説明

電子デバイスの製造方法および電子デバイス

【課題】 樹脂基板、電子部品内蔵樹脂基板、電子部品を内蔵した電子部品などの電子デバイスの製造方法において、導電ビアと内部の接続用電極との接合を確実におこなう。また、そのような導電ビアを、簡易に形成する。
【解決手段】 本発明の電子デバイスの製造方法は、接続用電極1aが形成された配線基板2を準備する工程と、接続用電極1a上に柱状ダミー体4aを形成する工程と、柱状ダミー体4aを埋設して、配線基板2の主面に樹脂層5を形成する工程と、樹脂層5に埋設された柱状ダミー体4aを、樹脂層5は溶解しにくいが柱状ダミー体4aは溶解可能な薬液を用いて溶解し、樹脂層5に柱状ダミー体と略同形状の空孔6aを形成する工程と、空孔6a内に導電成分を充填し、導電ビア7aを形成する工程と、を備えたものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板上に樹脂層を形成した樹脂基板、配線基板上に電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品内蔵樹脂基板、基板上に電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品などの電子デバイスの製造方法に関し、さらに詳しくは、導電ビアの形成方法に改良を加えた電子デバイスの製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、上記電子デバイスの製造方法を用いることにより製造が可能となった、改良された導電ビアを有する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、配線基板上に樹脂層を形成した樹脂基板、配線基板上に電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品内蔵樹脂基板、基板上に他の電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品などの電子デバイスが使用されている。そして、これらの電子デバイスには、樹脂層の表面から、配線基板に形成された接続用電極、あるいは実装された電子部品の端子電極に至る、導電ビアが形成される場合がある。
【0004】
図9(A)〜(C)に、従来の導電ビアの形成方法の一例を示す。なお、図9(A)〜(C)は、樹脂基板に導電ビアを形成する際に、実施される工程を示す断面図である。
【0005】
まず、図9(A)に示すように、Cuなどからなる接続用電極101が形成された、セラミック、ガラスエポキシなどからなる配線基板102の上に、熱硬化性または光硬化性の樹脂層103を形成する。
【0006】
次に、加熱または光照射して、樹脂層103を硬化させる。
【0007】
次に、図9(B)に示すように、接続用電極101に向けて、樹脂層103にレーザー光を照射して、樹脂層103の表面から接続用電極101に至るビア孔104を形成する。ビア孔104は、レーザー光の照射により形成されるため、樹脂層103の表面に近づくほど断面積が大きく、接続用電極101に近づくほど断面積が小さくなるように、内壁面がテーパー状に形成される。
【0008】
次に、ビア孔104に露出した接続用電極101の表面などに、レーザー光の照射の際に付着した、樹脂層103を構成する物質などの残渣のデスミア(除去)をおこなう。なお、デスミアは、専用のデスミア液を用いておこなう。
【0009】
次に、図9(C)に示すように、ビア孔104内に、Cuなどからなる導電ビア105を形成する。導電ビア105は、たとえば、電解めっきにより形成することができる。あるいは、無電解めっきをおこなった後に、電解めっきをおこなって形成することができる。あるいは、導電性ペーストを充填した後に、加熱して硬化させて形成することができる。
【0010】
以上のような工程からなる、従来の導電ビアの形成方法には、次のような問題があった。
【0011】
まず、ビア孔104をレーザー光の照射により形成しているため、ビア孔104は接続用電極101に近づくほど断面積が小さくなり、導電ビア105と接続用電極101との接合面積を十分に大きくすることができず、大きな接合強度を得ることが難しかった。そして、ビア孔104の内壁面が外側に向かってテーパーが広がっているため、導電ビア105がビア孔104の壁面から剥離しやすく、導電ビア105がビア孔104の壁面から剥離すると、導電ビア105がビア孔104から抜けやすかった。そして、導電ビア105がビア孔104から抜けると、導電ビア105と接続用電極101の間も剥離しやすく、両者間が断線してしまうことがあった。
【0012】
また、樹脂層103の表面から、樹脂層103に埋設された接続用電極101に向かってレーザー光を照射するため、配線基板102における接続用電極101の形成位置がずれていると、ビア孔104が接続用電極101に到達せず、導電ビア105を接続用電極101に接続できないことがあった。また、接続用電極101の形成位置がずれたことにより、導電ビア105と接続用電極101との接合面積が、設計上の接合面積よりも小さくなり、両者間の電気的接続性や、接合強度が不十分になってしまうことがあった。また、配線基板102における接続用電極101の形成位置がずれてしまうと、レーザー光の照射により、配線基板102を貫通するビア孔を形成してしまい、配線基板202を棄損してしまうことがあった。そのために、接続用電極101の面積を、必要以上に大きく形成する場合があり、この場合には、樹脂基板自体の大型化をまねく、材料コストが上昇してしまうなどの問題があった。
【0013】
なお、接続用電極101の形成位置のずれは、たとえば、配線基板102がセラミック基板である場合には、焼成時の焼成歪により生じる場合がある。また、配線基板102がガラスエポキシ基板である場合には、製造時の加圧条件などの状態により生じる場合がある。そして、配線基板102において接続用電極101の形成位置にずれが生じると、レーザー光の照射は、配線基板102の外形などを基準にしておこなうことが一般的であるため、レーザー光を接続用電極101からずれた位置に照射してしまうことがおこっていた。
【0014】
このような、従来の導電ビアの形成方法に改善をこころみたものとして、特許文献1(特開2006‐253189号公報)に開示された、別の従来の導電ビアの形成方法がある。
【0015】
図10(A)〜(C)に、特許文献1に開示された導電ビアの形成方法を示す。なお、図10(A)〜(C)は、樹脂基板に導電ビアを形成する際に、実施される工程を示す断面図である。
【0016】
まず、図10(A)に示すように、Cuなどからなる接続用電極201が形成された、セラミック、ガラスエポキシなどからなる配線基板202の上に、デスミア液によりエッチングされやすい樹脂からなる第1樹脂層203aを形成し、さらに第1樹脂層203aの上に、デスミア液によりエッチングされにくい樹脂からなる第2樹脂層203bを形成する。なお、第1樹脂層203a、第2樹脂層203bはいずれも、熱硬化性または光硬化性の樹脂からなる。
【0017】
次に、加熱または光照射して、第1樹脂層203aおよび第2樹脂層203bの硬化を進める。ただし、この時点では、第1樹脂層203a、第2樹脂層203bを完全に硬化させてしまうことはしない。
【0018】
次に、接続用電極201に向けて、樹脂層203aおよび第2樹脂層203bにレーザー光を照射して、樹脂層203aの表面から接続用電極201に至るビア孔204を形成する。ビア孔204は、レーザー光の照射により形成されるため、樹脂層203aの表面に近づくほど断面積が大きく、接続用電極201に近づくほど断面積が小さく、内壁面がテーパー状に形成される。
【0019】
次に、図10(B)に示すように、ビア孔204のデスミアをおこなう。上述のとおり、第1樹脂層203aはデスミア液によりエッチングされやすい樹脂からなり、第2樹脂層203bはデスミア液によりエッチングされにくい樹脂からなるため、ビア孔204には、第1樹脂層203a部分がエッチングされて鼓状の鼓状部204aが形成され、第2樹脂層203b部分はほとんどエッチングされず元のテーパー状を維持したテーパー状部204bが形成される。
【0020】
次に、図10(C)に示すように、ビア孔204内に、Cuなどからなる導電ビア205を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2006‐253189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上述した、図10(A)〜(C)に示す、特許文献1に開示された従来の導電ビアの形成方法によれば、導電ビア205が、ビア孔204の鼓状部204aにおいて鼓状に形成されるため、接続用電極201との接合面積を大きくすることができ、両者の接合強度の向上をはかることができる。また、鼓状の部分で、導電ビア205がビア孔204から剥離するのを阻止することができるため、導電ビア205を、接続用電極201から剥離しにくい構造にすることができる。
【0023】
しかしながら、依然として、特許文献1に開示された従来の導電ビアの形成方法は、配線基板202における接続用電極201の形成位置がずれてしまった場合に、ビア孔204が接続用電極201に到達せず、導電ビア205を接続用電極201に接続できないことがある、あるいは電ビア205と接続用電極201との接合面積が設計上の接合面積よりも小さくなり、両者間の電気的接続性や、接合強度が不十分になってしまうことがあるという問題は解消されていない。
【0024】
また、レーザー光の照射を正しい位置におこなわないと、配線基板202を貫通するビア孔を形成してしまう、あるいは配線基板202内に埋設された電子部品を破損してしまうという問題も解消されていない。また、レーザー光を斜め方向に照射するのは難しく、斜め方向の導電ビアを形成するのが難しいという問題もある。
【0025】
そしてなによりも、特許文献1に開示された従来の導電ビアの形成方法は、配線基板202の上に、デスミア液によりエッチングされやすい樹脂からなる第1樹脂層203aと、デスミア液によりエッチングされにくい樹脂からなる第2樹脂層203bとの2種類の樹脂層を形成しなければならず、製造が煩雑であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その手段として、本発明の電子デバイスの製造方法は、少なくとも一方の主面に接続用電極が形成された配線基板を準備する工程と、接続用電極上に柱状ダミー体を形成する工程と、少なくとも柱状ダミー体と接続用電極との接続部を覆うように、柱状ダミー体を埋設して、配線基板の少なくとも一方の主面に樹脂層を形成する工程と、樹脂層に所望の硬度を付与する工程と、樹脂層に埋設された柱状ダミー体を、樹脂層は溶解しにくいが柱状ダミー体は溶解可能な薬液を用いて溶解し、樹脂層に柱状ダミー体と略同形状の空孔を形成する工程と、空孔内に導電成分を充填し、導電ビアを形成する工程と、を備えたものとした。
【0027】
なお、配線基板に形成された接続用電極に接続される導電ビアに代えて、配線基板に実装された電子部品の端子電極に接続される導電ビアを、同様の方法で形成することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の電子デバイスの製造方法は、上述した内容からなるため、次の効果を奏することができる。
【0029】
導電ビアを、配線基板に形成された接続用電極や、配線基板に実装された電子部品の端子電極に、確実に接続することができる。
【0030】
また、製造過程において、柱状ダミー体の形成位置に不備があれば、その柱状ダミー電極を取り外し、正しい位置に、改めて柱状ダミー体を形成し直すことができる。また、形成した柱状ダミー体の形状に不備があれば、形状を修正するか、改めて柱状ダミー体を形成し直すことができる。
【0031】
また、レーザー光を照射する工程がないため、接続用電極や実装された電子部品の端子電極の位置にずれがあっても、配線基板や実装された電子部品を破損してしまうことがない。
【0032】
また、本発明により製造された電子デバイスは、次の効果を奏することができる。
【0033】
導電ビアを、樹脂層の表面近傍から、配線基板に形成された接続用電極、または配線基板に実装された電子部品の端子電極に向うに従い、断面積が大きくなるように形成することができる。この場合には、導電ビアが樹脂層から剥離するのを防止することができ、導電ビアが配線電極または端子電極から剥離するのを防止することができる。
【0034】
また、導電ビアの、配線基板に形成された接続用電極の近傍部分、または配線基板に実装された電子部品の端子電極の近傍部分に、断面積の大きな拡張部(台座部)を設けることができる。この場合には、導電ビアと接続用電極または端子電極との接合強度の向上をはかることができる。また、導電ビアの樹脂層からの剥離、ひいては導電ビアの配線電極または端子電極からの剥離を防止することができる。
【0035】
また、導電ビアの、全長における中間部分に、断面積の大きな拡張部を形成することができる。この場合には、導電ビアの樹脂層からの剥離、ひいては導電ビアの接続用電極または端子電極からの剥離を防止することができる。
【0036】
また、導電ビアの、樹脂層の表面の近傍部分に、断面積の大きな拡張部を設けることができる。この場合には、たとえば、電子デバイスの表面に、別途、接続用電極を形成するのではなく、樹脂層から露出した導電ビアの拡張部を、接続用電極として利用することができる。
【0037】
また、導電ビアを、配線基板の表面に対し、斜め方向に形成することができる。この場合には、導電ビアの配置自由度が向上し、たとえば、配線基板の表面の狭い範囲に集中して形成された複数の接続用電極を、樹脂層の表面の広い範囲に形成された複数の接続用電極にそれぞれ接続するなど、電極間ピッチの変更に利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1(A)〜(C)は、本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【図2】図1の続きであり、図2(D)〜(F)は、本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【図3】図3(A)〜(C)は、本発明の第2実施形態にかかる電子デバイスの製造方法において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【図4】図4(A)、(B)は、本発明の第3実施形態にかかる電子デバイスの製造方法において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【図5】図4の続きであり、図5(C)〜(E)は、本発明の第3実施形態にかかる電子デバイスの製造方法において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態にかかる電子デバイスを示す断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態にかかる電子デバイスを示す断面図である。
【図8】本発明の第6実施形態にかかる電子デバイスを示す断面図である。
【図9】図9(A)〜(C)は、従来の導電ビアの形成方法において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【図10】図10(A)〜(C)は、別の従来の導電ビアの形成方法(特許文献1に開示された導電ビアの形成方法)において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面ととともに、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1実施形態]
図1(A)〜図2(F)に、本発明の第1実施形態にかかる電子デバイス100の製造方法を示す。なお、図1(A)〜図2(F)の各図は、第1実施形態において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【0040】
第1実施形態にかかる電子デバイス100は、内部に電子部品が埋設された電子部品内蔵基板、または内部に他の電子部品が埋設された電子部品である。
【0041】
まず、図1(A)に示すように、一方の主面に予め複数の接続用電極1a、1bが形成された配線基板2を用意し、所定の接続用電極1bに、両端に1対の端子電極3aが形成された電子部品3を実装する。この実装は、たとえば、接続用電極1b上にクリームはんだを塗布しておき、その上に端子電極3aを載置し、加熱してクリームはんだを溶融させ、続いて冷却してはんだを固化させて、接続用電極1bと端子電極3aとを接合させることによりおこなうことができる。
【0042】
なお、配線基板2上に実装される、電子部品3の種類、個数、有する端子電極3aの個数などは任意であり、図示する内容には限定されない。
【0043】
次に、図1(B)に示すように、接続用電極1a上に柱状ダミー体4a、電子部品3の端子電極3a上に柱状ダミー体4bを形成する。柱状ダミー体4a、4bは、特定の薬液により溶解する材料により形成する。具体的には、たとえば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムに溶解する、フェノール樹脂を用いることができる。
【0044】
本実施形態においては、柱状ダミー体4a、4bの形状を、いずれも、接続用電極1aまたは端子電極3aに近いほど断面積が大きくなる円錐形状とした。ただし、柱状ダミー体4a、4bの形状は任意であり、円錐形状には限定されず、円柱形状、角錐形状、角柱形状など、あらゆる形状を採用することができる。
【0045】
柱状ダミー体4a、4bは、予め所望の形状に成型されたものを、接続用電極1a上、または端子電極3a上の所定の位置に接合することにより形成することができる。しかし、より好ましくは、柱状ダミー体4a、4bの材料に熱硬化性または光硬化性の樹脂を用い、インクジェット法により、樹脂の液滴を所定の位置に吐出して形成する。なお、柱状ダミー体4a、4bに熱硬化性または光硬化性の樹脂を用い、インクジェット法で形成した場合には、形成後に、加熱または光照射により、所望の硬度を備えるように硬化させることが好ましい。
【0046】
柱状ダミー体4a、4bの形成にインクジェット法を用いた場合、次の効果を奏することができる。まず、柱状ダミー体4a、4bの形成位置を、製造される電子デバイスに応じて、随時変更することができる。したがって、1つの製造ラインで多品種の電子デバイス製造することができる。また、吐出成形が可能な範囲で、柱状ダミー体4a、4bの形状を自由に設定し、かつ随時変更することができる。たとえば、形成初期の吐出量を多くしておき、途中から少なくしていけば、接続用電極1aまたは端子電極3aに近づくほど断面積が大きい、いわゆるテーパー状の柱状ダミー体4a、4bを形成することができる。同様に、吐出量を調整することにより、柱状ダミー体4a、4bの、接続用電極1aまたは端子電極3aの近傍部分、全長における中間部分、後で説明する樹脂層(5)の表面の近傍部分に、断面積の大きな拡張部を設けることができる。さらに、柱状ダミー体4a、4bを、配線基板2の表面に対し、斜め方向に形成することができる。
【0047】
なお、柱状ダミー体4a、4bの所定の位置への形成は、撮像カメラにより配線基板2の接続用電極1aや電子部品3の端子電極3aの位置を把握し、コンピュータで制御しておこなうことができる。あるいは、配線基板2に予め基準位置を示すマークを設けておき、そのマークの位置を把握し、そのマークを基準にして、柱状ダミー体4a、4bを形成する位置を制御するようにしても良い。
【0048】
なお、柱状ダミー体4a、4bの底面の全てが、接続用電極1aまたは端子電極3a上に接合している必要ない。特に、電子部品3が小さい場合は、柱状ダミー体4bの底面の一部を端子電極3a上に接合させ、残りの部分を電子部品3の素地上に接合させるようにしても良い。
【0049】
次に、図1(C)に示すように、柱状ダミー体4a、4bおよび電子部品3を埋設して、配線基板2の主面上に樹脂層5を形成する。
【0050】
樹脂層5は、製造する電子デバイスの外装を兼ねる場合もあるため、耐熱性、耐薬品性などに優れた材料からなることが好ましい。具体的には、樹脂層5の材料として、熱硬化性、光硬化性または熱可塑性の、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂などを使用することができる。また、溶解性や耐熱性、耐薬品性の他、柱状ダミー体4a、4bや電子部品3を貫通させることができ、配線基板2との接合性を満たす場合には、熱可塑性樹脂を用いることもできる。
【0051】
樹脂層5の形成は、加熱して半溶融状態になった、熱硬化性樹脂シート、光硬化性樹脂シート、熱可塑性樹脂シートのいずれかを、柱状ダミー体4a、4bや電子部品3を貫通させて、配線基板2上に載置することによりおこなうことができる。しかし、より好ましくは、液状の、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれかを、配線基板2上に塗布することによりおこなう。液状の樹脂を用いた場合には、柱状ダミー体4a、4bに不所望な応力が作用することがなく、柱状ダミー体4a、4bが倒壊するのを回避することができる。
【0052】
なお、柱状ダミー体4a、4bの先端は、樹脂層5の表面から露出していることが好ましい。ただし、柱状ダミー体4a、4bの先端が樹脂層5に埋もれている場合には、後で説明するように、樹脂層5に所望の硬度を付与した後に、樹脂層5の表面を研削し、柱状ダミー体4a、4bの先端を樹脂層5の表面に露出させれば良い。
【0053】
次に、樹脂層5に、所望の硬度を付与する。樹脂層5が熱硬化性樹脂からなる場合には加熱することにより、樹脂層5が光硬化性樹脂からなる場合には光照射することによりおこなう。また、樹脂層5が熱可塑性樹脂からなる場合には、融点以下の温度に戻すことによりおこなう。なお、樹脂層5に所望の硬度を付与するのは、次に説明する工程において、柱状ダミー体4a、4bを溶解し、空孔(6a、6b)を形成する際に、樹脂層5が薬液による影響を受けないようにするためである。したがって、樹脂層5が熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂により形成されている場合には、この時点で樹脂層5を完全に硬化させてしまう必要はなく、所望の硬度が得られれば良い。
【0054】
次に、図2(D)に示すように、柱状ダミー体4a、4bを溶解し、樹脂層5に空孔6a、6bを形成する。なお、柱状ダミー体4aが存在していた部分が空孔6aに、柱状ダミー体4bが存在していた部分が空孔6bになる。そして、空孔6aの底面には接続用電極1aが、空孔6bの底面には接続用電極1bがそれぞれ露出する。
【0055】
柱状ダミー体4a、4bの溶解は、樹脂層5は溶解しにくいが、柱状ダミー体4a、4bは溶解する薬液に、全体を浸漬することによりおこなう。たとえば、樹脂層5がエポキシ樹脂からなり、柱状ダミー体4a、4bがフェノール樹脂からなる場合には、エポキシ樹脂は溶解しにくく、フェノール樹脂は溶解可能な、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを薬液に用いることができる。
【0056】
次に、図2(E)に示すように、空孔6a、6b内に導電成分を充填して、導電ビア7a、7bを形成する。この結果、導電ビア7aは接続用電極1aと、導電ビア7bは電子部品3の端子電極3aと、それぞれ接合される。
【0057】
空孔6a、6b内へ充填される導電成分としては、たとえば、Cu、Ag、Niなどを主成分にする導電性ペーストを用いることができる。導電性ペーストを用いた場合には、充填後に加熱して、導電性ペーストを硬化させる。仮に、樹脂層5が熱硬化性樹脂からなり、この時点において完全に硬化していない場合には、導電性ペーストの硬化と、樹脂層5の硬化を同時におこなっても良い。なお、これらの硬化は、次に説明する工程において、樹脂層5の表面にCu箔などを圧着した後におこなっても良い。
【0058】
また、空孔6a、6b内への導電成分の充填は、電解めっきによっておこなっても良い。あるいは、無電解めっきと、これに続く電解めっきによっておこなっても良い。めっきされる金属の種類としては、Cu、Ag、Niなどを用いることができる。
【0059】
最後に、図2(F)に示すように、樹脂層5の表面に接続用電極8を形成して、電子デバイス100を完成させる。接続用電極8の形成は、たとえば、樹脂層5の表面の全面にCu箔などを圧着し、所望の形状にエッチングすることによりおこなうことができる。この結果、導電ビア7a、7bは、それぞれ、所定の接続用電極8と接合される。
【0060】
以上、第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法について説明した。しかしながら、本発明が上記の内容に限定されることはなく、発明の主旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
【0061】
たとえば、本実施形態において製造した電子デバイス100は、内部に電子部品3が埋設された電子部品内蔵基板、または内部に電子部品3が埋設された電子部品であったが、本発明は、内部に電子部品が埋設されない樹脂基板の製造方法にも適用でき、同様の方法で導電ビアを形成することができる。
[第2実施形態]
図3(A)〜(C)に、本発明の第2実施形態にかかる電子デバイス200の製造方法を示す。なお、図3(A)〜(C)の各図は、第2実施形態において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【0062】
第2実施形態では、図1(A)〜図2(F)に示した第1実施形態の電子デバイスの製造方法の工程の一部に変更を加えた。
【0063】
第2実施形態は、第1実施形態において図1(B)に示した、配線基板2に形成された接続用電極1a上に柱状ダミー体4a、配線基板2に実装された電子部品3の端子電極3a上に柱状ダミー体4bを形成するところまでは、第1実施形態と同じ工程を用いる。
【0064】
第2実施形態においては、続いて、図3(A)に示すように、柱状ダミー体4a、4bおよび電子部品3を完全に埋設して、配線基板2の主面上に樹脂層15を形成する。
【0065】
次に、樹脂層15に、所望の硬度を付与する。すなわち、樹脂15が熱硬化性樹脂からなる場合には加熱し、樹脂層15が光硬化性樹脂からなる場合には光照射する。また、樹脂層15が熱可塑性樹脂からなる場合には、融点以下の温度に戻す。
【0066】
次に、図3(A)において鎖線X‐Xで示す部分において、樹脂層15の表面を研削し、図3(B)に示すように、樹脂層15の表面に、柱状ダミー体4a、4bの先端を露出させる。
【0067】
次に、図3(C)に示すように、第1実施形態と同様に、柱状ダミー体4a、4bを溶解し、樹脂層5に空孔6a、6bを形成する。
【0068】
第2実施形態においては、それ以降の工程は、第1実施形態と同じ工程を用い、電子デバイス200を完成させる。
【0069】
第2実施形態のように、樹脂層15の表面を研削する工程を加えれば、導電ビア7a、7bと接続用電極8との接合を確実におこなうことができる。また、樹脂層15の表面が平滑な、電子デバイス200を得ることができる。
[第3実施形態]
図4(A)〜図5(E)に、本発明の第3実施形態にかかる電子デバイス300の製造方法を示す。なお、図4(A)〜図5(E)の各図は、第3実施形態において実施される、それぞれの工程を示す断面図である。
【0070】
第3実施形態では、図1(A)〜図2(F)に示した第1実施形態の電子デバイスの製造方法の工程の一部に変更を加えた。
【0071】
第3実施形態は、第1実施形態において図1(B)に示した、接続用電極1a上に柱状ダミー体4a、電子部品3の端子電極3a上に柱状ダミー体4bを形成するところまでは、第1実施形態と同じ工程を用いる。
【0072】
第3実施形態においては、続いて、図4(A)に示すように、柱状ダミー体4a、4bおよび電子部品3を完全に埋設して、配線基板2の主面上に樹脂層5を形成するとともに、その樹脂層5上に、柱状ダミー体4a、4bと略同成分で形成された複数の追加ダミー体14a、14bが形成された冶具基板9を配置する。追加ダミー体14a、14bは、たとえば、半球形状からなり、冶具基板9との接合面積が、柱状ダミー体4a、4bの先端部分の面積よりも大きい。なお、追加ダミー体14a、14bの形状は任意であり、上述した内容には限定されない。
【0073】
冶具基板9への追加ダミー体14a、14bの形成は、柱状ダミー体4a、4bの形成と同様に、インクジェット法を用いることができる。冶具基板9の材質は、特に問わない。
【0074】
次に、図4(B)に示すように、冶具基板9を樹脂層5の表面に当接させる。この時点では、樹脂層5は完全には硬化されていないので、追加ダミー体14a、14bは樹脂層5に埋め込まれ、追加ダミー体14aは柱状ダミー体4aの近傍に、追加ダミー体14bは柱状ダミー体4bの近傍に配置され、必要に応じてそれぞれ一体化される。ここでの近傍とは、後述するダミー体の溶解工程において除去される程度の樹脂厚みを示す。なお、第3実施形態においては、第2実施形態とは異なり、樹脂層5の表面に、柱状ダミー体4a、4bの先端を露出させる必要がない。また、柱状ダミー体4aと追加ダミー体14aとの間、および柱状ダミー体4bと追加ダミー体14bとの間には、若干、樹脂層5の樹脂が残っていても構わない。若干の残留分であれば、後の追加ダミー体14a、14b、および柱状ダミー体4a、4bを溶解する工程において、除去が可能だからである。
【0075】
次に、図5(C)に示すように、冶具基板9を樹脂層5の表面から剥離する。
【0076】
次に、加熱、光照射などにより、樹脂層5に所望の硬度を付与する。
【0077】
次に、図5(D)に示すように、追加ダミー体14a、14b、および柱状ダミー体4a、4bを溶解し、樹脂層5に空孔16a、16bを形成する。空孔16aは、一体化された柱状ダミー体4aと追加ダミー体14a、空孔16bは、一体化された柱状ダミー体4bと追加ダミー体14bと、それぞれ、略同形状となる。
【0078】
次に、図5(E)に示すように、空孔16a、16b内に導電成分を充填して、導電ビア17a、17bを形成して、電子デバイス300を完成させる。なお、導電成分として導電ペーストを用いた場合は、充填後に加熱して、導電性ペーストを硬化させる。
【0079】
電子デバイス300においては、導電ビア17a、17bの、樹脂層5の表面からの露出部分に、断面積の大きな拡張部17cが形成されている。この拡張部17cは、追加ダミー体14a、14bを用いたことにより形成された部分である。
【0080】
電子デバイス300においては、拡張部17cを接続用電極として利用することができるため、樹脂層5の表面に、別途、接続用電極を形成する必要がない。したがって、製造工程を簡略化することができる。なお、もちろん、樹脂層5の表面の拡張部17cの上に、別途、接続用電極を形成しても差し支えない。
[第4実施形態]
図6に、本発明の第4実施形態にかかる電子デバイス400の断面図を示す。なお、図6においては、第1実施形態にかかる電子デバイス100(図2(F)参照)と同一の部分には同一の符号を付す。そして、以下において、特に必要がなければ、その部分の説明を省略する。また、特に説明がなければ、その部分の形成方法は、第1実施形態と同じ形成方法による。
【0081】
電子デバイス400は、樹脂層5の内部に、複数の導電ビア27a、27a、27b、27bが形成されている。そして、導電ビア27aは、配線基板2に形成された接続用電極1aに接続され、導電ビア27bは、配線基板2に実装された電子部品3の端子電極3aに接続されている。
【0082】
導電ビア27aは、樹脂層5からの露出部分に断面積の大きな拡張部27cが形成され、接続用電極1aとの接合部分に断面積の大きな拡張部27dが形成されている。また、導電ビア27bは、樹脂層5からの露出部分に断面積の大きな拡張部27cが形成されている。
【0083】
拡張部27c、27dは、柱状ダミー体に、そのような断面積の大きな部分を設けておくことにより、形成することができる。柱状ダミー体をインクジェット法により形成する場合は、その部分において樹脂の吐出量を多くすれば良い。ただし、拡張部27cについては、第3実施形態と同じように(図4(A)、(B)参照)、柱状ダミー体の先端に、追加ダミー体を接合させ、一体化することにより形成しても良い。
【0084】
電子デバイス400は、拡張部27dを有するため、導電ビア27aと接続用電極1aとの接続が確実になっている。また、拡張部27cを有するため、これを接続用電極として利用することができ、樹脂層5上に、別途、接続用電極を形成する必要がなく、製造工程の簡略化が可能になっている。
[第5実施形態]
図7に、本発明の第5実施形態にかかる電子デバイス500の断面図を示す。なお、図7においては、第1実施形態にかかる電子デバイス100(図2(F)参照)と同一の部分には同一の符号を付す。そして、以下において、特に必要がなければ、その部分の説明を省略する。また、特に説明がなければ、その部分の形成方法は、第1実施形態と同じ形成方法による。
【0085】
電子デバイス500は、樹脂層5の内部に、複数の導電ビア37a、37bが形成されている。そして、導電ビア37aは、配線基板2に形成された接続用電極1aに接続され、導電ビア37bは、配線基板2に実装された電子部品3の端子電極3aに接続されている。
【0086】
導電ビア37aは、樹脂層5からの露出部分に断面積の大きな拡張部37cが形成され、全長における中間部分に断面積の大きな拡張部37eが形成されている。また、導電ビア37bは、樹脂層5からの露出部分に断面積の大きな拡張部37cが形成されている。なお、拡張部37eは、導電ビア37aの、樹脂層5の表面と接続用電極1aとの間のいずれかの部分に形成されれば良く、両者の中点部分に形成される必要はない。
【0087】
拡張部37c、37eは、柱状ダミー体に、そのような断面積の大きな部分を設けておくことにより、形成することができる。
【0088】
電子デバイス400は、拡張部37eを有するため、導電ビア37aが樹脂層5から剥離するのを防止することができ、ひいては導電ビア37aが接続用電極1aから剥離するのを防止することができる。また、樹脂層5から露出した拡張部37cを、接続用電極として利用することができる。
[第6実施形態]
図8に、本発明の第6実施形態にかかる電子デバイス600の断面図を示す。なお、図8においては、第1実施形態にかかる電子デバイス100(図2(F)参照)と同一の部分には同一の符号を付す。そして、以下において、特に必要がなければ、その部分の説明を省略する。また、特に説明がなければ、その部分の形成方法は、第1実施形態と同じ形成方法による。
【0089】
電子デバイス600は、樹脂層5の内部に、複数の導電ビア47a、47bが形成されている。そして、導電ビア47aは、配線基板2に形成された接続用電極1aに接続され、導電ビア47bは、配線基板2に実装された電子部品3の端子電極3aに接続されている。
【0090】
導電ビア47aは、配線基板2の表面に対して、斜めに形成されている。また、導電ビア47a、47bは、樹脂層5からの露出部分に断面積の大きな拡張部47cが形成されている。
【0091】
導電ビア47aは、柱状ダミー体を配線基板2の表面に対して斜めに形成することにより、配線基板2の表面に対して斜めに形成することができる。拡張部47cは、柱状ダミー体に、そのような断面積の大きな部分を設けておくことにより、形成することができる。
【0092】
電子デバイス600は、導電ビア47aが斜め方向に形成されているため、樹脂層5内での配線の自由度が向上している。たとえば、配線基板2の表面の狭い範囲に集中して形成された複数の接続用電極1a、1aを、樹脂層5の表面に、ピッチを拡げて導出することができる。また、樹脂層5から露出した拡張部47cを、接続用電極として利用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1a、1b:接続用電極(配線基板2上に形成されたもの)
2:配線基板
3:電子部品
3a、3b:端子電極
4a、4b:柱状ダミー体
5、15:樹脂層
6a、6b、16a、16b:ビア孔
7a、7b、17a、17b、27a、27b、37a、37b、17a、17b、47a、47b:導電ビア
8:接続用電極(樹脂層5、15上に形成されたもの)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の主面に接続用電極が形成された配線基板を準備する工程と、
前記接続用電極上に柱状ダミー体を形成する工程と、
少なくとも前記柱状ダミー体と前記接続用電極との接続部を覆うように、前記柱状ダミー体を埋設して、前記配線基板の少なくとも一方の主面に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層に所望の硬度を付与する工程と、
前記樹脂層に埋設された前記柱状ダミー体を、前記樹脂層は溶解しにくいが前記柱状ダミー体は溶解可能な薬液を用いて溶解し、前記樹脂層に前記柱状ダミー体と略同形状の空孔を形成する工程と、
前記空孔内に導電成分を充填し、導電ビアを形成する工程と、を備えることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項2】
少なくとも一方の主面に接続用電極が形成された配線基板を準備する工程と、
少なくとも1対の端子電極が形成された電子部品を前記接続用電極に実装する工程と、
前記電子部品の前記端子電極上に柱状ダミー体を形成する工程と、
少なくとも前記柱状ダミー体と前記端子電極との接続部を覆うように、前記電子部品および前記柱状ダミー体を埋設して、前記配線基板の少なくとも一方の主面に樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層に所望の硬度を付与する工程と、
前記樹脂層に埋設された前記柱状ダミー体を、前記樹脂層は溶解しにくいが前記柱状ダミー体は溶解可能な薬液を用いて溶解し、前記樹脂層に前記柱状ダミー体と略同形状の空孔を形成する工程と、
前記空孔内に導電成分を充填し、導電ビアを形成する工程と、を備えることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記樹脂層に所望の硬度を付与する工程が、前記樹脂層が熱硬化性樹脂からなる場合には加熱する工程、前記樹脂層が光硬化性樹脂からなる場合には光照射する工程、前記樹脂層が熱可塑性樹脂からなる場合には融点以下の温度に戻す工程であることを特徴とする、請求項1または2に記載された電子デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記樹脂層に所望の硬度を付与する工程と、前記樹脂層に空孔を形成する工程との間に、前記配線基板の主面に形成された前記樹脂層の表面を研削し、当該樹脂層に埋設された前記柱状ダミー体の一部分を、当該樹脂層の表面に露出させる工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された電子デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記配線基板の少なくとも一方の主面に樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層に所望の硬度を付与する工程との間に、前記柱状ダミー体と略同成分からなり、所定の形状からなる追加ダミー体を、前記樹脂層に圧入し、前記柱状ダミー体の近傍に配置する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された電子デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記空孔内に導電成分を充填し、導電ビアを形成する工程の後に、前記樹脂層、および/または、前記導電ビアに、所望の硬度を付与する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された電子デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記電子デバイスが、配線基板上に樹脂層を形成した樹脂基板、配線基板上に電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品内蔵樹脂基板、または配線基板上に電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品のいずれかであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された電子デバイスの製造方法。
【請求項8】
配線基板と、当該配線基板の少なくとも一方の主面に形成された樹脂層と、当該樹脂層に埋設され、一方の端部が、前記配線基板の表面に形成された接続用電極に接続されるか、または、前記配線基板に実装された電子部品の端子電極に接続され、かつ、他方の端部が、前記樹脂層の表面に形成された他の接続用電極に接続されるか、または、前記樹脂層の表面に露出している導電ビアと、を備えた電子デバイスにおいて、
前記導電ビアが、前記樹脂層の表面近傍から、前記配線基板に形成された前記接続用電極または前記電子部品の前記端子電極に向かうに従い、断面積が大きくなっていることを特徴とする電子デバイス。
【請求項9】
配線基板と、当該配線基板の少なくとも一方の主面に形成された樹脂層と、当該樹脂層に埋設され、一方の端部が、前記配線基板の表面に形成された接続用電極に接続されるか、または、前記配線基板に実装された電子部品の端子電極に接続され、かつ、他方の端部が、前記樹脂層の表面に形成された他の接続用電極に接続されるか、または、前記樹脂層の表面に露出している導電ビアと、を備えた電子デバイスにおいて、
前記導電ビアが、前記配線基板に形成された前記接続用電極の近傍部分または前記電子部品の前記端子電極の近傍部分、全長における中間部分、前記樹脂層の表面の近傍部分の少なくとも1つに、断面積の大きな拡張部を有することを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
配線基板と、当該配線基板の少なくとも一方の主面に形成された樹脂層と、当該樹脂層に埋設され、一方の端部が、前記配線基板の表面に形成された接続用電極に接続されるか、または、前記配線基板に実装された電子部品の端子電極に接続され、かつ、他方の端部が、前記樹脂層の表面に形成された他の接続用電極に接続されるか、または、前記樹脂層の表面に露出している導電ビアと、を備えた電子デバイスにおいて、
前記導電ビアが、前記配線基板の表面に対し、斜め方向に形成されていることを特徴とする電子デバイス。
【請求項11】
前記電子デバイスが、配線基板上に樹脂層を形成した樹脂基板、配線基板上に電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品内蔵樹脂基板、または配線基板上に電子部品を実装したうえで樹脂層を形成した電子部品のいずれかであることを特徴とする、請求項8ないし10のいずれか1項に記載された電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−253993(P2011−253993A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127944(P2010−127944)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】