説明

電子機器

【課題】本発明は、可換型の記録媒体を備えた電子機器に関するもので、記録媒体を挿入口に着脱する際に、電源スイッチをONからOFFに切り替えて、記録媒体の挿入口のカバーを開けた後に、記録媒体の抜き差しを行っていたので、利便性が低くなってしまうため、利便性を高めることを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、本体1と、この本体1に着脱自在に設けたケーブル部5とを備え、ケーブル部5は、電源供給線を有し、このケーブル部5で覆った前記本体部分には、記録媒体10の挿入口11を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、本体に記録媒体を着脱自在に設けた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、電子機器の構成は、以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、本体には、記録媒体の挿入口と、この挿入口を覆うカバーと、電源供給線を有するケーブル部と、この電源をON/OFFするスイッチとを備えた構成であった。
この記録媒体の挿入口のカバーに、電源のON/OFFを連動させることで、電源ON時に記録媒体を抜けないようにしたものもあった(例えば、これに類似する技術は下記特許文献1に記載されている)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−19055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例における課題は、利便性が低いことであった。
【0006】
すなわち、上記従来例においては、記録媒体を挿入口に着脱する際に、電源スイッチをONからOFFに切り替えて、記録媒体の挿入口のカバーを開けた後に、記録媒体の抜き差しを行っていたので、利便性が低くなってしまうのであった。
【0007】
そこで、本発明は、利便性を高めることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そしてこの目的を達成するために本発明は、本体と、この本体に着脱自在に設けたケーブル部とを備え、前記ケーブル部は、電源供給線を有し、このケーブル部で覆った前記本体部分には、記録媒体の挿入口を設けた構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明は、本体と、この本体に着脱自在に設けたケーブル部とを備え、
前記ケーブル部は、電源供給線を有し、このケーブル部で覆った前記本体部分には、記録媒体の挿入口を設けたものであるので、利便性を高めることができる。
【0010】
すなわち、本発明においては、記録媒体の挿入口をケーブル部で覆い、記録媒体を挿入口から抜き差しする際には、ケーブル部を本体から取り外す構成にしたので、電源OFFと挿入口のカバーを開ける作業が同時に行えるため、作業が簡単になり、利便性を高めることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の斜視図
【図2】その分解斜視図
【図3】その主要部の斜視図
【図4】その主要部の斜視図
【図5】そのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、この電子機器の一例として口腔内カメラに適用した物を、添付図面を用いて説明する。
【0013】
図1において、1は本体で、この本体1の前方には、透明の保護カバー2を有する集光窓3が設けられ、また、後方には、本体1に電源を供給する電源供給線や、本体1からの映像信号を表示装置(図示していないが)に送信するためのケーブル4を、本体1と連結するために、着脱自在に設けられたケーブル部5を備えている。
【0014】
図1において、本体1の右側の側面には、前記表示装置に対して、記録した映像信号を再生、停止、早送り、巻き戻しを操作するための操作パネル6が設けられ、さらに、本体1の上面には、映像信号の記録を行うための記録操作ボタン7が設けられ、さらにまた、ケーブル部5を本体1からの着脱を操作するための着脱操作部8が設けられている。ケーブル部5には、この着脱操作部8に着脱自在に嵌合し、本体1を覆うように構成されているカバー9が設けられており、このカバー9の下方には、図2に示すように、記録媒体10と、この記録媒体10の挿入口11が設けられている。
【0015】
図2に、本体1からケーブル部5を取り外した場合の分解斜視図を示す。
【0016】
ケーブル部5を本体1から取り外す際には、ケーブル部5のカバー9の先端に設けられた凸部12を、本体1の着脱操作部8の後端に設けられた凹部13から引き抜くことになるが、これら凸部12と凹部13の嵌合状態を検知する検知機構が設けられており、この検知状態によって電源がONからOFF状態になったことを後述する本体1内に設けられた制御部が認識を行い、電源OFF状態を認識した場合は、前記制御部は、本体1の機器の状態を速やかに電源OFFの状態へと移行させる。その後、図2のごとくケーブル部5を本体1より外すことで、上述したように、記録媒体10および記録媒体の挿入口11が開放された状態となる。この状態で、使用者は記録媒体10を挿入口11に対して抜き差しが可能となる。
【0017】
このように、記録媒体10の挿入口11をケーブル部5のカバー9で覆い、記録媒体10を挿入口11から抜き差しする際には、ケーブル部5を本体1から取り外す構成にしたので、電源OFFと挿入口11のカバー9を開ける作業が同時に行えるため、記録媒体10の操作作業が簡単になり、利便性を高めることができるのである。
【0018】
さらには、記録媒体10を挿入口11から抜き差しする際に、この挿入口11を覆ったケーブル部5を本体1より外すことになるので、記録媒体10の挿入口11を電気的に完全に絶縁状態にする構成となっている。
【0019】
例えば、口腔内カメラなどの医療用の電子機器においては、より高い安全基準が設けられているが、本実施形態によれば、記録媒体10を挿入口11に対して抜き差しする際において、記録媒体10の挿入口11を電気的に完全に絶縁状態にすることができるので、より高い安全性を確保することが可能となる。
【0020】
さらにまた、このような柔軟な構造のケーブル部5に電子機器本体が繋がっていて、この電子機器をかなりの頻度で動かすような電子機器においては、ケーブル部5と電子機器の本体1の接合点であるケーブル接合部14に経年的な劣化が起こって、修理が必要になる場合がある。このような修理をする場合には、このケーブル接合部14が、電子機器の本体1に固定して設けられていると、機器一式を回収して修理を行うことが必要になり、その修理の間は、この機器が使用できなくなるが、本実施形態のように、本体1からケーブル接合部14を有するケーブル部5を取り外すことができる構成となっていると、ケーブル部5のみを交換して回収修理が可能となるので、メンテナンス性が向上するという効果がある。
【0021】
また本体1をケーブル部5より取り外すことで、本体1の洗浄も容易になる。
【0022】
さて上述したように、本実施形態の特徴である、本体1とケーブル部5の接合状態について、さらに詳細に説明する。
【0023】
図3は、本体1側の接合部を示し、図4は、ケーブル部5側の接合部を示す。図3によると、本体1の接合部には、本体1を着脱する方向に対して、所定の長さをもった管状の接合管15が設けられ、この接合管の内側には、同様に本体1を着脱する方向に対して、所定の長さをもった凹型コネクター16が設けられている。
【0024】
図4によると、図3に示す接合管15を嵌合するように設けられた管状溝17と、接合管18を有し、その内側には、図3に示す凹型コネクター16に嵌合する凸型コネクター19が設けられている。この凸型コネクター19も、同様に本体1を着脱する方向に対して、所定の長さを設けている。
【0025】
これは、上述したように、本体1からケーブル部5を取り外す際には、まず、ケーブル部5のカバー9の先端に設けられた凸部12を、本体1の着脱操作部8の後端に設けられた凹部13から引き抜くことになり、この状態を検知機構が認識した状態においても、凹型コネクター16と凸型コネクター19は、まだ電気的に接触した状態にある。これは、凹型コネクター16と凸型コネクター19が所定の長さ、すなわち、凸部12と凹部13の着脱方向の長さよりも長くなるように設定しているので、ケーブル部5の凸部12と本体1の凹部13が分離した後もしばらくは電気的な接合状態を維持することができる。
【0026】
これにより、本体1からケーブル部5を取り外す際の電気的な接合状態を、前記検知機構が本体1からケーブル部5が取り外されたと検知するタイミングよりも長く保持することが可能となる。
【0027】
このために、本体1内の制御部は、検知機構が検知した後でも、制御部を含めた本体1内の各機能ブロックに対して電源が供給されているために、後述するが、本体1内の各部の状態を電源OFFに応じた状態に設定できるのである。
【0028】
図5に、本実施形態のブロック図を示す。
【0029】
対象物(例えば口腔内の歯)20の像を、入出部21より取り込み、その像をレンズ部22で所望の画像を生成した後、その画像をCCDで構成された撮像素子23に電気信号として取り込む。
【0030】
制御部24は、操作部25の操作状態に応じて、撮像素子23に取り込まれた電気信号を記録部26に記録をしたり、また、撮像素子23に取り込まれた電気信号をケーブル部5を通して表示システム部27に送信したりする。
【0031】
電源は、表示システム部27からケーブル部5を通して供給される。ケーブル部5からの電源は、電源供給部28を通して、各部に供給される。制御部24は、ケーブル部5が本体1から外されたかどうかを検知する検知部29からの通知に従って、電源供給部28を制御しながら本体1側の各部に対して電源OFF状態に速やかに移行するように制御を行う。
【0032】
図5によると、本体1側は、入出部21、レンズ部22、撮像素子23、制御部24、操作部25、記録部26、電源供給部28、検知部29から構成されている。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように本発明は、本体と、この本体に着脱自在に設けたケーブル部とを備え、
前記ケーブル部は、電源供給線を有し、このケーブル部で覆った前記本体部分には、記録媒体の挿入口を設けたものであるので、利便性を高めることができる。
【0034】
すなわち、本発明においては、記録媒体の挿入口をケーブル部で覆い、記録媒体を挿入口から抜き差しする際には、ケーブル部を本体から取り外す構成にしたので、電源OFFと挿入口のカバーを開ける作業が同時に行えるため、作業が簡単になり、利便性を高めることができるのである。
【0035】
したがって、たとえば、歯科用口腔内カメラなどに広く活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0036】
1 本体
2 保護カバー
3 集光窓
4 ケーブル
5 ケーブル部
6 操作パネル
7 記録操作ボタン
8 着脱操作部
9 カバー
10 記録媒体
11 挿入口
12 凸部
13 凹部
14 ケーブル接合部
15 接合管
16 凹型コネクター
17 管状溝
18 接合管
19 凸型コネクター
20 対象物
21 入出部
22 レンズ部
23 撮像素子
24 制御部
25 操作部
26 記録部
27 表示システム部
28 電源供給部
29 検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体に着脱自在に設けたケーブル部とを備え、
前記ケーブル部は、電源供給線を有し、このケーブル部で覆った前記本体部分には、記録媒体の挿入口を設けた電子機器。
【請求項2】
前記本体と、前記ケーブル部の着脱状態を検知する検知部を備え、この検知部の検知状態に応じて、電源の供給と停止の制御を行う請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記本体から前記ケーブル部を取り外す際の電気的な接合状態を、前記検知部が前記本体から前記ケーブル部が取り外されたと検知するタイミングよりも長くなるようにした請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器は口腔内カメラとした請求項1から3のいずれか一つに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−19866(P2011−19866A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169883(P2009−169883)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】