説明

集光光学系

本発明の極紫外線応用例またはX線応用例に好適な集光光学系においては、放射光は放射線光源(例えば、レーザープラズマまたはレーザープラズマ光源)を出て集光されてから画像合焦点に方向転換され、光学系は1枚以上の鏡を備えており、1枚の鏡または複数の鏡は各々が、放射線光源を通って延びる光軸を中心として対称性を示しているとともに、少なくとも第1反射面および第2反射面を有しており、第1反射面および第2反射面は合焦点が共通しており、使用にあたり、放射線光源からの放射光は第1反射面および第2反射面に入射する際に連続して、すれすれの入射を受け、第1反射面および第2反射面の共通合焦点は光軸に関して所定の距離 Δr だけ横断方向に片寄せされる。極紫外線製版システムも開示されており、前記システムは、レーザープラズマ(LLP)光源などのような放射線光源、集光光学系、光コンデンサ、および、反射マスクを備えている。極紫外線画像処理またはX線画像処理に好適であり、更にまた、極紫外線画像処理システムまたはX線画像処理システムにも好適な画像処理光学系も開示されており、かかる光学系は、画像処理光学系と、電荷結合素子配列などのような画像処理装置であって、画像合焦点に配置されるものとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多重反射光学系に関するものであり、特に、写真製版や画像処理などに適用するための集光光学系、および、そのような集光光学系の製造に関連している。
【背景技術】
【0002】
X線応用例に好適な周知の光学設計としてウォルターI型望遠鏡がある。ウォルターI型望遠鏡の光学構造は、すれすれの入射角で作用する、複数の入れ子配置の2重反射鏡から構成されている。
【0003】
近年では、ウォルターI型設計の改良型が他の応用例について既に提案されているが、これは、放物面の代用として楕円面を採用し、極紫外線(EUV)マイクロ製版術において光源として利用されている小型の高温プラズマから放射される13.5 ナノメートルの放射線を集光するのに適用できるとされており、目下、半導体産業の次世代製版装置に有望な技術であると考えられている。この分野における性能要件として、光が照射されて画像形成領域となるシリコンウエーハの端から端までほぼ一定の放射エネルギー密度またはエネルギー束を供与することが必要となる。超紫外線製版用の光源の高温プラズマを生成する手段として、放電(放電プラズマ光源、すなわち、DPP源)、または、リチウム、キセノン、または、スズを含んでいる標的へのレーザービーム照射(レーザープラズマ光源、すなわち、LPP源)が採用されるが、後者の手段が最も期待できるのは明らかである。光源からの放射は凡そ等方性であり、現在の放電プラズマ光源については、放射は放電電極によって光軸線から約60度以上の角度に制限されている。極紫外線製版システムは、例えば、米国特許出願公開第2004/0265712A1号(特許文献1)、米国特許出願公開第2005/0016679A1号(特許文献2)、および、米国特許出願公開第2005/0155624A1号(特許文献3)に開示されている。
【0004】
極紫外線による写真製版システムの簡単なブロック図が図1に例示されている(先行技術)。紫外線源102は通常は高温プラズマであり、紫外線放射は集光装置104により集光され、照射装置106に伝播される。後者の照射装置は、ウエーハ110に転写するべきパターンを含んでいるマスクまたはレチクルを照射する。マスクまたはレチクルの画像は、投射光学系ボックス112によってウエーは110に投影される。
【0005】
現在のところ、集光装置104の最も将来有望な光学設計は、図2に例示されているような(先行技術の)入れ子配置のウォルターI型構造に基づいている。複数の鏡200は各々が2つの鏡領域(2つの鏡面)202、204からなる1枚の薄い曲面板であり、第1鏡面202は、光源102により近い位置にあって、双曲面であるが、第2鏡面204は楕円面であり、これら鏡面は両方ともが回転対称を示し、同一合焦点を共有する。
【0006】
光源102は、共通合焦点とは異なる、双曲面の合焦点に設置されている。光源102からの光は双曲面領域202によって集光されてから反射されて楕円面領域204に入射した後に、共通合焦点とは異なる楕円面の合焦点に収束されるが、この合焦点は中間合焦点(IF)206として公知である。
【0007】
光学的見地によると、集光装置102の性能を主として特徴づけるものは、集光効率と遠電磁界強度分布である。集光効率とは、中間合焦点206における光強度の、光源102から半球面に放射される出力に対する割合である。集光効率は集光装置104の幾何学的形状に関連しているとともに、複数の鏡200の各々の反射率および光源102の空間分布および角度分布に関連しているうえに、更に、照射装置の光学的仕様にも関連している。遠電磁界強度分布は、中間合焦点206を超えた先の様々な距離における光強度の2次元空間分布のことであり、この距離は照射装置の設計で決まるが、通常は、光源102から中間合焦点206までの距離と概ね同じ大きさである。
【0008】
集光装置104は、通常、高温プラズマ光源102と連携させて使用される。従って、集光装置104に加えられる紫外線放射による熱負荷は非常に高く、適切な冷却システムが必要となる。冷却システムは各鏡200の背面の影領域に設置されるが、このような影領域は楕円面領域204と双曲面領域202の両方(図2の先行技術表示を参照のこと)の後部に位置する。
【0009】
図3を参照すると、ウォルターI型鏡の設計では、双曲面領域202および楕円面領域204の焦点(304)は共通しており、この共通合焦点は光軸302上に存在する(すなわち、光源合焦点102と中間合焦点206を通る線上にある)。このような条件は鏡200、鏡200'の設計に制約を与え、結果的に、設計者は1個の鏡につき1度の自由(光軸302上の共通合焦点304の位置に対応する、1個の現実のパラメータ)しか有さないようになる。結果として得られる設計自由の総度数は、集光装置104全体についてのシステム仕様により更に減少するが、例えば、複数の要件を設けることにより総自由度は低くなる。これら要件と境界条件を全部満たすために、集光装置の設計は光学性能に関しては十分には最適化されない恐れもある。
【0010】
例えば、図4(先行技術)および表A1は、ウォルターI型集光装置104の光学レイアウトおよび処方を例示しているが、以下のような仕様に適するように設計されている。
− 光源102から中間合焦点206までの間の距離 1500ミリメートル
− 中間合焦点206における最大開口数 0.139 (8°)
− 光源102から光学系(104)までの最短距離 110 ミリメートル
− 鏡の厚さ 2 ミリメートル
− 入れ子配置の複数の鏡200、200'の個数 7
【0011】
【表1】

【0012】
図4(先行技術)の設計は、光源102からの光を最大55.5度までの角度で集光する。図4(先行技術)に例示されている集光装置104の集光効率は1点の光源ごとに算出され、ルテニウム被膜は、その理論上の反射率が2πステラジアン放射に関しては27.7%であると仮定している。本件で本発明による複数の集光装置設計について比較性能データが提示されている場合、図4の設計に相対的なデータとなっている。
【0013】
図5(先行技術)は、図4のウォルターI型集光装置について、双曲面領域202および楕円面領域204の両方への入射光のすれすれの入射角を放射角の関数として例示している。双曲面領域202へのすれすれの入射角は楕円面領域204へのすれすれの入射角よりも常に大きくなることが分かる。このような差が生じる結果として集光装置104の効率が低下するが、それは、光伝達率が最大になるのはこれら2つの角度が等しくなった時だからである。
【0014】
極紫外線源に集光装置104を設ける目的は、プラズマから放射される可能な限り最大量の同帯域出力を次の光学段階、すなわち、写真製版装置100の照射装置106(図1を参照のこと)に伝達することであり、集光装置の集光効率については既に上段で定義したとおりである。光源側の所与の最大集光角度に対して、集光装置の集光効率を決定するのは、主として、集光角度と鏡の光学表面を覆う皮膜の反射率である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0265712A1号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0016679A1号
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0155624A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
公知のシステムについての問題点は、集光装置の集光効率が最大限に可能な程度よりも相当に劣ることであり、その原因は、皮膜の反射率が最大限に効率的な態様で活用されていないせいであり、集光効率の向上が大いに望まれる。
【0017】
もう1つの問題点は、利用できる集光効率では、極度に強力な光源を開発する必要があるうえに、集光装置の光学的品質と安定性を高める必要があることである。
更にもう1つの問題点は、鏡の各々の設計の自由度数が制限されていることである。
【0018】
更に別な問題点は、極度に強力な光源に露光されるせいで、集光装置の寿命が比較的短くなる恐れがあることである。
【0019】
本発明は、上述の問題点およびそれ以外の問題点に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一つの観点に従って、極紫外線製版に好適な集光光学系が提示されるが、かかる光学系においては放射光は放射線光源を出て集光されてから画像合焦点に方向転換され、光学系は1枚以上の鏡を備えており、1枚の鏡または複数の鏡は各々が、放射線光源を通って延びている光軸を中心として対称性を示しているとともに、少なくとも第1反射面および第2反射面を有しており、第1反射面および第2反射面は合焦点が共通しており、使用にあたり、放射線光源からの放射光は第1反射面および第2反射面に入射する際に連続して、すれすれの入射を受け、両反射面の共通合焦点は光軸に関して所定の距離 Δr だけ横断方向に片寄せされる。
【0021】
この文脈では、「所定の距離 Δr だけ横断方向に片寄せされ」は、共通合焦点が光軸上の最も近い点から所定の距離 Δr だけ離隔されていることを意味している。所定の距離 Δr は、光軸と画像合焦点および共通合焦点を通る直線との間に或る角度をなすように設定される。当業者には明瞭であるが、この角度は、集光装置の集光効率を向上させて最適化するのに十分であれば、どのような好適な値であってもよい。例えば、この角度は約0.01ミリラジアンから1000ミリラジアンの範囲であるとよい。この角度は約0.1ミリラジアンから約100ミリラジアンの範囲に入るのが好ましい。この角度は約1ミリラジアンから約100ミリラジアンの範囲であるのがより好ましい。この角度は約10ミリラジアンから約45ミリラジアンの範囲であるのが更に好ましい。
【0022】
1枚の鏡または複数の鏡は各々が電鋳モノリシック構成部材として形成されるのが好ましく、第1反射面は1枚の鏡の2つの連続する領域のうちの一方に設けられており、第2反射面はその同じ鏡の連続領域の他方に設けられている。
【0023】
第1反射面は、光源に最も近い位置にあって、双曲面形状を呈しているのが好ましい。
【0024】
第2反射面は、光源から最も遠い位置にあって、楕円領域の対称軸線ではない軸線を中心として楕円領域の側面形状を回転させることにより得られる。
【0025】
複数の鏡が入れ子配置にして設けられているのが好ましい。或る実施例では、2枚以上の鏡は各々が異なる幾何学的形状を呈している。
【0026】
一実施例では、鏡は、以下に明示される表B1および表B2において指定されているように設けられている。
【0027】
また別な実施例では、鏡は、以下に明示される表C1および表C2において指定されているように設けられている。
【0028】
1枚以上の鏡には1個以上の鏡の熱管理用装置が取付けられているのが好ましく、例えば、鏡の背面側に取付けられ、1個以上の熱管理用装置としては、冷却線、ペルチエ熱電池、および、温度センサーなどが含まれているのが好ましい。
【0029】
1枚以上の鏡には光源から出る埃を緩和する1個以上の装置が取付けられているのが好ましく、例えば、鏡の背面側に取付けられ、1個以上の埃を緩和する装置としては、腐食検出装置、ソレノイド、および、高周波源などが含まれているのが好ましい。
【0030】
本発明のまた別な局面に従って、添付の特許請求の範囲の各請求項に記載されている前述の特徴に一致するいずれかの光学系を備えている、極紫外線製版に好適な集光光学系が提示される。
【0031】
本発明の更に別な観点に従って、レーザープラズマ(LPP)光源などのような放射線光源、前段の集光光学系、光コンデンサ、および、反射マスクなどを備えている極紫外線製版システムが提示される。
【0032】
本発明の更にもう1つの局面に従って、添付の特許請求の範囲の請求項1から請求項12のいずれかに記載されている前述の特徴に一致する光学系を備えている、極紫外線画像処理またはX線画像処理に好適な画像処理光学系が提示される。
【0033】
本発明のまた別な局面に従って、前段の画像処理光学系、および、例えば電荷結合素子(CCD)などのような画像処理装置を備えており、画像処理装置は画像合焦点に配置されることを特徴とする、極紫外線画像処理システムまたはX線画像処理システムが提示される。
【発明の効果】
【0034】
本発明の利点は、集光効率が向上され、または、最大限にされることである。
【0035】
本発明のもう1つの利点は、極度に強力な光源を開発する労苦を減らし、集光装置出力の光学的品質と安定性を向上させ、集光装置の寿命を長くすることにある。
【0036】
本発明のまた別な利点は、より高い光学性能を達成するための鏡の各々の設計の自由度数が上がることである。本発明の2領域式の鏡は各々が設計の自由が1度ではなく2度であり、すなわち、光軸上への共通合焦点の投射位置が自由であるとともに、共通合焦点を光軸から片寄せしてもよい自由がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】公知の極紫外線製版システムの先行技術の一実施例を示した図である。
【図2】図1の先行技術の極紫外線製版システムの集光光学系についての光線図である。
【図3】極紫外線プラズマ光源に好適な公知のウォルターI型の入れ子配置の集光装置(基準設計)の部分的な光学レイアウトを詳細に描いた図である。
【図4】図3の先行技術の光線図である。
【図5】図4の先行技術の集光装置について、双曲面領域と楕円面領域の両方への入射光のすれすれの入射角度を放射角の関数として例示した図である。
【図6】本発明による入れ子配置の集光装置の部分的な光学レイアウトを例示した図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による集光装置の光線図である。
【図8】図7の集光装置について、双曲面領域と楕円面領域の両方への入射光のすれすれの入射角を放射角の関数として例示した図である。
【図9】本発明の第2の実施例による集光装置の光線図である。
【図10】図9の集光装置について、双曲面領域と楕円面領域の両方への入射光のすれすれの入射角を放射角の関数として例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここで、添付の図面を参照しながら本発明の実施例を具体例として詳細に説明してゆく。
【0039】
詳細な説明と添付の図面において、同一構成部材を示すのに同一参照番号が使用されている。どの個々の設計特徴や構成部材も、それら以外に本件で開示されている設計特徴や構成部材のいずれとでも組合わせて利用することができるが、但し、特に組合わせられないと示されている場合はこの限りではない。
【0040】
本件の光学構成部材または光学系を例示するにあたり、光軸に関する円筒部は対称であるものと想定されているが、但し、特に対称ではないと示されている場合はこの限りではなく、また、「画像合焦点」についての言及は、画像合焦点または中間合焦点について述べたものである。
【0041】
本発明による集光装置104の設計および構成は、図1から図5に関連して既にすでに明示されているが、例外的に、以下にも記載されている。
【0042】
図6は、本発明による入れ子配置の集光装置の部分的光学レイアウトを例示しており、そのような光学レイアウトに基づく構想の中で、本発明のあらましが描かれている。共通合焦点304(すなわち、図6に例示されている双曲面断面領域202および楕円面断面領域204に共通する焦点)は、光軸302に関して距離 Δr だけ片寄せされている。鏡200および鏡200'の全体は、図6の断面を360度回転させることにより得られる。このようなプロセスで、共通合焦点304は光軸302を中心として半径 Δr の円を描く。図6の断面を回転させることにより得られる回転面は双曲面領域も楕円領域も含んでおらず、たとえ開始時に使用された断面に両領域、または、いずれか一方が含まれていたとしても、回転面には両領域とも含まれない。鏡200および鏡200'は各々を製造するのに適切な形状の芯材を採用した電鋳技術を利用するのが好適であるが、当業者には周知のとおりである。
【0043】
図7は、本発明の第1実施例による集光装置104の光線図である。入れ子配置の集光装置104は7枚の鏡を含んでいる。この設計は上述のものと同じ仕様に基づいている。これに対応する設計処方が表B1および表B2に提示されている。
【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
図7の設計は、光源102からの光を最大59.9度までの角度で集光する。図7に例示されている集光装置104の集光効率は1点の光源ごとに算出され、ルテニウム被膜はその理論上の反射率が2πステラジアン放射に関しては30.2%であると仮定しており、すなわち、図4の基準ウォルターI型集光装置の集光効率よりも9%高いことを想定している。
【0047】
図8は、図7のウォルターI型集光装置について、双曲面領域および楕円面領域の両方への入射光のすれすれの入射角を放射角の関数として例示している。双曲面領域202へのすれすれの入射角および楕円面領域204へのすれすれの入射角の座標位置は互いに依然として遠く離れていることが分かる。従って、基準ウォルターI型の設計(図4)に関する集光効率の向上に主として寄与している原因は、光源102からの光の集光角度が大きくなったことである。
【0048】
図9は、本発明の第2の実施例による、7枚の鏡を含んでいる集光装置104の光線図である。この設計は上述のものと同じ仕様に基づいている。これに対応する設計処方が表C1およびC2に提示されている。図9の実施例においては、中間合焦点側(図の左側)の鏡のそれぞれの端部は光軸302に沿いの同じ位置に整列してはいない。これにより、設計に更に自由度が加わり、光学性能を更に向上させることができる。
【0049】
【表4】

【0050】
【表5】

【0051】
図9の設計は、光源102からの光を最大61.8度までの角度で集光する。図9に例示されている集光装置104の集光効率は1点の光源ごとに算出され、ルテニウム皮膜はその理論上の反射率が2πステラジアン放射に関しては32.2%であると仮定しており、すなわち、図4の基準ウォルターI型集光装置の集光効率よりも16.2%高いことを、また、図7および図8の第1の実施例の集光効率よりも6.6%高いことを想定している。
【0052】
図10は、図9の集光装置について、双曲面領域202および楕円面領域204の両方への入射光のすれすれの入射角を放射角の関数として例示している。双曲面領域202へのすれすれの入射角および楕円面領域204へのすれすれの入射角に対応する座標位置は、ここでは、第1の実施例(図8)のものよりも互いに近接している。従って、集光効率の向上の原因は、光源102からの光の集光角度が大きくなったこと、および、これら2つの鏡面領域202、204におけるそれぞれの反射角の値がより近似していることである。
【0053】
本発明によって包含されるのは、画像処理に好適な集光光学系(例えば、極紫外線またはX線)、および、そのような光学系を組入れた画像処理システムであり、そのような画像処理光学系および画像処理システムの設計は、例えば、欧州特許出願第06425539.1号(弁護士事件参照番号ML00H19/P-EP)に説明されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極紫外線応用例やX線応用機器のための集光光学系において、放射光は放射線光源を出て集光されてから画像合焦点に方向転換され、
前記光学系は1枚以上の鏡を備えており、前記1枚の鏡または複数の鏡は各々が、前記放射線光源を通って延びる光軸を中心として対称性を示しているとともに、少なくとも第1反射面および第2反射面を有しており、前記第1反射面および前記第2反射面は合焦点が共通しており、それによって、使用するときに、前記放射線光源からの放射光は前記第1反射面および前記第2反射面に入射する際に連続して、すれすれの入射を受け、
前記第1反射面および前記第2反射面の共通合焦点は光軸に関して所定の距離 Δr だけ横断方向に片寄せされる、
ことを特徴とする、集光光学系。
【請求項2】
前記所定の距離 Δr は光軸と前記画像合焦点および前記共通合焦点を通る直線との間に設けられる角度が約1ミリラジアンから約100ミリラジアンの範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の集光光学系。
【請求項3】
前記角度は約10ミリラジアンから約45ミリラジアンの範囲に入ることを特徴とする、請求項2に記載の集光光学系。
【請求項4】
前記1枚の鏡または複数の鏡は各々が電鋳モノリシック構成部材として形成されており、前記第1反射面は1枚の鏡の2つの連続する領域のうちの一方に設けられており、前記第2反射面はその同じ鏡の連続領域の他方に設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の集光光学系。
【請求項5】
前記1枚の鏡または複数の鏡の各々について、
前記第1反射面は、前記放射線光源に最も近い位置にあって、双曲面形状を呈していることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の集光光学系。
【請求項6】
前記1枚の鏡または複数の鏡の各々について、
前記第2反射面は、前記放射線光源から最も遠い位置にあって、或る軸線を中心として楕円形の側面形状を回転させることにより得られるが、前記軸線は楕円面領域の対称軸線とは異なっていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の集光光学系。
【請求項7】
複数の鏡が入れ子配置にして設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の集光光学系。
【請求項8】
前記鏡のうち2枚以上は各々が互いに異なる幾何学的形状を呈していることを特徴とする、請求項7に記載の集光光学系。
【請求項9】
前記鏡の仕様は、表B1および記表B2に明示されているように設定されることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の集光光学系。
【請求項10】
前記鏡の仕様は、表C1および表C2に明示されているように設定されることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の集光光学系。
【請求項11】
前記1枚以上の鏡には1個以上の鏡の熱管理用装置が取付けられており、取付け位置は前記鏡の背面側であり、前記1個以上の熱管理用装置は、冷却線、ペルチエ熱電池、および、温度センサーを含むことを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の集光光学系。
【請求項12】
前記1枚以上の鏡には光源から出る埃を緩和する1個以上の装置が取付けられており、例えば、取付け位置は前記鏡の背面側であり、前記1個以上の埃を緩和する装置は、腐食検出装置、ソレノイド、および、高周波源などを含んでいることを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の集光光学系。
【請求項13】
極紫外線製版に好適な集光光学系であって、請求項1から請求項12のいずれかに記載の光学系を含んでいることを特徴とする、集光光学系。
【請求項14】
極紫外線製版システムであって、
レーザープラズマ(LPP)光源などのような放射線光源と、
請求項13に記載の集光光学系と、
光コンデンサと、
反射マスクと、
備えていることを特徴とする、システム。
【請求項15】
極紫外線画像処理またはX線画像処理に好適な画像処理光学系であって、請求項1から請求項12のいずれかに記載の集光光学系を備えることを特徴とする、画像処理光学系。
【請求項16】
極紫外線画像処理システムまたはX線画像処理システムであって、
請求項15に記載の画像処理光学系と、
電荷結合素子などのような画像処理装置とを備え、前記画像処理装置は画像合焦点に配置されることを特徴とする、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−503882(P2010−503882A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527724(P2009−527724)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007674
【国際公開番号】WO2008/031514
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509001467)メディア ラリオ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ (3)
【Fターム(参考)】