説明

電動モータユニットの検査装置及び検査方法

【課題】モータ制御装置と電動モータが一体となった組込みユニットに対応し、精度が高い電動モータの良否判定を行う。
【解決手段】電動モータユニット10に入力される入力トルク信号を取得し、電動モータMの出力トルクを検出し、電動モータMの温度を検出し、検出された電動モータMの出力トルクを温度で補正し、温度補正された電動モータMの出力トルクの、入力トルクに対する関係を、あらかじめ用意した電動モータの出力トルクの入力トルクに対する基準関係に近づけるように、電動モータユニット10内で電動モータMに供給されるモータ電流を補正する。このために補正に必要な値をEEPROM19に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータユニットの性能を検査する検査装置及び検査方法に関し、さらに詳細には、電動モータの温度や電動モータの出力トルクを考慮して電動モータユニットの品質の良否判定を行うことができる電動モータユニットの検査装置及び検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用の電動パワーステアリングに用いられる操舵補助電動モータは、ステアリングギア装置内に設けられ、ステアリングリンケージに接続される出力軸の作動を電動モータにより補助するもの、ステアリングホイールとステアリングギア装置との間に設けられ、ステアリングシャフトの回転を電動モータにより補助するように設けられたものなどがある。
【0003】
ステアリングホイールを大きく回転させて、車の進行方向に対してタイヤを大きく傾けるほど、ステアリングホイールを回転させるには大きな力を必要とする。従って、上述した電動モータにあってはステアリングホイールの操舵トルクが大きくなるに従いその補助力となる出力トルクが大きくなるように設定されている。
これら電動モータの動作特性は、車の基本品質に大きく係わるため、通常、当該電動モータが目的とする動作特性を備えているかどうかについて、車に装着する前に事前に検査が行われている。この検査装置の概略構成を図6に示す。
【0004】
図6は、電動モータの動作特性を調べるための検査装置の概略構成を示したブロック図である。同図に示すように、検査装置は、電動モータ及び電動モータを制御するモータ制御装置(ECU)に接続されて検査を行う。モータ制御装置の本来の動作については、後述する。
検査装置は、モータ制御装置から電動モータへ電流を供給する電線に設置された電流センサによって、電動モータに流れる電流を、モータ電流検出部において検出する。また、モータ制御装置のトルク信号入力端子にステアリングホイールの操舵トルクを模擬するためのトルク信号発生器がつながれ、このトルク信号発生器からのトルク信号は検査装置にも入力されている。
【0005】
一方、モータ制御装置の内部で、モータ電流は検出され、フィードバック制御に用いられている。このフィードバック制御によって、モータ制御装置から電動モータに供給されるモータ電流は、入力トルクに正確に対応したものとなっているはずである。しかし、実際には、モータ制御装置の内部のモータ電流検出誤差があり、モータ制御装置から電動モータに供給されるモータ電流は、入力トルクに正確に対応したものとなっていない場合がある。
【0006】
検査装置は、モータ電流検出部において検出されたモータ電流と入力トルクとの比(モータ電流/入力トルク=ゲイン)を算出し、その比が既定の値よりも離れていれば、ゲイン補正値算出部において、既定の値に近づくようにゲインの補正を行う。このゲイン補正値は、モータ制御装置に入力される。
モータ制御装置は、このゲイン補正値を、内蔵EEPROMに焼いて記憶し、この記憶された補正値を使ってモータ制御装置の内部で検出されるモータ電流をゲイン補正する。このようにして、モータ制御装置において、入力トルクに対応した正確なモータ電流を供給することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-325157号公報
【特許文献2】特開2000-193562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、モータ制御装置と電動モータが一体となった組込みユニットが使用されることがある。このような組込みユニットでは、モータ制御装置から電動モータへ電流を供給する電線が露出しておらず、電流センサを設置することはできないので、電動モータに流れる電流を検出できない。また、電動モータの出力トルクは電動モータの温度にも依存する。
【0009】
本発明の目的は、モータ制御装置と電動モータが一体となった組込みユニットに対応し、精度が高い良否判定を行うことができる検査装置及び検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電動モータユニットの検査装置は、電動モータに供給するモータ電流を制御するモータ制御装置に入力される入力トルクを模擬した入力信号を取得する入力信号取得手段と、電動モータの出力トルクを検出する出力トルク検出手段と、電動モータの温度を検出する温度検出手段と、出力トルク検出手段で検出された出力トルクを温度検出手段で検出した温度で補正する温度補正手段と、温度補正された電動モータの出力トルクの入力トルクに対する関係を、あらかじめ用意した電動モータの出力トルクの入力トルクに対する基準関係に近づけるように、モータ制御装置から電動モータに供給されるモータ電流を補正する電流補正手段とを有することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、まず、モータ制御装置に入力される入力トルク信号を模擬したデータと、検査対象電動モータの温度に関するデータと、検査対象電動モータの出力トルクデータとを取得する。そして、検出された出力トルクを、検出した温度で補正する。この補正は、出力トルクが温度によって変化することから、検出した出力トルクを所定の温度における出力トルクに換算することである。
【0012】
次に、温度補正後の電動モータの出力トルクと入力トルクとの関係を、あらかじめ用意した電動モータの出力トルクの入力トルクに対する関係に近づける。たとえば、温度補正後の電動モータの出力トルクと入力トルクとの比が、あらかじめ用意した電動モータの出力トルクと入力トルクとの比に一致しない場合、一致するように、モータ制御装置から電動モータに供給されるモータ電流を補正する。また温度補正後の電動モータの出力トルクと入力トルクとの差が、あらかじめ用意した電動モータの出力トルクと入力トルクとの差に一致しない場合、一致するように、モータ制御装置から電動モータに供給されるモータ電流を補正する。
【0013】
なお本発明において、モータ制御装置がモータ電流を補正するために使用する値が書き込まれる不揮発性メモリを有するものであれば、この不揮発性メモリに値を書いておけば、モータ制御装置と電動モータが一体となった組込みユニットは、以後この記憶値を読み出して、自己完成形の態様でモータ電流制御を行うことができる。
本発明の電動モータユニットの検査方法は、本発明の電動モータユニットの検査装置の発明と同一の発明に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、モータ制御装置と電動モータが一体となった組込みユニットのように、電動モータに流れる電流を外部から検出できない場合でも、検査対象電動モータの出力トルクデータと、検査対象電動モータの温度に関するデータとを取得し、それらのデータに基づいてモータ制御装置から電動モータに供給されるモータ電流を補正している。よって、電動モータの温度や出力トルクの大きさに対応し、精度が高い良否判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータユニットと、それに適用される検査装置との電気的構成と制御機能を説明するためのブロック図である。
【図2】モータ通電時の電流値を一定とし、温度が変化した場合の出力トルクの変化を示すグラフである。
【図3】出力トルクと入力トルクとの比のばらつきを示すグラフである。
【図4】検査対象電動モータの検査工程を示すフローチャートである。
【図5】図1の変形例を示すブロック図である。
【図6】従来の電動パワーステアリング装置に用いられる制御装置と、電動モータと、それに適用される検査装置との電気的構成と制御機能を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、電動パワーステアリング装置に用いられる制御装置及び電動モータユニット(以下「電動モータユニット」という)並びにそれに適用される検査装置の電気的構成と制御機能を説明するためのブロック図である。
電動モータユニット10は、車両の舵取り機構に減速機構を介して操舵補助力を与える操舵補助電動モータ(「電動モータM」という)と、トルクセンサ(図示せず)が検出する操舵トルクに応じて当該電動モータMを制御することにより操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現するモータ制御装置(ECU)とが1つの筐体に組込まれて、1つのユニットとなったものである。
【0017】
電動モータMは、この実施形態では、三相電動モータであり、界磁としてのロータと、このロータに対向するステータに配置されたU相、V相及びW相のステータ巻線とを備えている。電動モータMは、ロータの外部にステータを対向配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを対向配置したアウターロータ型のものであってもよい。
【0018】
電動モータユニット10は、車両を操向するためのステアリングホイールに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ(図示せず)のトルク信号を入力するための入力端子11と、この入力端子11につながれ、入力されたトルク信号に基づいて操舵トルクを検出する操舵トルク検出部12とを備えている。
さらに、電動モータユニット10は、操舵トルク検出部12によって検出された操舵トルクに基づいて電流指令値を生成する基本アシスト制御部13と、電流指令値と検出されたモータ電流との差(電流偏差)を演算し、この電流偏差をなくすように、PI(比例積分)制御するモータ電流制御部14と、モータ電流制御部14の出力にもとづいてPWM(Pulse Width Modulation)モータ駆動電流を生成するモータ駆動部15とを備えている。
【0019】
基本アシスト制御部13は、検出される操舵トルクに対して、あらかじめトルク−電流の関係を設定したマップを適用して、トルクに対応する電流指令値を生成する。
検出された操舵トルクは、例えば左方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、右方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、電流指令値は、電動モータMから左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータMから右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。
【0020】
電動モータユニット10は、モータ電流検出部16を有する。
モータ電流検出部16は、電動モータMのステータ巻線51、52、53(図2参照)を流れる電流を検出する。より具体的には、モータ電流検出部16は、三相(U相、V相及びW相)のステータ巻線における相電流をそれぞれ検出する電流検出器を有する。
この電流検出器によって検出された電流は、電流補正部17に入力される。電流補正部17は、検出電流に対してゲイン補正、オフセット補正を行い、補正後の電流値をモータ電流制御部14に提供する。
【0021】
モータ電流制御部14は、補正後の電流値と、基本アシスト制御部13から与えられた電流指令値との差がなくなるように、モータ駆動部15に出力する電流を制御する。
電動モータユニット10のモータ電流検出部16、モータ駆動部15以外の部分は、CPU及びメモリ(ROM及びRAMなど)を備えるマイクロコンピュータで構成されており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能する。
【0022】
次に、電動モータユニットの検査装置20の構成を説明する。検査装置20は、電動モータMの出力トルクを検出するトルクセンサ21と、電動モータMの温度(具体的にはモータ外周部の温度)を検出する熱伝対などの温度センサ22とを、電動モータMに取り付けている。トルクセンサ21からの出力信号はモータトルク検出部23に入り、ここでモータトルク値が出力される。温度センサ22の検出信号は温度検出部24に入り、ここで温度値に変換され出力される。
【0023】
温度補正部25は、出力トルク値を温度に応じて補正する。モータのトルクはモータの温度によって変化することが知られており、具体的には、図2に示すように電流値を固定してモータの温度を変化させると、温度が高いほどトルクが小さく、温度が低いほどトルクが大きい傾向がある。
そこで温度補正部25は、入力されたモータトルク値を、既定の温度におけるモータトルク値に換算して出力する。既定の温度は、何度に設定しても良いが、例えば常温(27度C)とする。
【0024】
一方、検査装置20は、トルク信号発生器30から供給される入力トルク信号を検出する入力トルク検出部27とゲイン補正部26とを備えている。ゲイン補正部26は、入力トルク検出部27で検出された入力トルクに対する、既定の温度での出力トルクの理想的な特性を記録したテーブルを持っている。
ゲイン補正部26は、トルク信号発生器30から供給される入力トルク信号をこのテーブルに適用して理想的な出力トルク値T0を求め、理想的な出力トルク値T0と、温度補正部25から入力された既定の温度に換算された出力トルク値T1との比を求める。この比をトルクゲインR1(R1=T1/T0)と定義する。トルクゲインR1の値は、電動モータユニット10の試験端子18に出力される。
【0025】
図3は、入力トルクと出力トルクとの関係をグラフに示したものであり、この傾きがトルクゲインとなる。理想的な出力トルク特性を実線で示しており、トルクゲインがこれよりも大きな場合と小さな場合に、理想的な出力トルク特性に戻るように制御する。
すなわち電動モータユニット10の電流補正部17は、モータ電流検出部16において検出されたモータ電流IMに、試験端子18から入力されたトルクゲインR1をかけて、モータ電流IMを補正する。すなわち補正後のモータ電流IM′は、
IM′=IM×R1・・・(1)
となる。この(1)式は、モータMから計測される実際のトルク値が、入力トルクから推定される理想的な出力トルク値を上回っていれば、トルクゲインR1をかけることによって、モータ電流検出部16で過小に評価されたモータ電流IMを補正するものである。モータMから計測される実際のトルク値が、入力トルクから推定される理想的な出力トルク値を下回っていれば、トルクゲインR1をかけることによって、モータ電流検出部16で過大に評価されたモータ電流IMを補正する。
【0026】
なお、試験端子18から入力されるトルクゲインR1は、電動モータユニット10のEEPROM(不揮発性メモリ)19に記憶させて、検査終了後は、この記憶されたトルクゲインに基づいて電流補正を行い、正しいモータ電流に基づいてモータが駆動されるようにする。
図4は電動モータユニットの検査方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
検査装置20のコンピュータは、トルク信号発生器30から供給される入力トルク信号を取り込むとともに(S1)、モータトルク検出部23においてモータトルクを検出し(S2)、温度検出部24において電動モータMの温度を検出する(S3)。そして、出力トルク値を温度に応じて補正する(S4)。具体的には、上に説明したとおり入力されたモータトルク値を、既定の温度におけるモータトルク値に換算して出力する。次に、温度補正されたモータトルクと、あらかじめ設定された当該温度における理想的なトルクとの比(トルクゲインR1)を演算する(S5)。このトルクゲインR1が1又は1に近い値(たとえば0.9から1.1の範囲)であれば、モータ電流IMがすでにモータ電流検出部16において正確に検出されているとみなして、電動モータユニット10にトルクゲインR1を提供しない(S6のNo)。トルクゲインR1が、1よりも大きな値(たとえば1.1以上)又は1よりも小さな値(たとえば0.9以下)であれば、モータ電流IMがモータ電流検出部16において正確に検出されていないとみなして、トルクゲインR1を試験端子18に提供する(S6のYes)。
【0028】
電動モータユニット10は、試験端子18から入力されたトルクゲインR1の値をEEPROM19に書き込み(S7)、この値に基づいて、上に説明したとおりの補正((1)式参照)を行って補正後のモータ電流を求め、この補正後のモータ電流を用いてモータ電流制御を行う。
検査装置20のコンピュータは、電動モータユニット10にトルクゲインR1を提供した後、もう一度ステップS1に戻り、S1〜S5までの処理を繰り返す。ステップS6でトルクゲインR1を再度算出し、1又は1に近い値(たとえば0.9〜1.1)になっていれば、電動モータユニット10において適正な補正が行われたことが確認できる。もしトルクゲインR1が、1よりも大きな値(たとえば1.1以上)又は1よりも小さな値(たとえば0.9以下)であれば、電動モータユニット10において補正が適正に行われなかったとみなして、もう一度ステップS1に戻る。このようなループを所定回数繰り返すようであれば、その電動モータユニット10は不良であると判断する。「所定回数」は実際運用してみて電動モータユニット10の良/不良を正しく反映するように決定される数である。
【0029】
したがって、この検査を通過した電動モータユニット10は、補正された適正なモータ電流検出値に基づいて電動モータを駆動することができる。
図5は、本発明の変形例を示す図であり、電動モータユニット及びそれに適用される検査装置の電気的構成と制御機能を説明するためのブロック図である。図1と異なるところのみ説明する。
【0030】
図1の構成では、試験端子18から入力されたトルクゲインR1は電流補正部17に入力され、前記(1)式に基づいて、モータ電流検出部16において検出されたモータ電流IMを補正していた。しかし図5の構成では、基本アシスト制御部13から出力される電流指令値を、増幅器17aを介して増幅している。増幅器17aは、試験端子18から入力されたトルクゲインR1を用いて、その増幅率を補正する。具体的には、増幅器17aは、基本アシスト制御部13から出力される電流指令値に、試験端子18から入力されたトルクゲインR1の逆数をかけて、電流指令値を補正する。この構成によって、モータMから計測される実際のトルク値が、入力トルクから推定される理想的な出力トルク値と違っていれば、電流指令値にトルクゲインR1の逆数をかけることによって、モータ電流検出部16で誤検出されたモータ電流IMを、間接的に補正することができる。
【0031】
以上詳細に説明したように本実施形態の検査装置20では、モータトルク検出部23にて検査対象電動モータMの出力トルクを計測することとしている。さらには、温度検出部24にて検査対象電動モータMの温度を計測することとしている。そしてこの温度を元にして、既定の温度における電動モータMの出力トルクを推定する。さらにトルク信号発生器30から出力される入力トルク値を取り込み、温度補正された前記出力トルクと入力トルクとの比に基づいて、電動モータに流れる電流値の適否判定を行っている。したがって、電動モータ自体を既定の温度に維持する必要がなく、電動モータの温度や電流の大きさに対応した精度が高い良否判定を行うことができる。
【0032】
なお、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能である。例えば、本形態の実施例では、理想的な出力トルク値T0と既定の温度に換算された出力トルク値T1との比を求めていたが比でなく、理想的な出力トルク値T0と既定の温度に換算された出力トルク値T1との差を求め、この差に基づいて電動モータユニット10において補正が行われるようにしてもよい。差に基づく場合、トルク差を電流差に換算するために所定の係数をかける処理が必要となる。また、基本アシスト制御部13は、操舵トルクに基づいて電流指令値を算出していたが、車速信号を考慮して車速が大きいほど電流指令値が小さくなるように電流指令値を算出してもよい。また、電動モータMの温度に関するデータは、直接計測器にて計測したデータでもよいし、電動モータMの逆起電圧等から出力トルクデータを取得したときのロータの温度を推定したデータでもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…電動モータユニット、12…操舵トルク検出部、13…基本アシスト制御部、14…モータ電流制御部、15…モータ駆動部、16…モータ電流検出部、17…電流補正部、19…EEPROM、21…トルクセンサ、22…温度センサ、23…モータトルク検出部、24…温度検出部、25…温度補正部、27…入力トルク検出部、26…ゲイン補正部、30…トルク信号発生器、M…検査対象電動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータに供給するモータ電流を制御するモータ制御装置と前記電動モータとが一体となった組込みユニットにおける前記電動モータの性能を検査する、電動モータユニットの検査装置であって、
前記モータ制御装置に入力される入力トルクを模擬した入力信号を取得する入力信号取得手段と、
前記電動モータの出力トルクを検出する出力トルク検出手段と、
前記電動モータの温度を検出する温度検出手段と、
前記出力トルク検出手段で検出された出力トルクを、前記温度検出手段で検出した温度で補正する温度補正手段と、
温度補正された電動モータの出力トルクの前記入力トルクに対する関係を、あらかじめ用意した電動モータの出力トルクの入力トルクに対する関係に近づけるように、前記モータ制御装置から前記電動モータに供給されるモータ電流を補正する電流補正手段とを有することを特徴とする電動モータユニットの検査装置。
【請求項2】
前記電流補正手段は、前記モータ制御装置の不揮発性メモリに、モータ電流を補正するために使用する値を書き込むものである請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記モータ制御装置は電動パワーステアリング装置に使用される操舵制御装置であり、前記電動モータは電動パワーステアリング装置に使用される操舵補助モータである請求項1又は請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
電動モータに供給するモータ電流を制御するモータ制御装置と電動モータが一体となった組込みユニットにおける前記電動モータの性能を検査する、電動モータユニットの検査方法であって、
前記モータ制御装置に入力される入力トルクを模擬した入力信号を取得する入力信号取得工程と、
前記電動モータの出力トルクを検出する出力トルク検出工程と、
前記電動モータの温度を検出する温度検出工程と、
前記出力トルク検出工程で検出された出力トルクを、前記温度検出工程で検出された温度で補正する温度補正工程と、
温度補正された電動モータの出力トルクの前記入力トルクに対する関係を、あらかじめ用意した電動モータの出力トルクの入力トルクに対する基準関係に近づけるように、前記モータ制御装置から前記電動モータに供給されるモータ電流を補正する電流補正工程とを有することを特徴とする検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−112813(P2012−112813A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262411(P2010−262411)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】