説明

電子天秤

【課題】 計量皿に載置された被測定物の単位重量あたりに対する天秤ビームの他端部が変位する変位の量が小さくても、天秤ビームの他端部の変位を正確に算出することができる電子天秤を提供すること。
【解決手段】 一端部に被測定物15が載置される計量皿9が連結され、他端部に電磁力発生装置6、7が連結される天秤ビーム4と、光束を出射する発光部2と、光束を受光する受光面21、22、23、24を有する受光部Rとを備える光学的位置センサ20と、受光部Rの受光面21、22、23、24で受光された受光量情報に基づいて、天秤ビーム4の他端部の変位を算出する制御部5とを備える電子天秤1であって、受光部Rは、4個以上に分割された受光面21、22、23、24を有し、制御部5は、4個以上の受光量情報に基づいて、天秤ビーム4の他端部の変位を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天秤ビームの他端部の変位を算出するための光学的位置センサを備える電子天秤に関し、特に零位法による電子天秤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、粉体等の被測定物を計量するために、電子天秤が使用されている。このとき、測定者は、電子天秤の上面に形成された計量皿に被測定物を載置したり、計量皿から被測定物を除去したりすることにより、液晶表示画面に表示された測定結果を確認しながら、目的重量の被測定物を得ている。
図1は、電子天秤の概略構成を示す図である。電子天秤1は、支点8により揺動可能に支持された天秤ビーム4と、天秤ビーム4の一端部に係合された計量皿9と、天秤ビーム4の他端部に固着された電磁力発生装置のフィードバックコイル7と、フィードバックコイル7の周囲となるように天秤ベース(図示せず)に固定された磁石6と、天秤ビーム4の他端部の位置を検出するように天秤ベース(図示せず)に固定された光学的位置センサ20と、電子天秤1全体を制御する制御部5と、A/D変換器11と、液晶表示画面10とを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような電子天秤1において、計量皿9に被測定物15が載置されると、天秤ビーム4の一端部が下方に移動することに伴い、支点8を中心として天秤ビーム4の他端部が上方に移動する。そして、光学的位置センサ20は、詳細は後述するが、天秤ビーム4の他端部の変位を算出するための検出信号SをA/D変換器11を介して制御部5に出力する。制御部5は、詳細は後述するが、検出信号Sに基づいて、天秤ビーム4の他端部の変位を算出して、天秤ビーム4の他端部の変位が0になるように、フィードバックコイル7に供給する電流の大きさを決定して制御するとともに、天秤ビーム4の他端部の変位が0となる平衡状態においてフィードバックコイル7に流れる電流の大きさから計量皿9に載置された被測定物15の荷重を求める。
【0004】
ここで、図2は、図1に示す光学的位置センサ20の水平断面図であり、図3は、図1に示す光学的位置センサ20の垂直断面図である。なお、図3(a)は、天秤ビーム4の他端部が初期位置にあるときの垂直断面図であり、図3(b)は、天秤ビーム4の他端部が変位したときの垂直断面図である。
また、図5は、光軸方向から見たときの従来の受光部Rの側面図である。なお、図5(a)は、図3(a)に示すように天秤ビーム4の他端部が初期位置にあるときの側面図であり、図5(b)は、図3(b)に示すように天秤ビーム4の他端部が変位したときの側面図である。
【0005】
光学的位置センサ20は、1個の発光ダイオード(発光部)2と、2個の受光面31、32を有するフォトダイオード群(受光部)Rとを備える。
発光ダイオード2は、光束を水平方向(光軸)Lに出射する。
フォトダイオード群Rは、光束を受光する四角形(例えば、面積1mm)の受光面31を有するフォトダイオードと、光束を受光する四角形(例えば、面積1mm)の受光面32を有するフォトダイオードとを有する。また、受光面31と受光面32とは、上下方向に隣接し、かつ、光軸Lと垂直となるように配置されている。
【0006】
そして、受光面31を有するフォトダイオードは、受光面31への受光量を示す検出信号S1(受光量情報)をA/D変換器11a(例えば、16bitの分解能)に出力し、A/D変換器11aからデジタル検出信号S1’を制御部5に出力する。また、受光面32を有するフォトダイオードは、受光面32への受光量を示す検出信号S2(受光量情報)を、A/D変換器11b(例えば、16bitの分解能)に出力し、A/D変換器11bからデジタル検出信号S2’を制御部5に出力する。
【0007】
天秤ビーム4の他端部には、水平方向に貫通する例えば四角錘台形状の貫通孔3aを有するシャッタ3が取り付けられている。そして、天秤ビーム4の他端部に形成されたシャッタ3は、発光ダイオード2とフォトダイオード群Rとの間に、発光ダイオード2の光軸Lと垂直となる面で上下方向に移動可能となるように配置される。
これにより、発光ダイオード2から出射された光束のうち、シャッタ3の貫通孔3aを通過した設定面積(例えば、面積1mm)の四角形の光束13は、受光面31、32に入射し、一方、貫通孔3aを通過しない光束は、受光面31、32に入射しないようになっている。また、シャッタ3の貫通孔3aを通過した設定面積の光束は、受光面31と受光面32との全受光面のどこかには必ず入射するようになっており、受光面31への受光量が増加すれば、その増加した分だけ受光面32への受光量が減少し、一方、受光面32への受光量が増加すれば、その増加した分だけ受光面31への受光量が減少するという関係になっている。
【0008】
このような光学的位置センサ20を用いて、制御部5は、デジタル検出信号S1’とデジタル検出信号S2’とに基づいて、天秤ビーム4の他端部の変位を算出する。
例えば、図3(a)及び図5(a)に示すように、貫通孔3aの中心が、受光面31と受光面32との境界線上に位置している状態(初期位置)では、受光面31への受光量と受光面32への受光量とは互いに等しくなり、つまりデジタル検出信号S1’とデジタル検出信号S2’とは互いに等しくなる。よって、制御部5は、デジタル検出信号S1’とデジタル検出信号S2’との差分S1’−S2’を算出し、その結果、差分S1’−S2’が「0」となれば、天秤ビーム4の他端部が初期位置にある、つまり天秤ビーム4の他端部の変位が0であると判定する。そして、フィードバックコイル7に流れる電流の大きさから計量皿9に載置された被測定物15の荷重を求めている。
【0009】
一方、図3(b)及び図5(b)に示すように、貫通孔3aの中心が、受光面31と受光面32との境界線上に位置している状態から変位すると、貫通孔3aを通過する光束13の位置が変化するので、受光面31への受光量と受光面32への受光量とに差が生じ、つまりデジタル検出信号S1’とデジタル検出信号S2’とに差が生じる。よって、制御部5は、差分S1’−S2’を算出し、その結果、差分S1’−S2’は、変位の向きに応じた極性で、かつ、変位の量に応じた大きさとなるので、差分S1’−S2’から天秤ビーム4の他端部の変位を算出する。そして、天秤ビーム4の他端部の変位が0になるように、フィードバックコイル7に供給する電流の大きさを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−160551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特に、このような天秤ビーム4等を含むメカニズムを、一つの金属製の直方体形状のブロックによって一体的に形成したセンサ機構体(いわゆる、「単体ブロックタイプのセンサ機構体」)を備える電子天秤が知られている。センサ機構体は、ワイヤ放電加工で製造される。このようなセンサ機構体の材料として、ワイヤ放電加工性がいいので(加工時間が短いので)、ジュラルミンが用いられることが多い。
しかしながら、ジュラルミンは、従来弾性の材料で用いられていた例えば、ベリリウム銅と比べバネ性が悪いので、輸送での振動・衝撃等で弾性支点が変形し、電子天秤1の特性が変ってしまうというデメリットがある。
また、従来の弾性支点材料を用いる場合(単体ブロックタイプのセンサ機構体以外の方式)であっても、高感度化するために、弾性支点の厚みや幅を小さくすると、強度が不足するので、上述したように輸送での振動・衝撃等で弾性支点が変形するだけでなく、落下や振動等の衝撃により壊れてしまうというデメリットがある。
そこで、輸送での耐衝撃性を向上するために、弾性支点の厚みや幅を大きくする(幅を広くする)と、計量皿9に載置された被測定物15の単位重量あたりに対する天秤ビーム4の他端部が変位する変位(感度)の量が低減してしまうという問題点がある。
一方、計量皿9に載置された被測定物15の単位重量あたりに対する天秤ビーム4の他端部が変位する変位(感度)の量が向上するように、弾性支点の厚みや幅を小さくすると、強度が不足するので、上述したように輸送での振動・衝撃等で弾性支点が変形するだけでなく、落下や振動等の衝撃により壊れてしまうという問題点がある。
つまり、センサ機構体の材料として、特にジュラルミンを用いた場合には、弾性支点の厚みや幅を小さくすることができず、計量皿9に載置された被測定物15の単位重量あたりに対する天秤ビーム4の他端部が変位する変位の量が小さくなることがあった。
そこで、本発明は、計量皿に載置された被測定物の単位重量あたりに対する天秤ビームの他端部が変位する変位の量が小さくても、天秤ビームの他端部の変位を正確に算出することができる電子天秤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明の電子天秤は、支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部に被測定物が載置される計量皿が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結される天秤ビームと、光束を出射する発光部と、光束を受光する受光面を有する受光部とを備える光学的位置センサと、前記発光部と受光部との間に、前記天秤ビームの他端部が発光部の光軸と垂直となる面で揺動可能に支持されるように配置されることにより、前記受光部の受光面で受光された受光量情報に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出する制御部とを備える電子天秤であって、前記受光部は、4個以上に分割された受光面を有し、前記制御部は、4個以上の受光量情報に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出するようにしている。
【0013】
本発明の電子天秤によれば、受光部は、4個以上に分割された受光面を有する。そして、制御部は、2個の受光量情報ではなく、4個以上の受光量情報に基づいて、天秤ビームの他端部の変位を算出する。4個以上の受光量情報を比較することにより、例えば、2個以上の受光量情報の合計受光量情報と、残りの2個以上の受光量情報の合計受光量情報との差分を算出することができるので、その差分(算出結果)において、1個の受光量情報と1個の受光量情報との差分を算出した従来のときと比べて、S/N比が向上するので、天秤ビームの他端部の変位を正確に算出することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の電子天秤によれば、計量皿に載置された被測定物の単位重量あたりに対する天秤ビームの他端部が変位する変位の量が低減しても、算出結果においてS/N比が向上しているので、天秤ビームの他端部の変位を正確に算出することができる。
【0015】
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、上記発明において、前記天秤ビームの他端部には、前記発光部から出射された光束を設定面積で通過させる例えば貫通孔が形成されているようにしてもよい。
そして、上記発明において、前記天秤ビームの他端部は、前記発光部と受光部との間に、前記発光部の光軸と垂直となる面で上下方向に移動可能となるように配置され、前記受光部は、上下方向に2行となるとともに左右方向に複数の列となるように分割された受光面を有し、前記制御部は、1行目の受光面で受光された受光量情報と、2行目の受光面で受光された受光量情報との差分に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出するようにしてもよい。
本発明の電子天秤によれば、例えば、上下方向に2行となるとともに左右方向に2列となるように分割された受光面を有する場合、1行目の2個の受光量情報の合計受光量情報と、2行目の2個の受光量情報の合計受光量情報との差分を算出することができる。そして、その差分(算出結果)において、1個の受光量情報と1個の受光量情報との差分を算出した従来のときと比べて、同じ受光素子(受光面)を用いたときには、ノイズが1/√2に低減でき、S/N比が向上することで、天秤ビームの他端部の変位を正確に算出することができる。
さらに、上記発明において、前記制御部は、1行目の全ての受光面で受光された合計受光量情報と、2行目の全ての受光面で受光された合計受光量情報との差分に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電子天秤の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す光学的位置センサの水平断面図である。
【図3】図1に示す光学的位置センサの垂直断面図である。
【図4】光軸方向から見たときの本実施形態に係る受光部の側面図である。
【図5】光軸方向から見たときの従来の受光部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
【0018】
図1は、電子天秤の概略構成を示す図であり、図4は、光軸方向から見たときの本実施形態に係る受光部Rの側面図である。なお、図4(a)は、図3(a)に示すように天秤ビームの他端部が初期位置にあるときの側面図であり、図4(b)は、図3(b)に示すように天秤ビームの他端部が変位したときの側面図である。また、上述した電子天秤1と同様のものについては、同じ符号を付して、説明を省略することとする。
電子天秤1は、支点8により揺動可能に支持された天秤ビーム4と、天秤ビーム4の一端部に係合された計量皿9と、天秤ビーム4の他端部に固着された電磁力発生装置のフィードバックコイル7と、フィードバックコイル7の周囲となるように天秤ベース(図示せず)に固定された磁石6と、天秤ビーム4の他端部の位置を検出するように天秤ベース(図示せず)に固定された光学的位置センサ20と、電子天秤1全体を制御する制御部5と、A/D変換器11と、液晶表示画面10とを備える。
なお、本実施形態では、一例として、電子天秤1において、天秤ビーム4等を含むメカニズムを、一つの金属製の直方体形状のブロックによって一体的に形成したジュラルミン製のセンサ機構体を備えるものとする。
【0019】
光学的位置センサ20は、1個の発光ダイオード(発光部)2と、4個の受光面21、22、23、24を有するフォトダイオード群(受光部)Rとを備える。
フォトダイオード群Rは、光束を受光する四角形(例えば、面積1mm)の受光面21を有するフォトダイオードと、光束を受光する四角形(例えば、面積1mm)の受光面22を有するフォトダイオードと、光束を受光する四角形(例えば、面積1mm)の受光面23を有するフォトダイオードと、光束を受光する四角形(例えば、面積1mm)の受光面24を有するフォトダイオードとを有する。また、受光面21と受光面22と受光面23と受光面24とは、2行2列となるように隣接し、かつ、光軸Lと垂直となるように配置されている。
なお、シャッタ3の貫通孔3aを通過した設定面積の光束は、受光面21と受光面22と受光面23と受光面24との全受光面のどこかには必ず入射するようになっている。
【0020】
そして、受光面21を有するフォトダイオードは、受光面21への受光量を示す検出信号S1(受光量情報)をA/D変換器11a(例えば、16bitの分解能)に出力し、A/D変換器11aからデジタル検出信号S1’を制御部5に出力する。受光面22を有するフォトダイオードは、受光面22への受光量を示す検出信号S2(受光量情報)をA/D変換器11b(例えば、16bitの分解能)に出力し、A/D変換器11bからデジタル検出信号S2’を制御部5に出力する。受光面23を有するフォトダイオードは、受光面23への受光量を示す検出信号S3(受光量情報)をA/D変換器11c(例えば、16bitの分解能)に出力し、A/D変換器11cからデジタル検出信号S3’を制御部5に出力する。受光面24を有するフォトダイオードは、受光面24への受光量を示す検出信号S4(受光量情報)をA/D変換器11d(例えば、16bitの分解能)に出力し、A/D変換器11dからデジタル検出信号S4’を制御部5に出力する。
【0021】
制御部5は、デジタル検出信号S1’、S2’、S3’、S4’に基づいて、天秤ビーム4の他端部の変位を算出する制御を行う。
例えば、図3(a)及び図4(a)に示すように、貫通孔3aの中心が、受光面21と受光面23とで構成される1行目の合計受光面と、受光面22と受光面24とで構成される2行目の合計受光面との境界線上に位置している状態(初期位置)では、1行目の合計受光面への合計受光量と、2行目の合計受光面への合計受光量とは互いに等しくなり、つまりデジタル検出信号S1’とデジタル検出信号S3’との合計検出信号Tと、デジタル検出信号S2’とデジタル検出信号S4’との合計検出信号Uとは互いに等しくなる。このとき、合計検出信号Tは、2つのデジタル検出信号S1’、S3’との合計であるので、S/N比が向上し、合計検出信号Uも、2つのデジタル検出信号S2’、S4’との合計であるので、S/N比が向上している。制御部5は、合計検出信号Tと合計検出信号Uとの差分T−Uを算出し、その結果、差分T−Uが「0」となれば、天秤ビーム4の他端部が初期位置にある、つまり天秤ビーム4の他端部の変位が0であると判定する。そして、フィードバックコイル7に流れる電流の大きさから計量皿9に載置された被測定物15の荷重を求める。
【0022】
また、図3(b)及び図4(b)に示すように、貫通孔3aの中心が、1行目の合計受光面と、2行目の合計受光面との境界線上に位置している状態から変位すると、貫通孔3aを通過する光束13の位置が変化するので、1行目の合計受光面への合計受光量と2行目の合計受光面への合計受光量とに差が生じ、つまり合計検出信号Tと合計検出信号Uとに差が生じる。よって、制御部5は、差分T−Uを算出し、その結果、差分T−Uは、変位の向きに応じた極性で、かつ、変位の量に応じた大きさとなるので、差分T−Uから天秤ビーム4の他端部の変位を算出する。そして、天秤ビーム4の他端部の変位が0になるように、フィードバックコイル7に供給する電流の大きさを決定する。このとき、差分T−Uも、S/N比が向上しているので、正確に天秤ビーム4の他端部の変位を算出することができ、その結果、天秤ビーム4の他端部の変位が0になるようにすることができる。
【0023】
以上のように、本発明の電子天秤1によれば、計量皿9に載置された被測定物15の単位重量あたりに対する天秤ビーム4の他端部が変位する変位の量が小さくても、差分T−UにおいてS/N比が向上しているので、天秤ビーム4の他端部の変位を正確に算出することができる。
【0024】
(他の実施形態)
(1)上述した電子天秤1では、受光面21と受光面22と受光面23と受光面24とは、2行2列となるように隣接している構成を示したが、2行3列や2行4列等となるように隣接しているような構成としてもよい。このように2行3列としたときには、ノイズが1/√3に低減でき、2行4列としたときには、ノイズが1/√4に低減できることになる。
(2)上述した電子天秤1では、長方形の光束がシャッタ3の貫通孔3aを通過する構成を示したが、円形や楕円形等の光束がシャッタの貫通孔を通過するような構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、光学的位置センサを備える電子天秤に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0026】
1 電子天秤
2 発光ダイオード(発光部)
4 天秤ビーム
5 制御部
6 磁石
7 フィードバックコイル
8 支点
9 計量皿
15 被測定物
20 光学的位置センサ
21、22、23、24、31、32 受光面
R 受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支点により揺動可能に支持され、かつ、一端部に被測定物が載置される計量皿が連結され、他端部に電磁力発生装置が連結される天秤ビームと、
光束を出射する発光部と、光束を受光する受光面を有する受光部とを備える光学的位置センサと、
前記発光部と受光部との間に、前記天秤ビームの他端部が発光部の光軸と垂直となる面で揺動可能に支持されるように配置されることにより、前記受光部の受光面で受光された受光量情報に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出する制御部とを備える電子天秤であって、
前記受光部は、4個以上に分割された受光面を有し、
前記制御部は、4個以上の受光量情報に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出することを特徴とする電子天秤。
【請求項2】
前記天秤ビームの他端部には、前記発光部から出射された光束を設定面積で通過させる貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子天秤。
【請求項3】
前記天秤ビームの他端部は、前記発光部と受光部との間に、前記発光部の光軸と垂直となる面で上下方向に移動可能となるように配置され、
前記受光部は、上下方向に2行となるとともに左右方向に複数の列となるように分割された受光面を有し、
前記制御部は、1行目の受光面で受光された受光量情報と、2行目の受光面で受光された受光量情報との差分に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出することを特徴とする請求項2に記載の電子天秤。
【請求項4】
前記制御部は、1行目の全ての受光面で受光された合計受光量情報と、2行目の全ての受光面で受光された合計受光量情報との差分に基づいて、前記天秤ビームの他端部の変位を算出することを特徴とする請求項3に記載の電子天秤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−145177(P2011−145177A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6296(P2010−6296)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】