説明

開閉体の駆動装置

【課題】軸方向の寸法を短縮して、薄型化を可能にした開閉体の駆動装置を提供する。
【解決手段】ベース部材7は、一側面70にあって減速歯車9の両回転面のうち一側面70に対向する方の一方の回転面へ向けて突出する膨出部71及び膨出部71の反対側に形成される凹部72を有する。クラッチ機構12は、その一部が凹部72内に収容された形態でベース部材7の一側面70側から締結部材26により凹部72に固定される。ギヤハウジング21は、シャフト10を回転自在に枢支するためのベアリング25を支持する軸受筒部211を有する。軸受筒部211は、減速歯車9の両回転面のうちギヤハウジング21に対向する方の他方の回転面92に設けた軸受凹部93内に位置するように突出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体等に開閉可能に支持された開閉体を開閉するための開閉体の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉体の駆動装置においては、ベース部材にシャフトを介して回転自在に枢支され、スライドドア等の開閉体に駆動力を伝達するケーブルが外周面に巻回された出力ドラムと、モータからの駆動力が減速機構を介して入力されるとともに、駆動力が出力ドラムに伝達される接続状態及び伝達されない切断状態に切り替えられるクラッチ機構とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された開閉体の駆動装置は、平板状のベース部材の一方の面に減速機構を配置し、他方の面にクラッチ機構を配置して、減速機構とクラッチ機構とが互いに軸方向に対向した状態でベース部材に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−232918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来の開閉体の駆動装置においては、減速機構とクラッチ機構とが互いに軸方向に対向した状態で配置されるため、軸方向の寸法、すなわち厚さが比較的大きくなり、限られたスペース、特に車両等のように、インナーパネルとアウタパネルとの間の狭いスペースに収容することが困難となり、インナーパネルを車内側へ突出させる等の対策を講じる必要がある。これは、車体設計に対して制限を与える。このため、開閉体の駆動装置においては、クラッチ機構と減速機構とが互いに対向した形態にあっても、軸方向の寸法が小さい構造が望まれている。
【0006】
本発明は、上述のような従来の課題に鑑み、クラッチ機構と減速歯車とが互いに対向した形態にあって、軸方向の寸法を短縮して、薄型化を可能にした開閉体の駆動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)モータと、被固定体に固定されるベース部材と、前記ベース部材の一側面に固定されるギヤハウジングと、前記ギヤハウジング内にあって前記ベース部材の前記一側面側にシャフトを介して回転自在に配置され前記モータの回転を減速して回転可能な減速歯車と、前記ベース部材の前記一側面と反対側の他側面側に前記シャフトを介して回転自在に配置され、前記減速歯車の回転を開閉体に伝達可能な伝達部材が連結される出力ドラムと、前記ベース部材の前記他側面に配置され、前記減速歯車の回転を前記出力ドラムに伝達可能とする接続状態及び伝達不能とする切断状態に切り替え可能なクラッチ機構とを備える開閉体の駆動装置において、前記ベース部材は、前記一側面にあって前記減速歯車に対向する回転面へ向けて突出する膨出部及び前記他側面にあって前記膨出部と反対側に形成される凹部を有し、前記クラッチ機構は、その一部が前記凹部内に収容された形態で前記ベース部材の前記一側面側から締結部材により前記凹部に固定され、前記ギヤハウジングは、前記シャフトを回転自在に枢支するためのベアリングを支持する軸受筒部を有し、前記軸受筒部は、前記減速歯車の前記ギヤハウジングに対向する回転面に設けた軸受凹部内に位置するように突出する。
【0008】
(2)モータと、被固定体に固定されるベース部材と、前記ベース部材の一側面に固定されるギヤハウジングと、前記ギヤハウジング内にあって前記ベース部材の前記一側面側にシャフトを介して回転自在に配置され前記モータの回転を減速して回転可能な減速歯車と、前記ベース部材の前記一側面と反対側の他側面側に前記シャフトを介して回転自在に配置され、前記減速歯車の回転を開閉体に伝達可能な伝達部材が連結される出力ドラムと、前記ベース部材の前記他側面に配置され、前記減速歯車の回転を前記出力ドラムに伝達可能とする接続状態及び伝達不能とする切断状態に切り替え可能なクラッチ機構とを備える開閉体の駆動装置において、前記ベース部材は、前記一側面にあって前記減速歯車に対向する回転面へ向けて突出する膨出部及び前記他側面にあって前記膨出部と反対側に形成される凹部を有し、前記クラッチ機構は、その一部が前記凹部内に収容された形態で前記ベース部材の前記一側面側から締結部材により前記ベース部材の前記他側面に固定され、前記減速歯車は、前記ベース部材に対向する回転面にあって、前記ベース部材の前記一側面側に突出する前記締結部材の頭部に対向し、かつ前記減速歯車の回転時に前記頭部が干渉しないように凹んだ環状の凹部を有する。
【0009】
(3)上記(1)項において、前記減速歯車は、前記軸受筒部の外周に外嵌されることにより回転自在に支持される。
【0010】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、前記ベース部材の前記他側面に、前記出力ドラムと前記クラッチ機構とを収容するハウジングを固定し、前記シャフトは、前記出力ドラムの中心に一体成形され、前記シャフトの前記ハウジング側の端部は、前記ハウジングに回転自在に支持される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ベース部材は、一側面にあって減速歯車の両回転面のうち一側面に対向する方の一方の回転面へ向けて突出する膨出部及び膨出部の反対側に形成される凹部を有し、クラッチ機構は、その一部が凹部内に収容された形態でベース部材の一側面側から締結部材により凹部に固定されることによって、クラッチ機構を減速歯車に接近させた状態で配置することができるため、クラッチ機構と減速歯車とを互いにシャフトの軸方向に対向した形態にあって、軸方向の寸法を短縮して、装置の薄型化を図ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を適用した車両の側面図である。
【図2】駆動装置の縦断面図である。
【図3】駆動装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を適用した車両の側面図、図2は、駆動装置の縦断面図、図3は、駆動装置の分解斜視図である。なお、以下の説明においては、図1における下方を「前方」とし、図1における上方を「後方」とする。
【0014】
図1に示すように、ミニバンまたはワゴンタイプの車両の開閉体をなすスライドドア1は、車体2の側面に設けられた上、中、下のガイドレール3、4、5により前後方向へ開閉可能に支持され、手動操作及び車体2後部に組み付けられた駆動装置6により、車体2の乗降口を閉鎖した全閉位置から車体2の外側面より若干外方に移動しつつ、車体2の側面に沿って後方へ移動した全開位置へ及びその逆へ移動することができる。
【0015】
図2、3に示すように、駆動装置6は、車体(被固定体)2に固定されるべース部材をなす金属製のべースプレート7と、正逆回転可能なモータ8と、モータ8の回転を減速して回転可能な減速機構の減速ギヤをなすウォームホイール(減速歯車)9と、左右方向を向くシャフト10により回転自在に枢支され、モータ8の駆動力をスライドドア1に伝達する伝達部材をなすケーブル13が巻回されて連結される合成樹脂製の出力ドラム11と、ウォームホイール9と出力ドラム11との間の動力伝達経路を断続可能なクラッチ機構12とを備えている。
【0016】
べースプレート7の一側面(図2において左側面、図3において上側面)70には、ウォームホイール9を収容したギヤハウジング21がねじ20により固定され、また、べースプレート7の他側面(図2において右側面、図3において下側面)には、出力ドラム11及びクラッチ機構12を収容するハウジング23がねじ(図示略)により固定される。なお、モータ8は、ギヤハウジング21を介してべースプレート7の一側面70に取り付けられる。
【0017】
ベースプレート(7)は、例えばプレス加工により、クラッチ機構12が取り付けられる面側からウォームホイール9が配置される面側に向かって円形状に打ち出され、打ち出されたベースプレート7の一部をもって、一側面側に突出した円形の膨出部71が形成される。また、膨出部71の反対の背面側(図2において右側面、図3において下側面)には、皿状の凹部72が形成される。
【0018】
図2に示すように、膨出部71は、ベースプレート7の一側面70に対向するギヤハウジング21の開口部212からギヤハウジング21内に収容されて、ウォームホイール9の側面に接近して対向する。これにより、ウォームホイール9とベースプレート7との間の間隔を小さくすることができる。
【0019】
膨出部71と反対側の凹部72内には、クラッチ機構12における後述するフィールドコア15の一部が収容される。凹部72の中心には、貫通孔73が形成され、また、膨出部71の周面となる段差部74には、後述する電磁コイル14より導出されるリード線141を通す貫通孔75が形成されている。
【0020】
出力ドラム11の外周に連結されるケーブル13は、ガイドレール4の前端部及び後端部に設けられたガイド部材(図示略)にそれぞれ掛け回されて、ガイドレール4に沿って配索されるとともに、端部がスライドドア1に連結される。
【0021】
図2に示すように、ウォームホイール9は、左回転面(ギヤハウジング21に対向する他方の回転面)92の中心に設けられて右方(図3において下方)へ凹んだ円形の軸受凹部93(図2、3参照)がギヤハウジング21の内部に設けられた右方、すなわちウォームホイール9の左回転面92へ向けて突出する筒状の軸受筒部211の外周に外嵌されることにより、ギヤハウジング21内に回転自在に支持されるとともに、モータ8の出力軸に固着されたウォーム24に噛合して、モータ8の回転を減速して回転する。膨出部71と対向している方のウォームホイール9の右回転面には、環状の凹部91が設けられている。
【0022】
出力ドラム11は、ほぼ有底円筒状をなし、その外周面にケーブル13を巻回する螺旋溝111を形成し、また、端蓋部112の中心部には左右方向のシャフト10が一体的に形成されている。
【0023】
シャフト10における出力ドラム11の端蓋部112の外側面(図2においては右側面、図3においては下側面)からハウジング23側に突出する一端部(図2において右端部、図3において下端部)101は、ハウジング23に設けられた軸受孔231に回転自在に枢嵌され、また、同じく出力ドラム11の端蓋部112の内側面(図2においては左側面、図3においては上側面)からギヤハウジング21側に向けて突出する他端部(図2において左端部、図3において上端部)102は、ギヤハウジング21の軸受筒部211の内側にベアリング25を介して回転自在に支持される。ベアリング25は、ギヤハウジング21内にあって、ウォームホイール9の軸受凹部93内に向けて突出する軸受筒部211内に設けられるため、図2に明示されるように、軸受筒部211と共にウォームホイール9の軸受凹部93内に位置する。
【0024】
出力ドラム11の端蓋部112の内側面から図2において左方へ突出するシャフト10の根元部分には、拡径部104が形成され、また、他端部102(図2において左端部)102寄り側の外周には、Eワッシャ27が軸方向に嵌合される嵌合溝103が設けられている。
【0025】
Eワッシャ27は、シャフト10に後述のアーマチュア17及びロータ16の軸受筒部161を回転可能に外嵌した後、シャフト10の外周に設けられた嵌合溝103に嵌合されることによって、シャフト10に対するロータ16の軸方向へのガタ付きを規制する。
【0026】
クラッチ機構12は、電磁コイル14が組み込まれてべースプレート7の他側面に締結部材をなすねじ26により固定される磁性体からなるほぼ円筒状のフィールドコア15と、フィールドコア15の中央部に設けられた貫通孔151を貫通するシャフト10に回転可能に外嵌されるロータ16と、摩擦面171がロータ16の摩擦面164に対向するように、シャフト10の拡径部104に軸方向へ僅かに移動自在に外嵌されるアーマチュア17とを備える。
【0027】
ロータ16、アーマチュア17及びフィールドコア15は、出力ドラム11の内径側に収容される。また、ベースプレート7の一側面(図2において左側面)からフィールドコア15をベースプレート7に固定するねじ26の頭部26aは、ベースプレート7の一側面から図2において左方へ突出している。しかし、本実施形態においては、ウォームホイール9の右回転面に環状の凹部91が設けられているため、ウォームホイール9の右回転面と膨出部71とを互いに対向させて接近させても、ねじ26の頭部26aは、ウォームホイール9に干渉することはない。
【0028】
ロータ16は、磁性体からなり、摩擦面164の反対側の側面から左方へ向けて突出して、シャフト10に回転自在に外嵌される軸受筒部161を有している。この軸受筒部161は、シャフト10と共にフィールドコア15の貫通孔151及びベースプレート7の貫通孔73を貫通するとともに、その端部には、ウォームホイール9に連結されるローレット162が形成されている。
【0029】
アーマチュア17は、シャフト10の拡径部104に軸方向へ僅かに移動自在に外嵌されるとともに、出力ドラム11と一体的に回転するように、出力ドラム11の内径側に遊嵌される。
【0030】
ロータ16とアーマチュア17との間には、ウェーブワッシャ28が設けられている。このウェーブワッシャ28は、シャフト10の拡径部104に外嵌され、アーマチュア17の摩擦面171がロータ16の摩擦面164から離れる方向へ付勢する。これにより、ロータ16とアーマチュア17間における両者の軸方向へのガタ付きを阻止する。なお、アーマチュア17は、出力ドラム11の端蓋部112の内側面に当接することによって、その軸方向の移動量が制限されている。
【0031】
電磁コイル14への通電時、すなわちクラッチ機構12の接続状態においては、アーマチュア17をロータ16に磁気的に吸着して、モータ8の回転を、ウォーム24、ウォームホイール9、ロータ16、アーマチュア17を介して、出力ドラム11に伝達する。出力ドラム11にモータ8の駆動力が伝達されると、ケーブル13を出力ドラム11に巻き取って、スライドドア1を閉じ方向または開き方向へ移動させることができる。また、電磁コィル14への非通電時、すなわちクラッチ機構12の切断状態においては、ロータ16とアーマチュア17との間が切断されるため、ウォームホイール9、モータ8を逆転させることなく、スライドドア1を手動操作で開閉することができる。
【0032】
上述のように本実施形態においては、ベースプレート7にその一面側から他面側に向かって突出する円形の膨出部71を形成して、膨出部71をウォームホイール9に対向配置するとともに、膨出部71の背面側に形成された皿状の凹部72内に、クラッチ機構12におけるフィールドコア15のベースプレート7に対向する面側を収容したことにより、クラッチ機構12とウォームホイール9とを、ベースプレート7を挟んで互いに接近させて配置することができる。この結果、クラッチ機構12とウォームホイール9とを互いにシャフト10の軸方向に対向した形態にあっても、軸方向の寸法を小さくして、装置全体の薄型化を図ることができる。
【0033】
ウォームホイール9を収容するギヤハウジング21のベースプレート7に対向する面側に、膨出部71を収容したことによって、膨出部71の突出量を吸収することができ、クラッチ機構12とウォームホイール9との軸方向の寸法をより短縮することができる。
【0034】
また、クラッチ機構12におけるフィールドコア15のベースプレート7に対向する面側を、膨出部71の背面側に形成された凹部72にねじ26により固定し、ねじ26の頭部26aに対向するウォームホイール9の右回転面に、環状の凹部91を設けたことによって、膨出部71とウォームホール9の右回転面とを互いに接近させても、ねじ26の頭部26aがウォームホイール9の右回転面に干渉することがない。
【0035】
さらに、電磁コイル14より導出されたリード線141を、膨出部71の周面となる段差部74に設けられた貫通孔75を通して外部に導出するようにしているので、リード線141の厚みを膨出部71の段差部分で吸収できるとともに、リード線141と、出力ドラム11、クラッチ機構12及びウォームホイール9との接触を阻止して、リード線141の断線等を確実に防止することができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(i)膨出部71を、正面視多角形に形成する、
(ii)シャフト10を、出力ドラム11と別体で形成する、
(iii)開閉体を、スライドドア1に代えて、バックドア、サンルーフ、または窓開閉装置等にする。
【符号の説明】
【0037】
1 スライドドア(開閉体)
2 車体(被固定体)
3、4、5 ガイドレール
6 駆動装置
7 べースプレート(べース部材)
8 モータ
9 ウォームホイール(減速機構、減速歯車)
10 シャフト
11 出力ドラム
12 クラッチ機構
13 ケーブル
14 電磁コイル
15 フィールドコア
16 ロータ
17 アーマチュア
20 ねじ
21 ギヤハウジング
23 ハウジング
24 ウォーム
25 ベアリング
26 ねじ(締結部材)
26a 頭部
27 Eワッシヤ
28 ウェーブワッシャ
70 一側面
71 膨出部
72 凹部
73 貫通孔
74 段差部
75 貫通孔
91 凹部
92 左回転面(他方の回転面)
93 軸受凹部
101 一端部
102 他端部
103 嵌合溝
104 拡径部
111 螺旋溝
112 端蓋部
141 リード線
151 貫通孔
161 軸受筒部
162 ローレット
164 摩擦面
171 摩擦面
211 軸受筒部
212 開口部
231 軸受孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、被固定体に固定されるベース部材と、前記ベース部材の一側面に固定されるギヤハウジングと、前記ギヤハウジング内にあって前記ベース部材の前記一側面側にシャフトを介して回転自在に配置され前記モータの回転を減速して回転可能な減速歯車と、前記ベース部材の前記一側面と反対側の他側面側に前記シャフトを介して回転自在に配置され、前記減速歯車の回転を開閉体に伝達可能な伝達部材が連結される出力ドラムと、前記ベース部材の前記他側面に配置され、前記減速歯車の回転を前記出力ドラムに伝達可能とする接続状態及び伝達不能とする切断状態に切り替え可能なクラッチ機構とを備える開閉体の駆動装置において、
前記ベース部材は、前記一側面にあって前記減速歯車に対向する回転面へ向けて突出する膨出部及び前記他側面にあって前記膨出部と反対側に形成される凹部を有し、
前記クラッチ機構は、その一部が前記凹部内に収容された形態で前記ベース部材の前記一側面側から締結部材により前記凹部に固定され、
前記ギヤハウジングは、前記シャフトを回転自在に枢支するためのベアリングを支持する軸受筒部を有し、
前記軸受筒部は、前記減速歯車の前記ギヤハウジングに対向する回転面に設けた軸受凹部内に位置するように突出することを特徴とする開閉体の駆動装置。
【請求項2】
モータと、被固定体に固定されるベース部材と、前記ベース部材の一側面に固定されるギヤハウジングと、前記ギヤハウジング内にあって前記ベース部材の前記一側面側にシャフトを介して回転自在に配置され前記モータの回転を減速して回転可能な減速歯車と、前記ベース部材の前記一側面と反対側の他側面側に前記シャフトを介して回転自在に配置され、前記減速歯車の回転を開閉体に伝達可能な伝達部材が連結される出力ドラムと、前記ベース部材の前記他側面に配置され、前記減速歯車の回転を前記出力ドラムに伝達可能とする接続状態及び伝達不能とする切断状態に切り替え可能なクラッチ機構とを備える開閉体の駆動装置において、
前記ベース部材は、前記一側面にあって前記減速歯車に対向する回転面へ向けて突出する膨出部及び前記他側面にあって前記膨出部と反対側に形成される凹部を有し、
前記クラッチ機構は、その一部が前記凹部内に収容された形態で前記ベース部材の前記一側面側から締結部材により前記ベース部材の前記他側面に固定され、
前記減速歯車は、前記ベース部材に対向する回転面にあって、前記ベース部材の前記一側面側に突出する前記締結部材の頭部に対向し、かつ前記減速歯車の回転時に前記頭部が干渉しないように凹んだ環状の凹部を有することを特徴とする開閉体の駆動装置。
【請求項3】
前記減速歯車は、前記軸受筒部の外周に外嵌されることにより回転自在に支持されることを特徴とする請求項1記載の開閉体の駆動装置。
【請求項4】
前記ベース部材の前記他側面に、前記出力ドラムと前記クラッチ機構とを収容するハウジングを固定し、
前記シャフトは、前記出力ドラムの中心に一体成形され、前記シャフトの前記ハウジング側の端部は、前記ハウジングに回転自在に支持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の開閉体の駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−137368(P2011−137368A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25721(P2011−25721)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【分割の表示】特願2006−243822(P2006−243822)の分割
【原出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000148896)三井金属アクト株式会社 (127)
【Fターム(参考)】