説明

電子機器の試験システム

【課題】電子機器の試験状況を、2方向から見ても実際の被試験機の配置通りに、文字、
色情報を付記して一画面で表示する。
【解決手段】被試験機200の試験プログラム202を実行する冶具パソコン201とネ
ットワーク208で接続されたサーバ209上に、全被試験機の試験状況情報210を保
持する。試験状況変更時、試験プログラムが被試験機の試験状況情報を更新する。試験状
況表示プログラム203は、表示間隔情報206で指定された間隔毎に全被試験機の試験
状況情報を読み込む。試験状況表示プログラムは、実行開始時に冶具パソコン番号207
を読み込む。冶具パソコン番号より、方向情報204が一意に決定され、この方向情報よ
り配置情報205も一意に決定される。配置情報に従って配置された被試験機を表した枠
内に、読み込んだ被試験機の試験状況情報を、対応する被試験機の枠内に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の試験システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の試験状況を表示する方法として、文字情報のみによる表示や、信号灯
を設置して表示する方法が存在していた。しかし、前者は例えば被試験機が多数存在する
環境において障害が発生した場合に、どの位置にある被試験機で障害が発生したかが視覚
的にわかりづらいという問題がある。また、後者は高価でかつ被試験機台数分を購入する
必要がある、表示色に制限がある、発生音に制限がある、被試験機が多数存在すると全被
試験機を一度に確認することができない、遠隔で確認することができないという問題があ
る。このような背景から、本システムの発明に至った。
【0003】
【特許文献1】特開平10−91474号公報「評価機器試験方法」
【特許文献2】特開2003−202363号公報「電子試験装置、及び、電子試験の結果を表示する方法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、文字情報のみでは被試験機の試験状況が視覚的にわかりづ
らい点と、信号灯では高価である、表示色に制限がある、発生音に制限がある、被試験機
が多数存在すると全被試験機を一度に確認することができない、遠隔で確認することがで
きない点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電子機器の試験において、被試験機の試験プログラムを実行する冶具パソコンとネット
ワークで接続されたサーバ上に保持された試験状況情報を、試験状況に変化があった場合
に試験プログラムが更新し、試験状況表示プログラムが定期的に読み込んで実際の被試験
機の配置通りに表示することを特徴とする試験システムと、本試験システムにおいて、2
方向から見ても実際の被試験機の配置通りに表示する画面切替方法。
【発明の効果】
【0006】
電子機器の試験状況が、2方向から見ても実際の配置通りに視覚的にわかるようになり
、障害発生や試験作業者への介入要求に対して迅速に対応できる。また、高価な信号灯を
被試験機台数分購入する必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例について、図面を用い詳細に説明する。
【0008】
最初に、図1に従来から存在する試験状況表示例を示す。図1は文字情報による表示の
みであり、試験作業者にとってはどの位置にある被試験機で障害が発生している、または
介入要求があるのかが視覚的にわかりづらい。
【0009】
次に、本発明の機器構成図を図2に示す。冶具パソコン201上で被試験機200を試
験する試験プログラム202を実行する。被試験機用試験プログラムは、サーバ209上
にある被試験機の試験状況情報210を更新する。冶具パソコンは、試験プログラムを実
行している被試験機の試験実行画面と、本発明で提供する試験状況表示方法による全被試
験機の試験状況400を表示できる。また、試験状況は非試験エリアにあるパソコン21
1でも表示できる。
【0010】
次に、図3に試験状況表示処理のフローチャートを示す。処理するプログラムは2つで
ある。ひとつは冶具パソコンや非試験エリアのパソコン上で実行される試験状況表示プロ
グラム203であり、もうひとつは冶具パソコン上でのみ実行される被試験機試験用の試
験プログラムである。それぞれは独立して実行され、同時に実行される必要は無い。
【0011】
試験状況表示プログラムは、本プログラムが実行されているパソコンの冶具パソコン番
号207を読み込む。冶具パソコン番号より、方向情報204が一意に決定され、この方
向情報より、配置情報205も一意に決定される。図5を例にとると、冶具パソコン#0
1では方向情報および配置情報はAであり、冶具パソコン#11では方向情報および配置
情報はBである。配置情報決定後、試験状況表示プログラムは305〜307で試験作業
者によって指定された表示間隔206毎に、サーバが保持する試験状況情報を読み込む。
試験状況情報には、被試験機の種類、製品番号、状態、実行中の試験項目、試験開始時刻
等が保持される。試験状況は、図4の400のように実際の被試験機の配置に従って表示
し、読み込んだ情報は被試験機を表した枠の中に表示される。また、被試験機の状態は色
、例えば、実行中は緑色、障害発生中は赤色、介入要求中は黄色、試験終了は灰色などで
表示できる。これは、試験作業者が308で試験状況表示プログラムを終了するまで繰り
返される。
【0012】
被試験機用試験プログラムは、被試験機を試験する際に実行される。被試験機用試験プ
ログラムは、312〜313で試験状況に変化があった場合、例えば実行中の試験項目が
変更された場合や障害が発生した場合に、サーバ上の試験状況情報を更新する。
【0013】
試験状況の表示は、400のように実際の被試験機の配置通りに表示されるが、400
は図5においてA方向に見た配置になる。逆のB方向に見た場合、400は実際の配置通
りではなく、図4の401が実際の配置通りになる。400と401の切替方法を図6に
示す。サーバが保持する被試験機#01の試験状況情報ファイル600はひとつだけであ
る。この情報を表示する#01の枠を、配置情報Aの表示ケース601では右下に、配置
情報Bの表示ケース602では左上に配置し、この枠内に#01の試験状況情報を表示す
る。601と602を切り替えることにより、図5においてA・Bどちらの方向に見た場
合でも、実際の配置通りに表示できる。
【0014】
以上の方法で、文字情報のみの場合と信号灯の問題点を解決し、利点のみを安価で実現
する方法およびシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来から存在する試験状況表示例である。
【図2】本発明の機器構成と表示例を示した図である。
【図3】本発明の処理を示したフローチャートである。
【図4】本発明の実現例を示した図である。
【図5】被試験機の配置例を示した図である。
【図6】表示切替方法を示した図である。
【符号の説明】
【0016】
200〜211…機器構成図、300〜314…試験状況表示処理フローチャート、4
00〜401…試験状況表示例、600〜602…表示切替方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の試験において、被試験機の試験プログラムを実行する冶具パソコンとネット
ワークで接続されたサーバ上に保持された試験状況情報を、試験状況に変化があった場合
に試験プログラムが更新し、試験状況表示プログラムが定期的に読み込んで実際の被試験
機の配置通りに表示することを特徴とする試験システム。
【請求項2】
請求項1の試験システムにおいて、2方向から見ても実際の被試験機の配置通りに表示
する画面切替方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−53968(P2009−53968A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220493(P2007−220493)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】