説明

電子機器のカバー構造

【課題】電池カバーの閉め忘れを防止することを可能とすることができるようにする。
【解決手段】リアケース11には、リアケース11内に収納された電池13を覆うための電池カバー31が開閉可能に取り付けられている。リアケース11には一対の固定接点17、18が設けられている。電池カバー31には1つの可動接点34が設けられている。そして、電池カバー31が開けられると、一対の固定接点17、18と可動接点34とによって構成されたスイッチがオフ状態となり、このオフ状態に基づいて、電池カバー31が開けられたことが検知される。そして、電池カバー31が開けられたことが検知されると、例えば、「電池カバーが開いています」と連続して、あるいは一定の間隔をおいてアナウンスすると、電池カバー31の閉め忘れを防止することを可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電子機器のカバー構造に関し、例えば、携帯型電子機器における電池カバー等のカバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話等の携帯型電子機器における従来の電池カバー構造には、ケースに電池収納部が設けられ、電池収納部内に電池が収納され、ケースに電池収納部を覆うための電池カバーが取り外し可能に取り付けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。この電池カバー構造では、ケースの電池収納部内に電池を収納するとき、ケースから電池カバーを取り外し、ケースの電池収納部内に電池を収納し、ケースに電池カバーを取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−109494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の電池カバー構造では、ケースに電池カバーを取り付けることを忘れた場合、ケースの電池収納部の部分が露呈してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、カバーの閉め忘れを防止することを可能とすることができる電子機器のカバー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電子機器のカバー構造は、ケースの少なくとも一部を覆うためのカバーを有する電子機器において、前記ケースに一対の固定接点が設けられ、前記カバーに1つの可動接点が設けられ、前記カバーが開けられると、前記固定接点と前記可動接点とによって構成されたスイッチがオフ状態となり、このオフ状態に基づいて、前記カバーが開けられたことを検知し、且つ、前記カバーが閉じられると、前記スイッチがオン状態となり、このオン状態に基づいて、前記カバーが閉じられたことを検知することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、カバーの閉め忘れを防止することを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施形態としての電池カバー構造を備えた携帯電話の正面側から見た斜視図。
【図2】携帯電話を背面側から見た斜視図。
【図3】電池カバーを開けた状態を背面側から見た斜視図。
【図4】電池カバーを省略し、且つ、一部を切り欠いた状態における背面図。
【図5】図4のV−V線に沿う部分に相当する電池カバーを開けた状態における断面図。
【図6】(A)は図3に示す電池カバーを手前側から見た図、(B)は図3に示す電池カバーを下側から見た図。
【図7】電池カバーを閉じた状態における図5同様の断面図。
【図8】この発明の他の実施形態において電池カバーを開けた状態を背面側から見た斜視図。
【図9】(A)は図8に示す電池カバーを手前側から見た図、(B)は図8に示す電池カバーを下側から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1はこの発明の一実施形態としての電池カバー構造を備えた携帯電話の正面側から見た斜視図を示し、図2は携帯電話を背面側から見た斜視図を示す。この携帯電話は、フロントケース1およびこのフロントケース1の下側に設けられたリアケース11を備えている。フロントケース1の上面にはタッチパネル2が設けられている。リアケース11の手前側の角部には電池カバー31が、後述の如く、開閉可能に設けられている。
【0010】
次に、図3は電池カバー31を開けた状態を背面側から見た斜視図を示し、図4は電池カバー31を省略し、且つ、一部を切り欠いた背面図を示し、図5は図3のV−V線に沿う部分に相当する電池カバー31を開けた状態における断面図を示す。フロントケース1内においてタッチパネル2の内側には液晶表示パネル3が設けられている。
【0011】
リアケース11の手前側(図4の右側)の側壁の図3における左側には長孔からなる電池挿入孔12が設けられている。電池挿入孔12に方形板状の電池13が挿入されると、この挿入された電池13はリアケース11内に収納されるようになっている。電池13の手前側には取手14が設けられている。
【0012】
リアケース11の手前側(図4の右側)の側壁の図3における右側には方形状のコネクタ本体取付孔15が設けられている。コネクタ取付孔15には方形状のコネクタ本体16が取り付けられている。コネクタ本体16の前面の左右には板バネからなるほぼΩ字形状の一対の固定接点17、18が設けられている。コネクタ本体16の後面の左右には、各固定接点17、18に接続された一対のリード19、20が設けられている。各リード19、20は、リアケース11の内部に設けられた回路基板21に電気的に接続されている。ここで、リアケース11内に収納された電池13は回路基板21に電気的に接続されるようになっている。
【0013】
次に、図6(A)は図3に示す電池カバー31を手前側から見た図を示し、図6(B)は図3に示す電池カバー31を下側から見た図を示す。電池カバー31は、側面L字形状であり、その折曲部両側に設けられたピン32を介して、図3に示すように、リアケース11に開閉可能に取り付けられている。電池カバー31の内面の所定の箇所にはステンレス鋼等からなる帯状のアンテナ33が設けられている。アンテナ33の一端部は、電池カバー31の内面の所定の箇所に設けられた板バネからなるほぼΩ字形状の1つの可動接点34に接続されている。可動接点34は、図3に示す一対の固定接点17、18の中間に対応する位置に設けられている。
【0014】
そして、図3および図5に示すように、電池カバー31が開けられた状態では、可動接点34が一対の固定接点17、18から離間した状態(オフ状態)となる。一方、図5と同様の断面図である図7に示すように、電池カバー31が閉じられた状態では、可動接点34が一対の固定接点17、18間に弾性変形しながら入り込んだ状態(オン状態)となる。この状態では、一対の固定接点17、18が元の状態に戻ろうとするバネ力により可動接点34が挟持され、これにより電池カバー31は閉じられた状態に保持される。すなわち、可動接点34および固定接点17、18は、電池カバー31を閉じられた状態に機械的にロックするロック機能を備えている。
【0015】
ここで、一対の固定接点17、18のうちいずれか一方はアンテナ33用のものであり、電池カバー21が閉じられた状態では、アンテナ33は可動接点34、一方の固定接点17または18および一方のリード19または20を介して回路基板21に電気的に接続される。また、一対の固定接点17、18と可動接点34とによってスイッチが構成され、このスイッチは電池カバー31が開閉されたことを検知するためのものである。
【0016】
すなわち、電池カバー31が閉じられると、一対の固定接点17、18と可動接点34とによって構成されたスイッチがオン状態となり、このオン状態に基づいて、電池カバー31が閉じられたことが検知される。一方、電池カバー31が開けられると、一対の固定接点17、18と可動接点34とによって構成されたスイッチがオフ状態となり、このオフ状態に基づいて、電池カバー31が開けられたことが検知される。そして、電池カバー31が開けられたことが検知されると、電池カバー31が開いていることを知らせるために、例えば、「電池カバーが開いています」と連続して、あるいは一定の間隔をおいてアナウンスすると、電池カバー31の閉め忘れを防止することを可能とすることができる。
【0017】
次に、図8はこの発明の他の実施形態において電池カバー31を開けた状態を背面側から見た斜視図を示し、図9(A)は図8に示す電池カバー31を手前側から見た図を示し、図9(B)は図8に示す電池カバーを下側から見た図を示す。この実施形態において、上記実施形態と異なる点は、電池カバー31の内面の周囲にリング状の溝41を設け、この溝41内にパッキン42を圧入した点である。
【0018】
このようにした場合には、電池カバー31が閉められると、パッキン42がリアケース11の所定の部分に圧接されることにより、電池カバー31の内側が防水されることになる。そして、電池カバー31の閉め忘れがあると、その旨のアナウンスがあるため、例えば、防水機能が発揮されない状態での水中での使用を未然に防止することを可能とすることができる。
【0019】
なお、この発明は、この発明は、携帯電話に限らず、PHS(Personal Handyphone
System)、PDA(Personal Data Assistance, Personal Digital
Assistance:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末機器等の電子機器にも適用することができる。また、電池カバー等のカバーは、リアケース等のケースの少なくとも一部を覆うものであればよい。
【0020】
以下、この発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0021】
(付記1)
付記1の発明は、ケースの少なくとも一部を覆うためのカバーを有する電子機器において、前記ケースに一対の固定接点が設けられ、前記カバーに1つの可動接点が設けられ、前記カバーが開けられると、前記固定接点と前記可動接点とによって構成されたスイッチがオフ状態となり、このオフ状態に基づいて、前記カバーが開けられたことを検知し、且つ、前記カバーが閉じられると、前記スイッチがオン状態となり、このオン状態に基づいて、前記カバーが閉じられたことを検知することを特徴とする電子機器のカバー構造である。
【0022】
(付記2)
付記2の発明は、前記カバーが開けられたことが検知されると、前記カバーが開いていることを知らせるためのアナウンスが行われることを特徴とする付記1に記載の電子機器のカバー構造である。
【0023】
(付記3)
付記3の発明は、前記カバーは、前記ケース内に収納された電池を覆うための電池カバーであることを特徴とする付記1または2に記載の電子機器のカバー構造である。
【0024】
(付記4)
付記4の発明は、前記電池カバーは前記ケースに開閉可能に取り付けられ、前記スイッチがオン状態となっている状態において、前記スイッチは前記電池カバーを閉じられた状態に機械的にロックするロック機能を備えていることを特徴とする付記3に記載の電子機器のカバー構造である。
【0025】
(付記5)
付記5の発明は、前記電池カバーの内面にバッキンが設けられていることを特徴とする付記3または4に記載の電子機器のカバー構造である。
【0026】
(付記6)
付記6の発明は、前記電池カバーにアンテナが前記可動接点に接続されて設けられていることを特徴とする付記3〜5のいずれかに記載の電子機器のカバー構造である。
【符号の説明】
【0027】
1 フロントケース
11 リアケース
13 電池
17、18 固定接点
21 回路基板
31 電池カバー
33 アンテナ
34 可動接点
42 パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの少なくとも一部を覆うためのカバーを有する電子機器において、前記ケースに一対の固定接点が設けられ、前記カバーに1つの可動接点が設けられ、前記カバーが開けられると、前記固定接点と前記可動接点とによって構成されたスイッチがオフ状態となり、このオフ状態に基づいて、前記カバーが開けられたことを検知し、且つ、前記カバーが閉じられると、前記スイッチがオン状態となり、このオン状態に基づいて、前記カバーが閉じられたことを検知することを特徴とする電子機器のカバー構造。
【請求項2】
前記カバーが開けられたことが検知されると、前記カバーが開いていることを知らせるためのアナウンスが行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器のカバー構造。
【請求項3】
前記カバーは、前記ケース内に収納された電池を覆うための電池カバーであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器のカバー構造。
【請求項4】
前記電池カバーは前記ケースに開閉可能に取り付けられ、前記スイッチがオン状態となっている状態において、前記スイッチは前記電池カバーを閉じられた状態に機械的にロックするロック機能を備えていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器のカバー構造。
【請求項5】
前記電池カバーの内面にバッキンが設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の電子機器のカバー構造。
【請求項6】
前記電池カバーにアンテナが前記可動接点に接続されて設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の電子機器のカバー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−21431(P2013−21431A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151626(P2011−151626)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】