電子機器、システム、プログラム
【課題】バッテリ装置が電子機器の所定位置に固定的に装着される場合において、熱ストレスによるバッテリ装置の短寿命化を抑制できるようにした電子機器、システム、プログラムを提供すること。
【解決手段】バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器であって、前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、を備える。
【解決手段】バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器であって、前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリによって給電される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯端末等の電子機器は、複数の充電用電池(例えば、リチウムイオン二次電池等)のセルを単一の容器に収納したバッテリパック(バッテリ装置)を装着できるように構成されている。
バッテリパックについては様々な技術が開発されている。例えば、電池切れになっても簡単な構成でバッテリパックを交換できるように、バッテリパック内に一次電池と二次電池を設け、一次電池の接続端子と二次電池の接続端子をそれぞれ点対称の位置に配置するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−140857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリパックの寿命は熱ストレスによって大きな影響を受けるが、バッテリパックが電子機器の所定位置に固定的に装着された状態において、バッテリパック内の複数のセルの各々と電子機器内の発熱部品(例えば、CPU(Central Processing Unit)等)との距離は、それぞれ異なる。そのため、発熱部品に最も近い(つまり、最も熱ストレスを受ける)単一のセルによってバッテリパック全体の寿命が決まり、受熱量が各セルで均等化された場合よりもバッテリパックの寿命は短くなってしまう。バッテリパックの短寿命化は、電子機器のユーザのランニングコストを上昇させる。また、セルとして頻繁に使用されるリチウムイオン電池の原材料であるリチウムはその希少性から将来枯渇が危惧されている資源であり、その資源を使った電池の短寿命化は地球資源保護の観点から望ましくない。なお、受熱量を各セルで均等化する方策として高熱伝導材料をバッテリパックの内部に充填する方法が考えられるが、コスト上昇を招来して好ましくない。
【0005】
よって、本発明の1つの側面では、バッテリ装置が電子機器の所定位置に装着される場合において、熱ストレスによるバッテリ装置の短寿命化を抑制できるようにした電子機器、システム、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点は、バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器である。
この電子機器は、
前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、
前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、
を備える。
【0007】
第2の観点は、電子機器と、前記電子機器に給電するためのバッテリ装置とを備えたシステムである。
【0008】
第3の観点は、バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器を制御するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
開示の電子機器、システム、プログラムによれば、バッテリ装置が電子機器の所定位置に装着される場合において、熱ストレスによるバッテリ装置の短寿命化を抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態のシステムの一例を示す図。
【図2】実施形態のPCの一例の平面図。
【図3】実施形態のバッテリパックの一例の平面図。
【図4】実施形態のPCの一例の平面図。
【図5】実施形態のバッテリパックの一例の平面図。
【図6】実施形態のシステムの一例を示す図。
【図7】実施形態においてバッテリパックのPC側コネクタとの接続状態を示す図。
【図8】実施形態のバッテリパックの一例の内部の結線状態を示す図。
【図9】実施形態においてバッテリパックのPC側コネクタとの接続状態を示す図。
【図10】実施形態のバッテリパックの一例の内部の結線状態を示す図。
【図11】実施形態におけるバッテリパックとPC側コネクタの例を示す図。
【図12】実施形態のPCの構成を示すブロック図。
【図13】実施形態においてバッテリパックのPCに対する装着状態の判定方法を説明するための図。
【図14】実施形態のPCのOSとキーボードコントローラの機能を示す機能ブロック図。
【図15】実施形態のPCのアプリケーションプログラムによって実行されるフローチャート。
【図16】実施形態のPCのアラーム表示例を示す図。
【図17】実施形態のPCの電源回路構成の変形例を示す図。
【図18】実施形態のPCの電源回路構成の変形例の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)本実施形態のシステム
図1に本実施形態のシステムを示す。本実施形態のシステムは、例えばラップトップ型のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略記する)と、PCに装着されることでPCに対する給電を行うバッテリパックとを含む。なお、PCは、電子機器の一例である。バッテリパックは、バッテリ装置の一例である。図1に示す例では、バッテリパック101は、PC1の筐体のうち底面側の所定の位置1aに装着されるようになっている。本実施形態のバッテリパック101は複数のセルを内蔵した筐体を備え、PC1に対して少なくとも2通りの装着状態で装着でき、且つ給電可能な構成となっている。
【0012】
本実施形態のシステムでは、PCは、自装置に対してバッテリパックの装着状態が異なる2つの状態(第1の装着状態、第2の装着状態)を検出する。そして、PCは、バッテリパックの第1の装着状態の累積時間と、第2の装着状態の累積時間の差が所定の時間を超えた場合には、装着状態の変更を、ユーザに知覚可能に指示する。その結果、ユーザによる適切な装着状態の変更作業によって、第1の装着状態の累積時間と第2の装着状態の累積時間が概ね等しくなるようになる。ここで、PC内において、例えばCPU(Central Processing Unit)等の発熱部品の位置が固定しているため、バッテリパックのPCに対する装着状態の変更によって、バッテリパック内の各セルの発熱部品に対する位置関係が変化する。そのため、第1の装着状態の累積時間と第2の装着状態の累積時間が概ね等しくなると、バッテリパック内の各セルが受ける発熱部品からの受熱量を均等化できるようになる。この受熱量の均等化によって、バッテリパックでは、特定のセルが早期に劣化することが抑制されるため、バッテリパックの短寿命化が抑制される。
【0013】
(2)バッテリパックの構成
以下、PCに対して2通りの装着状態で装着でき、且つ給電可能な構成を備えたバッテリパックのいくつかの例について説明する。
図1〜3に示すバッテリパック101の例は、表裏で反転させた場合でもPC1に装着可能であって、且つ給電可能に構成されている。この場合、図2に示すように、PC1の底面部には、PC1の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)が設けられている。図3に示すように、PC1の底面部に対向して装着される2つの面をA面、B面とすると、A面には正極端子B1(+)と負極端子B1(-)が設けられ、B面には正極端子B2(+)と負極端子B2(-)が設けられる。端子B1(+),B1(-)はそれぞれ、端子B2(+),B2(-)とは、バッテリパック101の中心軸CLを基準として回転対称に配置されている。これにより、バッテリパック101は、A面とB面のいずれを上方にしてもPC1に装着したときに、PC1に対して給電可能に構成されている。なお、A面、B面はそれぞれ、第1面、第2面の一例である。
【0014】
図4および図5に示すバッテリパック102の例は、表裏で反転させた場合でもPC2の底面側の所定の位置2aに装着可能であって、且つ給電可能に構成されている。この場合、図4に示すように、PC2の底面部には、PC2の正極端子と負極端子がそれぞれ2箇所(PC1(+),PC1(-)およびPC2(+),PC2(-))に設けられている。図5に示すように、PC2の底面部に対向して装着される2つの面をA面、B面とすると、A面には、PC2側の正極端子PC1(+),負極端子PC1(-)に対応する位置に正極端子B1(+),負極端子B1(-)が設けられている。B面には、PC2側の正極端子PC2(+),負極端子PC2(-)に対応する位置に正極端子B2(+),負極端子B2(-)が設けられている。これにより、バッテリパック102は、A面とB面のいずれを上方にしてもPC2に装着したときに、PC2に対して給電可能に構成されている。
【0015】
図6〜8に示すバッテリパック103の例は、PC3の筐体に対して側面からPC3の所定位置3aに装着可能であって、且つ給電可能に構成されている。PC3の所定位置3aには、コネクタ3bが配設されている。この場合、図7に示すように、PC3のコネクタ3bには、PC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)が設けられている。図7に示すように、PC3に装着されたときに上面となりうる2つの面をA面、B面とする。A面を上方にしてバッテリパック103をPC3に装着した状態で、PC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)(図7では、いずれも雄型端子)がバッテリパック103の正極端子B1(+)と端子B1(-)(図7では、いずれも雌型端子)が嵌合するように構成されている。この嵌合により、PC3の正極端子PC(+)はバッテリパック103の正極端子B1(+)と電気的に接続され、PC3の負極端子PC(-)はバッテリパック103の端子B1(-)と電気的に接続される。一方、B面を上方にしてバッテリパック103をPC3に装着した状態で、PC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)(図7では、いずれも雄型端子)がバッテリパック103の正極端子B2(+)と端子B2(-)(図7では、いずれも雌型端子)が嵌合するように構成されている。この嵌合により、PC3の正極端子PC(+)はバッテリパック103の正極端子B2(+)と電気的に接続され、PC3の負極端子PC(-)はバッテリパック103の端子B2(-)と電気的に接続される。つまり、バッテリパック103において、端子B1(+),B1(-),B2(+),B2(-)が配置された面では、中心位置CPに対して点対称に、端子B1(+),B1(-)と端子B2(+),B2(-)が配列されている。これにより、バッテリパック103は、A面とB面のいずれを上方にしてもPC3に装着したときに、PC3に対して給電可能に構成されている。なお、このとき、図8にバッテリパック103の内部の結線状態が示すように、端子B1(+),B1(-)または端子B2(+),B2(-)のいずれがPC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)と嵌合した場合であっても、給電可能にバッテリパック103内部で電気的に配線されている。
【0016】
図9および図10に示すバッテリパック104は、いわゆるスマートバッテリの例である。スマートバッテリは、PCと通信を行うためのデータ送受信用の端子を備えている。例えば、図9のPC側のコネクタ4bが示すように、PCのコネクタ4bには、PCの正極端子PC(+)と負極端子PC(-)のほか、データ端子PC(D)が設けられている。この場合も、図6〜8に示したバッテリパック103と同様にして、端子をバッテリパック104に配列させることができる。例えば、図9に示すように、A面を上方にしてバッテリパック104をPCに装着した状態では、PCの正極端子PC(+)と負極端子PC(-)とデータ端子PC(D)(図9では、いずれも雄型端子)が、それぞれバッテリパック104の正極端子B1(+)と端子B1(-)とデータ端子D1(図9では、いずれも雌型端子)が嵌合するように構成されている。図示していないが、B面を上方にしたときには、各端子が中心位置CPに対して点対称に配置される。これにより、バッテリパック104は、A面とB面のいずれを上方にしてもPCに装着したときに、PCに対して給電可能、且つ通信可能に構成される。なお、このとき、図9にバッテリパック104の内部の結線状態が示すように、端子B1(+),B1(-),D1または端子B2(+),B2(-),D2のいずれがPC3の端子PC(+),PC(-),PC(D)と嵌合した場合であっても、給電可能、且つ通信可能にバッテリパック103内部で電気的に配線されている。
【0017】
図11に示すバッテリパック105および106はそれぞれ、角型2並列1直列パックのバッテリパック、円筒型2並列3直列パックの例である。この例では、複数のセルは、中心軸CLを基準に対称に配列されている。各バッテリパックのコネクタは、中心軸CL上に配置されている。この場合も図7と同様に、バッテリパック側には、中心位置CPに対して点対称となる2組の端子群が配列され、その2組の端子群のいずれかがPC側のコネクタ5b、6bに嵌合されるようになっている。
【0018】
(3)PCの構成
次に、本実施形態のPCの構成について、図12を参照して説明する。図12は、実施形態のPCの構成を示すブロック図である。
図12に示すように、PCは、PCH(Platform Controller Hub)20、CPU(Central Processing Unit)21、キーボードコントローラ(KBC;Key Board Controller)22、メモリ(MEM)23、キーボード(KB;Key Board)24、LCD(Liquid Crystal Display)25、HDD(Hard Disk Drive)26および電源回路200を備える。図12では、PCの電源回路200に、バッテリパック(BP)が接続された状態を示している。
なお、CPU21は、第1算出部、第2算出部、指示部の一例である。
【0019】
PCH20は、PCのチップセットの一部であってサウスブリッジとも称される。PCH20は、各種の入出力デバイス(図12では、キーボードコントローラ22、LCD25およびHDD26)に接続され、入出力デバイスを制御するための制御回路を含む。
メモリ23は、CPU21の主メモリであるRAM(Random Access Memory)や、CPU21によって実行されるプログラムを記憶する不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)を含む。メモリ23には、OS(Operating System)を含む各種のプログラムが格納されている。CPU21は、メモリコントローラを内蔵し、メモリ23からOS(Operating System)を含む各種のプログラムを読み出して実行するとともに、様々な演算を実行する。
キーボードコントローラ22は、PCH20と接続されるとともにキーボード24に接続され、キーボードインタフェースの機能を備える。キーボードコントローラ22は、マイクロコントローラを備え、後述するように、バッテリパックの装着状態(第1の装着状態または第2の装着状態のいずれか)を検出して、OSに通知する。
電源回路200は、PC内の各部への所要の電源電圧を生成して供給する。電源回路200は、PCの状態(例えばスリープモード等)に応じて給電を制限することがあってよい。
LCD25は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタと、その薄膜トランジスタを駆動するための駆動回路とを含み、CPU31から与えられる画像データをモニタ上に表示する。
HDD26は比較的大容量の不揮発性記憶装置である。
【0020】
(3)バッテリパックのPCに対する装着状態の判定方法
次に、バッテリパックのPCに対する装着状態の判定方法の一例について説明する。この判定方法の一例では、図5に示したバッテリパック102の場合について、図13を参照して説明する。図13では、電源回路200は、PC側の正極端子PC1(+),負極端子PC1(-)および正極端子PC2(+),負極端子PC2(-)を備えている。バッテリパック102には、A面側に配置された正極端子B1(+),負極端子B1(-)と、B面側に配置された正極端子B2(+),負極端子B2(-)とが設けられる。このとき、バッテリパック102のA面を上方にしてバッテリパック102をPCに装着した場合には、端子B1(+)と端子PC1(+)が接続され、端子B1(-)と端子PC1(-)が接続され、端子B2(+),B2(-),PC2(+),PC2(-)が開放状態となる第1の装着状態となる。一方、バッテリパック102のB面を上方にしてバッテリパック102をPCに装着した場合には、端子B2(+)と端子PC2(+)が接続され、端子B2(-)と端子PC2(-)が接続され、端子B1(+),B1(-),PC1(+),PC1(-)が開放状態となる第2の装着状態となる。
【0021】
図13には、電源回路200の内部の回路例が示される。
図13に示す回路例では、負極端子PC1(-), PC2(-)は共にグランド電位に接続される。正極端子PC1(+), PC2(+)はそれぞれ、ダイオード201,202を介して共通ノードN1を介して、レギュレータ(REG)204に接続される。ノードN1とレギュレータ204には、ノードN1の電圧を保持するためのキャパシタ203が設けられる。なお、この回路例では、メイン電源(Main)とバックアップ電源(Backup)の2系統の電源が生成される場合を示してある。
また、正極端子PC1(+), PC2(+)の電圧As,Bsはそれぞれ、NANDラッチ回路205に入力され、その出力信号がキーボードコントローラ22へ出力される。これにより、キーボードコントローラ22は、NANDラッチ回路205の出力信号の電圧を検出することによって、端子PC1(+), PC2(+)のいずれの端子の電圧がバッテリパック102に接続されているか判別(検出)することができる。すなわち、キーボードコントローラ22は、バッテリパック102のPCに対する装着状態が、第1の装着状態(A面を上方にした装着状態)であるか第2の装着状態(B面を上方にした装着状態)であるかを判別(検出)することができる。
【0022】
(4)本実施形態のPCのOSの機能
次に、本実施形態のPCのOSの機能について、図14および図15を参照して説明する。図14は、本実施形態のPCのOSとアプリケーションプログラム(後述するバッテリユーティリティ)の機能を示す機能ブロック図である。図15は、本実施形態のPCで実行される動作のフローチャートである。
図13を参照して説明したように、本実施形態のPCでは、キーボードコントローラ22は、第1の装着状態(A面を上方にした装着状態)であるか第2の装着状態(B面を上方にした装着状態)であるかを判別する。そして、キーボードコントローラ22は、その判別結果をOSに通知する。通知するタイミングは例えば、PCに電源が投入されて起動し、PCのシステムが立ち上がったときでよい。
【0023】
図14に示すように、OSにより実行される機能ブロックとして、メモリ管理機能ブロック501、ファイル管理機能ブロック502、I/O(Input/Output)管理機能ブロック503およびアプリケーション管理機能ブロック504がある。また、OS上で動作するアプリケーションソフトウエアとしてバッテリユーティリティが組み込まれている。図15は、OSがバッテリユーティリティと協働で実行されるフローチャートである。
なお、以下の説明では、A面を上方にしてPCに装着した第1の装着状態によるバッテリパックの使用形態を「A面使用」と表記することがある。同様に、B面を上方にしてPCに装着した第2の装着状態によるバッテリパックの使用形態を「B面使用」と表記することがある。
【0024】
メモリ管理機能ブロック501は、電源がONとなっている累積時間を記録する機能を備える。
メモリ管理機能ブロック501は、バッテリパック取付面(つまり、装着状態でA面およびB面のうち上方の面)の情報を時系列上で記録する機能を備える。つまり、バッテリユーティリティ機能ブロックは、バッテリパック102のPCに対する装着状態の情報をキーボードコントローラ22から取得し、その情報を基にバッテリパック取付面の情報を記録する。
ファイル管理機能ブロック502は、メモリ管理機能ブロック501によって記録された時系列上のバッテリパック取付面を基に、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間を逐次記録・更新する機能を備える。なお、A面使用の累積時間、B面使用の累積時間はそれぞれ、第1の累積時間、第2の累積時間の一例である。
I/O(Input/Output)管理機能ブロック503は、アラーム表示のためのI/O管理のための機能ブロックである。
アプリケーション管理機能ブロック50は、アプリケーション(ここでは、バッテリユーティリティ)の管理のための機能ブロックである。
【0025】
バッテリユーティリティは、各種の機能ブロックを包含する。例えば、バッテリユーティリティは、OSのメモリ管理機能ブロック501から、バッテリパック取付面の情報を読み込む機能を備える。バッテリユーティリティは、OSのファイル管理機能ブロック502から、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間を読み込む機能を備える。バッテリユーティリティは、OSのメモリ管理機能ブロック501から、電源ONの累積時間を読み込む機能を備える。バッテリユーティリティは、A面とB面使用の累積時間を比較する機能を備える。バッテリユーティリティは、A面とB面使用の累積時間を比較した結果、バッテリパックの装着状態の変更を指示するためのアラーム処理を行う機能を備える。
【0026】
図15を参照すると、バッテリユーティリティによって実行される手順は以下のとおりである。すなわち先ず、PCの電源がONされると、現在(開始)時刻を記録する(ステップS10)。そして、バッテリパックの装着状態が検出されると、検出された装着状態がOSへ通知される。バッテリユーティリティは、OSからバッテリパック取付面の情報を読み込む(ステップS11)。次にバッテリユーティリティは、A面使用の累積時間(At)とB面使用の累積時間(Bt)を読み込み(ステップS12)、バッテリパックの使用時間の比較計算を行う。つまり、A面使用の累積時間(At)とB面使用の累積時間(Bt)の差分T(=|At−Bt|)を算出する(ステップS13)。その結果、差分Tが所定の閾値よりも大きい場合には、一方の面の使用に偏り過ぎていることを意味するため、バッテリパックの装着状態の変更を指示するためのアラーム表示を行う(ステップS15)。なお、図16には、アラーム表示の一例として、B面使用の累積時間がA面使用の累積時間よりも閾値以上に大きい場合にPC上で表示される例を示している。
ステップS14で差分Tが所定の閾値以下である場合には、バッテリユーティリティはアラームを表示しない。
【0027】
バッテリユーティリティは、PCの電源がオフとなるときには、そのときの現在時刻(つまり、終了時刻)を記録する(ステップS16)。そして、バッテリユーティリティは、ステップS10で記録した開始時刻とステップS16で記録した終了時刻の差分を、ステップS11で読み込んだバッテリパック取付面の使用時間として算出する(ステップS17)。バッテリユーティリティは、ステップS17で算出した、いずれか一方のバッテリパック取付面の使用時間を、その取付面の現在の累積時間に加算することで、新たな累積時間を算出する(ステップS18)。
【0028】
以上説明したように、本実施形態のPCは、バッテリパックの第1の装着状態(A面使用)の累積時間と、第2の装着状態(B面使用)の累積時間の差が所定の時間を超えた場合には、装着状態の変更を、アラーム表示等でユーザに知覚可能に指示する。その結果、ユーザによる適切な装着状態の変更作業によって、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間が概ね等しくなるようになる。ここで、PC内において、例えばCPU等の発熱部品の位置が固定しているため、バッテリパックのPCに対する装着状態の変更によって、バッテリパック内の各セルの発熱部品に対する位置関係が変化する。そのため、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間が概ね等しくなると、バッテリパック内の各セルが受ける発熱部品からの受熱量を均等化できるようになる。この受熱量の均等化によって、バッテリパックでは、特定のセルが早期に劣化することが抑制されるため、バッテリパックの短寿命化が抑制される。
【0029】
(5)変形例
図13に電源回路200の回路構成例を示したが、この回路構成例の変形例について以下で説明する。図13に示した回路構成例では、ダイオード201,202が設けられているため、このダイオードの順方向電圧降下による電力損失が生じる。変形例では、この電力損失が生じないようにした回路構成例を示す。
【0030】
図17は、変形例に係る回路構成例である。この回路は図13のダイオード201,202に代えて、NMOSトランジスタ(Tr1,Tr2)に含まれるボディダイオードD1,D2を利用する。PCの電源起動から僅かな時間差をもってMOSFETがONし、MOSFETがONした後は、ボディダイオードによる順方向電圧降下は殆ど存在しない。そのため、電力損失が抑制される。
図17に示す回路例では、負極端子PC1(-), PC2(-)は共にグランド電位に接続される。正極端子PC1(+), PC2(+)はそれぞれ、NMOSトランジスタTr1,Tr2のドレインに接続される。NMOSトランジスタTr1,Tr2のソースは共通ノードN1を介してレギュレータ304に接続される。レギュレータ304の出力電圧は、NMOSトランジスタTr1,Tr2のゲートに接続される。
なお、正極端子PC1(+), PC2(+)はそれぞれ、第1の正極端子、第2の正極端子の一例である。NMOSトランジスタTr1,Tr2はそれぞれ、第1のスイッチ、第2のスイッチの一例である。ボディダイオードD1,D2はそれぞれ、第1のダイオード、第2のダイオードの一例である。
【0031】
バッテリパックの装着状態に応じて正極端子PC1(+), PC2(+)のいずれかから電圧が入力されると、ボディダイオードD1,D2のいずれかに順方向電圧が入力される。このとき、ボディダイオードによって電圧の回りこみが阻止されるため、正極端子PC1(+), PC2(+)のうち一方の端子からの電圧入力が他方の端子に影響を及ぼすことはない。バッテリパックの装着状態に応じたいずれかのボディダイオードを通した電圧入力DCINを受けてレギュレータ304が動作すると、その出力電圧Vh(図13のMainに相当)によりNMOSトランジスタTr1,Tr2がONする。それによって、ボディダイオードによる順方向電圧降下は殆ど生じなくなる。よって、図17に示す回路構成例では、定常状態では、電力損失が殆ど生じなくなる。
【0032】
図18は、図17の動作を示すタイミングチャートである。
このタイミングチャートは、A面使用のバッテリパックの装着状態となった場合を例としている。このとき、正極端子PC1(+)の電圧入力があると電圧Asが直ちに立ち上がり、ボディダイオードD1を介して電圧DCINが立ち上がる。電圧Vhは、レギュレータ304の動作期間だけ遅延して立ち上がる。電圧Vhが立ち上がると、NMOSトランジスタTr1,Tr2がONして正極端子PC2(+)の電圧Bsも立ち上がる。よって、図18から明らかなように、この回路構成例では、正極端子PC1(+)の電圧Asと正極端子PC2(+)の電圧Bsの立ち上がりタイミングの先後を判別することによって、バッテリパックの装着状態を判別できるようになる。キーボードコントローラ22は、正極端子PC1(+)の電圧Asと正極端子PC2(+)の電圧Bsを取り込み、その値を逐次OSへ通知する。そして、OSは、PCの電源起動後、図18に示す判定期間の間に、バッテリパックの装着状態の判別を行う。バッテリパックの装着状態の判別は、バッテリユーティリティが行ってもよい。
【0033】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の電子機器、システム、プログラムは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
BP…バッテリパック
PC…パーソナルコントローラ
20…PCH
21…CPU
22…キーボードコントローラ
23…メモリ
24…キーボード
25…LCD
26…HDD
200…電源回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリによって給電される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯端末等の電子機器は、複数の充電用電池(例えば、リチウムイオン二次電池等)のセルを単一の容器に収納したバッテリパック(バッテリ装置)を装着できるように構成されている。
バッテリパックについては様々な技術が開発されている。例えば、電池切れになっても簡単な構成でバッテリパックを交換できるように、バッテリパック内に一次電池と二次電池を設け、一次電池の接続端子と二次電池の接続端子をそれぞれ点対称の位置に配置するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−140857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリパックの寿命は熱ストレスによって大きな影響を受けるが、バッテリパックが電子機器の所定位置に固定的に装着された状態において、バッテリパック内の複数のセルの各々と電子機器内の発熱部品(例えば、CPU(Central Processing Unit)等)との距離は、それぞれ異なる。そのため、発熱部品に最も近い(つまり、最も熱ストレスを受ける)単一のセルによってバッテリパック全体の寿命が決まり、受熱量が各セルで均等化された場合よりもバッテリパックの寿命は短くなってしまう。バッテリパックの短寿命化は、電子機器のユーザのランニングコストを上昇させる。また、セルとして頻繁に使用されるリチウムイオン電池の原材料であるリチウムはその希少性から将来枯渇が危惧されている資源であり、その資源を使った電池の短寿命化は地球資源保護の観点から望ましくない。なお、受熱量を各セルで均等化する方策として高熱伝導材料をバッテリパックの内部に充填する方法が考えられるが、コスト上昇を招来して好ましくない。
【0005】
よって、本発明の1つの側面では、バッテリ装置が電子機器の所定位置に装着される場合において、熱ストレスによるバッテリ装置の短寿命化を抑制できるようにした電子機器、システム、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点は、バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器である。
この電子機器は、
前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、
前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、
を備える。
【0007】
第2の観点は、電子機器と、前記電子機器に給電するためのバッテリ装置とを備えたシステムである。
【0008】
第3の観点は、バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器を制御するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
開示の電子機器、システム、プログラムによれば、バッテリ装置が電子機器の所定位置に装着される場合において、熱ストレスによるバッテリ装置の短寿命化を抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態のシステムの一例を示す図。
【図2】実施形態のPCの一例の平面図。
【図3】実施形態のバッテリパックの一例の平面図。
【図4】実施形態のPCの一例の平面図。
【図5】実施形態のバッテリパックの一例の平面図。
【図6】実施形態のシステムの一例を示す図。
【図7】実施形態においてバッテリパックのPC側コネクタとの接続状態を示す図。
【図8】実施形態のバッテリパックの一例の内部の結線状態を示す図。
【図9】実施形態においてバッテリパックのPC側コネクタとの接続状態を示す図。
【図10】実施形態のバッテリパックの一例の内部の結線状態を示す図。
【図11】実施形態におけるバッテリパックとPC側コネクタの例を示す図。
【図12】実施形態のPCの構成を示すブロック図。
【図13】実施形態においてバッテリパックのPCに対する装着状態の判定方法を説明するための図。
【図14】実施形態のPCのOSとキーボードコントローラの機能を示す機能ブロック図。
【図15】実施形態のPCのアプリケーションプログラムによって実行されるフローチャート。
【図16】実施形態のPCのアラーム表示例を示す図。
【図17】実施形態のPCの電源回路構成の変形例を示す図。
【図18】実施形態のPCの電源回路構成の変形例の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)本実施形態のシステム
図1に本実施形態のシステムを示す。本実施形態のシステムは、例えばラップトップ型のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略記する)と、PCに装着されることでPCに対する給電を行うバッテリパックとを含む。なお、PCは、電子機器の一例である。バッテリパックは、バッテリ装置の一例である。図1に示す例では、バッテリパック101は、PC1の筐体のうち底面側の所定の位置1aに装着されるようになっている。本実施形態のバッテリパック101は複数のセルを内蔵した筐体を備え、PC1に対して少なくとも2通りの装着状態で装着でき、且つ給電可能な構成となっている。
【0012】
本実施形態のシステムでは、PCは、自装置に対してバッテリパックの装着状態が異なる2つの状態(第1の装着状態、第2の装着状態)を検出する。そして、PCは、バッテリパックの第1の装着状態の累積時間と、第2の装着状態の累積時間の差が所定の時間を超えた場合には、装着状態の変更を、ユーザに知覚可能に指示する。その結果、ユーザによる適切な装着状態の変更作業によって、第1の装着状態の累積時間と第2の装着状態の累積時間が概ね等しくなるようになる。ここで、PC内において、例えばCPU(Central Processing Unit)等の発熱部品の位置が固定しているため、バッテリパックのPCに対する装着状態の変更によって、バッテリパック内の各セルの発熱部品に対する位置関係が変化する。そのため、第1の装着状態の累積時間と第2の装着状態の累積時間が概ね等しくなると、バッテリパック内の各セルが受ける発熱部品からの受熱量を均等化できるようになる。この受熱量の均等化によって、バッテリパックでは、特定のセルが早期に劣化することが抑制されるため、バッテリパックの短寿命化が抑制される。
【0013】
(2)バッテリパックの構成
以下、PCに対して2通りの装着状態で装着でき、且つ給電可能な構成を備えたバッテリパックのいくつかの例について説明する。
図1〜3に示すバッテリパック101の例は、表裏で反転させた場合でもPC1に装着可能であって、且つ給電可能に構成されている。この場合、図2に示すように、PC1の底面部には、PC1の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)が設けられている。図3に示すように、PC1の底面部に対向して装着される2つの面をA面、B面とすると、A面には正極端子B1(+)と負極端子B1(-)が設けられ、B面には正極端子B2(+)と負極端子B2(-)が設けられる。端子B1(+),B1(-)はそれぞれ、端子B2(+),B2(-)とは、バッテリパック101の中心軸CLを基準として回転対称に配置されている。これにより、バッテリパック101は、A面とB面のいずれを上方にしてもPC1に装着したときに、PC1に対して給電可能に構成されている。なお、A面、B面はそれぞれ、第1面、第2面の一例である。
【0014】
図4および図5に示すバッテリパック102の例は、表裏で反転させた場合でもPC2の底面側の所定の位置2aに装着可能であって、且つ給電可能に構成されている。この場合、図4に示すように、PC2の底面部には、PC2の正極端子と負極端子がそれぞれ2箇所(PC1(+),PC1(-)およびPC2(+),PC2(-))に設けられている。図5に示すように、PC2の底面部に対向して装着される2つの面をA面、B面とすると、A面には、PC2側の正極端子PC1(+),負極端子PC1(-)に対応する位置に正極端子B1(+),負極端子B1(-)が設けられている。B面には、PC2側の正極端子PC2(+),負極端子PC2(-)に対応する位置に正極端子B2(+),負極端子B2(-)が設けられている。これにより、バッテリパック102は、A面とB面のいずれを上方にしてもPC2に装着したときに、PC2に対して給電可能に構成されている。
【0015】
図6〜8に示すバッテリパック103の例は、PC3の筐体に対して側面からPC3の所定位置3aに装着可能であって、且つ給電可能に構成されている。PC3の所定位置3aには、コネクタ3bが配設されている。この場合、図7に示すように、PC3のコネクタ3bには、PC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)が設けられている。図7に示すように、PC3に装着されたときに上面となりうる2つの面をA面、B面とする。A面を上方にしてバッテリパック103をPC3に装着した状態で、PC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)(図7では、いずれも雄型端子)がバッテリパック103の正極端子B1(+)と端子B1(-)(図7では、いずれも雌型端子)が嵌合するように構成されている。この嵌合により、PC3の正極端子PC(+)はバッテリパック103の正極端子B1(+)と電気的に接続され、PC3の負極端子PC(-)はバッテリパック103の端子B1(-)と電気的に接続される。一方、B面を上方にしてバッテリパック103をPC3に装着した状態で、PC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)(図7では、いずれも雄型端子)がバッテリパック103の正極端子B2(+)と端子B2(-)(図7では、いずれも雌型端子)が嵌合するように構成されている。この嵌合により、PC3の正極端子PC(+)はバッテリパック103の正極端子B2(+)と電気的に接続され、PC3の負極端子PC(-)はバッテリパック103の端子B2(-)と電気的に接続される。つまり、バッテリパック103において、端子B1(+),B1(-),B2(+),B2(-)が配置された面では、中心位置CPに対して点対称に、端子B1(+),B1(-)と端子B2(+),B2(-)が配列されている。これにより、バッテリパック103は、A面とB面のいずれを上方にしてもPC3に装着したときに、PC3に対して給電可能に構成されている。なお、このとき、図8にバッテリパック103の内部の結線状態が示すように、端子B1(+),B1(-)または端子B2(+),B2(-)のいずれがPC3の正極端子PC(+)と負極端子PC(-)と嵌合した場合であっても、給電可能にバッテリパック103内部で電気的に配線されている。
【0016】
図9および図10に示すバッテリパック104は、いわゆるスマートバッテリの例である。スマートバッテリは、PCと通信を行うためのデータ送受信用の端子を備えている。例えば、図9のPC側のコネクタ4bが示すように、PCのコネクタ4bには、PCの正極端子PC(+)と負極端子PC(-)のほか、データ端子PC(D)が設けられている。この場合も、図6〜8に示したバッテリパック103と同様にして、端子をバッテリパック104に配列させることができる。例えば、図9に示すように、A面を上方にしてバッテリパック104をPCに装着した状態では、PCの正極端子PC(+)と負極端子PC(-)とデータ端子PC(D)(図9では、いずれも雄型端子)が、それぞれバッテリパック104の正極端子B1(+)と端子B1(-)とデータ端子D1(図9では、いずれも雌型端子)が嵌合するように構成されている。図示していないが、B面を上方にしたときには、各端子が中心位置CPに対して点対称に配置される。これにより、バッテリパック104は、A面とB面のいずれを上方にしてもPCに装着したときに、PCに対して給電可能、且つ通信可能に構成される。なお、このとき、図9にバッテリパック104の内部の結線状態が示すように、端子B1(+),B1(-),D1または端子B2(+),B2(-),D2のいずれがPC3の端子PC(+),PC(-),PC(D)と嵌合した場合であっても、給電可能、且つ通信可能にバッテリパック103内部で電気的に配線されている。
【0017】
図11に示すバッテリパック105および106はそれぞれ、角型2並列1直列パックのバッテリパック、円筒型2並列3直列パックの例である。この例では、複数のセルは、中心軸CLを基準に対称に配列されている。各バッテリパックのコネクタは、中心軸CL上に配置されている。この場合も図7と同様に、バッテリパック側には、中心位置CPに対して点対称となる2組の端子群が配列され、その2組の端子群のいずれかがPC側のコネクタ5b、6bに嵌合されるようになっている。
【0018】
(3)PCの構成
次に、本実施形態のPCの構成について、図12を参照して説明する。図12は、実施形態のPCの構成を示すブロック図である。
図12に示すように、PCは、PCH(Platform Controller Hub)20、CPU(Central Processing Unit)21、キーボードコントローラ(KBC;Key Board Controller)22、メモリ(MEM)23、キーボード(KB;Key Board)24、LCD(Liquid Crystal Display)25、HDD(Hard Disk Drive)26および電源回路200を備える。図12では、PCの電源回路200に、バッテリパック(BP)が接続された状態を示している。
なお、CPU21は、第1算出部、第2算出部、指示部の一例である。
【0019】
PCH20は、PCのチップセットの一部であってサウスブリッジとも称される。PCH20は、各種の入出力デバイス(図12では、キーボードコントローラ22、LCD25およびHDD26)に接続され、入出力デバイスを制御するための制御回路を含む。
メモリ23は、CPU21の主メモリであるRAM(Random Access Memory)や、CPU21によって実行されるプログラムを記憶する不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)を含む。メモリ23には、OS(Operating System)を含む各種のプログラムが格納されている。CPU21は、メモリコントローラを内蔵し、メモリ23からOS(Operating System)を含む各種のプログラムを読み出して実行するとともに、様々な演算を実行する。
キーボードコントローラ22は、PCH20と接続されるとともにキーボード24に接続され、キーボードインタフェースの機能を備える。キーボードコントローラ22は、マイクロコントローラを備え、後述するように、バッテリパックの装着状態(第1の装着状態または第2の装着状態のいずれか)を検出して、OSに通知する。
電源回路200は、PC内の各部への所要の電源電圧を生成して供給する。電源回路200は、PCの状態(例えばスリープモード等)に応じて給電を制限することがあってよい。
LCD25は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Cristal Display)モニタと、その薄膜トランジスタを駆動するための駆動回路とを含み、CPU31から与えられる画像データをモニタ上に表示する。
HDD26は比較的大容量の不揮発性記憶装置である。
【0020】
(3)バッテリパックのPCに対する装着状態の判定方法
次に、バッテリパックのPCに対する装着状態の判定方法の一例について説明する。この判定方法の一例では、図5に示したバッテリパック102の場合について、図13を参照して説明する。図13では、電源回路200は、PC側の正極端子PC1(+),負極端子PC1(-)および正極端子PC2(+),負極端子PC2(-)を備えている。バッテリパック102には、A面側に配置された正極端子B1(+),負極端子B1(-)と、B面側に配置された正極端子B2(+),負極端子B2(-)とが設けられる。このとき、バッテリパック102のA面を上方にしてバッテリパック102をPCに装着した場合には、端子B1(+)と端子PC1(+)が接続され、端子B1(-)と端子PC1(-)が接続され、端子B2(+),B2(-),PC2(+),PC2(-)が開放状態となる第1の装着状態となる。一方、バッテリパック102のB面を上方にしてバッテリパック102をPCに装着した場合には、端子B2(+)と端子PC2(+)が接続され、端子B2(-)と端子PC2(-)が接続され、端子B1(+),B1(-),PC1(+),PC1(-)が開放状態となる第2の装着状態となる。
【0021】
図13には、電源回路200の内部の回路例が示される。
図13に示す回路例では、負極端子PC1(-), PC2(-)は共にグランド電位に接続される。正極端子PC1(+), PC2(+)はそれぞれ、ダイオード201,202を介して共通ノードN1を介して、レギュレータ(REG)204に接続される。ノードN1とレギュレータ204には、ノードN1の電圧を保持するためのキャパシタ203が設けられる。なお、この回路例では、メイン電源(Main)とバックアップ電源(Backup)の2系統の電源が生成される場合を示してある。
また、正極端子PC1(+), PC2(+)の電圧As,Bsはそれぞれ、NANDラッチ回路205に入力され、その出力信号がキーボードコントローラ22へ出力される。これにより、キーボードコントローラ22は、NANDラッチ回路205の出力信号の電圧を検出することによって、端子PC1(+), PC2(+)のいずれの端子の電圧がバッテリパック102に接続されているか判別(検出)することができる。すなわち、キーボードコントローラ22は、バッテリパック102のPCに対する装着状態が、第1の装着状態(A面を上方にした装着状態)であるか第2の装着状態(B面を上方にした装着状態)であるかを判別(検出)することができる。
【0022】
(4)本実施形態のPCのOSの機能
次に、本実施形態のPCのOSの機能について、図14および図15を参照して説明する。図14は、本実施形態のPCのOSとアプリケーションプログラム(後述するバッテリユーティリティ)の機能を示す機能ブロック図である。図15は、本実施形態のPCで実行される動作のフローチャートである。
図13を参照して説明したように、本実施形態のPCでは、キーボードコントローラ22は、第1の装着状態(A面を上方にした装着状態)であるか第2の装着状態(B面を上方にした装着状態)であるかを判別する。そして、キーボードコントローラ22は、その判別結果をOSに通知する。通知するタイミングは例えば、PCに電源が投入されて起動し、PCのシステムが立ち上がったときでよい。
【0023】
図14に示すように、OSにより実行される機能ブロックとして、メモリ管理機能ブロック501、ファイル管理機能ブロック502、I/O(Input/Output)管理機能ブロック503およびアプリケーション管理機能ブロック504がある。また、OS上で動作するアプリケーションソフトウエアとしてバッテリユーティリティが組み込まれている。図15は、OSがバッテリユーティリティと協働で実行されるフローチャートである。
なお、以下の説明では、A面を上方にしてPCに装着した第1の装着状態によるバッテリパックの使用形態を「A面使用」と表記することがある。同様に、B面を上方にしてPCに装着した第2の装着状態によるバッテリパックの使用形態を「B面使用」と表記することがある。
【0024】
メモリ管理機能ブロック501は、電源がONとなっている累積時間を記録する機能を備える。
メモリ管理機能ブロック501は、バッテリパック取付面(つまり、装着状態でA面およびB面のうち上方の面)の情報を時系列上で記録する機能を備える。つまり、バッテリユーティリティ機能ブロックは、バッテリパック102のPCに対する装着状態の情報をキーボードコントローラ22から取得し、その情報を基にバッテリパック取付面の情報を記録する。
ファイル管理機能ブロック502は、メモリ管理機能ブロック501によって記録された時系列上のバッテリパック取付面を基に、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間を逐次記録・更新する機能を備える。なお、A面使用の累積時間、B面使用の累積時間はそれぞれ、第1の累積時間、第2の累積時間の一例である。
I/O(Input/Output)管理機能ブロック503は、アラーム表示のためのI/O管理のための機能ブロックである。
アプリケーション管理機能ブロック50は、アプリケーション(ここでは、バッテリユーティリティ)の管理のための機能ブロックである。
【0025】
バッテリユーティリティは、各種の機能ブロックを包含する。例えば、バッテリユーティリティは、OSのメモリ管理機能ブロック501から、バッテリパック取付面の情報を読み込む機能を備える。バッテリユーティリティは、OSのファイル管理機能ブロック502から、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間を読み込む機能を備える。バッテリユーティリティは、OSのメモリ管理機能ブロック501から、電源ONの累積時間を読み込む機能を備える。バッテリユーティリティは、A面とB面使用の累積時間を比較する機能を備える。バッテリユーティリティは、A面とB面使用の累積時間を比較した結果、バッテリパックの装着状態の変更を指示するためのアラーム処理を行う機能を備える。
【0026】
図15を参照すると、バッテリユーティリティによって実行される手順は以下のとおりである。すなわち先ず、PCの電源がONされると、現在(開始)時刻を記録する(ステップS10)。そして、バッテリパックの装着状態が検出されると、検出された装着状態がOSへ通知される。バッテリユーティリティは、OSからバッテリパック取付面の情報を読み込む(ステップS11)。次にバッテリユーティリティは、A面使用の累積時間(At)とB面使用の累積時間(Bt)を読み込み(ステップS12)、バッテリパックの使用時間の比較計算を行う。つまり、A面使用の累積時間(At)とB面使用の累積時間(Bt)の差分T(=|At−Bt|)を算出する(ステップS13)。その結果、差分Tが所定の閾値よりも大きい場合には、一方の面の使用に偏り過ぎていることを意味するため、バッテリパックの装着状態の変更を指示するためのアラーム表示を行う(ステップS15)。なお、図16には、アラーム表示の一例として、B面使用の累積時間がA面使用の累積時間よりも閾値以上に大きい場合にPC上で表示される例を示している。
ステップS14で差分Tが所定の閾値以下である場合には、バッテリユーティリティはアラームを表示しない。
【0027】
バッテリユーティリティは、PCの電源がオフとなるときには、そのときの現在時刻(つまり、終了時刻)を記録する(ステップS16)。そして、バッテリユーティリティは、ステップS10で記録した開始時刻とステップS16で記録した終了時刻の差分を、ステップS11で読み込んだバッテリパック取付面の使用時間として算出する(ステップS17)。バッテリユーティリティは、ステップS17で算出した、いずれか一方のバッテリパック取付面の使用時間を、その取付面の現在の累積時間に加算することで、新たな累積時間を算出する(ステップS18)。
【0028】
以上説明したように、本実施形態のPCは、バッテリパックの第1の装着状態(A面使用)の累積時間と、第2の装着状態(B面使用)の累積時間の差が所定の時間を超えた場合には、装着状態の変更を、アラーム表示等でユーザに知覚可能に指示する。その結果、ユーザによる適切な装着状態の変更作業によって、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間が概ね等しくなるようになる。ここで、PC内において、例えばCPU等の発熱部品の位置が固定しているため、バッテリパックのPCに対する装着状態の変更によって、バッテリパック内の各セルの発熱部品に対する位置関係が変化する。そのため、A面使用の累積時間とB面使用の累積時間が概ね等しくなると、バッテリパック内の各セルが受ける発熱部品からの受熱量を均等化できるようになる。この受熱量の均等化によって、バッテリパックでは、特定のセルが早期に劣化することが抑制されるため、バッテリパックの短寿命化が抑制される。
【0029】
(5)変形例
図13に電源回路200の回路構成例を示したが、この回路構成例の変形例について以下で説明する。図13に示した回路構成例では、ダイオード201,202が設けられているため、このダイオードの順方向電圧降下による電力損失が生じる。変形例では、この電力損失が生じないようにした回路構成例を示す。
【0030】
図17は、変形例に係る回路構成例である。この回路は図13のダイオード201,202に代えて、NMOSトランジスタ(Tr1,Tr2)に含まれるボディダイオードD1,D2を利用する。PCの電源起動から僅かな時間差をもってMOSFETがONし、MOSFETがONした後は、ボディダイオードによる順方向電圧降下は殆ど存在しない。そのため、電力損失が抑制される。
図17に示す回路例では、負極端子PC1(-), PC2(-)は共にグランド電位に接続される。正極端子PC1(+), PC2(+)はそれぞれ、NMOSトランジスタTr1,Tr2のドレインに接続される。NMOSトランジスタTr1,Tr2のソースは共通ノードN1を介してレギュレータ304に接続される。レギュレータ304の出力電圧は、NMOSトランジスタTr1,Tr2のゲートに接続される。
なお、正極端子PC1(+), PC2(+)はそれぞれ、第1の正極端子、第2の正極端子の一例である。NMOSトランジスタTr1,Tr2はそれぞれ、第1のスイッチ、第2のスイッチの一例である。ボディダイオードD1,D2はそれぞれ、第1のダイオード、第2のダイオードの一例である。
【0031】
バッテリパックの装着状態に応じて正極端子PC1(+), PC2(+)のいずれかから電圧が入力されると、ボディダイオードD1,D2のいずれかに順方向電圧が入力される。このとき、ボディダイオードによって電圧の回りこみが阻止されるため、正極端子PC1(+), PC2(+)のうち一方の端子からの電圧入力が他方の端子に影響を及ぼすことはない。バッテリパックの装着状態に応じたいずれかのボディダイオードを通した電圧入力DCINを受けてレギュレータ304が動作すると、その出力電圧Vh(図13のMainに相当)によりNMOSトランジスタTr1,Tr2がONする。それによって、ボディダイオードによる順方向電圧降下は殆ど生じなくなる。よって、図17に示す回路構成例では、定常状態では、電力損失が殆ど生じなくなる。
【0032】
図18は、図17の動作を示すタイミングチャートである。
このタイミングチャートは、A面使用のバッテリパックの装着状態となった場合を例としている。このとき、正極端子PC1(+)の電圧入力があると電圧Asが直ちに立ち上がり、ボディダイオードD1を介して電圧DCINが立ち上がる。電圧Vhは、レギュレータ304の動作期間だけ遅延して立ち上がる。電圧Vhが立ち上がると、NMOSトランジスタTr1,Tr2がONして正極端子PC2(+)の電圧Bsも立ち上がる。よって、図18から明らかなように、この回路構成例では、正極端子PC1(+)の電圧Asと正極端子PC2(+)の電圧Bsの立ち上がりタイミングの先後を判別することによって、バッテリパックの装着状態を判別できるようになる。キーボードコントローラ22は、正極端子PC1(+)の電圧Asと正極端子PC2(+)の電圧Bsを取り込み、その値を逐次OSへ通知する。そして、OSは、PCの電源起動後、図18に示す判定期間の間に、バッテリパックの装着状態の判別を行う。バッテリパックの装着状態の判別は、バッテリユーティリティが行ってもよい。
【0033】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の電子機器、システム、プログラムは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0034】
BP…バッテリパック
PC…パーソナルコントローラ
20…PCH
21…CPU
22…キーボードコントローラ
23…メモリ
24…キーボード
25…LCD
26…HDD
200…電源回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器であって、
前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、
前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、
を備えた、電子機器。
【請求項2】
前記バッテリ装置は2つの正極端子を備え、
前記電子機器は、
第1の装着状態において、前記2つの正極端子の一方と電気的に接続する第1の正極端子と、
第2の装着状態において、前記2つの正極端子の他方と電気的に接続する第2の正極端子と、
所望の電源電圧を生成するためのレギュレータと、
前記第1の正極端子と前記レギュレータの間に、第1のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第1のスイッチと、
前記第2の正極端子と前記レギュレータの間に、第2のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第2のスイッチと、
を備え、前記第1の正極端子と前記第1の正極端子の電圧の立ち上がりタイミングの先後に基づいて、バッテリ装置の装着状態を検出する、
請求項1に記載された電子機器。
【請求項3】
電子機器と、前記電子機器に給電するためのバッテリ装置とを備えたシステムであって、
前記バッテリ装置は、
第1面と、第1面と異なる第2面とを含む筐体を備え、前記第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態と、第2面を基準とした第2の装着状態のいずれの装着状態であっても電子装置に対して給電可能に構成され、
前記電子機器は、
第1の装着状態で前記バッテリ装置から給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、
第2の装着状態で前記バッテリ装置から給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、を備えた、
システム。
【請求項4】
バッテリ装置は2つの正極端子を備え、
前記電子機器は、
第1の装着状態において、前記2つの正極端子の一方と電気的に接続する第1の正極端子と、
第2の装着状態において、前記2つの正極端子の他方と電気的に接続する第2の正極端子と、
所望の電源電圧を生成するためのレギュレータと、
前記第1の正極端子と前記レギュレータの間に、第1のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第1のスイッチと、
前記第2の正極端子と前記レギュレータの間に、第2のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第2のスイッチと、
を備え、前記第1の正極端子と前記第1の正極端子の電圧の立ち上がりタイミングの先後に基づいて、バッテリ装置の装着状態を検出する、
請求項3に記載されたシステム。
【請求項5】
バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器を制御するためのプログラムであって、
前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する手順と、
前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する手順と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器であって、
前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、
前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、
を備えた、電子機器。
【請求項2】
前記バッテリ装置は2つの正極端子を備え、
前記電子機器は、
第1の装着状態において、前記2つの正極端子の一方と電気的に接続する第1の正極端子と、
第2の装着状態において、前記2つの正極端子の他方と電気的に接続する第2の正極端子と、
所望の電源電圧を生成するためのレギュレータと、
前記第1の正極端子と前記レギュレータの間に、第1のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第1のスイッチと、
前記第2の正極端子と前記レギュレータの間に、第2のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第2のスイッチと、
を備え、前記第1の正極端子と前記第1の正極端子の電圧の立ち上がりタイミングの先後に基づいて、バッテリ装置の装着状態を検出する、
請求項1に記載された電子機器。
【請求項3】
電子機器と、前記電子機器に給電するためのバッテリ装置とを備えたシステムであって、
前記バッテリ装置は、
第1面と、第1面と異なる第2面とを含む筐体を備え、前記第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態と、第2面を基準とした第2の装着状態のいずれの装着状態であっても電子装置に対して給電可能に構成され、
前記電子機器は、
第1の装着状態で前記バッテリ装置から給電された第1の累積時間を算出する第1算出部と、
第2の装着状態で前記バッテリ装置から給電された第2の累積時間を算出する第2算出部と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する指示部と、を備えた、
システム。
【請求項4】
バッテリ装置は2つの正極端子を備え、
前記電子機器は、
第1の装着状態において、前記2つの正極端子の一方と電気的に接続する第1の正極端子と、
第2の装着状態において、前記2つの正極端子の他方と電気的に接続する第2の正極端子と、
所望の電源電圧を生成するためのレギュレータと、
前記第1の正極端子と前記レギュレータの間に、第1のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第1のスイッチと、
前記第2の正極端子と前記レギュレータの間に、第2のダイオードと並列に設けられ、前記電源電圧の印加によって導通状態となる第2のスイッチと、
を備え、前記第1の正極端子と前記第1の正極端子の電圧の立ち上がりタイミングの先後に基づいて、バッテリ装置の装着状態を検出する、
請求項3に記載されたシステム。
【請求項5】
バッテリ装置が装着されることで給電される電子機器を制御するためのプログラムであって、
前記バッテリ装置の第1面を基準とした電子機器に対する第1の装着状態で給電された第1の累積時間を算出する手順と、
前記バッテリ装置の第1面と異なる第2面を基準とした電子機器に対する第2の装着状態で給電された第2の累積時間を算出する手順と、
第1の累積時間と第2累積時間の差分が所定の時間を超えた場合に、前記バッテリ装置の装着状態の変更を指示する手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−37884(P2013−37884A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172976(P2011−172976)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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