鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法
【課題】片側に鍔部を有し他側に短円筒状部もつ部品等を、加圧トン数の小さい鍛造機械により製造可能とし、製造コストの低減を図り、熱間鍛造だけでの製造で省エネを図り、かつ小ロットでの製造を可能とする。
【解決手段】棒状の鋼素材を切断して短円柱状部材を形成した後、熱間鍛造機械により、短円柱状部材の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材とし、次に金型により鍔付き短円筒状に成形する工程前に、偏平円盤部材の中央部に円形状の凹所を形成し、該円形状凹所の底板部分を打ち抜いて、孔付きの偏平円盤部材7を形成し、その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形する。また同様に成形したものを鍔状部分11と短円筒状部分12に分離して、ベアリングの外輪と内輪用部品を形成する。
【解決手段】棒状の鋼素材を切断して短円柱状部材を形成した後、熱間鍛造機械により、短円柱状部材の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材とし、次に金型により鍔付き短円筒状に成形する工程前に、偏平円盤部材の中央部に円形状の凹所を形成し、該円形状凹所の底板部分を打ち抜いて、孔付きの偏平円盤部材7を形成し、その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形する。また同様に成形したものを鍔状部分11と短円筒状部分12に分離して、ベアリングの外輪と内輪用部品を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍔付き短円筒状部品等、即ち、片側に鍔状部分を有して他則に短円筒状部分をもつ製品や、同様の形状から例えばベアリングの内・外輪用の部品を、丸鋼材から鍛造により製造する方法の改良に係るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ベアリングの内・外輪用の部材を製造する方法としては、鋼板から製造すもの(例えば特開2007−170586号公報参照)や、鋼管から製造するもの(例えば特開2007−130673号公報参照)もあるが、本発明は丸鋼材から製造するものである。
【0003】
丸棒状の鋼材から、片側に鍔状部分を有して他則に短筒状部分をもつ物を鍛造で製造する方法としては、従来は図24ないし図28で示すようなことが行われてきた(なお、ここでの図面符号は本願発明を示す図のものと一致させてある)。
【0004】
即ち、鋼材製の棒状素材1を所定寸法の切断して短円柱状部材2とし(図24参照)、それを熱間鍛造により、パンケーキ状の偏平円盤部材3に加圧した後(図25参照)、次いで冷間鍛造により、金型8,9で加圧して(図26参照)、有底の鍔付き短円筒状部材10を成形すると共に(図27参照)、その後に底板部分14を抜き出して、鍔付き短円筒状部品10を形成し(図28参照)、その後に焼鈍処理等を行うようにしている。
【0005】
また、製造するものがベアリングの外輪と内輪との製造の場合では、上記と同様にして鍔付き短円筒状部品10を形成した後に、上・下に分離・切断して外輪用の鍔状部分と内輪用の短円筒状部分とを形成している(例えば本発明での図13で示したものと同様のものである)。上記いずれの場合も、熱間鍛造と冷間鍛造との組み合わせにより製造している。
【0006】
さらに、丸鋼材からベアリングの外輪と内輪とを鍛造で製造する方法として、近時の特許文献には例えば次のようなものがある。
【特許文献1】特開2005−34854
【特許文献2】特開2005−205457
【特許文献3】特開2005−211929
【特許文献4】特開2005−271034
【特許文献5】特開2005−288505
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記の従来から行われている鍛造方法(図24ないし図28で示すもの)には次のような問題点があった。
イ)冷間鍛造による工程を用いるために、そこでの鍛造機械は加圧トン数の大きい大型のものが必要となる。そのため、製造コスト高となると共に、金型の寿命も短く、また歩留りも悪くなっている。これは、比較的厚みと高さをもつ製品ほどその傾向が強い。
【0008】
ロ)熱間鍛造と冷間鍛造の両加工処理を用いるために、両方の鍛造機械を設置するか、複数の設備をもつ鍛造機械を設ける必要が生じて、この面からも製品がコスト高とならざる得ず、また後の焼鈍処理のために再度の加熱が必要となり、かつ小ロットでの生産が難しかった。
【0009】
他方、上記特許文献に記載ものものはいずれも、金型で鍔付き短円筒状部品(同文献では「親子鍛造品」と称されている)を成形した時点では有底であり、その後において底板部分(底部)を抜き出して分離している。
【0010】
そのため、金型より鍔付き短円筒状部品を成形中には、短円筒状部分の下部が底板部分で繋がっており、金型で加圧しても素材の肉がうまく移動せず、流れに抵抗を受けてスムーズに成形が行われない。これは厚みと高さのある短円筒状部品等ほどその傾向にあり、上記と同様に金型に加える加圧トン数を大きくものにする必要があり、鍛造機械は大型のものを用いている。
【0011】
本発明は、上記従来の鍛造方法の問題点の解決を課題としたものである。即ち、本発明の目的は、片側に鍔上部分を有し他側に短円筒状部分もつ部品を、加圧トン数の比較的小さい小型の鍛造機械により製造可能として、製造コストの低減を図ると共に、熱間鍛造だけでの製造により省エネを図り、かつ小ロットでの製造も可能となる鍛造方法を提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
A 本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第1は、
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き短円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10に成形するようにしたものである。
【0013】
B 本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第2は、
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き短円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10に成形し、
該鍔付き短円筒状部品10をその境界部近傍で分離して、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とを形成するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法は、上記の如く金型で加圧して鍔付き短円筒部品10に成形する工程の前に、予めパンケーキ状の偏平円盤部材3の中央部に孔6を形成して孔付き偏平円盤部材7を形成しておき、その後これを金型8,9で加圧して、鍔付き短円筒状部品10に成形することが特徴である。
【0015】
これにより、
a)成形時の加圧トン数を小さくし、鍛造機械の小型化を図ることができると共に、歩留りも向上できる。
即ち、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して鍔付き短円筒状に成形する工程で、従来方法では加圧・成形中にも短円筒状部分の下部が底板部分14で繋がっているため(上記図26参照)、金型で加圧しても鋼材の肉がうまく移動せず、流れに抵抗を受けてスムーズに成形が行われなかった。これは厚みと高さのある短円筒状部品等ほどその傾向にある。そのために、金型に加える加圧トン数を大きなものにする必要があり、鍛造機械は大型のものを用いていた。
【0016】
しかし本発明の鍛造方法では、上記の偏平状円盤部材3を金型で加圧して短円筒状に成形する工程の前に予め、偏平円盤部材3に凹所4を形成し該凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6を形成しておく(例えば図4参照)。そのため、金型8,9で加圧して成形時には短円筒状部分の下部は繋がっていない(例えば図5参照)。
【0017】
これにより、金型8,9による成形時に鋼材の肉がうまく移動できて、肉の流れは抵抗を受けることないから、金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れて短円筒状に成形される。そのため、この金型8,9による成形時に加圧トン数は小さくて済むことになり、鍛造機械を小型化できると共に、製造コストのダウンを図ることもできる。また無理なく成形加工が進むので歩留りも向上できる。
【0018】
b)省エネを図ることができると共に、小ロット生産も容易になる。
即ち、上記の如く従来は、短円柱状部材2を、まず熱間鍛造で偏平状円盤部材3に形成し、それを冷間鍛造で金型8,9で加圧して鍔付き短円筒状部品10を成形した後に、焼鈍処理を行っていた。そのため、当初の熱間処理時と後の焼鈍処理時とで各々加熱処理を行う必要があった。
【0019】
これに対して本発明の鍛造方法では、上記のように、短円柱状部材2から後は全て熱間鍛造によるものとしており、一貫して熱間加工の鍛造機械だけで製造できるから、後で焼鈍処理のために再度の加熱処理をする必要がない。そのため、この面でも製造コストを低減できることは勿論のこと、省エネを図ることができ、また小ロット生産にも適することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
上記の如く熱間鍛造機により、鋼材製の棒状素材1としては例えば軸受け鋼を用いるものとし、それを切断した短円柱状部材2からパンケーキ状の偏平円盤部材3を形成した後に、鍔付き短円筒状に成形する工程前の段階で、該偏平円盤部材3の中央部に凹所4を形成して、その底板部分5を打ち抜いて孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、その後に該孔付き偏平円盤部材7を金型8,9で加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形するようにするのがよい。
【0021】
また製造するものが、ベアリングの外輪用部品と内輪用部品の場合は、上記と同様にして形成した鍔付き短円筒状部品10を、その境界部近傍で上・下に分離・切断して、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とを形成すればよい。
【0022】
なお、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して中央部に凹所4を形成した段階では、通常の場合は中央部に凹所4がある偏平状円盤形状でよい(例えば図21参照)。もし、内輪用の短円筒状部分12の肉厚が不足するようなら、下部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておき(例えば図22参照)、反面、外輪用の鍔状部分12になる部分の肉厚が不足するような場合には、円盤状部材3の上部の厚みが多くなる形状(例えば図23参照)しておけばよい。
【実施例1】
【0023】
図1ないし図6は、本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第1の実施例を示すものである。
【0024】
丸棒状の鋼材として、ここでは高炭素クロム軸受け鋼材を用いるものとし、所定寸法に切断して、短円柱状部材2を形成しておく(図1参照)。ここで所定寸法とは、鍔付き短円筒状部品等の各部の外径、内径、肉厚や高さ等を考慮して決定する。
【0025】
次に該短円柱状部材2を、以下は全て熱間鍛造で加工処理するものであり、熱間処理温度としてここでは約1200°Cに加熱した状態で、プレス機を用いてまずは両端面から加圧し、パンケーキ状の偏平円盤部材3を形成する(図2参照)。
【0026】
次いで、金型8,9により鍔付き筒状に成形する工程の前に、上記偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成する(図3参照)。もし、後で下部の短円筒状部分12の肉厚が不足するようなら、ここで下部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておき(図22参照)、反面、鍔状部分11の肉厚が不足するようなら、円盤状部材3の上部の厚みが多くなる形状(図23参照)にしておく。
【0027】
続いて上記円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、中央に孔6付きの偏平円盤部材7を形成しておく(図4参照)。
【0028】
その後に該孔付き偏平円盤部材7を下金型8で支承させ、下部中央に円柱状突出部をもつ上金型9で加圧して(図5参照)、鍔付きの短円筒状部品10を成形することになる(図6参照)。
【0029】
この成形工程において、上記の如く偏平状円盤部材7を金型8,9で加圧して鍔付き短円筒状部品10を成形する工程の前に、偏平円盤部材3の中央に予め孔6を形成してあるから、次の金型8,9で加圧して成形時に短円筒状部の下部中央は繋がっていない(図5参照)。
【0030】
そのため、この加圧時に鋼材の肉はうまく移動して、肉の流れは抵抗を受けることがなく、大きな加圧トン数を加えなくても金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れ、下部はうまく短円筒状に成形されて、鍔付き短円柱状部品10が容易かつ精度良く形成されている。
【実施例2】
【0031】
図7ないし図13は本発明の第2の実施例を示すもので、同じく鍔付き短円筒状部品であるが、ここではテーパーベアリングの外輪と内輪用部品を製造する場合を示す。製造方法は上記実施例1の場合とほぼ同様であるので、概略を述べる。
【0032】
鋼材製の棒状素材1としては、ここでも上記と同じ軸受け鋼を用いており、該棒状素材1から短円柱状部材2を形成して(図7参照)、それ以降を全て熱間鍛造により加工するものであり、まずはパンケーキ状の偏平円盤部材3を形成する(図8参照)。
【0033】
次に、金型8,9により鍔付き短円筒状部品10を成形する工程前に、予め該偏平状部材3の中央部に円形状の凹所4を形成する(図9参照)。この際も、後で形成される内輪用の短円筒状部分12の肉厚が不足するようなら、下部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておき(図22参照)、反面、外輪用の鍔状部分11になる部分の肉厚が不足するようなら、円盤状部材3の上部の厚みが多くなる形状(図23参照)にしておけばよい。
【0034】
続いて上記円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、中央に孔6付きの偏平円盤部材7を形成しておく(図10参照)。
【0035】
その後に、該孔付きの偏平円盤部材7を、下金型8で支承させて、上方から中央下部に円柱状突出部をもつ上金型9で加圧して(図11参照)、鍔付き短円筒状部品10を成形する(図12参照)。
【0036】
この成形工程でも、偏平状円盤部材3を加圧・成形前の段階で、中央部に予め孔6を形成してあるから、上記の場合と同様に加圧時に鋼材の肉のうまく移動し、過大な加圧トン数を加えなくても、金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れて下部が円筒状に成形され、容易に鍔付き短円筒状部品10が形成される。
【0037】
その後、上記で成形された鍔付き短円筒状部品10を、鍔状部分と短円筒状部分との境界部近傍で打ち抜いて上・下に分離・切断することにより、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とが形成される(図13参照)。
【実施例3】
【0038】
図14ないし図20は、本発明の上記第2の実施例の変形例を示すもので、ここではラジアルベアリングの外輪と内輪用部品を製造する場合を示す。
【0039】
製造方法は上記第2の実施例の場合とほぼ同様であるから概略のみ述べるが、ここでもパンケーキ状の偏平円盤部材3から金型8,9により鍔付き短円筒状部品10を成形する工程前に、予め偏平状部材3の中央部に円形状孔6を形成しておく(図17参照)。
【0040】
該孔付きの偏平円盤部材7を金型8,9で加圧して(図18参照)、鍔付き短円筒状部品10を成形するが(図19参照)、ここでも予め中央部に孔6を形成してあるため、金型8,9による加圧時に鋼材の肉のうまく移動し、過大な加圧トン数を加えなくても、金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れて下部が短円筒状に成形され、容易に鍔付き短円筒状部品10が形成される(図19参照)。
【0041】
その後は、鍔付き短円筒状部品10を、鍔状部分と短円筒状部分との境界近傍で打ち抜いて上・下に分離・切断することにより、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とが形成される(図20参照)。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第1の実施例で用いる短円柱状部材を示す斜視図である。
【図2】図1で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図3】図2で示したものに凹所を形成した状態を示す斜視図である。
【図4】図3で示したものに孔を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】図4で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図6】図5で成形された鍔付き短円筒状部材の一部縦断正面図である。
【図7】本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第2の実施例で用いる短円柱状部材を示す斜視図である。
【図8】図7で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図9】図8で示したものに凹所を形成した状態を示す斜視図である。
【図10】図9で示したものに孔を形成した状態を示す斜視図である。
【図11】図10で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図12】図11で成形された鍔付き短円筒状部品の一部縦断正面図である。
【図13】図12で示す鍔付き円筒状部品を分離・切断した状態を示す一部縦断正面図である。
【図14】本発明に係る鍔付き円筒状部品等の鍛造方法の第3の実施例で用いる短円柱状部材を示す斜視図である。
【図15】図14で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図16】図15で示したものに凹所を形成した状態を示す斜視図である。
【図17】図16で示したものに孔を形成した状態を示す斜視図である。
【図18】図17で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図19】図18で成形された鍔付き短円筒状部品の一部縦断正面図である。
【図20】図19示す鍔付き短円筒状部材を分離・切断した状態を示す一部縦断正面図である。
【図21】図3,図9または図16で示したものの中央縦断正面図である。
【図22】短円筒状部分の肉厚が不足しそうな場合に用いる図3,図9または図16で示したものの中央縦断正面図である。
【図23】鍔状部分の肉厚が不足しそうな場合に用いる図3,図9または図16で示したものの中央縦断正面図である。
【図24】従来方法で用いた短円柱状部材を示す斜視図である。
【図25】図24で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図26】図25で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図27】図25で成形された鍔付き短円筒状部材の一部縦断正面図である。
【図28】図27で示したものの底板部分を打ち抜いて形成した鍔付き短円筒状部品の一部縦断正面図である。
【符号の説明】
【0043】
1−棒状素材
2−短円柱状部材
3−偏平円盤部材
4−凹所
5−底板部分
6−孔
7−孔付き偏平円盤部材
8−下型
9−上型
10−鍔付き短円筒状部品
11−鍔状部分
12−短円筒状部分
14−底板部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍔付き短円筒状部品等、即ち、片側に鍔状部分を有して他則に短円筒状部分をもつ製品や、同様の形状から例えばベアリングの内・外輪用の部品を、丸鋼材から鍛造により製造する方法の改良に係るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ベアリングの内・外輪用の部材を製造する方法としては、鋼板から製造すもの(例えば特開2007−170586号公報参照)や、鋼管から製造するもの(例えば特開2007−130673号公報参照)もあるが、本発明は丸鋼材から製造するものである。
【0003】
丸棒状の鋼材から、片側に鍔状部分を有して他則に短筒状部分をもつ物を鍛造で製造する方法としては、従来は図24ないし図28で示すようなことが行われてきた(なお、ここでの図面符号は本願発明を示す図のものと一致させてある)。
【0004】
即ち、鋼材製の棒状素材1を所定寸法の切断して短円柱状部材2とし(図24参照)、それを熱間鍛造により、パンケーキ状の偏平円盤部材3に加圧した後(図25参照)、次いで冷間鍛造により、金型8,9で加圧して(図26参照)、有底の鍔付き短円筒状部材10を成形すると共に(図27参照)、その後に底板部分14を抜き出して、鍔付き短円筒状部品10を形成し(図28参照)、その後に焼鈍処理等を行うようにしている。
【0005】
また、製造するものがベアリングの外輪と内輪との製造の場合では、上記と同様にして鍔付き短円筒状部品10を形成した後に、上・下に分離・切断して外輪用の鍔状部分と内輪用の短円筒状部分とを形成している(例えば本発明での図13で示したものと同様のものである)。上記いずれの場合も、熱間鍛造と冷間鍛造との組み合わせにより製造している。
【0006】
さらに、丸鋼材からベアリングの外輪と内輪とを鍛造で製造する方法として、近時の特許文献には例えば次のようなものがある。
【特許文献1】特開2005−34854
【特許文献2】特開2005−205457
【特許文献3】特開2005−211929
【特許文献4】特開2005−271034
【特許文献5】特開2005−288505
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記の従来から行われている鍛造方法(図24ないし図28で示すもの)には次のような問題点があった。
イ)冷間鍛造による工程を用いるために、そこでの鍛造機械は加圧トン数の大きい大型のものが必要となる。そのため、製造コスト高となると共に、金型の寿命も短く、また歩留りも悪くなっている。これは、比較的厚みと高さをもつ製品ほどその傾向が強い。
【0008】
ロ)熱間鍛造と冷間鍛造の両加工処理を用いるために、両方の鍛造機械を設置するか、複数の設備をもつ鍛造機械を設ける必要が生じて、この面からも製品がコスト高とならざる得ず、また後の焼鈍処理のために再度の加熱が必要となり、かつ小ロットでの生産が難しかった。
【0009】
他方、上記特許文献に記載ものものはいずれも、金型で鍔付き短円筒状部品(同文献では「親子鍛造品」と称されている)を成形した時点では有底であり、その後において底板部分(底部)を抜き出して分離している。
【0010】
そのため、金型より鍔付き短円筒状部品を成形中には、短円筒状部分の下部が底板部分で繋がっており、金型で加圧しても素材の肉がうまく移動せず、流れに抵抗を受けてスムーズに成形が行われない。これは厚みと高さのある短円筒状部品等ほどその傾向にあり、上記と同様に金型に加える加圧トン数を大きくものにする必要があり、鍛造機械は大型のものを用いている。
【0011】
本発明は、上記従来の鍛造方法の問題点の解決を課題としたものである。即ち、本発明の目的は、片側に鍔上部分を有し他側に短円筒状部分もつ部品を、加圧トン数の比較的小さい小型の鍛造機械により製造可能として、製造コストの低減を図ると共に、熱間鍛造だけでの製造により省エネを図り、かつ小ロットでの製造も可能となる鍛造方法を提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
A 本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第1は、
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き短円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10に成形するようにしたものである。
【0013】
B 本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第2は、
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き短円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10に成形し、
該鍔付き短円筒状部品10をその境界部近傍で分離して、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とを形成するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法は、上記の如く金型で加圧して鍔付き短円筒部品10に成形する工程の前に、予めパンケーキ状の偏平円盤部材3の中央部に孔6を形成して孔付き偏平円盤部材7を形成しておき、その後これを金型8,9で加圧して、鍔付き短円筒状部品10に成形することが特徴である。
【0015】
これにより、
a)成形時の加圧トン数を小さくし、鍛造機械の小型化を図ることができると共に、歩留りも向上できる。
即ち、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して鍔付き短円筒状に成形する工程で、従来方法では加圧・成形中にも短円筒状部分の下部が底板部分14で繋がっているため(上記図26参照)、金型で加圧しても鋼材の肉がうまく移動せず、流れに抵抗を受けてスムーズに成形が行われなかった。これは厚みと高さのある短円筒状部品等ほどその傾向にある。そのために、金型に加える加圧トン数を大きなものにする必要があり、鍛造機械は大型のものを用いていた。
【0016】
しかし本発明の鍛造方法では、上記の偏平状円盤部材3を金型で加圧して短円筒状に成形する工程の前に予め、偏平円盤部材3に凹所4を形成し該凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6を形成しておく(例えば図4参照)。そのため、金型8,9で加圧して成形時には短円筒状部分の下部は繋がっていない(例えば図5参照)。
【0017】
これにより、金型8,9による成形時に鋼材の肉がうまく移動できて、肉の流れは抵抗を受けることないから、金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れて短円筒状に成形される。そのため、この金型8,9による成形時に加圧トン数は小さくて済むことになり、鍛造機械を小型化できると共に、製造コストのダウンを図ることもできる。また無理なく成形加工が進むので歩留りも向上できる。
【0018】
b)省エネを図ることができると共に、小ロット生産も容易になる。
即ち、上記の如く従来は、短円柱状部材2を、まず熱間鍛造で偏平状円盤部材3に形成し、それを冷間鍛造で金型8,9で加圧して鍔付き短円筒状部品10を成形した後に、焼鈍処理を行っていた。そのため、当初の熱間処理時と後の焼鈍処理時とで各々加熱処理を行う必要があった。
【0019】
これに対して本発明の鍛造方法では、上記のように、短円柱状部材2から後は全て熱間鍛造によるものとしており、一貫して熱間加工の鍛造機械だけで製造できるから、後で焼鈍処理のために再度の加熱処理をする必要がない。そのため、この面でも製造コストを低減できることは勿論のこと、省エネを図ることができ、また小ロット生産にも適することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
上記の如く熱間鍛造機により、鋼材製の棒状素材1としては例えば軸受け鋼を用いるものとし、それを切断した短円柱状部材2からパンケーキ状の偏平円盤部材3を形成した後に、鍔付き短円筒状に成形する工程前の段階で、該偏平円盤部材3の中央部に凹所4を形成して、その底板部分5を打ち抜いて孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、その後に該孔付き偏平円盤部材7を金型8,9で加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形するようにするのがよい。
【0021】
また製造するものが、ベアリングの外輪用部品と内輪用部品の場合は、上記と同様にして形成した鍔付き短円筒状部品10を、その境界部近傍で上・下に分離・切断して、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とを形成すればよい。
【0022】
なお、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して中央部に凹所4を形成した段階では、通常の場合は中央部に凹所4がある偏平状円盤形状でよい(例えば図21参照)。もし、内輪用の短円筒状部分12の肉厚が不足するようなら、下部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておき(例えば図22参照)、反面、外輪用の鍔状部分12になる部分の肉厚が不足するような場合には、円盤状部材3の上部の厚みが多くなる形状(例えば図23参照)しておけばよい。
【実施例1】
【0023】
図1ないし図6は、本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第1の実施例を示すものである。
【0024】
丸棒状の鋼材として、ここでは高炭素クロム軸受け鋼材を用いるものとし、所定寸法に切断して、短円柱状部材2を形成しておく(図1参照)。ここで所定寸法とは、鍔付き短円筒状部品等の各部の外径、内径、肉厚や高さ等を考慮して決定する。
【0025】
次に該短円柱状部材2を、以下は全て熱間鍛造で加工処理するものであり、熱間処理温度としてここでは約1200°Cに加熱した状態で、プレス機を用いてまずは両端面から加圧し、パンケーキ状の偏平円盤部材3を形成する(図2参照)。
【0026】
次いで、金型8,9により鍔付き筒状に成形する工程の前に、上記偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成する(図3参照)。もし、後で下部の短円筒状部分12の肉厚が不足するようなら、ここで下部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておき(図22参照)、反面、鍔状部分11の肉厚が不足するようなら、円盤状部材3の上部の厚みが多くなる形状(図23参照)にしておく。
【0027】
続いて上記円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、中央に孔6付きの偏平円盤部材7を形成しておく(図4参照)。
【0028】
その後に該孔付き偏平円盤部材7を下金型8で支承させ、下部中央に円柱状突出部をもつ上金型9で加圧して(図5参照)、鍔付きの短円筒状部品10を成形することになる(図6参照)。
【0029】
この成形工程において、上記の如く偏平状円盤部材7を金型8,9で加圧して鍔付き短円筒状部品10を成形する工程の前に、偏平円盤部材3の中央に予め孔6を形成してあるから、次の金型8,9で加圧して成形時に短円筒状部の下部中央は繋がっていない(図5参照)。
【0030】
そのため、この加圧時に鋼材の肉はうまく移動して、肉の流れは抵抗を受けることがなく、大きな加圧トン数を加えなくても金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れ、下部はうまく短円筒状に成形されて、鍔付き短円柱状部品10が容易かつ精度良く形成されている。
【実施例2】
【0031】
図7ないし図13は本発明の第2の実施例を示すもので、同じく鍔付き短円筒状部品であるが、ここではテーパーベアリングの外輪と内輪用部品を製造する場合を示す。製造方法は上記実施例1の場合とほぼ同様であるので、概略を述べる。
【0032】
鋼材製の棒状素材1としては、ここでも上記と同じ軸受け鋼を用いており、該棒状素材1から短円柱状部材2を形成して(図7参照)、それ以降を全て熱間鍛造により加工するものであり、まずはパンケーキ状の偏平円盤部材3を形成する(図8参照)。
【0033】
次に、金型8,9により鍔付き短円筒状部品10を成形する工程前に、予め該偏平状部材3の中央部に円形状の凹所4を形成する(図9参照)。この際も、後で形成される内輪用の短円筒状部分12の肉厚が不足するようなら、下部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておき(図22参照)、反面、外輪用の鍔状部分11になる部分の肉厚が不足するようなら、円盤状部材3の上部の厚みが多くなる形状(図23参照)にしておけばよい。
【0034】
続いて上記円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、中央に孔6付きの偏平円盤部材7を形成しておく(図10参照)。
【0035】
その後に、該孔付きの偏平円盤部材7を、下金型8で支承させて、上方から中央下部に円柱状突出部をもつ上金型9で加圧して(図11参照)、鍔付き短円筒状部品10を成形する(図12参照)。
【0036】
この成形工程でも、偏平状円盤部材3を加圧・成形前の段階で、中央部に予め孔6を形成してあるから、上記の場合と同様に加圧時に鋼材の肉のうまく移動し、過大な加圧トン数を加えなくても、金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れて下部が円筒状に成形され、容易に鍔付き短円筒状部品10が形成される。
【0037】
その後、上記で成形された鍔付き短円筒状部品10を、鍔状部分と短円筒状部分との境界部近傍で打ち抜いて上・下に分離・切断することにより、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とが形成される(図13参照)。
【実施例3】
【0038】
図14ないし図20は、本発明の上記第2の実施例の変形例を示すもので、ここではラジアルベアリングの外輪と内輪用部品を製造する場合を示す。
【0039】
製造方法は上記第2の実施例の場合とほぼ同様であるから概略のみ述べるが、ここでもパンケーキ状の偏平円盤部材3から金型8,9により鍔付き短円筒状部品10を成形する工程前に、予め偏平状部材3の中央部に円形状孔6を形成しておく(図17参照)。
【0040】
該孔付きの偏平円盤部材7を金型8,9で加圧して(図18参照)、鍔付き短円筒状部品10を成形するが(図19参照)、ここでも予め中央部に孔6を形成してあるため、金型8,9による加圧時に鋼材の肉のうまく移動し、過大な加圧トン数を加えなくても、金型8,9間に沿ってスムーズに下方へ流れて下部が短円筒状に成形され、容易に鍔付き短円筒状部品10が形成される(図19参照)。
【0041】
その後は、鍔付き短円筒状部品10を、鍔状部分と短円筒状部分との境界近傍で打ち抜いて上・下に分離・切断することにより、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とが形成される(図20参照)。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第1の実施例で用いる短円柱状部材を示す斜視図である。
【図2】図1で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図3】図2で示したものに凹所を形成した状態を示す斜視図である。
【図4】図3で示したものに孔を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】図4で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図6】図5で成形された鍔付き短円筒状部材の一部縦断正面図である。
【図7】本発明に係る鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法の第2の実施例で用いる短円柱状部材を示す斜視図である。
【図8】図7で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図9】図8で示したものに凹所を形成した状態を示す斜視図である。
【図10】図9で示したものに孔を形成した状態を示す斜視図である。
【図11】図10で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図12】図11で成形された鍔付き短円筒状部品の一部縦断正面図である。
【図13】図12で示す鍔付き円筒状部品を分離・切断した状態を示す一部縦断正面図である。
【図14】本発明に係る鍔付き円筒状部品等の鍛造方法の第3の実施例で用いる短円柱状部材を示す斜視図である。
【図15】図14で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図16】図15で示したものに凹所を形成した状態を示す斜視図である。
【図17】図16で示したものに孔を形成した状態を示す斜視図である。
【図18】図17で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図19】図18で成形された鍔付き短円筒状部品の一部縦断正面図である。
【図20】図19示す鍔付き短円筒状部材を分離・切断した状態を示す一部縦断正面図である。
【図21】図3,図9または図16で示したものの中央縦断正面図である。
【図22】短円筒状部分の肉厚が不足しそうな場合に用いる図3,図9または図16で示したものの中央縦断正面図である。
【図23】鍔状部分の肉厚が不足しそうな場合に用いる図3,図9または図16で示したものの中央縦断正面図である。
【図24】従来方法で用いた短円柱状部材を示す斜視図である。
【図25】図24で示したものから形成した偏平円盤部材を示す斜視図である。
【図26】図25で示したものを金型で加圧形成時の状態を示す縦断正面図である。
【図27】図25で成形された鍔付き短円筒状部材の一部縦断正面図である。
【図28】図27で示したものの底板部分を打ち抜いて形成した鍔付き短円筒状部品の一部縦断正面図である。
【符号の説明】
【0043】
1−棒状素材
2−短円柱状部材
3−偏平円盤部材
4−凹所
5−底板部分
6−孔
7−孔付き偏平円盤部材
8−下型
9−上型
10−鍔付き短円筒状部品
11−鍔状部分
12−短円筒状部分
14−底板部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形することを特徴とする、鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【請求項2】
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形し、
該鍔付き短円筒状部品10を境界部近傍で分離して、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とを形成することを特徴とする、鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【請求項3】
内輪用の短円筒状部分12の肉厚が不足する場合には、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して中央部に凹所4を形成した段階で、底部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておく、請求項2に記載の鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【請求項4】
外輪用の短円筒状部分11の肉厚が不足する場合には、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して中央部に凹所4を形成した段階で、円盤状部材3の外周部の厚みが多くなる形状にしておく、請求項2に記載の鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【請求項1】
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形することを特徴とする、鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【請求項2】
鋼材製の棒状素材1を所定長さに切断して短円柱状部材2を形成した後、
熱間鍛造機械により、
上記短円柱状部材2の端面を加圧してパンケーキ状の偏平円盤部材3とし、
次に金型により鍔付き円筒状に成形する工程の前に、
該偏平円盤部材3の中央部に円形状の凹所4を形成し、
続いて該円形状凹所4の底板部分5を打ち抜いて、孔6付きの偏平円盤部材7を形成し、
その後に金型8,9により加圧して、鍔付き短円筒状部品10を成形し、
該鍔付き短円筒状部品10を境界部近傍で分離して、外輪用の鍔状部分11と内輪用の短円筒状部分12とを形成することを特徴とする、鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【請求項3】
内輪用の短円筒状部分12の肉厚が不足する場合には、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して中央部に凹所4を形成した段階で、底部の肉が多くなるように底部が膨出した形状にしておく、請求項2に記載の鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【請求項4】
外輪用の短円筒状部分11の肉厚が不足する場合には、パンケーキ状の偏平円盤部材3を加圧して中央部に凹所4を形成した段階で、円盤状部材3の外周部の厚みが多くなる形状にしておく、請求項2に記載の鍔付き短円筒状部品等の鍛造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2009−39750(P2009−39750A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207321(P2007−207321)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(594013435)株式会社置田鉄工所 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(594013435)株式会社置田鉄工所 (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]