説明

隅角部材とそれを使用する壁構造

【課題】窓脇の見切縁に流れ込んだ雨水は、壁面内部へ流れ込み、壁面の雨漏れの原因となる、雨漏れを防止する隅角部材と雨仕舞の向上した壁構造を得る。
【解決手段】窓脇の見切縁に流れ込んだ雨水を、排出する流水板を持つ、隅角部材とそれを使用する壁構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、窓下コーナーの建築用パネル施工に用いられる、隅角部材とそれを使用する壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓廻りの建築用パネル施工に用いられる、見切縁をL字形に固定して、そのコーナーには施工による隙間が発生し、雨水の侵入や美観が低下するため、そのコーナーに被覆部材を被せる、壁部材と壁構造が知られている。
(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】実公平3−23932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術には、窓脇の見切縁に流れ込んだ雨水は、壁面内部へ流れ込み、壁面の雨漏れの原因になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、窓脇の見切縁に流れ込んだ雨水を、排出する流水板を持つ、隅角部材とそれを使用する壁構造とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明による隅角部材とそれを使用する壁構造には、次のような効果がある。
【0006】
A.建築用パネルによる端部を覆う見切縁において、その見切縁を固定する釘打辺と、その釘打辺から立ち上がる見切底とをつたう雨水を、その見切縁の下方に取り付けられる、雨水を壁の外方に流す流水面により、排出する隅角部材。
a.窓脇の見切縁に流れ込んだ雨水を壁面外に排出可能になり、
イ.壁面内部へ流れ込みを防ぎ、壁面の雨漏れを防止する。
【0007】
B.見切縁の見切辺と隅角部材との隙間を覆う、被覆機能を持つ、隅角部材とする事により、
a.見切縁の見切辺と隅角部材との隙間を覆うことにより、美観が向上し、
b.施工容易になり、施工性が向上する。
【0008】
C.見切縁の釘打辺の雨水を、隅角部材の流水面に集める集水機能を持つ水受片を持つ、隅角部材とする事により、
a.隅角部材の流水面の幅を狭くすることが可能になり、
イ.隅角部材流水板が施工可能になるように、L字形の切欠や溝状に切り欠いた切欠端の加工幅が狭くなり、
ロ.施工容易になり、施工性が向上し
ハ.建築用パネルの壁面での気密性が向上する。
【0009】
D.見切縁の釘打辺に集水機能を持つ傾斜した突条を持つ見切縁を組み合わせる、隅角部材とする事により、
a.雨水を、隅角部材の流水面に集める集水機能が向上可能になる。
【0010】
E.見切縁の見切辺と隅角部材との隙間を覆う、被覆機能を持つ被覆部材を組み合わせる、隅角部材とする事により、
a.見切縁の見切辺と隅角部材との隙間を覆うことにより、美観が向上し、
b.施工容易になり、施工性が向上し、
c.隅角部材の構造が簡単になる。
【0011】
F.被覆部材が前記の見切縁に引っ掛ける、引掛端を一部切り欠いて流出口を形成する被覆部材を使用する、隅角部材とする事により、
a.雨水を、隅角部材の流水面から排水機能が向上可能になり、
イ.壁面内部へ流れ込みを防ぎ、壁面の雨漏れ防止性能が向上する。
【0012】
G.この発明の隅角部材を使用する壁構造とすることにより、
a.窓廻りを見切縁の見切辺の幅と統一感のある、枠取りにより囲うことが容易になり、
イ.壁面の意匠性が向上し、
b.雨仕舞性能が向上し、コーキングが減少か不要になり、
イ.コーキングの劣化による汚れを防止して美観が向上し、
ロ.コーキング手間が省け、施工性が向上し、コストが下がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
A.この発明による金属板は、
a.次に代表される塗装金属板や、
イ.塗装亜鉛メッキ鋼板
ロ.塗装アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板
ハ.塗装ステンレス鋼板
ニ.塗装銅板
ホ.塗装アルミニウム合金板
ヘ.合成樹脂シート張り合わせ金属板
ト.塗装チタン・ニッケル合金板
チ.その他の塗装合金鋼等
b.次に代表される無塗装金属板、
イ.亜鉛メッキ鋼板
ロ.アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板
ハ.ステンレス鋼板
ニ.銅板
ホ.アルミニウム合金板等
ヘ.チタン・ニッケル合金板
ト.その他の合金鋼等
c.それらの金属板に深いエンボス加工を加えた金属板
d.エンボス加工の上に塗装した金属板等を使用する。
【0014】
B.この発明に使用される建築用パネルや水切受材の固定は、
a.釘打ちには、次に代表される、固定具を使用する。
イ.タッピングビス
ロ.釘
ハ.ホッチキス
ニ.木ネジ
ホ.ポップリベット等
【0015】
C.この発明に使用される建築用パネルの裏打材は、
a.次に代表される発泡合成樹脂に、
イ.硬質発泡ウレタン樹脂
ロ.硬質発泡ヌレート樹脂
ハ.発泡フェノール樹脂
ニ.発泡スチレン樹脂等
b.次に代表される裏面紙を積層している。
イ.はり合わせアルミニウム箔
ロ.スチールペーパー
ハ.ポリエチコートクラフト紙
ニ.アルミ蒸着紙
ホ.合成樹脂シート等
【0016】
発明の実施例について、次の、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、及び実施例5により、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
図1,図2,図3,図4,図5,及び図6は、この発明の実施例1を示すものである。
【0018】
A.図3に示す、実施例1においての建築用パネル1は、
a.金属板7による長尺の表面材1aを成形して、次のような前面部1cと溝部1dとを持つ、前面基部1bを形成し、
イ.ほぼ平坦で細長い前面部1cと、
ロ.裏面側に長い底辺を欠いた等脚台形に折り曲げた、溝部1dとを、
ハ.交互に複数構成し、その両側に前面部1cを設けた前面基部1bとし、
b.その前面基部1bの一側端に、次のような差込片1eを形成し、
イ.表面材1aを裏面側にくの字形に折り曲げ、さらに裏面側に鋭角的に折り曲げ、
ロ.さらに、クランク状に表面側に折り曲げて、そして、U字形に表面側に折り曲げて、先端を裏面側に折り返した差込片1eを形成し、
c.また、その前面基部1bの他側端に、次のような嵌合溝1fと釘打片1gを形成し、
イ.表面材1aを、裏面側にくの字形に折り曲げて、さらに裏面側にくの字形に折り曲げ、そして裏面側に折り返して、次にU字形に表面側に折り曲げて、嵌合溝1fを形成し、
ロ.その嵌合溝1fを延長し、途中が半円形に表面側に突起し、先端を表面側に折り返した釘打片1gを形成し、
d.その成形した表面材1aの裏面側に、
イ.差込片1eの先端の折り返しに裏面紙1iの側端を挿入し、その裏面紙1iの他側端を釘打片1gに乗せて、
ロ.その裏面紙1iにより覆われた発泡合成樹脂8aによる、裏打材1hを形成し、
ハ.その長手方向の端部に切断端1jを形成している。
【0019】
B.図5に示す、実施例1の見切縁2は、金属板7を成形して、
a.平坦な一端を裏面側に折り返した見切辺2hを形成し、
b.その見切辺2hの他端を、裏面側にL字形に折り曲げて、次のような係止溝2jを持つ見切底2iを形成し、
イ.その係止溝2jは、前記の見切辺2h側の見切底2iを浅い皿状に裏面側に窪めた係止溝2jとし、
c.その見切底2iをL字形に裏面側に折り曲げて、裏面側に開口する断面半円状の突条2cを途中に持ち、先端を表面側に折り返した、釘打辺2bを形成し、
d.それらの見切辺2hと見切底2iと釘打辺2bとにより、裏面側に開口する樋状の見切樋2mを構成する。
【0020】
C.図6に示す、実施例1の隅角部材3は、金属板7を成形して、
a.ほぼ平坦で、一側端を裏面側にわずかにL字形に折り曲げた矩形の導水片3eを形成し、
b.その導水片3eの一端を、鈍角に裏面側に折り曲げて、流水板3cを形成し、
c.その流水板3cを表面側に鈍角に折り曲げて、固定片3aを形成し、
d.前記導水片3eの折り曲げた側端に対向する、その固定片3aの側端を、L字形に表面側に折り曲げて、遮水片3bを形成し、
e.そして、この隅角部材3と対称な隅角部材3とを組み合わせて、一対の隅角部材3を構成する。
【0021】
D.図1,図2,及び図4に示す、実施例1の壁面5の施工は、
a.壁下地5aを構成する、右と左の柱5bと、それらの柱5bとの間に取り付けられた、上と下との窓まぐさ5cとの間に、半外付けの窓枠6を固定し、
b.そして、次のように胴縁5dを柱5bに施工し、
イ.前記の窓枠6の下枠を構成する、窓下枠6aの下方に沿って、胴縁5dを施工し、
ロ.その胴縁5dの上側に、他の胴縁5dを乗せて、その先端を、前記の窓枠6の左右の枠を構成するである、窓縦枠6bに合わせて施工し、
ハ.また、壁面5の適宜な個所に胴縁5dを施工し、
c.その胴縁5dに、次のように前記の見切縁2を横に施工し、
イ.前記の窓下枠6aの寸法にほぼ合わせて、切断したすこし長めの見切縁2を、
ロ.前記の窓下枠6aの下方に見切辺2hを沿わせて設置し、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
d.次に、隅角部材3を次のように施工し、
イ.前記の窓枠6の左右の縦枠を構成する、窓縦枠6bと、その窓縦枠6bから側方に出た見切縁2の見切辺2hとの角において、
ロ.隅角部材3の導水片3eを見切縁2の見切辺2hに被せて、
ハ.隅角部材3の固定片3aを釘打ち固定し、
e.それから、見切縁2を次のように縦に施工し、
イ.前記の窓枠6の長さに合わせて、切断した見切縁2を、
ロ.その見切縁2の見切底2iを、窓縦枠6bに沿わして、
ハ.その見切縁2の釘打辺2bの一方の端部を、前記の隅角部材3の流水板3cと固定片3aとの角に合わせて、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
f.上記のように、施工された窓廻りの、壁下地5aに、建築用パネル1を次のように、縦張り施工し、
イ.この壁面5に横方向に続く、すでに施工された建築用パネル1の嵌合溝1fに、
ロ.窓枠6部の壁面5の形状に合わせて、L字形に切り欠いた切込端1kと、隅角部材3の流水板3cが入るように、L字形の切欠から溝状に切り欠いた切欠端1kとを持つ、建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ハ.その建築用パネル1の嵌合溝1fに、他の建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ニ.上記を繰り返し、壁下地5aに充当する複数の建築用パネル1による、壁面5を施工し、
ホ.隅角部材3の流水板3と、建築用パネル1の溝状に切り欠いた切欠端1kとの外側の隙間に、シーリング材8bを充填し施工する。
【実施例2】
【0022】
図3,図5,図7,図8,図9,及び図10は、この発明の実施例2を示すものである。
【0023】
A.図3に示す、実施例2においての建築用パネル1は、実施例1と同じものである。
【0024】
B.図5に示す、実施例2においての見切縁2は、実施例1と同じものである。
【0025】
C.図10に示す、実施例2の隅角部材3は、金属板7を成形して、
a.ほぼ平坦で、一側端を表面側にL字形にわずかに折り曲げた矩形の導水片3eを形成し、
b.その導水片3eの一端を、鈍角に表面側に折り曲げて、流水板3cを形成し、
c.その流水板3cの、前記の導水片3eのL字形にわずかに折り曲げた側を、裏面側にL字形にわずかに折り曲げて流水堤3dを形成し、
d.また、その流水板3cの導水片3eに対向する、端部を裏面側に鈍角に折り曲げて、固定片3aを形成し、
e.その固定片3aの、流水板3cの流水堤3d側を次のように折り曲げて、水受片3fを形成し、
イ.その水受片3fは、前記の見切縁2のほぼ釘打辺2bの幅の固定片3aの角を、流水板3cの幅を残して斜めに裏面側にU字形に折り曲げて、
ロ.その折り曲げた金属板7は、ほぼ折り曲げた線を底辺とする台形を呈し、その上方の斜辺は、流水板3cとの折り曲げ線とほぼ平行とし、
f.その水受片3fの折り曲げた側端に対向する、その固定片3aの側端を、L字形に裏面側に折り曲げて、遮水片3bを形成し、
g.その遮水片3bを、前記の見切縁2の見切底2iに合わせて、L字形に裏面側に折り曲げて、次のような被覆面3hを形成し、
イ.その被覆面3hは、前記の導水片3eを覆うように延長して、
ロ.その被覆面3hは、前記の見切縁2の見切辺2hに合わせて、L字形に裏面側に折り曲げて形成し、
h.そして、この隅角部材3と対称な隅角部材3とを組み合わせて、一対の隅角部材3を構成する。
【0026】
D.図7,図8,及び図9に示す、実施例2の壁面5の施工は、
a.壁下地5aを構成する、右と左の柱5bと、それらの柱5bとの間に取り付けられた、上と下との窓まぐさ5cとの間に、外付けの窓枠6を固定し、
b.その壁下地5aに、次のように前記の見切縁2を横に施工し、
イ.前記の窓枠6の下枠を構成する、窓下枠6aの寸法に合わせて、切断した見切縁2を、
ロ.前記の窓下枠6aの下方に見切辺2hを沿わせて設置し、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
c.次に、隅角部材3を次のように施工し、
イ.前記の窓枠6の左右の縦枠を構成する、窓縦枠6bの下端の隅角部において、
ロ.隅角部材3の導水片3eを、見切縁2の見切辺2hの推定延長上に被せて、
ハ.隅角部材3の固定片3aを釘打ち固定し、
d.それから、見切縁2を次のように縦に施工し、
イ.前記の窓枠6の長さから、前記の隅角部材3の水受片3fの高さを引いた、長さにほぼ合わせて切断した見切縁2を、
ロ.その見切縁2の見切底2iを、窓縦枠6bに沿わして、
ハ.その見切縁2の一方の端部を、前記の隅角部材3の中に次のように合わせて、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
○隅角部材3の固定片3aと遮水片3bと被覆面3hを、それぞれ、見切縁2の釘打辺2bと見切底2iと見切辺2hとに対応させ、
e.上記のように、施工された窓廻りの、壁下地5aに、建築用パネル1を次のように横張り施工し、
イ.この壁面5に下方向に続く、すでに施工された建築用パネル1の嵌合溝1fに、
ロ.窓枠6部の壁面5の形状に合わせて、L字形に切り欠いた切込端1kを持つ、建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ハ.その建築用パネル1の嵌合溝1fに、他の建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ニ.上記を繰り返し、壁下地5aに充当する複数の建築用パネル1による、壁面5を施工する。
【実施例3】
【0027】
図3,図9,図11,図12,図13,図14,図15,及び図16は、この発明の実施例3を示すものである。
【0028】
A.図3に示す、実施例3においての建築用パネル1は、実施例1と同じものである。
【0029】
B.図14に示す、実施例3においての見切縁2は、次のような、見切材2gと釘打材2aとからなり、組み合わせて施工される。
a.その見切材2g金属板7を成形して、
b.平坦な一端を裏面側に折り返した見切辺2hを形成し、
c.その見切辺2hの他端を、裏面側にL字形に折り曲げて、次のような係止溝2jを持つ見切底2iを形成し、
イ.その係止溝2jは、前記の見切辺2h側の見切底2iを浅い皿状に裏面側に窪めた係止溝2jとし、
d.その見切底2iを裏面側に折り返して、前記の係止溝2j側で、表面側にコの字形に折り曲げ、さらに、裏面側に折り返した、次のような切起突起2lを複数持つ差込辺2kを形成し、
イ.その切起突起2lは金属板7を、
ロ.船底を差込辺2kの折り返しせ側に向けて、ほぼ半裁の船形に差込辺2kの両側に交互に突起させ、
ハ.船縁側が切断され、金属板7のほぼ2枚分程度の段差を形成し、
e.また、釘打材2aは合成樹脂8を成形して、
f.表面側に突起する断面三角形の突条2cを一側端と途中に持つ、ほぼ平坦な釘打辺2bを形成し、
g.その釘打辺2bの他側端側に、断面音叉形の嵌合辺2dを形成し、
イ.その嵌合辺2dは、その先端に次のような複数の鋸歯突起2eを持つ、嵌合溝2fを形成し、
ロ.その鋸歯突起2eは嵌合辺2dから隆起する、断面が短辺と長辺からなる山形で、その短辺が嵌合辺2dに直交し、長辺が先端部側に位置し、
h.そして、見切材2gの差込辺2kを、釘打材2aの嵌合溝2fに差し込み、見切材2gの見切辺2hと見切底2iと、釘打材2aの釘打辺2bとにより、裏面側に開口する樋状の見切樋2mを構成する。
【0030】
C.図15に示す、実施例3の隅角部材3は、金属板7を成形して、
a.ほぼ平坦で、一側端を表面側にL字形にわずかに折り曲げた矩形の導水片3eを形成し、
b.その導水片3eの他側端を、表面側にL字形にわずかに折り曲げると共に、その先端側を延長し裏面側にL字形に折り曲げて、その先端をU字形に裏面側に折り曲げた引掛片3gを形成し、
c.その導水片3eの後端側を、鈍角に裏面側に折り曲げて、流水板3cを形成し、
d.その流水板3cの、前記の導水片3eの引掛片3g側を、表面側にL字形にわずかに折り曲げて流水堤3dを形成し、
d.また、その流水板3cの導水片3eに対向する、端部を表面側に鈍角に折り曲げて、固定片3aを形成し、
イ.その水受片3fは、前記の見切縁2のほぼ釘打辺2bの幅の固定片3aの角を、流水板3cの幅を残して斜めに表面側にU字形に折り曲げて、
ロ.その折り曲げた金属板7は、ほぼ折り曲げた線を底辺とする台形を呈し、その上方の斜辺は、流水板3cとの折り曲げ線とほぼ平行とし、
f.その水受片3fの折り曲げた側端に対向する、その固定片3aの側端を、L字形に表面側に折り曲げて、遮水片3bを形成し、
イ.その遮水片3bは、流水板3cに接触し、その先端は、前記の流水板3cの流水堤3dと同様に、わずかに突起する。
g.そして、この隅角部材3と対称な隅角部材3とを組み合わせて、一対の隅角部材3を構成する。
【0031】
D.図16に示す、実施例3の被覆部材4は、金属板7を成形して、
a.ほぼ直角二等辺三角形の斜辺の中央部を、一回り小さな直角二等辺三角形により、切り欠かれた形状の連係面4aとし、
b.その連係面4aの、直角を構成する両外辺を、裏面側に半円形に折り曲げて引掛端4bを形成し、
c.その引掛端4bどうしの、角から前記の隅角部材3の引掛片3gの幅程度の個所に、隅角部材3の導水片3bの幅程度を切り欠いて、流出口4dを形成し、
d.その引掛端4bの向かい側の連係面4aを裏面側にL字形に折り曲げ、ほぼ矩形で鈍角なクランク状に裏面側に折り曲げた、押止端4cを形成する。
【0032】
E.図9,図11,図12,及び図13に示す、実施例3の壁面5の施工は、
a.壁下地5aを構成する、右と左の柱5bと、それらの柱5bとの間に取り付けられた、上と下との窓まぐさ5cとの間に、半外付けの窓枠6を固定し、
b.その壁下地5aに、次のように前記の見切縁2の釘打材2aを横に施工し、
イ.前記の窓枠6の下枠を構成する、窓下枠6aの寸法に合わせて、切断した釘打材2aを、
ロ.前記の窓下枠6aの下方に嵌合辺2dを沿わせて設置し、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
c.次に、隅角部材3を次のように施工し、
イ.前記の窓枠6の左右の縦枠を構成する、窓縦枠6bの下端の隅角部において、
ロ.隅角部材3の導水片3eを、見切縁2の見切辺2hの推定延長上に被せて、
ハ.隅角部材3の固定片3aを釘打ち固定し、
d.それから、見切縁2の釘打材2aを次のように縦に施工し、
イ.前記の窓枠6の長さから、前記の隅角部材3の水受片3fの高さを引いた、長さにほぼ合わせて切断した釘打材2aを、
ロ.その釘打材2aの嵌合辺2dを、窓縦枠6bに沿わして、
ハ.その釘打材2aの一方の端部を、前記の隅角部材3の中に次のように合わせて、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
○隅角部材3の固定片3aと遮水片3bを、それぞれ、釘打材2aの釘打辺2bと嵌合辺2dとに対応させ、
e.上記のように施工された、窓廻りの壁下地5aに、建築用パネル1を次のように横張り施工し、
イ.この壁面5に下方向に続く、すでに施工された建築用パネル1の嵌合溝1fに、
ロ.窓枠6部の壁面5の形状に合わせて、L字形に切り欠いた切込端1kを持つ、建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ハ.その建築用パネル1の嵌合溝1fに、他の建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ニ.上記を繰り返し、壁下地5aに充当する複数の建築用パネル1による、壁面5を施工し、
f.それから、施工された釘打材2aに、見切材2gを次のように差し込み施工し、
イ.施工された釘打材2aの長さに合わせた見切材2gを、
ロ.釘打材2aの嵌合溝2fに、見切材2gの差込辺2kを差し込み、
ハ.釘打材2aの鋸歯突起2eと、見切材2gの切起突起2lとを噛み合わせ、
g.そして、次のように被覆部材4を施工し、
イ.施工された見切材2gの見切辺2hどうしによる角に、被覆部材4の連係面4aを被せて、
ロ.窓脇の見切材2gの見切辺2hの先端と、施工された隅角部材3の引掛片3gとに、被覆部材4の一方の引掛端4bを引掛て、
ハ.その見切材2gの係止溝2jに、被覆部材4の一方の押止端4cを差し込み、
ニ.窓下の見切材2gの見切辺2hの先端に、被覆部材4の他方の引掛端4bを引掛て、
ホ.後者の見切材2gの係止溝2jに、被覆部材4の一方の押止端4cを差し込み施工する。
【実施例4】
【0033】
図3,図9,図15,図16,図17,図18,図19,及び図20は、この発明の実施例4を示すものである。
【0034】
A.図3に示す、実施例4においての建築用パネル1は、実施例1と同じものである。
【0035】
B.図20に示す、実施例4においての見切縁2は、次のような、見切材2gと釘打材2aとからなり、組み合わせて施工される。
a.実施例4の見切材2gは、実施例1と同じものであり、
b.実施例4の釘打材2aは、金属板7を成形して、
c.裏面側に開口する断面半円状で端部に対して傾斜する複数の突条2cを持ち、先端を表面側に折り返した、ほぼ平坦な釘打辺2bを形成し、
d.その釘打辺2bの他側端側に、次のような嵌合辺2dを形成し、
イ.表面側に開口するV字形に折り曲げた両端を表面側にくの字形に折り曲げて、更に、直角に折り曲げて、そして、鋭角的に裏面側に折り曲げ、次いで、鋭角的に裏面側に折り曲げて、相対する鋸歯突起2eを形成し、
ロ.その内側に開口部が狭まった嵌合溝2fを持つ、相対する嵌合辺2dを構成し、
ハ.その嵌合辺2dの一端はL字形に裏面側に曲がり、もう一端は表面側にL字形に折れ曲がって、前記の釘打辺に連なり、
e.釘打材2aはその突条2cの傾斜が、対称となる釘打材2aと組み合わせて、一対の釘打材2aを構成する。
f.そして、見切材2gの差込辺2kを、釘打材2aの嵌合溝2fに差し込み、見切材2gの見切辺2hと見切底2iと、釘打材2aの釘打辺2bとにより、裏面側に開口する樋状の見切樋2mを構成する。
【0036】
C.図15に示す、実施例4の隅角部材3は、実施例3と同じものである。
【0037】
D.図16に示す、実施例4の被覆部材4は、実施例3と同じものである。
【0038】
E.図9,図17,図18,及び図19に示す、実施例4の壁面5の施工は、
a.壁下地5aを構成する、右と左の柱5bと、それらの柱5bとの間に取り付けられた、上と下との窓まぐさ5cとの間に、半外付けの窓枠6を固定し、
b.その壁下地5aに、次のように前記の見切縁2の釘打材2aを横に施工し、
イ.前記の窓枠6の下枠を構成する、窓下枠6aの寸法に合わせて、切断した釘打材2aを、
ロ.前記の窓下枠6aの下方に嵌合辺2dを沿わせて設置し、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
c.次に、隅角部材3を次のように施工し、
イ.前記の窓枠6の左右の縦枠を構成する、窓縦枠6bの下端の隅角部において、
ロ.隅角部材3の導水片3eを、見切縁2の見切辺2hの推定延長上に被せて、
ハ.隅角部材3の固定片3aを釘打ち固定し、
d.それから、見切縁2の釘打材2aを次のように縦に施工し、
イ.釘打材2aの嵌合辺2dを、窓縦枠6bに沿わしたときに、突条2cの傾斜が下方に向かって窓縦枠6b側に接近するものを選択し、
ロ.前記の窓枠6の長さから、前記の隅角部材3の水受片3fの高さを引いた、長さにほぼ合わせて切断した釘打材2aを、
ハ.その釘打材2aの嵌合辺2dを、窓縦枠6bに沿わして、
ニ.その釘打材2aの一方の端部を、前記の隅角部材3の中に次のように合わせて、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
○隅角部材3の固定片3aと遮水片3bを、それぞれ、釘打材2aの釘打辺2bと嵌合辺2dとに対応させ、
e.上記のように施工された、窓廻りの壁下地5aに、建築用パネル1を次のように横張り施工し、
イ.この璧面5に下方向に続く、すでに施工された建築用パネル1の嵌合溝1fに、
ロ.窓枠6部の壁面5の形状に合わせて、L字形に切り欠いた切込端1kを持つ、建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ハ.その建築用パネル1の嵌合溝1fに、他の建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ニ.上記を繰り返し、壁下地5aに充当する複数の建築用パネル1による、壁面5を施工し、
f.それから、施工された釘打材2aに、見切材2gを次のように差し込み施工し、
イ.施工された釘打材2aの長さに合わせた見切材2gを、
ロ.釘打材2aの嵌合溝2fに、見切材2gの差込辺2kを差し込み、
ハ.釘打材2aの鋸歯突起2eと、見切材2gの切起突起2lとを噛み合わせ、
g.そして、次のように被覆部材4を施工し、
イ.施工された見切材2gの見切辺2hどうしによる角に、被覆部材4の連係面4aを被せて、
ロ.窓脇の見切材2gの見切辺2hの先端と、施工された隅角部材3の引掛片3gとに、被覆部材4の一方の引掛端4bを引掛て、
ハ.その見切材2gの係止溝2jに、被覆部材4の一方の押止端4cを差し込み、
ニ.窓下の見切材2gの見切辺2hの先端に、被覆部材4の他方の引掛端4bを引掛て、
ホ.後者の見切材2gの係止溝2jに、被覆部材4の一方の押止端4cを差し込み施工する。
【実施例5】
【0039】
図3,図9,図16,図21,図22,図23,図24,及び図25は、この発明の実施例5を示すものである。
【0040】
A.図3に示す、実施例5においての建築用パネル1は、実施例1とおなじものである。
【0041】
B.図24に示す、実施例5においての見切縁2は、金属板7を成形して、
a.平坦な一端を裏面側に折り返した見切辺2hを形成し、
b.その見切辺2hの他端を、裏面側にL字形に折り曲げて、次のような係止溝2jを持つ見切底2iを形成し、
イ.その係止溝2jは、前記の見切辺2h側の見切底2iを浅い皿状に裏面側に窪めた係止溝2jとし、
c.その見切底2iを、裏面側に開口する半円形に曲げ、それに続いて4分割円弧形に表面側に折り曲げて、
d.裏面側と表面側に交互に開口する、断面半円状の突条2cを端部に対して傾斜する複数の突条2cを持ち、
e.先端を、4分割円弧形に表面側に折り曲げて、続けて裏面側に開口する4分割円弧形と半円形に折り返した、釘打辺2bを形成し、
f.見切縁2はその突条2cの傾斜が、対称となる見切縁2と組み合わせて、一対の見切縁2を構成し、
g.それらの見切辺2hと見切底2iと釘打辺2bとにより、裏面側に開口する樋状の見切樋2mを構成する。
【0042】
C.図25に示す、実施例5の隅角部材3は、実施例3とほぼ同じ構成ものであり、前記の見切縁2の釘打辺2bの幅に合わせて、その固定片3aと水受片3fを広げてある。
【0043】
D.図16に示す、実施例4の被覆部材4は、実施例3と同じものである。
【0044】
E.図9,図21,図22,及び図23に示す、実施例5の壁面5の施工は、
a.壁下地5aを構成する、右と左の柱5bと、それらの柱5bとの間に取り付けられた、上と下との窓まぐさ5cとの間に、半外付けの窓枠6を固定し、
b.その壁下地5aに、次のように前記の見切縁2を横に施工し、
イ.前記の窓枠6の下枠を構成する、窓下枠6aの寸法に合わせて、切断した見切縁2を、
ロ.前記の窓下枠6aの下方に見切底2iを沿わせて設置し、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
c.次に、隅角部材3を次のように施工し、
イ.前記の窓枠6の左右の縦枠を構成する、窓縦枠6bの下端の隅角部において、
ロ.隅角部材3の導水片3eを、見切縁2の見切辺2hの推定延長上に被せて、
ハ.隅角部材3の固定片3aを釘打ち固定し、
d.それから、見切縁2を次のように縦に施工し、
イ.見切縁2の見切辺2hを、窓縦枠6bに沿わしたときに、突条2cの傾斜が下方に向かって窓縦枠6b側に接近するものを選択し、
ロ.前記の窓枠6の長さから、前記の隅角部材3の水受片3fの高さを引いた、長さにほぼ合わせて切断した見切縁2を、
ハ.その見切縁2の見切辺2hを、窓縦枠6bに沿わして、
ニ.その見切縁2の一方の端部を、前記の隅角部材3の中に次のように合わせて、その釘打辺2bを釘打ち固定し、
○隅角部材3の固定片3aと遮水片3bを、それぞれ、見切縁2の釘打辺2bと見切底2iとに対応させ、
e.上記のように施工された、窓廻りの壁下地5aに、建築用パネル1を次のように横張り施工し、
イ.この壁面5に下方向に続く、すでに施工された建築用パネル1の嵌合溝1fに、
ロ.窓枠6部の壁面5の形状に合わせて、L字形に切り欠いた切込端1kを持つ、建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ハ.その建築用パネル1の嵌合溝1fに、他の建築用パネル1の差込片1eを差し込み、その釘打片1gを釘打ち固定し、
ニ.上記を繰り返し、壁下地5aに充当する複数の建築用パネル1による、壁面5を施工し、
f.そして、次のように被覆部材4を施工し、
イ.施工された見切縁2の見切辺2hどうしによる角に、被覆部材4の連係面4aを被せて、
ロ.窓脇の見切縁2の見切辺2hの先端と、施工された隅角部材3の引掛片3gとに、被覆部材4の一方の引掛端4bを引掛て、
ハ.その見切縁2の係止溝2jに、被覆部材4の一方の押止端4cを差し込み、
ニ.窓下の見切縁2の見切辺2hの先端に、被覆部材4の他方の引掛端4bを引掛て、
ホ.後者の見切縁2の係止溝2jに、被覆部材4の一方の押止端4cを差し込み施工する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例1)
【図2】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例1)
【図3】 建築用パネルを示す一部省略斜視図(実施例1〜5)
【図4】 建築用パネルを示す一部省略斜視図(実施例1)
【図5】 見切縁を示す一部省略斜視図(実施例1、2)
【図6】 隅角部材を示す斜視図(実施例1)
【図7】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例2)
【図8】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例2)
【図9】 建築用パネルを示す一部省略斜視図(実施例2〜5)
【図10】 隅角部材を示す斜視図(実施例2)
【図11】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例3)
【図12】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例3)
【図13】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例3)
【図14】 見切縁を示す一部省略斜視図(実施例3)
【図15】 隅角部材を示す斜視図(実施例3、4)
【図16】 被覆部材を示す斜視図(実施例3〜5)
【図17】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例4)
【図18】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例4)
【図19】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例4)
【図20】 見切縁を示す一部省略斜視図(実施例4)
【図21】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例5)
【図22】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例5)
【図23】 壁面の施工状態を示す一部省略斜視図(実施例5)
【図24】 見切縁を示す一部省略斜視図(実施例5)
【図25】 隅角部材を示す斜視図(実施例5)
【符号の説明】
【0050】
1 建築用パネル
2 見切縁
3 隅角部材
4 被覆部材
5 壁面
6 窓枠
7 金属板
8 合成樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用パネルによる端部を覆う見切縁において、その見切縁を固定する釘打辺と、その釘打辺から立ち上がる見切底とをつたう雨水を、その見切縁の下方に取り付けられる、雨水を壁の外方に流す流水面により、排出する事を特徴とする隅角部材。
【請求項2】
請求項1の隅角部材が、見切縁の見切辺と隅角部材との隙間を覆う、被覆機能を持つ、請求項1記載の隅角部材。
【請求項3】
隅角部材に見切縁の釘打辺の雨水を、流水面に集める集水機能を持つ水受片を持つ、請求項1及び2記載の隅角部材。
【請求項4】
見切縁の釘打辺に集水機能を持つ傾斜した突条を持つ見切縁を組み合わせる、請求項1〜3の隅角部材。
【請求項5】
見切縁の見切辺と隅角部材との隙間を覆う、被覆機能を持つ被覆部材を組み合わせる、請求項1〜4の隅角部材。
【請求項6】
請求項5の被覆部材が前記の見切縁に引っ掛ける、引掛端を一部切り欠いて流出口を形成する被覆部材を使用する、請求項5記載の隅角部材。
【請求項7】
請求項1〜6の隅角部材を使用する壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−29052(P2006−29052A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236881(P2004−236881)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(391022647)株式会社チューオー (21)
【Fターム(参考)】