説明

電動開閉体の過負荷検知装置

【課題】
ステッピングモータの特徴を活かすことで、簡単かつ確実に電動開閉体の過負荷状態を検知する。
【解決手段】
ステッピングモータを駆動源とした電動開閉体の過負荷検知装置において、該装置はモータの出力を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、ステッピングモータの出力を、開閉体の開閉量により変化する負荷に応じて駆動可能な最低出力に設定し、負荷が該最低出力を超えたときは、該ステッピングモータを脱調させて開閉体の開閉駆動を停止するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動開閉体の過負荷検知に係り、詳しくは、ステッピングモータを駆動源として開閉駆動される開閉体の過負荷検知に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、電動開閉体における過負荷検知は、何らかの手段(例えば、負荷検出回路及び比較器)で過負荷状態にあるか否かを判定し、過負荷状態であると判定された場合にモータ駆動回路への駆動電流の供給を停止するという複数の手順を踏む必要があった。また、負荷を精度よく検出し、モータ停止までの処理時間を短くするためには、複雑な回路構成が必要となること、さらに、モータを制御するマイクロコンピュータの機能の向上も要求されることが、装置のコスト高を招いている。
【0003】
建築用電動開閉体としての電動シャッター装置では、過負荷状態を検知することは障害物検知の一つの手段として重要である。電動シャッター装置において過負荷状態を検知する手段については、幾つかの特許出願が行われているが、いずれも上述のものと同様に過負荷状態を検知し、過負荷状態であると判定された場合にモータを停止させるという手順を踏むものである。
【0004】
特許文献1は、電動開閉機における緊急停止装置に係り、検出した電流波形に基づいて、過負荷状態であるか否かを判定して、過負荷状態の場合には開閉機の緊急停止指令を出力するものである。
【0005】
特許文献2は、シャッター開閉装置に係り、所定のタイミング毎にトルクの変化量を求め、予め設定した閾値と比較し、トルクの変化量が閾値を超えたときに障害物検知信号を出力するものである。
【0006】
特許文献3は、シャッター開閉装置に係り、トルク検出手段で検出された検出トルク値と設定トルク値とを比較し、検出トルク値が設定トルク値を超えたとき障害物への接触であると判断し、シャッター開閉を安全制御するものである。
【0007】
特許文献4は、開閉機における停止制御装置に係り、スラットカーテンの移動範囲毎に検出した駆動モータの駆動出力と、移動範囲毎に設定した設定出力とを比較し、駆動出力信号が設定出力信号に対して設定範囲外にある場合には、駆動モータに停止信号を送信するものである。
【0008】
特許文献5は、電動シャッターにおける障害物検知に係り、シャッター体を巻き上げる過程でモータの電流値又は回転数を検出し、検出した電流値又は回転数が、所定の管理値を超えたときに、障害物が存在する旨の信号を発生するものである。
【0009】
特許文献6は、電動シャッターに係り、シャッターカーテンの開閉時にモータにかかる負荷の変動を検出して変動負荷基準値を求め、変動負荷基準値と比較して異常な負荷がモータに作用した場合に、モータを停止させるものである。
【特許文献1】特開平8−93364
【特許文献2】特開平10−25980
【特許文献3】特開平10−37637
【特許文献4】特開2000−64750
【特許文献5】特開2002−194973
【特許文献6】特開2002−194974
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ステッピングモータの特徴を活かすことで、簡単かつ確実に電動開閉体の過負荷状態を検知することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を達成するために本発明が採用した技術手段は、ステッピングモータを駆動源とした電動開閉体の過負荷検知装置において、該装置はモータの出力を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、ステッピングモータの出力を、開閉体の開閉量により変化する負荷に応じて駆動可能な最低出力に設定し、負荷が該最低出力を超えたときは、該ステッピングモータを脱調させて開閉体の開閉駆動を停止するように構成したものである。
【0012】
本発明の特徴は、ステッピングモータの脱調を積極的に利用した点にある。ステッピングモータはパルス数に同期して回転するが、過負荷時には同期を失って脱調してしまうという性質をもっている。脱調は、ステッピングモータが正常に作動してない状態であるので、従来は、トルク余裕(トルクマージン)を大きく設定することでステッピングモータが脱調しないようにステッピングモータの駆動制御を行っている。これに対して、本発明では、過負荷時にステッピングモータが脱調するようにモータ出力を設定することでステッピングモータの駆動制御を行うものである。
【0013】
本発明では、制御手段によって、ステッピングモータの出力を、開閉体の開閉量により変化する負荷に応じて変化させる。開閉体の中には、開閉体の開閉量によって負荷が変化するものがある。例えば、建築用開閉体の一つであるシャッターカーテンの場合、シャッターカーテンが巻取りシャフトに対して巻き取られ、あるいは巻取りシャフトから繰り出されることで開口部を開閉するが、巻取りシャフトから繰り出されたシャッターカーテンの量(繰出し量ないし送出し量という)によって負荷が変化する。したがって、シャッター装置においては、全開状態と全閉状態との間で、負荷が経時的に変化することになる。本発明では、ステッピングモータの出力を、このように開閉体の開閉量によって変化する負荷に応じて駆動可能な最低出力に設定し、過負荷時にはステッピングモータを脱調させる点に特徴がある。ここで、「駆動可能な最低出力」は、通常の使用時に発生し得る軽微な負荷変化(例えば、風等によりシャッターカーテンに作用する軽微な負荷)では脱調することなくモータが駆動するような大きさの出力である。「駆動可能な最低出力」の設定は、一つの好ましい態様では、ステッピングモータの出力を、開閉体の開閉量に応じて変化する負荷に対して所定のオフセット量だけ上乗せした値に制御し、該オフセット量を過負荷時に該モータが脱調するような値に設定することで行う。
【0014】
好ましい態様では、本発明に係る過負荷検知装置は、障害物検知装置として用いられる。また、他の好ましい態様では、過負荷検知装置は脱調検知手段を有し、このような過負荷検知装置を用いて電動開閉体の上限位置および/または下限位置を設定してもよい。さらに、他の態様では、障害物検知装置は、脱調検知手段を有し、脱調検知に基づいてモータへの駆動電流の供給を停止させ、あるいは、脱調検知に基づいてモータへ反転駆動電流を供給して開閉体を反転駆動させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、ステッピングモータの脱調をもって過負荷検出とするので、自動的に過負荷を検出してモータの回転軸の回転を停止することができ、従来のように過負荷検出後にモータを停止させるための手順が不要となり、簡単かつ確実に過負荷を検出してモータを停止させる。また、定電流駆動領域においては、電源電圧が変動しても、過負荷検出トルク(脱調トルク)を一定にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
建築用電動開閉体の好適な例として電動シャッター装置に基づいて説明する。図1において、建物開口部に設置されるシャッター装置は、シャッターカーテン1と、シャッターカーテン1の上端が連結されている巻取りシャフト2と、巻取りシャフト2を開閉駆動させる開閉機3とを有する。開閉機3は駆動手段としてのステッピングモータ4を有しており、ステッピングモータ4の回転軸と巻取りシャフト2とを伝動連結させて、ステッピングモータ4の回転軸の回転を巻取りシャフト2に伝達することで巻取りシャフト1を正逆回転させてシャッターカーテン1を巻取りシャフト2に巻き取り、あるいは、巻取りシャフト2から繰り出してシャッターカーテン1を左右のガイドレール5に案内させて開口部を開閉する。
【0017】
シャッター装置の開閉駆動は、スイッチボックス6からの指令によって行われる。スイッチボックス6からの指令は制御部7を介して開閉機3に送信される。スイッチボックス6には、上昇用、下降用、停止用の押釦式操作スイッチPBU,PBS,PBDが設けてある。上昇用ボタンPBUを押すと、シャッター上昇信号が制御部7の開閉制御回路に送信され、モータ駆動電流が開閉機3のモータ4に供給されて、モータ4が回転して、シャッターカーテン1を巻取りシャフト2に巻き取る。下降用ボタンPBDを押すと、シャッター下降信号が制御部7の開閉制御回路に送信され、モータ駆動電流が開閉機3のモータ4に供給されて、モータ4が回転して、シャッターカーテン1を巻取りシャフト2から繰り出す。停止用ボタンPBSを押すと、停止信号が制御部7の開閉制御回路に送信され、モータ4へのモータ駆動電流の供給が遮断されて、モータ4の回転が停止する。
【0018】
制御部(制御手段)7はマイクロコンピュータを有しており、マイクロコンピュータはCPUと記憶部を備えており、記憶部を構成するICメモリはさらにROMとRAMを有している(ICメモリの少なくとも一部は、EPROM,EEPROM,不揮発性RAM等の不揮発性メモリである)。ステッピングモータ4の駆動はマイクロコンピュータによって制御される。すなわち、マイクロコンピュータによって制御された所定の駆動電流をモータに送出することでステッピングモータは所定の駆動トルク(開閉機出力)を出力する。本発明では、シャッターカーテンの位置(シャッターカーテンの繰り出し量)に応じてモータに供給される駆動電流が設定されている。
【0019】
開閉機3を構成するモータ4の回転軸にはロータリーエンコーダ(図示せず)が取り付けてあり、回転軸の回転に応じて出力されるパルス数をカウントするようになっている。マイクロコンピュータの不揮発性記憶メモリにはシャッターカーテンの最大移動量が記憶され、上限位置または下限位置を原点位置としてロータリーエンコーダから出力されるパルスをカウントしてRAMに記憶する。カウント値が原点位置に対応する値、最大移動量に対応する値と一致したときに上下限位置に達したと判断してモータへの駆動電流供給を停止するようにしている。原点位置のデータは、シャッターを建物開口部に設置した時に、シャッターカーテンを上限位置あるいは下限位置に停止させて設定スイッチを操作することでマイクロコンピュータのRAMに記憶させる。また、ロータリーエンコーダによって、モータの回転軸の回転数、回転速度を演算することができる。さらに、カウントしたパルス数に基づいてシャッターカーテンの位置(シャッターカーテンの繰り出し量)の検出が可能である。
【0020】
開閉機によりシャッターカーテンを開閉駆動するためには、開閉機の出力(モータの駆動トルク)が負荷(シャッターモーメントによって決定される)を上回る必要があるが、巻取りシャフトを回転させてシャッターカーテンを上下動させる際のシャッターモーメントは、シャッターカーテンが全開状態から全閉状態へと至る過程、シャッターカーテンが全閉状態から全開状態へと至る過程で、シャッターカーテンが巻取りシャフトから繰り出された量に応じて経時的に変化する(本明細書では、シャッターカーテンの開閉時にシャッターカーテンの繰り出し量に起因して経時的に変化する負荷を、シャッターモーメントと言う)。シャッターカーテンの開閉時のシャッターモーメントは、シャッターカーテンの繰り出し量と巻取りシャフトに内蔵されたバネとのバランスによって決定されるので、シャッターカーテン開閉時に変化するシャッターカーテンの繰り出し量によって負荷が変化することになる(シャッターモーメントは経時的に変化するアンバランスなモーメントである)。
【0021】
本発明では、シャッターカーテンを上下動させて開口部を開閉するために最低限必要な開閉機(モータ)の出力(駆動トルク)はシャッターカーテンの位置(繰り出し量)によって異なる点に着目し、シャッターカーテンの開閉時において変化する負荷(シャッターモーメント)を経時的に監視して検出すると共に、検出された負荷に対して所定のオフセット量だけ上乗せした値の開閉機の出力(駆動可能な最低出力)が得られるようにステッピングモータの出力を制御する。モータ出力の制御は、モータへ供給する駆動電流の制御により駆動トルクを制御することで行う。そして、モータにかかる負荷が、予め設定された駆動可能な最低出力を超えたときは、ステッピングモータを脱調させてシャッターカーテンの開閉駆動を停止させる。
【0022】
予めシャッターカーテンの全開状態から全閉状態、あるいは全閉状態から全開状態における負荷を経時的に監視して検出することで変化する負荷情報(シャッターモーメント)を取得し、記憶部に記憶しておく。一つの態様では、電流検出装置を用いて負荷の変動を検出することで、電流値を負荷(シャッターのモーメントの値)と等価として記憶部に格納する。負荷を電流値と等価としたが、駆動電流とトルクの関係は、用いられるモータによって決まっているので、駆動電流がわかれば負荷トルクを算出することができる。
【0023】
検知された負荷に上乗せするオフセット量は、正常なシャッターカーテンの開閉駆動時には駆動トルク(ある時点で検知された負荷+オフセット量)がトルクを下回ることがなく、移動中のシャッターカーテンに障害物が当った場合等にシャッターカーテンに作用する負荷の大きさが、駆動トルク(ある時点で検知された負荷+オフセット量)を超えるような値に設定される。すなわち、過負荷状態では、負荷が駆動トルクを上回って、開閉機を構成するステッピングモータが脱調するような値にオフセット量が設定される。具体的な態様では、オフセット量は電流値として設定され、検出された負荷と等価としての電流値に対してオフセット量を加えた電流値を駆動電流としてモータに供給する。こうすることで、過負荷時にステッピングモータを脱調させることで過負荷検出が行われ、モータが脱調することで回転軸の回転が停止してシャッターカーテンの開閉駆動が停止する。シャッターカーテンの開閉駆動時には、予め設定されたオフセット量、検知された負荷と等価としての電流値に基づいて、駆動電流が経時的(所定タイミング毎)に決定される。オフセット量は、モータ出力がシャッターカーテンの開閉量により変化する負荷(シャッターモーメント)に応じて駆動可能な最低出力となるような値に設定される。オフセット量は、通常の使用時に発生し得る軽微な負荷変化(例えば、風等によりシャッターカーテンに作用する軽微な負荷)では脱調することなくモータが駆動するようなマージンを決定する。オフセット量は過負荷検知の検知感度に直接影響を与えるものであり、シャッターカーテンの開閉操作の過程で、必要に応じて、オフセット量を更新してもよい。一つの態様では、オフセット量は、テーブルとしてマイクロコンピュータのROMに記憶されており、テーブルから適当なオフセット量が選択される。
【0024】
図2は開閉機の出力の制御を説明する図である。シャッターカーテンの開閉操作時にシャッターカーテンの送り出し量によって変化するシャッターのモーメント(負荷)を所定タイミング(実施例では、1.7秒)毎に監視し、検知する。一つの態様では、上述のように電流値を負荷とみなす。所定タイミング(1.7秒)毎に検知された負荷(電流値)は、マイクロコンピュータの不揮発性記憶メモリあるいはRAMに記憶される。検知されたシャッターモーメント(電流値)と予め設定されたオフセット量(電流値)から開閉機のモータに供給される駆動電流が所定タイミング(1.7秒)毎に決定され、所定の駆動トルク(出力)が所定タイミング(1.7秒)毎に出力されてシャッターカーテンを開閉駆動する。正常なシャッターカーテンの開閉動作では、負荷がモータの出力を上回ることがないので、所定の駆動電流によって出力された駆動トルクでシャッターカーテンが開閉駆動される。
【0025】
シャッターカーテンの開閉駆動時にシャッターカーテンに障害物が当ったような場合には、シャッターカーテンに作用する負荷がモータ出力を上回り、ステッピングモータが脱調する。ステッピングモータが脱調すると、モータ回転軸の回転が停止するのでシャッターカーテンの開閉駆動が停止する。すなわち、ステッピングモータが脱調することで過負荷状態を自動的に検知する。
【0026】
過負荷状態を検出した後のシャッターカーテンの開閉駆動制御のために、ステッピングモータの脱調を脱調検知手段によって検知する。ステッピングモータの脱調は、モータの回転が入力パルスに同期しなくなった状態であるので、ロータリーエンコーダでモータ回転軸の回転を検出すると共に、エンコーダの出力パルスの有無を検出することで、ステッピングモータの脱調を検知することができる。ステッピングモータの脱調が検知された場合の処理手順としては、一つの態様では、モータへ供給されるモータ駆動電流を遮断してモータを完全に停止する。また、他の態様では、モータを完全に停止させた後、あるいは、脱調が検知された後に、シャッターカーテンを反転させるようなモータ駆動電流をモータに所定時間供給して、シャッターカーテンを所定時間反転動作させる。
【0027】
本発明に係る過負荷検出を用いた障害物検知について説明する。図3、図4は上昇中の障害物検知を示す図であり、シャッターカーテンの上昇中に、障害物がシャッターカーテンに当ってレール抵抗が増えた場合には、負荷がモータ出力を上回る。すなわち、図4の上図のグラフにおいて、左側のアンバランス量が右側の開閉機出力を超えることになる。そして、負荷がモータ出力を上回ることによって開閉機を構成するステッピングモータが脱調することで障害物を検知し、モータの回転軸の回転が停止する。ステッピングモータの脱調を検知すると、シャッターカーテンを反転下降させるような駆動電流が所定時間モータに送出され、シャッターカーテンは所定時間反転下降する。所定時間経過後はモータへの駆動電流は停止され、シャッターカーテンは停止する。
【0028】
一つの態様では、障害物を検知することによって、検知感度(オフセット量)の変更が行われる。ステッピングモータの脱調によって障害物検知が行われた時に、障害物検知位置が記憶される。そして、障害物検知の1.7秒前から障害物検知の3.4秒後まで、障害物検知のオフセット量を所定量大きくする。そして、次の開放時に同じ位置で障害物検知が無かった場合には、オフセット量を障害物検知前のオフセット量まで下げる。
【0029】
図5、図6は下降中の障害物検知を示す図であり、シャッターカーテンの下降中に、シャッターカーテンの座板が障害物に当った場合には、負荷がモータ出力を上回る。すなわち、図6の上図のグラフにおいて、左側のアンバランス量が右側の開閉機出力を超えることになる。そして、負荷がモータ出力を上回ることによって開閉機を構成するステッピングモータが脱調することで障害物を検知し、モータの回転軸の回転が停止する。ステッピングモータの脱調を検知すると、シャッターカーテンを反転上昇させるような駆動電流が所定時間モータに送出され、シャッターカーテンは所定時間反転上昇する。所定時間経過後はモータへの駆動電流パルスは停止され、シャッターカーテンは停止する。
【0030】
一つの態様では、障害物を検知することによって、検知感度(オフセット量)の変更が行われる。ステッピングモータの脱調によって障害物検知が行われた時に、障害物検知位置が記憶される。そして、障害物検知の1.7秒前から障害物検知の3.4秒後まで、障害物検知のオフセット量を所定量大きくする。そして、次の閉鎖時に同じ位置で障害物検知が無かった場合には、オフセット量を障害物検知前のオフセット量まで下げる。
【0031】
本発明に係る過負荷検知は、シャッターカーテンの上限位置、下限位置の設定に用いることができる。すなわち、ステッピングモータによる駆動でシャッターカーテンを上昇あるいは下降させた時に、まぐさ部、水切りに当接した時の過負荷でモータが脱調することによって、シャッターカーテンの上限位置、下限位置の検出を検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る過負荷検出は、好適な例では、電動シャッターの障害物検知装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】電動シャッター装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る開閉機出力の制御を示すフローチャートである。
【図3】シャッターカーテン上昇中の障害物検知のフローチャートである。
【図4】シャッターカーテン上昇中の障害物検知に関連する図であり、上図は障害物が検知された状態を示し、下図は障害物検知に基づく検知感度変更を示す図である。
【図5】シャッターカーテン下降中の障害物検知のフローチャートである。
【図6】シャッターカーテン下降中の障害物検知に関連する図であり、上図は障害物が検知された状態を示し、下図は障害物検知に基づく検知感度変更を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 シャッターカーテン
2 巻取りシャフト
3 開閉機
4 ステッピングモータ
7 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッピングモータを駆動源とした電動開閉体の過負荷検知装置において、該装置はモータの出力を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、ステッピングモータの出力を、開閉体の開閉量により変化する負荷に応じて駆動可能な最低出力に設定し、負荷が該最低出力を超えたときは、該ステッピングモータを脱調させて開閉体の開閉駆動を停止するように構成されていることを特徴とする電動開閉体の過負荷検知装置。
【請求項2】
請求項1において、前記制御手段はステッピングモータの脱調を検知する脱調検知手段を有することを特徴とする電動開閉体の過負荷検知装置。
【請求項3】
請求項1あるいは2に記載した過負荷検知装置を用いたことを特徴とする障害物検知装置。
【請求項4】
請求項2に記載した過負荷検知装置を用いて電動開閉体の上限位置および/または下限位置を設定することを特徴とした建築用電動開閉体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−207156(P2006−207156A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17466(P2005−17466)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000177302)三和シヤッター工業株式会社 (173)
【出願人】(000106944)シナノケンシ株式会社 (316)
【Fターム(参考)】