説明

電動車両の充電システム及び充電方法

【課題】供給可能な電力が制限されている環境において複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行えるようにする。
【解決手段】充電予約された充電設備4に供給されている電流値Irに、その充電予約についての充電に際し充電設備4に供給される最大充電電流Δiを加えて求まる電流値Ir+Δiが、最大許容電流Imax以下であれば、その充電設備4への給電を開始し、電流値Ir+Δiが最大許容電流Imaxを超えている場合は、その充電予約を待機状態として管理する。充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えている他の充電設備4への給電を停止し、管理している充電予約について求めた電流値Ir+Δiが電源3が供給可能な最大の電流値である最大許容電流Imax以下であれば、他の充電予約ついての充電設備4への電流の供給を開始するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の充電システム及び充電方法に関し、とくに供給可能な電力が制限されている環境において複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行えるようにするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、環境問題等を背景として、電気自動車の開発が急速に進行している。またそれに伴い、電気自動車を普及させるために必要となる充電スタンドの整備が進められている。
【0003】
充電スタンドに関する技術として、例えば、特許文献1には、充電装置の利用効率を向上させ、初期コストおよび運用コストを抑えることを目的として、電動車両のバッテリに電力を供給する電力供給手段、充電指示情報を入力可能とする情報入力手段、情報表示手段、充電端末機、電力供給手段の使用可能時間を設定する制御部などを備えた電動車両の充電システムにおいて、制御部が、充電予約情報を情報表示手段に表示させ、料金回収手段により充電料金を回収した後、電力供給手段を使用可能とすることが記載されている。
【0004】
また特許文献2には、充電装置に電源供給を行う電源設備の電源容量が小さい場合であっても、電源設備の増設工事を行うことなく、既存の電源設備をそのまま利用でき、電源設備に繋がる負荷の状態を使用者が確認しなくてもブレーカを飛ばすことなく充電できるようにするために、外部電源から電源供給を受けてバッテリに充電電流を供給する充電手段、外部電源に接続される他の充電装置、外部電源から供給を受けている電流を検出する検出手段、他の充電装置へ充電状態の情報を問い合わせ、充電状態の情報を得る情報入手手段と、外部電源から当該充電装置および他の充電装置が供給を受ける電流の合計であるトータル電流の上限を表す、あらかじめ設定されたトータル電流制限値と情報入手手段で得た他の充電装置の充電状態の情報とに基づき当該充電装置が外部電源から供給を受け得る電流である使用電流値を、トータル電流がトータル電流制限値を越えることの無いように設定する使用電流設定手段、検出手段にて検出された電流が、使用電流設定手段にて設定された使用電流値を越えることの無いように充電手段を制御する充電制御手段を備える車両用バッテリ充電装置を構成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−28913号公報
【特許文献2】特開2003−333706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今後、電気自動車の普及が進むと、ショッピングセンターの駐車場や集合住宅の共用部など、地域の様々な場所に充電スタンドが設置されるようになると考えられる。
【0007】
しかし充電スタンドの設置環境によっては、予想される需要に見合う両用の電源を必ずしも確保することができない場合も想定され、そのような場合には、限られた電力を有効に利用しつつ、複数の充電スタンドの夫々に対して電力を適切に供給して電動車両の充電が効率よく行われるようにする必要がある。
【0008】
本発明はこのような観点からなされたもので、供給可能な電力が制限されている環境においても複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行うことが可能な電動車両の充電システム及び充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための主たる発明は、電動車両を充電するための電力を供給する電源と、前記電源から供給される電力によって電動車両の充電を行う充電設備と、前記充電設備の夫々に供給される電流値を取得し、前記電源から前記充電設備の夫々への電流の供給を制御する制御装置と、を含んで構成される電動車両の充電システムであって、前記制御装置は、前記充電設備による電動車両の充電予約を受け付け、前記充電設備の夫々に現在供給されている電流値Irに、前記充電予約されている前記充電設備について充電を行った場合にその充電設備に供給される最大の電流値である最大充電電流Δiを加えて求まる電流値Ir+Δiが、前記電源が供給可能な最大の電流値である最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は前記充電予約されている前記充電設備への電流の供給を開始し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imaxを超えている場合は前記充電予約を待機状態として管理し、前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々への電流の供給が開始されてから現在までの時間である充電継続時間を監視し、前記充電継続時間が予め設定された最大充電継続時間Tmaxを超えている前記充電設備が存在することを検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始することとする。
【0010】
本発明によれば、電源が供給する電流値が最大許容電流Imaxを超えない範囲で効率よく充電設備の夫々に電流を供給して電動車両の充電を行うことができる。また充電を開始した後、最大充電継続時間Tmaxを超えた充電設備については強制的に電流の供給を停止し、これに代えて充電予約されている充電設備についての充電を自動的に開始するので、後続して充電予約されている電動車両の充電を早期に開始させることができる。このように、本発明によれば、供給可能な電力が制限されている環境において複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0011】
本発明のうちの他の一つは、上記充電システムであって、前記制御装置は、前記充電設備による電動車両の充電を停止させる旨の指示を受け付け、受け付けた前記指示に対応する前記充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始することとする。
【0012】
本発明によれば、制御装置は充電停止の指示を受けて電源からある充電設備への電流の供給を停止させると、待機状態にある他の充電設備への電流の供給を開始させる。このように本発明によれば、充電停止の指示を受けた場合に待機状態にある他の充電設備への電流の供給が自動的に開始されるため、後続して充電予約されている電動車両の充電を早期に開始させることができる。そのため、供給可能な電力が制限されている環境においても複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0013】
本発明のうちの他の一つは、上記充電システムであって、前記制御装置は、前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々に対して供給されている電流の値が、充電の完了有無を判断するための閾値である充電終了判定値Iend以下になっているか否かを監視し、前記電源から供給されている電流の値が前記充電終了判定値Iend以下になっている前記充電設備を検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始することとする。
【0014】
本発明によれば、充電が完了している充電設備について電源からの電流の供給が停止されると、待機状態にある他の充電設備への電流の供給が開始される。このように充電が完了している充電設備について電源からの電流の供給が停止されると、待機状態にある他の充電設備への電流の供給が自動的に開始され、後続して充電予約されている電動車両の充電を早期に開始させることができる。このため、本発明によれば、供給可能な電力が制限されている環境においても複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0015】
本発明のうちの他の一つは、上記充電システムであって、前記制御装置は、前記充電設備による電動車両の充電予約を受け付け、前記充電設備の夫々に現在供給されている電流値Irに、前記充電予約されている前記充電設備について充電を行った場合にその充電設備に供給される最大の電流値である最大充電電流Δiを加えて求まる電流値Ir+Δiが、前記電源が供給可能な最大の電流値である最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、現在電動車両が接続中の前記充電設備の数である接続台数合計Nrに1を加えた値Nr+1が、当該充電システムが同時に充電可能な電動車両の台数の上限値である同時充電可能台数Nmax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下である場合は、前記充電予約されている前記充電設備への電流の供給を開始し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imaxを超えているか、もしくは、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmaxを超えている場合は、前記充電予約を待機状態として管理し、前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々に対する電流の供給が開始されてから現在までの時間である充電継続時間を監視し、前記充電継続時間が予め設定された最大充電継続時間Tmaxを超えている前記充電設備が存在することを検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始することとする。
【0016】
本発明によれば、電源が現在供給している電流値が最大許容電流Imaxを超えず、かつ、電動車両の現在の接続台数合計が同時充電可能台数Nmaxを超えない範囲で効率よく充電設備の夫々に電流を供給して電動車両の充電を行うことができる。また充電を開始した後、最大充電継続時間Tmaxを超えた充電設備については強制的に電流の供給を停止し、これに代えて充電予約されている充電設備についての充電を自動的に開始するので、後続して充電予約されている電動車両の充電を早期に開始させることができる。このように、本発明によれば、供給可能な電力が制限されている環境においても複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0017】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、供給可能な電力が制限されている環境においても複数の電動車両の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】充電システム1の概略的な構成を示す図である。
【図2】電動車両2の一例として示す電気自動車が備える車載設備を示す図である。
【図3】充電設備4の一例として示す急速充電器のハードエア構成を示す図である。
【図4】計測制御装置50のハードウエア構成を示す図である。
【図5】計測制御装置50が備える主な機能を示す図である。
【図6】主制御装置10のハードウエア構成を示す図である。
【図7】主制御装置10の主な機能、及び主制御装置10が備える主なデータを示す図である。
【図8】利用者情報管理テーブル121の一例を示す図である。
【図9】設定情報管理テーブル122の一例を示す図である。
【図10】予定最大充電電流管理テーブル123の一例を示す図である。
【図11】充電中スタンド管理テーブル124の一例を示す図である。
【図12】充電待ちスタンド管理テーブル125の一例を示す図である。
【図13】操作入力受付処理S1300を説明するフローチャートである。
【図14】認証画面1400の一例を示す図である。
【図15】状況表示欄1414の表示内容の一例を示す図である。
【図16】メニュー画面1600の一例を示す図である。
【図17】充電開始処理S1322の詳細を説明するフローチャートである。
【図18】車種選択画面1800の一例を示す図である。
【図19】充電中止処理S1324の詳細を説明するフローチャートである。
【図20】充電停止処理S2000の詳細を説明するフローチャートである。
【図21】充電継続時間監視処理S2100を説明するフローチャートである。
【図22】充電完了処理S2200を説明するフローチャートである。
【図23】充電制御の具体例を示す図である。
【図24】メンテナンス処理S1326の詳細を説明するフローチャートである。
【図25】メンテナンス画面2500の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に実施形態として説明する充電システム1の概略的な構成を示している。同図に示すように、充電システム1は、電動車両2を充電するための充電設備4(急速充電器、普通充電器等)(以下、スタンドとも称する。)、充電設備4に電力を供給する電源3、電源3から供給される電力を充電設備4に分配する分電盤5、及び主制御装置10(制御装置)を含んで構成されている。
【0021】
電源3は、例えば、商用電力系統(例えばAC200V、AC100V等)、分散型電源(マイクロガスタービン、燃料電池、自然エネルギーを利用した発電機(太陽光発電機、風力発電機、水力発電機等))などである。
【0022】
分電盤5は、電源3からの電力が供給される主線31、主線31に設けられるメインブレーカ32、主線31から分岐する複数の支線33、個々の支線33に設けられる漏電ブレーカ34、個々の支線33に設けられる電流計35、個々の支線33に設けられるリレー36、及び個々の支線33に設けられる計測制御装置50(制御装置)を備えている。
【0023】
同図に示すように、個々の支線33に設けられている電流計35及び計測制御装置36は、夫々が設けられている支線33に設けられている計測制御装置50に接続している。また個々の支線33に設けられている計測制御装置50は、いずれも主制御装置10と通信可能に接続している。
【0024】
図2は、この充電システム1によって充電を受ける電動車両2の一例として示す電気自動車(EV(Electric Vehicle))が備える車載設備である。同図に示すように、この電気自動車は、蓄電池201、モータ202、インバータ203、急速充電用接続口204、普通充電用接続口205、車載充電器206、BMU207(BMU:Battery Management Unit)(電圧検知手段)、ECU208(ECU:Electronic Control Unit)、ナビゲーション装置209(同図では「ナビ装置」)、及び電圧変換回路210を備えている。
【0025】
蓄電池201は、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー電池、金属空気電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池などである。モータ202は、蓄電池201から供給されるエネルギーによって電気自動車を駆動するための動力を発生する。インバータ203は、蓄電池201から供給される直流電圧をモータ202を駆動するのに必要な交流電圧に変換する。尚、インバータ203は、例えば、単一パルスインバータ、PWM(PWM:Pulse Width Modulation)インバータ等を用いて構成されている。
【0026】
急速充電用接続口204には、蓄電池201を急速充電する際、充電設備4の急速充電用の充電コネクタ41が接続される。また普通充電用接続口205には、蓄電池201を普通充電する際、充電設備4の普通充電用の充電コネクタ41が接続される。
【0027】
車載充電器206は、充電設備4から供給される電力によって蓄電池201を充電する。尚、車載充電器206は複数の入力電圧に対応しており、充電設備4から供給される電圧値を自動的に判別し、判別した電圧値に応じて蓄電池201の充電制御(CVCC(Constant Voltage Constant Current)による充電制御)を行う。
【0028】
BMU207は、車載充電器206、ECU208、及び急速充電用接続口204を介して接続している急速充電器(不図示)との間で、CAN(Controller Area Network)等のプロトコルに従って通信を行う。BMU207は、能動的又は受動的に電気自動車に搭載されている車載装置の監視や制御を行う。例えば、BMU207は、蓄電池201を構成しているセルの状態(端子電圧、通電電流、温度等)をリアルタイムに監視し、蓄電池201の放電制御、車載充電器206や急速充電器による蓄電池201の充電制御、内部抵抗の監視等に基づく蓄電池201の状態診断、蓄電池201を構成している各セルの電圧バランスの制御などを行う。
【0029】
ECU208は、BMU207、モータ202、インバータ203、ナビゲーション装置209等から送られてくる情報に基づき、モータ202、変速機(不図示)、クラッチ(不図示)等、電気自動車が備える動力機構の制御を行う。
【0030】
ナビゲーション装置209は、例えば、カーナビゲーション装置であって、GPS衛星9(GPS: Global Positioning System)から送られてくる測位信号や、VICS(Vehicle Information and Communication System) から送られてくる情報に基づき、電気自動車の現在位置(緯度、経度、高度)を特定し、現在位置を示す情報や現在位置周辺の地図情報、目的地までの経路を示す(誘導する)情報などを、画面(映像)や音声によりリアルタイムに利用者に提供する。
【0031】
電圧変換回路210は、蓄電池201の電圧をECU208やナビ装置209の動作電圧に変換するDC/DCコンバータを含む。電圧変換回路210は、例えば、高圧チョッパ回路や昇圧チョッパ回路を用いて構成されている。
【0032】
図3は充電設備4の一例として示す急速充電器のハードエア構成である。同図に示すように、この急速充電器は、整流回路411、PWM制御回路412(PWM:Pluse Width Modulation)、高周波トランス413、及び整流回路414を備えている。
【0033】
このうち整流回路411は、整流ブリッジ等を用いて構成され、交流電源から供給される交流を直流に変換する。PWM制御回路412は、整流回路411の出力を高周波のパルスに変換する回路であり、出力電圧を制御する回路によってオンオフタイミングが制御されるスイッチング素子を用いて構成されている。高周波トランス413は、PWM制御回路412によって生成された高周波パルスのエネルギーを整流回路414に伝達する。整流回路414は、高周波トランス413を介して入力される交流を直流に変換する回路であり、整流ダイオードや平滑コンデンサ等を用いて構成されている。
【0034】
図4に計測制御装置50のハードウエア構成を示している。同図に示すように、計測制御装置50は、中央処理装置501、記憶装置502、計時装置503、入力I/F504、制御I/F505、及び通信装置505を備えている。
【0035】
中央処理装置501は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等を用いて構成されており、計測制御装置50の統括的な制御を行う。記憶装置502は、半導体記憶装置(RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))などであり、プログラムやデータを記憶する。計時装置503は、RTC(Real Time Clock)等を用いて構成され、現在時刻等の計時情報を提供する。
【0036】
入力I/F504は、A/Dコンバータ等を備えて構成されており、電流計35によって計測された電流値をデジタル値として中央処理装置501に通知する。入力I/F504は、充電設備4を介して取得される、充電設備4の充電コネクタ41に現在印加されている電圧値(即ち電動車両2の蓄電池201の電圧値)を取得し、取得した電圧値をデジタル値として中央処理装置501に通知する。尚、この電圧値は、充電コネクタ41に電動車両2が現在接続されているか否かの判断に用いられる。
【0037】
制御I/F505は、中央処理装置501からの指示に応じて、リレー36の開閉制御を行う。通信装置506は、主制御装置10との間で、所定の通信方式(UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、USB(Universal Serial Bus)、LAN(Local Area Network)、PLC(Power Line Communication)、CAN(Controller Area Network)等)に従って通信を行う。
【0038】
図5に計測制御装置50が備える主な機能を示している。同図に示すように、計測制御装置50は、制御指示受信部511、計測値送信部512、及び開閉制御部513の各機能を備えている。尚、これらの機能は、計測制御装置50が備えるハードウエアによって、もしくは計測制御装置50の中央処理装置301が、記憶装置502に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0039】
これらのうち制御指示受信部511は、主制御装置10から送られてくる、電流計35の電流の計測要求(以下、電流計測指示と称する。)、充電コネクタ41に印加されている電圧値の送信要求(以下、電圧値送信指示と称する。)、リレー36の開閉を制御する指示(以下、開閉制御指示と称する。)といった様々な指示を受信する。
【0040】
計測値送信部512は、能動的に、もしくは、制御指示受信部511から上記指示(電流計測指示、電圧値送信指示)を受信したのに応じて受動的に、入力I/F504を介して取得される電流計35の計測値や充電コネクタ41に印加されている電圧値を、主制御装置10に送信する。
【0041】
開閉制御部313は、制御指示受信部512が受信した開閉制御指示に応じて、リレー36の状態(開閉)を制御する。
【0042】
図6に主制御装置10のハードウエア構成を示している。同図に示すように、主制御装置10は、中央処理装置101、記憶装置102、計時装置103、入力装置104、表示装置105、及び通信装置106を備えている。
【0043】
中央処理装置101は、CPUやMPU等を用いて構成されており、主制御装置10の統括的な制御を行う。記憶装置102は、半導体記憶装置(RAM、ROM、SSD(Solid State Drive))等であり、プログラムやデータを記憶する。計時装置103は、RTC等を用いて構成され、現在時刻等の計時情報を提供する。入力装置104は、タッチパネル(抵抗膜方式、静電容量方式等)、キーボード、操作ボタンなどであり、利用者の操作入力を受け付ける。表示装置105は、液晶パネルや有機ELパネルなどであり、情報を視覚的に出力する。通信装置106は、計測制御装置50との間で、所定の通信方式(UART、USB、LAN、PLC、CAN等)に従って通信を行う。
【0044】
図7に主制御装置10の主な機能、及び主制御装置10が備える主なデータを示している。同図に示すように、主制御装置10は、操作受付部111、認証処理部112、充電開始処理部113、充電中止処理部114、充電継続時間監視部115、充電完了処理部116、情報設定処理部117、及び計測値取得管理部118の各機能を備えている。尚、これらの機能は、主制御装置10が備えるハードウエアによって、もしくは主制御装置10の中央処理装置101が、記憶装置102に格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0045】
図7に示す機能のうち、操作受付部111は、電動車両2の充電に関する操作入力を利用者から受け付ける。認証処理部112は、電動車両2の充電に関する操作や設定を行うための認証情報(利用者ID、パスワード等)を利用者から受け付け、受け付けた認証情報を後述する利用者情報管理テーブル121と照合して認証を行う。
【0046】
充電開始処理部113は、利用者から電動車両2の充電を開始するための登録を受け付ける。充電中止処理部114は、利用者から電動車両2の充電を中止する操作を受け付けた場合に、充電を中止するための処理を行う。
【0047】
充電時間監視部115は、電動車両2の充電が開始されてから現在までの時間(以下、充電継続時間と称する。尚、一端充電が中断した後、充電が再開された場合は再開時からの現在までの時間が充電継続時間となる。)が、予め設定された時間(以下、最大充電継続時間(以下、Tmaxとも称する。))を超えており、かつ、充電待機状態にある電動車両2が存在する場合に、充電継続時間がTmaxを超えた電動車両2の充電を中断し、充電待機状態にある電動車両2の充電を開始する。
【0048】
充電完了処理部116は、電動車両2の充電が完了しているか否か(蓄電池201の充電量が所定値以上であるか否か)を監視(リアルタイム又は予め設定されたタイミングで監視)し、充電が完了している場合はその電動車両2の充電を中止する。尚、後述するように、充電完了処理部116は、その電動車両2が接続している充電設備4に供給されている電流値が、後述する充電終了判定値Iend以下になっているか否かを調べることにより、その電動車両2の充電が完了しているか否かを判断する。また充電完了処理部116は、ある電動車両2の充電を中止した際、充電待ち状態にある電動車両2が存在すれば、充電待ち状態にある電動車両2の充電を開始する。
【0049】
情報設定処理部117は、利用者の操作入力を受け付けて、後述する、利用者情報管理テーブル121、設定情報管理テーブル122、及び予定最大充電電流管理テーブル123の内容を設定する。尚、情報設定処理部117は、認証処理部112によって認証されたユーザが管理者権限を有する場合にのみ、利用者情報管理テーブル121、設定情報管理テーブル122、及び予定最大充電電流管理テーブル123の更新を許可する。
【0050】
計測値取得管理部118は、計測制御装置50に対して前述した電流計測指示や電圧送信指示を随時送信する。また計測値取得管理部118は、計測制御装置50から送られてくる、電流計35によって計測された電流値や充電コネクタ41に印加されている電圧値を受信する。また計測値取得管理部118は、計測制御装置50から受信した情報に基づき、充電中スタンド管理テーブル124や充電待ちスタンド管理テーブル125の内容を更新する。
【0051】
図7に示すように、主制御装置10は、利用者情報管理テーブル121、設定情報管理テーブル122、予定最大充電電流管理テーブル123、充電中スタンド管理テーブル124、及び充電待ちスタンド管理テーブル125を管理している。
【0052】
図8に利用者情報管理テーブル121の一例を示している。同図に示すように、利用者管理テーブル121は、利用者ID1211、パスワード1212、及び管理者権限1213、の各項目を有する1つ以上のレコードで構成されている。
【0053】
このうち利用者ID1211には、利用者ごとに付与される識別子(ユーザID)が設定される。パスワード1212には、パスワードが設定される。管理者権限1213には、当該レコードの利用者が管理者権限を有しているか否かを示す情報(あり/なし)が設定される。
【0054】
図9に設定情報管理テーブル122の一例を示している。同図に示すように、設定情報管理テーブル122には、最大許容電流Imax1221、同時充電可能台数Nmax1222、最大充電継続時間Tmax1223、及び充電終了判定値Iend1224が管理されている。
【0055】
このうち最大許容電流Imax1221には、この充電システム1が供給可能な(電源3が主線31に対して供給可能な)電流の最大値(充電設備4の消費電流の総和の上限値(以下、Imaxとも称する。))が設定される。
【0056】
同時充電可能台数Nmax1222には、この充電システム1によって同時に充電可能な電動車両2の数の最大値である同時充電可能台数(以下、Nmaxとも称する。)が設定される。
【0057】
最大充電継続時間Tmax1223には、前述したTmaxが設定される。
【0058】
充電終了判定値Iend1224には、電動車両2の充電が完了したか否かを判断する際に用いる電流値である充電終了判定値(以下、Iendとも称する。)が設定される。
【0059】
図10に予定最大充電電流管理テーブル123の一例を示している。同図に示すように、予定最大充電電流管理テーブル123は、車種1231、及び予定最大充電電流1232の各項目を有する1つ以上のレコードで構成されている。
【0060】
このうち車種1231には、電動車両2の車種を特定する情報が設定される。予定最大充電電流1232には、電動車両2を充電する際、その電動車両2が接続している充電設備4に電力を供給している支線33を流れる電流の最大値(以下、予定最大充電電流Δiと称する。)が設定される。
【0061】
図11に充電中スタンド管理テーブル124の一例を示している。この充電中スタンド管理テーブル124には、現在充電中の充電設備4(スタンド)を示すレコード(1つのレコードが1つの充電設備4に対応している。)が管理される。
【0062】
同図に示すように、充電中スタンド管理テーブル124には、スタンドID1241、車種1242、充電電流1243、及び充電開始日時1244の各項目を有するレコードが登録される。
【0063】
スタンドID1241には、充電設備4ごとに付与される識別子(以下、スタンドIDと称する。)が設定される。
【0064】
車種1242には、当該レコードのスタンドに現在接続されている電動車両2の車種(後述する車種選択画面1800で利用者が選択した車種)を示す情報が設定される。
【0065】
充電電流1243には、計測制御装置50から随時通知される、当該レコードのスタンドの現在の充電電流が設定される。
【0066】
充電開始日時1244には、当該レコードのスタンドに現在接続されている電動車両2の充電を開始した日時(以下、充電開始日時と称する。)が設定される。尚、最大充電継続時間Tmaxを超えて待機状態となった後、再度充電を開始した場合には、充電開始日時2234には再度充電を開始した際の日時が設定される。
【0067】
図12に充電待ちスタンド管理テーブル125の一例を示している。充電待ちスタンド管理テーブル125には、現在充電待機状態にある充電設備4を示すレコード(1つのレコードが1つの充電設備4に対応している。)が管理される。
【0068】
同図に示すように、充電待ちスタンド管理テーブル125には、スタンドID1251、車種1252、及び登録日時1253の各項目を有するレコードが登録される。
【0069】
このうちスタンドID1251には、スタンドIDが設定される。車種1252には、当該レコードのスタンドに現在接続されている電動車両2の車種(後述する車種選択画面1800で利用者が選択した車種)を示す情報が設定される。
【0070】
登録日時1253には、当該レコードが充電待ちスタンド管理テーブル125に登録された日時が設定される。
【0071】
=処理説明=
次に、以上の構成からなる充電システム1において行われる処理について説明する。
【0072】
<操作入力受付処理>
図13は、主制御装置10が、入力装置104を介して利用者から操作入力を受け付ける際に行う処理(以下、操作入力受付処理S1300と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに操作入力受付処理S1300について説明する。
【0073】
主制御装置10は、利用者から操作入力を受け付ける際、まず利用者に認証情報の入力を要求する(S1311〜S1312)。
【0074】
図14は利用者に認証情報の入力を要求する際、主制御装置10が表示装置105に表示する画面(以下、認証画面1400と称する。)である。
【0075】
同図に示すように、認証画面1400には、利用者IDの入力欄1411、パスワードの入力欄1412、及びこれらに文字列を入力するためのテンキー1413が設けられている。利用者は、テンキー1413を操作して、利用者IDの入力欄1411に利用者IDを、パスワードの入力欄1412にパスワードを夫々入力する。また同図に示すように、認証画面1400には、利用者に充電システム1の現在の状況を知らせるための状況表示欄1414が設けられている。
【0076】
図15に状況表示欄1414の表示内容の一例を示している。同図に示すように、状況表示欄には、スタンド(スタンドID151)ごとに、そのスタンドの状態152(「充電中」又は「待機中」)、そのスタンド153に接続されている電動車両2の総充電電力量153、そのスタンド153に接続されている電動車両2が当該スタンド153に接続されてからの延べ充電時間154、及び状態152に「待機中」が設定されている場合におけるそのスタンドの充電が次回開始される予定の時刻(充電開始予定時刻155)、などの情報が表示される。
【0077】
尚、主制御装置10は、例えば、充電中スタンド管理テーブル124、充電待ちスタンド管理テーブル125、及び設定情報管理テーブル122に基づき、充電開始予定時刻155を求める。
【0078】
図13に戻り、主制御装置10は、S1312にて受け付けた認証情報を利用者情報管理テーブル121の内容と照合する(S1313)。認証情報が正しければ(S1313:YES)、利用者から充電に関する操作を受け付けるための画面(以下、メニュー画面1600と称する。)を表示する(S1314)。
【0079】
図16にメニュー画面1600の一例を示している。同図に示すように、メニュー画面1600には、スタンドの選択欄1611及び処理の選択欄1612が設けられている。
【0080】
S1315では、主制御装置10は、利用者が入力装置104に対して何も操作しなかった時間(以下、未操作時間と称する。)が予め設定された閾値時間を超えたか否かを判断している。未操作時間が閾値を超えた場合は(S1315:YES)、S1311の処理に戻って認証情報を再度要求する。一方、利用者が閾値時間内にメニュー画面1600に対して操作を行った場合は(S1316:YES)、S1317に進む。
【0081】
S1317では、主制御装置10は、利用者が行った操作が、スタンド選択欄1611に対してスタンドを選択する操作であったか否かを判断している。スタンドを選択する操作である場合(S1317:YES)、主制御装置10は、選択されたスタンドのスタンドIDを記憶する(S1318)。その後はS1314に戻る。
【0082】
S1321では、主制御装置10は、利用者が行った操作が、充電開始ボタン165を選択する操作であったか否かを判断している。充電開始ボタン165を選択する操作である場合(S1321:YES)、主制御装置10は、充電開始処理S1322を実行する。その後はS1314に戻る。
【0083】
S1323では、主制御装置10は、利用者が行った操作が、充電中止ボタン166を選択する操作であったか否かを判断している。充電中止ボタン166を選択する操作である場合(S1323:YES)、主制御装置10は、充電中止処理S1324を実行する。その後はS1314に戻る。
【0084】
S1325では、主制御装置10は、利用者が行った操作が、メンテナンスボタン167を選択する操作であったか否かを判断している。メンテナンスボタン167を選択する操作である場合(S1325:YES)、主制御装置10は、メンテナンス処理S1326を実行する。その後はS1314に戻る。
【0085】
<充電開始処理>
図17は、図13の充電開始処理S1322の詳細を説明するフローチャートである。以下、同図とともに充電開始処理S1322について詳細に説明する。
【0086】
まず主制御装置10は、表示装置105に車種を選択させる画面(以下、車種選択画面1800と称する。)を表示して、利用者から充電を行う電動車両2の車種を取得する(S1711)。
【0087】
図18に車種選択画面1800の一例を示している。同図に示すように、車種選択画面1800には、車種を選択するための選択ボタン1811、車種1812、及び予定最大充電電流1813などが表示されている。尚、主制御装置10は、予定最大充電電流管理テーブル123の内容に基づき、車種選択画面1800を生成する。
【0088】
利用者が車種選択画面1800から車種を選択すると、主制御装置10は、選択された車種に対応する予定最大充電電流Δiを取得する(S1712)。
【0089】
続いて主制御装置10は、各計測制御装置50と通信して各支線33を流れる現在の電流値を取得し、取得した電流値を合計して主線31を流れる電流値Irを求める(S1713)。
【0090】
次に主制御装置10は、S1713で求めた電流値Irに、S1712で取得した予定最大充電電流Δiを加算した値が、設定情報管理テーブル122の最大許容電流Imax1221に設定されているImax以下であるか否かを判断する(S1714)。
【0091】
上記判断の結果、加算した値Ir+ΔiがImax以下であれば(S1714:YES)、S1715に進む。一方、加算した値Ir+ΔiがImaxを超えていれば(S1714:NO)、S1731に進む。
【0092】
S1715では、主制御装置10は、充電システム1に現在接続している電動車両2の台数合計Nr(つまり電源3から充電電流が供給される充電設備4のうち、電動車両2が接続されている充電設備4の数)を取得する。尚、主制御装置10は、充電設備4に電動車両2が接続されているか否かを、例えば、計測制御装置50から通知される、充電設備4の充電コネクタ41に印加されている電圧値に基づき(例えば、電圧値が電動車両2の蓄電池201が通常保持している電圧の範囲内か否かに基づき)判断する。
【0093】
次に主制御装置10は、充電システム1に現在接続している電動車両2の接続台数の合計値Nrに1を加えた値と、設定情報管理テーブル122の同時充電可能台数Nmax1222に設定されているNmaxとを比較し、Nr+1がNmax以下であるか否かを判断する(S1716)。
【0094】
上記判断の結果、Nr+1がNmax以下であれば(S1716:YES)、S1717に進む。一方、Nr+1がNmaxを超えていれば(S1716:NO)、S1731に進む。
【0095】
S1717では、主制御装置10は、計測制御装置50に開閉制御指示を送信して当該スタンド(図13のS1318にて記憶したスタンド。以下、選択中スタンドと称する。)への給電を開始する。また主制御装置10は、選択中スタンドのレコードを充電中スタンド管理テーブル124に登録し(S1718)、選択中スタンドについて充電継続時間の計時を開始する(S1719)。その後は図13のS1314に戻る。
【0096】
S1731では、主制御装置10は、選択中スタンドのレコードを充電待ちスタンド管理テーブル125に登録する。その後は図13のS1314に戻る。
【0097】
尚、以上に説明した充電開始処理S1322では、最大許容電流Imaxによる制限と、同時充電可能台数Nmaxによる制限の双方を充電を開始するための条件として課しているが、いずれか一方の条件のみを課すようにしてもよい。
【0098】
<充電中止処理>
図19は、図13の充電中止処理S1324の詳細を説明するフローチャートである。以下、同図とともに充電中止処理S1324について詳細に説明する。
【0099】
まず主制御装置10は、図13のS1318にて記憶したスタンド(以下、選択中スタンドと称する。)が現在充電中であるか否かを調べる(S1911)。具体的には、選択中スタンドのレコードが、充電中スタンド管理テーブル124に現在登録されているか否かを調べることにより、選択中スタンドが現在充電中であるか否かを判断する。
【0100】
選択中スタンドが現在充電中であれば(S1911:YES)、主制御装置10は後述の充電停止処理S2000を実行する(S1912)。その後はS1314に戻る。選択中スタンドが現在充電中でなければ(S1911:NO)、主制御装置10は充電待ちスタンド管理テーブル125から選択中スタンドのレコードを削除する(S1913)。その後はS1314に戻る。
【0101】
<充電停止処理>
図20は、図19における充電停止処理S2000の詳細を説明するフローチャートである。以下、同図とともに充電停止処理S2000について詳細に説明する。
【0102】
まず主制御装置10は、計測制御装置50に開閉制御指示を送信して選択中スタンドへの給電を停止させる(S2011)。また主制御装置10は、充電中スタンド管理テーブル124から選択中スタンドのレコードを削除する(S2012)。
【0103】
次に主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に、他のスタンドのレコードが存在するか否かを調べる(S2013)。他のスタンドのレコードが存在する場合は(S2013:YES)、S2014に進み、他のスタンドのレコードが存在しなければ(S2013:NO)、図13のS1314に戻る。
【0104】
S2014では、主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125からレコードを一つ選択する。ここで充電待ちスタンド管理テーブル125に複数のレコードが存在する場合には、所定の条件(登録日時1253が最も古いものを選択する、スタンドID1251の若いものを優先する等)に基づき対象を絞り込んでレコードを1つ選択する。
【0105】
次に主制御装置10は、当該レコードの車種1252に対応する予定最大充電電流Δiを予定最大充電電流管理テーブル123から取得する(S2015)。
【0106】
次に主制御装置10は、各計測制御装置50と通信して各支線33の現在の電流値を取得し、取得した電流値を合計して主線31を流れる電流値Irを求める(S2016)。
【0107】
次に主制御装置10は、S2016で求めた電流値Irに、S2015で取得した予定最大充電電流Δiを加算した値が、設定情報管理テーブル122の最大許容電流Imax1221に設定されているImax以下であるか否かを判断する(S2017)。
【0108】
上記判断の結果、加算した値Ir+ΔiがImax以下であれば(S2017:YES)、S2018に進み、加算した値Ir+ΔiがImaxを超えていれば(S2017:NO)、図13のS1314に戻る。
【0109】
S2018では、主制御装置10は、現在、充電設備4に接続している電動車両2の台数合計Nr(即ち電源3から充電電流が供給される充電設備4のうち電動車両2が接続されている充電設備4の数)を取得する。そして主制御装置10は、S2018で取得した接続台数の合計値Nrに1を加えた値と、設定情報管理テーブル122の同時充電可能台数Nmax1222に設定されているNmaxとを比較し、Nr+1がNmax以下であるか否かを判断する(S2019)。
【0110】
上記判断の結果、Nr+1がNmax以下であれば(S2019:YES)、S2020に進み、Nr+1がNmaxを超えていれば(S2019:NO)、図13のS1314に戻る。
【0111】
S2020では、主制御装置10は、計測制御装置50に開閉制御指示を送信して当該スタンド(S2014で選択したスタンド)への給電を開始し、当該スタンドに接続している電動車両2の充電を開始する。また主制御装置10は、当該スタンドのレコードを充電中スタンド管理テーブル124に登録し(S2021)、当該スタンドについて充電継続時間の計時を開始する(S2022)。
【0112】
次に主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125から当該スタンドのレコードを削除する(S2023)。その後は図13のS1314に戻る。
【0113】
尚、以上に説明した充電停止処理S2000では、最大許容電流Imaxによる制限と、同時充電可能台数Nmaxによる制限の双方を充電を開始するための条件として課しているが、いずれか一方の条件のみを課すようにしてもよい。
【0114】
<充電継続時間監視処理>
図21は、主制御装置10が、充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えているか否かを随時(リアルタイム、予め設定されたタイミング等)監視し、充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えているスタンドが存在し、かつ、充電待ちのスタンドが存在する場合(充電待ちスタンド管理テーブル125に1つ以上のレコードが登録されている場合)に、充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えているスタンドへの給電を停止して他のスタンドへの給電を開始する処理(以下、充電継続時間監視処理S2100と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに充電継続時間監視処理S2100について説明する。
【0115】
主制御装置10は、充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えているか否かを随時監視している(S2105)。主制御装置10が充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えているスタンドが存在することを検知した場合は(S2105:YES)、S2110に進む。
【0116】
S2110では、主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に、充電待ちの他のスタンドのレコードが存在するか否かを調べる。他のスタンドのレコードが存在すれば(S2110:YES)、S2111に進み、存在しなければ(S2110:NO)、S2105に戻る。
【0117】
S2111では、主制御装置10は、計測制御装置50に開閉制御指示を送信し、S2105にて充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えていることを検知したスタンド(以下、時間超過スタンドと称する。)への給電を停止させる。また主制御装置10は、充電中スタンド管理テーブル124から当該時間超過スタンドのレコードを削除する(S2112)。
【0118】
続いて主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に、当該時間超過スタンドのレコードを登録する(S2113)。
【0119】
次に、主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125から時間超過スタンド以外のレコードを一つ選択する(S2114)。尚、充電待ちスタンド管理テーブル125に複数のレコードが存在する場合には、所定の条件(登録日時1253が最も古いものを選択する、スタンドID1251の若いものを優先する等)に基づき対象を絞り込んでレコードを1つ選択する。
【0120】
次に主制御装置10は、選択したレコードの車種1252に対応する予定最大充電電流Δiを予定最大充電電流管理テーブル123から取得する(S2115)。
【0121】
次に主制御装置10は、各計測制御装置50と通信して各支線33の現在の電流値を取得し、取得した電流値を合計して主線31を流れる電流値Irを求める(S2116)。
【0122】
次に主制御装置10は、S2116で求めた電流値Irに、S2115で取得した予定最大充電電流Δiを加算した値が、設定情報管理テーブル122の最大許容電流Imax1221に設定されているImax以下であるか否かを判断する(S2117)。
【0123】
上記判断の結果、加算した値Ir+ΔiがImax以下であれば(S2117:YES)、S2118に進み、加算した値Ir+ΔiがImaxを超えていれば(S2117:NO)、S2105に戻る。
【0124】
S2118では、主制御装置10は、現在、充電設備4に接続している電動車両2の台数合計Nr(即ち電源3から充電電流が供給される充電設備4のうち電動車両2が接続されている充電設備4の数)を取得する。そして主制御装置10は、S2118で取得した接続台数の合計値Nrに1を加えた値と、設定情報管理テーブル122の同時充電可能台数Nmax1222に設定されているNmaxとを比較し、Nr+1がNmax以下であるか否かを判断する(S2119)。
【0125】
上記判断の結果、Nr+1がNmax以下であれば(S2119:YES)、S2120に進み、Nr+1がNmaxを超えていれば(S2119:NO)、S2105に戻る。
【0126】
S2120では、主制御装置10は、計測制御装置50に開閉制御指示を送信して当該スタンド(S2114で選択したスタンド)への給電を開始させ、当該スタンドに接続している電動車両2の充電を開始する。また主制御装置10は、当該スタンドのレコードを充電中スタンド管理テーブル124に登録し(S2121)、当該スタンドについて充電継続時間の計時を開始する(S2122)。
【0127】
次に主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125から当該スタンドのレコードを削除する(S2123)。その後はS2105に戻る。
【0128】
尚、以上に説明した充電継続時間監視処理S2100では、最大許容電流Imaxによる制限と、同時充電可能台数Nmaxによる制限の双方を充電を開始するための条件として課しているが、いずれか一方の条件のみを課すようにしてもよい。
【0129】
<充電継続時間監視処理>
図22は、主制御装置10が、充電が完了しているスタンドが存在するか否かを随時(リアルタイム、予め設定されたタイミング等)監視し、充電が完了しているスタンドが存在し、かつ、充電待ちのスタンドが存在する場合(充電待ちスタンド管理テーブル125に1つ以上のレコードが登録されている場合)に、充電が完了しているスタンドへの給電を停止して、充電待ちの他のスタンドへの給電を開始する処理(以下、充電完了処理S2200と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに充電完了処理S2200について説明する。
【0130】
同図に示すように、主制御装置10は、充電が完了しているスタンドが存在するか否かを随時監視している(S2210)。具体的には、主制御装置10は、充電中スタンド管理テーブル124の充電電流1243の値が充電終了判定値Iend以下になっているスタンド(以下、充電完了スタンドと称する。)が存在するか否かを調べることにより、充電が完了しているスタンドがあるか否かを判断する。主制御装置10が、充電完了スタンドが存在することを検知した場合は(S2210:YES)、S2211に進む。
【0131】
S2211では、主制御装置10は、計測制御装置50に開閉制御指示を送信して充電完了スタンドへの給電を停止させる。そして主制御装置10は、充電中スタンド管理テーブル124から充電完了スタンドのレコードを削除する(S2212)。
【0132】
S2213では、主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に充電待ちの他のスタンドのレコードが存在するか否かを調べる(S2213)。充電待ちの他のスタンドのレコードが存在する場合は(S2213:YES)、S2214に進み、存在しない場合は(S2213:NO)、S2210に戻る。
【0133】
S2214では、主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125からレコードを一つ選択する。ここで充電待ちスタンド管理テーブル125に複数のレコードが存在する場合には、所定の条件(登録日時1253が最も古いものを選択する、スタンドID1251の若いものを優先する等)に基づき対象を絞りこんでレコードを1つ選択する。
【0134】
次に主制御装置10は、当該レコードの車種1252に対応する予定最大充電電流Δiを予定最大充電電流管理テーブル123から取得する(S2215)。
【0135】
次に主制御装置10は、各計測制御装置50と通信して各支線33の現在の電流値を取得し、取得した電流値を合計して主線31を流れる電流値Irを求める(S2216)。
【0136】
次に主制御装置10は、S2216で求めた電流値Irに、S2215で取得した予定最大充電電流Δiを加算した値が、設定情報管理テーブル122の最大許容電流Imax1221に設定されているImax以下であるか否かを判断する(S2217)。
【0137】
上記判断の結果、加算した値Ir+ΔiがImax以下であれば(S2217:YES)、S2218に進み、加算した値Ir+ΔiがImaxを超えていれば(S2217:NO)、S2210に戻る。
【0138】
S2218では、主制御装置10は、現在、充電設備4に接続している電動車両2の台数合計Nr(即ち電源3から充電電流が供給される充電設備4のうち電動車両2が接続されている充電設備4の数)を取得する。そして主制御装置10は、S2218で取得した接続台数の合計値Nrに1を加えた値と、設定情報管理テーブル122の同時充電可能台数Nmax1222に設定されているNmaxとを比較し、Nr+1がNmax以下であるか否かを判断する(S2019)。
【0139】
上記判断の結果、Nr+1がNmax以下であれば(S2219:YES)、S2220に進み、Nr+1がNmaxを超えていれば(S2219:NO)、S2210に戻る。
【0140】
S2220では、主制御装置10は、計測制御装置50に開閉制御指示を送信して当該スタンド(S2214で選択したスタンド)への給電を開始し、当該スタンドに接続している電動車両2の充電を開始する。また主制御装置10は、当該スタンドのレコードを充電中スタンド管理テーブル124に登録し(S2221)、当該スタンドについて充電継続時間の計時を開始する(S2222)。
【0141】
S2223では、主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125から当該スタンドのレコードを削除する(S2223)。その後はS2210に戻る。
【0142】
尚、以上に説明した充電完了処理S2200では、最大許容電流Imaxによる制限と、同時充電可能台数Nmaxによる制限の双方を充電を開始するための条件として課しているが、いずれか一方の条件のみを課すようにしてもよい。
【0143】
<具体例>
図23に以上に説明した処理によって行われる充電制御の具体例を示している。尚、この例では、充電設備4(スタンド)の数を4、同時充電可能台数(Nmax)を2、最大充電継続時間をTmax、予定最大充電電流をΔi、充電終了判定値をIendとしている。
【0144】
まず時刻taでは、利用者が、図16のメニュー画面1600においてスタンドIDとして「1」を選択し(図13のS1317:YES)、充電開始ボタン165を選択している(S1321:YES)。この時点では、他のスタンドには電動車両2が接続されておらず、図17のS1714の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS1716の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たしている。このため主制御装置10は当該スタンド(スタンドIDが「1」のスタンド)による電動車両2の充電を開始している(S1717)。
【0145】
時刻tbでは、利用者が、メニュー画面1600において、スタンドIDとして「2」を選択するとともに(図13のS1317:YES)、充電開始ボタン165を選択している(S1321:YES)。この時点では、スタンドIDが「1」のスタンドに既に電動車両2が接続され充電が開始されてはいるものの、図17のS1714の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS1716の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たしているため、主制御装置10は当該スタンド(スタンドIDが「2」のスタンド)による電動車両2の充電を開始している(S1717)。
【0146】
時刻tcでは、利用者が、メニュー画面1600において、スタンドIDとして「3」を選択するとともに(図13のS1317:YES)、充電開始ボタン165を選択している(S1321:YES)。この時点では、スタンドIDが「1」及び「2」のスタンドに既に電動車両2が接続され充電が開始されおり、図17のS1714の条件「Ir+Δi≦Imax」又はS1716の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれかを満たしていないと判断したため、主制御装置10は当該スタンド(スタンドIDが「3」のスタンド)の充電を予約(充電待ちスタンド管理テーブル125に当該スタンドのレコードを登録)している(S1731)。
【0147】
時刻tdでは、利用者が、メニュー画面1600において、スタンドIDとして「4」を選択するとともに(図13のS1317:YES)、充電開始ボタン165を選択している(S1321:YES)。この時点では、スタンドIDが「1」乃至「3」のスタンドに既に電動車両2が接続され充電が開始されており、図17のS1714の条件「Ir+Δi≦Imax」又はS1716の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれかを満たしていないと判断したため、主制御装置10は当該スタンドについて充電を予約(充電待ちスタンド管理テーブル125にレコードを登録)している(S1731)。
【0148】
時刻teでは、主制御装置10が、スタンドIDが「1」のスタンドの充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えていることを検知し(S2105:YES)、かつ、他に予約がある(充電待ちスタンド管理テーブル125にレコードが登録されている)と判断して(S2110:YES)、スタンドIDが「1」のスタンドへの給電を停止させ(S2111)、当該スタンドを充電待ちスタンド管理テーブル125に登録している(S2113)。そして主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に登録されている他のスタンド(ここではスタンドIDが「3」のスタンド)を選択し(S2114)、このスタンドについて充電を開始しても、図21のS2117の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS2119の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たすことを確認した上で、当該スタンド(スタンドIDが「3」のスタンド)による電動車両2の充電を開始している(S2120)。
【0149】
時刻tfでは、主制御装置10が、スタンドIDが「2」のスタンドの充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えていることを検知し(S2105:YES)、かつ、他に予約がある(充電待ちスタンド管理テーブル125にレコードが登録されている)と判断して(S2110:YES)、スタンドIDが「2」のスタンドへの給電を停止させ(S2111)、当該スタンドを充電待ちスタンド管理テーブル125に登録している(S2113)。そして主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に登録されている他のスタンド(ここではスタンドIDが「4」のスタンド)を選択し(S2114)、このスタンドについて充電を開始した場合でも、S2117の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS2119の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たすことを確認した上で、当該スタンド(スタンドIDが「4」のスタンド)による電動車両2の充電を開始している(S2120)。
【0150】
時刻tgでは、主制御装置10が、スタンドIDが「4」のスタンドの電流値が充電終了判定値Iend以下になっていることを検知して(S2210:YES)、当該スタンドへの給電を停止させている(S2211)。そして主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に登録されている他のスタンド(ここではスタンドIDが「1」のスタンド)を選択し(S2214)、このスタンドについて充電を開始した場合でも、S2217の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS2219の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たすことを確認した上で、当該スタンド(スタンドIDが「1」のスタンド)による電動車両2の充電を開始している(S2220)。
【0151】
時刻thでは、主制御装置10が、スタンドIDが「3」のスタンドの充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えていることを検知し(S2105:YES)、かつ、他に予約がある(充電待ちスタンド管理テーブル125にレコードが登録されている)と判断し(S2110:YES)、スタンドIDが「3」のスタンドへの給電を停止させ(S2111)、当該スタンドを充電待ちスタンド管理テーブル125に登録している(S2113)。そして主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に登録されている他のスタンド(ここではスタンドIDが「2」のスタンド)を選択し(S2114)、このスタンドについて充電を開始した場合でも、S2117の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS2119の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たすことを確認した上で、当該スタンド(スタンドIDが「2」のスタンド)による電動車両2の充電を開始している(S2120)。
【0152】
時刻tiでは、利用者が、メニュー画面1600において、スタンドIDとして「2」を選択するとともに(図13のS1317:YES)、充電中止ボタン166を選択している(S1323:YES)。そのため、主制御装置10は、当該スタンドへの給電を停止している(図20のS2011)。そして主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に登録されている他のスタンド(ここではスタンドIDが「3」のスタンド)を選択し(S2014)、このスタンドについて充電を開始した場合でも、S2017の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS2019の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たすことを確認した上で、当該スタンド(スタンドIDが「3」のスタンド)による電動車両2の充電を開始している(S2120)。
【0153】
時刻tjでは、主制御装置10が、スタンドIDが「1」のスタンドの充電継続時間が最大充電継続時間Tmaxを超えていることを検知したが(S2105:YES)、他に予約がない(充電待ちスタンド管理テーブル125にレコードが登録されていない)と判断し(S2110:NO)、そのまま当該スタンド(スタンドIDが「1」のスタンド)による電動車両2の充電を続行している。
【0154】
時刻tkでは、利用者が、メニュー画面1600において、スタンドIDとして「4」を選択するとともに(図13のS1317:YES)、充電開始ボタン165を選択している(S1321:YES)。この時点では、スタンドIDが「1」及び「3」のスタンドについて充電が行われている。ここでは、主制御装置10は、図17のS1714の条件「Ir+Δi≦Imax」又はS1716の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれかを満たしていないと判断し、当該スタンド(スタンドIDが「4」のスタンド)の充電を予約(充電待ちスタンド管理テーブル125にレコードを登録)している(S1731)。
【0155】
時刻tlでは、主制御装置10が、スタンドIDが「3」のスタンドの電流値が充電終了判定値Iend以下になっていることを検知して(S2210:YES)、当該スタンドへの給電を停止させている(S2211)。そして主制御装置10は、充電待ちスタンド管理テーブル125に登録されている他のスタンド(ここではスタンドIDが「4」のスタンド)を選択し(S2214)、このスタンドについて充電を開始した場合でも、S2217の条件「Ir+Δi≦Imax」及びS2219の条件「Nr+1≦Nmax」のいずれも満たすことを確認した上で、当該スタンド(スタンドIDが「4」のスタンド)への充電電流の供給を開始している(S2220)。
【0156】
以上の具体例から明らかなように、本実施形態の充電システム1によれば、電源3が供給する電流値が最大許容電流Imaxを超えない範囲で効率よく充電設備4に電流を供給して電動車両2の充電を行うことができる。また主制御装置10は、ある充電設備4が電動車両2の充電を開始した後、最大充電継続時間Tmaxを超えた充電設備4については強制的に電流の供給を停止し、これに代えて充電予約されている充電設備4についての充電を自動的に開始する。そのため、後続して充電予約がされている電動車両2の充電を早期に開始させることができる。このように、本実施形態の充電システム1によれば、電源3が供給可能な電力が制限されている環境において複数の電動車両2の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0157】
また主制御装置10は、利用者から停止指示を受け付けて電源3からある充電設備4への電流の供給を停止させると、待機状態にある他の充電設備4への電流の供給を開始させる。このように本実施形態の充電システム1においては、停止指示を受けた場合に待機状態にある他の充電設備4への電流の供給が自動的に開始されるため、後続して充電予約されている電動車両2の充電を早期に開始させることができる。このため、本実施形態の充電システム1によれば、電源3が供給可能な電力が制限されている環境において複数の電動車両2の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0158】
また主制御装置10は、充電が完了している充電設備4に対する電源3からの電流の供給が停止されると、待機状態にある他の充電設備4への電流の供給を開始させる。このように本実施形態の充電システム1においては、充電が完了している充電設備4について電源3からの電流の供給が停止されると、待機状態にある他の充電設備4への電流の供給が自動的に開始されるので、後続して充電予約されている電動車両2の充電を早期に開始させることができる。このため、本実施形態の充電システム1によれば、電源3が供給可能な電力が制限されている環境において複数の電動車両2の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0159】
また本実施形態の充電システム1によれば、電源3が現在供給している電流値が最大許容電流Imaxを超えず、かつ、電動車両2の現在の接続台数合計が同時充電可能台数Nmaxを超えない範囲で効率よく各充電設備4に電流を供給して電動車両2の充電を行うことができる。また充電を開始した後、最大充電継続時間Tmaxを超えた充電設備4については強制的に電流の供給を停止し、これに代えて充電予約されている充電設備4についての充電を自動的に開始するので、後続して充電予約されている電動車両2の充電を早期に開始させることができる。このため、本実施形態の充電システム1によれば、電源3が供給可能な電力が制限されている環境において複数の電動車両2の充電を適切かつ効率よく行うことができる。
【0160】
<メンテナンス処理>
図24は、図13に示したメンテナンス処理S1326の詳細を説明するフローチャートである。以下、同図とともに説明する。
【0161】
まず主制御装置10は、利用者にメンテナンス項目を選択させる画面(以下、メンテナンス画面2500と称する。)を表示装置105に表示する(S2411)。
【0162】
図25に、メンテナンス画面2500の一例を示している。同図に示すように、メンテナンス画面2500には、利用者にメンテナンス項目を指定させる複数のボタンが設けられている。
【0163】
これらのうち、最大許容電流(符号2511)、同時充電可能台数(符号2512)、最大充電継続時間(符号2513)、及び充電終了判定値(符号2514)は、いずれも設定情報管理テーブル122の内容を設定する際に選択されるボタンである。これら4つのボタンのいずれかが選択されると(S2412:YES)、選択されたボタンに対応した入力欄が表示され、利用者が入力欄に内容を入力すると、主制御装置10は、入力された内容を設定情報管理テーブル122の内容として設定する(S2421)。その後は図13のS1314に戻る。
【0164】
またメンテナンス画面2500の予定最大充電電流(符号2521)が選択されると(S2413:YES)、主制御装置10は、利用者から電動車両2の車種ごとの予定最大充電電流Δiを受け付け、受け付けた内容を予定最大充電電流管理テーブル123に登録する(S2422)。その後は図13のS1314に戻る。
【0165】
またメンテナンス画面2500の利用者情報登録(符号2522)が選択されると(S2414:YES)、主制御装置10は、利用者から利用者IDやパスワード等を受け付け、受け付けた内容を利用者情報管理テーブル121に登録する(S2423)。その後は図13のS1314に戻る。
【0166】
メンテナンス画面2500の「戻る」2523が選択されると(S2415:YES)、図13のS1314に戻る。
【0167】
ところで、以上に説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0168】
前述した実施形態では、利用者がメニュー画面1600の充電中止166を選択したことを契機として充電中止処理S1900を実行しているが、例えば、充電設備4の充電コネクタ41が電動車両2から外れたことを契機として充電中止処理S1900を実行するようにしてもよい。尚、この場合には、例えば、充電コネクタ41に印加される電圧が所定の閾値以下になったことをもって充電コネクタ41が電動車両2から外れたと判断するようにする。
【0169】
また以上では、電動車両2の一例として電気自動車について説明したが、電動車両2が例えば、電動バイクや電動自転車等である場合であっても、以上に説明した充電システム1と同様の構成を実現することができる。
【0170】
また以上の実施形態では、主制御装置10と計測制御装置50とを別のハードウエアとして構成しているが、これらは同一のハードウエアによって実現することもできる。
【符号の説明】
【0171】
1 充電システム
2 電動車両
201 蓄電池
3 電源
4 充電設備
41 充電コネクタ
10 主制御装置
122 設定情報管理テーブル
123 予定最大充電電流管理テーブル
124 充電中スタンド管理テーブル
125 充電待ちスタンド管理テーブル
35 電流計
50 計測制御装置
1221 最大許容電流Imax
1222 同時充電可能台数Nmax
1223 最大充電継続時間Tmax
1224 充電終了判定値Iend
S1300 操作入力受付処理
S1322 充電開始処理
S1900 充電中止処理
S2000 充電停止処理
S2100 充電継続時間監視処理
S2200 充電完了処理
S2400 メンテナンス処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両を充電するための電力を供給する電源と、
前記電源から供給される電力によって電動車両の充電を行う充電設備と、
前記充電設備の夫々に供給される電流値を取得し、前記電源から前記充電設備の夫々への電流の供給を制御する制御装置と、
を含んで構成される電動車両の充電システムであって、
前記制御装置は、
前記充電設備による電動車両の充電予約を受け付け、
前記充電設備の夫々に現在供給されている電流値Irに、前記充電予約されている前記充電設備について充電を行った場合にその充電設備に供給される最大の電流値である最大充電電流Δiを加えて求まる電流値Ir+Δiが、前記電源が供給可能な最大の電流値である最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は前記充電予約されている前記充電設備への電流の供給を開始し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imaxを超えている場合は前記充電予約を待機状態として管理し、
前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々への電流の供給が開始されてから現在までの時間である充電継続時間を監視し、
前記充電継続時間が予め設定された最大充電継続時間Tmaxを超えている前記充電設備が存在することを検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の充電システムであって、
前記制御装置は、
前記充電設備による電動車両の充電を停止させる旨の指示を受け付け、
受け付けた前記指示に対応する前記充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電システム。
【請求項3】
請求項1に記載の充電システムであって、
前記制御装置は、
前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々に対して供給されている電流の値が、充電の完了有無を判断するための閾値である充電終了判定値Iend以下になっているか否かを監視し、
前記電源から供給されている電流の値が前記充電終了判定値Iend以下になっている前記充電設備を検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電システム。
【請求項4】
請求項1に記載の充電システムであって、
前記制御装置は、
前記充電設備による電動車両の充電予約を受け付け、
前記充電設備の夫々に現在供給されている電流値Irに、前記充電予約されている前記充電設備について充電を行った場合にその充電設備に供給される最大の電流値である最大充電電流Δiを加えて求まる電流値Ir+Δiが、前記電源が供給可能な最大の電流値である最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、
現在電動車両が接続中の前記充電設備の数である接続台数合計Nrに1を加えた値Nr+1が、当該充電システムが同時に充電可能な電動車両の台数の上限値である同時充電可能台数Nmax以下であるか否かを判断し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下である場合は、前記充電予約されている前記充電設備への電流の供給を開始し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imaxを超えているか、もしくは、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmaxを超えている場合は、前記充電予約を待機状態として管理し、
前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々に対する電流の供給が開始されてから現在までの時間である充電継続時間を監視し、
前記充電継続時間が予め設定された最大充電継続時間Tmaxを超えている前記充電設備が存在することを検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電システム。
【請求項5】
電動車両を充電するための電力を供給する電源と、
前記電源から供給される電力によって電動車両の充電を行う充電設備と、
前記充電設備の夫々に供給される電流値を取得し、前記電源から前記充電設備の夫々への電流の供給を制御する制御装置と、
を含んで構成される電動車両の充電システムを用いた充電方法であって、
前記制御装置が、
前記充電設備による電動車両の充電予約を受け付け、
前記充電設備の夫々に現在供給されている電流値Irに、前記充電予約されている前記充電設備について充電を行った場合にその充電設備に供給される最大の電流値である最大充電電流Δiを加えて求まる電流値Ir+Δiが、前記電源が供給可能な最大の電流値である最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は前記充電予約されている前記充電設備への電流の供給を開始し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imaxを超えている場合は前記充電予約を待機状態として管理し、
前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々への電流の供給が開始されてから現在までの時間である充電継続時間を監視し、
前記充電継続時間が予め設定された最大充電継続時間Tmaxを超えている前記充電設備が存在することを検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電方法。
【請求項6】
請求項5に記載の充電方法であって、
前記制御装置が、
前記充電設備による電動車両の充電を停止させる旨の指示を受け付け、
受け付けた前記指示に対応する前記充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電方法。
【請求項7】
請求項5に記載の充電方法であって、
前記制御装置が、
前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々に対して供給されている電流の値が、充電の完了有無を判断するための閾値である充電終了判定値Iend以下になっているか否かを監視し、
前記電源から供給されている電流の値が前記充電終了判定値Iend以下になっている前記充電設備を検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電方法。
【請求項8】
請求項1に記載の充電方法であって、
前記制御装置が、
前記充電設備による電動車両の充電予約を受け付け、
前記充電設備の夫々に現在供給されている電流値Irに、前記充電予約されている前記充電設備について充電を行った場合にその充電設備に供給される最大の電流値である最大充電電流Δiを加えて求まる電流値Ir+Δiが、前記電源が供給可能な最大の電流値である最大許容電流Imax以下であるか否かを判断し、
現在電動車両が接続中の前記充電設備の数である接続台数合計Nrに1を加えた値Nr+1が、当該充電システムが同時に充電可能な電動車両の台数の上限値である同時充電可能台数Nmax以下であるか否かを判断し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下である場合は、前記充電予約されている前記充電設備への電流の供給を開始し、
前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imaxを超えているか、もしくは、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmaxを超えている場合は、前記充電予約を待機状態として管理し、
前記充電設備の夫々について、前記電源から夫々に対する電流の供給が開始されてから現在までの時間である充電継続時間を監視し、
前記充電継続時間が予め設定された最大充電継続時間Tmaxを超えている前記充電設備が存在することを検知すると、その充電設備への前記電源からの電流の供給を停止し、
前記停止の後、待機状態として管理している前記充電予約について、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下であるか否かを判断し、前記電流値Ir+Δiが前記最大許容電流Imax以下であり、かつ、前記Nr+1が前記同時充電可能台数Nmax以下である場合は管理している前記充電予約についての前記充電設備への電流の供給を開始する
ことを特徴とする充電方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2012−143042(P2012−143042A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292545(P2010−292545)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】