説明

降圧型スイッチングレギュレータ、その制御回路、ならびにそれを用いた電子機器

【課題】 過電流状態を検出して保護可能な降圧型スイッチングレギュレータの制御回路を提供する。
【解決手段】 降圧型スイッチングレギュレータ200の制御回路100において、ドライバ回路10は、デューティ比が制御されるパルス幅変調信号Vpwmにもとづき、第1、第2ゲート電圧Vg1、Vg2を生成する。比較部30は、スイッチングトランジスタM1の両端の電圧ΔVと所定のしきい値電圧Vthを比較し、スイッチングトランジスタM1の両端の電圧がしきい値電圧を上回ると、所定レベルの比較信号SIG1を出力する。第1保護回路である強制オフトランジスタ40は、比較部30から所定レベルの比較信号SIG1が出力される期間、スイッチングトランジスタM1を強制的にオフする。第2保護回路50は、比較信号SIG1をモニタし、所定の第1期間継続して所定レベルが出力されると、制御回路100を停止状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降圧型スイッチングレギュレータに関し、特に同期整流方式のスイッチングレギュレータの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータなどのさまざまな電子機器に、デジタル信号処理を行うマイコンが搭載されている。こうしたマイコンの駆動に必要とされる電源電圧は、半導体製造プロセスの微細化に伴って低下しており、1.5V以下の低電圧で動作するものがある。
一方、こうした電子機器にはリチウムイオン電池などの電池が電源として搭載される。リチウムイオン電池から出力される電圧は、3V〜4V程度であるため、この電圧をそのままマイコンに供給したのでは、無駄な電力消費が発生するため、降圧型のスイッチングレギュレータや、シリーズレギュレータなどを用いて電池電圧を降圧し、定電圧化してマイコンに供給するのが一般的である。
【0003】
降圧型のスイッチングレギュレータは、整流用のダイオードを用いる方式(以下、ダイオード整流方式という)と、ダイオードの代わりに、整流用トランジスタを用いる方式(以下、同期整流方式という)が存在する。前者の場合、負荷に流れる負荷電流が低いときに高効率が得られるという利点を有するが、制御回路の外部に、インダクタ、出力キャパシタに加えてダイオードが必要となるため、回路面積が大きくなる。後者の場合、負荷に供給する電流が小さいときの効率は、前者に比べて劣るが、ダイオードの代わりにトランジスタを用いるため、LSIの内部に集積化することができ、周辺部品を含めた回路面積としては小型化が可能となる。携帯電話などの電子機器において、小型化が要求される場合には、整流用トランジスタを用いたスイッチングレギュレータ(以下、同期整流方式スイッチングレギュレータという)が用いられることが多い。
たとえば、特許文献1、2には、同期整流方式、ダイオード整流方式のスイッチングレギュレータが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−32875号公報
【特許文献2】特開2002−252971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、降圧型スイッチングレギュレータに接続される負荷が一時的に短絡された場合などには、過電流が流れることになる。この過電流は、インダクタを介して負荷に供給される。インダクタに大電流が流れると、インダクタが磁束をそれ以上保持できない状態、すなわち、飽和状態になる。インダクタが飽和状態となると、インダクタンス成分は減少し、単なる導線に近づく。このとき、インダクタに流れる電流はスイッチングトランジスタを介して流れることになり、電流は増加する。この電流が大きくなると、スイッチングトランジスタや負荷の信頼性に影響を及ぼすことになる。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、過電流状態を検出して保護可能な降圧型スイッチングレギュレータの制御回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、降圧型スイッチングレギュレータの制御回路に関する。この制御回路は、入力端子と接地間に直列に接続されたスイッチングトランジスタと同期整流用トランジスタを含み、2つのトランジスタの接続点の電圧をスイッチング電圧としてスイッチングレギュレータ出力回路に出力する出力段と、スイッチングレギュレータ出力回路の出力電圧が所定の基準電圧に近づくように、そのデューティ比が制御されるパルス幅変調信号にもとづき、スイッチングトランジスタおよび同期整流用トランジスタのゲートに印加すべき第1、第2ゲート電圧を生成するドライバ回路と、スイッチングトランジスタの両端の電圧と所定のしきい値電圧を比較し、スイッチングトランジスタの両端の電圧がしきい値電圧を上回ると、所定レベルの比較信号を出力する比較部と、比較部から所定レベルの比較信号が出力される期間、スイッチングトランジスタを強制的にオフする第1保護回路と、比較部から出力される比較信号をモニタし、所定の第1期間継続して所定レベルが出力されると、当該制御回路を停止状態とする第2保護回路と、を備える。
【0008】
制御回路は、スイッチングトランジスタの両端の電圧をモニタすることにより、スイッチングトランジスタに流れる電流を検出する。スイッチングトランジスタの両端の電圧がしきい値電圧を超えた状態を過電流状態と判定し、スイッチングトランジスタのスイッチングを強制的にオフすることにより、回路を保護することができる。この態様によると、第1保護回路により周期毎に好適に回路保護を行うことができる。また、第2保護回路により比較信号をモニタし、過電流状態が第1期間継続した場合には、長期的な短絡状態と判定し、制御回路を停止状態とし、スイッチングレギュレータの出力電圧を低下させるとともに、回路内の消費電流を抑えることができる。
ここでの「スイッチングトランジスタの両端の電圧と所定のしきい値電圧を比較し」とは、スイッチングトランジスタの両端の電圧を直接しきい値電圧と比較する場合の他、スイッチングトランジスタの両端の電圧を間接的にしきい値電圧と比較する場合も含む。
【0009】
比較部は、スイッチングトランジスタの両端の電圧と、しきい値電圧を比較する電圧比較器と、電圧比較器の出力によりセットされ、パルス幅変調信号の1周期ごとにリセットされるラッチ回路と、を含み、第1保護回路はラッチ回路の出力信号にもとづいてスイッチングトランジスタを強制的にオフしてもよい。
パルス幅変調信号の1周期ごとにラッチ回路をリセットすることにより、スイッチングトランジスタの強制的なオフが1周期内に限り実行されるため、瞬間的な過電流状態から通常の電流状態への復帰を短時間で行うことができる。
【0010】
第1保護回路は、パルス幅変調信号の論理値を変化させてもよい。パルス幅変調信号の論理値を変化させた場合、スイッチングトランジスタが強制的にオフとなる期間、同期整流用トランジスタがオンすることになるため、出力電圧の上昇を好適に抑えることができる。
【0011】
第1保護回路は、スイッチングレギュレータの出力電圧と基準電圧との誤差電圧を変化させてもよい。パルス幅変調信号の生成に用いられる電圧比較器に入力される誤差電圧を変化させることにより、パルス幅変調信号を変化させることができる。
【0012】
第2保護回路は、比較部から出力される比較信号を積分する積分器と、積分器の出力信号が所定レベルに保持される時間を測定する第1時間測定回路と、を含んでもよい。過電流状態にも関わらず、一瞬スイッチングトランジスタに流れる電流が減少し、比較信号が所定レベルではなくなる場合にも、積分器により比較信号の高周波成分を除去することにより、過電流状態が持続していると判定することができる。
第1時間測定回路は、積分回路の出力信号が入力されるデジタルフィルタを含み、当該デジタルフィルタにより第1期間を測定してもよい。
【0013】
第2保護回路は、第1時間測定回路の出力の遷移に応じて所定の第2期間の計測を開始する第2時間測定回路をさらに含み、当該第2時間計測回路により計測される第2期間の間、本制御回路を停止状態としてもよい。
この場合、過電流状態が続くと、第1期間において、第1保護回路が周期ごとの過電流保護を行った後、第2期間において、第2保護回路により制御回路が停止状態とされる。過電流状態が長時間続くと、第1期間と第2期間を交互に繰り返す間欠動作となり、過電流保護を好適に行うとともに、第2期間において電流経路を完全に遮断することにより無駄な電力消費を抑えることができる。
【0014】
積分器は、比較信号の一方のエッジに高速に追従し、他方のエッジに対して緩やかに追従する信号を生成し、第1時間測定回路に出力してもよい。積分器は、比較信号が制御端子に入力されたトランジスタと、トランジスタの一端に接続されたRCフィルタと、トランジスタとRCフィルタの接続点に接続された定電流源と、を含んでもよい。
【0015】
比較部はさらに、スイッチングトランジスタのドレインソース間に、スイッチングトランジスタと並列の経路を構成するよう直列に接続された、ゲートに第1ゲート電圧が入力される検出トランジスタおよび検出抵抗を備え、電圧比較器は、検出抵抗の両端の電圧としきい値電圧とを比較してもよい。スイッチングトランジスタと並列に検出トランジスタおよび検出抵抗を設け、検出抵抗での電圧降下をモニタすることにより、スイッチングトランジスタに流れる電流を間接的にモニタすることができ、過電流状態を好適に検出することができる。
【0016】
制御回路は、1つの半導体基板上に一体集積化されてもよい。
【0017】
本発明の別の態様は、降圧型スイッチングレギュレータである。この降圧型スイッチングレギュレータは、一端が接地された出力キャパシタと、出力キャパシタの他端にその一端が接続されたインダクタと、を含むスイッチングレギュレータ出力回路と、インダクタの他端に、スイッチング電圧を供給する上述の制御回路と、を備え、出力キャパシタの他端の電圧を出力する。
この態様によると、降圧型スイッチングレギュレータに接続される負荷が短絡された場合などにおいて、過電流が定常的に流れるのを防止することができる。
【0018】
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、電池と、電池の電圧を降圧して出力する降圧型スイッチングレギュレータと、を備える。
この態様によると、降圧型スイッチングレギュレータを過電流から保護できるとともに、電子機器全体の発熱などを抑制することができ、また過電流状態が長時間継続する場合には、間欠動作を行うため、電池の消費を抑えることができる。
【0019】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る降圧型スイッチングレギュレータの制御回路によれば、過電流保護が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータを搭載した電子機器の構成を示すブロック図である。電子機器300は、たとえば携帯電話端末であり、電池310、電源装置320、アナログ回路330、デジタル回路340、マイコン350、LED360を含む。
電池310は、たとえばリチウムイオン電池であり、電池電圧Vbatとして3〜4V程度を出力する。
アナログ回路330は、パワーアンプや、アンテナスイッチ、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサやPLL(Phase Locked Loop)などの高周波回路を含み、電源電圧Vcc=3.4V程度で安定動作する回路ブロックを含む。また、デジタル回路340は、各種DSP(Digital Signal Processor)などを含み、電源電圧Vdd=3.4V程度で安定動作する回路ブロックを含む。
マイコン350は、電子機器300全体を統括的に制御するブロックであり、電源電圧1.5Vで動作する。
LED360は、RGB3色のLED(Light Emitting Diode)を含み、液晶のバックライトや、照明として用いられ、その駆動には、4V以上の駆動電圧が要求される。
【0022】
電源装置320は、多チャンネルのスイッチング電源であり、各チャンネルごとに、電池電圧Vbatを必要に応じて降圧、または昇圧するスイッチングレギュレータを備え、アナログ回路330、デジタル回路340、マイコン350、LED360に対して適切な電源電圧を供給する。
本実施形態に係る降圧型スイッチングレギュレータは、このような電源装置320に好適に用いることができる。以下、本実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータの構成について詳細に説明する。
【0023】
図2は、実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータ200の構成を示す回路図である。降圧型スイッチングレギュレータ200は、同期整流方式の降圧型スイッチングレギュレータであり、制御回路100、スイッチングレギュレータ出力回路110を含む。制御回路100は、ひとつの半導体基板に集積化されたLSIチップであり、スイッチング素子として機能するスイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2は、この制御回路100に内蔵される。
スイッチングレギュレータ出力回路110は、出力キャパシタC1、インダクタL1を含む。出力キャパシタC1は一端が接地され、他端が負荷RLおよびインダクタL1に接続される。インダクタL1は、制御回路100と接続され、スイッチング電圧Vswが印加される。
【0024】
この降圧型スイッチングレギュレータ200は、制御回路100によってインダクタL1に流れる電流を制御し、出力キャパシタC1に電荷を充電することにより電池電圧Vbatを降圧し、出力キャパシタC1に現れる電圧を負荷RLに供給する。
以下、負荷RLに供給される電圧を出力電圧Vout、負荷RLに流れる電流を負荷電流ILという。
【0025】
制御回路100は、入力・出力端子として、入力端子102、スイッチング端子104、電圧帰還端子106を備える。入力端子102には電池310が接続され、入力電圧として電池電圧Vbatが入力される。また、スイッチング端子104は、インダクタL1に接続され、制御回路100の内部で生成したスイッチング電圧Vswを出力する。また、電圧帰還端子106は、負荷RLに印加される出力電圧Voutが帰還される端子である。
【0026】
制御回路100は、ドライバ回路10、PWM制御部20、比較部30、第1保護回路である強制オフトランジスタ40、第2保護回路50、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2を含む。
【0027】
スイッチングトランジスタM1は、PチャンネルMOSトランジスタであって、ソースは入力端子102に接続され、ドレインはスイッチング端子104に接続される。同期整流用トランジスタM2は、NチャンネルMOSトランジスタであって、ソースは接地され、ドレインはスイッチングトランジスタM1のドレインおよびスイッチング端子104と接続される。また、同期整流用トランジスタM2のバックゲートは接地されている。
スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2は、電池電圧Vbatが印加される入力端子102と接地間に直列に接続されており、2つのトランジスタの接続点の電圧を、スイッチング電圧Vswとして本制御回路100の外部にスイッチング端子104を介して接続されるインダクタL1の一端に印加する。
【0028】
PWM制御部20は、降圧型スイッチングレギュレータ200の出力電圧Voutが所定の基準電圧に近づくように、スイッチングトランジスタM1および同期整流用トランジスタM2のオン時間のデューティ比を規定するパルス幅変調信号(以下、PWM信号Vpwmという)を生成する。PWM制御部20には、降圧型スイッチングレギュレータ200の出力電圧Voutが、電圧帰還端子106を介して入力される。
抵抗R1、R2は、この出力電圧Voutを分圧し、R2/(R1+R2)倍した出力電圧Vout’を誤差増幅器22の反転入力端子へと出力する。誤差増幅器22の非反転入力端子には基準電圧Vrefが入力されており、出力電圧Vout’および基準電圧Vrefの誤差を増幅し、誤差電圧Verrとして出力する。
【0029】
発振器26は、所定の周波数で発振し、三角波またはのこぎり波状の周期電圧Voscを出力する。第1コンパレータ24は、周期電圧Voscと誤差電圧Verrとを比較し、Vosc>Verrのときローレベルを、Vosc<VerrのときハイレベルとなるPWM信号Vpwmを出力する。このPWM信号Vpwmは、周期時間が一定で、出力電圧Vout’に応じてハイレベルとローレベルの期間が変化するパルス幅変調された信号となる。
【0030】
ドライバ回路10は、PWM制御部20から出力されるPWM信号Vpwmにもとづき、スイッチングトランジスタM1のゲートに印加すべき第1ゲート電圧Vg1と、同期整流用トランジスタM2のゲートに印加すべき第2ゲート電圧Vg2と、を生成する。本実施の形態において、第1ゲート電圧Vg1および第2ゲート電圧Vg2は、PWM信号Vpwmの論理値を反転して生成される。
スイッチングトランジスタM1は、第1ゲート電圧Vg1がローレベルのときがオンし、ハイレベルのときオフする。同期整流用トランジスタM2は、第2ゲート電圧Vg2がハイレベルのときオンし、ローレベルのときオフする。
このように、ドライバ回路10は、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2がそれぞれオンする時間の比を、PWM信号Vpwmのハイレベルとローレベルのデューティ比にもとづいて設定し、2つのトランジスタを交互にオンオフさせる。スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2が同時にオンして貫通電流が流れるのを防止するため、ドライバ回路10は、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2が同時にオフとなる期間(デッドタイム)を各周期ごとに設けてもよい。
【0031】
比較部30には、スイッチング電圧Vswおよび電池電圧Vbatが入力される。比較部30は、スイッチングトランジスタM1の両端の電圧(以下、監視電圧という)ΔV=(Vbat−Vsw)としきい値電圧Vthを比較し、監視電圧ΔVがしきい値電圧Vthを上回ると、ハイレベルの比較信号Vcmpを出力する。
比較部30は、第2コンパレータ32、電圧源34、ラッチ回路36を含む。電圧源34は所定のしきい値電圧Vthを生成する。第2コンパレータ32の+入力端子には電圧(Vbat−Vth)が入力される。また、第2コンパレータ32の−入力端子にはスイッチング電圧Vswが入力される。
【0032】
監視電圧ΔVは、スイッチングトランジスタM1のオン抵抗Ron1とスイッチングトランジスタM1に流れる電流Ipeakの積で与えられる。すなわち、ΔV=Ron1×Ipeakが成り立っている。Ipeak=ΔV/Ron1であるから、この比較部30により、スイッチングトランジスタM1に流れる電流Ipeakが、Ith=Vth/Ron1で与えられるしきい値電流を上回る状態を検出することができる。しきい値電流Ithは、スイッチングトランジスタM1の許容電流に応じて設定する。たとえば、通常の動作時にスイッチングトランジスタM1に流れる電流の最大値がIpeak=500mA程度の場合、しきい値電流Ithは、1A程度に設定する。
【0033】
ラッチ回路36は、Dフリップフロップであって、データ端子に第2コンパレータ32から出力される比較信号Vcmpが入力され、クロック端子には発振器26から出力される周期電圧Voscが入力される。ラッチ回路36は、比較部30から出力される比較信号Vcmpをラッチし、PWM信号Vpwmの生成に用いられる発振器26の出力信号である周期電圧Voscによりリセットされ、再度比較信号Vcmpをラッチする。ラッチ回路36は、RSフリップフロップなどを用いて構成してもよい。比較部30は、ラッチ回路36の出力を比較信号SIG1として、強制オフトランジスタ40のゲートおよび後段の第2保護回路50に出力する。
【0034】
強制オフトランジスタ40は、第1の保護回路であって、ドレインが誤差増幅器22の出力に接続され、ソースが接地されたNチャンネルMOSトランジスタである。比較部30から出力される比較信号SIG1がハイレベルのとき、強制オフトランジスタ40はオンし、このとき誤差増幅器22の出力電圧、すなわち誤差電圧Verrは0Vとなる。誤差電圧Verrが0Vとなると、第1コンパレータ24から出力されるPWM信号Vpwmはローレベルとなる。すなわち、第1保護回路である強制オフトランジスタ40は、パルス幅変調信号Vpwmの論理値を変化させることにより、スイッチングトランジスタM1を強制的にオフする。
ドライバ回路10は、上述のように、PWM信号Vpwmのデューティ比にもとづいて第1ゲート電圧Vg1、第2ゲート電圧Vg2を生成し、PWM信号Vpwmがハイレベルのとき、スイッチングトランジスタM1がオンする。したがって、ドライバ回路10は、ラッチ回路36において比較信号Vcmpがハイレベルにラッチされる期間、スイッチングトランジスタM1を強制的にオフすることになる。
【0035】
第2保護回路50には、比較部30から出力される比較信号SIG1が入力される。第2保護回路50は、比較信号SIG1をモニタし、所定の第1期間Tp1の間、ハイレベルが継続したことを検出すると、制御回路100を停止状態とする。第1期間Tp1は、発振器26から出力される周期電圧Voscの周期時間より十分に長く設定するのが望ましく、たとえば周期時間が1μs程度の場合、第1期間Tp1は2ms程度に設定する。
【0036】
図3は、第2保護回路50の構成を示す回路図である。第2保護回路50は、積分器52、デジタルフィルタ62、タイマ回路64、インバータ66を含む。インバータ66は、比較信号SIG1の論理値を反転し、積分器52に出力する。
積分器52は、インバータ66から出力される比較信号SIG1’を積分し、デジタルフィルタ62に出力する。積分器52は、比較信号SIG1’の立ち上がりのエッジに高速に追従し、立ち下がりのエッジに対して緩やかに追従する信号SIG2を生成する。積分器52は、トランジスタ54、定電流源56、抵抗58、キャパシタ60を含む。
【0037】
トランジスタ54は、PチャンネルMOSトランジスタであって、ゲートには、比較信号SIG1’が入力され、ソースには電源電圧Vddが入力される。抵抗58、キャパシタ60はRCフィルタを構成しており、トランジスタ54のドレインと接続される。定電流源56は、トランジスタM54とRCフィルタの接続点に接続される。
比較信号SIG1がハイレベルとなると、トランジスタ54のゲートはローレベルとなり、トランジスタ54はオンする。その結果、積分器52の出力信号SIG2は、CR時定数に従って上昇する。比較信号SIG1がローレベルとなると、トランジスタ54のゲートに入力される比較信号SIG1’はハイレベルとなり、トランジスタ54はオフし、キャパシタ60に蓄えられた電荷は定電流源56により放電され、積分器52の出力信号SIG2は緩やかに低下する。
【0038】
デジタルフィルタ62は、積分器52の出力信号SIG2がハイレベルに保持される時間を測定する第1の時間測定回路として機能する。デジタルフィルタ62は、出力信号SIG2が所定の第1期間Tp1以上ハイレベルとなると、その出力信号SIG3をハイレベルとする。
タイマ回路64は、デジタルフィルタ62の出力信号SIG3のローレベルからハイレベルへの遷移を契機として所定の第2期間Tp2の計測を開始する第2時間測定回路である。第2期間Tp2は、第1期間Tp1より長く設定するのが望ましく、たとえば18ms程度に設定する。第2保護回路50は、タイマ回路64により計測される第2期間Tp2の間、イネーブル信号ENをローレベルとする。タイマ回路64から出力されるイネーブル信号ENは、制御回路100の動作状態を制御するために用いられる。
【0039】
以下、本実施の形態に係る制御回路100の動作を図4、図5をもとに説明する。図4は、本実施の形態に係る制御回路100の動作状態を示すタイムチャートである。
まず、図4を用いて、第1の保護回路である強制オフトランジスタ40による過電流保護を説明する。図4のタイムチャートは、負荷電流ILが非常に大きな過電流状態を示している。図4は、上から順に、誤差電圧Verrおよび周期電圧Vosc、PWM信号Vpwm、監視電圧ΔV、比較信号Vcmp、比較信号SIG1、第1ゲート電圧Vg1を示している。
スイッチングトランジスタM1は、第1ゲート電圧Vg1がハイレベルのときオフ、ローレベルのときオンする。すなわち、図中、Ton1で示されるのは、スイッチングトランジスタM1がオンの期間である。
【0040】
PWM信号Vpwmは、降圧型スイッチングレギュレータ200の出力電圧Voutが所定の電圧に近づくようにそのデューティ比が制御され、Verr>Voscのときハイレベル、Verr<Voscのときローレベルとなる。第1ゲート電圧Vg1は、このPWM信号Vpwmにもとづいて生成される。第1ゲート電圧Vg1により、スイッチングトランジスタM1のオンオフが制御され、スイッチング電圧Vswはハイレベルとローレベルを繰り返す。時刻T0〜T1の期間、ドライバ回路10はPWM信号VpwmにもとづいてスイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2を駆動している。
【0041】
時刻T1に、負荷RLが短絡し、負荷電流ILが増加する。これに伴って、監視電圧ΔVが増加する。時刻T2に監視電圧ΔVがしきい値電圧Vthを上回ると、第2コンパレータ32から出力される比較信号Vcmpはハイレベルとなる。比較信号Vcmpがハイレベルとなると、ラッチ回路36はセットされ、比較部30から出力される比較信号SIG1はハイレベルとなる。比較信号SIG1がハイレベルになり強制オフトランジスタ40がオンすると、誤差電圧Verrが0V付近に固定され、PWM信号Vpwmが強制的にローレベルとなる。すなわち、パルス幅信号Vpwmのハイ時間THは、破線で示す誤差電圧Verr’にもとづいて生成された場合のオン時間TH’に比べて短くなる。これは、スイッチングトランジスタM1のオン時間Ton1が短くなり、同期整流用トランジスタM2のオン時間が長くなることを意味する。時刻T2にスイッチングトランジスタM1がオフとなり、同期整流用トランジスタM2がオンとなると、インダクタL1に流れる電流が減少し、監視電圧ΔVが下がり始める。
【0042】
時刻T3に、監視電圧ΔVがしきい値電圧Vthより低くなると、比較信号Vcmpはローレベルとなる。時刻T4に、発振器26の出力である周期電圧Voscが上昇してあるレベルVxに達すると、ラッチ回路36がリセットされ、その比較信号SIG1はローレベルとなる。比較信号SIG1がローレベルとなると、強制オフトランジスタ40がオフし、誤差電圧Verrが0Vの固定状態から解放される。その後、時刻T5にVerr<Voscとなると、PWM信号Vpwmがハイレベルとなり、ドライバ回路10は、第1ゲート電圧Vg1をローレベルとし、スイッチングトランジスタM1をオンする。
【0043】
このように、本実施の形態に係る制御回路100は、スイッチングトランジスタM1の両端の電圧である監視電圧ΔVをモニタする。監視電圧ΔVは、スイッチングトランジスタM1に流れる電流に比例するため、しきい値電圧Vthとの比較を行うことにより過電流状態を検出することができる。
ΔV>Vthとなって過電流状態を検出すると、第1の保護回路である強制オフトランジスタ40によってスイッチングトランジスタM1が強制的にオフされ、電流の供給経路が遮断されるため、スイッチングトランジスタM1自身、インダクタL1あるいは負荷RLを好適に保護することができる。
また、過電流状態におけるスイッチングトランジスタM1の強制的なオフ状態は、発振器26から出力される周期電圧Voscにより、1周期毎に解除される。そのため負荷が瞬間的に短絡して大電流が流れるような場合にも、1周期毎に過電流検出および過電流保護を行うため、負荷が短絡状態から解放されると、直ちに通常のスイッチング動作に復帰することができる。
【0044】
次に、図5を用いて、第2保護回路50による過電流保護を説明する。図5は、上から順に、PWM信号Vpwm、監視電圧ΔV、比較信号Vcmp、比較信号SIG1、積分器52の出力信号SIG2、デジタルフィルタ62の出力信号SIG3、イネーブル信号ENを示している。時刻T0に負荷RLが短絡し、過電流状態となる。この過電流状態は、上述したように比較部30により周期ごとに検出される。過電流状態となると、図4で説明したように、比較信号Vcmpおよび比較信号SIG1が周期毎にハイレベルとローレベルを繰り返すようになる。比較信号SIG1がハイレベルの期間、図3のトランジスタ54はオンするため、積分器52の出力信号SIG2は上昇する。また、比較信号SIG1がローレベルの期間、図3のトランジスタ54はオフするため、キャパシタ60の電荷が定電流源56によって放電され、積分器52の出力信号SIG2は低下する。放電の速度は緩やかに設定されているため、図5に示すように、過電流状態が継続すると、積分器52の出力信号SIG2はハイレベルを維持し続ける。時刻T0から所定の第1期間Tp1経過後の時刻T1にデジタルフィルタ62の出力信号SIG3がハイレベルとなる。出力信号SIG3がハイレベルとなると、タイマ回路64は、その出力であるイネーブル信号ENをローレベルとし、時間測定を開始する。イネーブル信号ENがローレベルとなると、制御回路100は停止状態となる。停止状態においては、制御回路100において不要な回路への電力供給を停止し、スイッチングトランジスタM1、同期整流用トランジスタM2のスイッチング動作を停止する。
【0045】
タイマ回路64は、時刻T1の時間測定の開始から、所定の第2期間Tp2経過後の時刻T2に、イネーブル信号ENをハイレベルに戻す。イネーブル信号ENがハイレベルとなることにより制御回路100は通常動作に復帰する。もしこのとき、負荷RLの短絡状態が持続していれば、図5の時刻T0の状態に戻ることになる。したがって、制御回路100は、第1保護回路により保護される第1期間Tp1と、制御回路100が停止状態となる第2期間Tp2を交互に繰り返す間欠動作を行うことになる。
また、時刻T1〜T2の停止期間中に、負荷RLが短絡状態から解放された場合、時刻T2から以降は、通常の降圧動作を再開することができる。
【0046】
このように、本実施の形態に係る制御回路100によれば、第1の保護回路である強制オフトランジスタ40により、周期毎に回路保護を行うことができ、ごく短期間に発生する過電流状態から降圧型スイッチングレギュレータ200を好適に保護することができる。また、第2保護回路50を設けることにより、過電流状態が長時間続くと、第1期間Tp1と第2期間Tp2を交互に繰り返す間欠動作となり、過電流保護を好適に行うとともに、第2期間Tp2において電流経路を完全に遮断することにより無駄な電力消費を抑えることができる。
【0047】
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0048】
図6は、制御回路100の変形例を示す回路図であり、比較部30の構成を示す。以降の図において、既出の構成要素と同一または同等の構成要素には同一の符号を付すものとし、適宜説明を省略する。
上述した実施の形態では、監視電圧ΔVとしてスイッチングトランジスタM1の両端の電圧を直接モニタしたが、スイッチングトランジスタM1と並列に、検出トランジスタM3および検出抵抗R3により形成される経路を設け、この経路に流れる電流をモニタしてもよい。
【0049】
比較部30は、第2コンパレータ32、電圧源34、ラッチ回路36に加えて、検出抵抗R3、検出トランジスタM3を含む。スイッチングトランジスタM1のドレインソース間には、検出トランジスタM3、検出抵抗R3が直列に接続されている。検出トランジスタM3は、スイッチングトランジスタM1と同様にPチャンネルのMOSトランジスタであって、ドレインおよびゲートがスイッチングトランジスタM1と共通に接続されている。検出トランジスタM3のトランジスタサイズはスイッチングトランジスタM1に比べて小さく設定され、検出トランジスタM3のオン抵抗Ron3は、スイッチングトランジスタM1のオン抵抗Ron1に比べて十分に高く設定されている。また、検出抵抗R3の抵抗値は、検出トランジスタM3のオン抵抗Ron3に対して十分に高く設定される。すなわち、検出トランジスタM3および検出抵抗R3を含む経路のインピーダンスは、スイッチングトランジスタM1のインピーダンスに対して十分に高く設定されており、Ron3+R3≫Ron1が成り立っている。
第2コンパレータ32は、検出抵抗R3の両端の電圧を監視電圧ΔV’としてモニタすることにより、スイッチングトランジスタM1の両端の電圧ΔV’を間接的にモニタし、過電流状態を検出する。
【0050】
以上のように構成された図6の制御回路100の動作について説明する。スイッチングトランジスタM1に流れる電流をIm1、検出トランジスタM3に流れる電流をIm3とすると、上述した2つの経路のインピーダンスの関係からIm1≫Im3となる。スイッチングトランジスタM1の両端の電圧ΔVは、Im1×Ron1で与えられ、この電圧は、検出抵抗R3および検出トランジスタM3に印加される。したがって、検出抵抗R3の両端の電圧、すなわち監視電圧ΔV’は、ΔV’=Im1×Ron1×R3/(R3+Ron3)となる。すなわち、監視電圧ΔV’は、スイッチングトランジスタM1に流れる電流Im1に比例する。
【0051】
負荷RLが短絡状態になり、スイッチングトランジスタM1に過電流が流れると、スイッチングトランジスタM1の両端の電圧ΔVが上昇し、これにともない、検出抵抗R3の両端の電圧ΔV’が増大する。この監視電圧ΔV’がしきい値電圧Vthを超えると、第2コンパレータ32から出力される比較信号Vcmpがハイレベルとなり、ラッチ回路36がセットされ、ドライバ回路10から出力される第1ゲート電圧Vg1がハイレベルとなり、スイッチングトランジスタM1および検出トランジスタM3が強制的にオフ状態となる。
このように、図6の制御回路100では、検出抵抗R3の両端の電圧ΔV’をモニタすることにより、間接的にスイッチングトランジスタM1の両端の電圧ΔVをモニタすることができ、過電流状態を検出して回路保護を行うことができる。
【0052】
実施の形態では、第1保護回路である強制オフトランジスタ40は、過電流状態を検出した際に、スイッチングトランジスタM1を強制的にオフするために、誤差電圧Verrを制御したが、これには限定されない。たとえば、比較信号SIG1をドライバ回路10へと入力し、ドライバ回路10の内部で、比較信号SIG1およびPWM信号Vpwmを論理演算することによって、第1ゲート電圧Vg1を制御し、スイッチングトランジスタM1を強制的にオフしてもよい。
【0053】
実施の形態では、制御回路100がひとつのLSIに一体集積化される場合について説明したが、これには限定されず、一部の構成要素がLSIの外部にディスクリート素子あるいはチップ部品として設けられ、あるいは複数のLSIにより構成されてもよい。どの部分をどの程度集積化するかは、コストや占有面積などによって決めればよい。
【0054】
また、本実施の形態において、ハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータを搭載した電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る降圧型スイッチングレギュレータの構成を示す回路図である。
【図3】第2保護回路の構成を示す回路図である。
【図4】図2の制御回路の動作状態を示すタイムチャートである。
【図5】図2の制御回路の動作状態を示すタイムチャートである。
【図6】図2の制御回路の変形例を示す回路図であり、比較部の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
100 制御回路、 102 入力端子、 104 スイッチング端子、 106 電圧帰還端子、 110 スイッチングレギュレータ出力回路、 200 降圧型スイッチングレギュレータ、 10 ドライバ回路、 20 PWM制御部、 22 誤差増幅器、 24 第1コンパレータ、 26 発振器、 30 比較部、 36 ラッチ回路、 40 強制オフトランジスタ、 50 第2保護回路、 52 積分器、 62 デジタルフィルタ、 64 タイマ回路、 C1 出力キャパシタ、 L1 インダクタ、 Vg1 第1ゲート電圧、 Vg2 第2ゲート電圧、 M1 スイッチングトランジスタ、 M2 同期整流用トランジスタ、 M3 検出トランジスタ、 R3 検出抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
降圧型スイッチングレギュレータの制御回路であって、
入力端子と接地間に直列に接続されたスイッチングトランジスタと同期整流用トランジスタを含み、2つのトランジスタの接続点の電圧をスイッチング電圧としてスイッチングレギュレータ出力回路に出力する出力段と、
前記スイッチングレギュレータ出力回路の出力電圧が所定の基準電圧に近づくように、そのデューティ比が制御されるパルス幅変調信号にもとづき、前記スイッチングトランジスタおよび前記同期整流用トランジスタのゲートに印加すべき第1、第2ゲート電圧を生成するドライバ回路と、
前記スイッチングトランジスタの両端の電圧と所定のしきい値電圧を比較し、前記スイッチングトランジスタの両端の電圧が前記しきい値電圧を上回ると、所定レベルの比較信号を出力する比較部と、
前記比較部から前記所定レベルの比較信号が出力される期間、前記スイッチングトランジスタを強制的にオフする第1保護回路と、
前記比較部から出力される前記比較信号をモニタし、所定の第1期間継続して前記所定レベルが出力されると、本制御回路を停止状態とする第2保護回路と、
を備えることを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記比較部は、
前記スイッチングトランジスタの両端の電圧と、前記しきい値電圧を比較する電圧比較器と、
前記電圧比較器の出力によりセットされ、前記パルス幅変調信号の1周期ごとにリセットされるラッチ回路と、
を含み、前記第1保護回路は前記ラッチ回路の出力信号にもとづいて前記スイッチングトランジスタを強制的にオフすることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記第1保護回路は、前記パルス幅変調信号の論理値を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記第1保護回路は、前記スイッチングレギュレータの出力電圧と前記基準電圧との誤差電圧を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
【請求項5】
前記第2保護回路は、
前記比較部から出力される前記比較信号を積分する積分器と、
前記積分器の出力信号が前記所定レベルに保持される時間を測定する第1時間測定回路と、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
【請求項6】
前記第1時間測定回路は、前記積分回路の出力信号が入力されるデジタルフィルタを含み、当該デジタルフィルタにより前記第1期間を測定することを特徴とする請求項5に記載の制御回路。
【請求項7】
前記第2保護回路は、前記第1時間測定回路の出力の遷移に応じて所定の第2期間の計測を開始する第2時間測定回路をさらに含み、当該第2時間計測回路により計測される前記第2期間の間、本制御回路を停止状態とすることを特徴とする請求項5に記載の制御回路。
【請求項8】
前記積分器は、前記比較信号の一方のエッジに高速に追従し、他方のエッジに対して緩やかに追従する信号を生成し、前記第1時間測定回路に出力することを特徴とする請求項5に記載の制御回路。
【請求項9】
前記積分器は、
前記比較信号が制御端子に入力されたトランジスタと、
前記トランジスタの一端に接続されたRCフィルタと、
前記トランジスタと前記RCフィルタの接続点に接続された定電流源と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の制御回路。
【請求項10】
前記比較部はさらに、
前記スイッチングトランジスタのドレインソース間に、前記スイッチングトランジスタと並列の経路を構成するよう直列に接続された、ゲートに前記第1ゲート電圧が入力される検出トランジスタおよび検出抵抗を備え、前記電圧比較器は、前記検出抵抗の両端の電圧と前記しきい値電圧とを比較することを特徴とする請求項1または2に記載の制御回路。
【請求項11】
前記制御回路は、1つの半導体基板上に一体集積化されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の制御回路。
【請求項12】
一端が接地された出力キャパシタと、前記出力キャパシタの他端にその一端が接続されたインダクタと、を含むスイッチングレギュレータ出力回路と、
前記インダクタの他端に、スイッチング電圧を供給する請求項1から11のいずれかに記載の制御回路と、
を備え、前記出力キャパシタの他端の電圧を出力することを特徴とする降圧型スイッチングレギュレータ。
【請求項13】
電池と、
前記電池の電圧を降圧して出力する請求項12に記載の降圧型スイッチングレギュレータと、
を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−340420(P2006−340420A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158684(P2005−158684)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】