説明

電子装置及びその製造方法

【課題】電子装置の製造時間及び製造コストを削減する。
【解決手段】1個または複数個の半導体チップと、前記半導体チップと接続される配線と、前記配線と接続された外部装置との入出力用端子とを有し、それらを複数層の絶縁樹脂で段階的にパッケージングし、前記複数の各絶縁樹脂層間に前記半導体チップ、または前記半導体チップとの接続を行う配線を設け、前記半導体チップと配線との接続を行う導通ビアを前記絶縁樹脂層に設け、配線基板を設けない構成にした電子装置であって、前記電子装置の外観形状が、立方体、球体、円柱状などの形状に構成されてなることを特徴とする電子装置。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板を有さない電子装置及びその製造方法に関し、特に、メモリモジュール、携帯電話用モジュール等や、電子SI(System Integration)装置及びその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子装置の例として、情報処理装置を取り挙げて説明していく。
【0003】従来の情報処理装置は、配線形成されたマザーボード上に、それぞれの情報処理を行うためのSRAM(Static Random Access Memory )やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリ、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit )とASIC(Application Specific IC )等の半導体装置が搭載され、それぞれの半導体装置間の接続は配線基板に形成された配線によって行われていた。
【0004】また前記情報処理装置の製造は、前記各半導体装置を別々に製造し、配線形成された基板にそれぞれ搭載することによって行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子装置は、上述したように、電子装置(情報処理装置)を構成する各半導体装置をそれぞれ別々にパッケージングし、それらを基板に搭載することで製造されている。
【0006】このように、従来では、複数個の半導体装置の製造工程と、それを搭載する基板の製造工程と、及びそれらの接続工程とが、それぞれ別工程で行われたため、電子装置における製造時間と製造コストが増大するという問題点があった。
【0007】また、近年では、前記電子装置の高密度化、高機能化が進むとともに、多機能化も進んでおり、ロボットやゲーム機、医療用機器、自動車等、さまざまな工業機器及び民生機器に種々の電子装置が搭載されている。前記工業機器では、特殊な用途に用いるために、その形状が特殊であったり複雑であったりするため、内部の前記電子装置を搭載するスペースに制約がある場合が多い。また、一般家庭などに広く普及している民生機器でも、機能面だけではなく、外観のデザイン性等が重視されるようになってきているため、その形状が多様化してきている。
【0008】しかしながら、従来の、半導体チップを配線基板に搭載した電子装置では、前記配線基板の形状と、前記工業機器あるいは民生機器などの搭載装置内の搭載スペースに合わずに、前記搭載装置を大きくして搭載スペースを確保したり、外観のデザインを前記電子装置(配線基板)が搭載できる形状に合わせなければならず、前記搭載装置の小型化、外観のデザインの多様化が難しいという問題があった。
【0009】本発明の目的は、電子装置の製造時間及び製造コストを削減することが可能な技術を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、搭載装置の搭載スペースにあった電子装置を製造することが可能な技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0012】(1)1個または複数個の半導体チップと、前記半導体チップと接続される配線と、前記配線と接続された外部装置との入出力用端子を有し、それらを複数層の絶縁樹脂で段階的にパッケージングし、前記複数の各絶縁樹脂層間に前記半導体チップ、または前記半導体チップとの接続を行う配線を設け、前記半導体チップと配線との接続を行う導通ビアを前記絶縁樹脂層に設け、配線基板を設けない構成の電子装置であって、前記電子装置の外観形状が、立方体、球体、円柱体等の形状に構成されてなる。
【0013】(2)前記(1)の電子装置において、前記複数の絶縁樹脂層を介して、複数個の半導体チップが積載された構造を有する。
【0014】(3)前記(1)の電子装置において、前記絶縁樹脂層間に複数個の半導体チップが設けられた構造を有する。
【0015】(4)前記(1)乃至(3)のいずれか1つの電子装置において、前記半導体チップで生じる熱を放出する放熱板が、前記半導体チップの非素子形成面、または前記絶縁樹脂層に設けられる。
【0016】(5)前記(1)乃至(4)のいずれか1つの電子装置において、前記複数層の絶縁樹脂のうち、少なくとも1層、または同一層内の一部分が異なる誘電率を有する。
【0017】(6)立方体、半球体、円柱体等の外観形状に構成された凹型の形成容器を用いた電子装置の製造方法であって、前記形成容器内の凹部に硬化剤配合の液状絶縁樹脂を所定の厚さに流し込み、前記液状絶縁樹脂を半硬化状態させた第1の絶縁樹脂層を形成する第1樹脂層形成工程と、前記第1の絶縁樹脂層上に素子形成面を上向きにした1個または複数個の半導体チップを配置するチップ配置工程と、前記半導体チップ上に所定の高さになるように液状絶縁樹脂を流し込み、前記液状絶縁樹脂を硬化させて第2の絶縁樹脂層を形成する第2樹脂層形成工程と、前記半導体チップとの接続のためのビア穴を前記第2の絶縁樹脂層に形成するビア穴形成工程と、前記ビア穴及び第2の絶縁樹脂層上に導電性薄膜を形成する導電性薄膜形成工程と、前記導電性薄膜をエッチングして配線を形成する配線形成工程と、前記形成された配線上に液状絶縁樹脂を流し込み、前記液状絶縁樹脂を硬化させて第3の絶縁樹脂層を形成する第3樹脂層形成工程と、入出力端子のためのビア穴を前記第3の絶縁樹脂層に形成し、前記ビア穴を介して前記配線と接続する入出力端子を形成する入出力端子形成工程と、からなる。
【0018】(7)前記(6)の電子装置の製造方法において、前記第1樹脂形成工程の代わりに、前記形成容器内の凹部に前記半導体チップを固着する接着剤を塗布した放熱板を設置する放熱板設置工程を有する。
【0019】(8)前記(6)または(7)の電子装置の製造方法において、複数個の半導体チップの積載、または複数層の配線形成を行う場合には、前記樹脂層形成工程、チップ配置工程、ビア穴形成工程、導電性薄膜形成工程、または配線形成工程を必要に応じて複数回繰り返す。
【0020】(9)前記(6)乃至(8)の電子装置の製造方法において、前記各樹脂層形成工程に用いられる絶縁樹脂層は、少なくとも1層、または同一層内の一部分が異なる誘電率を有する。
【0021】上記手段によれば、電子装置を複数回(複数層)に分けて多段階的にパッケージングし、そのパッケージ材料の絶縁性を利用して、各層を基板に見立て、各パッケージ層上に配線形成することによって、パッケージングしながら配線形成できるので、配線基板を用いない電子装置が製造可能となる。
【0022】また、従来の電子装置の製造における、複数個の半導体装置の製造工程、それを搭載する配線基板の製造工程、及びそれらの接続工程などの複数の製造工程を一つの工程として行うことができるので、電子装置の製造時間及び製造コストを削減することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】まず、最初に、本発明にかかわる電子装置を図面を用いて説明する。
【0024】図1及び図2は、本発明にかかわる電子装置の構成を説明するための図であり、図1(a)は電子装置の平面図、図1(b)は図1(a)側面図であり、図2は図1(a)のA−A’線での断面図である。
【0025】図1(a)、図1(b)、及び図2において、1は半導体チップ、2は形成樹脂(絶縁樹脂)、2Aは第1絶縁層、2Bは第2絶縁層、2Cは第3絶縁層、3は第1配線、3Aは第1導通ビア、4は第2配線、4Aは第2導通ビア、5は放熱板、6は接着剤、7はボール端子、10は電子装置である。
【0026】本発明にかかわる電子装置10は、図1(a)、図1(b)、及び図2に示すように、前記電子装置10を構成する複数個の半導体チップ1と、前記各半導体チップ1を包み込むように設けられ、パッケージング及び配線基板の役目を兼ねた形成樹脂(絶縁樹脂)2と、前記形成樹脂2内に設けられた第1配線3及び第2配線4と、前記半導体チップの外部電極(図示しない)と第1配線3を電気的に接続する第1導通ビア3Aと、前記第1配線3と第2配線4を電気的に接続する第2導通ビア4Aと、半導体チップ1で発生する熱を放出する放熱板(またはスティフナ)5と、前記半導体チップ1と前記放熱板5を接着する接着剤6と、前記第2配線4と電気的に接続されたボール端子(入出力端子)7とから構成される。
【0027】前記半導体チップ1は、例えば、MPU、SRAM、DRAM、CASH、DSP、ASIC等のモジュールチップなどがあげられる。
【0028】前記形成樹脂2は、図2に示すように、第1絶縁層2A、第2絶縁層2B、第3絶縁層2Cが積層されて一体的に構成されており、前記半導体チップ1は前記第1絶縁層2Aと前記接着剤6の間に内包されている。また、前記第1配線3は、前記第1絶縁層2Aと第2絶縁層2Bの間に設けられ、前記第2配線4は、前記第2絶縁層2Bと第3絶縁層2Cの間に設けられる。また、前記第1導通ビア3Aは前記第1絶縁層2Aに、前記第2導通ビア4Aは前記第2絶縁層2Bに設けられる。また、前記第1導通ビア3A及び第2導通ビア4Aは、例えば、金属めっきや導電性材料を充填することによって導通を確保している。
【0029】すなわち、本発明にかかわる電子装置10では、パッケージの中に、配線のための基板を有しない構成になっている。なお、本明細書におけるパッケージングとは、上記電子装置を構成する半導体チップ、配線、入出力端子などをひとまとめにする(パックする)ことを示し、それらが前記形成樹脂(絶縁樹脂)2で完全に封止されるという意味ではない。言い換えると、本明細書でのパッケージングとは、従来の樹脂封止工程と付属部品の組立工程を1つにした工程を示す。例えば、前記電子装置10では、前記放熱板5と前記ボール端子7は形成樹脂2から露出した構成でパッケージングされる。
【0030】また、前記形成樹脂2は硬化剤を配合した液状絶縁樹脂であり、例えば、硬化剤配合の熱硬化性液状エポキシ樹脂、アクリルニトリル配合の変成エポキシ樹脂など、あるいはメチルピロリドン溶剤希釈のポリイミドワニス(ポリアミック酸無水物)などの液状樹脂を用いることができる。また、前記形成樹脂2の第1絶縁層2A、第2絶縁層2B、及び第3絶縁層2Cは、同一の樹脂で統一する必要はない。さらに、同一層内でも異なる樹脂、または、例えば、フィラー充填などにより誘電率が異なるように加工をした樹脂を選択的にポッティングして、一つの絶縁層を二種類以上の異なる樹脂で形成することもできる。
【0031】このように、異なる樹脂、または誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を製造することによって、配線中のキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0032】また、前記放熱板5としては、熱伝導性の良い材料として、例えば、金属板、セラミック板などを用いることができる。また、前記接着剤6は、前記半導体チップ1と放熱板5の間での応力緩衝作用を有するものが望ましいが、前記放熱板5として、例えば、アルミナセラミックのように熱膨張係数が前記半導体チップ1の熱膨張係数と同程度の材料を選んだ場合は、エポキシ樹脂系、シリコン樹脂系等の接着性のある樹脂であればよい。
【0033】図3乃至図12は、本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図であり、図3は前記電子装置10の製造を行うための形成容器を示した図で、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のB−B’線での断面図である。また、図4、図6乃至図12は、図3(a)及び図3(b)に示した形成容器を用いて製造する際の各工程での模式断面図であり、図3(a)のB−B’線に対応する断面図を示している。なお、図4乃至図12では、各製造工程を把握しやすいように部分的にハッチングを省略して示してある。図3乃至図12において、8はビア穴、9は導電層、20は形成容器、21は凹部、22はマーカーである。
【0034】以下、図3乃至図12を用いて、本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明する。なおここでは、図2に示したような、前記第1配線3及び第2配線4の2層の配線層を有する電子装置を取り挙げて説明する。
【0035】まず、前記電子装置10の製造にあたって、図3(a)及び図3(b)に示したような形成容器20を準備する。前記形成容器20は、中央部に電子装置の大きさに刳り貫かれた凹部21を有する容器であり、前記凹部21の外側には半導体チップ1の位置決めのためのマーカー22が設けられている。
【0036】次に、前記形成容器20の凹部21に、シリコーンゴム系の離型性に優れた接着剤(図示せず)を流し込んだ後、図4(a)に示すように、前記接着剤6を塗布した放熱板5を、前記接着剤6を塗布した面が上を向くように設置する。以下、前記放熱板5を設置する工程を放熱板設置工程と称する。
【0037】次に、CCDカメラのような位置認識カメラ等を用いて前記形成容器20のマーカー22を認識し、この認識されたマーカー22を基準にした座標に対して、図4(b)に示すように、半導体チップ1の素子形成面を上向きにし、各半導体チップ1を位置決めして配置する。図5に示す平面図に前記各半導体チップ1の配置例を示す。以下、前記半導体チップ1を位置決めして配置する工程をチップ配置工程と称する。なお、前記電子装置10において、前記放熱板5を設けない場合は、接着剤6を塗布した放熱板5を設置する代わりに、形成樹脂2を一定の高さ、例えば、10μmから100μm程度の高さに流し込み、半硬化状態にさせてから前記半導体チップ1を配置する。以下、前記放熱板5の代わりに形成樹脂2を流し込んで硬化させる工程を第1樹脂層形成工程と称する。
【0038】次に、図6(a)に示すように、前記半導体チップ1上に、少なくとも前記半導体チップ1が隠れる高さまで形成樹脂2を流し込み、硬化させて第1絶縁層2Aを形成する。前記第1絶縁層2Aの高さは、後の工程で、レーザ等を用いて前記半導体チップ1の外部電極(図示しない)上にビア穴を開口できる高さがあればよいので、例えば、前記半導体チップ1の表面から10μmから100μm程度の高さとする。なお、前記形成樹脂2の硬化は、エポキシ樹脂系は170℃の雰囲気中に90分間、またポリイミドは250℃の雰囲気中に90分間おいて行う。以下、配置された半導体チップ上に形成樹脂を流し込んで硬化させる工程を第2樹脂層形成工程と称する。
【0039】次に、図6(b)に示すように、例えば、炭酸ガスレーザまたはエキシマレーザを用いて、前記第1絶縁層2Aの、前記半導体チップ1の表面に形成された外部電極(図示しない)の位置にビア穴8を開口する。前記ビア穴8は、穴径が約50μmから100μm程度の円形又は矩形の開口面を有する。以下、形成樹脂2(絶縁層)にビア穴8を形成する工程をビア穴形成工程と称する。
【0040】次に、図7(a)に示すように、前記半導体チップ1の外部電極上に形成されたビア穴8及び前記形成樹脂2(第1絶縁層2A)の上部全面に導電性薄膜である導電層9を形成する。前記導電層9の形成は、従来の導電性薄膜の形成方法をそのまま適応して行う。例えば、銅(Cu)等の金属を、無電解めっき法、無電解めっき法と電気めっき法を組み合わせた方法、導電性ペーストの印刷、または真空蒸着などによって行う。以下、前記導電層9を形成する工程を導電性薄膜形成工程と称する。
【0041】次に、前記導電層9に対してフォトケミカルエッチングを行い、図7(b)に示すように、第1配線3及び第1導通ビア3Aを形成する。このとき、前記第1配線8と前記半導体チップ1の外部電極(図示しない)は、前記形成樹脂2(第1絶縁層2A)に形成されたビア穴8内の第1導通ビア3Aにより電気的に接続される。以下、前記導電層9をエッチングして配線及び導通ビアを形成する工程を配線形成工程と称する。
【0042】次に、図8(a)に示すように、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第2絶縁層2Bを形成する。以下、前記配線上に形成樹脂2を流し込んで硬化させる工程を第3樹脂層形成工程と称する。前記第3樹脂層形成工程の後、前記ビア穴形成工程により、図8(b)に示すように、前記第1配線3あるいは前記半導体チップ1の外部電極(図示しない)の所定位置に炭酸ガスレーザまたはエキシマレーザを用いてビア穴8を開口する。
【0043】次に、前記導電性薄膜形成工程を行い、図9(a)に示すように、前記第1配線3上あるいは半導体チップ1の外部電極上のビア穴8及び前記形成樹脂2(第2絶縁層2B)の上部全面に、導電性薄膜からなる導電層9を形成する。その後、前記配線形成工程を行い、図9(b)に示すように、第2配線4を形成する。またこのとき、前記第2配線4と前記第1配線3あるいは前記半導体チップ1の外部電極とを電気的に接続する第2導通ビア4Aも形成される。なお、前記第1配線3と第2配線4以外に配線層を設けて多層配線にする場合は、前記第3樹脂層形成工程、前記ビア穴形成工程、前記導電性薄膜形成工程、及び前記配線形成工程を順次繰り返す。
【0044】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、図10(a)に示すように、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第3絶縁層2Cを形成した後、図10(b)に示すように、前記第2配線4の所定位置に炭酸ガスレーザまたはエキシマレーザを用いてボール端子7を接続するための端子穴8Aを開口する。その後、図11に示すように、入出力端子として、例えばPb−Sn系はんだボールのようなボール端子7を取り付ける。なお、前記ボール端子7としてはんだボールを用いるときには、接続される導電層9(第2配線4)の形成は、無電解ニッケルめっき、または無電解ニッケルと電気ニッケルめっきを組み合わせて形成されたニッケル層に銅めっき、または金めっきを施したものを用いる。以下、前記形樹脂2(絶縁層)に端子穴8Aを形成して入出力端子を形成する工程を入出力端子形成工程と称する。
【0045】最後に、前記形成容器20内に形成されたものを、前記シリコーンゴム系の接着剤から剥し取ると、図1(a)、図1(b)、及び図2に示した電子装置10が得られる。このとき、前記電子装置10は、いくつかの作業工程を経て製造されているが、電子装置を構成する半導体装置(モジュール)を製造する工程、前記半導体装置を搭載する配線基板を製造する工程、前記半導体装置と配線基板を接続する工程が、前記形成容器20内での一つの工程として行われる。
【0046】また、前記電子装置10を複数個組み合わせて、別の複合化した電子装置を構成する場合(例えば、DIMM等の両面実装の電子装置)は、例えば、図12(a)に示すように、内部に複数の電子装置10を電気的に接続するインタポーザ11Aと、前記複合化した電子装置の入出力端子であるコネクタ端子12とを備えたボード11に、前記電子装置10A,10Bを搭載するようにする。これにより、図12(b)に示すような複合化した電子装置を得ることができる。
【0047】このように、複数個の半導体チップあるいは半導体装置(モジュール)を複数回(複数層)に分けて多段階的にパッケージングし、そのパッケージ材料の絶縁性を利用して、各層を基板に見立て、各パッケージ層上に配線形成することによって、パッケージングしながら配線形成できるので、配線基板を用いない電子装置を製造することが可能となる。
【0048】また、従来の電子装置の製造にかかっていた、複数個の半導体装置を製造する工程、それを搭載する配線基板を製造する工程、及びそれらを接続する工程といった複数の工程を、前記形成容器内で一つの工程として行うことができるので、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減することが可能となる。
【0049】また、異なる樹脂、または、誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を形成することでき、これによってキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0050】また、本発明に関わる電子装置は、配線基板を用いない構成であるため、電子装置を容易に小型化できる。
【0051】また、配線基板を用いないことから配線長を短くできるので、伝送の遅延時間を少なくすることができ、電気特性が向上することが可能になる。
【0052】さらに、従来のように、配線基板に半導体装置を搭載した構造ではなく、配線、半導体チップ等を絶縁樹脂でパッケージングした構造を有するので、電子装置の全体の耐衝撃性が向上する。
【0053】なお、前記電子装置10として、複数個の半導体チップ1を搭載した電子装置を取り挙げて説明してきたが、半導体チップ1個を有する電子装置、すなわち半導体装置も同様に適応可能である。
【0054】以下、本発明による電子装置の実施例について説明する。
【0055】(実施例1)図13は、本発明による実施例1の電子装置の概略構成を示す模式図であり、図13(a)は平面図、図13(b)は図13(a)のC−C’線での断面図をそれぞれ示す。
【0056】図13において、1は半導体チップ、2は形成樹脂(絶縁樹脂)、2Aは第1絶縁層、2Bは第2絶縁層、2Cは第3絶縁層、3は第1配線、3Aは第1導通ビア、4は第2配線、4Aは第2導通ビア、5は放熱板、6は接着剤、12はコネクタ端子、12Aは第3導通ビア、30は電子装置(メモリモジュール)である。
【0057】前記電子装置10における入出力用端子にはPb−Sn系はんだボールなどのボール端子7を用いているが、本発明における電子装置では、前記ボール端子7の代わりに、形成樹脂2の導電配線自体に差し込み用のコネクタ端子を設けてもよい。本実施例1では、その電子装置の例としてメモリモジュールを取り挙げ説明する。
【0058】本実施例1の電子装置(メモリモジュール)30は、図13(a)及び図13(b)に示すように、半導体チップ1が形成樹脂2で覆われた半導体チップ内蔵型であり、前記半導体チップ1の内蔵箇所でない前記形成樹脂2の表面スペースにコネクタ端子12が設けられ、前記コネクタ端子12のエリアと平面的に重ならないように前記半導体チップ1の内蔵箇所付近だけに接着剤6を介して放熱板5を取り付けた構成をとる。また、前記半導体チップ1としては、例えば、SRAM、DRAMなどのメモリー系の半導体チップがある。
【0059】前記形成樹脂2は、図13(b)に示すように、第1絶縁層2A、第2絶縁層2B、第3絶縁層2Cが積層されて一体的に構成されており、前記接着剤6と第1絶縁層2Aの間に前記半導体チップ1が内包される。また、前記第1絶縁層2Aと第2絶縁層2Bの間に第1配線3が設けられ、前記第2絶縁層2Bと第3絶縁層2Cの間に第2配線4が設けられる。
【0060】前記半導体チップ1と前記コネクタ端子12との電気的接続は、前記形成樹脂2を構成する絶縁層間に設けられた第1配線3、第2配線4と、前記第1絶縁層2Aに設けられる第1導通ビア3A、前記第2絶縁層2Bに設けられる第2導通ビア4A及び前記コネクタ端子12に接続される接続ビア12Aを介して行われる。本実施例1のメモリモジュール30は、前記コネクタ端子12を含め3層の導電配線層が形成されている。
【0061】図14乃至図16は本実施例1の電子装置(メモリモジュール)の各製造工程における模式断面図を示す。なお、図14乃至図16では、各工程を把握しやすくするために、部分的にハッチングを省略して示してある。
【0062】以下、本実施例1のメモリモジュール30の製造方法について図14乃至図16を用いて説明する。なお、本実施例1のメモリモジュールを製造する際に使用する形成容器は、図3で示したようなものであり、形成容器の凹部が図3(a)に示したような形状に加工された形成容器20Aを使用する。
【0063】まず、前記形成容器20Aの凹部21にシリコーンゴム系の離型性に優れた接着剤(図示せず)を流し込んでから、前記放熱板設置工程を行い、図14(a)に示すように、形成容器20Aの凹部21のコネクタ端子を配置するエリア以外に、接着剤6が塗布された放熱板5を設置する。
【0064】次に、前記チップ配置工程を行い、図14(b)に示すように、前記放熱板5に塗布された接着剤6上に、半導体チップ1を、素子形成面を上向きにして貼り付けた後、前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さになるように流し込み、硬化させて第1絶縁層2Aを形成する。
【0065】次に、前記ビア穴形成工程を行い、前記形成樹脂2(第1絶縁層2A)にビア穴8を形成し、続けて前記導電性薄膜形成工程及び配線形成工程を行い、前記ビア穴8及び前記第1絶縁層2A上部の所定位置に1層目の第1配線3を形成する。その後、前記第3樹脂層形成工程を行い、図15(a)に示すように、形成樹脂2を再度流し込み、硬化させて第2絶縁層2Bを形成する。このとき、前記半導体チップ1の外部電極と前記第1配線3は、前記ビア穴8に形成された第1導通ビア3Aにより電気的に接続される。
【0066】次に、前記ビア穴形成工程、前記導電性薄膜形成工程及び前記配線形成工程を繰り返して、前記形成樹脂2(第2絶縁層2B)の所定位置にビア穴8を形成し、前記ビア穴8及び第2絶縁層2B上部の所定位置に2層目の第2配線4を形成した後、再び前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を流し込み、硬化させて第3絶縁層2Cを形成する。その後、再び前記ビア穴形成工程を行い、図15(b)に示すように、前記第1配線3あるいは第2配線4とコネクタ端子12と接続するビア穴8を開口する。その後、前記入出力端子形成工程を行い、前記形成樹脂2(第3絶縁層2C)の表面とビア穴8に対して、例えば、無電解銅めっき、または無電解銅めっきと電気銅めっきを組み合わせて導電層を形成した後、エッチングを行い、図16に示すように、コネクタ端子12を形成する。
【0067】最後に、形成容器20A内に形成されたものを、前記シリコーンゴム系の接着剤から剥し取ると、図13(a)及び図13(b)に示したメモリモジュール30が得られる。
【0068】以上説明したように、メモリー系の半導体チップ1を複数回(複数層)に分けて多段階的にパッケージングし、そのパッケージ材料(形成樹脂)の絶縁性を利用して、各パッケージ層上に配線形成することによって、パッケージングしながら配線形成できるので、前記各層を配線基板と見立てて、前記半導体チップと配線基板が一体的になったメモリモジュールを製造することができる。言い換えると、従来のような、半導体チップ搭載用の配線基板(実装基板)を用いることなくメモリモジュールを形成することができる。
【0069】また、従来のメモリモジュールの製造にかかっていた、複数個の半導体チップの製造工程、前記半導体チップを搭載する配線基板(実装基板)の製造工程、及び半導体チップと配線基板の接続工程等の複数の工程を一つの工程として行うことができるので、メモリモジュールの製造時間及び製造コストを削減することが可能となる。
【0070】また、異なる樹脂、または、誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を形成することでき、これによってキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0071】また、本実施例1の電子装置は、配線基板を用いない構成であるため、電子装置を容易に小型化できる。
【0072】また、配線基板を用いないことから配線長を短くできるので、伝送の遅延時間を少なくすることができ、電気特性が向上することが可能になる。
【0073】さらに、従来のように、配線基板に半導体装置を搭載した構造ではなく、配線、半導体チップ等を絶縁樹脂でパッケージングした構造を有するので、電子装置の全体の耐衝撃性が向上する。
【0074】なお、本実施例1では、メモリー系の半導体チップを用いたメモリモジュールを取り挙げて説明したが、これに限らず、他の機能を有する半導体チップからなる電子装置、すなわち半導体装置も同様に適応可能である。
【0075】(実施例2)図17及び図18は、本発明による実施例2の電子装置の概略構成を示す模式図であり、図17(a)は平面図、図17(b)は図17(a)の側面図であり、図18は図17(a)に示すD−D’線での断面図である。
【0076】図17及び図18において、1Aは1層目の半導体チップ、1Bは2層目の半導体チップ、1Cは3層目の半導体チップ、2は形成樹脂(絶縁樹脂)、2Aは第1絶縁層、2Bは第2絶縁層、2Cは第3絶縁層、2Dは第4絶縁層、2Eは第5絶縁層、2Fは第6絶縁層、2Gは第7絶縁層、3は第1配線、3Aは第1導通ビア、4は第2配線、4Aは第2導通ビア、7はボール端子、13は第3配線、13Aは第3導通ビア、40は電子装置である。
【0077】本実施例2では、厚さが50μm程度の薄型の半導体チップを複数個、縦方向に積層してなる電子装置について説明する。
【0078】本実施例2の電子装置40は、図17(a)、図17(b)、及び図18に示すように、電子装置を構成する、積層された複数個の半導体チップ1と、前記各半導体チップ1を包み込むように設けられ、パッケージング及び配線基板の役目を兼ねた形成樹脂(絶縁樹脂)2と、前記形成樹脂2内に設けられた多層の第1配線3、第2配線4、及び第3配線13と、前記半導体チップ1の外部電極(図示しない)と第1配線3、第2配線4、第3配線13間を接続する第1導通ビア3A、第2導通ビア4A、第3導通ビア13Aと、前記第3配線13と電気的に接続されたボール端子(入出力端子)7とから構成される。すなわち、この本実施例2においても、パッケージの中に配線のための基板を有しない構成になっている。また、前記形成樹脂2も、硬化剤配合の液状絶縁樹脂を用いる。
【0079】前記半導体チップ1は、例えば、MPU、SRAM、DRAM、CASH、DSP、ASIC等のモジュールチップなどがあげられる。
【0080】前記形成樹脂2は、図18に示すように、第1絶縁層2A、第2絶縁層2B、第3絶縁層2C、第4絶縁層2D、第5絶縁層2E、第6絶縁層2F、第7絶縁層2Gが積層されて一体的に構成されており、1層目の半導体チップ1Aは前記第1絶縁層2Aと第2絶縁層2Bの間に内包され、2層目の半導体チップ1Bは前記第3絶縁層2Cと第4絶縁層2Dの間に内包され、3層目の半導体チップ1Cは前記第5絶縁層2Eと第6絶縁層2Fの間に内包される。このとき、図18では、前記形成樹脂2の内部構成がわかりやすいように、厚さ方向の倍率を大きくして示しているが、実際には、前記2層目の半導体チップ1B及び3層目の半導体チップ1Cは、厚さが約50μm程度の薄型の半導体チップであり、1層あるいは複数層にまたがる導通ビアを形成することが可能な厚さになっている。なお、前記1層目の半導体チップ1Aは、前記2層目、3層目の半導体チップと同様に薄型のものであってもよいし、そうでなくても良い。また、前記第1配線3は、前記第2絶縁層2Bと第3絶縁層2Cの間に設けられ、前記第2配線4は、前記第4絶縁層2Dと第5絶縁層2Eの間に設けられ、前記第3配線13は前記第6絶縁層2Fと第7絶縁層2Gの間に設けられる。また、前記第1導通ビア3Aは前記第1配線3と一体的に設けられ、前記第2導通ビア4Aは前記第2配線4と一体的に設けられ、前記第3導通ビア13Aは前記第3配線13と一体的に設けられる。前記第1導通ビア3A、第2導通ビア4A、及び第3導通ビア13Aは、例えば、金属めっきや導電性材料を充填することによって導通を確保している。
【0081】すなわち、本実施例2の電子装置40においても、パッケージの内部に、配線のための基板を有しない構成になっている。また、前記電子装置40では、前記ボール端子7は形成樹脂2から露出した構成でパッケージングされる。
【0082】また、前記形成樹脂2は硬化剤を配合した液状絶縁樹脂であり、前記硬化剤配合の熱硬化性液状エポキシ樹脂、アクリルニトリル配合の変成エポキシ樹脂など、あるいはメチルピロリドン溶剤希釈のポリイミドワニス(ポリアミック酸無水物)などの液状樹脂を用いることができる。また、前記形成樹脂2を構成する各絶縁層は樹脂で統一する必要はない。さらに、同一層内でも異なる樹脂、または、例えば、フィラー充填などにより誘電率の異なる加工をした樹脂を選択的にポッティングして、一つの絶縁層を二種類以上の異なる樹脂で形成することもできる。
【0083】図19乃至図24は、本実施例2の電子装置の製造方法を説明するための模式図で、各工程における模式断面図を示している。
【0084】以下、本実施例2の電子装置40の製造方法について図19乃至図24を用いて説明する。ここでは、図18に示したような、第1配線3、第2配線4、及び第3配線13の3層の配線層を有する電子装置を取り挙げて説明する。また、本実施例2の電子装置では放熱板5を用いないものとする。また、本実施例2の電子装置40の製造を行うための形成容器は、図3に示した形成容器20と同様のものを用いる。
【0085】まず、前記形成容器20の凹部21内にシリコーンゴム系の離型性に優れた接着剤(図示しない)を流し込んだ後、前記第1樹脂層形成工程を行い、前記形成容器20の凹部21に形成樹脂2を一定の高さ、例えば、10μmから100μm程度に流し込み、半硬化状態にして第1絶縁層2Aを形成し、続けて前記チップ配置工程を行い、図19(a)に示すように、1層目の半導体チップ1Aを位置決めして配置する。また、半導体チップで発生する熱を放出する放熱板5を設ける場合には、前記第1樹脂層形成工程の代わりに前記放熱板設置工程を行い、図4(a)に示したような、接着剤6を塗布した前記放熱板5を設置した上に、前記1層目の半導体チップ1Aを位置決めして配置する。
【0086】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、前記1層目の半導体チップ1A上に、形成樹脂2を流し込み、硬化させて第2絶縁層2Bを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、図19(b)に示すように、前記第2絶縁層2Bの、前記半導体チップ1Aの外部電極(図示しない)の位置にビア穴8を開口する。ここで流し込む前記形成樹脂2(第2絶縁層2B)の高さは、前記半導体チップ1Aの表面から10μmから100μm程度の高さである。また、前記ビア穴8は、穴径が約50μmから100μm程度の円形又は矩形の開口面を有する。
【0087】次に、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記1層目の半導体チップ1Aの外部電極上のビア穴8及び前記第2絶縁層2Bの上部全面に導電層9を形成した後、前記配線形成工程を行い、図20(a)に示すように、第1配線3を形成する。このとき、前記1層目の半導体チップ1Aの外部電極と前記第1配線3は前記ビア穴8内に形成される第1導通ビア3Aにより電気的に接続される。
【0088】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、再び形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第3絶縁層2Cを形成した後、前記チップ配置工程を行い、図20(b)に示すように、2層目の半導体チップ1Bを所定位置に配置する。
【0089】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さになるように流し込み、硬化させて第4絶縁層2Dを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、図21(a)に示すように、前記第4絶縁層2Dの、前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極(図示しない)上及び所定位置にビア穴8を開口する。またこのとき、図では示していないが、前記ビア穴8は前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極上に限らず、前記1層目の半導体チップ1Aの外部電極上や前記第1配線3上に形成する場合もある。
【0090】次に、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極(図示しない)上のビア穴6及び形成樹脂2の上部全面に導電層9を形成した後、前記配線形成工程を行い、図21(b)に示すように、第2配線4を形成する。このとき、前記第2配線4は第2導通ビア4Aにより前記2層目の半導体チップ1B、第1配線3などと電気的に接続される。
【0091】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第5絶縁層2Eを形成した後、前記チップ配置工程を行い、図22(a)に示すように、3層目の半導体チップ1Cを所定位置に配置する。
【0092】次に、再び前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さになるように流し込み、硬化させて第6絶縁層2Fを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、図22(b)に示すように、前記3層目の半導体チップ1Cの外部電極(図示しない)上及び所定位置にビア穴8を開口する。またこのとき、前記ビア穴8は、前記3層目の半導体チップ1Cの外部電極上に限らず、図22(b)に示したように、前記第2配線4や第1配線3上、前記1層目の半導体チップ1Aあるいは2層目の半導体チップ1Bの外部電極上に形成する場合もある。
【0093】次に、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記3層目の半導体チップ1Cの外部電極上等に形成されたビア穴8及び形成樹脂2(第6絶縁層2F)の上部全面に導電層9を形成した後、前記配線形成工程を行い、図23に示すように、第3配線13を形成する。
【0094】その後、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第7絶縁層2Gを形成した後、前記入出力端子形成工程を行い、図24に示すように、前記第3配線13の所定位置にボール端子7接続用の端子穴8Aを開口した後、入出力端子として、例えばPb−Sn系はんだボールのようなボール端子7を取り付ける。
【0095】最後に、前記形成容器20から形成されたものを、前記シリコーンゴム系の接着剤から剥し取ると、図17(a)、図17(b)、及び図18に示した電子装置40が得られる。
【0096】複数個の半導体チップを積層した電子装置の場合でも、複数回(複数層)に分けて多段階的にパッケージングし、そのパッケージ材料の絶縁性を利用して、各層を基板に見立て、各パッケージ層上に配線形成することによって、パッケージングしながら配線形成できるので、配線基板を用いない電子装置を製造可能となる。
【0097】また、配線基板を用いた配線形成でなく、パッケージング工程を利用して配線形成することによって、電子装置を一工程で製造することができるので、電子装置の製造時間及び製造コストを削減することが可能となる。
【0098】また、異なる樹脂、または、例えば、フィラー充填などにより誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を形成することでき、これによってキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0099】また、配線基板を用いないことから配線長を短くできるので、伝送の遅延時間を少なくすることができ、電気特性が向上することが可能になる。
【0100】さらに、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減できることから、大量製造が容易に可能になる。
【0101】このことから、例えば、小型化、耐衝撃性、及び大量製造が要求される携帯電話のモジュール、ICカード等には特に有効である。
【0102】なお、この本発明の電子装置の製造方法は、上述した電子装置だけでなく、配線基板に半導体装置を搭載してなる従来の電子装置全てに適応可能である。
【0103】また、前記実施例1及び実施例2では、メモリモジュールや従来の電子装置あるいは半導体装置のように直方体に近い形状の電子装置について説明したが、これに限らず、前記電子装置の外観形状は任意の立体形状であっても良い。
【0104】以下、本発明による電子装置の外観形状が直方体、あるいは直方体に近い形状以外のものに関する実施例について説明する。
【0105】(実施例3)図25及び図26は、本発明による実施例3の電子装置の概略構成を示す模式図であり、図25(a)は斜視図、図25(b)は図25(a)を紙面上方から見た時の平面図であり、図26は図25(b)のE−E’線での断面図である。
【0106】図25及び図26において、1A,1A’は1層目の半導体チップ、1Bは2層目の半導体チップ、2は形成樹脂(絶縁樹脂)、2A,2A’は第1絶縁層、2B,2B’は第2絶縁層、2C,2C’は第3絶縁層、2D,2D’は第4絶縁層、2Eは第5絶縁層、3,3’は第1配線、3Aは第1導通ビア、4,4’は第2配線、4A,4A’は第2導通ビア、7はボール端子、50は電子装置、50Aは第1電子装置、50Bは第2電子装置、52,52’は内部接続ビア、53は外部接続ビアである。
【0107】本実施例3では、外観形状が球形の電子装置(以下、球形電子装置と称する)について説明する。
【0108】本実施例3の球形電子装置50は、図25(a)、図25(b)に示すように、形成樹脂2の外観形状が球状になっており、その一部にボール端子7を搭載するための平面51が設けられている。また、前記球形電子装置50は、図26に示すように、F−F’線を境にした、第1電子装置50Aと第2電子装置50Bの二つを半球体の電子装置を接合して球形をなしている。
【0109】前記第1電子装置50Aは、電子装置を構成する、積層された複数個の半導体チップ1A,1Bと、前記各半導体チップを包み込むように設けられ、パッケージング及び配線基板の役目を兼ねた形成樹脂2と、前記形成樹脂2内に設けられた多層の第1配線3及び第2配線4と、前記各配線を接続する第1導通ビア3A及び第2導通ビア4Aと、前記第2配線4と前記第2電子装置50Bとを電気的に接続するための内部接続ビア52とから構成される。また、前記第2電子装置50Bも、前記第1電子装置50Aと同様の構成で、電子装置を構成する複数個の半導体チップ1A’と、前記各半導体チップを包み込むように設けられ、パッケージング及び配線基板の役目を兼ねた形成樹脂2’と、前記形成樹脂2’内に設けられた多層の第1配線3’及び第2配線4’と、前記各配線を接続する第2導通ビア4A’と、前記第2配線4’と前記第1電子装置50Aとを電気的に接続するための内部接続ビア52’と、前記第1配線3’とボール端子(入出力端子)7を接続する外部接続ビア53とから構成される。すなわち、本実施例3の球形電子装置50においても、パッケージの内部に配線のための基板を有しない構成になっている。なお、前記球形電子装置50は、前記ボール端子7を搭載する部分が平面51に加工されており、完全な球形ではない。また、前記形成樹脂2は、前記実施例と同様で、硬化剤配合の液状絶縁樹脂を用いる。
【0110】また、前記各半導体チップは、例えば、MPU、SRAM、DRAM、CASH、DSP、ASIC等のモジュールチップがあげられる。
【0111】図27乃至図34は、本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図で、図27(a)は本実施例3の電子装置の製造に用いる形成容器の構成を示す平面図、図27(b)は図27(a)のG−G’線での断面図、図28乃至図34は各工程における模式断面図で、図27(a)のG−G’線に対応する断面を示している。
【0112】以下、本実施例3の球形電子装置40の製造方法について、図27乃至図34を用いて説明するが、前記第1電子装置50Aと第2電子装置50Bの製造工程は、ほぼ同様であるため、前記第1電子装置50Aの製造方法に注目して説明する。
【0113】まず、図27(a)及び図27(b)に示したような、半球状の凹部23及び半導体チップを搭載する際の位置決めマーカー22が設けられた形成容器20Bを準備する。
【0114】次に、前記形成容器20Bの凹部23にシリコーンゴム系の離型性に優れた接着剤(図示しない)を流し込んだ後、前記第1樹脂層形成工程を行い、前記形成容器20Bの凹部23に、形成樹脂2を一定の高さまで流し込み、半硬化状態にして第1絶縁層2Aを形成し、続けて前記チップ配置工程を行い、図28(a)に示すように、半導体チップ1Aの素子形成面を上向きにし、1層目の半導体チップ1Aを位置決めして配置する。
【0115】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、前記1層目の半導体チップ1A上に、少なくとも前記半導体チップ1Aが隠れる高さ以上の形成樹脂2を流し込み、硬化させて第2絶縁層2Bを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、図28(b)に示すように、前記第2絶縁層2Bの、前記半導体チップ1Aの外部電極(図示しない)の位置にビア穴8を開口する。
【0116】次に、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記各半導体チップ1Aの外部電極上部のビア穴8及び前記形成樹脂2(第2絶縁層2B)の上部全面に導電性薄膜である導電層9を形成した後、前記配線形成工程を行い、図29(a)に示すように、第1配線3を形成する。このとき、前記第1配線3と半導体チップ1Aの外部電極とは、ビア穴8内の第1導通ビア3Aにより電気的に接続される。
【0117】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さに一定に流し込み、硬化させて第3絶縁層2Cを形成した後、再び前記チップ配置工程を行い、図29(b)に示すように、2層目の半導体チップ1Bを所定位置に配置する。
【0118】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さになるように流し込み、硬化させて第4絶縁層2Dを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、図30(a)に示すように、前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極(図示しない)及び第1配線3の所定位置にビア穴8を開口する。このとき、図では示していないが、前記ビア穴8を、前記1層目の半導体チップ1Aの外部電極上に形成する場合もある。
【0119】次に、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極上部のビア穴8及び形成樹脂2(第4絶縁層2D)の上部全面に導電層9を形成した後、前記配線形成工程を行い、図30(b)に示すように、第2配線4を形成する。このとき、前記第2配線4は、第2導通ビア4Aにより前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極、第1配線3、1層目の半導体チップ1Aの外部電極などと電気的に接続される。
【0120】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さになるように流し込み、硬化させて第5絶縁層2Eを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、前記第2配線4の所定位置にビア穴8を開口する。その後、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記ビア穴8から形成樹脂2(第5絶縁層2E)の上部全面に導電層9を形成し、続けて前記配線形成工程を行い、図31に示すように、内部接続ビア52を形成する。その後、前記形成容器20Bに形成されたものを前記シリコーンゴム系の接着剤から剥し取ると、半球体の第1電子装置50Aを得ることができる。
【0121】次に、図32(a)に示すように、前記手順に沿って製造された半球体の第1電子装置50Aと、前記第1電子装置50Aと同様の手順で製造されたもう一つの半球体の第2電子装置50Bとを、内部接続ビア52が形成された面同士で向かい合わせて接合することにより、図32(b)に示したような、外観形状が球形の電子装置50が得られる。このとき、前記第1電子装置50Aの内部接続ビア52と前記第2電子装置50Bの内部接続ビア52’とは、錫(Sn)の固相拡散や、金錫(Au−Sn)の共晶接合、鉛錫(Pb−Sn)のはんだ接合、銀(Ag)ペーストなどの導電性接着剤による接着などで接合される。
【0122】次に、例えば、図33(a)に示すように、前記球形電子装置50の第2電子装置50B側の第1絶縁層2A’を切削して、ボール端子7を搭載するための平面51を形成する。
【0123】次に、前記平面51に、前記第2電子装置50B側の第1配線3’の所定位置に炭酸ガスレーザまたはエキシマレーザを用いてビア穴8を開口した後、前記ビア穴8及び平面51(第1絶縁層2’)上に導電層9を形成し、前記導電層9に対してフォトケミカルエッチングを行い、図33(b)に示すように、前記ボール端子7を搭載するための外部接続ビア53を形成する。これらの工程は、前記ビア穴形成工程、前記導電性薄膜形成工程、前記配線形成工程と同様の手順で行われる。
【0124】その後、入出力端子形成工程を行い、前記外部接続ビア53上に、入出力端子として、例えば、Pb−Sn系はんだボールのようなボール端子7を取り付けると、図25(a)、図25(b)、及び図26に示したような球形電子装置50が得られる。
【0125】また、前記球形電子装置50の平面51に形成する入出力端子は、前記ボール端子7に限らず、図34(a)に示したように、外部接続ビア53に導電性のピン54を挿入してPGA(Pin Grid Array)型にしても良い。また、図34(b)に示すように、前記外部接続ビア53上には、前記ボール端子7やピン54を設けずに、前記球形電子装置50を実装するボード11の接続端子11A上に挿入ピン11Bを形成しておき、前記挿入ピン11Bを前記外部接続ビア53に挿入するようにしても良い。
【0126】以上説明したように、本実施例3の電子装置においても、前記実施例1及び2の電子装置と同様に、パッケージ材料である形成樹脂の絶縁性を利用して、各層を基板に見立て、各パッケージ層上に配線形成することによって、パッケージングしながら配線形成できるので、配線基板を用いない電子装置を製造可能となる。そのため、配線基板を用いた配線形成でなく、パッケージング工程を利用して配線形成することによって、電子装置を前記形成容器内で一つの工程として製造することができるので、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減することが可能となる。
【0127】また、異なる樹脂、または、例えば、フィラー充填などにより誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を形成することもでき、これによってキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0128】また、配線基板を用いないことから配線長を短くできるので、伝送の遅延時間を少なくすることができ、電気特性が向上することが可能になる。
【0129】さらに、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減できることから、大量製造が容易に可能になる。
【0130】このことから、例えば、小型化、耐衝撃性、及び大量製造が要求される携帯電話のモジュール、ICカード等には特に有効である。
【0131】また、本実施例3のようにパッケージ材料である形成樹脂の外観形状が球体になるように製造することにより、例えば、前記電子装置をロボット等の人工脳として利用する場合等、前記ロボットの頭部の形状に合った電子装置(人工脳)を製造することが出来る。そのため、ロボット(搭載装置)が大型化することを防げる。また、前記ロボットに限らず、医療用機器や自動車、ゲーム機等、特殊な形状であったり、搭載スペースに制約がある搭載装置でも、効率良く電子装置を収納でき、前記搭載装置が大型化することを防げる。
【0132】また、電子装置を製造する際に使用する形成容器の凹部を任意の形状にすることで、従来の電子装置のような直方体や平板状、あるいはそれに近い外観形状に限らず、例えば、本実施例3で示したような球形の電子装置が製造でき、デザイン性を持った電子装置を製造することができる。
【0133】(実施例4)図35及び図36は、本発明による実施例4の電子装置の概略構成を示す模式図であり、図35(a)は平面図、図35(b)は図35(a)の側面図であり、図36は図35(a)のH−H’線での断面図である。
【0134】図35(a)、図35(b)、及び図36において、1は半導体チップ、2は形成樹脂(絶縁樹脂)、2Aは第1絶縁層、2Bは第2絶縁層、2Cは第3絶縁層、3は第1配線、3Aは第1導通ビア、4は第2配線、4Aは第2導通ビア、5は放熱板、6は接着剤、7はボール端子、60は電子装置である。
【0135】本実施例4の電子装置では、前記形成樹脂2の外観形状が円板状(コイン状)の電子装置(以下、コイン状電子装置と称する)について説明する。
【0136】本実施例4の電子装置60は、図35(a)、図35(b)、及び図36に示すように、電子装置を構成する、積層された複数個の半導体チップ1と、前記各半導体チップ1を包み込むように設けられ、パッケージング及び配線基板の役目を兼ねた形成樹脂(絶縁樹脂)2と、前記形成樹脂2内に設けられた多層の第1配線3、第2配線4、及び第3配線13と、前記半導体チップ1の外部電極(図示しない)と第1配線3、第2配線4、第3配線13間を接続する第1導通ビア3A、第2導通ビア4A、第3導通ビア13Aと、前記第3配線13と電気的に接続されたボール端子(入出力端子)7とから構成される。すなわち、この本実施例4においても、パッケージの中に配線のための基板を有しない構成になっている。また、前記形成樹脂2も、硬化剤配合の液状絶縁樹脂を用いる。
【0137】前記半導体チップ1は、例えば、MPU、SRAM、DRAM、CASH、DSP、ASIC等のモジュールチップなどが挙げられる。
【0138】前記形成樹脂2は、図36に示すように、第1絶縁層2A、第2絶縁層2B、第3絶縁層2C、第4絶縁層2D、第5絶縁層2E、第6絶縁層2F、第7絶縁層2Gが積層されて一体的に構成されており、1層目の半導体チップ1Aは前記第1絶縁層2Aと第2絶縁層2Bの間に内包され、2層目の半導体チップ1Bは前記第3絶縁層2Cと第4絶縁層2Dの間に内包され、3層目の半導体チップ1Cは前記第5絶縁層2Eと第6絶縁層2Fの間に内包される。このとき、図36では、前記形成樹脂2の内部構成がわかりやすいように、厚さ方向の倍率を大きくして示しているが、実際には、前記2層目の半導体チップ1B及び3層目の半導体チップ1Cは、厚さが約50μm程度の薄型の半導体チップであり、1層あるいは複数層にまたがる導通ビアを形成することが可能な厚さになっている。なお、前記1層目の半導体チップ1Aは、前記2層目、3層目の半導体チップと同様に薄型のものであってもよいし、そうでなくても良い。また、前記第1配線3は、前記第2絶縁層2Bと第3絶縁層2Cの間に設けられ、前記第2配線4は、前記第4絶縁層2Dと第5絶縁層2Eの間に設けられ、前記第3配線13は前記第6絶縁層2Fと第7絶縁層2Gの間に設けられる。また、前記第1導通ビア3Aは前記第1配線3と一体的に設けられ、前記第2導通ビア4Aは前記第2配線4と一体的に設けられ、前記第3導通ビア13Aは前記第3配線13と一体的に設けられる。前記第1導通ビア3A、第2導通ビア4A、及び第3導通ビア13Aは、例えば、金属めっきや導電性材料を充填することによって導通を確保している。
【0139】すなわち、本実施例4のコイン状電子装置60においても、パッケージの内部に、配線のための基板を有しない構成になっている。また、前記コイン状電子装置60では、前記ボール端子7は形成樹脂2から露出した構成でパッケージングされる。
【0140】また、前記形成樹脂2は硬化剤を配合した液状絶縁樹脂であり、前記硬化剤配合の熱硬化性液状エポキシ樹脂、アクリルニトリル配合の変成エポキシ樹脂など、あるいはメチルピロリドン溶剤希釈のポリイミドワニス(ポリアミック酸無水物)などの液状樹脂を用いることができる。また、前記形成樹脂2を構成する各絶縁層は樹脂で統一する必要はない。さらに、同一層内でも異なる樹脂、または誘電率の異なる加工をした樹脂を選択的にポッティングして、一つの絶縁層を二種類以上の異なる樹脂で形成することもできる。
【0141】図37乃至図42は、本実施例4の電子装置の製造方法を説明するための模式図であり、図37は本実施例4のコイン状電子装置の製造に用いる形成容器の概略構成を示す模式図で、図37(a)は平面図、図37(b)は図37(a)のI−I’線での断面図、図38乃至図42は各工程における模式断面図で、図37(a)のI−I’線に対応する断面図を示している。
【0142】以下、本実施例4のコイン状電子装置60の製造方法について図37乃至図42を用いて説明する。ここでは、図36に示したような、第1配線3、第2配線4、及び第3配線13の3層の配線層を有する電子装置を取り挙げて説明する。
【0143】まず、図37(a)及び図37(b)に示したような、円板状(コイン状)の凹部24と、半導体チップ搭載時の位置決め用のマーカー22が設けられた形成容器20Cを準備する。
【0144】次に、前記形成容器20Cの凹部24にシリコーンゴム系の離型性に優れた接着剤(図示しない)を流し込んだ後、前記第1樹脂層形成工程を行い、図38(a)に示すように、前記形成容器20Cに、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、半硬化状態にして第1絶縁層2Aを形成した後、前記チップ配置工程を行い、半導体チップの素子形成面を上向きにし、1層目の半導体チップ1Aを位置決めして配置する。また、半導体チップで発生する熱を放出する放熱板5を取り付ける場合には、前記第1樹脂層形成工程の代わりに、前記放熱板形成工程を行い、図4(a)に示したように、接着剤6を塗布した前記放熱板5を設置した上に、前記1層目の半導体チップ1Aを位置決めして配置する。
【0145】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、前記1層目の半導体チップ1A上に、少なくとも半導体チップが隠れる高さ以上の形成樹脂2を流し込み、硬化させて第2絶縁層2Bを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、前記第2絶縁層2Bの、前記半導体チップ1Aの外部電極(図示しない)の位置にビア穴8を開口する。その後、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記各半導体チップ1Aの外部電極上部のビア穴8及び形成樹脂2(第2絶縁層2B)の上部全面に導電性薄膜である導電層9を形成し、続けて前記配線形成工程を行い、図38(b)に示すように、第1配線3を形成する。このとき、前記1層目の半導体チップ1Aの外部電極と前記第1配線3は前記ビア穴8内に形成される第1導通ビア3Aにより電気的に接続される。
【0146】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第3絶縁層2Cを形成した後、再び前記チップ配置工程を行い、図39(a)に示すように、2層目の半導体チップ1Bを所定位置に搭載する。
【0147】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さになるように流し込み、硬化させて第4絶縁層2Dを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極(図示しない)上、及び所定位置にビア穴8を開口する。その後、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記2層目の半導体チップ1Bの外部電極(図示しない)上のビア穴8及び形成樹脂2の上部全面に導電層9を形成した後、前記配線形成工程を行い、図39(b)に示すように、第2配線4を形成する。このとき、前記第2配線4は第2導通ビア4Aにより前記2層目の半導体チップ1B、第1配線3などと電気的に接続される。またこのとき、図では示していないが、前記ビア穴8は前記2層目の半導体チップ1B上に限らず、前記1層目の半導体チップ1Aの外部電極上や前記第1配線3上に形成する場合もある。
【0148】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第5絶縁層2Eを形成した後、前記チップ配置工程を行い、図40に示すように、3層目の半導体チップ1Cを所定位置に配置する。
【0149】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さになるように流し込み、硬化させて第6絶縁層2Fを形成した後、前記3層目の半導体チップ1Cの外部電極(図示しない)上、及び所定位置にビア穴8を開口する。その後、前記導電性薄膜形成工程を行い、前記3層目の半導体チップ1Cの外部電極上等に形成されたビア穴8及び形成樹脂2(第6絶縁層2F)の上部全面に導電層9を形成し、続けて配線形成工程を行い、図41に示すように、第3配線13を形成する。またこのとき、前記ビア穴8は、前記3層目の半導体チップ1Cの外部電極上に限らず、図41に示したように、前記第2配線4や第1配線3上、前記1層目の半導体チップ1Aあるいは2層目の半導体チップ1Bの外部電極上に形成する場合もある。
【0150】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を一定の高さに流し込み、硬化させて第7絶縁層2Gを形成した後、前記入出力端子形成工程を行い、前記第3配線13の所定位置に炭酸ガスレーザまたはエキシマレーザを用いてボール端子7用の端子穴を開口し、図42に示すように、入出力端子として、例えばPb−Sn系はんだボールのようなボール端子7を取り付ける。
【0151】最後に、前記形成容器20に形成されたものを前記シリコーンゴム系の接着剤から剥し取ると、図35(a)、図35(b)、及び図36に示したコイン状電子装置60が得られる。
【0152】以上説明したように、本実施例4の電子装置においても、複数個の半導体チップを複数回(複数層)に分けて多段階的にパッケージングし、そのパッケージ材料(形成樹脂)の絶縁性を利用して、各層を基板に見立て、各パッケージ層上に配線形成することによって、パッケージングしながら配線形成できるので、配線基板を用いない電子装置を製造可能となる。そのため、配線基板を用いた配線形成でなく、パッケージング工程を利用して配線形成することによって、電子装置を一工程で製造することができるので、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減することが可能となる。
【0153】また、異なる樹脂、または、誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を形成することでき、これによってキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0154】また、配線基板を用いないことから配線長を短くできるので、伝送の遅延時間を少なくすることができ、電気特性が向上することが可能になる。
【0155】さらに、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減できることから、大量製造が容易に可能になる。
【0156】このことから、例えば、小型化、耐衝撃性、及び大量製造が要求される携帯電話のモジュール、ICカード等には特に有効である。
【0157】また、本実施例4のようにパッケージ材料である形成樹脂の外観形状が円板状(コイン状)になるように製造することにより、例えば、ロボット、医療用機器や自動車等のように、特殊な形状であったり、搭載スペースに制約がある搭載装置にも、効率良く電子装置を収納でき、前記搭載装置が大型化することを防げる。
【0158】また、従来のような直方体や平板上、あるいはそれに近い外観形状に限らず、さまざまな外観形状の電子装置を製造することができるため、デザイン性、インテリア性を持った電子装置、あるいは前記電子装置を搭載した搭載装置を得ることができる。
【0159】(実施例5)図43及び図44は、本発明による実施例5の電子装置の概略構成を示す模式図であり、図43(a)は平面図、図43(b)は図43(a)の側面図で、図44は図43(a)のJ−J’線での断面図をそれぞれ示す。
【0160】図43及び図44において、1A,1Bは半導体チップ、2は形成樹脂(絶縁樹脂)、2Aは第1絶縁層、2Bは第2絶縁層、2Cは第3絶縁層、2Dは第4絶縁層、2Eは第5絶縁層、3は第1配線、3Aは第1導通ビア、4は第2配線、4Aは第2導通ビア、12はコネクタ端子、12Aは接続ビア、70は電子装置、71は切り欠き面である。
【0161】本実施例5では、本発明による電子装置の例としてSRAM、EEPROM、FeRAMなどのメモリー系の半導体チップを搭載したカード状の電子装置(以下、カード状電子装置と称する)を取り挙げ説明する。
【0162】本実施例5のカード状電子装置70は、図43(a)、図43(b)、及び図44に示すように、電子装置を構成する、積層された2つの半導体チップ1A,1Bと、前記各半導体チップ1A,1Bを包み込むように設けられ、パッケージング及び配線基板の役目を兼ねた形成樹脂(絶縁樹脂)2と、前記形成樹脂2に設けられた第1配線3、第2配線4と、前記半導体チップ1の外部電極(図示しない)と第1配線3、第2配線4間を電気的に接続する第1導通ビア3A、第2導通ビア4Aと、前記形成樹脂2の表面に形成されたコネクタ端子(入出力端子)12及び前記コネクタ端子12と前記第2配線4とを電気的に接続する接続ビア12Aとから構成される。すなわち、この本実施例5においても、パッケージの中に配線のための基板を有しない構成になっている。また、前記形成樹脂2も、硬化剤配合の液状絶縁樹脂を用いる。また、前記形成樹脂2の外観形状は、カード状であり、図43(a)及び図43(b)に示すように、前記カード状電子装置70の方向を識別するための切り欠き面71が設けられている。
【0163】本実施例5のカード状電子装置は、例えば、小型の移動携帯端末やデジタルカメラ等の記録媒体として使用するものであり、前記半導体チップ1A,1Bとしては、例えば、SRAM、EEPROMなどの電源が切れても書き込まれた内容が消去されないメモリー系の半導体チップがあげられる。
【0164】前記形成樹脂2は、図44に示すように、第1絶縁層2A、第2絶縁層2B、第3絶縁層2C、第4絶縁層2D、第5絶縁層2Eが積層されて一体的に構成されており、1層目の半導体チップ1Aは前記第1絶縁層2Aと第2絶縁層2Bの間に内包され、2層目の半導体チップ1Bは前記第3絶縁層2Cと第4絶縁層2Dの間に内包される。また、前記第1配線3は、前記第2絶縁層2Bと第3絶縁層2Cの間に設けられ、前記第2配線4は、前記第4絶縁層2Dと第5絶縁層2Eの間に設けられる。また、前記第1導通ビア3Aは前記第1配線3と一体的に設けられ、前記第2導通ビア4Aは前記第2配線4と一体的に設けられる。前記第1導通ビア3A、第2導通ビア4Aは、例えば、金属めっきや導電性材料を充填することによって導通を確保している。すなわち、本実施例5のカード状電子装置70においても、パッケージの中に、配線のための基板を有しない構成になっている。また、前記カード状電子装置70では、前記コネクタ端子12が形成樹脂2から露出した構成でパッケージングされる。また、本実施例5のカード状電子装置70は、前記半導体チップ1A,1Bが形成樹脂2で覆われた半導体チップ内蔵型であり、前記半導体チップ1A,1Bの内蔵箇所でない前記形成樹脂2の表面スペースにコネクタ端子12が設けられた構成をとる。
【0165】前記半導体チップ1と前記コネクタ端子12との電気的接続は、前記形成樹脂2を構成する絶縁層間に設けられた第1配線3、第2配線4と、前記第1絶縁層2Aに設けられる第1導通ビア3A、前記第2絶縁層2Bに設けられる第2導通ビア4A及び前記コネクタ端子12に接続される接続ビア12Aを介して行われる。本実施例1のメモリモジュール30は、前記コネクタ端子12を含め3層の導電配線層が形成されている。
【0166】図45乃至図48は本実施例5の電子装置の製造工程を説明するための模式図であり、図45は本実施例5の電子装置の製造に使用する形成容器の模式図で、図45(a)は平面図、図45(b)は図45(a)のK−K’線での断面図、図46乃至図48は各製造工程における模式断面図で、図45(a)のK−K’線に対応する断面図である。
【0167】以下、本実施例5のカード状電子装置70の製造方法について図45乃至図48を用いて説明する。
【0168】まず、図45(a)及び図45(b)に示すように、本実施例5のカード状電子装置70を製造する際に使用する形成容器20Dを準備する。前記形成容器20Dには、図43に示したようなカード状電子装置70の外観形状にあわせて加工された凹部25と、半導体チップを搭載する際の位置決め用のマーカー22が設けられている。
【0169】次に、前記形成容器20Dの凹部25にシリコーンゴム系の離型性に優れた接着剤(図示しない)を流し込んだ後、前記第1樹脂層形成工程を行い、図46(a)に示すように、形成容器20Dの凹部25に、形成樹脂2を所定の高さまで流し込み、半硬化状態させて第1絶縁層2Aを形成し、続けて前記チップ配置工程を行い、半導体チップの素子形成面を上向きにし、1層目の半導体チップ1Aを位置決めして配置する。また、半導体チップで発生する熱を放出する放熱板5を取り付ける場合には、前記第1樹脂層形成工程の代わりに、前記放熱板設置工程を行い、図4(a)に示したように、接着剤6を塗布した前記放熱板5を設置した上に、前記1層目の半導体チップ1Aを位置決めして配置する。このとき、前記接着剤6を塗布した放熱板5は、コネクタ端子の配置エリアと平面的に重ならないように設置する。
【0170】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を、少なくとも前記半導体チップ1Aが隠れる程度の高さまで流し込み、硬化させて第2絶縁層2Bを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、前記形成樹脂2(第2絶縁層2B)にビア穴8を形成し、続けて前記導電性薄膜形成工程及び前記配線形成工程を行い、図46(b)に示すように、前記第2絶縁層2B上部の所定位置に1層目の第1配線3及び前記第1配線3と半導体チップ1Aの外部電極(図示しない)とを電気的に接続する第1導通ビア3Aを形成する。
【0171】次に、前記第3樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を再度流し込み、硬化させて第3絶縁層2Cを形成した後、前記チップ配置工程を行い、図47(a)に示すように、2層目の半導体チップ1Bを位置決めして配置する。
【0172】次に、前記第2樹脂層形成工程を行い、形成樹脂2を流し込み、硬化させて第4絶縁層2Dを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、所定位置にビア穴8を形成する。その後、前記導電性薄膜形成工程及び前記配線形成工程を行い、前記第4絶縁層2D上部の所定位置の第2配線4と、前記第2配線4と前記半導体チップ1Bの外部電極あるいは前記第1配線3とを電気的に接続する第2導通ビア4Aを形成する。
【0173】次に、前記第3樹脂形成工程を行い、形成樹脂2を流し込み、硬化させて第5絶縁層2Eを形成した後、前記ビア穴形成工程を行い、前記第2配線4とコネクタ端子12と接続するビア穴8を開口する。その後、前記導電性薄膜形成工程を行い、形成樹脂2(第5絶縁層2E)の表面とビア穴8に導電層を形成した後、前記配線形成工程を行い、図48に示すように、コネクタ端子12と前記コネクタ端子12及び前記第2配線4を電気的に接続する接続ビア12Aを形成する。
【0174】最後に、形成容器20Dから形成されたもの前記シリコーンゴム系の接着剤から剥し取ると、図43(a)、図43(b)、及び図44に示したカード状電子装置70が得られる。
【0175】以上説明したように、SRAMやEEPROMなどのメモリー系の半導体チップ1を複数回(複数層)に分けて多段階的にパッケージングし、そのパッケージ材料(形成樹脂)の絶縁性を利用して、各パッケージ層上に配線形成することによって、パッケージングしながら配線形成できるので、前記各層を配線基板と見立てて、前記半導体チップと配線基板が一体的になった電子装置を製造することができる。言い換えると、従来のような、半導体チップ搭載用の配線基板(実装基板)を用いることなく電子装置を形成することができる。
【0176】また、従来の電子装置の製造にかかっていた、複数個の半導体チップからなる半導体装置を製造する工程、前記半導体チップを搭載する配線基板(実装基板)を製造する工程、及び半導体チップと配線基板を接続する工程等の複数の製造工程を一つの工程として行うことができるので、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減することが可能となる。
【0177】また、異なる樹脂、または、誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を形成することもでき、これによってキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0178】また、本実施例5の電子装置は、配線基板を用いない構成であるとともに、従来のように、搭載する半導体チップがあらかじめレジン等の樹脂で封止されていなくても良いので、電子装置を容易に小型化できる。
【0179】また、配線基板を用いないことから配線長を短くできるので、伝送の遅延時間を少なくすることができ、電気特性が向上することが可能になる。
【0180】さらに、従来のように、配線基板に半導体装置を搭載した構造ではなく、配線、半導体チップ等を絶縁樹脂でパッケージングした構造を有するので、電子装置の全体の耐衝撃性が向上する。
【0181】また、本実施例5では、カード状の電子装置の例として、SRAMやEEPROMを搭載した記録媒体を例にあげたが、これに限らず、例えば、ICカードなどにも適用することができる。
【0182】以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることはもちろんである。
【0183】例えば、前記実施例3では外観形状が球形の電子装置、前記実施例4では円柱状(コイン状)の電子装置、前記実施例5ではカード状の電子装置を例にあげて説明したが、前記電子装置の外観形状、言い換えれば前記形成樹脂2の外観形状は、前記球形、コイン状、カード状に限らず、円錐状や、三角錐、四角錘などの多角錘状でもよいし、環状(リング状)等でも良く、前記電子装置を製造する際に使用する形成容器に設ける凹部の形状を、任意の形状に設定することで、さまざまな外観形状を持つ電子装置を製造することができる。
【0184】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0185】電子装置を複数回(複数層)に分けてパッケージし、その際にパッケージ材料の絶縁性を利用して、各層を基板に見立てて配線形成することによって、従来、電子装置の製造工程のように、複数個の半導体チップからなる半導体装置を製造する工程、前記半導体装置を搭載する基板を製造する工程、及び前記半導体装置と配線基板を接続する工程等の複数の工程を一つの工程として行うことができるので、電子装置の製造時間を短縮し、製造コストを削減することが可能となる。
【0186】また、前記電子装置を製造する際に使用する形成容器の凹部の形状を変更することにより、さまざまな外観形状の電子装置を製造することができるので、前記電子装置を搭載する搭載装置内の搭載スペースにあわせた電子装置を製造することができ、前記搭載装置を小型化することができる。
【0187】また、さまざまな外観形状の電子装置を製造することができるため、前記電子装置を搭載する搭載装置の形状も、前記電子装置の形状に合わせて多様化させることができ、デザイン性を備えた電子装置、あるいは搭載装置を製造することができる。
【0188】また、異なる樹脂、または、誘電率が異なるように加工した樹脂を組み合わせて電子装置を形成することもでき、これによってキャパシタンスの調整を行うことが可能になる。
【0189】また、配線基板を用いないことから配線長を短くできるので、伝送の遅延時間を少なくすることができ、電気特性が向上することが可能になる。
【0190】また、配線基板を用いない構成であるため、電子装置を容易に小型化できる。
【0191】さらに、配線、半導体チップ等を絶縁樹脂でパッケージングした構造を有するので、耐衝撃性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる電子装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1のA−A’線での模式断面図である。
【図3】本発明にかかわる電子装置の製造に用いる形成容器の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図5】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図6】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図7】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図8】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図9】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図10】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図11】本発明にかかわる電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図12】本発明にかかわる電子装置を複数個組み合わせた電子装置の例を示す模式図である。
【図13】本発明による実施例1の電子装置の概略構成を示す模式図である。
【図14】本実施例1の電子装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図15】本実施例1の電子装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図16】本実施例1の電子装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明による実施例2の電子装置の概略構成を示す模式図である。
【図18】図17のB−B’線での断面図である。
【図19】本実施例2の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図20】本実施例2の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図21】本実施例2の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図22】本実施例2の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図23】本実施例2の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図24】本実施例2の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図25】本発明による実施例3の電子装置の概略構成を示す模式図である。
【図26】図25のE−E’線での断面図である。
【図27】本実施例3の電子装置を製造する際に用いる形成容器の概略構成を示す図である。
【図28】本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図29】本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図30】本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図31】本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図32】本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図33】本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図34】本実施例3の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図35】本発明による実施例4の電子装置の概略構成を示す模式図である。
【図36】図35のH−H’での断面図である。’
【図37】本実施例4の電子装置を製造する際に用いる形成容器の概略構成を示す図である。
【図38】本実施例4の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図39】本実施例4の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図40】本実施例4の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図41】本実施例4の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図42】本実施例4の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図43】本発明による実施例5の電子装置の概略構成を示す模式図である。
【図44】図43のJ−J’線での断面図である。
【図45】本実施例5の電子装置を形成する際に用いる形成容器の概略構成を示す模式図である。
【図46】本実施例5の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図47】本実施例5の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図48】本実施例5の電子装置の製造方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C 半導体チップ
2 形成樹脂(絶縁樹脂)
2A,2A’ 第1絶縁層
2B,2B’ 第2絶縁層
2C,2C’ 第3絶縁層
2D,2D’ 第4絶縁層
2E 第5絶縁層
2F 第6絶縁層
2G 第7絶縁層
3 第1配線
3A 第1導通ビア
4 第2配線
4A 第2導通ビア
5 放熱板
6 接着剤
7 ボール端子
8 ビア穴
9 導電層
10,40 電子装置
11 ボード(実装基板)
11A インタポーザ
11B 挿入ピン
12 コネクタ端子
12A 接続ビア
13 第3配線
13A 第3導通ビア
20,20A,20B,20C,20D 形成容器
21,23,24,25 凹部
22 マーカー
30 電子装置(メモリモジュール)
50 電子装置(球形電子装置)
51 端子形成面
52,52’ 内部接続ビア
53 外部接続ビア
54 端子ピン
60 電子装置(コイン状電子装置)
70 電子装置(カード状電子装置)
71 切り欠き面

【特許請求の範囲】
【請求項1】1個または複数個の半導体チップと、前記半導体チップと接続される配線と、前記配線と接続された外部装置との入出力用端子を有し、それらを複数層の絶縁樹脂で段階的にパッケージングし、前記複数の各絶縁樹脂層間に前記半導体チップ、または前記半導体チップとの接続を行う配線を設け、前記半導体チップと配線との接続を行う導通ビアを前記絶縁樹脂層に設け、配線基板を設けない構成にした電子装置であって、前記電子装置の外観形状が、直方体、球体、円柱状等の形状に構成されてなることを特徴とする電子装置。
【請求項2】前記請求項1に記載の電子装置において、前記複数の絶縁樹脂層を介して、複数個の半導体チップが積載された構造を有することを特徴とする電子装置。
【請求項3】前記請求項1に記載の電子装置において、1つの絶縁樹脂層間に複数個の半導体チップが設けられた構造を有することを特徴とする電子装置。
【請求項4】前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子装置において、前記半導体チップで生じる熱を放出する放熱板が、前記半導体チップの非素子形成面、または前記絶縁樹脂層に設けられていることを特徴とする電子装置。
【請求項5】前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子装置において、前記複数層の絶縁樹脂のうち、少なくとも1層、または同一層内の一部分が異なる誘電率を有することを特徴とする電子装置。
【請求項6】立方体、半球体、円柱体等の外観形状に構成された凹型の形成容器を用いた電子装置の製造方法であって、前記形成容器内の凹部に硬化剤配合の液状絶縁樹脂を所定の厚さに流し込み、前記液状絶縁樹脂を半硬化状態させた第1の絶縁樹脂層を形成する第1樹脂層形成工程と、前記第1の絶縁樹脂層上に素子形成面を上向きにした1個または複数個の半導体チップを配置するチップ配置工程と、前記半導体チップ上に所定の高さになるように液状絶縁樹脂を流し込み、前記液状絶縁樹脂を硬化させて第2の絶縁樹脂層を形成する第2樹脂層形成工程と、前記半導体チップとの接続のためのビア穴を前記第2の絶縁樹脂層に形成するビア穴形成工程と、前記ビア穴及び第2の絶縁樹脂層上に導電性薄膜を形成する導電性薄膜形成工程と、前記導電性薄膜をエッチングして配線を形成する配線形成工程と、前記形成された配線上に液状絶縁樹脂を流し込み、前記液状絶縁樹脂を硬化させて第3の絶縁樹脂層を形成する第3樹脂層形成工程と、入出力端子のためのビア穴を前記第3の絶縁樹脂層に形成し、前記ビア穴を介して前記配線と接続する入出力端子を形成する入出力端子形成工程と、からなることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項7】前記請求項6に記載の電子装置の製造方法において、前記第1樹脂形成工程の代わりに、前記形成容器内の凹部に前記半導体チップを固着する接着剤を塗布した放熱板を設置する放熱板設置工程を有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項8】前記請求項6または7に記載の電子装置の製造方法において、複数個の半導体チップの積載、または複数層の配線形成を行う場合には、前記樹脂層形成工程、チップ配置工程、ビア穴形成工程、導電性薄膜形成工程、または配線形成工程を必要に応じて複数回繰り返すことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項9】前記請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法において、前記各樹脂層形成工程に用いられる絶縁樹脂層は、少なくとも1層、または同一層内の一部分が異なる誘電率を有することを特徴とする電子装置の製造方法。

【図2】
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【図31】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図11】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図25】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図33】
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【図15】
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【図17】
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【図23】
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【図26】
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【図28】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図43】
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【図21】
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【図22】
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【図24】
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【図27】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図40】
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【図37】
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【図38】
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【図44】
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【図48】
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【図39】
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【図41】
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【図42】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2002−50721(P2002−50721A)
【公開日】平成14年2月15日(2002.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−240373(P2000−240373)
【出願日】平成12年8月3日(2000.8.3)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】