電気光学装置及び電子機器
【課題】折りたたみ構造を備えた電気光学装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる複数の電気光学パネルと、少なくとも1つの前記電気光学パネルと接続された制御部とをフレキシブル基板を介して接続してなり、各々の前記電気光学パネルに送信端子と受信端子とが設けられており、前記制御部の出力信号が、前記送信端子と前記受信端子とを介して前記電気光学パネル間で受け渡されることを特徴とする。
【解決手段】本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる複数の電気光学パネルと、少なくとも1つの前記電気光学パネルと接続された制御部とをフレキシブル基板を介して接続してなり、各々の前記電気光学パネルに送信端子と受信端子とが設けられており、前記制御部の出力信号が、前記送信端子と前記受信端子とを介して前記電気光学パネル間で受け渡されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気泳動表示装置(電子ペーパー)等の電気光学装置を構成するTFTアレイ基板としては、ガラス基板上に半導体素子を形成したものが一般的に用いられ、フレキシブル性を有する電気光学装置を構成する場合には、プラスチック基板やステンレス基板などが用いられていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−178706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、プラスチック基板などの可撓性基板を用いたとしても、電気光学装置を湾曲させて丸めることはできるが、折りたたむことまでは不可能であった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、折りたたみ構造を備えた電気光学装置、及び電子機器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる複数の電気光学パネルと、少なくとも1つの前記電気光学パネルと接続された制御部とをフレキシブル基板を介して接続してなり、各々の前記電気光学パネルに送信端子と受信端子とが設けられており、前記制御部の出力信号が、前記送信端子と前記受信端子とを介して前記電気光学パネル間で受け渡されることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、各々の電気光学パネルと制御部とをフレキシブル基板を介して接続していることから、電気光学パネル同士の接続部分、及び電気光学パネルと制御部との接続部分のフレキシブル基板を折り曲げ可能のヒンジ部とすることができる。これにより、折りたたみ可能な構造を備えた電気光学装置とすることができる。さらに、制御部の出力信号は電気光学パネル間で受け渡されるため、制御部と複数の電気光学パネルとの接続形態を自在に設定することができる。
【0008】
前記送信端子と前記受信端子とがフレキシブル配線基板を介して接続されていることが好ましい。
この構成によれば、電気光学パネル同士の電気的接続構造により折りたたみ構造の可動範囲が制限されることがない。
【0009】
複数の前記電気光学パネルを支持するフレキシブル支持基板を有することが好ましい。
この構成によれば、フレキシブル支持基板により複数の電気光学パネルを支持するため、電気光学パネル同士を両パネルに架設された小サイズのフレキシブル基板で支持する場合と比較して信頼性に優れた折りたたみ構造を実現できる。
【0010】
複数の前記電気光学パネルが向きを揃えて一方向に配列されており、隣り合って配置された前記電気光学パネルのうち一方の前記電気光学パネルの辺縁に前記送信端子が設けられ、他方の前記電気光学パネルの前記辺縁と対向する辺縁に前記受信端子が設けられている構成としてもよい。
この構成によれば、電気光学パネル同士の電気的接続を容易に行えるとともに、接続部分の省スペース化も実現できる。
【0011】
前記電気光学パネルの隣接する2つの辺縁にそれぞれ前記送信端子が設けられ、他の2つの辺縁にそれぞれ前記受信端子が設けられている構成としてもよい。
このような構成とすれば、電気光学パネル同士を縦横に接続することができるため、電気光学パネルを行方向及び列方向にマトリクス状に配列し、大型の電気光学装置を構成することができる。
【0012】
各々の前記電気光学パネルに、画像を表示させる表示部と、前記表示部を駆動するとともに前記受信端子と接続された駆動回路とが設けられていることが好ましい。
この構成によれば、個々の電気光学パネルに表示部を駆動する駆動回路を備えているので、制御部と電気光学パネル、及び電気光学パネル同士を接続する配線数を減らすことができる。
【0013】
各々の前記電気光学パネルに、複数の前記受信端子と、各々の前記受信端子と前記駆動回路とを接続する複数の配線とが設けられ、複数の前記配線のうち少なくとも1本の前記配線が電気的に切断されている構成とすることもできる。
このような構成とすれば、上記の複数の配線が切断されていない電気光学パネルを用意することで、電気光学装置の任意の位置の電気光学パネルと置き換えて用いることができる。これにより、電気光学パネルを電気光学装置の製造及び修理の双方で用いる汎用部品とすることができる。
【0014】
各々の前記電気光学パネルに、前記受信端子と前記送信端子とを接続するとともに前記駆動回路と接続された配線を有することが好ましい。
このような構成とすることで、互いに接続された電気光学パネル間で信号を受け渡し、各々の電気光学パネルの駆動回路に対して制御部の出力信号を供給することができる。
【0015】
本発明の電子機器は、先に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、折りたたみ可能な表示手段を具備した電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電気光学装置の一実施の形態を示す(a)平面図、及び(b)側面図。
【図2】実施形態に係る電気光学パネルの平面図。
【図3】電気光学パネルの要部の詳細を示す部分平面図。
【図4】画素の一構成例を示す図
【図5】隣り合う電気光学パネル間の接続部を拡大して示す図。
【図6】電気光学パネルの配線構造を示す説明図。
【図7】変形例に係る電気光学パネルを示す図。
【図8】変形例に係る電気光学装置を示す図。
【図9】電気光学パネルの複数の具体的構成例を示す図。
【図10】実施形態に係るUSBメモリを示す斜視図。
【図11】実施形態に係るUSBメモリを示す斜視図。
【図12】実施形態に係るUSBメモリを示す平面図。
【図13】実施形態に係るUSBメモリの機能ブロック図
【図14】USBメモリの動作を示すフローチャート。
【図15】USBメモリの動作説明図。
【図16】セキュリティ機能を備えたUSBメモリの機能ブロック図。
【図17】セキュリティ解除機器を示す斜視図。
【図18】セキュリティ解除機器の機能ブロック図。
【図19】セキュリティ解除機器及びUSBメモリの使用方法を示す説明図。
【図20】セキュリティ解除機器及びUSBメモリの動作フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の電気光学装置の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造に対して縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0018】
(電気光学装置)
図1は、本発明に係る電気光学装置の一実施の形態を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。図2は、実施形態に係る電気光学パネルの平面図である。
図1に示す電気光学装置100は、3枚の電気光学パネル10a、10b、10cと、制御基板30とを備えて構成されている。電気光学パネル10a、10b、10c及び制御基板30は、可撓性フィルム等からなるフレキシブル支持基板101の一面側に接着されている。また、隣り合って配置された制御基板30と電気光学パネル10aはフレキシブル配線基板151を介して接続されている。電気光学パネル10a、10bはフレキシブル配線基板152を介して接続されている。電気光学パネル10b、10cはフレキシブル配線基板153を介して接続されている。
【0019】
上記構成により、電気光学装置100は、制御基板30と電気光学パネル10aとの接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部H1とされ、電気光学パネル10aと電気光学パネル10bとの接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部H2とされ、電気光学パネル10bと電気光学パネル10cとの接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部H3とされている。
【0020】
制御基板30は、電気光学パネル10a、10b、10cを駆動制御する制御部130と、制御部130と図示略の配線を介して接続された送信端子群31とを備えている。送信端子群31は、図1では詳細を省略しているが、制御基板30の辺縁に沿って配列された複数の送信端子を含んで構成される。
【0021】
電気光学パネル10a、10b、10cは、いずれも図2に示す電気光学パネル10を用いて構成されている。図2に示すように、電気光学パネル10は、矩形状の素子基板11上に、矩形状の表示部12と、表示部12の一辺に沿って配置されたデータ線駆動回路13と、表示部12の他の一辺に沿って配置された走査線駆動回路14と、パネル制御回路15と、受信端子群111と、送信端子群112とが形成された構成を備えている。
【0022】
なお、図1に示す電気光学パネル10a、10b、10cでは、各構成要素に、「a」「b」「c」の添字を付した符号(素子基板11a、11b、11c、表示部12a、12b、12cなど)を用いた。これにより、各構成要素と電気光学パネル10の構成要素(素子基板11、表示部12、受信端子群111、送信端子群112など)との対応関係を明確にするとともに、それらが属する電気光学パネルも明確にした。
【0023】
受信端子群111は素子基板11の長辺のうち一方の長辺に沿った位置に形成され、複数の受信端子121を上記長辺に沿って配列してなる構成を備える。一方、送信端子群112は、受信端子群111が形成された長辺と対向する他の長辺に形成されている。送信端子群112は、複数の送信端子122を長辺に沿って配列してなる構成を備えている。
【0024】
また本実施形態の場合、素子基板11の長辺に設けられた受信端子群111と送信端子群112とが、短辺方向において対向するように配置されている。すなわち、図2におけるパネル制御回路15近傍の角部11Aから受信端子群111までの長さと、送信端子群112近傍の角部11Bから送信端子群112までの長さとがほぼ同等である。
【0025】
このような構成とされていることで、図1に示すように、電気光学パネル10a、10bを並べて配置したときに、電気光学パネル10aの送信端子群112aと、電気光学パネル10bの受信端子群111bとが対向配置され、これら送信端子群112aと受信端子群111bとを接続するフレキシブル配線基板152として簡素な構造で長さも短いものを用いることができる。これにより、フレキシブル配線基板を用いた接続を行いやすくなる。
【0026】
ここで図3は、電気光学パネルの要部の詳細を示す部分平面図である。
図3に示すように、電気光学パネル10の表示部12には、互いに交差する方向に延びる複数のデータ線16と複数の走査線18とが形成されており、データ線16と走査線18とが交差する位置に対応して画素19が形成されている。複数のデータ線16はデータ線駆動回路13に接続され、複数の走査線18は走査線駆動回路14に接続されている。
【0027】
データ線駆動回路13と走査線駆動回路14はパネル制御回路15に接続されている。パネル制御回路15は、受信端子群111と送信端子群112とを接続する配線131に接続されており、受信端子群111を介して他の電気光学パネル10又は制御基板30と接続される。パネル制御回路15は、上位装置から入力される制御信号に基づいてデータ線駆動回路13及び走査線駆動回路14を駆動し、表示部12に配列された画素19に画像データに基づく画像信号を入力することで画像表示を行う。
【0028】
また電気光学パネル10では、受信端子群111の1つの受信端子121と、送信端子群112の1つの送信端子122とが、配線131を介して接続されている。そして、複数の配線131のうち、一部の配線131がパネル制御回路15と接続されている。この構成により、図1に示したように電気光学パネル10a、10b、10cを、フレキシブル配線基板152、153を介して相互に接続したときに、制御基板30の送信端子群31から出力される信号を、電気光学パネル10a、10bを経由して電気光学パネル10cにまで伝達させることができる。すなわち、本実施形態の電気光学パネル10は、制御部130から出力される信号を受信端子群111を介して受け取り、受け取った上記信号を送信端子群112から出力する。このようにして、互いに接続された電気光学パネル10間で制御部130から出力された信号が受け渡される。
【0029】
図4は、画素19の一構成例を示す図である。図4に示す画素19は、1T1C(1トランジスタ1キャパシタ)方式の画素回路であり、選択トランジスタTRsと、キャパシタC1と、画素電極9と、電気光学物質層25と、共通電極22とを備えている。選択トランジスタTRsのゲートに走査線18が接続され、ソースにデータ線16が接続されている。選択トランジスタTRsのドレインには、キャパシタC1の一方の電極と画素電極9とが接続されている。画素電極9と共通電極22との間に電気光学物質層25が挟持されている。キャパシタC1の他方の電極は、走査線18に沿って延びる容量線17と接続されている。
【0030】
図3に示した走査線駆動回路14は、走査線18を介して画素19に選択トランジスタTRsをオン状態とする選択信号を入力する。一方、データ線駆動回路13は、上記選択信号の入力により選択トランジスタTRsがオン状態とされている期間に、データ線16に画像信号を供給する。これにより、選択トランジスタTRsを介してキャパシタC1に画像信号が入力され、画素電極9が画像信号に応じた電位に設定される。その後、選択トランジスタTRsがオフ状態に移行すると、キャパシタC1に蓄積されたエネルギーにより画素電極9の電位が保持され、画素電極9と共通電極22との電位差に基づいて電気光学物質層25が駆動される。
【0031】
図5(a)は、電気光学パネル10aと電気光学パネル10bとの接続部を拡大して示す部分平面図である。図5(b)は、図5(a)のA−A線に沿う位置の断面図である。なお、フレキシブル支持基板101の図示は省略している。
図5に示すように、電気光学パネル10aの送信端子群112aと、電気光学パネル10bの受信端子群111bとは、フレキシブル配線基板152を介して接続されている。フレキシブル配線基板152の一方の面には、接続配線155が送信端子群112a及び受信端子群111bに対応するピッチで配列形成されている。そして、フレキシブル配線基板152はACP(異方性導電ペースト)やACF(異方性導電フィルム)などの導電性接着材を介して送信端子群112a及び受信端子群111bに接続されている。図示のように、接続配線155と受信端子121及び送信端子122とは、それらの間に金属粒子や金属フィラー等の導電材61を介在させた状態で接着され、導電材61を介して電気的に接続されている。
【0032】
次に、図6は、電気光学パネル10a〜10cの配線構造を示す説明図である。なお、図6には説明に必要な配線構造のみが示されている。
図6に示すように、制御基板30の制御部130は、配線134を介して送信端子群31に含まれるイネーブル端子135a〜135cに接続されている。イネーブル端子135a〜135cは、接続配線155を介して、電気光学パネル10aの対応する受信端子121(受信端子群111a)に接続されている。
【0033】
電気光学パネル10aにおいて、受信端子121は、配線131aを介して、対応する送信端子122(送信端子群112a)に接続されている。図示された3本の配線131aには、それぞれイネーブル配線141a、142a、143aが接続されているが、図にX印を付して示すように、イネーブル配線142aとイネーブル配線143aはレーザーリペア法などを用いて切断されている。したがって、電気光学パネル10aでは、イネーブル配線141aと接続された配線131aのみがパネル制御回路15aと接続されている。電気光学パネル10aの送信端子122は、接続配線155を介して、電気光学パネル10bの対応する受信端子121(受信端子群111b)に接続されている。
【0034】
電気光学パネル10bにおいて、受信端子121は、配線131bを介して、対応する送信端子122(送信端子群112b)に接続されている。図示された3本の配線131bには、それぞれイネーブル配線141b、142b、143bが接続されているが、図にX印を付して示すように、イネーブル配線141bとイネーブル配線143bはレーザーリペア法などを用いて切断されている。したがって、電気光学パネル10bでは、イネーブル配線142bと接続された配線131bのみがパネル制御回路15bと接続されている。電気光学パネル10bの送信端子122は、接続配線155を介して、電気光学パネル10cの対応する受信端子121(受信端子群111c)に接続されている。
【0035】
電気光学パネル10cにおいて、受信端子121は、配線131cを介して、対応する送信端子122(送信端子群112c)に接続されている。図示された3本の配線131cには、それぞれイネーブル配線141c、142c、143cが接続されているが、図にX印を付して示すように、イネーブル配線141cとイネーブル配線142cはレーザーリペア法などを用いて切断されている。したがって、電気光学パネル10cでは、イネーブル配線143cと接続された配線131cのみがパネル制御回路15cと接続されている。
【0036】
上記構成により、制御基板30のイネーブル端子135aには、電気光学パネル10aのパネル制御回路15aのみが接続されている。また、イネーブル端子135bには、電気光学パネル10bのパネル制御回路15bのみが接続され、イネーブル端子135cには、電気光学パネル10cのパネル制御回路15cのみが接続されている。これにより、制御部130は、イネーブル端子135a、135b、135cを介して電気光学パネル10a、10b、10cに選択的に制御信号(イネーブル信号)を出力することができ、任意のパネルを選択的に動作させることができる。
【0037】
なお、電気光学装置100に搭載される前の電気光学パネル10aでは、イネーブル配線141a、142a、143aはいずれも切断されていない状態である。つまり、電気光学装置100の汎用部品としての電気光学パネル10は、電気光学パネル10a、10b、10cのいずれに対しても置き換え可能に構成されており、電気光学装置100に搭載する際に、制御基板30からの相対位置に応じて不要なイネーブル配線を切断する。このような構成により、電気光学装置100の製造時及び修理時の双方において、共通の構成の電気光学パネル10を汎用的に使用することができる。
【0038】
なお、電気光学パネル10a〜10cに画像信号や各種タイミング信号を伝送する配線については、上記イネーブル配線のように一部が切断されたものではなく、全ての電気光学パネル10a〜10c間で相互に接続された配線とされる。つまり、制御部130と接続された1本の配線に対して、電気光学パネル10a〜10cのパネル制御回路15a〜15cが接続される。上記の配線構造により、制御基板30の送信端子から出力された画像信号やタイミング信号が、電気光学パネル10aを中継して電気光学パネル10bへ伝達され、さらに電気光学パネル10bから電気光学パネル10cへ伝達される。
【0039】
上記構成を備えた本実施形態の電気光学装置100では、各々が走査線駆動回路14及びデータ線駆動回路13を備えた電気光学パネル10(10a〜10c)を連結することにより大型の表示部を構成している。そして、上述したように制御部130から任意の電気光学パネル10a〜10cに対してイネーブル信号を出力し任意の電気光学パネル10a〜10cを選択的に有効化することで、制御部130から出力された画像信号やタイミング信号を特定のパネルにのみ有効な信号とすることができるので、所望の電気光学パネル10a〜10cに対して所望の画像を表示させることができる。
【0040】
以上詳細に説明したように、本実施形態の電気光学装置100では、図1及び図5に示したように、電気光学パネル10a〜10c及び制御基板30がフレキシブル支持基板101により支持され、さらに電気光学パネル10a、10b等の電気的接続にもフレキシブル配線基板152(151,153)が用いられている。これにより、制御基板30と電気光学パネル10aとの接続部分にヒンジ部H1や、電気光学パネル10aと電気光学パネル10bとの接続部分にヒンジ部H2を備えた構成とすることができ、かかるヒンジ部H1、H2を折り曲げて使用することができる。このように本実施形態によれば、従来は不可能であった折りたたみ構造を備えた電気光学装置を実現することができる。
【0041】
また、電気光学装置100では、電気光学パネル10a〜10cの枚数を容易に増減させることができるため、多種多様化するパネルサイズの要求に容易に対応でき、しかも安価に提供することが可能である。
【0042】
また、イネーブル配線(141a〜143a等)を装置への搭載後に切断可能とした電気光学パネル10は、電気光学装置100の製造時及び修理時に汎用部品として用いることができるため、例えば複数の電気光学パネル10a〜10cのうち1枚のパネルのみが故障した場合にも、故障した1枚のみを汎用の電気光学パネル10に交換し、不要なイネーブル配線を切断すればよい。このように本発明の電気光学装置100では、不良発生時に容易かつ安価にパネル交換を行うことが可能である。
【0043】
(第1変形例)
上記実施の形態では、フレキシブル支持基板101によって電気光学パネル10a、10b、10cと制御基板30とを支持し、フレキシブル支持基板101とフレキシブル配線基板151〜153とによりヒンジ部H1〜H3が形成される構成としたが、かかる構成について種々の変更を加えることが可能である。
例えば、フレキシブル支持基板101を省略し、フレキシブル配線基板151〜153によってヒンジ部H1〜H3を構成することも可能である。この場合に、図1のように小さいフレキシブル配線基板151〜153を用いると電気光学パネル10a〜10cを安定に支持するのが困難になるため、フレキシブル配線基板151〜153を電気光学パネル10a〜10cの長辺にわたって延在する細長い矩形状のものとすることが好ましい。また、電気光学パネル10a〜10cの受信端子121や送信端子122がフレキシブル支持基板101側に形成されている場合には、フレキシブル支持基板101を、制御基板30及び電気光学パネル10a〜10c間を接続する配線基板として用いてもよい。
【0044】
(第2変形例)
また、電気光学パネル10における受信端子群111や送信端子群112の形態も先の実施形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。例えば、図7(a)に示す電気光学パネル10Aや、図7(b)に示す電気光学パネル10Bも電気光学装置100を構成するパネルとして用いることができる。
【0045】
電気光学パネル10Aは、図2に示した電気光学パネル10の受信端子群111及び送信端子群112に代えて、素子基板11の短辺に沿う位置に形成された受信端子群113及び送信端子群114を備えた構成である。受信端子群113は、走査線駆動回路14近傍の短辺端に形成された複数の受信端子123を有しており、送信端子群114は、受信端子群113が形成された短辺とは反対側の短辺端に形成された複数の送信端子124を有する。
【0046】
電気光学パネル10Aにおいても、素子基板11の角部11Aから受信端子群113までの長さと、角部11Cから送信端子群114までの長さは同等に設定されている。これにより、複数の電気光学パネル10Aを長辺方向(図示左右方向)に配列したときに、隣り合う電気光学パネル10A間で受信端子群113と送信端子群114とがほぼ正対して配置され、これらの端子群同士の電気的接続を容易に行うことができる。
【0047】
次に、図7(b)に示す電気光学パネル10Bは、素子基板11の2つの長辺に各々形成された受信端子群111(第1の受信端子群)及び送信端子群112(第1の送信端子群)と、素子基板11の2つの短辺に各々形成された受信端子群113(第2の受信端子群)及び送信端子群114(第2の送信端子群)とを備えている。
【0048】
第1の受信端子群111及び第1の送信端子群112は、図2に示した電気光学パネル10の受信端子群111及び送信端子群112と同様の構成である。また、第2の受信端子群113及び第2の送信端子群114は、図7(a)に示した受信端子群113及び送信端子群114と同様の構成である。
【0049】
電気光学パネル10Bは、表示部12の四方に受信端子群111、113及び送信端子群112、114が設けられているため、図8に示すように、電気光学パネル10Bが縦横に配置された電気光学装置100Aを構成することができる。
【0050】
図8に示す電気光学装置100Aは、制御基板30と、8枚の電気光学パネル10B(10B1〜10B8)を備えている。制御基板30と8枚の電気光学パネル10B1〜10B8は、フレキシブル配線基板161〜167及びフレキシブル配線基板171〜174を介して、隣り合って配置された構成要素同士が接続されている。
【0051】
より詳しくは、制御基板30の送信端子群31と電気光学パネル10B1の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板161を介して接続されている。電気光学パネル10B1の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B2の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板162を介して接続されている。電気光学パネル10B2の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B3の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板163を介して接続されている。電気光学パネル10B4の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B2の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板164を介して接続されている。
【0052】
電気光学パネル10B5の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B6の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板165を介して接続されている。電気光学パネル10B6の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B7の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板166を介して接続されている。電気光学パネル10B7の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B8の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板167を介して接続されている。
【0053】
また、電気光学パネル10Bの長辺方向に隣り合う電気光学パネル10B同士は、フレキシブル配線基板171〜174を介して接続されている。
具体的に、電気光学パネル10B1の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B5の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板171を介して接続されている。電気光学パネル10B2の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B6の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板172を介して接続されている。電気光学パネル10B3の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B7の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板173を介して接続されている。電気光学パネル10B4の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B8の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板174を介して接続されている。
【0054】
上記構成を備えた電気光学装置100Aにおいても、先の実施形態と同様に、送信端子群31に含まれる複数のイネーブル端子と電気光学パネル10B1〜10B8とが一対一に対応して接続されている。そして、制御基板30の制御部130からイネーブル信号と画像信号等とを組み合わせて出力させることで、任意の電気光学パネル10B1〜10B8を選択的に動作させ、当該電気光学パネルに所望の画像を表示させることができる。
【0055】
また電気光学装置100Aにおいても、制御基板30及び電気光学パネル10B1〜10B8間を接続するフレキシブル配線基板161〜167、171〜174が可撓性を有しているため、これらの部材の接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部となり、折りたたみ可能な構造とされている。
また電気光学パネル10Bは、電気光学装置100Aにおける汎用部品として使用することができ、電気光学装置100Aの製造時及び修理時に、任意の位置の電気光学パネル10B1〜10B8として用いることができる。
【0056】
(電気光学パネルの具体例)
ここで、本発明に係る電気光学パネル10の複数の具体的構成例について、図9を参照しつつ説明する。なお、変形例に係る電気光学パネル10A、10Bは、受信端子群や送信端子群の構成が異なるのみであるから、以下に説明する各構成を当然に採用することができる。
【0057】
<電気泳動表示パネル>
図9(a)は、本発明の電気光学パネルの一例である電気泳動表示パネルを示す断面図である。
電気泳動表示パネルEPDは、素子基板11と対向基板20との間に、電気泳動素子35(電気光学物質層25)を挟持してなる構成を備えている。
【0058】
素子基板11は、ガラスやプラスチックからなる基板本体Pと、基板本体P上に配列形成された画素電極9とを有する。図示は省略したが、基板本体P上には画素電極9に接続された選択トランジスタTRsやキャパシタC1が形成されている。さらに本実施形態の場合、データ線駆動回路13や走査線駆動回路14、パネル制御回路15、受信端子群111、送信端子群112等も基板本体P上に形成されている。
【0059】
対向基板20は、ガラスやプラスチックからなる透明基板21と、透明基板21上に形成されたITO等の透明導電膜からなる共通電極22とを備えている。電気泳動素子35は、共通電極22上に平面的に配列された複数のマイクロカプセル26と、マイクロカプセル26を共通電極22上に固着させるバインダー36とを有する。マイクロカプセル26は、球状の壁膜の内部に、例えば白色粒子と黒色粒子と分散媒とを封入した構成である。そして、電気泳動素子35と素子基板11とが、接着剤層37を介して接着されている。
【0060】
なお、電気泳動素子35は、あらかじめ対向基板20側に形成され、接着剤層37までを含めた電気泳動シートとして取り扱われるのが一般的である。製造工程において、電気泳動シートは接着剤層37の表面に保護用の剥離シートが貼り付けられた状態で取り扱われる。そして、別途製造された素子基板11に対して、剥離シートを剥がした当該電気泳動シートを貼り付けることによって、表示部を形成する。このため、接着剤層37は電気泳動素子35の画素電極9側のみに存在することになる。
【0061】
<有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル>
図9(b)は、本発明の電気光学パネルの一例である有機ELパネルを示す断面図である。
有機ELパネルOLEDは、素子基板11上に、画素電極9毎に領域を区画する隔壁46と、隔壁46に囲まれた画素電極9上の領域に形成された有機機能層47(電気光学物質層25)と、有機機能層47及び隔壁46を覆って形成された共通電極48と、接着剤層49と、封止基板50と、を備えている。
【0062】
隔壁46は無機絶縁膜又は有機絶縁膜、あるいはこれらを積層した絶縁膜からなり、画素電極9上に形成される有機機能層47同士を区画する機能を奏する。有機絶縁膜としては、例えば光硬化性のアクリル樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができ、無機絶縁膜としてはシリコン酸化物、シリコン窒化物等を用いることができる。
【0063】
有機機能層47は、少なくとも有機発光層を含んでおり、典型的には、画素電極9側から順に、正孔注入層と、有機発光層とを積層した構成である。正孔注入層には、例えばPEDOT/PSSなどの導電性高分子材料を用いることができる。有機発光層は、その形成材料の違いにより、それぞれ赤色光、緑色光、青色光を射出可能に構成され、赤、緑、青の3色の光によりフルカラー表示の1画素が構成される。
正孔注入層と有機発光層との間にさらに正孔輸送層を形成してもよい。あるいは、白色の有機発光層とカラーフィルターとによりカラー表示する方式であってもよい。
【0064】
共通電極48は、複数の有機機能層47上にわたって形成されており、例えば陰極層と共振層とを積層した構成である。
陰極層は仕事関数の低い(例えば5eV以下)材料を用いて形成され、例えばカルシウムやマグネシウム、ナトリウム、ストロンチウム、バリウム、リチウム、あるいはこれらの化合物であるフッ化カルシウム等の金属フッ化物や酸化リチウム等の金属酸化物、アセチルアセトナトカルシウム等の有機金属錯体等を用いることができる。
共振層は金属材料からなる層であり、例えばマグネシウム銀の共蒸着膜を用いることができる。マグネシウムと銀との共蒸着比率は例えば体積比で10:1である。共振層は、有機機能層47から発せられた光の一部を反射し一部を透過する半透過膜である。共振層は、素子基板11上に形成された光反射性の画素電極9との間で光を共振させる光共振構造を構成し、画素電極9の光反射面と共振層との間の光学的距離に対応した共振条件を満たす光のみが増幅されて取り出される。
【0065】
接着剤層49は、例えばエポキシ樹脂等の透明樹脂からなり、ガラスやプラスチックからなる透明基板である封止基板50を素子基板11に固着させるとともに、有機機能層47への水分等の侵入を防止する機能を奏する。なお、共通電極48と接着剤層49との間に、シリコン酸化物やシリコン窒化物、シリコン酸化窒化物からなる無機絶縁膜を形成してもよい。
【0066】
<液晶パネル>
図9(c)は、本発明の電気光学パネルの一例である液晶パネルを示す断面図である。
液晶パネルLCDは、素子基板11と、対向基板40との間に、液晶層55(電気光学物質層25)を挟持した構成を備えている。
対向基板40は、ガラスやプラスチック等からなる透明基板51と、透明基板51の液晶層55側に順に形成された共通電極52及び配向膜53とを有する。また、素子基板11の画素電極9上にも配向膜54が形成されている。
【0067】
液晶装置の構成としては、公知のアクティブマトリクス型液晶装置の任意の構成が適用できる。例えば、液晶の配向形態としてはTN型、VAN型、STN型、強誘電型、反強誘電型等の種々の公知の形態が採用できる。また、素子基板11及び対向基板40のいずれかにカラーフィルタを配置してカラー表示パネルとしてもよい。さらに、素子基板11上に反射膜を形成して反射型の液晶装置を構成してもよく、この反射膜に開口部やスリット等の透光部を形成して、半透過反射型の液晶装置を構成してもよい。
【0068】
(電子機器)
次に、本発明に係る電気光学装置を備えた電子機器の実施の形態について、図10から図15を参照して説明する。
図10及び図11は、電気光学装置100を表示装置として搭載したUSBメモリ500の斜視図であり、図10は電気光学装置100を折りたたんだ状態、図11は電気光学装置100を広げた状態を示す図である。また図12は、図11に示す状態におけるUSBメモリ500の平面図である。
【0069】
USBメモリ500は、メモリ本体部501と、メモリ本体部501の長手方向の端部に設けられたUSBコネクター502とを備えており、メモリ本体部501の一側面に電気光学装置100が装着されている。
電気光学装置100の構成は、図1を参照して説明した先の実施形態と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。ただし、制御基板30には、USBメモリ500の全体を総合的に制御するUSB制御部510が設けられており、USB制御部510は電気光学パネル10a〜10cとメモリ本体部501の双方に接続されている。
【0070】
USBメモリ500において、メモリ本体部501と電気光学装置100はほぼ同等の長さ(図10に示す長さL)であり、電気光学装置100の制御基板30と電気光学パネル10a〜10cは、いずれもメモリ本体部501の一側面とほぼ同等の寸法を有している。そして、メモリ本体部501の側面に制御基板30が装着されるとともに、制御基板30と電気光学パネル10aとの接続部分のヒンジ部H1が、メモリ本体部501の側面の角部に沿って配置されている。
【0071】
上記の構成により、ヒンジ部H1〜H3を折り曲げることで、電気光学パネル10a〜10cを制御基板30上に折りたたんで配置することができる。これにより本実施形態のUSBメモリ500は、図10に示すコンパクトな形態と図11及び図12に示す電気光学パネル10a〜10cの表示部12a〜12cを視認可能な状態との間を自在に移行可能に構成されている。
【0072】
次に、図13は、USBメモリ500の機能ブロック図である。
図13に示すようにUSBメモリ500は、USB制御部510と、表示制御部511と、外部接続部512と、データ格納部513と、表示情報格納部514とを備えている。電気光学パネル10a〜10cは、USB制御部510に接続された表示制御部511と接続されている。
USB制御部510は、USBメモリ500の全体を総合的に制御するものとされ、USB制御部510に接続された表示制御部511、外部接続部512、データ格納部513、及び表示情報格納部514の駆動制御を行う。
【0073】
表示制御部511は、先の実施形態の制御部130に相当するディスプレイコントローラーであり、USB制御部510の制御のもとで、電気光学パネル10a〜10cへの画像表示動作を実行する。具体的に、表示制御部511から出力されるイネーブル信号に基づいて電気光学パネル10a〜10cの選択的な有効化が行われ、有効化された電気光学パネル10a〜10cに対して画像信号等が供給される。
【0074】
外部接続部512は、USBコネクター502を介して接続されるPC(パーソナルコンピューター)等の外部機器とのインターフェース部であり、USB制御部510は外部接続部512を介して外部機器とのデータ等の送受信を実行する。
データ格納部513は、フラッシュメモリ等からなるUSBメモリ500の主記憶部であり、PC等から入力されるデータを記憶する。一方、表示情報格納部514は、フラッシュメモリ等からなる記憶部であるが、USBメモリ単体でファイル情報等の表示を行うための文字情報や画像情報が格納されている。
【0075】
次に、図14及び図15を参照して本実施形態のUSBメモリ500の動作について説明する。
図14はUSBメモリ500において、表示部12a〜12cに図15に示すようなデータ情報を表示させる動作のフローチャートである。図15は、電気光学装置100の表示部12a〜12cに画像(文字情報)を表示させた状態を示す説明図である。
【0076】
図14にフローを示す動作は、PC等の外部機器からデータ(フォルダ又はファイル)が入力されたときに、表示部12a〜12cにデータ情報(フォルダ名、ファイル名)を表示させるファイル情報表示動作である。したがって、図14に示す動作の前提として、USBメモリ500はPC等の外部機器に接続されている。以下、上記データ情報表示動作について詳細に説明する。
【0077】
まず、ステップST11において、USB制御部510は、外部接続部512(USBコネクター502)を介してPC等から入力されるデータ(フォルダ又はファイル)を受け取る。その後、ステップST12において、USB制御部510は、受け取ったファイルを主記憶部であるデータ格納部513に格納する。
【0078】
データ格納部513へのデータの格納が終了したならば、ステップST13において、入力されたデータがフォルダであるかファイルであるかが判定される。判定の結果、入力データがフォルダである場合にはステップST14に移行し、入力データがファイルである場合にはステップST16に移行する。
【0079】
まず、入力データがフォルダである場合には、ステップST14において、当該フォルダに格納されているフォルダの名称(フォルダ名)やファイルの名称(ファイル名)に関する情報が取得される。取得されたデータ情報(フォルダ名及びファイル名)は、ステップST15において表示情報格納部514に格納される。このとき、表示情報格納部514にすでにデータ情報が格納されている場合には、USB制御部510はステップST14で取得したデータ情報を、古いデータ情報に対して追加する動作を行う。その後、ステップST18以降の情報表示動作に移行する。
【0080】
一方、入力データがファイルである場合には、ステップST16において、入力データのファイル名が取得される。取得されたデータ情報(ファイル名)は、続くステップST17において表示情報格納部514に格納される。このとき、表示情報格納部514にすでにデータ情報が格納されている場合に、古いデータ情報へのファイル名の追加を行う点は、ステップST15の場合と同様である。その後、ステップST18以降の情報表示動作に移行する。
【0081】
なお、図14に示す動作フローには含まれないが、USBメモリ500のデータ格納部513においてファイルやフォルダの削除が行われた場合には、USB制御部510は削除対象のデータのフォルダ名やファイル名を、表示情報格納部514のデータ情報から削除する動作を実行する。つまり、表示情報格納部514には、常に、データ格納部513に格納されたデータに関するフォルダ構造を含めた情報が格納される。
【0082】
次に、ステップST18に移行すると、USB制御部510は、表示情報格納部514からデータ情報(表示情報)を読み出す。そして、続くステップST19において、表示制御部511に対して電気光学パネル10a〜10cへの画像表示命令を出力する。またUSB制御部510は、表示情報格納部514から取得した表示情報を表示制御部511に供給する。
その後、ステップST20において、表示情報の入力を受けた表示制御部511は、表示情報の画像サイズ等に応じて動作させる電気光学パネル10a〜10cを選択し、選択した電気光学パネル10a〜10cに対して表示情報の一部又は全部を画像信号として供給する。これにより、図15に示すように、データ格納部513に格納されているフォルダ及びファイルの情報が、電気光学装置100の表示部12a〜12cに表示される。
【0083】
本実施形態の場合、図15に示すように、表示部12cに3つのファイル名が表示される一方、表示部12bにフォルダとそのフォルダ内のファイル名が表示されている。ここで、USB制御部510により表示情報格納部514から読み出される表示情報は、表示部12cに表示された情報(文字データ又は画像データ)と表示部12bに表示された情報(文字データ又は画像データ)とが連結された情報であり、1つの表示部12cでは表示しきれない大きさである。そこで、表示制御部511は入力された表示情報を表示部12a〜12cの表示可能範囲に合わせて分割し、分割した表示情報をそれぞれの表示部12a〜12cに振り分ける。
【0084】
なお、図14に示したフローでは、PC等からデータが入力されたときに表示部12a〜12cにデータ情報(フォルダ名、ファイル名)を表示させる場合について説明したが、USBメモリ500は、PC等に接続するのみで表示動作を行わせるように構成することもできる。この場合には、USBメモリ500をPC等に接続したときに、図14に示したステップST18〜ST20が実行されるようにすればよい。
【0085】
以上、詳細に説明したように、本実施形態のUSBメモリ500によれば、メモリ内に格納されているフォルダ名やファイル名のデータ情報を電気光学装置100に表示させることができるため、従来のUSBメモリと比較して大きく使い勝手が改善されたものとなる。
より詳しくは、従来のUSBメモリでは、メモリ内に格納されているファイルの名称等はコンピューターに接続しない限り読み取ることはできなかった。また、ファイル名もコンピューターの画面上にしか表示されないため、ファイル名を確認するためのコンピューター操作が必要であった。これに対して、本実施形態のUSBメモリ500では、コンピューターに接続するのみで内部に格納されたファイル名を電気光学装置100に表示させることができ、コンピューター操作を行うことなく簡便にファイル情報を取得することができる。
【0086】
また、メモリ本体部501の一側面と同等の大きさの電気光学パネル10a〜10cを備えた電気光学装置100を装着していることで、電気光学パネル10a〜10cを折りたたんだときに非常にコンパクトな形態とすることができ、また電気光学パネル10a〜10cを広げることで十分な情報量の表示が可能な表示部を展開することができる。
【0087】
(変形例)
上記実施形態のUSBメモリ500は、PC等からデータが入力されたときやPC等に接続したときにファイル名等のデータ情報が表示される構成であった。その一方で、セキュリティ上の理由からデータ情報の表示が制限される用途も想定される。このような場合には、USBメモリ500にパスワード判定機能等のセキュリティ機能を付加すればよい。以下、図16から図18を参照して、セキュリティ機能を備えたUSBメモリの実施形態について説明する。
【0088】
図16は、パスワードによるセキュリティ機能を備えたUSBメモリ500Aの機能ブロック図である。
USBメモリ500Aは、USB制御部510Aと、表示制御部511と、外部接続部512と、データ格納部513と、表示情報格納部514と、パスワード格納部515とを備えている。先の実施形態のUSBメモリ500に対して、パスワード格納部515が追加されている。
USB制御部510Aは、図13に示したUSB制御部510と同様の機能に加え、表示制限機能とそれを設定及び解除するパスワード判定機能とを備えている。
【0089】
図17は、USBメモリ500Aとともに用いるセキュリティ解除機器を示す図である。図18は、図17に示すセキュリティ解除機器1000の機能ブロック図である。
【0090】
図17に示すセキュリティ解除機器1000は、筐体1001と、操作部1002と、表示部1003と、USBコネクター1004とを備えている。操作部1002は、「0」〜「9」の数字キー1005と、「Enter」が記されたエンターキー1006とを含む。表示部1003は、任意の文字や数字、画像を表示可能に構成されており、操作部1002の操作により入力された桁数を確認するための伏字「*」等や、セキュリティ解除機器1000のステータス、操作ガイド等が表示される。USBコネクター1004にはUSBメモリ500AのUSBコネクタが接続される。
【0091】
図18に機能ブロックを示すように、セキュリティ解除機器1000は、機器制御部1010と、表示制御部1011と、入力I/F部1012と、データ格納部1013と、USB接続部1014とを備えている。機器制御部1010は、セキュリティ解除機器1000を総合的に制御するものであり、操作部1002を介した数字入力機能やUSBメモリ500Aとの通信機能、表示部1003への各種情報の表示機能等の動作を制御する。
【0092】
入力I/F部1012は、操作部1002と接続されたキー入力インターフェースであり、操作部1002が操作されたときに各キーに対応する信号を機器制御部1010に出力する。
表示制御部1011は表示部1003と接続されたディスプレイコントローラーであり、機器制御部1010から出力される表示命令に従って表示部1003を駆動し、機器制御部1010から供給される画像データに基づく画像を表示させる。
データ格納部1013は、セキュリティ解除機器1000の主記憶部であり、表示部1003に表示させるステータス情報や操作ガイド情報などを保持している。
USB接続部1014は、USBコネクター1004と接続されたUSBインターフェース部であり、図示のように、USBメモリ500Aと接続される。
【0093】
図19は、USBメモリ500Aとセキュリティ解除機器1000とを接続した状態を示す説明図である。図20は、セキュリティ解除機器1000を用いたUSBメモリ500Aのセキュリティ解除動作を示す説明図である。
図17に示すセキュリティ解除機器1000を用いてUSBメモリ500Aのセキュリティを解除し、データ情報を表示させるには、まず、図19に示すように、セキュリティ解除機器1000のUSBコネクター1004にUSBメモリ500AのUSBコネクタを接続する。これにより、セキュリティ解除機器1000からUSBメモリ500Aに電力が供給され、USBメモリ500Aが電源オン状態となる。
【0094】
このとき、USBメモリ500Aの表示部12a〜12cには、何も表示されないか、あるいはパスワード入力を促す操作ガイド等が表示される。
また、セキュリティ解除機器1000の表示部1003には、USBメモリ500Aが接続され、パスワード入力待ちの状態であることを示すステータス表示や、パスワード入力を促す操作ガイド等が表示される。
【0095】
そして、図20に示すセキュリティ解除機器のステップST101において、ユーザーが操作部1002の数字キー1005を操作することによりパスワード入力が実行される。このとき、セキュリティ解除機器1000の表示部1003には、入力されたパスワードの桁数に応じた伏字「*」等が表示され、パスワード入力が受け付けられていることをユーザーに報知する。
【0096】
その後、ステップST102においてユーザーによりエンターキー1006が押下されると、セキュリティ解除機器1000のUSB接続部1014からUSBメモリ500Aの外部接続部512にパスワードを含むデータが送信される。
そうすると、USBメモリ500AのステップST201において、USBメモリ500AのUSB制御部510Aが、外部接続部512を介してパスワードを含むデータを受け取る。受け取ったデータは、USB制御部510Aに設けられた一時記憶領域に保持される。
その後、ステップST202において、パスワードの照合動作が成される。USB制御部510Aはパスワード格納部515から解除用のパスワードを読み取り、セキュリティ解除機器1000から入力されたパスワードと比較する。
【0097】
そして、ステップST203において、パスワードが一致していることが確認されると、USB制御部510Aは表示情報格納部514からデータ情報を読み取り、表示命令とともに表示制御部511に出力する。表示制御部511は、受け取ったデータ情報に基づいて表示部12a〜12cにデータ情報(データ格納部513内に格納されたフォルダやファイルの情報)を表示させる。
なお、パスワードが一致しない場合には、データ情報の表示は成されない。その際に、単に処理を終了してもよく、パスワードが不一致であったことを、表示部12a〜12cやセキュリティ解除機器1000の表示部1003への文字表示や、音によりユーザーに報知してもよい。
【0098】
なお、以上の変形例では、セキュリティ解除機器1000を用いてUSBメモリ500Aのセキュリティ解除を行うこととしたが、USBメモリ500Aのセキュリティ解除は、専用機器を用いる場合に限定されない。例えば、PC用のセキュリティ解除ソフトウェアを用いる構成としてもよい。
【0099】
以上に説明した変形例によれば、USBメモリ500Aにセキュリティ機能が備えられているので、不用意にファイル情報が表示されてしまうのを防止することができ、USBメモリ500A内の情報表示が制限されるような用途にも安全に用いることができる。
また、図18に示したセキュリティ解除機器1000等を用いる場合には、USBメモリ500AをPC等に接続することなく内部の情報を確認することができ、データを持ち出す際の利便性と安全性とを向上させることができる。
【符号の説明】
【0100】
100,100A 電気光学装置、10,10a,10b,10c 電気光学パネル、12,12a,12b,12c 表示部、15,15a,15b,15c パネル制御回路(制御回路)、19 画素、30 制御基板、31,112 送信端子群、101 フレキシブル支持基板、111 受信端子群、121,123 受信端子、122,124 送信端子、130 制御部、151,152,153 フレキシブル配線基板、155 接続配線、500,500A USBメモリ(電子機器)、1000 セキュリティ解除機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気泳動表示装置(電子ペーパー)等の電気光学装置を構成するTFTアレイ基板としては、ガラス基板上に半導体素子を形成したものが一般的に用いられ、フレキシブル性を有する電気光学装置を構成する場合には、プラスチック基板やステンレス基板などが用いられていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−178706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、プラスチック基板などの可撓性基板を用いたとしても、電気光学装置を湾曲させて丸めることはできるが、折りたたむことまでは不可能であった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、折りたたみ構造を備えた電気光学装置、及び電子機器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる複数の電気光学パネルと、少なくとも1つの前記電気光学パネルと接続された制御部とをフレキシブル基板を介して接続してなり、各々の前記電気光学パネルに送信端子と受信端子とが設けられており、前記制御部の出力信号が、前記送信端子と前記受信端子とを介して前記電気光学パネル間で受け渡されることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、各々の電気光学パネルと制御部とをフレキシブル基板を介して接続していることから、電気光学パネル同士の接続部分、及び電気光学パネルと制御部との接続部分のフレキシブル基板を折り曲げ可能のヒンジ部とすることができる。これにより、折りたたみ可能な構造を備えた電気光学装置とすることができる。さらに、制御部の出力信号は電気光学パネル間で受け渡されるため、制御部と複数の電気光学パネルとの接続形態を自在に設定することができる。
【0008】
前記送信端子と前記受信端子とがフレキシブル配線基板を介して接続されていることが好ましい。
この構成によれば、電気光学パネル同士の電気的接続構造により折りたたみ構造の可動範囲が制限されることがない。
【0009】
複数の前記電気光学パネルを支持するフレキシブル支持基板を有することが好ましい。
この構成によれば、フレキシブル支持基板により複数の電気光学パネルを支持するため、電気光学パネル同士を両パネルに架設された小サイズのフレキシブル基板で支持する場合と比較して信頼性に優れた折りたたみ構造を実現できる。
【0010】
複数の前記電気光学パネルが向きを揃えて一方向に配列されており、隣り合って配置された前記電気光学パネルのうち一方の前記電気光学パネルの辺縁に前記送信端子が設けられ、他方の前記電気光学パネルの前記辺縁と対向する辺縁に前記受信端子が設けられている構成としてもよい。
この構成によれば、電気光学パネル同士の電気的接続を容易に行えるとともに、接続部分の省スペース化も実現できる。
【0011】
前記電気光学パネルの隣接する2つの辺縁にそれぞれ前記送信端子が設けられ、他の2つの辺縁にそれぞれ前記受信端子が設けられている構成としてもよい。
このような構成とすれば、電気光学パネル同士を縦横に接続することができるため、電気光学パネルを行方向及び列方向にマトリクス状に配列し、大型の電気光学装置を構成することができる。
【0012】
各々の前記電気光学パネルに、画像を表示させる表示部と、前記表示部を駆動するとともに前記受信端子と接続された駆動回路とが設けられていることが好ましい。
この構成によれば、個々の電気光学パネルに表示部を駆動する駆動回路を備えているので、制御部と電気光学パネル、及び電気光学パネル同士を接続する配線数を減らすことができる。
【0013】
各々の前記電気光学パネルに、複数の前記受信端子と、各々の前記受信端子と前記駆動回路とを接続する複数の配線とが設けられ、複数の前記配線のうち少なくとも1本の前記配線が電気的に切断されている構成とすることもできる。
このような構成とすれば、上記の複数の配線が切断されていない電気光学パネルを用意することで、電気光学装置の任意の位置の電気光学パネルと置き換えて用いることができる。これにより、電気光学パネルを電気光学装置の製造及び修理の双方で用いる汎用部品とすることができる。
【0014】
各々の前記電気光学パネルに、前記受信端子と前記送信端子とを接続するとともに前記駆動回路と接続された配線を有することが好ましい。
このような構成とすることで、互いに接続された電気光学パネル間で信号を受け渡し、各々の電気光学パネルの駆動回路に対して制御部の出力信号を供給することができる。
【0015】
本発明の電子機器は、先に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、折りたたみ可能な表示手段を具備した電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電気光学装置の一実施の形態を示す(a)平面図、及び(b)側面図。
【図2】実施形態に係る電気光学パネルの平面図。
【図3】電気光学パネルの要部の詳細を示す部分平面図。
【図4】画素の一構成例を示す図
【図5】隣り合う電気光学パネル間の接続部を拡大して示す図。
【図6】電気光学パネルの配線構造を示す説明図。
【図7】変形例に係る電気光学パネルを示す図。
【図8】変形例に係る電気光学装置を示す図。
【図9】電気光学パネルの複数の具体的構成例を示す図。
【図10】実施形態に係るUSBメモリを示す斜視図。
【図11】実施形態に係るUSBメモリを示す斜視図。
【図12】実施形態に係るUSBメモリを示す平面図。
【図13】実施形態に係るUSBメモリの機能ブロック図
【図14】USBメモリの動作を示すフローチャート。
【図15】USBメモリの動作説明図。
【図16】セキュリティ機能を備えたUSBメモリの機能ブロック図。
【図17】セキュリティ解除機器を示す斜視図。
【図18】セキュリティ解除機器の機能ブロック図。
【図19】セキュリティ解除機器及びUSBメモリの使用方法を示す説明図。
【図20】セキュリティ解除機器及びUSBメモリの動作フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の電気光学装置の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造に対して縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0018】
(電気光学装置)
図1は、本発明に係る電気光学装置の一実施の形態を示す(a)平面図、及び(b)側面図である。図2は、実施形態に係る電気光学パネルの平面図である。
図1に示す電気光学装置100は、3枚の電気光学パネル10a、10b、10cと、制御基板30とを備えて構成されている。電気光学パネル10a、10b、10c及び制御基板30は、可撓性フィルム等からなるフレキシブル支持基板101の一面側に接着されている。また、隣り合って配置された制御基板30と電気光学パネル10aはフレキシブル配線基板151を介して接続されている。電気光学パネル10a、10bはフレキシブル配線基板152を介して接続されている。電気光学パネル10b、10cはフレキシブル配線基板153を介して接続されている。
【0019】
上記構成により、電気光学装置100は、制御基板30と電気光学パネル10aとの接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部H1とされ、電気光学パネル10aと電気光学パネル10bとの接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部H2とされ、電気光学パネル10bと電気光学パネル10cとの接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部H3とされている。
【0020】
制御基板30は、電気光学パネル10a、10b、10cを駆動制御する制御部130と、制御部130と図示略の配線を介して接続された送信端子群31とを備えている。送信端子群31は、図1では詳細を省略しているが、制御基板30の辺縁に沿って配列された複数の送信端子を含んで構成される。
【0021】
電気光学パネル10a、10b、10cは、いずれも図2に示す電気光学パネル10を用いて構成されている。図2に示すように、電気光学パネル10は、矩形状の素子基板11上に、矩形状の表示部12と、表示部12の一辺に沿って配置されたデータ線駆動回路13と、表示部12の他の一辺に沿って配置された走査線駆動回路14と、パネル制御回路15と、受信端子群111と、送信端子群112とが形成された構成を備えている。
【0022】
なお、図1に示す電気光学パネル10a、10b、10cでは、各構成要素に、「a」「b」「c」の添字を付した符号(素子基板11a、11b、11c、表示部12a、12b、12cなど)を用いた。これにより、各構成要素と電気光学パネル10の構成要素(素子基板11、表示部12、受信端子群111、送信端子群112など)との対応関係を明確にするとともに、それらが属する電気光学パネルも明確にした。
【0023】
受信端子群111は素子基板11の長辺のうち一方の長辺に沿った位置に形成され、複数の受信端子121を上記長辺に沿って配列してなる構成を備える。一方、送信端子群112は、受信端子群111が形成された長辺と対向する他の長辺に形成されている。送信端子群112は、複数の送信端子122を長辺に沿って配列してなる構成を備えている。
【0024】
また本実施形態の場合、素子基板11の長辺に設けられた受信端子群111と送信端子群112とが、短辺方向において対向するように配置されている。すなわち、図2におけるパネル制御回路15近傍の角部11Aから受信端子群111までの長さと、送信端子群112近傍の角部11Bから送信端子群112までの長さとがほぼ同等である。
【0025】
このような構成とされていることで、図1に示すように、電気光学パネル10a、10bを並べて配置したときに、電気光学パネル10aの送信端子群112aと、電気光学パネル10bの受信端子群111bとが対向配置され、これら送信端子群112aと受信端子群111bとを接続するフレキシブル配線基板152として簡素な構造で長さも短いものを用いることができる。これにより、フレキシブル配線基板を用いた接続を行いやすくなる。
【0026】
ここで図3は、電気光学パネルの要部の詳細を示す部分平面図である。
図3に示すように、電気光学パネル10の表示部12には、互いに交差する方向に延びる複数のデータ線16と複数の走査線18とが形成されており、データ線16と走査線18とが交差する位置に対応して画素19が形成されている。複数のデータ線16はデータ線駆動回路13に接続され、複数の走査線18は走査線駆動回路14に接続されている。
【0027】
データ線駆動回路13と走査線駆動回路14はパネル制御回路15に接続されている。パネル制御回路15は、受信端子群111と送信端子群112とを接続する配線131に接続されており、受信端子群111を介して他の電気光学パネル10又は制御基板30と接続される。パネル制御回路15は、上位装置から入力される制御信号に基づいてデータ線駆動回路13及び走査線駆動回路14を駆動し、表示部12に配列された画素19に画像データに基づく画像信号を入力することで画像表示を行う。
【0028】
また電気光学パネル10では、受信端子群111の1つの受信端子121と、送信端子群112の1つの送信端子122とが、配線131を介して接続されている。そして、複数の配線131のうち、一部の配線131がパネル制御回路15と接続されている。この構成により、図1に示したように電気光学パネル10a、10b、10cを、フレキシブル配線基板152、153を介して相互に接続したときに、制御基板30の送信端子群31から出力される信号を、電気光学パネル10a、10bを経由して電気光学パネル10cにまで伝達させることができる。すなわち、本実施形態の電気光学パネル10は、制御部130から出力される信号を受信端子群111を介して受け取り、受け取った上記信号を送信端子群112から出力する。このようにして、互いに接続された電気光学パネル10間で制御部130から出力された信号が受け渡される。
【0029】
図4は、画素19の一構成例を示す図である。図4に示す画素19は、1T1C(1トランジスタ1キャパシタ)方式の画素回路であり、選択トランジスタTRsと、キャパシタC1と、画素電極9と、電気光学物質層25と、共通電極22とを備えている。選択トランジスタTRsのゲートに走査線18が接続され、ソースにデータ線16が接続されている。選択トランジスタTRsのドレインには、キャパシタC1の一方の電極と画素電極9とが接続されている。画素電極9と共通電極22との間に電気光学物質層25が挟持されている。キャパシタC1の他方の電極は、走査線18に沿って延びる容量線17と接続されている。
【0030】
図3に示した走査線駆動回路14は、走査線18を介して画素19に選択トランジスタTRsをオン状態とする選択信号を入力する。一方、データ線駆動回路13は、上記選択信号の入力により選択トランジスタTRsがオン状態とされている期間に、データ線16に画像信号を供給する。これにより、選択トランジスタTRsを介してキャパシタC1に画像信号が入力され、画素電極9が画像信号に応じた電位に設定される。その後、選択トランジスタTRsがオフ状態に移行すると、キャパシタC1に蓄積されたエネルギーにより画素電極9の電位が保持され、画素電極9と共通電極22との電位差に基づいて電気光学物質層25が駆動される。
【0031】
図5(a)は、電気光学パネル10aと電気光学パネル10bとの接続部を拡大して示す部分平面図である。図5(b)は、図5(a)のA−A線に沿う位置の断面図である。なお、フレキシブル支持基板101の図示は省略している。
図5に示すように、電気光学パネル10aの送信端子群112aと、電気光学パネル10bの受信端子群111bとは、フレキシブル配線基板152を介して接続されている。フレキシブル配線基板152の一方の面には、接続配線155が送信端子群112a及び受信端子群111bに対応するピッチで配列形成されている。そして、フレキシブル配線基板152はACP(異方性導電ペースト)やACF(異方性導電フィルム)などの導電性接着材を介して送信端子群112a及び受信端子群111bに接続されている。図示のように、接続配線155と受信端子121及び送信端子122とは、それらの間に金属粒子や金属フィラー等の導電材61を介在させた状態で接着され、導電材61を介して電気的に接続されている。
【0032】
次に、図6は、電気光学パネル10a〜10cの配線構造を示す説明図である。なお、図6には説明に必要な配線構造のみが示されている。
図6に示すように、制御基板30の制御部130は、配線134を介して送信端子群31に含まれるイネーブル端子135a〜135cに接続されている。イネーブル端子135a〜135cは、接続配線155を介して、電気光学パネル10aの対応する受信端子121(受信端子群111a)に接続されている。
【0033】
電気光学パネル10aにおいて、受信端子121は、配線131aを介して、対応する送信端子122(送信端子群112a)に接続されている。図示された3本の配線131aには、それぞれイネーブル配線141a、142a、143aが接続されているが、図にX印を付して示すように、イネーブル配線142aとイネーブル配線143aはレーザーリペア法などを用いて切断されている。したがって、電気光学パネル10aでは、イネーブル配線141aと接続された配線131aのみがパネル制御回路15aと接続されている。電気光学パネル10aの送信端子122は、接続配線155を介して、電気光学パネル10bの対応する受信端子121(受信端子群111b)に接続されている。
【0034】
電気光学パネル10bにおいて、受信端子121は、配線131bを介して、対応する送信端子122(送信端子群112b)に接続されている。図示された3本の配線131bには、それぞれイネーブル配線141b、142b、143bが接続されているが、図にX印を付して示すように、イネーブル配線141bとイネーブル配線143bはレーザーリペア法などを用いて切断されている。したがって、電気光学パネル10bでは、イネーブル配線142bと接続された配線131bのみがパネル制御回路15bと接続されている。電気光学パネル10bの送信端子122は、接続配線155を介して、電気光学パネル10cの対応する受信端子121(受信端子群111c)に接続されている。
【0035】
電気光学パネル10cにおいて、受信端子121は、配線131cを介して、対応する送信端子122(送信端子群112c)に接続されている。図示された3本の配線131cには、それぞれイネーブル配線141c、142c、143cが接続されているが、図にX印を付して示すように、イネーブル配線141cとイネーブル配線142cはレーザーリペア法などを用いて切断されている。したがって、電気光学パネル10cでは、イネーブル配線143cと接続された配線131cのみがパネル制御回路15cと接続されている。
【0036】
上記構成により、制御基板30のイネーブル端子135aには、電気光学パネル10aのパネル制御回路15aのみが接続されている。また、イネーブル端子135bには、電気光学パネル10bのパネル制御回路15bのみが接続され、イネーブル端子135cには、電気光学パネル10cのパネル制御回路15cのみが接続されている。これにより、制御部130は、イネーブル端子135a、135b、135cを介して電気光学パネル10a、10b、10cに選択的に制御信号(イネーブル信号)を出力することができ、任意のパネルを選択的に動作させることができる。
【0037】
なお、電気光学装置100に搭載される前の電気光学パネル10aでは、イネーブル配線141a、142a、143aはいずれも切断されていない状態である。つまり、電気光学装置100の汎用部品としての電気光学パネル10は、電気光学パネル10a、10b、10cのいずれに対しても置き換え可能に構成されており、電気光学装置100に搭載する際に、制御基板30からの相対位置に応じて不要なイネーブル配線を切断する。このような構成により、電気光学装置100の製造時及び修理時の双方において、共通の構成の電気光学パネル10を汎用的に使用することができる。
【0038】
なお、電気光学パネル10a〜10cに画像信号や各種タイミング信号を伝送する配線については、上記イネーブル配線のように一部が切断されたものではなく、全ての電気光学パネル10a〜10c間で相互に接続された配線とされる。つまり、制御部130と接続された1本の配線に対して、電気光学パネル10a〜10cのパネル制御回路15a〜15cが接続される。上記の配線構造により、制御基板30の送信端子から出力された画像信号やタイミング信号が、電気光学パネル10aを中継して電気光学パネル10bへ伝達され、さらに電気光学パネル10bから電気光学パネル10cへ伝達される。
【0039】
上記構成を備えた本実施形態の電気光学装置100では、各々が走査線駆動回路14及びデータ線駆動回路13を備えた電気光学パネル10(10a〜10c)を連結することにより大型の表示部を構成している。そして、上述したように制御部130から任意の電気光学パネル10a〜10cに対してイネーブル信号を出力し任意の電気光学パネル10a〜10cを選択的に有効化することで、制御部130から出力された画像信号やタイミング信号を特定のパネルにのみ有効な信号とすることができるので、所望の電気光学パネル10a〜10cに対して所望の画像を表示させることができる。
【0040】
以上詳細に説明したように、本実施形態の電気光学装置100では、図1及び図5に示したように、電気光学パネル10a〜10c及び制御基板30がフレキシブル支持基板101により支持され、さらに電気光学パネル10a、10b等の電気的接続にもフレキシブル配線基板152(151,153)が用いられている。これにより、制御基板30と電気光学パネル10aとの接続部分にヒンジ部H1や、電気光学パネル10aと電気光学パネル10bとの接続部分にヒンジ部H2を備えた構成とすることができ、かかるヒンジ部H1、H2を折り曲げて使用することができる。このように本実施形態によれば、従来は不可能であった折りたたみ構造を備えた電気光学装置を実現することができる。
【0041】
また、電気光学装置100では、電気光学パネル10a〜10cの枚数を容易に増減させることができるため、多種多様化するパネルサイズの要求に容易に対応でき、しかも安価に提供することが可能である。
【0042】
また、イネーブル配線(141a〜143a等)を装置への搭載後に切断可能とした電気光学パネル10は、電気光学装置100の製造時及び修理時に汎用部品として用いることができるため、例えば複数の電気光学パネル10a〜10cのうち1枚のパネルのみが故障した場合にも、故障した1枚のみを汎用の電気光学パネル10に交換し、不要なイネーブル配線を切断すればよい。このように本発明の電気光学装置100では、不良発生時に容易かつ安価にパネル交換を行うことが可能である。
【0043】
(第1変形例)
上記実施の形態では、フレキシブル支持基板101によって電気光学パネル10a、10b、10cと制御基板30とを支持し、フレキシブル支持基板101とフレキシブル配線基板151〜153とによりヒンジ部H1〜H3が形成される構成としたが、かかる構成について種々の変更を加えることが可能である。
例えば、フレキシブル支持基板101を省略し、フレキシブル配線基板151〜153によってヒンジ部H1〜H3を構成することも可能である。この場合に、図1のように小さいフレキシブル配線基板151〜153を用いると電気光学パネル10a〜10cを安定に支持するのが困難になるため、フレキシブル配線基板151〜153を電気光学パネル10a〜10cの長辺にわたって延在する細長い矩形状のものとすることが好ましい。また、電気光学パネル10a〜10cの受信端子121や送信端子122がフレキシブル支持基板101側に形成されている場合には、フレキシブル支持基板101を、制御基板30及び電気光学パネル10a〜10c間を接続する配線基板として用いてもよい。
【0044】
(第2変形例)
また、電気光学パネル10における受信端子群111や送信端子群112の形態も先の実施形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。例えば、図7(a)に示す電気光学パネル10Aや、図7(b)に示す電気光学パネル10Bも電気光学装置100を構成するパネルとして用いることができる。
【0045】
電気光学パネル10Aは、図2に示した電気光学パネル10の受信端子群111及び送信端子群112に代えて、素子基板11の短辺に沿う位置に形成された受信端子群113及び送信端子群114を備えた構成である。受信端子群113は、走査線駆動回路14近傍の短辺端に形成された複数の受信端子123を有しており、送信端子群114は、受信端子群113が形成された短辺とは反対側の短辺端に形成された複数の送信端子124を有する。
【0046】
電気光学パネル10Aにおいても、素子基板11の角部11Aから受信端子群113までの長さと、角部11Cから送信端子群114までの長さは同等に設定されている。これにより、複数の電気光学パネル10Aを長辺方向(図示左右方向)に配列したときに、隣り合う電気光学パネル10A間で受信端子群113と送信端子群114とがほぼ正対して配置され、これらの端子群同士の電気的接続を容易に行うことができる。
【0047】
次に、図7(b)に示す電気光学パネル10Bは、素子基板11の2つの長辺に各々形成された受信端子群111(第1の受信端子群)及び送信端子群112(第1の送信端子群)と、素子基板11の2つの短辺に各々形成された受信端子群113(第2の受信端子群)及び送信端子群114(第2の送信端子群)とを備えている。
【0048】
第1の受信端子群111及び第1の送信端子群112は、図2に示した電気光学パネル10の受信端子群111及び送信端子群112と同様の構成である。また、第2の受信端子群113及び第2の送信端子群114は、図7(a)に示した受信端子群113及び送信端子群114と同様の構成である。
【0049】
電気光学パネル10Bは、表示部12の四方に受信端子群111、113及び送信端子群112、114が設けられているため、図8に示すように、電気光学パネル10Bが縦横に配置された電気光学装置100Aを構成することができる。
【0050】
図8に示す電気光学装置100Aは、制御基板30と、8枚の電気光学パネル10B(10B1〜10B8)を備えている。制御基板30と8枚の電気光学パネル10B1〜10B8は、フレキシブル配線基板161〜167及びフレキシブル配線基板171〜174を介して、隣り合って配置された構成要素同士が接続されている。
【0051】
より詳しくは、制御基板30の送信端子群31と電気光学パネル10B1の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板161を介して接続されている。電気光学パネル10B1の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B2の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板162を介して接続されている。電気光学パネル10B2の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B3の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板163を介して接続されている。電気光学パネル10B4の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B2の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板164を介して接続されている。
【0052】
電気光学パネル10B5の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B6の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板165を介して接続されている。電気光学パネル10B6の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B7の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板166を介して接続されている。電気光学パネル10B7の第1の送信端子群112と電気光学パネル10B8の第1の受信端子群111とがフレキシブル配線基板167を介して接続されている。
【0053】
また、電気光学パネル10Bの長辺方向に隣り合う電気光学パネル10B同士は、フレキシブル配線基板171〜174を介して接続されている。
具体的に、電気光学パネル10B1の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B5の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板171を介して接続されている。電気光学パネル10B2の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B6の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板172を介して接続されている。電気光学パネル10B3の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B7の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板173を介して接続されている。電気光学パネル10B4の第2の送信端子群114と電気光学パネル10B8の第2の受信端子群113とがフレキシブル配線基板174を介して接続されている。
【0054】
上記構成を備えた電気光学装置100Aにおいても、先の実施形態と同様に、送信端子群31に含まれる複数のイネーブル端子と電気光学パネル10B1〜10B8とが一対一に対応して接続されている。そして、制御基板30の制御部130からイネーブル信号と画像信号等とを組み合わせて出力させることで、任意の電気光学パネル10B1〜10B8を選択的に動作させ、当該電気光学パネルに所望の画像を表示させることができる。
【0055】
また電気光学装置100Aにおいても、制御基板30及び電気光学パネル10B1〜10B8間を接続するフレキシブル配線基板161〜167、171〜174が可撓性を有しているため、これらの部材の接続部分が折り曲げ可能のヒンジ部となり、折りたたみ可能な構造とされている。
また電気光学パネル10Bは、電気光学装置100Aにおける汎用部品として使用することができ、電気光学装置100Aの製造時及び修理時に、任意の位置の電気光学パネル10B1〜10B8として用いることができる。
【0056】
(電気光学パネルの具体例)
ここで、本発明に係る電気光学パネル10の複数の具体的構成例について、図9を参照しつつ説明する。なお、変形例に係る電気光学パネル10A、10Bは、受信端子群や送信端子群の構成が異なるのみであるから、以下に説明する各構成を当然に採用することができる。
【0057】
<電気泳動表示パネル>
図9(a)は、本発明の電気光学パネルの一例である電気泳動表示パネルを示す断面図である。
電気泳動表示パネルEPDは、素子基板11と対向基板20との間に、電気泳動素子35(電気光学物質層25)を挟持してなる構成を備えている。
【0058】
素子基板11は、ガラスやプラスチックからなる基板本体Pと、基板本体P上に配列形成された画素電極9とを有する。図示は省略したが、基板本体P上には画素電極9に接続された選択トランジスタTRsやキャパシタC1が形成されている。さらに本実施形態の場合、データ線駆動回路13や走査線駆動回路14、パネル制御回路15、受信端子群111、送信端子群112等も基板本体P上に形成されている。
【0059】
対向基板20は、ガラスやプラスチックからなる透明基板21と、透明基板21上に形成されたITO等の透明導電膜からなる共通電極22とを備えている。電気泳動素子35は、共通電極22上に平面的に配列された複数のマイクロカプセル26と、マイクロカプセル26を共通電極22上に固着させるバインダー36とを有する。マイクロカプセル26は、球状の壁膜の内部に、例えば白色粒子と黒色粒子と分散媒とを封入した構成である。そして、電気泳動素子35と素子基板11とが、接着剤層37を介して接着されている。
【0060】
なお、電気泳動素子35は、あらかじめ対向基板20側に形成され、接着剤層37までを含めた電気泳動シートとして取り扱われるのが一般的である。製造工程において、電気泳動シートは接着剤層37の表面に保護用の剥離シートが貼り付けられた状態で取り扱われる。そして、別途製造された素子基板11に対して、剥離シートを剥がした当該電気泳動シートを貼り付けることによって、表示部を形成する。このため、接着剤層37は電気泳動素子35の画素電極9側のみに存在することになる。
【0061】
<有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル>
図9(b)は、本発明の電気光学パネルの一例である有機ELパネルを示す断面図である。
有機ELパネルOLEDは、素子基板11上に、画素電極9毎に領域を区画する隔壁46と、隔壁46に囲まれた画素電極9上の領域に形成された有機機能層47(電気光学物質層25)と、有機機能層47及び隔壁46を覆って形成された共通電極48と、接着剤層49と、封止基板50と、を備えている。
【0062】
隔壁46は無機絶縁膜又は有機絶縁膜、あるいはこれらを積層した絶縁膜からなり、画素電極9上に形成される有機機能層47同士を区画する機能を奏する。有機絶縁膜としては、例えば光硬化性のアクリル樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができ、無機絶縁膜としてはシリコン酸化物、シリコン窒化物等を用いることができる。
【0063】
有機機能層47は、少なくとも有機発光層を含んでおり、典型的には、画素電極9側から順に、正孔注入層と、有機発光層とを積層した構成である。正孔注入層には、例えばPEDOT/PSSなどの導電性高分子材料を用いることができる。有機発光層は、その形成材料の違いにより、それぞれ赤色光、緑色光、青色光を射出可能に構成され、赤、緑、青の3色の光によりフルカラー表示の1画素が構成される。
正孔注入層と有機発光層との間にさらに正孔輸送層を形成してもよい。あるいは、白色の有機発光層とカラーフィルターとによりカラー表示する方式であってもよい。
【0064】
共通電極48は、複数の有機機能層47上にわたって形成されており、例えば陰極層と共振層とを積層した構成である。
陰極層は仕事関数の低い(例えば5eV以下)材料を用いて形成され、例えばカルシウムやマグネシウム、ナトリウム、ストロンチウム、バリウム、リチウム、あるいはこれらの化合物であるフッ化カルシウム等の金属フッ化物や酸化リチウム等の金属酸化物、アセチルアセトナトカルシウム等の有機金属錯体等を用いることができる。
共振層は金属材料からなる層であり、例えばマグネシウム銀の共蒸着膜を用いることができる。マグネシウムと銀との共蒸着比率は例えば体積比で10:1である。共振層は、有機機能層47から発せられた光の一部を反射し一部を透過する半透過膜である。共振層は、素子基板11上に形成された光反射性の画素電極9との間で光を共振させる光共振構造を構成し、画素電極9の光反射面と共振層との間の光学的距離に対応した共振条件を満たす光のみが増幅されて取り出される。
【0065】
接着剤層49は、例えばエポキシ樹脂等の透明樹脂からなり、ガラスやプラスチックからなる透明基板である封止基板50を素子基板11に固着させるとともに、有機機能層47への水分等の侵入を防止する機能を奏する。なお、共通電極48と接着剤層49との間に、シリコン酸化物やシリコン窒化物、シリコン酸化窒化物からなる無機絶縁膜を形成してもよい。
【0066】
<液晶パネル>
図9(c)は、本発明の電気光学パネルの一例である液晶パネルを示す断面図である。
液晶パネルLCDは、素子基板11と、対向基板40との間に、液晶層55(電気光学物質層25)を挟持した構成を備えている。
対向基板40は、ガラスやプラスチック等からなる透明基板51と、透明基板51の液晶層55側に順に形成された共通電極52及び配向膜53とを有する。また、素子基板11の画素電極9上にも配向膜54が形成されている。
【0067】
液晶装置の構成としては、公知のアクティブマトリクス型液晶装置の任意の構成が適用できる。例えば、液晶の配向形態としてはTN型、VAN型、STN型、強誘電型、反強誘電型等の種々の公知の形態が採用できる。また、素子基板11及び対向基板40のいずれかにカラーフィルタを配置してカラー表示パネルとしてもよい。さらに、素子基板11上に反射膜を形成して反射型の液晶装置を構成してもよく、この反射膜に開口部やスリット等の透光部を形成して、半透過反射型の液晶装置を構成してもよい。
【0068】
(電子機器)
次に、本発明に係る電気光学装置を備えた電子機器の実施の形態について、図10から図15を参照して説明する。
図10及び図11は、電気光学装置100を表示装置として搭載したUSBメモリ500の斜視図であり、図10は電気光学装置100を折りたたんだ状態、図11は電気光学装置100を広げた状態を示す図である。また図12は、図11に示す状態におけるUSBメモリ500の平面図である。
【0069】
USBメモリ500は、メモリ本体部501と、メモリ本体部501の長手方向の端部に設けられたUSBコネクター502とを備えており、メモリ本体部501の一側面に電気光学装置100が装着されている。
電気光学装置100の構成は、図1を参照して説明した先の実施形態と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。ただし、制御基板30には、USBメモリ500の全体を総合的に制御するUSB制御部510が設けられており、USB制御部510は電気光学パネル10a〜10cとメモリ本体部501の双方に接続されている。
【0070】
USBメモリ500において、メモリ本体部501と電気光学装置100はほぼ同等の長さ(図10に示す長さL)であり、電気光学装置100の制御基板30と電気光学パネル10a〜10cは、いずれもメモリ本体部501の一側面とほぼ同等の寸法を有している。そして、メモリ本体部501の側面に制御基板30が装着されるとともに、制御基板30と電気光学パネル10aとの接続部分のヒンジ部H1が、メモリ本体部501の側面の角部に沿って配置されている。
【0071】
上記の構成により、ヒンジ部H1〜H3を折り曲げることで、電気光学パネル10a〜10cを制御基板30上に折りたたんで配置することができる。これにより本実施形態のUSBメモリ500は、図10に示すコンパクトな形態と図11及び図12に示す電気光学パネル10a〜10cの表示部12a〜12cを視認可能な状態との間を自在に移行可能に構成されている。
【0072】
次に、図13は、USBメモリ500の機能ブロック図である。
図13に示すようにUSBメモリ500は、USB制御部510と、表示制御部511と、外部接続部512と、データ格納部513と、表示情報格納部514とを備えている。電気光学パネル10a〜10cは、USB制御部510に接続された表示制御部511と接続されている。
USB制御部510は、USBメモリ500の全体を総合的に制御するものとされ、USB制御部510に接続された表示制御部511、外部接続部512、データ格納部513、及び表示情報格納部514の駆動制御を行う。
【0073】
表示制御部511は、先の実施形態の制御部130に相当するディスプレイコントローラーであり、USB制御部510の制御のもとで、電気光学パネル10a〜10cへの画像表示動作を実行する。具体的に、表示制御部511から出力されるイネーブル信号に基づいて電気光学パネル10a〜10cの選択的な有効化が行われ、有効化された電気光学パネル10a〜10cに対して画像信号等が供給される。
【0074】
外部接続部512は、USBコネクター502を介して接続されるPC(パーソナルコンピューター)等の外部機器とのインターフェース部であり、USB制御部510は外部接続部512を介して外部機器とのデータ等の送受信を実行する。
データ格納部513は、フラッシュメモリ等からなるUSBメモリ500の主記憶部であり、PC等から入力されるデータを記憶する。一方、表示情報格納部514は、フラッシュメモリ等からなる記憶部であるが、USBメモリ単体でファイル情報等の表示を行うための文字情報や画像情報が格納されている。
【0075】
次に、図14及び図15を参照して本実施形態のUSBメモリ500の動作について説明する。
図14はUSBメモリ500において、表示部12a〜12cに図15に示すようなデータ情報を表示させる動作のフローチャートである。図15は、電気光学装置100の表示部12a〜12cに画像(文字情報)を表示させた状態を示す説明図である。
【0076】
図14にフローを示す動作は、PC等の外部機器からデータ(フォルダ又はファイル)が入力されたときに、表示部12a〜12cにデータ情報(フォルダ名、ファイル名)を表示させるファイル情報表示動作である。したがって、図14に示す動作の前提として、USBメモリ500はPC等の外部機器に接続されている。以下、上記データ情報表示動作について詳細に説明する。
【0077】
まず、ステップST11において、USB制御部510は、外部接続部512(USBコネクター502)を介してPC等から入力されるデータ(フォルダ又はファイル)を受け取る。その後、ステップST12において、USB制御部510は、受け取ったファイルを主記憶部であるデータ格納部513に格納する。
【0078】
データ格納部513へのデータの格納が終了したならば、ステップST13において、入力されたデータがフォルダであるかファイルであるかが判定される。判定の結果、入力データがフォルダである場合にはステップST14に移行し、入力データがファイルである場合にはステップST16に移行する。
【0079】
まず、入力データがフォルダである場合には、ステップST14において、当該フォルダに格納されているフォルダの名称(フォルダ名)やファイルの名称(ファイル名)に関する情報が取得される。取得されたデータ情報(フォルダ名及びファイル名)は、ステップST15において表示情報格納部514に格納される。このとき、表示情報格納部514にすでにデータ情報が格納されている場合には、USB制御部510はステップST14で取得したデータ情報を、古いデータ情報に対して追加する動作を行う。その後、ステップST18以降の情報表示動作に移行する。
【0080】
一方、入力データがファイルである場合には、ステップST16において、入力データのファイル名が取得される。取得されたデータ情報(ファイル名)は、続くステップST17において表示情報格納部514に格納される。このとき、表示情報格納部514にすでにデータ情報が格納されている場合に、古いデータ情報へのファイル名の追加を行う点は、ステップST15の場合と同様である。その後、ステップST18以降の情報表示動作に移行する。
【0081】
なお、図14に示す動作フローには含まれないが、USBメモリ500のデータ格納部513においてファイルやフォルダの削除が行われた場合には、USB制御部510は削除対象のデータのフォルダ名やファイル名を、表示情報格納部514のデータ情報から削除する動作を実行する。つまり、表示情報格納部514には、常に、データ格納部513に格納されたデータに関するフォルダ構造を含めた情報が格納される。
【0082】
次に、ステップST18に移行すると、USB制御部510は、表示情報格納部514からデータ情報(表示情報)を読み出す。そして、続くステップST19において、表示制御部511に対して電気光学パネル10a〜10cへの画像表示命令を出力する。またUSB制御部510は、表示情報格納部514から取得した表示情報を表示制御部511に供給する。
その後、ステップST20において、表示情報の入力を受けた表示制御部511は、表示情報の画像サイズ等に応じて動作させる電気光学パネル10a〜10cを選択し、選択した電気光学パネル10a〜10cに対して表示情報の一部又は全部を画像信号として供給する。これにより、図15に示すように、データ格納部513に格納されているフォルダ及びファイルの情報が、電気光学装置100の表示部12a〜12cに表示される。
【0083】
本実施形態の場合、図15に示すように、表示部12cに3つのファイル名が表示される一方、表示部12bにフォルダとそのフォルダ内のファイル名が表示されている。ここで、USB制御部510により表示情報格納部514から読み出される表示情報は、表示部12cに表示された情報(文字データ又は画像データ)と表示部12bに表示された情報(文字データ又は画像データ)とが連結された情報であり、1つの表示部12cでは表示しきれない大きさである。そこで、表示制御部511は入力された表示情報を表示部12a〜12cの表示可能範囲に合わせて分割し、分割した表示情報をそれぞれの表示部12a〜12cに振り分ける。
【0084】
なお、図14に示したフローでは、PC等からデータが入力されたときに表示部12a〜12cにデータ情報(フォルダ名、ファイル名)を表示させる場合について説明したが、USBメモリ500は、PC等に接続するのみで表示動作を行わせるように構成することもできる。この場合には、USBメモリ500をPC等に接続したときに、図14に示したステップST18〜ST20が実行されるようにすればよい。
【0085】
以上、詳細に説明したように、本実施形態のUSBメモリ500によれば、メモリ内に格納されているフォルダ名やファイル名のデータ情報を電気光学装置100に表示させることができるため、従来のUSBメモリと比較して大きく使い勝手が改善されたものとなる。
より詳しくは、従来のUSBメモリでは、メモリ内に格納されているファイルの名称等はコンピューターに接続しない限り読み取ることはできなかった。また、ファイル名もコンピューターの画面上にしか表示されないため、ファイル名を確認するためのコンピューター操作が必要であった。これに対して、本実施形態のUSBメモリ500では、コンピューターに接続するのみで内部に格納されたファイル名を電気光学装置100に表示させることができ、コンピューター操作を行うことなく簡便にファイル情報を取得することができる。
【0086】
また、メモリ本体部501の一側面と同等の大きさの電気光学パネル10a〜10cを備えた電気光学装置100を装着していることで、電気光学パネル10a〜10cを折りたたんだときに非常にコンパクトな形態とすることができ、また電気光学パネル10a〜10cを広げることで十分な情報量の表示が可能な表示部を展開することができる。
【0087】
(変形例)
上記実施形態のUSBメモリ500は、PC等からデータが入力されたときやPC等に接続したときにファイル名等のデータ情報が表示される構成であった。その一方で、セキュリティ上の理由からデータ情報の表示が制限される用途も想定される。このような場合には、USBメモリ500にパスワード判定機能等のセキュリティ機能を付加すればよい。以下、図16から図18を参照して、セキュリティ機能を備えたUSBメモリの実施形態について説明する。
【0088】
図16は、パスワードによるセキュリティ機能を備えたUSBメモリ500Aの機能ブロック図である。
USBメモリ500Aは、USB制御部510Aと、表示制御部511と、外部接続部512と、データ格納部513と、表示情報格納部514と、パスワード格納部515とを備えている。先の実施形態のUSBメモリ500に対して、パスワード格納部515が追加されている。
USB制御部510Aは、図13に示したUSB制御部510と同様の機能に加え、表示制限機能とそれを設定及び解除するパスワード判定機能とを備えている。
【0089】
図17は、USBメモリ500Aとともに用いるセキュリティ解除機器を示す図である。図18は、図17に示すセキュリティ解除機器1000の機能ブロック図である。
【0090】
図17に示すセキュリティ解除機器1000は、筐体1001と、操作部1002と、表示部1003と、USBコネクター1004とを備えている。操作部1002は、「0」〜「9」の数字キー1005と、「Enter」が記されたエンターキー1006とを含む。表示部1003は、任意の文字や数字、画像を表示可能に構成されており、操作部1002の操作により入力された桁数を確認するための伏字「*」等や、セキュリティ解除機器1000のステータス、操作ガイド等が表示される。USBコネクター1004にはUSBメモリ500AのUSBコネクタが接続される。
【0091】
図18に機能ブロックを示すように、セキュリティ解除機器1000は、機器制御部1010と、表示制御部1011と、入力I/F部1012と、データ格納部1013と、USB接続部1014とを備えている。機器制御部1010は、セキュリティ解除機器1000を総合的に制御するものであり、操作部1002を介した数字入力機能やUSBメモリ500Aとの通信機能、表示部1003への各種情報の表示機能等の動作を制御する。
【0092】
入力I/F部1012は、操作部1002と接続されたキー入力インターフェースであり、操作部1002が操作されたときに各キーに対応する信号を機器制御部1010に出力する。
表示制御部1011は表示部1003と接続されたディスプレイコントローラーであり、機器制御部1010から出力される表示命令に従って表示部1003を駆動し、機器制御部1010から供給される画像データに基づく画像を表示させる。
データ格納部1013は、セキュリティ解除機器1000の主記憶部であり、表示部1003に表示させるステータス情報や操作ガイド情報などを保持している。
USB接続部1014は、USBコネクター1004と接続されたUSBインターフェース部であり、図示のように、USBメモリ500Aと接続される。
【0093】
図19は、USBメモリ500Aとセキュリティ解除機器1000とを接続した状態を示す説明図である。図20は、セキュリティ解除機器1000を用いたUSBメモリ500Aのセキュリティ解除動作を示す説明図である。
図17に示すセキュリティ解除機器1000を用いてUSBメモリ500Aのセキュリティを解除し、データ情報を表示させるには、まず、図19に示すように、セキュリティ解除機器1000のUSBコネクター1004にUSBメモリ500AのUSBコネクタを接続する。これにより、セキュリティ解除機器1000からUSBメモリ500Aに電力が供給され、USBメモリ500Aが電源オン状態となる。
【0094】
このとき、USBメモリ500Aの表示部12a〜12cには、何も表示されないか、あるいはパスワード入力を促す操作ガイド等が表示される。
また、セキュリティ解除機器1000の表示部1003には、USBメモリ500Aが接続され、パスワード入力待ちの状態であることを示すステータス表示や、パスワード入力を促す操作ガイド等が表示される。
【0095】
そして、図20に示すセキュリティ解除機器のステップST101において、ユーザーが操作部1002の数字キー1005を操作することによりパスワード入力が実行される。このとき、セキュリティ解除機器1000の表示部1003には、入力されたパスワードの桁数に応じた伏字「*」等が表示され、パスワード入力が受け付けられていることをユーザーに報知する。
【0096】
その後、ステップST102においてユーザーによりエンターキー1006が押下されると、セキュリティ解除機器1000のUSB接続部1014からUSBメモリ500Aの外部接続部512にパスワードを含むデータが送信される。
そうすると、USBメモリ500AのステップST201において、USBメモリ500AのUSB制御部510Aが、外部接続部512を介してパスワードを含むデータを受け取る。受け取ったデータは、USB制御部510Aに設けられた一時記憶領域に保持される。
その後、ステップST202において、パスワードの照合動作が成される。USB制御部510Aはパスワード格納部515から解除用のパスワードを読み取り、セキュリティ解除機器1000から入力されたパスワードと比較する。
【0097】
そして、ステップST203において、パスワードが一致していることが確認されると、USB制御部510Aは表示情報格納部514からデータ情報を読み取り、表示命令とともに表示制御部511に出力する。表示制御部511は、受け取ったデータ情報に基づいて表示部12a〜12cにデータ情報(データ格納部513内に格納されたフォルダやファイルの情報)を表示させる。
なお、パスワードが一致しない場合には、データ情報の表示は成されない。その際に、単に処理を終了してもよく、パスワードが不一致であったことを、表示部12a〜12cやセキュリティ解除機器1000の表示部1003への文字表示や、音によりユーザーに報知してもよい。
【0098】
なお、以上の変形例では、セキュリティ解除機器1000を用いてUSBメモリ500Aのセキュリティ解除を行うこととしたが、USBメモリ500Aのセキュリティ解除は、専用機器を用いる場合に限定されない。例えば、PC用のセキュリティ解除ソフトウェアを用いる構成としてもよい。
【0099】
以上に説明した変形例によれば、USBメモリ500Aにセキュリティ機能が備えられているので、不用意にファイル情報が表示されてしまうのを防止することができ、USBメモリ500A内の情報表示が制限されるような用途にも安全に用いることができる。
また、図18に示したセキュリティ解除機器1000等を用いる場合には、USBメモリ500AをPC等に接続することなく内部の情報を確認することができ、データを持ち出す際の利便性と安全性とを向上させることができる。
【符号の説明】
【0100】
100,100A 電気光学装置、10,10a,10b,10c 電気光学パネル、12,12a,12b,12c 表示部、15,15a,15b,15c パネル制御回路(制御回路)、19 画素、30 制御基板、31,112 送信端子群、101 フレキシブル支持基板、111 受信端子群、121,123 受信端子、122,124 送信端子、130 制御部、151,152,153 フレキシブル配線基板、155 接続配線、500,500A USBメモリ(電子機器)、1000 セキュリティ解除機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる複数の電気光学パネルと、少なくとも1つの前記電気光学パネルと接続された制御部とをフレキシブル基板を介して接続してなり、
各々の前記電気光学パネルに送信端子と受信端子とが設けられており、前記制御部の出力信号が、前記送信端子と前記受信端子とを介して前記電気光学パネル間で受け渡されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記送信端子と前記受信端子とがフレキシブル配線基板を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
複数の前記電気光学パネルを支持するフレキシブル支持基板を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
複数の前記電気光学パネルが向きを揃えて一方向に配列されており、
隣り合って配置された前記電気光学パネルのうち一方の前記電気光学パネルの辺縁に前記送信端子が設けられ、他方の前記電気光学パネルの前記辺縁と対向する辺縁に前記受信端子が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記電気光学パネルの隣接する2つの辺縁にそれぞれ前記送信端子が設けられ、他の2つの辺縁にそれぞれ前記受信端子が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
各々の前記電気光学パネルに、画像を表示させる表示部と、前記表示部を駆動するとともに前記受信端子と接続された駆動回路とが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
各々の前記電気光学パネルに、複数の前記受信端子と、各々の前記受信端子と前記駆動回路とを接続する複数の配線とが設けられ、複数の前記配線のうち少なくとも1本の前記配線が電気的に切断されていることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
各々の前記電気光学パネルに、前記受信端子と前記送信端子とを接続するとともに前記駆動回路と接続された配線が設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
一対の基板間に電気光学物質を挟持してなる複数の電気光学パネルと、少なくとも1つの前記電気光学パネルと接続された制御部とをフレキシブル基板を介して接続してなり、
各々の前記電気光学パネルに送信端子と受信端子とが設けられており、前記制御部の出力信号が、前記送信端子と前記受信端子とを介して前記電気光学パネル間で受け渡されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記送信端子と前記受信端子とがフレキシブル配線基板を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
複数の前記電気光学パネルを支持するフレキシブル支持基板を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
複数の前記電気光学パネルが向きを揃えて一方向に配列されており、
隣り合って配置された前記電気光学パネルのうち一方の前記電気光学パネルの辺縁に前記送信端子が設けられ、他方の前記電気光学パネルの前記辺縁と対向する辺縁に前記受信端子が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記電気光学パネルの隣接する2つの辺縁にそれぞれ前記送信端子が設けられ、他の2つの辺縁にそれぞれ前記受信端子が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
各々の前記電気光学パネルに、画像を表示させる表示部と、前記表示部を駆動するとともに前記受信端子と接続された駆動回路とが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
各々の前記電気光学パネルに、複数の前記受信端子と、各々の前記受信端子と前記駆動回路とを接続する複数の配線とが設けられ、複数の前記配線のうち少なくとも1本の前記配線が電気的に切断されていることを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
各々の前記電気光学パネルに、前記受信端子と前記送信端子とを接続するとともに前記駆動回路と接続された配線が設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−150259(P2011−150259A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13521(P2010−13521)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]