガラス粒子により結合した各金属短繊維同士が、一層強固かつ安定して結合する。これにより、溶湯含浸工程へ移送する間の、金属短繊維の脱落を防止する作用効果が一層向上すると共に、溶湯の加圧含浸する際の高圧力によっても、プリフォームの形態を維持できる効果が向上する。
【0025】
上述した金属複合材の製造方法にあって、仮止め工程で使用する結合剤の高分子ポリマーが、ポリビニルアルコールである方法が提案される。
【0026】
かかる方法にあっては、ポリビニルアルコールの有する粘弾性により、結合剤が所望の粘着性を発揮するようにしたものである。そして、結合剤の粘着性により、予備成形体の各金属短繊維同士を仮接着し、上述した本発明の作用効果を適正に発揮し得る。さらに、ポリビニルアルコールは、親水性が非常に高く、温水に溶け易いことから、所望の粘着性を有する結合剤を容易に得ることができるという優れた利点を有する。
【0027】
上述した金属複合材の製造方法にあって、仮止め工程で使用する結合剤の所定のガラス粒子は、その軟化点が400℃以上かつ700℃以下のものである方法が提案される。
【0028】
金属短繊維として、上述したステンレス鋼などの鉄鋼は、一般的に700℃を越えると酸化が促進すると共に、脆性も顕著に生じるようになることから、かかる方法にあっては、700℃以下の軟化点を有するガラス粒子を用いることにより、700℃を越えない焼結温度により焼成工程を行うことができるようにした方法である。本方法では、700℃を越えない焼結温度に加熱することにより、ガラス粒子により各金属短繊維同士を結合できると共に、各金属短繊維の酸化と脆化(脆性の発生)を充分に抑制できるため、所望の強度を発揮できる金属複合材を製造することができ得る。
【0029】
また、金属の溶湯の温度に比して軟化点が低く、かつこれらの温度差が大きい場合には、金属の溶湯を含浸する際に、該溶湯の熱により容易に軟化してしまい金属短繊維同士の結合が崩れ易くなる。そのため、軟化点を400℃以上のガラス粒子を用いることにより、溶湯の熱によって金属短繊維同士の結合が崩れることを抑制する。尚、ガラス粒子としては、軟化点が450℃以上かつ600℃以下のものが、金属短繊維の酸化と脆化との抑制作用が一層高く、さらに金属短繊維同士の結合が崩れることを抑制する作用が一層向上するため、好適に用い得る。
【0030】
上述した金属複合材の製造方法にあって、金属短繊維が、磁性を有するステンレス鋼である方法が提案される。ここで、ステンレス鋼としては、フェライト系ステンレス鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼を好適に用い得る。
【0031】
本方法にあっては、金属短繊維が磁性を有していることから、該金属短繊維から形成したプリフォームを磁石によって磁着して移送することができる。そのため、例えば、溶湯含浸工程で、その金型内にプリフォームを位置決めしてセットする際に、該金型内に配設した磁石に、プリフォームを磁着することによって、該プリフォームを精度良くかつ安定して位置決めすることができる。また、リサイクルする際に材料分別を行う場合にも、磁石を用いて容易に分別することができるため、リサイクル性にも優れるという利点を有している。尚、金属短繊維がステンレス鋼であることから、例えば、水溶性の結合剤を用いた場合にあっても、当該金属短繊維が錆びてしまうことを防止できるという優れた利点も有する。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、上述したように、プレス加工により成形した予備成形体の、その少なくとも外表層の各金属短繊維同士を、高分子ポリマーとガラス粒子とを溶融した結合剤により仮接着し、当該予備成形体をガラス粒子の軟化点以上の焼結温度で加熱することにより、該ガラス粒子により各金属短繊維同士を結合してプリフォームを成形し、該プリフォームに金属の溶湯を加圧含浸することにより、金属複合材を製造する方法である。この方法によれば、予備成形体およびプリフォームを構成する各金属短繊維が脱落することを防止できることから、上述した従来構成のように、脱落した金属短繊維が他の部品等に混入して異物となるという不具合を生じない。また、ガラス粒子により各金属短繊維同士を結合することから、上記した1000℃以上に加熱することを要せず、金属短繊維の酸化を抑制できるため、該酸化による強度低下を防止でき、高温雰囲気での高い強度と疲労強度とを発揮できる。
【0033】
上記した金属複合材の製造方法にあって、仮止め工程で使用する結合剤の所定のガラス粒子が、粒径100μm以下のものである方法とした場合には、該ガラス粒子が各金属短繊維間に入り込み易いことから、分散し易く、焼成工程で、各金属短繊維同士を安定して結合することができ得る。
【0034】
上記した金属複合材の製造方法にあって、焼成工程が、所定の焼結温度に加熱する前に、ガラス粒子の軟化点より低い所定温度に加熱することにより、結合剤の高分子ポリマーを焼失するようにしている方法とした場合には、結合剤の高分子ポリマーを焼失した後に、焼結温度に加熱することから、ガラス粒子により各金属短繊維同士を一層強固かつ安定して結合できる。そのため、上述した本発明の作用効果を一層適正に発揮でき得る。
【0035】
上記した金属複合材の製造方法にあって、仮止め工程で使用する結合剤の高分子ポリマーが、ポリビニルアルコールである方法とした場合には、該ポリビニルアルコールが、高い親水性と温水への可溶性とを有していることから、所望の結合剤を容易に得ることができ、該結合剤により、上述した本発明の作用効果を適正かつ容易に発揮することができ得る。
【0036】
上記した金属複合材の製造方法にあって、仮止め工程で使用する結合剤の所定のガラス粒子は、その軟化点が400℃以上かつ700℃以下のものである方法とした場合には、金属短繊維の酸化と脆化とを充分に抑制することができ、所望の強度を発揮できる金属複合材を製造することができ得る。
【0037】
上記した金属複合材の製造方法にあって、金属短繊維が、磁性を有するステンレス鋼である方法とした場合には、金属短繊維からなるプリフォームを磁石によって磁着することにより、溶湯含浸工程でその金型内に精度良くかつ安定して位置決めすることが容易に行い得る。また、リサイクルする際に材料分別を行う場合にも、磁石を用いて容易に分別することができ、優れたリサイクル性を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の実施例を添付図面を用いて詳述する。
図1は、金属短繊維12からなる多孔質状のプリフォーム1を成形する工程を示し、図2は、前記プリフォーム1に、アルミニウム合金の溶湯6を含浸して金属複合材10を成形する工程を示している。このプリフォーム1を成形する工程と、金属複合材10を成形する工程とにより、本発明にかかる金属複合材の製造方法が構成されている。以下、各工程を順に詳説する。
【0039】
図1(A)は、所定形状の予備成形体2を成形するプレス成形工程を示し、上側のパンチ22と下側のダイス23とからなる金型21により行う。ここで、ダイス23は、有底円柱形状の押圧穴24を備えてなり、パンチ22が前記押圧穴24に内嵌して該押圧穴24内に配した被押圧物をプレス加工する。すなわち、ダイス23の押圧穴24内に所定量の金属短繊維12を充填し、パンチ22により押圧することにより、押圧穴24内の金属短繊維12をプレス加工して、円柱状の予備成形体2を得る。この予備成形体2は、多量の金属短繊維12を押し固めたものであり、多孔質状を成している。
【0040】
さらに、本実施例にあっては、ダイス23の押圧穴24内に金属短繊維12を充填する際に、該ダイス23を上下方向や水平方向に振動させることにより、押圧穴24内の金属短繊維12を攪拌するようにしている。これにより、ダイス23の押圧穴24内で、金属短繊維12が均一に分散するようにしている。その後、上記したようにパンチ22により押圧してプレス加工することによって、体積率が均一な予備成形体2を成形する。
【0041】
尚、本実施例にあっては、金属短繊維12として、フェライト系ステンレス鋼であるSUS430を用いている。そして、この金属短繊維12は、平均繊維径60μm、平均繊維長6mmのものとしている。尚、平均繊維径、平均繊維長は、繊維径、繊維長の夫々の平均値であり、バラツキを有している。
【0042】
次に、図1(B)のように、前記予備成形体2に結合剤16を塗布する仮止め工程を行う。ここで、結合剤16は、ポリビニルアルコールを温水で溶解し、ここにガラス粒子17(図4参照)を添加して均一に分散するように混合した、粘着性を有する水溶液である。ここで、ポリビニルアルコールの濃度は、1重量%〜10重量%となるように設定しており、本実施例にあっては約2重量%に設定している。一方、ガラス粒子17は、本実施例にあって、ホウケイ酸ガラス粒子を用いており、その平均粒径が30μm、軟化点が約480℃のものである。このホウケイ酸ガラス粒子17を、結合剤16中の含有量が5重量%〜20重量%となるように設定しており、本実施例にあっては、約9重量%に設定している。
【0043】
本実施例の仮止め工程では、上記の結合剤16を、予備成形体2の外表面にスプレーしている。これにより、結合剤16が、多孔質状の予備成形体2の外表面から内部へ浸透し、少なくとも、該予備成形体2の外表層を構成する各金属短繊維12に付着する。ここで、結合剤16は、ポリビニルアルコールにより粘着性を有していることから、該結合剤16により、予備成形体2の外表層の、夫々隣り合う各金属短繊維12同士を仮接着する。さらに、結合剤16には、上記のようにホウケイ酸ガラス粒子17が均一に分散していることから、該結合剤16の付着した各金属短繊維12には、ホウケイ酸ガラス粒子17が付着する。
【0044】
このように、仮止め工程によって、予備成形体2の外表層を構成する各金属短繊維12同士を仮接着する。これにより、当該予備成形体2を移送する過程で、金属短繊維12が脱落することを防ぐことができる。そのため、脱落した金属短繊維が、別の成形品に混在したり、後述する溶湯含浸工程にあって、その金型内に予備成形体2を配置しない部位に混在してしまうなどによって、異物となって混在することを防ぐことができ得る。
【0045】
次に、結合剤16で仮接着した予備成形体2を結合する焼成工程を行う。この焼成工程では、先ず、図1(C)のように、加熱炉30に入れて約250℃に加熱して乾燥させる。これにより、予備成形体2に付着している結合剤16の水分を除去すると共に、ポリビニルアルコール成分を焼失する。この加熱処理によって、ポリビニルアルコール成分を完全に焼失することができるため、焼失により不純物が残留することを防止でき得る。ここで、予備成形体2の外表層を構成する各金属短繊維12には、上記したようにホウケイ酸ガラス粒子17が分散して付着していることから、ポリビニルアルコールを焼失することによってホウケイ酸ガラス粒子17が各金属短繊維12間に配された状態とする。
【0046】
その後、焼結温度600℃に加熱して30分保持し、冷却する。これにより、ホウケイ酸ガラス粒子17を軟化して固化し、該ホウケイ酸ガラス粒子17が付着している金属短繊維12の、隣り合うもの同士を結合する。これにより、予備成形体2の外表層の各金属短繊維12同士をホウケイ酸ガラス粒子17によって結合し、プリフォーム1を成形する。このプリフォーム1は、ホウケイ酸ガラス粒子17により結合されていることから、その外表層の各金属短繊維12同士が比較的強固に結合されており、移送中などで金属短繊維12が脱落してしまうことを防止でき得る。
【0047】
さらに、上記したプリフォーム1は、600℃に加熱することにより成形していることから、金属短繊維12の酸化を充分に抑制できると共に、該金属短繊維12の脆性が生じて顕著に進行することも抑制でき得る。そのため、プリフォーム1の金属短繊維12は、酸化や脆化などによる強度低下を生じず、本来の強度を発揮できることから、当該プリフォーム1も充分な強度を有するものとなる。すなわち、本実施例にあっては、1000℃以上に加熱することなく、ホウケイ酸ガラス粒子17により金属短繊維12同士を結合するようにしていることから、金属短繊維12の酸化および脆化を生じることなく、各金属短繊維12同士を比較的強固に結合することができる。
【0048】
尚、本実施例にあっては、その焼成工程を、上記のように、250℃に加熱した後に、焼結温度600℃で結合(焼結)することにより行っている。これにより、ホウケイ酸ガラス粒子17を軟化する前に、結合剤16のポリビニルアルコール成分を完全に焼失できるため、焼結温度に加熱した際に、ホウケイ酸ガラス粒子17を確実かつ安定して軟化でき、該ホウケイ酸ガラス粒子17による結合を安定して生じ得る。
【0049】
次に、上記したプリフォーム1を、図2,3のダイカスト成形装置33により、アルミニウム合金と複合化させる溶湯含浸工程を行い、金属複合材10を成形する。このダイカスト成形装置33は、図2のように、固定型34aと可動型34bとから構成される金型34を備え、可動型34bを開放位置(図2(A)参照)と閉鎖位置(図2(B)参照)とに移動制御し、該閉鎖位置で円柱状のキャビティ35を形成する。ここで、固定型34aには、その下部にスリーブ37が連結されており、該スリーブ37の先端側に湯口36が形成されている。そして、このスリーブ37には、その内部で進退作動するプランジャーチップ38が配されている。さらに、スリーブ37の後部には、該スリーブ37内へ溶湯6を注入するための注入口39が設けられている。
【0050】
上記した固定型34aと可動型34bとを閉鎖した状態で、キャビティ35と湯口36とを連通する湯路40が形成される(図2(B)参照)。すなわち、可動型34bを閉鎖位置で保持した状態で、プランジャーチップ38を進出作動することにより、スリーブ37内に入れた溶湯6を、湯口36から湯路40を通じてキャビティ35内へ流入する(図3(A)参照)。尚、湯路40は、上記したスリーブ37や湯口36の各断面積より小さい断面積として形成されており、プランジャーチップ38の作動速度に比して溶湯6の射出速度が速くなるようにしている。
【0051】
上記の可動型34bには、キャビティ35を構成する内面と整一な保持位置(図2参照)と、キャビティ35内へ突出する突出位置(図3(B)参照)とに変換される押出ピン41が設けられている。尚、この押出ピン41の位置変換する作動、可動型34bの開閉作動、プランジャーチップ38の進退作動は、図示しない制御装置により夫々に作動制御するようになっている。さらに、このダイカスト成形装置33には、スリーブ37内へ所定量の溶湯6を流入するための柄杓42(図2(B)参照)を備えており、この柄杓42も、図示しない制御装置により作動制御するようにしている。
【0052】
ここで、本実施例にあっては、アルミニウム合金として、ADC12(JIS規格)のものを用いており、上記したダイカスト成形装置33により、当該アルミニウム合金の溶湯6をプリフォーム1に含浸するようにしている。
【0053】
このダイカスト成形装置33による溶湯含浸工程は、以下の順序で実行される。
先ず、上記したプリフォーム1を約500℃で予熱すると共に、金型34を約100℃に保持しておく。そして、図2(A)のように、開放位置とした可動型34bのキャビティ35内の所定位置に予熱したプリフォーム1を配置した後、図2(B)のように、可動型34bを閉鎖位置へ移動して、キャビティ35を閉鎖する。これにより、キャビティ35内にプリフォーム1が収容される。
【0054】
ここで、プリフォーム1をキャビティ35にセットする際には、可動型34bのキャビティ35内に埋め込まれた磁石(図示省略)に、プリフォーム1を磁着することによって、該プリフォーム1を精度良くかつ安定して位置決めすることができるようになっている。また、プリフォーム1は、その外表層の金属短繊維12がホウケイ酸ガラス粒子17により結合していることから、金属短繊維12が脱落することがない。そのため、プリフォーム1をキャビティ35内に配置するまでの移送中に金属短繊維12が脱落しないと共に、該キャビティ35内では、プリフォーム1にのみ、金属短繊維12が存在している。
【0055】
図2では、プランジャーチップ38を退避位置として、スリーブ37内で注入口39より後方で待機させている。上記のように可動型34bを閉鎖位置とした後に、図2(B)のように、柄杓42により、約680℃に保持されたアルミニウム合金の溶湯6を所定量注入する。そして、図3(A)のように、プランジャーチップ38を退避位置から所定の駆動速度で進出駆動して、スリーブ37内の溶湯6をキャビティ35内へ射出する。ここで、上記したように、湯路40の断面積を比較的小さく設定していることから、プランジャーチップ38の駆動速度に比して、キャビティ35内へ射出される溶湯6の射出速度が高速化する。本実施例にあっては、プランジャーチップ38の駆動速度を2m/sとすることにより、射出速度が30m/sとなる。
【0056】
そして、キャビティ35内に溶湯6が充填されると、プランジャーチップ38が停止して該溶湯6の注入が止まり、冷却後に、図3(B)のように、可動型34bを開放位置とし、該可動型34bの押出ピン41を保持位置(図2参照)から突出位置へ移動することにより、可動型34bから金属複合材10を取り出す。その後、この金属複合材10は、湯口36および湯路40により形成された部位(アルミニウム合金6’)を切削除去することにより、所定の円柱形状に成形している(図示省略)。
【0057】
このように成形した金属複合材10の外表層部位を断面観察した結果、図4のように、アルミニウム合金6’(金属母材)内に金属短繊維12が分散しており、各金属短繊維12同士がホウケイ酸ガラス粒子17により結合していることが確認できる。これにより、金属短繊維12がホウケイ酸ガラス粒子17により比較的強固に結合しており、アルミニウム合金の溶湯6を比較的高速で含浸しても、結合状態を維持して、金属母材内に分散した状態で複合化されていることがわかる。さらに、プリフォーム1は、上述のように、その外表層の金属短繊維12を強固に結合したものであり、その形態がしっかりとしていることから、ダイカスト成形装置33による比較的高速含浸を行っても、該プリフォーム1に変形などを生じず、アルミニウム合金6’の母材内に金属短繊維12が分散した金属複合材10を得ることができる。
【0058】
尚、本実施例では、金属短繊維12がフェライト系ステンレス鋼のSUS430であることから、上記したように、ダイカスト成形装置33のキャビティ35内に精度良くかつ安定して位置決めすることができる。さらに、近年強く求められている耐環境性に対しても、本製造方法により成形した金属複合材10は、前記のように金属短繊維12が磁性を有していることから、材料分別を容易に行うことができるため、優れたリサイクル性も有している。
【0059】
次に、上述した本実施例の金属複合材10の強度を測定する試験を実施した結果について説明する。
ここで、本実施例にあっては、引張試験を行い、引張強度を測定している。引張試験は、JIS Z2241に従って行っている。この引張試験の試験片には、上記した円柱形状の金属複合材10から所定寸法の丸棒状の試験片を切り出して用いている。
【0060】
また、本実施例の金属複合材10の比較例として、1000℃以上の高温で焼結したプリフォームにアルミニウム合金を含浸した構成と、アルミニウム合金だけのものとを準備し、同様の引張試験により引張強度を測定した。ここで、前者の比較例の構成は、上述した実施例と同様に、予備成形体2をプレス成形工程により成形した後、該予備成形体2を加熱炉25内に入れて、真空ポンプ(図示省略)を作動して、加熱炉25内を約0.4Paの真空状態とする。そして、この真空状態を維持し、1150℃に加熱して60分間保持する。これにより、予備成形体2を焼結して、プリフォームを成形する。このプリフォームに、上述した実施例と同様に、ダイカスト成形装置33によりアルミニウム合金の溶湯6を含浸し、比較例の金属複合材を得る。尚、この比較例は、結合剤を使用せず、真空中で1000℃以上の高温により焼結した以外は、実施例と同様に製造している。
【0061】
引張試験の結果を図5に示す。本実施例の金属複合材10は、その引張強度が、上記した比較例の構成に比して高くなっている。特に、アルミニウム合金のみからなる金属材の引張強度よりも、本実施例の金属複合材10は高い引張強度を発揮し、複合化による高強度化が達成できていることを確認できる。これに比して、1000℃以上の高温で焼結した比較例は、アルミニウム合金のみの金属材よりも、引張強度が著しく低下している。これは、1000℃以上の高温で焼結する際に、金属短繊維が酸化および脆化したために、該金属短繊維が本来有する強度を発揮できなくなったことが原因と考えられる。そして、1000℃以上の高温で焼結する際には、約0.4Paの真空中で焼結しても、金属短繊維の酸化や脆化を抑えることができない。このことから、仮に1000℃以上で焼結する場合には、さらに高真空状態を必要とするため、専用の機械を要し、製造時間の長時間化や製造コストが増大することとなってしまう。これでは、市場競争力が低下するという問題を生じる。
【0062】
尚、上記した引張試験の結果からも、本実施例の金属複合材10は、そのプリフォーム1に比較的高速で溶湯を含浸するダイカスト成形方法により成形しても、該溶湯が充分に含浸すると共に、プリフォーム1の変形や破壊などを生じないことが明らかであり、ホウケイ酸ガラス粒子17により各金属短繊維12同士を強固に結合していることがわかる。
【0063】
上述した実施例の製造方法にあっては、金属短繊維12としてフェライト系ステンレス鋼のSUS430のものを使用しているが、その他、マルテンサイト系ステンレス鋼のSUS410を用いることもできる。このマルテンサイト系ステンレス鋼にあっても、フェライト系ステンレス鋼と同様に、磁性を有していることから、上記のように、ダイカスト成形装置33のキャビティ35内に精度良く位置決めすることができると共に、リサイクル性にも優れるという作用効果を奏する。また、金属短繊維12としては、その他のステンレス鋼や軟鋼などを用いることもでき、さらには、銅、真鍮、アルミニウム合金の短繊維を用いることもできる。そして、金属短繊維12としては、その繊維長をプレス加工に適用することを考慮すれば、10mm以下とすることが好ましい。この繊維長としては、3mm〜7mmのものが好適に用い得る。
【0064】
また、上述した実施例では、金属の溶湯として、アルミニウム合金の溶湯を用いているが、その他、マグネシウム合金などの軽金属の溶湯が好適に用い得る。
【0065】
また、結合剤としては、ポリビニルアルコールの代わりに、ポリアクリルアミドなどの有機系の合成樹脂である高分子ポリマーを用いることもできる。また、結合剤のガラス粒子には、ホウケイ酸ガラス粒子の他に、ホウ酸ガラス粒子やケイ酸ガラス粒子を用いることもできる。
【0066】
上述した実施例にあっては、焼成工程を、250℃に加熱した後に焼結温度600℃に加熱するようにしているが、焼結温度600℃に加熱するだけとすることもできる。600℃に加熱することにより、結合剤の水分およびポリビニルアルコール成分を焼失することができるため、ホウケイ酸ガラス粒子17によって各金属短繊維12同士を結合することができ得る。
【0067】
上述した実施例にあって、溶湯含浸工程で、プリフォームにより複合化する部位を局部的に備えてなる金属複合材を成形することもできる。この金属複合材にあっては、プリフォームと金属母材とが複合した複合化部位と、金属母材のみからなる金属部位とを一体的に鋳造成形してなるものである。このような金属複合材を成形する場合にあっても、上述した本発明にかかる作用効果を奏する。そして、溶湯含浸工程で、プリフォームを金型のキャビティ内の所定箇所に配置する際にも、該プリフォームの金属短繊維が脱落することがないため、上記した金属部位に金属短繊維が異物として混入してしまうこともない。
【0068】
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施例のプリフォーム1を成形する工程を表す説明図である。
【図2】ダイカスト成形装置33による溶湯含浸工程を表す説明図である。
【図3】図2から連続する溶湯含浸工程を表す説明図である。
【図4】本実施例の金属複合材10の断面拡大写真である。
【図5】本実施例の金属複合材10の、引張強度の測定結果を示す図表である。
【符号の説明】
【0070】
1 プリフォーム
2 予備成形体
6 アルミニウム合金の溶湯(金属の溶湯)
6’ アルミニウム合金(金属母材)
10 金属複合材
12 金属短繊維
16 結合剤
17 ガラス粒子(ホウケイ酸ガラス粒子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス加工により、金属短繊維から構成される多孔質状の予備成形体を成形するプレス成形工程と、
高分子ポリマーと所定のガラス粒子とを溶融してなる粘着性を有する結合剤により、前記予備成形体の少なくとも外表層の各金属短繊維同士を仮接着する仮止め工程と、
前記結合剤により各金属短繊維同士を仮接着した予備成形体を、前記ガラス粒子の軟化点以上の所定焼結温度で加熱することにより、結合剤のガラス粒子により各金属短繊維同士を結合し、多孔質状のプリフォームを成形する焼成工程と、
前記プリフォームに、金属の溶湯を加圧含浸する溶湯含浸工程と
を備えていることを特徴とする金属複合材の製造方法。
【請求項2】
仮止め工程で使用する結合剤の所定のガラス粒子が、粒径100μm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の金属複合材の製造方法。
【請求項3】
焼成工程が、所定の焼結温度に加熱する前に、ガラス粒子の軟化点より低い所定温度に加熱することにより、結合剤の高分子ポリマーを焼失するようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属複合材の製造方法。
【請求項4】
仮止め工程で使用する結合剤の高分子ポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金属複合材の製造方法。
【請求項5】
仮止め工程で使用する結合剤の所定のガラス粒子は、その軟化点が400℃以上かつ700℃以下のものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金属複合材の製造方法。
【請求項6】
金属短繊維が、磁性を有するステンレス鋼であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の金属複合材の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−262158(P2009−262158A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110825(P2008−110825)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(391006430)中央精機株式会社 (128)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】