説明

電子機器およびカメラ

【課題】 RFIDタグ情報の検出動作が必要でない場合にも検出動作を実行してしまい、RFIDタグ情報の検出動作にかかる消費電力を無駄に使ってしまう。
【解決手段】 RFIDタグ搭載部品を装着可能な電子機器であって、RFIDタグ搭載部品の装着を検出する装着検出手段と、前記装着検出手段によりRFIDタグ搭載部品の装着が検出された場合に、RFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報を検出するRFIDタグ情報検出手段とを有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の信号を発信可能なRFIDタグを有した部品を着脱可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFIDタグという、あらかじめ決められた特定情報が記憶手段に記憶されており、該記憶情報が無線手段で発信できる電気部品の普及が始まった。RFIDタグの電源は、RFIDタグ情報検出手段から非接触で供給されるので電池は必要無く、小型で、データ書き換えも可能なものもある。決められた特定情報をカメラ本体に伝達する手段としては、大きさ、コスト、と非常に魅力的な電気部品である。
【0003】
RFIDタグ情報検出手段を有した冷蔵庫は、冷蔵庫の扉の開閉検出スイッチ変化を起点にして、RFIDタグ情報の読み出しを行っている。すなわち、扉開閉検出スイッチが扉が開いた状態から扉が閉じた状態に変化したことをトリガにして、冷蔵庫内のRFIDタグ情報の読み出しを行っている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2003−097884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したRFIDタグ情報検出手段を有した冷蔵庫は、冷蔵庫の扉開閉の際に、実際に物の出し入れが行われたか、出し入れされた物の中にRFIDタグ付き商品があるかどうかに関わらず、扉の開閉に連動してRFIDタグ情報の検出動作を実行している。
【0005】
したがって、RFIDタグ情報の検出動作が必要でない場合にも検出動作を実行してしまい、RFIDタグ情報の検出動作にかかる消費電力を無駄に使ってしまうという問題がある。
【0006】
また、検出されるRFIDタグ情報に応じて、装置の動作シーケンスが変更されるような装置では、RFIDタグ情報の検出動作を実行するタイミングを装置の動作シーケンスを考慮して設定する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、このような課題を解決し、適切なタイミングでRFIDタグ情報の検出動作を実行することにより、無駄なRFIDタグ情報の検出動作の少ない電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、RFIDタグ搭載部品を装着可能な電子機器であって、RFIDタグ搭載部品の装着を検出する装着検出手段と、前記装着検出手段によりRFIDタグ搭載部品の装着が検出された場合に、RFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報を検出するRFIDタグ情報検出手段とを有することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は複数種のRFIDタグ搭載部品を装着可能な電子機器であって、複数種のRFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報をあらかじめ記憶している記憶手段と、RFIDタグ搭載部品の種類毎にRFIDタグ搭載部品の装着を検出する複数の装着検出手段と、前記複数の装着検出手段のいずれかによりRFIDタグ搭載部品の装着が検出された場合に、RFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報を検出するRFIDタグ情報検出手段と、前記記憶手段に記憶されているRFIDタグ情報から前記RFIDタグ情報検出手段によって検出したRFIDタグ情報を検索する制御手段とを有し、前記制御手段はいずれの装着検出手段にてRFIDタグ搭載部品の装着を検出したかに応じてRFIDタグ搭載部品の種類を推定し、検索するRFIDタグ情報を絞り込むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、RFIDタグ搭載部品の装着を検出することに応じて、RFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報を検出するので、無駄なRFIDタグ情報の検出動作を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の最良の実施形態であるカメラシステムを表した電気ブロック図である。
【0012】
1はカメラボディであり、2はカメラボディ1に着脱可能に装着されたレンズユニットである。レンズユニット2は内部にレンズユニット自身の情報が記録されるとともに、この情報を発信可能なRFIDタグ2aを具備しており、さらに光学レンズ2bや不図示のレンズ駆動手段や絞り手段などを備えている。レンズユニット2がカメラボディ1に装着されると、カメラボディ1に設けられているレンズ装着検出スイッチ(レンズ装着検出SW)6がオフからオンに変化し、この変化をカメラボディ1の制御手段12が検出すると、RFIDタグ情報検出手段7を制御して装着されたレンズユニット2のRFIDタグ2aから発信されているRFIDタグ情報を受信し、装着されたレンズユニット2のRFIDタグ情報を検出する。
【0013】
本実施形態では、レンズユニットにはレンズユニットA、レンズユニットBの2種類があり、レンズユニットA、レンズユニットBのうち、どちらかひとつをカメラボディ1に装着可能である。カメラボディ1は被写体の測光手段13を有しており、レンズユニットAがカメラボディ1に装着された場合は、レンズユニットAのRFIDタグ情報に基づいて測光手段13に対して、レンズユニットAに適する特定の測光値補正を行う。一方、レンズユニットBがカメラボディ1に装着された場合は、レンズユニットBのRFIDタグ情報に基づいて測光手段13に対して、レンズユニットBに適する特定の測光値補正を行う。
【0014】
3はピント板であり、従来の一眼レフカメラと同じように、撮影レンズからの被写体光をピント板に結像させて、ファインダー手段でピント板上の像を撮影者が確認するためのものである。本実施形態のカメラシステムでは、ピント板3が着脱可能に構成されている。
【0015】
ピント板3は、内部にピント板自身の情報が記録されるとともに、この情報を発信可能なRFIDタグ3aを具備しており、ピント板3がカメラボディ1に装着されると、カメラボディ1に設けられているピント板装着検出スイッチ(ピント板装着検出SW)8がオフからオンに変化し、この変化をカメラボディ1の制御手段12が検出すると、RFIDタグ情報検出手段7を制御して装着されたピント板3のRFIDタグ3aから発信されているRFIDタグ情報を受信し、装着されたピント板3のRFIDタグ情報を検出する。
【0016】
このカメラシステムにおいて、ピント板3は撮影目的に応じて複数種類用意され、例えばフォーカスエリアのスーパーインポーズ表示に対応しているピント板A、フォーカスエリアのスーパーインポーズ表示に対応していないピント板Bの2種類がある。スーパーインポーズ表示への対応の有無についてはピント板のRFIDタグ情報に記録されている。ピント板A、ピント板Bのうちどちらかひとつカメラボディ1に装着可能である。ピント板Aがカメラに装着された場合は、ピント板AのRFIDタグ情報に基づいてピント板照射手段11は、測距動作時にピント板Aに形成されるスーパーインポーズ表示用のプリズムに向けて光の照射を行う。一方、ピント板Bがカメラに装着された場合は、ピント板BのRFIDタグ情報に基づいてピント板照射手段11は、測距動作時にピント板Bへ光の照射を行わない。
【0017】
4は記憶手段であり、記憶手段4に記憶された情報を制御手段12へ出力することができるとともに、制御手段12からの情報を記憶手段4に記憶することができる。
【0018】
5は撮影手段であり、装着されたレンズユニット2を通して撮影を行うための手段である。例えば、ファインダー手段、露出決定手段、シャッター手段、光電変換手段、信号処理手段、画像処理手段などが撮影手段に相当するが本実施形態では詳細は説明を省略する。
【0019】
13は被写体の明るさを測定するための測光手段であり、14は被写体までの距離を測定するための測距手段、9は電源、10は撮影手段5からの画像情報を着脱可能な不揮発性記録媒体15に記録させる画像記録手段、16はメインスイッチ、17はレリーズスイッチ、18は各種スイッチである。
【0020】
なお、レンズ装着検出SW6やピント板装着検出SW8は、メカニカルなスイッチでもよいし、フォトリフレクタ、フォトインタラプタ、など光学的なスイッチであっても構わない。
【0021】
図2は本実施形態で用いるRFIDタグ番号表である。本実施形態ではRFIDタグ番号の一例として、2進数7桁で表現する。本実施形態のRFIDタグ番号の特徴は、ある特定桁がRFIDタグ装着部品の大分類(例えばレンズユニット、ピント板といったカメラ部品の大きな分類)を表現し、さらに別の特定桁が、RFIDタグ装着部品の詳細な仕様(レンズユニットの種類、ピント板の種類など)や製造番号などを特定可能な番号を表現する点である。特定桁の番号とは、具体的には、カメラボディ1がRFIDタグ情報として検出する特定の検出順で得られる情報のことである。
【0022】
カメラボディ1は、記憶手段4にRFIDタグ情報群として前述のRFIDタグ番号をあらかじめ全て記憶しており、さらにRFIDタグ番号に応じた制御手段12のシーケンスを記憶している。カメラボディ1は、RFIDタグ情報検出手段7によって取得した、RFIDタグ装着部品からのRFIDタグ番号情報と、記憶手段4に記憶されているRFIDタグ情報群を比較することで、装着されたRFIDタグ装着部品の分類や詳細な仕様を認識し、さらに装着されたRFIDタグ部品のRFIDタグ装着情報として記憶手段4に記録する。
【0023】
本実施形態で用いるRFID装着部品例はピント板とレンズユニットであり、ピント板の場合は先頭3桁の分類番号が000、レンズユニットの場合の分類番号は001である。さらに残りの4桁の特定番号が部品そのものの種類を特定する番号になっている。すなわちカメラボディ1は7桁全てのRFID番号を解析することなく、先頭3桁のRFID番号を検出するだけで、RFIDタグ装着部品の大分類を特定できるようになる。例えば、ピント板に限ってRFIDタグ情報が検出したい場合などは、先頭3桁の分類番号000にあてはまらないRFIDタグ情報は捨てた上で、下4桁の特定番号0000(ピント板A)なのか0001(ピント板B)なのかの判定を行えばよい。カメラに装着されたピント板の分類番号が000でありながら、特定番号が記憶手段4のRFIDタグ情報群にない例えば0002のような場合は、記憶手段4にRFIDタグ装着情報として0000002とそのまま記録されるが、ピント板の種類としては認識できないその他として処理される。
【0024】
図3は本実施形態のメインシーケンスである。
【0025】
メインスイッチ16がONされると(ステップ302)、制御手段12はレンズ装着検出SW6やピント板装着検出SW8、レリーズスイッチ17、各種スイッチ18の受け付けを開始する(ステップ303)。これらのスイッチについて変化の検出が確認されるまで検出を繰り返す(ステップ304で「N」)。スイッチの変化が検出された場合(ステップ304で「Y」)、レンズ装着検出SW6の変化検出の場合(ステップ305で「Y」)、図4のレンズシーケンスに飛ぶ。ピント板装着検知SW8の変化検出の場合(ステップ306で「Y」)、図5のピント板シーケンスに飛ぶ。レリーズスイッチ17の変化検出の場合(ステップ307で「Y」)、図6のレリーズシーケンスに飛ぶ。その他のスイッチの場合、不図示のシーケンスを行うが説明は割愛する(ステップ308)。メインスイッチ16の変化検出の場合(ステップ309で「Y」)、レンズ装着検出SW6やピント板装着検出SW8、レリーズスイッチ17、各種スイッチ18の受け付けを終了し(ステップ310)、シーケンスを終了する(ステップ311)。
【0026】
図4はレンズユニット識別シーケンスである。レンズ装着検出SW6の変化が検出されると(ステップ305で「Y」)、レンズユニット2がカメラボディ1に装着されたのか(レンズ装着検出SW6のON信号検出)、レンズユニット2がカメラボディ1から離脱したのか(レンズ装着検出SW6のOFF信号検出)を制御手段12により判断されて、レンズユニット2が装着されたと判断された場合(ステップ401で「装着」)、RFIDタグ情報検出手段7にてレンズユニット2に関するRFIDタグ情報の検出を開始する(ステップ402)。図2で説明したように、分類番号によるRFIDタグ情報の層別を行い、レンズユニットに関する先頭3桁001となっているRFIDタグ情報だけデータ取得して記憶手段4に一時記憶し、先頭3桁001にあてはまらないRFIDタグ情報は全て読み込まないようにしている(ステップ403)。取得したレンズユニット2のRFIDタグ情報と、カメラボディ1があらかじめ記憶手段4に記憶しているRFIDタグ情報と比較して、取得したRFIDタグ情報が記憶しているRFIDタグ情報と一致するかどうかを判定する(ステップ405)。取得したRFIDタグ情報が記憶しているRFIDタグ情報と一致するものであれば(ステップ405で「Y」)、取得したRFIDタグ情報を装着されたレンズユニットに関するRFIDタグ装着情報として記憶手段4に記録し(ステップ406)、RFIDタグ情報検出を終了する(ステップ407)。制御手段12は、記憶手段4に記憶されたレンズユニットに関するRFIDタグ装着情報をもとに、装着されたレンズユニット2に見合ったのソフト変更を行い(ステップ408)図3のメインシーケンスに戻る。装着されたレンズユニット2に見合ったソフト変更とは、測光手段13からの測光情報を装着されたレンズユニット2の光学性能に適合した値に補正する補正量を変えるような変更を行うことである。
【0027】
一方、レンズユニット2がカメラボディ1から離脱したと判断された場合は(ステップ401で「離脱」)、記憶手段4に記憶されているレンズユニットに関するRFIDタグ装着情報だけを削除する(ステップ409)。このとき、ピント板3の着脱は検出されていないので、ピント板に関するRFIDタグ装着情報の削除は行わずに図3のメインシーケンスに戻る。
【0028】
図5はピント板識別シーケンスである。ピント板装着検出SW8の変化が検出されると(ステップ306で「Y」)、ピント板3がカメラボディ1に装着されたのか(ピント板装着検出SW8のON信号検出)、ピント板3がカメラボディ1から離脱したのか(ピント板装着検出SW8のOFF信号検出)制御手段12により判断されて、ピント板3が装着されたと判断された場合(ステップ501で「装着」)、RFIDタグ情報検出手段7にてピント板3に関するRFIDタグ情報の検出を開始する(ステップ502)。図2で説明したように、分類番号によるRFIDタグ情報の層別を行い、ピント板に関する先頭3桁000となっているRFIDタグ情報だけデータ取得して記憶手段4に一時記憶し、先頭3桁000にあてはまらないRFIDタグ情報は全て読み込まないようにしている(ステップ503)。取得したピント板3のRFIDタグ情報と、カメラボディ1があらかじめ記憶手段4に記憶しているRFIDタグ情報と比較して、取得したRFIDタグ情報が記憶しているRFIDタグ情報と一致するかどうかを判定する(ステップ505)。取得したRFIDタグ情報が記憶しているRFIDタグ情報と一致するものであれば(ステップ505で「Y」)、取得したRFIDタグ情報を装着されたピント板に関するRFIDタグ装着情報として記憶手段4に記録し(ステップ506)、RFIDタグ情報検出を終了する(ステップ507)。制御手段12は、記憶手段4に記憶されたピント板に関するRFIDタグ装着情報をもとに、装着されたピント板3に見合ったソフト変更を行い(ステップ508)、メインシーケンスに戻る。装着されたピント板3に見合ったソフト変更とは、ピント板Aがカメラに装着された場合は、測距動作時にピント板照射手段11によってピント板Aに形成されるスーパーインポーズ表示用のプリズムに向けて光の照射を行い、ピント板Bがカメラに装着された場合は、ピント板照射手段11によって光の照射を行わないといったソフト変更を行う。
【0029】
一方、ピント板3がカメラから離脱したと判断された場合は(ステップ501で「離脱」)、記憶手段4に記憶されているピント板に関するRFIDタグ装着情報だけを削除し(ステップ509)、レンズユニットの着脱は検出されていないので、レンズユニットに関するRFIDタグ装着情報の削除は行わないで図3のメインシーケンスに戻る。
【0030】
図4、図5に示したように、レンズユニットやピント板などのRFID装着部品の装着を直接検出可能な、レンズ装着検出SW6やピント板装着検出SW8などのRFIDタグ装着部品の装着検出スイッチをカメラボディ1に具備させることで、RFIDタグを装着したレンズユニットやピント板に限ったRFIDタグ情報の検出、削除に特化できるようになる。
【0031】
RFIDタグ部品の装着直後にRFIDタグ情報検出動作が行えるので、RFIDタグ搭載部品の着脱に即応してRFIDタグ情報読み出しができると同時に、RFIDタグ情報検出作業に無駄が無く省電効果がある。
【0032】
さらに、RFIDタグ搭載部品の着脱に即応してRFIDタグ情報読み出しを行っているため、記憶手段4に記憶されるRFIDタグ装着情報と実際にカメラボディ1に装着されているRFID装着部品との間に食い違いが起こりえない。これにより、確実なRFIDタグ装着情報の取捨選択を行いつつ、RFIDタグ情報に則した確実なシーケンスを実施できる。
【0033】
さらに、RFIDタグ情報の読み出しの起点にレリーズスイッチ17を用いないで、レンズ装着検出SW6やピント板装着検出SW8などのRFIDタグ装着部品の装着検出スイッチを用いたことで、レリーズ動作中はRFIDタグ情報検出手段による検出を行わないようにできるため、RFIDタグ情報検出行為によってレリーズタイムラグが発生しない。
【0034】
さらにRFIDタグ装着部品の装着検出スイッチを用いてカメラに記憶されたRFIDタグ情報の削除が実行できる。すなわち、カメラボディ1からのRFIDタグ搭載部品が取り外されたことを検出して、記憶手段4に記憶されたRFIDタグ装着情報の削除を実行できる。本実施形態のRFIDタグ装着情報の削除方法は、RFIDタグ情報検出手段7を用いて、検出できるRFIDタグ情報が無いことを確認することによってRFIDタグ装着情報を更新していくRFIDタグ情報の削除方法より、迅速に行える。さらに着脱されていないRFIDタグ装着部品のRFIDタグ装着情報の温存、ならびに着脱されていないRFIDタグ装着部品に関するRFIDタグ情報の読み出しは行わなくて済むようにできる。
【0035】
さらにRFIDタグ情報取得時に、RFIDタグ搭載部品の装着検知スイッチに変化があった部品分類だけにRFIDタグ情報読み取り対象を絞り、さらにRFIDタグ番号の分類を用いて、不要な分類に属するRFIDタグ情報に関しては、全部のRFIDタグ情報を取得しないで、必要な分類に属するRFIDタグ情報だけ全部のRFIDタグ情報を取得するようにして、制御手段12へのRFIDタグ情報取得時間、RFIDタグ情報入替時間の低減をはかり、RFIDタグ情報取捨選択動作に時間をかけないようにしている。
【0036】
上記の結果、操作性の良いカメラが実現できる。
【0037】
図6はレリーズシーケンスである。レリーズスイッチ17の変化が検出されると(ステップ307で「Y」)、測距手段14により測距動作を開始し(ステップ601)、被写体の測距情報を取得する(ステップ602)。この測距情報を基にして、レンズユニット2のレンズ駆動手段により被写体が合焦する位置にレンズを駆動させる(ステップ603)。記憶手段4に記憶されているRFIDタグ装着情報から現在装着されているピント板3の種類を割り出し(ステップ604)、ここで現在装着されているピント板がピント板Aであれば、測距しているフォーカスエリアに対応するピント板上のスーパーインポーズ表示用のプリズムに向けてピント板照射手段11により光を照射する(ステップ605)。一方、ピント板B、または記憶手段4にRFIDタグ情報が記憶されていないピント板である場合には、ピント板照射手段11は光を照射しない(ステップ606)。さらに測光手段13によって被写体の明るさ情報の検出を開始し(ステップ607)、さらに記憶手段4からカメラボディ1に装着されているレンズユニットの種類情報を取得して(ステップ608)測光値に対して補正を行う。レンズユニットAが装着されている場合にはレンズAに適する補正値を測光情報に加え(ステップ609)、レンズユニットBが装着されている場合はレンズBに適する補正値を測光情報に加え(ステップ610)、記憶手段4にRFIDタグ情報が記憶されていないレンズユニットであれば、測光情報に補正を行わないでシャッター速度や絞り値である露出値を決める(ステップ612)。所定時間経過後に、ピント板照射手段11による照明が行われていれば照明を終了し(ステップ613)、ファインダーにレンズユニットからの被写体光を導くミラーをアップさせて(ステップ614)レンズユニットからの被写体光を光電変換手段である撮像素子に導くようにする。撮像素子による電荷蓄積が開始され(ステップ615)、シャッターが開放され(ステップ616)、所定時間の開放が終了するとシャッターが閉じられ(ステップ617)、撮像素子による電荷蓄積を終了し(ステップ618)、ミラーをダウンさせ(ステップ619)、撮影信号を撮像素子から読み出し(ステップ620)、撮影信号に現像圧縮処理を施した上で(ステップ621)、画像記録手段10を用いて記録媒体15へ画像記録を行い(ステップ622)図3のメインシーケンスに戻る。
【0038】
以上のように本実施形態では、RFIDタグ情報ごとに、個別のカメラシーケンスを行うようにして、カメラ装着部品ごとのより細かい最適動作化を実現させている。
【0039】
また、本実施形態では、レンズユニットとピント板などのRFIDタグ搭載部品をカメラボディに装着する形態を開示したが、RFIDタグ搭載部品はレンズユニットとピント板に限ったものではなく、外部ストロボや記憶媒体などRFIDタグを装着できる部品であれば何でも構わない。
【0040】
また図2におけるRFID番号例は一例であり、RFIDタグ装着部品の層別が可能な情報内容であれば形式は問わない。情報開始、又は終了を明確化するためにRFID番号の前にヘッダー情報や末尾にエンド情報がついていたりしてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態であるカメラシステムを表した電気ブロック図
【図2】本実施形態であるカメラシステムで用いるRFIDタグ番号表
【図3】本実施形態であるカメラシステムのメインシーケンス
【図4】本実施形態であるカメラシステムのレンズシーケンス
【図5】本実施形態であるカメラシステムのピント板シーケンス
【図6】本実施形態であるカメラシステムのレリーズシーケンス
【符号の説明】
【0042】
1 カメラボディ
2 レンズユニット
3 ピント板
4 記憶手段
6 レンズ装着検出スイッチ
7 RFIDタグ情報検出手段
8 ピント板装着検出スイッチ
11 ピント板照射手段
12 制御手段
13 測光手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグ搭載部品を装着可能な電子機器であって、
RFIDタグ搭載部品の装着を検出する装着検出手段と、
前記装着検出手段によりRFIDタグ搭載部品の装着が検出された場合に、RFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報を検出するRFIDタグ情報検出手段とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記RFIDタグ情報検出手段によって検出したRFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報をRFIDタグ装着情報として記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記装着検出手段によりRFIDタグ搭載部品の非装着を検出した場合に、前記記憶手段に記憶したRFIDタグ装着情報を削除する制御手段を有することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記RFIDタグ情報検出手段によって検出したRFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報に基づいて動作シーケンスを変更する制御手段を有することを特徴とする請求項1ないし3に記載の電子機器。
【請求項5】
複数種のRFIDタグ搭載部品を装着可能な電子機器であって、
複数種のRFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報をあらかじめ記憶している記憶手段と、
RFIDタグ搭載部品の種類毎にRFIDタグ搭載部品の装着を検出する複数の装着検出手段と、
前記複数の装着検出手段のいずれかによりRFIDタグ搭載部品の装着が検出された場合に、RFIDタグ搭載部品のRFIDタグ情報を検出するRFIDタグ情報検出手段と、
前記記憶手段に記憶されているRFIDタグ情報から前記RFIDタグ情報検出手段によって検出したRFIDタグ情報を検索する制御手段とを有し、前記制御手段はいずれの装着検出手段にてRFIDタグ搭載部品の装着を検出したかに応じてRFIDタグ搭載部品の種類を推定し、検索するRFIDタグ情報を絞り込むことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
RFIDタグを搭載したレンズユニットを装着可能なカメラであって、
装着されたレンズユニットを通して測光する測光手段と、
RFIDタグ搭載したレンズユニットの装着を検出するレンズ装着検出手段と、
前記レンズ装着検出手段によりRFIDタグ搭載したレンズユニットの装着が検出された場合に、RFIDタグ搭載したレンズユニットのRFIDタグ情報を検出するRFIDタグ情報検出手段と、
前記RFIDタグ情報検出手段によって検出されたRFIDタグ搭載したレンズユニットのRFIDタグ情報に基づいて前記測光手段の測光の補正値を変更する制御手段とを有するカメラ。
【請求項7】
RFIDタグを搭載したピント板を装着可能なカメラであって、
装着されたピント板に光を照射するピント板照射手段と、
RFIDタグ搭載したピント板の装着を検出するピント板装着検出手段と、
前記ピント板装着検出手段によりRFIDタグ搭載したピント板の装着が検出された場合に、RFIDタグ搭載したピント板のRFIDタグ情報を検出するRFIDタグ情報検出手段と、
前記RFIDタグ情報検出手段によって検出されたRFIDタグ搭載したピント板のRFIDタグ情報に基づいて前記ピント板照射手段による光の照射を行うかどうかを制御する制御手段とを有するカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−267405(P2006−267405A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83993(P2005−83993)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】