説明

集積化された磁場生成および検出プラットフォーム

集積化された磁場生成および検出プラットフォームが説明される。このプラットフォームは、球形の超常磁性ビーズのような個々の磁性粒子を操作かつ検出することができ、バイオセンサの機能を提供する。プラットフォームは集積回路に実装され、その集積回路の表面の一部は標的分析物と強く(すなわち、特定的に)結合するひとつ以上の生化学的物質で機能化される。磁性ビーズも同様に、標的分析物と特定的に結合するひとつ以上の生化学的物質で機能化される。サンプルが導入されると、集積回路に特定的に結合する磁性ビーズは非特定的に結合されたビーズから分離され検出されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2008年1月17日に提出された米国仮出願(番号61/021861)の優先権の利益を享受する。その仮出願の全ては本明細書において参照により組み込まれる。
【0002】
連邦によって後援された研究または開発に関する宣言
該当無し。
【0003】
コンパクトディスクで提出されるものの参照による援用
該当無し。
【0004】
本発明は主に標的分析物の存在を検出することに関し、特に集積化された磁場生成および検出プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0005】
先進国ではベビーブーマーが退職し途上国では新たにヘルスケアを受けようとする人の列が増大するにつれ、上昇するヘルスケアのコストの嵐を切り抜けるための新たな医療システムが必要とされている。特にポイントオブケア(Point-of-care、POC)技術は有望であり、手ごろな価格での予防的診断を可能とし慢性病の個人レベルでの監視を可能とすることによってコストを抑えうる。これらのPOC技術の多くでは、標的分析物を触媒的酵素や光学マーカや磁性ビーズなどのラベルでマーキングすることに依存した検出スキームが使用される。最後のものはバイオ分析アプリケーションのためのラベルとして非常に有用である。その理由は、(a)少しでも磁気的性質があればセルはいくつかを示すこと、(b)磁性ビーズからの信号は時間的に安定していること、(c)磁気検出はサンプルの不透明性にかかわらずに機能すること、および(d)磁性ラベリングは磁気ろ過や磁気操作などの追加的な機能を提供することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、集積化された磁場生成および検出プラットフォームを含む。このプラットフォームは、球形の超常磁性ビーズのような個々の磁性粒子を操作かつ検出することができ、バイオセンスの機能を提供する。本発明の別の態様は集積回路であり、ある有益な実施の形態ではその集積回路は、分離磁場を生成する手段と、集結/磁化磁場を生成する手段と、磁場を検知する手段と、を備える。ある例示的な使用モードでは、まず分離磁場生成手段および/または集結/磁化磁場生成手段を使用して磁性ビーズを操作し、次に集結/磁化磁場生成手段を使用して磁性ビーズを磁化し、次に磁場検出手段を使用して磁性ビーズを検出する。
【0007】
別の実施の形態では、集積回路装置は、露出した表面を有する基板と、基板表面の下で基板に埋設された磁場検出手段と、磁場検出手段と基板表面との間に配置され基板に埋設された集結/磁化磁場生成手段と、を備える。
【0008】
別の実施の形態では、集積回路装置は、上側隆部を伴う側壁を有する溝部であって露出した表面を有する溝部を有する基板と、基板表面の下で基板に埋設された磁場検出手段と、磁場検出手段と基板表面との間に配置され基板に埋設された集結/磁化磁場生成手段と、側壁の上側隆部のなかの分離磁場生成手段と、を備える。
【0009】
別の実施の形態では、集積回路装置は、複数の溝部であって各溝部が上側隆部を伴う側壁と露出した表面領域とを有する複数の溝部を有する基板と、基板表面の下で基板に埋設された磁場検出手段と、磁場検出手段と基板表面との間に配置され基板に埋設された集結/磁化磁場生成手段と、を備える。
【0010】
別の実施の形態では、集積回路はバイオセンサデバイスのひとつの部材である。ある例示的な使用モードでは、集積回路の表面の少なくとも一部を標的分析物と強く(つまり、特定的に(specifically))結合する生化学的物質で覆うことによって、その集積回路の表面の少なくとも一部が機能化される。磁性ビーズも同様に、標的分析物と特定的に結合するひとつ以上の生化学的物質で覆われるまたは接合される。サンプルが導入され、標的分析物が集積回路の機能化された表面に結合する。磁性ビーズが導入され、その磁性ビーズは標的抗原を含む生化学錯体を介して溝部の表面に特定的に結合するかまたは非特定的(non-specifically)に結合する。磁性ビーズは基板の表面に落ち着く前にまず分析物と結合しうるのであるが、その時点でその分析物は基板とも結合している。これにより、ビーズは表面に拘束される。そして非特定的に結合されたビーズはオンチップの磁気的洗浄力によって除去されうる。そして残存する特定的に結合されたビーズは基板の表面の下に集積された磁場検出手段によって検出されうる。したがって、このバイオセンサは血液または血清中における感染症の病原体の濃度を決定するために使用されうる。
【0011】
種々の実施の形態では、集結/磁化磁場生成手段は、基板の表面と磁場検出手段との間に配置された複数のマイクロコイルまたは基板の表面と磁場検出手段との間に配置された電流線(例えば、導体)または基板の表面と磁場検出手段との間に配置された磁場を生成する他の要素を含んでもよい。
【0012】
ある実施の形態では、集結/磁化磁場生成手段は複数の独立した磁場生成要素を含み、磁場検出手段は複数の独立した磁場検出要素を含み、各磁場生成要素はひとつの磁場検出要素と対とされて積み重ねられた単位セルが生成されてもよい。
【0013】
種々の実施の形態では、磁場検出手段は、複数のホールセンサ、可変インダクタンスワイヤ、または磁化された物を検知しうる他の要素を含んでもよい。
【0014】
種々の実施の形態では、分離磁場生成手段は、集結/磁化磁場生成手段と同一平面内でまたはそれよりも上の面内で集結/磁化磁場生成手段から側方に離間されて配置されてもよい。
【0015】
種々の実施の形態では、分離磁場生成手段は、電流線(例えば、導体)または磁場を生成する他の要素を含んでもよい。
【0016】
種々の実施の形態では、基板の露出した表面領域のうち少なくとも一部は、標的分析物と結合する生化学的物質によって機能化される。
【0017】
種々の実施の形態では、単位セルのうちの少なくとも一部はアドレス可能である。
【0018】
本発明のさらなる態様が明細書の以下の部分に表れるであろう。そこでの詳細な説明は、本発明の好適な実施の形態を、それに制限を課することなく十分に説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
例示のみを目的とする以下の図を参照することによって本発明はより十分に理解されるであろう。
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る集積化されたマイクロコイル/ホールセンサ対を模式的に示す図である。そこでは文脈上、磁性ビーズがそのホールセンサ/マイクロコイル対の上に配置されている。
【0021】
【図2】疎なアレイに実装された、図1に示されるタイプの2つのマイクロコイル/ホールセンサ要素の模式的な平面図である。
【0022】
【図3】アクティブなセンサアレイからのマイクロコイル/ホールセンサ対および参照アレイからの「ダミー(dummy)」マイクロコイル/ホールセンサ対の模式図である。コイルから印加される阻止されるべき磁場のコモンモード阻止および一方でビーズからの差動的な誘起磁場の増幅のために、両方の対はオンチップ増幅器(OCA)およびアナログデジタル変換器(ADC)およびデジタル信号プロセッサ(DSP)と接続される。
【0023】
【図4】1Hzのノイズ帯域幅で測定された、図3のADCの出力のスペクトルを示す図であり、自動出力ゼロ化の直後(上のグラフ)およびビーズの適用後(下のグラフ)を示す。
【0024】
【図5】エッチングされた溝部の底部に沿って一列に配置された、集積化された隣接するマイクロコイル/ホールセンサ要素のアレイの斜視図である。そのエッチングされた溝部は、磁性ビーズを磁気的かつ組み込み型で分離するために、溝部の隆部に沿って電流線を伴う。図5は文脈上、マイクロコイル/ホールセンサ要素の上に配置された複数のビーズを示す。
【0025】
【図6】図6Aから図6Eは、図5に示される集積回路の製造において使用される反応性イオンエッチング法の実施の形態を示す断面フロー図である。
【0026】
【図7】図5に示されるアレイの模式的な部分断面図である。その断面はマイクロコイル/ホールセンサ対の中心を通る切断面である。図7は、溝部の上側隆部の電流線からの磁力によって付与されるビーズの運動を示しており、ビーズはマイクロコイル/ホールセンサ対から離れるように動かされる。
【0027】
【図8】図5に示されるアレイの模式的な部分平面図である。図8は、マイクロコイル/ホールセンサ対の上に位置する特定的に結合された(例えば、生物学的に結合された)ビーズとマイクロコイル/ホールセンサ対の上に位置する非特定的に結合されたビーズとを示す。
【0028】
【図9】図5に示されるアレイの模式的な部分平面図である。図9は、基板に埋設されたまたは溝部の上側隆部に沿って走る電流線によってビーズに印加される磁力によって図8の非特定的に結合されたビーズが除去され、特定的に結合されたビーズがその場に残ることを示す。
【0029】
【図10】図9に示されるアレイに対応する力−距離曲線の例を示す図である。
【0030】
【図11】図5に示されるアレイの模式的な部分断面図である。図11は、マイクロコイルからの磁力によって付与されるビーズの運動を示しており、ビーズはホールセンサ/マイクロコイル対の直上の位置へと動かされる。
【0031】
【図12】本発明に係るセンサアレイの「溝無し(trenchless)」実施の形態の模式的な部分断面図である。図12は、基板に埋設された分離電流線からの磁力によって付与されるビーズの運動を示しており、ビーズは集結/磁化電流線から離れるように動かされる。
【0032】
【図13】磁性ビーズが時間の経過と共にセンサ領域へと引き込まれることを示す、一連の平面顕微鏡写真図である。
【0033】
【図14】図12に示されるアレイの模式的な部分平面図である。図14は、ホールセンサの上に位置する特定的に結合された(例えば、生物学的に結合された)ビーズおよびホールセンサの上に位置する非特定的に結合されたビーズを示す。
【0034】
【図15】図12に示されるアレイの模式的な部分平面図である。図15は、基板に埋設された電流線によってビーズに印加される磁力によって図14の非特定的に結合されたビーズが除去され、特定的に結合されたビーズがその場に残ることを示す。
【0035】
【図16】図16Aから図16Eは、図12に示される集積回路の製造において使用される反応性イオンエッチング法の実施の形態を示す断面フロー図である。
【0036】
【図17】バイオセンスのために本発明に係る集積回路を支持するように構成されたプリント基板の下面図である。図17では、集積回路はプリント基板から分解されて示される。
【0037】
【図18】図17に示される集積回路の実施の形態の上面図である。
【0038】
【図19】図17に示されるプリント基板に図18に示される集積回路が取り付けられた状態を示す模式的な部分断面図である。図19は、体液のリークを防ぐための封止リングを示す。
【0039】
【図20】変化する幅を有する4つの溝部を有するセンサ領域を伴う、図18に示される集積回路を示す図である。
【0040】
【図21】図21Aおよび図21Bは、精製されたヒトIgG分析試料のネガティブおよびポジティブ制御をそれぞれ示す顕微鏡写真図である。
【0041】
【図22】図22Aおよび図22Bは、オンチップの分析結果および洗浄効率をそれぞれ示すグラフである。
【0042】
【図23】本発明の実施の形態に係る8つのマイクロコイル/ホールセンサ要素からなるバンクの回路図である。
【0043】
【図24】アドレススキームが左側に示された、図23に示されるマイクロコイル/ホールセンサ要素のバンクを16個示す回路図である。
【0044】
【図25】図24のマイクロコイル/ホールセンサ要素のバンク16個を模式的に示す図である。図25では、分離磁力を生成するための電流線はホールセンサのバンクに隣接して配置され、破線はマイクロコイル/センサ要素バンクの領域を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
まず図1および図2を参照すると、本発明に係る磁性ビーズ検出は、(i)磁場を検出する手段と、(ii)磁場検出手段と基板表面との間にある手段であって集結/磁化磁場を生成する手段と、を基板の露出した表面領域の下に埋設することに基づく。示される実施の形態では、磁場検出手段および集結/磁化磁場生成手段は単位セル10を形成する。本実施の形態では、単位セル10はマイクロコイル14の下に積層されたホールセンサ12を含む。マイクロコイルおよびホールセンサはそれぞれ、そのマイクロコイル/ホールセンサ対が組み込まれているCMOS集積回路(IC)20の表面18にある個々の超常磁性ビーズ16を分極させ、検出する。ある実施の形態では、マイクロコイルは内側半径aおよび線幅wを有する一巻きの電流ループであり、ホールセンサは辺の寸法dおよび厚さtを有するnウェル(n-well)型の矩形平板状センサである。単位セルのマイクロコイルおよびホールセンサはそれぞれ、図示されるようにz軸に沿って同軸に配置されることが好ましい。そこでは、マイクロコイルがホールセンサの上に積層され、マイクロコイルが集積回路の表面に最も近くなるよう配置されることが好ましい。
【0046】
その際、マイクロコイルの印加磁場のz成分は電流ループの軸外の磁場として以下のように記述されうる。
【数1】

ここでμは自由空間の透磁率、Icoilはコイルを流れる電流、rはコイルの中心から観測点までの距離、E(k)およびK(k)は、第1種および第2種完全楕円積分関数であり、kは以下で与えられる。
【数2】

【0047】
式(1)および式(2)によると、マイクロコイルに10mAの電流を流した場合、ビーズの中心において
【数3】

の磁場が生成され、ホールセンサの端子に亘って
【数4】

の平均磁場が生成される。
【0048】
ビーズの誘導磁化磁場
【数5】

は以下の式(3)によって近似される。
【数6】

ここで
【数7】

は観測点からビーズの中心へのベクトルである。
【数8】

はビーズの磁気モーメントであり、
【数9】

で与えられる。ここでχおよびVはそれぞれ、ビーズの磁化率および体積である。式(3)から理解される通り、ビーズの誘導磁化磁場は距離rの3乗で減衰する。そこでマイクロコイル/ホールセンサ対の上の誘電体層は通常の技術を使用してエッチバックされる。
【数10】

の下で式(3)は、ホールセンサの端子に亘った平均の誘導磁化磁場のz成分を
【数11】

と見積もる。
【0049】
磁場のz成分の関数としてのホールセンサ電圧の式は以下で与えられる。
【数12】

ここでWHallおよびLHallはホールプレートの幅および長さであり、この場合両者はdと等しい。Gはホール効果の幾何学的因子である。ホール感度の計算値である34V/ATは一様な磁場のもとでの測定結果と合致するが、コイルからの高度に非一様な磁場のもとでは感度が減少することが確認された。
【0050】
期待されるコイルからの印加磁場およびビーズからの磁化磁場のより正確な値を求めて、Infolytica社が提供するMagNetの研究版を使用して図1に示される条件でシミュレーションが行われた。表1は、ホールセンサの面で観測される印加コイル磁場およびビーズ磁化磁場のz成分の計算値、シミュレーション値および測定値を与える。表1に見られる通り、コイルからの印加磁場の測定値は、ビーズからの誘起磁場よりも50倍大きくなっている。この望ましくないダイナミックレンジに対する制限を緩和するため、差動的なアーキテクチャが使用された。そこではビーズを伴うホールセンサの信号からビーズを伴わない状態の参照ホールセンサの信号を減算する。この構成は図3に示されている。図3は、センサアレイからのマイクロコイル/ホールセンサ対10aおよび参照アレイからの「ダミー(dummy)」または「参照(reference)」マイクロコイル/ホールセンサ対10bの模式図である。両方の対は、オンチップ増幅器(OCA)100およびオフチップ16ビットアナログデジタル変換器(ADC)102およびそれに続くデジタル信号プロセッサ(DSP)104に接続される。
【0051】
図3の構成によると、コイルからのコモンモード印加磁場を阻止することができる一方、ビーズからの差動的な誘起磁場であって対10aのホールセンサによって検出される誘起磁場を増幅することができる。さらなるコモンモード印加磁場の減衰のために、較正フィードバックループはOCA100の出力がゼロ化されるように対10bのマイクロコイルに流す電流を設定する。フィードバックループは参照コイルに追加的な電流を与え、ミスマッチによる残留磁場信号を打ち消す。検出システムノイズ全体はOCA100の1/fノイズによって支配され、50kHzの検出周波数において
【数13】

のスポットノイズを伴う。増幅後、出力はオフチップADC102によってデジタル化され、DSP104によって処理される。
【0052】
ある実施の形態では、ビーズが与えられる前に、システムはマイクロコイルに流す10mA、50kHzの矩形電流波のファンダメンタルfでOCA100の出力を自動出力ゼロ化することによって、自身を較正する。製造パラダイムでは、システムは大きなドリフトに苦しまなくてもよいことから、この内部自己較正は工場のフロアで行われてもよい。あるいはまた、この自己較正は患者使用の直前に行われてもよい。一端システムが較正されると、検出準備が整う。我々の実験では、ビーズがICの表面上で乾燥され、ホールセンサ上で個々にマイクロ操作された。較正のために使用されたものと同じ矩形電流波がコイルに送られ、fにおけるファンダメンタルの新たな値が記録される。
【0053】
図4は、較正直後およびビーズが与えられた後のホールセンサからの測定を示す。図4は、このシステムが1Hzのノイズ帯域幅の下(すなわち、積分時間τ=1秒の下)33dBのSNRで個々の磁性ビーズを検出可能であることを示している。図4は、ADCの出力のスペクトルを示す図であり、自動出力ゼロ化の直後(上のグラフ)およびビーズの適用後(下のグラフ)を示す。
【0054】
図5および図6を参照すると、IC20の実施の形態の製造の例が示される。図5は、エッチングされた溝部22の底面18の下に埋設された一列の互いに接続されたマイクロコイル/ホールセンサ単位セル10および側壁26a、26bの上側隆部に沿って埋設された電流線(導体)24a、24bの形の分離磁場生成手段を示す。単位セルのマイクロコイルおよびホールセンサはそれぞれ、図示されるようにz軸に沿って同軸に配置されることが好ましい。そこでは、マイクロコイルがホールセンサの上に垂直方向に積層され、マイクロコイルが溝部22の露出した表面18に最も近くなるよう配置されることが好ましい。図5は文脈上、マイクロコイル/ホールセンサ要素の上に配置された複数のビーズ16を示す。図6Aは、Si/SiO基板への通常のCMOS製造の後ではあるが溝部22を生成する後処理の前におけるIC20の断面図である。本実施の形態では、ホールセンサ12はSi層28のなかに埋設され、マイクロコイル14はSiO層30のなかに埋設される。
【0055】
ホールセンサからビーズまでの距離を低減するため、我々は指向性のプラズマエッチを使用してマイクロコイル/ホールセンサ領域の上からSiO30のほとんどを除去した。これによりCMOS基板に溝部22が形成される。溝部の頂部は保護的頂部金属層32によって決定され、ICの元の表面(図6A)から図6Bから図6Eを参照して以下に説明される後処理中にエッチングされる誘電体を引いたものに対応する。溝部の底部は金属のマイクロコイル14の直上に配置された金属エッチング停止層34によって決定される。金属の電流線24は溝部の側壁26a、26bの上側隆部に沿って組み込まれる。その電流線24が組み込まれる位置は、その電流線に電流が流れると発生する磁力が、磁性ビーズを操作しそれをセンサ領域から引き離して溝部のサイドへ引き付けるのに十分となるような位置である。本実施の形態では、電流線30は直径が約2.8μmのビーズを許容するために溝部の底部の上約2.5μmのところに配置される。溝部の側壁はマイクロコイルの外縁から約15μmの所で始まる。したがってこの例では溝部の幅は約34.2μmである。
【0056】
図6Aに示されるICの後処理は、通常、図6Bから図6Eに示されるように進行する。図6Bでは、フォトレジスト42が回転塗布され、センサ領域を露出するようパターン付けされる。接続パッドおよび他の全ての回路はフォトレジストによって保護される。図6Cは、SiOへの反応性イオンエッチング(RIE)を示す。ここではフォトレジスト36、電流線24の上に配置された頂部金属32、およびマイクロコイル14の上に配置された金属34がRIEに対するエッチストップ(etch stop)として使用される。図6Dでは、アルミニウムエッチングが使用され、エッチストップ金属層34が除去される。アルミニウムエッチングの後で残っている金属32は、残しておいても安全である。残っている金属32は、ICに電気的に接続されておらず、溝部を画定するためにだけ役に立ち、洗浄から電流線を保護するからである。最後に図6Eでは、ハードマスク(例えば、シャドーマスク)40を通じてクロミウムのシード層および金基板層38が蒸着される。このハードマスク40によって、クロミウムおよび金をセンサ領域にのみ着けることができる。本実施の形態では、シャドーマスク40を通じてCMOSICに金が蒸着される前に、フォトレジストが除去される。別の実施の形態では、フォトレジストは金析出のためのリフトオフマスク(lift-off mask)として使用することができ、この場合シャドーマスクを省くことができる。この段階で溝部形成が終了し、IC20機能化の準備が整う。
【0057】
再度図3および関連する議論を参照すると、参照センサアレイは以下の点を除いて同様に処理される。参照アレイの誘電体は溝部を形成するためにエッチバックされることはない。したがって、センサはその上にビーズを有することはない。
【0058】

【0059】
上述の構成をテストするため、我々は最も低いCMOS金属層のなかでマイクロコイルを溝部の底部の下約1.0μmのところに埋設した。また我々は、ホールセンサをマイクロコイルの下約2.8μmのところに埋設した。我々が使用したマイクロコイルは、内側半径a=1.7μm、線幅w=0.5μm、および外径4.2μmを有する一巻きの電流ループであった。我々が使用したホールセンサは、辺の寸法d=4.7μmおよび厚さt=1μmを有するnウェル型の矩形平板状センサであった。最適なパフォーマンスや電力消費や充填密度を考慮した我々の計算によると、マイクロコイル、ホールセンサ、およびビーズの大きさは全て略同一であるべきであることが示され、この実験では約4μmであった。我々は、マイクロコイルは10mAの電流に対して800μTまでの磁場を生成することができ、ホールセンサは2mAのバイアス電流に対して34V/ATの感度を示すことを見出した。差動増幅器を使用することにより、約2.8μmの直径を有するひとつの球形の磁性ビーズが、1Hzのノイズ帯域幅に対して33dBのSNRで検出された。
【0060】
上述の実施の形態では、集結/磁化磁場生成手段は複数の独立した磁場生成要素(例えば、マイクロコイル)を含み、磁場検出手段は複数の独立した磁場検出要素(例えば、ホールセンサ)を含み、各マイクロコイルはひとつのホールセンサと対とされて積み重ねられた単位セルが生成される。しかしながら、本発明の構成は上述のものに限られないことは理解されるであろう。例えば、集結/磁化磁場生成手段は、基板の表面と磁場検出手段との間に配置された電流線(例えば、導体)または基板の表面と磁場検出手段との間に配置された磁場を生成する他の要素を含んでもよい。さらに、磁場検出手段は、可変インダクタンスワイヤまたは磁化された物を検知することができる他の要素を含んでもよい。また、分離磁場生成手段は、前述のように溝部側壁の上側隆部のなかに置かれた電流線の形で実装されることに限られない。代替的には、分離磁場生成手段は、集結/磁化磁場生成手段の上方の面内よりもむしろそれと同一面内において集結/磁化磁場生成手段から側方に離れて配置されてもよい。分離磁場生成手段は、任意の周波数で磁性ビーズを磁化するために使用されうる。これにより集結/磁化磁場生成手段が必要ではなくなる。分離磁場生成手段を流れる電流もまた任意に変更しうる。
【0061】
本発明に係る集積回路はバイオ検出アプリケーションに特によく適している。そのようなアプリケーションにおいて、集積回路および磁性ビーズは標的分析物に特定的に(例えば、生物学的に)結合するようにされうる。例えば、集積回路の溝部表面は、標的分析物と強く(すなわち、特定的に)結合するひとつ以上の生化学的物質で覆われてもよい。磁性ビーズも同様に、標的分析物と特定的に結合するひとつ以上の生化学的物質で覆われてもまたは接合されてもよい。テストのため、我々は直径2.8μmの単分散M280Dynalビーズをストレプタビディン(streptadivin)コーティングで機能化して使用した。これらの特定のビーズの特徴は良く知られており、報告因子として有効であることが知られている。
【0062】
サンプルがセンサ領域に導入されると、標的分析物は集積回路の表面に結合する。磁性ビーズが導入されると、その磁性ビーズは標的抗原を含む生化学錯体を介して基板の機能化された表面に特定的に結合するかまたは非特定的に結合する。非特定的に結合されたビーズはオンチップの磁気的洗浄力によって除去されうる。そして残存する特定的に結合されたビーズは溝部の表面の下に組み込まれた磁気センサによって検出されうる。一般に、非特定的に結合されたビーズを含む動かなくなった磁性粒子を検出することができる。
【0063】
図7から図10を参照すると、電流線24はビーズの面よりも上に配置されている。これにより、ICの面にビーズを引き付ける力成分を除去し、磁気的分離効率を高めることができる。示される実施の形態では、電流線は基板の表面18よりも上方約2.5μmのところに配置される。図7は、最も左側の電流線がオンされ最も右側の電流線がオフされている状態を示す。最も左側の電流線24aのなかの2つのXは電流が紙面に向けて流れることを示す。最も右側の電流線24bは不活性である。最も左側の電流線によって生成される磁場42は磁力44を生成する。この磁力44はビーズに動きを与え、またマイクロコイル/ホールセンサ対から離れるようかつ溝部のサイドに向けてビーズを移動させる。自由選択で、電流は左の電流線24aと右の電流線24bとの間で任意のデジタル変調によって交流化されてもよい。図8は、図5に示されるアレイの模式的な部分平面図である。図8は、マイクロコイル/ホールセンサ対10aの上に位置する特定的に結合されたビーズ16aとマイクロコイル/ホールセンサ対10bの上に位置する非特定的に結合されたビーズ16bとを電流線24との関係で示す。図9は、図5に示されるアレイの模式的な部分平面図である。図9は、溝部側壁の上側隆部のなかの電流線24によってビーズに印加される磁力44によって図8の非特定的に結合されたビーズ16bが除去され、特定的に結合されたビーズ16aがその場に残ることを示す。図10は、図9に示されるアレイに対応する力−距離曲線の例を示す図である。
【0064】
磁性ビーズがセンサから遠すぎる位置に落ち着く場合、そのような磁性ビーズは検出されないであろうことを注意しておく。したがって、好適な実施の形態では、電流搬送導体が基板の例えばマイクロコイルと同一平面内に配置される。さらに望ましくは、図11に示されるようにマイクロコイル14がこの電流搬送導体として使用される。図11において、マイクロコイル14のなかのXおよび円−点はそれぞれ、マイクロコイルのなかを電流が紙面に向けておよび紙面から出ていく向きに流れることを示す。マイクロコイル14によって磁場46が生成され、ビーズがマイクロコイル/ホールセンサ要素の直上の位置へと動いていく動きが磁力48によってビーズ16に与えられる。ここでは溝部側壁の上側隆部のなかの電流線は不活性とされ、代わりにマイクロコイルを流れる電流が、溶液から出てくる磁性ビーズをセンサ領域の直上に引き付ける磁力を生成する。
【0065】
図12から図16は、本発明は種々の他のやり方で具体化されうることを示す。例えば、図12は、基本的に「溝部無し(trenchless)」の実施の形態を示す。分離磁場生成手段をそのなかに配置すべき側壁がないからである。したがって、溝部側壁の上側隆部のなかに配置される代わりに、分離磁場生成手段すなわち電流線24は、基板の表面の下で集結/磁化磁場生成手段と同一平面内に埋設されるよう示されている。加えて図12は、集結/磁化磁場生成手段は、複数のマイクロコイルである代わりに、磁場検出手段12の上に配置され基板の長さ方向に沿って走る電流線50でありうることを示す。しかしながらこれらの構成は、前述の実施の形態と機能的には同等である。
【0066】
例えば、電流線50は集結/磁化磁場を上述の通りに生成するであろう。図13は、磁性ビーズが時間の経過と共にセンサ領域へと引き込まれることを示す、一連の平面顕微鏡写真図である。ここに見られる通り、電流線50に電流が流れると磁性ビーズはセンサ領域の直上に集結する。電流は、溶液から出てくるビーズをセンサ領域に引き付ける磁力を生成する。図13に示される効果を生成するために、我々は電流線(最も中央の破線)に3mAの電流を流し、出てきている磁性ビーズを外側の破線によって囲まれるセンサ領域の直上の表面へ引き付けた。前述のようにマイクロコイルを活性化することによっても同じ効果が得られうる。
【0067】
さらに、上述のように電流線24は非特定的に結合されたビーズを除去するであろう。例えば図14は、ホールセンサ12aの上に位置する特定的に結合されたビーズ16aおよびホールセンサ12bの上に位置する非特定的に結合されたビーズ16bを電流線50との関係で示す。図15は、電流線24によってビーズに印加される磁力44によって図14の非特定的に結合されたビーズ16bが除去されることを示す。
【0068】
上で示されたように、図12は基本的に「溝部無し(trenchless)」の実施の形態を示す。分離磁場生成手段をそのなかに配置すべき側壁がないからである。この点について、我々は「溝部無し(trenchless)」によって複数列ICの個々のセンサ列が側壁によって分離されていないことを意味する。これは図16で説明される。図16は、2つのセンサ列を有するICの例示的な製造プロセスを示す。そのプロセスは、図6との関係で説明されたステップと同様のステップにしたがう。当業者であれば、図6の議論および上記ICの説明から、図16に示されるプロセスの詳細を容易に理解するであろう。
【0069】
これまでの議論について、分離磁場生成手段(例えば、電流線)とセンサの上で基板に埋設された集結/磁化磁場生成手段(例えば、電流線、マイクロコイル)との組み合わせは、磁性ビーズの操作を許す効果があることは理解されるべきである。分離磁場生成手段または集結/磁化磁場生成手段のいずれか一方を活性化することによって、ビーズをセンサから離れるように動かすことができ、またはセンサの直上に集結させることができる。
【0070】
集結/磁化磁場生成手段を活性化し分離磁場生成手段を活性化しないことにより、全てのビーズがセンサ領域の上に集結されうる。そこではビーズの少なくとも一部は溝部の表面に特定的に結合されているであろう。ある例示的な操作モードでは、次に集結/磁化磁場生成手段がオフされ分離磁場生成手段がオンされる。これによりセンサの上から非特定的に結合されたビーズが取り除かれる(例えば、磁気的に洗浄される)。分離磁場生成手段によって生成される磁力によって非特定的に結合されたビーズが除去されると、分離磁場生成手段はオフされ、集結/磁化磁場生成手段が再度オンされる。これにより残存する特定的に結合されたビーズが磁化される。磁場検出手段は同時に、集結/磁化磁場生成手段によって磁化された特定的に結合されたビーズを検出する。
【0071】
自由選択で、別の例示的な操作モードでは、我々は検出プロセスの間、分離磁場生成手段をオンにしたままとすることができる。これにより、以前センサ領域から除去された非特定的に結合されたビーズが、集結/磁化磁場生成手段に流れる電流によって生成される力によってセンサ領域に引き戻されることを防ぐことができる。さらに自由選択で、非特定的に結合されたビーズがセンサ領域の両側へと引き付けられある一方向だけに引き付けられないように、我々はセンサの両側の分離磁場生成手段の間で電流を可変周波数で切り替えることができる。分離磁場生成手段は検出の間活性化されたままとすることができる。このとき分離磁場生成手段を流れる電流は、集結/磁化磁場生成手段を流れる電流と同じまたは異なる周波数を有する。洗浄効率をリアルタイムで解析するために、洗浄と同時に検出を行うことができる。
【0072】
図17を参照すると、バイオ検出および他のアプリケーションで使用するために、集積回路20は外部デバイスへの電気的な接続を採用することが必要であろう。そのようなアプリケーションでの使用を容易にするために、図17に示されるように集積回路はプリント基板(PCB)200の一方の側へフリップチップ実装されることが好ましい。本実施の形態では、プリント基板は両側の間を通じる孔202を有する。これにより、体液はプリント基板の他方の側からその孔を通過してICの表面に到達することができる。
【0073】
図18および図19も参照すると、金属のリング204aがセンサ領域206を取り囲むことが好ましい。これにより、ICの接続パッド208aおよび対応するPCBの接続パッド208bをセンサ領域206が曝される体液210から分離することができる。この金属リングははんだバンプであり、プリント基板の対応するリング204bにはんだ付けされることが好ましい。接続パッドおよびはんだリングをはんだバンプ212で同時に付ける方法で、ICはPCBの底部にフリップチップ実装される。これにより、センサ領域206は孔202を介して体液210に曝される一方、体液が電気的な接続208から隔離されたままとすることができる。見られる通り、はんだ封止リングはセンサ領域を取り囲んでいる。したがって、体液が電気的な接続間をショートすることが抑止される。
【0074】
再度図17を参照すると、ある実施の形態では、PCB20は、一端に印刷されたコネクタパッド214を有しそのコネクタパッドは対応するソケットと対となるためのものである、取り外し可能なカートリッジとして構成される。したがって、一方の側にフリップ実装されたICを有する前述のプリント基板は、例えばカートリッジ型の血液分析システムのひとつの部材でありうる。ある実施の形態では、バイアルはプリント基板の反対側にあるホルダのなかに載置される。バイアルのプリント基板側の端はICの表面への孔のなかに開いている。液体をバイアルのなかに収容するために、バイアルの反対側の端はキャップ、プラグ、または他の種類の封止用蓋が付いた口を有しうる。このアセンブリは分析のために使用されうるカートリッジを形成する。ある実施の形態では、センサ領域は複数のアレイを含む。図18および図20は、異なる体液成分を検知するために変化する幅を有する4つのセンサアレイ216a、216b、216c、216dを含むセンサ領域206を伴う集積回路を示す。示される例では、センサアレイ216a、216b、216c、216dの幅はそれぞれ、10μm、15μm、20μm、25μmであり、溝部の長さは200μmである。
【0075】
例えば、上述のカートリッジを使用して、全血の分析について以下の例示的なプロトコルにしたがうことができる。
(a)分析準備が整うと、ユーザはカートリッジをリーダに挿入し較正プロセスを開始する。
(b)較正完了後、フィンガープリック(finger prick)によって全血が採取され、採取された全血がバイアルの口にある薄膜フィルタに乗せられる。
(c)次にユーザはバイアルの蓋を閉め、何回かバイアルをひっくり返すことによって約30秒間バイアルの内容物を攪拌する。
(d)バイアルのなかの溶液が攪拌されるにつれ、標的分析物が薄膜フィルタを通してバイアルのなかに拡散する。
(e)ひとつ以上の生化学的物質と接合されたバイアル中の磁性ビーズは、バイアル中に拡散した標的分析物と特定的にくっつく。
(f)磁性ビーズはICの表面に落ち着く。そのICの表面もまた、分析物と結合するひとつ以上の生化学的物質で覆われている。
(g)ICの表面に落ち着いたが強い生化学錯体を介して特定的に表面に拘束されていないビーズは、オンチップで生成される磁力によって除去される。
(h)ICの表面に強く拘束されている残存ビーズは、基板に埋設された集積磁気センサのアレイによって検出される。
(i)ビーズからの信号はオンチップで処理され、リーダのディスプレイに提示される。
【0076】
別の実施の形態では、磁性ビーズは、検出ICを含むバイアルのなかに導入される前にまず、フィルタされた生サンプルと共に別のバイアルの中で培養されてもよい。
【0077】
分析されるべきサンプルは最初に、干渉する因子から分析されるべき種を分離するよう準備されることが好ましい。これは例えば薄膜フィルタを使用することによって実行されうる。これにより、全ての血球などの特定物質がオンチップでの分析に物理的に干渉することを防ぐことができる。他のアプローチは、(a)免疫クロマトグラフィーのストリップ(immunochromatographic strip)を使用すること、(b)マイクロ流体工学(microfluidics)やパターン形成された毛細管チャネルなどの流体搬送システムを使用すること、(c)従来の遠心分離を使用すること、および(d)カラムクロマトグラフィーを使用すること、を含む。カラムクロマトグラフィーのように、薄膜フィルタや免疫クロマトグラフィーのストリップなどのサンプル準備システムは、干渉する因子を防ぐための化学的機能化によって増強される。
【0078】

【0079】
機能化実験では、我々は、ICの表面に金を蒸着し、その表面にはFc特異抗ヒトIgG(Fc specific anti-Human IgG)が生理的に吸着された(physio-adsorbed)。図21Aは、磁気的分離の間特定的に結合されたビーズが静止されたままとなることを保証するネガティブ制御を示す。精製されたヒトIgGの溶液が培養され、余分なIgGが洗浄により除かれた。まずビオチン化されたFab特異抗ヒトIgG(biotinylated Fab specific anti Human IgG)が加えられた。最後に、ストレプタビディンコーティングされた2.8μmのビーズが加えられ、培養された。ここで電流線には50mAの電流が流され、溝部の中心において2pNの力が生成された。特定的に結合されたビーズの99%は静止したまま残存した。図21Bは、磁気的分離の間に非特定的に結合されたビーズが除去されることを保証するポジティブ制御を示す。そのプロトコルは、ヒトIgGが加えられることはないことを除いてはポジティブ制御のそれと同じである。非特定的に結合されたビーズの99%が除去されるという結果が示された。図22Aおよび図22Bは、オンチップの分析結果および洗浄効率をそれぞれ示すグラフである。上述の表面機能化スキームは一例に過ぎないことを注意しておく。金は必ずしも堆積されなくてもよい。また、抗体や他の化学種を表面に着けるために他の化学的結合物質が使用されうる。
【0080】
したがって、このバイオセンサは血液または血清中における感染症の病原体の濃度を決定するのに特によく適している。
【0081】
マイクロコイル/ホールセンサ要素は種々の回路構成で接続されうることは理解されるであろう。例えば、図23は、ひとつの溝部に8つの直列に接続されたマイクロコイル/ホールセンサ要素の一列を含む回路300を示す。その列のなかの全てのマイクロコイルには同時に電流が流れるが、ホールセンサは、個々の磁性ビーズ検出のために個々にアドレス可能とされている。他の実施の形態では、複数のホールセンサが同時に活性化されうる。ホールセンサからの信号は並列に読み出されてもよく、または、周波数分割多重化スキームにおいて複数の磁化周波数が使用されてもよい。各ホールセンサは3つのNMOSスイッチ302と接続される。その3つのNMOSスイッチ302は、ひとつが電源用であり2つが差動的な磁場信号用である。ホールセンサが活性化されると、全てのスイッチが活性化される。追加的なまたはより少ない数のスイッチでの他の構成も可能である。重要な点は、各ホールセンサは個々にアドレス可能であり、かつ、いくつかのホールセンサは同時にアドレスおよび活性化されうることである。また、複数の集結/磁化線すなわちマイクロコイルが同時に活性化されうる。また、複数の分離線が同時に活性化されうる。
【0082】
複数のバンクを有するひとつのICがひとつの電子的にアドレス可能なアレイとして構成されうることを注意しておく。この場合、アレイはアドレス可能でありかつアレイの異なる部分は異なる生化学的物質で機能化されうるので、各ICは多重化された分析を行うことができる。このシステムによって提供される磁気的集結、磁気的分離、精密な検出分解能、および高度の集積化が組み合わされて、早くて正確で使いやすくて廉価な検出メカニズムが提供される。並列読み出しおよび非特定的な生物学的相互作用の集積化された磁気的洗浄を備える128のマイクロコイル/ホールセンサ要素を組み合わせて十分に集積化されたバイオ分析プラットフォームが提供されると我々は考える。
【0083】
例えば、図24は、図23に示される回路300を16個(例えば、16個のバンクまたは列)揃えて、全体として128個のマイクロコイル/ホールセンサ要素を含む8x16のアレイを生成した回路400を示す。アドレスおよびデコードのためのデジタルロジックはオンチップで組み込まれている。センサアレイのホールセンサからの信号は、その上にビーズを有し得ないダミーホールセンサの信号から減算される。ここでは図示されないダミーホールセンサのアレイは、液体に曝されるセンサ領域から離して配置される。種々のアドレススキームが図24の左側に示されている。図25に示されるように、非特定的に結合されたビーズを除去するための磁力を生成する電流線は、エッチングされた溝部の隆部に沿って、8個のマイクロコイル/ホールセンサ要素からなる列に隣接して、配置されることが好ましい。ホールマイクロコイル/ホールセンサ要素の列を囲む破線は、エッチングされた溝部の領域を示す。
【0084】
以上から、説明されたプラットフォームは以下を含むがそれに限定されない多くのアプリケーションにおいて使用されうることが理解されよう。
【0085】
1.診断
(a)ウイルス対細菌感染
(b)並列または多重化分析
(c)DNAマイクロアレイ
(d)口腔細菌スクリーニング
(e)グルコース、コレステロール、代謝物、小さい分子など。
【0086】
2.環境分析
(a)食物汚染
(b)水質/土壌汚染。
【0087】
3.プロテオミクス
(a)タンパク質間結合力測定
(b)タンパク質間結合共振周波数
(c)DNAメチル化。
【0088】
4.磁性ビーズAFM
(a)低い周波数では1/fノイズがない。
(b)力と周波数がデジタル的に制御される。
【0089】
5.磁性ビーズの特性評価
(a)異なるサイズを有し異なる磁性ナノ粒子を有するビーズ単体の磁性の探求。
【0090】
6.低コストバイオセンサネットワーク
(a)統計解析のために、組み込まれた送信機が基地局に直接分析結果を送ることができる。
(b)リアルタイムでの発生/汚染監視
【0091】
7.磁気センサアレイ
(a)磁場および磁気勾配場の量子化
【0092】
このシステムのアピールポイントは、我々がよいバイオセンサを作ると考えるしかるべきものについての結果を解析することによって理解されうる。
【0093】
1.コスト
生物学的汚染への懸念から、ポイントオブケアのセンサカートリッジは使い捨てであることが要求される。したがって、低コストでの実現が高く評価される。システムを全体的に見ると、CMOSはフロントエンドでセンサの組み込みを、バックエンドで必要な信号処理を許すので、CMOSは最もコスト効率のよいオプションである。
【0094】
2.スピード
τ=1秒の電流検出時間は、十分なSNRを妥協することによって低減されうる。大規模なセンサアレイについては、CMOSは高度に並列化されたリードアウトを低コストで提供できるという顕著な利点を有する。並列ハードウエアに加えて、周波数分割多重化スキームにおいて複数の磁化周波数を使用することで、検出時間をさらに短縮することができる。
【0095】
3.使用の容易性
集積化がバイオセンサのプロトコルを単純化するためのポイントである。集積化されたビーズ検出がひとつの必要な部分であり、非特定的な生物学的相互作用を除去するための集積化された磁気分離が他の必要な部分である。十分に集積化されたシナリオでは、バイオセンサアプリケーションのために選択されるビーズの最小直径は、センサ技術の生来的な検出感度限界によってではなくそのビーズに印加されうる最大磁力によって決定されるであろう。この意味で、CMOSによって提供されるデザインの多彩性と高レベルの集積性は利点である。
【0096】
4.感度
バイオセンサの感度と検出器の分解能とは同義ではなく、バイオセンサの感度は最終的には物質移動効果によって制限を受ける。この問題は、密なセンサ/アクチュエータのアレイであって各センサ/アクチュエータは磁気的にビーズをその表面に引き付けて検出することができるアレイを実装することによって対処される。そのようなシステムのダイナミックレンジは、アレイのなかの要素の総数に依存し、その総数はCMOSにおいては低コストで最大化される。
【0097】
上述の説明は多くの詳細を含むが、これらは本発明の技術的範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本発明の現段階における好適な実施の形態のいくつかについての説明を単に提供するに過ぎないのである。したがって、本発明の技術的範囲は当業者には明白でありうる他の実施の形態もまた当然に包含すること、および、本発明の技術的範囲はしたがって添付の請求の範囲以外のなにものによっても制限され得ないこと、は理解されるであろう。添付の請求の範囲では、要素の単数形は明示されている場合を除き「ひとつかつひとつのみ」を意味することを意図しておらずむしろ「ひとつ以上」を意味することを意図している。上述の好適な実施の形態の要素に対する、当業者に知られている全ての構造的、化学的、機能的等価物は明白に本明細書に参照により援用され、本請求の範囲によって包含されることを意図されている。さらに、本請求の範囲によって包含されるためには、デバイスまたは方法が本発明によって解決されるべき個々全ての課題を指向する必要はない。さらに、この開示中のいかなる要素、部品、方法ステップも、その要素、部品または方法ステップが請求の範囲において明確に使われていようといないとに係わらず、公衆に捧げることを意図されていない。本願の請求項のいずれの要素も、その要素が「means for」の句を用いて明確に引用されていない限り、合衆国法典第35巻第112章第6段落の条項の下で解釈されるべきではない。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
露出した表面領域を有する基板と、
集結/磁化磁場を生成する手段と、
磁場を検出する手段と、を備え、
前記磁場検出手段は、前記露出した表面領域の下で前記基板に埋設され、
前記集結/磁化磁場生成手段は、前記露出した表面領域の下で、かつ、前記磁場検出手段と前記露出した表面領域との間で前記基板に埋設される、集積回路装置。
【請求項2】
分離磁場を生成する手段をさらに備え、
前記分離磁場生成手段は、前記集結/磁化磁場生成手段および前記磁場検出手段に関して側方に離間された位置で前記基板に埋設される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分離磁場生成手段は、前記集結/磁化磁場生成手段と同一面内に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記分離磁場生成手段は、前記集結/磁化磁場生成手段よりも上の面内に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記分離磁場生成手段は、電流線および磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの要素である、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記集結/磁化磁場生成手段は、マイクロコイル、電流線または磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場生成要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記磁場検出手段は、ホールセンサ、可変インダクタンスワイヤまたは磁化された物を検知する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場検出要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記磁場検出要素のうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含み、
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含み、
各磁場生成要素はひとつの磁場検出要素と対とされて積み重ねられた単位セルが生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記単位セルのうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
当該装置はバイオセンサデバイスのひとつの部材である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記基板の前記露出した表面領域のうち少なくとも一部は、標的分析物と結合する生化学的物質によって機能化される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記磁場検出手段は、動かなくなった磁性粒子を検出する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
露出した表面領域を有する基板と、
前記基板の前記露出した表面領域の下で前記基板に埋設された、複数の離間したセンサバンクと、を備え、
各センサバンクは、
集結/磁化磁場を生成する手段と、
磁場を検出する手段と、
分離磁場を生成する手段と、を含み、
前記磁場検出手段は、前記露出した表面領域の下で前記基板に埋設され、
前記集結/磁化磁場生成手段は、前記露出した表面領域の下で、かつ、前記磁場検出手段と前記露出した表面領域との間で前記基板に埋設され、
前記分離磁場生成手段は、前記集結/磁化磁場生成手段および前記磁場検出手段に関して側方に離間された位置を有する、集積回路装置。
【請求項17】
前記分離磁場生成手段は、前記集結/磁化磁場生成手段と同一面内に配置される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記分離磁場生成手段は、前記集結/磁化磁場生成手段よりも上の面内に配置される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記分離磁場生成手段は、電流線および磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの要素である、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記集結/磁化磁場生成手段は、マイクロコイル、電流線または磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場生成要素を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記磁場検出手段は、ホールセンサ、可変インダクタンスワイヤまたは磁化された物を検知する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場検出要素を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記磁場検出要素のうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含み、
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含み、
各磁場生成要素はひとつの磁場検出要素と対とされて積み重ねられた単位セルが生成される、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
前記単位セルのうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
当該装置はバイオセンサデバイスのひとつの部材である、請求項16に記載の装置。
【請求項28】
前記基板の前記露出した表面領域のうち少なくとも一部は、標的分析物と結合する生化学的物質によって機能化される、請求項16に記載の装置。
【請求項29】
前記磁場検出手段は、動かなくなった磁性粒子を検出する、請求項16に記載の装置。
【請求項30】
上側隆部を伴う側壁を有する溝部であって露出した表面領域を伴う溝部を有する基板と、
集結/磁化磁場を生成する手段と、
磁場を検出する手段と、
分離磁場を生成する手段と、を備え、
前記磁場検出手段は、前記露出した表面領域の下で前記基板に埋設され、
前記集結/磁化磁場生成手段は、前記露出した表面領域の下で、かつ、前記磁場検出手段と前記露出した表面領域との間で前記基板に埋設され、
前記分離磁場生成手段は、前記側壁の前記上側隆部のなかに配置される、集積回路装置。
【請求項31】
前記分離磁場生成手段は、電流線および磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの要素である、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記集結/磁化磁場生成手段は、マイクロコイル、電流線または磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場生成要素を含む、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記磁場検出手段は、ホールセンサ、可変インダクタンスワイヤまたは磁化された物を検知する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場検出要素を含む、請求項30に記載の装置。
【請求項34】
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含む、請求項30に記載の装置。
【請求項35】
前記磁場検出要素のうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含む、請求項30に記載の装置。
【請求項37】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含み、
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含み、
各磁場生成要素はひとつの磁場検出要素と対とされて積み重ねられた単位セルが生成される、請求項30に記載の装置。
【請求項38】
前記単位セルのうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
当該装置はバイオセンサデバイスのひとつの部材である、請求項30に記載の装置。
【請求項40】
前記基板の前記露出した表面領域のうち少なくとも一部は、標的分析物と結合する生化学的物質によって機能化される、請求項30に記載の装置。
【請求項41】
前記磁場検出手段は、動かなくなった磁性粒子を検出する、請求項30に記載の装置。
【請求項42】
複数の溝部であって各溝部が上側隆部を伴う側壁と露出した表面領域とを有する複数の溝部を有する基板と、
前記側壁の前記上側隆部のなかに配置された、分離磁場を生成する手段と、
前記基板の前記露出した表面領域の下で前記基板に埋設された、複数の離間したセンサバンクと、を備え、
各センサバンクは、
集結/磁化磁場を生成する手段と、
磁場を検出する手段と、
分離磁場を生成する手段と、を含み、
前記磁場検出手段は、前記露出した表面領域の下で前記基板に埋設され、
前記集結/磁化磁場生成手段は、前記露出した表面領域の下で、かつ、前記磁場検出手段と前記露出した表面領域との間で前記基板に埋設される、集積回路装置。
【請求項43】
前記分離磁場生成手段は、電流線および磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの要素である、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記集結/磁化磁場生成手段は、マイクロコイル、電流線または磁場を生成する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場生成要素を含む、請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記磁場検出手段は、ホールセンサ、可変インダクタンスワイヤまたは磁化された物を検知する他の要素からなるグループから選択されたひとつの磁場検出要素を含む、請求項42に記載の装置。
【請求項46】
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含む、請求項42に記載の装置。
【請求項47】
前記磁場検出要素のうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含む、請求項42に記載の装置。
【請求項49】
前記集結/磁化磁場生成手段は、複数の独立した磁場生成要素を含み、
前記磁場検出手段は、複数の独立した磁場検出要素を含み、
各磁場生成要素はひとつの磁場検出要素と対とされて積み重ねられた単位セルが生成される、請求項42に記載の装置。
【請求項50】
前記単位セルのうちの少なくとも一部はアドレス可能である、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
当該装置はバイオセンサデバイスのひとつの部材である、請求項42に記載の装置。
【請求項52】
前記基板の前記露出した表面領域のうち少なくとも一部は、標的分析物と結合する生化学的物質によって機能化される、請求項42に記載の装置。
【請求項53】
前記磁場検出手段は、動かなくなった磁性粒子を検出する、請求項42に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図6E】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図16C】
image rotate

【図16D】
image rotate

【図16E】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21A】
image rotate

【図21B】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公表番号】特表2011−511936(P2011−511936A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543257(P2010−543257)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/031155
【国際公開番号】WO2009/091926
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(504438118)ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ カリフォルニア (4)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】