説明

電動パワーステアリング装置

【課題】二系統のモータを同期制御する制御装置の演算負荷を軽減できる電動パワ−ステアリング装置を提供する。
【解決手段】モータ制御指令出力手段31は、第1指令値演算手段30により生成された第1の指令値とモータ駆動系毎の電流をモータ駆動系電流加算手段により加算された電流値に基づき、第2指令値演算手段34,35により演算された第2指令値をモータ制御指令としてモータとこのモータを駆動する駆動回路から構成される二系統のモータ駆動系に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2台のモータを回転駆動することにより転舵輪の舵角を変更するようにした電動パワーステアリング装置として特許文献1に記載されたものがある。
この特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、一方のモータを第1駆動回路と第1制御装置により、他方のモータを第2駆動回路と第2制御装置により、それぞれ独立して制御している。即ち、二系統のモータを独立して制御することにより、転舵輪の舵角を変更している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−10024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記電動パワーステアリング装置は、二系統を独立して制御する方式ではあるが、転舵輪の舵角を変更するためには、双方のモータを適切に同期制御して駆動する必要がある。この同期制御を行うためには第1制御装置と第2制御装置の間で制御タイミングや動作状態を監視しながらモータを制御しなければならず、第1制御装置、第2制御装置のいずれも演算負荷が高くなるという問題があった。このような演算負荷が高くなると、適切な同期制御ができなくなり、追従遅れが発生し、操舵フィーリングの低下を招く原因となる。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、二系統のモータを同期制御する制御装置の演算負荷を軽減できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置は、ステアリング機構に操舵補助力を与えるモータとこのモータを駆動する駆動回路から構成される複数のモータ駆動系を備えた電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記操舵トルク及び前記車速に基づき、第1の指令値を演算する第1指令値演算手段と、前記モータ駆動系毎に設けられ、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段により検出された前記モータ駆動系毎の電流を加算するモータ駆動系電流加算手段と、前記第1の指令値と前記モータ駆動系電流加算手段により加算された電流値に基づき、第2の指令値を演算する第2指令値演算手段と、前記複数のモータ駆動系に、前記第2の指令値をモータ制御指令として出力する指令出力手段を備えたことを要旨とする。
【0007】
上記構成によれば、第1指令値演算手段により演算された第1の指令値とモータ駆動系毎の電流をモータ駆動系電流加算手段により加算された電流値に基づき、第2指令値演算手段により演算された第2指令値をモータ制御指令として複数のモータ駆動系に出力する。これにより、第2指令値演算手段の演算が複雑でなくなり演算負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、演算負荷の軽減を図ることができる電動パワ−ステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。
【図2】モータの概略構成図。
【図3】EPSの制御ブロック図。
【図4】同じくEPSの制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した二系統のモータを用いた実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、及びピニオンシャフト3cを連結している。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
【0011】
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、当該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
【0012】
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、駆動源であるモータ12が減速機構13を介してコラムシャフト3aと駆動連結された所謂コラムアシストタイプのEPSアクチュエータとして構成されている。そして、EPSアクチュエータ10は、このモータ12の回転を減速してコラムシャフト3aに伝達することにより、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する。
【0013】
一方、ECU11には、トルクセンサ14及び車速センサ15が接続されており、同ECU11は、これら各センサの出力信号により検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて操舵系に付与すべきアシスト力(目標アシスト力)を演算する。そして、その目標アシスト力をEPSアクチュエータ10に発生させるべく、駆動源であるモータ12に対する電力供給を通じて、当該EPSアクチュエータ10の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
【0014】
次に、本実施形態のEPSに用いる前記モータについて説明する。
図2に示すように、本実施形態のモータ12は、二系統のモータコイル21A,21Bを同一のステータ22に互いに位相をずらして巻回することにより形成されている。具体的には、第1系統のモータコイル21A(21ua,21va,21wa)及び第2系統のモータコイル21B(21ub,21vb,21wb)は、ステータ22の各ティース23A(23ua,23va,23wa),23B(23ub,23vb,23wb)に対して、それぞれその対応する相(u,v,w)毎に巻回されている。そして、これらの各ティース23A,23Bの径方向内側には、回転自在に支承されたロータ24が設けられている。
【0015】
即ち、二系統のモータコイル21A,21Bに共通のステータ22及びロータ24を有しており、ロータ24は、上記のように各ティース23A,23Bに巻回された各モータコイル21A,21Bが発生する起磁力に基づいて回転する。そして、本実施形態のECU11は、これらの各モータコイル21A,21Bに対して、それぞれ独立に駆動電力を供給することにより、そのモータトルクを制御する。
【0016】
図3に示すように、本実施形態のECU11は、上記各モータコイル21A,21Bに対応して設けられた二つの駆動回路26A,26Bと、これらの各駆動回路26A,26Bに対して、それぞれ制御信号Smc_a,Smc_bを出力するマイコン27とを備えている。
【0017】
具体的には,駆動回路26Aは、動力線28A(28ua,28va,28wa)を介して第1系統のモータコイル21Aに接続され、駆動回路26Bは、動力線28B(28ub,28vb,28wb)を介して第2系統のモータコイル21Bに接続されている。また、マイコン27の出力する制御信号Smc_aは、駆動回路26Aに入力され、もう一方の制御信号Smc_bは、駆動回路26Bに入力される。尚、本実施形態では、各駆動回路26A,26Bには、直列接続されたスイッチング素子対を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる周知のPWMインバータが採用されており、マイコン27の出力する各制御信号Smc_a,Smc_bは、その各相アームのオンduty比を規定するものとなっている。そして、本実施形態のECU11は、これらの各制御信号Smc_a,Smc_bに基づき各駆動回路26A,26Bが出力する駆動電力を、それぞれその対応する各モータコイル21A,21Bに供給する。
【0018】
詳述すると、図4に示すように、本実施形態のマイコン27は、目標アシスト力に対応するモータトルクを発生させるべく、モータ12に対する電力供給の電流指令値Iq*を生成するアシスト制御部30と、その電流指令値Iq*に基づいて上記二系統の制御信号Smc_a,Smc_bの出力を実行する制御信号出力部31(制御信号出力手段)と、各系統の電力供給路に生じた通電不良の発生を検知可能な異常検知部38とを備えている。
【0019】
本実施形態では、指令手段としてのアシスト制御部30は、上記トルクセンサ14により検出される操舵トルクτ及び車速センサ15により検出される車速Vに基づいて、上記目標アシスト力に対応した電流指令値Iq*を演算する。具体的には,その操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが遅いほど、より大きなアシスト力が発生するような電流指令値Iq*を演算する。そして、アシスト制御部30は、この操舵トルクτ及び車速Vに基づく電流指令値Iq*を、そのモータ12に対する電力供給の電流指令値Iq*として制御信号出力部31に出力する。
【0020】
一方、制御信号出力手段を構成する制御信号出力部31には、図3に示すように、図2の各系統のモータコイル21A,21Bに通電される各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_a及びIu_b,Iv_b,Iw_b並びにモータ12の回転角θa,θbが入力される。尚、本実施形態では、各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_a及びIu_b,Iv_b,Iw_bは、それぞれ、各系統の動力線28A,28Bに設けられた電流センサ32A(32ua,32va,32wa),32B(32ub,32vb,32wb)により独立に検出される一方、モータ12の回転角θa,θbは、共通の回転角センサ33により検出される。モータ回転角θbは、θaに基づいて演算により決定される。そして、本実施形態の制御信号駆動回路26A,26Bに対応した制御信号Smc_a,Smc_bを出力する。
【0021】
更に詳述すると、本実施形態の制御信号出力部31は、図4に示すように、第1系統(図2に示すモータコイル21A、図3に示す駆動回路26A、及び動力線28Aを含む系統)に対応するPWM変換部36A及び3相2相変換部37Aと、第2系統(図2に示すモータコイル21B、図3に示す駆動回路26B、及び動力線28Bを含む系統)に対応するPWM変換部36B、及び3相2相変換部37Bとを備えている。
【0022】
また、各3相2相変換部37A,37Bには、各電流センサ32A,32Bにより検出された各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_a及びIu_b,Iv_b,Iw_b、並びにモータ回転角センサ33により検出されたモータ回転角θa,θbが入力される。各3相2相変換部37は、入力されたモータ回転角θa,θbに基づいて、各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_a及びIu_b,Iv_b,Iw_bをd/q座標系のd軸電流値Id_a,Id_b及びq軸電流値Iq_a,Iq_bに変換する。そして、制御信号出力部31は、3相2相変換部37Aにより演算されたd軸電流値Id_aと3相2相変換部37Bにより演算されたd軸電流値Id_bとを加算し、d軸電流値Idとして電流制御部34に出力する。また、3相2相変換部37Aにより演算されたq軸電流値Iq_aと3相2相変換部37Bにより演算されたq軸電流値Iq_bとを加算し、q軸電流値Iqとして電流制御部35に出力する。そして、各電流制御部34、35は、その入力される制御指令Id*、Iq*に基づいて、それぞれ、電流フィードバック制御を実行する。
【0023】
具体的には、各3相2相変換部37A,37Bは、その対応する系統の各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_a及びIu_b,Iv_b,Iw_bを、モータ12の回転角θa,θbに従うd/q座標系のd軸電流値及びq軸電流値に変換する(d/q変換)。また、上記制御指令Iq*は、q軸電流指令値として入力される(d軸電流指令値は「0」)。そして、各電流制御部34、35は、そのd/q座標系における電流フィードバック制御の実行により得られるd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を出力する。各PWM変換部36A,36Bは、入力されたd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を三相の交流座標系上に写像することにより(d/q逆変換)、それぞれ、その対応する系統の各相電圧指令値Vu*_a,Vv*_a,Vw*_a及びVu*_b,Vv*_b,Vw*_bを演算する。そして、それぞれ、その対応する各相電圧指令値Vu*_a,Vv*_a,Vw*_a及びVu*_b,Vv*_b,Vw*_bに基づいて、その対応する系統の駆動回路26A,26Bに対する制御信号Smc_a,Smc_bの出力を実行する。
【0024】
次に、本実施形態におけるEPSの制御について説明する。
図4に示すように、本実施形態のマイコン27には、上記各モータコイル21A,21B(図2参照)に対応する各系統の電力供給路に生じた通電不良の発生を検知可能な異常検知部38が設けられている。
【0025】
具体的には,本実施形態の異常検知部38には、各系統のモータコイル21A,21Bに通電される各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_a及びIu_b,Iv_b,Iw_b、並びに各制御信号Smc_a,Smc_bが規定する各相のオンdutyを示すデューティ信号Sduty_b,Sduty_b及びモータ12の回転角速度ωが入力される。そして、検知手段としての異常検知部38は、これらの各状態量に基づいて、相毎に、各系統における通電不良の発生を検知する。
【0026】
即ち、何れかの相について、そのデューティ信号Sduty_b,Sduty_bが通電状態にあるべき状態にあることを示すにもかかわらず、その相電流値が非通電状態を示す値である場合には、当該相に通電不良が発生したものと判定することができる。そして、本実施形態の異常検知部38は、更に、モータの回転角速度ωに基づく速度条件を付加し、その逆起電圧の影響が顕在化する高速回転時は検知しないことにより、精度よく、その通電不良の発生を検知することが可能な構成となっている。
【0027】
また、本実施形態では、この異常検知部38による異常検知の結果が、異常検知信号S_trとして上記制御信号出力部31に入力されるようになっている。そして、本実施形態の制御信号出力部31は、上記各モータコイル21A,21Bに対応する二系統のうち、その一方の系統に通電不良の発生が検知された場合には、他方の系統の駆動回路に対する制御信号の出力を優先する。
【0028】
詳述すると、本実施形態の制御信号出力部31において、その通電不良の発生が第1系統である場合には、第1系統における電力供給を停止し、他方の上記モータコイル21Bに対応する第2系統の駆動回路26Bに対する制御信号Smc_bの出力を優先する。
【0029】
また、通電不良の発生が第2系統である場合には、第2系統における電力供給を停止し、第1系統の駆動回路26Aに対する制御信号Smc_aの出力を優先する。そして、本実施形態では、通電不良の発生がない場合、その第1系統の駆動回路26Aに対する制御信号Smc_a、及び第2系統の駆動回路26Bに対する制御信号Smc_bの両方を出力する。(通常動作時制御)
【0030】
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
本実施形態のモータは、二系統のモータコイルに共通のステータ及びロータを有しており、各モータコイルは、互いに位相をずらして配置されており、ロータは、上記のように各ティースに巻回された各モータコイルが発生する起磁力に基づいて回転する。そして、本実施形態の制御手段(ECU)は、これらの各モータコイルに対して、それぞれ駆動電力を供給することにより、そのモータトルクを制御する構成になっている。即ち、本実施形態のECUは、上記各モータコイルに対応して設けられた二つの駆動回路と、これらの各駆動回路に対して、それぞれ制御信号を出力するマイコンとを備えるようにした。
【0031】
また、指令手段により生成された電流指令値と各電流センサにより検出された二系統の各相電流値をd/q座標系に変換した電流値を加算した電流値との偏差に基づくフィードバック制御の実行により二系統の制御信号を出力するようにした。即ち、本実施形態では、二系統のモータコイルの位相がずれており各相電流値での加算ができないため、d/q座標系に変換した電流値を加算することとした。
【0032】
上記構成によれば、二系統のモータ駆動系が動作する場合に、モータ駆動系毎に検出された電流値を加算してフィードバック制御を行うことによりマイコンの演算負荷を軽減することができる。更に、マイコンの演算負荷が軽減したことにより1台のマイコンで同期して駆動が可能となる。
【0033】
また、ECUは、各モータコイルに対応する各系統の電力供給経路における通電不良の発生を検知可能な異常検知手段を有し、アシスト制御を実行している一方の系統について前記通電不良の発生が検知された場合には、前記通電不良が発生した系統の前記モータコイルの三相を開放し、他方の正常な系統において前記制御信号を出力しアシスト制御を継続するようにした。
【0034】
上記構成によれば、通電不良発生後の継続制御時にトルクリップルの発生がなく、操舵フィーリングの良い操舵を継続できる。
【0035】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、本発明をコラムアシストタイプのEPS1に具体化したが、本発明は、ピニオンアシストタイプやラックアシストタイプのEPSに適用してもよい。
・上記各実施形態では、EPSアクチュエータ10は、二系統のモータコイル21A,21Bに対して共通のステータ22及びロータ24を有するモータ12を駆動源とすることとした。しかし、これに限らず、各モータコイルが個別のステータ又は個別のロータを有する構成に具体化してもよい。そして、更に、2台のモータを駆動源とするものに適用してもよい。また、3つ以上のモータコイルを含む複数の系統を設けてもよい。
・また、各系統のモータコイルについては、その位相が互いにずれた関係となるように配置される構成としたが、同相となるように同一のティースにそれぞれ巻回されたモータコイルの構成であってもよい。
・更に、EPSの他、独立に設けられた二系統のモータコイルを備えたモータを制御するモータ制御システムに具体化してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1:電動パワーステアリング装置(EPS)、2:ステアリング、
3:ステアリングシャフト、3a:コラムシャフト、
3b:インターミディエイトシャフト、3c:ピニオンシャフト、
4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
6:タイロッド、7:転舵輪、10:EPSアクチュエータ、11:ECU、
12:モータ、13:減速機構、14:トルクセンサ、15:車速センサ、
21A,21B:モータコイル、22:ステータ、23A,23B:ティース、
24:ロータ、26A,26B:駆動回路、27:マイコン、28A,28B:動力線、
30:アシスト制御部、31:制御信号出力部、32A,32B:電流センサ、
33:モータ回転角センサ、34,35:電流制御部、
36A,36B:PWM変換部、37A,37B:3相2相変換部、38:異常検知部、
Iq*:q軸電流指令値、Id,Id_a,Id_a:d軸電流値、
Iq,Iq_a,Iq_b:q軸電流値、
Iu_a、Iv_a、Iw_a、Iu_b、Iv_b、Iw_b:各相電流値、
Vd*:d軸電圧指令値、Vq*:q軸電圧指令値、
Vu*_a,Vv*_a,Vw*_a,Vu*_b,Vv*_b,Vw*_b:各相電圧指令値、
Smc_a,Smc_b:制御信号、S_tr:異常検知信号、
Sduty_a,Sduty_b:デューティ信号、
θa,θb:モータ回転角、ω:モータ回転角速度、V:車速、τ:操舵トルク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリング機構に操舵補助力を与えるモータとこのモータを駆動する駆動回路から構成される複数のモータ駆動系を備えた電動パワーステアリング装置において、
操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記操舵トルク及び前記車速に基づき、第1の指令値を演算する第1指令値演算手段と、
前記モータ駆動系毎に設けられ、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出された前記モータ駆動系毎の電流を加算するモータ駆動系電流加算手段と、
前記第1の指令値と前記モータ駆動系電流加算手段により加算された電流値に基づき、第2の指令値を演算する第2指令値演算手段と、
前記複数のモータ駆動系に、前記第2の指令値をモータ制御指令として出力する指令出力手段を備えたこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−76644(P2012−76644A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224893(P2010−224893)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】