説明

電子機器

【課題】手の長さに関わらずズームレンズの変倍域を有効に利用する。
【解決手段】カメラボディ11は、外界の視野像の構図を決めるための素通しのファインダ枠12を備える。カメラボディ11の背面は、撮影者の視点からファインダ枠12までの撮影者距離を検出する距離検出部19を備える。CPUは、撮影者距離が最長距離の時にズームレンズ光学系をテレ端に変倍し、また、撮影者距離が最短距離の時には、ズームレンズをワイド端に変倍するとともに、ズームレンズをテレ端とワイド端との間で変倍するときの単位長さ当たりの変倍量を、最大距離と最小距離との間の間隔に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズを用いて撮像するテレビカメラを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影者の眼から離したり近付けたりすることによりズームレンズを自動的に可変する画像撮像装置が知られている(特許文献1)。この画像撮像装置は、透過型液晶表示デバイスの表示面を透過視可能な状態にして光学ファインダとして機能させ、光学ファインダを透した視野範囲を手の伸縮により変えることで、距離センサにより検出した撮影者との距離に応じた光学ファインダのファインダ画角(視野角)に、ズームレンズの撮影画角を一致させるよう変倍制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−183378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した画像撮像装置では、人によって手の長さが違うため、手をいっぱい伸ばした時の光学ファインダを透した視野角が、ズームレンズがテレ端の時の撮影画角に一致するとは限らない。また、手の短い人は、手の長い人と比べて手の伸縮域が狭い。このため、ズームレンズの変倍域のうちの一部しか利用できなくなるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、ズームレンズの変倍域を有効に利用することができるよう工夫した電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を例示する電子機器の一態様は、ズームレンズ光学系により結像される外界の像を撮像する撮像手段と、外界の視野像の構図を決めるためのファインダとなる枠と、撮影者の視点から枠までの撮影者距離を検出する距離検出手段と、撮影者距離に応じてズームレンズ光学系を変倍する変倍手段と、撮影者距離が最長の時にズームレンズ光学系をテレ端に変倍し、また、撮影者距離が最短の時には、ズームレンズ光学系をワイド端に変倍する両端対応付け手段と、最大距離と最小距離との間の間隔に基づいて変倍手段がズームレンズ光学系をテレ端とワイド端との間で変倍するときの単位長さ当たりの変倍量を決定する変倍量決定手段と、を備えたものである。
【0007】
変倍手段としては、例えばステップモータでズームレンズ光学系を変倍する構成が知られている。ステップモータは、加える駆動パルスの1パルス当り一定角度の回転角で回転する。単位長さ当たりの変倍量は、ステップモータの駆動パルスに対応する。よって、変倍量決定手段は、単位長さ当たりのパルス数を決定し、決定した単位長さ当たりのパルス数をメモリに記憶しておく。距離検出手段が距離を検出すると、変倍手段は、記憶しておいた前回検出した距離と今回検出した距離とを比較してその差分長さを求め、求めた差分長さに単位長さ当たりのパルス数を乗算したパルス数をステップモータに加えて、今回距離が変わった分だけズームレンズ光学系を変倍する。
【0008】
変倍量は、ズームレンズ光学系の全変倍域で同じにしてもよいし、任意の変倍域で変えても良い。例えば、テレ端側変倍域、又はワイド端側変倍域がこれらの間の中央変倍域よりも細かな変倍量になるようにしてもよい。また、その逆、つまり両サイドの変倍域よりもこれら間の中央変倍域の方が細かな変倍量になるようにしてもよい。
【0009】
ズームレンズ光学系がステップズームの場合には、予め変倍位置がステップ毎に決められているから、最大距離と最小距離との間の間隔長さを変倍位置の数で割った区間毎に変倍位置の対応付けを行えば、距離に比例した変倍量(変倍位置)を決めることができる。
【0010】
ファインダの役目をする枠としては、素通し枠としてもよいし、透過型液晶表示パネルや透明有機ELパネル等のシースルー表示部を設けた枠としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電子機器によれば、撮影者距離が最長距離の時にズームレンズ光学系をテレ端に変倍し、最短距離の時にはワイド端に変倍するとともに、最大距離と最小距離との間隔に基づいて変倍手段がズームレンズ光学系をテレ端とワイド端との間で変倍するときの変倍量を変倍量決定手段が決定するため、手の長さに関わらず、ズームレンズ光学系がもつ全変倍域を常に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の一例の電子カメラを示す背面側斜視図である。
【図2】電子カメラの電気的概略を示すブロック図である。
【図3】設定モードの動作手順を示すフローチャートである。
【図4】手を伸ばした時の視野角とテレ端時の撮影画角とを示す説明図である。
【図5】手を縮めた時の視野角とワイド端時の撮影画角とを示す説明図である。
【図6】撮影者距離と変倍モータに加えるパルスとの関係を示すグラフであり、単位長さ当たりのパルスを全変倍域で同じにしている。
【図7】撮影者距離と変倍モータに加えるパルスとの関係を示すグラフであり、単位長さ当たりのパルスを任意の変倍域で変えた別の実施形態を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の電子機器の一実施の形態による電子カメラ10は、図1に示すように、厚み薄い横長矩形のカメラボディ11の略中央部に、撮影方向に貫通した矩形の素通しのファインダ枠(枠)12が形成されている。この電子カメラ10で撮影を行う際には、撮影者は、カメラボディ11の背面からファインダ枠12を通して外界を覗いて撮影範囲を確認する。ファインダ枠12は、内面に段部13が形成されており、撮影範囲を段部13の先端で画定する。段部13は、内面で反射する光が眼に入って有害光となるのを防止する。なお、段部13としては、階段状に設けてもよい。この場合には、背面から正面に向けてファインダ枠12の間口が広がるように設けるのが好適である。また、光の反射を防止ために、内面を黒色で塗布してもよい。
【0014】
カメラボディ11の前面には、外界の像を結像する撮影レンズ14が設けられている。また、左側面には、カードメモリ15が挿入されるカードスロット(図示なし)が設けられている。撮像した画像データは、カードメモリ15に書き込まれる。カメラボディ11の上面には、電源スイッチ16、レリーズボタン17、及びモード選択操作部18が設けられている。モード選択操作部18は、撮影モードと変倍設定モードとの何れかを選択するためのものである。カメラボディ11の背面にはインジケーターランプ9が、また、背面のファインダ枠12の上部には、カメラボディ11から撮影者の顔までの撮影者距離を測定する距離検出部(距離検出手段)19がそれぞれ設けられている。
【0015】
距離検出部19は、例えば光電式の距離センサであり、撮影者に向けて測定光を照射し、その反射時間を測定して撮影者距離を測定する。撮影者がファインダ枠12を覗いているときには、撮影者の額が距離検出部19に対面する。距離検出部19は、予め決められた距離内で、カメラボディ11から撮影者の額までの距離を測定する。距離検出部19で測定した撮影者距離の情報は、図2に示すように、CPU20に送られる。
【0016】
CPU20には、電源スイッチ16、レリーズボタン17、ドライバ20、及びモード選択操作部18が接続されている。ドライバ20は、インジケーターランプ9を駆動する。インジケーターランプ9は、レリーズボタン17の半押し操作により合焦した時や、設定モードの時にワイド端又はテレ端に変倍が完了したことを知らせする時に点灯する。
【0017】
撮影レンズ14は、撮影画角を光学的に変化させるズームレンズ光学系を構成しており、変倍モータドライバ21を介して変倍モータ22の駆動を利用して変倍される。変倍モータ22は、ステップモータになっており、変倍モータドライバ21が加える駆動パルスの1パルス当たり一定の回転角で回転する。
【0018】
CPU20は、変倍特定部23を有する。変倍特定部23は、変倍モータ22に供給する駆動パルスをカウントするカウント部を有し、カウント部でカウントしたパルス値に基づいて変倍位置を特定する。なお、変倍特定部23としては、撮影レンズ14の一部を保持する鏡筒の回転位置又は繰り出し位置を検出して変倍位置を割り出す構成のものであってもよい。
【0019】
CPU20には、不揮発性メモリ24、及びバッファメモリ25が接続されており、不揮発性メモリ24には、CPU20が種々の制御を行う際に参照される制御プログラムなどが格納されている。CPU20は、不揮発性メモリ24に格納されている制御プログラムに従い、バッファメモリ25を一時記憶作業領域として利用して各部の制御を行い、電子カメラ10を構成する各部(回路)機能を作動させる。
【0020】
CPU20には、両端対応付け部26、及び変倍量決定部27を備えている。両端対応付け部26は、距離検出部19を制御して、撮影者が手を伸ばしてファインダ枠12を覗く姿勢の時の撮影者距離と、撮影者が手を縮めてファインダ枠12を覗く姿勢の時の撮影者距離との情報を、特定の操作を行ってもらうことで取り込む。
【0021】
特定の操作は、レリーズボタン17の半押し又は全押し操作である。このときのレリーズボタン17の操作が距離検出部19で検出を行うタイミングになる。
【0022】
両端対応付け部26は、撮影者が手を伸ばした時に取り込んだ撮影者距離の情報を最長距離として、また手を縮めた時に取り込んだ撮影者距離の情報を最短距離としてバッファメモリ25に記憶しておく。そして、変倍制御の時には、最長距離を得たときに撮影レンズ14をテレ端に、最短距離を得たときには撮影レンズ14をワイド端にそれぞれ変倍させる。
【0023】
変倍量決定部27は、最長距離と最短距離との間の間隔に基づいて、変倍手段を構成するCPU20が撮影レンズ14をテレ端とワイド端との間で変倍するときの単位長さ当たりの変倍量を決定する。
【0024】
撮影レンズ14から入射する被写体光は、CCDやCMOS等の撮像素子(撮像手段)33の撮像面に結像する。撮像素子駆動回路34は、CPU20からの制御信号に基づいて撮像素子33を駆動させる。これにより、撮像素子33の撮像面に結像した被写体像は、アナログの撮像信号に変換される。撮像信号は、AFE(Analog Front End)回路を構成するCDS34、及びAMP35に順に出力し、AFE回路で所定のアナログ処理が施され、その後、A/D(Analog/Digital変換器)36においてデジタルの画像信号に変換される。
【0025】
ASIC(Application Specific Integrated Circuit)37は、画像処理回路を構成しており、デジタルの撮像信号に対して、ホワイトバランス処理やガンマ補正等の画像処理を施して画像データを生成する。
【0026】
画像データは、SDRAM38にいったん記憶される。SDRAM38に記憶した画像データは、CPU20の制御により読み出されてYC変換回路39で輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとに変換される。なお、符号41はCPU20と各部(回路)とを繋ぐバスである。
【0027】
YC変換回路39で輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとに変換された画像データは、シャッタレリーズに応答して、圧縮伸長処理回路43で圧縮処理が施されてからメディアコントローラ44を介して記録媒体であるカードメモリ15に記録される。
【0028】
AE・AWB検出回路46は、SDRAM38に取り込んだ1画面の画像データ(撮像画像)に基づいて1画面を複数のエリア(例えば、16×16)に分割したエリアごとにRGB信号を積算し、その積算値をCPU20に提供する。CPU20は、AE・AWB検出回路46から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を決定し、決定した被写体輝度に基づいて適正な露出値(撮影EV値)を求める。そして、求めた露出値から所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタスピードを決定し、これに従って撮像素子33の電子シャッタ、及び電子アイリスを制御して適正な露光量を得る。なお、絞り兼用のメカシャッタを設けて、メカシャッタで絞りを可変してもよい。
【0029】
また、AE・AWB検出回路46は、自動ホワイトバランス調整時に、分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果を、CPU20を介してASIC37に提供する。ASIC37は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得ることで光源種判別を行い、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って各色チャンネルの信号に補正をかける。
【0030】
AF検出回路47は、SDRAM38に記録された画像データの空間周波数の高周波成分を積算する。CPU20は、AF動作時にAF検出回路47によって得られる高周波成分の積算値が最大となるように合焦モータドライバ48を制御して合焦モータ49を駆動してフォーカスレンズを光軸方向で進退させて焦点調整を行う。
【0031】
次に上記構成の作用を説明する。電源スイッチ16をオンした後には、モード選択操作部18を操作して設定モードを選択する。設定モードでは、撮影レンズ14の撮影画角を手の伸縮により変わる視野角の全域に対応させるための初期設定を行う。
【0032】
初期設定では、図3に示すように、まず、CPU20が撮影レンズ14をテレ端に変倍させる。CPU20は、テレ端への変倍が完了すると、ドライバ20を制御してインジケーターランプ9を点灯する。この点灯を確認してから撮影者は、手を伸ばしてファインダ枠12を覗いた姿勢でレリーズボタン17の半押し又は全押し操作を行う。これに応答してCPU20は、インジケーターランプ9を消灯するようドライバ20を制御するとともに、距離検出部19を制御して、距離検出部19からその時点の撮影者距離の情報を取り込む。両端対応付け部26は、距離検出部19から得られる撮影者距離の情報を最長距離の情報としてバッファメモリ25に記憶し、最長距離を得た時に撮影レンズ14をテレ端に変倍するように対応付けする。これにより、撮影モードの時には、最長距離L1の情報を得た時には、撮影レンズ14がテレ端に変倍され、図4に示すように、手を伸ばした時のファインダ枠12の視野角Fθ1に対して撮影画角がテレ端の撮影画角Rθ1になる。この画角の関係は、人の平均の手の長さを基にして、視野角Fθ1<撮影画角Rθ1の関係を満足するように、ファインダ枠12の対角線の長さ、及び撮影レンズ14のテレ端の倍率を決めればよい。
【0033】
今度は、CPU20が撮影レンズ14をワイド端に変倍させる。ワイド端への変倍が完了すると、インジケーターランプ9が点灯する。この点灯を確認した後に撮影者は、手を縮めてファインダ枠12を通した外界の像を観察した姿勢でレリーズボタン17の半押し又は全押し操作を行う。これに応答してCPU20は、インジケーターランプ9を消灯するとともに、距離検出部19を制御して、距離検出部19からこの時点の撮影者距離の情報を得る。両端対応付け部26は、距離検出部19から得られる撮影者距離の情報を最短距離の情報としてバッファメモリ25に記憶し、最短距離を得たときに撮影レンズ14をワイド端に変倍するように対応付けする。これにより、図5に示すように、手を縮めた時のファインダ枠12の視野角Fθ2に対して撮影レンズ14は、ワイド端の撮影画角Rθ2になる。この画角の関係は、人の平均の手の長さを基にして、視野角Fθ2<撮影画角Rθ2の関係を満足するように、ファインダ枠12の対角線の長さ、及び撮影レンズ14のワイド端の時の撮影倍率を決めればよい。
【0034】
変倍量決定部27は、最長距離と最短距離との間の間隔長さに基づいて、変倍手段を構成するCPU20が撮影レンズ14をテレ端とワイド端との間で変倍するときの変倍量を決定する。撮影レンズ14の変倍量は、単位長さ当たりの変倍量となり、単位長さ当たりの変倍量は、変倍モータ22の駆動パルスに対応する。よって、変倍量決定部27は、単位長さ当たりのパルス数を決定し、決定した単位長さ当たりのパルス数をバッファメモリ25に記憶しておく。
【0035】
本実施形態では、図6に示すように、撮影者距離は、変倍量に比例する。そこで、全域の変倍量を撮影者距離の間隔長さで割った単位長さ当たりの変倍量を求める。図6では、パルス数が「0」の時をワイド端、パルス数が「B」の時をテレ端と仮に設定している。単位長さ当たりのパルスbは、B/A(間隔長さ)の式から算出する。ワイド端からテレ端までの全変倍域において単位長さ当たりのパルスbが同じになる。
【0036】
設定モードで初期設定が完了した後には、撮影モードを選択する。これに応答してCPU20は、撮影レンズ14を初期位置であるワイド端に移動する。その後、距離検出部19を監視する。距離検出部19が撮影者距離を検出すると、CPU20は、記憶しておいた前回分の撮影者距離の情報と今回検出した撮影者距離の情報とを比較してその差分長さを求め、求めた差分長さに単位長さ当たりのパルス数を乗算して今回加えるパルス数を求め、求めたパルス数を、変倍モータドライバ21を介して変倍モータ22に加えて、今回撮影者距離が変わった分だけ撮影レンズ14を変倍する。
【0037】
上記実施形態では、単位長さ当たりのパルスを、撮影レンズ14の全変倍域で同じにしているが、任意の変倍域毎で異なるようにしてもよい。例えば、図7に示すように、全変倍域のうちの特定のテレ側変倍域、及びワイド側変倍域では、これらの間の中央変倍域よりも単位長さ当たりのパルスを細かくしたパルス、例えば半分のパルスになるように決めてもよい。また、逆に、両サイドの変倍域よりも中央変倍域の方が細かいパルスになるように決めてもよい。さらに、ワイド側変倍域とテレ側変倍域とで単位長さ当たりのパルスを異なるようにしてもよい。例えばテレ側変倍域に対してワイド側変倍域の単位長さ当たりのパルスをb/4にすると、ワイド側変倍域では、テレ側変倍域よりも細かく変倍を行うことができる。
【0038】
上記各実施形態では、設定モードにおいて、テレ端を最長距離に対応付けする設定の次にワイド端を最短距離に対応付けする設定をしているが、設定順を逆にしてもよい。また、素通しのファインダ枠12の中に透過型液晶表示部や透明有機EL等のシースルー表示部を設け、シースルー表示部を透して外界の像を観察するようにしてもよい。この場合、シースルー表示部に、スルー画像や再生画像を表示することができる。そこで、シースルー表示部に表示されるスルー画像を見ながら手を伸縮させてズームするように構成してもよい。
【0039】
上記各実施形態では、ズームレンズの撮影レンズを採用しているが、単焦点の撮影レンズを採用してもよい。この場合には、撮影者距離に応じて撮像画像の一部を、光学的にズームした画像と同じ撮影画角(範囲)になるようにトリミングし、トリミングした範囲を原撮影画像と同じサイズに拡大するデジタルズーム(疑似ズーム)用の画像処理部を設ければよい。
【0040】
上記各実施形態では、電子カメラ10として説明しているが、ズームレンズを用いて撮像するテレビカメラを備えた、例えば携帯電話やスマートフォン等の電子機器でもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 電子カメラ
12 ファインダ枠
14 撮影レンズ
19 距離検出部
26 両端対応付け部
27 変倍量決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズームレンズ光学系により結像される外界の像を撮像する撮像手段と、
前記外界の視野像の構図を決めるためのファインダとなる枠と、
撮影者の視点から前記枠までの撮影者距離を検出する距離検出手段と、
前記撮影者距離に応じて前記ズームレンズ光学系を変倍する変倍手段と、を備えた電子機器において、
前記撮影者距離が最長の時に前記ズームレンズ光学系をテレ端に変倍し、また、前記撮影者距離が最短の時には前記ズームレンズ光学系をワイド端に変倍する両端対応付け手段と、
前記最長距離と最短距離との間の間隔に基づいて、前記変倍手段が前記ズームレンズ光学系をテレ端とワイド端との間で変倍するときの単位長さ当たりの変倍量を決定する変倍量決定手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
前記単位長さ当たりの変倍量は、前記ズームレンズ光学系の全変倍域のうちテレ側又はワイド側の変倍域とこれらの間の中央変倍域とで異なっていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−255938(P2012−255938A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129268(P2011−129268)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】