説明

電子部品供給装置及び電子部品実装装置

【課題】テープに保持されたラジアルリード形電子部品を適切に吸着位置に搬送することができること。
【解決手段】ラジアルリード形電子部品を吸着領域に供給する電子部品供給装置であって、電子部品保持テープを案内する案内溝を備える筐体と、テープ送り爪ユニット及びテープ送り爪ユニットをテープ送り方向に往復移動させる駆動部と、を備え、案内溝に案内された電子部品保持テープをテープ送り方向に搬送するフィードユニットと、吸着領域に移動された前記ラジアルリード形電子部品のリードを切断し、前記ラジアルリード形電子部品と前記電子部品保持テープとを分離するカットユニットと、テープ送り爪ユニットと筐体とのテープ送り方向における相対位置を調整する位置調整機構と、を有することで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を供給する電子部品供給装置及び電子部品をノズルで吸着して移動させ、基板上に搭載する電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に電子部品を搭載する電子部品実装装置は、ノズルを備えるヘッドを有し、当該ノズルで電子部品を吸着して基板上に搭載する。電子部品実装装置は、ヘッドのノズルを基板の表面に直交する方向に移動させることで、電子部品供給装置にある部品を吸着し、その後、ヘッドを基板の表面に平行な方向に相対的に移動させ、吸着している部品の搭載位置に到着したらヘッドのノズルを基板の表面に直交する方向に移動させ基板に近づけることで吸着した電子部品を基板上に搭載する。
【0003】
ここで、電子部品実装装置は、基板に搭載する電子部品をノズルが吸着する位置に供給する電子部品供給装置を複数備える。電子部品供給装置は、同一種類の電子部品が所定の間隔で配置されたテープと、当該テープを送る搬送部と、を有し、搬送部でテープの電子部品が配置されている部分をノズルが吸着する位置に送ることで、ノズルが吸着可能な位置に電子部品を供給する。また、電子部品供給装置には、ラジアル方向にリード線が配置されたラジアルリード形電子部品を供給するものもある(特許文献1)。
【0004】
特許文献1に記載の電子部品供給装置(自動供給装置)は、電子部品のリードをテープに固定し、テープを搬送することで、電子部品を所定の位置まで搬送する。また、電子部品供給装置は、電子部品を所定の位置に搬送した場合、所定の位置にある電子部品のリードを切断することで電子部品をテープから分離し、電子部品をノズルで搬送可能な状態とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平7−48595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子部品実装装置が、特許文献1に記載の電子部品供給装置(自動供給装置)を用いることで、ラジアルリード形電子部品を基板に搭載することができる。ここで、ラジアルリード形電子部品を保持するテープとしては、種々の種類がある。例えば、ラジアルリード形電子部品の形状、大きさ、テープの移動方向におけるラジアルリード形電子部品の位置がテープによって異なる場合がある。この場合、電子部品供給装置は、前記テープを搬送させる位置が同じ場合、ノズルの吸着領域に電子部品を搬送できないテープが発生する。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、テープに保持されたラジアルリード形電子部品を適切に吸着領域に搬送することができる電子部品供給装置及びラジアルリード形電子部品を効率よく高い精度で搭載することができる電子部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、一定間隔で穴が形成されたテープ本体と当該テープ本体に一定間隔で保持された複数のラジアルリード形電子部品とを備える電子部品保持テープが装填され、前記電子部品保持テープが保持する前記ラジアルリード形電子部品を吸着領域に供給する電子部品供給装置であって、前記電子部品保持テープを案内する案内溝を備える筐体と、前記テープ本体の前記穴に挿入される送り爪を備えるテープ送り爪ユニット及び前記テープ送り爪ユニットをテープ送り方向の少なくとも送りピッチに相当して往復移動させる駆動部と、を備え、前記案内溝に案内された前記電子部品保持テープを前記テープ送り方向に搬送するフィードユニットと、前記吸着領域に移動された前記ラジアルリード形電子部品のリードを切断し、前記ラジアルリード形電子部品と前記電子部品保持テープとを分離するカットユニットと、前記テープ送り爪ユニットと前記筐体との前記テープ送り方向における相対位置を調整する位置調整機構と、を有することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記位置調整機構は、前記筐体と前記フィードユニットとの前記テープ送り方向における相対位置を変更することで、前記テープ送り爪ユニットと前記筐体との相対位置を調整することが好ましい。
【0010】
また、前記位置調整機構は、前記筐体に形成された前記テープ送り方向に細長い長穴と、前記長穴に対して挿入位置を前記テープ送り方向に変更可能で前記フィードユニットに螺合し、前記筐体を前記フィードユニットに対して締め付けることで、前記フィードユニットを前記筐体に対して固定するねじと、を有し、前記ねじの前記長穴に対する位置を変更することで、前記フィードユニットと前記筐体との前記テープ送り方向における相対位置を変更することが好ましい。
【0011】
また、前記フィードユニットは、前記駆動部の前記テープ送り爪ユニットとの連結部に設けられた先端支持部をさらに有し、前記位置調整機構は、前記先端支持部に対する前記テープ送り爪ユニットの相対位置を変更することで、前記テープ送り爪ユニットと前記筐体との前記テープ送り方向における相対位置を調整することが好ましい。
【0012】
また、前記先端支持部は、前記テープ送り爪ユニットに挿入されたねじの配置ピッチと同じねじ穴の組合せを、前記テープ送り方向の異なる位置に複数有し、前記位置調整機構は、前記ねじを挿入させるねじ穴の組合せを切り換えることで、前記先端支持部と前記テープ送り爪ユニットとの前記テープ送り方向における相対位置を変更することが好ましい。
【0013】
また、前記駆動部は、前記テープ送り爪ユニットを往復移動させる範囲が前記テープ本体の前記穴の間隔よりも長い距離であることが好ましい。
【0014】
ここで、前記案内溝は、前記吸着領域を通過した前記電子部品保持テープを案内する向きを反転させる折り返し部を備えるU字形状であることが好ましい。
【0015】
また、前記フィードユニットは、前記テープ送り爪ユニットと同じ構成であり、前記案内溝のU字形状の前記折り返し部を介して前記テープ送り爪ユニットに対面する位置に配置された戻り方向テープ送り爪ユニットと、前記テープ送り爪ユニットと前記戻り方向テープ送り爪ユニットとの間に配置され、前記テープ送り爪ユニットの移動に連動させて、前記戻り方向テープ送り爪ユニットを前記テープ送り爪ユニットとは反対方向に移動させる連動機構と、を備え、前記戻り方向テープ送り爪ユニットは、前記送り爪が前記折り返し部を通過した前記電子部品保持テープの前記テープ本体の前記穴に挿入され、前記折り返し部を通過した前記電子部品保持テープをテープ送り方向に搬送することが好ましい。
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電子部品実装装置であって、上記のいずれかに記載の電子部品供給装置と、前記電子部品供給装置から供給される電子部品を吸着するノズルと前記ノズルを駆動するノズル駆動部と前記ノズル及び前記ノズル駆動部とを支持するヘッド支持体とを有するヘッド本体と、前記ヘッド本体及び前記電子部品供給装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる電子部品供給装置は、テープに保持されたラジアルリード形電子部品を適切に吸着位置に搬送することができるという効果を奏する。また、本発明にかかる電子部品実装装置は、ラジアルリード形電子部品を効率よく高い精度で搭載することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、電子部品実装装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、電子部品実装装置の部品供給ユニットの概略構成を示す模式図である。
【図4】図4は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。
【図5】図5は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す斜視図である。
【図6】図6は、電子部品保持テープの一例の概略構成を示す模式図である。
【図7】図7は、電子部品保持テープの他の例の概略構成を示す模式図である。
【図8】図8は、部品供給ユニットの電子部品供給装置の概略構成を示す斜視図である。
【図9】図9は、部品供給ユニットの電子部品供給装置の概略構成を示す図8とは異なる方向の斜視図である。
【図10】図10は、部品供給ユニットの電子部品供給装置の概略構成を示す説明図である。
【図11】図11は、電子部品供給装置のクランプユニットの概略構成を示す説明図である。
【図12】図12は、電子部品供給装置のフィードユニットの概略構成を示す説明図である。
【図13】図13は、フィードユニットの先端支持部の概略構成を示す説明図である。
【図14】図14は、フィードユニットのテープ送り爪ユニットの概略構成を示す説明図である。
【図15】図15は、フィードユニットの動作を説明するための説明図である。
【図16】図16は、電子部品供給装置のカットユニットの概略構成を示す説明図である。
【図17】図17は、電子部品供給装置のカットユニットの概略構成を示す説明図である。
【図18】図18は、電子部品供給装置のカットユニットの概略構成を示す説明図である。
【図19】図19は、電子部品供給装置のフィードユニットの他の例の概略構成を示す説明図である。
【図20】図20は、図19に示すフィードユニットの概略構成を示す正面図である。
【図21】図21は、図19に示すフィードユニットの概略構成を示す上面図である。
【図22】図22は、図19に示すフィードユニットの他の状態の概略構成を示す正面図である。
【図23】図23は、図19に示すフィードユニットの他の状態の概略構成を示す上面図である。
【図24】図24は、図19に示すフィードユニットの概略構成を示す説明図である。
【図25】図25は、図19に示すフィードユニットの他の状態の概略構成を示す説明図である。
【図26】図26は、図19に示すフィードユニットの連動機構の概略構成を示す説明図である。
【図27】図27は、筐体の他の例の概略構成を示す説明図である。
【図28】図28は、図19に示すフィードユニットの動作を説明するための説明図である。
【図29】図29は、図19に示すフィードユニットの動作を説明するための説明図である。
【図30】図30は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。
【図31】図31は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。
【図32】図32は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。
【図33】図33は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。
【図34】図34は、認識動作の検出結果の一例を示す模式図である。
【図35】図35は、認識動作の検出結果の一例を示す模式図である。
【図36】図36は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。
【図37】図37は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図38】図38は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図39】図39は、電子部品実装装置の動作を説明するための説明図である。
【図40】図40は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図41】図41は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図42】図42は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図43】図43は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0020】
以下に、本発明にかかる電子部品供給装置及び電子部品実装装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。図2は、電子部品実装装置の概略構成を示す斜視図である。図3は、電子部品実装装置の部品供給ユニットの概略構成を示す模式図である。
【0021】
図1及び図2に示す電子部品実装装置10は、基板8の上に電子部品を搭載する装置である。電子部品実装装置10は、基板搬送部12と、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15f、15rと、XY移動機構16と、を有する。XY移動機構16は、X軸駆動部22f、22rと、Y軸駆動部24と、を備える。ここで、本実施形態の電子部品実装装置10は、図1に示すように、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15f、15rと、X軸駆動部22f、22rと、を備える。このように、電子部品実装装置10は、一部の構成を2つずつ備えるが、図2では、各部の構成をわかりやすく示すため、部品供給ユニット14r、ヘッド15rと、X軸駆動部22rと、の図示を省略する。電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14f、ヘッド15fと、X軸駆動部22fと、が電子部品実装装置10のフロント側に配置される1つのモジュールとなり、部品供給ユニット14r、ヘッド15rと、X軸駆動部22rと、が電子部品実装装置10のリア側に配置される1つのモジュールとなる。また、以下では、2つの部品供給ユニット14f、14rを特に区別しない場合、部品供給ユニット14とし、2つのヘッド15f、15rを特に区別しない場合、ヘッド15とし、2つのX軸駆動部22f、22rを特に区別しない場合、X軸駆動部22とする。
【0022】
基板8は、電子部品を搭載する部材であればよく、その構成は特に限定されない。本実施形態の基板8は、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。基板8に設けられた配線パターンの表面には、リフローによって板状部材の配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。また、基板8には、電子部品が挿入されるスルーホールも形成されている。
【0023】
基板搬送部12は、基板8を図中X軸方向に搬送する搬送機構である。基板搬送部12は、X軸方向に延在するレールと、基板8を支持し、基板8をレールに沿って移動させる搬送機構とを有する。基板搬送部12は、基板8の搭載対象面がヘッド15と対面する向きで、基板8を搬送機構によりレールに沿って移動させることで基板8をX軸方向に搬送する。基板搬送部12は、電子部品実装装置10に供給する機器から供給された基板8を、レール上の所定位置まで搬送する。ヘッド15は、前記所定位置で、電子部品を基板8の表面に搭載する。基板搬送部12は、前記所定位置まで搬送した基板8上に電子部品が搭載されたら、基板8を、次の工程を行う装置に搬送する。なお、基板搬送部12の搬送機構としては、種々の構成を用いることができる。例えば、基板8の搬送方向に沿って配置されたレールと前記レールに沿って回転するエンドレスベルトとを組合せ、前記エンドレスベルトに基板8を搭載した状態で搬送する、搬送機構を一体としたベルト方式の搬送機構を用いることができる。
【0024】
部品供給ユニット14は、基板8上に搭載する電子部品を多数保持し、図3に示すように、ヘッド15に供給可能、つまり、ヘッド15で吸着可能な状態とする複数の電子部品供給装置(以下、単に「部品供給装置」ともいう。)100、100aと、複数の部品供給装置100、100aを保持する支持台102とを有する。支持台102は、複数の部品供給装置100、100aを搭載したり、部品供給装置100、100aの他の装置(例えば、計測装置やカメラ等)を搭載したりすることができる。部品供給ユニット14は、支持台102に保持されている複数の部品供給装置100、100aが、搭載する電子部品の種類、電子部品を保持する機構または供給機構が異なる複数種類の部品供給装置100、100aで構成される。また、部品供給ユニット14は、同一種類の部品供給装置100、100aを複数備えていてもよい。また、部品供給ユニット14は、装置本体に対して着脱可能な構成とすることが好ましい。
【0025】
また、部品供給装置100は、テープにラジアルリード形電子部品のリードを貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15にラジアルリード形電子部品を供給する。部品供給装置100は、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、保持しているラジアルリード形電子部品をヘッド15のノズルにより電子部品が吸着できる吸着領域(吸着位置)まで移動するテープフィーダである。部品供給装置100は、吸着領域まで移動させたラジアルリード形電子部品のリードを切断して分離することで、当該テープでリードが固定されたラジアルリード形電子部品を所定位置に吸着可能な状態とすることができ、当該ラジアルリード形電子部品をヘッド15のノズルにより吸着することができる。
【0026】
部品供給装置100aは、テープに基板搭載するチップ型の電子部品を貼り付けて構成される電子部品収容テープを使用してヘッド15に電子部品を供給する。なお、電子部品収容テープは、テープに複数の格納室が形成されており、当該格納室に電子部品が格納されている。部品供給装置100aは、電子部品収容テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、格納室をヘッド15のノズルにより電子部品が吸着できる吸着領域まで移動させるテープフィーダである。なお、格納室を吸着領域に移動させることで、当該格納室に収容されている電子部品を所定位置に露出した状態とすることができ、当該電子部品をヘッド15のノズルにより吸着することができる。
【0027】
ヘッド15は、部品供給ユニット14に保持された電子部品(部品供給装置100に保持されたラジアルリード形電子部品または部品供給装置100aに保持されたチップ電子部品)を吸着し、吸着した電子部品を基板搬送部12によって所定位置に移動された基板8上に搭載する機構である。なお、ヘッド15の構成については、後述する。
【0028】
XY移動機構16は、ヘッド15f、15rを図2中X軸方向及びY軸方向、つまり、基板8の表面と平行な面上で移動させる移動機構でありX軸駆動部22f、22rとY軸駆動部24とを有する。X軸駆動部22fは、ヘッド15fと連結しており、ヘッド15fをX軸方向に移動させる。X軸駆動部22rは、ヘッド15rと連結しており、ヘッド15rをX軸方向に移動させる。Y軸駆動部24は、X軸駆動部22を介してヘッド15と連結しており、X軸駆動部22fをY軸方向に移動させることで、ヘッド15fをY軸方向に移動させ、X軸駆動部22rをY軸方向に移動させることで、ヘッド15rをY軸方向に移動させる。XY移動機構16は、ヘッド15fをXY軸方向に移動させることで、ヘッド15fを基板8と対面する位置、または、部品供給ユニット14fと対面する位置に移動させることができる。XY移動機構16は、ヘッド15rをXY軸方向に移動させることで、ヘッド15rを基板8と対面する位置、または、部品供給ユニット14rと対面する位置に移動させることができる。また、XY移動機構16は、ヘッド15を移動させることで、ヘッド15と基板8との相対位置を調整する。これにより、ヘッド15が保持した電子部品を基板8の表面の任意の位置に移動させることができ、電子部品を基板8の表面の任意の位置に搭載することが可能となる。なお、X軸駆動部22としては、ヘッド15を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。Y軸駆動部24としては、X軸駆動部22を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。対象物を所定の方向に移動させる機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。
【0029】
電子部品実装装置10は、2つのヘッド15f、15rを備えることで、1つの基板に対して、交互に電子部品を搭載することができる。このように、2つのヘッド15で交互に電子部品を搭載することで、一方のヘッドが電子部品を基板に搭載している間に、他方のヘッドは、部品供給装置にある電子部品を吸着することができる。これにより、基板8に電子部品が搭載されない時間をより短くすることができ、効率よく電子部品を搭載することができる。
【0030】
次に、図4及び図5を用いて、ヘッド15の構成について説明する。図4は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。図5は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す斜視図である。なお、図4には、電子部品実装装置10を制御する各種制御部と部品供給ユニット14の1つの部品供給装置100もあわせて示す。ヘッド15は、図4及び図5に示すように、ヘッド本体30とレーザ認識装置38と、を有する。電子部品実装装置10は、図4に示すように、制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、を有する。また、電子部品実装装置10は、電源と接続されており電源から供給される電力を制御部60、ヘッド制御部62、部品供給制御部64及び各種回路を用いて、各部に供給する。制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64とについては後述する。
【0031】
電子部品供給装置100は、電子部品保持テープに保持された電子部品80が露出している。電子部品供給装置100は、電子部品保持テープを引き出し、移動させることで、電子部品保持テープに保持された電子部品80を吸着領域に移動させる。本実施形態では、部品実装装置100のY軸方向の先端近傍が、ヘッド15のノズルが電子部品保持テープに保持された電子部品80を吸着する吸着領域となる。電子部品供給装置100の構成については後述する。また、電子部品供給装置100aの場合も同様に、所定の位置が、ヘッド15のノズルが電子部品収容テープに保持された電子部品80を吸着する吸着領域となる。
【0032】
ヘッド本体30は、各部を支持するヘッド支持体31と、複数のノズル32と、ノズル駆動部34と、を有する。本実施形態のヘッド本体30には、図5に示すように、6本のノズル32が一列に配置されている。6本のノズル32は、X軸に平行な方向に並んでいる。
【0033】
ヘッド支持体31は、X軸駆動部22と連結している支持部材であり、ノズル32及びノズル駆動部34を支持する。なお、ヘッド支持体31は、レーザ認識装置38も支持している。
【0034】
ノズル32は、電子部品80を吸着し、保持する吸着機構である。ノズル32は、先端に開口33を有し、この開口33から空気を吸引することで、先端に電子部品80を吸着し、保持する。なお、ノズル32は、開口33が形成され電子部品80を吸着する先端部に連結されたシャフト32aを有する。シャフト32aは、先端部を支持する棒状の部材であり、Z軸方向に延在して配置されている。シャフト32aは、内部に開口33とノズル駆動部34の吸引機構とを接続する空気管(配管)が配置されている。
【0035】
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させ、ノズル32の開口33で電子部品80を吸着させる。ここで、Z軸は、XY平面に対して直交する軸である。なお、Z軸は、基板の表面に対して直交する方向となる。また、ノズル駆動部34は、電子部品の実装時等にノズル32をθ方向に回転させる。θ方向とは、すなわち、Z軸駆動部80がノズル32を移動させる方向と平行な軸であるZ軸を中心とした円の円周方向と平行な方向である。なお、θ方向は、ノズル32の回動方向となる。
【0036】
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させる機構として、例えば、Z軸方向が駆動方向となる直動リニアモータを有する機構がある。ノズル駆動部34は、直動リニアモータでノズル32のシャフト32aをZ軸方向に移動させることで、ノズル32の先端部の開口33をZ軸方向に移動させる。また、ノズル駆動部34は、ノズル32をθ方向に回転させる機構として、例えばモータとシャフト32aに連結された伝達要素とで構成された機構がある。ノズル駆動部34は、モータから出力された駆動力を伝達要素でシャフト32aに伝達し、シャフト32aをθ方向に回転させることで、ノズル32の先端部もθ方向に回転させる。
【0037】
ノズル駆動部34は、ノズル32の開口33で電子部品80を吸着させる機構、つまり吸引機構としては、例えば、ノズル32の開口33と連結された空気管と、当該空気管と接続されたポンプと、空気管の管路の開閉を切り換える電磁弁と、を有する機構がある。ノズル駆動部34は、ポンプで空気管の空気を吸引し、電磁弁の開閉を切り換えることで開口33から空気を吸引するか否かを切り換える。ノズル駆動部34は、電磁弁を開き開口33から空気を吸引することで開口33に電子部品80を吸着させ、電磁弁を閉じ開口33から空気を吸引しないことで開口33に吸着していた電子部品80を開放する、つまり開口33で電子部品80を吸着しない状態とする。
【0038】
また、ヘッド本体30は、ヘッド支持体31とともに移動し、自身と対向する位置に配置された部材である基板8との距離を検出する距離センサをさらに備えていてもよい。ヘッド本体30は、距離センサで距離を検出することで、ヘッド支持体31と基板8との相対位置や、ヘッド支持体31と部品供給装置100、100aとの相対位置を検出することができる。なお、本実施形態では、距離センサと基板8等の距離に基づいて、ヘッド支持体31と基板8等の距離を算出する演算を、ヘッド制御部62で行う。
【0039】
レーザ認識装置38は、光源38aと、受光素子38bと、有する、レーザ認識装置38は、ブラケット50に内蔵されている。ブラケット50は、図4に示すように、ヘッド支持体31の下側、基板8及び部品供給装置100側に連結されている。レーザ認識装置38は、ヘッド本体30のノズル32で吸着した電子部品80に対して、レーザ光を照射することで、電子部品80の状態を検出する装置である。ここで、電子部品80の状態とは、電子部品80の形状、ノズル32で電子部品80を正しい姿勢で吸着しているか等である。光源38aは、レーザ光を出力する発光素子である。受光素子38bは、Z軸方向における位置、つまり高さが同じ位置であり、光源38aに対向する位置に配置されている。レーザ認識装置38による形状の認識処理については後述する。
【0040】
次に、電子部品実装装置10の装置構成の制御機能について説明する。電子部品実装装置10は、図4に示すように、制御機能として、制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、を有する。各種制御部は、それぞれ、CPU、ROMやRAM等の演算処理機能と記憶機能とを備える部材で構成される。また、本実施形態では、説明の都合で複数の制御部としたが、1つの制御部としてもよい。また、電子部品実装装置10の制御機能を1つの制御部とした場合、1つの演算装置で実現しても複数の演算装置で実現してもよい。
【0041】
制御部60は、電子部品実装装置10の各部と接続されており、入力された操作信号や、電子部品実装装置10の各部で検出された情報に基づいて、記憶されているプログラムを実行し、各部の動作を制御する。制御部60は、例えば、基板8の搬送動作、XY移動機構16によるヘッド15の駆動動作、レーザ認識装置38による形状の検出動作等を制御する。また、制御部60は、上述したようにヘッド制御部62に各種指示を送り、ヘッド制御部62による制御動作も制御する。制御部60は、ヘッド制御部62や部品供給制御部64による制御動作も制御する。
【0042】
ヘッド制御部62は、ノズル駆動部34、ヘッド支持体31に配置された各種センサ及び制御部60に接続されており、ノズル駆動部34を制御し、ノズル32の動作を制御する。ヘッド制御部62は、制御部60から供給される操作指示及び各種センサ(例えば、距離センサ)の検出結果に基づいて、ノズル32の電子部品の吸着/開放動作、各ノズル32の回動動作、Z軸方向の移動動作を制御する。
【0043】
部品供給制御部64は、部品供給ユニット14による電子部品80の供給動作を制御する。部品供給制御部64は、部品供給装置100、100a毎に設けても、1つですべての部品供給装置100、100aを制御してもよい。例えば、部品供給制御部64は、部品供給装置100による電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)、リードの切断動作及びラジアルリード型電子部品の保持動作を制御する。また、部品供給制御部64は、部品供給装置100aによる電子部品収容テープの引き出し動作(移動動作)等を制御する。部品供給制御部64は、制御部60による指示に基づいて各種動作を実行する。部品供給制御部64は、電子部品保持テープまたは電子部品収容テープの引き出し動作をすることで、電子部品保持テープまたは電子部品収容テープの移動を制御する。
【0044】
次に、図6から図18を用いて部品供給装置100について説明する。まず、図6及び図7を用いて、電子部品保持テープについて説明する。図6は、電子部品保持テープの一例の概略構成を示す模式図である。図7は、電子部品保持テープの他の例の概略構成を示す模式図である。
【0045】
図6に示す電子部品保持テープ70は、テープ本体72と、テープ本体72に保持される複数の電子部品(ラジアルリード形電子部品)80と、を有する。テープ本体72は、第1テープ74と第1テープ74よりも幅の細い第2テープ76とが貼り合わされている。また、テープ本体72は、延在方向に一定間隔で送り穴としての穴78が形成されている。つまり、テープ本体72は、複数の穴78が延在方向に列状に形成されている。
【0046】
電子部品80は、本体82と、本体82のラジアル方向に配置された2本のリード84と、を有する。電子部品80は、リード84が、第1テープ74と第2テープ76との間に挟まれ、固定されている。これにより、電子部品80は、リード84が、第1テープ74と第2テープ76との間に挟まれ固定されることで、テープ本体72の所定位置に固定される。また、複数の電子部品80は、2本のリード84の間に穴78が配置され、テープ本体72の穴78が形成されている位置に、それぞれ固定されている。つまり、電子部品80は、穴78と同じ送りピッチPの間隔で、かつテープの延在方向における位置が同じ位置に配置されている。なお、電子部品80は、テープ本体72の第1テープ74と第2テープ76との間に挟まれるリード線を有した形状であればよく、リード線及び本体の形状、種類は特に限定されない。
【0047】
次に、図7に示す電子部品保持テープ70aは、テープ本体72と、テープ本体72に保持される複数の電子部品(ラジアルリード形電子部品)80と、を有する。なお、電子部品保持テープ70aは、電子部品80と、穴78との相対位置関係が異なるのみで、他の構成は、電子部品保持テープ70と同様である。電子部品保持テープ70aは、電子部品80の2本のリード84が、テープ本体72の穴78と穴78との間に配置されている。つまり、電子部品80は、穴78と同じ送りピッチPの間隔で、かつテープの延在方向における位置が配置間隔の半分ずれた位置に配置されている。つまり、電子部品80は、穴78に対して半ピッチ分ずれた位置に配置されている。
【0048】
電子部品保持テープは、図6と図7に示すように、テープの延在方向おける穴78と電子部品80と相対位置関係が異なるものがある。
【0049】
次に、図8は、部品供給ユニットの電子部品供給装置の概略構成を示す斜視図である。図9は、部品供給ユニットの電子部品供給装置の概略構成を示す図8とは異なる方向の斜視図である。図10は、部品供給ユニットの電子部品供給装置の概略構成を示す説明図である。電子部品供給装置(部品供給装置)100は、図8から図10に示すように、他の各部を保持し、電子部品保持テープを案内する筐体110と、支持台102と連結されるクランプユニット112と、電子部品保持テープを搬送するフィードユニット114と、電子部品保持テープに保持されている電子部品のリードを切断するカットユニット116と、フィードユニット114の駆動部とカットユニット116の駆動部の空気圧を調整し、各部の駆動を制御する空気圧調整部118と、を有する。
【0050】
筐体110は、縦に細長い中空の箱であり、クランプユニット112とフィードユニット114とカットユニット116と空気圧調整部118とを内部に保持する。筐体110は、案内溝120と、ガイド部122と、排出部126と、把持部128と、が設けられている。案内溝120は、筐体の110の鉛直方向上側の細長い面の長手方向に沿って形成された2本の直線の一方の端部が連結した形状である。つまり、案内溝120は、筐体110の一方の端部から他方の端部近傍まで延び、他方の端部近傍で折り返し、一方の端部まで延びるU字形状で形成されている。案内溝120は、電子部品保持テープを案内する溝であり、U字形状の一方の端部(供給側の端部)から電子部品保持テープが供給される。案内溝120は供給された電子部品保持テープをU字形状に沿って移動させ、U字形状の一方の端部(排出側の端部)から排出する。また、案内溝120は、テープ本体72が筐体110の内部にあり、電子部品が筐体110の外部に露出した状態で電子部品保持テープを案内する。
【0051】
ガイド部122は、案内溝120の供給側の端部と連結されており、電子部品が保持された状態の電子部品保持テープを案内溝120に案内する。排出部126は、案内溝120の排出側の端部と連結されており、筐体110内を移動して電子部品をヘッド15に供給した部分が電子部品保持テープを排出する。把持部128は、電子部品供給装置100の搬送時等に、オペレータが持つ部分である。
【0052】
次に、図8から図10に加え、図11を用いてクランプユニットについて説明する。ここで、図11は、電子部品供給装置のクランプユニットの概略構成を示す説明図である。クランプユニット112が支持台102と連結される機構である。クランプユニット112は、連結部132と、伝達部134と、弾性部136と、レバー138と、を有する。
【0053】
連結部132は、支持台102との連結時に支持台102と接する部分であり、筐体110の外に露出している。なお連結部132は、筐体110の案内溝120が形成されている面とは反対側の面に配置されている。伝達部134は、連結部132と弾性部136とレバー138と連結されており、レバー138、弾性部136から付与される力を連結部132に伝達する。弾性部136は、一方の端部が筐体110に固定され、他方の端部が伝達部134に固定されている。弾性部136は、バネ等の部材であり、伝達部134を、筐体110に固定されている側に引っ張る力を付与する。これにより、伝達部材134は、弾性部136が連結している部分が所定方向に引っ張られている状態である。レバー138は、一方の端部が筐体110の外に露出しており、他方の端部が伝達部134に連結されている。レバー138は、固定軸139が筐体110に固定されている。これにより、レバー138は、筐体110の外部に露出している一方の端部がオペレータにより、操作されると、固定軸139を軸として、伝達部134に連結されている側の端部が移動する。これにより伝達部134が移動し、連結部132に所定の力が作用する。クランプユニット112は、以上の構成であり、オペレータによるレバー138の操作で、支持台102に固定されている状態と、開放されている状態と、が切り換えられる。
【0054】
次に、図8から図10に加え、図12から図15を用いてフィードユニットについて説明する。ここで、図12は、電子部品供給装置のフィードユニットの概略構成を示す説明図である。図13は、フィードユニットの先端支持部の概略構成を示す説明図である。図14は、フィードユニットのテープ送り爪ユニットの概略構成を示す説明図である。図15は、フィードユニットの動作を説明するための説明図である。フィードユニット114は、電子部品保持テープを搬送する、つまり案内溝120に沿って案内される電子部品保持テープを移動させる機構である。フィードユニット114は、支持部142と、駆動部144と、先端支持部146と、テープ送り爪ユニット148と、有する。また、本実施形態では、先端支持部146とテープ送り爪ユニット148と、テープ送り爪ユニット148と筐体110との相対位置を調整する位置調整機構となる。
【0055】
支持部142は、筐体110に固定された部材であり、駆動部144を支持している。駆動部144は、固定部144aと可動部144bとを有する。駆動部144は、空気圧により可動部144bの固定部144aから露出している部分を伸縮させるエアシリンダである。駆動部144は、可動部144bの先端を案内溝120の直線部の延びている方向に所定の距離範囲で少なくとも送りピッチに相当して往復移動させる。つまり、駆動部144は、可動部144bの先端を少なくともテープの送りピッチ(穴78のピッチP)に相当する距離、往復移動させる。先端支持部146は、駆動部144の可動部144bの先端に固定されている。先端支持部146は、可動部144bが往復移動すると一体となって往復移動する。また、先端支持部146は、図13に示すように、鉛直方向上側の面であり、テープ送り爪ユニット148と連結する部分にねじ穴149a、149b、149c、149dの4つのねじ穴を備える。この4つのねじ穴149a、149b、149c、149dは、テープ送り方向の位置が異なる4か所に形成されている。ここで、先端支持部146は、ねじ穴149aとねじ穴149bとの距離が、上述したテープ本体72の穴78のピッチPの半分の距離となる。つまり、ねじ穴149aとねじ穴149bとは、穴78の配置間隔の半ピッチ分、ずれた位置に形成されている。また、先端支持部146は、ねじ穴149cとねじ穴149dとの距離が、上述したテープ本体72の穴78のピッチPの半分の距離となる。つまり、ねじ穴149cとねじ穴149dとは、穴78の配置間隔の半ピッチ分、ずれた位置に形成されている。
【0056】
テープ送り爪ユニット148は、先端支持部146に固定されている。テープ送り爪ユニット148は、取付台150と、送り爪152と、ピン154と、バネ156と、を有する。取付台150は、送り爪152と、ピン154と、バネ156と、を支持する土台である。取付台150は、テープ送り方向に直交する断面がL字となる、折れ曲がった板形状であり、鉛直方向上側の一部が筐体110から露出している。取付台150は、露出している部分にオペレータが持つことができる把持部158が設けられている。オペレータは、必要に応じて把持部158を持って操作を行うことで、テープ送り爪ユニット148をテープ送り方向に移動させることができる。取付台150は、先端支持部146と接する部材であり、2つの固定ねじ159により先端支持部146に固定されている。ここで、取付台150は、2つの固定ねじ159が挿入される穴の間隔が、ねじ穴149aとねじ穴149cとの間隔及びねじ穴149bとねじ穴149dとの間隔と同じとなる。つまり、先端支持部146は、テープ送り爪ユニット148の取付台150に挿入される固定ねじ(ねじ)159の配置ピッチと同じねじ穴の組合せを、テープ送り方向の異なる位置に複数有する。これにより、取付台150は、固定ねじ159を挿入するねじ穴を切り換えることで、取付台150と先端支持部146との相対位置を半ピッチ分ずらすことができる。
【0057】
送り爪152は、棒状の部材の一方の端部に突出した凸部152aを備える部材である。送り爪152は、電子部品保持テープ(以下、単に「テープ」ともいう。)70のテープ本体72の穴に対面する位置に配置されており、凸部152aは、テープ送り方向において送り方向下流側(送り方向の前側)の面152bが送り方向に直交する面となり、テープ送り方向において送り方向上流側(送り方向の後ろ側)の面152cが送り方向に直交する面に対して傾斜した面となり、テープ70に近づくに従って、送り方向の幅が狭くなる形状である。送り爪152は、凸部152aと対面する位置に穴78がある場合、図14に示すように凸部152aが穴78に挿入した状態となる。ピン154は、送り爪152の凸部152aが形成されていない側の端部を紙面に平行な方向に回転可能に支持している。バネ156は、一方の端部が取付台150の突出面150aに固定され、他方の端部が送り爪152に固定されているバネ156は、送り爪152の凸部152aが穴78以外の部分と対面している場合、送り爪152をテープ側に押し付ける。
【0058】
次に、図15を用いて、フィードユニット114のテープ送り動作を説明する。なお、図15に示す例(ステップS1〜S4)は、テープ本体72に形成される穴を、テープ送り方向の下流側(先に筐体110に供給され、先に筐体110から排出される側)から順に78、78a、78b、78cとする。ステップS1は、送り爪152の凸部152aがテープ本体72の穴78aに挿入されている。フィードユニット114は、ステップS1に示すように凸部152aが穴78aに挿入されている状態で、駆動部144を駆動し、テープ送り方向にテープ本体72の穴の1ピッチ分、テープ送り爪ユニット148を移動させる。
【0059】
フィードユニット114は、ステップS1の状態でテープ送り爪ユニット148をテープ送り方向に送ると、凸部152aの送り方向に直交する面により、穴78aがテープ送り方向に押され、ステップS2に示すように、テープ送り爪ユニット148とテープ本体72とがともにテープ送り方向に移動される。フィードユニット114は、テープ本体72をテープ送り方向に移動させることで、テープの電子部品を吸着位置に移動させる。
【0060】
フィードユニット114は、テープ送り爪ユニット148へのテープ送り方向の移動が完了(ステップS2)するとテープ本体72に保持される先端の電子部品が吸着位置となり待機する。このとき吸着位置(吸着領域)にある電子部品は、後述するように電子部品本体をクランプしてカッタによりリードが切断される。次に電子部品実装装置側で所定の処理、例えば、テープが保持していた前記吸着位置の電子部品をヘッドに供給したら、駆動指令が発信されて駆動部144を駆動し、テープ送り方向とは反対方向にテープ本体72の穴の1ピッチ分、テープ送り爪ユニット148を移動させる。フィードユニット114は、ステップS2の状態でテープ送り爪ユニット148をテープ送り方向とは反対側に送ると、凸部152aの傾斜している面が穴78aと接し、傾斜に沿って凸部152aが穴78aから抜ける方向に移動する。これにより、フィードユニット114は、ステップS3に示すように、凸部152aが穴78aから外れて(ステップS3)、テープは移動せず、テープ送り爪ユニット148が、テープ送り方向とは反対側に移動する。
【0061】
その後、フィードユニット114は、ステップS2に示す状態から、テープ送り方向とは反対方向にテープ本体72の穴の1ピッチ分、テープ送り爪ユニット148を移動させると、ステップS4に示すように、凸部152aが穴78aよりも1ピッチ分上流側にある穴78bに挿入された状態となる。このとき、送り爪152は、バネ156により穴78bの方向に押されるため、的確に凸部152aが穴78bに差し込まれる。その後駆動部144は直ちにテープ送り方向に駆動されテープ本体72に保持される次の電子部品が吸着位置に移送される。
【0062】
フィードユニット114は、このように、駆動部144によりテープ送り爪ユニット148をテープ本体72の穴の1ピッチ分、送り方向に往復運動させることで、テープを1ピッチ分送り方向に順次移動させることができる。
【0063】
次に、図8から図10に加え、図16から図18を用いてカットユニットについて説明する。図16は、電子部品供給装置のカットユニットの概略構成を示す説明図である。図17は、電子部品供給装置のカットユニットの概略構成を示す説明図である。図18は、電子部品供給装置のカットユニットの概略構成を示す説明図である。カットユニット116は、電子部品保持テープに保持されている電子部品のリードを切断する。また、カットユニット116は、リードを切断した電子部品を、電子部品がノズルによって吸着されるまで、クランプ、つまり保持する。カットユニット116は、支持部162と、駆動部164と、伝達部166と、切断部168と、カバー169と、を有する。
【0064】
支持部162は、筐体110に固定された部材であり、駆動部164と伝達部166とを支持している。また、支持部162は、伝達部166を介して切断部168を支持している。駆動部164は、固定部164aと可動部164bとを有する。駆動部164は、空気圧により可動部164bの固定部164aから露出している部分を伸縮させるエアシリンダである。駆動部164は、可動部164bの先端を案内溝120の直線部の延びている方向に所定の距離範囲で往復移動させる。伝達部166は、可動部164bの往復移動により生じる動力を切断部168に伝達する伝達機構である。伝達部166は、可動部164bのテープ送り方向への往復移動をテープ送り方向に直交する方向の運動に変換し、切断部168をテープ送り方向と直交する方向に移動させる。伝達部166は、テープの通過領域を挟んで配置された先端部166aと先端部166bとが互いに近づく方向または互いに遠ざかる方向、つまり矢印170に示す方向に移動する。本実施形態の伝達部166は、駆動部164の可動部164bが伸びる方向に移動した場合、先端部166aと先端部166bとが互いに近づく方向に移動する。伝達部166は、駆動部164の可動部164bが縮む方向に移動した場合、先端部166aと先端部166bとを互いに遠ざかる方向に移動する。
【0065】
切断部168は、吸着領域に配置されており、吸着領域に配置された電子部品のリードを本体とテープ本体との間で切断し、その後保持する。切断部168は、第1刃部168aと、第2刃部168bと、を有する。切断部168は、第1刃部168aと第2刃部168bとが互いに対面する位置に配置されている。また、テープは、第1刃部168aと第2刃部168bとの間に配置されており、テープに保持された電子部品のリードが第1刃部168aと第2刃部168bとに挟まれた位置を通過する。第1刃部168aは、図18に示すように、伝達部166の先端部166aと連結されており、先端部166aが第2刃部168b側に移動すると、先端部166aとともに第2刃部168b側に移動する。第2刃部168bは、図18に示すように、伝達部166の先端部166bと連結されており、先端部166bが第1刃部168a側に移動すると、先端部166bとともに第1刃部168a側に移動する。また、第1刃部168aは、先端部166aとバネを介して連結しており、先端部166aにより第2刃部168b側に押し付けられる。
【0066】
カバー169は、筐体110に固定されている部材である。カバー169は、第1刃部168aの周囲に配置され、第1刃部168aの第2刃部168bと接触する面が開口となっている。また、カバー169は、バネを介して先端部166aと接しており、先端部166aを第2刃部168bから離れる側に押している。これにより、先端部166aは、第2刃部168b側に押し付けられていない場合、第1刃部168aに第2刃部68bから離れる方向の力を付与することができる。
【0067】
カットユニット116は、以上のような構成であり、駆動部144により、切断部168の第1刃部168aと第2刃部168bとを近づけて、接触させることで、第1刃部168aと第2刃部168bとの間に配置されているリードを切断することができる。また、カットユニット116は、リードの切断後、第1刃部168aと第2刃部168bとが接触している状態を維持することで、テープ本体から切り離された電子部品を支持することができる。つまり、リードを切断し、テープ本体から分離した電子部品をクランプすることができる。なお、カットユニット116は、電子部品のリードを切断する機構と、切断した電子部品(電子部品の本体)をクランプ(支持)する機構と、を別々の機構としてもよい。
【0068】
空気圧調整部118は、フィードユニット114の駆動部144であるエアシリンダと、カットユニット116の駆動部164であるエアシリンダの空気圧を調整し、各部の駆動を制御する。具体的には、空気圧調整部118は、駆動部144の可動部144bの伸び縮み、つまり位置を制御し、送り爪152の位置を制御する。また、空気圧調整部118は、駆動部164の可動部164bの伸び縮み、つまり位置を制御し、切断部168の第1刃168aと第2刃168bの位置とを制御する。なお、空気圧調整部118は、部品供給制御部64による制御に基づいて各部の空気圧を制御する。
【0069】
部品供給装置100は、以上のような構成である。部品供給装置100は、テープ送り爪ユニット148の取付台150を先端支持部146に取り付ける位置をテープ送り方向に複数設け、先端支持部146に対してテープ送り爪ユニット148を設置する位置を切り換えできる構成とすることで、テープ本体の穴と電子部品との相対位置が異なる複数の電子部品保持テープに部品を交換せずに対応することができる。つまり、部品供給装置100は、装填される電子部品保持テープのテープ本体の穴と電子部品との相対位置に基づいて、テープ送り爪ユニット148の取付台150を先端支持部146に取り付ける位置を切り換えることで、いずれの電子部品保持テープの場合でも電子部品を吸着位置に移動させることができる。
【0070】
具体的には、フィードユニット114は、テープ送り爪ユニット148の取付台150を先端支持部146に取り付ける位置を変更することで、駆動部144の可動部144bが往復移動の範囲で最も伸びた状態となる位置における送り爪152の凸部152aの位置を変更することができる。これにより、フィードユニット114は、駆動部144の可動部144bが往復移動の範囲で最も伸びた状態となる位置(送り完了位置、吸着位置)としたときに、テープ本体の穴がある位置を種々の位置にすることができる。これにより、フィードユニット114は、穴の位置に対する電子部品の配置位置が異なる電子部品保持テープであっても、可動部144bが往復移動の範囲で最も伸びた状態となったときに、電子部品が吸着位置に配置されるようにすることができる。
【0071】
また、部品供給装置100は、フィードユニット114の可動部144bの往復移動の距離を、テープ本体の穴のピッチよりも長くかつピッチの2倍よりも短くすることが好ましい。これにより、部品供給装置100は、送り爪152の凸部152aを確実に次のピッチの穴に差し込むことができ、送り爪152の一回の往復移動で、テープを1ピッチ分送ることができる。また、部品供給装置100は、搬送対象のテープの穴のピッチが複数種類ある場合、フィードユニット114の可動部144bの往復移動の距離を、穴のピッチが最も長い穴よりも長くし、穴のピッチが最も短いテープのピッチの2倍よりも短くすることが好ましい。これにより、部品供給装置100は、テープのピッチがいずれの種類の場合でも、送り爪152の凸部152aを確実に次のピッチの穴に差し込むことができ、送り爪の一回の往復移動で、テープを1ピッチ分送ることができる。つまり、部品供給装置100は、往復移動の距離を変更したり、部品の交換をしたりすることなく、複数種類のピッチのテープを1ピッチずつ送ることができる。
【0072】
ここで、上記実施形態のフィードユニット114は、先端支持部146に対してテープ送り爪ユニット148を取り付ける位置を2箇所で選択可能としたが、数はこれに限定されない。フィードユニット114は、先端支持部146に対してテープ送り爪ユニット148を取り付ける位置の選択可能な位置を増加させることでより多くの種類の電子部品保持テープに対応することができる。また、フィードユニット114は、先端支持部146に対してテープ送り爪ユニット148を取り付ける位置をリニアに調整可能としてもよい。例えば、先端支持部146またはテープ送り爪ユニット148のいずれか一方のねじ穴をテープ送り方向に伸びた長穴形状とすることで、先端支持部146とテープ送り爪ユニット148とのテープ送り方向における相対位置を種々の位置とすることができるようにしてもよい。この場合、先端支持部146とテープ送り爪ユニット148とのテープ送り方向における相対位置は、テープの穴の1ピッチ分の範囲で調整可能とすることが好ましい。これにより、フィードユニット114は、相対位置を任意に調整することができ、相対位置の微調整も可能となる。
【0073】
また、上記実施形態のフィードユニット114は、先端支持部146とテープ送り爪ユニット148とを位置調整機構とし、先端支持部146とテープ送り爪ユニット148との相対位置を変更することで、テープを送り終わった状態、つまり可動部144bが往復移動範囲の中で最も伸びた状態のときの送り爪152の凸部152aの位置を変更可能な構成(筐体110とテープ送り爪ユニット148との相対位置を調整可能)としたが、これに限定されない。フィードユニットは、筐体とテープ送り爪ユニットとの相対位置を調整可能な種々の機構を位置調整機構として用いることができる。例えば、部品供給装置は、筐体とフィードユニットとのテープ送り方向における相対位置を調整可能とすることで、テープを送り終わった状態、つまり可動部144bが往復移動範囲の中で最も伸びた状態のときの送り爪152の凸部152aの位置を変更可能な構成としてもよい。つまり、フィードユニットは、フィードユニットと筐体との連結部に位置調整機構を設けてもよい。
【0074】
図19は、電子部品供給装置のフィードユニットの他の例の概略構成を示す説明図である。図20は、図19に示すフィードユニットの概略構成を示す正面図である。図21は、図19に示すフィードユニットの概略構成を示す上面図である。図22は、図19に示すフィードユニットの他の状態の概略構成を示す正面図である。図23は、図19に示すフィードユニットの他の状態の概略構成を示す上面図である。なお、図19から図23に示すフィードユニット200は、テープを送り終わった状態、つまり可動部144bが往復移動範囲の中で最も伸びた状態のときの送り爪152の凸部152aの位置を変更可能な構成以外は基本的にフィードユニット114と同様の構成である。
【0075】
フィードユニット200は、支持部202と、駆動部204と、第1先端支持部206と、テープ送り爪ユニット208と、第2先端支持部209と、戻り方向テープ送り爪ユニット210と、連動機構211と、を有する。駆動部204は、駆動部144と同様の構成である。また、本実施形態の第1先端支持部206とテープ送り爪ユニット208とは、テープ送り方向における位置調整機能を備えていない。また、テープ送り爪ユニット208は、把持部を備えていない。第1先端支持部206と、テープ送り爪ユニット208と、の他の構成は、先端支持部146と、テープ送り爪ユニット148と、同様である。
【0076】
支持部202は、駆動部204と、第1先端支持部206と、テープ送り爪ユニット208と、戻り方向テープ送り爪ユニット209と、連動機構210と、を直接的または間接的に支持する機構であり、筐体110に固定されている。支持部202は、支持板222と、2つの突起部230と、2つのねじ232と、2つのねじ236と、を有する。
【0077】
支持板222は、筐体110の細長い箱形状の面積が最も広い面に対面する板状部材であり、駆動部204と第1先端支持部206とテープ送り爪ユニット208との一方の面に対面している。支持板222は、駆動部204の固定部と連結し、固定部を支持している。また、支持板222は、突起部230を介して筐体110に固定されている。
【0078】
突起部230は、第1支持部222の、テープ送り爪ユニット208等と対面している面とは反対側の面に配置されている。突出部230は、テープ送り爪ユニット208等から離れる方向に突出している。突出部230は、第1支持部222のテープ送り方向において所定距離、離れた位置に、2つ配置されている。
【0079】
2つのねじ232は、それぞれ突起部230の一方の端部(第1支持部材222と接触する側の端部)に螺合されている。また、ねじ232は、それぞれ第1支持部材222に形成された長穴222aに挿入されている。第1支持部材222に形成された長穴222aは、テープ送り方向に伸びた穴である。なお、長穴222aは、ねじ232がテープ送り方向にテープの穴の1ピッチ分の範囲で移動可能な形状である。
【0080】
2つのねじ236は、それぞれ突起部230の他方の端部に螺合されている。また、ねじ236は、それぞれ筐体110に形成された長穴212に挿入されている。筐体110に形成された長穴212は、テープ送り方向に伸びた穴である。なお長穴212は、ねじ236がテープ送り方向にテープの穴の1ピッチ分の範囲で移動可能な形状である。
【0081】
また、フィードユニット200は、突起部230に螺合されたねじ232が第1支持部材222の長穴222aに挿入されている。フィードユニット200は、突起部230とねじ232と第1支持部材222に形成された長穴222aとの組み合わせが位置調整機構となる。フィードユニット200は、ねじ232を締め、突起部230と第1支持部材222とを締結することで、フィードユニット200と筐体110のテープ送り方向の相対位置を固定することができる。また、フィードユニット200は、ねじ232を緩めた状態とすることで、長穴222aとねじ232とを相対移動させることができる。これにより、長穴222aが形成された第1支持部材222をねじ232が挿入された突起部230に対してテープ送り方向の相対移動させることができる。フィードユニット200は、第1支持部材222と突起部230とを相対移動可能とすることで、フィードユニット200を筐体110に対してテープ送り方向に移動可能な状態とすることができる。これにより、フィードユニット200は、ねじ232を緩めることで、フィードユニット200と筐体110のテープ送り方向の相対位置を調整することができ、ねじ232を締めることでフィードユニット200と筐体110とのテープ送り方向の相対位置を固定することができる。
【0082】
また、フィードユニット200は、突起部230に螺合されたねじ236が筐体110の長穴212に挿入されている。フィードユニット200は、突起部230とネジ236と筐体110に形成された長穴212との組み合わせが位置調整機構となる。フィードユニット200は、ねじ236を締め、突起部230と筐体110とを締結することで、フィードユニット200と筐体110のテープ送り方向の相対位置を固定することができる。また、フィードユニット200は、ねじ236を緩めた状態とすることで、長穴212とねじ236とを相対移動させることができる。これにより、長穴212が形成された筐体110をねじ236が挿入された突起部230に対してテープ送り方向の相対移動させることができる。フィードユニット200は、筐体110と突起部230とを相対移動可能とすることで、フィードユニット200を筐体110に対してテープ送り方向に移動可能な状態とすることができる。これにより、フィードユニット200は、ねじ236を緩めることで、フィードユニット200と筐体110のテープ送り方向の相対位置を調整することができ、ねじ236を締めることでフィードユニット200と筐体110とのテープ送り方向の相対位置を固定することができる。
【0083】
フィードユニット200は、フィードユニット200の全体と筐体110とをテープ送り方向に相対移動可能な構成とすることで、部品の交換等を行うことなく、簡単に送り爪のテープ送り方向の位置を調整することができる。また、フィードユニット200は、筐体110の外側からねじ232を緩めるだけで、筐体110に対してフィードユニット200を移動させることができる。これにより、送り爪のテープ送り方向の位置の調整をより簡単に行うことができる。ここで、オペレータは、フィードユニット200と筐体110とをテープ送り方向に相対移動させる際、第1支持部材222を持って、第1指示部材222を筐体110に対してテープ送り方向に移動させることで、相対移動させることができる。また、オペレータは、突起部230を持って相対移動させてもよい。また、オペレータは、ねじ236を緩めてフィードユニット200と筐体110とをテープ送り方向に相対移動させる際、緩めたねじ236を持って、ねじ236を長穴212に対して移動させることでもフィードユニット200と筐体110とをテープ送り方向に相対移動させることができる。この場合、ねじ236を持ちやすい形状とすることが好ましい。
【0084】
また、フィードユニット200は、ねじ232と長穴222aとを組み合わせた機構で、相対位置を移動させる場合、ねじ236で筐体110と突出部230とが固定されている状態とすることが好ましい。また、フィードユニット200は、ねじ236と長穴212とを組み合わせた機構で、相対位置を移動させる場合、ねじ232で第1支持部材222と突出部230とが固定されている状態とすることが好ましい。
【0085】
また、フィードユニット200は、位置調整機構として、ねじ232と長穴222aとを組み合わせた機構と、ねじ236と長穴212とを組み合わせた機構、の2つの機構を設け、それぞれでフィードユニット200と筐体110とのテープ送り方向の相対位置を調整可能としたがこれに限定されない。フィードユニット200は、位置調整機構として、突起部230と第1支持部材222とを固定する部分に設けたねじ232と長穴222aとを組み合わせた機構のみを設けてもよい。また、フィードユニット200は、位置調整機構として、突起部230と筐体110とを固定する部分である、ねじ236と長穴212とを組み合わせた機構のみを設けてもよい。
【0086】
また、フィードユニット200は、駆動部により第1先端支持部206をテープ送り方向に往復移動させることで、テープ送り爪ユニット208を、図20及び図21に示す位置と、図22及び図23に示す位置とに往復移動させる。このように、テープ送り爪ユニット208を往復移動させることで、フィードユニット114と同様にテープをテープ送り方向に1ピッチずつ送ることができる。
【0087】
ここで、本実施形態のフィードユニット200は、上述したように、第2先端支持部209と、戻り方向テープ送り爪ユニット210と、連動機構211と、をさらに有する。以下、図19から図23に加え、図24から図29を用いて、第2先端支持部209と、戻り方向テープ送り爪ユニット210と、連動機構211と、について説明する。図24は、図19に示すフィードユニットの概略構成を示す説明図である。図25は、図19に示すフィードユニットの他の状態の概略構成を示す説明図である。図26は、図19に示すフィードユニットの連動機構の概略構成を示す説明図である。図27は、筐体の他の例の概略構成を示す説明図である。図28は、図19に示すフィードユニットの動作を説明するための説明図である。図29は、図19に示すフィードユニットの動作を説明するための説明図である。図27は、フィードユニット200を説明するために、筐体280を示している。
【0088】
図24および図25に示すように第2先端支持部209は、筐体110の細長い箱形状の面積が最も広い面に対面する板状部材であり、駆動部204と第1先端支持部206とテープ送り爪ユニット208との他方の面に対面している。つまり、第2先端支持部209と第1支持部222とは、駆動部204と第1先端支持部206とテープ送り爪ユニット208とを挟み込む位置に配置されている。第2先端支持部209は、連結部226と、連動機構211とを介して第1支持部222に対して固定されている。第2先端支持部209は、後述する戻り方向テープ送り爪ユニット210を支持する機構であり、連結部226で連動機構211に連結されている。第2先端支持部209は、鉛直方向上側の一部が筐体110から露出している。つまり、第2先端支持部209は、鉛直方向上側の一部が、筐体110の案内溝120が形成されている面から筐体110の外に露出している。第2先端支持部209の鉛直方向上側の一部には、把持部228が設けられている。また、第1支持部222と第2先端支持部209は、テープ送り方向に移動可能な状態で第1先端支持部206を支持している。
【0089】
連結部226は、ボルト及びナット等で構成され、第2先端支持部209を連動機構211に固定する。把持部228は、上述したように、第2先端支持部209の鉛直方向上側の一部に設けられている。把持部228は、オペレータが掴むことが可能な部分である。把持部228は、第2先端支持部209をオペレータがテープ送り方向と平行な方向に移動させやすい形状となっている。オペレータは、第2先端支持部209をテープ送り方向と平行な方向に移動させることで、テープ送り爪ユニット208と戻り方向テープ送り爪ユニット210とをテープ送り方向と平行な方向の方向に移動させることができる。
【0090】
戻り方向テープ送り爪ユニット210は、送り爪ユニット208と基本的に同様の構成である。戻り方向テープ送り爪ユニット210は、支持部202の表面に直交する向きにおいて、送り爪ユニット208よりも離れる位置で、送り爪ユニット208に対面する位置に配置されている。戻り方向テープ送り爪ユニット210は、第2先端支持部209に固定されており、第2先端支持部209とともに直動方向(駆動部204の可動部が移動する方向)に移動する。また、戻り方向テープ送り爪ユニット210は、直動方向における送り爪の向きが送り爪ユニット208とは逆になっている。また、戻り方向テープ送り爪ユニット210は、送り爪の凸部が支持部202側とは反対側に突出している。
【0091】
連動機構211は、駆動部204から第1先端支持部206に伝達される動力を第2戦端支持部209に伝達する機構である。連動機構211は、図26に示すように、第1スライド機構242と、伝達部244と、第2スライド機構246と、を有する。第1スライド機構242は、固定部242aと可動部242bと、を有する。固定部242aは、支持部202に固定されている。可動部242bは、直動方向(駆動部204の可動部が移動する方向)移動可能な状態で固定部242aに支持されている。可動部242bは、第1先端支持部206に固定されており、第1先端支持部206とともに直動方向に移動する。
【0092】
伝達部244は、第1スライド機構242から伝達される動力を第2スライド機構246に伝達する動力伝達機構である。伝達部244は、ピンで支持部に固定されたピニオンギヤを有する。
【0093】
第2スライド機構246は、固定部246aと可動部246bと、を有する。固定部246aは、支持部202に固定されている。可動部246bは、直動方向(駆動部204の可動部が移動する方向)移動可能な状態で固定部246aに支持されている。可動部246bは、第2先端支持部209に固定されており、第2先端支持部209とともに直動方向に移動する。
【0094】
連動機構211は、以上のような構成であり、伝達部244は、ピニオンギヤが第1スライド機構242の可動部242bに形成されたギヤ溝及び第2スライド機構246の可動部246bに形成されたギヤ溝にはめ込まれている。つまり、連動機構211は、伝達部244と第1スライド機構242とがラックアンドピニオン機構で連結されており、伝達部244と第2スライド機構246とがラックアンドピニオン機構で連結されている。また、図26に示すように、連動機構211は、伝達部244と第1スライド機構242とが連結する位置と、伝達部244と第2スライド機構246とが連結する位置とが、ピニオンギヤの対面する位置となる。これにより、フィードユニット200は、ピニオンギヤが回転すると、第1スライド機構242と第2スライド機構246とが直動方向において互いに反対となる向きに移動する。
【0095】
ここで、フィードユニット200が固定される筐体280について説明する。図27に示すように、筐体280は、上述した筐体110と同様の案内溝282が形成されている。案内溝282は、筐体280の鉛直方向上側の細長い面の長手方向に沿って形成された2本の直線部283、285の一方の端部が折り返し部284で連結した形状である。つまり、案内溝120は、直線部283が筐体110の一方の端部から他方の端部近傍まで延び、他方の端部近傍の折り返し部284で折り返し、直線部285が一方の端部まで延びるU字形状で形成されている。案内溝282は、電子部品保持テープを案内する溝であり、U字形状の一方の端部(供給側の端部)から電子部品保持テープが供給される。案内溝282は供給された電子部品保持テープをU字形状に沿って移動させ、U字形状の一方の端部(排出側の端部)から排出する。また、案内溝282は、テープ本体が筐体280の内部にあり、電子部品が筐体280の外部に露出した状態で電子部品保持テープを案内する。筐体280の折り返し部284は、テープの搬送領域の外周側にガイド部286aが配置され、テープの搬送領域の内周側にガイド部286bが配置されている。ガイド部286a、286bは、それぞれ折り返している搬送領域の外周と内周とに沿って折れ曲がった曲面形状となっている。筐体280は、折り返し部284にガイド部286a、286bを設けることで、折り返し部284でテープを適切な方向に移動させることができる。
【0096】
次に、図28と図29とを用いて、フィードユニット200による電子部品保持テープの送り動作について説明する。図28に示すように、フィードユニット200は、第1先端支持部206にテープ送り爪ユニット208が固定されており、第2先端支持部209に戻り方向テープ送り爪ユニット210が固定されている。
【0097】
テープ送り爪ユニット208は、送り爪152を備える。送り爪152は、上述したテープ送り爪ユニット148と同様に、棒状の部材の一方の端部に突出した凸部152aを備える部材である。送り爪152は、電子部品保持テープ70のテープ本体の穴に対面する位置に配置されており、凸部152aは、テープ送り方向において送り方向下流側(送り方向の前側)の面152bが送り方向に直交する面となり、テープ送り方向において送り方向上流側(送り方向の後ろ側)の面152cが送り方向に直交する面に対して傾斜した面となり、テープに近づくに従って、送り方向の幅が狭くなる形状である。送り爪152は、凸部152aと対面する位置に穴78がある場合、図28に示すように凸部152aが穴に挿入した状態となる。ここで、テープ送り爪ユニット208は、案内溝282の直線部283にあるテープ70と対面する位置に配置されており、凸部152aが折り返し部284側に配置されている。テープ送り爪ユニット208は、案内溝282の直線部283にあるテープ70を電子部品が吸着される吸着領域PPに向けて搬送する。
【0098】
戻り方向テープ送り爪ユニット210は、送り爪252を備える。送り爪252は、上述したテープ送り爪ユニット208と同様に、棒状の部材の一方の端部に突出した凸部252aを備える部材である。送り爪252は、テープ70のテープ本体の穴に対面する位置に配置されており、凸部252aは、テープ送り方向において送り方向下流側(送り方向の前側)の面252bが送り方向に直交する面となり、テープ送り方向において送り方向上流側(送り方向の後ろ側)の面252cが送り方向に直交する面に対して傾斜した面となり、テープに近づくに従って、送り方向の幅が狭くなる形状である。送り爪252は、凸部252aと対面する位置に穴78がある場合、図28に示すように凸部252aが穴に挿入した状態となる。ここで、戻り方向テープ送り爪ユニット210は、案内溝282の直線部285にあるテープ70と対面する位置に配置されており、凸部252aが折り返し部284側とは反対側に配置されている。つまり、戻り方向テープ送り爪ユニット210は、直動方向においてテープ送り爪ユニット208の送り爪152とは反対側の向きで送り爪252が配置されている。戻り方向テープテープ送り爪ユニット210は、電子部品が吸着される吸着領域PPを通過したテープ70を、案内溝282の直線部285の排出部に向けて搬送する。
【0099】
次に、図29を用いて、フィードユニット200のテープ送り動作を説明する。ステップS6は、送り爪152の凸部152aがテープ70のテープ本体の穴78に挿入され、送り爪252の凸部がテープ本体の穴に挿入されている。ここで、送り爪152は、テープ送り方向において、吸着領域PPよりも上流側(吸着領域PP通過前)のテープ70の穴に凸部が挿入されている。送り爪252は、テープ送り方向において、吸着領域PPよりも下流側(吸着領域PP通過後)で、折り返し部284で折り返されたテープの穴に凸部が挿入されている。フィードユニット200は、ステップS6に示すように送り爪152の凸部が穴に挿入され、送り爪252の凸部が穴に挿入されている状態で、駆動部204を駆動し、テープ送り方向にテープ本体の穴の1ピッチ分、テープ送り爪ユニット208、戻り方向テープ送り爪ユニット210を移動させる。
【0100】
フィードユニット200は、ステップS6の状態でテープ送り爪ユニット208、戻り方向テープ送り爪ユニット210をテープ送り方向に送ると、送り爪152の凸部の送り方向に直交する面及び送り爪252の凸部の送り方向に直交する面により、穴がテープ送り方向に押され、ステップS7に示すように、テープ送り爪ユニット208とテープとがともにテープ送り方向に移動される。ここで、テープ送り爪ユニット208と戻り方向テープ送り爪ユニット210とは、連動機構211により互いに逆方向に移動される。このように、戻り方向テープ送り爪ユニット210が、テープ送り爪ユニット208とは逆方向に移動されることで、送り爪152、252が挿入されている穴を有するテープを、テープ送り方向、つまり、案内溝282に沿ってガイド部から排出部に向かう方向に搬送することができる。
【0101】
フィードユニット200は、テープ送り爪ユニット208、戻り方向テープ送り爪ユニット210へのテープ送り方向の移動が完了(ステップS7)するとテープ本体に保持される先端の電子部品が吸着位置となり待機する。このとき吸着位置(吸着領域)PPにある電子部品は、電子部品本体をクランプしてカッタによりリードが切断される。次に電子部品実装装置側で所定の処理、例えば、テープが保持していた吸着位置の電子部品をヘッドに供給したら、駆動指令が発信されて駆動部204を駆動し、テープ送り方向とは反対方向にテープ本体72の穴の1ピッチ分、テープ送り爪ユニット208、戻り方向テープ送り爪ユニット210を移動させる。フィードユニット200は、ステップS7の状態でテープ送り爪ユニット208、戻り方向テープ送り爪ユニット210をテープ送り方向とは反対側に送ると、送り爪152、252の凸部の傾斜している面が穴と接し、傾斜に沿って送り爪152、252の凸部が穴から抜ける方向に移動する。これにより、フィードユニット200は、ステップS8に示すように、送り爪152、252の凸部が穴から外れて(ステップS8)、テープは移動せず、テープ送り爪ユニット208、戻り方向テープ送り爪ユニット210が、テープ送り方向とは反対側に移動する。
【0102】
その後、フィードユニット200は、ステップS7に示す状態から、テープ送り方向とは反対方向にテープ本体72の穴の1ピッチ分、テープ送り爪ユニット208、戻り方向テープ送り爪ユニット210を移動させると、ステップS9に示すように、送り爪152、252の凸部がステップS7で挿入されていた穴よりも1ピッチ分上流側にある穴に挿入された状態となる。その後駆動部204は直ちにテープ送り方向に駆動されテープ本体72に保持される次の電子部品が吸着位置に移送される。
【0103】
フィードユニット200は、このように、駆動部204によりテープ送り爪ユニット208をテープ本体72の穴の1ピッチ分、送り方向に往復運動させることで、テープを1ピッチ分送り方向に順次移動させることができる。
【0104】
また、フィードユニット200は、戻り方向テープ送り爪ユニット210を設け、連動機構211により、戻り方向テープ送り爪ユニット210をテープ送り爪ユニット208と連動させて駆動することで、吸着領域PPを通過したテープを送り方向に搬送することができる。このように、吸着領域PPを通過したテープを送り方向に搬送することができることで、吸着領域PPの上流と下流の両方でテープを移動させることができる。これにより、吸着領域PPでテープが撓んだりして、テープの位置がずれることを抑制することができる。また、本実施形態のフィードユニット200は、連動機構211により、テープ送り爪ユニット208と戻り方向テープ送り爪ユニット210とを連動して移動させることで、1つの駆動機構で2つの送り爪を移動させることができる。また、連動して移動させることで、2つの送り爪の間の距離を一定に維持することができ、テープを適切に搬送することができる。
【0105】
次に、図30から図35を用いて、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作について説明する。図30は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。図31は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。図32は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。図33は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。図34は、認識動作の検出結果の一例を示す模式図である。図35は、認識動作の検出結果の一例を示す模式図である。
【0106】
電子部品実装装置10は、上述したようにレーザ認識装置38を用いて電子部品の形状を計測する。レーザ認識装置38は、図30に示すように、光源38aと受光素子38bとの間に電子部品80が配置されている状態で、光源38aからレーザ光を出力し、受光素子38bで到達したレーザ光を検出することで、光源38aと受光素子38bとの間に配置されている部品の形状を検出する。また、レーザ認識装置38は、ノズル32で吸着した電子部品80の一方向の形状を検出したら、ノズル駆動部34によりノズル32を移動または回転させて電子部品80を移動または回動させて、形状の検出を再び行う。このように、レーザ認識装置38は、電子部品80を回転させることで、図31に示すように、電子部品80に対してレーザ光が照射される方向及び電子部品80に対する受光素子38bの角度が変化する。これにより、電子部品80の他の方向の形状を検出することができる。レーザ認識装置38は、このように、複数の方向からの形状を検出し、図32に示すように各方向形状の検出結果を同様することで、電子部品80の三次元形状を正確に検出することができる。
【0107】
ここで、上述したように本実施形態の電子部品実装装置10は、ラジアルリード形電子部品である電子部品80を基板8に搭載する。電子部品実装装置10は、図33に示す電子部品80の形状を検出する場合、計測するZ軸方向の高さによって検出される形状が異なる。つまり、電子部品実装装置10のレーザ認識装置38は、図33に示すようにラインAで検出を実行する場合、ラインBで検出を実行する場合、ラインCで検出を実行する場合、ラインDで検出を実行する場合で検出される形状が異なる形状となる。
【0108】
例えば、レーザ認識装置38は、図33に示すラインAで形状の計測を行うと、図34に示すように電子部品80の本体82の形状を検出することができる。また、レーザ認識装置38は、図33に示すラインBで形状の計測を行うと、図35に示すように電子部品80のリード84の形状を検出することができる。また、レーザ認識装置38は、図33に示すラインCで形状の計測を行うと、本体82の下面位置の形状を検出することができ、図33に示すラインDで形状の計測を行うと、リード84の下面位置の形状を検出することができる。電子部品実装装置10は、電子部品80を吸着しているノズル32のZ軸方向の高さを調整することで、レーザ認識装置38が電子部品80の形状を計測する位置を種々の位置とすることができる。
【0109】
図36は、電子部品実装装置の電子部品の形状の認識動作を説明するための説明図である。また、電子部品実装装置10は、ラジアルリード形電子部品である電子部品として、図36に示す電子部品80aを用いる場合もある。電子部品80aは、本体82aの一部に切り欠き89が形成されている。電子部品80aは、切り欠き89が形成されている部分が他の電子部品とは異なる形状となる。また、電子部品80aは、切り欠き89が形成されている位置により向きを判定することができる。
【0110】
ここで、本実施形態の電子部品実装装置10の制御部60は、搭載対象の電子部品、つまり、ノズルで吸着した電子部品に対する位置(電子部品のZ軸方向の位置)がオペレータによって予め設定されている場合、オペレータによって設定された位置の電子部品の形状をレーザ認識装置38で検出する。このように、電子部品実装装置10は、オペレータが設定した位置に基づいて電子部品の形状を計測することで、電子部品の特徴的な形状部分を計測位置とすることができ、電子部品の種類の識別及び電子部品の向きの検出をより高い精度で実行することができる。
【0111】
次に、電子部品実装装置10の各動作について説明する。図37及び図38を用いて、電子部品の形状の認識動作について説明する。図37及び図38は、それぞれ、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図37及び図38に示す処理は、制御部60が各部の動作を制御することで実行される。
【0112】
図37に示す処理は、電子部品の形状を計測する位置を設定する処理である。ここで、制御部60は、図37に示す処理を電子部品の形状を計測する際に毎回行ってもよいし、基板への電子部品の搭載動作の設定を行う際にすべての電子部品について実行し、実際の電子部品の搭載処理時は、事前に実行して決定した結果(計測位置の設定結果)に基づいて形状の計測を行うようにしてもよい。
【0113】
制御部60は、ステップS12として、計測位置設定ありかを判定する。ここで計測位置設定とは、対象の電子部品に対して、オペレータによって設定される形状を計測する位置の情報である。制御部60は、ステップS12で設定あり(Yes)と判定した場合、ステップS14として設定に基づいて計測位置を設定し、つまり、オペレータが設定した計測位置を、当該電子部品の計測位置に設定し、本処理を終了する。また、制御部60は、ステップS12で設定なし(No)と判定した場合、ステップS16として、基準位置を計測位置に設定し、本処理を終了する。ここで、基準位置とは、電子部品のカテゴリー、つまりコンデンサかICチップか等によって設定されている基準の計測位置である。
【0114】
電子部品実装装置10は、このようにオペレータで計測位置を設定可能とし、オペレータが任意に設定した位置を計測位置とすることができる。また、電子部品実装装置10は、1つの電子部品の計測位置を複数設定することができる。例えば、ラジアルリード形電子部品の場合、本体とリードの2箇所の形状を計測することもできる。また、電子部品実装装置10は、計測位置が設定された場合、設定に基づいて、当該電子部品の当該計測位置における形状の情報を取得する。なお、形状の情報はレーザ認識装置38を用いて計測した結果を用いても、オペレータによって入力された当該電子部品の形状データを用いてもよい。
【0115】
次に、図38に示す処理は、電子部品の搭載前の処理、具体的には電子部品の形状の計測処理及び計測結果に基づいた判定処理である。なお、制御部60は、図38の処理を吸着するすべての電子部品に対して実行する。制御部60は、ステップS20として吸着対象の電子部品のデータを取得する。ここで、吸着対象の電子部品のデータとは、当該電子部品を基板に搭載するために必要な各種情報である。吸着対象の電子部品のデータは、当該電子部品が保持されている部品供給装置100の位置、電子部品の形状データ、電子部品の吸着高さ、電子部品をレーザ認識装置38で計測する計測位置の情報等である。
【0116】
制御部60は、ステップS20でデータを取得したら、ステップS22として計測位置を決定する。つまり、制御部60は、ステップS20で取得したデータに基づいて電子部品の形状を検出する位置、つまり、電子部品のZ軸方向の位置を決定する。なお、制御部60は、ステップS20及びステップS22の処理を、電子部品の吸着前に行ってもよい。
【0117】
制御部60は、ステップS22で計測位置を決定し、かつノズルで電子部品を吸着した場合、ステップS24として、電子部品のZ軸位置を調整する。つまり、制御部60は、ノズルをZ軸方向に移動させることで、電子部品のステップS22で決定した計測位置をレーザ認識装置38の計測領域に移動させる。制御部60は、ステップS24で電子部品のZ軸位置を調整したら、ステップS26として電子部品の形状を計測する。つまり、制御部60は、レーザ認識装置38を用いて電子部品の計測位置の形状を検出する。
【0118】
制御部60は、ステップS26で電子部品の計測位置での形状を検出したら、ステップS28として計測終了かを判定する。つまり制御部60は、ステップS22で決定した計測位置での形状の計測が終了したかを判定する。制御部60は、ステップS28で計測終了ではない(No)と判定した場合、ステップS24に進み、ステップS24とステップS26の処理を再び行い、計測が終了していない計測位置の形状を計測する。制御部60は、このように電子部品の位置の調整と形状の計測とを繰り返すことで、設定した計測位置の形状を検出する。
【0119】
制御部60は、ステップS28で計測終了である(Yes)と判定した場合、ステップS30として計測結果と基準データとを比較する。ここで基準データは、ステップS20で取得した吸着対象の電子部品の形状のデータである。制御部60は、計測結果と基準データとを比較することで、吸着している電子部品が基準データと一致する形状であるか、電子部品の向きが基準データの向きと一致するか等を判定する。
【0120】
制御部60は、ステップS30で比較を行ったら、ステップS32として部品は適正であるかを判定する。具体的には、制御部60は、ステップS32で電子部品を搭載可能な状態で吸着しているかを判定する。制御部60は、ステップS32で部品は適正ではない(No)と判定した場合、ステップS34としてノズルが吸着している電子部品を廃棄し、本処理を終了する。
【0121】
制御部60は、ステップS32で部品は適正である(Yes)と判定した場合、ステップS36として部品の方向(ノズルの回転方向における方向)が適正であるかを判定する。つまり、吸着している電子部品が基準の向きと同一であるかを判定する。なお、本実施形態の制御部60は、ステップS36として電子部品は反転しているかを判定する。制御部60は、ステップS36で方向が適正ではない、つまり電子部品が反転した状態である(No)と判定した場合、ステップS38で電子部品を反転させた後ステップS40に進む。
【0122】
制御部60は、ステップS36でYesと判定した場合またはステップS38の処理を実行した場合、ステップS40として吸着位置に基づいて、電子部品の搭載位置を微調整する。例えば、電子部品の形状の検出結果に基づいて、ノズルが電子部品を吸着している位置を検出し、基準位置に対する吸着位置のずれに基づいて、搭載時のノズルと基板の相対位置を調整する。制御部60は、ステップS40の処理を実行したら本処理を終了する。また、制御部60は、図38のステップS40の処理を行ったら、判定した電子部品をステップS40の結果を加味して電子部品を基板に搭載する。
【0123】
電子部品実装装置10は、このようにレーザ認識装置38を用いて電子部品の形状を検出し、その結果に基づいて各種処理を行うことで、基板により適切に電子部品を搭載することができる。
【0124】
次に、図39及び図40を用いて、電子部品の搭載順序の決定動作について説明する。図39は、電子部品実装装置の動作を説明するための説明図である。
【0125】
本実施形態の電子部品実装装置10は、生産プログラムのデータとして、図39に示すリスト302を備える。リスト302は、基板の搭載点に対する搭載レイアの情報と挿入部品指定の情報である。ここで、搭載レイアとは、電子部品の搭載順序を決定する際に用いられる優先度の情報であり、1から7の数値で設定される。ここで、搭載レイアは、数値が小さいほど搭載順序が先と判定され、大きいほど搭載順序が後と判定される数値である。なお、搭載レイアは、オペレータが各種情報を考慮して設定する値である。挿入部品指定とは、搭載点に搭載する電子部品が挿入部品であるか否かを示す項目である。なお、図39では挿入部品に指定された搭載点をYesで示す。ここで、挿入部品とは、主としてラジアルリード形電子部品等のリードを基板に形成された穴に挿入する電子部品である。なお、挿入部品指定もオペレータが設定する情報である。このため、電子部品の種類によらず、オペレータが挿入部品であると判定した搭載点は挿入部品指定をYesとすることができる。
【0126】
電子部品実装装置10は、リスト302の情報を用いて、搭載順序リスト304を作成する。ここで、搭載順序リスト304は、リスト上側の搭載点が先に電子部品が搭載される搭載点となり、リスト下側の搭載点が後に電子部品が搭載される搭載点となる。つまり搭載順序リスト304は、電子部品が搭載される順番が早い順で上から順番に表示される。ここで、搭載順序リスト304の内部レイアは、搭載レイアと挿入部品指定とに基づいて制御部60が決定したレイアの情報である。制御部60は、内部レイアの数値が小さい搭載点から順番に電子部品を搭載する搭載点を決定する。
【0127】
図40は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図40に示す処理は、リスト302に基づいて搭載順序リスト304を作成する処理の一例である。図40に示す処理は、制御部60が各部の動作を制御することで実行される。制御部60は、ステップS50として生産プログラムを読み出す。制御部60は、生産プログラムを外部の装置から読み出したり、電子部品実装装置10の記憶部から読み出したりする。制御部60は、ステップS50で生産プログラムを読み出したら、ステップS52として搭載点nの情報を取得する。具体的には、搭載点nの搭載レイアの情報と挿入部品指定の情報を取得する。
【0128】
制御部60は、ステップS52で搭載点nの情報を取得したら、ステップS54として、搭載点n=挿入部品であるか、つまり搭載点nの挿入部品指定の情報がYesであるかを判定する。制御部60は、ステップS54で搭載点n=挿入部品はない(No)と判定した場合、ステップS56として内部レイア=搭載レイアとする。つまり制御部60は、搭載点nの挿入部品指定の情報がYesではない場合、搭載レイアの数値を内部レイアの数値とする。制御部60は、ステップS56の処理を行ったら、ステップS60に進む。制御部60は、ステップS54で搭載点n=挿入部品である(Yes)と判定した場合、ステップS58として内部レイア=搭載レイア+7とする。つまり制御部60は、搭載点nの挿入部品指定の情報がYesである場合、搭載レイアの数値に7を加算した数値を内部レイアの数値とする。制御部60は、ステップS58の処理を行ったら、ステップS60に進む。
【0129】
制御部60は、ステップS56またはステップS58の処理を行ったら、ステップS60として、搭載データが終了であるか、つまりすべての搭載点について内部レイアを算出したかを判定する。制御部60は、ステップS60で終了ではない(No)と判定した場合、ステップS62として搭載点nをn+1とした後、ステップS52に進む。つまり、内部レイアの検出対象の搭載点を次の搭載点として、上述した処理を行う。
【0130】
制御部60は、ステップS60で終了である(Yes)、つまりすべての搭載点の内部レイアを設定したと判定した場合、ステップS64として搭載順を決定する。つまり制御部60は、設定した内部レイアと各種条件に基づいて、搭載点に電子部品を搭載する順序を決定する。制御部60は、搭載順を決定したら、搭載順序リストを作成し、本処理を終了する。
【0131】
このように、電子部品実装装置10は、オペレータが挿入部品であるか否かを設定できる項目を設け、挿入部品に設定された搭載点の内部レイアに一定の加算を行うことで、挿入部品が後から基板に搭載されるようにすることができる。また、オペレータは、挿入部品であるか否かを判定するのみで、対象の電子部品の搭載順を後にすることができる。これにより、搭載レイアの設定の際に、搭載レイアのためのレイアを考慮して電子部品の搭載レイアを設定する必要がなくなる。これにより、搭載レイアを決定する操作がオペレータに与える負担を少なくすることができる。
【0132】
図41を用いて、電子部品実装装置の部品供給装置の動作について説明する。図41は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図41に示す処理は、部品供給制御部64が、制御部60の処理に基づいて部品供給装置の各部の動作を制御することで実行される。なお、図41に示す処理は、吸着領域に電子部品が配置されていない状態で開始される。部品供給制御部64は、ステップS70として、テープを1ピッチ分移動させる。つまり、部品供給制御部64は、フィードユニットの送り爪を1往復または送り方向に移動させることで、テープを1ピッチ分移動させる。これにより、テープ本体に保持された電子部品が吸着領域に移動される。
【0133】
部品供給制御部64は、ステップS70で電子部品を吸着領域に移動させたら、ステップS72として吸着領域に移動させた電子部品のリードを切断する。つまり、部品供給制御部64は、リードの部品本体とテープ本体との間にある部分を、カットユニットで切断する。部品供給制御部64は、ステップS72でリードを切断したら、ステップS74としてクランプ状態を維持する。つまり部品供給制御部64は、カットユニットでリード線を切断した後、切断した歯でリードを挟み込んでいる状態を維持する。
【0134】
部品供給制御部64は、ステップS74でクランプ状態を維持したら、ステップS76としてノズル32が電子部品を吸着しているかを判定する。部品供給制御部64は、ステップS76で電子部品がノズルに吸着されていない(No)と判定した場合、ステップS74に進む。部品供給制御部64は、電子部品がノズルに吸着されていると判定されるまで、電子部品のクランプ状態を維持する。
【0135】
部品供給制御部64は、ステップS76で電子部品がノズルに吸着されている(Yes)と判定した場合、ステップS78として電子部品を開放し、つまりクランプ状態を解除する。これによりリードが切断されテープから分離された電子部品は、ノズルにより所定の搭載位置に移動され、基板に搭載される。
【0136】
部品供給制御部64は、ステップS78で電子部品を開放したら、ステップS80としてテープ送り要求があるかを判定する。ここでテープ送り要求とは、テープを1ピッチ分移動させ、吸着領域に次の電子部品を移動させる要求である。部品供給制御部64は、ステップS80で要求あり(Yes)と判定した場合、ステップS70に進み、上記処理を再び実行する。
【0137】
部品供給制御部64は、ステップS80で要求なし(No)と判定した場合、ステップS82として処理終了かを判定する。部品供給制御部64は、ステップS82で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS80に進む。また、部品供給制御部64は、ステップS82で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0138】
部品供給制御部64は、以上のように吸着領域に電子部品を移動させ、リードを切断してクランプし、電子部品がノズルに吸着されたら、クランプを解除することで、ラジアルリード形電子部品をノズルに移動可能な状態で吸着させることができる。
【0139】
図42は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図42に示す処理動作は、基板を搬入してから、基板への電子部品の搭載が完了するまでの動作である。また、図42に示す処理動作は、制御部60が各部の動作を制御することで実行される。
【0140】
制御部60は、ステップS102として、基板を搬入する。具体的には、制御部60は、電子部品を搭載する対象の基板を基板搬送部12で所定位置まで搬送する。制御部60は、ステップS102で基板を搬入したら、ステップS104として吸着移動を行う。ここで、吸着移動とは、ノズル32が部品供給ユニット14の吸着領域にある電子部品80と対面する位置までヘッド本体30を移動させる処理動作である。
【0141】
制御部60は、ステップS104で吸着移動を行ったら、ステップS106として、ノズル32を下降させる。つまり、制御部60は、電子部品80を吸着できる位置までノズル32を下方向に移動させる。制御部60は、ステップS106でノズル32を下降させたら、ステップS108として、ノズル32で部品を吸着し、ステップS110として、ノズル32を上昇させる。制御部60は、ステップS110でノズルを所定位置まで上昇させたら、具体的には電子部品80をレーザ認識装置38の計測位置まで移動させたら、ステップS112として、ノズル32で吸着している電子部品の形状を検出する。制御部60は、ステップS112で電子部品の形状を検出したら、ステップS114としてノズルを上昇させる。なお、制御部60は、上述したようにステップS112の部品形状を検出し、吸着した電子部品が搭載不可であると判定した場合、電子部品を廃棄し、再び電子部品を吸着する。制御部60は、ノズルを所定位置まで上昇させたら、ステップS116として、搭載移動、つまりノズル32で吸着している電子部品を基板8の搭載位置に対向する位置まで移動させる処理動作を行い、ステップS118として、ノズル32を下降させ、ステップS120として部品搭載、つまりノズル32から電子部品80を開放する処理動作を行い、ステップS122として、ノズル32を上昇させる。つまり、制御部60は、ステップS112からステップS120の処理動作は、上述した実装処理を実行する。
【0142】
制御部60は、ステップS122でノズルを上昇させた場合、ステップS124として全部品の搭載が完了したか、つまり基板8に搭載する予定の電子部品の実装処理が完了したかを判定する。制御部60は、ステップS124で全部品の搭載が完了していない(No)、つまり搭載する予定の電子部品が残っていると判定した場合、ステップS104に進み、次の電子部品を基板8に搭載する処理動作を実行する。このように制御部60は、基板に全部品の搭載が完了するまで、上記処理動作を繰り返す。制御部60は、ステップS132で全部品の搭載が完了した(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0143】
次に、図43を用いて、部品供給装置100に保持される電子部品をノズルが吸着する前後の部品供給装置100とヘッド15の動作について説明する。図43は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図43に示す処理は、制御部60が各部の動作を制御することで実行される。
【0144】
制御部60は、ステップS140として、ヘッド15のXY吸着移動を行い、かつ、部品供給装置100による電子部品のクランプを開始する。つまり、制御部60は、ステップS140として、ヘッド15をXY方向に移動させ、ノズル32を吸着領域に移動させる。また、制御部60は、部品供給装置100の吸着領域に電子部品を配置し、その後、リードを切断し、クランプした状態とする。
【0145】
制御部60は、ステップS140の処理を行い、ステップS142としてヘッド15の吸着位置移動が完了した場合、つまり、ヘッド15のノズル32を吸着領域に移動させたら、ステップS144としてクランプ待ち時間と経過時間とを比較し、ステップS146として待ち時間が経過したか、つまり経過時間がクランプ待ち時間以上であるかを判定する。
【0146】
制御部60は、ステップS146で待ち時間が経過していない(No)、つまり経過時間がクランプ待ち時間未満であると判定した場合、ステップS144に進む。制御部60は、待ち時間が経過するまでステップS144、S146の処理を繰り返す。
【0147】
制御部60は、ステップS146で待ち時間が経過している(Yes)と判定した場合、ステップS148としてZ軸吸着降下を行う。つまり制御部60は、ノズルを吸着領域にある電子部品を吸着できる位置までZ軸方向下側に移動させる。制御部60は、ステップS148でZ軸吸着降下を行ったら、ステップS150で部品吸着、つまりノズルで電子部品を吸着し、ステップS152として、クランプ解除待ち時間と既存Z軸下降時待ち時間を比較する。ここで、クランプ解除待ち時間とは部品供給装置100がクランプしている電子部品のクランプ状態を解除するのに必要な処理時間である。既存Z軸下降時待ち時間は、ヘッドのノズルが電子部品を吸着する位置で待機する時間である。なお、既存Z軸下降時待ち時間は予め設定されている値であり、電子部品の吸着処理に必要な時間である。
【0148】
制御部60は、ステップS152で比較を行ったら、ステップS154としてクランプ解除待ち時間の方が大きいか、つまり既存Z軸下降時待ち時間<クランプ解除待ち時間であるかを判定する。制御部60は、ステップS154で、クランプ解除待ち時間の方が大きい(Yes)、つまり既存Z軸下降時待ち時間<クランプ解除待ち時間であると判定した場合、ステップS156としてクランプ解除待ち時間分待機し、ステップS160に進む。また、制御部60は、ステップS154で、クランプ解除待ち時間の方が大きくない(No)、つまり既存Z軸下降時待ち時間≧クランプ解除待ち時間であると判定した場合、ステップS158として既存Z軸下降時待ち時間分待機し、ステップS160に進む。
【0149】
制御部60は、ステップS156、S158の処理を行ったら、ステップS160としてヘッドのZ軸吸着上昇と、部品供給装置のフィード動作とを行い、本処理を終了する。
【0150】
電子部品実装装置10は、図42及び図43に示す処理動作を実行することで、基板に電子部品を搭載することができる。
【0151】
また、上記実施形態では、2つのヘッド15を有する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電子部品実装装置10は、1つのヘッド15を有しても、3つのヘッドを有してもよい。
【0152】
また、ヘッド15は、複数のノズルを備える場合、ラジアルリード形電子部品を吸着し搭載可能なノズルを少なくとも一本備えていればよく、ノズルの構成を種々の構成とすることができる。例えば、ヘッド15は、半数のノズルがラジアルリード形電子部品を吸着し搭載可能なノズルであり、残りの半数のノズルがラジアルリード形電子部品を吸着できないノズルである構成としてもよい。また、ヘッド15は、すべてのノズルを、ラジアルリード形電子部品を吸着し搭載可能なノズルとしてもよい。また、電子部品実装装置10は、生産プログラムに基づいて、搭載対象の電子部品を吸着するノズルを決定する際、ノズルの種類によって当該電子部品を吸着し搭載するノズルを決定する。また、本実施形態の電子部品実装装置10は、部品供給装置100と部品供給装置100aが混在する構成としたが、部品供給装置100のみを備える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0153】
8 基板
10 電子部品実装装置
12 基板搬送部
14、14f、14r 部品供給ユニット
15、15f、15r ヘッド
16 XY移動機構
22、22f、22r X軸駆動部
24 Y軸駆動部
30 ヘッド本体
31 ヘッド支持体
32 ノズル
34 ノズル駆動部
38 レーザ認識装置
38a 光源
38b 受光素子
60 制御部
62 ヘッド制御部
64 部品供給制御部
70 電子部品保持テープ
72 テープ本体
74 第1テープ
76 第2テープ
78 穴
80 電子部品
82 本体
84 リード
100 電子部品供給装置
102 支持台
110 筐体
112 クランプユニット
114 フィードユニット
116 カットユニット
118 空気圧調整部
120 案内溝
122 ガイド部
126 排出部
128 把持部
132 連結部
134 伝達部
136 弾性部
138 レバー
139 固定軸
142、162 支持部
144、164 駆動部
144a、164a 固定部
144b、164b 可動部
146 先端支持部
148 テープ送り爪ユニット
150 取付台
152 送り爪
154 ピン
156 バネ
158 把持部
166 伝達部
168 切断部
168a 第1刃部
168b 第2刃部
169 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定間隔で穴が形成されたテープ本体と当該テープ本体に一定間隔で保持された複数のラジアルリード形電子部品とを備える電子部品保持テープが装填され、前記電子部品保持テープが保持する前記ラジアルリード形電子部品を吸着領域に供給する電子部品供給装置であって、
前記電子部品保持テープを案内する案内溝を備える筐体と、
前記テープ本体の前記穴に挿入される送り爪を備えるテープ送り爪ユニット及び前記テープ送り爪ユニットをテープ送り方向の少なくとも送りピッチに相当して往復移動させる駆動部を備え、前記案内溝に案内された前記電子部品保持テープを前記テープ送り方向に搬送するフィードユニットと、
前記吸着領域に移動された前記ラジアルリード形電子部品のリードを切断し、前記ラジアルリード形電子部品と前記電子部品保持テープとを分離するカットユニットと、
前記テープ送り爪ユニットと前記筐体との前記テープ送り方向における相対位置を調整する位置調整機構と、を有することを特徴とする電子部品供給装置。
【請求項2】
前記位置調整機構は、前記筐体と前記フィードユニットとの前記テープ送り方向における相対位置を変更することで、前記テープ送り爪ユニットと前記筐体との相対位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の電子部品供給装置。
【請求項3】
前記位置調整機構は、前記筐体に形成された前記テープ送り方向に細長い長穴と、前記長穴に対して挿入位置を前記テープ送り方向に変更可能で前記フィードユニットに螺合し、前記筐体を前記フィードユニットに対して締め付けることで、前記フィードユニットを前記筐体に対して固定するねじと、を有し、
前記ねじの前記長穴に対する位置を変更することで、前記フィードユニットと前記筐体との前記テープ送り方向における相対位置を変更することを特徴とする請求項2に記載の電子部品供給装置。
【請求項4】
前記フィードユニットは、前記駆動部の前記テープ送り爪ユニットとの連結部に設けられた先端支持部をさらに有し、
前記位置調整機構は、前記先端支持部に対する前記テープ送り爪ユニットの相対位置を変更することで、前記テープ送り爪ユニットと前記筐体との前記テープ送り方向における相対位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の電子部品供給装置。
【請求項5】
前記先端支持部は、前記テープ送り爪ユニットに挿入されたねじの配置ピッチと同じねじ穴の組合せを、前記テープ送り方向の異なる位置に複数有し、
前記位置調整機構は、前記ねじを挿入させるねじ穴の組合せを切り換えることで、前記先端支持部と前記テープ送り爪ユニットとの前記テープ送り方向における相対位置を変更することを特徴とする請求項4に記載の電子部品供給装置。
【請求項6】
前記駆動部は、前記テープ送り爪ユニットを往復移動させる範囲が前記テープ本体の前記穴の間隔よりも長い距離であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項7】
前記案内溝は、前記吸着領域を通過した前記電子部品保持テープを案内する向きを反転させる折り返し部を備えるU字形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品供給装置。
【請求項8】
前記フィードユニットは、前記テープ送り爪ユニットと同じ構成であり、前記案内溝のU字形状の前記折り返し部を介して前記テープ送り爪ユニットに対面する位置に配置された戻り方向テープ送り爪ユニットと、
前記テープ送り爪ユニットと前記戻り方向テープ送り爪ユニットとの間に配置され、前記テープ送り爪ユニットの移動に連動させて、前記戻り方向テープ送り爪ユニットを前記テープ送り爪ユニットとは反対方向に移動させる連動機構と、を備え、
前記戻り方向テープ送り爪ユニットは、前記送り爪が前記折り返し部を通過した前記電子部品保持テープの前記テープ本体の前記穴に挿入され、前記折り返し部を通過した前記電子部品保持テープをテープ送り方向に搬送することを特徴とする請求項7に記載の電子部品供給装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の電子部品供給装置と、
前記電子部品供給装置から供給される電子部品を吸着するノズルと前記ノズルを駆動するノズル駆動部と前記ノズル及び前記ノズル駆動部とを支持するヘッド支持体とを有するヘッド本体と、
前記ヘッド本体及び前記電子部品供給装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子部品実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図33】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図32】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−65802(P2013−65802A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223347(P2011−223347)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】