集積電気光学モジュール
【課題】本発明は、ウェーハ段階で形成された集積電気光学モジュールであって、電気光学部品に対する内部配線を有する集積電気光学モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る集積電気光学モジュールは、第1の基板上に形成された電気光学能動部品と、第1の基板上に形成された接合パッドと、第2の基板上に形成された光学部品と、第1の基板と第2の基板の間に形成されたスペーサと、電気光学能動部品と光学部品の間に経路が形成され、電気光学能動部品が第1の基板、第2の基板およびスペーサにより包囲され、第1の基板および第2の基板は、これらの表面に対して垂直な方向においてスペーサを介して固定され、第1の基板は、少なくとも接合パッドが形成された領域において、第2の基板より長く延びていることを特徴とする。
【解決手段】本発明に係る集積電気光学モジュールは、第1の基板上に形成された電気光学能動部品と、第1の基板上に形成された接合パッドと、第2の基板上に形成された光学部品と、第1の基板と第2の基板の間に形成されたスペーサと、電気光学能動部品と光学部品の間に経路が形成され、電気光学能動部品が第1の基板、第2の基板およびスペーサにより包囲され、第1の基板および第2の基板は、これらの表面に対して垂直な方向においてスペーサを介して固定され、第1の基板は、少なくとも接合パッドが形成された領域において、第2の基板より長く延びていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ上のモジュールを分断する技術に関し、とりわけ扱いやすい電気的入力−出力端子を有する電気光学モジュールをウェーハ段階で形成する際に用いられる技術に関する。さらに本発明は、光学モジュールを、例えば回路基板などの別の構造物に集積するための機械的に支持する棚部を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
光学部品を含む電気デバイスをウェーハ段階で集積する上で直面する課題は、どのように電気的接続を形成するかである。典型的なウェーハのアセンブリ方法および分断方法によれば、極めて優れた光学アセンブリを製造することができるが、図1に示すように、電気的接続を形成できる場所がない。図1において、サブマウント20上に実装された能動部品10と、光学部品40を含む光学ブロック30とを有する。サブマウント20上に内部配線22を形成し、能動部品10と電気信号を授受する。垂直キャビティ表面発光レーザ(VCSEL)などの能動部品10をウェーハ段階でサブマウント20上に実装し、光学部品や任意のスペーサを能動部品10に対して位置合わせし、集積することができる。個々のモジュールを分断するとき、能動部品10に対する電気配線22はアクセスが困難となる。
【0003】
プリント回路基板、またはウェーハ段階で形成される積層構造物と連続しない平らなシステムに、ウェーハ段階で形成された光学部品を集積しようとすると、別の問題が生じる。すなわち、集積に際して、支持および位置合わせが問題となる。
【0004】
1つの潜在的な解決手法は、光学部品とスペーサをウェーハ段階でアセンブリし、個々のサブマウントに分断し、接合させることである。しかしながら、これによれば、ウェーハ段階でアセンブリする際の利点が十分に得られない。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は、ウェーハ段階で形成された電気光学モジュールにおいて、電気光学部品に対する内部配線を提供する方法および構造に関し、これにより上述の課題の少なくとも1つが解決される。
【0006】
同様に、本発明は、ウェーハを基にした光学サブアセンブリを、積層されないシステムに集積するために位置合わせし、支持する方法および構造に関する。
【0007】
上述の、他の目的のうちの少なくとも1つが、電気光学モジュールを製造する方法を提供することにより達成されて、その方法は、複数の能動部品を含む能動部品ウェーハを形成するステップと、複数の部材を含む部材ウェーハを能動部品に位置合わせするステップと、能動部品ウェーハおよび部材ウェーハのうちの少なくとも一方に、電気的接合パッドを形成するステップと、集積ウェーハを形成するために、能動部品ウェーハおよび部材ウェーハを固定するステップと、集積ウェーハから複数のダイに分断するステップとを有し、少なくとも1つのダイは、少なくとも1つの能動部品と部材を含み、分断ステップは、電気的接合パッドを含むウェーハの少なくとも一部分が他のウェーハを越えて拡張するように、集積ウェーハを貫通する異なる垂直ラインに沿って分断することを特徴とする。
【0008】
上述の、他の目的のうちの少なくとも1つが、電気光学的な集積モジュールを提供することにより達成されて、そのモジュールは、第1の基板上にある能動部品と、第2の基板上にある部材と、第1および第2の基板の一方の上にある接合パッドとを備え、第1および第2の基板は、垂直方向において、互いに固定され、第1および第2の基板のうちの接合パッドを有する一方の基板の一部分が、他方の基板よりも、少なくとも1方向において拡張していることを特徴とする。
【0009】
上述の、他の目的のうちの少なくとも1つが、装置を提供することにより達成されて、その装置は、孔を含む平らな構造物と、基板の表面上に形成された光学部品と、光学部品を含む表面は、平らな構造物の孔を貫通して延び、光学部品を含む表面と集積された実装表面と、実装表面は、少なくとも一方向において、基板を越えて拡張し、実装表面を介して光学部品を平らな構造物に固定するための固定メカニズムとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のこれらの、他の目的は、以下に記載の詳細な説明から容易に理解される。ただし、本発明の精神および範疇に含まれるさまざまな変形例および変更例が、当業者ならば、この詳細な説明から明らかであるので、詳細な説明および特定の具体例は、本発明の好適な実施形態を示唆するものであるが、本発明を説明するためだけのものであると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ウェーハ段階で形成され、従来手法を用いて分断された電気光学モジュールの概略斜視図である。
【図2A】図2Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図2B】図2Bは、本発明に基づき分断された後の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図3A】図3Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図3B】図3Bは、本発明に基づき分断された後の図3Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図4A】図4Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図4B】図4Bは、本発明に基づき分断された後の図4Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図5】図5は、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図6A】図6Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図6B】図6Bは、本発明に基づき分断された後の図6Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図7A】図7Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図7B】図7Bは、本発明に基づき分断された後の図7Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図8】図8は、本発明に基づき、図2Bに示す電気光学モジュールをフレキシブルなプリント回路基板に接続した際の上から見た図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の記載において、本発明を十分に理解できるように、特定の詳細な構成物を開示するが、これは説明のためであって、何ら限定するものではない。当業者ならば理解されるように、これらの詳細な構成物から逸脱しない他の実施形態においても、本発明を実現することができる。本発明の説明を理解しやすくするために、他の態様、広く知られた装置や方法に関し、本発明とは無関係な細部の説明を割愛する。ここで用いられる用語の「ウェーハ」とは、最終的に利用される前に分断すべき複数の構成部品が形成された、任意の基板を意味する。
【0013】
図2Aは、複数の集積された電気光学モジュールがウェーハ段階でアセンブリされたときの拡大側面図である。サブマウントウェーハ(submount wafer)20は、その上に内部配線22を含む電気光学部品10を有する。同様に、光学ウェーハ(optics wafer)30が設けられ、その上に対応する光学部品40が形成されている。スペーサウェーハ50は、光学ウェーハ30とサブマウントウェーハ20とを隔絶する。スペーサウェーハ50は、光学部品40と能動部品10との間を光が透過できるような経路52を有する。図2Aに示すように、スペーサウェーハ50がシリコンである場合、これらの経路52は、エッチングにより形成することができる。
【0014】
図2Aにおいて、スペーサウェーハ50は、同様にエッチングを用いて形成された凹部54を有する。これらの凹部54は、接合領域24の上方に配置され、ライン62および64に沿って分断したとき、分断されたモジュールにおける接合領域24は、図2Bに示すようにアクセスが可能である。こうして、電気光学部品10のために必要な電気的接続を容易に実現することができる。この分断方法は、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50を、ライン62に沿ってダイシングするステップと、3つ全てのウェーハをライン64に沿ってダイシングするステップとを有する。択一的には、幅広のブレードを用いて、ライン62および64の間の全体幅で、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50を分断した後、薄いブレードを用いてサブマウントウェーハ20だけを分断してもよい。固定された構造物を反転させて、サブマウントウェーハ20だけのダイシングを容易にすることもできる。
【0015】
択一的な構成例を図3Aおよび図3Bに示すが、スペーサウェーハ50は、接合領域24の上方に、凹部54ではなく、孔56を有する。分断するライン65および64は、同じであるが、上述のいずれかのプロセスを用いて実現することができる。ただし結果として得られる構造物には、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50が形成されない。
【0016】
別の実施形態を図4Aおよび図4Bに示す。ここでは、同じ能動部品10を形成するのではなく、サブマウントウェーハ20上の接合領域24の対、および隣接する構造物が互いに鏡像関係となるように構成される。これにより、大きな凹部58を形成し、2つの接合領域24および24’を配置することができる。分断ライン76に沿って分断するステップは、従来手法を用いて行うことができる。分断ライン70および72に沿って分断するステップは、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50だけを分断し、一方のラインに沿ってダイシングするか、分断ライン70および72の間のギャップの幅をカバーする幅広のダイシングブレードを用いてダイシングすることにより実現することができる。その後、サブマウントウェーハ20を、好適には薄いブレードを用いて、分断ライン74に沿って分断する。
【0017】
図5は別の実施形態を示し、これはより少ない分断ステップを必要とする。ここでもスペーサウェーハ50は孔36を有する。光学ウェーハ30も同様に、エッチングして得られた孔36を有し、各モジュールに必要とされる異なる光学部品を分離する。図示したように、サブマウントウェーハ20は、内部配線を要する2つの電気光学部品10および12を有する。これらの電気光学部品は互いに異なり、電気光学部品12はサブマウントウェーハ20にモノリシックに集積される。追加的な光学部品42が、電気光学部品12のために、光学ウェーハ30上に形成される。このとき、個々のモジュールを形成するために、分断ライン80に沿ってサブマウントウェーハ20だけを分断すればよい。
【0018】
別の実施形態を図6Aおよび図6Bに示す。ここでは、接合パッド124が光学ウェーハ30上に有する。能動部品10と接合パッド124とを接続する内部配線は、サブマウントウェーハ20および光学ウェーハ30上に形成される。図6Aおよび図6Bに示すように、サブマウントウェーハ20と光学ウェーハ30との間は、半田ボール90として図示されたような電気的導電性を有する材料を介して接続される。これまでの実施形態で用いられたスペーサによれば、能動部品10から光学ウェーハ30上の接合パッド24までの配線を形成するために必要な領域において金属被膜してもよい。ここでライン92,94,96で分断することにより、モジュールの分断を実現し、そして光学ウェーハ30が少なくとも一方向においてサブマウントウェーハ20を越えて拡張するモジュールを形成し、その結果、容易にアクセスできる接合パッド124を実現する。
【0019】
別の変形例を図7Aおよび図7Bに示す。接合パッド124が光学ウェーハ30上に形成され、別の接合パッド24がサブマウントウェーハ20上に形成される。この実施形態では、スペーサウェーハ50が同様に設けられる。接合パッド124と能動部品10を接続する内部配線122は、サブマウントウェーハ20、スペーサウェーハ50、および光学ウェーハ30の上に形成される。内部配線122は、サブマウントウェーハ20と光学ウェーハ30との間において、図7Aおよび図7Bに示すように延びている。択一的には、金属または他の電気的導電性を有する材料を用いてウェーハ上にパターン形成し、このとき、サブマウントウェーハ20および光学ウェーハ30の上だけに内部配線122を形成し、スペーサウェーハ50の上に電気的導電性を有する材料を形成する。ここでライン93,95,97,99で分断することにより、モジュールの分断を実現し、その結果、接合パッド124に容易にアクセスできるように、光学ウェーハ30が少なくとも一方向においてサブマウントウェーハ20を越えて拡張するモジュールを形成するとともに、接合パッド24に容易にアクセスできるように、サブマウントウェーハ20が少なくとも一方向において光学ウェーハ30を越えて拡張するモジュールを形成する。
【0020】
図8に示すように、上記実施形態のいずれかで形成されたモジュールを、フレキシブルなプリント回路基板(PCB)100に直接固定することができる。上記実施形態において、モジュールの断面図を示したが、図8のモジュール110に示すように、電気光学部品と接合領域の任意の対をアレイ状に形成してもよい。
【0021】
上述の分断ステップに起因して、接合領域を有するウェーハが拡張することにより形成される段差部26により、PCB100などの別の装置との電気的接続を容易に実現することができる。さらに、接合パッド24を含むウェーハ(ここではマウントウェーハ20)、あるいは他方のウェーハ(ここでは光学ウェーハ30)に段差部28を形成して、PCBのフレックスリードに対する機械的応力を緩和するように、モジュール110を分断してもよい。こうした段差部28は、周囲全体に延びていてもよい。
【0022】
ウェーハ段階で形成された光学アセンブリを、光学アセンブリの残りの構成部品として積層されないシステムに集積する際に、電気的内部配線が段差部28の上に形成されない場合であったとしても、こうした段差部を支持部材および/または位置合わせ部材として利用することができる。例えば、図9に示すように、光学サブアセンブリ130を収容するための孔125を有する回路基板120に実装される光学サブアセンブリ130は、回路基板に対して機械的に支持し、そして/または位置合わせするための段差部128を有する。この段差部128は、光学サブアセンブリ130の周囲全体に延びていてもよい。光学サブアセンブリ130および段差部128は、ウェーハ段階で形成してもよい。段差部128は、回路基板120を光学サブアセンブリ130に位置合わせしやすくするための位置合わせ機能を有していてもよい。段差部128は、光学サブアセンブリ130を回路基板120に実装するための機械的実装表面を有していてもよい。固定の際に段差部128を用いると、接合材料が光学表面に付着しないようにすることができる。
【0023】
接合材料が異なる場合、ウェーハ1つまたはそれ以上の方向に拡張する場合、スペーサウェーハが異なるか、スペーサウェーハを全く有さない実施形態などのように、本発明は、明らかに、数多くの変形例において実現することができる。こうした変形例は、本発明の範疇から逸脱しないものとみなされる。当業者ならば明らかな全ての変形例は、添付されたクレームに含まれると意図されている。
【符号の説明】
【0024】
10 能動部品、20 サブマウントウェーハ、22,122 内部配線、24,124 接合領域、28 段差部、30 光学ウェーハ、36,56 孔、40 光学部品、50 スペーサウェーハ、54,58 凹部、62,64,65,74,92〜99 分断ライン、100 PCB。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ上のモジュールを分断する技術に関し、とりわけ扱いやすい電気的入力−出力端子を有する電気光学モジュールをウェーハ段階で形成する際に用いられる技術に関する。さらに本発明は、光学モジュールを、例えば回路基板などの別の構造物に集積するための機械的に支持する棚部を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
光学部品を含む電気デバイスをウェーハ段階で集積する上で直面する課題は、どのように電気的接続を形成するかである。典型的なウェーハのアセンブリ方法および分断方法によれば、極めて優れた光学アセンブリを製造することができるが、図1に示すように、電気的接続を形成できる場所がない。図1において、サブマウント20上に実装された能動部品10と、光学部品40を含む光学ブロック30とを有する。サブマウント20上に内部配線22を形成し、能動部品10と電気信号を授受する。垂直キャビティ表面発光レーザ(VCSEL)などの能動部品10をウェーハ段階でサブマウント20上に実装し、光学部品や任意のスペーサを能動部品10に対して位置合わせし、集積することができる。個々のモジュールを分断するとき、能動部品10に対する電気配線22はアクセスが困難となる。
【0003】
プリント回路基板、またはウェーハ段階で形成される積層構造物と連続しない平らなシステムに、ウェーハ段階で形成された光学部品を集積しようとすると、別の問題が生じる。すなわち、集積に際して、支持および位置合わせが問題となる。
【0004】
1つの潜在的な解決手法は、光学部品とスペーサをウェーハ段階でアセンブリし、個々のサブマウントに分断し、接合させることである。しかしながら、これによれば、ウェーハ段階でアセンブリする際の利点が十分に得られない。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は、ウェーハ段階で形成された電気光学モジュールにおいて、電気光学部品に対する内部配線を提供する方法および構造に関し、これにより上述の課題の少なくとも1つが解決される。
【0006】
同様に、本発明は、ウェーハを基にした光学サブアセンブリを、積層されないシステムに集積するために位置合わせし、支持する方法および構造に関する。
【0007】
上述の、他の目的のうちの少なくとも1つが、電気光学モジュールを製造する方法を提供することにより達成されて、その方法は、複数の能動部品を含む能動部品ウェーハを形成するステップと、複数の部材を含む部材ウェーハを能動部品に位置合わせするステップと、能動部品ウェーハおよび部材ウェーハのうちの少なくとも一方に、電気的接合パッドを形成するステップと、集積ウェーハを形成するために、能動部品ウェーハおよび部材ウェーハを固定するステップと、集積ウェーハから複数のダイに分断するステップとを有し、少なくとも1つのダイは、少なくとも1つの能動部品と部材を含み、分断ステップは、電気的接合パッドを含むウェーハの少なくとも一部分が他のウェーハを越えて拡張するように、集積ウェーハを貫通する異なる垂直ラインに沿って分断することを特徴とする。
【0008】
上述の、他の目的のうちの少なくとも1つが、電気光学的な集積モジュールを提供することにより達成されて、そのモジュールは、第1の基板上にある能動部品と、第2の基板上にある部材と、第1および第2の基板の一方の上にある接合パッドとを備え、第1および第2の基板は、垂直方向において、互いに固定され、第1および第2の基板のうちの接合パッドを有する一方の基板の一部分が、他方の基板よりも、少なくとも1方向において拡張していることを特徴とする。
【0009】
上述の、他の目的のうちの少なくとも1つが、装置を提供することにより達成されて、その装置は、孔を含む平らな構造物と、基板の表面上に形成された光学部品と、光学部品を含む表面は、平らな構造物の孔を貫通して延び、光学部品を含む表面と集積された実装表面と、実装表面は、少なくとも一方向において、基板を越えて拡張し、実装表面を介して光学部品を平らな構造物に固定するための固定メカニズムとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のこれらの、他の目的は、以下に記載の詳細な説明から容易に理解される。ただし、本発明の精神および範疇に含まれるさまざまな変形例および変更例が、当業者ならば、この詳細な説明から明らかであるので、詳細な説明および特定の具体例は、本発明の好適な実施形態を示唆するものであるが、本発明を説明するためだけのものであると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ウェーハ段階で形成され、従来手法を用いて分断された電気光学モジュールの概略斜視図である。
【図2A】図2Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図2B】図2Bは、本発明に基づき分断された後の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図3A】図3Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図3B】図3Bは、本発明に基づき分断された後の図3Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図4A】図4Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図4B】図4Bは、本発明に基づき分断された後の図4Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図5】図5は、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図6A】図6Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図6B】図6Bは、本発明に基づき分断された後の図6Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図7A】図7Aは、本発明に基づき分断される前の複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図7B】図7Bは、本発明に基づき分断された後の図7Aに示す複数の電気光学モジュールの概略側面図である。
【図8】図8は、本発明に基づき、図2Bに示す電気光学モジュールをフレキシブルなプリント回路基板に接続した際の上から見た図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の記載において、本発明を十分に理解できるように、特定の詳細な構成物を開示するが、これは説明のためであって、何ら限定するものではない。当業者ならば理解されるように、これらの詳細な構成物から逸脱しない他の実施形態においても、本発明を実現することができる。本発明の説明を理解しやすくするために、他の態様、広く知られた装置や方法に関し、本発明とは無関係な細部の説明を割愛する。ここで用いられる用語の「ウェーハ」とは、最終的に利用される前に分断すべき複数の構成部品が形成された、任意の基板を意味する。
【0013】
図2Aは、複数の集積された電気光学モジュールがウェーハ段階でアセンブリされたときの拡大側面図である。サブマウントウェーハ(submount wafer)20は、その上に内部配線22を含む電気光学部品10を有する。同様に、光学ウェーハ(optics wafer)30が設けられ、その上に対応する光学部品40が形成されている。スペーサウェーハ50は、光学ウェーハ30とサブマウントウェーハ20とを隔絶する。スペーサウェーハ50は、光学部品40と能動部品10との間を光が透過できるような経路52を有する。図2Aに示すように、スペーサウェーハ50がシリコンである場合、これらの経路52は、エッチングにより形成することができる。
【0014】
図2Aにおいて、スペーサウェーハ50は、同様にエッチングを用いて形成された凹部54を有する。これらの凹部54は、接合領域24の上方に配置され、ライン62および64に沿って分断したとき、分断されたモジュールにおける接合領域24は、図2Bに示すようにアクセスが可能である。こうして、電気光学部品10のために必要な電気的接続を容易に実現することができる。この分断方法は、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50を、ライン62に沿ってダイシングするステップと、3つ全てのウェーハをライン64に沿ってダイシングするステップとを有する。択一的には、幅広のブレードを用いて、ライン62および64の間の全体幅で、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50を分断した後、薄いブレードを用いてサブマウントウェーハ20だけを分断してもよい。固定された構造物を反転させて、サブマウントウェーハ20だけのダイシングを容易にすることもできる。
【0015】
択一的な構成例を図3Aおよび図3Bに示すが、スペーサウェーハ50は、接合領域24の上方に、凹部54ではなく、孔56を有する。分断するライン65および64は、同じであるが、上述のいずれかのプロセスを用いて実現することができる。ただし結果として得られる構造物には、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50が形成されない。
【0016】
別の実施形態を図4Aおよび図4Bに示す。ここでは、同じ能動部品10を形成するのではなく、サブマウントウェーハ20上の接合領域24の対、および隣接する構造物が互いに鏡像関係となるように構成される。これにより、大きな凹部58を形成し、2つの接合領域24および24’を配置することができる。分断ライン76に沿って分断するステップは、従来手法を用いて行うことができる。分断ライン70および72に沿って分断するステップは、光学ウェーハ30およびスペーサウェーハ50だけを分断し、一方のラインに沿ってダイシングするか、分断ライン70および72の間のギャップの幅をカバーする幅広のダイシングブレードを用いてダイシングすることにより実現することができる。その後、サブマウントウェーハ20を、好適には薄いブレードを用いて、分断ライン74に沿って分断する。
【0017】
図5は別の実施形態を示し、これはより少ない分断ステップを必要とする。ここでもスペーサウェーハ50は孔36を有する。光学ウェーハ30も同様に、エッチングして得られた孔36を有し、各モジュールに必要とされる異なる光学部品を分離する。図示したように、サブマウントウェーハ20は、内部配線を要する2つの電気光学部品10および12を有する。これらの電気光学部品は互いに異なり、電気光学部品12はサブマウントウェーハ20にモノリシックに集積される。追加的な光学部品42が、電気光学部品12のために、光学ウェーハ30上に形成される。このとき、個々のモジュールを形成するために、分断ライン80に沿ってサブマウントウェーハ20だけを分断すればよい。
【0018】
別の実施形態を図6Aおよび図6Bに示す。ここでは、接合パッド124が光学ウェーハ30上に有する。能動部品10と接合パッド124とを接続する内部配線は、サブマウントウェーハ20および光学ウェーハ30上に形成される。図6Aおよび図6Bに示すように、サブマウントウェーハ20と光学ウェーハ30との間は、半田ボール90として図示されたような電気的導電性を有する材料を介して接続される。これまでの実施形態で用いられたスペーサによれば、能動部品10から光学ウェーハ30上の接合パッド24までの配線を形成するために必要な領域において金属被膜してもよい。ここでライン92,94,96で分断することにより、モジュールの分断を実現し、そして光学ウェーハ30が少なくとも一方向においてサブマウントウェーハ20を越えて拡張するモジュールを形成し、その結果、容易にアクセスできる接合パッド124を実現する。
【0019】
別の変形例を図7Aおよび図7Bに示す。接合パッド124が光学ウェーハ30上に形成され、別の接合パッド24がサブマウントウェーハ20上に形成される。この実施形態では、スペーサウェーハ50が同様に設けられる。接合パッド124と能動部品10を接続する内部配線122は、サブマウントウェーハ20、スペーサウェーハ50、および光学ウェーハ30の上に形成される。内部配線122は、サブマウントウェーハ20と光学ウェーハ30との間において、図7Aおよび図7Bに示すように延びている。択一的には、金属または他の電気的導電性を有する材料を用いてウェーハ上にパターン形成し、このとき、サブマウントウェーハ20および光学ウェーハ30の上だけに内部配線122を形成し、スペーサウェーハ50の上に電気的導電性を有する材料を形成する。ここでライン93,95,97,99で分断することにより、モジュールの分断を実現し、その結果、接合パッド124に容易にアクセスできるように、光学ウェーハ30が少なくとも一方向においてサブマウントウェーハ20を越えて拡張するモジュールを形成するとともに、接合パッド24に容易にアクセスできるように、サブマウントウェーハ20が少なくとも一方向において光学ウェーハ30を越えて拡張するモジュールを形成する。
【0020】
図8に示すように、上記実施形態のいずれかで形成されたモジュールを、フレキシブルなプリント回路基板(PCB)100に直接固定することができる。上記実施形態において、モジュールの断面図を示したが、図8のモジュール110に示すように、電気光学部品と接合領域の任意の対をアレイ状に形成してもよい。
【0021】
上述の分断ステップに起因して、接合領域を有するウェーハが拡張することにより形成される段差部26により、PCB100などの別の装置との電気的接続を容易に実現することができる。さらに、接合パッド24を含むウェーハ(ここではマウントウェーハ20)、あるいは他方のウェーハ(ここでは光学ウェーハ30)に段差部28を形成して、PCBのフレックスリードに対する機械的応力を緩和するように、モジュール110を分断してもよい。こうした段差部28は、周囲全体に延びていてもよい。
【0022】
ウェーハ段階で形成された光学アセンブリを、光学アセンブリの残りの構成部品として積層されないシステムに集積する際に、電気的内部配線が段差部28の上に形成されない場合であったとしても、こうした段差部を支持部材および/または位置合わせ部材として利用することができる。例えば、図9に示すように、光学サブアセンブリ130を収容するための孔125を有する回路基板120に実装される光学サブアセンブリ130は、回路基板に対して機械的に支持し、そして/または位置合わせするための段差部128を有する。この段差部128は、光学サブアセンブリ130の周囲全体に延びていてもよい。光学サブアセンブリ130および段差部128は、ウェーハ段階で形成してもよい。段差部128は、回路基板120を光学サブアセンブリ130に位置合わせしやすくするための位置合わせ機能を有していてもよい。段差部128は、光学サブアセンブリ130を回路基板120に実装するための機械的実装表面を有していてもよい。固定の際に段差部128を用いると、接合材料が光学表面に付着しないようにすることができる。
【0023】
接合材料が異なる場合、ウェーハ1つまたはそれ以上の方向に拡張する場合、スペーサウェーハが異なるか、スペーサウェーハを全く有さない実施形態などのように、本発明は、明らかに、数多くの変形例において実現することができる。こうした変形例は、本発明の範疇から逸脱しないものとみなされる。当業者ならば明らかな全ての変形例は、添付されたクレームに含まれると意図されている。
【符号の説明】
【0024】
10 能動部品、20 サブマウントウェーハ、22,122 内部配線、24,124 接合領域、28 段差部、30 光学ウェーハ、36,56 孔、40 光学部品、50 スペーサウェーハ、54,58 凹部、62,64,65,74,92〜99 分断ライン、100 PCB。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積電気光学モジュールであって、
第1の基板(20)上に形成された電気光学能動部品(10)と、
第1の基板(20)上に形成された接合パッド(24)と、
第2の基板(30)上に形成された光学部品(40)と、
第1の基板(20)と第2の基板(30)の間に形成されたスペーサ(50)と、
電気光学能動部品(10)と光学部品(40)の間に経路(52)が形成され、
電気光学能動部品(10)が第1の基板(20)、第2の基板(30)およびスペーサ(50)により包囲され、
第1の基板(20)および第2の基板(30)は、これらの表面に対して垂直な方向においてスペーサ(50)を介して固定され、
第1の基板(20)は、少なくとも接合パッド(24)が形成された領域において、第2の基板(30)より長く延びていることを特徴とする集積電気光学モジュール。
【請求項2】
第1の基板(20)上に形成された内部配線(22)を有し、
電気光学能動部品(10)は、内部配線(22)を介して接合パッド(24)に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の集積電気光学モジュール。
【請求項3】
集積電気光学モジュールであって、
第1の基板(20)上に形成された電気光学能動部品(10)と、
第2の基板(30)上に形成された光学部品(40)と、
第2の基板(30)上に形成された接合パッド(124)と、
第1の基板(20)と第2の基板(30)の間に形成されたスペーサ(90)と、
電気光学能動部品(10)と光学部品(40)の間に経路(52)が形成され、
電気光学能動部品(10)が第1の基板(20)、第2の基板(30)およびスペーサ(50)により包囲され、
第1の基板(20)および第2の基板(30)は、これらの表面に対して垂直な方向においてスペーサ(90)を介して固定され、
第2の基板(30)は、少なくとも接合パッド(124)が形成された領域において、第1の基板(20)より長く延びていることを特徴とする集積電気光学モジュール。
【請求項4】
第1の基板(20)、スペーサ(90)および第2の基板(30)の上に形成された内部配線(122)を有し、
電気光学能動部品(10)は、内部配線(122)を介して接合パッド(124)に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の集積電気光学モジュール。
【請求項5】
スペーサ(90)は半田ボールであり、
第1の基板(20)および第2の基板(30)の上に形成された金属被膜を有し、
電気光学能動部品(10)は、半田ボールおよび金属被膜を介して接合パッド(124)に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の集積電気光学モジュール。
【請求項1】
集積電気光学モジュールであって、
第1の基板(20)上に形成された電気光学能動部品(10)と、
第1の基板(20)上に形成された接合パッド(24)と、
第2の基板(30)上に形成された光学部品(40)と、
第1の基板(20)と第2の基板(30)の間に形成されたスペーサ(50)と、
電気光学能動部品(10)と光学部品(40)の間に経路(52)が形成され、
電気光学能動部品(10)が第1の基板(20)、第2の基板(30)およびスペーサ(50)により包囲され、
第1の基板(20)および第2の基板(30)は、これらの表面に対して垂直な方向においてスペーサ(50)を介して固定され、
第1の基板(20)は、少なくとも接合パッド(24)が形成された領域において、第2の基板(30)より長く延びていることを特徴とする集積電気光学モジュール。
【請求項2】
第1の基板(20)上に形成された内部配線(22)を有し、
電気光学能動部品(10)は、内部配線(22)を介して接合パッド(24)に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の集積電気光学モジュール。
【請求項3】
集積電気光学モジュールであって、
第1の基板(20)上に形成された電気光学能動部品(10)と、
第2の基板(30)上に形成された光学部品(40)と、
第2の基板(30)上に形成された接合パッド(124)と、
第1の基板(20)と第2の基板(30)の間に形成されたスペーサ(90)と、
電気光学能動部品(10)と光学部品(40)の間に経路(52)が形成され、
電気光学能動部品(10)が第1の基板(20)、第2の基板(30)およびスペーサ(50)により包囲され、
第1の基板(20)および第2の基板(30)は、これらの表面に対して垂直な方向においてスペーサ(90)を介して固定され、
第2の基板(30)は、少なくとも接合パッド(124)が形成された領域において、第1の基板(20)より長く延びていることを特徴とする集積電気光学モジュール。
【請求項4】
第1の基板(20)、スペーサ(90)および第2の基板(30)の上に形成された内部配線(122)を有し、
電気光学能動部品(10)は、内部配線(122)を介して接合パッド(124)に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の集積電気光学モジュール。
【請求項5】
スペーサ(90)は半田ボールであり、
第1の基板(20)および第2の基板(30)の上に形成された金属被膜を有し、
電気光学能動部品(10)は、半田ボールおよび金属被膜を介して接合パッド(124)に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の集積電気光学モジュール。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【公開番号】特開2010−68001(P2010−68001A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284825(P2009−284825)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【分割の表示】特願2002−570363(P2002−570363)の分割
【原出願日】平成14年3月5日(2002.3.5)
【出願人】(399036475)ディジタル・オプティックス・コーポレイション (10)
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL OPTICS CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【分割の表示】特願2002−570363(P2002−570363)の分割
【原出願日】平成14年3月5日(2002.3.5)
【出願人】(399036475)ディジタル・オプティックス・コーポレイション (10)
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL OPTICS CORPORATION
【Fターム(参考)】
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