説明

障害監視制御システム

【課題】伝送経路の障害を検出する障害監視制御システムに関し、ユーザフレームの伝送帯域を消費することなく、障害発生を迅速に検出する。
【解決手段】伝送装置1,2は、伝送回線3−1〜3−n対応の送受信処理部4−1〜4−n,5−1〜5−nと、ユーザフレームの多重化及び多重分離を行う多重処理部6,7とを有し、自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段と、フレーム間ギャップに管理フレームを挿入して送信する送信手段と、対向局からのフレームを受信してユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入された管理フレームを抽出する抽出手段と、該手段により抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と該対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する判定手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冗長構成の伝送回線を有し、障害発生を迅速に検出して、健全な伝送回線によりデータ伝送を継続させる障害監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のイーサネット(登録商標)回線を、論理的な一つの回線としてデータ伝送する伝送システムに於いて、リンクアグリゲーション機能やポートトランキング/ロードシェアリング機能を適用し、且つ複数の物理リンクを集約して使用することにより、伝送帯域の拡大を図っている。又集約した物理リンクの中で障害が発生した場合、正常な物理リンクに振り分けることにより、全体としての伝送帯域は小さくなるが、データ伝送を継続することができる。又前述のリンクアグリゲーション機能は、伝送装置間で、相互に状態通知と、これを正常受信したことを示す応答通知との送受信を行うことにより、伝送回線対応の正常性確認を行うものである。又ポートトランキング/ロードシェアリング機能は、伝送装置に於いて、対向装置からの受信の状態を監視し、正常受信の場合に、伝送回線の正常性確認を行うものである。
【0003】
又回線多重化部間を複数の伝送回線により接続し、各伝送回線に情報中継装置を接続し、この情報中継装置に於いて、多重化されたLAN回線対応の障害及び復旧を、ICMP(Internet Control Message Protocol),ARP(Addres Resolution Protocol)、LACP(Link Aggregation Control Protocol)等の制御メッセージを用いて検出し、LAN回線の障害検出により、そのLAN回線と共に多重化された情報中継装置の回線を遮断し、障害LAN回線が復旧すると、情報中継装置の回線を復旧させる手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
又二重リング伝送回線により複数のノード間を接続して、ワーキングチャネルとプロテクションチャネルとを用いてワーキングトラフィック伝送を行い、障害発生時には、レイヤ1プロテクション処理により、障害発生個所を回避してワーキングトラフィック伝送を行う手段が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
又一方の伝送装置から伝送回線を介して擬似エラーコードを送信し、他方の伝送装置に於いて所定のエラーカウント期間内のエラーコードの個数をカウントし、このエラーコード検出個数を含むエラー結果通知フレームを、主信号のフレーム間ギャップに挿入して一方の伝送装置に送信し、この一方の伝送装置に於いて、送信した擬似エラーコードによるエラーコードの個数と、受信したエラーカウント結果通知フレームによるエラーコードの個数との照合比較により、伝送回線の正常性の確認を行う手段が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−26909号公報
【特許文献2】特開2002−359628号公報
【特許文献3】特開2004−120504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の物理リンクを集約して一つの論理リンクとしてデータ伝送するシステムは、例えば、図5に示すように、伝送装置51,52は、それぞれ複数の送受信処理部54−1〜54−n,55−1〜55−nを備え、各送受信処理部54−1〜54−n,55−1〜55−n間を伝送回線53−1〜53−nにより接続し、一方の伝送装置51から他方の伝送装置52に定期的に状態通知を送信し、又この状態通知を正常受信することにより、応答通知を送信する。従って、一方の伝送装置51に於いては、他方の伝送装置52からの状態通知を受信して、他方の伝送装置52からの受信経路の正常性を確認し、又他方の伝送装置52からの応答通知を受信して、他方の伝送装置52に対する送信経路の正常性を確認することができる。
【0007】
又伝送回線53−2に×印で示すように、送受信の両方の回線に障害が発生すると、伝送装置51,52の送受信処理部54−2,55−2は、それぞれ状態通知を行っても、相手側からの応答通知を受信できないので、状態通知に対する応答通知の受信監視のタイムアウト発生により、伝送装置51,52の送受信処理部54−2,55−2は、伝送回線53−2に障害が発生したことを検出することができる。又伝送回線53−nの中の伝送装置52から伝送装置51に対する回線にのみ×印で示す障害の発生時は、伝送装置51の送受信処理部54−nからの状態通知を伝送装置52の送受信処理部55−nは受信できることにより、応答通知を送信する。しかし、伝送装置51の送受信処理部54−nに於いては、伝送装置52の送受信処理部55−nからの状態通知を受信できないから、状態通知を送信しないと共に、状態通知受信検出のタイムアウト発生により障害発生を検出することができる。又伝送装置52の送受信処理部55−nは、応答通知の受信監視タイムアウト発生によって、障害発生を検出することができる。
【0008】
しかし、定期的な状態通知の送受信と、状態通知受信に対する応答通知の送受信とについて、それぞれ時間監視を行い、タイムアウト発生により障害発生と判定し、障害発生個所を回避してデータ伝送を継続できるように、多重部(図示せず)に於ける伝送データの分配切替えを行うことになるが、タイムアウト発生まで障害発生を検出できないので、障害発生時の切替え迄の時間が長くなることにより、フレーム損失が発生する問題がある。又定期的な状態通知と、それに対する応答通知とは、データを伝送するユーザフレームと同様なフレーム構成で送受信するものであり、その為の帯域を恒常的に消費する問題がある。
【0009】
又ポートトランキング/ロードシェアリング適用時は、例えば、図6(図5と同一符号は同一名称部分を示す)に示すように、伝送装置51,52の送受信処理部54−1,55−1に於いて受信状態を監視し、正常受信の場合は、伝送回線53−1の経路は正常と判断する。この場合、リンクシェアリングの場合のように、状態通知や応答通知のフレームを送受信しないので、ユーザフレームの伝送帯域を余分に消費しないものである。又伝送回線53−2の×印で示すように、送受信処理部54−2の受信経路に障害が発生した場合は、一方の伝送装置51の送受信処理部54−2に於いては正常受信ができないので、伝送回線53−2を含む受信経路の障害発生を検出することができる。しかし、他方の伝送装置52の送受信処理部55−2に於いては、正常受信が可能であるから、障害発生を検出できない問題がある。従って、伝送装置51側では回線切替処理を行っても、伝送装置52側では回線切替処理を行わないので、正常なデータ伝送ができなくなる。なお、伝送回線53−nの×印で示すように、データ伝送の両方向に障害が発生した場合は、伝送装置51,52の送受信処理部54−n,55−nに於いてそれぞれ正常受信ができなくなったことにより、障害発生を検出して、両方の伝送装置51,52に於いて回線切替処理を行うことができる。
【0010】
本発明は、前述の従来例の問題点を解決するものであり、ユーザフレームの伝送帯域を消費することなく、且つ障害発生を迅速に検出可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の障害監視制御システムは、伝送装置間を複数の伝送回線により接続して、各伝送回線を含む送受信経路の障害を検出する障害監視制御システムに於いて、前記伝送装置は、自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段と、ユーザフレームのフレーム間ギャップに前記管理フレームを挿入して対向局へ送信する手段と、該対向局からのフレームを受信してユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入された前記管理フレームを抽出する手段と、該手段により抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と該対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する手段とを備えている。
【0012】
又前記伝送装置の前記管理フレームを前記ユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入して対向局へ送信する手段は、予め設定した所定期間毎の管理フレーム挿入タイミングが、前記ユーザフレームの送信中の時に、該ユーザフレームの送信終了後まで待ち合わせて、前記ユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入する手段を含むものである。
【0013】
又前記伝送装置は、ユーザフレームを前記複数の伝送回線に振り分ける多重分離部と、前記複数の伝送回線を介して受信した前記ユーザフレームを多重化する多重化部と、前記複数の伝送回線対応の送受信処理部と、制御処理部とを有し、該制御処理部は、自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段と、受信抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と該対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する手段と、該手段により障害発生を判定した時に健全な伝送経路を選択して送受信するように前記多重化部及び前記多重分離部を制御する手段とを含み、前記送受信処理部は、前記生成手段により生成した管理フレームをユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入する手段及び受信したユーザフレームのフレーム間ギャップの管理フレームを抽出して前記制御処理部に転送する手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0014】
対向局の状態情報と、自局から送信に対する受信状態情報とを管理フレームにより受信検出できるから、対向局が正常であるか否か、又自局の送信状態が正常であるか否かを、受信した管理フレームにより識別することができるから、障害発生を迅速に検出することが可能となる。又管理フレームをユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入して送信するから、ユーザフレームの伝送帯域を消費しない利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の障害検出制御システムは、図1を参照して説明すると、伝送装置1,2間を複数の伝送回線3−1〜3−nにより接続して、各伝送回線3−1〜3−nを含む送受信経路の障害を検出する障害監視制御システムであって、伝送装置1,2は、伝送回線3−1〜3−n対応の送受信処理部4−1〜4−n,5−1〜5−nと、ユーザフレームの多重化及び多重分離を行う多重処理部6,7とを有し、自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段と、ユーザフレームのフレーム間ギャップに前記管理フレームを挿入して対向局へ送信する手段と、該対向局からのフレームを受信してユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入された前記管理フレームを抽出する手段と、該手段により抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と該対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する手段とを備えている。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1の要部説明図であり、1,2は伝送装置、3−1〜3−nは伝送回線、4−1〜4−n,5−1〜5−nは送受信処理部、6,7は多重処理部を示し、伝送装置1,2は、それぞれ自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段と、ユーザフレームのフレーム間ギャップに前記管理フレームを挿入して対向局へ送信する手段と、対向局からのフレームを受信してユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入された前記管理フレームを抽出する手段と、この手段により抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と、この対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する手段とを備えている。これらの手段は、送受信処理部又は図示を省略している制御処理部に設けることができる。
【0017】
又送受信処理部4−1〜4−n,5−1〜5−nは、それぞれ対向局からの受信状態と自局の状態とを示す情報を含む管理フレームMFを、ユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入して対向局に送信し、又対向局からの管理フレームMFを抽出する機能を備えている。又多重処理部6,7は、ユーザフレームを、健全な伝送回線3−1〜3−nを含む伝送経路に対して振り分けるように多重分離し、送受信処理部4−1〜4−n,5−1〜5−nに分配して送信し、又送受信処理部4−1〜4−n,5−1〜5−nにより受信したユーザフレームの多重化処理を行うものである。ユーザフレームのフレーム間ギャップは、例えば、イーサネット(登録商標)フレーム伝送に於いては、最低96ビット長に規定されている。従って、このフレーム間ギャップより短い長さの管理フレームを生成して、フレーム間ギャップに挿入して送信する。
【0018】
図2は、伝送フレームの説明図であり、(a),(b)は送信側、(c),(d)は受信側のフレームを示し、送信側は、(a)に示すように、ユーザフレームUFは、フレーム間ギャップFGを形成して順次伝送するものであり、又IDLはユーザフレームUFの伝送が行われない休止期間を示す。又所定期間毎の管理フレームMFの送信タイミングを設定した場合に於いて、管理フレームMFの送信タイミングが、(b)に示すように、ユーザフレームUFの送信中の場合、そのユーザフレームUFの送信完了後のフレーム間ギャップFGのタイミングまで待って、そのフレーム間ギャップFGに挿入して送信する。又フレーム伝送休止期間IDLに於いては、管理フレームMFの送信タイミングに於いて直ちに管理フレームMFを挿入して伝送する。
【0019】
受信側に於いては、図2の(c)に示すように、ユーザフレームUFと管理フレームMFとを受信し、管理フレームMFを抽出して対向局に於ける受信状態及び回線状態との情報により、障害発生か否かを判定する。障害発生を示す場合は、その回線対応のユーザフレームを健全な回線を経由して伝送するように、多重処理部6,7(図1参照)を制御する。従って、管理フレームMFにより、対向局に於ける自局のユーザフレームの正常受信か否かを示す受信状態と、対向局に於けるフレーム伝送を行っている経路の状態を示す情報を受信検出し、ユーザフレームUFの伝送に使用している伝送経路の正常性を確認することができ、障害発生を示す場合は、多重処理部6,7(図1参照)を制御して、健全な伝送経路に切替えることができる。従って、ユーザフレームUFの伝送帯域を消費することなく、且つ障害発生を迅速に検出することが可能となる。
【0020】
図3は、本発明の実施例1の説明図であり、図1と同一符号は同一部分を示し、6−1,7−1は多重分離部(DMUX)、6−2,7−2は多重化部(MUX)、10,11は制御処理部、12は管理情報収集部、13は管理フレーム生成部、14は回線状態収集部、15−1〜15−n,16−1〜16−nは管理フレーム挿入抽出部、17−1〜17−n,18−1〜18−nはインタフェース部を示す。なお、管理フレーム生成部13は、前述の自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段に対応し、管理フレーム挿入抽出部15−1〜15−n,16−1〜16−nは、前述のユーザフレームのフレーム間ギャップに管理フレームを挿入して対向局へ送信する手段と、対向局からのフレームを受信してユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入された管理フレームを抽出する手段とに対応する。又制御処理部10,11は、抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と、対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する手段に対応する。
【0021】
又多重分離部6−1,7−1と多重化部6−2,7−2は、図1に於ける多重処理部6,7の構成に相当し、多重分離部6−1,7−1は、制御処理部10,11からの制御により、健全な伝送経路に対してユーザフレームを分配し、多重化部6−2,7−2は、健全な伝送経路により受信したユーザフレームの多重化処理を行うものである。又管理フレーム挿入抽出部15−1〜15−n,16−1〜16−nと、インタフェース部17−1〜17−n,18−1〜18−nとを含む構成が、図1に於ける送受信処理部4−1〜4−n,5−1〜5−nの処理機能に相当する。又伝送装置2の制御処理部11は、伝送装置1の制御処理部10と同様に、管理情報収集部と管理フレーム生成部と回線情報収集部とを含む構成を有するものである。
【0022】
制御処理部10,11の回線状態収集部14は、インタフェース部17−1〜17−n,18−1〜18−nによる対向局からのユーザフレームの受信状態を含む回線警報情報を収集し、又伝送装置内の各部の警報情報を収集して、管理フレーム生成部13に通知する。管理フレーム生成部13は、受信状態の情報と自局の各部の状態の情報とを含む管理フレームを生成して、管理フレーム挿入抽出部15−1〜15−n,16−1〜16−nに転送し、この管理フレーム挿入抽出部15−1〜15−n,16−1〜16−nに於いてユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入する。又受信した管理フレームを抽出して管理情報収集部12に転送する。
【0023】
管理情報収集部12は、収集した管理フレームにより、対向局の伝送装置2に於ける自局の伝送装置1からの受信状態を含めた送受信状態が正常であるか否かを識別することができる。自局の伝送装置1と対向局の伝送装置2との間の送受信経路に障害が発生した場合、多重分離部6−1,7−1と多重化部6−2,7−2とを制御し、健全な伝送経路のみを使用するように、ユーザフレームを振り分けて送信し、又正常な受信経路のユーザフレームのみを多重化する。
【0024】
図4は、管理フレーム挿入抽出部の要部の機能を示し、(A)は管理フレーム挿入処理手段、(B)は管理フレーム抽出処理手段を示す。図4の(A)に示す管理フレーム挿入処理手段は、フレーム受信部31と、フレーム送信部32と、管理フレーム生成部33と、管理フレーム挿入部34とを有し、対向伝送装置からの受信状態の情報と、自局状態の情報とを管理フレーム生成部33に入力し、生成した管理フレームを管理フレーム挿入部34に転送し、且つ挿入指示を管理フレーム挿入部34に転送する。又フレーム受信部31は、送信するユーザフレームが入力されている場合、そのフレーム間ギャップを検出して、管理フレーム挿入部34に、挿入タイミング信号として転送する。例えば、1ユーザフレームの終端を検出することにより、前述のように、最低96ビットのフレーム間ギャップの期間開始を示すから、これを挿入タイミング信号として転送する。管理フレーム挿入部34は、挿入タイミング信号と、管理フレーム生成部33からの管理フレームと、管理フレームの挿入指示とにより、ユーザフレームのフレーム間ギャップに管理フレームを挿入し、フレーム送信部32から、例えば、図3に於けるインタフェース部と伝送回線とを介して対向伝送装置に向けて送信する。
【0025】
又図4の(B)の管理フレーム抽出手段は、フレーム受信部41と、フレーム送信部42と、アイドルコード発生部43と、除去及び挿入部44と、管理フレーム検出部45と、管理フレーム処理部46とを有し、アイドルコード生成部43は、フレーム間ギャップ及びフレーム送信休止期間に挿入して他方の伝送装置に送信する為のアイドルコードを発生して、除去及び挿入部44に入力する。フレーム受信部41は、対向伝送装置からのフレームを受信し、除去及び挿入部44と、管理フレーム検出部45とに転送する。管理フレーム検出部45は、ユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入されている管理フレームを検出し、その管理フレームを管理フレーム処理部46に転送し、且つその検出のタイミング信号を除去及び挿入部44に転送する。
【0026】
除去及び挿入部44は、管理フレーム検出部45からの管理フレーム検出のタイミング信号を基に、ユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入された管理フレームを除去し、その期間にアイドルコードを挿入し、フレーム送信部42に転送する。フレーム送信部42は、図3に於ける多重化部6−2に転送する。又管理フレーム処理部46は、管理フレームの中の対向伝送装置の状態情報及び受信状態の情報を、管理フレーム情報として、図3に於ける管理情報収集部12に転送する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例1の要部説明図である。
【図2】本発明の実施例1の伝送フレームの説明図である。
【図3】本発明の実施例1の説明図である。
【図4】本発明の実施例1の管理フレーム挿入抽出部の説明図である。
【図5】従来例の説明図である。
【図6】従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1、2 伝送装置
3−1〜3−n 伝送回線
4−1〜4−n,5−1〜5−n 送受信処理部
6,7 多重処理部
MF 管理フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送装置間を複数の伝送回線により接続して、各伝送回線を含む送受信経路の障害を検出する障害監視制御システムに於いて、
前記伝送装置は、自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段と、ユーザフレームのフレーム間ギャップに前記管理フレームを挿入して対向局へ送信する手段と、該対向局からのフレームを受信してユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入された前記管理フレームを抽出する手段と、該手段により抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と該対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する手段とを備えた
ことを特徴とする障害監視制御システム。
【請求項2】
前記伝送装置の前記管理フレームを前記ユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入して対向局へ送信する手段は、予め設定した所定期間毎の管理フレーム挿入タイミングが、前記ユーザフレームの送信中の時に、該ユーザフレームの送信終了後まで待ち合わせて、前記ユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の障害監視制御システム。
【請求項3】
前記伝送装置は、ユーザフレームを前記複数の伝送回線に振り分ける多重分離部と、前記複数の伝送回線を介して受信した前記ユーザフレームを多重化する多重化部と、前記複数の伝送回線対応の送受信処理部と、制御処理部とを有し、該制御処理部は、自局の状態情報と対向局からのフレームの受信状態情報とを含む管理フレームの生成手段と、受信抽出した管理フレームにより対向局の状態情報と該対向局に於ける自局からの送信フレームの受信状態情報とを基に障害発生の有無を判定する手段と、該手段により障害発生を判定した時に健全な伝送経路を選択して送受信するように前記多重化部及び前記多重分離部を制御する手段とを含み、前記送受信処理部は、前記生成手段により生成した管理フレームをユーザフレームのフレーム間ギャップに挿入する手段及び受信したユーザフレームのフレーム間ギャップの管理フレームを抽出して前記制御処理部に転送する手段とを有することを特徴とする請求項1記載の障害監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−189476(P2007−189476A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5529(P2006−5529)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000237662)富士通アクセス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】