説明

間欠塗工装置

【課題】高速で搬送される基材の必要個所に、塗布剤を均一かつ適正に塗工できるようにする。
【解決手段】搬送路に沿って搬送される基材1に塗工ロール11,12を断続して接触させることにより基材に塗布剤を間欠的に塗工する間欠塗工装置において、上記基材1の搬送路に沿って配設された複数個の塗工ロール11,12に近接した位置に配設されて基材1の搬送方向を規制するガイドロール6,7と、各ガイドロール6,7を個別に駆動して上記塗工ロール11,12に上記基材1を接離させることにより上記基材1の異なる領域に塗布剤をそれぞれ塗工する駆動機構18とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送路に沿って搬送される基材に塗工ロールを断続して接触させることにより上記基材に塗布剤を間欠的に塗工する間欠塗工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、連続搬送される帯状の支持体(基材)に塗布液を間欠に塗工する間欠塗工方法において、上記支持体の下面と、回転により上記塗布液を塗布液溜まりから同伴する塗工用円柱体(塗工ロール)の周面とをカム機構により相対的に接触離間させることにより、上記支持体下面に塗布液が塗布された塗布部分と塗布されない非塗布部分とを形成することが行われている。
【0003】
また、下記特許文献2に示されるように、媒体(基材)の塗布面に対向して配設されるダイに、塗布液を供給する塗布液溜まりと、塗布液を吐出するスリットとを有する複数の塗布手段を設け、該塗布手段を順番に駆動することにより、上記ダイに沿って連続的に供給される媒体上に塗布液を間欠的に塗工し、一定幅で一定長さの塗工パターンを形成するように構成された間欠塗工装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−90274号公報
【特許文献2】特開平10−43659公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された間欠塗工装置では、基材の下面と塗工ロールの周面とをカム機構により相対的に接触離間させることにより、連続的に搬送される基材に対して塗布液を一定間隔で間欠塗工するように構成されているため、相隣接する塗布液層の間に形成された非塗工部の幅寸法が短い場合には、塗工ロールを高速で進退させるように駆動することにより基材に繰り返して接離させる必要がある。したがって、上記基材の搬送速度を一定値以下に抑えなければ、基材の必要個所に塗布液を適正に塗工することができず、生産性を向上させることが困難であるという問題があった。
【0006】
一方、上記特許文献2に開示されているように、塗布液溜まり内の塗布液に圧力を加えることによりスリットから塗布液を吐出させて基材に塗工するとともに、所定のタイミングで塗布液に加える圧力を遮断して塗布液の吐出を停止させることにより上記塗布液の間欠塗工するように構成したダイコート塗工方式では、所定の重量を有するダイ本体を移動させる必要がないので、基材の搬送速度を低下させることなく必要個所に塗布液を塗工することが可能である。
【0007】
上記ダイコート塗工方式は、10μm以上の比較的厚肉の塗膜を形成するのに適している。また、塗工ノズルと非塗工面との距離が塗工厚さに大きな影響を与える。しかし、上記ダイコート塗工方式では、その構造上、電池用負極板に形成される多孔性保護膜のように非塗工面が立体的なパターンを有するものの上に、10μm以下の膜厚を有する塗布剤層を形成することは困難である。このため、基材に塗布液が塗工されることにより形成される塗布剤層の厚みを一定値以下に抑えつつ、上記基材に塗布液を均一かつ適正に塗布できるようにすることが望まれていた。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、高速で搬送される基材の必要個所に、簡単な構成で塗布剤を均一かつ適正に塗工することができる間欠塗工装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、搬送路に沿って搬送される基材に塗工ロールを断続して接触させることにより基材に塗布剤を間欠的に塗工する間欠塗工装置において、上記基材の搬送路に沿って配設された複数個の塗工ロールに近接した位置に配設されて基材の搬送方向を規制するガイドロールと、該ガイドロールを駆動して各塗工ロールに上記基材を個別に接離させることにより上記基材の異なる領域に塗布剤をそれぞれ塗工する駆動機構とを備えたものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の間欠塗工装置において、複数個の塗工ロールに予め設定された順序で基材を交互に接触させるように構成したものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の間欠塗工装置において、上記塗工ロールの数量は二つであり、基材の搬送経路に沿った両塗工ロールの設置間隔を、基材に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長に一つの非塗工領域の長さを加算した値の偶数倍に設定したものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の間欠塗工装置において、シート状の集電体からなる電池用負極板用の基材の表面に一定間隔で設置された電池用活物質層の始端部と終端部とを検出する検出手段を備え、該検出手段の検出信号に応じて上記駆動機構の作動タイミングを設定することにより、周面に多数の塗工用セルパターンが形成されたグラビア式塗工ロールを基材の搬送方向と逆方向に回転させつつ、該塗工ロールの周面Iに上記基材を接触させることにより、電池用活物質層の表面を覆うように塗工剤を塗布してその表面を被覆する多孔性保護膜を形成するように構成したものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の間欠塗工装置において、塗工ロールの周面に対向するように開口した空間部からなる塗布剤溜まりが形成された塗工ケースと、この塗工ケースの塗布剤溜まり内に塗布剤を給送する塗布剤給送手段と、上記塗工ロールの回転方向上流側部および下流側部をシールして上記塗工ケースの塗布剤溜まりを密閉状態とするシール部材とを有し、上記ガイドロールにより支持されて上下方向に搬送される基材に上記塗工ロールを接離させるように構成されたものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、上記請求項3〜5のいずれか1項に記載の間欠塗工装置において、基材の搬送路に沿って配設された中間ガイドロールの設置位置を変位させることにより上記塗工ロールの設置間隔を調節する調節機構を備えたものである。
【0015】
請求項7に係る発明は、上記請求項3〜6のいずれか1項に記載の間欠塗工装置において、塗工ロールの設置位置を基材の搬送路に沿って変位させることにより相隣接する塗工ロールの設置間隔を調節するように構成したものである。
【0016】
請求項8に係る発明は、上記請求項1〜7のいずれか1項に記載の間欠塗工装置において、上記駆動機構は、塗工ロールの上流側および下流側にそれぞれ配設された上流側ガイドロールおよび下流側ガイドロールの一方を塗工ロールに接近させるとともに、他方を塗工ロールから離間させた状態と、上流側ガイドロールおよび下流側ガイドロールの一方を塗工ロールから離間させるとともに、他方を塗工ロールに接近させた状態とに変位させることにより、上記基材を塗工ロールに対して接離させるように構成されたものである。
【0017】
請求項9に係る発明は、上記請求項1に記載の間欠塗工装置において、複数個の塗工ロールを同時に基材に対して接触させるように構成したものである。
【0018】
請求項10に係る発明は、上記請求項9に記載の間欠塗工装置において、上記塗工ロールの数量は二つであり、基材の搬送経路に沿った両塗工ロールの設置間隔を、基材に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長に一つの非塗工領域の長さを加算した値の奇数倍に設定したものである。
【0019】
請求項11に係る発明は、上記請求項9または10に記載の間欠塗工装置において、搬送路に沿って基材の張力を調節するテンションロールを備えたものである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明では、基材の搬送路に沿って設置された複数個の塗工ロールにより基材の異なる領域に塗布剤をそれぞれ塗工するように構成したため、相隣接する塗布剤の塗工領域の間に形成された非塗工部の長さが短い場合においても、単一の塗工ロールを介して基材に塗布剤を一定間隔で間欠塗工するように構成された従来の塗工装置のように、上記塗工ロールを高速で変位させる等により基材に接離させる動作を頻繁に繰り返す必要がなく、塗工ロールの移動速度を一定値以下に抑制しつつ、所定の速度で搬送される上記基材の必要個所に塗布剤を適正に塗工できるという利点がある。
【0021】
請求項2に係る発明では、複数個の塗工ロールに基材を予め設定された順序で交互に対して接触させるように構成したため、塗工ロールを基材に対して接触させる際に生じる張力変動を抑制しつつ、その表面に塗布剤を間欠的に塗工した塗布剤層を適正に形成できるという利点がある。
【0022】
請求項3に係る発明では、二つの塗工ロールの設置間隔を、基材に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長に非塗工領域の長さを加算した値の偶数倍に設定したため、上記両塗工ロールの一方を基材に接触させるのと略同時に、両塗工ロールの他方を基材から離間させることにより、基材の張力変動を効果的に抑制しつつ、その表面に塗布剤が間欠的に塗工された塗布剤層を適正に形成できるという利点がある。
【0023】
請求項4に係る発明では、シート状の集電体からなる電池用負極板用の基材の表面に一定間隔で設置された電池用活物質層の始端部と終端部とを検出する検出手段を備え、該検出手段の検出信号に応じて上記駆動機構の作動タイミングを設定することにより、周面に多数の塗工用セルパターンが形成されたグラビア式塗工ロールを基材の搬送方向と逆方向に回転させつつ、該塗工ロールの周面に上記基材を接触させることにより、いわゆるキスリバース方式で電池用活物質層の表面を覆うように塗工剤を塗布してその表面を被覆する多孔性保護膜を形成するように構成したため、該電池用活物質層の表面を被覆する薄肉の多孔性保護膜からなる塗布剤層を適正に形成することができ、上記電池用負極板の基材を高速で搬送しつつ、上記間欠塗工装置により優れた機能を有する電池用電極板を安価に製造できる。また、上記多孔性保護膜の膜厚を10μm以下に設定できるとともに、所定の重量を有する上記グラビア式塗工ロール等を高速で移動させる動作を頻繁に繰り返すことなく、基材の表面に塗布剤が間欠的に塗工された塗布剤層を適正に形成でき、かつ上記検出手段の検出信号に応じて駆動機構の作動タイミングを設定し、塗工ロールを基材に対して断続して接触させることにより、外気温度が変化する等の環境変化が生じることに起因して基材が伸縮したり、基材の搬送速度が変動したりした場合においても、上記塗工ロールを適正なタイミングで基材に対して接離させ、基材の表面に塗布剤が間欠的に塗工された塗布剤層を適正に形成できるという利点がある。
【0024】
請求項5に係る発明では、密閉式の塗工ケースを備えたいわゆる密閉チャンバータイプの塗工ユニットに設けられた塗工ロールより、上下方向に搬送される基材に対して塗布剤を塗工するように構成したため、塗布剤溜まりが開放状態となった塗工ユニットに設けられた塗工ロールにより、水平方向に搬送される基材に下面に塗布剤を塗工するように構成した場合のように、塗布剤が液垂れするという問題を生じることなく、上記基材に対して塗布剤を適正に塗工できるという利点がある。
【0025】
請求項6に係る発明では、基材の搬送路に沿って配設されたガイドロールの設置位置を基材の搬送路に沿って変位させることにより、相隣接する塗工ロールの設置間隔を調節するように構成したため、基材の表面に塗布剤が間欠的に塗工される塗工領域の全長が増減した場合においても、該塗工領域の増減量に対応した距離だけ塗工ロールの設置間隔を調節して該設置間隔を上記加算値の偶数倍に相当する値に維持することができる。したがって、簡単な構成で上記基材の張力変動を効果的に抑制しつつ、その表面に塗布剤を間欠的に塗工することにより塗布剤層を適正に形成することができる。
【0026】
請求項7に係る発明では、塗工ロールの設置位置を基材の搬送路に沿って変位させることにより相隣接する塗工ロールの設置間隔を調節するように構成したため、基材の表面に塗布剤が間欠的に塗工される塗工領域の全長が増減した場合においても、該塗工領域の増減量に対応した距離だけ塗工ロールの設置間隔を調節して該設置間隔を上記加算値の偶数倍に相当する値に維持することができる。したがって、簡単な構成で上記基材の張力変動を効果的に抑制しつつ、その表面に塗布剤を間欠的に塗工することにより塗布剤層を適正に形成することができる。
【0027】
請求項8に係る発明では、上記駆動機構により、塗工ロールの上流側および下流側にそれぞれ配設された上流側ガイドロールおよび下流側ガイドロールの一方を塗工ロールに接近させるとともに、他方を塗工ロールから離間させた状態と、上流側ガイドロールおよび下流側ガイドロールの一方を塗工ロールから離間させるとともに、他方を塗工ロールに接近させた状態とに変位させることにより、上記基材を塗工ロールに対して接離させるように構成したため、例えば塗工ロールに基材を接離させる際に、上記上流側ガイドロールおよび下流側ガイドロールの間における基材の長さが変化するのを抑制し、該基材の張力変動が生じるのを効果的に防止して塗工不良の発生を容易かつ適正に抑制できるという利点がある。
【0028】
請求項9に係る発明では、複数個の塗工ロールを同時に基材に対して接触させるように構成したため、上記各塗工ロールに基材を同時に接触させることにより、該基材上に塗布剤を塗工した後、各塗工ロールから同時に基材を離間させて一定時間に亘り離間させる操作を繰り返すことにより、基材に対して塗布剤を間欠的かつ適正に塗工できるという利点がある。
【0029】
請求項10に係る発明では、二つの塗工ロールの設置間隔を、基材に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長と相隣接する塗工領域の間に形成される一つの非塗工領域の長さとを加算した値の奇数倍に設定したため、上記両塗工ロールに基材を同時に接触させることにより、該基材上に塗布剤を塗工した後、当該塗工が終了した時点で両塗工ロールから同時に基材を離間させる操作を繰り返すことにより、基材に塗布剤を間欠的かつ適正に塗工できるという利点がある。
【0030】
請求項11に係る発明では、搬送路に沿って基材の張力を調節するテンションロールを設けたため、特定のガイドロールを進退させて基材の搬送方向を変位させる動作に応じ、上記テンションロールを基材から離間または接触させることにより、上記基材の搬送方向を変位させることにより生じる基材の張力変化を防止することができる。したがって、上記ガイドロールを変位させて基材を塗工ロールに接離させる際等に、相隣接する塗工ロールの設置間隔を調節する等の手段を講じることなく、上記基材の張力変動を効果的に抑制して上記塗布剤層を適正に形成できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る間欠塗工装置の要部構成を示す断面図である。
【図2】上記間欠塗工装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】本発明に係る間欠塗工装置の作用を示す説明図である。
【図4】本発明に係る間欠塗工装置の作用を示す説明図である。
【図5】本発明に係る間欠塗工装置の作用を示す説明図である。
【図6】本発明に係る間欠塗工装置の第2実施形態を示す説明図である。
【図7】本発明に係る間欠塗工装置の第3実施形態を示す説明図である。
【図8】駆動機構の具体的構成を示す断面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】図8のX−X線断面図である。
【図11】本発明に係る間欠塗工装置の第4実施形態を示す図8相当図である。
【図12】本発明に係る間欠塗工装置の第5実施形態を示す説明図である。
【図13】本発明に係る間欠塗工装置の第6実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1および図2には、本発明に係る間欠塗工装置の第1実施形態を示し、該間欠塗工装置は、リチウムイオン二次電池等の電池用負極板を構成する基材1に塗布剤を間欠的に塗工するものである。具体的には、10μm程度の厚みを有する銅箔等からなるシート状の集電体2に、80μm程度の厚みを有する電池用活物質層3が所定間隔で連続的に設置されてなる基材1を所定速度で搬送しつつ、その表面にセラミックペーストからなる塗布剤を間欠的に塗工して乾燥させることにより、上記電池用活物質層3の表面を10μm以下の膜厚、例えば2μm±1μmの膜厚で被覆する薄肉の多孔性保護膜4を形成するように構成されている。
【0033】
上記間欠塗工装置は、基材1の背面を支持しつつ該基材1を上方から下方に案内するように一定間隔で上下に配設された第1,第2ガイドロール5,6と、該第2ガイドロール6から水平に繰り出された基材1の背面を支持しつつ該基材1を下方から上方に案内するように一定間隔で配設された第3,第4ガイドロール7,8と、上記第1,第2ガイドロール5,6の間において基材1の表面側に配設された第1塗工ユニット9と、上記第3,第4ガイドロール7,8の間において基材1の表面側に配設された第2塗工ユニット10とを有している。そして、上記第1塗工ユニット9には、基材1の表面に塗布剤を塗工する第1塗工ロール11が設けられるとともに、第2塗工ユニット10には、基材1の表面に塗布剤を塗工する第2塗工ロール12が設けられている。
【0034】
上記第1塗工ユニット9の基材搬送方向上流側(上方側)には、上記集電体2の表面に形成された電池用活物質層3の下流側端部(以下、始端部ともいう)からなる塗布剤の塗工始端位置と、電池用活物質層3の上流側端部(以下、終端部ともいう)からなる塗布剤の塗工終端位置とを検出する反射型光電センサ等からなる第1検出手段13が配設されている。また、上記第2塗工ユニット10の基材搬送方向上流側にも、上記集電体2の表面に形成された電池用活物質層3の始端部および終端部を検出する反射型光電センサ等からなる第2検出手段14が配設されている。
【0035】
上記第1,第2塗工ユニット9,10は、第1,第2塗工ロール11,12の周面に対向するように開口した空間部からなる塗布剤溜まり15aが形成された塗工ケース15と、この塗工ケース15の前面上端部、つまり上記塗工ロール11,12の回転方向の下流側部に取り付けられたスチールまたはプラスチック等からなるドクター刃16と、塗工ケース15の前面下端部、つまり上記塗工ロール11,12の回転方向の上流側部に設けられたスチールまたはプラスチック等からなるシールプレート17とを有している。
【0036】
上記塗工ロール11,12は、その周面には多数の塗工用セルパターンが形成されるとともに、100mm程度の外径を有するグラビア式塗工ロールからなっている。また、図外の塗布剤給送手段から上記塗布剤溜まり15a内に給送された塗布剤を塗工ロール11,12の塗工用セルパターン内に保持させた状態で、上記塗工ロール11,12の回転に応じ、その周面に付着した余分な塗布剤が上記ドクター刃16により掻き取られるように構成されている。
【0037】
そして、上記塗工ロール11,12を、図外の駆動手段により駆動して基材1の搬送方向と逆方向に回転させつつ、上記塗工ロール11,12の周面を基材1の表面に接触させることにより、所謂キスリバース方式で塗布剤が基材1の表面に塗工されるように構成されている。すなわち、当実施形態では、図1および図2に示すように、基材1の右側に配設された第1塗工ロール11を時計方向に回転駆動することにより、上方から下方に搬送される基材1に接触する第1塗工ロール11の周面部を下方から上方に移動させ、かつ基材1の左側に配設された第2塗工ロール12を時計方向に回転駆動することにより、下方から上方に搬送される基材1に接触する第2塗工ロール12の周面部を上方から下方に移動させつつ、各塗工ロール11,12上の塗布剤を基材1上に転写するキスリバース方式により、薄肉で均一な塗工を可能としている。
【0038】
上記第1塗工ユニット9の下方側に配設された第2ガイドロール6の設置部および上記第2塗工ユニット10の下方側に配設された第3ガイドロール7の設置部には、両ガイドロール6,7をそれぞれ水平方向に駆動することにより上記第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1を個別に接離させるように駆動する駆動機構18が設けられている。該駆動機構18は、図1に示すように、上記第2ガイドロール6の回転支持部を水平移動可能に支持するガイド部材19と、該ガイド部材19により支持されたナットプレート20と、該ナットプレート20に形成された螺子孔に螺着されたねじ軸21と、該ねじ軸21を回転駆動する駆動モータ22とを有するボールねじタイプ(ボールは図示せず)からなっている。なお、上記ボールねじタイプの駆動機構18に代え、エアシリンダ、カム機構またはリンク機構タイプの駆動機構を使用することも可能である。
【0039】
また、上記間欠塗工装置には、第1,第2検出手段13,14の出力信号に応じて上記第2,第3ガイドロール6,7の駆動機構18を作動させるタイミングを設定するコントローラ23が設けられている。そして、後述するように上記コントローラ23から駆動機構18にそれぞれ設けられたモータドライバ24,25に対して作動指令信号が所定のタイミングで出力されることにより、上記駆動モータ22を正転または逆転させる制御がそれぞれ実行されるように構成されている。
【0040】
例えば上記第2ガイドロール6の設置部に設けられた駆動モータ22を正転させると、該第2ガイドロール6を第1塗工ロール11の設置部側に移動させる方向にねじ軸21が回転駆動されることにより、図3に示すように基材1の表面が塗工ロール11に接触した塗布剤の塗工状態となるように、上記基材1の搬送方向が変化する。また、上記駆動モータ22を逆転させると、第2ガイドロール6を塗工ロール11の設置部側と反対側に移動させる方向にねじ軸21が回転駆動されることにより、図2に示すように基材1の表面が第1塗工ロール11から離間した塗布剤の非塗工状態となるように基材1の搬送方向が変化する。このようにして上記第1塗工ロール11等の周面に付着した塗布剤が電池用活物質層3上に断続的に塗工され、該電池用活物質層3の表面を被覆する多孔性保護膜4が間欠的に形成されるようになっている。
【0041】
上記基材1の搬送路に配設された第1塗工ロール11と第2塗工ロール12との搬送路に沿った設置間隔Kは、基材1に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長Lと、相隣接する塗工領域の間に形成される非塗工領域の長さNとを加算した値(L+N)の偶数倍に対応した値に設定されている。例えば、上記電池用活物質層3の長さに対応する塗工領域の全長Lが400mmに設定されるとともに、非塗工領域の長さNが20mmに設定された基材1において、上記第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを上記加算値(L+N)の4倍に設定した場合には、両塗工ロール11,12の設置間隔Kは1680mmとなる。
【0042】
なお、上記第1塗工ロール11と第2塗工ロール12との設置間隔Kを、必ずしも上記加算値(L+N)の偶数倍に対応した値に正確に設定する必要はなく、例えば該加算値(L+N)の4倍前後に上記両塗工ロール11,12の設置間隔Kを設定すれば、後述するように上記塗工ロール11,12を基材1に対して交互に接触させることにより、該基材1に生じる張力変動を抑制しつつ、その表面に塗布剤を間欠的に塗工した塗布剤層(多孔性保護膜4)を適正に形成することが可能である。
【0043】
上記間欠塗工装置を用いて基材1の表面に塗布剤を塗工するには、図外の製造装置において予め製造された電池用極板の基材1、つまり銅箔等からなる集電体2の表面上に所定の厚みを有する電池用活物質層3が所定間隔で連続的に形成されてなるシート状体を、上記第1〜第4ガイドロール5〜8が設置された搬送路に沿って一定速度で搬送しつつ、上記塗布剤の塗工始端位置および塗工終端位置に相当する電池用活物質層3の始端部および終端部を第1,第2検出手段13,14により検出する。
【0044】
図2に示すように、第1検出手段13の設置部に最初に到達する電池用活物質層3を第1電池用活物質層3aとした場合に、その始端部が第1検出手段13の設置部に到達したことが検出された時点で、該第1検出手段13の設置部から第1塗工ロール11の設置部までの距離と、基材1の搬送速度とに基づき、第1電池用活物質層3aの始端部が第1塗工ロール11の設置部に到達するまでの時間を上記コントローラ23において算出する。
【0045】
そして、第1電池用活物質層3aの始端部が第1塗工ロール11の設置部に到達する直前に、図3に示すように、該第1塗工ロール11に基材1が接触した塗布剤の塗工状態となるように、上記駆動モータ22を正転させる作動タイミングを上記時間の算出値に応じて設定する。また、上記第1電池用活物質層3aの終端部が第1検出手段13の設置部に到達したことが検出されると、該第1検出手段13から出力される検出信号に応じて上記第1電池用活物質層3aの終端部が第1塗工ロール11の設置部に到達する時点が演算されるとともに、上記第1電池用活物質層3aの終端部が第1塗工ロール11の設置部に到達した直後に、該第1塗工ロール11から基材1を離間させて塗布剤の塗工動作を終了するように、上記駆動モータ22を逆転させる作動タイミングを設定する。
【0046】
上記の作動タイミングに基づいて駆動モータ22を作動させることにより、第1電池用活物質層3aの表面を覆うように塗布剤を塗工した後、その上流部に位置する第2電池用活物質層3bが第1塗工ロール11の設置部に到達した時点から、該第2電池用活物質層3bが第1塗工ロール11の設置部を通過するまで、上記第2ガイドロール6の駆動モータ22を非作動状態に維持する制御が実行される。これにより、上記第1塗工ロール11から基材1が離間した塗布剤の非塗工状態に保持され、上記第2電池用活物質層3bが第1塗工ロール11の設置部を素通りする。
【0047】
そして、上記第2電池用活物質層3bの上流部に位置する第3電池用活物質層3cが第1検出手段13の設置部に到達することにより出力される検出信号に応じ、上記第1電池用活物質層3aと同様のタイミングで、第1塗工ロール11に基材1を接離させるように上記駆動モータ22の作動タイミングを設定する。このようにして上記基材1上に一定間隔で設けられた電池用活物質層3の一つ置きに塗布剤が塗工されることになる。
【0048】
また、上記第1塗工ユニット9による塗布剤の塗工が施された第1電池用活物質層3aが第2検出手段14の設置部に到達したことが検出された場合には、該第1電池用活物質層3aが上記第2塗工ロール12の設置部を通過するまで上記第3ガイドロール7用の駆動モータ22が非作動状態に維持され、図4に示すように、上記基材1が第2塗工ロール12から離間した塗布剤の非塗工状態が保持され、上記第1電池用活物質層3aが第2塗工ロール12の設置部を素通りする。
【0049】
そして、上記第2検出手段14の検出信号に応じ、第1塗工ユニット9において塗布剤の塗工が施されなかった第2電池用活物質層3bの始端部が第2塗工ロール12の設置部に到達する直前に、該第2塗工ロール12に対して基材1を接触させる塗布剤の塗工状態とし(図5参照)、その後に上記第2電池用活物質層3bの終端部が第2塗工ロール12の設置部に通過した直後に、上記基材1を該第2塗工ロール12から離間させた塗布剤の非塗工状態とするように、上記駆動モータ22の作動タイミングを設定する。
【0050】
なお、第1塗工ユニット9と第2塗工ユニット10の設置距離を上記加算値(L+N)の偶数倍付近に設定すれば、上記第2ガイドロール6の設置部および第3ガイドロール7の設置部にそれぞれ設けられた駆動機構18の作動タイミングを一致させることができるとともに、該作動タイミングを第1検出手段13の検出信号に応じてそれぞれ設定することができるため、上記第2検出手段14を省略することも可能である。
【0051】
上記駆動モータ22を正転させて基材1を塗工ロール11,12に接触させる際に、その移動速度が早すぎると、該塗工ロール11,12に基材1が強い力で押し付けられることにより装置が振動し、その振動が基材1に伝わるため、上記塗工ロール11,12に基材1が接触する前にアブソーバ手段で上記ガイドロール6,7の移動速度を減速することが好ましい。そして、非塗工状態にある塗工ロール11,12と基材1との離間距離と、上記アブソーバ手段によるガイドロール6,7の移動速度を減速度合とを考慮し、上記電池用活物質層3の下流端部からなる塗工始端部が塗工ロール11,12の設置部に到達するよりも所定時間前の時点で上記駆動モータ22の作動を開始するように、その作動タイミングを設定することにより、上記電池用活物質層3の下流端部が塗工ロール11,12の設置部に到達した時点で塗布剤の塗工を開始することができる。
【0052】
これに対して上記ガイドロール6,7の駆動機構18に設けられた駆動モータ22を逆転させて基材1を塗工ロール11,12から離間させる際には、上記ガイドロール6,7の移動速度を速くしても、その振動が基材1に伝わることはなく、極力高速で塗工ロール11,12を移動させることが可能である。また、上記電池用活物質層3の上流端部からなる塗工終端部が塗工ロール11,12の設置部に到達するのと略同時に上記駆動モータ22を作動させるように、上記駆動モータ22の作動タイミングを設定することにより、上記塗布剤の塗工を適正に終了させることができる。
【0053】
上記のように搬送路に沿って搬送される基材1に塗工ロール11,12を断続して接触させることにより基材1に塗布剤を間欠的に塗工する間欠塗工装置において、上記基材1の搬送路に沿って塗工ロール11,12を一定間隔で配設するとともに、各塗工ロール11,12に近接した位置に配設されたガイドロール6,7を個別に駆動して上記基材1を塗工ロール11,12に接離させることにより上記基材1の異なる領域に塗布剤をそれぞれ塗工するように駆動する駆動機構18を設けたため、基材1を高速で搬送した場合においても、その必要個所に塗布剤を均一かつ適正に塗工できるという利点がある。
【0054】
すなわち、上記第1実施形態では、グラビア塗工ロールからなる第1,第2塗工ロール11,12によりキスリバース方式で基材1の表面に塗布剤を塗工するように構成された第1塗工ユニット9と第2塗工ユニット10とを一定間隔で上記基材1の搬送路に配設するとともに、該第1,第2塗工ユニット9,10の下方に配設された第2,第3ガイドロール6,7をそれぞれ所定のタイミングで水平方向に駆動することにより、上記第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1を個別に接離させるように構成したため、該第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1を交互に接触させて基材1の表面に塗布剤を間欠的に塗工することにより、薄肉の塗布剤層を適正に形成することができる。
【0055】
したがって、相隣接する塗布剤の塗工領域の間に形成された非塗工部の長さNが短い場合においても、単一の塗工ロールにより連続して搬送される基材に塗布剤を一定間隔で間欠塗工するように構成された従来の塗工装置のように塗工ロールを高速で変位させ、あるいは単一の塗工ロールに近接して設けられたガイドロールを高速で変位させることにより、基材を塗工ロールに対して接離させる動作を頻繁に繰り返す必要はなく、上記ガイドロール6,7の移動速度を一定値以下に抑制しつつ、所定の速度で搬送される上記基材1の必要個所に塗布剤を適正に塗工できるという利点がある。
【0056】
例えば、所定の質量Mを有する上記ガイドロール6,7の移動速度Vを、単一のグラビア式塗工ロールを使用した従来装置における移動速度の1/2に設定した場合には、ガイドロール6,7を移動させる際に生じる運動エネルギー(=1/2MV)を上記従来装置の1/4に低減することができる。このため、上記ガイドロール6,7を高速で移動させることに起因して生じる種々の弊害、例えば上記塗布剤の塗工位置がずれたり、塗布剤層の膜厚が不均一になったりする等の弊害が生じるのを防止しつつ、上記グラビア式塗工ロールからなる第1,第2塗工ロール11,12を使用したキスリバース方式で、電池用負極板の集電体2上に形成された電池用活物質層3の表面を覆うように塗布剤を均一に塗工することにより、10μm以下の膜厚、例えば2μm±1μmの膜厚を有する薄肉の多孔性保護膜4からなる塗布剤層を適正に形成することができる。したがって、上記電池用負極板用の基材1を高速で搬送しつつ、上記間欠塗工装置により塗布剤を適正に塗工して優れた機能を有する電池用電極板を安価に製造できるという利点がある。
【0057】
そして、上記のように第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1を個別に接離させるように構成した場合には、単一の塗工ロールにより連続して搬送される基材に塗布剤を一定間隔で間欠塗工するように構成された従来の塗工装置に比べて、上記基材1を高速で搬送しつつ、その必要個所に塗布剤を適正に塗工することができるため、必要に応じて上記非塗工部の長さNを短くすることが可能となる。また、この非塗工部の長さNを短くすることにより、上記第1,第2塗工ロール11,12が同時に基材1から離間した状態となる期間を短くすることができるため、上記基材1に顕著なテンション変動が生じるのを効果的に防止できるという利点がある。
【0058】
なお、上記第1実施形態では、基材1に塗布剤が間欠的に塗工されることにより形成される塗布材層の始端位置と終端位置とを検出する第1,第2検出手段13,14を設け、該検出手段13,14の検出信号に応じて上記ガイドロール6,7を駆動する駆動機構18の作動タイミングを設定することにより、上記第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1をそれぞれ断続して接触させるように構成した例について説明したが、この構成に代え、例えば基材1に設けられた基準位置を示すレジストマークの位置と、予めコントローラ23に入力された塗布剤層の始端位置および終端位置のデータと、基材1の搬送速度等に基づいて、上記駆動機構18の作動タイミングを設定することも可能である。
【0059】
しかし、上記第1実施形態に示すように検出手段13,14の検出信号に応じて上記ガイドロール6,7の設置部に設けられた駆動機構18の作動タイミングを設定するように構成した場合には、外気温度が変化する等の環境変化が生じることに起因して基材1が伸縮したり、基材1の搬送速度が変動したりした場合においても、上記ガイドロール6,7を駆動して基材1の搬送方向を変位させる駆動機構18の作動タイミングを適正に設定することができ、上記第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1を適正なタイミングで接離させることができるという利点がある。
【0060】
例えば、上記第1実施形態では、電池用負極板の基材1上に一定間隔で形成された電池用活物質層3の表面を覆うように塗工剤が塗布されることにより電池用活物質層3の表面を被覆する多孔性保護膜4を形成するように構成された間欠塗工装置において、上記電池用活物質層3の始端部および終端部からなる塗布剤層の始端位置と終端位置とを検出する第1,第2検出手段13,14の検出信号に応じて上記ガイドロール6,7を駆動する駆動機構18の作動タイミングを設定するように構成したため、電池用活物質層3の表面を被覆する薄肉の多孔性保護膜4等からなる塗布剤層を適正に形成することができる。
【0061】
なお、上記塗工ケース15の塗布剤溜まり15aを密閉状態といわゆる密閉チャンバータイプの塗工ユニット9,10に設けられた塗工ロール11,12より、上下方向に搬送される基材1に対して塗布剤を塗工するように構成した上記実施形態に代え、塗布剤溜まりが開放状態となった塗工ユニットに設けられた塗工ロールにより、水平方向に搬送される基材に下面に塗布剤を塗工するように構成することも可能である。
【0062】
しかし、上記塗布剤溜まりが開放状態となった塗工ユニットした場合には、基材に塗工した塗布剤が液垂れを生じ易いという問題がある。これに対して上記実施形態に示すように、密閉チャンバータイプの塗工ユニット9,10に設けられた塗工ロール11,12より、上下方向に搬送される基材1に対して塗布剤を塗工するように構成した場合には、上記液垂れを生じることがなく、上記基材1に対して塗布剤を適正に塗工できるという利点がある。
【0063】
また、上記第1実施形態では、第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを、基材1に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長Lと相隣接する塗工領域の間に形成される非塗工領域の長さNとを加算した値(L+N)の偶数倍に略対応した値に設定したため、上記第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1に交互に接離させることにより、基材1の張力変動を抑制しつつ、その表面に塗布剤が間欠的に塗工された塗布剤層(多孔性保護膜4)を適正に形成できるという利点がある。
【0064】
例えば上記第1実施形態に示すように、第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを、上記加算値(L+N)の4倍に設定した場合には、図5に示すように、第5電池用活物質層3eの終端部が第1塗工ロール11の設置部に到達して、該第1塗工ロール11から基材1を離間させる制御を実行した直後に、第2電池用活物質層3bの始端部が上記第2塗工ロール12の設置部に到達し、該第2塗工ロール12に基材1を接触させる制御が実行されることになる。このため、上記第1塗工ロール11から基材1を離間させることにより生じる基材1の張力低下を、上記第2塗工ロール12に基材1を接触させることにより生じる基材1の張力上昇に応じて減殺することができる。したがって、上記基材1の張力変動を効果的に抑制しつつ、その表面に塗布剤を間欠的に塗工することにより塗布剤層を適正に形成することができる。
【0065】
なお、図4に示すように、第5電池用活物質層3eの終端部が第1塗工ロール11の設置部に到達した時点では、未だ第2電池用活物質層3bの始端部が第1塗工ロール11の設置部に到達していないため、上記時点で第1塗工ロール11から基材1を離間させた後、図5に示すように、第2電池用活物質層3bの始端部が第1塗工ロール11の設置部に到達して該第1塗工ロール11に基材1を接触させるまでの間は、第1,第2塗工ロール11,12の両方から基材1が離間した状態となる。しかし、当該期間は極めて短いため、その間に基材1に大きな張力変動が生じることはなく、上記第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを、上記加算値(L+N)の偶数倍に略対応した値に設定することにより、上記基材1の張力変動を効果的に抑制することが可能である。
【0066】
図6は、本発明に係る間欠塗工装置の第2実施形態を示している。該第2実施形態に係る間欠塗工装置は、上記第2,第3ガイドロール6,7間に中間ガイドロール26を配設するとともに、該中間ガイドロール26を昇降させて基材1の搬送経路を変化させることにより、上記第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを調節する調節機構27を備えている。上記第2実施形態に係る間欠塗工装置によれば、該間欠塗工装置に供給される基材1の種類が変化して、例えば基材1の表面に塗布剤が間欠的に塗工される塗工領域の全長L等が増大した場合に、その増大量に対応させて上記中間ガイドロール26を下降させることにより、第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを、上記加算値(L+N)の偶数倍に対応した値に維持することができる。
【0067】
上記第2実施形態に係る間欠塗工装置によれば、中間ガイドロール26を昇降変位させて基材1の搬送経路を変化させるという簡単な操作で、上記第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを任意に調節することができる。したがって、基材1の表面に塗布剤が間欠的に塗工される塗工領域の全長L等が変化した場合においても、上記第2,第3ガイドロール6,7を移動させて基材1を第1,第2塗工ロール11,12に接離させる際に、該基材1の張力変動が生じるのを効果的に抑制しつつ、その表面に塗布剤が間欠的に塗工された塗布剤層を適正に形成できるという利点がある。
【0068】
また、図2に示す間欠塗工装置において、上記第2,第3ガイドロール6,7の一方または両方を昇降変位させることにより基材1の搬送経路を変化させて上記第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを調節する調節機構を設けた構造としてもよい。例えば、基材1の表面に塗布剤が間欠的に塗工される塗工領域の全長L等が増大した場合には、上記調節機構により第2,第3ガイドロール6,7の一方または両方を下降させることにより、上記塗工領域の増大量に対応した距離だけ第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔を調節して該設置間隔を上記加算値(L+N)の偶数倍に相当する値に維持することができる。
【0069】
なお、上記第2,第3ガイドロール6,7間に配設された中間ガイドロール26、または、上記第2,第3ガイドロール6,7の一方または両方を昇降変位させて基材1の搬送経路を変化させることにより相隣接する第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを調節するようにした上記構成に代え、上記第1,第2塗工ユニット9,10の両方または一方を昇降変位させて第1,第2塗工ロール11,12の設置位置をそれぞれ基材1の搬送路に沿って変位させることにより、該第1,第2塗工ロール11,12の設置間隔Kを調節するように構成した場合においても、同様の効果を得ることができる。
【0070】
図7〜図10は、本発明に係る間欠塗工装置の第3実施形態を示している。該第3実施形態に係る間欠塗工装置は、上記第1,第2塗工ロール11,12の上流側および下流側に配設された上流側ガイドロール5a,7aおよび下流側ガイドロール6a,8aの一方を第1,第2塗工ロール11,12に接近させるとともに、他方を第1,第2塗工ロール11,12から離間させた状態と、上流側ガイドロール5a,7aおよび下流側ガイドロール6a,8aの一方を第1,第2塗工ロール11,12から離間させるとともに、他方を第1,第2塗工ロール11,12に接近させた状態とに変位させることにより、上記基材1を第1,第2塗工ロール11,12に対して接離させるように構成された駆動機構31を備えている。
【0071】
上記第1塗工ロール11の上流側および下流側に配設された上流側ガイドロール5aおよび下流側ガイドロール6aを変位させることにより、上記第1塗工ロール11に基材1を接離させるように駆動する駆動機構31は、支持フレーム32により回転自在に支持された駆動軸33と、該駆動軸33に固着された左右一対の揺動アーム34と、上記駆動軸33に固着されて該駆動軸33を回転駆動する駆動レバー35と、該駆動レバー35の先端部に連結された連結リンク36と、該連結リンク36を介して上記駆動レバー35を駆動するステップモータ37と、該ステップモータ37を支持するステー38と、上記揺動アーム34の振動を減衰させるためのダンパリンダ39と、該ダンパシリンダ39を支持するステー40とを有している。
【0072】
そして、上記ステップモータ37の駆動軸37aに設けられたカム機構37bにより連結リンク36が昇降駆動されてその駆動力が駆動レバー35から上記駆動軸33に伝達され、該駆動軸33が回転駆動されて揺動アーム34が揺動変位することにより、図8の実線で示すように、該揺動アーム34に支持された上流側ガイドロール5aが第1塗工ロール11に接近するとともに下流側ガイドロール6aが第1塗工ロール11から離間した状態と、図8の仮想線で示すように、該揺動アーム34に支持された上流側ガイドロール5aが第1塗工ロール11から離間するとともに下流側ガイドロール6aが第1塗工ロール11に接近した状態とに変位し、これにより上記第1塗工ロール11から基材1が離間した塗布剤の非塗工状態と、第1塗工ロール11に基材1が接触した塗布剤の塗工状態とに変位するようになっている。
【0073】
すなわち、上記第3実施形態に係る間欠塗工装置では、揺動アーム34に支持された上流側ガイドロール5aと第1塗工ロール11との上下方向、つまり基材1の搬送方向における離間距離が、下流側ガイドロール6aと第1塗工ロール11との上下方向における離間距離よりも大きく設定されている。このため、上記揺動アーム34の揺動変位に応じた上流側ガイドロール5aおよび下流側ガイドロール6aの水平移動距離が等しくなるように設定されている場合においても、図8の実線で示すように、該上流側ガイドロール5aが上記第1塗工ロール11に接近する方向に水平移動した際には、下流側ガイドロール6aが上記第1塗工ロール11に接近する方向に水平移動した際よりも、上記第1塗工ロール11の設置部における基材1の水平移動量が小さくなり、上記第1塗工ロール11から基材1が離間した塗布剤の非塗工状態に保持されている。これに対して、図8の仮想線で示すように、下流側ガイドロール6aが上記第1塗工ロール11に接近する方向に水平移動した際には、上記第1塗工ロール11の設置部における基材1が大きく水平移動し、上記第1塗工ロール11に基材1が接触した塗布剤の塗工状態に移行することになる。
【0074】
また、上記第2塗工ロール12の上流側および下流側に配設された上流側ガイドロール7aおよび下流側ガイドロール8aを駆動する駆動機構31は、上記第1塗工ロール11用の駆動機構31と上下対称に配設されている点が異なっていることを除いて略同様に構成され、上記ガイドロール7a,8aの一方を第2塗工ロール12に接近させるとともに、他方を第2塗工ロール12から離間させた状態と、上記両ガイドロール7a,8aの一方を第2塗工ロール12から離間させるとともに、他方を第2塗工ロール12に接近させた状態とに変位させることにより、上記第2塗工ロール12に基材1を接離させるように構成されている。
【0075】
上記のように第1,第2塗工ロール11,12の上流側および下流側に配設された上流側ガイドロール5a,7aおよび下流側ガイドロール6a,8aの一方を第1,第2塗工ロール11,12に接近させるとともに、他方を第1,第2塗工ロール11,12から離間させた状態と、上流側ガイドロール5a,7aおよび下流側ガイドロール6a,8aの一方を第1,第2塗工ロール11,12から離間させるとともに、他方を第1,第2塗工ロール11,12に接近させた状態とに変位させることにより、上記基材1を第1,第2塗工ロール11,12に対して接離させるように構成した場合には、例えば第1塗工ロール11に基材1を接離させる際に、上流側ガイドロール5aおよび下流側ガイドロール6aの間における基材1の長さが変化するのを抑制することができる。したがって、上記基材1を第1,第2塗工ロール11,12に対して接離させる際に、該基材1の張力変動が生じるのを効果的に防止して塗工不良の発生を容易かつ適正に抑制できるという利点がある。
【0076】
なお、上記揺動アーム34に支持された上流側ガイドロール5aおよび下流側ガイドロール6aの第1塗工ロール11との上下方向における離間距離を、互いに異ならせるように設定してなる上記第3実施形態に代え、図11に示す第4実施形態のように、上記上流側ガイドロール5aおよび下流側ガイドロール6aの第1塗工ロール11との上下方向における離間距離を略等しく設定するとともに、揺動アーム34の揺動支点となる駆動軸33と、上流側ガイドロール5aおよび下流側ガイドロール6aとの離間距離を互いに異ならせることにより、上記揺動アーム34の揺動変位に応じて第1塗工ロール11から基材1が離間した塗布剤の非塗工状態と、第1塗工ロール11に基材1が接触した塗布剤の塗工状態とに変位させるように構成してもよい。
【0077】
図11に示す第4実施形態では、上記上流側ガイドロール5aと駆動軸33との軸間距離を、下流側ガイドロール6aと駆動軸33との離間距離よりも大きく設定している。これにより上記揺動アーム34が揺動変位して、図11の実線で示すように、上流側ガイドロール5aが第1塗工ロール11に接近するとともに下流側ガイドロール6aが第1塗工ロール11から離間した場合に、第1塗工ロール11に基材1が接触した塗布剤の塗工状態となり、図11の仮想線で示すように、上流側ガイドロール5aが第1塗工ロール11から離間するとともに下流側ガイドロール6aが第1塗工ロール11に接近した場合に、上記第1塗工ロール11から基材1が離間した塗布剤の非塗工状態となるように構成されている。
【0078】
なお、上記第1,第2塗工ロール11,12の下方に配設された第2,第3ガイドロール6,7、または第1,第2塗工ロール11,12の上流側および下流側に配設された上流側ガイドロール5a,7aおよび下流側ガイドロール6a,8aをそれぞれ所定のタイミングで水平方向に駆動することにより、第1,第2塗工ロール11,12に対して基材1を個別に接離させるように構成した上記実施形態に代え、図12に示す本発明に係る間欠塗工装置の第5実施形態のように、第1,第2塗工ユニット9,10の下方に配設された単一のガイドロール29を水平方向に駆動する単一の駆動機構30を設けた構造としてもよい。
【0079】
上記第5実施形態に係る間欠塗工装置では、駆動機構30を作動させて上記ガイドロール29を第1塗工ロール11側に移動させることにより、図12の実線で示すように、上記第2塗工ロール12から基材1を離間させるとともに、これと略同時に第1塗工ロール11に基材1を接触させることができる。また、図12の実線で示す状態から仮想線で示すように、上記ガイドロール29を第2塗工ロール12側に移動させることにより、上記第1塗工ロール11から基材1を離間させるとともに、これと略同時に第2塗工ロール12に基材1を接触させることができる。
【0080】
なお、上記各実施形態では、基材1の搬送路に第1,第2塗工ロール11,12からなる二つの塗工ロールを設置した例について説明したが、これに限られず上記基材1の搬送路に3個以上の塗工ロールを配設した構造としてもよい。
【0081】
また、上記基材1の搬送路に配設された複数個の塗工ロールに基材1を必ずしも予め設定された順序で交互に接触させるように構成する必要はなく、複数個の塗工ロールを同時に基材1に対して接触させるように構成してもよい。
【0082】
例えば、図13に示す本発明の第6実施形態は、基材1の搬送路に沿って二つの塗工ロール11,12を配設し、かつ両塗工ロール11,12の設置間隔Kを、上記基材1の塗布剤が塗工される一つの塗工領域の全長Lに一つの非塗工領域の長さNを加算した値の奇数倍(5倍)に設定した例を示している。そして、図示を省略した検出手段の出力信号に応じ、基材1上に設けられた第1,第6電池用活物質層3a,3fの始端部が両塗工ロール11,12の設置部に到達する直前に、該塗工ロール11,12に基材1を同時に接触させるように上記第2,第3ガイドロール6,7を駆動することにより、上記第1,第6電池用活物質層3a,3fに塗布剤を塗工した後、上記第1,第6電池用活物質層3a,3fの終端部が両塗工ロール11,12の設置部に通過した直後に、図13の矢印で示すように、両塗工ロール11,12から基材1を同時に離間させ、この動作を繰り返すことにより基材1に塗布剤を間欠的に塗工するように構成されている。
【0083】
上記のように複数個の塗工ロール11,12に対して基材1を同時に接離させるように構成した場合においても、単一の塗工ロールにより連続して搬送される基材に塗布剤を一定間隔で間欠塗工するように構成された従来の塗工装置のように、塗工ロールまたはガイドロールを高速で変位させて基材に繰り返し接離させるように構成する必要はなく、上記塗工ロール11,12に基材1を一定時間に亘り接触させた後、同程度の時間だけ基材1を塗工ロール11,12から離間させた状態に維持することにより、基材1に塗布剤を間欠的に塗工することができる。したがって、上記塗工ロール11,12の移動速度を一定値以下に抑制しつつ、所定の速度で搬送される上記基材1の必要個所に塗布剤を適正に塗工することができる。
【0084】
なお、上記第6実施形態のように両塗工ロール11,12を同時に基材1に接触させるように構成した場合には、両塗工ロール11,12を基材1に接触させた状態と、該基材1から離間させた状態とで、基材1に生じる張力が顕著に変動する傾向がある。このため、上記両塗工ロール11,12を基材1に対して接離させる際に生じる基材1の張力変動を防止するために、上記ガイドルール6,7の間にテンションロール41を設けるとともに、該テンションロール41を駆動機構42で駆動して基材1に対する圧接力を変化させることにより、基材1の張力を調節するように構成することが好ましい。
【符号の説明】
【0085】
1 基材
2 集電体
3 電池用活物質層
4 多孔性保護膜
5〜8,29 ガイドロール
11 第1塗工ロール
12 第2塗工ロール
13,14 検出手段
18,30,31 駆動機構
26 中間ガイドロール
27 調節機構
41 テンションロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って搬送される基材に塗工ロールを断続して接触させることにより基材に塗布剤を間欠的に塗工する間欠塗工装置において、上記基材の搬送路に沿って配設された複数個の塗工ロールに近接した位置に配設されて基材の搬送方向を規制するガイドロールと、該ガイドロールを駆動して各塗工ロールに上記基材を個別に接離させることにより上記基材の異なる領域に塗布剤をそれぞれ塗工する駆動機構とを備えたことを特徴とする間欠塗工装置。
【請求項2】
複数個の塗工ロールに予め設定された順序で基材を交互に接触させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の間欠塗工装置。
【請求項3】
上記塗工ロールの数量は二つであり、基材の搬送経路に沿った両塗工ロールの設置間隔を、基材に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長に一つの非塗工領域の長さを加算した値の偶数倍に設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の間欠塗工装置。
【請求項4】
シート状の集電体からなる電池用負極板用の基材の表面に一定間隔で設置された電池用活物質層の始端部と終端部とを検出する検出手段を備え、該検出手段の検出信号に応じて上記駆動機構の作動タイミングを設定することにより、周面に多数の塗工用セルパターンが形成されたグラビア式塗工ロールを基材の搬送方向と逆方向に回転させつつ、該塗工ロールの周面に上記基材を接触させることにより、電池用活物質層の表面を覆うように塗工剤を塗布してその表面を被覆する多孔性保護膜を形成するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の間欠塗工装置。
【請求項5】
上記塗工ロールの周面に対向するように開口した空間部からなる塗布剤溜まりが形成された塗工ケースと、この塗工ケースの塗布剤溜まり内に塗布剤を給送する塗布剤給送手段と、上記塗工ロールの回転方向上流側部および下流側部をシールして上記塗工ケースの塗布剤溜まりを密閉状態とするシール部材とを有し、上記ガイドロールにより支持されて上下方向に搬送される基材に上記塗工ロールを接離させるように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の間欠塗工装置。
【請求項6】
基材の搬送路に沿って配設された中間ガイドロールの設置位置を変位させることにより上記塗工ロールの設置間隔を調節する調節機構を備えたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の間欠塗工装置。
【請求項7】
塗工ロールの設置位置を基材の搬送路に沿って変位させることにより相隣接する塗工ロールの設置間隔を調節するように構成したことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の間欠塗工装置。
【請求項8】
上記駆動機構は、塗工ロールの上流側および下流側にそれぞれ配設された上流側ガイドロールおよび下流側ガイドロールの一方を塗工ロールに接近させるとともに、他方を塗工ロールから離間させた状態と、上流側ガイドロールおよび下流側ガイドロールの一方を塗工ロールから離間させるとともに、他方を塗工ロールに接近させた状態とに変位させることにより、上記基材を塗工ロールに対して接離させるように構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の間欠塗工装置。
【請求項9】
複数個の塗工ロールを同時に基材に対して接触させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の間欠塗工装置。
【請求項10】
上記塗工ロールの数量は二つであり、基材の搬送経路に沿った両塗工ロールの設置間隔を、基材に塗布剤が間欠的に塗工される一つの塗工領域の全長に一つの非塗工領域の長さを加算した値の奇数倍に設定したことを特徴とする請求項9に記載の間欠塗工装置。
【請求項11】
搬送路に沿って基材の張力を調節するテンションロールを備えたことを特徴とする請求項9または10に記載の間欠塗工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−130907(P2012−130907A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262540(P2011−262540)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000237260)富士機械工業株式会社 (26)
【Fターム(参考)】